JP2017158354A - 永久磁石同期電動機の制御装置および制御方法 - Google Patents

永久磁石同期電動機の制御装置および制御方法 Download PDF

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大地 鈴木
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博之 吉川
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Abstract

【課題】フリーラン状態であるときに再起動が指令された場合における指令から再起動までの応答時間を短縮する。
【解決手段】捲線に流れる電流による回転磁界によって永久磁石を用いた回転子が回転する永久磁石同期電動機の制御において、起動指令が入力されたときに、回転子の回転速度MVを推定し、推定された回転速度MVが所定値Vb以下であってかつ零ではなかった場合に、所定の励磁パターンを用いて回転子を特定の磁極位置に引き込み、引き込んだ特定の磁極位置から回転磁界が生成されるよう捲線に電流を流して回転子を駆動する。
【選択図】図6

Description

本発明は、永久磁石同期電動機の制御装置および制御方法に関する。
一般に、永久磁石同期電動機(PMSM:Permanent Magnet Synchronous Motor)は、捲線を有する固定子と永久磁石を用いた回転子とを有し、捲線に交流電流を流して回転磁界を発生させることにより、回転子をそれに同期して回転させる。
近年、センサレス型の永久磁石同期電動機が広く用いられている。センサレス型は、磁極位置を検出するための磁気センサやエンコーダを有していない。このため、センサレス型の永久磁石同期電動機の駆動には、例えば回転中に固定子の捲線に発生する誘起電圧に基づいて回転子の磁極位置を推定する方法が用いられる。
また、センサレス型の永久磁石同期電動機が停止しているときに回転子の磁極位置を推定する手法として、インダクティブセンシングと呼ばれる方法がある。この方法は、捲線の相間に電圧を印加し、そのときに流れる電流のピーク振幅値を比較することにより磁極位置を推定するものである。この方法によると、回転子がどの回転位置で停止していたとしても、回転子の磁極位置に応じて適切に固定子を励磁して回転を開始させることができる。
センサレス型の永久磁石同期電動機の駆動を停止した後に、磁極位置を推定することなく駆動を再開(再起動)するための先行技術として、特許文献1に記載の技術がある。
特許文献1には、駆動を停止する際に特定の相に通電することによって回転子を常に一定の位置で停止させることが開示されている。
特開2012−165612号公報
センサレス型の永久磁石同期電動機がフリーラン状態であるときに再起動が指令された場合に、一般には、回転が停止する所定時間の経過を待ち、停止した状態でインダクティブセンシングにより磁極位置を推定して駆動を再開する制御が行われる。このため、再起動が指令されてから駆動を再開するまでの応答時間が長い、という問題があった。この問題は、コピー機やプリンタなどの画像形成装置において、ユーザが印刷を指示してから1枚目の印刷が終わるまでの時間の短縮、すなわちFPOT(First Print Output Time) 性能を向上させることを難しくしていた。
上に述べた特許文献1の技術には、停止中も通電を続けて回転子を固定し続ける必要があることから、余分に電力を消費してしまうという問題があった。
本発明は、上述の問題に鑑みてなされたもので、フリーラン状態であるときに再起動が指令された場合における指令から再起動までの応答時間を短縮することを目的とする。
本発明の実施形態に係る制御装置は、捲線に流れる電流による回転磁界によって永久磁石を用いた回転子が回転する永久磁石同期電動機の制御装置であって、前記捲線に電流を流して前記回転子を駆動するための駆動部と、入力された起動指令および停止指令に基づいて前記駆動部の起動および停止を制御するとともに、前記回転磁界が生成されるよう前記駆動部を制御する制御部と、前記起動指令が入力されたときに前記回転子の回転速度を推定する回転速度推定部と、を有し、前記制御部は、前記回転速度推定部により推定された前記回転速度が所定値以下であってかつ零ではなかった場合に、所定の励磁パターンを用いて前記駆動部を制御することによって前記回転子を特定の磁極位置に引き込むホールド制御を行い、引き込んだ前記特定の磁極位置から前記回転子を駆動する前記回転磁界が生成されるよう、前記駆動部を再起動する。
本発明によると、フリーラン状態であるときに再起動が指令された場合における指令から再起動までの応答時間を短縮することができる。
本発明の一実施形態に係るモータ制御装置を備えた画像形成装置の構成の概要を示す図である。 ブラシレスモータの構成を模式的に示す図である。 モータ制御装置の機能的構成の一例を示す図である。 モータ制御装置におけるモータ駆動部および電流検出部の構成を示す図である。 ショートブレーキ制御による電流ループを示す図である。 駆動の停止から再起動までの回転速度の推移の第1例を示す図である。 磁極位置をホールドするための励磁パターンの例を示す図である。 駆動の停止から再起動までの回転速度の推移の第2例を示す図である。 モータ制御装置におけるモータ制御処理の流れを示す図である。 再起動処理の流れを示す図である。 速度判別処理の第1例の流れを示す図である。 速度判別処理の第2例の流れを示す図である。
図1には本発明の一実施形態に係るモータ制御装置21を備えた画像形成装置1の構成の概要が示され、図2にはブラシレスモータ3の構成が模式的に示されている。
図1において、画像形成装置1は、電子写真式のカラープリンタである。画像形成装置1は4個のイメージングステーション11,12,13,14を有しており、イエロー(Y)、マゼンダ(M)、シアン(C)およびブラック(K)の4色のトナー像を並行して形成する。イメージングステーション11,12,13,14のそれぞれは、筒状の感光体、帯電チャージャ、現像器、クリーナ、および露光用の光源などを有している。
4色のトナー像は中間転写ベルト16に一次転写され、用紙カセット10から給紙ローラ15によって引き出されて搬送されてきた用紙9に二次転写される。二次転写の後、用紙9は定着器17の内部を通って上部の排紙トレイ18へ送り出される。定着器17を通過するとき、加熱および加圧によってトナー像が用紙9に定着する。
画像形成装置1では、定着器17、中間転写ベルト16、給紙ローラ15、感光体、および現像器を回転駆動する駆動源として、ブラシレスモータ3が用いられている。
図2(A)において、ブラシレスモータ3は、センサレス型の永久磁石同期電動機(PMSM:Permanent Magnet Synchronous Motor)である。ブラシレスモータ3は、回転磁界を発生させる固定子31と、永久磁石を用いた回転子32とを備えている。固定子31は、Y結線された3つの捲線(コイル)33,34,35を有している。U相、V相およびW相の3相交流電流を捲線33〜35に流してコア36,37,38を順に励磁することによって回転磁界が生じる。回転子32は、この回転磁界によって同期して回転する。

図2に示す例では回転子32の磁極数は2である。以下において、回転子32のS極およびN極のうちの黒丸で示すS極の回転位置を、回転子32の磁極位置PSということがある。図2(B)に示すように、ここでの例では回転子32は右方向に回転し、固定子31のU相、V相、W相の各相のコア36は、右回転方向に120°間隔で配置されている。
なお、回転子32の磁極数は2に限らず、4、6またはそれ以上の多極であってもよい。また、回転子32は、アウター式でもよく、インナー式でもよい。
図3にはモータ制御装置21の機能的構成の一例が、図4にはモータ制御装置21におけるモータ駆動部26および電流検出部27の構成が、図5にはショートブレーキ制御による電流ループR1が、それぞれ示されている。
図3のように、モータ制御装置21は、モータ駆動部26、電流検出部27、回転速度制御部22、および駆動制御部23を有している。
モータ駆動部26は、ブラシレスモータ3の捲線33〜35に電流を流して回転子32を駆動するためのインバータ回路である。図4のように、モータ駆動部26は、3つのデュアル素子261,262,263、およびプリドライブ回路265などから構成される。各デュアル素子261,262,263は、特性の揃った2つのトランジスタ(例えば、電界効果トランジスタ:FET)を直列接続してパッケージに収めた回路部品である。
デュアル素子261のトランジスタQ1,Q2によって、捲線33を流れる電流Iuが制御され、デュアル素子262のトランジスタQ3,Q4によって、捲線34を流れる電流Ivが制御される。そして、デュアル素子263のトランジスタQ5,Q6によって、捲線35を流れる電流Iwが制御される。
図4において、プリドライブ回路265は、駆動制御部23から入力される制御信号U+,U−,V+,V−,W+,W−を、各トランジスタQ1〜Q6に適した電圧レベルに変換する。変換後の制御信号U+,U−,V+,V−,W+,W−が、トランジスタQ1〜Q6のベース(ゲート)に入力される。
電流検出部27は、U相電流検出部271およびV相電流検出部272を有する。これらによって捲線33,34に流れる電流Iu,Ivを検出する。Iu+Iv+Iw=0であるので、検出した電流Iu,Ivから計算によって電流Iwを求めることができる。
図3に戻って、回転速度制御部22は、本体制御部20からの通知に応じて、駆動制御部23に対して起動指令および停止指令を与える。例えば、画像形成装置1に対してプリントジョブの入力されたことが通知されたときには起動指令を与え、プリントジョブの完了が通知されたときには停止指令を与える。この他に、回転速度に応じたパルス幅変調(PWM)のためのデューティ比の信号、回転方向を指定する信号、回転速度の目標値を示す速度指令などを駆動制御部23に与える。
駆動制御部23は、回転速度制御部22から入力される指令および信号に基づいて、モータ駆動部26を制御する。例えば、起動指令または停止指令に基づいてモータ駆動部26の起動および停止を制御する。パルス幅変調信号(PWM信号)によってモータ駆動部26のトランジスタQ1〜Q6を制御し、ブラシレスモータ3に回転磁界を生成する。これによってブラシレスモータ3の起動および停止を制御する。
駆動制御部23は、また、停止指令の入力によりモータ駆動部26を停止したことによって回転子32がフリーラン状態であるときに起動指令が入力された場合に、そのときに検出された電流に基づいて推定される回転子32の磁極位置PSおよび回転速度MVに基づいて、回転子32を駆動する回転磁界が生成されるよう、モータ駆動部26を再起動する。
駆動制御部23は、推定部24およびショートブレーキ制御部25を有する。推定部24は、回転速度推定部241および磁極位置推定部242を有している。
推定部24は、モータ駆動部26によるブラシレスモータ3の駆動時において、検出された電流Iu,Ivに基づいて、ベクトル演算などによって磁極位置PSおよび回転速度MVを推定する。
回転速度推定部241は、駆動を停止した後のフリーラン状態または回転が停止している状態において、起動指令(再起動の指令)が駆動制御部23に入力されたときに、回転子32の回転速度MVを推定する。推定は、検出された電流Iu,Ivに基づいて、または駆動の停止によりフリーラン状態が開始されてからの経過時間Tx(図6、8参照)に基づいて行う。
回転速度MVを電流Iu,Ivに基づいて推定する場合には、電流Iu,Ivのそれぞれのゼロクロスポイントを検知する。例えば、電流Iuのゼロクロスポイントは、電流Iuと電流(Iv+Iw)との大小関係が反転するポイントである。ゼロクロスポイントと次のゼロクロスポイントとの間の時間により回転速度MVを算出することができる。複数の相のゼロクロスポイントを用いて推定することにより、単一の相のゼロクロスポイントのみを用いる場合よりも推定の精度を高めることができる。
磁極位置推定部242は、フリーラン状態または回転が停止している状態において、起動指令が駆動制御部23に入力されたときに、検出された電流Iu,Ivに基づいて、回転子32の磁極位置PSを推定する。ゼロクロスポイントと次のゼロクロスポイントとの間における電流Iu,Ivの正負により電流Iu,Ivの位相が分かる。電流Iu,Ivの位相と磁極位置PSとに相関があるので、磁極位置PSが分かる。
駆動制御部23は、回転子32がフリーラン状態であるかまたは停止しているときに起動指令が入力された場合に、そのときに推定される回転子32の磁極位置PSおよび回転速度MVに基づいて、回転子32を駆動するための所定の回転磁界が生成されるようモータ駆動部26を再起動する。
再起動を行うに当たって、推定された回転速度MVが所定値以下であってかつ零ではなかった場合に、所定の励磁パターンを用いてモータ駆動部26を制御することによって回転子32を特定の磁極位置PSに引き込むホールド制御を行う。そして、引き込んだ特定の磁極位置PSから回転子32を駆動する回転磁界が生成されるよう、モータ駆動部26を制御する。
ショートブレーキ制御部25は、ブラシレスモータ3の駆動が停止されたときに、惰性による回転によって捲線33,34に生じた逆起電力による電流ループR1が形成されるようモータ駆動部26を制御する。電流ループR1を形成することにより、電流検出部27による電流Iu,Ivの検出を可能にする。
すなわち、図5のように、捲線33〜35への電流の流し込みを制御するためのトランジスタQ1,Q3,Q5をすべてオフ状態とし、捲線33〜35からの電流の引き込みを制御するためのトランジスタQ2,Q4,Q6をすべてオン状態とする。
電流ループR1となる経路にはシャント抵抗(0.1〜1オーム程度)が挿入接続されているので、電流検出部27は、シャント抵抗による電圧降下を増幅した後にA/D変換して電流Iu,Ivとして検出する。
ブラシレスモータ3の駆動の停止により回転子32はフリーラン状態になる。フリーラン状態とは、回転磁界によらずに惰性で回転している状態である。フリーラン状態には、ショートブレーキ制御によって電流ループR1を形成している状態、すなわち回転エネルギーを発熱により消費させて惰性の回転に対してブレーキをかける状態を含んでいる。
駆動制御部23は、再起動を行うに当たって、停止指令が入力されたときにショートブレーキ制御部25によって電流ループR1を形成させる。そして、電流ループR1において検出される電流Iu,Ivに基づいて推定された磁極位置PSおよび回転速度MVに基づいて、モータ駆動部26を制御する。
駆動制御部23は、再起動を行うに当たって、例えば回転方向における次の磁極位置に引き込む励磁パターンを用いてモータ駆動部26を制御する。
なお、モータ制御装置21のハードウェア構成は任意である。例えば、回転速度制御部22の機能を本体制御部20の機能とともに1つのCPU(Central Processing Unit )に設け、駆動制御部23をASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field-Programmable Gate Array )などの集積回路により実現することができる。または、回転速度制御部22と駆動制御部23とを1つの集積回路により実現してもよい。
以下、フリーラン状態で起動が要求された場合の処理を中心に、モータ制御装置21の機能をさらに説明する。
図6には駆動の停止から再起動までの回転速度MVの推移の第1例が、図7には磁極位置PSをホールドするための励磁パターンの例が、それぞれ示されている。
図6において、時刻t1に回転速度制御部22から駆動制御部23へ停止指令が入力され、時刻t2に駆動制御部23がモータ駆動部26による回転駆動を停止する。図中に破線で示すように、時刻t2からフリーランが始まり、回転速度MVは徐々に低下する。
フリーランが続いている期間内の時刻t3に、駆動制御部23に起動指令(再起動の指令)が入力される。起動指令が入力されると、駆動制御部23は、回転速度MVを推定する。そして、推定した回転速度MVと所定値Vbとを比較する。
なお、所定値Vbは、回転子32がフリーラン状態であるときに捲線33〜35に流れる電流Iu,Iv,Iwに基づいた回転子32の磁極位置PSの推定が可能な値とすることができる。または、このような値に適当なマージンを加えた値としてもよい。
推定した回転速度MVが所定値Vb以下であった場合に、ホールド制御を行う。ホールド制御は、ホールド用の所定の励磁パターンを用いてモータ駆動部26を制御することによって回転子32を特定の磁極位置PSに引き込む処理である。
図7に示すように、本実施形態においては、ホールド用の6つの励磁パターン[ 1] 〜[ 6] がある。これらの励磁パターン[ 1] 〜[ 6] のいずれかを用いて磁極位置PSを強制的に位置決めする。
例えば、特定の磁極位置PSを180°の位置とする場合には、励磁パターン[ 1] を用いる。励磁パターン[ 1] では、図7(A)のようにトランジスタQ1,Q4,Q6をオン状態とし、トランジスタQ2,Q3,Q5をオフ状態とする。これにより、図7(B)の上段左部に示すように、固定子31のU相のコア36がS極に、V相のコア37およびW相のコア38がN極に励磁される。磁極位置PSが180°の位置の付近であるとき、コア36〜38との磁気吸引によって、磁極位置PSは180°の位置に引き込まれてそのままホールドされる。
なお、特定の磁極位置PSは、励磁パターン[ 2] を用いた場合には240°、励磁パターン[ 3] を用いた場合には300°の位置に、励磁パターン[ 4] を用いた場合には0°、励磁パターン[ 5] を用いた場合には60°、励磁パターン[ 6] を用いた場合には120°のそれぞれの位置となる。
図6に戻って、磁極位置PSのホールドが完了した時刻t4から再起動を行う。駆動制御部23は、ホールドされた磁極位置PSに対応して、回転が円滑に始まるような回転駆動用の励磁パターン(電流パターン)を用いてモータ駆動部26を制御する。つまり、例えば励磁パターン[ 1] を用いてホールドした場合に、モータ駆動部26は、180°の位置から時計回りに円滑に回転子32が回転を開始するように捲線33〜35に電流を流す。時刻t4から回り出した回転子32は、その後に目標速度となるように回転速度を増大していく。このようにしてブラシレスモータ3が再起動される。
ホールド制御によって磁極位置PSが確定するので、再起動に際してインダクティブセンシングによって磁極位置PSを推定する必要はない。したがって、起動指令の時刻t3から再起動の時刻t4までの応答時間T1を、従来の応答時間T1zよりも短縮することができる。
従来では、図6に一点鎖線で示すように、フリーランが実際に停止する時刻t5よりも遅い時刻t6からインダクティブセンシングによる磁極位置PSの推定を行い、推定を終えた時刻t7で再起動を行う。このため、応答時間T1zが長い。時刻t5から時刻t6までの期間は、時刻t6を回転が完全に停止している時刻とするために、フリーランの時間が負荷によって増減することを考慮して設定されるマージンである。
なお、回転駆動を停止する時刻t2からホールド制御を開始して特定の磁極位置PSに回転子32を停止させることが考えられる。しかし、その場合には、回転が停止したときにホールドを解除してしまうと、外力によって回転子32が回転してその後に正しく再起動することができなくなるおそれがある。したがって、意図しない回転を防ぐために、回転が停止した後も起動指令が入力されるまでホールドを続ける必要がある。つまり、結果的に起動指令が入力されない場合に長い時間にわたってホールドのための電力を消費し続けることになってしまう。
これに対して、図6の例においては、起動指令が入力されたときにホールド制御を行うので、ホールドのために電力を消費する時間は、起動指令が入力されてからホールドが完了するまでの最小限の期間T1に限られる。つまり、ホールドのための電力の消費を最小限に抑えることができる。
図8には駆動の停止から再起動までの回転速度MVの推移の第2例が示されている。
図8に示すように、時刻t2において駆動が停止し、フリーランが始まる。フリーランが続いている期間内の時刻t32に、起動指令が入力される。駆動制御部23は、例えば電流Iu,Ivを検出して、回転子32の回転速度MVを推定する。そして、推定した回転速度MVと所定値Vbとを比較する。
推定した回転速度MVが所定値Vbを超える値であった場合に、検出した電流Iu,Ivに基づいて回転子32の磁極位置PSを推定する処理を開始する。そして、磁極位置PSを推定した時刻t42において、磁極位置PSに対応して、その時の回転が円滑に継続されるような回転駆動用の励磁パターン(電流パターン)を用いてブラシレスモータ3の駆動を再開する。
図8の例によると、フリーランが停止する以前の時刻t42に再起動するので、起動指令の時刻t32から再起動の時刻t42までの応答時間T2を、フリーランが停止するのを待って再起動する従来の制御による場合の応答時間T2zよりも大幅に短縮することができる。
図9にはモータ制御装置21におけるモータ制御処理の流れが示されている。モータ制御装置21は、本体制御部20から起動を要求する通知が入力されるのを待つ(#11)。
起動を要求する通知が入力されると(#11でYES)、モータ回転制御を開始する(#12)。すなわち、ブラシレスモータ3を起動する。このとき、停止状態の回転子32の磁極位置PSを推定する初期磁極位置推定処理を行う。推定には例えばインダクティブセンシングの手法を用いる。
モータ駆動部26により捲線33〜35に電流を流して回転子32を回転駆動している間は、回転速度MVが目標値となるように速度制御を行う(#13)。本体制御部20から停止を要求する通知が入力されると(#14でYES)、ブラシレスモータ3の駆動を停止する(#15)。これにより回転子32はフリーラン状態になる。
フリーラン状態である期間中またはフリーランが停止した後において起動(再起動)が要求されると(#16でYES)、再起動処理を実行する(#17)。再起動処理においてブラシレスモータ3の駆動を再開すると、ステップ#13へ戻って速度制御を行う。
図10には再起動処理の流れが、図11には速度判別処理の第1例の流れが、図12には速度判別処理の第2例の流れが、それぞれ示されている。
図10に示すように、モータ制御装置21は、速度判別処理を実行する(#101)。この速度判別処理において、回転子32の回転速度MVが零であるか、所定値Vb以下であるか、または所定値Vbを超えるかを判別する。
回転速度MVが零であると判別した場合には(#102でYES)、インダクティブセンシングの手法を用いて磁極位置PSを推定する初期磁極位置推定制御を実行する(#106)。そして、推定した磁極位置PSに応じた回転駆動用の励磁パターン(電流パターン)を用いてブラシレスモータ3の駆動を再開する(#107)。
回転速度MVが所定値Vb以下であると判別した場合には(#102でNOかつ#103でYES)、ホールド制御を行うことによって回転子32を特定の磁極位置PSに引き込む(#104)。そして、ホールドした磁極位置PSに応じた回転駆動用の励磁パターンを用いてブラシレスモータ3の駆動を再開する(#107)。この場合に、回転速度MVは図6に示したように推移する。
回転速度MVが所定値Vbを超えると判別した場合には(#102でNOかつ#103でNO)、電流ループR1を流れる電流Iu,Ivに基づいて回転子32の磁極位置PSを推定する(#105)。そして、推定した磁極位置PSに応じた回転駆動用の励磁パターンを用いてブラシレスモータ3の駆動を再開する(#107)。この場合に、回転速度MVは図8に示したように推移する。
図11に示す速度判別処理においては、回転子32がフリーラン状態であるときに捲線33〜35に流れる電流Iu,Ivに基づいて回転速度MVを判別する。そのためにショートブレーキ制御を行うことによって電流ループR1を形成し(#201)、逆起電力によって生じる電流ループR1の電流Iu,Ivを検出する(#202)。
検出した電流Iu,Ivの大きさ(振幅)が零であった場合には(#203でYES)、つまり回転子32が停止している場合には、回転速度MVの判別結果を「零」とする(#204)。
電流Iu,Ivの大きさが零ではないが所定値Ib以下である場合には(#203でNOかつ#205でYES)、回転速度MVの判別結果を「所定値Vb以下」とする(#206)。所定値Ibは、電流Iu,Ivに基づく磁極位置PSの推定が可能となる電流Iu,Ivの下限値である。つまり、電流Iu,Ivが所定値Ib以下であると、ノイズの影響などにより、所望の精度で磁極位置PSを推定することができない。
電流Iu,Ivの大きさが所定値Ibを超える場合には(#205でNO)、回転速度MVの判別結果を「所定値Vbを超える」とする(#207)。
図12に示す速度判別処理においては、フリーランが始まってからの時間の長さに基づいて回転速度MVを判別する。すなわち、ブラシレスモータ3の駆動を停止した時刻t2からの経過時間Txを計測し(#301)、計測した経過時間Txが所定値Ta,Tbより長いか否かをチェックする(#302、#304)。
所定値Taは、フリーランが終わって回転子32が停止するのに必要と考えられる時間である。所定値Tbは、フリーランの速度が徐々に低下して所定値Vbになるのに要すると考えられる時間である。所定値Tbは、所定値Taよりも短い(Ta>Tb)。所定値Taおよび所定値Tbは、予め種々の負荷について回転子32をフリーランさせる実験により求めておくことができる。
経過時間Txが所定値Ta以上である場合には(#302でYES)、既に回転子32が停止していると判断して回転速度MVの判別結果を「零」とする(#303)。
経過時間Txが所定値Ta未満でありかつ所定値Tb以上である場合には(#302でNOかつ#304でYES)、回転速度MVの判別結果を「所定値Vb以下」とする(#305)。
経過時間Txが所定値Tb未満である場合には(#304でNO)、未だ回転子32が所定値Vbより速く回転している判断して回転速度MVの判別結果を「所定値Vbを超える」とする(#306)。
以上の実施形態によると、フリーラン状態であるときに再起動が指令された場合における指令から再起動までの応答時間T1,T2を短縮することができる。
上に述べた実施形態においては、ブラシレスモータ3がフリーラン状態であるときに起動指令があると、ショートブレーキ制御を行って電流ループR1を形成し、これにより電流Iu,Ivを検出する。そのため、そのときのブラシレスモータ3の回転速度MVおよび磁極位置PSを容易に検出可能であり、応答性が良好で円滑な再起動が行える。
上に述べた実施形態において、モータ制御装置21を、画像形成装置1以外の装置に実装されたセンサレス型の永久磁石同期電動機の制御に適用することができる。
その他、モータ制御装置21の全体または各部の構成、処理の内容、順序、またはタイミング、所定値Vb、ブラシレスモータ3の構造などは、本発明の趣旨に沿って適宜変更することができる。
21 モータ制御装置(永久磁石同期電動機の制御装置)
23 駆動制御部(制御部)
241 回転速度推定部
242 磁極位置推定部
26 モータ駆動部(駆動部)
27 電流検出部
32 回転子
33,34,35 捲線
Iu,Iv,Iw 電流
MV 回転速度
PS 磁極位置
R1 電流ループ
Vb 所定値
Tx 経過時間

Claims (6)

  1. 捲線に流れる電流による回転磁界によって永久磁石を用いた回転子が回転する永久磁石同期電動機の制御装置であって、
    前記捲線に電流を流して前記回転子を駆動するための駆動部と、
    入力された起動指令および停止指令に基づいて前記駆動部の起動および停止を制御するとともに、前記回転磁界が生成されるよう前記駆動部を制御する制御部と、
    前記起動指令が入力されたときに前記回転子の回転速度を推定する回転速度推定部と、を有し、
    前記制御部は、前記回転速度推定部により推定された前記回転速度が所定値以下であってかつ零ではなかった場合に、所定の励磁パターンを用いて前記駆動部を制御することによって前記回転子を特定の磁極位置に引き込むホールド制御を行い、引き込んだ前記特定の磁極位置から前記回転子を駆動する前記回転磁界が生成されるよう、前記駆動部を再起動する、
    ことを特徴とする永久磁石同期電動機の制御装置。
  2. 前記所定値は、前記回転子がフリーラン状態であるときに前記捲線に流れる電流に基づいた前記回転子の磁極位置の推定が可能な値である、
    請求項1記載の永久磁石同期電動機の制御装置。
  3. 前記捲線に流れる電流を検出する電流検出部を有し、
    前記回転速度推定部は、前記停止指令の入力により前記制御部が前記駆動部を停止したことによって前記回転子がフリーラン状態であるときに、前記電流検出部により検出された前記電流に基づいて前記回転速度を推定する、
    請求項1または2記載の永久磁石同期電動機の制御装置。
  4. 前記回転速度推定部は、前記起動指令が入力される前の前記停止指令の入力により前記制御部が前記駆動部を停止してからの経過時間に基づいて前記回転速度を推定する、
    請求項1または2記載の永久磁石同期電動機の制御装置。
  5. 前記起動指令が入力されたときに前記回転子の磁極位置を推定する磁極位置推定部を有し、
    前記制御部は、前記回転速度推定部により推定された前記回転速度が前記所定値を超える場合には、前記磁極位置推定部により推定された前記磁極位置から前記回転子を駆動する前記回転磁界が生成されるよう、前記駆動部を再起動する、
    請求項1ないし4のいずれかに記載の永久磁石同期電動機の制御装置。
  6. 捲線に流れる電流による回転磁界によって永久磁石を用いた回転子が回転する永久磁石同期電動機の制御方法であって、
    起動指令が入力されたときに、前記回転子の回転速度を推定し、推定された前記回転速度が所定値以下であってかつ零ではなかった場合に、所定の励磁パターンを用いて前記回転子を特定の磁極位置に引き込み、引き込んだ前記特定の磁極位置から前記回転子を駆動する前記回転磁界が生成されるよう、前記捲線に電流を流して前記回転子を駆動する、
    ことを特徴とする永久磁石同期電動機の制御方法。
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