JP2016226217A - モータ制御装置及び画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ベクトル制御によりモータの駆動制御を行うモータ制御装置において、モータの回転速度が低い期間にオープンループ制御によりモータに供給する電流を低減するための技術を提供する。【解決手段】画像形成装置のモータ制御部は、ステッピングモータの起動時の加速シーケンスにおいて、当該モータをオープンループ制御により相対的に小さい第1の加速度(a1*)で所定の回転速度ω_thまで加速させると(S101〜S103)、ベクトル制御に切り替える(S104)。モータ制御部は、その後、ベクトル制御により相対的に大きい第2の加速度(a2*)でステッピングモータを目標回転速度ω_tarまで加速させる(S105〜S106)。この加速シーケンスにおいて、第1の加速度(a1*)は、第2の加速度(a2*)よりも小さい値に設定される。【選択図】図8

Description

本発明は、モータの駆動制御に関するものであり、特に、複写機、プリンタ等の画像形成装置において記録材の搬送制御用の駆動源として使用可能なステッピングモータ等のモータの駆動制御に関するものである。
複写機、プリンタ等の電子写真方式の画像形成装置において、画像が形成される用紙等の記録材を搬送する搬送系の駆動源として、ステッピングモータが広く用いられている。ステッピングモータは、モータの回転速度及び位置を検出する機構を備えていなくとも、モータに与えるパルス周期を制御することによって容易に速度制御を行えるとともに、モータに与えるパルス数を制御することによって容易に位置制御を行える利点を有する。(この制御方式を、一般に同期制御という。)ところが、ステッピングモータを同期制御する際、装置で必要となる負荷トルクが、出力可能なトルク範囲を超えた場合、入力パルスに同期せずに制御不能の状態である脱調状態となる。モータが脱調状態となると、紙詰まりが発生し、画像形成装置内に詰まった紙をユーザに取り除いてもらう必要が生じる。これを避けるためには、装置で必要となる負荷トルクの変化に対応可能なモータ出力トルクが必要となる。そのためには、装置で必要となる負荷トルクに対して所定のマージンを有するモータ出力トルクが得られるように、駆動電流をモータへ供給する必要がある。その結果、必要以上に電力を消費するとともに、余剰トルクに起因して装置に振動及び騒音が生じる問題があった。
このような問題に対処するための技術として、特許文献1乃至3に記載のように、ベクトル制御(またはFOC:Field Oriented Control)と称される方式が提案されている。ベクトル制御は、回転子の磁束方向をd軸、これに直交する方向をq軸と定義した回転座標系を用いて、モータに適切なトルクが発生するように駆動電流の振幅及び位相を制御する方式である。回転座標系では、駆動電流のq軸成分(q軸電流)は、トルクを発生させるトルク電流成分であり、駆動電流のd軸成分(d軸電流)は、回転子の磁束強度に影響する励磁電流成分である。特に、ステッピングモータのように回転子に永久磁石を用いるモータでは、d軸電流を必要とせずに、q軸電流のみを用いてトルク制御が可能である。その結果として、静止座標系におけるモータの駆動電流が理想的な正弦波となるため、電力効率が良い駆動制御を実現できるのみならず、上述のような余剰トルクに起因した装置の振動及び騒音を抑えられる。
上述のようなベクトル制御では、ロータの回転速度及び位置を検出する必要があり、ロータリエンコーダを用いて検出を行うのが一般的である。しかし、従来のステッピングモータ制御では不要であるロータリエンコーダを用いてベクトル制御を実現する場合、コストアップ及び配置スペースの確保が問題となる。このため、ロータリエンコーダを用いずにベクトル制御が実現できることが望ましい。特許文献3には、ロータリエンコーダを用いることなくロータの回転速度及び位置を推定する方法が提案されている。具体的には、モータの駆動電流を検出し、電圧方程式に基づいて推定されたA相及びB相における誘起電圧比の逆正接を演算することで、ロータの位置を推定している。ロータの回転速度は、ロータの位置の推定結果の時間微分によって推定される。
特許3661864号公報 特開平6−225595号公報 特許5537565号公報
特許文献3に記載のように、ロータリエンコーダを用いないセンサレスによりロータの回転位置を検出する技術では、ロータの回転速度が低い領域において回転位置の検出が難しい問題がある。これは、ロータの回転速度が低いと、ステータの相巻線に入る磁束の変化度が小さいために、ステータの相巻線の誘起電圧が低くなるためである。そのため、実際には、モータの起動から停止まで継続してセンサレスによるベクトル制御を行うことはできない。このような場合、モータの起動直後の回転速度が低い期間には、ロータの回転位置を示す情報のフィードバックを必要としないオープンループ制御により、モータの駆動制御を行う。その後、ロータの回転速度が、ロータの回転位置の推定を行うのに十分な回転速度に達すると、モータの駆動制御をオープンループ制御からベクトル制御に切り替える。また、また、モータの停止直前の、回転速度が低い期間においても同様の駆動制御を行う。
上述のオープンループ制御では、ステータの各相巻線に供給する電流を、その電流値が目標値となるように制御しながら、CPU等のコントローラから与えられる駆動シーケンスに従って目標値を変化させることで、モータの駆動制御を行う。一般的に、オープンループ制御では、負荷に合わせて必要となるトルクに対して2倍程度のマージンを有するトルクに対応した電流値(目標値)が設定される。このような電流値の設定により、余剰の電流が必要以上に大きな力(トルク)をモータに発生させてしまう。その結果、モータ起動時に、ロータが(相巻線及び電機子により構成される)ステータに吸引される速度が速くなり、モータギヤと、当該モータギヤと噛み合う負荷側のギヤとが衝突した際に生じる衝突音が大きくなる問題がある。
本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものである。本発明は、ベクトル制御によりモータの駆動制御を行うモータ制御装置において、モータの回転速度が低い期間にオープンループ制御によりモータに供給する電流を低減するための技術を提供することを目的とする。
本発明は、例えば、モータ制御装置として実現できる。本発明の一態様に係るモータ制御装置は、モータの駆動制御を行うモータ制御装置であって、前記モータへ供給する駆動電流を、予め定められた電流値によって制御するオープンループ制御を行うものであり、当該駆動電流に対応する駆動電圧を出力する第1の制御手段と、前記モータへ供給する駆動電流を、前記モータの各相の巻線に流れる駆動電流の検出結果に基づく推定演算によって決定される前記モータの回転位置を基準とした回転座標系の電流値によって制御するベクトル制御を行うものであり、当該駆動電流に対応する駆動電圧を出力する第2の制御手段と、前記第1の制御手段または前記第2の制御手段によって出力された駆動電圧に応じて前記モータへ駆動電流を供給することで、前記モータを駆動する駆動手段と、を備え、前記モータが起動してから前記モータの回転速度が予め定められた閾値に達するまでの第1の期間には、前記第1の制御手段が前記オープンループ制御によって前記モータを第1の加速度で加速させ、前記回転速度が前記閾値に達してから目標回転速度に達するまでの第2の期間には、前記第2の制御手段が前記ベクトル制御によって前記モータを第2の加速度で加速させ、前記第1の加速度が前記第2の加速度よりも小さい、ことを特徴とする。
本発明によれば、ベクトル制御によりモータの駆動制御を行うモータ制御装置において、モータの回転速度が低い期間にオープンループ制御によりモータに供給する電流を低減することができる。それにより、モータを脱調させることなく、オープンループ制御によって生じるモータギヤ同士の衝突音を低減することができる。
画像形成装置の全体の構成例を示す図。 画像形成装置の制御構成例を示すブロック図。 モータ制御部の構成例を示すブロック図。 モータと回転座標系のdq軸との関係を示す図。 誘起電圧とステッピングモータの電気角との関係の例を示す図。 ステッピングモータの駆動シーケンスの例(比較例)を示す図。 ステッピングモータの駆動シーケンスの例を示す図。 モータ制御部による制御フローを示すフローチャート。
以下、本発明を実施するための形態について図面を用いて説明する。なお、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものでなく、また実施形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須のものとは限らない。
<画像形成装置>
まず、図1を参照して、本発明の実施形態に係るモータ制御装置が実装される画像形成装置の構成例について説明する。図1に示す画像形成装置100は、原稿自動送り装置201、読取装置202、及び画像形成装置本体301を備えている。
原稿自動送り装置201の原稿載置部203に置かれた原稿は、給紙ローラ204によって1枚ずつ給紙され、搬送ガイド206を経由して読取装置202の原稿ガラス台214に搬送される。更に、原稿は、搬送ベルト208によって一定速度で搬送された後、排紙ローラ205によって装置外部へ排紙される。この間、読取装置202の読取位置において照明系209によって照明された原稿画像からの反射光は、反射ミラー210,211,212から成る光学系によって画像読取部101に導かれ、画像読取部101によって画像信号に変換される。画像読取部101は、レンズ、光電変換素子であるCCD、CCDの駆動回路等で構成される。画像読取部101から出力された画像信号は、ASIC等のハードウェアデバイスで構成される画像処理部112によって、各種補正処理が行われた後、画像形成装置本体301へ出力される。
読取装置202における原稿の読取モードとして、流し読みモード及び固定モードがある。流し読みモードは、照明系209及び光学系を停止した状態で、原稿を一定速度で搬送しながら当該原稿の画像を読み取るモードである。固定モードは、読取装置202の原稿ガラス台214上に原稿を載置し、照明系209及び光学系を一定速度で移動させながら、原稿ガラス台214上に載置された原稿の画像を読み取るモードである。通常、シート状の原稿は流し読みモードにより読み取られ、綴じられた原稿は固定モードで読み取られる。
画像形成装置100は、読取装置202から出力される画像信号に基づいて、画像形成装置本体301においてページ単位で記録紙(記録材)に画像を形成するコピー機能を有する。なお、画像形成装置100は、ネットワークを介して外部装置から受信したデータに基づいて記録紙に画像を形成する印刷機能も有している。
読取装置202から出力された画像信号は、光走査装置311に入力される。光走査装置311は、半導体レーザ及びポリゴンミラーを含み、入力された画像信号で変調されたレーザ光(光信号)を、半導体レーザから出力する。半導体レーザから出力されたレーザ光が、ポリゴンミラー、及びミラー312,313を経由して感光ドラム309の表面に照射されることで、感光ドラム309が露光される。帯電器310によって表面が一様に帯電した感光ドラム309がレーザ光によって露光されることで、感光ドラム309上に静電潜像が形成される。感光ドラム309上に形成された静電潜像が、現像器314から供給されるトナーによって現像されることで、感光ドラム309上にトナー像が形成される。感光ドラム309上のトナー像は、感光ドラム309の回転に伴って転写分離器315と対向する位置(転写位置)まで移動すると、転写分離器315によって記録紙に転写される。
記録紙は、紙カセット302及び304に収納されており、それぞれ異なる種類の記録紙を収納可能である。例えば、紙カセット302には標準の記録紙が収納され、紙カセット304にはタブ紙が収納される。紙カセット302に収納された記録紙は、給紙ローラ303によって搬送路上に給紙され、搬送ローラ306によってレジストローラ308の位置まで搬送され、そこで一時的に停止する。一方、紙カセット304に収納された記録紙は、給紙ローラ305によって搬送路上に給紙され、搬送ローラ307,306によってレジストローラ308の位置まで搬送され、そこで一時的に停止する。
レジストローラ308の位置まで搬送された記録紙は、感光ドラム309上のトナー像が転写位置に到達するタイミングに合わせて、レジストローラ308によって転写位置へ搬送される。転写位置において感光ドラム309からトナー像が転写された記録紙は、搬送ベルト317によって定着器318へ搬送される。定着器318は、熱及び圧力により、記録紙上のトナー像を当該記録紙に定着させる。
片面印刷モードで画像形成が行われる場合には、定着器318を通過した記録紙は、排紙ローラ319,324によって装置外部へ排紙される。両面印刷モードで画像形成が行われる場合には、定着器318を通過後、表面(第1面)に画像が形成された記録紙は、排紙ローラ319、搬送ローラ320及び反転ローラ321によって、反転パス325へ搬送される。更に、記録紙の後端が、反転パス325と両面パス326との合流ポイントを通過した直後に、反転ローラ321の回転を反転させることで、記録紙が逆方向に搬送され始め、両面パス326へ搬送される。その後、記録紙は、搬送ローラ322,323によって両面パス326を搬送され、再び搬送ローラ306によってレジストローラ308の位置まで搬送され、そこで一時的に停止する。更に、記録紙の表面(第1面)への画像形成と同様に、転写位置において記録紙の裏面(第2面)へのトナー像の転写処理が行われ、更に定着器318によって定着処理が行われた後、記録紙は、装置外部へ排紙される。
また、表面へ画像形成された記録紙の表裏を反転させて(第1面が下向きになるように反転させて)記録紙を装置外部へ排紙する場合には、定着器318を通過した記録紙を、排紙ローラ324へ向かう方向でははく、搬送ローラ320へ向かう方向へ一時的に搬送する。その後、記録紙の後端が搬送ローラ320の位置を通過する直前に、搬送ローラ320の回転を反転させることで、記録紙が逆方向に搬送され始め、排紙ローラ324へ向かう方向へ搬送される。その結果、記録紙は、表裏が反転した状態で排紙ローラ324によって装置外部へ排紙される。
このように、画像形成装置本体301は、画像が形成される記録紙の搬送用のローラとして、搬送ローラ306,307、排紙ローラ319、反転ローラ321、搬送ローラ322,323、及び排紙ローラ324を備えている。更に、給紙ローラ303、レジストローラ308等のローラも、記録紙の搬送用のローラである。これらのローラを駆動するモータの駆動制御は、後述するように、システムコントローラ151(図2)からの指示により、モータ制御部157(図2)によって行われる。
(画像形成装置の制御構成)
図2は、画像形成装置100の制御構成例を示すブロック図である。図2に示すシステムコントローラ151は、CPU151a、ROM151b、及びRAM151cを備え、画像形成装置100全体を制御する。システムコントローラ151は、画像処理部112、操作部152、アナログ・デジタル(A/D)変換器153、高圧制御部155、モータ制御部157、センサ類159、及びACドライバ160と接続されている。システムコントローラ151は、接続された各ユニットとの間でデータの交換が可能である。
CPU151aは、ROM151bに格納された各種プログラムを読み出して実行することによって、予め定められた画像形成シーケンスに関連する各種シーケンスを実行する。RAM151cは、揮発性の記憶デバイスであり、CPU151aは、各種プログラムを実行するためのワークエリアとして、または各種データが一時的に格納される一時記憶領域として使用される。RAM151cには、例えば、高圧制御部155に対する設定値、モータ制御部157に対する指令値、操作部152から受信される情報等のデータが格納される。
システムコントローラ151は、ユーザが各種の設定を行うための操作画面を、操作部152に設けられた表示部に表示するよう、操作部152を制御することで、操作部152を介してユーザによる設定を受け付ける。システムコントローラ151は、操作部152を介したユーザによる設定の内容(複写倍率の設定値、濃度設定値等)を示す情報を、操作部152から受信する。また、システムコントローラ151は、画像形成装置の状態をユーザに知らせるためのデータを操作部152に送信する。操作部152は、システムコントローラ151から受信したデータに基づいて、画像形成装置の状態を示す情報(例えば、画像形成枚数、画像形成中か否かを示す情報、ジャムの発生及び発生個所を示す情報)を表示部に表示する。
システムコントローラ151(CPU151a)は、画像処理部112に対して、画像処理部112における画像処理に必要となる、画像形成装置100内の各デバイスの設定値データを送信する。また、システムコントローラ151は、各デバイスからの信号(センサ類159からの信号)を受信して、受信した信号に基づいて高圧制御部155を制御する。高圧制御部155は、システムコントローラ151から出力される設定値に基づいて、高圧ユニット156を構成する帯電器310、現像器314、及び転写分離器315に対して、それぞれの動作に必要となる電圧を供給する。
A/D変換器153は、定着ヒータ161の温度を検出するためのサーミスタ154から検出信号を受信し、当該検出信号をデジタル信号に変換してシステムコントローラ151に送信する。システムコントローラ151は、A/D変換器153から受信したデジタル信号に基づいてACドライバ160を制御することで、定着ヒータ161の温度を、定着処理のための所望の温度に制御する。なお、定着ヒータ161は、定着器318に含まれる、定着処理に用いられるヒータである。
このように、システムコントローラ151は、画像形成装置100の動作シーケンスを制御する。また、システムコントローラ151は、モータ制御部157を介して、各モータの駆動シーケンスを制御する。モータ制御部157は、システムコントローラ151からの指示に従って、記録紙の搬送用のローラを駆動する駆動源に相当するモータ(図3に示すステッピングモータ509)を制御する。なお、画像形成装置100は、記録紙の搬送用の各ローラに対応するモータごとに、当該モータを制御するモータ制御部157を備えている。本実施形態では、モータ制御部157は、モータの駆動制御を行うモータ制御装置の一例である。
モータ制御部157の外部のコントローラに相当するシステムコントローラ151(CPU151a)は、制御対象のモータ(ステッピングモータ509)の位置(回転位置)の指令値(θ_ref)を生成し、モータ制御部157へ出力する。例えば、位置指令値θ_refは、パルス状の矩形波信号であり、1パルスがステッピングモータの回転角度の最小変化量を規定する。なお、モータの回転速度の指令値(速度指令値ω_ref)は、θ_refに対応する周波数として求められる。CPU151aは、モータの駆動シーケンスを開始すると、生成した位置指令値θ_refを、所定の時間周期(制御周期)でモータ制御部157へ出力する。モータ制御部157は、CPU151aから与えられる位置指令値に従って、モータ(ステッピングモータ509)の位置制御及び速度制御を実行する。
<モータ制御部>
次に、図3及び図4を参照して、モータ制御部157によって実行される、ステッピングモータ509の駆動制御の概要について説明する。図3は、本実施形態に係るモータ制御部157の構成例を示すブロック図である。図3に示すモータ制御部157の基本的な構成は、ブラシレスDCモータ、ACサーボモータ等のモータで利用されている、静止座標系から回転座標系への座標変換を用いたインバータ制御に対応した構成である。なお、ステッピングモータ509は、少なくとも2相から成るモータであり、本実施形態では、A相及びB相から成る2相のモータである。
モータ制御部157は、ステッピングモータの駆動制御機能として、ベクトル制御機能と、オープンループ制御機能とを有している。ベクトル制御機能は、位置制御器501、誘起電圧演算部512、位置演算部513、速度演算部514、及びベクトル制御部515によって実現される。オープンループ制御機能は、オープンループ制御部520によって実現される。ベクトル制御とオープンループ制御との切り替えは、切替信号生成部518によって生成される切替信号に従って、制御切替部519によって行われる。制御切替部519は、ベクトル制御の実行中にはベクトル制御部515から出力される駆動電圧Vα,Vβを、オープンループ制御の実行中にはオープンループ制御部520から出力される駆動電圧Vα*,Vβ*を、PWMインバータ506へ出力(印加)する。以下では、モータ制御部157によって実行されるステッピングモータ509のベクトル制御及びオープンループ制御について、それぞれ説明する。
<ベクトル制御>
モータ制御部157では、ベクトル制御部515から出力される、ステッピングモータ509の駆動電圧Vα,Vβに応じて、PWMインバータ506がステッピングモータ509へ駆動電流を供給することによって、ステッピングモータ509を駆動する。なお、図3に示すように、ベクトル制御部515は、速度制御器502、電流制御器503,504、及び座標変換器505,511によって構成されている。
ここで、図4は、A相及びB相から成る2相のモータと回転座標系のd軸及びq軸との関係を示す図である。同図では、静止座標系における、A相及びB相の巻線に対応した軸をそれぞれα軸及びβ軸と定義している。また、静止座標系におけるα軸と、回転子(ロータ)として用いられる永久磁石の磁極によって作られる磁束の方向(d軸)との成す角度をθと定義している。この場合、ステッピングモータ509の出力軸の位置(回転位置)は、角度θによって表される。ベクトル制御では、図4に示すように、回転子の磁束方向に沿ったd軸と、d軸から90度進んだ方向に沿った(d軸と直交する)q軸とで表される、ステッピングモータ509の位置θを基準とした回転座標系が用いられる。
モータ制御部157は、ステッピングモータ509の位置θの推定が可能な場合、ステッピングモータ509へ供給する駆動電流を、ステッピングモータ509の位置θを基準とした回転座標系の電流値によって制御するベクトル制御を行う。ベクトル制御では、ステッピングモータ509のA相及びB相の巻線に流れる駆動電流に対応する電流ベクトルが、α軸及びβ軸で表される静止座標系から、d軸及びq軸で表される回転座標系に変換される。このような座標変換の結果、ステッピングモータ509に供給される駆動電流は、回転座標系において、直流のd軸成分(d軸電流)及びq軸成分(q軸電流)によって表される。この場合、q軸電流は、ステッピングモータ509にトルクを発生させるトルク電流成分に相当し、d軸電流は、ステッピングモータ509の回転子の磁束強度に影響する励磁電流成分に相当する。モータ制御部157は、回転座標系におけるq軸電流及びd軸電流を独立して制御することで、ステッピングモータ509のベクトル制御を実現する。
具体的には、モータ制御部157は、ステッピングモータ509の回転子の位置(ロータ位置)及び回転速度を推定し、その推定結果に基づいてベクトル制御を行う。モータ制御部157は、図3に示すように、位置制御器501、速度制御器502、及び電流制御器503,504へのそれぞれのフィードバックに基づく3つの制御ループを含み、これらの制御ループによってベクトル制御を実現する。なお、図3に示すモータ制御部157において、ステッピングモータ509の位置θの推定は、誘起電圧演算部512及び位置演算部513によって行われる。また、ステッピングモータ509の回転速度ωの推定は、位置θの推定値に基づいて、速度演算部514によって行われる。
位置制御器501を含む、最も外側の制御ループでは、ステッピングモータ509の位置θの推定値のフィードバックに基づいて、ステッピングモータ509の位置制御を行う。モータ制御部157には、システムコントローラ151のCPU151aから、ステッピングモータ509の位置指令値θ_refが与えられる。位置制御器501は、位置演算部513からフィードバックされる、ステッピングモータ509の位置θの推定値の、位置指令値θ_ref(目標値)に対する偏差が0に近づくように、速度指令値ω_refを生成して出力する。このようにして、位置制御器501によるステッピングモータ509の位置制御が行われる。
速度制御器502を含む制御ループでは、ステッピングモータ509の回転速度ωの推定値のフィードバックに基づいて、ステッピングモータ509の速度制御を行う。速度制御器502は、速度演算部514からフィードバックされる、ステッピングモータ509の回転速度ωの推定値の、速度指令値ω_ref(目標値)に対する偏差が0に近づくように、電流指令値iq_ref,id_refを生成して出力する。なお、電流指令値iq_ref,id_refは、静止座標系(αβ軸)から回転座標系(dq軸)への座標変換後の、回転座標系における電流指令値である。
電流制御器503,504を含む制御ループでは、ステッピングモータ509の各相の巻線に流れる駆動電流の検出値のフィードバックに基づいて、ステッピングモータ509の各相の巻線に供給する駆動電流を制御する。ここで、ステッピングモータ509のA相及びB相の巻線にそれぞれ流れる電流(交流電流)の電流値iα,iβは、静止座標系において、ステッピングモータ509の位置θを用いて次式によって表すことができる。
iα=I*cosθ
iβ=I*sinθ (1)
この場合、回転座標系におけるd軸電流及びq軸電流(直流電流)の電流値id,iqは、次式に示す座標変換によって表される。
id= cosθ*iα+sinθ*iβ
iq=−sinθ*iα+cosθ*iβ (2)
このような座標変換によって、静止座標系における、A相及びB相の巻線にそれぞれ流れる交流電流値iα,iβは、回転座標系における直流電流値iq,idに変換される。なお、q軸電流は、ステッピングモータ509にトルクを発生させるトルク電流成分(第1の電流成分)である。d軸電流は、ステッピングモータ509の回転子の磁束強度に影響する励磁電流成分(第2の電流成分)であり、ステッピングモータ509のトルクの発生には寄与しない。
ステッピングモータ509のA相及びB相の巻線に流れる駆動電流は、PWMインバータ506とステッピングモータ509との間に設けられた電流検出部507,508によってそれぞれ検出される。電流検出部507,508によって検出された駆動電流の値は、A/D変換器510によってアナログ値からデジタル値へ変換されることで、CPU、またはFPGA等のプログラミングデバイスによる取り込みが可能になる。A/D変換器510から出力される、静止座標系における電流値iα,iβは、座標変換器511、誘起電圧演算部512及び定電流制御部517へ入力される。
座標変換器511は、式(2)によって、静止座標系(αβ軸)における電流値iα,iβを回転座標系(dq軸)における電流値iq,idへ変換して出力する。電流制御器503,504には、座標変換器511から出力される、回転座標系における検出された電流値iq,idと、速度制御器502から出力される、回転座標系における電流指令値iq_ref,id_refとの差分値が入力される。電流制御器503,504は、入力された差分値(即ち、検出された電流値iq,idの、目標値である電流指令値iq_ref,id_refに対する偏差)が0に近づくように、回転座標系における電流値iq',id'を生成及び出力する。なお、位置制御器501、速度制御器502、及び電流制御器503,504はそれぞれ、例えば、比例補償器及び積分補償器で構成され、PI制御によりフィードバック制御を実現する。
座標変換器505は、電流制御器503,504から出力される、回転座標系における電流値iq',id'を、次式によって、静止座標系における電流値iα',iβ'へ逆変換する。
iα'=cosθ*id'−sinθ*iq'
iβ'=sinθ*id'+cosθ*iq' (3)
座標変換器505は、静止座標系への座標変換後の電流値iα',iβ'に応じた駆動電圧Vα,Vβを、フルブリッジ回路で構成されたPWMインバータ506、及び誘起電圧演算部512へ出力する。
このようにして、ベクトル制御部515は、ステッピングモータ509の位置θを基準とした回転座標系(dq軸)の電流値によって、ステッピングモータ509の各相の巻線に供給する駆動電流を制御するベクトル制御を行う。本実施形態では、ステッピングモータ509の位置θは、後述するように、当該モータの各相の巻線に流れる駆動電流の検出結果に基づく推定演算によって決定される。ベクトル制御部515は、ステッピングモータ509の位置θの推定値のフィードバックに基づくベクトル制御の結果として、ステッピングモータ509へ供給する駆動電流に対応する駆動電圧Vα,Vβを出力する。なお、ベクトル制御では、通常、ステッピングモータ509のトルクの発生には寄与しない電流成分であるd軸電流は、値が0となるように制御される。即ち、ベクトル制御部515では、電流指令値id_refが0に設定される。
PWMインバータ506では、座標変換器505から入力された駆動電圧Vα,Vβによってフルブリッジ回路が駆動される。その結果、PWMインバータ506は、駆動電圧Vα,Vβに応じてステッピングモータ509の各相の巻線に駆動電流を供給することによって、ステッピングモータ509を駆動する。
(センサレス制御)
上述のように、ベクトル制御では、モータの位置制御及び速度制御を行うために、モータの位置及び回転速度を示す情報のフィードバックが必要である。具体的には、図3に示す構成では、ステッピングモータ509の位置θを示す位置情報、及びステッピングモータ509の回転速度ωを示す速度情報を、位置制御器501及び速度制御器502にそれぞれフィードバックする必要がある。
通常、モータの位置及び回転速度を検出(推定)するためには、モータにロータリエンコーダを取り付け、エンコーダの出力パルス数に基づいて位置を検出し、エンコーダの出力パルス周期に基づいて回転速度を検出する。しかし、本来ステッピングモータの駆動に不要であるエンコーダを追加することによって、上述のように、コストアップ及び配置スペースの確保が問題となる。そこで、エンコーダ等の位置検知のためのセンサを用いることなくモータの位置及び回転速度を推定し、その推定結果に基づいてベクトル制御を行うセンサレス制御が提案されている。以下では、再び図3を参照して、ステッピングモータ509のセンサレス制御について説明する。
まず、誘起電圧演算部512は、ステッピングモータ509(の回転子)の回転に従って、A相(第1相)及びB相(第2相)の巻線にそれぞれ誘起される誘起電圧(A相及びB相の逆起電圧)を演算する。具体的には、A/D変換器510によるデジタル値への変換後の電流値iα,iβと、ベクトル制御部515から出力された、ステッピングモータ509の駆動電圧Vα,Vβとが、誘起電圧演算部512に入力される。誘起電圧演算部512は、A相及びB相のそれぞれについて、駆動電圧Vα,Vβと電流値iα,iβとから、以下の電圧方程式によって、ステッピングモータ509の誘起電圧Eα,Eβを演算する。
Eα=Vα−R*iα−L*diα/dt
Eβ=Vβ−R*iβ−L*diβ/dt (4)
ここで、Rは巻線レジスタンス、Lは巻線インダクタンスである。R及びLの値は、使用されているステッピングモータ509に固有の値であり、ROM151b、またはモータ制御部157内に設けられた不図示のメモリに予め格納されている。
誘起電圧演算部512によって演算された、A相及びB相の誘起電圧Eα,Eβは、位置演算部513へ入力される。位置演算部513は、A相の誘起電圧EαとB相の誘起電圧Eβとの比から、次式によってステッピングモータ509の位置θの推定値を演算する。
θ=tan-1(−Eβ/Eα) (5)
位置演算部513は、このような推定演算により得られた位置θの推定値を、位置制御器501及び速度演算部514に出力(フィードバック)する。なお、位置θの推定値は、位置演算部513から速度制御器502、座標変換器505,511にもフィードバックされることで、座標変換等に利用される。なお、ステッピングモータ509の実際の回転位置(機械角)と、推定された回転位置(電気角)とが1対1に対応しない場合には、電気角から機械角への変換を行う変換器を、位置演算部513と位置制御器501との間に設けてもよい。この場合、ステッピングモータ509の位置θの推定値は、このような変換器によって実際の回転位置(機械角)に変換された後に、位置制御器501へフィードバックされる。
速度演算部514は、入力された位置θから、次式によってステッピングモータ509の回転速度ωの推定値を演算する。
ω=dθ/dt (6)
式(6)のように、回転速度ωは、位置θの推定値の時間変化に基づいて演算される。速度演算部514は、得られた回転速度ωを速度制御器502に出力(フィードバック)する。
図5は、式(4)により算出される誘起電圧Eα,Eβと、式(5)により算出されるステッピングモータ509の電気角(位置θ)との関係の例を示す図である。なお、図5は、巻線レジスタンスR=3.41[Ω]、巻線インダクタンスL=4.3[mH]、ステッピングモータ509の回転速度ω=13.5[rps]とした場合の、シミュレーション結果を一例として示している。図5に示すシミュレーション結果によれば、誘起電圧Eα,Eβは、90度の位相差を有しており、それらの振幅の比に応じた電気角が、ステッピングモータ509の位置θとして算出されていることが確認できる。なお、電気角は、一周ごとにリセットされている。
<オープンループ制御>
オープンループ制御部520は、目標値切替部516及び定電流制御部517を備え、定電流制御によるオープンループ制御機能を有している。目標値切替部516は、CPU151aから与えられる位置指令値θ_refに同期して、A相及びB相の巻線に供給する駆動電流の目標値(Iref_α、Iref_β)の切り替えを行い、当該目標値を定電流制御部517に出力する。オープンループ制御部520は、ステッピングモータ509へ供給する駆動電流を、予め定められた電流値(目標値)によって制御するオープンループ制御を行う。
オープンループ制御では、A/D変換器510から出力される電流値iα,iβが、電流検出部507,508によって検出されたA相及びB相の駆動電流の検出値として定電流制御部517に入力される。定電流制御部517は、A相及びB相の駆動電流の検出値iα,iβがそれぞれ目標値Iref_α,Iref_βに近づくように、駆動電圧Vα*,Vβ*を、制御切替部519を介してPWMインバータ506へ出力する。なお、駆動電圧Vα*,Vβ*は、実際にはPWM信号として出力される。即ち、PWM信号のデューティ比に応じて、PWMインバータ506のフルブリッジ回路に印加される電圧が定まる。このように、オープンループ制御部520は、CPU151aから与えられる位置指令値θ_refによって定められる目標値(Iref_α、Iref_β)の駆動電流がステッピングモータ509へ供給されるように、駆動電圧Vα*,Vβ*を制御する。
モータ制御部157では、CPU151aから所定の制御周期で与えられる位置指令値θ_refが、切替信号生成部518にも入力される。切替信号生成部518は、入力された位置指令値θ_refからステッピングモータ509の回転速度(駆動周波数)を求め、当該回転速度に基づいて、ベクトル制御とオープンループ制御との切り替えを指示するための切替信号を生成する。切替信号生成部518が、生成した切替信号を制御切替部519へ出力することで、制御切替部519により、ベクトル制御とオープンループ制御との切り替えが行われる。
<モータの駆動シーケンス>
次に、図6及び図7を参照して、CPU151aからの指令に従ってモータ制御部157によって実行される、ステッピングモータ509の駆動シーケンスについて説明する。システムコントローラ151内のROM151bには、ステッピングモータ509の駆動シーケンスに対応する位置指令値θ_refの時系列パターンが、シーケンスパターンとして格納されている。CPU151aは、ROM151bに格納されたシーケンスパターンを読み出して、当該シーケンスパターンに含まれる位置指令値θ_refを、所定の制御周期でモータ制御部157へ出力することで、ステッピングモータ509の駆動シーケンスを制御する。CPU151aは、位置指令値θ_refを時間的に変化させることで、ステッピングモータ509の回転速度(駆動周波数)を制御する。
ここで、画像形成装置100において、ステッピングモータ509は、例えば紙搬送用のローラを駆動するモータである。図1を参照して説明したように、画像形成装置100は、紙搬送用のローラとして、給紙ローラ303、搬送ローラ306、レジストローラ308等の、多数のローラを備えている。基本的には、これらのローラは、各ローラに対応するステッピングモータ509によって回転駆動されるように構成されている。
これらのステッピングモータ509のそれぞれの駆動シーケンスは、画像形成装置100の生産性、紙サイズ、減速比等に基づいた紙搬送系の要求仕様に従って予め決定される。例えば、給紙ローラ303を駆動するステッピングモータ509の駆動シーケンスは、以下のように定められる。まず、モータ制御部157は、CPU151aからの指令に従って、給紙ローラ303がソレノイド(図示せず)等の機構により記録紙に接触した状態で、給紙ローラ303の回転駆動を開始するように、ステッピングモータ509の駆動を開始する。これにより、記録紙が紙カセット302から搬送路へ送り出される。その後、モータ制御部157は、記録紙が搬送ローラ306の位置に到達すると、生産性を高めるために、ステッピングモータ509の回転速度を増加させる加速シーケンスを実行する。更に、モータ制御部157は、その後、所定のタイミングで給紙ローラ303が記録紙から離されると、ステッピングモータ509の駆動を停止することで、給紙ローラ303の駆動を停止する。なお、このような給紙ローラ303の動作は、実際には、搬送路上に設けられた紙検知センサ(図示せず)を用いて制御される。
また、記録紙の搬送中には、各搬送ローラと記録紙とのスリップや、紙カセット302に格納されている記録紙の位置等によって、記録紙が所定のタイミングに所定の位置まで搬送されないことがある。そのため、ステッピングモータ509の駆動開始から、紙検知センサによって記録紙が検知されるまでに、想定以上の時間を要している場合には、ステッピングモータ509の回転速度の目標値を増加させる必要がある。これは、記録紙の搬送速度を増加させ、生産性を低下させることなく記録紙を給紙するためである。このような状況にも対処できるように、ステッピングモータ509の回転速度を増加させる際の加速度は、非常に大きな値に設定される。しかし、上述のオープンループ制御によりステッピングモータ509の回転速度を大きな加速度で増加させる場合、ステッピングモータ509の各相の巻線に供給する電流が大きくなり、その結果、モータギヤ同士の衝突音が大きくなりうる。
図6は、本実施形態に対する比較例に相当する、ステッピングモータ509の駆動シーケンスの例を示す図である。図6(A)は、CPU151aからの位置指令値θ_refに対応する回転速度(駆動周波数)の時間変化を示しており、即ち、ステッピングモータ509の回転速度の時間変化を示している。図6(A)に示す駆動シーケンスでは、給紙ローラ303が記録紙に接触すると、予め決められたタイミングに、所定の回転速度ω_firでステッピングモータ509の駆動が開始される。その後、ステッピングモータ509は、加速度a1で加速し、駆動が開始されたタイミングから時間ΔTaccで、その回転速度が目標回転速度ω_tarに到達する。ステッピングモータ509は、回転速度ω_tarで所定の時間、一定速度で駆動された後、減速度b1で所定の回転速度ω_firまで減速する。
図6(A)に示す駆動シーケンスにおいて、モータ制御部157は、ステッピングモータ509の立ち上げ時には、オープンループ制御で駆動制御を開始する。更に、モータ制御部157は、ステッピングモータ509の回転速度が所定の閾値ω_thに達すると、ステッピングモータ509の駆動制御をオープンループ制御からベクトル制御に切り替える。また、ステッピングモータ509の立ち下げ時には、ステッピングモータ509の回転速度が閾値ω_thを下回ると、ステッピングモータ509の駆動制御をベクトル制御からオープンループ制御に切り替える。このように、モータ制御部157は、ステッピングモータ509が、位置θの推定を行うのに十分な回転速度で回転している期間には、ベクトル制御を実行する。一方、モータ制御部157は、ステッピングモータ509の起動直後及び停止直前の、回転速度が低い期間には、オープンループ制御を実行する。なお、図6に示す駆動シーケンスでは、説明の簡略化のため、上述のように記録紙が搬送ローラ306の位置に到達した際に実行される加速シーケンスについては省略している。
図6(B)は、図6(A)に示す駆動シーケンスにおいて、ステッピングモータ509の各相の巻線に流れる駆動電流(相電流)の実効値の時間変化を示す図である。オープンループ制御でステッピングモータ509の駆動制御を行う期間(以下、「オープンループ制御期間」と称する。)の相電流値Iopは、負荷トルクに応じて本来必要となる電流値に対して所定のマージン(M[%])を有する値に設定されている。通常、相電流値Iopは、本来必要となる電流値に対して2倍程度の値に設定されており、非常に大きな値に設定されている。
一方、ベクトル制御でステッピングモータ509の駆動制御を行う期間(以下、「ベクトル制御期間」と称する。)内の、ステッピングモータ509の加速を行う期間の相電流値Ivaは、ベクトル制御により決定される。ベクトル制御では、オープンループ制御よりも電力効率の良い駆動制御を実現できるため、相電流値Ivaは、相電流値Iopよりも小さくなっている。更に、ベクトル制御期間内の、ステッピングモータ509を一定速度で駆動する期間の相電流値Ivcは、モータの加速に必要なトルク(加速トルク)を発生させる必要がなくなるため、相電流値Ivaよりも小さくなっている。
ここで、画像形成装置100内の搬送系のローラは、実際には、ステッピングモータ509によって直接回転駆動が行われるのではなく、ギヤ及びプーリによる減速制御が行われた状態で回転駆動が行われる。このため、このような減速制御に用いられるギヤ同士が衝突した際に衝突音が発生し、この衝突音が騒音となる問題がある。特に、ステッピングモータ509の起動時に、モータギヤと減速用のギヤとが最初にかみ合う際には、停止している減速ギヤにモータギヤが衝突するために突発的に大きな衝突音が発生する。
また、図6(B)に示すように、ステッピングモータ509の起動時に、オープンループ制御により大きな値の電流が供給されると、ステッピングモータ509のステータがロータを引き込む力が大きくなる。その結果、ロータが高速でステータに対して吸引され、その過程でモータギヤが減速用のギヤと衝突し、非常に大きな衝突音が発生する。したがって、このような衝突音を低減するためには、オープンループ制御においてステータがロータを引き込む力を低減する必要があり、即ち、相電流値Iopをより小さくする必要がある。
一方、相電流値Iopを小さくすると、ステッピングモータ509の加速度が小さくなる。それにより、ステッピングモータ509の回転速度を目標回転速度に到達させるのに要する時間(以下、「加速時間」と称する。)が長くなるため、画像形成装置100の生産性が低下する。したがって、画像形成装置100の生産性の低下を避けるためには、加速時間を維持しながら、相電流値Iopを小さくすることが必要である。
そこで、本実施形態では、ステッピングモータ509を起動させてから目標回転速度ω_tarまで加速させる際の加速度を、オープンループ制御時とベクトル制御時とで異なる加速度に設定する。具体的には、ステッピングモータ509が起動してから目標回転速度ω_tarに達するまでの加速期間において、オープンループ制御による加速度a1*を、ベクトル制御による加速度a2*よりも小さくする。
このような駆動制御について、図7を参照してより具体的に説明する。図7は、本実施形態に係るステッピングモータ509の駆動シーケンスの例を示す図である。図7(A)及び図7(B)は、比較例として示した図6(A)及び(B)とそれぞれ関連している。図7(A)に示すように、モータ制御部157は、ステッピングモータ509が起動してから目標回転速度ω_tarに達するまでの、時間ΔTaccの加速期間において、回転速度の閾値ω_thに応じて、オープンループ制御からベクトル制御に切り替える。この閾値ω_thは、ステッピングモータ509の起動後に、誘起電圧演算部512及び位置演算部513によって実行される推定演算によってステッピングモータ509の位置θの推定が可能となる回転速度として定められる。ステッピングモータ509が起動してからその回転速度が予め定められた閾値ω_thに達するまでの、時間ΔTopの期間には、オープンループ制御部520が、オープンループ制御によってステッピングモータ509を加速度a1*で加速させる。また、ステッピングモータ509の回転速度が閾値ω_thに達してから目標回転速度ω_tarに達するまでの、時間ΔTvecの期間には、ベクトル制御部515が、ベクトル制御によってステッピングモータ509を、加速度a2*で加速させる。この駆動制御において、加速度a1*は、加速度a2*より小さい値に設定される。
これにより、モータ制御部157が、オープンループ制御時にステッピングモータ509の各相の巻線に供給する駆動電流が少なくなる。即ち、図7(B)に示すように、駆動電流の実効値Iop*が小さくなる。その結果、上述のようにステータがロータを吸引する力が弱まり、ロータが高速でステータに衝突することを防止し、衝突音を低減することができる。
ここで、図6には、ステッピングモータ509が起動してから一定の加速度a1で加速して時間ΔTaccの加速時間で目標回転速度ω_tarに達する場合を示している。時間ΔTaccは、画像形成装置100の要求仕様に従った駆動シーケンスを実現するための要求時間として予め定められており、上述のように画像形成装置100の生産性の観点から、一定に維持されることが望ましいといえる。このため、図7に示す例では、図6に示す加速度a1と比較して、加速度a1*(第1の加速度)を加速度a1よりも小さい値に設定する一方で、加速度a2*(第2の加速度)を加速度a1よりも大きい値に設定している。このような駆動制御により、画像形成装置100の生産性の低下を防止しながら、ステッピングモータ509の回転速度が低い期間に実行されるオープンループ制御によってステッピングモータ509へ供給する駆動電流(電流値Iop*)を低減できる。
また、図7に示す例では、ベクトル制御ではオープンループ制御よりも電力効率の良い駆動制御を実現できる点を考慮して、ベクトル制御期間における駆動電流の実効値Iva*を大きくすることによって、加速度a2*を大きな値としている。更に、それに応じて、オープンループ制御期間における駆動電流の実効値Iop*を小さくすることによって、オープンループ制御における加速度a1*を小さい値としている。即ち、オープンループ制御によってステッピングモータ509へ供給される、加速度a1*に対応する駆動電流は、ベクトル制御によってステッピングモータ509へ供給される、加速度a2*に対応する駆動電流よりも少ない。このような駆動電流の制御によって、画像形成装置100の生産性の低下を防止しながら、オープンループ制御によってステッピングモータ509へ供給する駆動電流(電流値Iop*)を低減できる。
次に、オープンループ制御期間において、図6に示す加速度a1と比較して、どの程度、加速度a1*を低減できるかについて説明する。図6に示す例では、加速度a1に対して、オープンループ制御ではM[%]のマージンを与えている。このため、オープンループ制御における駆動電流には、本来必要となる電流に対してM[%]分の余剰の電流が含まれていることになる。この余剰の電流は、ステッピングモータ509の各相の巻線、PWMインバータ506を構成するFET等で発生する熱として消費される。一方、ステッピングモータ509へ供給される駆動電流の大きさは、このようにして発生する熱によってモータ制御部157及びステッピングモータ509の動作に問題が生じないように定められている。したがって、ベクトル制御では、少なくともオープンループ制御で用いられるこのような駆動電流と等しい値の駆動電流をステッピングモータ509へ供給することができる。それにより、ステッピングモータ509が発生させるトルクを、マージンM[%]分だけ増加させることが可能となる。
このような点を考慮した場合、ベクトル制御における、加速度a1から増加させた加速度α2*を得るために必要なトルクTm*と、加速度a1を得るために必要なトルクTmとの比較に基づいて、以下の関係式を満たすように、加速度a2*が定められる。
Tm*/Tm = M/100+1 (7)
ここで、ステッピングモータ509に必要なトルクは、その設計段階で測定及び検証が可能な定常負荷分のトルク成分と、負荷系のイナーシャ及び加速度から導出される加速トルク成分である。いずれのトルク成分も、ステッピングモータ509の設計段階で既知であるため、上記の式(7)を満たす加速度α2*を算出することが可能となる。このようにして、加速度α2*は、ベクトル制御によってステッピングモータ509へ供給可能な駆動電流の最大値に対応する加速度として定められる。
ここで、オープンループ制御時の加速度a1*は、ステッピングモータ509が、一定の加速度a1で加速した場合と等しい時間ΔTaccで目標回転速度ω_tarに達するように、次式によって定められる。
a1*=(ω_th−ω_fir)/(ΔTacc−ΔTvec) (8)
ここで、ΔTvecは、以下の式で算出できる。
ΔTvec=(ω_tar−ω_th)/a2* (9)
このように、ベクトル制御期間の長さΔTvecは、目標回転速度ω_tarと閾値ω_thとの差分と、加速度a2*との比として定められる。更に、加速度a1*は、閾値ω_thとステッピングモータ509の起動時の回転速度ω_firとの差分と、時間ΔTaccの加速期間における、オープンループ制御期間の長さΔTop(=ΔTacc−ΔTvec)との比として定められる。
このようにして定められる加速度a1*を、オープンループ制御部520によるオープンループ制御に適用することによって、オープンループ制御時にステッピングモータ509へ供給される駆動電流を少なくする(電流値Iop*を低減する)ことができる。その結果、ステッピングモータ509の起動時にオープンループ制御によって生じるギア同士の衝突音を低減することが可能である。
なお、図7に示すように、本実施形態では、モータ制御部157は、目標回転速度ω_tarで回転しているステッピングモータ509を減速させる際にも、ベクトル制御とオープンループ制御との切り替えを行う。具体的には、ステッピングモータ509が目標回転速度ω_tarから減速を開始してから閾値ω_thに達するまでの期間には、ベクトル制御部515が、減速度b2*でステッピングモータ509を減速させる。また、ステッピングモータ509の回転速度が閾値ω_thに達してから当該モータが更に減速する期間には、オープンループ制御部520が、オープンループ制御によってステッピングモータ509を、減速度b2*よりも小さい減速度b1*で減速させる。
これにより、ステッピングモータ509を減速させる際に、ステッピングモータ509の回転速度が低い期間に実行されるオープンループ制御によってステッピングモータ509へ供給する駆動電流を低減できる。その結果、オープンループ制御によって生じるギア同士の衝突音を低減することが可能である。
<モータ制御部による制御フロー>
図8は、モータ制御部157によって実行される制御フローを示すフローチャートである。なお、モータ制御部157は、FPGAやASIC等のデバイスによって構成されてもよく、その場合、図9に示す制御フローは、そのような回路が有する機能に従った処理の手順を示す。図8に示す制御フローは、例えば、操作部152から、またはネットワーク(図示せず)を介して外部PCからプリント指示をCPU151aが受信した際に、CPU151からの指示に従って、モータ制御部157によって実行される。この場合、例えば、モータ制御部157は、給紙ローラ303を駆動するステッピングモータ509の駆動制御を、図8に示す制御フローに従って実行する。なお、閾値ω_th及び目標回転速度ω_tarは、CPU151aからモータ制御部157へ与えられてもよいし、切替信号生成部518が予め保持していてもよい。
S101で、モータ制御部157は、CPU151aからの指示に従って、オープンループ制御によるステッピングモータ509の駆動制御を開始して、ステッピングモータ509を起動させる。次に、S102で、モータ制御部157は、CPU151aからの位置指令値(θ_ref)に基づいて、加速度a1*で、オープンループ制御によるステッピングモータ509の加速シーケンスを開始する。
S102の加速シーケンスの開始後、S103で、モータ制御部157(切替信号生成部518及び制御切替部519)は、位置指令値(θ_ref)に対応する回転速度が閾値ω_th以上となったか否かを判定する。回転速度が閾値ω_thとなると、モータ制御部157は、次にS104で、ステッピングモータ509の駆動制御をオープンループ制御からベクトル制御へ切り替える。更に、S105で、モータ制御部157は、CPU151aからの位置指令値(θ_ref)に基づいて、加速度a1*より大きい加速度a2*で、ベクトル制御によるステッピングモータ509の加速シーケンスを開始する。
S105の加速シーケンスの開始後、S106で、モータ制御部157(切替信号生成部518及び制御切替部519)は、位置指令値(θ_ref)に対応する回転速度が目標回転速度ω_tarに達したか否かを判定する。回転速度が目標回転速度ω_tarに達すると、モータ制御部157は、次にS107で、所定時間、ステッピングモータ509が回転速度ω_tarでの回転を継続するよう、ベクトル制御を継続する。その後、所定時間が経過すると、S108で、モータ制御部157は、CPU151aからの位置指令値(θ_ref)に基づいて、減速度b2*で、ベクトル制御によるステッピングモータ509の減速シーケンスを開始する。
減速シーケンスの開始後、S109で、モータ制御部157(切替信号生成部518及び制御切替部519)は、位置指令値(θ_ref)に対応する回転速度が閾値ω_thを下回ったか否かを判定する。回転速度が閾値ω_thを下回ると、モータ制御部157は、次にS110で、ステッピングモータ509の駆動制御をベクトル制御制御からオープンループ制御へ切り替える。更に、S111で、モータ制御部157は、CPU151aからの位置指令値(θ_ref)に基づいて、減速度b2*より小さい減速度b1*で、オープンループ制御によるステッピングモータ509の減速シーケンスを開始する。
S111の減速シーケンスの開始後、S112で、モータ制御部157(切替信号生成部518及び制御切替部519)は、位置指令値(θ_ref)に対応する回転速度が、ステッピングモータ509起動時の回転速度ω_firに達したか否かを判定する。回転速度がω_firに達すると、モータ制御部157は、処理を終了する。
上述のように、ベクトル制御では、ステッピングモータ509の各相の巻線に供給する駆動電流を、ステッピングモータ509にトルクを発生させるq軸電流と、ステッピングモータ509の回転子の磁束強度に影響するd軸電流とに分解し、それぞれ独立して制御できる。これにより、ベクトル制御では、例えば、ステッピングモータ509へd軸電流を供給せずにq軸電流のみを供給することができるため、オープンループ制御よりも良好な電力効率でステッピングモータ509の駆動制御を行うことができる。したがって、ステッピングモータ509の起動時にベクトル制御を導入する場合、ステッピングモータ509の加速度を、オープンループ制御における加速度よりも増加させることが可能である。
本実施形態では、ステッピングモータ509の起動時に、このようなベクトル制御の利点を利用して、オープンループ制御とベクトル制御とを併用している。具体的には、本実施形態のモータ制御部157は、ステッピングモータ509の起動時の加速シーケンスにおいて、当該モータをオープンループ制御により相対的に小さい第1の加速度(a1*)で所定の回転速度まで加速させると、ベクトル制御に切り替える。モータ制御部157は、その後、ベクトル制御により相対的に大きい第2の加速度(a2*)でステッピングモータ509を目標回転速度ω_tarまで加速させる。この加速シーケンスにおいて、第1の加速度(a1*)は、第2の加速度(a2*)よりも小さい値に設定される。
これにより、ステッピングモータ509の起動時に、その回転速度が低い期間に実行するオープンループ制御によってステッピングモータ509へ供給する駆動電流を低減できる。その結果、ステッピングモータ509の起動時にオープンループ制御によって生じるモータギヤ同士の衝突音を低減することができる。
なお、上述の実施形態では、ステッピングモータがモータ制御部157の制御対象である例について説明している。しかし、上述の実施形態は、ステッピングモータ以外のタイプのモータ(例えば、感光ドラム309を駆動するブラシレスDCモータ)の駆動制御にベクトル制御を用いる場合にも適用可能であり、その場合、上述の効果と同様の効果を期待できる。
100:画像形成装置、151a:CPU、157:モータ制御部、501:位置制御器、506:PWMインバータ、507,508:電流検出部、509:ステッピングモータ、510:A/D変換器、512:誘起電圧演算部、513:位置演算部、514:速度演算部、515:ベクトル制御部、520:オープンループ制御部

Claims (12)

  1. モータの駆動制御を行うモータ制御装置であって、
    前記モータへ供給する駆動電流を、予め定められた電流値によって制御するオープンループ制御を行うものであり、当該駆動電流に対応する駆動電圧を出力する第1の制御手段と、
    前記モータへ供給する駆動電流を、前記モータの各相の巻線に流れる駆動電流の検出結果に基づく推定演算によって決定される前記モータの回転位置を基準とした回転座標系の電流値によって制御するベクトル制御を行うものであり、当該駆動電流に対応する駆動電圧を出力する第2の制御手段と、
    前記第1の制御手段または前記第2の制御手段によって出力された駆動電圧に応じて前記モータへ駆動電流を供給することで、前記モータを駆動する駆動手段と、を備え、
    前記モータが起動してから前記モータの回転速度が予め定められた閾値に達するまでの第1の期間には、前記第1の制御手段が前記オープンループ制御によって前記モータを第1の加速度で加速させ、
    前記回転速度が前記閾値に達してから目標回転速度に達するまでの第2の期間には、前記第2の制御手段が前記ベクトル制御によって前記モータを第2の加速度で加速させ、前記第1の加速度が前記第2の加速度よりも小さい、
    ことを特徴とするモータ制御装置。
  2. 前記オープンループ制御によって前記モータへ供給される、前記第1の加速度に対応する駆動電流は、前記ベクトル制御によって前記モータへ供給される、前記第2の加速度に対応する駆動電流よりも少ない、
    ことを特徴とする請求項1に記載のモータ制御装置。
  3. 前記第1の加速度は、前記モータが起動してから一定の加速度で加速して所定の要求時間で前記目標回転速度に達する場合の加速度である第3の加速度よりも小さく、
    前記第2の加速度は、前記第3の加速度よりも大きい、
    ことを特徴とする請求項1または2に記載のモータ制御装置。
  4. 前記モータの各相の巻線に流れる駆動電流を検出する電流検出手段と、
    前記電流検出手段によって検出された駆動電流の値に基づく前記推定演算によって、前記ベクトル制御に用いられる前記回転位置を決定する決定手段と、を更に備え、
    前記閾値は、前記回転位置の前記推定演算により前記回転位置の決定が可能となる回転速度として定められる、
    ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のモータ制御装置。
  5. 前記決定手段は、
    前記モータの第1相及び第2相のそれぞれについて、前記第2の制御手段によって出力された駆動電圧と、前記電流検出手段によって検出された駆動電流の値とから、前記モータの回転に従って巻線に誘起される誘起電圧を演算する電圧演算手段と、
    前記電圧演算手段によって演算された前記第1相の誘起電圧と前記第2相の誘起電圧との比から、前記回転位置を演算する位置演算手段と、
    を備えることを特徴とする請求項4に記載のモータ制御装置。
  6. 前記第2の加速度は、前記第2の制御手段による前記ベクトル制御によって前記モータへ供給可能な駆動電流の最大値に対応する加速度として定められる、
    ことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載のモータ制御装置。
  7. 前記第2の期間の長さは、前記目標回転速度と前記閾値との差分と、前記第2の加速度との比として定められ、
    前記第1の期間の長さは、前記モータが起動してから前記目標回転速度に達するまでの所定の要求時間と、前記第2の期間の長さとの差分として定められ、
    前記第1の加速度は、前記閾値と前記モータの起動時の回転速度との差分と、前記第1の期間の長さの比として定められる、
    ことを特徴とする請求項6に記載のモータ制御装置。
  8. 前記モータが前記目標回転速度から減速を開始してから前記閾値に達するまでの期間には、前記第2の制御手段が前記ベクトル制御によって前記モータを第1の減速度で減速させ、
    前記回転速度が前記閾値に達してから前記モータが更に減速する期間には、前記第1の制御手段が前記オープンループ制御によって前記モータを前記第1の減速度よりも小さい第2の減速度で減速させる、
    ことを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載のモータ制御装置。
  9. 前記第2の制御手段は、前記推定演算によって決定される前記回転位置の、外部のコントローラから与えられる前記回転位置の指令値に対する偏差が0に近づくように、前記ベクトル制御を行う、
    ことを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載のモータ制御装置。
  10. 前記ベクトル制御において、前記駆動電流は、前記回転位置を基準とした回転座標系において、前記モータにトルクを発生させる第1の電流成分と、前記モータの回転子の磁束強度に影響する第2の電流成分とによって表され、
    前記第2の制御手段は、電流値が0になるように前記第2の電流成分を制御しながら、前記第1の電流成分を制御することによって、前記駆動電流を制御する、
    ことを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載のモータ制御装置。
  11. 前記第1の制御手段は、外部のコントローラから与えられる前記回転位置の指令値によって定められる目標値の駆動電流が前記モータへ供給されるように、前記駆動電圧を出力することで、前記オープンループ制御を行う、
    ことを特徴とする請求項1から10のいずれか1項に記載のモータ制御装置。
  12. 記録材に画像を形成する画像形成手段と、
    前記画像形成手段によって画像が形成される記録材の搬送用のローラを駆動するモータと、
    前記モータの駆動制御を行う、請求項1から11のいずれか1項に記載のモータ制御装置と、
    を備えることを特徴とする画像形成装置。
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JP2019135905A (ja) * 2019-03-22 2019-08-15 キヤノン株式会社 モータ制御装置、シート搬送装置、原稿読取装置及び画像形成装置
JP2020174526A (ja) * 2019-03-22 2020-10-22 キヤノン株式会社 モータ制御装置、シート搬送装置、原稿読取装置及び画像形成装置
JP7346174B2 (ja) 2019-09-03 2023-09-19 キヤノン株式会社 モータ制御装置および画像形成装置

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