JP2017155766A - 六方切換弁 - Google Patents

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Abstract

【課題】圧力損失や摺動部分の摩耗を効果的に抑えることができ、耐久性を向上させ得て、弁洩れし難くできるとともに、主弁体を移動させるための作動差圧も可及的に抑えることのできる六方切換弁を提供する。【解決手段】各々の流路切換弁10、20、30において、円筒状の主弁ハウジング11、21、31により画成される主弁室14、24、34内でポペット式の主弁体15、25、35を連動して移動させることにより、連通するポート間(3つの流路切換弁に合計で6個設けられたポート間の連通状態)が切り換えられるようにされる。【選択図】図2

Description

本発明は、弁体を移動させることにより流路の切り換えを行う流路切換弁(三方切換弁)を複数組み合わせて構成した六方切換弁に係り、特に、ヒートポンプ式冷暖房システム等において流路切換を行う流路切換弁として使用するのに好適な六方切換弁に関する。
一般に、ルームエアコン、カーエアコン等のヒートポンプ式冷暖房システムは、圧縮機、室外熱交換器、室内熱交換器、及び膨張弁等に加えて、流路(流れ方向)切換手段としての流路切換弁を備えている。
この種の流路切換弁としては、四方切換弁がよく知られているが、それに代えて六方切換弁を用いることが考えられている。
以下に六方切換弁を備えたヒートポンプ式冷暖房システムの一例を図6を参照しながら簡単に説明する。図示例のヒートポンプ式冷暖房システム100は、運転モード(冷房運転と暖房運転)の切り換えを六方切換弁180で行うようになっており、基本的には、圧縮機110、室外熱交換器120、室内熱交換器130、冷房用膨張弁150、及び暖房用膨張弁160を備え、それらの間に6個のポートpA、pB、pC、pD、pE、pFを有する六方切換弁180が配在されている。
前記各機器間は導管(パイプ)等で形成される流路で接続されており、冷房運転モードが選択されたときには、図6(A)に示される如くに、圧縮機110から吐出された高温高圧の冷媒は、六方切換弁180のポートpAからポートpBを介して室外熱交換器120に導かれ、ここで室外空気と熱交換して凝縮し、高圧の二相冷媒となって冷房用膨張弁150に導入される。この冷房用膨張弁150により高圧の冷媒が減圧され、減圧された低圧の冷媒は、六方切換弁180のポートpEからポートpFを介して室内熱交換器130に導入され、ここで室内空気と熱交換(冷房)して蒸発し、室内熱交換器130からは低温低圧の冷媒が六方切換弁180のポートpCからポートpDを介して圧縮機110の吸入側に戻される。
それに対し、暖房運転モードが選択されたときには、図6(B)に示される如くに、圧縮機110から吐出された高温高圧の冷媒は、六方切換弁180のポートpAからポートpFを介して室内熱交換器130に導かれ、ここで室内空気と熱交換(暖房)して凝縮し、高圧の二相冷媒となって暖房用膨張弁160に導入される。この暖房用膨張弁160により高圧の冷媒が減圧され、減圧された低圧の冷媒は、六方切換弁180のポートpCからポートpBを介して室外熱交換器120に導入され、ここで室外空気と熱交換して蒸発し、室外熱交換器120からは低温低圧の冷媒が六方切換弁180のポートpEからポートpDを介して圧縮機110の吸入側に戻される。
前記した如くのヒートポンプ式冷暖房システムに組み込まれる六方切換弁として、特許文献1に所載の如くの、スライド式のものが知られている。このスライド式の六方切換弁は、スライド式主弁体を内蔵する弁本体(弁ハウジング)と電磁式のパイロット弁(四方パイロット弁)とを有し、弁ハウジングに、前記ポートpA〜pFが設けられるとともに、スライド式主弁体が左右方向に摺動可能に配在されている。弁ハウジングにおけるスライド式主弁体の左右には、パイロット弁を介して圧縮機吐出側及び圧縮機吸入側に接続される、それぞれスライド式主弁体に結合された左右一対のピストン型パッキンにより画成される二つの作動室が設けられ、この二つの作動室への高圧流体(冷媒)の導入・排出を前記パイロット弁で選択的に行い、この二つの作動室の圧力差を利用して前記スライド式主弁体を左右方向に摺動させることで前記流路切換を行うようにされている。
特開平8−170864号公報
前記した如くの従来の流路切換弁においては、次のような解決すべき課題がある。
すなわち、特許文献1に所載のスライド式の六方切換弁では、左右一対のピストン型パッキンを伴うスライド式主弁体を摺動させて流路切換を行う構成であるので、スライド式主弁体のシール面の精度確保が難しく、初期漏れが多くなるという問題や、作動の繰り返しにより摺動部分が摩耗しやすく、それに伴い、摺動部分のシール性が悪くなる等、耐久劣化によって弁漏れ量が増加するおそれもある。
また、内容積が比較的小さな弁ハウジング内でスライド式主弁体を摺動させて流路切換を行う構成であるので、高低圧両方の流体(冷媒)の流路面積の確保が難しく、高低圧両方の流体(冷媒)において圧力損失が大きくなる嫌いがある。
加えて、摺動面積の大きいスライド式主弁体を左右一対のピストン型パッキンで移動させて流路切換を行う構成であるため、作動差圧が高くなるという問題もある。
上記に加えて、従来の流路切換弁、特に、前記したヒートポンプ式冷暖房システムに使用される流路切換弁では、弁ハウジング内において高温高圧の冷媒(ポートpAからポートpB、ポートpAからポートpFへ流れる冷媒)と低温低圧の冷媒(ポートpCからポートpD、ポートpEからポートpDへ流れる冷媒)とが近接した状態(スライド式主弁体の壁のみで仕切られた状態)で流されるので、それらの弁ハウジング内での熱交換量が大きくなって、システムの効率が悪くなるという問題もある。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、圧力損失や摺動部分の摩耗を効果的に抑えることができ、耐久性を向上させ得て、弁洩れし難くできるとともに、主弁体を移動させるための作動差圧も可及的に抑えることのできる六方切換弁を提供することにある。
また、本発明の他の目的とするところは、ヒートポンプ式冷暖房システム等の高温高圧の流体と低温低圧の流体が流される環境で使用される場合において、熱損失を低減し得てヒートポンプ式冷暖房システムの効率を向上させることのできる六方切換弁を提供することにある。
前記の目的を達成すべく、本発明に係る六方切換弁は、基本的には、それぞれに2個のポートが設けられた3つの流路切換弁と、前記3つの流路切換弁のうちの2つの流路切換弁間を連通せしめる合計で3つの連通路とを備え、前記3つの流路切換弁に合計で6個設けられたポート間の連通状態が切り換えられるようにされており、前記3つの流路切換弁のそれぞれは、主弁室を画成する筒状の主弁ハウジングを有し、前記主弁室には、2個のポートが開口せしめられ、該2個のポートの間に主弁座が設けられ、該2個のポートの一端側もしくは他端側に副弁座が設けられるとともに、前記主弁座と前記副弁座に選択的に接離するポペット式の主弁体が軸線方向に移動自在に配在されており、前記3つの流路切換弁のそれぞれにおいて、前記主弁室内で前記主弁体を連動して移動させることにより、各々の流路切換弁における2個のポートが連通せしめられる第1連通状態と、前記3つの流路切換弁のうちの特定の流路切換弁における1個のポートと他の流路切換弁における1個のポートとがその間に設けられた前記連通路を介して連通せしめられる第2連通状態と、をとり得るようにされていることを特徴としている。
前記連通路は、好ましくは、該連通路によって連通せしめられる2つの流路切換弁に設けられた4個のポートのうちの少なくとも1個のポートと同じ高さに配置される。
前記連通路は、好ましくは、該連通路によって連通せしめられる2つの流路切換弁に設けられた4個のポートのうちの少なくとも1個のポートと対向するように配置される。
好ましい態様では、前記3つの流路切換弁のうちの少なくとも2つの流路切換弁における前記主弁体を異なる方向に移動させることにより、前記第1連通状態と前記第2連通状態とが切り換えられるようにされる。
別の好ましい態様では、前記主弁ハウジングには、一端側から順次、高圧流体が選択的に導入・排出される容量可変の作動室、前記作動室を画成するピストン、前記主弁室が配在され、前記主弁体は、前記ピストンに連動して軸線方向に移動自在に配在されており、前記3つの流路切換弁のそれぞれにおける前記作動室への高圧流体の導入・排出を制御して前記ピストンを移動させ、前記3つの流路切換弁のそれぞれにおいて、前記主弁室内で前記主弁体を連動して移動させるようにされる。
別の好ましい態様では、前記3つの流路切換弁のうちの少なくとも2つの流路切換弁が軸線方向を同じ方向に向けて横並びで配置されるとともに、前記少なくとも2つの流路切換弁における前記作動室が同じ側に配置される。
別の好ましい態様では、前記作動室には、前記流路切換弁の前記主弁室に供給される高圧流体が導入されるようにされる。
前記作動室への高圧流体の導入・排出の制御を、前記3つの流路切換弁のそれぞれの前記作動室に設けられたポート、及び、前記六方切換弁の高圧部分と低圧部分とに接続された単一の四方パイロット弁により行うようにされる。
本発明に係る六方切換弁では、各々の流路切換弁において、筒状の主弁ハウジングにより画成される主弁室内でポペット式の主弁体を連動して移動させることにより、連通するポート間(3つの流路切換弁に合計で6個設けられたポート間の連通状態、流路)が切り換えられるようにされているので、従来のスライド式主弁体を使用した六方切換弁と比べて、弁漏れを抑えられるとともに、流路面積を比較的大きくできて、圧力損失を低減できる。また、各々の流路切換弁に、主弁体を移動させるためのアクチュエータ部(ピストン等)が備えられているので、作動差圧の上昇を抑えることもできる。
上記に加えて、本発明に係る六方切換弁をヒートポンプ式冷暖房システム等の、高温高圧の冷媒と低温低圧の冷媒が流される環境で使用する場合、各々の流路切換弁はその間に設けられた各連通路によって比較的大きく離されて設けられているので、高温高圧の冷媒と低温低圧の冷媒とが近接した状態(スライド式主弁体の壁のみで仕切られた状態)で流される従来のものに比べて、主弁ハウジング内での熱交換量を大幅に低減でき、そのため、システムの効率を向上できるという効果も得られる。
また、本発明に係る六方切換弁では、各々の流路切換弁において、(ピストンの)一端側に設けられた作動室にのみ高圧流体(作動圧)を導入して、主弁体を移動させるようにされているので、六方切換弁全体の構成を簡素化できるという効果もある。
上記した以外の、課題、構成、及び作用効果は、以下の実施形態により明らかにされる。
本発明に係る六方切換弁の一実施形態を示す図であり、(A)は正面図、(B)は平面図、(C)は左側面図。 図1に示される六方切換弁の第1連通状態(暖房運転時)を示す図であり、(A)は縦断面図、(B)は(A)のU−U矢視線に従う横断面図の要部を示す図。 図1に示される六方切換弁の第2連通状態(冷房運転時)を示す図であり、(A)は縦断面図、(B)は(A)のU−U矢視線に従う横断面図の要部を示す図。 図1に示される六方切換弁の四方パイロット弁を拡大して示す図であり、(A)は第1連通状態(暖房運転時)(通電OFF時)、(B)は第2連通状態(冷房運転時)(通電ON時)をそれぞれ示す縦断面図。 図1に示される六方切換弁の変形形態(の第1連通状態(暖房運転時))を示す図であり、(A)は縦断面図、(B)は(A)のU−U矢視線に従う横断面図の要部を示す図。 流路切換弁として六方切換弁が使用されたヒートポンプ式冷暖房システムの一例における、(A)は冷房運転時、(B)は暖房運転時をそれぞれ示す概略構成図。
以下、本発明の実施形態を図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明に係る六方切換弁の一実施形態を示す図であり、図1(A)は正面図、図1(B)は平面図、図1(C)は左側面図である。また、図2は、図1に示される六方切換弁の第1連通状態(暖房運転時)を示す図であり、図2(A)は縦断面図、図2(B)は図2(A)のU−U矢視線に従う横断面図の要部(後半部)を示す図、図3は、図1に示される六方切換弁の第2連通状態(冷房運転時)を示す図であり、図3(A)は縦断面図、図3(B)は図3(A)のU−U矢視線に従う横断面図の要部(後半部)を示す図である。
なお、本明細書において、上下、左右、前後等の位置、方向を表わす記述は、説明が煩瑣になるのを避けるために図面に従って便宜上付けたものであり、実際にヒートポンプ式冷暖房システム等に組み込まれた状態での位置、方向を指すとは限らない。
また、各図において、部材間に形成される隙間や部材間の離隔距離等は、発明の理解を容易にするため、また、作図上の便宜を図るため、各構成部材の寸法に比べて大きくあるいは小さく描かれている場合がある。
図示実施形態の六方切換弁1は、例えば前述した図6に示されるヒートポンプ式冷暖房システム100における六方切換弁180として用いられるもので、基本的に、3つの流路切換弁(三方切換弁)10、20、30を組み合わせて構成した六方弁本体9と、パイロット弁としての単一の電磁式四方パイロット弁90とを備える。なお、本実施形態の六方切換弁1に備えられている6個のポートは、上記六方切換弁180の各ポートpA〜pFに対応させて同一の符号が付されている。
<六方弁本体9の構成>
六方弁本体9は、主に、それぞれに2個(合計で6個)のポートが設けられた3つのシリンダ型の流路切換弁10、20、30と、3つの流路切換弁10、20、30のうちの2つの流路切換弁間を連通せしめる合計で3つの連通路40、50、60とを備えている。
流路切換弁10と流路切換弁20とは、横並びで垂設(軸線O1、O2方向を上下方向に向けて縦置きで配設)され、流路切換弁30は、流路切換弁10及び流路切換弁20の後方かつ下側で横倒しで(軸線O3方向を左右方向に向けて)配設されている。
また、各連通路40、50、60は、アルミあるいはステンレス等の金属製の管体で構成されており、図2及び図3を参照すればよく分かるように、流路切換弁10の中央やや上側の部分(ポートpFと同じ高さで当該ポートpEと対向する部分)と流路切換弁20の中央やや上側の部分(ポートpEより上側の部分)とが、横方向に延びる連通路40で溶接等により接続され、流路切換弁20の下部(ポートpDと同じ高さの部分)と流路切換弁30の中央やや右側の部分(ポートpCより右側の部分)とが、前後方向に延びる連通路50で溶接等により接続され、流路切換弁30の左側の部分(ポートpBに対向する部分)と流路切換弁10の下部(ポートpAより下側の部分)とが、前後方向に延びる連通路60で溶接等により接続されている。
[流路切換弁10の構成]
前記六方弁本体9の前側かつ左側に配置された流路切換弁10は、図2及び図3を参照すればよく分かるように、アルミあるいはステンレス等の金属製とされた円筒状の主弁ハウジング11を有し、この主弁ハウジング11に、一端側(上端側)から順次、高圧流体(冷媒)が選択的に導入・排出される容量可変の作動室12、この作動室12を画成するピストン13、主弁室14が配在されている。断面凹状のピストン13の外周(に設けられた環状溝)には、ピストン13(の外周面)と主弁ハウジング11(の内周面)との摺動面隙間を封止すべく(言い換えれば、主弁ハウジング11を気密的に仕切るべく)、シール部材としてのOリング13Aが装着されている。
主弁ハウジング11の一端側開口(上端側開口)を気密的に封止するように、かしめ、溶接等により傘状の一端蓋部材11Aが固着され、その一端蓋部材11Aには、作動室12に高圧流体(冷媒)を導入・排出するためのポートp10が取り付けられている。
また、主弁ハウジング11の他端側開口(下端側開口)を気密的に封止するように、かしめ、溶接等により短円柱状の他端蓋部材11Bが固着されるとともに、その他端蓋部材11B(の内面)の中央には、軸線(中心線)O1方向に沿って、段付きのガイド軸19が固定されている。
このガイド軸19は、下側から、比較的短い下部大径部19A、中間中径部19B、比較的長い上部小径部19Cを有し、その下部大径部19Aがかしめ等により他端蓋部材11Bに固定されるとともに、その上部小径部19Cは、後述する主弁体15に設けられた中央嵌挿穴15b(の下半部分)に摺動自在に内嵌されている。また、このガイド軸19には、その中央を貫通するように縦孔(縦向きの貫通孔)19aが形成されるとともに、その中間中径部19Bには、主弁室14(詳細には、後述する主弁室14における副弁座17より他端側)に開口する複数個の横孔19bが形成されている。
前記主弁室14の上部及び上下中央部付近には、左方に向けて延びる管継手からなる2個のポート(ポートpF、ポートpA)が縦並びで開口せしめられ、主弁室14における前記2個のポートの間に、その内端下部が弁シート部とされた主弁座16が設けられ、主弁室14における前記2個のポートより他端側(ここでは、下側のポートpAの直下)には、その内端上部が弁シート部とされた副弁座17が設けられている。主弁座16及び副弁座17は、主弁ハウジング11の内周から内側に向けて突設されて形成されており、その主弁座16及び副弁座17により画成される主弁口及び副弁口の口径(弁シート部の内径)は、主弁ハウジング11の内径(つまり、作動室12やピストン13の外径)より小さくされている。
そして、主弁室14における前記主弁座16より一端側(上端側)(ここでは、主弁座16の直上)には、前記ポートpFに対向するように、前記連通路40(流路切換弁20の主弁室24の副弁座27より一端側に連通する連通路40)が横向きに連通せしめられ、前記副弁座17より他端側(下端側)(ここでは、副弁座17の直下)には、前記連通路60(流路切換弁30の主弁室34の主弁座36より他端側に連通する連通路60)が後向きに連通せしめられている。
また、前記主弁室14における主弁座16と副弁座17との間には、外周が窪んだ形状に形成されたポペット式の主弁体15が(主弁ハウジング11の内周と所定の間隔をあけて)軸線O1方向(上下方向)に移動自在に配在されている。
前記主弁体15は、主弁座16と副弁座17に選択的に接離するようになっており、図2に示される如くの、その下面外周部分が副弁座17(の弁シート部)に着座して、ポートpAとポートpFとを(主弁座16の主弁口を介して)連通させる他端(下端)位置(暖房位置)と、図3に示される如くの、その上面外周部分が主弁座16(の弁シート部)に着座して、ポートpAと連通路60とを(副弁座17の副弁口を介して)連通させ且つポートpFと連通路40とを連通させる一端(上端)位置(冷房位置)とを選択的にとり得るようにされている。なお、主弁体15が他端位置にあるときには、ポートpAとポートpFは連通路40とも連通しているが、この連通路40と流路切換弁20に設けられた各ポート(ポートpE、ポートpD)間は、主弁室24に配在された主弁体25が副弁座27に着座することにより連通しない(連通状態が遮断される)ようになっている(後で詳述)。
主弁体15は、移動時以外は主弁座16又は副弁座17に対接せしめられ、このときは主弁室14に導入された高圧の冷媒により押圧されて主弁座16又は副弁座17の弁シート部に圧接せしめられている。
ピストン13の下面中央には、軸線O1方向に沿って、連結軸18が一体的に延設されている。この連結軸18の(他端側)先端部は、若干小径とされるとともに、その外周に雄ねじが形成されている(雄ねじ部18a)。一方、主弁体15には、その中央を貫通するように段付きの中央嵌挿穴15bが形成されており、その一部が縮径されるとともに、その内周に雌ねじが形成されている(雌ねじ部15a)。連結軸18の先端部(雄ねじ部18a)が主弁体15の中央嵌挿穴15b(の上半部分)に挿入され、その連結軸18に設けられた雄ねじと主弁体15に設けられた雌ねじとが螺着されることにより、連結軸18と主弁体15とが一体に連結され、これにより、主弁体15は、ピストン13の往復移動に伴って前記連結軸18に押し引きされて他端位置(暖房位置)と一端位置(冷房位置)との間を行き来するようにされている。
すなわち、本実施形態における流路切換弁10では、作動室12と連結軸18を有するピストン13とで、主弁体15を軸線O1方向(上下方向)に移動させる、流体圧式(詳細には、システム内の高圧冷媒と低圧冷媒の差圧を利用する流体圧式)のアクチュエータ部が構成されている。
なお、主弁体15の中央嵌挿穴15bの下半部分には、前記したガイド軸19の上部小径部19Cが摺動自在に内嵌され、これにより、主弁体15が、軸線O1方向に沿うように(言い換えれば、軸線O1方向に対する主弁体15の傾きや位置ずれが生じないように)ガイドされて、ピストン13の往復移動に連動して上下動するようになっている。
[流路切換弁20の構成]
前記六方弁本体9の前側かつ右側に配置された流路切換弁20の基本構成は、前記した流路切換弁10とほぼ同様であるため、同じ機能及び作用を有する部分には同様の符号(流路切換弁10の各部の符号に対して10を足した符号)を付して重複説明を省略する。
この流路切換弁20は、流路切換弁10に対し、基本的に、主弁ハウジング21に設けられた2個のポート(ポートpE、ポートpD)と主弁ハウジング21の内周に設けられた主弁座26及び副弁座27の位置が相違している。
前記流路切換弁20において、主弁室24の上下中央部付近及び下部には、右方に向けて延びる管継手からなる2個のポート(ポートpE、ポートpD)が縦並びで開口せしめられ、主弁室24における前記2個のポートの間に、その内端上部が弁シート部とされた主弁座26が設けられ、主弁室24における前記2個のポートより一端側(ここでは、上側のポートpEの直上)には、その内端下部が弁シート部とされた副弁座27が設けられている。
そして、主弁室24における前記副弁座27より一端側(上端側)(ここでは、副弁座27の直上)には、前記連通路40(流路切換弁10の主弁室14の主弁座16より一端側に連通する連通路40)が横向きに連通せしめられ、前記主弁座26より他端側(下端側)(ここでは、主弁座26の直下)には、前記ポートpDと同じ高さで、前記連通路50(流路切換弁30の主弁室34の副弁座37より一端側に連通する連通路50)が後向きに連通せしめられている。
軸線O2方向(上下方向)に移動自在に配在されたポペット式の主弁体25は、主弁座26と副弁座27に選択的に接離するようになっており、図2に示される如くの、その上面外周部分が副弁座27(の弁シート部)に着座して、ポートpEとポートpDとを(主弁座26の主弁口を介して)連通させる一端(上端)位置(暖房位置)と、図3に示される如くの、その下面外周部分が主弁座26(の弁シート部)に着座して、ポートpEと連通路40とを(副弁座27の副弁口を介して)連通させ且つポートpDと連通路50とを連通させる他端(下端)位置(冷房位置)とを選択的にとり得るようにされている。なお、主弁体25が一端位置にあるときには、ポートpEとポートpDは連通路50とも連通しているが、この連通路50と流路切換弁30に設けられた各ポート(ポートpC、ポートpB)間は、主弁室34に配在された主弁体35が副弁座37に着座することにより連通しない(連通状態が遮断される)ようになっている(後で詳述)。
主弁体25は、移動時以外は主弁座26又は副弁座27に対接せしめられ、このときは主弁室24に導入された高圧の冷媒により押圧されて主弁座26又は副弁座27の弁シート部に圧接せしめられている。
[流路切換弁30の構成]
前記六方弁本体9の後側かつ下側に配置された流路切換弁30は、基本的に前記した流路切換弁20を横倒し(一端側(上端側)を右端側とし、他端側(下端側)を左端側とするように横倒し)としたもので、その基本構成は、前記した流路切換弁20とほぼ同様であるため、同じ機能及び作用を有する部分には同様の符号(流路切換弁20の各部の符号に対して10を足した符号)を付して重複説明を省略する。
この流路切換弁30において、主弁室34の左右中央部付近及び左部には、後方に向けて延びる管継手からなる2個のポート(ポートpC、ポートpB)が横並びで開口せしめられ、主弁室34における前記2個のポートの間に、その内端右部が弁シート部とされた主弁座36が設けられ、主弁室34における前記2個のポートより一端側(ここでは、右側のポートpCの右隣り)には、その内端左部が弁シート部とされた副弁座37が設けられている。
そして、主弁室34における前記副弁座37より一端側(右端側)(ここでは、副弁座37の右隣り)には、前記連通路50(流路切換弁20の主弁室24の主弁座26より他端側に連通する連通路50)が前向きに連通せしめられ、前記主弁座36より他端側(左端側)(ここでは、主弁座36の左隣り)には、前記ポートpBに対向するように、前記連通路60(流路切換弁10の主弁室14の副弁座17より他端側に連通する連通路60)が前向きに連通せしめられている。
軸線O3方向(左右方向)に移動自在に配在されたポペット式の主弁体35は、主弁座36と副弁座37に選択的に接離するようになっており、図2に示される如くの、その右面外周部分が副弁座37(の弁シート部)に着座して、ポートpCとポートpBとを(主弁座36の主弁口を介して)連通させる一端(右端)位置(暖房位置)と、図3に示される如くの、その左面外周部分が主弁座36(の弁シート部)に着座して、ポートpCと連通路50とを(副弁座37の副弁口を介して)連通させ且つポートpBと連通路60とを連通させる他端(左端)位置(冷房位置)とを選択的にとり得るようにされている。なお、主弁体35が一端位置にあるときには、ポートpCとポートpBは連通路60とも連通しているが、この連通路60と流路切換弁10に設けられた各ポート(ポートpA、ポートpF)間は、主弁室14に配在された主弁体15が副弁座17に着座することにより連通しない(連通状態が遮断される)ようになっている。
主弁体35は、移動時以外は主弁座36又は副弁座37に対接せしめられ、このときは主弁室34に導入された高圧の冷媒により押圧されて主弁座36又は副弁座37の弁シート部に圧接せしめられている。
なお、本例では、各々の流路切換弁10、20、30に設けられた各ポートpA〜pFの口径、及び、各々の連通路40、50、60の通路径は、略同径に設定されている。
<六方弁本体9の動作>
次に、上記した如くの構成を有する六方弁本体9の動作を説明する。
各々の流路切換弁10、20、30の主弁体15、25、35が暖房位置(流路切換弁10の主弁体15が他端(下端)位置、流路切換弁20の主弁体25が一端(上端)位置、流路切換弁30の主弁体35が一端(右端)位置)(図2に示される如くの第1連通状態)にあるときにおいて、後述する四方パイロット弁90を介して、作動室22及び作動室32を吐出側高圧ポートであるポートpAに連通させるとともに、作動室12を吸入側低圧ポートであるポートpDに連通させると、作動室22及び作動室32に高温高圧の冷媒が導入されるとともに、作動室12から高温高圧の冷媒が排出される。そのため、作動室22の圧力が主弁室24の圧力より高くなり、ピストン23及び主弁体25が(ガイド軸29にガイドされながら)下方に移動し、主弁体25(の上面外周部分)が副弁座27(の弁シート部)から離れて副弁口が開かれるとともに、主弁体25(の下面外周部分)が主弁座26(の弁シート部)に着座して接当係止される。また、作動室32の圧力が主弁室34の圧力より高くなり、ピストン33及び主弁体35が(ガイド軸39にガイドされながら)左方に移動し、主弁体35(の右面外周部分)が副弁座37(の弁シート部)から離れて副弁口が開かれるとともに、主弁体35(の左面外周部分)が主弁座36(の弁シート部)に着座して接当係止される。さらに、作動室12の圧力が主弁室14の圧力より低くなり、ピストン13及び主弁体15が(ガイド軸19にガイドされながら)上方に移動し、主弁体15(の下面外周部分)が副弁座17(の弁シート部)から離れて副弁口が開かれるとともに、主弁体15(の上面外周部分)が主弁座16(の弁シート部)に着座して接当係止される。これにより、各々の流路切換弁10、20、30の主弁体15、25、35が冷房位置(流路切換弁10の主弁体15が一端(上端)位置、流路切換弁20の主弁体25が他端(下端)位置、流路切換弁30の主弁体35が他端(左端)位置)(図3に示される如くの第2連通状態)をとる。
これにより、流路切換弁10におけるポートpAと流路切換弁30におけるポートpBとがその間に設けられた連通路60を介して連通せしめられ、流路切換弁30におけるポートpCと流路切換弁20におけるポートpDとがその間に設けられた連通路50を介して連通せしめられ、流路切換弁20におけるポートpEと流路切換弁10におけるポートpFとがその間に設けられた連通路40を介して連通せしめられるので、図6に示される如くのヒートポンプ式冷暖房システム100において、冷房運転が行われる。
各々の流路切換弁10、20、30の主弁体15、25、35が冷房位置(図3に示される如くの第2連通状態)にあるときにおいて、後述する四方パイロット弁90を介して、作動室12を吐出側高圧ポートであるポートpAに連通させるとともに、作動室22及び作動室32を吸入側低圧ポートであるポートpDに連通させると、作動室12に高温高圧の冷媒が導入されるとともに、作動室22及び作動室32から高温高圧の冷媒が排出される。そのため、作動室12の圧力が主弁室14の圧力より高くなり、ピストン13及び主弁体15が(ガイド軸19にガイドされながら)下方に移動し、主弁体15(の上面外周部分)が主弁座16(の弁シート部)から離れて主弁口が開かれるとともに、主弁体15(の下面外周部分)が副弁座17(の弁シート部)に着座して接当係止される。また、作動室22の圧力が主弁室24の圧力より低くなり、ピストン23及び主弁体25が(ガイド軸29にガイドされながら)上方に移動し、主弁体25(の下面外周部分)が主弁座26(の弁シート部)から離れて主弁口が開かれるとともに、主弁体25(の上面外周部分)が副弁座27(の弁シート部)に着座して接当係止される。さらに、作動室32の圧力が主弁室34の圧力より低くなり、ピストン33及び主弁体35が(ガイド軸39にガイドされながら)右方に移動し、主弁体35(の左面外周部分)が主弁座36(の弁シート部)から離れて主弁口が開かれるとともに、主弁体35(の右面外周部分)が副弁座37(の弁シート部)に着座して接当係止される。これにより、各々の流路切換弁10、20、30の主弁体15、25、35が暖房位置(流路切換弁10の主弁体15が他端(下端)位置、流路切換弁20の主弁体25が一端(上端)位置、流路切換弁30の主弁体35が一端(右端)位置)(図2に示される如くの第1連通状態)をとる。
これにより、流路切換弁10においてポートpAとポートpFとが連通せしめられ、流路切換弁20においてポートpEとポートpDとが連通せしめられ、流路切換弁30においてポートpCとポートpBとが連通せしめられるので、図6に示される如くのヒートポンプ式冷暖房システム100において、暖房運転が行われる。
ここで、本実施形態では、流路切換弁10における主弁体15の外径(シート径)が、主弁ハウジング11の内径(つまり、ピストン13の受圧径)より小さくされ、流路切換弁20における主弁体25の外径(シート径)が、主弁ハウジング21の内径(つまり、ピストン23の受圧径)より小さくされ、流路切換弁30における主弁体35の外径(シート径)が、主弁ハウジング31の内径(つまり、ピストン33の受圧径)より小さくされているので、前記した流路切換に当たり(つまり、暖房運転から冷房運転に切り換える際、及び、冷房運転から暖房運転に切り換える際に)、簡単な構成でもって、各々の流路切換弁10、20、30の主弁体15、25、35を確実に移動させられるようになっている。
<四方パイロット弁90の構成>
パイロット弁としての四方パイロット弁90は、その構造自体はよく知られているもので、図4に拡大図示されている如くに、基端側(上端側)外周に電磁コイル91が外嵌固定された円筒状のストレートパイプからなる弁ケース92を有し、該弁ケース92に、基端側から順次、吸引子95、圧縮コイルばね96、プランジャ97が直列的に配在されている。
弁ケース92の上端部は、吸引子95の鍔状部(外周段丘部)に溶接等により密封接合されており、吸引子95は、通電励磁用の電磁コイル91の外周を覆うカバーケース91Aにボルト92Bにより締結固定されている。
一方、弁ケース92の下端開口部には、高圧冷媒を導入するための細管挿着口(高圧導入ポートa)を有するフィルタ付き蓋部材98が溶接、ろう付け、かしめ等により気密的に取着されており、蓋部材98とプランジャ97と弁ケース92とで囲まれる領域が弁室99となっている。弁室99には、蓋部材98の細管挿着口(高圧導入ポートa)に気密的に挿着された可撓性を有する高圧細管#aを介して前記ポート(吐出側高圧ポート)pAから高温高圧の冷媒が導入されるようになっている。
また、弁ケース92におけるプランジャ97と蓋部材98との間には、その内端面が平坦な弁シート面とされた弁座93がろう付け等により気密的に接合されており、この弁座93の弁シート面(内端面)には、先端側(下端側)から順次、前記した六方弁本体9の流路切換弁20の作動室22及び流路切換弁30の作動室32に細管#bを介して接続されるポートb、ポート(吸入側低圧ポート)pDに細管#cを介して接続されるポートc、流路切換弁10の作動室12に細管#dを介して接続されるポートdが弁ケース92の長手方向(上下方向)に沿って所定間隔をあけて縦並びに開口せしめられている。
吸引子95に対向配置されたプランジャ97は、基本的には円柱状とされ、弁ケース92内を軸方向(弁ケース92の中心線Lに沿う方向)に摺動自在に配在されている。そのプランジャ97の吸引子95側とは反対側の端部には、弁体94をその自由端側で厚み方向に摺動可能に保持する弁体ホルダ94Aがその基端部を取付具94Bと共に圧入、かしめ等により取付固定されている。この弁体ホルダ94Aには、弁体94を弁座93に押し付ける方向(厚み方向)に付勢する板ばね94Cが取り付けられている。弁体94は、弁座93の弁シート面に開口するポートb、c、d間の連通状態を切り換えるべく、当該弁座93の弁シート面に対接せしめられた状態で、弁座93の弁シート面をプランジャ97の上下動に伴って摺動するようになっている。
また、弁体94には、弁座93の弁シート面に開口する3個のポートb〜dのうちの隣り合うポートb−c間、c−d間を選択的に連通させ得るような大きさの凹部94aが設けられている。
また、圧縮コイルばね96は、吸引子95とプランジャ97との間に縮装されてプランジャ97を吸引子95から引き離す方向(図では、下方)に付勢するようになっているが、本例では、弁座93(の上端部)が、プランジャ97の下方への移動を阻止するストッパとされている。なお、このストッパの構成としては、その他の構成を採用し得ることは言うまでも無い。
なお、上記四方パイロット弁90は、取付具92Aを介して六方弁本体9の背面側等(図示例では、流路切換弁10の背面側)に取付けられる。
<四方パイロット弁90の動作>
上記した如くの構成とされた四方パイロット弁90においては、電磁コイル91への通電OFF時には、図2及び図4(A)に示される如くに、プランジャ97は圧縮コイルばね96の付勢力により、その下端が弁座93に接当する位置まで押し下げられている。この状態では、弁体94がポートbとポートc上に位置し、その凹部94aによりポートbとポートcが連通するとともに、ポートdと弁室99とが連通するので、ポート(吐出側高圧ポート)pAに流入する高圧流体が高圧細管#a→弁室99→ポートd→細管#d→ポートp10を介して作動室12に導入されるとともに、作動室22及び作動室32の高圧流体がポートp20及びポートp30→細管#b→ポートb→凹部94a→ポートc→細管#c→ポート(吸入側低圧ポート)pDへと流れて排出される。
それに対し、電磁コイル91への通電をONにすると、図3及び図4(B)に示される如くに、プランジャ97は吸引子95の吸引力により、その上端が吸引子95に接当する位置まで(圧縮コイルばね96の付勢力に抗して)引き寄せられる。このときには、弁体94がポートcとポートd上に位置し、その凹部94aによりポートcとポートdが連通するとともに、ポートbと弁室99とが連通するので、ポート(吐出側高圧ポート)pAに流入する高圧流体が高圧細管#a→弁室99→ポートb→細管#b→ポートp20及びポートp30を介して作動室22及び作動室32に導入されるとともに、作動室12の高圧流体がポートp10→細管#d→ポートd→凹部94a→ポートc→細管#c→ポート(吸入側低圧ポート)pDへと流れて排出される。
したがって、電磁コイル91への通電をOFFにすると、各流路切換弁10、20、30の主弁体15、25、35が冷房位置(第2連通状態)から暖房位置(第1連通状態)に移行し、前記した如くの流路切換が行われる一方、電磁コイル91への通電をONにすると、各流路切換弁10、20、30の主弁体15、25、35が暖房位置(第1連通状態)から冷房位置(第2連通状態)に移行し、前記した如くの流路切換が行われる。
このように、本実施形態の六方切換弁1においては、電磁式四方パイロット弁90への通電をON/OFFで切り換えることで、六方切換弁1内を流通する高圧流体(高圧部分であるポートpAを流れる流体)と低圧流体(低圧部分であるポートpDを流れる流体)との差圧を利用して六方弁本体9を構成する各流路切換弁10、20、30の主弁体15、25、35を主弁室14、24、34内で連動して移動させることにより、3つの流路切換弁10、20、30に合計で6個設けられたポート間の連通状態が切り換えられ、図6に示される如くのヒートポンプ式冷暖房システム100において、暖房運転から冷房運転への切り換え、及び、冷房運転から暖房運転への切り換えを行うことができる。
<六方切換弁1の作用効果>
以上の説明から理解されるように、本実施形態の六方切換弁1においては、各々の流路切換弁10、20、30において、円筒状の主弁ハウジング11、21、31により画成される主弁室14、24、34内でポペット式の主弁体15、25、35を連動して移動させることにより、連通するポート間(3つの流路切換弁に合計で6個設けられたポート間の連通状態、流路)が切り換えられるようにされているので、従来のスライド式主弁体を使用した六方切換弁と比べて、弁漏れを抑えられるとともに、流路面積を比較的大きくできて、圧力損失を低減できる。また、各々の流路切換弁10、20、30に、主弁体15、25、35を移動させるためのアクチュエータ部(ピストン等)が備えられているので、作動差圧の上昇を抑えることもできる。
上記に加えて、本実施形態の六方切換弁1をヒートポンプ式冷暖房システム等の、高温高圧の冷媒と低温低圧の冷媒が流される環境で使用する場合、各々の流路切換弁10、20、30はその間に設けられた各連通路40、50、60によって比較的大きく離されて設けられているので、高温高圧の冷媒と低温低圧の冷媒とが近接した状態(スライド式主弁体の壁のみで仕切られた状態)で流される従来のものに比べて、主弁ハウジング11、21、31内での熱交換量を大幅に低減でき、そのため、システムの効率を向上できるという効果も得られる。
また、本実施形態の六方切換弁1では、各々の流路切換弁10、20、30において、(ピストン13、23、33の)一端側に設けられた作動室12、22、32にのみ高圧流体(作動圧)を導入して、主弁体15、25、35を移動させるようにされるとともに、主弁体15、25、35の外径(シート径)がピストン13、23、33の受圧径より小さくされているので、簡単な構成でもって、各々の流路切換弁10、20、30の主弁体15、25、35を確実に移動させることができるという効果もある。
なお、上記した実施形態の六方切換弁1では、流路切換弁10にポートpA及びポートpFが設けられ、流路切換弁20にポートpE及びポートpDが設けられ、流路切換弁30にポートpC及びポートpBが設けられているが、6個のポートpA〜pFの配置構成(向きや位置等)は、図示例に限られないことは勿論である。例えば、流路切換弁10に設けられたポート(管継手)pA、pFと流路切換弁20に設けられたポート(管継手)pE、pDを後方に向けて延設し、流路切換弁30に設けられたポート(管継手)pC、pBの方向と合わせるようにして、全てのポート(管継手)pA〜pFの取付け方向を一致させるようにしてもよい。また、図5に示される六方切換弁1'の如くに、流路切換弁10にポートpA及びポートpB(ポートpBは、ポートpAの下側で、主弁室14の副弁座17より下側に開口するように形成)を設け、流路切換弁20にポートpE及びポートpF(ポートpFは、ポートpEの上側で、主弁室24の副弁座27より上側に開口するように形成)を設け、流路切換弁30にポートpC及びポートpD(ポートpDは、ポートpCの右側で、主弁室34の副弁座37より右側に開口するように形成)を設けた場合でも、上記した実施形態の六方切換弁1と同様の作用効果が得られることは詳述するまでも無い。
また、上記した実施形態の六方切換弁1では、四方パイロット弁90を用いて主弁体15、25、35を駆動する構成について説明したが、主弁室14、24、34内で主弁体15、25、35を駆動する構成であれば、四方パイロット弁90に代えてモータを用いて主弁体15、25、35を駆動する構成でもよい。
また、本実施形態の六方切換弁1は、ヒートポンプ式冷暖房システムのみならず、他のシステム、装置、機器類にも組み込めることは勿論である。
1 六方切換弁
9 六方弁本体
10、20、30 流路切換弁
11、21、31 主弁ハウジング
12、22、32 作動室
13、23、33 ピストン
14、24、34 主弁室
15、25、35 主弁体
16、26、36 主弁座
17、27、37 副弁座
18、28、38 連結軸
19、29、39 ガイド軸
40、50、60 連通路
90 四方パイロット弁
pA、pB、pC、pD、pE、pF ポート

Claims (8)

  1. それぞれに2個のポートが設けられた3つの流路切換弁と、前記3つの流路切換弁のうちの2つの流路切換弁間を連通せしめる合計で3つの連通路とを備え、前記3つの流路切換弁に合計で6個設けられたポート間の連通状態が切り換えられるようにされた六方切換弁であって、
    前記3つの流路切換弁のそれぞれは、主弁室を画成する筒状の主弁ハウジングを有し、前記主弁室には、2個のポートが開口せしめられ、該2個のポートの間に主弁座が設けられ、該2個のポートの一端側もしくは他端側に副弁座が設けられるとともに、前記主弁座と前記副弁座に選択的に接離するポペット式の主弁体が軸線方向に移動自在に配在されており、
    前記3つの流路切換弁のそれぞれにおいて、前記主弁室内で前記主弁体を連動して移動させることにより、
    各々の流路切換弁における2個のポートが連通せしめられる第1連通状態と、
    前記3つの流路切換弁のうちの特定の流路切換弁における1個のポートと他の流路切換弁における1個のポートとがその間に設けられた前記連通路を介して連通せしめられる第2連通状態と、
    をとり得るようにされていることを特徴とする六方切換弁。
  2. 前記連通路は、該連通路によって連通せしめられる2つの流路切換弁に設けられた4個のポートのうちの少なくとも1個のポートと同じ高さに配置されていることを特徴とする請求項1に記載の六方切換弁。
  3. 前記連通路は、該連通路によって連通せしめられる2つの流路切換弁に設けられた4個のポートのうちの少なくとも1個のポートと対向するように配置されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の六方切換弁。
  4. 前記3つの流路切換弁のうちの少なくとも2つの流路切換弁における前記主弁体を異なる方向に移動させることにより、前記第1連通状態と前記第2連通状態とが切り換えられるようにされていることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の六方切換弁。
  5. 前記主弁ハウジングには、一端側から順次、高圧流体が選択的に導入・排出される容量可変の作動室、前記作動室を画成するピストン、前記主弁室が配在され、
    前記主弁体は、前記ピストンに連動して軸線方向に移動自在に配在されており、
    前記3つの流路切換弁のそれぞれにおける前記作動室への高圧流体の導入・排出を制御して前記ピストンを移動させ、前記3つの流路切換弁のそれぞれにおいて、前記主弁室内で前記主弁体を連動して移動させるようにされていることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の六方切換弁。
  6. 前記3つの流路切換弁のうちの少なくとも2つの流路切換弁が軸線方向を同じ方向に向けて横並びで配置されるとともに、前記少なくとも2つの流路切換弁における前記作動室が同じ側に配置されていることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の六方切換弁。
  7. 前記作動室には、前記流路切換弁の前記主弁室に供給される高圧流体が導入されるようにされていることを特徴とする請求項5に記載の六方切換弁。
  8. 前記作動室への高圧流体の導入・排出の制御を、前記3つの流路切換弁のそれぞれの前記作動室に設けられたポート、及び、前記六方切換弁の高圧部分と低圧部分とに接続された単一の四方パイロット弁により行うようにされていることを特徴とする請求項7に記載の六方切換弁。
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