JP7095914B2 - 流路切換弁 - Google Patents

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Description

本発明は、ヒートポンプ式冷暖房システム等に使用される流路切換弁に係り、特に、弁体の剛性を高めてシール性の向上を図った流路切換弁に関する。
一般に、ルームエアコン、カーエアコン等のヒートポンプ式冷暖房システムには、圧縮機、室外熱交換器、室内熱交換器、及び膨張弁等に加えて、流路切換手段として、四方切換弁や流路切換弁等の流路切換弁が設けられている。例えば、図9(A)、(B)に示すヒートポンプ式冷暖房システムでは、流路切換弁が採用されている。
図9(A)、(B)に示すように、ヒートポンプ式冷暖房システム100は、運転モード(冷房運転と暖房運転)の切り換えを流路切換弁180で行う。ヒートポンプ式冷暖房システム100には、基本的に、圧縮機110、室外熱交換器120、室内熱交換器130、冷房用膨張弁150、及び暖房用膨張弁160が設けられており、それらの間に流路切換弁である流路切換弁180が配置される。流路切換弁180は6個のポートpA、pB、pC、pD、pE、pFを有する弁である。前記各機器間は導管(パイプ)等で形成される流路で接続されている。
ヒートポンプ式冷暖房システム100において、冷房運転モードが選択された場合は、図9(A)に示すように、高温高圧の冷媒が圧縮機110から吐出され、吐出された冷媒は流路切換弁180のポートpAからポートpBを介して室外熱交換器120に導かれる。室外熱交換器120に導かれた冷媒は、ここで室外空気と熱交換して凝縮し、高圧の気液二相又は液冷媒となって冷房用膨張弁150に導入される。
冷房用膨張弁150により高圧の冷媒は減圧され、減圧された低圧の冷媒は、流路切換弁180のポートpEからポートpFを介して室内熱交換器130に導入される。室内熱交換器130に導入された冷媒は、ここで室内空気と熱交換(冷房)して蒸発し、低温低圧の冷媒となって流路切換弁180のポートpCからポートpDを介して圧縮機110の吸入側に戻される。
一方、ヒートポンプ式冷暖房システム100において、暖房運転モードが選択された場合は、図9(B)に示すように、高温高圧の冷媒が圧縮機110から吐出され、吐出された冷媒は流路切換弁180のポートpAからポートpFを介して室内熱交換器130に導かれる。ここで冷媒は、室内空気と熱交換(暖房)して凝縮し、高圧の気液二相又は液冷媒となって暖房用膨張弁160に導入される。
暖房用膨張弁160により高圧の冷媒が減圧され、減圧された低圧の冷媒は、流路切換弁180のポートpCからポートpBを介して室外熱交換器120に導入される。ここで冷媒は、室外空気と熱交換して蒸発し、室外熱交換器120からは低温低圧の冷媒が流路切換弁180のポートpEからポートpDを介して圧縮機110の吸入側に戻される。
以上のようなヒートポンプ式冷暖房システムに組み込まれる流路切換弁としては、スライド式のものが知られている(例えば、特許文献1)。特許文献1に記載のスライド式流路切換弁は、主弁体がスライドしながら移動することで流路を切り換える構造を持つ。また、スライド式流路切換弁の主弁体は、2つのスライド弁体、例えば、高圧側スライド弁体と低圧側スライド弁体とが組み合わされて構成されたものがある(例えば、特許文献2)。
特開平8-170864号公報 特開2018-044666号公報
省エネに対する意識が高まる近年、ヒートポンプ式冷暖房システムには、更なる効率向上が求められており、流路切換を行う六方切換弁等の流路切換弁には、初期漏れや耐久劣化による漏れ(弁漏れ)の発生を防ぐことが要請されている。例えば、高圧側スライド弁体と低圧側スライド弁体とを有するスライド式流路切換弁では、高圧側スライド弁体に高い圧力がかかる。そのため、高圧側スライド弁体のシール面には歪みが生じ易く、弁漏れが発生する懸念がある。そこで従来から、弁漏れの発生を防止する流路切換弁の開発が急務となっていた。
本発明は、上記課題解決するために提案されたものであり、その目的は、高圧側スライド式弁体の剛性を高めることにより、シール面の歪みを抑えて弁漏れを防ぐことができ、ヒートポンプ式冷暖房システムの効率向上に寄与する流路切換弁を提供することにある。
前記の目的を達成すべく、本発明の流路切換弁は、次の構成要素(1)~()を有することを特徴とする。
(1)主弁室を画成する主弁ハウジングと、
(2)前記主弁室内に軸線方向に移動可能に配在されたスライド式の主弁体と、を備える。
(3)前記主弁室には、軸線方向に並べて3個のポートを開口するとともに、軸線を挟んで前記3個のポートの反対側に別の3個のポートを軸線方向に並べて開口して、前記主弁室内で前記主弁体を移動させることにより連通するポート間を切り換える。
(4)前記主弁体は、筒状の高圧側スライド弁体と、前記高圧側スライド弁体の内側に摺動自在に嵌合される低圧側スライド弁体とを有する。
(5)前記高圧側スライド弁体の対向する内周面には、前記軸線と直交する方向に向き合う内周面同士を繋ぐかけ渡し部を設ける。
(6)前記低圧側スライド弁体に、前記高圧側スライド弁体側に突出する凸部を設ける。
(7)前記凸部と前記高圧側スライド弁体の内周面とで囲むことにより、高圧の流体が導入される高圧側Uターン通路を画成する。
本発明によれば、高圧側スライド式弁体の剛性を高めることにより、シール面の歪みを抑えて弁漏れを防ぐことができ、ヒートポンプ式冷暖房システムの効率向上に寄与する流路切換弁を得ることができる。
本発明に係る流路切換弁の第1実施形態の冷房運転時を示す縦断面図。 本発明に係る流路切換弁の第1実施形態の暖房運転時を示す縦断面図。 図1に示される流路切換弁の要部を拡大して示す要部拡大縦断面図。 図3のA-A矢視線に従う要部拡大横断面図。 図1に示される流路切換弁の要部を拡大して示す要部拡大斜視図。 図1のU-U矢視線に従う断面図。 本発明に係る流路切換弁の一実施形態の主弁体及び連結体を示す斜視図。 図1に示される流路切換弁の他例の要部を拡大して示す要部拡大縦断面図。 流路切換弁として流路切換弁が使用されたヒートポンプ式冷暖房システムの一例における、(A)は冷房運転時、(B)は暖房運転時をそれぞれ示す概略構成図。
以下、本発明の実施形態を図面を参照して具体的に説明する。図1及び図2は、本発明に係る流路切換弁の第1の実施形態を示す縦断面図であり、図1は冷房運転時、図2は暖房運転時を示す図である。
本明細書において、上下、左右、前後等の位置、方向を表わす記述は、説明が煩瑣になるのを避けるために図面に従って便宜上付けたものであり、実際にヒートポンプ式冷暖房システム等に組み込まれた状態での位置、方向を指すとは限らない。また、各図において、部材間に形成される隙間や部材間の離隔距離等は、発明の理解を容易にするため、また、作図上の便宜を図るため、各構成部材の寸法に比べて大きくあるいは小さく描かれている場合がある。
[第1の実施形態]
[構成]
第1の実施形態に係る流路切換弁1は、例えば前述した図9(A)、(B)に示されるヒートポンプ式冷暖房システム100における流路切換弁180として用いられるスライド式のものである。
図1及び図2に示すように、第1の実施形態に係る流路切換弁1は、基本的に、シリンダ型の流路弁本体10と、パイロット弁としての単一の電磁式四方パイロット弁90とを備える。なお、本実施形態の流路切換弁1は6個のポートを備えた六方切換弁であり、6個のポートは上記流路切換弁180の各ポートpA~pFに対応させて同一の符号が付されている。
[流路弁本体10の構成]
流路弁本体10は、真鍮あるいはステンレス等の金属製とされた主弁ハウジング11を有する。この主弁ハウジング11には、一端側(上端側)から順次、第1作動室31、第1ピストン21、主弁室12、第2ピストン22、及び第2作動室32が配在されている。前記第1及び第2ピストン21、22にはいずれにも、主弁ハウジング11を気密的に仕切るべく、主弁ハウジング11の内周面にその外周部が圧接するばね付きパッキンが取り付けられている。
主弁ハウジング11は、大径の胴体部11cを有する。胴体部11cの上端開口部には厚肉円板状の上側連結蓋11dが気密的に取り付けられている。上側連結蓋11dには中央穴が設けられている。上側連結蓋11dの中央穴には、小径のパイプ部材からなる第1ピストン部11aが、ろう付け・溶接等(以下、ろう付け等とする)により気密的に固着されている。この第1ピストン部11aに第1ピストン21が配在されている。
胴体部11cの下端開口部には厚肉円板状の下側連結蓋11eが気密的に取り付けられている。下側連結蓋11eにも中央穴が設けられている。下側連結蓋11eの中央穴には、小径のパイプ部材からなる第2ピストン部11bが、ろう付け等により気密的に固着されている。この第2ピストン部11bに第2ピストン22が配在されている。
主弁ハウジング11の第1ピストン部11aの上端には、薄肉円板状の上端側蓋部材11Aがろう付け等により気密的に固着されている。上端側蓋部材11Aは、容量可変の第1作動室31を画成するものである。主弁ハウジング11の第2ピストン部11bの下端には、薄肉円板状の下端側蓋部材11Bがろう付け等により気密的に固着されている。
下端側蓋部材11Bは、容量可変の第2作動室32を画成するものである。上端側蓋部材11A及び下端側蓋部材11Bの中央にはポートp11、p12がそれぞれ取り付けられている。ポートp11、p12は、第1作動室31及び第2作動室32に高圧流体である冷媒を導入・排出するためのポートである。
主弁ハウジング11の主弁室12は、主弁ハウジング11の内部に設けられる空間である。主弁室12には、合計で6個のポートが設けられている。主弁室12の左部中央には、例えば金属製の第1主弁座13が、ろう付け等により主弁ハウジング11の内周に気密的に固着されている。
第1主弁座13は、その表面(右面)が平坦な弁シート面とされる。第1主弁座13の弁シート面には、左方に向けて延びる管継手からなる3個のポートが、縦並びで(すなわち軸線O方向に並んで)、略等間隔に開口している。3個のポートは、上端側から順次、ポートpB、ポートpA、ポートpFとする。
また、主弁室12の右部中央(第1主弁座13に対向する位置、言い換えれば、軸線Oに対して第1主弁座13の反対側の位置)には、例えば金属製の第2主弁座14が、ろう付け等により主弁ハウジング11の内周に気密的に固着されている。第2主弁座14は、その表面(左面)が平坦な弁シート面とされる。第2主弁座14の弁シート面には、右方に向けて延びる管継手からなる3個のポートが、縦並びで(すなわち軸線O方向に並んで)、略等間隔に開口している。3個のポートは、上端側から順次、ポートpC、ポートpD、ポートpEとする。
第1主弁座13に設けられたポートpB、ポートpA、ポートpFと、第2主弁座14に設けられたポートpC、ポートpD、ポートpEとは、対向する位置(軸線Oに対して反対側)に配置されている。本例では、第1主弁座13及び第2主弁座14に設けられた各ポートpA~pFの口径は全て略同径に設定されている。
主弁ハウジング11の胴体部11c内には、スライド式の主弁体15が軸線O方向(上下方向)に移動可能に配在されている。主弁体15は、レーストラック形の環状シール面を持つ断面矩形状の弁体である。主弁体15は、両側面(左面及び右面)が第1主弁座13及び第2主弁座14の弁シート面にそれぞれ摺動自在に対接している。本例では、主弁体15の左右方向及び前後方向の寸法は、主弁ハウジング11の第1ピストン部11a及び第2ピストン部11bの外径と同等もしくはそれより若干大きく設定されている。
主弁体15は、例えば合成樹脂製とされ、第1主弁座13側(左側)の高圧側スライド弁体15Aと、第2主弁座14側(右側)の低圧側スライド弁体15Bとの2部品構成とされる。
高圧側スライド弁体15Aは、右側(第2主弁座14側)の天井面を備えていない筒状の部材である。高圧側スライド弁体15Aは、低圧側スライド弁体15Bの左側の端部(第1主弁座13側の先端部)を外側から囲むように配置されている。高圧側スライド弁体15Aの左面側(低圧側スライド弁体15B側とは反対側)には、内鍔状部15aが内側に向けて突設されている。内鍔状部15aには、第1主弁座13の弁シート面に開口する3個のポートのうちの隣り合う2個のポート(pBとpA、あるいは、pAとpF)を選択的に連通させ得るような大きさの開口が画成されている。この内鍔状部15aの左端面(第1主弁座13側の端面)は、第1主弁座13の弁シート面に摺動自在に対接している環状シール面とされている。
図3~図5に示すように、高圧側スライド弁体15Aの内周面には、主弁室12の軸線Oに直交する方向に向かい合う内周面同士を繋ぐかけ渡し部19を設けている。かけ渡し部19は、高圧側スライド弁体15Aと一体的に成形される。かけ渡し部19は、主弁室12の軸線方向と直交する方向且つ第1主弁座13のシート面に平行な方向に延びており、高圧側スライド弁体15Aの対向する内周面同士を繋いでいる。図4は、図3のA-A矢視線に従う要部拡大横断面図である。
高圧側スライド弁体15Aにおいて、低圧側スライド弁体15B側の端部を先端部とし、先端部と反対側(第1主弁座13側)の端部を基端部とする。図3及び図4に示すように、かけ渡し部19は、高圧側スライド弁体15Aの基端部に、隣接する2つのポートのそれぞれに連通する2つの開口部を設けることで、2つの開口部の円弧で挟まれた端面部分から形成される。つまり、かけ渡し部19は、高圧側スライド弁体15Aの基端部に設けられている。なお、本実施例では、高圧側スライド弁体15Aの基端部に形成された各開口部は接続されるポートと同形としているが、開口部の形状は必要な流量が確保できればポートと異なる形状でもよい。
低圧側スライド弁体15Bには、高圧側スライド弁体側に突出する凸部15bが設けられている。凸部15bは、高圧側スライド弁体15Aの内径とほぼ同じもしくはそれよりも若干小さい外径を持って、低圧側スライド弁体15Bに一体的に形成されている。高圧側スライド弁体15Aの内周面と凸部15bとで囲まれた空間には、高圧側Uターン通路16Aが画成される。高圧側Uターン通路16Aは、第1主弁座13の弁シート面に開口する3個のポートのうちの隣り合う2個のポート(pBとpA、あるいは、pAとpF)を選択的に連通させ得るものである。高圧側Uターン通路16Aには相対的に高圧の流体が導入されるようになっている。
一方、低圧側スライド弁体15Bの右面側(高圧側スライド弁体15Aとは反対側)には、低圧側Uターン通路16Bが開設されている。低圧側Uターン通路16Bは、第2主弁座14の弁シート面に開口する3個のポートのうちの隣り合う2個のポート(pCとpD、あるいは、pDとpE)を選択的に連通させ得るような大きさの椀状窪みからなる。低圧側Uターン通路16Bには相対的に低圧の流体が導入されるようになっている。
本実施形態では、主弁室12内で主弁体15を移動させることにより、高圧側Uターン通路16Aを介して3個のポートのうちの2個のポートを選択的に連通させる。と同時に、低圧側Uターン通路16Bを介して別の3個のポートのうちの2個のポートを選択的に連通させ、且つ、3個のポートのうちの他の1個のポートと別の3個のポートのうちの他の1個のポートとが主弁ハウジン11内を通じて連通する連通状態を選択的に複数とり得るようにしている。
高圧側スライド弁体15Aと低圧側スライド弁体15Bとは、左右方向に相互に若干移動自在であり、且つ、上下方向に一体的に移動自在とされている。ここで左右方向とは、軸線Oに対して垂直な方向であって第1主弁座13に設けられた各ポートpB、pA、pFと第2主弁座14に設けられた各ポートpC、pD、pEとが対向する方向である。また、上下方向とは軸線O方向である。
図示した例では、高圧側スライド弁体15Aの右端側内周に形成された段差部(内周段差部)と低圧側スライド弁体15Bの凸部15bの外周に形成された段差部(外周段差部)との間に、環状のシール部材としてのOリング18が介装されている。Oリング18は、高圧側Uターン通路16Aと主弁室12との間に配在されている。なお、図5に示した高圧側スライド弁体15Aは動作安定性を向上するための外側鍔部15cを備えているが、図3等に示すように外側鍔部15cはなくともよい。
Oリング18によって高圧側Uターン通路16Aと主弁室12とがシールされる。Oリング18より内側の部分は、ポート(吐出側高圧ポート)pAから高圧側Uターン通路16Aを介して高圧流体(冷媒)が導入される。なお、Oリング18に替えて、リップシール等のシール部材を用いてもよく、Oリング等の外観形状は円形に限らず四角形でもよいことはもちろんである。
図1及び図2とともに図3を参照すればよく分かるように、左右方向(第1主弁座13に直交する方向)で視て、高圧側スライド弁体15Aにおける右面側の面積Sbは、左面側(第1主弁座13側)の面積Saよりも大きく設定されている。面積Sbとは、左右方向に対して垂直な平面に対するOリング18外径より内側の投影面積である。
面積Saは、左右方向(第1主弁座13の弁シート面に直交する方向)に対して垂直な平面に対する第1主弁座13側の環状シール面内側の投影面積(内鍔状部15aの投影面積とほぼ同じ面積)であり、高圧側スライド弁体15A(の右面)が左方向の圧力を受けない面積である。本実施形態では、かけ渡し部19の摺動面をシール面としたため、面積Saの形状は環状となるが、かけ渡し部19を弁シート面から浮かせた場合は面積Saは内鍔状部15aの内側となる。
すなわち、高圧側スライド弁体15Aの右面側と左面側との面積の差(Sb-Sa)に起因して、高圧側スライド弁体15Aに作用する差圧が生じる。この差圧により、高圧側スライド弁体15Aの左面(の環状シール面)が、第1主弁座13の弁シート面に押し付けられる。つまり、高圧側スライド弁体15Aの左面が第1主弁座13に押し付けられる。
また、ポート(吐出側高圧ポート)pAを介して高圧側Uターン通路16Aに高圧冷媒が導入された時に、高圧側Uターン通路16Aの高圧冷媒から受ける圧力によって、低圧側スライド弁体15Bの右面(の環状シール面)が、第2主弁座14の弁シート面に押し付けられる。より詳細には、高圧側Uターン通路16Aを流れる高圧冷媒から受ける圧力と低圧側Uターン通路16Bを流れる低圧冷媒から受ける圧力との差圧によって、低圧側スライド弁体15Bの右面が第2主弁座14の弁シート面に押し付けられる。
なお、高圧側スライド弁体15Aと低圧側スライド弁体15Bとの間、例えば、Oリング18の外側に、高圧側スライド弁体15Aと低圧側スライド弁体15Bを相互に逆方向(引き離す方向)に付勢する付勢部材を配置するようにしてもよい。
付勢部材としては、リング状の板ばねや圧縮コイルばね等がある。このような付勢部材の付勢力により、高圧側スライド弁体15Aの左面(の環状シール面)を第1主弁座13の弁シート面に圧接させる(押し付ける)ことが可能である。
なお、本例では、低圧側スライド弁体15Bの低圧側Uターン通路16Bの略中央に、形状保持のための補強ピン15dが前後方向に向けて架設されている(図3、図6、図7も併せて参照)。また、本例では、主弁体15(を構成する高圧側スライド弁体15A及び低圧側スライド弁体15B)の上下面に、窪み面15eが形成されている。窪み面15eには後述する連結体25(の連結板25A、25B)の支持部材25cが(左右方向に若干の隙間を持って)嵌め込まれる。
主弁体15は、高圧側スライド弁体15Aと低圧側スライド弁体15Bとが一体となって軸線O方向に移動することで、図1に示す冷房位置(上端位置)と図2に示す暖房位置(下端位置)とを選択的にとり得るように構成されている。図1に示すように、冷房位置(上端位置)にある主弁体15は、ポートpFを開き、且つポートpBとポートpAとを高圧側スライド弁体15Aの高圧側Uターン通路16Aを介して連通させる。また、主弁体15は、ポートpEを開き、且つポートpCとポートpDとを低圧側スライド弁体15Bの低圧側Uターン通路16Bを介して連通させる。
図2に示すように、暖房位置(下端位置)にある主弁体15は、ポートpBを開き、且つポートpAとポートpFとを高圧側スライド弁体15Aの高圧側Uターン通路16Aを介して連通させる。また、主弁体15は、ポートpCを開き、且つポートpDとポートpEとを低圧側スライド弁体15Bの低圧側Uターン通路16Bを介して連通させる。
主弁体15において、高圧側スライド弁体15Aは、移動時以外は3個のポートのうちの2個のポート(pBとpA、あるいは、pAとpF)の真上に位置する。低圧側スライド弁体15Bは、移動時以外は3個のポートのうちの2個のポート(pCとpD、あるいは、pDとpE)の真上に位置する。これらスライド弁体15A、15Bは、主弁体15内の高圧側Uターン通路16Aに導入された高圧冷媒からの圧力によって、それぞれ左右に押圧されて、第1主弁座13及び第2主弁座14の弁シート面に圧接される。
第1ピストン21と第2ピストン22とは、連結体25により一体移動可能に連結されている。この連結体25には、主弁体15の高圧側スライド弁体15Aと低圧側スライド弁体15Bとが、左右方向に若干の摺動自在且つ前後方向での移動は、ほぼ阻止された状態で嵌合されて支持されている。
連結体25は、本例では、例えばプレス成形等で作製された、同一寸法及び同一形状の一対の板材で構成されている。連結体25の各板材は、左右方向(第1主弁座13及び第2主弁座14の弁シート面に対して直交する方向)に沿って、つまり、弁シート面に対して直交する平面に平行となるように配置される。また、連結体25は、一対の板材が、前後方向で対向配置されており、一対の板材の間に主弁体15が前後方向で挟持されている。以下、主弁体15の前側に配置される板材を連結25A、主弁体15の後側に配置される板材を連結25Bと称する。
より詳しくは、図1及び図2とともに図6、図7を参照すればよく分かるように、連結25A、25Bは、その中心から前後方向に延びる中心線(対称線)に対して対称な縦長矩形状(ここでは、上下全長に亘って同幅)の板材で構成されている。連結25A、25Bの(上下方向の)略中央には、主弁体15の前側部分又は後側部分を軸線O方向に一体的に移動自在に係合支持すべく、支持部材25cが形成されている。図6、図7に示すように、支持部材25cは、主弁体15の外周(前面及び上下面、又は、後面及び上下面)に沿った形状、つまり断面略凹状を成す。支持部材25cの左右方向の幅は、主弁体15の上下面に設けられた窪み面15eの幅より若干小さく設定されている。
各連結25A、25Bにおける支持部材25cの上下には、第1ピストン21又は第2ピストン22まで延在する接続部材25aが連接されている。接続部材25aは、折り曲げ等によってステップ状ないしクランク状に形成されている。接続部材25aには、支持部材25c側から、オフセット板部25aaと、対接板部25abとが設けられている。
前側の連結25Aにおける接続部材25aのオフセット板部25aaは、軸線Oより前側、特に、左右方向に視て第1主弁座13及び第2主弁座14の弁シート面に開口した6個のポートpA~pFを前側に避けた位置(言い換えれば、6個のポートpA~pFから前方にオフセットした位置)に配在されている。
また、後側の連結25Bにおける接続部材25aのオフセット板部25aaは、軸線Oより後側、特に、左右方向に視て第1主弁座13及び第2主弁座14の弁シート面に開口した6個のポートpA~pFを後側に避けた位置(言い換えれば、6個のポートpA~pFから後方にオフセットした位置)に配在されている。
すなわち、本例では、一対の連結25A、25Bにおける接続部材25aのオフセット板部25aaが、第1主弁座13及び第2主弁座14の弁シート面に開口した各ポートpB、pC、pE、pFを流通する冷媒の流れを妨げないように位置している(特に、図6参照)。より詳しくは、図1に示される冷房位置(上端位置)では下側に位置するポートpFとポートpE内の冷媒の流れを妨げないようにオフセット板部25aaが位置し、図2に示される暖房位置(下端位置)では上側に位置するポートpBとポートpC内の冷媒の流れを妨げないようにオフセット板部25aaが位置する。
また、連結25Aにおける接続部材25aの対接板部25abは、連結25Bにおける接続部材25aの対接板部25abに対接している。これら対接板部25abは、第1ピストン21又は第2ピストン22に近接する部分であって、第1主弁座13及び第2主弁座14の弁シート面に開口した各ポートpA~pFとラップしない部分である。なお、後述する組立性等を考慮して、例えば、この対接板部25abに、対向配置される連結25A、25Bを相互に位置合わせするため凹凸等(位置合わせ部)を設けるようにしてもよい。
連結25A、25Bの接続部材25aの上下の端部には、取付脚部25bが設けられている。取付脚部25bは、対向配置される連結25B、25A側とは反対側(断面略凹凸状の支持部材25cが形成される方向)に向けて略90°折り曲げられて形成されている。取付脚部25bには、ボルト30を挿通するためのねじ穴29が貫設されている。図6に示すボルト30は、連結25A、25Bを第1ピストン21又は第2ピストン22に連結するためのものである。
本例では、前記したように、各連結板25A、25Bは、同一寸法及び同一形状の板材で構成されているので、2枚の連結板25A、25Bを前後方向で対向して配置することができる。また、連結板25A、25Bの接続部材25aの対接板部25ab同士を当接させるようにして逆向きで(詳しくは、上下逆さまにして)組み合わせて配置することができる。
このとき、ボルト30を介して、各連結板25A、25Bにおける支持部材25c同士の間(側面視略矩形状の空間)に、主弁体15の高圧側スライド弁体15A及び低圧側スライド弁体15Bをそれぞれ左右方向から配置することで、これら高圧側スライド弁体15A及び低圧側スライド弁体15Bが、左右方向に若干の摺動自在且つ前後方向での移動はほぼ阻止された状態で連結体25に嵌合することができる(特に、図7参照)。
連結板25A、25Bに嵌合されて支持された主弁体15は、第1及び第2ピストン21、22の往復移動に伴って、連結板25A、25Bにおける断面凹状の支持部材25cの上側部分又は下側部分(左右方向で幅広の矩形状平面)に押動される。つまり、高圧側スライド弁体15Aと低圧側スライド弁体15Bの上下面が押圧される。
押動された主弁体15は、冷房位置(上端位置)と暖房位置(下端位置)との間を行き来する。なお、本例では、前記連結体25が、同一寸法及び同一形状の一対の板材(連結板25A、25B)で構成されている場合を例示しているが、例えば一枚の板材で前記連結体25を構成してもよいことは当然である。
[四方パイロット弁90の構成]
図1及び図2に示すように、パイロット弁としての四方パイロット弁90は、弁ケース92を有し、弁ケース92に、基端側から順次、吸引子95、圧縮コイルばね96、プランジャ97が直列的に配在されている。弁ケース92は、基端側(左端側)外周に電磁コイル91が外嵌固定された円筒状のストレートパイプからなる。弁ケース92の左端部は、吸引子95の鍔状部(外周段丘部)に溶接等により密封接合されており、吸引子95は、通電励磁用の電磁コイル91の外周を覆うカバーケース91Aにボルト92Bにより締結固定されている。
一方、弁ケース92の右端開口部には、フィルタ付きの蓋部材98が溶接、ろう付け、かしめ等により気密的に取着されている。蓋部材98は、高圧冷媒を導入するための細管挿着口を有する。蓋部材98とプランジャ97と弁ケース92とで囲まれる領域が弁室99となっている。弁室99には、蓋部材98の細管挿着口に気密的に挿着された高圧細管#aを介してポートpAから高温高圧の冷媒が導入されるようになっている。
また、弁ケース92におけるプランジャ97と蓋部材98との間には、その内端面が平坦な弁シート面とされた弁座93がろう付け等により気密的に接合されている。この弁座93の弁シート面(内端面)には、所定間隔をあけて横並びに3個のポートが開口されており、各ポートには細管#b、#c、#dが接続されている。細管#bには流路弁本体10の第1作動室31が接続され、細管#cにはポートpDが接続され、細管#dには流路弁本体10の第2作動室32が接続されている。
吸引子95に対向配置されたプランジャ97は、基本的には円柱状とされ、弁ケース92内を軸方向(弁ケース92の中心線に沿う方向)に摺動自在に配在されている。弁体94は、弁座93の弁シート面に開口された3個のポートのうちの隣り合うポート間を選択的に連通させてポート間の連通状態を切り換える部材である。弁体94は、弁座93の弁シート面に対接された状態で、弁座93の弁シート面をプランジャ97の左右方向の移動に伴って摺動するようになっている。
圧縮コイルばね96は、吸引子95とプランジャ97との間に縮装されてプランジャ97を吸引子95から引き離す方向(図1、図2では右方)に付勢するようになっているが、本例では、弁座93の左端部が、プランジャ97の右方への移動を阻止するストッパとされている。なお、このストッパの構成としては、その他の構成を採用し得ることは言うまでも無い。
[四方パイロット弁90の動作]
上記した如くの構成とされた四方パイロット弁90においては、電磁コイル91への通電OFF時には、図1に示される如くに、プランジャ97は圧縮コイルばね96の付勢力により、その右端が弁座93に当接する位置まで押し動かされて、弁体94が弁座93の弁シート面に開口された3個のポートのうちの隣り合うポート間を連通させる。
電磁コイル91への通電OFF時では、ポート(吐出側高圧ポート)pAに流入する高圧流体が、高圧細管#a→弁室99→細管#d→ポートp12を介して第2作動室32に導入される。また、第1作動室31の高圧流体が、ポートp11→細管#b→細管#c→ポート(吸入側低圧ポート)pDへと流れて排出される。
それに対し、電磁コイル91への通電をONにすると、図2に示される如くに、プランジャ97は吸引子95の吸引力により、その左端が吸引子95に当接する位置まで(圧縮コイルばね96の付勢力に抗して)引き寄せられて、弁体94が移動する。このとき、ポート(吐出側高圧ポート)pAに流入する高圧流体が、高圧細管#a→弁室99→細管#b→ポートp11を介して第1作動室31に導入される。また、第2作動室32の高圧流体が、ポートp12→細管#d→細管#c→ポート(吸入側低圧ポート)pDへと流れて排出される。
以上のように、電磁コイル91への通電をOFFにすると、流路弁本体10の主弁体15が暖房位置から冷房位置に移行して流路切換が行われる。また、電磁コイル91への通電をONにすると、流路弁本体10の主弁体15が冷房位置から暖房位置に移行し、前記した如くの流路切換が行われる。
このように、本実施形態の流路切換弁1では、電磁式四方パイロット弁90への通電をON/OFFで切り換えることで、流路切換弁1内を流通する高圧流体(高圧部分であるポートpAを流れる流体)と低圧流体(低圧部分であるポートpDを流れる流体)との差圧を利用して、主弁体15を主弁室12内で移動させることができる。これにより、主弁ハウジング11に合計で6個設けられたポート間の連通状態が切り換えられる。従って、図9(A)、(B)に示される如くのヒートポンプ式冷暖房システム100において、暖房運転から冷房運転への切り換え、及び、冷房運転から暖房運転への切り換えを行うことができる。
[流路弁本体10の動作]
ヒートポンプ式冷暖房システム100を暖房運転から冷房運転へ切り換える時、及び、冷房運転から暖房運転へ切り換える時の流路弁本体10の動作について説明する。図2に示すように、主弁ハウジング11内に配在された主弁体15が暖房位置(下端位置)にあるとき、四方パイロット弁90を介して、第2作動室32を吐出側高圧ポートであるポートpAに連通させる。また、第1作動室31を吸入側低圧ポートであるポートpDに連通させる。
これにより、第2作動室32に高温高圧の冷媒が導入されるとともに、第1作動室31から高圧の冷媒が排出される。そのため、主弁室12では、第2作動室32の圧力が第1作動室31の圧力よりも高くなり、図1に示すように、第1、第2ピストン21、22及び主弁体15が上方に移動して連結体25が上側連結11dに当接係止され、主弁体15が冷房位置(上端位置)をとる。
その結果、ポートpAとポートpBとが高圧側Uターン通路16Aを介して連通し、ポートpCとポートpDとが低圧側Uターン通路16Bを介して連通し、ポートpEとポートpFとが主弁室12を介して連通する。以上のようにして、ヒートポンプ式冷暖房システム100において冷房運転が行われる。
一方、主弁体15が冷房位置(上端位置)にあるとき、四方パイロット弁90を介して、第1作動室31を吐出側高圧ポートであるポートpAに連通させる。また、第2作動室32を吸入側低圧ポートであるポートpDに連通させる。これにより、第1作動室31に高温高圧の冷媒が導入されるとともに、第2作動室32から高温高圧の冷媒が排出される。そのため、主弁室12では、第1作動室31の圧力が第2作動室32の圧力よりも高くなり、図2に示すように、第1、第2ピストン21、22及び主弁体15が下方に移動して連結体25が下側連結11eに当接係止され、主弁体15が暖房位置(下端位置)をとる。
その結果、ポートpAとポートpFとが高圧側Uターン通路16Aを介して連通し、ポートpEとポートpDとが低圧側Uターン通路16Bを介して連通し、ポートpCとポートpBとが主弁室12を介して連通する。以上のようにして、ヒートポンプ式冷暖房システム100において暖房運転が行われる。
[作用及び効果]
以上の説明から理解されるように、第1の実施形態に係る流路切換弁1においては、主弁室12を画成する筒状の主弁ハウジング11と、主弁室12内に軸線方向に移動可能に配在されたスライド式の主弁体15と、を備え、主弁室12には、軸線方向に並べて3個のポートを開口するとともに、3個のポートの軸線に対して反対側に、別の3個のポートを軸線方向に並べて開口して、主弁室12内で主弁体15を移動させることにより連通するポート間を切り換え、主弁体15は、筒状の高圧側スライド弁体15Aと、高圧側スライド弁体15Aの内側に摺動自在に嵌合される低圧側スライド弁体15Bとを有しており、その上で、高圧側スライド弁体15Aの対向する内周面に、主弁室12の軸線方向と直交する方向に延びて高圧側スライド弁体15Aの対向する内周面同士を繋ぐかけ渡し部19を設けている。
以上のように、第1の実施形態に係る流路切換弁1では、高圧側スライド弁体15Aの対向する内周面に、主弁室12の軸線方向と直交する方向に延びるかけ渡し部19を設けたことで、高圧側スライド弁体15Aの剛性を高めることができる。従って、高圧流体からの圧力が高圧側スライド弁体15Aの内周面に加わって、高圧側スライド弁体15Aの先端部側が外側に広がろうとしても、かけ渡し部19を設けたことで剛性が高くなった高圧側スライド弁体15Aでは、変形量を微小に抑えることができる。従って、高圧側スライド弁体15Aのシール面の歪みを抑えることができ、シール性の向上を図り、主弁体15の弁漏れ防止に寄与することができる。その結果、ヒートポンプ式冷暖房システム100の更なる効率向上が実現する。
また、第1の実施形態に係る流路切換弁1では、かけ渡し部19を、高圧側スライド弁体15Aの基端部に設けたので、高圧側スライド弁体15Aのシール面に近い部分の剛性を高めている。そのため、シール面の歪みを効率良く抑えることが可能であり、シール性の向上を図って、主弁体15の弁漏れを防止することができる。
また、第1の実施形態に係る流路切換弁1では、高圧側スライド弁体15Aの端面に、隣接する2つのポートのそれぞれに連通する2つの開口部を設けるだけで、2つの開口部の円弧で挟まれた端面部分から、かけ渡し部19を形成している。そのため、かけ渡し部19がポートを通過する高圧流体の流れを阻害することがない。従って、高圧の冷媒が高圧側Uターン通路16Aを介してスムーズに流れることができ、圧力損失を低減化することができる。
さらに第1の実施形態に係る流路切換弁1では、主弁室12内で主弁体15を移動させることにより、高圧側Uターン通路16Aを介して3個のポートのうちの2個のポートを選択的に連通させるとともに、低圧側Uターン通路16Bを介して別の3個のポートのうちの2個のポートを選択的に連通させ、且つ、3個のポートのうちの他の1個のポートと別の3個のポートのうちの他の1個のポートとが主弁ハウジング11内を通じて連通する連通状態を選択的に複数とり得るようにしている。
そのため、第1の実施形態では、従来のスライド式主弁体を使用した流路切換弁と比べて、ポートが設けられる第1主弁座13及び第2主弁座14や主弁体15を軸線O方向に短くすることができる。従って、第1主弁座13及び第2主弁座14の弁シート面や主弁体15のシール面の面精度や平面度が確保し易くなる。その結果、流路切換弁1の弁漏れを防止することができ、高圧の冷媒を高圧側Uターン通路16Aに安定して流すことができ、さらに圧力損失の低減に寄与することができる。
また、本実施形態では、流路弁本体10内を流れる流体(例えば低圧冷媒)が低圧側Uターン通路16Bを介して流されるとともに、流体(例えば中圧冷媒)が主弁室12内を左右方向に(ストレート状に)流されるので、これによっても、圧力損失を低減することが可能となる。しかも、流路切換弁1では、高圧側スライド弁体15Aと低圧側スライド弁体15Bの凸部15bとの間には、環状のシール部材であるOリング18を設けたので、より確実に主弁体15の弁漏れを抑止することができる。
上記に加えて、本実施形態に係る流路切換弁1をヒートポンプ式冷暖房システム等の、高温高圧の冷媒と低温低圧の冷媒が流される環境で使用する場合、高温高圧の冷媒が流される高圧側Uターン通路16Aと低温低圧の冷媒が流される低圧側Uターン通路16Bが、例えば金属製の主弁座を介することなく、大きく離して設けることが可能である。従って、高温高圧の冷媒と低温低圧の冷媒とが金属製の主弁座を介して近接した状態で流される従来のものに比べて、それらの間の熱交換量(つまり、熱損失)を大幅に低減できる。その結果、ヒートポンプ式冷暖房システム100の効率をより向上できるという効果も得られる。
また、本実施形態に係る流路切換弁1の主弁体15では、高圧側Uターン通路16Aと低圧側Uターン通路16Bとが反対向きになるように、高圧側スライド弁体15Aと低圧側スライド弁体15Bとを背面合わせ状態で配置している。そのため、高圧側スライド弁体15Aと低圧側スライド弁体15Bとの間に導入される高圧流体が、高圧側スライド弁体15A及び低圧側スライド弁体15Bをそれぞれ、第1主弁座13及び第2主弁座14に押し付けることになる。
しかも、第1の実施形態に係る高圧側スライド弁体15Aでは、基端部にかけ渡し部19を設けているため、かけ渡し部19に対して高圧流体の圧力が働き、高圧側スライド弁体15Aの左面が第1主弁座13に強く押し付けられる。このような高圧流体の働きによっても、主弁体15のシール性が向上し、その弁漏れを抑止することができる。その上、高温高圧の冷媒と低温低圧の冷媒の間の熱損失も低減できるため、ヒートポンプ式冷暖房システム100の効率も一層向上する。
[第2の実施形態]
第2の実施形態に係る流路切換弁1では、基本的な構成要素は上記第1の実施形態のそれと同一である。そのため、同一の構成要素に関しては同一符号を付して説明は省略し、相違点のみを説明する。
[構成]
図8に示すように、第2の実施形態に係る流路切換弁1では、かけ渡し部19に、低圧側スライド弁体15Bに向かって凸状にカーブした断面ドーム状の曲面部19aが形成されている。
[作用と効果]
第2の実施形態に係る流路切換弁1では、次のような独自の作用及び効果がある。すなわち、第2の実施形態ではかけ渡し部19に曲面部19aを形成している。曲面部19aは、低圧側スライド弁体15Bに向かって凸状にカーブした断面ドーム状を成す。そのため、高圧側Uターン通路16Aの形状に沿ってカーブする傾斜面を有することになる。従って、高圧側Uターン通路16Aに導入される高圧流体の流れを、かけ渡し部19が阻害するおそれが無い。これにより、高圧流体が高圧側Uターン通路16Aをスムーズに流れることができ、圧力損失の低減化が図ることができる。
[他の実施形態]
以上説明した実施形態は、本発明の実施形態の一例として提示したもので、本発明の実施形態は、その他の様々な形態で実施可能である。例えば、第1及び第2の実施形態では、隣接する2つのポートのそれぞれに連通する2つの開口部を、高圧側スライド弁体15Aの端面に設けることにより、かけ渡し部19を高圧側スライド弁体15Aに対して一体的に成形したが、これに限らない。
例えば、かけ渡し部19を構成する部材を、高圧側スライド弁体15Aとは別部材として設け、かけ渡し部19を構成する部材を、高圧側スライド弁体15Aに取り付けるようにしてもよい。かけ渡し部19の構成や形状、寸法等は適宜変更可能である。例えば、かけ渡し部19を複数の部材から構成するようにしてもよい。
また、第1の実施形態では、四方パイロット弁90を用いて主弁室12内で主弁体15を駆動する構成について説明したが、例えば、四方パイロット弁90に代えてモータを用いて主弁室12内で主弁体15を駆動する構成でも良い。
1 流路切換弁
10 流路弁本体
11 主弁ハウジング
11A 上端側蓋部材
11B 下端側蓋部材
12 主弁室
13 第1主弁座
14 第2主弁座
15 主弁体
15A 高圧側スライド弁体
15B 低圧側スライド弁体
15a 内鍔状部
15b 凸部
16A 高圧側Uターン通路
16B 低圧側Uターン通路
18 Oリング
19 かけ渡し部
19a 曲面部
21 第1ピストン
22 第2ピストン
25 連結体
25A、25B 連結板
31 第1作動室
32 第2作動室
90 四方パイロット弁
pA、pB、pC、pD、pE、pF ポート
100 ヒートポンプ式冷暖房システム

Claims (6)

  1. 主弁室を画成する主弁ハウジングと、
    前記主弁室内に軸線方向に移動可能に配在されたスライド式の主弁体と、を備え、
    前記主弁室には、軸線方向に並べて3個のポートを開口するとともに、軸線を挟んで前記3個のポートの反対側に別の3個のポートを軸線方向に並べて開口して、前記主弁室内で前記主弁体を移動させることにより連通するポート間を切り換え、
    前記主弁体は、筒状の高圧側スライド弁体と、前記高圧側スライド弁体の内側に摺動自在に嵌合される低圧側スライド弁体とを有し、
    前記高圧側スライド弁体の内周面には、前記主弁室の軸線と直交する方向に向き合う内周面同士を繋ぐかけ渡し部を設け、
    前記低圧側スライド弁体に、前記高圧側スライド弁体側に突出する凸部を設け、
    前記凸部と前記高圧側スライド弁体の内周面とで囲むことにより、高圧の流体が導入される高圧側Uターン通路を画成したことを特徴とする流路切換弁。
  2. 前記高圧側スライド弁体において前記低圧側スライド弁体側の端部を先端部とし、当該先端部と反対側の端部を基端部とするとき、前記かけ渡し部は、前記高圧側スライド弁体の前記基端部に設けたことを特徴とする請求項1に記載の流路切換弁。
  3. 記かけ渡し部には、前記低圧側スライド弁体に向かって凸状にカーブした断面ドーム状の曲面部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の流路切換弁。
  4. 前記かけ渡し部は、前記高圧側スライド弁体の端面に、隣接する2つの前記ポートのそれぞれに連通する2つの開口部を設けることにより形成されたことを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の流路切換弁。
  5. 前記主弁室内で前記主弁体を移動させることにより、相対的に高圧の流体が導入される高圧側Uターン通路を介して前記3個のポートのうちの2個のポートを選択的に連通させるとともに、相対的に低圧の流体が導入される低圧側Uターン通路を介して前記別の3個のポートのうちの2個のポートを選択的に連通させ、且つ、前記3個のポートのうちの他の1個のポートと前記別の3個のポートのうちの他の1個のポートとが前記主弁ハウジング内を通じて連通する連通状態を選択的に複数とり得るようにしたことを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載の流路切換弁。
  6. 前記高圧側スライド弁体と前記低圧側スライド弁体との間に、環状のシール部材を設けたことを特徴とする請求項1~5のいずれかに記載の流路切換弁。
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