以下、本発明の実施形態を図面を参照しながら説明する。
図1及び図2は、本発明に係る六方切換弁の一実施形態を示す図であり、図1は、第1連通状態(暖房運転時)を示す縦断面図、図2は、第2連通状態(冷房運転時)を示す縦断面図である。
なお、本明細書において、上下、左右、前後等の位置、方向を表わす記述は、説明が煩瑣になるのを避けるために図面に従って便宜上付けたものであり、実際にヒートポンプ式冷暖房システム等に組み込まれた状態での位置、方向を指すとは限らない。
また、各図において、部材間に形成される隙間や部材間の離隔距離等は、発明の理解を容易にするため、また、作図上の便宜を図るため、各構成部材の寸法に比べて大きくあるいは小さく描かれている場合がある。
図示実施形態の六方切換弁1は、例えば前述した図8(A)、(B)に示されるヒートポンプ式冷暖房システム100における六方切換弁180として用いられるもので、基本的に、2つの流路切換弁(四方切換弁)10、50を組み合わせて構成した六方弁本体9と、パイロット弁としての単一の電磁式四方パイロット弁90とを備える。なお、本実施形態の六方切換弁1に備えられている6個のポートは、上記六方切換弁180の各ポートpA〜pFに対応させて同一の符号が付されている。
<六方弁本体9の構成>
六方弁本体9は、主に、それぞれに3個(合計で6個)のポートが設けられた2つのシリンダ型の流路切換弁10、50と、その2つの流路切換弁10、50間を連通せしめる2つの連通路85、86とを備えている。
2つの流路切換弁10、50は、所定の距離をあけて横並びで垂設(軸線O1、O5方向を上下方向に向けて縦置きで配設)されている。
また、各連通路85、86は、アルミ、銅、あるいはステンレス等の金属製のストレート状(直線状)の管体で構成されており、流路切換弁10(の主弁ハウジング11)の左上部(ポートpAより上側の部分)と流路切換弁50(の主弁ハウジング51)の右上部(ポートpBと同じ高さで当該ポートpBと対向する部分)とが、横方向に延びる連通路85でろう付け等により気密的に接続され、流路切換弁10(の主弁ハウジング11)の左下部(ポートpEと同じ高さで当該ポートpEと対向する部分)と流路切換弁50(の主弁ハウジング51)の右下部(ポートpDより下側の部分)とが、横方向に延びる連通路86でろう付け等により気密的に接続されている。
[流路切換弁10の構成]
前記六方弁本体9の右側に配置された流路切換弁(第1流路切換弁)10は、真鍮、アルミ、ステンレス等の金属製とされた円筒状の主弁ハウジング(弁ハウジング)11を有し、この主弁ハウジング11に、一端側(上端側)から順次、一端側作動室41、一端側ピストン31、主弁室(弁室)12、他端側ピストン32、及び他端側作動室42が配在されている。
断面凹状の一端側及び他端側ピストン31、32の外周(に設けられた環状凹部)にはそれぞれ、一端側及び他端側ピストン31、32(の外周面)と主弁ハウジング11(より詳しくは、後述する主弁ハウジング11に内嵌された上部及び下部内側ハウジング部材21、22)(の内周面)との摺動面隙間を封止すべく(言い換えれば、主弁ハウジング11を気密的に仕切るべく)、シール部材としてのOリング33が装着され、該Oリング33の外側に、摺動抵抗を低減するためのテフロン(登録商標)等の合成樹脂製のリング状のパッキン34が装着されるとともに、そのOリング33及びパッキン34を抜け止め保持するための円環状の押さえ部材35が(例えば圧入・かしめ等により)取付固定されている。
主弁ハウジング11の一端側開口(上端側開口)及び他端側開口(下端側開口)を気密的に封止するように、螺着、かしめ、溶接等により厚肉円板状の一端蓋部材11A及び他端蓋部材11Bが固着されている。本例では、主弁ハウジング11の一端(上端)及び他端(下端)が若干大径とされ、その一端及び他端大径部11a、11b(の内周に形成された雌ねじ部)に、段付き円板状の一端蓋部材11A及び他端蓋部材11B(の外周に形成された雄ねじ部)が螺着されて固定されている。これにより、主弁ハウジング11の一端側(一端蓋部材11Aの下側かつ一端側ピストン31の上側)及び他端側(他端蓋部材11Bの上側かつ他端側ピストン32の下側)に、高圧流体(冷媒)が選択的に導入・排出される容量可変の一端側作動室41及び他端側作動室42が画成される。主弁ハウジング11の一端(一端大径部11a)及び他端(他端大径部11b)にはそれぞれ、一端側作動室41及び他端側作動室42に高圧流体(冷媒)を導入・排出するためのポートp10a、p10bが取り付けられている。
前記主弁ハウジング11には、右方に向けて延びる管継手からなる3個のポート(一端側(上端側)から、第1ポートpA、第2ポートpF、第3ポートpE)が略等間隔に縦並びで(軸線O1方向に並んで)ろう付け等により気密的に接続されて前記主弁室12に開口せしめられている。
また、前記主弁室12における前記ポートpAより一端(上端)側に、前記連通路85(流路切換弁50の主弁室52の一端側主弁座67より一端側に連通する連通路85)が横向きに連通せしめられるとともに、前記ポートpEに対向するように、前記連通路86(流路切換弁50の主弁室52の副弁座69より他端側に連通する連通路86)が横向きに連通せしめられている。
主弁ハウジング11の上部(内周)及び下部(内周)にはそれぞれ、アルミあるいはステンレス等の金属製の上部及び下部内側ハウジング部材(内側ハウジング部材)21、22が内嵌されて固定されている。
詳しくは、前記上部及び下部内側ハウジング部材21、22は、前記主弁ハウジング11より若干小径の円筒状管体で構成されており、図1、2とともに図3を併せて参照すればよく分かるように、前記主弁ハウジング11の上部に内挿される上部内側ハウジング部材21は、下側から、軸線O1方向で比較的短い短円筒状部材21aと、軸線O1方向で比較的長い長円筒状部材21bとの2部品構成とされている。短円筒状部材21aの側部(右側部)には、主弁ハウジング11に設けられた上側のポートpAに対応する(連なる)開口23が設けられるとともに、その下端部から内側に向けて(軸線O1に向けて)、内端上部が弁シート部とされた一端側主弁座27が突設されている。一方、長円筒状部材21bの側部(左側部)には、前記連通路85に対応する(連なる)開口24が設けられるとともに、その下端部から内側に向けて(軸線O1に向けて)、内端下部が弁シート部とされた副弁座29が突設されている。前記短円筒状部材21aと前記長円筒状部材21bとは、短円筒状部材21aの上端部が長円筒状部材21bの下端外周に設けられた鍔状部(外周段丘部)に溶接等により密封接合されて一体に連結されている。
ここで、前記主弁ハウジング11におけるポートpFの内周部分には、環状の段差部(内径が縮径されて形成された段差部)13が設けられている。
前記主弁ハウジング11に対して各ポートpA、pF、pEや各連通路85、86をろう付け等により接続した後、前記上部内側ハウジング部材21は、(短円筒状部材21aの)開口23及び(長円筒状部材21bの)開口24がポートpA及び連通路85に対して位置合わせされた状態で、前記主弁ハウジング11の一端側開口を通して該主弁ハウジング11内に挿入され、その(短円筒状部材21aの)下端部が前記主弁ハウジング11の段差部13(の上面)に当接せしめら、その(長円筒状部材21bの)上端部が主弁ハウジング11の内周上部(図示例では、一端大径部11aの直下の内周)に設けられたかしめ部14aによりかしめられて抜け止め係止されている。
この上部内側ハウジング部材21(の長円筒状部材21b)の内側(詳細には、連通路85に対応する開口24より上側の内周)に、前記一端側ピストン31が上下方向(軸線O1方向)に摺動自在に配在される。つまり、この上部内側ハウジング部材21(の長円筒状部材21b)の内周(面)は、前記一端側ピストン31が摺接する平滑なピストン摺動面36とされている。
なお、前記上部内側ハウジング部材21(の外周)と主弁ハウジング11(の内周)との間、具体的には、上部内側ハウジング部材21(の短円筒状部材21a)の下端部外周に形成された面取り部(傾斜面)と主弁ハウジング11の段差部13との間で画成された隅角部、並びに、上部内側ハウジング部材21(の長円筒状部材21b)の開口24の下側(言い換えれば、開口23と開口24との間)及び上側(言い換えれば、開口23と上端部との間)の外周に形成された環状溝にはそれぞれ、シール部材としての3つのOリング21c、21d、22eが装着されている(特に、図3参照)。
一方で、図1、2とともに図4を併せて参照すればよく分かるように、前記主弁ハウジング11の下部に内挿される下部内側ハウジング部材22は、その右側部に、主弁ハウジング11に設けられた下側のポートpEに対応する(連なる)開口25が設けられ、その左側部に、前記連通路86に対応する(連なる)開口26が設けられ、その上端部から内側に向けて(軸線O1に向けて)、内端下部が弁シート部とされた他端側主弁座28が突設されている。
前記主弁ハウジング11に対して各ポートpA、pF、pEや各連通路85、86をろう付け等により接続した後、前記下部内側ハウジング部材22は、開口25及び開口26がポートpE及び連通路86に対して位置合わせされた状態で、前記主弁ハウジング11の他端側開口を通して該主弁ハウジング11内に挿入され、その上端部が前記主弁ハウジング11の段差部13(の下面)に当接せしめられ、その下端部が主弁ハウジング11の内周下部(図示例では、他端大径部11bの直上の内周)に設けられたかしめ部14bによりかしめられて抜け止め係止されている。
この下部内側ハウジング部材22の内側(詳細には、ポートpEに対応する開口25や連通路86に対応する開口26より下側の内周)に、前記他端側ピストン32が上下方向(軸線O1方向)に摺動自在に配在される。つまり、この下部内側ハウジング部材22の内周(面)は、前記他端側ピストン32が摺接する平滑なピストン摺動面37とされている。
なお、前記下部内側ハウジング部材22(の外周)と主弁ハウジング11(の内周)との間、具体的には、下部内側ハウジング部材22の上端部外周に形成された面取り部(傾斜面)と主弁ハウジング11の段差部13との間で画成された隅角部、並びに、下部内側ハウジング部材22の開口25、26の下側(言い換えれば、開口25、26と下端部との間)の外周に形成された環状溝にはそれぞれ、シール部材としての2つのOリング22c、22dが装着されている(特に、図4参照)。
なお、前記主弁ハウジング11や該主弁ハウジング11に内嵌される上部及び下部内側ハウジング部材21、22は、上記のような適宜の材料で作製できるが、上部及び下部内側ハウジング部材21、22の主弁ハウジング11との熱交換を低減するため、あるいは、上部及び下部内側ハウジング部材21、22の当接部分(一端側主弁座27、他端側主弁座28、副弁座29)や摺動部分(ピストン摺動面36、ピストン摺動面37)の摩耗等による劣化を抑えるため、上部及び下部内側ハウジング部材21、22は、主弁ハウジング11より熱伝導率の低い材料や剛性(強度)の高い材料で作製されるのが良い。その一例としては、主弁ハウジング11が真鍮製であれば、上部及び下部内側ハウジング部材21、22がステンレス製とされるのが良い。
すなわち、本実施形態では、主弁ハウジング11に内嵌された上部及び下部内側ハウジング部材21、22により、主弁室12におけるポートpFとポートpAの間に、その内端上部が弁シート部とされた一端側主弁座27が設けられ、主弁室12におけるポートpFとポートpEの間に、その内端下部が弁シート部とされた他端側主弁座28が設けられ、主弁室12におけるポートpAより一端側かつ連通路85より他端側(言い換えれば、ポートpAと連通路85の間)に、その内端下部が弁シート部とされた副弁座29が設けられている。
また、前述のように、一端側主弁座27、副弁座29、及び他端側主弁座28は、主弁ハウジング11に内嵌された上部内側ハウジング部材21及び下部内側ハウジング部材22の内周から内側に向けて(軸線O1に向けて)突設されて(一体に)形成されており、その一端側主弁座27、副弁座29、及び他端側主弁座28により画成される一端側主弁口、副弁口、及び他端側主弁口の口径(弁シート部の内径)は、主弁ハウジング11内に配置された上部内側ハウジング部材21及び下部内側ハウジング部材22の内径(つまり、一端側作動室41、一端側ピストン31、他端側ピストン32、他端側作動室42の外径)より小さくされている。
また、前記主弁室(弁室)12には、ポペット式の主弁体(弁体)15が(主弁ハウジング11の内周と所定の間隔をあけて)軸線O1方向(上下方向)に移動自在に配在されている。
前記主弁体15は、本例では、前記主弁室12における副弁座29と一端側主弁座27との間に配在された例えば合成樹脂製の上部弁体16と、前記主弁室12における他端側主弁座28の下方に配在された例えば合成樹脂製の下部弁体17とを有し、上部弁体16と下部弁体17が、軸線O1方向に沿って延びる(すなわち、前記主弁ハウジング11の段差部13の内側に挿通される)接続軸18を介して連結されて一体とされている。
ここでは、上部弁体16に(上下方向(軸線O1方向)に沿って)設けられた中央穴(縦向きの貫通穴)16aの下部内周に形成された雌ねじ部に、接続軸18の上端部外周に形成された雄ねじ部が螺着されて気密的に連結固定され、下部弁体17に(上下方向(軸線O1方向)に沿って)設けられた中央穴(縦向きの貫通穴)17aの上部に、接続軸18の下端部が圧入・かしめ等により内嵌されて気密的に連結固定されている。なお、上部弁体16の中央穴16a及び下部弁体17の中央穴17aにはそれぞれ、主弁室12に開口する横孔16b、17bが設けられている。
前記主弁体15は、前述のように、上部弁体16と下部弁体17とが(接続軸18を介して)一体となって軸線O1方向に移動せしめられ、その上部弁体16(の上部外周部分と下部外周部分)が副弁座29と一端側主弁座27に選択的に接離するととともに、それに連動して、その下部弁体17(の外周部分)が他端側主弁座28に接離するようになっている。詳しくは、前記主弁体15は、その上部弁体16が副弁座29に着座して一端側主弁座27から離れるときに、その下部弁体17が他端側主弁座28に着座し、その上部弁体16が副弁座29から離れて一端側主弁座27に着座するときに、その下部弁体17が他端側主弁座28から離れるようになっている。これにより、図1に示される如くの、上部弁体16(の上部外周部分)が副弁座29(の弁シート部)に着座し且つ下部弁体17(の外周部分)が他端側主弁座28(の弁シート部)に着座して、ポートpAとポートpFとを(一端側主弁座27の一端側主弁口を介して)連通させるとともに、ポートpEと連通路86とを連通させる一端(上端)位置(暖房位置)と、図2に示される如くの、上部弁体16(の下部外周部分)が一端側主弁座27(の弁シート部)に着座し且つ下部弁体17(の外周部分)が他端側主弁座28(の弁シート部)から離れて、ポートpEとポートpFとを(他端側主弁座28の他端側主弁口を介して)連通させるとともに、ポートpAと連通路85とを(副弁座29の副弁口を介して)連通させる他端(下端)位置(冷房位置)とを選択的にとり得るようにされている。
なお、主弁体15が他端位置(冷房位置)にあるときには、ポートpEとポートpFは連通路86とも連通しているが、この連通路86と流路切換弁50に設けられた各ポート(ポートpB、pC、pD)間は、流路切換弁50(のポートpDの他端側)に設けられた副弁座69に主弁体55(の下部弁体57)が着座することにより連通しない(連通状態が遮断される)ようになっている(後で詳述)。
一端側ピストン31と他端側ピストン32はそれぞれ、一端側連結軸38と他端側連結軸39を介して主弁体15に連結されて一体移動可能とされている。本例では、一端側ピストン31の中央に設けられた嵌挿穴31aに一端側連結軸38の上端が圧入・かしめ・溶接等により気密的に連結固定され、その一端側連結軸38の下端が、上部弁体16の中央穴16aの上部に圧入・かしめ等により内嵌されて気密的に連結固定されている。また、他端側ピストン32の中央に設けられた嵌挿穴32aに他端側連結軸39の下端が圧入・かしめ・溶接等により気密的に連結固定され、その他端側連結軸39の上端外周に形成された雄ねじ部が、下部弁体17の中央穴17aの下部内周に形成された雌ねじ部に螺着されて気密的に連結固定されている。これにより、主弁体15は、上下一対の一端側及び他端側ピストン31、32の往復移動に伴って前記一端側連結軸38及び他端側連結軸39に押動されて冷房位置(上端位置)と暖房位置(下端位置)との間を行き来(上下動)するようにされている。
すなわち、本実施形態における流路切換弁10では、一端側作動室41、一端側連結軸38を有する一端側ピストン31、他端側連結軸39を有する他端側ピストン32、他端側作動室42で、主弁体15を軸線O1方向(上下方向)に移動させる、流体圧式(詳細には、システム内の高圧冷媒と低圧冷媒の差圧を利用する流体圧式)のアクチュエータ部が構成されている。
なお、図4においては、下部内側ハウジング部材22、他端側ピストン32及び他端側連結軸39等を組み付けてから主弁ハウジング11に挿入する構成としているが、主弁ハウジング11に下部内側ハウジング部材22だけを挿入した状態で、他端側ピストン32及び他端側連結軸39等を組み付けてもよいことは勿論である。
[流路切換弁50の構成]
前記六方弁本体9の左側に配置された流路切換弁(第2流路切換弁)50の基本構成は、前記した流路切換弁10とほぼ同様であるため、同じ機能及び作用を有する部分には同様の符号(流路切換弁10の各部の符号に対して40を足した符号)を付して重複説明を省略する。
この流路切換弁50は、前述の流路切換弁10に対し、基本的に、主弁ハウジング51に設けられた3個のポート(ポートpB、ポートpC、ポートpD)と主弁ハウジング51の内周に設けられた一端側主弁座67、他端側主弁座68、及び副弁座69の配置構成が相違している。
この流路切換弁50において、主弁ハウジング(弁ハウジング)51には、左方に向けて延びる管継手からなる3個のポート(一端側(上端側)から、第4ポートpB、第5ポートpC、第6ポートpD)が縦並びで(軸線O5方向に並んで)ろう付け等により気密的に接続されて主弁室(弁室)52に開口せしめられている。
また、前記ポートpBに対向するように、前記連通路85(前述の流路切換弁10の主弁室12の副弁座29より一端側に連通する連通路85)が横向きに連通せしめられるとともに、前記主弁室52における前記ポートpDより他端(下端)側に、前記連通路86(前述の流路切換弁10の主弁室12の他端側主弁座28より他端側に連通する連通路86)が横向きに連通せしめられている。
前記主弁ハウジング51の上部(内周)に内挿された上部内側ハウジング部材61は、下側から、軸線O5方向で比較的短い短円筒状部材61aと、軸線O5方向で比較的長い長円筒状部材61bとの2部品構成とされている。短円筒状部材61aの側部(左側部)には、主弁ハウジング51に設けられた中央のポートpCに対応する(連なる)開口63が設けられるとともに、その下端部から内側に向けて(軸線O5に向けて)、内端上部が弁シート部とされた他端側主弁座68が突設されている。一方、上部内側ハウジング部材61の長円筒状部材61bの側部(左側部)には、主弁ハウジング51に設けられた上側のポートpBに対応する(連なる)開口65が設けられ、その(右側部)には、前記連通路85に対応する(連なる)開口64が設けられるとともに、その下端部から内側に向けて(軸線O5に向けて)、内端下部が弁シート部とされた一端側主弁座67が突設されている。前記短円筒状部材61aと前記長円筒状部材61bとは、短円筒状部材61aの上端部が長円筒状部材61bの下端外周に設けられた鍔状部(外周段丘部)に溶接等により密封接合されて一体に連結されている。
一方で、前記主弁ハウジング51の下部(内周)に内挿された下部内側ハウジング部材62の側部(右側部)には、前記連通路86に対応する(連なる)開口66が設けられ、その上端部から内側に向けて(軸線O5に向けて)、内端下部が弁シート部とされた副弁座69が突設されている。
すなわち、本実施形態では、主弁ハウジング51に内嵌された上部及び下部内側ハウジング部材61、62により、主弁室52におけるポートpBとポートpCの間に、その内端下部が弁シート部とされた一端側主弁座67が設けられ、主弁室52におけるポートpCとポートpDの間に、その内端上部が弁シート部とされた他端側主弁座68が設けられ、主弁室52におけるポートpDより他端側かつ連通路86より一端側(言い換えれば、ポートpDと連通路86の間)に、その内端下部が弁シート部とされた副弁座69が設けられている。
前記主弁室(弁室)52に軸線O5方向(上下方向)で移動自在に配在されたポペット式の主弁体(弁体)55は、本例では、前記主弁室52における一端側主弁座67と他端側主弁座68との間に配在された上部弁体56と、前記主弁室52における副弁座69の下方に配在された下部弁体57とを有し、その上部弁体56と下部弁体57とが(接続軸58を介して)一体となって移動せしめられ、その上部弁体56(の上部外周部分と下部外周部分)が一端側主弁座67と他端側主弁座68に選択的に接離するとともに、それに連動して、その下部弁体57(の外周部分)が副弁座69に接離するようになっている。詳しくは、前記主弁体55は、その上部弁体56が他端側主弁座68に着座して一端側主弁座67から離れるときに、その下部弁体57が副弁座69から離れ、その上部弁体56が他端側主弁座68から離れて一端側主弁座67に着座するときに、その下部弁体57が副弁座69に着座するようになっている。これにより、図1に示される如くの、上部弁体56(の下部外周部分)が他端側主弁座68(の弁シート部)に着座し且つ下部弁体57(の外周部分)が副弁座69(の弁シート部)から離れて、ポートpCとポートpBとを(一端側主弁座67の一端側主弁口を介して)連通させるとともに、ポートpDと連通路86とを(副弁座69の副弁口を介して)連通させる他端(下端)位置(暖房位置)と、図2に示される如くの、上部弁体56(の上部外周部分)が一端側主弁座67(の弁シート部)に着座し且つ下部弁体57(の外周部分)が副弁座69(の弁シート部)に着座して、ポートpCとポートpDとを(他端側主弁座68の他端側主弁口を介して)連通させるとともに、ポートpBと連通路85とを連通させる一端(上端)位置(冷房位置)とを選択的にとり得るようにされている。
なお、主弁体55が他端位置(暖房位置)にあるときには、ポートpCとポートpBは連通路85とも連通しているが、この連通路85と流路切換弁10に設けられた各ポート(ポートpA、pF、pE)間は、流路切換弁10(のポートpAの一端側)に設けられた副弁座29に主弁体15(の上部弁体16)が着座することにより連通しない(連通状態が遮断される)ようになっている。
なお、本例では、各々の流路切換弁10、50に設けられた各ポートpA〜pFの口径、及び、各々の連通路85、86の通路径は、略同径に設定されている。
<六方弁本体9の動作>
次に、上記した如くの構成を有する六方弁本体9の動作を説明する。
各々の流路切換弁10、50の主弁ハウジング11、51内に配在された主弁体15、55が暖房位置(流路切換弁10の主弁体15が一端(上端)位置、流路切換弁50の主弁体55が他端(下端)位置)(図1に示される如くの第1連通状態)にあるときにおいて、後述する四方パイロット弁90を介して、流路切換弁10の一端側作動室41及び流路切換弁50の他端側作動室82を吐出側高圧ポートであるポートpAに連通させるとともに、流路切換弁10の他端側作動室42及び流路切換弁50の一端側作動室81を吸入側低圧ポートであるポートpDに連通させると、流路切換弁10の一端側作動室41及び流路切換弁50の他端側作動室82に高温高圧の冷媒が導入されるとともに、流路切換弁10の他端側作動室42及び流路切換弁50の一端側作動室81から高温高圧の冷媒が排出される。そのため、流路切換弁10において一端側作動室41の圧力が他端側作動室42の圧力より高くなり、一端側及び他端側ピストン31、32及び主弁体15が下方に移動し、主弁体15(の上部弁体16の上部外周部分及び下部弁体17の外周部分)が副弁座29(の弁シート部)及び他端側主弁座28(の弁シート部)から離れて副弁口及び他端側主弁口が開かれるとともに、主弁体15(の上部弁体16の下部外周部分)が一端側主弁座27(の弁シート部)に着座して接当係止される。また、それと同時に、流路切換弁50において他端側作動室82の圧力が一端側作動室81の圧力より高くなり、一端側及び下端側ピストン71、72及び主弁体55が上方に移動し、主弁体55(の上部弁体56の下部外周部分)が他端側主弁座68(の弁シート部)から離れて他端側主弁口が開かれるとともに、主弁体55(の上部弁体56の上部外周部分及び下部弁体57の外周部分)が一端側主弁座67(の弁シート部)及び副弁座69(の弁シート部)に着座して接当係止される。これにより、各々の流路切換弁10、50の主弁体15、55が冷房位置(流路切換弁10の主弁体15が他端(下端)位置、流路切換弁50の主弁体55が一端(上端)位置)(図2に示される如くの第2連通状態)をとる。
これにより、流路切換弁10におけるポートpAと流路切換弁50におけるポートpBとがその間に設けられた連通路85を介して連通せしめられ、流路切換弁10においてポートpEとポートpFとが連通せしめられ、流路切換弁50においてポートpCとポートpDとが連通せしめられるので、図8(A)、(B)に示される如くのヒートポンプ式冷暖房システム100において、冷房運転が行われる。
各々の流路切換弁10、50の主弁ハウジング11、51内に配在された主弁体15、55が冷房位置(図2に示される如くの第2連通状態)にあるときにおいて、後述する四方パイロット弁90を介して、流路切換弁10の他端側作動室42及び流路切換弁50の一端側作動室81を吐出側高圧ポートであるポートpAに連通させるとともに、流路切換弁10の一端側作動室41及び流路切換弁50の他端側作動室82を吸入側低圧ポートであるポートpDに連通させると、流路切換弁10の他端側作動室42及び流路切換弁50の一端側作動室81に高温高圧の冷媒が導入されるとともに、流路切換弁10の一端側作動室41及び流路切換弁50の他端側作動室82から高温高圧の冷媒が排出される。そのため、流路切換弁10において他端側作動室42の圧力が一端側作動室41の圧力より高くなり、一端側及び他端側ピストン31、32及び主弁体15が上方に移動し、主弁体15(の上部弁体16の下部外周部分)が一端側主弁座27(の弁シート部)から離れて一端側主弁口が開かれるとともに、主弁体15(の上部弁体16の上部外周部分及び下部弁体17の外周部分)が副弁座29(の弁シート部)及び他端側主弁座28(の弁シート部)に着座して接当係止される。また、それと同時に、流路切換弁50において一端側作動室81の圧力が他端側作動室82より高くなり、一端側及び他端側ピストン71、72及び主弁体55が下方に移動し、主弁体55(の上部弁体56の上部外周部分及び下部弁体57の外周部分)が一端側主弁座67(の弁シート部)及び副弁座69(の弁シート部)から離れて一端側主弁口及び副弁口が開かれるとともに、主弁体55(の上部弁体56の下部外周部分)が他端側主弁座68(の弁シート部)に着座して接当係止される。これにより、各々の流路切換弁10、50の主弁体15、55が暖房位置(流路切換弁10の主弁体15が一端(上端)位置、流路切換弁50の主弁体55が他端(下端)位置)(図1に示される如くの第1連通状態)をとる。
これにより、流路切換弁10においてポートpAとポートpFとが連通せしめられ、流路切換弁50においてポートpCとポートpBとが連通せしめられ、流路切換弁10におけるポートpEと流路切換弁50におけるポートpDとがその間に設けられた連通路86を介して連通せしめられるので、図8(A)、(B)に示される如くのヒートポンプ式冷暖房システム100において、暖房運転が行われる。
ここで、本実施形態では、流路切換弁10における主弁体15(の上部及び下部弁体16、17)の外径(シート径)が、主弁ハウジング11に内嵌された上部及び下部内側ハウジング部材21、22の内径(つまり、一端側及び他端側ピストン31、32の受圧径)より小さくされ、流路切換弁50における主弁体55(の上部及び下部弁体56、57)の外径(シート径)が、主弁ハウジング51に内嵌された上部及び下部内側ハウジング部材61、62の内径(つまり、一端側及び他端側ピストン71、72の受圧径)より小さくされているので、前記した流路切換に当たり(つまり、暖房運転から冷房運転に切り換える際、及び、冷房運転から暖房運転に切り換える際に)、簡単な構成でもって、各々の流路切換弁10、50の主弁体15、55を確実に移動させられるようになっている。
<四方パイロット弁90の構成>
パイロット弁としての四方パイロット弁90は、その構造自体はよく知られているもので、図5(A)、(B)に拡大図示されている如くに、基端側(左端側)外周に電磁コイル91が外嵌固定された円筒状のストレートパイプからなる弁ケース92を有し、該弁ケース92に、基端側から順次、吸引子95、圧縮コイルばね96、プランジャ97が直列的に配在されている。
弁ケース92の左端部は、吸引子95の鍔状部(外周段丘部)に溶接等により密封接合されており、吸引子95は、通電励磁用の電磁コイル91の外周を覆うカバーケース91Aにボルト92Bにより締結固定されている。
一方、弁ケース92の右端開口部には、高圧冷媒を導入するための細管挿着口(高圧導入ポートa)を有するフィルタ付き蓋部材98が溶接、ろう付け、かしめ等により気密的に取着されており、蓋部材98とプランジャ97と弁ケース92とで囲まれる領域が弁室99となっている。弁室99には、蓋部材98の細管挿着口(高圧導入ポートa)に気密的に挿着された可撓性を有する高圧細管#aを介して前記ポート(吐出側高圧ポート)pAから高温高圧の冷媒が導入されるようになっている。
また、弁ケース92におけるプランジャ97と蓋部材98との間には、その内端面が平坦な弁シート面とされた弁座93がろう付け等により気密的に接合されており、この弁座93の弁シート面(内端面)には、先端側(右端側)から順次、前記した六方弁本体9の流路切換弁10の一端側作動室41及び流路切換弁50の他端側作動室82に細管#bを介して接続されるポートb、ポート(吸入側低圧ポート)pDに細管#cを介して接続されるポートc、流路切換弁10の他端側作動室42及び流路切換弁50の一端側作動室81に細管#dを介して接続されるポートdが弁ケース92の長手方向(左右方向)に沿って所定間隔をあけて横並びに開口せしめられている。
吸引子95に対向配置されたプランジャ97は、基本的には円柱状とされ、弁ケース92内を軸方向(弁ケース92の中心線Lに沿う方向)に摺動自在に配在されている。そのプランジャ97の吸引子95側とは反対側の端部には、弁体94をその自由端側で厚み方向に摺動可能に保持する弁体ホルダ94Aがその基端部を取付具94Bと共に圧入、かしめ等により取付固定されている。この弁体ホルダ94Aには、弁体94を弁座93に押し付ける方向(厚み方向)に付勢する板ばね94Cが取り付けられている。弁体94は、弁座93の弁シート面に開口するポートb、c、d間の連通状態を切り換えるべく、当該弁座93の弁シート面に対接せしめられた状態で、弁座93の弁シート面をプランジャ97の左右方向の移動に伴って摺動するようになっている。
また、弁体94には、弁座93の弁シート面に開口する3個のポートb〜dのうちの隣り合うポートb−c間、c−d間を選択的に連通させ得るような大きさの凹部94aが設けられている。
また、圧縮コイルばね96は、吸引子95とプランジャ97との間に縮装されてプランジャ97を吸引子95から引き離す方向(図では、右方)に付勢するようになっているが、本例では、弁座93(の左端部)が、プランジャ97の右方への移動を阻止するストッパとされている。なお、このストッパの構成としては、その他の構成を採用し得ることは言うまでも無い。
なお、上記四方パイロット弁90は、取付具92Aを介して六方弁本体9の背面側等の適宜の箇所に取付けられる。
<四方パイロット弁90の動作>
上記した如くの構成とされた四方パイロット弁90においては、電磁コイル91への通電OFF時には、図1及び図5(A)に示される如くに、プランジャ97は圧縮コイルばね96の付勢力により、その右端が弁座93に接当する位置まで押し動かされている。この状態では、弁体94がポートbとポートc上に位置し、その凹部94aによりポートbとポートcが連通するとともに、ポートdと弁室99とが連通するので、ポート(吐出側高圧ポート)pAに流入する高圧流体が高圧細管#a→弁室99→ポートd→細管#d→ポートp10b及びポートp50aを介して他端側作動室42及び一端側作動室81に導入されるとともに、一端側作動室41及び他端側作動室82の高圧流体がポートp10a及びポートp50b→細管#b→ポートb→凹部94a→ポートc→細管#c→ポート(吸入側低圧ポート)pDへと流れて排出される。
それに対し、電磁コイル91への通電をONにすると、図2及び図5(B)に示される如くに、プランジャ97は吸引子95の吸引力により、その左端が吸引子95に接当する位置まで(圧縮コイルばね96の付勢力に抗して)引き寄せられる。このときには、弁体94がポートcとポートd上に位置し、その凹部94aによりポートcとポートdが連通するとともに、ポートbと弁室99とが連通するので、ポート(吐出側高圧ポート)pAに流入する高圧流体が高圧細管#a→弁室99→ポートb→細管#b→ポートp10a及びポートp50bを介して一端側作動室41及び他端側作動室82に導入されるとともに、他端側作動室42及び一端側作動室81の高圧流体がポートp10b及びポートp50a→細管#d→ポートd→凹部94a→ポートc→細管#c→ポート(吸入側低圧ポート)pDへと流れて排出される。
したがって、電磁コイル91への通電をOFFにすると、六方弁本体9の各流路切換弁10、50の主弁体15、55が冷房位置(第2連通状態)から暖房位置(第1連通状態)に移行し、前記した如くの流路切換が行われる一方、電磁コイル91への通電をONにすると、六方弁本体9の各流路切換弁10、50の主弁体15、55が暖房位置(第1連通状態)から冷房位置(第2連通状態)に移行し、前記した如くの流路切換が行われる。
このように、本実施形態の六方切換弁1では、電磁式四方パイロット弁90への通電をON/OFFで切り換えることで、六方切換弁1内を流通する高圧流体(高圧部分であるポートpAを流れる流体)と低圧流体(低圧部分であるポートpDを流れる流体)との差圧を利用して六方弁本体9を構成する各流路切換弁10、50の主弁体15、55を主弁室12、52内で連動して移動させることにより、2つの流路切換弁10、50に合計で6個設けられたポート間の連通状態が切り換えられ、図8(A)、(B)に示される如くのヒートポンプ式冷暖房システム100において、暖房運転から冷房運転への切り換え、及び、冷房運転から暖房運転への切り換えを行うことができる。
<六方切換弁1の作用効果>
以上の説明から理解されるように、本実施形態の六方切換弁1においては、主弁ハウジング11、51に複数のポートpA〜pFがろう付け等により接続されるとともに、その主弁ハウジング11、51に、主弁体15、55が接離する弁座(一端側主弁座27、67、他端側主弁座28、68、副弁座29、69)やピストン(一端側ピストン31、71、他端側ピストン32、72)が摺接するピストン摺動面36、37、76、77が設けられた筒状の内側ハウジング部材(上部内側ハウジング部材21、61、下部内側ハウジング部材22、62)が内嵌されているので、ろう付け等による各ポートpA〜pFの接続時に生じる主弁ハウジング11、51の変形(歪)が、主弁体15、55が接離する弁座やピストンが摺接するピストン摺動面に影響しなくなるため、弁洩れを確実に抑えることができる。
また、主弁ハウジング11、51により画成される主弁室12、52内でポペット式の主弁体15、55を移動させることにより、連通するポート間(連通状態、流路)が切り換えられるようにされているので、例えば従来のスライド式主弁体を使用した流路切換弁と比べて、弁漏れをより確実に抑えることができる。
また、例えば、内側ハウジング部材(上部内側ハウジング部材21、61、下部内側ハウジング部材22、62)がステンレス製とされ、主弁ハウジング11、51が真鍮製とされ、主弁ハウジング11、51に内嵌される内側ハウジング部材(上部内側ハウジング部材21、61、下部内側ハウジング部材22、62)が当該主弁ハウジング11、51より熱伝導率の低い材料あるいは剛性(強度)の高い材料で作製されているので、主弁ハウジング11、51との熱交換を低減できるとともに、当接部分や摺動部分の摩耗等による劣化が抑えられ、これによっても、内側ハウジング部材(上部内側ハウジング部材21、61、下部内側ハウジング部材22、62)に設けられた弁座(一端側主弁座27、67、他端側主弁座28、68、副弁座29、69)やピストン摺動面36、37、76、77の変形が抑えられるため、耐久性が向上して、更に弁洩れし難くできる。
なお、上記実施形態では、ポペット式の主弁体15、55を主弁室12、52内で移動させることにより、連通するポート間(連通状態、流路)が切り換えられるようにされているが、例えば上記特許文献1に所載の如くのスライド式主弁体を用いた場合でも、同様の作用効果が得られることは詳述するまでも無い。
また、上記実施形態では、四方パイロット弁90等を用いて主弁室12、52内で主弁体15、55を駆動する構成を採用したが、主弁体を移動させるためのアクチュエータ部としては、上記したように四方パイロット弁90等を用いた構成の他、ソレノイドやモータを用いて主弁体を駆動する構成でも良い。
また、上記した実施形態の六方切換弁1では、流路切換弁10に右向きに3個のポート(ポートpA、ポートpF、ポートpE)が設けられ、流路切換弁50に左向きに3個のポート(ポートpB、ポートpC、ポートpD)が設けられているが、6個のポートpA〜pFの配置構成(向きや位置等)は、図示例に限られないことは勿論である。例えば、流路切換弁10に設けられた各ポート(管継手)pA、pF、pEと流路切換弁50に設けられた各ポート(管継手)pB、pC、pDを前方あるいは後方に向けて延設して、全てのポート(管継手)pA〜pFの取付け方向を一致させるようにしてもよい。
また、上記実施形態の六方切換弁1では、第3ポートpEが流路切換弁10の主弁ハウジング11に取り付けられ、第4ポートpBが流路切換弁50の主弁ハウジング51に取り付けられているが、図6に示されるように、第3ポートpEを(流路切換弁10の主弁ハウジング11に代えて)連通路86に取り付け、第4ポートpBを(流路切換弁50の主弁ハウジング51に代えて)連通路85に取り付けても、同様の作用効果を奏し得ることは詳述するまでも無い。また、図7に示されるように、連通路85(の左端)を(流路切換弁50の主弁ハウジング51に代えて)第4ポートpBに取り付け、連通路86(の右端)を(流路切換弁10の主弁ハウジング11に代えて)第3ポートpEに取り付けても、同様の作用効果を奏し得ることは当然である。なお、図7においては、第4ポートpBを主弁ハウジング51の右部(流路切換弁10側)に接続し、第3ポートpEを主弁ハウジング11の左部(流路切換弁50側)に接続した構成としている。
また、本実施形態の六方切換弁1は、ヒートポンプ式冷暖房システムのみならず、他のシステム、装置、機器類にも組み込めることは勿論である。