JP2017155378A - 発泡壁紙 - Google Patents
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Abstract
【課題】混合機等の壁面へのペレットの静電気吸着を抑制して、組成を安定化させることが可能な発泡壁紙を提供する。
【解決手段】発泡壁紙1が、基材2と、ドライブレンドした二種類以上の樹脂ペレットを溶融・混練してシート状に成型した樹脂シートを基材2上で発泡させて形成された発泡樹脂層4とを備え、発泡樹脂層4が、分子内に水酸基を少なくとも二つ以上持つアルコール系化合物である添加物を含む。
【選択図】図1
【解決手段】発泡壁紙1が、基材2と、ドライブレンドした二種類以上の樹脂ペレットを溶融・混練してシート状に成型した樹脂シートを基材2上で発泡させて形成された発泡樹脂層4とを備え、発泡樹脂層4が、分子内に水酸基を少なくとも二つ以上持つアルコール系化合物である添加物を含む。
【選択図】図1
Description
本発明は、戸建て住宅、集合住宅、店舗、事務所ビル等、建築物の壁面装飾等に利用可能な発泡壁紙に関する。
建築物の壁面装飾等に用いる壁紙としては、紙基材に塩化ビニル樹脂の樹脂層を設けた塩化ビニル壁紙が広く利用されている。
近年では、壁面装飾等に用いる壁紙として、特許文献1及び特許文献2に開示されているように、環境に配慮し、エチレン−酢酸ビニル共重合体のような非塩素系熱可塑性樹脂が用いられた発泡壁紙がある。
発泡壁紙の製造方法としては、基材上に、発泡剤が含まれる樹脂組成物を溶融押出コートし積層する方法がある。
近年では、壁面装飾等に用いる壁紙として、特許文献1及び特許文献2に開示されているように、環境に配慮し、エチレン−酢酸ビニル共重合体のような非塩素系熱可塑性樹脂が用いられた発泡壁紙がある。
発泡壁紙の製造方法としては、基材上に、発泡剤が含まれる樹脂組成物を溶融押出コートし積層する方法がある。
樹脂組成物を基材上に溶融押出して積層する発泡壁紙では、取り扱い上の利便性から、材料として、二種類以上の樹脂ペレットを用い、二種類以上の樹脂ペレットを所望の比率で混合した後に、溶融押出を行う場合が多い。
二種類以上の樹脂ペレットを所望の比率で混合する方法の一つとして、ドライブレンドがある。ドライブレンドとしては、各ペレットを所望の比率に測りとった後に、タンブラーで振り混ぜる方法や、スクリュー付きの混合機でかき混ぜながら混合するといった方法が用いられる。
二種類以上の樹脂ペレットを所望の比率で混合する方法の一つとして、ドライブレンドがある。ドライブレンドとしては、各ペレットを所望の比率に測りとった後に、タンブラーで振り混ぜる方法や、スクリュー付きの混合機でかき混ぜながら混合するといった方法が用いられる。
しかしながら、上記のような方法でドライブレンドを行うと、樹脂ペレットが別の樹脂ペレットや混合機の表面と摩擦を生じ、静電気が発生する。そして、静電気によって、樹脂ペレットが混合機の壁面や成型機の搬送経路の壁面に吸着すると、ペレットの混合比が崩れ、望んだ組成の発泡壁紙を安定して得ることが困難となるという問題があった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、静電気の発生しにくい樹脂ペレットを使用することで、混合機等の壁面へのペレットの静電気吸着を抑制して、組成を安定化させることが可能な発泡壁紙を提供することを目的とする。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、静電気の発生しにくい樹脂ペレットを使用することで、混合機等の壁面へのペレットの静電気吸着を抑制して、組成を安定化させることが可能な発泡壁紙を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の一態様は、発泡壁紙が、基材と、基材上に積層された発泡樹脂層を備える。また、発泡樹脂層を、二種類以上の樹脂ペレットで成型されるとともに、基材上で発泡した樹脂シートで形成する。さらに、発泡樹脂層が、分子内に水酸基を少なくとも二つ以上持つアルコール系化合物である添加物を含む。
本発明の一態様によれば、静電気の発生しにくい発泡樹脂層を形成することで、混合機等の壁面への樹脂ペレットの静電気吸着を抑制して、組成が安定した発泡壁紙を形成することが可能となる。
以下の詳細な説明では、本発明の実施形態について、完全な理解を提供するように、特定の細部について記載する。しかしながら、かかる特定の細部が無くとも、一つ以上の実施形態が実施可能であることは明確である。また、図面を簡潔なものとするために、周知の構造及び装置を、略図で表す場合がある。
(第一実施形態)
以下、本発明の第一実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
(構成)
図1を参照して、発泡壁紙1の構成について説明する。
図1中に表すように、発泡壁紙1は、基材2と、発泡樹脂層4を備える。
以下、本発明の第一実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
(構成)
図1を参照して、発泡壁紙1の構成について説明する。
図1中に表すように、発泡壁紙1は、基材2と、発泡樹脂層4を備える。
(基材2)
基材2の材料としては、壁紙用の裏打紙等、紙基材として通常使用されている材料であれば、特に限定されずに使用可能である。
したがって、基材2の材料としては、水溶性難燃剤を含浸させたパルプ主体の難燃紙や、無機質剤を混抄した無機質紙等を用いることが可能である。また、難燃紙や無機質紙の秤量は、50[g/m2]以上300[g/m2]以下の範囲内であってもよく、60[g/m2]以上160[g/m2]以下の範囲内であってもよい。
基材2の材料としては、壁紙用の裏打紙等、紙基材として通常使用されている材料であれば、特に限定されずに使用可能である。
したがって、基材2の材料としては、水溶性難燃剤を含浸させたパルプ主体の難燃紙や、無機質剤を混抄した無機質紙等を用いることが可能である。また、難燃紙や無機質紙の秤量は、50[g/m2]以上300[g/m2]以下の範囲内であってもよく、60[g/m2]以上160[g/m2]以下の範囲内であってもよい。
水溶性難燃剤としては、例えば、スルファミン酸グアニジン、リン酸グアニジン等を用いることが可能である。
無機質剤としては、例えば、炭酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等を用いることが可能である。
基材2の表面のうち、発泡樹脂層4を積層する側の面(図1中において、基材2の上側の面)には、易接着処理を施してもよく、また、易接着処理層を設けてもよい。
無機質剤としては、例えば、炭酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等を用いることが可能である。
基材2の表面のうち、発泡樹脂層4を積層する側の面(図1中において、基材2の上側の面)には、易接着処理を施してもよく、また、易接着処理層を設けてもよい。
易接着処理としては、例えば、コロナ放電処理、プラズマ処理、オゾン処理等を用いることが可能である。
易接着処理層は、例えば、アクリル−ブチル共重合体や、イソシアネートとポリオールとからなるポリウレタン等から形成する。
第一実施形態では、基材2の材料として、繊維質の材料を用いる。
したがって、第一実施形態では、基材2を、繊維質の基材とした場合について説明する。
易接着処理層は、例えば、アクリル−ブチル共重合体や、イソシアネートとポリオールとからなるポリウレタン等から形成する。
第一実施形態では、基材2の材料として、繊維質の材料を用いる。
したがって、第一実施形態では、基材2を、繊維質の基材とした場合について説明する。
(発泡樹脂層4)
発泡樹脂層4は、基材2上に積層されている。なお、「基材2上」とは、図1中において、基材2の上側の面を表す。
また、発泡樹脂層4は、樹脂組成物を含んで形成されている。
樹脂組成物は、充填剤と、発泡剤と、発泡助剤と、樹脂分と、添加剤を含有している。
したがって、樹脂組成物は、基材2と共に発泡壁紙1を形成し、且つ基材2上に設けられた発泡樹脂層4を形成する。
発泡樹脂層4は、基材2上に積層されている。なお、「基材2上」とは、図1中において、基材2の上側の面を表す。
また、発泡樹脂層4は、樹脂組成物を含んで形成されている。
樹脂組成物は、充填剤と、発泡剤と、発泡助剤と、樹脂分と、添加剤を含有している。
したがって、樹脂組成物は、基材2と共に発泡壁紙1を形成し、且つ基材2上に設けられた発泡樹脂層4を形成する。
また、発泡樹脂層4の基材2とは反対側の面は、均一な面に形成されている。
また、発泡樹脂層4は、図2中に表す樹脂シート6を基材2上に積層し、加熱発泡させて形成されている。樹脂シート6は、ドライブレンドした二種類以上の樹脂ペレットを、溶融・混練してシート状に成型して形成する。
すなわち、発泡樹脂層4は、二種類以上の樹脂ペレットで成型され、且つ基材2上で発泡した樹脂シート6で形成されている。また、発泡樹脂層4は、基材2上に積層されるとともに、加熱発泡した樹脂シート6で形成されている。
また、発泡樹脂層4は、図2中に表す樹脂シート6を基材2上に積層し、加熱発泡させて形成されている。樹脂シート6は、ドライブレンドした二種類以上の樹脂ペレットを、溶融・混練してシート状に成型して形成する。
すなわち、発泡樹脂層4は、二種類以上の樹脂ペレットで成型され、且つ基材2上で発泡した樹脂シート6で形成されている。また、発泡樹脂層4は、基材2上に積層されるとともに、加熱発泡した樹脂シート6で形成されている。
二種類以上の樹脂ペレットのうち少なくとも一種類の樹脂ペレットは、分子内に水酸基を少なくとも二つ以上持つアルコール系化合物を含む。
分子内に水酸基を少なくとも二つ以上持つアルコール系化合物(以降の説明では、「アルコール系化合物」と記載する場合がある)としては、例えば、単分子多価アルコール、高分子多価アルコール、多価アルコールのモノエステル、ジエステル等を用いることが可能である。
これらの材料は、ベース樹脂の粘度や融点、極性及び樹脂ペレットを作成する際の生産性等を鑑みて適宜選択することが可能である。しかしながら、発泡壁紙1において、変色防止や発泡セルの調整効果等を考えると、2,2‘−ビス(ヒドロキシメチル)1,3−プロパンジオール(慣用名:ペンタエリスリトール)や、イソシアヌレート(慣用名:THEIC)を用いることが好ましい。
分子内に水酸基を少なくとも二つ以上持つアルコール系化合物(以降の説明では、「アルコール系化合物」と記載する場合がある)としては、例えば、単分子多価アルコール、高分子多価アルコール、多価アルコールのモノエステル、ジエステル等を用いることが可能である。
これらの材料は、ベース樹脂の粘度や融点、極性及び樹脂ペレットを作成する際の生産性等を鑑みて適宜選択することが可能である。しかしながら、発泡壁紙1において、変色防止や発泡セルの調整効果等を考えると、2,2‘−ビス(ヒドロキシメチル)1,3−プロパンジオール(慣用名:ペンタエリスリトール)や、イソシアヌレート(慣用名:THEIC)を用いることが好ましい。
単分子多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、トリス(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、2,2‘−ビス(ヒドロキシメチル)1,3−プロパンジオール、ソルビトール、ソルビタン等を用いることが可能である。
高分子多価アルコールとしては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリオキシエチレンソルビタン等を用いることが可能である。
第一実施形態では、アルコール系化合物が、トリス(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、または、トリス(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌレートの持つ水酸基が脱水縮合した多量体を含む場合について説明する。
高分子多価アルコールとしては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリオキシエチレンソルビタン等を用いることが可能である。
第一実施形態では、アルコール系化合物が、トリス(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、または、トリス(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌレートの持つ水酸基が脱水縮合した多量体を含む場合について説明する。
樹脂ペレットに対するアルコール系化合物の含有量は、樹脂ペレットの全重量に対して、5[%]以上20[%]以下の範囲内であることが好ましい。これは、アルコール系化合物の含有量が少なければ、ペレット表面に吸着される水分が少なくなり帯電防止効果が損なわれるためである。これに加え、アルコール系化合物の含有量が多すぎれば、製膜後の樹脂シートに多量の界面活性剤が添加されることになり、それらのブリードアウトによって印刷適正が低下するためである。
第一実施形態では、二種類以上の樹脂ペレットのうち一種類の樹脂ペレットが、アルコール系化合物を5%以上20%以下の範囲内で含有する場合について説明する。
以下、樹脂組成物が含有している、充填剤と、発泡剤と、発泡助剤と、樹脂分と、添加剤について説明する。
第一実施形態では、二種類以上の樹脂ペレットのうち一種類の樹脂ペレットが、アルコール系化合物を5%以上20%以下の範囲内で含有する場合について説明する。
以下、樹脂組成物が含有している、充填剤と、発泡剤と、発泡助剤と、樹脂分と、添加剤について説明する。
(充填剤)
充填剤としては、例えば、無機充填剤や有機充填剤を用いることが可能である。また、無機充填剤や有機充填剤は、一種を単独で用いることも、二種類以上を併用して用いることも可能である。
無機充填剤としては、例えば、炭酸カルシウム、二酸化チタン等を用いることが可能である。
有機充填剤としては、例えば、メラミンシアヌレート、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、木粉、セルロース及びその誘導体を用いることが可能である。
充填剤としては、例えば、無機充填剤や有機充填剤を用いることが可能である。また、無機充填剤や有機充填剤は、一種を単独で用いることも、二種類以上を併用して用いることも可能である。
無機充填剤としては、例えば、炭酸カルシウム、二酸化チタン等を用いることが可能である。
有機充填剤としては、例えば、メラミンシアヌレート、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、木粉、セルロース及びその誘導体を用いることが可能である。
充填剤の含有量は、特に制限されないが、その合計量が、樹脂組成物全量を基準として、10[%]以上60[%]以下の範囲内の質量であることが好ましい。
樹脂組成物に充填剤を添加する理由は、発泡壁紙1の隠蔽性の確保、単位面積当たりの燃焼カロリーの低減、嵩増しによる製造コストの低減等がある。
また、充填剤(特に、無機充填剤)の含有量が、樹脂組成物全量を基準として20[%]以上40[%]以下の範囲内の質量%であると、良好な隠蔽性を確保することが可能であるとともに燃焼カロリーが低い発泡壁紙1を、低製造コストで製造することが可能となる。
上記の特性を有する無機充填剤(炭酸カルシウム)としては、例えば、備北粉化(株)製:「ソフトン1000」等、市販品を用いることが可能である。
上記の特性を有する有機充填剤(二酸化チタン)としては、例えば、石原産業(株)製:「タイペークCR−60−2」等、市販品を用いることが可能である。
樹脂組成物に充填剤を添加する理由は、発泡壁紙1の隠蔽性の確保、単位面積当たりの燃焼カロリーの低減、嵩増しによる製造コストの低減等がある。
また、充填剤(特に、無機充填剤)の含有量が、樹脂組成物全量を基準として20[%]以上40[%]以下の範囲内の質量%であると、良好な隠蔽性を確保することが可能であるとともに燃焼カロリーが低い発泡壁紙1を、低製造コストで製造することが可能となる。
上記の特性を有する無機充填剤(炭酸カルシウム)としては、例えば、備北粉化(株)製:「ソフトン1000」等、市販品を用いることが可能である。
上記の特性を有する有機充填剤(二酸化チタン)としては、例えば、石原産業(株)製:「タイペークCR−60−2」等、市販品を用いることが可能である。
(発泡剤)
発泡剤としては、例えば、熱分解型発泡剤を用いることが可能である。
熱分解型発泡剤としては、アゾ系発泡剤、ヒドラジド系発泡剤、ニトロソ系発泡剤等を用いることが可能である。また、熱分解型発泡剤は、一種を単独で用いることも、二種類以上を併用して用いることも可能である。
アゾ系発泡剤としては、例えば、アゾジカルボンアミド(ADCA)、アゾブチロニトリル、ジアゾアミノベンゼン等を用いることが可能である。
発泡剤としては、例えば、熱分解型発泡剤を用いることが可能である。
熱分解型発泡剤としては、アゾ系発泡剤、ヒドラジド系発泡剤、ニトロソ系発泡剤等を用いることが可能である。また、熱分解型発泡剤は、一種を単独で用いることも、二種類以上を併用して用いることも可能である。
アゾ系発泡剤としては、例えば、アゾジカルボンアミド(ADCA)、アゾブチロニトリル、ジアゾアミノベンゼン等を用いることが可能である。
また、アゾジカルボンアミド系発泡剤としては、例えば、永和化成(株)製:「ビニホールAC#3C−K2」等、市販品を用いることが可能である。
ヒドラジド系発泡剤としては、例えば、p−トルエンスルホニルヒドラジド等を用いることが可能である。
また、ヒドラジド系発泡剤としては、例えば、永和化成(株)製:「ネオセルボン SB#51」等、市販品を用いることが可能である。
ニトロソ系発泡剤としては、例えば、N,N’−ジニトロソペンタメチレンテトラミン等を用いることが可能である。
また、ニトロソ系発泡剤としては、例えば、永和化成(株)製:「セルラーD」等、市販品を用いることが可能である。
ヒドラジド系発泡剤としては、例えば、p−トルエンスルホニルヒドラジド等を用いることが可能である。
また、ヒドラジド系発泡剤としては、例えば、永和化成(株)製:「ネオセルボン SB#51」等、市販品を用いることが可能である。
ニトロソ系発泡剤としては、例えば、N,N’−ジニトロソペンタメチレンテトラミン等を用いることが可能である。
また、ニトロソ系発泡剤としては、例えば、永和化成(株)製:「セルラーD」等、市販品を用いることが可能である。
上述した熱分解型発泡剤の中でも、特に、毒性が少なく、発泡開始温度の調節が容易で適用範囲が広いことを理由に、アゾジカルボンアミド(ADCA)を用いることが好適である。
発泡剤の含有量は、特に制限されないが、その合計量が、樹脂組成物全量を基準として、1[%]以上20[%]以下の範囲内の質量%であることが好ましい。これは、発泡剤の含有量が上記の範囲内であると、過剰なガスの発生に起因した表面からのガス抜けが抑制されている発泡樹脂層を得ることが可能であることが理由である。
第一実施形態では、少なくとも一種類の樹脂ペレットが熱分解型発泡剤を含有しており、発泡樹脂層が熱分解型発泡剤を含有している場合について説明する。
発泡剤の含有量は、特に制限されないが、その合計量が、樹脂組成物全量を基準として、1[%]以上20[%]以下の範囲内の質量%であることが好ましい。これは、発泡剤の含有量が上記の範囲内であると、過剰なガスの発生に起因した表面からのガス抜けが抑制されている発泡樹脂層を得ることが可能であることが理由である。
第一実施形態では、少なくとも一種類の樹脂ペレットが熱分解型発泡剤を含有しており、発泡樹脂層が熱分解型発泡剤を含有している場合について説明する。
(発泡助剤)
発泡助剤としては、例えば、脂肪族系化合物、脂肪酸アミド系化合物、ビウレア等の尿素系化合物、ヒドラジン系化合物等の非金属系化合物、塩化亜鉛等の金属塩化物、酸化亜鉛等の金属酸化物等の有機または無機金属系化合物等を用いることが可能である。
脂肪族系化合物としては、例えば、ステアリン酸、ラウリン酸等を用いることが可能である。
脂肪酸アミド系化合物としては、例えば、ステアリン酸アミド、オレイン酸アミド等を用いることが可能である。
発泡助剤としては、例えば、脂肪族系化合物、脂肪酸アミド系化合物、ビウレア等の尿素系化合物、ヒドラジン系化合物等の非金属系化合物、塩化亜鉛等の金属塩化物、酸化亜鉛等の金属酸化物等の有機または無機金属系化合物等を用いることが可能である。
脂肪族系化合物としては、例えば、ステアリン酸、ラウリン酸等を用いることが可能である。
脂肪酸アミド系化合物としては、例えば、ステアリン酸アミド、オレイン酸アミド等を用いることが可能である。
ヒドラジン系化合物等の非金属系化合物としては、例えば、アジピン酸ヒドラジド等を用いることが可能である。
発泡助剤の含有量は、合計量が、発泡剤100質量部に対して、5質量部以上50質量部以下の範囲内であることが好ましく、10質量部以上30質量部以下の範囲内であることがより好ましい。これは、発泡剤100質量部に対する発泡助剤の含有量が、5質量部以上50質量部以下の範囲内であれば、発泡助剤としての効果を十分に発揮しつつ、押出成型時に発泡剤の熱分解をより効果的に抑制することが可能なためである。
発泡助剤の含有量は、合計量が、発泡剤100質量部に対して、5質量部以上50質量部以下の範囲内であることが好ましく、10質量部以上30質量部以下の範囲内であることがより好ましい。これは、発泡剤100質量部に対する発泡助剤の含有量が、5質量部以上50質量部以下の範囲内であれば、発泡助剤としての効果を十分に発揮しつつ、押出成型時に発泡剤の熱分解をより効果的に抑制することが可能なためである。
(樹脂分)
樹脂分は、燃焼時にダイオキシン等の有毒ガスの発生を防ぐ観点から、熱可塑性樹脂、特に、非塩素系の熱可塑性樹脂(以降の説明では、「非塩素系熱可塑性樹脂」と記載する場合がある)を含むことが好ましい。
第一実施形態では、樹脂分が、非塩素系熱可塑性樹脂を含む場合について説明する。
したがって、第一実施形態では、樹脂ペレットが、熱可塑性樹脂を含む。
非塩素系熱可塑性樹脂としては、例えば、エチレン単独重合体、エチレンと他のオレフィンとの共重合体、ポリオレフィン樹脂、スチレン系樹脂、エチレンコポリマー等を用いることが可能である。また、非塩素系熱可塑性樹脂として用いる重合体、樹脂、ポリマーは、一種を単独で用いることも、二種類以上を併用して用いることも可能である。
樹脂分は、燃焼時にダイオキシン等の有毒ガスの発生を防ぐ観点から、熱可塑性樹脂、特に、非塩素系の熱可塑性樹脂(以降の説明では、「非塩素系熱可塑性樹脂」と記載する場合がある)を含むことが好ましい。
第一実施形態では、樹脂分が、非塩素系熱可塑性樹脂を含む場合について説明する。
したがって、第一実施形態では、樹脂ペレットが、熱可塑性樹脂を含む。
非塩素系熱可塑性樹脂としては、例えば、エチレン単独重合体、エチレンと他のオレフィンとの共重合体、ポリオレフィン樹脂、スチレン系樹脂、エチレンコポリマー等を用いることが可能である。また、非塩素系熱可塑性樹脂として用いる重合体、樹脂、ポリマーは、一種を単独で用いることも、二種類以上を併用して用いることも可能である。
ポリオレフィン樹脂としては、例えば、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリメチルペンテン等を用いることが可能である。
スチレン系樹脂としては、例えば、ポリスチレン、アクリロニトリル・スチレン樹脂、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン樹脂等を用いることが可能である。
エチレンコポリマーとしては、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−メチルメタクリレート共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体、エチレン−メチルアクリレート共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体等を用いることが可能である。
スチレン系樹脂としては、例えば、ポリスチレン、アクリロニトリル・スチレン樹脂、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン樹脂等を用いることが可能である。
エチレンコポリマーとしては、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−メチルメタクリレート共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体、エチレン−メチルアクリレート共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体等を用いることが可能である。
上述した重合体、樹脂、ポリマーの中でも、樹脂分としては、エチレン単独重合体、または、エチレンと他のオレフィンとの共重合体を含むことが好ましい。これは、樹脂ペレットの表面が疎水性になりやすく、静電気が発生しやすいが、エチレン単独重合体、または、エチレンと他のオレフィンとの共重合体を用いると、本発明の効果により、樹脂ペレットに添加剤としてアルコールを含有させることで、疎水性の表面に水分を吸着させ、静電気の発生を抑制することが可能となるためである。
エチレン単独重合体としては、例えば、高圧法で合成された低密度ポリエチレン、中低圧法で合成されたコモノマーを含まない高密度ポリエチレン等を用いることが可能である。
なお、エチレン単独重合体としては、低密度ポリエチレンを用いることが好ましい。
エチレン単独重合体としては、例えば、高圧法で合成された低密度ポリエチレン、中低圧法で合成されたコモノマーを含まない高密度ポリエチレン等を用いることが可能である。
なお、エチレン単独重合体としては、低密度ポリエチレンを用いることが好ましい。
また、低密度ポリエチレンは、例えば、密度0.91[g/cm3]以上0.94[g/cm3]以下の範囲内にあるものが挙げられる。
低密度ポリエチレンの密度は、好ましくは、密度0.91[g/cm3]以上0.93[g/cm3]以下の範囲内であり、より好ましくは、密度0.92[g/cm3]以上0.93[g/cm3]以下の範囲内である。
低密度ポリエチレンの分子量、融点、メルトフローレート(MFR)等については、特に制限されないが、融点については、50[℃]以上140[℃]以下の範囲内が好ましく、60[℃]以上110[℃]以下の範囲内がより好ましい。これは、低密度ポリエチレンの融点が140[℃]以下であれば、樹脂を溶融して成型する際に、より高温で溶融する必要がなく、発泡剤が成型中に分解してしまうという可能性が少ないためである。また、低密度ポリエチレンの融点が50[℃]以上であれば、実使用上の熱耐久性が十分に得られるためである。
低密度ポリエチレンの密度は、好ましくは、密度0.91[g/cm3]以上0.93[g/cm3]以下の範囲内であり、より好ましくは、密度0.92[g/cm3]以上0.93[g/cm3]以下の範囲内である。
低密度ポリエチレンの分子量、融点、メルトフローレート(MFR)等については、特に制限されないが、融点については、50[℃]以上140[℃]以下の範囲内が好ましく、60[℃]以上110[℃]以下の範囲内がより好ましい。これは、低密度ポリエチレンの融点が140[℃]以下であれば、樹脂を溶融して成型する際に、より高温で溶融する必要がなく、発泡剤が成型中に分解してしまうという可能性が少ないためである。また、低密度ポリエチレンの融点が50[℃]以上であれば、実使用上の熱耐久性が十分に得られるためである。
低密度ポリエチレンのメルトフローレート(MFR)については、3以上150以下の範囲内のものが好ましく、4以上100以下の範囲内のものがより好ましい。これは、低密度ポリエチレンのMFRが3以上であれば、成型時に生じるせん断発熱を抑えることが可能であるため、加工温度の制御が容易になり、成型中に発泡剤が分解してしまうという可能性が少ないためである。また、低密度ポリエチレンのMFRが150以下であれば、製造された発泡壁紙1の機械強度が保たれて、施工性及び耐久性に優れるためである。
上記の特性を有する低密度ポリエチレンとしては、例えば、日本ポリエチレン(株)製:「ノバテックLD LC802A」や「ノバテックLD LC604」、宇部丸善ポリエチレン(株)製:「宇部ポリエチレン J2516」等、市販品を用いることが可能である。
上記の特性を有する低密度ポリエチレンとしては、例えば、日本ポリエチレン(株)製:「ノバテックLD LC802A」や「ノバテックLD LC604」、宇部丸善ポリエチレン(株)製:「宇部ポリエチレン J2516」等、市販品を用いることが可能である。
エチレンと他のオレフィンとの共重合体としては、例えば、直鎖状低密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレン、コモノマーとの共重合で得られた高密度ポリエチレン等を用いることが可能である。また、エチレンと他のオレフィンとの共重合体として用いるポリエチレンは、一種を単独で用いることも、二種類以上を併用して用いることも可能であるが、超低密度ポリエチレンを単独で用いることが好ましい。
超低密度ポリエチレンとしては、例えば、密度0.88[g/cm3]以上0.91[g/cm3]未満の範囲内にあるものを用いることが可能である。
超低密度ポリエチレンとしては、例えば、密度0.88[g/cm3]以上0.91[g/cm3]未満の範囲内にあるものを用いることが可能である。
超低密度ポリエチレンの密度は、好ましくは、密度0.88[g/cm3]以上0.90[g/cm3]以下の範囲内であり、より好ましくは、密度0.89[g/cm3]以上0.90[g/cm3]以下の範囲内である。
超低密度ポリエチレンの分子量、融点、MFR等については、特に制限されないが、融点については、50[℃]以上140[℃]以下の範囲内が好ましく、60[℃]以上110[℃]以下の範囲内がより好ましい。これは、超低密度ポリエチレンの融点が140[℃]以下であれば、樹脂を溶融して成型する際に、より高温で溶融する必要がなく、発泡剤が成型中に分解してしまうという可能性が少ないためである。また、超低密度ポリエチレンの融点が50[℃]以上であれば、実使用上の熱耐久性が十分に得られるためである。
超低密度ポリエチレンの分子量、融点、MFR等については、特に制限されないが、融点については、50[℃]以上140[℃]以下の範囲内が好ましく、60[℃]以上110[℃]以下の範囲内がより好ましい。これは、超低密度ポリエチレンの融点が140[℃]以下であれば、樹脂を溶融して成型する際に、より高温で溶融する必要がなく、発泡剤が成型中に分解してしまうという可能性が少ないためである。また、超低密度ポリエチレンの融点が50[℃]以上であれば、実使用上の熱耐久性が十分に得られるためである。
超低密度ポリエチレンのMFRについては、3以上150以下の範囲内のものが好ましく、4以上100以下の範囲内のものがより好ましい。これは、超低密度ポリエチレンのMFRが3以上であれば、成型時に生じるせん断発熱を抑えることが可能となるため、加工温度の制御が容易になり、成型中に発泡剤が分解してしまうという可能性が少ないためである。また、超低密度ポリエチレンのMFRが150以下であれば、製造された発泡壁紙1の機械強度が保たれ、施工性及び耐久性に優れるためである。
上記の特性を有する超低密度ポリエチレンとしては、例えば、三井化学(株)製:「タフマー DF140、DF940、DF7350」や、日本ポリエチレン(株)製:「カーネル KJ−640T」等、市販品を用いることが可能である。同様に、超低密度ポリエチレンとしては、例えば、住友化学(株)製:「エクセレンFX CX5508」や、ダウ・ケミカル社(株)製:「エンゲージ 8400/8407」等、市販品を用いることが可能である。さらに、超低密度ポリエチレンとしては、例えば、プライムポリマー(株)製:「エボリューP SP90100」等、市販品を用いることが可能である。
上記の特性を有する超低密度ポリエチレンとしては、例えば、三井化学(株)製:「タフマー DF140、DF940、DF7350」や、日本ポリエチレン(株)製:「カーネル KJ−640T」等、市販品を用いることが可能である。同様に、超低密度ポリエチレンとしては、例えば、住友化学(株)製:「エクセレンFX CX5508」や、ダウ・ケミカル社(株)製:「エンゲージ 8400/8407」等、市販品を用いることが可能である。さらに、超低密度ポリエチレンとしては、例えば、プライムポリマー(株)製:「エボリューP SP90100」等、市販品を用いることが可能である。
樹脂分の含有量は、樹脂の合計量が、樹脂組成物全量を基準として、20質量[%]以上80質量[%]以下の範囲内であることが好ましく、40質量[%]以上75質量[%]以下の範囲内であることがより好ましく、50質量[%]以上70質量[%]以下の範囲内であることが更に好ましい。なお、この場合、樹脂分は架橋されていてもよい。
第一実施形態では、樹脂ペレットが含む熱可塑性樹脂の主成分を、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレンとα-オレフィンの共重合体のうちいずれかとする。
第一実施形態では、樹脂ペレットが含む熱可塑性樹脂の主成分を、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレンとα-オレフィンの共重合体のうちいずれかとする。
(添加剤)
添加剤は、分子内に水酸基を少なくとも二つ以上持つアルコール系化合物を含む。なお、添加剤が含むアルコール系化合物は、樹脂ペレットが含有するアルコール系化合物と同等である。
アルコール系化合物の含有量としては、樹脂分100質量部に対して、1質量部以上5質量部以下の範囲内であることがより好ましく、2質量部以上4質量部以下の範囲内であることがより好ましい。
添加剤は、分子内に水酸基を少なくとも二つ以上持つアルコール系化合物を含む。なお、添加剤が含むアルコール系化合物は、樹脂ペレットが含有するアルコール系化合物と同等である。
アルコール系化合物の含有量としては、樹脂分100質量部に対して、1質量部以上5質量部以下の範囲内であることがより好ましく、2質量部以上4質量部以下の範囲内であることがより好ましい。
第一実施形態では、アルコール系化合物の含有量が、樹脂分100質量部に対して、2質量部以上4質量部以下の範囲内である場合について説明する。
また、第一実施形態に係る樹脂組成物には、必要に応じて顔料等を添加して着色してもよい。
顔料の添加による着色は、透明であってもよいし、半透明であってもよいし、不透明であってもよい。
顔料としては、例えば、酸化鉄、カーボンブラック等の無機顔料、アニリンブラック、フタロシアニンブルー等の有機顔料等を用いることが可能である。
顔料の添加量は、樹脂組成物全量を基準として、好ましくは5[質量%]以上50[質量%]以下の範囲内、より好ましくは、10[質量%]以上30[質量%]以下の範囲内である。
また、第一実施形態に係る樹脂組成物には、必要に応じて顔料等を添加して着色してもよい。
顔料の添加による着色は、透明であってもよいし、半透明であってもよいし、不透明であってもよい。
顔料としては、例えば、酸化鉄、カーボンブラック等の無機顔料、アニリンブラック、フタロシアニンブルー等の有機顔料等を用いることが可能である。
顔料の添加量は、樹脂組成物全量を基準として、好ましくは5[質量%]以上50[質量%]以下の範囲内、より好ましくは、10[質量%]以上30[質量%]以下の範囲内である。
また、樹脂組成物には、必要に応じて、難燃剤、セル調整剤、安定剤、滑剤等の周知の添加剤を用いることが可能である。
難燃剤としては、例えば、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム等の金属酸化物系難燃剤、リン酸エステル系等のリン系難燃剤、テトラブロモビスフェノールA等の臭素系難燃剤等を用いることが可能である。
セル調整剤としては、例えば、リン酸エステル系化合物等を用いることが可能である。
難燃剤としては、例えば、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム等の金属酸化物系難燃剤、リン酸エステル系等のリン系難燃剤、テトラブロモビスフェノールA等の臭素系難燃剤等を用いることが可能である。
セル調整剤としては、例えば、リン酸エステル系化合物等を用いることが可能である。
安定剤としては、例えば、フェノール/アミン系酸化防止剤、ヒンダードアミン系光安定剤等のラジカル捕捉剤、リン系、イオウ系等の過酸化物分解剤、ベンゾトリアゾール系、ヒドロキシフェニルトリアジン系、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤等を用いることが可能である。
滑剤としては、例えば、ステアリン酸、ラウリン酸等の脂肪酸系、ステアリン酸アミド、オレイン酸アミド等の脂肪酸アミド系、ステアリン酸亜鉛、ラウリン酸カルシウム、オクチル酸亜鉛等の脂肪酸金属塩系の滑剤等を用いることが可能である。
滑剤としては、例えば、ステアリン酸、ラウリン酸等の脂肪酸系、ステアリン酸アミド、オレイン酸アミド等の脂肪酸アミド系、ステアリン酸亜鉛、ラウリン酸カルシウム、オクチル酸亜鉛等の脂肪酸金属塩系の滑剤等を用いることが可能である。
(発泡壁紙1の製造方法)
以下、図1を参照しつつ、図2を用いて、第一実施形態の発泡壁紙1の製造方法を説明する。
発泡壁紙1の製造方法は、第一工程と、第二工程を有する。
第一工程では、図2中に表すように、樹脂シート6を基材2上にラミネートして、積層シート8を形成する。なお、樹脂シート6及び積層シート8の詳細な説明は、後述する。
第二工程では、第一工程で形成した積層シート8に対し、樹脂シート6が含有する発泡剤を発泡させることで発泡樹脂層4を形成するとともに、発泡樹脂層4を基材2上に積層して、発泡壁紙1を製造する(図1参照)。
以下、図1を参照しつつ、図2を用いて、第一実施形態の発泡壁紙1の製造方法を説明する。
発泡壁紙1の製造方法は、第一工程と、第二工程を有する。
第一工程では、図2中に表すように、樹脂シート6を基材2上にラミネートして、積層シート8を形成する。なお、樹脂シート6及び積層シート8の詳細な説明は、後述する。
第二工程では、第一工程で形成した積層シート8に対し、樹脂シート6が含有する発泡剤を発泡させることで発泡樹脂層4を形成するとともに、発泡樹脂層4を基材2上に積層して、発泡壁紙1を製造する(図1参照)。
発泡剤の発泡は、樹脂シート6を加熱することで行う。
樹脂シート6を加熱する条件としては、樹脂シート6を構成する成分によって適宜設定することが可能であり、特に制限は無い。具体的には、160[℃]以上280[℃]以下の範囲内で10秒〜120秒の間で加熱することが好ましく、220[℃]以上240[℃]以下の範囲内で20秒〜40秒の間で加熱することがより好ましく、220[℃]で40秒間加熱することが更に好ましい。
樹脂シート6を加熱する条件としては、樹脂シート6を構成する成分によって適宜設定することが可能であり、特に制限は無い。具体的には、160[℃]以上280[℃]以下の範囲内で10秒〜120秒の間で加熱することが好ましく、220[℃]以上240[℃]以下の範囲内で20秒〜40秒の間で加熱することがより好ましく、220[℃]で40秒間加熱することが更に好ましい。
(樹脂シート6の詳細な説明)
樹脂シート6は、樹脂組成物から形成されている。
第一実施形態では、樹脂シート6を、樹脂組成物を押出製膜して形成した場合について説明する。
押出製膜の方法としては、例えば、Tダイ押出法、Tダイ押出同時ラミネーション法、Tダイ押出タンデムラミネーション法、円形ダイ押出法、円形ダイインフレーション押出法等の押出成形を用いることが可能である。
樹脂シート6は、樹脂組成物から形成されている。
第一実施形態では、樹脂シート6を、樹脂組成物を押出製膜して形成した場合について説明する。
押出製膜の方法としては、例えば、Tダイ押出法、Tダイ押出同時ラミネーション法、Tダイ押出タンデムラミネーション法、円形ダイ押出法、円形ダイインフレーション押出法等の押出成形を用いることが可能である。
また、樹脂シート6を形成する方法としては、押出成形以外に、射出成形、プレス成形、ブロー成形、カレンダ成形、コーティング成形、キャスト成形、ディッピング成形、真空成形、トランスファ成形等、公知の成形方法を用いることも可能である。
樹脂シート6を形成する樹脂組成物としては、各成分を押出機で溶融・混練・分散させた後に、適宜ペレット化したものを用いることが可能である。
押出機は、単軸押出機でも二軸押出機でもよいが、生産性や品質への影響を考慮した場合、二軸押出機が望ましい。
押出製膜の条件としては、押出温度が100[℃]以上160[℃]以下の範囲内、押出圧力が2[MPa]以上50[MPa]以下の範囲内が挙げられる。
樹脂シート6を形成する樹脂組成物としては、各成分を押出機で溶融・混練・分散させた後に、適宜ペレット化したものを用いることが可能である。
押出機は、単軸押出機でも二軸押出機でもよいが、生産性や品質への影響を考慮した場合、二軸押出機が望ましい。
押出製膜の条件としては、押出温度が100[℃]以上160[℃]以下の範囲内、押出圧力が2[MPa]以上50[MPa]以下の範囲内が挙げられる。
なお、発泡剤成分の分解を抑制しつつ、ポリエチレン成分の融点以上とする観点から、押出温度は、110[℃]以上150[℃]以下の範囲内、120[℃]以上140[℃]以下の範囲内がより好ましい。また、押出安定性の観点から、押出圧力は、3[MPa]以上40[MPa]以下の範囲内が好ましく、3[MPa]以上30[MPa]以下の範囲内がより好ましい。
樹脂シート6の厚さは、用途に応じて適宜設定することが可能であるが、第一実施形態のように、発泡壁紙1を製造する用途であれば、50[μm]以上200[μm]以下の範囲内とすることが可能である。
樹脂シート6の厚さは、用途に応じて適宜設定することが可能であるが、第一実施形態のように、発泡壁紙1を製造する用途であれば、50[μm]以上200[μm]以下の範囲内とすることが可能である。
また、第一実施形態では、樹脂シート6に含まれる樹脂分の一部または全部に対し、架橋処理が施されている場合について説明する。
架橋処理としては、例えば、電子線照射処理、過熱蒸気処理等の加熱処理を用いることが可能である。
電子線照射処理は、例えば、製膜した樹脂シート6の片面側、または、両面から電子線を照射する処理により、樹脂シート6に架橋処理を施す処理である。
電子線照射の条件としては、発泡樹脂層4の厚さにもよるが、加速電圧が150[kV]以上300[kV]以下の範囲内、照射線量が10[kGy]以上100[kGy]以下の範囲内が好ましい。これは、加速電圧が上記の範囲内であれば、電子線を樹脂シート6の厚さ方向深くまで十分に到達させることが可能であり、なおかつ、裏打紙への電子線による劣化を抑制することが可能となるためである。また、照射線量が上記の範囲内であれば、樹脂シート6の黄変や機械物性の変化を抑制しつつ、樹脂シート6に所望の架橋処理を施すことが容易となるためである。
架橋処理としては、例えば、電子線照射処理、過熱蒸気処理等の加熱処理を用いることが可能である。
電子線照射処理は、例えば、製膜した樹脂シート6の片面側、または、両面から電子線を照射する処理により、樹脂シート6に架橋処理を施す処理である。
電子線照射の条件としては、発泡樹脂層4の厚さにもよるが、加速電圧が150[kV]以上300[kV]以下の範囲内、照射線量が10[kGy]以上100[kGy]以下の範囲内が好ましい。これは、加速電圧が上記の範囲内であれば、電子線を樹脂シート6の厚さ方向深くまで十分に到達させることが可能であり、なおかつ、裏打紙への電子線による劣化を抑制することが可能となるためである。また、照射線量が上記の範囲内であれば、樹脂シート6の黄変や機械物性の変化を抑制しつつ、樹脂シート6に所望の架橋処理を施すことが容易となるためである。
過熱蒸気処理としては、例えば、温度が130[℃]以上280[℃]以下の範囲内の環境下で、20秒から15分の間、過熱蒸気(過熱水蒸気ともいう)処理する方法等を用いることが可能である。
また、過熱蒸気処理としては、例えば、過熱蒸気雰囲気下にシート状の物体を配置し、シート状の物体に過熱蒸気を接触させる方法が挙げられる。また、水架橋させる方法としては、湿度が60[%]以上の環境下において、温度が40[℃]以上70[℃]以下の範囲内の温度域で、1日〜1ヶ月の間、養生させて水架橋させる方法を用いることが可能である。具体的には、温度が40[℃]であるとともに、湿度が90[%]の恒温恒湿槽の環境下で養生させて、水架橋させる方法が挙げられる。
なお、樹脂組成物がシラン架橋性樹脂を含む場合には、架橋処理として、例えば、過熱蒸気処理、水架橋処理を用いることが可能である。
また、樹脂シート6の架橋処理は、樹脂組成物を製膜したものに施してもよく、積層シート8に対して施してもよい。
また、過熱蒸気処理としては、例えば、過熱蒸気雰囲気下にシート状の物体を配置し、シート状の物体に過熱蒸気を接触させる方法が挙げられる。また、水架橋させる方法としては、湿度が60[%]以上の環境下において、温度が40[℃]以上70[℃]以下の範囲内の温度域で、1日〜1ヶ月の間、養生させて水架橋させる方法を用いることが可能である。具体的には、温度が40[℃]であるとともに、湿度が90[%]の恒温恒湿槽の環境下で養生させて、水架橋させる方法が挙げられる。
なお、樹脂組成物がシラン架橋性樹脂を含む場合には、架橋処理として、例えば、過熱蒸気処理、水架橋処理を用いることが可能である。
また、樹脂シート6の架橋処理は、樹脂組成物を製膜したものに施してもよく、積層シート8に対して施してもよい。
(積層シート8の詳細な説明)
積層シート8は、図2中に表すように、基材2と、基材2上に設けられた樹脂シート6を備えている。
また、積層シート8は、樹脂シート6を、基材2上にラミネートして形成されている。
樹脂シート6を基材2上にラミネートする方法としては、特に限定されるものではないが、例えば、樹脂シート6と基材2とを、熱プレス機等を用いて熱圧着を行う方法や、過熱蒸気を用いて圧着を行う方法等を用いることが可能である。
積層シート8は、図2中に表すように、基材2と、基材2上に設けられた樹脂シート6を備えている。
また、積層シート8は、樹脂シート6を、基材2上にラミネートして形成されている。
樹脂シート6を基材2上にラミネートする方法としては、特に限定されるものではないが、例えば、樹脂シート6と基材2とを、熱プレス機等を用いて熱圧着を行う方法や、過熱蒸気を用いて圧着を行う方法等を用いることが可能である。
過熱蒸気を用いて圧着を行う方法によれば、過熱蒸気によって、樹脂シート6の表面の溶融状態を保ったまま、基材2上へラミネートすることが可能となる。このため、レベリング効果によって、密着させる基材2の表面の凹凸が、樹脂シート6に転写されることを抑制することが可能となる。また、樹脂シート6がシラン架橋性樹脂を含む場合は、過熱蒸気によって、シラン架橋性樹脂を効率良く架橋させることが可能となる。
なお、積層シート8の製造方法は、第一架橋工程、または、第二架橋工程を更に備えていてもよい。
なお、積層シート8の製造方法は、第一架橋工程、または、第二架橋工程を更に備えていてもよい。
第一架橋工程は、基材2上にラミネートされる前、または、ラミネート中の樹脂シート6に含まれる樹脂分の一部または全部を架橋処理する架橋工程である。
第二架橋工程は、積層シート8における樹脂シート6に含まれる樹脂分の一部または全部を架橋処理する工程である。
第一架橋工程及び第二架橋工程における架橋処理については、樹脂シート6の製造方法で述べた方法と同様の処理を用いることが可能である。この場合、樹脂シート6がシラン架橋性樹脂を含む場合は、過熱蒸気によって、ラミネートとシラン架橋性樹脂の架橋処理とを同時に行うことが可能である。
なお、上述した第一実施形態は、本発明の一例であり、本発明は、上述した第一実施形態に限定されることはなく、この実施形態以外の形態であっても、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
第二架橋工程は、積層シート8における樹脂シート6に含まれる樹脂分の一部または全部を架橋処理する工程である。
第一架橋工程及び第二架橋工程における架橋処理については、樹脂シート6の製造方法で述べた方法と同様の処理を用いることが可能である。この場合、樹脂シート6がシラン架橋性樹脂を含む場合は、過熱蒸気によって、ラミネートとシラン架橋性樹脂の架橋処理とを同時に行うことが可能である。
なお、上述した第一実施形態は、本発明の一例であり、本発明は、上述した第一実施形態に限定されることはなく、この実施形態以外の形態であっても、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
(第一実施形態の効果)
第一実施形態の発泡壁紙1であれば、以下に記載する効果を奏することが可能となる。
(1)発泡壁紙1が、基材2と、二種類以上の樹脂ペレットで成型されるとともに、基材2上で発泡した樹脂シート6で形成された発泡樹脂層4とを備える。これに加え、発泡樹脂層4が、分子内に水酸基を少なくとも二つ以上持つアルコール系化合物である添加物を含む。
このため、発泡樹脂層4が含むアルコール系化合物が樹脂ペレットの表面に点在するため、アルコール系化合物が空気中の水分を吸着して湿潤することで、発泡樹脂層4の表面が電気的に安定化する。
その結果、静電気の発生を抑制することが可能となり、樹脂ペレットの静電気による吸着が抑制されるため、安定した混合比率で樹脂ペレットを供給することが可能となり、組成が安定した発泡壁紙1を形成することが可能となる。
第一実施形態の発泡壁紙1であれば、以下に記載する効果を奏することが可能となる。
(1)発泡壁紙1が、基材2と、二種類以上の樹脂ペレットで成型されるとともに、基材2上で発泡した樹脂シート6で形成された発泡樹脂層4とを備える。これに加え、発泡樹脂層4が、分子内に水酸基を少なくとも二つ以上持つアルコール系化合物である添加物を含む。
このため、発泡樹脂層4が含むアルコール系化合物が樹脂ペレットの表面に点在するため、アルコール系化合物が空気中の水分を吸着して湿潤することで、発泡樹脂層4の表面が電気的に安定化する。
その結果、静電気の発生を抑制することが可能となり、樹脂ペレットの静電気による吸着が抑制されるため、安定した混合比率で樹脂ペレットを供給することが可能となり、組成が安定した発泡壁紙1を形成することが可能となる。
(2)樹脂ペレットが含む熱可塑性樹脂の主成分が、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレンとα-オレフィンの共重合体のうちいずれかである。
このため、熱可塑性樹脂の主成分が極性の無い樹脂であり、樹脂ペレットの表面が疎水性になりやすく、静電気が発生しやすいが、発泡樹脂層4がアルコール系化合物を含むため、疎水性の表面に水分を吸着させることが可能となる。
その結果、樹脂ペレットの主成分が極性の無い樹脂であっても、静電気の発生を抑制することが可能となり、樹脂ペレットの静電気による吸着が抑制されるため、安定した混合比率で樹脂ペレットを供給することが可能となり、組成が安定した発泡壁紙1を形成することが可能となる。
このため、熱可塑性樹脂の主成分が極性の無い樹脂であり、樹脂ペレットの表面が疎水性になりやすく、静電気が発生しやすいが、発泡樹脂層4がアルコール系化合物を含むため、疎水性の表面に水分を吸着させることが可能となる。
その結果、樹脂ペレットの主成分が極性の無い樹脂であっても、静電気の発生を抑制することが可能となり、樹脂ペレットの静電気による吸着が抑制されるため、安定した混合比率で樹脂ペレットを供給することが可能となり、組成が安定した発泡壁紙1を形成することが可能となる。
(3)アルコール系化合物が、トリス(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、または、トリス(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌレートの持つ水酸基が脱水縮合した多量体を含む。
その結果、発泡壁紙1の経時変化による黄変の防止や、発泡セルの形状を安定させることが可能となり、壁紙用途に適した発泡壁紙1を形成することが可能となる。また、材料の入手が容易である。
その結果、発泡壁紙1の経時変化による黄変の防止や、発泡セルの形状を安定させることが可能となり、壁紙用途に適した発泡壁紙1を形成することが可能となる。また、材料の入手が容易である。
(4)二種類以上の樹脂ペレットのうち少なくとも一種類の樹脂ペレットが、熱分解型発泡剤を含有する。これに加え、発泡樹脂層4が、基材2上に積層されるとともに、加熱発泡した樹脂シート6で形成されている。
その結果、静電気の発生を抑制することが可能となり、樹脂ペレットの静電気による吸着が抑制されるため、安定した混合比率で樹脂ペレットを供給することが可能となり、組成が安定した樹脂シート6を形成することが可能となる。
その結果、静電気の発生を抑制することが可能となり、樹脂ペレットの静電気による吸着が抑制されるため、安定した混合比率で樹脂ペレットを供給することが可能となり、組成が安定した樹脂シート6を形成することが可能となる。
(5)発泡樹脂層4に対するアルコール系化合物の添加量が、発泡樹脂層4に含まれる樹脂分100質量部に対して、2質量部以上4質量部以下の範囲内である。
その結果、発泡樹脂層4の表面に吸着される水分の減少を抑制して、帯電防止効果を保持することが可能となる。これに加え、発泡樹脂層4に多量の界面活性剤が添加されることを抑制して、ブリードアウトによる印刷適正の低下を抑制することが可能となる。
その結果、発泡樹脂層4の表面に吸着される水分の減少を抑制して、帯電防止効果を保持することが可能となる。これに加え、発泡樹脂層4に多量の界面活性剤が添加されることを抑制して、ブリードアウトによる印刷適正の低下を抑制することが可能となる。
(6)二種類以上の樹脂ペレットのうち少なくとも一種類の樹脂ペレットが、アルコール系化合物を5%以上20%以下の範囲内で含有する。
その結果、樹脂ペレットの表面に吸着される水分の減少を抑制して、帯電防止効果を保持することが可能となる。これに加え、製膜後の樹脂シート6に多量の界面活性剤が添加されることを抑制して、ブリードアウトによる印刷適正の低下を抑制することが可能となる。
その結果、樹脂ペレットの表面に吸着される水分の減少を抑制して、帯電防止効果を保持することが可能となる。これに加え、製膜後の樹脂シート6に多量の界面活性剤が添加されることを抑制して、ブリードアウトによる印刷適正の低下を抑制することが可能となる。
(7)基材2が、繊維質の基材である。
その結果、基材2の構成が発泡壁紙1に適切な構成となるとともに、基材2を形成する材料の入手が容易となる。
その結果、基材2の構成が発泡壁紙1に適切な構成となるとともに、基材2を形成する材料の入手が容易となる。
(変形例)
(1)第一実施形態では、アルコール系化合物の構成を、トリス(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、または、トリス(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌレートの持つ水酸基が脱水縮合した多量体を含む構成としたが。これに限定するものではない。
すなわち、アルコール系化合物の構成を、2,2‘−ビス(ヒドロキシメチル)1,3−プロパンジオール、または、2,2‘−ビス(ヒドロキシメチル)1,3−プロパンジオールの持つ水酸基が脱水縮合した多量体を含む構成としてもよい。
この場合、発泡壁紙1の経時変化による黄変の防止や、発泡セルの形状を安定させることが可能となり、壁紙用途に適した発泡壁紙1を形成することが可能となる。また、材料の入手が容易である。
(1)第一実施形態では、アルコール系化合物の構成を、トリス(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、または、トリス(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌレートの持つ水酸基が脱水縮合した多量体を含む構成としたが。これに限定するものではない。
すなわち、アルコール系化合物の構成を、2,2‘−ビス(ヒドロキシメチル)1,3−プロパンジオール、または、2,2‘−ビス(ヒドロキシメチル)1,3−プロパンジオールの持つ水酸基が脱水縮合した多量体を含む構成としてもよい。
この場合、発泡壁紙1の経時変化による黄変の防止や、発泡セルの形状を安定させることが可能となり、壁紙用途に適した発泡壁紙1を形成することが可能となる。また、材料の入手が容易である。
(2)第一実施形態では、発泡樹脂層4の基材2とは反対側の面を、均一な面に形成したが、これに限定するものではない。すなわち、発泡樹脂層4の基材2とは反対側の面が、凹凸形状を有していてもよい。
この場合、発泡樹脂層4の基材2とは反対側の面に凹凸形状を設ける方法としては、例えば、加熱発泡の際の熱を利用して、表面側を冷却エンボスロールとし、基材側をゴムロールとしておき、2つのトールでニップし(エンボス加工し)冷却することにより、表面に凹凸形状を形成する方法等を用いることが可能である。
また、発泡樹脂層4の基材2とは反対側の面に設ける凹凸形状としては、例えば、木目板導管溝、石板表面凹凸、布表面テクスチャー、梨地、砂目、ヘアライン、万線条溝等を用いることが可能であり、目的とする意匠により、適宜選択可能である。
この場合、発泡樹脂層4の基材2とは反対側の面に凹凸形状を設ける方法としては、例えば、加熱発泡の際の熱を利用して、表面側を冷却エンボスロールとし、基材側をゴムロールとしておき、2つのトールでニップし(エンボス加工し)冷却することにより、表面に凹凸形状を形成する方法等を用いることが可能である。
また、発泡樹脂層4の基材2とは反対側の面に設ける凹凸形状としては、例えば、木目板導管溝、石板表面凹凸、布表面テクスチャー、梨地、砂目、ヘアライン、万線条溝等を用いることが可能であり、目的とする意匠により、適宜選択可能である。
(3)第一実施形態では、発泡壁紙1の構成を、基材2と、発泡樹脂層4を備える構成としたが、これに限定するものではない。すなわち、発泡壁紙1の構成を、基材2と発泡樹脂層4に加え、模様層及び表面保護層を設けた構成としてもよい。
この場合、模様層及び表面保護層は、公知の材料を使用して適宜設けることが可能である。また、模様層及び表面保護層は、グラビアコーティング等、公知の印刷技術を用いて設けることが可能である。なお、模様層及び表面保護層は、発泡剤を発泡させる前に設けることが可能である。
この場合、模様層及び表面保護層は、公知の材料を使用して適宜設けることが可能である。また、模様層及び表面保護層は、グラビアコーティング等、公知の印刷技術を用いて設けることが可能である。なお、模様層及び表面保護層は、発泡剤を発泡させる前に設けることが可能である。
第一実施形態の図1及び図2を参照しつつ、以下に記載する実施例により、本発明例1及び2の発泡壁紙と、比較例1及び2の発泡壁紙について説明する。
(発泡壁紙の製造)
まず、表1中に表す組成(表中の数値は、質量部を示す)を有する樹脂ペレットを、表2中に表す比率で、アルミ製のタンブラーを用いてドライブレンドする。
さらに、コートハンガータイプのマニュホールドを有するTダイを用いて、スクリュー径(D)が65[mm]、L/D=32のバリアタイプスクリューを用い、押出温度を130[℃]とし、厚さを100[μm]として製膜し、本発明例及び比較例の樹脂シートをそれぞれ形成した。
これに加え、本発明例及び比較例の樹脂シートに対し、それぞれ、加速電圧を200[kV]とし、照射線量を50[kGy]として電子線を照射し、樹脂分を架橋させた。
(発泡壁紙の製造)
まず、表1中に表す組成(表中の数値は、質量部を示す)を有する樹脂ペレットを、表2中に表す比率で、アルミ製のタンブラーを用いてドライブレンドする。
さらに、コートハンガータイプのマニュホールドを有するTダイを用いて、スクリュー径(D)が65[mm]、L/D=32のバリアタイプスクリューを用い、押出温度を130[℃]とし、厚さを100[μm]として製膜し、本発明例及び比較例の樹脂シートをそれぞれ形成した。
これに加え、本発明例及び比較例の樹脂シートに対し、それぞれ、加速電圧を200[kV]とし、照射線量を50[kGy]として電子線を照射し、樹脂分を架橋させた。
次に、重量が65[g/cm2]の裏打紙(KJ特種紙(株)製:「WK−6651HT」)上に、本発明例及び比較例の樹脂シートを置き、温度が110[℃]で加熱した熱プレス機で、プレス圧力が5[MPa]の条件で2分間プレスして熱融着させ、積層シートを形成した。
さらに、積層シートのうち、樹脂シート側の表面にコロナ放電処理を施した後、グラビア印刷機により、水性インキ(大日精化工業(株)製:「ハイドリックWP」)を用いて絵柄模様を印刷した。
次に、本発明例及び比較例の積層シートを、温度を240[℃]に設定したオーブンで25秒間加熱し、発泡剤を発泡させて、本発明例及び比較例の発泡壁紙を製造した。
さらに、積層シートのうち、樹脂シート側の表面にコロナ放電処理を施した後、グラビア印刷機により、水性インキ(大日精化工業(株)製:「ハイドリックWP」)を用いて絵柄模様を印刷した。
次に、本発明例及び比較例の積層シートを、温度を240[℃]に設定したオーブンで25秒間加熱し、発泡剤を発泡させて、本発明例及び比較例の発泡壁紙を製造した。
表1中に表す各成分としては、以下の材料を用いた。
・樹脂A:融点が106[℃]、密度が0.918[g/cm3]の低密度ポリエチレン(日本ポリエチレン(株)製:「ノバテックLD LC604」)
・樹脂B:融点が94[℃]、密度が0.905[g/cm3]の超低密度ポリエチレン(三井化学(株)製:「タフマー DF140」)
・充填剤A:炭酸カルシウム(備北粉化工業(株)製:「ソフトン1000」)
・充填剤B:二酸化チタン(石原産業(株)製:「タイペークCR−60−2」)
・発泡剤:(永和化成工業(株)製:「ビニホールAC#3C−K2」)
・発泡助剤:12-ヒドロキシステアリン酸亜鉛(日東化成工業(株)製:「ZS-6」)
・添加剤A:2,2‘−ビス(ヒドロキシメチル)1,3−プロパンジオール(日本合成化学工業(株)製:「ノイライザーP」)
・添加剤B:トリス(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌレート(四国化成工業(株)製:「セイク」)
・添加剤C:リン酸エステル系添加剤(ADEKA(株)製:「HP-10」)
・滑剤:ステアリン酸亜鉛(ADEKA(株)製:「AP546」)
・樹脂A:融点が106[℃]、密度が0.918[g/cm3]の低密度ポリエチレン(日本ポリエチレン(株)製:「ノバテックLD LC604」)
・樹脂B:融点が94[℃]、密度が0.905[g/cm3]の超低密度ポリエチレン(三井化学(株)製:「タフマー DF140」)
・充填剤A:炭酸カルシウム(備北粉化工業(株)製:「ソフトン1000」)
・充填剤B:二酸化チタン(石原産業(株)製:「タイペークCR−60−2」)
・発泡剤:(永和化成工業(株)製:「ビニホールAC#3C−K2」)
・発泡助剤:12-ヒドロキシステアリン酸亜鉛(日東化成工業(株)製:「ZS-6」)
・添加剤A:2,2‘−ビス(ヒドロキシメチル)1,3−プロパンジオール(日本合成化学工業(株)製:「ノイライザーP」)
・添加剤B:トリス(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌレート(四国化成工業(株)製:「セイク」)
・添加剤C:リン酸エステル系添加剤(ADEKA(株)製:「HP-10」)
・滑剤:ステアリン酸亜鉛(ADEKA(株)製:「AP546」)
(樹脂組成物の評価)
本発明例1及び2の発泡壁紙と、比較例1及び2の発泡壁紙に対し、それぞれ、樹脂組成物及び樹脂ペレットA〜Fについて、以下の方法に従い評価を行った。評価結果は、表3中に表す。
(ドライブレンド時の帯電性)
表3中に、本発明例1、本発明例2、比較例1、比較例2で表す比率で、樹脂ペレットA〜Fを混合したものを500[g]ずつ計り取り、重量を量ったアルミニウム容器に詰め、それぞれ、蓋をして10分間、手で振り混ぜた。そして、蓋を開いた後、アルミニウム容器の壁に付着したペレットを目視で確認し、ドライブレンド時の帯電性を評価した。
本発明例1及び2の発泡壁紙と、比較例1及び2の発泡壁紙に対し、それぞれ、樹脂組成物及び樹脂ペレットA〜Fについて、以下の方法に従い評価を行った。評価結果は、表3中に表す。
(ドライブレンド時の帯電性)
表3中に、本発明例1、本発明例2、比較例1、比較例2で表す比率で、樹脂ペレットA〜Fを混合したものを500[g]ずつ計り取り、重量を量ったアルミニウム容器に詰め、それぞれ、蓋をして10分間、手で振り混ぜた。そして、蓋を開いた後、アルミニウム容器の壁に付着したペレットを目視で確認し、ドライブレンド時の帯電性を評価した。
(付着重量)
アルミニウム容器に詰めて振り混ぜた内容物を、別の容器へ静か移し替えた後、アルミニウム容器の重量を測定することで、壁に付着したペレットの重量を確認して、付着重量を評価した。
(重量比率)
付着重量を評価した後、アルミニウム容器の壁に付着したペレットを、A〜Fのペレットごとに分類し、その重量比率を求めて、重量比率を評価した。
アルミニウム容器に詰めて振り混ぜた内容物を、別の容器へ静か移し替えた後、アルミニウム容器の重量を測定することで、壁に付着したペレットの重量を確認して、付着重量を評価した。
(重量比率)
付着重量を評価した後、アルミニウム容器の壁に付着したペレットを、A〜Fのペレットごとに分類し、その重量比率を求めて、重量比率を評価した。
(樹脂シート中の発泡剤の含有比率)
示差熱熱重量同時測定装置(Perkin Elmer Japan(株)製:「STA−6000」)を用い、以下の方法で、樹脂シート中の発泡剤の含有比率を測定した。
まず、樹脂シート20[mg]を秤量し、白金製の小型容器に詰めた。
次に、樹脂シートを詰めた小型容器を、窒素雰囲気下、昇温速度5[℃/分]にて、50[℃]から700[℃]まで昇温し、さらに、700[℃]にて10分間保持した。その後、温度変化に伴う重量変化曲線を作成した。
そして、得られた重量変化/温度曲線における、温度120[℃]から320[℃]の区間での重量変化量を、発泡剤の含有比率として評価した。
示差熱熱重量同時測定装置(Perkin Elmer Japan(株)製:「STA−6000」)を用い、以下の方法で、樹脂シート中の発泡剤の含有比率を測定した。
まず、樹脂シート20[mg]を秤量し、白金製の小型容器に詰めた。
次に、樹脂シートを詰めた小型容器を、窒素雰囲気下、昇温速度5[℃/分]にて、50[℃]から700[℃]まで昇温し、さらに、700[℃]にて10分間保持した。その後、温度変化に伴う重量変化曲線を作成した。
そして、得られた重量変化/温度曲線における、温度120[℃]から320[℃]の区間での重量変化量を、発泡剤の含有比率として評価した。
(樹脂シート中の充填剤の含有比率)
示差熱熱重量同時測定装置(Perkin Elmer Japan(株)製:「STA−6000」)を用い、以下の方法で、樹脂シート中の充填剤の含有比率を測定した。
樹脂シート中の発泡剤の含有比率を測定した後、小型容器に残った重量を、充填剤の含有比率として評価した。
(樹脂シートの組成の評価)
樹脂シートの組成の評価は、発泡剤の含有比率を用いて行い、発泡剤の比率が4[%]未満であれば、評価を「×」とし、発泡剤の比率が4[%]以上であれば、評価を「○」として評価した。
示差熱熱重量同時測定装置(Perkin Elmer Japan(株)製:「STA−6000」)を用い、以下の方法で、樹脂シート中の充填剤の含有比率を測定した。
樹脂シート中の発泡剤の含有比率を測定した後、小型容器に残った重量を、充填剤の含有比率として評価した。
(樹脂シートの組成の評価)
樹脂シートの組成の評価は、発泡剤の含有比率を用いて行い、発泡剤の比率が4[%]未満であれば、評価を「×」とし、発泡剤の比率が4[%]以上であれば、評価を「○」として評価した。
(発泡壁紙の性能評価)
本発明例1及び2の発泡壁紙と、比較例1及び2の発泡壁紙に対し、以下に記載する方法を用いて、発泡倍率と変色を評価した。評価結果は、表3中に表す。
(発泡倍率)
まず、発泡前であり乾燥している発泡樹脂層の厚さ(a)を測定し、これを初期値とした。
次に、発泡炉にて発泡した後の発泡壁紙が備える発泡樹脂層の厚さ(b)を測定し、(b)/(a)を、発泡倍率として算出した。
発泡倍率の評価は、発泡倍率が7[倍]未満であれば、評価を「×」とし、発泡倍率が7[倍]以上であれば、評価を「○」として評価した。
本発明例1及び2の発泡壁紙と、比較例1及び2の発泡壁紙に対し、以下に記載する方法を用いて、発泡倍率と変色を評価した。評価結果は、表3中に表す。
(発泡倍率)
まず、発泡前であり乾燥している発泡樹脂層の厚さ(a)を測定し、これを初期値とした。
次に、発泡炉にて発泡した後の発泡壁紙が備える発泡樹脂層の厚さ(b)を測定し、(b)/(a)を、発泡倍率として算出した。
発泡倍率の評価は、発泡倍率が7[倍]未満であれば、評価を「×」とし、発泡倍率が7[倍]以上であれば、評価を「○」として評価した。
(変色)
発泡炉にて発泡した発泡壁紙が備える発泡樹脂層の色調を目視にて観察し、変色を評価した。評価基準は、以下に示す。
○:発泡前の積層シートと比較して、樹脂層の白色の度合いが向上している。
△:発泡前の積層シートと同等、または、若干黄味が強い。
×:強い黄色の発色、または、赤褐色の著しい変色が見られる。
発泡炉にて発泡した発泡壁紙が備える発泡樹脂層の色調を目視にて観察し、変色を評価した。評価基準は、以下に示す。
○:発泡前の積層シートと比較して、樹脂層の白色の度合いが向上している。
△:発泡前の積層シートと同等、または、若干黄味が強い。
×:強い黄色の発色、または、赤褐色の著しい変色が見られる。
(評価結果)
表3中に表されるように、本発明例1及び2の樹脂組成物及び発泡壁紙は、比較例1及び2の樹脂組成物及び発泡壁紙と比較して、低い帯電性と、安定した組成を有していることが確認された。これに加え、本発明例1及び2の樹脂組成物及び発泡壁紙は、比較例1及び2の樹脂組成物及び発泡壁紙と比較して、変色を抑制する性能が高いことが確認された。
表3中に表されるように、本発明例1及び2の樹脂組成物及び発泡壁紙は、比較例1及び2の樹脂組成物及び発泡壁紙と比較して、低い帯電性と、安定した組成を有していることが確認された。これに加え、本発明例1及び2の樹脂組成物及び発泡壁紙は、比較例1及び2の樹脂組成物及び発泡壁紙と比較して、変色を抑制する性能が高いことが確認された。
1…発泡壁紙、2…基材、4…発泡樹脂層、6…樹脂シート、8…積層シート
Claims (8)
- 基材と、前記基材上に積層された発泡樹脂層と、を備え、
前記発泡樹脂層は、二種類以上の樹脂ペレットで成型され、且つ前記基材上で発泡した樹脂シートで形成され、
前記発泡樹脂層は、分子内に水酸基を少なくとも二つ以上持つアルコール系化合物である添加物を含むことを特徴とする発泡壁紙。 - 前記樹脂ペレットは、熱可塑性樹脂を含み、
前記熱可塑性樹脂の主成分は、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレンとα-オレフィンの共重合体のうちいずれかであることを特徴とする請求項1に記載した発泡壁紙。 - 前記アルコール系化合物は、トリス(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌレートまたは前記トリス(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌレートの持つ水酸基が脱水縮合した多量体を含むことを特徴とする請求項1または請求項2に記載した発泡壁紙。
- 前記アルコール系化合物は、2,2‘−ビス(ヒドロキシメチル)1,3−プロパンジオールまたは前記2,2‘−ビス(ヒドロキシメチル)1,3−プロパンジオールの持つ水酸基が脱水縮合した多量体を含むことを特徴とする請求項1から請求項3のうちいずれか1項に記載した発泡壁紙。
- 前記二種類以上の樹脂ペレットのうち少なくとも一種類の樹脂ペレットは、熱分解型発泡剤を含有し、
前記発泡樹脂層は、前記基材上に積層され、且つ加熱発泡した前記樹脂シートで形成されていることを特徴とする請求項1から請求項4のうちいずれか1項に記載した発泡壁紙。 - 前記発泡樹脂層に対する前記アルコール系化合物の添加量は、前記発泡樹脂層に含まれる樹脂分100質量部に対して2質量部以上4質量部以下の範囲内であることを特徴とする請求項1から請求項5のうちいずれか1項に記載した発泡壁紙。
- 前記二種類以上の樹脂ペレットのうち少なくとも一種類の樹脂ペレットが、前記アルコール系化合物を5%以上20%以下の範囲内で含有することを特徴とする請求項1から請求項6のうちいずれか1項に記載した発泡壁紙。
- 前記基材は、繊維質の基材であることを特徴とする請求項1から請求項7のうちいずれか1項に記載した発泡壁紙。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016041315A JP2017155378A (ja) | 2016-03-03 | 2016-03-03 | 発泡壁紙 |
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2016
- 2016-03-03 JP JP2016041315A patent/JP2017155378A/ja active Pending
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