JP2017155131A - ビスフェノールフルオレン骨格を有するエポキシ樹脂 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、ビスフェノールフルオレン骨格を有する新規なエポキシ樹脂、及びその製造方法に関する。
エポキシ樹脂は、一般的に、種々の硬化剤で硬化させることにより、機械的性質、耐水性、耐薬品性、耐熱性、電気的性質などに優れた硬化物となる。その為に、エポキシ樹脂は、接着剤、塗料、積層板、成形材料、注型材料などの幅広い分野に利用されている。これらエポキシ樹脂の中でもフルオレン骨格を有するエポキシ樹脂は、高屈折、耐熱性等に優れたエポキシ樹脂として、上述した一般的なエポキシ樹脂としての利用分野の他、光学レンズや発光ダイオード(LED)等の半導体発光素子用の封止材料といった新たな分野での利用に活発な研究開発が行われている(例えば特許文献1)。
また、フルオレン骨格を有するエポキシ樹脂の中でも以下式(3)
このようにフルオレン骨格を有するエポキシ樹脂は、樹脂そのものを硬化させ封止材料として使用する他、アクリル酸等の他の化合物と反応させて得られる新たな構造を有する樹脂の原料としても用いられているものの、有機溶媒への溶解性に乏しく、他の化合物と反応させる際の条件が限定されるといった問題があった。
本発明の目的は、従来公知のビスフェノールフルオレン骨格を有するエポキシ樹脂、特に置換基としてフェニル基を有するビスフェノールフルオレン骨格を有するエポキシ樹脂と比較して、有機溶媒への溶解性に優れ、従来公知のビスフェノールフルオレン骨格を有するエポキシ樹脂と同等ないしそれ以上の屈折率・耐熱性を示すエポキシ樹脂を提供することにある。
本発明者らは、前記の課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、下記一般式(1)で表されるフルオレン系化合物から誘導される構造単位を主鎖に含むエポキシ樹脂が、置換基としてフェニル基を有しているにもかかわらず有機溶媒への溶解性に優れ、前記課題を解決可能であることを見出した。具体的には以下の発明を含む。
[1]
下記一般式(1):
下記一般式(1):
で表されるフルオレン系化合物から誘導される構造単位を主鎖に含むフルオレン系エポキシ樹脂。
[2]
下記一般式(2):
下記一般式(2):
[3]
上記一般式(1)で表されるフルオレン系化合物とエピハロヒドリンとを反応させる請求項1または2に記載のフルオレン系エポキシ樹脂の製造方法。
上記一般式(1)で表されるフルオレン系化合物とエピハロヒドリンとを反応させる請求項1または2に記載のフルオレン系エポキシ樹脂の製造方法。
[4]
[1]または[2]記載のフルオレン系エポキシ樹脂を含むエポキシ樹脂組成物。
[1]または[2]記載のフルオレン系エポキシ樹脂を含むエポキシ樹脂組成物。
[5]
[4]記載のエポキシ樹脂組成物を硬化してなる硬化物。
[4]記載のエポキシ樹脂組成物を硬化してなる硬化物。
本発明によれば、ビスフェノールフルオレン骨格を有するエポキシ樹脂であるにもかかわらず有機溶媒への溶解性に優れ、従来公知のビスフェノールフルオレン骨格を有するエポキシ樹脂と同等ないしそれ以上の屈折率、耐熱性を示すエポキシ樹脂、及び該エポキシ樹脂を含むエポキシ樹脂組成物を硬化してなる硬化物が提供可能となる。
<本発明のフルオレン系エポキシ樹脂>
本発明のフルオレン系エポキシ樹脂とは、上記一般式(1)で表されるフルオレン系化合物から誘導される構造単位を主鎖に含むフルオレン系エポキシ樹脂である。上記一般式(1)から誘導される構造単位の含有割合は、エポキシ樹脂中の全構成単位に対し、モル比基準で10〜100モル%、好ましくは20〜100モル%、特に好ましくは30〜100モル%である。
本発明のフルオレン系エポキシ樹脂とは、上記一般式(1)で表されるフルオレン系化合物から誘導される構造単位を主鎖に含むフルオレン系エポキシ樹脂である。上記一般式(1)から誘導される構造単位の含有割合は、エポキシ樹脂中の全構成単位に対し、モル比基準で10〜100モル%、好ましくは20〜100モル%、特に好ましくは30〜100モル%である。
本発明のフルオレン系エポキシ樹脂として例えば、上記一般式(1)で表されるフルオレン系化合物とエピハロヒドリンとを反応させて得られる、上記一般式(2)で表されるエポキシ樹脂、上記一般式(1)で表されるフルオレン系化合物と他の構造を有するエポキシ化合物とを反応させて得られるエポキシ樹脂等が例示される。
上記一般式(1)及び(2)において、アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基等の分岐を有しても良いアルキル基や、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等の環状のアルキル基が例示される。アリール基としてはフェニル基やトリル基等の置換基を有しても良い芳香族基が例示される。ハロゲン原子としてはフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が例示される。これら例示される置換基の中でも、上記一般式(1)で表されるフルオレン系化合物の入手性の観点から、分岐を有しても良い炭素数1〜4のアルキル基が好ましい。
置換基(R1〜R4)の数を表すk1〜k4は、それぞれ同一又は異なって0又は1〜4の整数であり、上記一般式(1)で表されるフルオレン系化合物の入手性の観点から0又は1〜2の整数であることが好ましく、0又は1であることがより好ましい。2以上である場合、それぞれ対応する置換基は同一であっても異なっても良い。
上記一般式(2)で表わされるフルオレン系エポキシ樹脂の重合数を表すnは0または1以上の整数であり、好ましくはn=0または1〜10の整数、更に好ましくはn=0または1〜2の整数、最も好ましくはn=0または1である。なお、重合数nが単一のものを精製により得ることも可能ではあるが、通常は複数の重合数nを有するものが混合したものをフルオレン系エポキシ樹脂として使用する。
複数の重合数nを有するものが混合したフルオレン系エポキシ樹脂の中でも、重合数nが3を超えるものの割合が高くなると、軟化点が高くなりすぎ、製造時および組成物とする際のハンドリング性が悪くなる場合があり、また、相溶性が悪くなり、組成物とする際に、添加量に制約が生じる等の不都合が生じる場合があるため、複数の重合数nを有するものが混合したフルオレン系エポキシ樹脂である場合、該エポキシ樹脂の平均重合数(nの平均値)は2以下であることが好ましく、1以下であることが更に好ましい。
本発明のフルオレン系エポキシ樹脂には中間体であるモノグリシジル体や少量の加水分解性塩素、α−グリコール等の不純物などが含まれるが、エポキシ樹脂としての特性を害しない範囲であれば、特に精製する必要はなく、不純物との混合物であってもよい。
本発明のフルオレン系エポキシ樹脂は5%重量減少温度が高く、耐熱性に優れることから、熱耐性が必要なパワーデバイス、半導体封止材料として好適に用いられる。また、屈折率が高いことから光学用途としても好適に用いることができる。更には、溶媒溶解性に優れることから、接着剤、塗料、土木建築用材料等の様々な用途に用いられ得ることは勿論のこと、アクリル酸等の他の化合物と反応させて得られる新たな構造を有する樹脂の原料としても好適に用いられる。
<本発明のフルオレン系エポキシ樹脂の製造方法>
本発明のフルオレン系エポキシ樹脂は例えば、上記一般式(1)で表されるフルオレン系化合物とエピハロヒドリンとを反応させることにより得られる。その他、上記一般式(1)で表されるフルオレン系化合物と他の構造を有するエポキシ化合物とを反応させて製造することも可能である。
本発明のフルオレン系エポキシ樹脂は例えば、上記一般式(1)で表されるフルオレン系化合物とエピハロヒドリンとを反応させることにより得られる。その他、上記一般式(1)で表されるフルオレン系化合物と他の構造を有するエポキシ化合物とを反応させて製造することも可能である。
上記一般式(1)で表されるフルオレン系化合物は一般に入手可能な化合物であり、市販品を用いても良く、また公知の方法、例えばアメリカ合衆国特許5,110,993号公報に記載される方法を参考に、所望の構造を有するものを製造することも可能である。
上記一般式(1)で表されるフルオレン系化合物とエピハロヒドリンとの反応方法として例えば、上記一般式(1)で表わされるフルオレン系化合物とエピハロヒドリンを混合させ、その後、該混合物に通常20〜120℃、好ましくは40〜80℃でアルカリ金属水酸化物を添加し、その後、20〜120℃で、好ましくは40〜100℃で1〜48時間反応させる方法が例示される。なお、アルカリ金属水酸化物は一括添加しても良いが、所定の反応温度を維持する為、一定時間、例えば1〜10時間かけて連続、あるいは必要量を分割添加することが好ましい。
上記一般式(1)で表されるフルオレン系化合物とエピハロヒドリンとの反応で用いるアルカリ金属水酸化物として例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等が例示され、その使用量は上記一般式(1)で表されるフルオレン系化合物1モルに対し通常0.8〜10.0モル、好ましくは2.0〜5.0モルである。アルカリ金属水酸化物はその水溶液を使用してもよい。また、アルカリ金属水酸化物の水溶液を使用する場合は該水溶液を連続的に反応系内に添加すると共に減圧下、または常圧下連続的に水及びエピハロヒドリンを留出させ、更に分液し水は除去しエピハロヒドリンは反応系内に連続的に戻す方法としてもよい。
上記一般式(1)で表されるフルオレン系化合物とエピハロヒドリンとの反応で用いるエピハロヒドリンとして具体的には、エピクロルヒドリン、エピブロムヒドリン等が例示され、その使用量は上記一般式(1)で表されるフルオレン系化合物1モルに対し通常2〜40モル、好ましくは4〜30モル使用する。なお、上記一般式(2)で表わされるフルオレン系エポキシ樹脂の重合数を表すnは上記一般式(1)で表わされるフルオレン系化合物とエピハロヒドリンとのモル比により調整が可能である。すなわち、上記一般式(1)で表わされるフルオレン系化合物に対してエピハロヒドリンを大過剰に使用すると、nが0の化合物が主成分として得られ、エピハロヒドリンの使用量を下げることにより、nが0より大きい化合物の割合を高くすることが可能である。
上記一般式(1)で表されるフルオレン系化合物とエピハロヒドリンとの反応を実施する際は、テトラメチルアンモニウムクロリド、テトラメチルアンモニウムブロミド、テトラブチルアンモニウムブロミド、ベンジルトリメチルアンモニウムクロリド、ベンジルトリエチルアンモニウムクロリド、アミルトリフェニルホスホニウムブロミド、ベンジルトリフェニルホスホニウムブロミド、ベンジルトリフェニルホスホニウムクロリド、アリルトリフェニルホスホニウムクロリド等の4級アンモニウム塩、4級ホスホニウム塩を用いることにより、反応速度を向上させることが可能となる。これらの塩の使用量は上記一般式(1)で表されるフルオレン系化合物1モルに対し、通常0.01〜0.50モル、好ましくは0.02〜0.20モルである。また、これらの塩を使用する場合、通常、アルカリ金属水酸化物を上記一般式(1)で表されるフルオレン系化合物とエピハロヒドリンとの混合物へ添加する前に、添加する。
上述した反応を実施することにより、上記一般式(2)で表されるフルオレン系エポキシ樹脂を含む反応液を得ることができる。上記一般式(2)で表されるフルオレン系エポキシ樹脂を含む反応液はそのまま硬化剤、必要に応じて反応希釈剤、硬化促進剤、溶剤や、更に必要に応じて、添加剤等を添加することによってエポキシ樹脂組成物としても良いし、アクリル酸を反応させ、エポキシアクリレート樹脂としても良い。
また、必要に応じ得られた反応液を濾過もしくは水洗し、不溶解分や無機塩、アルカリ金属水酸化物を除去したり、エピハロヒドリンを過剰量使用している場合、加熱減圧下、100〜180℃、圧力30mmHg以下、好ましくは、圧力10mmHg以下でエピハロヒドリンを除去することにより、上記一般式(2)で表されるフルオレン系エポキシ樹脂の純度を向上させることも可能である。
更には、加水分解性ハロゲンの少ないエポキシ樹脂とするために、上記一般式(2)で表されるフルオレン系エポキシ樹脂を含む反応液、或いは上記一般式(2)で表されるフルオレン系エポキシ樹脂を、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類等の炭化水素系溶媒に溶解し、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物の水溶液を加えて更に閉環反応を行い、閉環を確実なものにすることもできる。この場合アルカリ金属水酸化物の使用量はエポキシ化に使用した上記一般式(1)で表されるフルオレン系化合物の水酸基1モル当量に対して通常0.01〜15.0モル、好ましくは0.20〜7.5モルである。反応温度は通常20〜120℃、反応時間は通常0.5〜6時間である。
閉環反応終了後、副生成したタール分、塩を濾過して除去、または、水洗処理により除去した後、樹脂溶液のpHが8.0〜4.0になるようにリン酸、リン酸ナトリウム、シュウ酸、酢酸、炭酸等を添加して中和を行い、水洗を繰り返した後、濾過して、更に、加熱減圧下、上記記載の反応や抽出等で用いた溶媒を留去することにより、加水分解性ハロゲンの少ない、上記一般式(2)で表されるフルオレン系エポキシ樹脂が得られる。
<本発明のフルオレン系エポキシ樹脂を含むエポキシ樹脂組成物>
以下、本発明のフルオレン系エポキシ樹脂を含むエポキシ樹脂組成物(以下、本発明のエポキシ樹脂組成物と称することもある。)について詳述する。
以下、本発明のフルオレン系エポキシ樹脂を含むエポキシ樹脂組成物(以下、本発明のエポキシ樹脂組成物と称することもある。)について詳述する。
本発明のエポキシ樹脂組成物を硬化させ、硬化物として用いる場合には硬化剤を使用する。使用する硬化剤としては、各種フェノール樹脂類や酸無水物類、アミン類、アミド類、イミダゾール類、熱/光カチオン重合開始剤、有機リン化合物、グアニジン誘導体、有機酸ジヒドラジド、ハロゲン化ホウ素アミン錯体、ポリメルカプタン系硬化剤、イソシアネート系硬化剤、ブロックイソシアネート系硬化剤等の通常使用されるエポキシ樹脂用硬化剤を使用することができる。これら硬化剤の具体例として例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールF、4,4’−ジヒドロキシジフェニルメタン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、1,4−ビス(4−ヒドロキシフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−ヒドロキシフェノキシ)ベンゼン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、4,4’−ジヒドロキシジフェニルケトン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、2,2’−ジヒドロキシビフェニル、フェノ−ルノボラック、及びこれらの変性物、1,12−ジアミノドデカン、ジアミノジフェニルメタン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ジアミノジフェニルスルホン、イソホロンジアミン、ジシアンジアミド、4−メチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸無水物、無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、無水マレイン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、無水メチルナジック酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、2−フェニルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾール、1−シアノ−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾールトリメリテイト、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾリウムトリメリテイト、2,4−ジアミノ−6−[2−(2−メチル−1−イミダゾリル)エチル]−1,3,5−トリアジン、2−フェニルイミダゾールイソシアヌル酸付加体、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール、BF3−アミン錯体等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。
硬化剤の使用量は、本発明のエポキシ樹脂組成物中の全エポキシ基1当量に対して0.5〜1.5当量が好ましく、さらに好ましくは0.7〜1.2当量である。硬化剤を0.5当量以上1.5当量以下使用することにより硬化を完全とすることができ、その結果、良好な硬化物性を有する硬化物を得ることができる。
本発明のエポキシ樹脂組成物中には上記一般式(2)で表されるエポキシ樹脂の他、更に反応希釈剤、硬化促進剤、溶剤や、必要に応じて、添加剤(例えば、ガラス繊維や無機フィラー、難燃剤、サイジング剤やカップリング剤、着色材、安定材、帯電防止材など)などを含んでいても良い。また、他のエポキシ樹脂を併用しても良い。
併用しうる他のエポキシ樹脂としてはビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂などのビスフェノール系エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂などの多官能フェノール系エポキシ樹脂、ナフトール系エポキシ樹脂、本発明以外のフルオレン系エポキシなどが挙げられる。これらの他のエポキシ樹脂は、単独又は2種類以上組み合わせてもよい。
本発明のエポキシ樹脂組成物に含まれていても良い硬化促進剤としては、前述した硬化剤と同様のものが使用可能であり、具体的には2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール等のイミダゾ−ル類、2−(ジメチルアミノメチル)フェノール、1,8−ジアザ−ビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7等の第3級アミン類、トリフェニルホスフィン等のホスフィン類が挙げられる。硬化促進剤を使用する場合の使用量は、本発明のエポキシ樹脂組成物中の全エポキシ樹脂100重量部に対して通常0.2〜5.0重量部用いる。
本発明のエポキシ樹脂組成物に含まれていても良い反応性希釈剤としては、粘度調整を行うために添加する低粘度なエポキシ化合物であり、特に二官能以上の低粘度エポキシ化合物が好ましい。反応性希釈剤として例えば、ジグリシジルエーテル、ブタンジオールジグリシジルエーテル、ジグリシジルアニリン、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジグリシジルエーテル、アルキレンジグリシジルエーテル、ポリグリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、4−ビニルシクロヘキセンモノオキサイド、ビニルシクロヘキセンジオキサイド、メチル化ビニルシクロヘキセンジオキサイド、フェニルグリシジルエーテル、4−tert−ブチルフェニルグリシジルエーテル、o−フェニルフェニルグリシジルエーテルなどが例示される。これら反応性希釈剤は1種あるいは必要に応じ2種類以上を混合して使用してもよい。上記反応性希釈剤は、本発明の目的を阻害しない範囲で使用することができ、例えば、全エポキシ樹脂組成物中に0〜50重量%含まれるような範囲で使用可能である。
本発明のエポキシ樹脂組成物に含まれていても良い溶剤として、例えば、メタノール、エタノールなどのアルコール類;テトラヒドロフランなどのエーテル類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルなどのグリコールエーテル類;メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、3−メトキシブチル−1−アセテートなどのアルキレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルアミルケトン、シクロヘキサノン、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノンなどのケトン類;ならびに2−ヒドロキシプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、エトキシ酢酸エチル、ヒドロキシ酢酸エチル、2−ヒドロキシ−2−メチルブタン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸メチルなどのエステル類等が例示される。これらの溶剤は1種を単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
<本発明のエポキシ樹脂組成物を硬化してなる硬化物>
続いて、本発明のエポキシ樹脂組成物を硬化させてなる硬化物の製造法及び該硬化物について詳述する。
続いて、本発明のエポキシ樹脂組成物を硬化させてなる硬化物の製造法及び該硬化物について詳述する。
本発明のエポキシ樹脂組成物の硬化物は、例えば、上記一般式(2)で表されるエポキシ樹脂、硬化剤並びに必要により併用しうる他のエポキシ樹脂や反応希釈剤、硬化促進剤、溶剤、無機フィラーや難燃剤など必要に応じて配合される添加物等を均一になるまで充分に混合してエポキシ樹脂組成物を得、得られたエポキシ樹脂組成物を、金型に流し込み注型した後、光及び/又は熱により硬化させることによって得られる。例えば、熱により硬化させる場合、硬化温度は、使用する硬化剤や併用する他のエポキシ樹脂によって異なるが、通常25〜250℃の範囲であり、80〜240℃の範囲が好ましく、100〜230℃の範囲がより好ましい。硬化方法としては高温で一気に硬化させることもできるが、段階的に昇温し、硬化反応を進めることが好ましい。具体的には80〜150℃の間で初期硬化を行い、その後、100℃〜230℃の間で後硬化を行う。
本発明でいう「硬化」とは通常、エポキシ樹脂及び硬化剤、必要に応じて配合されるその他成分を混合した後、熱及び/又は光等によりエポキシ樹脂組成物を意図的に硬化させることを意味するものであり、その硬化の程度は所望の物性、用途により制御すればよい。進行の程度は完全硬化であっても、半硬化の状態であってよい。なお、エポキシ樹脂の硬化率は通常5〜95%である。
以下、実施例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例において、各測定値は、次の方法、測定条件に従った。
1.式(5)で表されるエポキシ樹脂の製造及び評価
〔1〕HPLC純度
次の測定条件でHPLC測定を行ったときの面積百分率値を各成分の残存率、生成率、HPLC純度とした。
次の測定条件でHPLC測定を行ったときの面積百分率値を各成分の残存率、生成率、HPLC純度とした。
・装置:(株)島津製作所製「LC−2010AHT」
・カラム:(株)住化分析センター社製 「SUMIPAX ODS A−212」
(5μm、6.0mmφ×150mm)
・カラム温度:40℃
・検出波長:UV 254nm
・移動相:A液=アセトニトリル、B液=水
・移動相流量:1.0ml/分
・移動相グラジエント:A液濃度:50%(0分)→100%(40分後)→50%(60分後)
・カラム:(株)住化分析センター社製 「SUMIPAX ODS A−212」
(5μm、6.0mmφ×150mm)
・カラム温度:40℃
・検出波長:UV 254nm
・移動相:A液=アセトニトリル、B液=水
・移動相流量:1.0ml/分
・移動相グラジエント:A液濃度:50%(0分)→100%(40分後)→50%(60分後)
〔2〕NMR測定
1H−NMR並びに13C−NMRは、溶媒としてクロロホルム−d1を用いて、JEOL−ESC400分光計によって記録した。
1H−NMR並びに13C−NMRは、溶媒としてクロロホルム−d1を用いて、JEOL−ESC400分光計によって記録した。
〔3〕LC−MS測定
LC−MSは次の測定条件で分離、質量分析し、目的物を同定した。
LC−MSは次の測定条件で分離、質量分析し、目的物を同定した。
・装置:(株)Waters製「Xevo G2 Q−Tof」
・カラム:一般財団法人 化学物質研究評価機構製「L−column2 ODS」
(2.0μm、2.1mmφ×100mm)
・カラム温度:40℃
・検出波長:UV 220−500nm
・移動相:A液=10mM酢酸アンモニウム水、B液=アセトニトリル
・移動相流量:0.3ml/分
移動相グラジエント:B液濃度:80%(0分)→100%(10分後)→100%(15分後)
検出法:Q−Tof
イオン化法:ESI(+)法
Ion Source:電圧(+)2.0kV、温度120℃
Sampling Cone :電圧 30V、ガスフロー50L/h
・Desolvation Gas:温度500℃、ガスフロー1000L/h
・カラム:一般財団法人 化学物質研究評価機構製「L−column2 ODS」
(2.0μm、2.1mmφ×100mm)
・カラム温度:40℃
・検出波長:UV 220−500nm
・移動相:A液=10mM酢酸アンモニウム水、B液=アセトニトリル
・移動相流量:0.3ml/分
移動相グラジエント:B液濃度:80%(0分)→100%(10分後)→100%(15分後)
検出法:Q−Tof
イオン化法:ESI(+)法
Ion Source:電圧(+)2.0kV、温度120℃
Sampling Cone :電圧 30V、ガスフロー50L/h
・Desolvation Gas:温度500℃、ガスフロー1000L/h
〔4〕エポキシ当量
自動滴定装置(京都電子製 AT−5100)を用いて、JIS K7236による方法で測定した。
自動滴定装置(京都電子製 AT−5100)を用いて、JIS K7236による方法で測定した。
〔5〕溶剤溶解性:
各実施例、比較例で得られたエポキシ樹脂、または市販品のビスフェノールフルオレン30重量部と、溶剤70重量部とを混合し、溶解性を確認した。溶解性を確認した溶剤は、トルエン、メチルエチルケトン(MEK)、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、3−メトキシブチルアセテート(MBA)である。また、評価基準は次の通り。
○:室温で溶解する
△:加温すると溶解し、冷却しても結晶が析出しない
×:加温すると溶解するが、冷却すると結晶が析出する、あるいは、加温しても溶解しな
い。
各実施例、比較例で得られたエポキシ樹脂、または市販品のビスフェノールフルオレン30重量部と、溶剤70重量部とを混合し、溶解性を確認した。溶解性を確認した溶剤は、トルエン、メチルエチルケトン(MEK)、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、3−メトキシブチルアセテート(MBA)である。また、評価基準は次の通り。
○:室温で溶解する
△:加温すると溶解し、冷却しても結晶が析出しない
×:加温すると溶解するが、冷却すると結晶が析出する、あるいは、加温しても溶解しな
い。
〔6〕屈折率及びアッベ数
硬化物の屈折率については、後述する装置及び測定条件にて測定を行った。また、各エポキシ樹脂の屈折率及びアッベ数については、次のようにして測定した屈折率を各エポキシ樹脂の屈折率及びアッベ数とした。
各エポキシ樹脂をN−メチル−2−ピロリドンに溶解して5重量%、10重量%及び15重量%溶液を調製し、各溶液について後述の装置、条件にて屈折率及びアッベ数を測定した。次に、得られた3点の測定値から近似曲線を導き、これを100重量%に外挿したときの値を各ビスフェノールフルオレン類の屈折率とした。
<各溶液の屈折率及びアッベ数測定条件>
装置:アッベ屈折計((株)アタゴ製「多波長アッベ屈折計 DR−2M」)
測定波長;屈折率:589nm(20℃)、アッベ数:486、589、656nm
硬化物の屈折率については、後述する装置及び測定条件にて測定を行った。また、各エポキシ樹脂の屈折率及びアッベ数については、次のようにして測定した屈折率を各エポキシ樹脂の屈折率及びアッベ数とした。
各エポキシ樹脂をN−メチル−2−ピロリドンに溶解して5重量%、10重量%及び15重量%溶液を調製し、各溶液について後述の装置、条件にて屈折率及びアッベ数を測定した。次に、得られた3点の測定値から近似曲線を導き、これを100重量%に外挿したときの値を各ビスフェノールフルオレン類の屈折率とした。
<各溶液の屈折率及びアッベ数測定条件>
装置:アッベ屈折計((株)アタゴ製「多波長アッベ屈折計 DR−2M」)
測定波長;屈折率:589nm(20℃)、アッベ数:486、589、656nm
〔7〕5%重量減少温度
熱重量測定器((株)島津製作所:TGA−50)を用いて、窒素気流下、室温から500℃まで10℃/分で昇温し、測定した。
熱重量測定器((株)島津製作所:TGA−50)を用いて、窒素気流下、室温から500℃まで10℃/分で昇温し、測定した。
<参考例1 上記一般式(1)で表されるフルオレン系化合物の内、以下式(4)で表されるフルオレン系化合物の製造例>
攪拌器、冷却器及び温度計を備えた500mlのガラス製反応容器に、9−フルオレノン30.27g(0.168mol)、2,6−ジフェニルフェノール123.41g(0.501mol)、1−ドデカンチオール1.85g(0.009mol)、パラトルエンスルホン酸・一水和物19.71g(0.104mol)及びトルエン(231g)を投入し、120℃まで昇温、同温度で還流脱水しながら13.5時間攪拌した。得られた反応液を80℃まで冷却し、水を加え、24重量%水酸化ナトリウム水溶液で中和し、室温まで冷却させ、析出した結晶を濾過した。次いで、得られた結晶をトルエンで3回洗浄した後、水で3回洗浄し、減圧下乾燥することにより、上記式(4)で表されるフルオレン系化合物の白色結晶84.45gを得た(9−フルオレノン基準の収率:73.5%)を得た。この白色結晶のHPLC純度は98.5%であった。
<実施例1 上記一般式(1)で表されるフルオレン系化合物から誘導される構造単位を主鎖に含むフルオレン系エポキシ樹脂の内、以下式(5)で表されるフルオレン系エポキシ樹脂の製造例>
攪拌器、冷却器及び温度計を備えた500mlのガラス製反応容器に、窒素雰囲気下、上記式(4)で表されるフルオレン系化合物60.01g(0.092mol)、エピクロルヒドリン254.50g(2.748mol)、ベンジルトリエチルアンモニウムクロリド2.09g(0.009mol)を仕込み60℃まで昇温した後、同温度で24重量%の水酸化ナトリウム水溶液76.40g(0.458mol)を滴下し、更に同温度で1時間攪拌した時点で、HPLCにより反応液の分析を行ったところ、原料である上記一般式(4)で表されるフルオレン系化合物の残存率は0.5%以下であった。
反応終了後、得られた反応液を170℃まで加熱し、内圧20mmHgの減圧下で過剰のエピクロルヒドリン等を留去し、濃縮物を得た。その後、100℃まで冷却し、濃縮物にトルエンを加え溶解させ、60℃まで冷却した後、60℃で24重量%の水酸化ナトリウム水溶液114.50g(0.687mol)を添加し、同温度で2.5時間攪拌した。撹拌後静置し、下層を分液除去した。
その後、酸を加えて中和した後、水層を分液除去した。次いで、有機層を水で洗浄した後、有機層に活性炭を加え、60℃で2時間撹拌を行った後に濾過を行い不溶解分及び活性炭を除去した後、減圧濃縮しトルエンを留去することにより、薄黄色固体である、上記式(5)で表されるエポキシ樹脂69.16gを得た。
得られた上記式(5)で表されるエポキシ樹脂をHPLCで分析した所、上記式(5)においてm=0のものが95.1%であった。また、エポキシ当量は388g/eqであった。
図1〜3に、得られた上記式(5)で表されるフルオレン系エポキシ樹脂の1H−NMR(CDCl3)チャート、13C−NMR(CDCl3)チャート及び質量分析チャートを示し、また各分析のスペクトル値を下記する。併せて、溶剤溶解性、屈折率、アッベ数、5%重量減少温度の測定結果について表1に示す。
反応終了後、得られた反応液を170℃まで加熱し、内圧20mmHgの減圧下で過剰のエピクロルヒドリン等を留去し、濃縮物を得た。その後、100℃まで冷却し、濃縮物にトルエンを加え溶解させ、60℃まで冷却した後、60℃で24重量%の水酸化ナトリウム水溶液114.50g(0.687mol)を添加し、同温度で2.5時間攪拌した。撹拌後静置し、下層を分液除去した。
その後、酸を加えて中和した後、水層を分液除去した。次いで、有機層を水で洗浄した後、有機層に活性炭を加え、60℃で2時間撹拌を行った後に濾過を行い不溶解分及び活性炭を除去した後、減圧濃縮しトルエンを留去することにより、薄黄色固体である、上記式(5)で表されるエポキシ樹脂69.16gを得た。
得られた上記式(5)で表されるエポキシ樹脂をHPLCで分析した所、上記式(5)においてm=0のものが95.1%であった。また、エポキシ当量は388g/eqであった。
図1〜3に、得られた上記式(5)で表されるフルオレン系エポキシ樹脂の1H−NMR(CDCl3)チャート、13C−NMR(CDCl3)チャート及び質量分析チャートを示し、また各分析のスペクトル値を下記する。併せて、溶剤溶解性、屈折率、アッベ数、5%重量減少温度の測定結果について表1に示す。
1H-NMR(CDCl3,400MHz,TMS)δ(ppm):1.97(dd、J=4.80、J=2.4、2H)、2.38(t、J=4.80,2H)、2.58(m、2H)、3.13(m、2H)、3.28(m、2H)、7.25(s、4H)、7.27−7.39(m、16H)、7.47−7.55(m、10H)、7.74(d、J=7.20,2H)。
13C−NMR(CDCl3,400MHz)δ(ppm):45.04、49.86、64.88、73.99、120.54、126.25、127.40、127.86、128.03、128.26、129.75、130.19、135.53、138.65、140.33、142.22、151.06、152.43。
質量分析の結果:上記式(5)で表されるフルオレン系エポキシ樹脂の計算上の分子量(TOF MS ESI+;C55H42O4+NH4):は784.3427であり、実測値は784.3427であった。
<比較例1 上記式(3)で表されるフルオレン系化合物から誘導される構造単位を主鎖に含むフルオレン系エポキシ樹脂(以下式(6)で表されるフルオレン系エポキシ樹脂)の製造例>
攪拌器、冷却器及び温度計を備えた1000mlのガラス製反応容器に、窒素雰囲気下、上記式(3)で表されるフルオレン系化合物150.07g(0.298mol)、エピクロルヒドリン828.40g(8.953mol)、ベンジルトリエチルアンモニウムクロリド6.85g(0.030mol)を仕込み70℃まで昇温した後、同温度で3時間攪拌した。撹拌後、HPLCにより反応液の分析を行ったところ、原料である上記式(3)のフルオレン系ジオール化合物の残存率は0.5%以下であった。
得られた反応液を160℃まで加熱し、内圧20mmHgの減圧下、過剰のエピクロルヒドリン等を留去し、濃縮物を得た。その後、100℃まで冷却し、濃縮物にトルエンを加え溶解させ、60℃まで冷却した後、同温度で24重量%の水酸化ナトリウム水溶液248.10g(2.238mol)を添加し、同温度で4時間攪拌した。撹拌後静置し、下層を分液除去した。
その後、水及び酸を加えて中和した後、水層を分液除去した。次いで、有機層を水で洗浄した後、有機層に活性炭を加え、60℃で2時間撹拌を行った後に濾過を行い不溶解分及び活性炭を除去した後、減圧濃縮しトルエンを留去することにより、黄色固体である、上記一般式(6)で表されるエポキシ樹脂164.34gを得た。
得られた上記式(6)で表されるエポキシ樹脂をHPLCで分析した所、上記式(6)においてq=0のものが86.8%であり、エポキシ当量は326g/eqであった。溶剤溶解性、150℃溶融粘度、屈折率、アッベ数、5%重量減少温度の測定結果を表1に示す。
得られた反応液を160℃まで加熱し、内圧20mmHgの減圧下、過剰のエピクロルヒドリン等を留去し、濃縮物を得た。その後、100℃まで冷却し、濃縮物にトルエンを加え溶解させ、60℃まで冷却した後、同温度で24重量%の水酸化ナトリウム水溶液248.10g(2.238mol)を添加し、同温度で4時間攪拌した。撹拌後静置し、下層を分液除去した。
その後、水及び酸を加えて中和した後、水層を分液除去した。次いで、有機層を水で洗浄した後、有機層に活性炭を加え、60℃で2時間撹拌を行った後に濾過を行い不溶解分及び活性炭を除去した後、減圧濃縮しトルエンを留去することにより、黄色固体である、上記一般式(6)で表されるエポキシ樹脂164.34gを得た。
得られた上記式(6)で表されるエポキシ樹脂をHPLCで分析した所、上記式(6)においてq=0のものが86.8%であり、エポキシ当量は326g/eqであった。溶剤溶解性、150℃溶融粘度、屈折率、アッベ数、5%重量減少温度の測定結果を表1に示す。
<比較例2 以下式(7)で表されるフルオレン系エポキシ樹脂の物性値>
(rは0または1以上の整数である。)
で表わされるビスフェノールフルオレンエポキシ樹脂(東京化成(株)社製、白色結晶、r=0であるものの割合:97.3%、エポキシ当量:234g/eq)について溶剤溶解性、屈折率、アッベ数、5%重量減少温度を測定した。結果を表1に示す。
<実施例2 上記式(5)で表されるフルオレン系エポキシ樹脂を含むエポキシ樹脂組成物及び該エポキシ樹脂組成物から製造される硬化物>
実施例1で得られた、上記式(5)で表されるエポキシ樹脂10.00gに、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(旭化成ケミカルズ(株)製 AER260)を23.33g、2−エチル−4−メチルイミダゾールを0.67g加え、70℃で撹拌し、減圧下(0.6〜1.0kPa)70℃で脱泡後、高温恒温器(エスペック株式会社製 SPH−102)を使用し、120℃で2時間、140℃で2時間、180℃で2時間加熱し硬化物を得た。得られた硬化物の屈折率は1.607であった。
実施例1で得られた、上記式(5)で表されるエポキシ樹脂10.00gに、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(旭化成ケミカルズ(株)製 AER260)を23.33g、2−エチル−4−メチルイミダゾールを0.67g加え、70℃で撹拌し、減圧下(0.6〜1.0kPa)70℃で脱泡後、高温恒温器(エスペック株式会社製 SPH−102)を使用し、120℃で2時間、140℃で2時間、180℃で2時間加熱し硬化物を得た。得られた硬化物の屈折率は1.607であった。
Claims (5)
- 上記一般式(1)で表されるフルオレン系化合物とエピハロヒドリンとを反応させる請求項1または2に記載のフルオレン系エポキシ樹脂の製造方法。
- 請求項1または2記載のフルオレン系エポキシ樹脂を含むエポキシ樹脂組成物。
- 請求項4記載のエポキシ樹脂組成物を硬化してなる硬化物。
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