JP2017154954A - 炭化珪素単結晶の製造方法および炭化珪素単結晶の製造装置 - Google Patents

炭化珪素単結晶の製造方法および炭化珪素単結晶の製造装置 Download PDF

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Abstract

【課題】種結晶と種結晶保持部との線膨張係数の差に起因する種結晶の歪みを抑制することが可能な炭化珪素単結晶の製造方法および炭化珪素単結晶の製造装置を提供する。【解決手段】炭化珪素単結晶の製造方法は、蓋部13と種結晶保持部14とを有する坩堝1内に炭化珪素からなる原料52を配置する工程と、種結晶保持部14に種結晶19の外縁部の少なくとも一部が掛かるように種結晶19を種結晶保持部14に吊る工程と、坩堝1、坩堝1内の原料52および種結晶保持部14に吊られた種結晶19を加熱する工程と、を備える。【選択図】図1

Description

本発明は炭化珪素単結晶の製造方法および炭化珪素単結晶の製造装置に関し、より特定的には昇華法により炭化珪素からなる種結晶上に炭化珪素単結晶を成長させる炭化珪素単結晶の製造方法および炭化珪素単結晶の製造装置に関するものである。
坩堝内において原料を昇華させて種結晶上に再結晶化させる方法(昇華法)により、炭化珪素単結晶を製造することができる。昇華法による炭化珪素単結晶の製造においては、得られる単結晶内の欠陥の低減が求められる。単結晶内の欠陥を低減することを目的として、種結晶保持部を事前に熱処理すること、種結晶を外周側から保持するリング状部材を採用し、このリング状部材を種結晶保持部にねじ止めすること等により、種結晶に与えられる歪を抑制する技術が提案されている(たとえば、特許文献1参照)。
米国特許第7351283号明細書
上記特許文献1によれば、上記技術により種結晶に与えられる歪が抑制され、得られる単結晶内の欠陥が低減されるとされている。しかし、種結晶が種結晶保持部に拘束されて保持されている限り、結晶成長に適した温度に種結晶および種結晶保持部が加熱されると、種結晶を構成する炭化珪素と種結晶保持部を構成する材料との線膨張係数の差に起因して種結晶に歪みが与えられる。そのため、当該歪みに起因する欠陥の発生を十分に低減することは困難である。
そこで、種結晶を構成する炭化珪素と種結晶保持部を構成する材料との線膨張係数の差に起因する種結晶の歪みを抑制することが可能な炭化珪素単結晶の製造方法および炭化珪素単結晶の製造装置を提供することを目的の1つとする。
本発明に従った炭化珪素単結晶の製造方法は、昇華法により炭化珪素からなる種結晶上に炭化珪素単結晶を成長させる炭化珪素単結晶の製造方法である。この炭化珪素単結晶の製造方法は、蓋部と種結晶保持部とを有する坩堝内に炭化珪素からなる原料を配置する工程と、種結晶保持部に種結晶の外縁部の少なくとも一部が掛かるように種結晶を種結晶保持部に吊る工程と、坩堝、坩堝内の原料および種結晶保持部に吊られた種結晶を加熱する工程と、を備える。
本発明に従った炭化珪素単結晶の製造装置は、昇華法により炭化珪素からなる種結晶上に炭化珪素単結晶を成長させる炭化珪素単結晶の製造装置である。この炭化珪素単結晶の製造装置は、種結晶と、蓋部と種結晶を保持する種結晶保持部と炭化珪素からなる原料を保持する原料保持部とを含む坩堝と、を備える。種結晶は、種結晶保持部に外縁部の少なくとも一部が掛かるように種結晶保持部に吊られる。
上記炭化珪素単結晶の製造方法および炭化珪素単結晶の製造装置によれば、種結晶を構成する炭化珪素と種結晶保持部を構成する材料との線膨張係数の差に起因する種結晶の歪みを抑制することができる。
実施の形態1における炭化珪素単結晶の製造装置の構造を示す概略断面図である。 炭化珪素単結晶の概略的な製造方法を示すフローチャートである。 実施の形態1における炭化珪素単結晶の製造方法を説明するための概略断面図である。 実施の形態2における炭化珪素単結晶の製造装置の構造を示す概略断面図である。 実施の形態3における炭化珪素単結晶の製造装置の構造を示す概略断面図である。 実施の形態4における炭化珪素単結晶の製造装置の構造を示す概略断面図である。 実施の形態5における炭化珪素単結晶の製造装置の構造を示す概略断面図である。 図7の線分VIII−VIIIに沿う断面を示す概略断面図である。
[本願発明の実施形態の説明]
最初に本願発明の実施態様を列記して説明する。本願の炭化珪素単結晶の製造方法は、昇華法により炭化珪素からなる種結晶上に炭化珪素単結晶を成長させる炭化珪素単結晶の製造方法である。この炭化珪素単結晶の製造方法は、蓋部と種結晶保持部とを有する坩堝内に炭化珪素からなる原料を配置する工程と、種結晶保持部に種結晶の外縁部の少なくとも一部が掛かるように種結晶を種結晶保持部に吊る工程と、坩堝、坩堝内の原料および種結晶保持部に吊られた種結晶を加熱する工程と、を備える。
本願の炭化珪素単結晶の製造方法では、種結晶保持部に種結晶の外縁部の少なくとも一部が掛かるように種結晶を種結晶保持部に吊る工程が実施された後、坩堝、坩堝内の原料および種結晶保持部に吊られた種結晶を加熱する工程が実施される。そのため、坩堝、坩堝内の原料および種結晶保持部に吊られた種結晶を加熱する工程において、種結晶の体積変化に対する種結晶保持部による拘束が抑制される。その結果、種結晶を構成する炭化珪素と種結晶保持部を構成する材料との線膨張係数の差に起因する種結晶の歪みが低減される。このように、本願の炭化珪素単結晶の製造方法によれば、種結晶を構成する炭化珪素と種結晶保持部を構成する材料との線膨張係数の差に起因する種結晶の歪みを抑制することができる。
上記炭化珪素単結晶の製造方法において、種結晶を種結晶保持部に吊る工程では、蓋部との間に間隔が形成されるように種結晶が吊られてもよい。このようにすることにより、種結晶の温度が蓋部の温度よりも大幅に高くなることを抑制することができる。その結果、種結晶を構成する炭化珪素が昇華する現象(逆昇華現象)の発生を抑制することができる。
上記炭化珪素単結晶の製造方法において、坩堝、坩堝内の原料および種結晶保持部に吊られた種結晶を加熱する工程における種結晶と蓋部との間隔は1mm以上であってもよい。このようにすることにより、逆昇華現象をより確実に抑制することができる。
上記炭化珪素単結晶の製造方法において、種結晶の、蓋部に対向する面(種結晶裏面)の表面粗さは、Raで0.2μm以下であってもよい。このようにすることにより、種結晶裏面における光の反射率が上昇し、蓋部から種結晶への輻射熱による種結晶の加熱が抑制される。その結果、逆昇華現象を抑制することができる。
上記炭化珪素単結晶の製造方法において、蓋部と種結晶との間には、坩堝、坩堝内の原料および種結晶保持部に吊られた種結晶を加熱する工程において蓋部から種結晶への輻射熱を抑制するカーボン部材および融点が2500℃以上の金属からなる高融点金属部材の少なくともいずれか一方が配置されてもよい。このようにすることにより、蓋部から種結晶への輻射熱による種結晶の加熱が抑制される。その結果、逆昇華現象を抑制することができる。融点が2500℃以上の金属としては、単体金属であるタングステン、タンタル、モリブデンのほか、種々の高融点合金を採用することができる。
上記炭化珪素単結晶の製造方法において、種結晶を種結晶保持部に吊る工程では、種結晶が、種結晶保持部から原料側に突出するように種結晶が吊られてもよい。このようにすることにより、種結晶上に高品質な炭化珪素単結晶を成長させることが容易となる。
上記炭化珪素単結晶の製造方法において、種結晶保持部は、外縁部の少なくとも3か所を支える少なくとも3以上の第1部分と、第1部分に接続され、第1部分を坩堝内に支持する第2部分とを含んでいてもよい。種結晶を種結晶保持部に吊る工程では、外縁部と第2部分との間に隙間が設けられるように種結晶が吊られてもよい。このようにすることにより、坩堝、坩堝内の原料および種結晶保持部に吊られた種結晶を加熱する工程において、種結晶の体積変化に対する種結晶保持部による拘束をより確実に抑制することができる。
上記炭化珪素単結晶の製造方法において、種結晶保持部は、種結晶の外縁部を支える環状の第1部分と、第1部分に接続され、第1部分を坩堝内に支持する第2部分とを含んでいてもよい。種結晶を種結晶保持部に吊る工程では、外縁部と第2部分との間に隙間が設けられるように種結晶が吊られてもよい。このようにすることにより、坩堝、坩堝内の原料および種結晶保持部に吊られた種結晶を加熱する工程において、種結晶の体積変化に対する種結晶保持部による拘束をより確実に抑制することができる。
上記炭化珪素単結晶の製造方法において、種結晶は、炭化珪素単結晶が成長するための成長面を含む第1領域と、第1領域の成長面とは反対側に接続され、成長面に平行な断面における断面積が第1領域よりも大きい第2領域とを含んでいてもよい。種結晶を種結晶保持部に吊る工程では、成長面が原料に対向し、種結晶保持部に第2領域の外縁部の少なくとも一部が掛かるように種結晶が吊られてもよい。このようにすることにより、種結晶を種結晶保持部に吊ることが容易となる。
上記炭化珪素単結晶の製造方法において、種結晶は、炭化珪素単結晶が成長するための成長面と、成長面の外周に接続される側壁面とを含み、成長面から離れるにしたがって成長面に平行な断面における断面積が大きくなる板状または柱状の形状を有していてもよい。種結晶を種結晶保持部に吊る工程では、成長面が原料に対向し、種結晶保持部に側壁面が掛かるように種結晶が吊られてもよい。このようにすることにより、種結晶を種結晶保持部に吊ることが容易となる。
上記炭化珪素単結晶の製造方法において、坩堝、坩堝内の原料および種結晶保持部に吊られた種結晶を加熱する工程では、種結晶の形状が熱膨張により変化してもよい。このようにすることにより、種結晶の歪みをより確実に低減することができる。
本願の炭化珪素単結晶の製造装置は、昇華法により炭化珪素からなる種結晶上に炭化珪素単結晶を成長させる炭化珪素単結晶の製造装置である。この炭化珪素単結晶の製造装置は、種結晶と、蓋部と種結晶を保持する種結晶保持部と炭化珪素からなる原料を保持する原料保持部とを含む坩堝と、を備える。種結晶は、種結晶保持部に外縁部の少なくとも一部が掛かるように種結晶保持部に吊られる。
本願の炭化珪素単結晶の製造装置では、種結晶が、種結晶保持部に外縁部の少なくとも一部が掛かるように種結晶保持部に吊られる。その結果、種結晶を構成する炭化珪素と種結晶保持部を構成する材料との線膨張係数の差に起因する種結晶の歪みが抑制される。このように、本願の炭化珪素単結晶の製造装置によれば、種結晶を構成する炭化珪素と種結晶保持部を構成する材料との線膨張係数の差に起因する種結晶の歪みを抑制することができる。
上記炭化珪素単結晶の製造装置において、種結晶は、蓋部との間に間隔が形成されるように吊られてもよい。このようにすることにより、種結晶の温度が蓋部の温度よりも大幅に高くなることを抑制することができる。その結果、逆昇華現象の発生を抑制することができる。
上記炭化珪素単結晶の製造装置において、種結晶と蓋部との間隔は1mm以上であってもよい。このようにすることにより、逆昇華現象をより確実に抑制することができる。
上記炭化珪素単結晶の製造装置において、種結晶の、蓋部に対向する面の表面粗さは、Raで0.2μm以下であってもよい。このようにすることにより、種結晶裏面における光の反射率が上昇し、蓋部から種結晶への輻射熱による種結晶の加熱が抑制される。その結果、逆昇華現象を抑制することができる。
上記炭化珪素単結晶の製造装置において、坩堝は、蓋部と種結晶との間に配置され、蓋部から種結晶への輻射熱を抑制するカーボン部材および融点が2500℃以上の金属からなる高融点金属部材の少なくともいずれか一方をさらに含んでいてもよい。このようにすることにより、蓋部から種結晶への輻射熱による種結晶の加熱が抑制される。その結果、逆昇華現象を抑制することができる。
上記炭化珪素単結晶の製造装置において、種結晶は、種結晶保持部から原料保持部側に突出するように吊られてもよい。このようにすることにより、種結晶上に高品質な炭化珪素単結晶を成長させることが容易となる。
上記炭化珪素単結晶の製造装置において、種結晶保持部は、外縁部の少なくとも3か所を支える少なくとも3以上の第1部分と、第1部分に接続され、第1部分を坩堝内に支持する第2部分と、を含んでいてもよい。種結晶は、外縁部と第2部分との間に隙間が設けられるように吊られてもよい。このようにすることにより、種結晶の体積変化に対する種結晶保持部による拘束をより確実に抑制することができる。
上記炭化珪素単結晶の製造装置において、種結晶保持部は、種結晶の外縁部を支える環状の第1部分と、第1部分に接続され、第1部分を坩堝内に支持する第2部分と、を含んでいてもよい。種結晶は、外縁部と第2部分との間に隙間が設けられるように吊られてもよい。このようにすることにより、種結晶の体積変化に対する種結晶保持部による拘束をより確実に抑制することができる。
上記炭化珪素単結晶の製造装置において、種結晶は、炭化珪素単結晶が成長するための成長面を含む第1領域と、第1領域の成長面とは反対側に接続され、成長面に平行な断面における断面積が第1領域よりも大きい第2領域と、を含んでいてもよい。種結晶は、成長面が原料に対向し、種結晶保持部に第2領域の外縁部の少なくとも一部が掛かるように吊られてもよい。このようにすることにより、種結晶を種結晶保持部に吊ることが容易となる。
上記炭化珪素単結晶の製造装置において、種結晶は、炭化珪素単結晶が成長するための成長面と、成長面の外周に接続される側壁面と、を含んでいてもよい。種結晶は、成長面から離れるにしたがって成長面に平行な断面における断面積が大きくなる板状または柱状の形状を有していてもよい。種結晶は、成長面が原料保持部に対向し、種結晶保持部に側壁面が掛かるように吊られてもよい。このようにすることにより、種結晶を種結晶保持部に吊ることが容易となる。
上記炭化珪素単結晶の製造装置において、種結晶は、熱膨張により形状が変化可能な状態で種結晶保持部に吊られてもよい。このようにすることにより、種結晶の歪みをより確実に低減することができる。
[本願発明の実施形態の詳細]
次に、本発明にかかる炭化珪素単結晶の製造方法および炭化珪素単結晶の製造装置の一実施の形態を、以下に図面を参照しつつ説明する。なお、以下の図面において同一または相当する部分には同一の参照番号を付しその説明は繰返さない。
(実施の形態1)
本実施の形態の炭化珪素単結晶の製造方法では、図1に示す単結晶の製造装置100を用いて炭化珪素単結晶が製造される。図1を参照して、単結晶の製造装置100は、坩堝1と、種結晶19と、断熱部材21,22,23と、放射温度計71,72と、誘導加熱コイル74とを備えている。
坩堝1は、誘導加熱により加熱可能な材料、たとえばグラファイトからなっている。坩堝1は、筒状の周壁部11と、周壁部11に接続され、周壁部11の第1の開口を閉塞する底壁部12と、周壁部11に接続され、周壁部11の第2の開口を閉塞する蓋部13と、周壁部11と蓋部13との間に配置され、種結晶19を保持する種結晶保持部14とを含む。本実施の形態において、周壁部11は、中空円筒状の形状を有している。底壁部12は、円盤状の形状を有している。周壁部11と底壁部12とは、一体に形成されている。底壁部12の内面12Aと、内面12Aに接続される周壁部11の内壁面とが、原料粉末52を保持する原料粉末保持部を構成する。
周壁部11の第2の開口を含む領域には、他の領域に比べて内径の大きい領域である段差部が形成されている。周壁部11は、段差部の内周面である段差部内周面11Aと、段差部内周面11Aに接続され、段差部の軸方向における端面である段差部端面11Cとを含む。
蓋部13および種結晶保持部14は、周壁部11に対して着脱自在となっている。蓋部13は、円盤状の形状を有している。種結晶保持部14は、平板状かつ円環状の形状を有する外周部14Aと、外周部14Aの内周に接続され、外周部14Aから外周部14Aの中心軸方向に沿って突出し、中空円筒状の形状を有する突出部14Bと、突出部14Bの外周部14Aに接続される側とは反対側の端部に接続され、突出部14Bの中心軸に近づくように突出し、平板状かつ円環状の形状を有する爪部14Cとを含む。外周部14Aの中心軸、突出部14Bの中心軸および爪部14Cの中心軸が一致するように、外周部14A、突出部14Bおよび爪部14Cは配置される。
種結晶保持部14の外径は、周壁部11の段差部における内径よりも小さく、段差部以外の領域における内径よりも大きく設定されている。種結晶保持部14の中心軸と周壁部11の中心軸αとが一致するように、周壁部11の段差部端面11C上に種結晶保持部14が配置される。種結晶保持部14の突出部14Bが、外周部14Aから底壁部12側に向けて突出するように、種結晶保持部14は配置される。
蓋部13の外径は、周壁部11の段差部における内径よりも小さく、段差部以外の領域における内径よりも大きく設定されている。蓋部13の中心軸と周壁部11の中心軸αとが一致するように、種結晶保持部14上に蓋部13が配置される。段差部内周面11A、種結晶保持部14の外周面および蓋部13の外周面には、たとえばらせん状のねじ溝が形成されていてもよい。そして、段差部内周面11Aと、種結晶保持部14の外周面および蓋部13の外周面とが螺合することにより、種結晶保持部14および蓋部13が周壁部11に対して固定可能な構造が採用されてもよい。
種結晶19は、炭化珪素単結晶からなる。種結晶19は、円盤状(または円筒状)の形状を有する大径部19Cと、円盤状(または円筒状)の形状を有し、大径部19Cに接続される小径部19Bとを含む。大径部19Cと小径部19Bとは、中心軸が一致して積み重ねられるように接続されている。大径部19Cの外径dは、種結晶保持部14の突出部14Bの内径dよりも小さく、爪部14Cの内径よりも大きく設定される。小径部19Bの外径は、爪部14Cの内径よりも小さく設定される。
種結晶19は、小径部19B側が底壁部12に面し、種結晶保持部14の中心軸および周壁部11の中心軸αにその中心軸が一致するように、種結晶保持部14上に載置される。これにより、大径部19Cの小径部19B側の端面である接触領域19Eにおいて種結晶保持部14の爪部14Cに接触するように、種結晶19が種結晶保持部14に保持される。種結晶19は、種結晶保持部14に対して接合(接着を含む)、螺合または嵌合されていない。種結晶19は、種結晶19上に炭化珪素単結晶が成長可能な温度にまで昇温される際に、接触領域19Eが種結晶保持部14の爪部14Cとは異なる膨張率にて熱膨張可能なように、種結晶保持部14に保持されている。すなわち、種結晶19は、温度変化にともなる体積変化が種結晶保持部14との接続により拘束されることなく、種結晶保持部14に保持されている。
種結晶19の小径部19Bの中心軸に沿った高さ(厚み)Tは、種結晶保持部14の爪部14Cの厚みよりも大きい。その結果、種結晶19は、種結晶保持部14から原料粉末保持部側(底壁部12側)に突出するように配置される。小径部19Bの大径部19Cとは反対側の端面である成長面19Aが、原料粉末保持部を構成する底壁部12に対向する。また、大径部19Cの中心軸に沿った高さ(厚み)Tは、種結晶保持部14の突出部14Bの中心軸に沿った高さよりも小さく設定される。その結果、種結晶19は、蓋部13との間に間隔が形成されるように、種結晶保持部14に保持される。大径部19Cの小径部19Bとは反対側の端面である裏面19Dは、蓋部13の内面13Aと間隔をおいて対向する。
種結晶19は、種結晶保持部14に外縁部の少なくとも一部が掛かるように種結晶保持部14に吊られる。より具体的には、種結晶保持部14は、種結晶19の外縁部を支える環状の第1部分としての爪部14Cと、爪部14Cに接続され、爪部14Cを坩堝1内に支持する第2部分としての外周部14Aおよび突出部14Bとを含む。種結晶19は、種結晶19の外縁部と種結晶保持部14の外周部14Aおよび突出部14Bとの間に隙間が設けられるように吊られる。種結晶19は、炭化珪素単結晶が成長するための成長面19Aを含む第1領域としての小径部19Bと、小径部19Bの成長面19Aとは反対側に接続され、成長面19Aに平行な断面における断面積が小径部19Bよりも大きい第2領域としての大径部19Cとを含む。種結晶19は、成長面19Aが原料粉末52に対向し、種結晶保持部14に第2領域の大径部19Cの一部が掛かるように吊られる。種結晶19は、熱膨張により形状が変化可能な状態で種結晶保持部14に吊られる。
断熱部材21,22,23は、たとえば成形断熱材からなっている。断熱部材21,22,23は、たとえばフェルト状の構造を有し、炭素を主成分とする繊維から構成される。断熱部材22は、円盤状の形状を有している。断熱部材22の第1の主面22Bに底壁部12の外面12Bが接触するように、坩堝1が断熱部材22上に配置される。断熱部材21は、中空円筒状の形状を有している。断熱部材21は、坩堝1の周壁部11の外面11Bを全域にわたって覆うように配置される。断熱部材23は、坩堝1の蓋部13の外面13Bを覆うように蓋部13の外面13B上に配置される。坩堝1は、断熱部材21,22,23によって取り囲まれる。
断熱部材22において中心軸αを含む領域には、断熱部材22を厚み方向に貫通する貫通孔22Aが形成されている。この貫通孔22Aを通して坩堝1の底壁部12と向かい合うように、放射温度計71が配置される。放射温度計71により、底壁部12の温度が測定され、原料粉末52の温度が把握される。断熱部材23において中心軸αを含む領域には、断熱部材23を厚み方向に貫通する貫通孔23Aが形成されている。この貫通孔23Aを通して坩堝1の蓋部13と向かい合うように、放射温度計72が配置される。放射温度計72により、蓋部13の外面13Bの温度が測定され、種結晶19の温度が把握される。
誘導加熱コイル74は、断熱部材21に覆われた坩堝1の周壁部11の外面11B側をらせん状に取り囲むように配置される。誘導加熱コイル74は、電源(図示しない)に接続される。誘導加熱コイル74に取り囲まれた領域内に、断熱部材21,22,23に覆われた坩堝1が配置される。
次に、上記単結晶の製造装置100を用いた炭化珪素単結晶の製造方法について説明する。図2を参照して、本実施の形態における炭化珪素単結晶の製造方法では、まず工程(S10)として原料粉末配置工程が実施される。この工程(S10)では、図1を参照して、坩堝1の底壁部12の内面12A上に接触するように原料粉末52が配置される。具体的には、蓋部13および種結晶保持部14を取り外した状態で、坩堝1内に炭化珪素の原料粉末52を配置する。
次に、工程(S20)として種結晶配置工程が実施される。この工程(S20)では、種結晶保持部14に種結晶19が上述のように配置される。種結晶19は、たとえば4Hの結晶構造を有する炭化珪素単結晶からなる。具体的には、たとえば周壁部11から取り外された種結晶保持部14に、上述のように種結晶19が載置される。そして、種結晶19を保持する種結晶保持部14が、周壁部11に取り付けられる。種結晶19は、中心軸αと交差する領域に配置される。このとき、種結晶19の成長面19Aは、たとえばカーボン面とされる。種結晶19の成長面19Aの直径は、たとえば100mm以上とすることができ、150mm以上としてもよい。次に、蓋部13が周壁部11に取り付けられる。上記工程(S10)〜(S20)により、坩堝1内に原料粉末52および種結晶19が配置される。
次に、工程(S30)として昇温工程が実施される。この工程(S30)では、坩堝1内に配置された原料粉末52および種結晶19が、種結晶19上に単結晶炭化珪素が成長可能な温度にまで昇温される。具体的には、たとえば原料粉末52および種結晶19が内部に配置された坩堝1を断熱部材21,22,23により覆う。さらに、断熱部材21,22,23により覆われた坩堝1を、誘導加熱コイル74に取り囲まれた領域に配置する。そして、誘導加熱コイル74に高周波電流を流すと、坩堝1が誘導加熱により加熱される。これにより、坩堝1、坩堝1内の原料粉末52および種結晶保持部14に吊られた種結晶19が加熱される。
次に、工程(S40)として昇華−再結晶化工程が実施される。この工程(S40)では、図1および図3を参照して、原料粉末52を昇華させて種結晶19上に再結晶化させることにより、種結晶19上に単結晶53を成長させる。
このとき、原料粉末52の温度が種結晶19の温度に比べて高くなるように誘導加熱が実施される。その結果、成長方向である中心軸αに沿って種結晶19側が低く、原料粉末52側が高い温度勾配が形成される。種結晶19および原料粉末52の温度は、たとえば2000℃以上2400℃以下とすることができる。また、坩堝1内の圧力は、たとえば1Torr以上30Torr以下(1Torrは、約0.133kPa)とすることができる。
これにより、炭化珪素の粉末である原料粉末52が昇華し、気体状態の炭化珪素である原料気体が生成する。この原料気体は、種結晶19上に供給される。その結果、図3に示すように、種結晶19上で原料気体が再結晶化し、種結晶19上に4Hの結晶構造を有する炭化珪素の単結晶53が成長する。この状態が維持されることにより、単結晶53は中心軸αに沿った方向に成長する。そして、予め設定された加熱時間が経過することにより加熱が終了し、工程(S40)が完了する。
次に、工程(S50)として単結晶採取工程が実施される。この工程(S50)では、工程(S40)において坩堝1内に成長した単結晶が、坩堝1から取り出される。具体的には、工程(S40)における加熱終了後、誘導加熱コイル74に取り囲まれた領域から坩堝1が取り出される。その後、坩堝1の蓋部13および種結晶保持部14が取り外される。そして、種結晶保持部14から単結晶53が採取される。具体的には、種結晶19上に成長した単結晶53が切断されて採取される。種結晶19は、その後に実施される炭化珪素単結晶の製造に再利用することができる。以上の工程により、本実施の形態における炭化珪素単結晶の製造方法は完了する。採取された単結晶53は、たとえばスライスされて基板に加工され、半導体装置の製造などに使用される。
本実施の形態の炭化珪素単結晶の製造方法では、工程(S20)において、種結晶19が種結晶保持部14に吊られることにより、種結晶19の接触領域19Eが工程(S30)において種結晶保持部14とは異なる膨張率にて熱膨張可能なように、種結晶19が種結晶保持部14に保持される。そのため、工程(S30)において種結晶19の体積変化量と種結晶保持部14の体積変化量との間に差が生じた場合でも、種結晶19の接触領域19Eは種結晶保持部14の膨張率に関係なく本来の膨張率にて熱膨張する。その結果、種結晶19を構成する炭化珪素と種結晶保持部14を構成する材料(たとえばグラファイト)との線膨張係数の差に起因する種結晶19の歪みが抑制される。このように、本実施の形態における炭化珪素単結晶の製造装置100を用いた炭化珪素単結晶の製造方法によれば、種結晶19を構成する炭化珪素と種結晶保持部14を構成する材料との線膨張係数の差に起因する種結晶19の歪みを抑制し、結晶性に優れた単結晶53を得ることができる。
上記実施の形態において、種結晶19の裏面19Dと蓋部13の内面13Aとの間隔は1mm以上とすることが好ましく、5mm以上とすることがより好ましい。このようにすることにより、種結晶19の温度が蓋部13の温度よりも大幅に高くなることを抑制することができる。その結果、逆昇華現象をより確実に抑制することができる。
また、上記実施の形態において、種結晶19の裏面19Dの表面粗さは、Raで0.2μm以下とすることが好ましい。このようにすることにより、種結晶19の裏面19Dにおける光の反射率が上昇し、蓋部13から種結晶19への輻射熱による種結晶19の加熱が抑制される。その結果、逆昇華現象を抑制することができる。
工程(S40)における蓋部13の内面13Aの温度をT、種結晶19の裏面19Dの温度をTとした場合、逆昇華現象を有効に抑制するためには、T−Tの値は−5℃以上とすることが好ましい。また、坩堝1内の温度のバランスを維持する観点から、T−Tの値は100℃以下とすることが好ましい。
また、本実施の形態における種結晶保持部14の突出部14Bには、径方向に貫通する貫通孔14Dが形成されている。この貫通孔14Dの形成は、本発明において必須の構成ではないが、これを形成することにより、原料気体が種結晶19の裏面19Dと蓋部13の内面13Aとの間の空間に侵入する。その結果、逆昇華現象を抑制することができる。貫通孔14Dは、1つであってもよいし、複数形成されてもよい。貫通孔14Dの軸方向に垂直な断面積(複数の貫通孔14Dが形成される場合は、それらの断面積の合計)は、1cm以上とすることが好ましい。
種結晶19の大径部19Cの中心軸に沿った高さ(厚み)Tは、たとえば0.5mm以上とすることができる。また、種結晶19の小径部19Bの中心軸に沿った高さ(厚み)Tは、たとえば0.5mm以上とすることができる。また、種結晶19の中心軸に沿った高さ(厚み)をT(=T+T)(mm)、種結晶19の大径部19Cの直径をA(mm)とした場合、(A/25)−2の値はT以下であり、Aは75mmを超えるものとすることができる。
種結晶保持部14の爪部14Cの中心軸に沿った厚みは、Tの3/4以下とすることが好ましく、Tの1/2以下とすることがより好ましい。また、A/200の値をCとした場合、大径部19Cの直径は、小径部の直径とCとの和よりも大きいことが好ましい。また、突出部14Bの内径は、CとAとの和よりも大きいことが好ましい。また、爪部14Cの内径は、小径部19Bの直径よりも0.5mmを超えて大きいことが好ましく、1mmを超えて大きいことが好ましい。このようにすることにより、工程(S30)および(S40)における種結晶保持部14と種結晶19との干渉を抑制し、種結晶19に歪みが生じることを抑制することができる。その結果、欠陥の少ない単結晶53を得ることができる。また、種結晶保持部14の外周部14Aおよび突出部14Bの厚みT(mm)は、A/2000よりも大きいことが好ましい。
(実施の形態2)
次に、本願の炭化珪素単結晶の製造方法および炭化珪素単結晶の製造装置の他の実施の形態である実施の形態2について説明する。図4を参照して、実施の形態2の炭化珪素単結晶の製造方法は、基本的には実施の形態1の場合と同様の構造を有する炭化珪素単結晶の製造装置100を用いて同様に実施され、同様の効果を奏する。しかし、実施の形態2は、蓋部13と種結晶19との間に、工程(S40)において蓋部13から種結晶19への輻射熱を抑制するカーボン部材16が配置される点において、実施の形態1とは異なっている。カーボン部材16としては、たとえばカーボンシート、カーボンフェルトなどを採用することができる。カーボン部材16に代えて、またはカーボン部材16ともに、融点が2500℃以上の金属からなる高融点金属部材16が配置されてもよい。このようにすることにより、蓋部13から種結晶19への輻射熱による種結晶19の加熱が抑制される。その結果、逆昇華現象を抑制することができる。
(実施の形態3)
次に、本願の炭化珪素単結晶の製造方法および炭化珪素単結晶の製造装置のさらに他の実施の形態である実施の形態3について説明する。図5を参照して、実施の形態3の炭化珪素単結晶の製造方法は、基本的には実施の形態1の場合と同様の構造を有する炭化珪素単結晶の製造装置100を用いて同様に実施され、同様の効果を奏する。しかし、実施の形態3は、円錐台形状の種結晶19が採用される点において、実施の形態1とは異なっている。
具体的には、図5を参照して、実施の形態3における種結晶19は、正円錐台形状を有している。そして、種結晶19は、面積が小さい側の底面である成長面19Aが底壁部12側に向くように種結晶保持部14上に載置される。種結晶保持部14の爪部14Cの内周面は、種結晶19の側面に対応する円錐面形状を有している。種結晶19は、側壁面である接触領域19Eにおいて爪部14Cの内周面に接触することにより、種結晶保持部14に保持される。接触領域19Eと爪部14Cの内周面とは面接触している。種結晶19は、炭化珪素単結晶が成長するための成長面19Aと、成長面19Aの外周に接続される側壁面としての接触領域19Eとを含む。種結晶19は、成長面19Aから離れるにしたがって成長面19Aに平行な断面における断面積が大きくなる板状または柱状の形状を有する。種結晶19は、成長面19Aが原料保持部に保持される原料粉末52に対向し、種結晶保持部14に接触領域19Eが掛かるように吊られる。このような構成を採用した場合でも、実施の形態1の場合と同様に、欠陥の低減された炭化珪素の単結晶53を得ることができる。
(実施の形態4)
次に、本願の炭化珪素単結晶の製造方法および炭化珪素単結晶の製造装置のさらに他の実施の形態である実施の形態4について説明する。図6を参照して、実施の形態4の炭化珪素単結晶の製造方法は、基本的には実施の形態1の場合と同様の構造を有する炭化珪素単結晶の製造装置100を用いて同様に実施され、同様の効果を奏する。しかし、実施の形態4は、直径が異なり、互いに平行に配置された円形の一対の底面が、球面状の側面によって接続された形状を有する種結晶19が採用される点において、実施の形態1とは異なっている。
具体的には、図6を参照して、実施の形態4における種結晶19は、面積が小さい側の底面である成長面19Aが底壁部12側に向くように種結晶保持部14上に載置される。種結晶保持部14の爪部14Cの内周面は、円筒面形状を有している。種結晶19は、側面である接触領域19Eにおいて爪部14Cの内周面に接触することにより、種結晶保持部14に保持される。接触領域19Eと爪部14Cの内周面とは線接触している。種結晶19は、炭化珪素単結晶が成長するための成長面19Aと、成長面19Aの外周に接続される側壁面としての接触領域19Eとを含む。種結晶19は、成長面19Aから離れるにしたがって成長面19Aに平行な断面における断面積が大きくなる板状または柱状の形状を有する。種結晶19は、成長面19Aが原料保持部に保持される原料粉末52に対向し、種結晶保持部14に接触領域19Eが掛かるように吊られる。このような構成を採用した場合でも、実施の形態1の場合と同様に、欠陥の低減された炭化珪素の単結晶53を得ることができる。
上記実施の形態3においては、種結晶19の側面(接触領域19E)のテーパ角(中心軸αとのなす角)が一定の場合について説明した。また、上記実施の形態4においては、種結晶19の側面のテーパ角が連続的に変化する場合について説明した。種結晶19の形状はこれらに限られず、接触領域19Eが工程(S30)において種結晶保持部14とは異なる熱膨張率で膨張可能なように種結晶19が種結晶保持部14によって保持可能な形状であればよい。種結晶19の側面のテーパ角は、複数段階(たとえば二段階)で変化していてもよい。
(実施の形態5)
次に、本願の炭化珪素単結晶の製造方法および炭化珪素単結晶の製造装置のさらに他の実施の形態である実施の形態5について説明する。図7および図8を参照して、実施の形態5の炭化珪素単結晶の製造方法は、基本的には実施の形態1の場合と同様の構造を有する炭化珪素単結晶の製造装置100を用いて同様に実施され、同様の効果を奏する。しかし、実施の形態5は、単結晶保持部14の構造において、実施の形態1とは異なっている。
具体的には、図7および図8を参照して、実施の形態5における種結晶保持部14は、種結晶19の外縁部の3か所を支える3つの第1部分としての爪部14Cと、爪部14Cに接続され、爪部14Cを坩堝1内に支持する第2部分としての突出部14Bおよび外周部14Aとを含む。図8に示すように平面的に見て、爪部14Cは、種結晶19の外周を三等分する位置に配置されている。突出部14Bは爪部14Cに接続される棒状の形状を有し、各爪部14Cに対応して3つ配置される。外周部14Aは、実施の形態1の場合と同様に円環状の形状を有し、突出部14Bに接続される。種結晶19の外縁部と第2部分としての突出部14Bおよび外周部14Aとの間に隙間が設けられるように種結晶14が吊られる。このような構成を採用した場合でも、実施の形態1の場合と同様に、欠陥の低減された炭化珪素の単結晶53を得ることができる。本実施の形態において、3つの爪部14Cが種結晶19の外縁部の3か所を支える場合を説明したが、種結晶19の支持形態はこれに限られず、外縁部の複数個所(たとえば4以上の箇所)が複数の爪部14C(たとえば4以上の爪部14C)によって支持されてもよい。
上記実施の形態においては、坩堝1が誘導加熱により加熱される場合について説明したが、加熱方法は誘導加熱に限られるものではない。坩堝1は、たとえば抵抗加熱により加熱されてもよい。抵抗加熱は、たとえばカーボンヒータを用いて実施することができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって、どのような面からも制限的なものではないと理解されるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく、特許請求の範囲によって規定され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本願の炭化珪素単結晶の製造方法および炭化珪素単結晶の製造装置は、欠陥の低減が求められる炭化珪素単結晶の製造方法および炭化珪素単結晶の製造装置に、特に有利に適用され得る。
1 坩堝
11 周壁部
11A 段差部内周面
11B 外面
11C 段差部端面
12 底壁部
12A 内面
12B 外面
13 蓋部
13A 内面
13B 外面
14 種結晶保持部
14A 外周部
14B 突出部
14C 爪部
14D 貫通孔
16 カーボン部材(高融点金属部材)
19 種結晶
19A 成長面
19B 小径部
19C 大径部
19D 裏面
19E 接触領域
21,22,23 断熱部材
22A 貫通孔
22B 主面
23A 貫通孔
52 原料粉末
53 単結晶
71,72 放射温度計
74 誘導加熱コイル
100 単結晶の製造装置

Claims (22)

  1. 昇華法により炭化珪素からなる種結晶上に炭化珪素単結晶を成長させる炭化珪素単結晶の製造方法であって、
    蓋部と種結晶保持部とを有する坩堝内に炭化珪素からなる原料を配置する工程と、
    前記種結晶保持部に前記種結晶の外縁部の少なくとも一部が掛かるように前記種結晶を前記種結晶保持部に吊る工程と、
    前記坩堝、前記坩堝内の前記原料および前記種結晶保持部に吊られた前記種結晶を加熱する工程と、を備える、炭化珪素単結晶の製造方法。
  2. 前記種結晶を前記種結晶保持部に吊る工程では、前記蓋部との間に間隔が形成されるように前記種結晶が吊られる、請求項1に記載の炭化珪素単結晶の製造方法。
  3. 前記坩堝、前記坩堝内の前記原料および前記種結晶保持部に吊られた前記種結晶を加熱する工程における前記種結晶と前記蓋部との間隔は1mm以上である、請求項2に記載の炭化珪素単結晶の製造方法。
  4. 前記種結晶の、前記蓋部に対向する面の表面粗さは、Raで0.2μm以下である、請求項2または3に記載の炭化珪素単結晶の製造方法。
  5. 前記蓋部と前記種結晶との間には、前記坩堝、前記坩堝内の前記原料および前記種結晶保持部に吊られた前記種結晶を加熱する工程において前記蓋部から前記種結晶への輻射熱を抑制するカーボン部材および融点が2500℃以上の金属からなる高融点金属部材の少なくともいずれか一方が配置される、請求項2〜4のいずれか1項に記載の炭化珪素単結晶の製造方法。
  6. 前記種結晶を前記種結晶保持部に吊る工程では、前記種結晶が、前記種結晶保持部から前記原料側に突出するように前記種結晶が吊られる、請求項1〜5のいずれか1項に記載の炭化珪素単結晶の製造方法。
  7. 前記種結晶保持部は、前記外縁部の少なくとも3か所を支える少なくとも3以上の第1部分と、前記第1部分に接続され、前記第1部分を前記坩堝内に支持する第2部分とを含み、
    前記種結晶を前記種結晶保持部に吊る工程では、前記外縁部と前記第2部分との間に隙間が設けられるように前記種結晶が吊られる、請求項1〜6のいずれか1項に記載の炭化珪素単結晶の製造方法。
  8. 前記種結晶保持部は、前記種結晶の前記外縁部を支える環状の第1部分と、前記第1部分に接続され、前記第1部分を前記坩堝内に支持する第2部分とを含み、
    前記種結晶を前記種結晶保持部に吊る工程では、前記外縁部と前記第2部分との間に隙間が設けられるように前記種結晶が吊られる、請求項1〜6のいずれか1項に記載の炭化珪素単結晶の製造方法。
  9. 前記種結晶は、炭化珪素単結晶が成長するための成長面を含む第1領域と、前記第1領域の前記成長面とは反対側に接続され、前記成長面に平行な断面における断面積が前記第1領域よりも大きい第2領域とを含み、
    前記種結晶を前記種結晶保持部に吊る工程では、前記成長面が前記原料に対向し、前記種結晶保持部に前記第2領域の外縁部の少なくとも一部が掛かるように前記種結晶が吊られる、請求項1〜8のいずれか1項に記載の炭化珪素単結晶の製造方法。
  10. 前記種結晶は、炭化珪素単結晶が成長するための成長面と、前記成長面の外周に接続される側壁面とを含み、前記成長面から離れるにしたがって前記成長面に平行な断面における断面積が大きくなる板状または柱状の形状を有し、
    前記種結晶を前記種結晶保持部に吊る工程では、前記成長面が前記原料に対向し、前記種結晶保持部に前記側壁面が掛かるように前記種結晶が吊られる、請求項1〜8のいずれか1項に記載の炭化珪素単結晶の製造方法。
  11. 前記坩堝、前記坩堝内の前記原料および前記種結晶保持部に吊られた前記種結晶を加熱する工程では、前記種結晶の形状が熱膨張により変化する、請求項1〜10のいずれか1項に記載の炭化珪素単結晶の製造方法。
  12. 昇華法により炭化珪素からなる種結晶上に炭化珪素単結晶を成長させる炭化珪素単結晶の製造装置であって、
    前記種結晶と、
    蓋部と、前記種結晶を保持する種結晶保持部と、炭化珪素からなる原料を保持する原料保持部とを含む坩堝と、を備え、
    前記種結晶は、前記種結晶保持部に外縁部の少なくとも一部が掛かるように前記種結晶保持部に吊られる、炭化珪素単結晶の製造装置。
  13. 前記種結晶は、前記蓋部との間に間隔が形成されるように吊られる、請求項12に記載の炭化珪素単結晶の製造装置。
  14. 前記種結晶と前記蓋部との間隔は1mm以上である、請求項13に記載の炭化珪素単結晶の製造装置。
  15. 前記種結晶の、前記蓋部に対向する面の表面粗さは、Raで0.2μm以下である、請求項13または14に記載の炭化珪素単結晶の製造装置。
  16. 前記坩堝は、前記蓋部と前記種結晶との間に配置され、前記蓋部から前記種結晶への輻射熱を抑制するカーボン部材および融点が2500℃以上の金属からなる高融点金属部材の少なくともいずれか一方をさらに含む、請求項13〜15のいずれか1項に記載の炭化珪素単結晶の製造装置。
  17. 前記種結晶は、前記種結晶保持部から前記原料保持部側に突出するように吊られる、請求項12〜16のいずれか1項に記載の炭化珪素単結晶の製造装置。
  18. 前記種結晶保持部は、
    前記外縁部の少なくとも3か所を支える少なくとも3以上の第1部分と、
    前記第1部分に接続され、前記第1部分を前記坩堝内に支持する第2部分と、を含み、
    前記種結晶は、前記外縁部と前記第2部分との間に隙間が設けられるように吊られる、請求項12〜17のいずれか1項に記載の炭化珪素単結晶の製造装置。
  19. 前記種結晶保持部は、
    前記種結晶の前記外縁部を支える環状の第1部分と、
    前記第1部分に接続され、前記第1部分を前記坩堝内に支持する第2部分と、を含み、
    前記種結晶は、前記外縁部と前記第2部分との間に隙間が設けられるように吊られる、請求項12〜17のいずれか1項に記載の炭化珪素単結晶の製造装置。
  20. 前記種結晶は、
    炭化珪素単結晶が成長するための成長面を含む第1領域と、
    前記第1領域の前記成長面とは反対側に接続され、前記成長面に平行な断面における断面積が前記第1領域よりも大きい第2領域と、を含み、
    前記種結晶は、前記成長面が前記原料に対向し、前記種結晶保持部に前記第2領域の外縁部の少なくとも一部が掛かるように吊られる、請求項12〜19のいずれか1項に記載の炭化珪素単結晶の製造装置。
  21. 前記種結晶は、
    炭化珪素単結晶が成長するための成長面と、
    前記成長面の外周に接続される側壁面と、を含み、
    前記成長面から離れるにしたがって前記成長面に平行な断面における断面積が大きくなる板状または柱状の形状を有し、
    前記種結晶は、前記成長面が前記原料保持部に対向し、前記種結晶保持部に前記側壁面が掛かるように吊られる、請求項12〜19のいずれか1項に記載の炭化珪素単結晶の製造装置。
  22. 前記種結晶は、熱膨張により形状が変化可能な状態で前記種結晶保持部に吊られる、請求項12〜21のいずれか1項に記載の炭化珪素単結晶の製造装置。
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