JP2017154375A - 厚肉成形品の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】十分な機械的特性及び良好な外観を有する成形品が得られるとともに、低コストで製造することができる厚肉成形品の製造方法を提供する。【解決手段】溶融した所定種類の合成樹脂Pを金型10内に射出する射出成形により、所定寸法以上の厚さTを有する成形品1を製造する厚肉成形品の製造方法であって、所定寸法未満の幅W1を有するとともに、成形品1の外周に対応するフレーム状に形成される外層4を、射出成形によって成形する外層成形工程と、所定寸法未満の幅W2を有するとともに、外層4の内周に沿うフレーム状に形成され、外層4の内周面に積層される中間層5を、射出成形によって成形する中間層成形工程と、所定寸法未満の幅W3を有するとともに、中間層5の内周に沿うフレーム状に形成され、中間層5の内周面に積層される内層6を、射出成形によって成形する内層成形工程と、を備えている。【選択図】図1

Description

本発明は、種々の工業製品などに部品として用いられ、所定寸法以上の厚さを有する合成樹脂製の成形品を、射出成形によって製造する厚肉成形品の製造方法に関する。
近年、種々の産業分野において、製品の軽量化や低コスト化を図るために、製品の各種の部品に合成樹脂製の成形品が用いられている。また、そのような成形品として、比較的厚い寸法(例えば10mm以上)を有する厚肉成形品の需要が増大している。このような厚肉成形品の製造方法として、その厚肉成形品と同一のキャビティを有する金型内に、溶融した合成樹脂を射出する射出成形が用いられている。
また、厚肉成形品を1回の射出成形によって製造する場合には、金型内のゲートを比較的大きく形成し、射出圧力、射出温度、保圧力、金型温度、樹脂温度などが検討されるものの、製造された厚肉成形品では、成形残留歪み、気泡、ヒケ、焼け又はシルバーが発生するなど、物性上及び外観上の問題が生じやすい。特に、樹脂材料として透明なものを採用する場合には、気泡、フローマーク、ヒケ又は黄変などの発生による外観上の問題が大きい。
また、厚肉成形品における上記のような外観上の問題を改善する成形方法として、同一種類の樹脂材料によるインサート成形が検討されるものの、インサートされた部材と、その周囲に充填されることで成形された成形部分との間に、収縮差による段差が生じやすいという問題がある。また、1層目の成形後に金型をスライドさせて2層目を成形するダイスライドインジェクション成形が検討されるものの、このダイスライドインジェクションでは、製造コストが非常に高くなり、成形品が少量生産される場合にはあまり適していない。
さらに、厚肉成形品を製造する他の成形方法として、例えば特許文献1などに記載されたフローモールディング法による射出成形が知られている。この特許文献1に記載された射出成形では、溶融樹脂を金型のキャビティに射出して充填する際に、溶融樹脂の先端が通過する金型のキャビティの断面積に応じて、射出装置のスクリューの回転数を制御する。具体的には、溶融樹脂の先端が、断面積の小さい部位を通過する際には、スクリューの回転数を低くする一方、断面積の大きい部位を通過する際には、スクリューの回転数を高くする。これにより、金型のキャビティに対する溶融樹脂の充填速度がほぼ一定なるようにすることで、成形品におけるフローマークなどの発生を抑制している。
特開平6−210685号公報
しかし、上述した特許文献1の射出成形では、形状が複雑な製品を成形する場合、金型のキャビティが複雑になるとともに、射出装置のスクリューの回転制御も複雑になり、成形品の製造コストが高くなってしまう。また、成形品に成形残留歪が生じることがあり、その場合には、引張りや強度などの機械的特性を十分に得られず、成形品の使用時に割れが発生することもある。
本発明は、以上のような課題を解決するためになされたものであり、十分な機械的特性及び良好な外観を有する成形品が得られるとともに、低コストで製造することができる厚肉成形品の製造方法を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、請求項1に係る発明は、溶融した所定種類の合成樹脂を金型内に射出する射出成形により、所定寸法以上の厚さを有する成形品を製造する厚肉成形品の製造方法であって、所定寸法未満の幅を有するとともに、製造すべき成形品の外周に対応するフレーム状に形成される外層を、射出成形によって成形する外層成形工程と、所定寸法未満の幅を有するとともに、外層の内周に沿うフレーム状に形成され、外層の内周面に積層される中間層を、射出成形によって成形する中間層成形工程と、所定寸法未満の幅を有するとともに、中間層の内周に沿うフレーム状に形成され、中間層の内周面に積層される内層を、射出成形によって成形する内層成形工程と、を備えていることを特徴とする。
この構成によれば、次のようにして、所定寸法以上の厚さを有する成形品である厚肉成形品を製造する。まず、外層成形工程において、溶融した所定種類の合成樹脂を、金型内に射出することにより、所定寸法未満の幅を有し、製造すべき成形品の外周に対応するフレーム状の外層を成形する。次いで、中間層成形工程において、外層成形工程と同様の射出成形により、所定寸法未満の幅を有し、外層の内周に沿うフレーム状で、外層の内周面に積層される中間層を成形する。そして、内層成形工程において、外層成形工程と同様の射出成形により、所定寸法未満の幅を有し、中間層の内周に沿うフレーム状で、中間層の内周面に積層される内層を成形する。
以上のように、外層、中間層及び内層を、製造すべき成形品の厚さよりも小さくかつ前記所定寸法未満の幅で、その幅方向に互いに積層する同心円のようなフレーム状に順に成形することによって、所定寸法以上の厚さを有する良好な厚肉成形品が得られる。すなわち、得られた厚肉成形品は、1回の射出成形によって製造される厚肉成形品に比べて、十分な機械的特性及び良好な外観を有し、加えて、従来の製造方法に比べて、低コストで製造することができる。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の厚肉成形品の製造方法において、中間層成形工程は、各々が所定寸法未満の幅を有するとともに、外層と内層の間に複数の中間層を成形することを特徴とする。
この構成によれば、中間層成形工程において、複数の中間層を成形するので、外層及び内層、並びに複数の中間層を有し、4つ以上のフレーム状の層が、各層の幅方向に積層した厚肉成形品を得ることができる。
請求項3に係る発明は、請求項1又は2に記載の厚肉成形品の製造方法において、外層、中間層及び内層を成形する際に金型内にそれぞれ設置され、互いに外形が異なる複数の入れ子が準備されており、金型は、外層及び中間層の成形後に、それぞれの成形時に設置された入れ子を金型から取り外すとともに、内層の成形後に、外層、中間層及び内層を有する成形品を金型から取り外すためのエジェクタと、このエジェクタによる成形品の取外し前に、内層の成形時に設置された入れ子を金型内に不動にロックするロック機構と、を備えていることを特徴とする。
この構成によれば、外層、中間層及び内層を成形する際に、それぞれに対応する入れ子を金型内に設置する。また、外層及び中間層の成形後には、エジェクタにより、それぞれの成形時に設置された入れ子を金型から取り外す。さらに、内層の成形後には、エジェクタによる成形品の取外し前に、ロック機構によって、内層の成形時に設置された入れ子を金型内に不動にロックする。これにより、外層、中間層及び内層を有する成形品をエジェクタによって金型から取り出す際に、入れ子を金型内に残留させた状態で、成形品のみを、金型から容易に取り出すことができる。
請求項4に係る発明は、溶融した所定種類の合成樹脂を金型内に射出する射出成形により、所定寸法以上の厚さを有する成形品を製造する厚肉成形品の製造方法であって、所定寸法未満の幅を有するとともに、製造すべき成形品の外周に対応するフレーム状に形成される外層を、射出成形によって成形する外層成形工程と、所定寸法未満の幅を有するとともに、外層の内周に沿うフレーム状に形成され、外層の内周面に積層される内層を、射出成形によって成形する内層成形工程と、を備えていることを特徴とする。
この構成によれば、まず、外層成形工程において、溶融した所定種類の合成樹脂を、金型内に射出することにより、所定寸法未満の幅を有し、製造すべき成形品の外周に対応するフレーム状の外層を成形する。そして、内層成形工程において、外層成形工程と同様の射出成形により、所定寸法未満の幅を有し、外層の内周に沿うフレーム状で、外層の内周面に積層される内層を成形する。以上のように、外層及び内層を、製造すべき成形品の厚さ未満の幅で、その幅方向に互いに積層する同心円のようなフレーム状に順に成形することによって、所定寸法以上の厚さを有する良好な厚肉成形品が得られる。この厚肉成形品も、1回の射出成形によって製造される厚肉成形品に比べて、十分な機械的特性及び良好な外観を有するとともに、従来の製造方法に比べて、低コストで製造することができる。
本発明の一実施形態による製造方法によって製造された厚肉成形品を示す図であり、(a)は斜視図、(b)は縦断面図である。 図1の厚肉成形品を製造するための射出成形機における金型を示す図であり、(a)は型締め状態、(b)は型開き状態を示す。 図2の金型を示す正面図であり、(a)は型締め状態、(b)は型開き状態を示す。 図1の厚肉成形品の製造手順を順に説明するための説明図であり、外層成形工程を順に示す。 図4に続く説明図である。 図5に続く説明図であり、中間層成形工程を順に示す。 図6に続く説明図である。 図7に続く説明図であり、内層成形工程を順に示す。 図8に続く説明図である。 (a)は金型から取り出した直後の成形品の断面図であり、(b)は(a)の成形品から不要部分を切除し、完成した厚肉成形品の断面図である。 各種の入れ子を示す図であり、(a)は外層成形用、(b)は中間層成形用、(c)は内層成形用である。
以下、図面を参照しながら、本発明の好ましい実施形態を詳細に説明する。図1は、本発明の一実施形態による製造方法によって製造され、例えば自動車などの部品として用いられる厚肉成形品を示している。この厚肉成形品1は、溶融した所定の合成樹脂を金型内に射出する射出成形によって製造されるものであり、所定寸法(例えば10mm)以上の比較的厚い厚さTを有する円盤状(例えば、直径:135mm、厚さ:30mm)に形成されている。また、この厚肉成形品1の外周面には、周方向に沿って延び、互いに深さが異なる2段の凹部2が形成されている。さらに、厚肉成形品1の中心部には、互いに径が異なる2段の貫通孔3が形成されている。
また、この厚肉成形品1は、外層4、中間層5及び内層6の3つの層により、互いに径方向(幅方向)に積層された状態で構成されている。具体的には、外層4は、厚肉成形品1の厚さTよりも小さくかつ前記所定寸法未満の幅W1を有し、厚肉成形品1の外周に対応するフレーム状に形成されている。また、中間層5は、外層4と同様、上記厚さTよりも小さくかつ前記所定寸法未満の幅W2を有し、外層4の内周に沿うフレーム状に形成され、その内周面に積層されている。さらに、内層6は、外層4及び中間層5と同様、上記厚さTよりも小さくかつ前記所定寸法未満の幅W3を有し、中間層5の内周に沿うフレーム状に形成され、その内周面に積層されている。
このように構成された厚肉成形品1では、外層4、中間層5及び内層6が同一種類の合成樹脂で構成され、その合成樹脂として、多種のものを採用することが可能である。具体的には、例えば、PE(ポリエチレン)、PP(ポリプロピレン)、ABS(アクリロニトリルブタジエンスチレン共重合体)、AES(アクリロニトリルエチレンプロピレンゴムスチレン共重合体)、及びAAS(アクリロニトリルアクリルゴムスチレン共重合体)などの汎用プラスチック、変性PPE(変性ポリフェニレンエーテル)、PA(ポリアミド)、PC(ポリカーボネート)、POM(ポリアセタール)、PBT(ポリブチレンテレフタレート)、PET(ポリエチレンテレフタレート)、およびPAI(ポリアミドイミド)などのエンジニアリングプラスチック、並びにPEI(ポリエーテルイミド)、LCP(液晶ポリマー)、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)、PSU(ポリサルフォン)、及びPES(ポリエーテルサルフォン)などのスーパーエンジニアリングプラスチックなどを採用することが可能である。
また、上記の合成樹脂に、ガラス繊維や炭素繊維などの補強材を添加したり、熱伝導性や電導性を有する材料、タルク、又は炭酸カルシウムなどの種々の添加材を添加したりすることも可能である。
次に、図2〜図10を参照しながら、厚肉成形品1の製造方法について説明する。図2及び図3は、厚肉成形品1を製造するための射出成形機における金型を示しており、両図(a)は型締め状態、両図(b)は型開き状態を示している。図2に示すように、この金型10は、射出装置のシリンダ9側(図2の右側)から順に、第1型板11、第2型板12及び第3型板13の3つの型板を備えており、内部に入れ子14が設置されるようになっている。
第1型板11は、射出装置のシリンダ9に接続され、その接続口から金型10の内方(図2の左方)に向かって延びるスプール11aが形成されている。
第2型板12は、図2(b)に示すように、厚肉成形品1の外周面に対して相補形状を有する、貫通した所定形状のキャビティ12aを備えている。図3に示すように、第2型板12は、左右対称の左型板12A及び右型板12Bにより、左右に2分割されている。これらの左型板12A及び右型板12Bは、第3型板13の前面に密着した状態で、互いに接近する方向及び離隔する方向にスライド自在に構成されている。
第3型板13は、中央部に、入れ子14を保持するための凹部13aを有するとともに、その凹部13aの中心部から第2型板12側(図2の右側)に突出し、所定の径及び長さを有する心合わせ用のピン13bが設けられている。また、第3型板13には、凹部13aの外側で、上下左右に4つのガイド孔13cが貫通した状態で形成されており、これらのガイド孔13cに、後述するエジェクタ15のエジェクタピン15bが摺動自在に挿入されている。
上記のエジェクタ15は、金型10から、入れ子14や成形品を取り出すためのものであり、板状のエジェクタプレート15aと、このエジェクタプレート15の第3型板13側の面に立設された4つのエジェクタピン15bとで構成されている。これらのエジェクタピン15bは、各々が同一の所定長さを有していて、前述したように、第3型板13に形成された4つのガイド孔13cにそれぞれ挿入されている。
また、第3型板13には、後述する内層用の入れ子14Cを、金型10内に不動にロックするためのロック機構16が設けられている(図2(b)及び図3参照)。このロック機構16は、エアシリンダ16aと、これによって上下方向にスライドするように駆動されるロックピン16bなどで構成されている。このロックピン16bは、エアシリンダ16aで駆動されることにより、第3型板13の凹部13aに対し、下方から出没するようになっている。
さらに、金型10では、互いに外形が異なる3種類の入れ子14が用意されている。図11は、これら3種類の入れ子14を示しており、同図(a)〜(c)の入れ子14A、14B及び14Cはそれぞれ、外層4、中間層5及び内層6を射出成形する際に使用されるものである。
具体的には、各入れ子14は、第3型板13の前記凹部13aに嵌合する嵌合凸部21と、この嵌合凸部21よりも径が大きくかつ第2型板12のキャビティ12a内に収容される本体部22とにより、側面形状がほぼ凸字状に形成されている。各入れ子14の中心部には、第3型板13の前記ピン13bが挿通される挿入孔23が形成されている。
これらの3種類の入れ子14A、14B及び14Cのうち、外層用入れ子14Aの本体部22Aの径が最も大きく、内層用入れ子14Cの本体部22Cの径が最も小さく形成されている。また、外層用及び中間層用入れ子14A及び14Bには、第1型板11のスプール11aを介して流入する溶融樹脂を、第2型板12のキャビティ12a内に案内するランナー24及びゲート25が設けられている。
また、内層用入れ子14Cの嵌合凸部21には、その周方向の全体にわたって凹状に形成され、前述したロック機構16のロックピン16が係脱する係合凹部21aが形成されている。さらに、内層用入れ子14Cには、上述した外層用及び中間層用入れ子14A及び14Bと異なり、ランナー及びゲートが直接、形成されていないが、後述するように、内層6を成形する際に、第1型板11との間に、スプール11aを介して流入する溶融樹脂を、径方向全体に広がるように案内するディスクゲート24a(図8参照)が形成される。
図4〜図10は、厚肉成形品1の製造手順を順に示しており、図4及び図5は、外層4の成形手順(外層成形工程)を示している。外層4を成形する場合、まず、図4(a)に示すように、金型10内に外層用入れ子14Aを設置し、型締めする。これにより、第2型板12のキャビティ12aにおいて、その内周面と、外層用入れ子14Aの本体部22Aの外周面との間に、外層用キャビティ12bが画成される。次いで、同図(b)に示すように、金型10内に、射出装置のシリンダ9から、溶融した合成樹脂Pを射出する。これにより、上記シリンダ9から射出された合成樹脂Pが、スプール11a、ランナー24及びゲート25を順に通って、外層用キャビティ12bに充填される。なお、以下の説明では、上記のスプール11a、ランナー24及びゲート25をまとめていう場合には適宜、「樹脂流路30」というものとする。
上記の射出完了後、シリンダ9側から所定の保圧をかけながら、外層用キャビティ12b及び樹脂流路30の合成樹脂Pを、所定時間冷却する。これにより、図5(a)に示すように、外層用キャビティ12b及び樹脂流路30の合成樹脂Pが固化し、外層用キャビティ12bにおいて前述した外層4が成形されるとともに、樹脂流路30において、それと同一の形状を有する流路成形部31が成形される。
次いで、金型10を型開きして、外層用入れ子14Aを取り出す。具体的には、第2型板12の前述した左型板12A及び右型板12Bを互いに密着した状態のまま(図3(a)参照)、第1型板11を第2型板12から離隔する。そして、図5(b)に示すように、エジェクタ15を押し込むことで、エジェクタピン15bを介して、外層用入れ子14Aを、流路成形部31とともに外部に押し出す。この場合、外層4は、第2型板12のキャビティ12aに残留する。
図6及び図7は、中間層5の成形手順(中間層成形工程)を示している。中間層5を成形する場合、まず、図6(a)に示すように、金型10内に中間層用入れ子14Bを設置し、型締めする。これにより、第2型板12のキャビティ12aにおいて、外層4の内周面と、中間層用入れ子14Bの本体部22Bの外周面との間に、中間層用キャビティ12cが画成される。次いで、同図(b)に示すように、中間層用キャビティ12cに、射出装置のシリンダ9から、溶融した合成樹脂Pを射出する。これにより、上記シリンダ9から射出された合成樹脂Pが、外層4の成形時と同様に、樹脂流路30を通って、中間層用キャビティ12cに充填される。
上記の射出完了後、シリンダ9側から所定の保圧をかけながら、中間層用キャビティ12c及び樹脂流路30の合成樹脂Pを、所定時間冷却する。これにより、図7(a)に示すように、中間層用キャビティ12c及び樹脂流路30の合成樹脂Pが固化し、中間層用キャビティ12cにおいて前述した中間層5が成形されるとともに、樹脂流路30において流路成形部31が成形される。
次いで、図7(b)に示すように、前述した外層4の成形時と同様に、金型10を型開きして、中間層用入れ子14Bを取り出す。この場合、中間層5は、外層4の内周面に積層した状態で、第2型板12のキャビティ12aに残留する。
図8及び図9は、内層6の成形手順(内層成形工程)を示している。内層6を成形する場合、まず、図8(a)に示すように、金型10内に内層用入れ子14Cを設置し、型締めする。これにより、第2型板12のキャビティ12aにおいて、中間層5の内周面と、内層用入れ子14Cの本体部22Cの外周面との間に、内層用キャビティ12dが画成される。次いで、同図(b)に示すように、内層用キャビティ12dに、射出装置のシリンダ9から、溶融した合成樹脂Pを射出する。これにより、上記シリンダ9から射出された合成樹脂Pが、スプール11a及びディスクゲート24aを順に通って、内層用キャビティ12dに充填される。
上記の射出完了後、シリンダ9側から所定の保圧をかけながら、内層用キャビティ12d及び樹脂流路30の合成樹脂Pを、所定時間冷却する。これにより、図9(a)に示すように、内層用キャビティ12d及び樹脂流路30の合成樹脂Pが固化し、内層用キャビティ12dにおいて前述した内層6が成形されるとともに、樹脂流路30において流路成形部31が成形される。
次いで、金型10を型開きして、厚肉成形品の半製品1’を金型10から取り出す。具体的には、図9(b)に示すように、まず、ロック機構16のエアシリンダ16aを作動させ、ロックピン16bを上方にスライドさせることで、その先端部を、内層用入れ子14Cの係合凹部21aに係合させる。これにより、内層用入れ子14Cは、第3型板13に不動にロックされる。次いで、第1型板11を第2型板12から離隔するとともに、第2型板12の前述した左型板12A及び右型板12Bを、互いに離隔するようにスライドさせる(図3(b)参照)。そして、図9(b)に示すように、エジェクタ15を押し込み、前述した外層4及び中間層5の成形時と異なり、内層用入れ子14Cを金型10内に残留させた状態のまま、厚肉成形品の半製品1’を外部に押し出す。
その後、厚肉成形品の半製品1’において、図10(a)に示す不要な部位Fである流路成形部31を切削する。これにより、同図(b)及び前述した図1に示す厚肉成形品1が完成する。
以上詳述したように、本実施形態によれば、外層4、中間層5及び内層6を、製造すべき厚肉成形品1の厚さTよりも小さくかつ所定寸法未満の幅で、その幅方向に互いに積層する同心円のようなフレーム状に順に成形することによって、所定寸法以上の厚さを有する良好な厚肉成形品1を得ることができる。すなわち、得られた厚肉成形品1は、1回の射出成形によって製造される従来の厚肉成形品に比べて、十分な機械的特性及び良好な外観を有し、加えて、従来の製造方法に比べて、低コストで製造することができる。また、各層を成形する際の射出量を、射出装置の1回の射出による最大可塑化容量よりも少なく(例えば50〜80%)することが可能であるので、合成樹脂の劣化による黄変、気泡、焼け又はシルバーなどの発生を防止することができる。
なお、本発明は、説明した上記実施形態に限定されることなく、種々の態様で実施することができる。例えば、実施形態では、外層4、中間層5及び内層6の3つの層を有する厚肉成形品1の製造について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、中間層5を省略し、外層4と内層6の2つの層を有する厚肉成形品や、中間層として、複数の中間層を成形することで、外層4及び内層6を含めて4つ以上の層を有する厚肉成形品を製造することも可能である。また、実施形態では、厚肉成形品として、平面形状が円形のものを例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、平面形状が三角形や四角形、その他の多角形はもちろん、種々の形状のものを製造することが可能である。
さらに、実施形態で示した厚肉成形品1や金型10の細部の構成などは、あくまで例示であり、本発明の趣旨の範囲内で適宜、変更することができる。
1 厚肉成形品
4 外層
5 中間層
6 内層
10 金型
11 第1型板
12 第2型板
12A 第2型板の左型板
12B 第2型板の右型板
12a キャビティ
13 第3型板
14 入れ子
14A 外層用の入れ子
14B 中間層用の入れ子
14C 内層用の入れ子
15 エジェクタ
16 ロック機構
T 厚肉成形品の厚さ
W1 外層の幅
W2 中間層の幅
W3 内層の幅

Claims (4)

  1. 溶融した所定種類の合成樹脂を金型内に射出する射出成形により、所定寸法以上の厚さを有する成形品を製造する厚肉成形品の製造方法であって、
    前記所定寸法未満の幅を有するとともに、製造すべき前記成形品の外周に対応するフレーム状に形成される外層を、前記射出成形によって成形する外層成形工程と、
    前記所定寸法未満の幅を有するとともに、前記外層の内周に沿うフレーム状に形成され、当該外層の内周面に積層される中間層を、前記射出成形によって成形する中間層成形工程と、
    前記所定寸法未満の幅を有するとともに、前記中間層の内周に沿うフレーム状に形成され、当該中間層の内周面に積層される内層を、前記射出成形によって成形する内層成形工程と、
    を備えていることを特徴とする厚肉成形品の製造方法。
  2. 前記中間層成形工程は、各々が前記所定寸法未満の幅を有するとともに、前記外層と前記内層の間に複数の中間層を成形することを特徴とする請求項1に記載の厚肉成形品の製造方法。
  3. 前記外層、前記中間層及び前記内層を成形する際に前記金型内にそれぞれ設置され、互いに外形が異なる複数の入れ子が準備されており、
    前記金型は、
    前記外層及び前記中間層の成形後に、それぞれの成形時に設置された前記入れ子を前記金型から取り外すとともに、前記内層の成形後に、前記外層、前記中間層及び前記内層を有する成形品を前記金型から取り外すためのエジェクタと、
    このエジェクタによる前記成形品の取外し前に、前記内層の成形時に設置された前記入れ子を前記金型内に不動にロックするロック機構と、
    を備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載の厚肉成形品の製造方法。
  4. 溶融した所定種類の合成樹脂を金型内に射出する射出成形により、所定寸法以上の厚さを有する成形品を製造する厚肉成形品の製造方法であって、
    前記所定寸法未満の幅を有するとともに、製造すべき前記成形品の外周に対応するフレーム状に形成される外層を、前記射出成形によって成形する外層成形工程と、
    前記所定寸法未満の幅を有するとともに、前記外層の内周に沿うフレーム状に形成され、当該外層の内周面に積層される内層を、前記射出成形によって成形する内層成形工程と、
    を備えていることを特徴とする厚肉成形品の製造方法。
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