JP2017152617A - 電子部品及び電子部品の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】放熱性を向上可能な電子部品を提供する。【解決手段】電子部品1は、上面3a、下面3b及び側面3cを有するベアチップ3と、ベアチップ3の側面3cにベアチップ3を囲むように配置された樹脂層7と、樹脂層7の上面およびベアチップ3の上面3aに配置された接着剤層9と、接着剤層9の上面に配置された金属板11とを有している。【選択図】図1
Description
本発明は、半導体装置などの電子部品及び電子部品の製造方法に関する。
ベアチップを樹脂によって封止した電子部品が知られている。また、このような電子部品として、封止をウェハの状態で行うことによって、パッケージのサイズをベアチップのサイズに近づけたウェハレベルパッケージ(WLP)式のものが知られている。
例えば、特許文献1では、まず、支持基板上に複数のベアチップを配置し、その上に未硬化状態の樹脂を供給し、当該樹脂を硬化させる。これにより、複数のベアチップは互いに固定され、複数のベアチップを含む母基板(ウェハ)が形成される。また、各ベアチップは、支持基板に密着している面以外の5面が樹脂で覆われて封止されることになる。次に、母基板は、支持基板から分離され、その分離された面に配線層が形成される。その後、母基板は、ダイシングされて個片化される。これにより、WLP式の電子部品が作製される。
近年、電子部品の高密度化等に伴って、電子部品の放熱性向上の要請が高くなっている。それは、上記のようなWLP式のものにおいても同様である。そこで、放熱性を向上可能な電子部品及び電子部品の製造方法が提供されることが望まれる。
本発明の一態様に係る電子部品は、上面、下面および側面を有するベアチップと、該ベアチップの側面に前記ベアチップを囲むように配置されたモールド樹脂層と、該モールド樹脂層の上面および前記ベアチップの上面に配置された接着剤層と、該接着剤層の上面に配置された金属部材とを有する。
好適には、前記モールド樹脂層の上面と前記ベアチップの上面とが同一面であり、該同一面に前記接着剤層が配置されている。
好適には、前記モールド樹脂層の上面に算術平均粗さで0.1μm以上の凹凸を有する。
好適には、前記モールド樹脂層は、無機材料からなるフィラーを70体積%以上含有する。
好適には、前記モールド樹脂層の下面と前記ベアチップの下面とが同一面であり、該同一面に配線層が配置されている。
本発明の一態様に係る電子部品の製造方法は、支持体上に複数のベアチップを配置する工程と、前記ベアチップが配置された前記支持体上にモールド樹脂を配置し、前記ベアチップが埋められるモールド樹脂層を形成する工程と、少なくとも前記ベアチップ上において前記モールド樹脂層の上面側部分を除去する工程と、平面透視において前記ベアチップに重なるように金属部材を前記上面側部分が除去されたモールド樹脂層の上面及び前記ベアチップの上面の少なくとも一方に接着剤層を介して金属部材を貼り合わせる工程とを含む。
好適には、前記除去する工程では、少なくとも前記ベアチップの上面が露出するまで前記モールド樹脂層の上面側部分を除去する。
好適には、前記除去する工程では、前記モールド樹脂層の上面を研磨することによって前記モールド樹脂層の上面側部分を除去する。
好適には、前記除去する工程では、前記ベアチップが所定の厚さになるまで前記モールド樹脂層の上面及び前記ベアチップの上面を共に研磨する。
上記の構成又は手順によれば、放熱性を向上できる。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。なお、以下の説明で用いられる図は模式的なものであり、図面上の寸法比率等は現実のものとは必ずしも一致していない。また、図面には、便宜上、直交座標系xyzを付すことがある。実施形態に係る電子部品は、いずれの方向が上方又は下方とされてもよいが、以下では、便宜的にz軸方向の正側を上方として、上面又は下面等の用語を用いることがある。
第2実施形態以降において、既に説明した構成と同一又は類似する構成については、既に説明した構成と同一の符号を付すことがあり、また、説明を省略することがある。既に説明した構成と対応する(類似する)構成に、既に説明した構成に付した符号とは異なる符号が付されている場合であっても、特に言及のない事項は、既に説明した構成と同様である。
<第1の実施形態>
(電子部品の全体構成)
図1(a)は、本発明の第1実施形態に係る電子部品1の構成を示す断面図である。
(電子部品の全体構成)
図1(a)は、本発明の第1実施形態に係る電子部品1の構成を示す断面図である。
電子部品1は、例えば、比較的小型のものであり、z方向負側の面を不図示の回路基板に対向させて当該回路基板に実装される。その外形は、例えば、概略、z方向を厚さ方向とする薄型直方体状である。外形の寸法は、適宜に設定されてよいが、一例を挙げると、長さ(x方向)又は幅(y方向)は、1mm以上20mm以下であり、厚さ(z方向)は0.05mm以上0.8mm以下である。
電子部品1は、例えば、ベアチップ3と、ベアチップ3をパッケージングしているパッケージ5とを有している。ベアチップ3は、電子部品1の電気的機能の中心を担い、パッケージ5は、例えば、ベアチップ3の保護及び電子部品1の回路基板等への実装に寄与する。
ベアチップ3は、例えば、基板のおもて面(z方向負側の面)上に導体層、絶縁層及び/又は半導体層などが形成されて構成されており、基本的に、基板の側面及び裏面(z方向正側の面)並びに基板のおもて面上の層は、(パッケージ5以外の)封止材によっては覆われていない。ベアチップ3は、受動素子を構成していてもよいし、能動素子を構成していてもよい。ベアチップ3は、例えば、半導体素子であり、シリコン基板などの半導体基板に電極等が形成されて構成されている。半導体素子としてのベアチップ3は、例えば、ICチップ、トランジスタ又はダイオードである。
ベアチップ3の外形は、例えば、概略、z方向を厚さ方向とする薄型直方体状である。すなわち、ベアチップ3は、互いに対向する上面3a及び下面3b、並びにこの2つの主面をその周囲でつなぐ4つの側面3cを有している。下面3bは、導体層、絶縁層及び/又は半導体層などが形成されている面である。上面3aは、例えば、ベアチップ3の基板の裏面である。
ベアチップ3は、下面3bに電気信号(電源電圧含む)の入力又は出力に供される複数のパッド3pを有している。パッド3pの形状、寸法、数及び配置は適宜に設定されてよい。
パッケージ5は、例えば、ベアチップ3の側面3cを覆う樹脂層7と、ベアチップ3の上面3a及び樹脂層7の上面を覆う接着剤層9と、接着剤層9の上面を覆う金属板11と、ベアチップ3の下面3bを覆う配線層13と、配線層13の下面に設けられた複数のバンプ15とを有している。なお、ベアチップ3は、このような層を有するパッケージ5によって、外面全体が覆われている。
本実施形態の電子部品1は、WLP式のものでありながら、金属板11が設けられていることによって放熱性が向上している。また、電子部品1は、ベアチップ3の上面3a上にモールド用の樹脂(樹脂層7)が配置されておらず、かつ金属板11を接着する接着剤層9がベアチップ3の上面3a上だけでなく、その外側(樹脂層7上)まで広がっている(別の観点では金属板11の全面に広がっている)ことを特徴の一つとしている。各部の具体的な構成は、例えば、以下のとおりである。
樹脂層7は、ベアチップ3の4つの側面3cを覆っている。すなわち、樹脂層7は、ベアチップ3を囲むように配されており、枠状である。樹脂層7の厚み(z方向)は、例えば、樹脂層7全体に亘って概ね一定であり、またベアチップ3の厚みと同等である。樹脂層7の幅(枠の内周面から枠の外周面までの厚み)は、パッケージ5に要求される機能等に応じて適宜に設定されてよい。
樹脂層7の材料は、公知の適宜なものと同様とされてよい。例えば、樹脂層7の材料は、樹脂17(図1(b))と、樹脂17に混ぜ込まれたフィラー19(図1(b))とを含んでいる。
樹脂17は、例えば、熱硬化性樹脂である。熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、ビスマレイミドトリアジン樹脂、シアネート樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、全芳香族ポリアミド樹脂又はポリイミド樹脂を挙げることができる。
フィラー19は、例えば、無機絶縁材料からなる粒子である。無機絶縁材料は、例えば、樹脂17よりも熱伝導率が高い。無機絶縁材料としては、例えば、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、水酸化アルミニウム、酸化ホウ素、酸化マグネシウム、炭酸カルシウム又は酸化カルシウムを挙げることができる。また、前述のような組成のセラミックスが用いられてもよい。なお、低誘電正接及び低熱膨張率等の観点から、シリカ(二酸化ケイ素)を用いることが好ましい。
フィラー19の物性値は適宜なものであってよい。ただし、例えば、フィラー19の熱膨張係数は、樹脂17の熱膨張係数よりも小さい。具体的には、例えば、樹脂17の熱膨張係数が20ppm/℃以上50ppm/℃以下であるのに対して、フィラー19の熱膨張係数は0ppm/℃以上15ppm/℃以下である。また、フィラー19の熱伝導率は、樹脂17の熱伝導率よりも高い。例えば、樹脂17の熱伝導率が0.4W/mk未満であるのに対して、フィラー19の熱伝導率は1W/mk以上である。
フィラー19の粒径は適宜に設定されてよい。例えば、フィラー19の粒径は、0.5μm以上5.0μm以下である。そのような粒径のフィラーに加えて、又は代えて、更に小さい粒径のフィラーが用いられてもよい。例えば、3nm以上110nm以下の粒径のフィラーが用いられてもよい。粒径の度数分布も適宜に設定されてよい。
なお、フィラー19の粒径は、例えば、以下のように測定される。まず、対象となる層(ここでは樹脂層7)の研摩面若しくは破断面を電界放出型電子顕微鏡で観察し、20粒子数以上50粒子数以下の粒子を含むように拡大した断面を撮影する。次に、該拡大した断面にて各粒子の最大径を測定し、該測定された最大粒径をフィラー粒子の粒径とする。
フィラー19の形状は、例えば、概略球形である。ただし、球形に限らず、例えば、鱗片状であってもよい。この場合の粒径も、上記と同様に計測されてよい。
フィラー19の樹脂層7における含有率も適宜に設定されてよい。例えば、フィラー19の含有率は、25体積%以上55体積%以下、又は70体積%以上80体積%以下である。
なお、フィラー19の含有率(体積%)は、例えば、以下のように測定される。まず、樹脂層7の研摩面若しくは破断面を電界放出型電子顕微鏡で撮影する。次に、その撮影した画像に基づいて、画像解析装置によってフィラー19の面積比率(面積%)を測定する。この測定を10箇所の断面にて行い、面積比率の平均値を含有量(体積%)として算出する。このときの縮尺は、縮尺による影響が生じないように適宜な大きさとされる。
接着剤層9は、上述のように、ベアチップ3の上面3a及び樹脂層7の上面を覆っており、より詳細には、これらの上面全体を覆っている。接着剤層9の厚みは、例えば、接着剤層9の全体に亘って概ね一定である。また、接着剤層9の厚みは、金属板11の接着に必要な厚みであればよく、例えば、ベアチップ3の厚みよりも小さい。
接着剤層9の材料は、常温で硬化するものであってもよいし、高温で(加熱されて)硬化するものであってもよいし、無機材料であってもよいし、有機材料であってもよいし、導電性材料であってもよいし、絶縁性材料であってもよいし、1液タイプであってもよいし、2液タイプであってもよい。例えば、接着剤層9の材料としては、エポキシ樹脂系接着剤、シリコーン系接着剤、アクリル樹脂系接着剤及びウレタン樹脂系接着剤が挙げられる。また、別の観点では、接着剤層9は、例えば、熱硬化性樹脂等の樹脂を含む。樹脂には、当該樹脂よりも熱伝導率が高い無機絶縁材料からなるフィラーが混ぜ込まれていてもよい。
金属板11は、接着剤層9の上面を覆っており、より詳細には、当該上面の全面を覆っている。別の観点では、金属板11は、接着剤層9によってベアチップ3の上面3a及び樹脂層7の上面に接着されており、より詳細には、これら上面の全面に接着されている。金属板11の平面形状及び面積は、例えば、ベアチップ3の上面3a及び樹脂層7の上面(接着剤層9の上面)の形状及び面積と同様である。
金属板11の厚みは、例えば、金属板11の全体に亘って概ね一定である。また、金属板11の厚みは、金属板11の表面積を大きくする観点からは厚いことが好ましく、例えば、ベアチップ3の厚みよりも厚い。より具体的には、例えば、金属板11の厚さは、ベアチップ3の厚さの2倍以上10倍以下である。
金属板11の材料は、放熱性、強度及び/又は経済性等を考慮して適宜に設定されてよい。例えば、金属板11の材料は、アルミニウム、銅若しくは鉄又はこれらを主成分とする合金である。
配線層13は、ベアチップ3のパッド3pをバンプ15(ひいては不図示の回路基板等のパッド)に接続するための構造であり、その構成は、公知の種々の構成と同様とされてよい。図1(a)の例では、配線層13は、ベアチップ3の下面3bを覆う絶縁層21と、絶縁層21の内部等に設けられた複数の接続導体23と、絶縁層21の下面(z方向負側の面)に設けられた複数の端子25とを有している。
絶縁層21は、例えば、ベアチップ3の下面3b及び樹脂層7の下面を覆っており、より詳細には、これら下面の全面(ただし接続導体23の配置位置を除く)を覆っている。絶縁層21の形状及び面積は、ベアチップ3の下面3b及び樹脂層7の下面の形状及び面積と同様である。
絶縁層21の厚みは、例えば、絶縁層21の全体に亘って概ね一定である。その厚さは、絶縁性及び/又は応力緩和性等を考慮して適宜に設定されてよい。
絶縁層21の材料は、有機材料であってもよいし、無機材料であってもよい。例えば、絶縁層21の材料は樹脂である。樹脂には、当該樹脂よりも熱伝導率が高い無機絶縁材料からなるフィラーが混ぜ込まれていてもよい。また、絶縁層21は、材質の異なる複数の絶縁層が積層されて構成されていてもよい。
接続導体23は、例えば、ベアチップ3のパッド3pの直下において絶縁層21をその厚さ方向に貫通する孔部に充填された貫通導体からなる。接続導体23の横断面の形状及び縦断面の形状並びにその寸法は適宜に設定されてよい。接続導体23の材料は、例えば、Cuなどの適宜な金属材料とされてよい。
端子25は、例えば、接続導体23の直下において、絶縁層21の下面に対して層状に設けられている。端子25の形状及び面積は適宜に設定されてよい。端子25の材料は、例えば、Cuなどの適宜な金属材料とされてよい。また、端子25は、互いに異なる材料からなる複数の金属層が積層されて構成されていてもよい。
なお、図示の配線層13の構造は一例に過ぎない。従って、例えば、配線層13は、平面視においてパッド3pの位置とバンプ15の位置とを異ならせるための層状導体を絶縁層21の内部又は絶縁層21の上面(絶縁層21とベアチップ3との間)に有していてもよい。また、例えば、端子25が省略されて接続導体23にバンプ15が接続されてもよいし、さらに接続導体23が省略されてバンプ15が上述の層状導体又はパッド3pに接続されてもよい。
バンプ15は、例えば、端子25上において、概ね半球状に形成されている。バンプ15の大きさ、数及び配置は、電子部品1の機能等に照らして適宜に設定されてよい。バンプ15は、例えば、半田からなる。半田は、鉛フリー半田であってもよい。
(ベアチップ及び樹脂層の上面及び下面)
図1(b)は、図1(a)の領域Ibの拡大図である。
図1(b)は、図1(a)の領域Ibの拡大図である。
既に述べたように、樹脂層7は、樹脂17及び複数のフィラー19を含んでいる。樹脂層7の上面には凹凸が形成されている。当該凹凸の算術平均粗さは、例えば、0.1μm以上0.5μm以下、又は0.2μm以上0.3μm以下である。
なお、ベアチップ3の上面3aは、そのような凹凸を有していない。例えば、ベアチップ3の上面3aの算術平均粗さは、0.1μm未満であり、また、1nm未満とすることも技術的に可能である。従って、樹脂層7の上面の算術平均粗さは、ベアチップ3の上面の算術平均粗さよりも大きい。
接着剤層9の下面は、例えば、概ね、ベアチップ3の上面3a及び樹脂層7の上面の凹凸に応じた形状となっており、これらの上面に密着している。例えば、接着剤層9のうち樹脂層7上の部分は、その下面が樹脂層7の上面の凹凸に応じた凹凸を有して樹脂層7の上面に密着している。従って、接着剤層9と樹脂層7との接着面積は、樹脂層7が平坦な場合に比較して大きくなっている。
ベアチップ3の上面3aと、樹脂層7の上面とは、面一となっている。すなわち、両者の間に段差は形成されていない。ただし、上述のように、樹脂層7の上面は凹凸を有しているから、当該凹凸の大きさ(例えば最大高さ)以下の段差があったとしても、ここでいう面一に含まれるものとする。
なお、算術平均粗さ(Ra)及び最大高さ(Ry)は、日本工業規格(JIS)で定義されている。算術平均粗さ又は最大高さを求めるための基準長さ(凹凸が測定される範囲)は、局所的な影響が現れない十分な長さとされてよい。
図1(c)は、図1(a)の領域Icの拡大図である。
樹脂層7の下面は、例えば、樹脂層7の上面とは異なり、凹凸を有していない。例えば、上記のように樹脂層7の上面の算術平均粗さが0.1μm以上であるのに対して、樹脂層7の下面の算術平均粗さは0.1μm未満である。すなわち、樹脂層7の上面は、樹脂層7の下面よりも表面が粗い。ただし、樹脂層7の下面は上面と同等以上の凹凸を有していてもよい。
上面と同様に、ベアチップ3の下面3bと樹脂層7の下面とは面一となっている。すなわち、両者の間に段差は形成されていない。なお、製造誤差に起因する意図しない段差があってもよいことは当然である。
(電子部品の製造方法)
図2(a)〜図4(b)は、電子部品1の製造方法の手順を説明するための模式的な断面図である。製造工程(ステップ)は、図2(a)から図4(b)へ順に進む。なお、以下では、製造工程の進行に伴って材料又は部材の状態又は形状が変化しても、便宜上、同一の符号を用いることがある。
図2(a)〜図4(b)は、電子部品1の製造方法の手順を説明するための模式的な断面図である。製造工程(ステップ)は、図2(a)から図4(b)へ順に進む。なお、以下では、製造工程の進行に伴って材料又は部材の状態又は形状が変化しても、便宜上、同一の符号を用いることがある。
図2(a)では、支持体31が不図示の支持具上に配置される。不図示の支持具は、例えば、ガラス基板等の比較的変形が小さい部材によって構成された平坦な上面を有している。支持体31は、例えば、図示のように、樹脂シート33の上面に粘着剤35が塗布されて構成されている。なお、支持体31は、接着材若しくは粘着材が不図示の支持具の上面に塗布されて形成されてもよい。
図2(b)では、複数のベアチップ3が支持体31の上面に配置されて固定される。別の観点では、複数のベアチップは、支持体31を介して不図示の支持具の上面に固定される。
ベアチップ3は、公知の方法によって製造されてよい。例えば、まず、シリコンウェハに対してドーピング及び薄膜形成等を行い、ウェハ状態の複数のベアチップ3を形成する。その後、そのウェハをダイシングして個片化する。これにより、複数のベアチップ3が作製される。
複数のベアチップ3は、パッド3pが形成されている下面3bを支持体31の上面に対向させて配置される。また、複数のベアチップ3は、例えば、縦横に(複数行×複数列で)支持体31の上面に配列される。なお、行数及び列数は適宜に設定されてよい。好適には、上述したシリコンウェハから切り出されるベアチップ3の数と同数のベアチップ3が支持体31上に配置される。
図2(c)では、樹脂層7を形成する。ただし、この時点では、樹脂層7は、図1(a)に示した形状とは異なる形状である。具体的には、この時点の樹脂層7は、ベアチップ3の側面3cだけでなく、ベアチップ3の上面3aも覆っている。換言すれば、ベアチップ3は樹脂層7に埋設されている。
また、樹脂層7は、図2(c)の時点では、複数のベアチップ3に対して一体的に形成されており、複数のベアチップ3に対応した個片化がなされていない。別の観点では、複数のベアチップ3は、個片化前の樹脂層7によって互いに固定されており、ウェハ状態(ウェハ37)となっている。
このような複数のベアチップ3を覆う樹脂層7は、公知の種々の方法によって形成されてよい。例えば、以下のように形成されてよい。
まず、複数のベアチップ3が配置された支持体31上に、樹脂層7となる未硬化状態の材料を供給する。当該材料は、例えば、未硬化状態の樹脂17にフィラー19が混ぜ込まれたものである。このとき未硬化状態の材料は、図2(c)の時点における樹脂層7の形成に十分な量で供給されれば、その配置位置及び配置直後の形状等は適宜に設定されてよい。例えば、未硬化状態の材料は、支持体31上の複数のベアチップ3のうち一部のみを覆っていてもよいし、支持体31上の全てのベアチップ3を覆っていてもよい。また、未硬化状態の材料の供給方法も適宜なものとされてよい。例えば、ディスペンサやスクリーン印刷によって液状の材料が供給されてもよいし、加熱により液状の材料になるシート状(半硬化状)成形体が配置されてもよい。
次に、支持体31上に供給された未硬化状態の材料が不図示の押圧部材によって下方へ押圧される。不図示の押圧部材は、例えば、支持体31(別の観点では不図示の支持具の上面)と対向する下面を有している。当該下面は、例えば概ね平坦である(曲面又は凹凸を有していてもよい。)。そして、未硬化状態の材料は、付与された圧力によって支持体31(及び複数のベアチップ3)と押圧部材の下面との間の隙間に広がる(充填される)。
その後、未硬化状態の材料は硬化されて図2(c)の時点の樹脂層7となる。例えば、樹脂17は熱硬化性樹脂であり、不図示のヒータ(不図示の支持具又は押圧部材に内蔵されていてもよい)によって加熱され、これにより硬化される。硬化されるとき、不図示の押圧部材の下面は、未硬化状態の材料を押圧していてもよいし、押圧を解除していてもよい。
上記の他、例えば、全てのベアチップ3が埋設されるように、樹脂層7となる未硬化状態の材料を十分な量で支持体31上に配置するだけであってもよい。すなわち、樹脂層7の上面を押圧部材によって押圧しなくてもよい。本実施形態では、後述する工程から理解されるように、従来とは異なり、図2(c)の時点の樹脂層7の上面は、平坦(若しくは任意の形状)になっている必要はないことからである。
図3(a)では、樹脂層7の上面側部分を除去してベアチップ3の上面3aを露出させる。これにより、図1(a)に示した、ベアチップ3の側面3cのみを覆う樹脂層7が形成される。また、上面側部分が除去されることから、上記のように図2(c)の時点で樹脂層7の上面は平坦でなくてもよい。
樹脂層7の上面側部分の除去は、適宜な方法によってなされてよい。例えば、CMP(Chemical Mechanical Polishing)等の研磨が行われてもよい。具体的には、例えば、特に図示しないが、半導体ウェハの平坦化と同様に、テーブル上にパッドを取り付け、ウェハ37の支持体31側(z方向負側)をヘッドによって保持し、樹脂層7の上面(z方向正側の面)を下に向けてパッドの上面に対向させる。そして、研磨材が分散された溶液(スラリー)をパッド上に供給しつつ、テーブルとヘッドとをそれぞれ互いに異なる(水平方向に互いに離れた)鉛直軸回りに回転させて、パッドと樹脂層7とをスラリーを介して摺動させる。これにより、複数のベアチップ3を覆う樹脂層7は、その全面に亘って上面側部分が除去される。
ベアチップ3が露出するまで樹脂層7が研磨されたか否かは適宜に判断されてよい。例えば、研磨速度に影響を及ぼす種々の条件を適宜に設定してトライアルの研磨を行い、研磨速度を特定する。次に、その研磨速度と樹脂層7のベアチップ3上における厚みとから研磨すべき時間を設定する。そして、実際の製品の研磨においては、その設定した時間が経過したか否かが判断されてよい。なお、研磨速度に影響を及ぼす条件は、例えば、研磨圧力、ヘッド及びテーブルの回転速度、研磨パッドの種類、並びにスラリーの種類及び供給量である。その他、レーザ測長器等のセンサによって、研磨中に適宜にウェハ37の厚みが測定され、その測定結果に基づいて、ベアチップ3が露出するまで研磨が行われたか否か判断されてもよい。
また、研磨は、ベアチップ3が露出してからもある程度継続されてよい。すなわち、ベアチップ3の上面3aと樹脂層7の上面とが共に研磨されてもよい。このとき、研磨は、ベアチップ3の厚さが所定の厚さになるように行われてもよい。所定の厚さになったか否かは、上記のベアチップ3の上面が露出したか否かの判定と同様に、研磨時間によって判断されてもよいし、測定されたウェハ37の厚み自体によって判断されてもよい。
少なくともベアチップ3の上面3aが露出するまで研磨が行われることによって、図1(b)に示したように、ベアチップ3の上面3aと樹脂層7の上面とは面一になる。また、樹脂層7において、樹脂17とフィラー19とでは、樹脂17の方が研磨されやすい。その結果、樹脂層7の上面においては、フィラー19上よりもフィラー19間において研磨が進みやすい。その結果、樹脂層7の上面は、フィラー19が混ぜ込まれていない場合に比較して表面が粗くなる。すなわち、凹凸が生じる。この凹凸は、フィラー19に起因するものであることから、その大きさは、フィラー19の粒径の影響を受ける。例えば、0.5μm以上5.0μm以下の粒径の度数が比較的大きい場合においては、凹凸の算術平均粗さは0.1μm以上0.5μm以下となる。
なお、樹脂層7の上面側部分の除去は、研磨以外の方法によって行われてもよい。例えば、エッチングが行われてもよい。エッチングは、ドライエッチングであってもよいし、ウェットエッチングであってもよい。半導体ウェハの平坦化のようにエッチバックが行われてもよい。反応性ガス又は薬液は、例えば、樹脂層7のうちのバインダとなっている材料(例えば樹脂17にフィラー19が混ぜ込まれている場合は樹脂17)をエッチングできればよい。
図3(b)では、ベアチップ3の上面3a及び樹脂層7の上面に接着剤層9によって金属板11を貼り合わせる。具体的には、ベアチップ3の上面及び樹脂層7の上面の全体に接着剤層9を形成し、その上に金属板11を配置する。又は、金属板11の下面全体に接着剤層9を形成し、これらをベアチップ3の上面及び樹脂層7の上面に配置してもよい。未硬化状態の接着剤層9の形成は、適宜な方法とされてよい。例えば、ディスペンサやスクリーン印刷によって液状の接着剤が供給されてもよいし、シート状(半硬化状)の接着剤が配置されてもよい。なお、接着剤が常温で硬化されても、加熱によって硬化されてもよいことは既に述べたとおりである。また、接着の際には、金属板11、接着剤層9、並びにベアチップ3及び樹脂層7に対してこれらの積層方向へ圧縮力が適宜に付与されてよい。
図3(c)では、支持体31がウェハ37から除去される。支持体31の除去は、剥離によるものであってもよいし、支持体31を溶融させたり、薬液に溶かしたりすることによって除去するものであってもよい。また、支持体31が除去された面は、適宜に洗浄及び/又は研削若しくは研磨が行われてもよい。
図4(a)では、ウェハ37の下面(z方向負側の面)に配線層13及びバンプ15が設けられる。これにより、個片化前のウェハ37が完成する。配線層13及びバンプ15の形成方法は、公知の種々の方法と同様でよい。
例えば、配線層13は、ビルドアップ方式と同様の手順によって作製される。具体的には、例えば、まず、ウェハ37の下面に絶縁層21が設けられる。絶縁層21の形成は、例えば、液状の材料又はシート状(半硬化)の材料をウェハ37の下面に配置して硬化させることによりなされる。半硬化状の材料は、ISO472:1999に準ずるA−ステージ又はB−ステージのものであってもよい。
次に、接続導体23のための貫通孔が絶縁層21に形成される。貫通孔は、公知の方法によって形成されてよく、例えば、フォトレジストからなるマスクを介したエッチングによって形成される。そして、貫通孔に接続導体23が設けられる。接続導体23は、公知の方法によって形成されてよく、例えば、めっき法によって金属が貫通孔に充填されることによって形成される。
次に、端子25が形成される。端子25の形成は、例えば、絶縁層21の下面全面に金属層を形成した後、フォトリソグラフィーによって形成されたレジストマスクを介してエッチングを行うことによって、又は、フォトリソグラフィーによって形成されたレジストマスクを介して金属層を形成することによってなされる。
その後、端子25上にバンプ15が形成される。バンプ15は、公知の方法によって形成されてよく、例えば、スクリーン印刷によって半田ペーストが供給され、半田ペーストが加熱処理されることによって形成される。
図4(b)では、ウェハ37をダイシングして個片化する。これにより、電子部品1が作製される。なお、ダイシングは、公知の方法によって行われてよく、例えば、図示のようにダイシングブレード39によって行われてもよいし、レーザによって行われてもよい。
なお、上記の説明では、金属板11の接着後(図3(b)の後)に支持体31を除去したが、樹脂層7の形成後(図2(c)の後)かつ樹脂層7の研磨前(図3(a)の前)に支持体31を除去したり、樹脂層7の研磨後(図3(a)の後)かつ金属板11の接着前に支持体31を除去したりしてもよい。
以上のとおり、本実施形態では、電子部品1は、ベアチップ3と、ベアチップ3の側面にベアチップ3を囲むように配置された樹脂層7と、樹脂層7の上面およびベアチップ3の上面3aに配置された接着剤層9と、接着剤層9の上面に配置された金属板11とを有している。
すなわち、樹脂層7は、ベアチップ3の上面3aを覆っておらず、金属板11は、樹脂層7を介さずにベアチップ3に接着されている。従って、ベアチップ3の熱を金属板11に効率的に伝えることができる。すなわち、電子部品1は放熱性が高い。また、例えば、金属板11によってベアチップ3が補強されることになり、ベアチップ3が割れたり、反ったりするおそれが低減される。さらに、ベアチップ3上に樹脂層7が配置されていない分だけ、電子部品1を薄型化できる。また、接着剤層9がベアチップ3の上面3a上だけでなく、樹脂層7の上面にも広がっていることから、例えば、金属板11の接着強度がベアチップ3及び樹脂層7に亘って均一になりやすい。その結果、局所的に剥離が生じることが抑制され、また、局所的に生じた剥離を起点として剥離が広がることも抑制される。剥離抑制によって、例えば、ベアチップ3又は樹脂層7と接着剤層9との間の隙間に起因して金属板11への熱の伝達の効率性が低下するおそれが低減される。また、金属板11による補強効果が低下するおそれも低減される。また、例えば、接着剤層9がベアチップ3を囲む枠状の樹脂層7の開口を塞ぐことになるから、ベアチップ3の密閉性が向上する。
また、本実施形態では、樹脂層7の上面とベアチップ3の上面3aとが同一面(面一)であり、該同一面に接着剤層9が配置されている。
従って、例えば、樹脂層7の上面とベアチップ3の上面3aとの間に段差が生じている場合に比較して、両者の境界付近において接着剤層9とこれら上面との間に隙間が生じてしまうおそれが低減される。別の観点では、接着剤層9の形成について、形成方法の自由度が高くなり、又は形成条件が緩和される。隙間が低減されることによって、例えば、隙間に起因して熱の伝達の効率性が低下するおそれが低減される。また、例えば、段差がある場合に比較して、接着剤層9を薄くすることができ、電子部品1の薄型化にも有利である。
また、本実施形態では、電子部品1は、樹脂層7の上面に算術平均粗さで0.1μm以上の凹凸を有する。
従って、例えば、接着剤層9と樹脂層7との接着面積の増大及び/又は凹凸に起因するアンカー効果によって、接着剤層9と樹脂層7とを強固に接着することができる。その結果、例えば、ベアチップ3を囲む枠状の樹脂層7とその枠状の開口を塞ぐ接着剤層9とによるベアチップ3の密閉性が向上し、確実にベアチップ3を封止することができる。また、接着面積が増大することによって、樹脂層7から接着剤層9へ放熱しやすくなり、ひいては、金属板11へ放熱しやすくなる。すなわち、電子部品1の放熱性が向上する。
また、本実施形態では、樹脂層7は、無機材料からなるフィラー19を70体積%以上含有する。
従って、樹脂層7は、一般に樹脂よりも熱伝導率が高い無機材料の体積比率が比較的大きく、放熱性がよい。その結果、ベアチップ3の熱を樹脂層7から放熱しやすくなる。すなわち、ベアチップ3は、上面3aだけでなく、側面3cからも放熱されることになり、電子部品1の放熱性が向上する。
また、本実施形態では、樹脂層7の下面とベアチップ3の下面3bとが同一面(面一)であり、該同一面に配線層13が配置されている。
すなわち、樹脂層7は、ベアチップ3の下面3bを覆っておらず、ベアチップ3の下面3bに直接的に配線層13が設けられている。従って、例えば、電子部品1の薄型化が容易である。特に、上面側と下面側との双方においてベアチップ3と樹脂層7とが面一になっていることにより、薄型化が顕著となる。
また、本実施形態に係る電子部品1の製造方法は、支持体31上に複数のベアチップ3を配置する工程(図2(b))と、ベアチップ3が配置された支持体31上に樹脂層7となる材料を配置し、ベアチップ3が埋められる樹脂層7を形成する工程(図2(c))と、少なくともベアチップ3上において樹脂層7の上面側部分を除去する工程(図3(a))と、平面透視においてベアチップ3に重なるように、金属板11を上面側部分が除去された樹脂層7の上面及びベアチップ3の上面の少なくとも一方(本実施形態では双方)に接着剤層9を介して貼り合わせる工程(図3(b))とを有している。
従って、例えば、樹脂層7の上面側部分を除去した分だけ、ベアチップ3と金属板11とを熱的に近くすることができる。その結果、ベアチップ3の放熱性が向上する。
また、本実施形態では、樹脂層7の上面側部分を除去する工程(図3(a))において、少なくともベアチップ3の上面が露出するまで樹脂層7の上面側部分を除去する。
従って、例えば、最終的に樹脂層7はベアチップ3上に設けられずに、金属板11は、樹脂層7を介さずにベアチップ3に接着される。その結果、上述した本実施形態に係る電子部品1の種々の効果が奏される。例えば、電子部品1の放熱性が向上する。
また、本実施形態では、樹脂層7の上面側部分を除去する工程(図3(a))において、樹脂層7の上面を研磨する。
従って、例えば、樹脂17にフィラー19が混ぜ込まれて樹脂層7が形成されているなど、樹脂層7が複合材料であっても、除去する厚さ及び除去後の平坦度を容易かつ正確に制御できる。また、樹脂層7の上面側部分とともに樹脂層7とは別の材料からなるベアチップ3の上面側部分を除去することも容易化される。その一方で、フィラー19と樹脂17との研磨速度の相違を利用して、樹脂層7の上面に図1(b)に示した比較的微小な凹凸を形成して、既述の凹凸による効果を得ることができる。
また、本実施形態では、樹脂層7の上面側部分を除去する工程において、ベアチップ3が所定の厚さになるまで樹脂層7の上面及びベアチップ3の上面3aを共に研磨する。
従って、例えば、樹脂層7の上面とベアチップ3の上面3aとが面一であることによる上述した効果が奏される。また、例えば、ベアチップ3が薄型化されるから、放熱性が向上する。なお、ベアチップ3は、例えば、樹脂層7によって囲まれるとともに支持体31に固定されて補強され、その後は、金属板11によって補強された後に支持体31が剥がされるから、強度の観点からはベアチップ3の製造時に比較して薄くすることが可能である。
<第2実施形態>
図5(a)は、本発明の第2実施形態に係る電子部品201の構成を示す断面図である。図5(b)は、図5(a)の領域Vbの拡大図である。
図5(a)は、本発明の第2実施形態に係る電子部品201の構成を示す断面図である。図5(b)は、図5(a)の領域Vbの拡大図である。
本実施形態の電子部品201は、パッケージ205の構成が第1実施形態の電子部品1と相違する。より具体的には、本実施形態の樹脂層207は、第1実施形態の樹脂層7とは異なり、ベアチップ3の上面3aの一部を覆う被覆部207eを有している。
被覆部207eは、例えば、ベアチップ3の上面3aの縁部をその全周に亘って覆っている。なお、接着剤層9は、例えば、第1実施形態と同様に、ベアチップ3の上面3a及び樹脂層207の上面の形状に応じた形状となっており、本実施形態では、被覆部207eにも密着している。
電子部品201の製造方法は、概ね、第1実施形態に係る電子部品1の製造方法と同様でよい。ただし、樹脂層207の上面側部分を除去する工程(図3(a))においては、被覆部207eとなる部分が残るように、上面側部分の除去を行う。例えば、ベアチップ3の上面3aの縁部(別の観点ではベアチップ3の側面3cと、この側面3cに対向する樹脂層207の側面との境界)を覆うように枠状のレジストマスクをフォトリソグラフィーによって形成し、そのレジストマスクを介して樹脂層207のエッチングを行う。これにより、被覆部207eを残して、樹脂層207のベアチップ3上の部分等が除去される。
本実施形態によれば、例えば、第1実施形態と同様に、ベアチップ3の上面3a(被覆部207eに覆われていない領域)に金属板11が樹脂層207を介さずに接着されていることから、第1実施形態と同様の効果が奏される。例えば、放熱性が向上する。
また、本実施形態では、樹脂層207がベアチップ3の上面3aの縁部を覆う被覆部207eを有している。従って、例えば、ベアチップ3にチッピング(かけ)が生じるおそれが低減される。また、例えば、ベアチップ3の側面3cと樹脂層7との境界が被覆部207eによって覆われることになり、ベアチップ3の下面3b側における密閉性が向上する。
<樹脂層の材料の好適例>
樹脂層7(及び207。以下、207は省略。)は、上述のように、樹脂17及びフィラー19を含んでおり、また、好ましくは、樹脂層7は、フィラー19を70体積%以上含有している。このようなフィラー19の充填率が比較的高い樹脂層7は、フィラー19によって3次元網目構造が構成された材料によって実現されてもよい。具体的には、以下のとおりである。
樹脂層7(及び207。以下、207は省略。)は、上述のように、樹脂17及びフィラー19を含んでおり、また、好ましくは、樹脂層7は、フィラー19を70体積%以上含有している。このようなフィラー19の充填率が比較的高い樹脂層7は、フィラー19によって3次元網目構造が構成された材料によって実現されてもよい。具体的には、以下のとおりである。
(3次元網目構造)
図6(a)は、樹脂層7の一部を示す断面図であり、図6(b)は、図6(a)の領域VIbの拡大図である。
図6(a)は、樹脂層7の一部を示す断面図であり、図6(b)は、図6(a)の領域VIbの拡大図である。
樹脂層7は、フィラー19として、比較的径が大きい大径粒子19Aと、比較的径が小さい小径粒子19B(図6(b))とを含んでいる。なお、小径粒子19Bは、大径粒子19Aに比較して粒径が小さいことから、図6(a)では、個々の小径粒子19Bは図示が省略され、複数の小径粒子19Bの配置領域(後述する3次元網目構造41)にハッチングが付されている。
図6(b)に示されているように、複数の小径粒子19Bは、3次元的に密に配置されているとともに、固定部41aにおいて互いに直接的に固定されている。従って、複数の小径粒子19Bによって一体的な3次元網目構造41(3次元マトリックス構造、3次元骨組構造)が構成され、また、1つ又は少数の3次元網目構造41が樹脂層7の全体に亘って広がっている。
なお、固定部41aにおける直接的な固定は、小径粒子19B同士が直接的に当接して固定されている状態だけでなく、小径粒子19Bの粒径に比較して極めて薄い適宜な材料(ただし、樹脂17は除く。例えば後述する溶剤の残存物)が小径粒子19B間に介在して小径粒子19B同士が固定されている状態も含むものとする。固定部41aは、極めて微細なために、その構造を正確に特定することは極めて困難であるが、後述する製造方法によって、樹脂17によらずに小径粒子19B同士が互いに固定された3次元網目構造41が現に作製されることが確認されている。
3次元網目構造41は、小径粒子19Bに囲まれた複数の小径空隙43Bを構成している。なお、断面においては、複数の小径空隙43Bは互いに分離しているが、実際には、3次元的に互いに接続されており、樹脂層7全体に対して1つ又は比較的少数の3次元網目状の空隙を構成している。断面における小径空隙43Bの径は、例えば、小径粒子19Bの粒径と概ね同一であり、後述する小径粒子19Bの粒径の説明(例えば3nm以上110nm以下の範囲など)がそのまま当てはまる。
小径空隙43Bには、基本的に樹脂17が充填されている。ただし、複数の小径空隙43Bの一部及び/又は各小径空隙43Bの一部に、完全に樹脂17が充填されずに、気体が存在する、又は真空となっている部分が存在してもよい。
また、図6(b)に示されているように、複数の大径粒子19Aそれぞれには、複数の小径粒子19Bが固定部43bにおいて直接的に固定されている。従って、図6(a)に示されているように、複数の大径粒子19Aは、その間に介在する3次元網目構造41(複数の小径粒子19B)によって互いに固定されている。
なお、ここでいう固定部43bにおける直接的な固定は、固定部41aにおける直接的な固定と同様である。例えば、固定部43bにおける直接的な固定は、大径粒子19Aと小径粒子19Bとが直接的に当接して固定されている状態だけでなく、小径粒子19Bの粒径に比較して極めて薄い適宜な材料(ただし、樹脂17は除く)が介在している状態も含み、また、後述する製造方法によって現に実現されることが確認されている。
図6(b)に示されているように、大径粒子19Aとその周囲の複数の小径粒子19Bとの間には複数の空隙が形成されている。この大径粒子19Aの周囲の複数の空隙は、断面においては互いに分離しているが、3次元的に互いに直接又は間接につながっており、小径空隙43Bとともに樹脂層7全体に対して1つ又は比較的少数の3次元網目状の空隙を構成している。大径粒子19Aの周囲の複数の空隙は、例えば、小径空隙43Bと概ね同様の大きさであり、また、小径空隙43Bと同様に、基本的に樹脂17が充填されている。なお、以下では、この空隙も小径空隙43Bとして言及する。
このように、樹脂層7は、複数のフィラー19(大径粒子19A及び小径粒子19B)が直接的に固定されることによって構成された3次元網目構造の空隙に樹脂17が充填された構成となっている。
図6(a)に示すように、樹脂層7には、比較的径が大きい1以上の大径空隙43Aが形成されていてもよい。大径空隙43Aは、その周囲の小径空隙43Bと通じている。断面において互いに分離している複数の大径空隙43Aは、3次元的に、かつ小径空隙43Bを介さずに直接的に、互いに通じていてもよい。断面における大径空隙43Aの径は、例えば、大径粒子19Aの粒径と同等又はそれ以上である。
なお、以下では、大径空隙43Aと小径空隙43Bとを区別せずに、単に空隙43ということがある。
(大径粒子及び小径粒子の材料及び粒径等)
大径粒子19A及び小径粒子19Bは、互いに同一の材料から構成されていてもよいし、互いに異なる材料から構成されていてもよい。大径粒子19A及び小径粒子19Bは、無機絶縁材料からなる。無機絶縁材料の具体例は、第1実施形態の説明において述べたとおりである。
大径粒子19A及び小径粒子19Bは、互いに同一の材料から構成されていてもよいし、互いに異なる材料から構成されていてもよい。大径粒子19A及び小径粒子19Bは、無機絶縁材料からなる。無機絶縁材料の具体例は、第1実施形態の説明において述べたとおりである。
樹脂層7において、フィラー19の粒径の度数分布を測定した場合、大径粒子19Aに対応して度数が高くなる粒径の範囲(ヒストグラムにおける山)と、小径粒子19Bに対応して度数が高くなる粒径の範囲とが存在してもよいし(すなわち2つの山が存在してもよいし)、存在しなくてもよい。好ましくは、2つの山が存在する。2つの山のピークの差は、例えば、100nm以上である。なお、大径粒子19A及び小径粒子19Bが互いに異なる材料からなる場合においては、フィラー19の粒径のヒストグラムに1つの山しか現れなくても、両者を区別することができる。
大径粒子19Aの粒径は、例えば、0.5μm以上5.0μm以下の範囲内にある。なお、偏差が比較的大きい場合においては、平均値又は中央値が上記の範囲内にあり、上記の範囲外の大径粒子19Aが存在してもよい。また、樹脂層7において、2つの度数の山のうち大きい方の山(大径粒子19A及び小径粒子19Bに対応する山のうち大径粒子19Aに対応する山)のピークが上記の範囲内にあってもよい。
小径粒子19Bの粒径は、例えば、3nm以上110nm以下の範囲内にある。なお、偏差が比較的大きい場合においては、平均値又は中央値が上記の範囲内にあり、上記の範囲外の小径粒子19Bが存在してもよい。また、樹脂層7において、2つの度数の山のうち小さい方の山(大径粒子19A及び小径粒子19Bに対応する山のうち小径粒子19Bに対応する山)のピークが上記の範囲内にあってもよい。
また、別の観点では、小径粒子19Bの粒径は、例えば、大径粒子19Aの粒径の1/200以上1/10以下の範囲内にある。なお、この観点においては、例えば、大径粒子19A及び小径粒子19Bの粒径の代表値(平均値又は中央値)を用いて、両粒子の粒径を比較してよい。
なお、粒径の測定方法は、第1実施形態の説明において述べたとおりである。ただし、大径粒子19Aの粒径の測定と小径粒子19Bの粒径の測定とでは、互いに異なる縮尺の断面画像が用いられてよい。
また、大径粒子19A及び小径粒子19Bの形状は、例えば、概略球形である。ただし、球形に限らず、例えば、鱗片状であってもよい。
(大径粒子及び小径粒子の含有率)
樹脂層7が3次元網目構造41を有する場合、樹脂層7におけるフィラー19の含有率は、例えば、70体積%以上であり、より具体的には、例えば、70体積%以上80体積%以下である。また、フィラー19全体に占める小径粒子19Bの割合は、例えば、20体積%以上40体積%以下である。すなわち、大径粒子19Aの割合は60体積%以上80体積%以下である。
樹脂層7が3次元網目構造41を有する場合、樹脂層7におけるフィラー19の含有率は、例えば、70体積%以上であり、より具体的には、例えば、70体積%以上80体積%以下である。また、フィラー19全体に占める小径粒子19Bの割合は、例えば、20体積%以上40体積%以下である。すなわち、大径粒子19Aの割合は60体積%以上80体積%以下である。
(3次元網目構造を有する樹脂層の形成方法)
本願出願人は、上記のような3次元網目構造を有する樹脂層の製造方法を既になされた他の出願において開示している(例えば特開2013−030700号公報)。樹脂層7及びこれに含まれるフィラー19は、その本願出願人によって公開されている方法又は当該方法から推測される方法によって作製されてよい。その概略は以下のとおりである。
本願出願人は、上記のような3次元網目構造を有する樹脂層の製造方法を既になされた他の出願において開示している(例えば特開2013−030700号公報)。樹脂層7及びこれに含まれるフィラー19は、その本願出願人によって公開されている方法又は当該方法から推測される方法によって作製されてよい。その概略は以下のとおりである。
まず、樹脂層7の形成に先立って、大径粒子19A及び小径粒子19Bを作製する。大径粒子19Aは、酸化ケイ素から成る場合、例えばケイ酸ナトリウム水溶液(水ガラス)等のケイ酸化合物を精製し、化学的に酸化ケイ素を析出させた溶液を火炎中に噴霧し、凝集物の形成を低減しつつ加熱することにより、作製することができる。小径粒子19Bは、酸化ケイ素から成る場合、例えば、ケイ酸ナトリウム水溶液(水ガラス)等のケイ酸化合物を精製し、化学的に酸化ケイ素を析出させることにより、作製することができる。小径粒子19Bの粒径は、酸化ケイ素の析出時間を短くすることによって小さくされる。
樹脂層7を形成する工程(図2(c)に対応)では、例えば、まず、大径粒子19A及び小径粒子19Bと溶剤とを有する無機絶縁ゾルを複数のベアチップ3が配置された支持体31上に配置し、加熱によって溶剤を蒸発させる。ただし、焼結体を形成するときのような高温での加熱は行われない。従って、複数のフィラー19は、互いに結合されつつも、粒界は基本的に維持され、アモルファス状態が保たれる。これにより、複数のフィラー19による3次元網目構造41が実現される。
なお、支持体31に代えて、銅箔等の他の支持体に無機絶縁ゾルを塗布して3次元網目構造41を形成し、その後、パンチング等によって複数のベアチップ3が収容(嵌合)される複数の孔部を3次元網目構造41に形成し、この3次元網目構造41を支持体31上に配置してもよい。この場合、3次元網目構造41の支持体31上への配置は、ベアチップ3の支持体31上への配置の前であってもよいし、後であってもよい。
加熱温度は、溶剤の残存を低減する観点から、溶剤の沸点以上であることが好ましい。また、加熱温度は、焼結の進行を抑制する観点から、結晶化開始温度未満である。このように加熱温度が低温であっても、小径粒子19Bの粒径が比較的小さいことなどから、複数のフィラー19は互いに固定される。例えば、フィラー19の材料が酸化ケイ素(結晶化開始温度:約1300℃)である場合、小径粒子19Bの粒径が110nm以下に設定されているときは250℃程度の加熱温度を用いることができ、また、小径粒子19Bの粒径が15nm以下に設定されているときは150℃程度の加熱温度を用いることができる。
次に、3次元網目構造41上に液状の樹脂17又は加熱により液状となるシート状(半硬化状)の樹脂17を配置する。そして、3次元網目構造41の毛管力により、及び/又は液状の樹脂17に上から圧力を付与することにより、3次元網目構造41の空隙43に樹脂17を浸み込ませる。その際及び/又はその後、樹脂17を加熱などによって硬化させる。これにより、3次元網目構造41とその空隙43に充填された樹脂17とを含む樹脂層7が形成される。
なお、上述したように、3次元網目構造41は、支持体31に代えて、銅箔等の他の支持体上に無機絶縁ゾルを塗布して形成されてもよい。この場合において、3次元網目構造41を支持体31上に配置してから樹脂17を配置するのではなく、銅箔等の他の支持体上にある3次元網目構造41に樹脂17を浸み込ませ、これに複数のベアチップ3に対応する複数の孔部を形成して支持体31上に配置し、その後、樹脂17を硬化させてもよい。
<絶縁層の好適例>
(絶縁層の好適例の構成)
図7は、絶縁層21の好適例を示す断面図である。この絶縁層21は、上述した樹脂層7と同様に、3次元網目構造41が形成されることによってフィラー19が高充填された層を含んでいることを特徴の一つとしている。具体的には、以下のとおりである。
(絶縁層の好適例の構成)
図7は、絶縁層21の好適例を示す断面図である。この絶縁層21は、上述した樹脂層7と同様に、3次元網目構造41が形成されることによってフィラー19が高充填された層を含んでいることを特徴の一つとしている。具体的には、以下のとおりである。
絶縁層21は、例えば、絶縁性を有する複数の層が積層されて構成されている。具体的には、例えば、絶縁層21は、ベアチップ3側から順に、第1層51、第2層53及び第3層55を有している。
上記の3層のいずれも、樹脂17とフィラー19とを有している。このうち、第2層53は、3次元網目構造41を有する層であり、第1層51及び第3層55は、3次元網目構造41を有していない層である。別の観点では、第2層53は、第1層51及び第3層55よりもフィラー19の含有率が高い。第2層53における大径粒子19A及び小径粒子19Bの材料、粒径及び含有率等の説明は、樹脂層7の3次元網目構造41についての説明と同様である。
なお、第2層53と3次元網目構造41を有する樹脂層7とが組み合わされる場合、両者は、フィラー19の含有率が互いに同等であってもよいし、互いに異なっていてもよい。第1層51及び第3層55は、フィラー19の含有率が互いに同等であってもよいし、互いに異なっていてもよい。第1層51又は第3層55におけるフィラー19の含有率は、例えば、70体積%未満であり、好ましくは、55体積%以下(例えば25体積%以上55体積%以下)である。第1層51及び第3層55は、例えば、大径粒子19Aのように比較的粒径が大きいフィラー19のみを有している。ただし、小径粒子19Bのように比較的粒径が小さいフィラー19を有していてもよい。
樹脂17及びフィラー19の材料は、第1層51、第2層53及び第3層55の間で互いに同一であってもよいし、互いに異なっていてもよい。ただし、後述する製造方法から理解されるように、第2層53の樹脂17は、第1層51及び第3層55の少なくとも一方の樹脂17と同一材料とされ、また、一体的に形成(硬化)されていることが好ましい。また、これらの層と3次元網目構造41を有する樹脂層7とが組み合わされる場合において、樹脂17及びフィラー19の材料は、互いに同一であってもよいし、互いに異なっていてもよい。絶縁層21の樹脂17及びフィラー19の具体的な材料(組成等)は、実施形態等において樹脂層7に関して説明したとおりである。
第1層51、第2層53及び第3層55は、各層の全体に亘って一定の厚さを有している。その厚さは、パッケージ5に要求される機能等に応じて適宜に設定されてよい。一例を挙げると、各層の厚さは、3μm以上200μm以下であり、3層の合計の厚さは、9μm以上600μm以下である。また、これらの厚さの相対的な関係も適宜に設定されてよい。例えば、第2層53は、第1層51に比較して、薄くてもよいし、同等の厚さでもよいし、厚くてもよい。なお、第3層55は、製造上の理由から、第1層51及び第2層53よりも薄いことが好ましい。
(絶縁層の好適例の形成方法)
まず、銅箔等の適宜な支持体上に第3層55となる材料を塗布する。この材料は、フィラー19が混ぜ込まれた樹脂17である。次に、その樹脂17を硬化させて第3層55を形成する。次に、その上に無機絶縁ゾルを塗布することなどにより3次元網目構造41を形成する。その上に、第1層51となる材料を塗布する。この材料は、フィラー19が混ぜ込まれた樹脂17である。
まず、銅箔等の適宜な支持体上に第3層55となる材料を塗布する。この材料は、フィラー19が混ぜ込まれた樹脂17である。次に、その樹脂17を硬化させて第3層55を形成する。次に、その上に無機絶縁ゾルを塗布することなどにより3次元網目構造41を形成する。その上に、第1層51となる材料を塗布する。この材料は、フィラー19が混ぜ込まれた樹脂17である。
次に、図4(a)に対応する工程において(図3(c)の後)、上記のように積層されて構成された絶縁層21を、第1層51が複数のベアチップ3の下面3b及び樹脂層7の下面に当接するように配置する。この際、第1層51においては、樹脂17は完全には硬化されておらず、ある程度の粘度を有した未硬化状態とされている。この未硬化状態は、A−ステージ又はB−ステージの状態であってもよい。
その後、これらの積層体を加熱しつつ積層方向に加圧する。これにより、第1層51が複数のベアチップ3及び樹脂層7に固定される。
第1層51の樹脂17は、第1層51を複数のベアチップ3に重ねる前に、毛管力により、及び/又は加圧されることにより、第2層53の3次元網目構造41に浸み込んでいる。及び/又は上記の第1層51を複数のベアチップ3に固定する際の加圧により、第1層51の樹脂17は、第2層53の3次元網目構造41に浸み込んでいる。そして、上記の固定の際の加熱により、3次元網目構造41に浸み込んでいる樹脂17も硬化される。従って、第2層53の樹脂17及び第1層51の樹脂17は、互いに同一の材料からなり一体的に成形されている。
なお、第1層51、第2層53及び第3層55の形成順は、上記と逆であってもよい。例えば、図4(a)に対応する工程において(図3(c)の後)、複数のベアチップ3の下面3b及び樹脂層7の下面に第1層51となる材料を塗布し、その上に3次元網目構造を形成し、その上に第3層55となる材料を塗布して硬化させてもよい。この場合、第2層53の樹脂17及び第3層55の樹脂17は、互いに同一の材料からなり一体的に成形される。
この他、第1層51及び第3層55とは別個に3次元網目構造41を形成し、未硬化状態の第1層51及び/又は第3層55に3次元網目構造41を重ねてもよい。この場合に、第1層51及び第3層55の双方の樹脂17が3次元網目構造41に浸み込んでもよい。
絶縁層21の形成後、接続導体23等の形成方法については、実施形態と同様である。
なお、以上の実施形態等において、樹脂層7及び207はモールド樹脂層の一例であり、金属板11は金属部材の一例である。
本発明は、以上の実施形態に限定されず、種々の態様で実施されてよい。
ベアチップの上面がモールド樹脂層から露出している電子部品を実現するための製造方法は、ベアチップを埋設させているモールド樹脂層の上面側部分を除去するものに限定されない。例えば、3次元網目構造を有する樹脂層の説明において述べたように、ベアチップに対応する孔部が形成されたモールド樹脂層を配置してもよい。また、ベアチップの上面がモールド樹脂層によって覆われないように液状の樹脂を供給したり、未硬化のモールド樹脂層の上面を押圧部材によって押圧するときに、押圧部材がベアチップの上面に当接するまで押圧を行ったりしてもよい。
また、ベアチップの上面がモールド樹脂層から露出している電子部品を実現するための製造方法は、ベアチップの下面(パッドが設けられている面)を支持体(31)に向けてベアチップを支持体上に配置し、その後、支持体上にモールド樹脂を供給するものに限定されない。例えば、金属板(ダイシング前のもの)の上にその概ね全面に亘って接着剤層を形成し、その上に、ベアチップの上面を下方に向けて複数のベアチップを配置し、その後、接着剤層上にモールド樹脂を供給してもよい。このような方法によっても、ベアチップの上面とモールド樹脂層の上面とに亘って接着剤層及び金属板が配された電子部品が実現される。なお、この場合、モールド樹脂層は、ベアチップの下面上にも材料が供給されることにより、実施形態とは異なりベアチップの下面を覆うように形成されてもよいし、ベアチップの下面を覆わないように材料が供給されることなどにより、実施形態と同様にベアチップの下面を露出させるように形成されてもよい。換言すれば、ベアチップの下面に設けられる配線層は、実施形態とは異なりモールド樹脂層の一部を含んで構成されてもよいし、実施形態と同様にモールド樹脂層を含まずに構成されてもよい。なお、当該説明からも明らかなように、モールド樹脂層の下面とベアチップの下面とは同一面でなくてもよい。
金属部材は、金属板に限定されず、例えば、上面に複数のフィンを有するものであってもよい。また、金属板としての金属部材は、その広さ全体に亘って厚さが一様でなくてもよいし、屈曲部乃至は湾曲部を有していてもよい。例えば、金属板は、ベアチップの上面に向かって突出する台状部分が形成されるように、ベアチップ上において厚くなっていたり、厚さ一様でベアチップ側へ落としこまれていたりしてもよい。この場合、モールド樹脂層よりも優先的にベアチップへ金属板を近づけることができる。
モールド樹脂層は、フィラーを含まないものであってもよく、また、フィラーを含む場合にその充填率は適宜に設定されてよい。また、モールド樹脂層に用いられる樹脂は、比較的熱伝導率が高くなるように組成などが工夫されたものであってもよい。
ベアチップの上面と、ベアチップの上面が露出するようにベアチップを囲む枠状のモールド樹脂層の上面とは同一面でなくてもよい。すなわち、これらの上面のうち一方が他方に対して高くなっていてもよい。例えば、ベアチップが埋設されたモールド樹脂層の上面側部分をエッチングによって除去してベアチップの上面を露出させる場合、エッチングの時間を比較的長くすれば、枠状のモールド樹脂層の上面をベアチップの上面よりも低くすることができる。この場合、例えば、モールド樹脂層よりも優先的にベアチップに金属部材を近づけることができる。また、例えば、ベアチップが埋設されたモールド樹脂層の上面側部分をエッチングによって除去してベアチップの上面を露出させる場合において、その少なくとも一部の過程で、平面透視においてベアチップに重なる開口を有するマスクを介してエッチングを行えば、モールド樹脂層のうちベアチップ上に位置する部分のみを除去して、ベアチップを囲む枠状のモールド樹脂層の上面をベアチップの上面よりも高くすることができる。また、ベアチップの上面とベアチップを囲む枠状のモールド樹脂層の上面とが同一面となっている状態で、ベアチップ上に開口を有するマスクを介してベアチップの上面をエッチングして、ベアチップの上面をモールド樹脂層の上面よりも低くすることも可能である。ベアチップの上面をモールド樹脂層の上面よりも低くした場合、例えば、ベアチップのチッピングが抑制される。上述した金属板のベアチップ側へ突出する台状部分を、ベアチップを囲む枠状のモールド樹脂層の開口に嵌合させてベアチップの上面に接着してもよい。なお、当該説明及び上記の金属板の説明からも明らかなように、接着剤層はその全体に亘って一様な厚さでなくてもよい。
また、モールド樹脂層の上面の凹凸は設けられなくてもよい。上面に凹凸を有さないモールド樹脂層の形成方法としては、例えば、フィラーを含まない材料によってモールド樹脂層を形成してその上面を研磨したり、フィラーを含むモールド樹脂層の上面を押圧部材で押圧してモールド樹脂層の最終的な上面を形成したりすることが挙げられる。
少なくともベアチップ上のモールド樹脂層の上面側部分を除去する製造方法によって作製される電子部品は、ベアチップの上面がモールド樹脂層から露出していなくてもよい。多少なりともモールド樹脂層の上面側部分が除去されれば、ベアチップと金属板との熱的な距離を短くすることが可能である。別の観点では、金属部材は、接着剤層によって、モールド樹脂層のみに接着されていてもよい。
また、ベアチップが露出するまでモールド樹脂層の上面側部分を除去した場合、金属部材は、接着剤層によって、ベアチップのみに接着されていてもよいし、モールド樹脂層のみに接着されていてもよい。例えば、既述のようにモールド樹脂層の上面をベアチップの上面よりも低くして平坦な金属板をベアチップのみに接着してもよいし、ベアチップの上面とモールド樹脂層の上面とが面一である場合に金属部材のベアチップ側へ突出する台状部分をベアチップのみに接着してもよい。このようにすることにより、ベアチップと金属部材との間に隙間が生じることを抑制できる。また、例えば、モールド樹脂層上にのみ接着剤層を形成し、ベアチップ上には接着剤層よりも熱伝導率が高い材料を配置してもよい。
1…電子部品、3…ベアチップ、3a…上面、3b…下面、3c…側面、7…樹脂層(モールド樹脂層)、9…接着剤層、11…金属板(金属部材)。
Claims (9)
- 上面、下面および側面を有するベアチップと、
該ベアチップの側面に前記ベアチップを囲むように配置されたモールド樹脂層と、
該モールド樹脂層の上面および前記ベアチップの上面に配置された接着剤層と、
該接着剤層の上面に配置された金属部材と
を有する電子部品。 - 前記モールド樹脂層の上面と前記ベアチップの上面とが同一面であり、該同一面に前記接着剤層が配置されている
請求項1に記載の電子部品。 - 前記モールド樹脂層の上面に算術平均粗さで0.1μm以上の凹凸を有する
請求項1又は2に記載の電子部品。 - 前記モールド樹脂層は、無機材料からなるフィラーを70体積%以上含有する
請求項1乃至3のうちいずれか1項に記載の電子部品。 - 前記モールド樹脂層の下面と前記ベアチップの下面とが同一面であり、該同一面に配線層が配置されている
請求項1乃至4のうちいずれか1項に記載の電子部品。 - 支持体上に複数のベアチップを配置する工程と、
前記ベアチップが配置された前記支持体上にモールド樹脂を配置し、前記ベアチップが埋められるモールド樹脂層を形成する工程と、
少なくとも前記ベアチップ上において前記モールド樹脂層の上面側部分を除去する工程と、
平面透視において前記ベアチップに重なるように金属部材を前記上面側部分が除去されたモールド樹脂層の上面及び前記ベアチップの上面の少なくとも一方に接着剤層を介して貼り合わせる工程と
を含む電子部品の製造方法。 - 前記除去する工程では、少なくとも前記ベアチップの上面が露出するまで前記モールド樹脂層の上面側部分を除去する
請求項6に記載の電子部品の製造方法。 - 前記除去する工程では、前記モールド樹脂層の上面を研磨することによって前記モールド樹脂層の上面側部分を除去する
請求項6又は7に記載の電子部品の製造方法。 - 前記除去する工程では、前記ベアチップが所定の厚さになるまで前記モールド樹脂層の上面及び前記ベアチップの上面を共に研磨する
請求項8に記載の電子部品の製造方法。
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WO2019030992A1 (ja) | 2017-08-07 | 2019-02-14 | クラリオン株式会社 | 車車間通信装置および走行支援装置 |
JPWO2022118925A1 (ja) * | 2020-12-04 | 2022-06-09 |
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2016
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WO2022118925A1 (ja) * | 2020-12-04 | 2022-06-09 | 昭和電工マテリアルズ株式会社 | 半導体装置の製造方法 |
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