以下、図面を参照して実施の形態を詳細に説明する。
[第1の実施形態]
まず、第1の実施形態の自動取引システムについて図1を用いて説明する。図1は、第1の実施形態の自動取引システムの一例を示す図である。
自動取引システム9は、自動取引装置1と、情報端末2と、ホストコンピュータ3と、第1のデバイス4と第2のデバイス5とを備える。なお、自動取引システム9の構成は一例であり、自動取引システム9を構成する要素の組合せは適宜決定される。
自動取引装置1は、制御部1aと、記憶部1bとを備える。自動取引装置1は、金融取引を行う装置であり、たとえば、金融機関等が備えるATMや、コンビニエンスストアや各種の店舗等が備える取引端末である。
制御部1aは、自動取引装置1を構成するためのデバイスの追加又は削除を制御する。自動取引装置1を構成するためのデバイスとは、硬貨処理部、通帳処理部、タッチパネル操作部、認証部、紙幣処理部、テンキー入力部等である。デバイスは、外装を有し、独立して設置が可能である。デバイスは、たとえば、箱型の筐体に収容され、個別に自動取引装置1に接続することが可能である。
デバイスを自動取引装置1に物理的に接続する(追加する)のみでは、自動取引装置1としてデバイスの制御ができず、自動取引装置1として機能しない。追加したデバイスを制御するため、デバイスに対応するデバイスドライバを自動取引装置1にインストールすることを要する。自動取引装置1は、デバイスと接続し、デバイスに対応したデバイスドライバをインストールすることにより、デバイスを介して顧客からの操作の受け付けや顧客との情報交換や紙幣の出し入れ等が可能となり、金融取引を行う装置として稼働できる。
制御部1aは、自動取引装置1を構成するためのデバイスの追加又は削除を検知する。
記憶部1bは、デバイスの追加又は削除に関する情報であるデバイス履歴情報6を記憶できる。デバイス履歴情報6は、自動取引装置1に追加したデバイスおよびデバイスドライバと自動取引装置1から削除したデバイスおよびデバイスドライバを管理するために用いる情報である。
デバイスドライバのインストールをした場合、制御部1aは、デバイスドライバをインストールしたインストール年月日6aと、デバイスドライバの識別情報6cと、デバイスの識別情報6dとをデバイス履歴情報6として記憶部1bに記憶させる。
デバイスドライバのアンインストールをした場合、制御部1aは、デバイスドライバをアンインストールしたアンインストール年月日6bと、デバイスドライバの識別情報6cと、デバイスの識別情報6dとをデバイス履歴情報6として記憶部1bに記憶する。
デバイスドライバ識別情報6cは、デバイスドライバを識別する情報であり、プログラム名、バージョン番号、デバイスドライバの機能名等である。デバイス識別情報6dは、デバイスを識別する情報であり、デバイス名、型番、デバイスに付与されたアドレス、デバイスの機能名等である。
情報端末2は、自動取引装置1の設置や点検を行う係員が用いるコンピュータであり、ノートパソコンやタブレットPC等である。情報端末2は、表示部2aを備え、自動取引装置1から取得した情報を表示できる。表示部2aで表示する情報として、デバイスドライバインストール関連情報8aやデバイスドライバアンインストール関連情報8bがある。デバイスドライバインストール関連情報8aは、自動取引装置1にインストール中のデバイスドライバのデバイスドライバ識別情報や、インストールの進捗状況や、デバイス履歴情報6から抽出した情報を含む。デバイスドライバアンインストール関連情報8bは、自動取引装置1からアンインストール中のデバイスドライバのデバイスドライバ識別情報や、アンインストールの進捗状況や、デバイス履歴情報6から抽出した情報を含む。
ホストコンピュータ3は、自動取引装置1とデータの送受信が可能なコンピュータである。ホストコンピュータ3は、制御部と記憶部3aを備える。なお、ホストコンピュータ3が備える制御部について図示を省略する。記憶部3aは、第1のデバイスドライバ7a、第2のデバイスドライバ7b等の複数のプログラムを格納する。ホストコンピュータ3の制御部は、自動取引装置1からの要求に応じて、デバイスドライバを自動取引装置1に送信できる。
ここで、自動取引装置1を構成するためデバイスとして第1のデバイス4、第2のデバイス5が追加されたことを検知したものとする。
第1のデバイス4の追加を検知した場合、制御部1aは、追加を検知した第1のデバイス4に対応する第1のデバイスドライバ4bを取得するための要求を送信し、受信した第1のデバイスドライバ4bをインストールする。なお、第1のデバイスドライバ4bは、第1のデバイス4が備える記憶部4aに記憶されている。また、デバイスドライバは、デバイスを制御するためのプログラムであり、自動取引装置1にインストールされる。
第2のデバイス5の追加を検知した場合、制御部1aは、第2のデバイス5に対応する第2のデバイスドライバを取得するための要求を第2のデバイス5に対して送信する。第2のデバイス5が備える記憶部5aはデバイスドライバを記憶していないため、制御部1aは、第2のデバイス5から第2のデバイスドライバを受信できない。この場合、制御部1aは、第2のデバイスドライバを取得するための要求をホストコンピュータ3に送信する。制御部1aは、ホストコンピュータ3から第2のデバイスドライバ7bを受信し、自動取引装置1にインストールする。
次に、制御部1aは、第1のデバイス4の削除を検知した場合、削除を検知した第1のデバイス4に対応する第1のデバイスドライバ4bを自動取引装置1からアンインストールする。
このようにして、自動取引装置1は、デバイスの追加又は削除に応じてデバイスドライバのインストール又はアンインストールを行うことにより、自動取引装置1の機能を容易に追加又は削除できる。
[第2の実施形態]
次に、第2の実施形態として、自動取引装置1をATMに適用し、情報端末2を係員端末に適用した自動取引システムについて図2を用いて説明する。図2は、第2の実施形態の自動取引システムの一例を示す図である。
自動取引システム400は、図2に示すように、複数のATM10a,10b,10cを含み、各ATMはホストコンピュータ300とネットワーク200を介して接続されている。以下、ATMのいずれか1台を特定する場合はATM10a,10b,10cのいずれかを記載し、それ以外の場合はATM10と記載する。
ATM10は、デバイスおよびデバイスを制御するプログラム(デバイスドライバ)の構成を変更できる。ATM10の設置や保守を行う係員は、機能や設置場所等に応じて、ATM10の構成を変更できる。ここで、機能とは、ATM10が有する働きであり、たとえば、通帳の取り扱い、各種紙幣の取り扱い、硬貨の取り扱い、顧客の認証、顧客および係員とのインタフェース、等を含む。設置場所とは、ATM10を設置する場所であり、たとえば、金融機関のATMコーナー、コンビニエンスストアにおけるレジ台の上下、店舗における商品陳列棚および倉庫、等を含む。
ATM10は、ATM10を構成する複数のデバイスを1つの筐体に収容するだけではなく、ATM10を構成するデバイスを別筐体にして、機能別に独立したパーツ(部品)として扱うことも可能である。ATM10は、デバイスを機能別に部品として扱うことにより、デバイスごとに追加および削除が可能となる。また、ATM10を構成する複数のデバイスは、1台のATM10として機能できるよう制御が可能な状態で離れた場所に設置することも可能である。
また、ATM10を設置するに際し、最初に必要最低限のデバイスのみを接続し、必要に応じてデバイスを追加していくという設置方法も可能である。また、ATM10のデバイスを交換するに際し、ATM10に既に接続されているデバイスと同一の機能を有するデバイスの最新版を追加して古いデバイスを削除する場合、交換の対象となるデバイスのみを追加および削除することができる。
ここで、ATM10の配置の一例について図9を用いて説明する。図9は、第2の実施形態のATMの配置の一例を示す図である(その1)。
図9は、コンビニエンスストアのレジカウンターや各種店舗においてATM10を配置した一例を示している。なお、図9に示した構成は一例であり、配置及び構成は任意である。図9においては、ATM10を構成するデバイスを機能別に独立した部品として扱い、個別に箱型の筐体に収容されているものとする。図9においては、ATM10を構成するデバイスを機能別に独立した部品をユニットと記載する。ATM10は、従来のように一体型の筐体で構成されるATMとは異なるものであり、店舗の状況(カウンターや商品ケースの配置状況、顧客や係員等の動線、通信設備や電源設備の位置等)に応じてユニットを個別に配置して構成することが可能である。
ATM10は、認証処理ユニット504と、入力ユニット505と、紙幣処理ユニットA506と、紙幣処理ユニットB507とを制御部508に接続することによって構成される。ATM10の各構成要素は配線により接続した形態を示すが、これは一例に過ぎず、配線形態は有線無線を問わない。
レジカウンター501は、商品の会計処理を行うためのPOSレジ端末502や、商品を陳列する商品ケース503等を設置するための台である。コンビニエンスストアや各種店舗等において、顧客はレジカウンター501を挟んで顧客の対応や会計処理を行う。
レジカウンター501の天板上には、POSレジ端末502と、商品ケース503と、認証処理ユニット504と、入力ユニット505が配置される。レジカウンター501の横には、紙幣処理ユニットA506と、紙幣処理ユニットB507が配置される。レジカウンター501の内部(天板下)には、制御部508が配置される。
ATM10を利用する顧客が操作しやすいよう、認証処理ユニット504と入力ユニット505はカウンター501の上に設置され、紙幣処理ユニットA506と紙幣処理ユニットB507は紙幣出入口が他のユニットと同等の高さになるよう配置されている。また、制御部508は、保守や点検を行う係員が操作するものであり、顧客が触れることはないため、レジカウンター501の内部(天板下)に配置されている。
認証処理ユニット504は、ATM10を利用する顧客の認証を行うものであり、たとえば、カードの処理の制御等を行う。入力ユニット505は、タッチパネル操作部やテンキー入力部等の入力装置である。紙幣処理ユニットA506は、円紙幣を処理し、円紙幣収容部や紙幣出入口を備える。紙幣処理ユニットB507は、ドル紙幣を処理し、ドル紙幣収容部や紙幣出入口を備える。制御部508は、ATM10の全体を制御するものである。なお、制御部508および各ユニット504,505,506,507は、後で図3等を用いて説明する。
ATM10を利用する顧客は、認証処理ユニット504にカードを挿入し、入力ユニット505でパスワードや出金金額を入力し、紙幣処理ユニットA506から円紙幣を出金することができる。なお、円紙幣は、一例に過ぎず、ドル紙幣の出金を指定すればドル紙幣の出金も可能であるものとする。
ここで、ATM10の他の配置の一例について図10を用いて説明する。図10は、第2の実施形態のATMの配置の一例を示す図である(その2)。
図10は、コンビニエンスストアのレジカウンターや各種店舗においてATM10を配置した一例を示している。なお、図10に示した構成は一例であり、配置及び構成は任意である。図10において、図9と異なる点は、入力ユニットが制御部に接続されていない点と、認証処理ユニット554の機能が認証処理ユニット504と異なる点である。なお、図10において、図9と同様の点については説明を適宜省略するものとする。
ATM10は、認証処理ユニット554と、紙幣処理ユニットA556と、紙幣処理ユニットB557とを制御部558に接続することによって構成される。
認証処理ユニット554は、ATM10を利用する顧客の認証を行うものであり、たとえば、予めスマートフォン等に記憶された取引登録情報(二次元バーコード等)を読取り認証し金融取引を実行する機能を備えるものとする。取引登録情報とは、顧客が予め金融機関が提供するインターネットバンキング等で取得した金融取引を行うための情報であり、顧客の認証情報や取引種別情報や取引金額等を含む情報である。顧客は、取引登録情報を用いることにより、パスワードの入力や出金金額の入力をせずに、認証処理や出金処理等が可能になるものとする。
なお、紙幣処理ユニットA556、紙幣処理ユニットB557、制御部558は、図9の紙幣処理ユニットA506、紙幣処理ユニットB507、制御部508と同様であるものとする。また、レジカウンター551、POSレジ端末552、商品ケース553も、図9のレジカウンター501、POSレジ端末502、商品ケース503と同様であるものとする。
ATM10を利用する顧客は、顧客が所持したスマートフォンで二次元バーコードを表示し、認証処理ユニット554に二次元バーコードを読取らせて認証を行い、紙幣処理ユニットA506から円紙幣を出金することができる。
このように、ATM10は、各ユニットを独立して配置することが可能であるため、店舗の状況に合わせて、空きスペースを有効活用して設置することができる。また、ATM10を構成する各ユニットは、独立した装置として設置可能であり、不要なユニットは削除できるためATM10全体として小型化が可能である。また、ATM10は、ユニット毎に持ち運びが可能であるため、店舗改装時に容易に移設ができる。また、ATM10は、従来の一体型かつ大型の筐体を有するATMではなく、小型かつ軽量のユニットの組合せで構成されているため設置場所の確保がしやすく、設置に要する費用が軽減でき、設置する作業の工数を削減できる。また、ATM10は、各ユニットを独立して配置できるため、従来の一体型の筐体を有するATMと比較して、ユニットの増設や減設の作業が容易である。また、ATM10は、機能の拡張が容易であり、たとえば、外貨を取り扱う紙幣処理ユニットを増設することで、外貨を取り扱うことが可能となる。
再び、図2の自動取引システム400の説明に戻る。
以下、異なるデバイス構成のATM10の一例を、ATM10a,10b,10cで示す。
まず、ATM10aについて説明する。ATM10aは、顧客操作部20aと係員操作部30aとを含む。顧客操作部20aは、硬貨処理部12と、通帳処理部13と、タッチパネル操作部14と、認証部15aと、紙幣処理部A(円)16aと、テンキー入力部17と、を含む。係員操作部30aは、制御部110aを含む。ATM10aは、たとえば、金融機関のATMコーナーに設置される。
顧客操作部20aは、顧客が操作するデバイスの総称である。係員操作部30aは、顧客が操作するデバイス以外のデバイスの総称である。デバイスは、記憶部を備え、デバイスを制御するためにATM10にインストールを要するデバイスドライバを記憶部に記憶できる。また、デバイスは、デバイスを識別する情報であるデバイス識別情報等を記憶部に記憶できる。また、デバイスは、ATM10にデバイス識別情報等を送信し、ATM10によってデバイスの識別をされることができる。デバイス識別情報とは、たとえば、装置番号、型式、装置名、デバイスに設定されたアドレス情報等である。
硬貨処理部12では、入金および出金取引の際に、硬貨の受け渡しを処理する。通帳処理部13では、取引の際に、通帳の受け渡しを処理する。
タッチパネル操作部14は、ディスプレイとタッチパネルとを有し、取引操作の案内と、取引提案の表示と、指示の受け付けとを行う。なお、図示を略すが、ATM10は、ディスプレイ等の表示による指示だけでなく、受話器等の音声による指示も可能である。取引操作の案内や入力の指示等は、ディスプレイ等を用いた表示の指示に限らず、音声ガイダンスによる指示を行うこともできる。
認証部15aは、認証を行う機能を有する。以下、認証部のいずれか1つを特定する場合は認証部15a,15b,15cと記載し、それ以外の場合は認証部15と記載する。
認証部15は、カードの処理や、パスワードの認証処理や、指紋の認証処理等を行う。また、認証部15は、顧客端末50からの取引開始に関するデータや操作の入力等を受け付け、取引する金額や各種パスワード(暗証番号)等の取引に関する情報を受信し、取引の可否に関する情報や操作の指示を送信する機能を備えることが可能である。
認証部15として、たとえば、カード/レシート部、手のひら静脈認証部、虹彩認証部、指紋認証部、非接触ICカードリーダライタ部、バーコードリーダ部等を用いることができる。認証部15は、これらのうち1つ又は複数の機能を備えることができる。
カード/レシート部は、キャッシュカードやクレジットカード等のカードを用いる取引において、カードの挿入と排出を行う。また、取引終了時に発行するレシートを排出する。手のひら静脈認証部は、顧客の手のひら静脈のパターンを読取る。虹彩認証部は、顧客の目の虹彩のパターンを読取る。指紋認証部は、顧客の指の指紋のパターンを読取る。非接触ICカードリーダライタ部は、顧客が保持するICカードの情報を読取る。バーコードリーダ部は、顧客が保持する顧客端末50に表示されたバーコードの情報を読取る。
紙幣処理部A(円)16aは、入金および出金取引の際に、日本円の紙幣の受け渡しを処理する。以下、ATM10aに存在する紙幣処理部A(円)16aを特定する場合は紙幣処理部A16aと記載し、いずれのATM10に存在するものであるか特定しない場合は紙幣処理部Aと記載する。
テンキー入力部17は、数字等を入力するテンキーを備え、タッチパネル操作部14のタッチパネルと協働して顧客の指示を受け付ける。たとえば、テンキー入力部17は、キャッシュカードに記録された口座情報に対応する口座を認証するためのパスワードや、金融取引の金額等の入力を受け付けることができる。
制御部110aは、ATM10の全体動作を制御する。以下、制御部のいずれか1つを特定する場合は制御部110a,110b,110cのいずれかを記載し、それ以外の場合は制御部110と記載する。制御部110の詳細については、後で図3を用いて説明する。
ここで、顧客がカードを用いてATM10aで取引を行う際の動作について説明する。ATM10aの認証部15aとしてカード/レシート部を用いるものとする。顧客は、タッチパネル操作部14に表示された内容に従って、カードを挿入しパスワードと出金する出金金額を入力する。ATM10aは、入力されたパスワードとカードから取得した口座情報と出金金額とをホストコンピュータ300へ送信する。ホストコンピュータ300は、認証処理を行い、認証処理に問題なければ顧客から指示された取引を行い、ATM10aに取引の許可を送信する。ATM10aは、ホストコンピュータ300から取引の許可を受信し、出金する紙幣を紙幣処理部A16aから放出する。顧客は、紙幣処理部A16aから現金(円紙幣)を受け取る。現金の引き出し完了後、カード/レシート部からレシートが出力されるとともにカードが返却される。顧客は、これらを受け取り、ATM10aでの取引を完了する。
次に、ATM10bについて説明する。なお、ATM10bの説明において、ATM10aと異なる部分について説明する。
ATM10bは、顧客操作部20bと係員操作部30bとを含む。顧客操作部20bは、認証部15bと、紙幣処理部A16bと、紙幣処理部B(ドル)16dと、紙幣処理部C(元)16eと、を含む。係員操作部30bは、制御部110bを含む。以下、ATM10bに存在する紙幣処理部B(ドル)16dを特定する場合は紙幣処理部B16dと記載し、いずれのATM10に存在するものであるか特定しない場合は紙幣処理部Bと記載する。以下、紙幣処理部C(元)16eは、紙幣処理部C16eと記載する。
ATM10bは、店舗における商品陳列棚および倉庫に設置することが可能である。たとえば、顧客操作部20bを店舗における商品陳列棚に設置し、係員操作部30bを店舗における倉庫に設置することが可能である。ATM10bは、複数通貨の紙幣を扱うことが可能であるため、外国からの旅行者が多い店舗等に設置することに適している。ATM10bは、タッチパネルを備えておらず、タッチパネルを介した操作の受付を行わない。このため、顧客は、ATM10bに対して持参した顧客端末50を用いて取引に必要な情報の送受信を行う。
認証部15bは、たとえば、バーコードリーダ部を用いることができる。認証部15bは、顧客端末50に表示されたバーコードを読取ることで顧客を認証する。認証部15bは、顧客端末50から送信されたパスワードおよび出金金額の受信等が可能である。認証部15bは、ホストコンピュータ300による認証結果に基づく取引の可否の情報を顧客端末50に送信可能である。
紙幣処理部B16dは、入金および出金取引の際に、ドルの紙幣の受け渡しを処理する。紙幣処理部C16eは、入金および出金取引の際に、元の紙幣の受け渡しを処理する。
ここで、顧客が顧客端末50を用いてATM10bで取引を行う際の動作について説明する。ATM10bの認証部15bとしてバーコードリーダ部を用いるものとする。
顧客は、顧客端末50に予め定められた認証用のバーコードを表示し、認証部15bを介して認証を行う。ATM10bは、顧客端末50のバーコードの認証を許可した場合、顧客端末50から出金する金種(ドル)と出金金額を受信する。ATM10bは、認証した情報と出金する金種(ドル)と出金金額とをホストコンピュータ300へ送信する。ホストコンピュータ300は、認証処理を行い、認証処理に問題なければ顧客から指示された取引を行い、ATM10bに取引の許可を送信する。ATM10bは、ホストコンピュータ300から取引の許可を受信する。ATM10bは、ホストコンピュータ300からの許可に基づき、出金するドル紙幣を紙幣処理部B16dから放出する。顧客は、紙幣処理部B16dからドル紙幣を受け取る。紙幣の放出後、顧客端末50に取引終了の旨のデータが送信され、顧客は顧客端末50の画面で取引の確認をし、ATM10bでの取引を完了する。
次に、ATM10cについて説明する。なお、ATM10cの説明において、ATM10aおよびATM10bと異なる部分について説明する。
ATM10cは、顧客操作部20cと係員操作部30cとを含む。顧客操作部20cは、認証部15cと紙幣処理部A16cとを含む。係員操作部30cは、制御部110cを含む。
ATM10cは、コンビニエンスストアにおけるレジ台に設置することが可能である。たとえば、顧客操作部20cをコンビニエンスストアにおけるレジ台の上に設置し、係員操作部30cをコンビニエンスストアにおけるレジ台の下に設置することが可能である。
顧客が顧客端末50を用いてATM10cで取引を行う際の動作は、紙幣の金種が日本円に限られる点を除きATM10bとほぼ同様であるため説明を省略する。
このように、ATM10cは、機能を限定してデバイスを設置することで、限られた場所であっても設置することが可能である。
係員端末40は、ATM10の設置および保守をするために係員が用いるコンピュータであり、たとえば、ノートパソコン、携帯端末、タブレットPC等を含む。係員端末40は、有線ネットワークでATM10に接続してもよいし、無線ネットワークでATM10に接続してもよい。係員端末40は、ATM10のソフトウェアの設定のために用いることができる。
顧客端末50は、顧客がATM10に認証する際に用いる電子機器であり、携帯端末、タブレットPC、スマートフォン等を含む。
ホストコンピュータ300は、ネットワーク200を介して、ATM10を管理し、ATM10とデータの送受信を行うコンピュータである。また、ホストコンピュータ300は、ATM10から送信されたパスワードの認証処理や各種の取引ができる。なお、ネットワーク200は、有線ネットワークでもよいし、無線ネットワークでもよい。
次に、ATMのハードウェア構成について図3を用いて説明する。図3は、第2の実施形態のATMのハードウェア構成の一例を示す図である。
ATM10は、制御部110と、ディスプレイ14aと、タッチパネル14bと、認証処理ユニット150と、紙幣処理ユニット160と、テンキー処理ユニット170と、対人センサ制御180と、を含む。
制御部110は、プロセッサ111、RAM(Random Access Memory)112、第1HDD(Hard Disk Drive)113a、第2HDD113b、外部通信インタフェース114、表示処理ユニット115、タッチパネル処理ユニット116およびI/O(Input/Output)制御部117を有し、各々がバス118を介して接続されている。なお、制御部110は、コンピュータの一例でもある。
プロセッサ111は、ATM10の全体動作を制御するものであり、たとえば、CPU(Central Processing Unit)等である。RAM112には、プロセッサ111に実行させるOS(Operating System)のプログラムやアプリケーションプログラムの少なくとも一部が一時的に格納される。また、RAM112には、プロセッサ111による処理に必要な各種データが格納される。
第1HDD113aおよび第2HDD113bには、OSやアプリケーションプログラムや取引履歴やデバイスの追加や削除に関する情報等を格納できる。第1HDD113aと、第2HDD113bとは、システム保護のために二重化されているが、いずれか一方のみで構成することもできる。また、第1HDD113aと第2HDD113bは、SSD(Solid State Drive)等他の記憶装置でも代用可能である。
外部通信インタフェース114は、外部のネットワーク200に接続され、ホストコンピュータ300との間でデータの送受信を行う。また、外部通信インタフェース114は、ホストコンピュータ300へパスワードや取引情報等を送信できる。また、外部通信インタフェース114は、ホストコンピュータ300からパスワードの承認情報や取引履歴情報やデバイスドライバ等を受信できる。
表示処理ユニット115には、ディスプレイ14aが接続される。ディスプレイ14aは、タッチパネル14bとともにタッチパネル操作部14を構成する。表示処理ユニット115は、プロセッサ111の制御の下に、操作案内等の各種情報をディスプレイ14aの画面に表示させる。なお、図示を略すが、ATM10は、表示処理ユニット115だけでなく、音声処理ユニットを備えてもよい。音声処理ユニットには、受話器やイヤホン等音声出力可能な機器が接続される。音声処理ユニットは、タッチパネル操作部14に付随して構成されてもよい。音声処理ユニットは、プロセッサ111の制御の下に、操作案内等の各種の情報を音声ガイダンスで受話器等に出力させる。
タッチパネル処理ユニット116には、タッチパネル14bが接続される。タッチパネル14bは、ディスプレイ14aの上層に形成される。タッチパネル処理ユニット116は、顧客の指がタッチパネル14bに接触あるいは接近した画面上の位置を検出し、プロセッサ111に通知する。
I/O制御部117には、認証処理ユニット150、紙幣処理ユニット160、テンキー処理ユニット170および対人センサ制御180が接続される。I/O制御部117は、プロセッサ111の制御の下に、接続する各部にプロセッサ111からの指示を通知するとともに、各部から取得した情報をバス118経由でプロセッサ111に送る。
認証処理ユニット150は、認証部15に設けられ、カードの処理の制御や、パスワードの認証処理の制御や、指紋の認証処理の制御等を行うユニットの総称である。また、認証処理ユニット150は、顧客端末50と各種データの送受信を制御する機能を備えることが可能である。認証処理ユニット150として、たとえば、カード/レシート処理ユニット150a、手のひら静脈認証処理ユニット150b、虹彩認証処理ユニット150c、指紋認証処理ユニット150d、非接触ICカードリーダライタ処理ユニット150e、バーコードリーダ処理ユニット150f等を用いることができる。なお、これらは認証処理ユニット150の一例であり、その他のものでもよい。
カード/レシート処理ユニット150aは、カードの取り込みと排出、およびレシートの排出を制御する。また、取り込んだカードに付された磁気情報(口座番号等)を読取る。手のひら静脈認証処理ユニット150bは、顧客の手のひら静脈のパターンを認識し、顧客の認証処理を制御する。虹彩認証処理ユニット150cは、顧客の目の虹彩のパターンを認識し、顧客の認証処理を制御する。指紋認証処理ユニット150dは、顧客の指の指紋のパターンを認識し、顧客の認証処理を制御する。非接触ICカードリーダライタ処理ユニット150eは、顧客が保持するICカードの情報を読取り、顧客の認証処理を制御する。バーコードリーダ処理ユニット150fは、顧客が保持する顧客端末50に表示されたバーコードの情報を読取り、顧客の認証処理を制御する。
紙幣処理ユニット160は、紙幣処理ユニットA160a,紙幣処理ユニットB160b,紙幣処理ユニットC160cの総称である。紙幣処理ユニットA160aは、紙幣処理部A16a,16b,16cに設けられ、プロセッサ111の指示に従って日本円の紙幣の入出金と、扉の開閉とを制御する。紙幣処理ユニットB160bは、紙幣処理部B16dに設けられ、プロセッサ111の指示に従ってドルの紙幣の入出金と、扉の開閉とを制御する。紙幣処理ユニットC160cは、紙幣処理部C16eに設けられ、プロセッサ111の指示に従って元の紙幣の入出金と、扉の開閉とを制御する。なお、紙幣処理ユニット160は、各種の紙幣の取り扱いが可能である。紙幣処理ユニット160における円・ドル・元の紙幣の処理は一例に過ぎず、その他の外国の紙幣の取り扱いも可能であるものとする。
硬貨ユニット120は、硬貨処理部12に設けられ、プロセッサ111の指示に従って硬貨の入出金と、扉の開閉とを制御する。通帳ユニット130は、通帳処理部13に設けられ、プロセッサ111の指示に従って通帳の出し入れと、扉の開閉と、通帳の印字とを制御する。
テンキー処理ユニット170は、テンキー入力部17に設けられ、顧客が押下したテンキーの情報を受け付ける。顧客が押下したテンキーの情報には、パスワード、出金金額、金融取引で用いる情報等を含めてもよい。対人センサ制御180は、人の接近を検知する対人センサを制御し、ATM10に顧客が近付いたことを検出する。
可搬型記録媒体190は、たとえば、DVD(Digital Versatile Disk)やCD−ROM(Compact Disc − Read Only Memory)等の記録媒体である。可搬型記録媒体190は、取引履歴等を格納できる。
以上のようなハードウェア構成によって、本実施形態の処理機能を実現することができる。なお、上記の構成は一例であり、ATM10の構成部の組合せは適宜決定される。上記構成のうち必要のないものを削除するとしてもよいし、たとえば、その他のものを加えることもできる。
次に、第2の実施形態のホストコンピュータのハードウェア構成について図4を用いて説明する。図4は、第2の実施形態のホストコンピュータのハードウェア構成の一例を示す図である。
ホストコンピュータ300は、制御部310を含む。制御部310は、プロセッサ311、RAM312、HDD313、入出力信号インタフェース314、記憶媒体インタフェース315、通信インタフェース316を含む。ホストコンピュータ300は、プロセッサ311によって装置全体が制御されている。プロセッサ311には、バス317を介してRAM312と複数の周辺機器が接続されている。プロセッサ311は、マルチプロセッサであってもよい。プロセッサ311は、たとえば、CPU、MPU(Micro Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、又はPLD(Programmable Logic Device)である。また、プロセッサ311は、CPU、MPU、DSP、ASIC、PLDのうちの2以上の要素の組合せであってもよい。
RAM312は、ホストコンピュータ300の主記憶装置として使用される。RAM312には、プロセッサ311に実行させるOSのプログラムやアプリケーションプログラムの少なくとも一部が一時的に格納される。また、RAM312には、プロセッサ311による処理に必要な各種データが格納される。
バス317に接続されている周辺機器としては、HDD313、入出力信号インタフェース314、記憶媒体インタフェース315および通信インタフェース316がある。
HDD313は、内蔵したディスクに対して、磁気的にデータの書き込みおよび読出しを行う。HDD313は、ホストコンピュータ300の補助記憶装置として使用される。HDD313には、OSのプログラム、アプリケーションプログラム、および各種データが格納される。なお、補助記憶装置としては、フラッシュメモリ等の半導体記憶装置を使用することもできる。
入出力信号インタフェース314には、入出力デバイス318が接続されている。入出力デバイス318は、入力デバイスと出力デバイスを含む。入力デバイスの一例として、キーボードや、マウスや、タッチパネル等がある。また、出力デバイスの一例には、モニタや、液晶表示や、各種パネル表示装置等がある。
入出力信号インタフェース314は、キーボードやマウスから送られてくる信号をプロセッサ311に送信する。なお、マウスは、ポインティングデバイスの一例であり、他のポインティングデバイスを使用することもできる。他のポインティングデバイスとしては、タッチパネル、タブレット、タッチパッド、トラックボール等がある。
入出力デバイス318の出力デバイスは、プロセッサ311からの命令に従って、画像をモニタ画面に表示させる。モニタとしては、CRT(Cathode Ray Tube)を用いた表示装置や液晶表示装置等がある。
記憶媒体インタフェース315は、磁気やレーザ等を利用して記憶媒体319に記録されたデータの読取りや書き込みを行う。また、記憶媒体インタフェース315は、半導体メモリ等の記憶媒体に記録されたデータの読取りを行うものであってもよい。記憶媒体319とは、たとえば、光ディスクや、フラッシュメモリ等の半導体メモリ等を含む。光ディスクは、光の反射によって読取り可能なようにデータが記録された可搬型の記録媒体である。光ディスクには、DVD、DVD−RAM、CD−ROM、CD−R(Recordable)/RW(ReWritable)等がある。
記憶媒体インタフェース315は、ホストコンピュータ300に周辺機器を接続するための通信インタフェースとしても用いることができる。たとえば、記憶媒体インタフェース315には、メモリ装置やメモリリーダライタを接続することができる。メモリ装置は、記憶媒体インタフェース315との通信機能を搭載した記録媒体である。メモリリーダライタは、メモリカードへのデータの書き込み、又はメモリカードからのデータの読出しを行う装置である。メモリカードは、カード型の記録媒体である。
通信インタフェース316は、ネットワーク200に接続されている。通信インタフェース316は、ネットワーク200を介して、他のコンピュータ又は通信機器との間でデータの送受信を行う。なお、通信インタフェース316は、データベース350と接続してもよいし、ネットワーク200を介してデータベース350と接続してもよい。通信インタフェース316は、双方向デジタル通信を送受信可能なインタフェースでもよいし、一方向性の放送を受信可能なインタフェースでもよい。データベース350は、金融取引の情報、認証に必要な情報、ATM10にインストールするデバイスドライバ等を記憶できる。
以上のようなハードウェア構成によって、第2の実施形態のホストコンピュータ300の処理機能を実現することができる。なお、第1の実施形態に示したホストコンピュータ3および情報端末2も、図4に示したホストコンピュータ300と同様のハードウェアにより実現できる。また、係員端末40および顧客端末50も、図4に示したホストコンピュータ300と同様の構成とできる。上記の構成は一例であり、構成の組合せは適宜決定できる。上記の構成のうち必要のないものを削除できる。たとえば、情報端末2、係員端末40および顧客端末50からは、データベース350等を削除できる。また、情報端末2、係員端末40および顧客端末50としてタブレットPCやスマートフォン等を用いる場合、入出力デバイス318のタッチパネルや液晶表示等は本体部と一体型とできる。
ホストコンピュータ300は、たとえばコンピュータ読取り可能な記録媒体に記録されたプログラムを実行することにより、第2の実施形態の処理機能を実現する。ホストコンピュータ300に実行させる処理内容を記述したプログラムは、様々な記録媒体に記録しておくことができる。たとえば、ホストコンピュータ300に実行させるプログラムをHDD313に格納しておくことができる。プロセッサ311は、HDD313内のプログラムの少なくとも一部をRAM312にロードし、プログラムを実行する。また、ホストコンピュータ300に実行させるプログラムを、光ディスク、メモリ装置、メモリカード等の可搬型記録媒体に記録しておくこともできる。可搬型記録媒体に格納されたプログラムは、たとえばプロセッサ311からの制御により、HDD313にインストールされた後、実行可能となる。またプロセッサ311が、可搬型記録媒体から直接プログラムを読出して実行することもできる。
次に、第2の実施形態のデバイス追加削除処理について図5を用いて説明する。図5は、第2の実施形態のデバイス追加削除処理のフローチャートを示す図である。
デバイス追加削除処理は、ATM10に追加又は削除したデバイスを検知し、検知した結果に応じてデバイスドライバのインストール又はアンインストールをする処理である。
ATM10の制御部110(プロセッサ111)は、ATM10に対して追加又は削除されたデバイスを検知し、デバイス追加削除処理を実行する。
[ステップS11]プロセッサ111は、ATM10に追加又は削除されたデバイスを検知したか否かを判定する。
プロセッサ111は、デバイスの追加を検知した場合にステップS12にすすみ、デバイスの削除を検知した場合にステップS15にすすみ、デバイスの追加又は削除を検知しない場合にステップS11にもどる。
[ステップS12]プロセッサ111は、追加を検知したデバイスのデバイス識別情報を取得し、デバイス識別情報に対応するデバイスドライバをダウンロードする要求を送信する。
プロセッサ111は、検知したデバイスに対してデバイスドライバをダウンロードする要求を送信する。検知したデバイスがデバイスドライバを記憶していない場合、プロセッサ111は、ホストコンピュータ300に対してデバイスドライバをダウンロードする要求を送信する。
[ステップS13]プロセッサ111は、デバイス識別情報に対応するデバイスドライバを受信する。
[ステップS14]プロセッサ111は、ステップS13で受信したデバイスドライバをインストールする。
[ステップS15]プロセッサ111は、削除を検知したデバイスのデバイス識別情報に基づき、デバイス識別情報に対応するデバイスドライバをアンインストールする。
[ステップS16]プロセッサ111は、ATM10にシャットダウンする指示を受信した否かを判定する。プロセッサ111は、シャットダウンする指示を受信しない場合はステップS11にもどり、シャットダウンする指示を受信した場合はデバイス追加削除処理を終了する。
なお、上述したデバイス追加削除処理の各ステップにおいて、プロセッサ111は、係員端末40から受信した指示に応じて各ステップの処理の実行および停止を制御することもできる。また、上述したデバイス追加削除処理の各ステップにおいて、係員端末40がATM10と情報の送受信が可能である場合、プロセッサ111は、各ステップの処理に関する情報を係員端末40に適宜送信できる。たとえば、プロセッサ111は、ステップS13において、受信したデバイスドライバのプログラム名やバージョン番号を係員端末に送信できる。また、プロセッサ111は、ステップS14において、デバイスドライバのインストールの進捗状況を係員端末40に送信できる。また、プロセッサ111は、ステップS15において、デバイスドライバのアンインストールの進捗状況を係員端末40に送信できる。係員端末40は、ATM10から送信された情報を表示することで、係員に対し作業の注意喚起ができる。
次に、第2の実施形態の変形例として、デバイス追加削除処理のバリエーションについて図6を用いて説明する。図6は、第2の実施形態のデバイス追加削除処理(変形例)のフローチャートを示す図である。
デバイス追加削除処理(変形例)は、ATM10に追加又は削除したデバイスを検知し、検知した結果に応じて係員端末40にメッセージを送信し、デバイスドライバのインストール又はアンインストールをする処理である。ATM10の制御部110(プロセッサ111)は、ATM10に対して追加又は削除されたデバイスを検知し、デバイス追加削除処理(変形例)を実行する。なお、図6の説明において、図5と同一の内容については適宜省略するものとする。
[ステップS21]プロセッサ111は、ATM10に追加又は削除されたデバイスを検知したか否かを判定する。
プロセッサ111は、デバイスの追加を検知した場合にステップS22にすすみ、デバイスの削除を検知した場合にステップS27にすすみ、デバイスの追加又は削除を検知しない場合にステップS21にもどる。
[ステップS22]プロセッサ111は、追加されたデバイスからデバイス識別情報やデバイスの機能名等を取得し、追加されたデバイスと同一の機能を有するデバイスがATM10に存在するか否かを判定する。プロセッサ111は、追加されたデバイスと同一の機能を有するデバイスがATM10に存在すると判定した場合はステップS23にすすみ、存在しないと判定した場合はステップS24にすすむ。
プロセッサ111は、追加されたデバイスから取得した情報と第1HDD113a等の記憶部に記憶されたデバイス履歴情報とを比較し、追加されたデバイスと同一の機能を有するデバイスがATM10に存在するか否かを判定できる。ATM10に追加又は削除されたデバイスの情報がデバイス履歴情報に記憶されているため、プロセッサ111は、現在ATM10に存在するデバイスの情報をデバイス履歴情報から取得できるからである。
デバイス履歴情報は、デバイス及びデバイスドライバをATM10に追加及び削除した履歴が記憶された情報である。たとえば、デバイス履歴情報は、追加又は削除されたデバイスのデバイス識別情報、デバイスの機能名、追加又は削除された年月日、デバイス識別情報に対応するデバイスドライバのプログラム名およびバージョン番号等を含む情報である。
なお、プロセッサ111は、同一の機能を有するデバイスだけでなく、同種の機能を有するデバイスが存在するか否かを判定できる。
ここで、同一の機能と同種の機能について説明をする。たとえば、プロセッサ111は、紙幣処理部Aと紙幣処理部Aについて、円の紙幣処理という同一の機能を有するデバイスと判定することができる。また、プロセッサ111は、紙幣処理部Aと紙幣処理部Bについて対象通貨が円とドルで異なるが、紙幣処理という同種の機能を有するデバイスと判定することができる。また、プロセッサ111は、手のひら静脈認証部と虹彩認証部についても認証対象が手のひら静脈と虹彩で異なるが、認証処理という同種の機能を有するデバイスと判定することもできる。
[ステップS23]プロセッサ111は、係員端末40にメッセージを送信する。メッセージとは、デバイスの追加に伴い係員に対して注意を促す情報であり、係員端末40に表示される。
たとえば、プロセッサ111は、メッセージとして「現在追加した紙幣処理部Aと同一の機能を有する紙幣処理部Aが既に接続済みです。古いデバイスの撤去をお願いします。」という文言を係員端末40に送信できる。また、プロセッサ111は、メッセージとして「現在追加した紙幣処理部B(ドル紙幣処理部)と同種の機能を有する紙幣処理部A(円紙幣処理部)が既に接続済みです。紙幣処理部Bは、紙幣処理部Aの上段に設置するようデバイスの位置を確認して下さい。」という文言を係員端末40に送信できる。メッセージは、予めATM10の記憶部に記憶しておくことが可能である。たとえば、プロセッサ111は、検知したデバイスに応じたメッセージを読出し、追加されたデバイス名をメッセージの内容に含めて係員端末40に送信することが可能である。
このように、同一の機能や同種の機能を有するデバイスが存在する場合、プロセッサ111が係員端末40にメッセージを送信することにより、係員は、新旧のデバイス交換やデバイス追加の作業の確認ができる。これにより、係員によるデバイス交換や追加の作業の効率を向上させることが可能となる。
[ステップS24]プロセッサ111は、追加を検知したデバイスのデバイス識別情報に対応するデバイスドライバをダウンロードする要求を送信する。
[ステップS25]プロセッサ111は、デバイス識別情報に対応するデバイスドライバを受信する。
[ステップS26]プロセッサ111は、ステップS25で受信したデバイスドライバをインストールする。
[ステップS27]プロセッサ111は、削除を検知したデバイスのデバイス識別情報と記憶部から読出したデバイス識別情報に基づき、削除されたデバイスと同一の機能を有するデバイスがATM10に存在するか否かを判定する。
プロセッサ111は、削除されたデバイスと同一の機能を有するデバイスがATM10に存在しないと判定した場合はステップS28にすすみ、存在すると判定した場合はステップS29にすすむ。
なお、プロセッサ111は、同一の機能を有するデバイスだけでなく、同種の機能を有するデバイスが存在するか否かを判定してもよい。
[ステップS28]プロセッサ111は、係員端末40にメッセージを送信する。メッセージとは、デバイスの削除に伴い係員に対して注意を促す情報であり、係員端末40に表示される。
たとえば、プロセッサ111は、メッセージとして「指紋認証部を削除します。認証機能を有するデバイスは、カード/レシート処理部のみとなります。」という文言を係員端末40に送信できる。プロセッサ111は、削除したデバイスの情報だけではなく、削除したデバイスに関連する情報も合わせてメッセージとして送信できる。
このように、プロセッサ111が係員端末40にメッセージを送信することにより、係員は、ATM10から削除したデバイスやATM10に接続しているデバイスの確認ができる。
[ステップS29]プロセッサ111は、削除を検知したデバイスのデバイス識別情報に基づき、デバイス識別情報に対応するデバイスドライバをアンインストールする。
[ステップS30]プロセッサ111は、デバイスの追加又は削除の情報をデバイス履歴情報に記憶する。
たとえば、プロセッサ111は、追加又は削除されたデバイスのデバイス識別情報、デバイスの機能名、追加又は削除された年月日、デバイス識別情報に対応するデバイスドライバのプログラム名およびバージョン番号を、デバイス履歴情報として記憶部に記憶する。
[ステップS31]プロセッサ111は、ATM10がシャットダウンする指示を受信した否かを判定する。プロセッサ111は、シャットダウンする指示を受信しない場合はステップS21にもどり、シャットダウンする指示を受信した場合はデバイス追加削除処理(変形例)を終了する。
次に、第2の実施形態の係員端末表示処理について図7を用いて説明する。図7は、第2の実施形態の係員端末表示処理のフローチャートを示す図である。
係員端末表示処理は、係員端末40においてATM10のデバイスに関する情報を表示する処理である。係員端末40の制御部310(プロセッサ311)は、係員端末40がATM10に接続したことを検知した場合、又は、ATM10に接続後に係員から処理を開始する要求を受信した場合に、係員端末表示処理を実行する。
[ステップS41]プロセッサ311は、デバイスおよびデバイスドライバが追加又は削除されている情報をATM10から受信したか否かを判定する。
プロセッサ311は、デバイスの追加の情報を受信した場合にステップS42にすすみ、デバイスの削除の情報を受信した場合にステップS44にすすみ、デバイスの追加又は削除の情報の受信が無いことを受信した場合にステップS46にすすむ。
[ステップS42]プロセッサ311は、デバイスドライバがATM10にインストールされている状態であるインストール状態を画面に表示する。たとえば、プロセッサ311は、ATM10にインストールされているデバイスドライバのプログラム名、バージョン番号、インストール時間、インストールの進捗状況(何パーセントまでインストールが進んだかを示す情報、インストール完了までの残り時間等)、デバイスドライバのダウンロード元等の情報を画面に表示できる。
[ステップS43]プロセッサ311は、デバイスドライバのインストールに関連する情報であるインストール関連情報を画面に表示する。
インストール関連情報とは、(a−1)インストールするデバイスドライバの情報、(a−2)デバイス履歴情報に含まれるインストールするデバイスドライバと同一の機能又は同種の機能を有するデバイスドライバの情報、のいずれかを含む情報である。
たとえば、プロセッサ311は、インストールするデバイスドライバの情報として、インストール年月日、デバイスドライバのプログラム名、バージョン番号、インストールの状態(現在インストール中)を表示できる。また、プロセッサ311は、デバイス履歴情報を読出し、インストールするデバイスドライバと同一の機能又は同種の機能を有するデバイスドライバの情報として、現在インストール中のデバイスドライバと同一の機能又は同種の機能を有するデバイスドライバのプログラム名、バージョン番号、インストール年月日、等の情報を画面に表示できる。
[ステップS44]プロセッサ311は、デバイスドライバがATM10からアンインストールされている状態であるアンインストール状態を画面に表示する。たとえば、プロセッサ311は、ATM10にアンインストールされているデバイスドライバのプログラム名、バージョン番号、インストール時間、アンインストールの進行状況(何パーセントまでアンインストールが進んだかを示す情報、アンインストール完了までの残り時間等)等の情報を画面に表示できる。
[ステップS45]プロセッサ311は、デバイスドライバのアンインストールに関連する情報であるアンインストール関連情報を画面に表示する。
アンインストール関連情報とは、(b−1)アンインストールするデバイスドライバの情報、(b−2)デバイス履歴情報に含まれるアンインストールするデバイスドライバと同一の機能又は同種の機能を有するデバイスドライバの情報、のいずれかを含む情報である。
たとえば、プロセッサ311は、アンインストールするデバイスドライバの情報として、アンインストール年月日、デバイスドライバのプログラム名、バージョン番号、アンインストールの状態(現在アンインストール中)を表示できる。また、プロセッサ311は、デバイス履歴情報を読出し、アンインストールするデバイスドライバと同一の機能又は同種の機能を有するデバイスドライバの情報として、現在アンインストール中のデバイスドライバと同一の機能又は同種の機能を有するデバイスドライバのプログラム名、バージョン番号、インストール年月日、等の情報を画面に表示できる。
[ステップS46]プロセッサ311は、デバイス履歴情報を画面に表示する。たとえば、プロセッサ311は、現在ATM10にインストールされているデバイスの情報をデバイス履歴情報から取得し、画面に表示できる。
[ステップS47]プロセッサ311は、ATM10からメッセージを受信したか否かを判定する。プロセッサ311は、ATM10からメッセージを受信した場合にステップS48にすすみ、受信しない場合にステップS49にすすむ。
[ステップS48]プロセッサ311は、ATM10から受信したメッセージを画面に表示する。画面の表示例については、後で図8を用いて説明する。
[ステップS49]プロセッサ311は、画面の表示を終了する指示を受信したか否かを判定する。プロセッサ311は、画面の表示を終了する指示を受信しない場合はステップS41に戻り、受信した場合は係員端末表示処理を終了する。
プロセッサ311は、デバイスドライバのインストール又はアンインストールが終了したことをATM10から受信した場合に、画面の表示を終了する指示を受信したと判断することができる。また、プロセッサ311は、係員端末40に対し係員から表示終了の指示が入力されたことを検知し、画面の表示を終了する指示を受信したと判定することもできる。
なお、上述の係員端末表示処理は一例に過ぎず、プロセッサ311は、係員に対する指示や注意喚起に必要な情報を、ATM10から受信して表示してもよいし、ATM10の記憶部から取得して表示してもよい。
次に、第2の実施形態の係員端末40で表示するインストールモニタ画面について図8を用いて説明する。図8は、第2の実施形態のインストールモニタ画面の一例を示す図である。
インストールモニタ画面800は、係員端末40がATM10に接続し、デバイスの追加の情報を受信した場合に表示される画面の一例である。インストールモニタ画面800は、インストール状態表示領域801、インストール関連情報表示領域802、メッセージ表示領域803を含む。インストール状態表示領域801、インストール関連情報表示領域802、メッセージ表示領域803で表示される内容は、それぞれ係員端末表示処理のステップS42,S43,S48において表示される内容と対応するものとする。
ここでは、ATM10に既に紙幣処理部Aが接続済みであり、新たな紙幣処理部Aが追加されデバイスドライバがインストール中である場合の係員端末40の表示について説明する。
インストール状態表示領域801は、ATM10にデバイスドライバをインストールしている状態を表示する領域である。インストール状態表示領域801は、ATM10にインストールされているデバイスドライバのプログラム名、バージョン番号、インストールの進捗状況を示す情報を含む。なお、インストールの進捗状況を示す情報の一例として、80%までインストールされていることを示す棒グラフを図示したが、これ以外のものであってもよい。
インストール関連情報表示領域802は、インストール関連情報を表示する領域である。インストール関連情報表示領域802は、一例として現在ATM10にインストール中のデバイスドライバに関する情報と、デバイス履歴情報から取得したインストール中のデバイスドライバと同一の機能を有するデバイスドライバの情報とを含む。
インストール中のデバイスドライバに関する情報とは、たとえば、インストール中のデバイスドライバのインストール年月日、デバイスドライバのプログラム名、バージョン番号、インストール状態(現在インストール中)等を含む。デバイス履歴情報から取得した情報とは、たとえば、インストール中のデバイスドライバと同一の機能を有するデバイスドライバのインストール年月日、デバイスドライバのプログラム名、バージョン番号、インストール状態(インストール済)、装置番号等を含む。なお、この表示は一例に過ぎず、インストール中のデバイスドライバと同種の機能の情報をデバイス履歴情報から取得して表示してもよい。
メッセージ表示領域803は、ATM10から受信したメッセージを表示する領域である。メッセージ表示領域803は、デバイス追加削除処理(変形例)のステップS23でATM10から送信されたメッセージを係員端末40で表示した一例である。
メッセージ表示領域803は、一例として「同一の機能を有するデバイス(紙幣処理部A)が既に接続済みです。古いデバイス(装置番号X12)の撤去をお願いします。」というメッセージを画面に表示する。
このように、インストールモニタ画面800でインストール関連情報やメッセージ等を表示することにより、ATM10にデバイスを追加や交換する作業の指示や注意をすることが可能となる。
こうして、ATM10は、ATM10に備える機能ごとのデバイスを追加又は削除ができる。また、ATM10は、ATM10のデバイスの追加又は削除に応じてデバイスドライバのインストール又はアンインストールができる。
従来の自動取引装置とは異なり、ATM10は、デバイスの追加又は削除に応じたデバイスドライバの追加又は削除が必要となるため、係員が従来対応していなかった作業が必要となる。しかし、デバイスの追加又は削除に応じて関係する情報を、ATM10が係員端末40に送信し、係員端末40に表示させることにより、係員に作業の指示及び注意が可能となり作業の労力の軽減やミスの防止に役立てることができる。
このようにして、ATM10は、デバイスの追加又は削除の検知に応じてデバイスドライバの追加又は削除をすることにより、ATM10の機能を追加又は削除することができる。
なお、上記の処理機能は、コンピュータによって実現することができる。その場合、自動取引装置1、ATM10、ホストコンピュータ3,300が有すべき機能の処理内容を記述したプログラムが提供される。そのプログラムをコンピュータで実行することにより、上記処理機能がコンピュータ上で実現される。処理内容を記述したプログラムは、コンピュータで読取り可能な記録媒体に記録しておくことができる。コンピュータで読取り可能な記録媒体としては、磁気記憶装置、光ディスク、光磁気記録媒体、半導体メモリ等がある。磁気記憶装置には、ハードディスク装置(HDD)、フレキシブルディスク(FD:Flexible disk)、磁気テープ等がある。光ディスクには、DVD、DVD−RAM、CD−ROM/RW等がある。光磁気記録媒体には、MO(Magneto-Optical disk)等がある。
プログラムを流通させる場合には、たとえば、そのプログラムが記録されたDVD、CD−ROM等の可搬型記録媒体が販売される。また、プログラムをサーバコンピュータの記憶装置に格納しておき、ネットワークを介して、サーバコンピュータから他のコンピュータにそのプログラムを転送することもできる。
プログラムを実行するコンピュータは、たとえば、可搬型記録媒体に記録されたプログラムもしくはサーバコンピュータから転送されたプログラムを、自己の記憶装置に格納する。コンピュータは、自己の記憶装置からプログラムを読取り、プログラムにしたがった処理を実行する。なお、コンピュータは、可搬型記録媒体から直接プログラムを読取り、そのプログラムにしたがった処理を実行することもできる。また、コンピュータは、ネットワークを介して接続されたサーバコンピュータからプログラムが転送される毎に、逐次、受け取ったプログラムにしたがった処理を実行することもできる。
また、上記の処理機能の少なくとも一部を、DSP、ASIC、PLD等の電子回路で実現することもできる。