JP2017151131A - 車両用画像表示機能付きミラーおよびその製造方法 - Google Patents

車両用画像表示機能付きミラーおよびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ユーザが偏光サングラスなどを使用している場合にも方向依存性がなく鮮明な画像およびミラー反射像を視認でき、かつ反射像の歪みを抑制することができる車両用画像表示機能付きミラーおよびその製造方法を提供する。
【解決手段】車両の周辺の撮影画像を表示可能な画像表示部20を備えた車両用画像表示機能付きミラーであって、画像表示部20側から順に、画像表示部20に表示された撮像画像光が入射される直線偏光反射層21とガラスまたはプラスチックからなる前面板22とが配置され、直線偏光反射層21と前面板22とが単層の第1の粘着層24によって接着され、かつ前面板22と1/4波長板23とが単層の第2の粘着層25によって接着されている。
【選択図】図3

Description

本発明は、車両の周辺の撮影画像を表示可能な画像表示部を備えた車両用画像表示機能付きミラーおよびその製造方法に関するものである。
従来、画像表示装置の画像表示面に対して、反射偏光板等から構成されるハーフミラーを配置した画像表示機能付きミラーが提案されている(特許文献1参照)。この画像表示機能付きミラーは、画像表示部において画像が表示されているときには、その画像がハーフミラーを透過してユーザによって視認される。
一方、画像表示部において画像が表示されていないときには、ハーフミラーが鏡面として作用し、その鏡面からの反射光に基づく反射像がユーザによって視認される。
また、特許文献2および特許文献3においては、上述したような画像表示機能付きミラーの画像表示部に車両周辺を撮影した撮影画像を表示させることによって、バックミラーとして用いることが提案されている。
特開2011−45427号公報 特表2011−527773号公報 特表2009−529452号公報
特許文献1の画像表示機能付きミラーは、透明基板と、透明基板上に成膜された偏光反射板とを有し、画像表示部側から、偏光反射板および透明基板の順に配置されて構成されているが、ユーザが偏光サングラスなどを使用している場合にも方向依存性なく鮮明な画像およびミラー反射像を視認できるように、さらに1/4波長板や高位相差板などの光学補償層を設けることが考えられる。
図10は、特許文献1に記載のような画像表示機能付きミラーに対して、さらに1/4波長板を設けた画像表示機能付きミラーの一例を示すものである。図10に示す画像表示機能付きミラー100は、透明基板からなる前面板105に対して、画像表示部101側に向かって1/4波長板104および直線偏光反射層103をこの順に配置することによって構成されている。
ここで、1/4波長板104と前面板105および直線偏光反射層103と1/4波長板104とは、それぞれOCR(Optically Clear Resin)(光学用透明樹脂)またはOCA(Optically Clear Adhesive)シート(光学用透明粘着シート)などを用いて接着することが考えられる。
しかしながら、発明者らの検討の結果、たとえばOCRを用いて接着した場合、OCRの塗布ムラによって鏡面に大きな歪みを生じ、これが反射像の歪みとなって現れることが分かった。また、OCAシートを用いて接着した場合には、OCRのような塗布ムラは生じないが、平坦性を担保するための基準面となる前面板105に対して2層のOCAシート106,107を貼り付けることになるので、OCAシート106,107が有するオレンジピール状の凹凸に起因する歪みが反射像に現れることが分かった。
本発明は、上記の問題に鑑み、ユーザが偏光サングラスなどを使用している場合にも方向依存性なく鮮明な画像およびミラー反射像を視認でき、かつ反射像の歪みを抑制することができる車両用画像表示機能付きミラーおよびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明の車両用画像表示機能付きミラーは、車両の周辺の撮影画像を表示可能な画像表示部を備えた車両用画像表示機能付きミラーであって、画像表示部側から順に、画像表示部に表示された撮像画像光が入射される2色性偏光反射層とガラスまたはプラスチックからなる前面板と光学補償層とが配置され、2色性偏光反射層と前面板とが単層の第1の粘着層によって接着され、かつ前面板と光学補償層とが単層の第2の粘着層によって接着されていることを特徴とする。
また、上記本発明の車両用画像表示機能付きミラーにおいて、第1の粘着層の厚さは、10μm以上25μm以下であることが好ましい。
また、上記本発明の車両用画像表示機能付きミラーにおいて、第1の粘着層は、光学用透明粘着シートであることが好ましい。
また、上記本発明の車両用画像表示機能付きミラーにおいて、第2の粘着層の厚さは、10μm以上25μm以下であることが好ましい。
また、上記本発明の車両用画像表示機能付きミラーにおいて、第2の粘着層は、光学用透明粘着シートであることが好ましい。
また、上記本発明の車両用画像表示機能付きミラーにおいて、2色性偏光反射層は、直線偏光反射層とすることができる。
また、上記本発明の車両用画像表示機能付きミラーにおいて、直線偏光反射層は、複屈折の異なる薄膜を交互に積層した多層構造とすることができる。
また、上記本発明の車両用画像表示機能付きミラーにおいて、光学補償層は、1/4波長板とすることができる。
また、上記本発明の車両用画像表示機能付きミラーにおいて、光学補償層は、高位相差板とすることができる。
また、上記本発明の車両用画像表示機能付きミラーにおいて、光学補償層は、1/4波長板と高位相差板とから構成することができる。
また、上記本発明の車両用画像表示機能付きミラーにおいて、2色性偏光反射層は、円偏光反射層とすることができる。
また、上記本発明の車両用画像表示機能付きミラーにおいて、2色性偏光反射層を円偏光反射層とした場合、光学補償層は、高位相差板とすることができる。
また、上記本発明の車両用画像表示機能付きミラーにおいて、2色性偏光反射層を円偏光反射層とした場合、光学補償層は、1/4波長板とすることができる。
また、上記本発明の車両用画像表示機能付きミラーにおいて、光学補償層の前面板側とは反対側の面に2H以上のハードコート処理を施すことができる。
また、上記本発明の車両用画像表示機能付きミラーにおいて、光学補償層の前面板側とは反対側に、ガラスまたはプラスチックからなる保護板を設けることができる。
本発明の車両用画像表示機能付きミラーの製造方法は、上記本発明の車両用画像表示機能付きミラーの製造方法であって、光学補償層上にシート状の第2の粘着層を形成し、その第2の粘着層上に前面板を貼り合せ、その前面板上にシート状の第1の粘着層を形成し、その第1の粘着層上に2色性偏光反射層を貼り合せることを特徴とする。
また、上記本発明の車両用画像表示機能付きミラーの製造方法において、第1の粘着層の厚さは、10μm以上25μm以下であることが好ましい。
また、上記本発明の車両用画像表示機能付きミラーの製造方法においては、第1の粘着層として、光学用透明粘着シートを用いることが好ましい。
また、上記本発明の車両用画像表示機能付きミラーの製造方法において、第2の粘着層の厚さは、10μm以上25μm以下であることが好ましい。
また、上記本発明の車両用画像表示機能付きミラーの製造方法においては、第2の粘着層として、光学用透明粘着シートを用いることが好ましい。
本発明の車両用画像表示機能付きミラーおよびその製造方法によれば、画像表示部側から順に、2色性偏光反射層と前面板と光学補償層とを配置し、2色性偏光反射層と前面板とを単層の第1の粘着層によって接着し、かつ前面板と光学補償層とを単層の第2の粘着層によって接着する。このように2色性偏光反射層と光学補償装置とを前面板に対してそれぞれ単層の粘着層によって接着することによって、ユーザが偏光サングラスなどを使用している場合にも方向依存性なく鮮明な画像およびミラー反射像を視認でき、かつ反射像の歪みを抑制することができる。
本発明の車両用画像表示機能付きミラーの一実施形態を用いた車両用のルームミラーの概略構成を示す図 本発明の車両用画像表示機能付きミラーの一実施形態の概略構成を示す斜視図 本発明の車両用画像表示機能付きミラーの第1の実施形態の概略構成を示す断面図 第1の実施形態の車両用画像表示機能付きミラーの製造方法の各工程を説明するため図 第1の実施形態の車両用画像表示機能付きミラーの変形例を示す断面図 本発明の車両用画像表示機能付きミラーの第2の実施形態の概略構成を示す断面図 第1の実施形態の車両用画像表示機能付きミラーの変形例を示す断面図 第2の実施形態の車両用画像表示機能付きミラーの製造方法の各工程を説明するため図 第2の実施形態の車両用画像表示機能付きミラーの変形例を示す断面図 比較例の車両用画像表示機能付きミラーの概略構成を示す断面図
以下、本発明の車両用画像表示機能付きミラーの第1の実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。図1は、本実施形態の車両用画像表示機能付きミラーを用いた車両用のルームミラーの概略構成を示す図である。なお、本明細書において「〜」とはその前後に記載される数値を下限値および上限値として含む意味で使用される。また、本明細書において、例えば、「45°」、「平行」、「垂直」あるいは「直交」等の角度は、特に記載がなければ、厳密な角度との差異が5度未満の範囲内であることを意味する。厳密な角度との差異は、4度未満であることが好ましく、3度未満であることがより好ましい。また、本明細書において、「(メタ)アクリレート」は、「アクリレートおよびメタクリレートのいずれか一方または双方」の意味で使用される。
本実施形態のルームミラー1は、図1に示すように、車両用画像表示機能付きミラー10と、車両用画像表示機能付きミラー10が取り付けられた矩形状の枠体11とを備えている。なお、本実施形態においては、車両用画像表示機能付きミラー10を車両内のルームミラーに用いるようにしたが、これに限らず、サイドミラーまたはその他の車両に取り付けられるミラーに用いるようにしてもよい。
車両用画像表示機能付きミラー10は、図2に示すように、車両の周辺の撮影画像を表示可能な画像表示部20と、画像表示部20に表示された撮影画像光が入射される円偏光反射部12とを備えている。
画像表示部20は、たとえば車両の後方および/または側方などの周辺を撮影するCCD(Charge Coupled Device)カメラまたはCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)カメラなどによって撮影された撮影画像を表示可能なものである。具体的には、液晶表示装置であることが好ましい。また、画像表示部20は、直線偏光を出射することによって(発光することによって)画像を形成する画像表示装置であることが好ましい。
画像表示部20は、透過型の表示装置であっても反射型の表示装置であってもよく、特に、透過型の表示装置であることが好ましい。画像表示部20として液晶表示装置を用いる場合、液晶表示装置は、IPS(In-Plane Switching)モード、FFS(Fringe Field Switching)モード、VA(vertical alignment)モード、ECB(Electrically Controlled Birefringence)モード、STN(SuperTwisted Nematic)モード、TN(Twisted Nematic)モードおよびOCB(Optically Compensated Bend)モードなどのいずれの液晶表示装置であってもよい。
画像表示部20に示される画像は、撮影画像の静止画であっても動画であってもよく、また、撮影画像とは異なる単なる文字情報を画像表示部20に表示させるようにしてもよい。また、モノカラー表示、マルチカラー表示およびフルカラー表示のいずれの表示でもよい。
円偏光反射部12は、図2に示すように、画像表示部20の画像表示面20a側に設けられるものである。
そして、円偏光反射部12は、車両用画像表示機能付きミラー10において、半透過半反射層として機能する。すなわち、円偏光反射部12は、画像表示部20において撮影画像を表示させた場合には、画像表示部20からの出射光(撮影画像光)を透過させることにより、車両用画像表示機能付きミラー10の前面に撮影画像が表示されるように機能する。
一方、画像表示部20において撮影画像を表示していない場合には、円偏光反射部12は、画像表示部20側とは反対側から(図2に示す矢印S方向側から)の入射光を反射して、車両用画像表示機能付きミラー10の前面がミラーとなるように機能する。このような機能によって、ユーザAは、画像表示部20に撮影画像を表示させた場合にはその撮影画像を視認することができ、画像表示部20が非表示である場合には、車両用画像表示機能付きミラー10の前面を反射した反射光に基づく画像を視認することができる。
図3は、図2に示す車両用画像表示機能付きミラー10のB−C線断面図を示すものである。円偏光反射部12は、図3に示すように、直線偏光反射層21と、ガラスまたはプラスチックからなる前面板22と、1/4波長板23とを備えたものである。なお、本実施形態においては、直線偏光反射層21が2色性偏光反射層に相当するものであり、1/4波長板23が光学補償層に相当するものである。
直線偏光反射層21、前面板22および1/4波長板23は、画像表示部20側からこの順に配置されている。すなわち前面板22に対して画像表示部20側に直線偏光反射層21が配置され、前面板22に対して画像表示部20側とは反対側に1/4波長板23が配置されている。
このような構成によって、円偏光反射部12は半透過半反射層として機能するが、図3に示すように、鏡面Mは、直線偏光反射層21の前面板22側の面21aに形成される。
そして、直線偏光反射層21と前面板22とが単層の第1の粘着層24によって接着され、前面板22と1/4波長板23とが単層の第2の粘着層25によって接着されている。
ここで、単層の第1の粘着層24または第2の粘着層25によって接着されるとは、直線偏光反射層21と前面板22との間または前面板22と1/4波長板23との間に、第1の粘着層24または第2の粘着層25以外の粘着層を含まず、1層の粘着層しか配置されていないことを意味する。第1の粘着層24自体および第2の粘着層25自体は、複数の層から形成されるものであってもよい。
本実施形態の車両用画像表示機能付きミラー10においては、直線偏光反射層21と前面板22とを単層の第1の粘着層24によって接着し、前面板22に対して画像表示部20側とは反対側に1/4波長板23を配置するようにした。そのため、1/4波長板23から出る光は円偏光となり、ユーザが偏光サングラスなどを使用している場合にも方向依存性なく鮮明な画像およびミラー反射像を視認でき、かつ、図10に示した積層構成の画像表示機能付きミラーと比較すると反射像の歪みを抑制することができる。また、前面板22と1/4波長板23も単層の第2の粘着層25によって接着するようにしたので、さらに反射像の歪みを抑制することができる。
第1の粘着層24および第2の粘着層25としては、OCAシート(光学用透明粘着シート)を用いることができる。OCAシートは、光学的に透明な粘着剤をシート状に形成した両面粘着シートであり、2枚の剥離シートによって挟まれたものである。第1の粘着層24および第2の粘着層25として用いる場合には、上述した剥離シートが粘着剤の層から剥離されて用いられる。
OCAシートは、2枚の剥離シートによって挟まれたものであるので取り扱いが容易である。また、OCAシートは、ゲル状の柔らかい粘着剤のシートであり、OCRのように硬化する工程が必要なく、貼り合せる前と貼り合せた後で性状変化はない。これに対し、OCRは、貼り合わせる対象物に対して塗布した後、熱、湿気または紫外線などによって硬化する工程が必要であり、塗布して貼り合せる前は液であり、貼り合せた後は硬化工程によって固体となる。
したがって、OCAシートは、ロール状に巻かれた部材同士の貼り合わせの工程に用いることができ、大面積の部材同士を貼り合わせるのに好適である。OCRによって大面積の部材を貼り合わせる場合と比較すると設備を小規模にすることができる。
OCAシートとしては、市販品を用いることもでき、たとえば商品名:81・82シリーズ(スリーエムジャパン株式会社製)、商品名:KF4シリーズ(新タック化成株式会社製)、商品名:FWDシリーズ(日栄化工株式会社製)および商品名:TDシリーズ(株式会社巴川製紙所製)などを用いることができる。
また、第1の粘着層24および第2の粘着層25の厚さは、10μm以上25μm以下とすることが望ましい。第1の粘着層24および第2の粘着層25としてたとえばOCAシートを用いる場合、10μm以上とした場合には、剥離シートを剥離した際に粘着剤層の一部が剥離シートから剥離されずに残ることもなく、一様な粘着剤層を形成することでき、貼り合せ時に皺がよることもなく、取扱いが容易である。したがって、第1の粘着層24および第2の粘着層25の厚さは、10μm以上とすることが好ましい。また、第1の粘着層24および第2の粘着層25の厚さを25μm以下とした場合、OCAシートの表面のオレンジピール状の凹凸が目立つことなく、車両用画像表示機能付きミラー10からの反射像の上記凹凸に起因する歪みをより抑制することができる。したがって、第1の粘着層24および第2の粘着層25の厚さは、25μm以下とすることが好ましい。
円偏光反射部12において、直線偏光反射層21と1/4波長板23とは直線偏光反射層21の偏光反射軸に対し1/4波長板23の遅相軸が45°となるように貼り合せればよい。また、画像表示部20から出射される撮影画像光が直線偏光であるとき、この直線偏光を透過するように直線偏光反射層21の偏光反射軸を調整すればよい。円偏光反射部12の膜厚は2.0μm〜300μmであることが好ましく、より好ましくは8.0μm〜200μmである。
直線偏光反射層21としては、たとえば誘電体多層膜、複屈折の異なる薄膜を積層した偏光子、ワイヤーグリッド型偏光子、偏光プリズムまたは散乱異方性型偏光板などを用いることができる。
誘電体多層膜としては、屈折率の異なる誘電体材料を支持体上に斜め方向から真空蒸着法またはスパッタリング法によって複数層積層した多層膜が挙げられる。直線偏光機能を持つ波長選択反射膜とするためには、光学異方性の誘電体薄膜と光学等方性の誘電体薄膜とを交互に複数層積層することが好ましい。これは、例えば支持体上に斜め方向からの積層と垂直方向からの積層を交互に積層することで作製される。積層は1種の材料で行ってもよく、2種以上の材料で行ってもよい。積層数は、10層〜500層が好ましく、50〜300層がさらに好ましい。積層する材料の例としては、Ta25、TiO2、SiO2、またはLaTiO3などが挙げられる。
誘電体多層膜の成膜方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、たとえばイオンプレーティング、イオンビーム等の真空蒸着法、スパッタリング等の物理的気相成長法(PVD(Physical Vapor Deposition)法)および化学的気相成長法(CVD(Chemical Vapor Deposition)法)などが挙げられる。これらの中でも、真空蒸着法およびスパッタリング法が好ましく、スパッタリング法が特に好ましい。
複屈折の異なる薄膜を積層した偏光子としては、例えば特表平9−506837号公報などに記載されたものを用いることができる。具体的には、屈折率関係を得るために選ばれた条件下で加工すると、広く様々な材料を用いて、偏光子を形成できる。一般に、第一の材料の一つが、選ばれた方向において、第二の材料とは異なる屈折率を有することが必要である。この屈折率の違いは、フィルムの形成中、又はフィルムの形成後の延伸、押出成形、或いはコーティングを含む様々な方法で達成できる。更に、2つの材料が同時押出することができるように、類似のレオロジー特性(例えば、溶融粘度)を有することが好ましい。複屈折の異なる薄膜を積層した偏光子としては、市販品を用いることができ、たとえば3M社製の商品名:DBEF(Dual Brightness Enhancement Film)(登録商標)やAPF(Advanced Polarizer Film)などが挙げられる。
ワイヤーグリッド型偏光子は、金属細線の複屈折によって、偏光の一方を透過し、他方を反射させる偏光子である。ワイヤーグリッド偏光子は、金属ワイヤーを周期的に配列したもので、テラヘルツ波帯域で主に偏光子として用いられる。ワイヤーグリッドが偏光子として機能するためには、ワイヤー間隔が入射電磁波の波長よりも十分小さいことが必要となる。ワイヤーグリッド偏光子では、金属ワイヤーが等間隔に配列されている。金属ワイヤーの長手方向と平行な偏光方向の偏光成分はワイヤーグリッド偏光子において反射され、垂直な偏光方向の偏光成分はワイヤーグリッド偏光子を透過する。ワイヤーグリッド型偏光子としては、市販品を用いることができ、たとえばエドモンドオプティクス社製のワイヤーグリッド偏光フィルタ50×50、NT46−636などを用いることができる。
1/4波長板23としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、石英板、延伸されたポリカーボネートフィルム、延伸されたノルボルネン系ポリマーフィルムおよび炭酸ストロンチウムのような複屈折を有する無機粒子を含有して配向させた透明フィルム、または支持体上に無機誘電体を斜め蒸着した薄膜などを用いることができる。
1/4波長板23としては、たとえば特開平5−27118号公報、及び特開平5−27119号公報に記載された、レターデーションが大きい複屈折性フィルムと、レターデーションが小さい複屈折性フィルムとを、それらの光軸が直交するように積層させた位相差板、特開平10−68816号公報に記載された、特定波長において1/4波長となっているポリマーフィルムと、それと同一材料からなり同じ波長において1/2波長となっているポリマーフィルムとを積層させて、広い波長領域で1/4波長が得られる位相差板、特開平10−90521号公報に記載された、二枚のポリマーフィルムを積層することにより広い波長領域で1/4波長を達成できる位相差板、国際公開第2000/26705号パンフレットに記載された変性ポリカーボネートフィルムを用いた広い波長領域で1/4波長を達成できる位相差板、または国際公開第2000/65384号パンフレットに記載されたセルロースアセテートフィルムを用いた広い波長領域で1/4波長を達成できる位相差板、などを用いることができる。1/4波長板としては、市販品を用いることもでき、たとえば商品名:ピュアエースWR(帝人株式会社製)などを用いることができる。
1/4波長板23は、重合性液晶化合物または高分子液晶化合物を配列させて固定して形成してもよい。たとえば1/4波長板は、支持体または配向膜に液晶組成物を塗布し、そこで液晶組成物中の重合性液晶性化合物を液晶状態においてネマチック配向に形成後、光架橋や熱架橋によって固定化して、形成することができる。1/4波長板は、高分子液晶性化合物を含む組成物を、支持体、配向膜、または前面板表面に液晶組成物を塗布して液晶状態においてネマチック配向に形成後、冷却することによって当該配向を固定化して得られる層であってもよい。
液晶組成物は、重合性液晶化合物を含み、必要に応じてさらに界面活性剤や重合開始剤などを含んでいてもよい。必要に応じて溶剤などを加えた液晶組成物を、支持体、配向膜または下層となる位相差層などに塗布し、配向熟成後、液晶組成物の硬化により固定化して1/4波長板23を形成することができる。
重合性液晶化合物としては、棒状液晶化合物を用いればよい。棒状の重合性液晶化合物の例としては、棒状ネマチック液晶化合物が挙げられる。棒状ネマチック液晶化合物としては、アゾメチン類、アゾキシ類、シアノビフェニル類、シアノフェニルエステル類、安息香酸エステル類、シクロヘキサンカルボン酸フェニルエステル類、シアノフェニルシクロヘキサン類、シアノ置換フェニルピリミジン類、アルコキシ置換フェニルピリミジン類、フェニルジオキサン類、トラン類およびアルケニルシクロヘキシルベンゾニトリル類が好ましく用いられる。低分子液晶化合物だけではなく、高分子液晶化合物も用いることができる。
重合性液晶化合物は、重合性基を液晶化合物に導入することで得られる。重合性基の例には、不飽和重合性基、エポキシ基、およびアジリジニル基が含まれ、不飽和重合性基が好ましく、エチレン性不飽和重合性基が特に好ましい。重合性基は種々の方法で、液晶化合物の分子中に導入できる。重合性液晶化合物が有する重合性基の個数は、好ましくは1〜6個、より好ましくは1〜3個である。重合性液晶化合物の例は、Makromol.Chem.,190巻、2255頁(1989年)、Advanced Materials 5巻、107頁(1993年)、米国特許第4683327号明細書、同5622648号明細書、同5770107号明細書、国際公開第1995/22586号パンフレット、国際公開第1995/24455号パンフレット、国際公開第1997/00600号パンフレット、国際公開第1998/23580号パンフレット、国際公開第1998/52905号パンフレット、特開平1−272551号公報、同6−16616号公報、同7−110469号公報、同11−80081号公報、および特開2001−328973号公報などに記載の化合物が含まれる。2種類以上の重合性液晶化合物を併用してもよい。2種類以上の重合性液晶化合物を併用すると、配向温度を低下させることができる。
また、液晶組成物中の重合性液晶化合物の添加量は、液晶組成物の固形分質量(溶媒を除いた質量)に対して、80〜99.9質量%であることが好ましく、85〜99.5質量%であることがより好ましく、90〜99質量%であることが特に好ましい。
液晶組成物は、重合開始剤を含有していることが好ましい。紫外線照射により重合反応を進行させる態様では、使用する重合開始剤は、紫外線照射によって重合反応を開始可能な光重合開始剤であることが好ましい。光重合開始剤の例には、α−カルボニル化合物(米国特許第2367661号、同2367670号の各明細書記載)、アシロインエーテル(米国特許第2448828号明細書記載)、α−炭化水素置換芳香族アシロイン化合物(米国特許第2722512号明細書記載)、多核キノン化合物(米国特許第3046127号、同2951758号の各明細書記載)、トリアリールイミダゾールダイマーとp−アミノフェニルケトンとの組み合わせ(米国特許第3549367号明細書記載)、アクリジンおよびフェナジン化合物(特開昭60−105667号公報、米国特許第4239850号明細書記載)およびオキサジアゾール化合物(米国特許第4212970号明細書記載)等が挙げられる。
液晶組成物中の光重合開始剤の含有量は、重合性液晶化合物の含有量に対して0.1〜20質量%であることが好ましく、0.5質量%〜5質量%であることがさらに好まし
い。
液晶組成物は、硬化後の膜強度向上、耐久性向上のため、任意に架橋剤を含有していてもよい。架橋剤としては、紫外線、熱、湿気等で硬化するものが好適に使用できる。架橋剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えばトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート等の多官能アクリレート化合物;グリシジル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジグリシジルエーテル等のエポキシ化合物;2,2−ビスヒドロキシメチルブタノール−トリス[3−(1−アジリジニル)プロピオネート]、4,4−ビス(エチレンイミノカルボニルアミノ)ジフェニルメタン等のアジリジン化合物;ヘキサメチレンジイソシアネート、およびビウレット型イソシアネート等のイソシアネート化合物;オキサゾリン基を側鎖に有するポリオキサゾリン化合物;ビニルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)3−アミノプロピルトリメトキシシラン等のアルコキシシラン化合物などが挙げられる。また、架橋剤の反応性に応じて公知の触媒を用いることができ、膜強度および耐久性向上に加えて生産性を向上させることができる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。架橋剤の含有量は、3質量%〜20質量%が好ましく、5質量%〜15質量%がより好ましい。架橋剤の含有量が、3質量%未満であると、架橋密度向上の効果が得られないことがあり、20質量%を超えると、安定性を低下させてしまうことがある。
液晶組成物中には、安定的にまたは迅速にプレーナー配向するために寄与する配向制御剤を添加してもよい。配向制御剤としては、特開2007−272185号公報の段落〔0018〕〜〔0043〕等に記載のフッ素(メタ)アクリレート系ポリマー、特開2012−203237号公報の段落〔0031〕〜〔0034〕等に記載の式(I)〜(IV)で表される化合物などが挙げられる。なお、配向制御剤としては1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
液晶組成物中における、配向制御剤の添加量は、重合性液晶化合物の全質量に対して0.01質量%〜10質量%が好ましく、0.01質量%〜5質量%がより好ましく、0.02質量%〜1質量%が特に好ましい。
その他、液晶組成物は、塗膜の表面張力を調整し膜厚を均一にするための界面活性剤、および重合性モノマー等の種々の添加剤から選ばれる少なくとも1種を含有していてもよい。また、液晶組成物中には、必要に応じて、さらに重合禁止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定化剤、色材および金属酸化物微粒子等を、光学的性能を低下させない範囲で添加することができる。
液晶組成物の調製に使用する溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、有機溶媒が好ましく用いられる。有機溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えばケトン類、アルキルハライド類、アミド類、スルホキシド類、ヘテロ環化合物、炭化水素類、エステル類およびエーテル類などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、環境への負荷を考慮した場合にはケトン類が特に好ましい。
支持体または配向膜などへの液晶組成物の塗布方法は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ワイヤーバーコーティング法、カーテンコーティング法、押し出しコーティング法、ダイレクトグラビアコーティング法、リバースグラビアコーティング法、ダイコーティング法、スピンコーティング法、ディップコーティング法、スプレーコーティング法およびスライドコーティング法などが挙げられる。また、別途支持体上に塗設した液晶組成物を転写することによっても実施できる。塗布した液晶組成物を加熱することにより、液晶分子を配向させる。ネマチック配向させることが好ましい。加熱温度は、50℃〜120℃が好ましく、60℃〜100℃がより好ましい。
配向させた液晶化合物は、更に重合させ、液晶組成物を硬化することができる。重合は、熱重合、光照射による光重合のいずれでもよいが、光重合が好ましい。光照射は、紫外線を用いることが好ましい。照射エネルギーは、20mJ/cm2〜50J/cm2が好ましく、100mJ/cm2〜1,500mJ/cm2がより好ましい。光重合反応を促進するため、加熱条件下または窒素雰囲気下で光照射を実施してもよい。照射紫外線波長は350nm〜430nmが好ましい。重合反応率は安定性の観点から、高いほうが好ましく70%以上が好ましく、80%以上がより好ましい。重合反応率は、重合性の官能基の消費割合を、IR(Infrared)吸収スペクトルを用いて決定することができる。
液晶組成物から形成される1/4波長板の厚みは、特に限定はされないが、好ましくは0.2〜10μm、より好ましくは0.5〜2μmである。
液晶組成物は、支持体または支持体表面に形成された配向層の表面に塗布されてもよい。支持体は、層形成後に剥離される仮支持体であってもよい。支持体の例としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)などのポリエステル、ポリカーボネート、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン、ポリアミド、ポリオレフィン、セルロース誘導体、シリコーン、およびガラス板などが挙げられる。
配向層は、ポリマーなどの有機化合物(ポリイミド、ポリビニルアルコール、ポリエステル、ポリアリレート、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリアミドおよび変性ポリアミドなどの樹脂)のラビング処理、無機化合物の斜方蒸着、マイクログルーブを有する層の形成、またはラングミュア・ブロジェット法(LB膜)による有機化合物(例えば、ω−トリコサン酸、ジオクタデシルメチルアンモニウムクロライドおよびステアリル酸メチル)の累積のような手段によって設けることができる。更に、電場の付与、磁場の付与または光照射により、配向機能が生じる配向層を用いてもよい。特にポリマーからなる配向層はラビング処理を行ったうえで、ラビング処理面に液晶組成物を塗布することが好ましい。ラビング処理は、ポリマー層の表面を、紙、布で一定方向に、数回擦ることにより実施することができる。配向層を設けずに支持体表面、または支持体をラビング処理した表面に、液晶組成物を塗布してもよい。配向層の厚さは0.01〜5μmであることが好ましく、0.05〜2μmであることがさらに好ましい。
前面板22としては、通常のミラーの作製に用いられるガラス板やプラスチック板を用いることができる。前面板22は可視光領域で透明であって、複屈折が小さいことが好ましい。プラスチック板の例としては、ポリエチレンテレフタレート(PET(PolyEthylene Terephthalate))などのポリエステル、ポリカーボネート、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン、ポリアミド、ポリオレフィン、セルロース誘導体、およびシリコーンなどが挙げられる。前面板22の膜厚としては、100μm〜10mm程度であればよく、好ましくは200μm〜5mmであり、より好ましくは500μm〜2mmである。
次に、第1の実施形態の車両用画像表示機能付きミラー10の製造方法について、図4を参照しながら説明する。図4においては、矢印の方向に工程が進むものとする。
まず、1/4波長板23が用意され、この1/4波長板23の一方の面に対して、第2の粘着層25が形成される。具体的には、たとえば一方の面の剥離シートが剥がされたOCAシートの粘着剤層が1/4波長板23の一方の面に対して貼り付けられ、その後、OCAシートの他方の面の剥離シートが剥離され、これにより第2の粘着層25が形成される。
次に、第2の粘着層25の粘着面上に前面板22が貼り付けられる。次いで、前面板22上に第1の粘着層24が形成される。具体的には、たとえば一方の面の剥離シートが剥がされたOCAシートの粘着剤層が前面板22に対して貼り付けられ、その後、OCAシートの他方の面の剥離シートが剥離され、これにより第1の粘着層24が形成される。
そして、第1の粘着層24の粘着面上に直線偏光反射層21が貼り付けられることによって円偏光反射部12が形成される。
円偏光反射部12は、ロール状に巻かれた部材同士を貼り合わせることによって形成することができ、これにより大面積のシート状の円偏光反射部12を形成することができる。このように形成されたシート状の円偏光反射部12は、車両用のルームミラーなどといった最終的な製品の形状に合わせて裁断される。
そして、適切な形状に裁断された円偏光反射部12が、画像表示部20の画像表示面20aに接着されることによって第1の実施形態の車両用画像表示機能付きミラー10が形成される。
なお、上記第1の実施形態の車両用画像表示機能付きミラー10における円偏光反射部12の露出している表面に対してハードコート処理を施すようにしてもよい。すなわち、円偏光反射部12の1/4波長板23の前面板22側とは反対側の面にハードコート処理を施すことによって保護機能を持たせるようにしてもよい。
ハードコート処理によってハードコート層を形成する方法としては、特に制限はなく、公知の方法を用いることができる。
ハードコート層を形成する方法としては、たとえば塗布またはスパッタなどの気相製膜などを挙げることができ、その中でも塗布が好ましく、一定の硬さを得るために多官能のモノマー或いはオリゴマーを含んだ塗布液を塗布し、乾燥後硬膜させることが望ましい。
塗布液は、溶媒に材料を溶解及び/又は分散して調製されることが好ましい。塗布液の塗布については、ワイヤーバーコーティング法、押し出しコーティング法、ダイレクトグラビアコーティング法、リバースグラビアコーティング法、およびダイコーティング法等の種々の方法を採用することができる。また、インクジェット装置を用いて、液晶組成物をノズルから吐出して、塗膜を形成してもよい。
ハードコート層の形成に利用される材料については、特に制限はない。たとえばポリマーフィルム(例えば、PETフィルム)など、ハードコート層の材料として従来用いられている種々の材料を利用することができる。
ハードコート処理によって形成されるハードコート層の鉛筆硬度は2H以上であることが好ましい。ハードコート層の鉛筆硬度を2H以上に制御する方法としては特に制限はなく、公知の方法を用いることができる。例えば、ハードコート層用組成物は、主成分として少なくとも1種類の二官能以上の重合性モノマーを用いることが好ましい。光照射または熱により重合した後に得られるハードコート層の鉛筆硬度を2H以上に制御しやすいからである。
二官能以上の重合性モノマーとしては、二官能以上の(メタ)アクリレートが好ましい。ここで、二官能以上のモノマーとは、重合性基がモノマー1分子中に2以上含まれるモノマーのことを意味する。
二官能以上の(メタ)アクリレートは、光重合性であることが好ましい。また、求める鉛筆硬度に応じて、二官能以上の(メタ)アクリレートを1種のみ用いても、2種以上を混合して用いてもよい。このような二官能以上の(メタ)アクリレートとしては、公知のものを用いることができ、その中でも、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA)、ペンタエリスリトールテトラアクリレート(PETA)を用いることが硬度を確保する観点から好ましい。
さらに、ハードコート層用組成物は、二官能以上の(メタ)アクリレートの他に、塗布時の粘度や製膜後の鉛筆硬度を調整する目的で、さらに単官能(メタ)アクリレートを含んでいてもよい。
なお、鉛筆硬度は、JIS K5400(鉛筆引っかき試験方法)に準拠した方法によって測定される。
また、図5に示すように、上記第1の実施形態の車両用画像表示機能付きミラー10における円偏光反射部12に対してガラスまたはプラスチックからなる保護板27を設けるようにしてもよい。すなわち、円偏光反射部12の1/4波長板23の前面板22側とは反対側の面に対して保護板27を設けるようにしてもよい。保護板27としてプラスチック板を用いる場合には、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル、ポリカーボネート、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン、ポリアミド、ポリオレフィン、セルロース誘導体、またはシリコーンなどを用いることができる。保護板27の膜厚としては、100μm〜10mm程度であればよく、好ましくは200μm〜5mmであり、より好ましくは500μm〜2mmである。保護板27と1/4波長板23とは、単層の粘着層26によって接着されることが好ましく、たとえばOCAシートによって接着してもよく、PVB(ポリビニルブチラール)によって接着してもよい。
次に、本発明の車両用画像表示機能付きミラーの第2の実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。第2の実施形態の車両用画像表示機能付きミラー30も、第1の実施形態の車両用画像表示機能付きミラー10と同様に、図1に示す車両用のルームミラー2に用いられるものである。ただし、これに限らず、サイドミラーまたはその他の車両に取り付けられるミラーに用いるようにしてもよい。
第2の車両用画像表示機能付きミラー30は、図2に示すように、車両の周辺の撮影画像を表示可能な画像表示部20と、画像表示部20に表示された撮影画像光が入射される円偏光反射部13とを備えている。なお、第2の車両用画像表示機能付きミラー30は、第1の車両用画像表示機能付きミラー10とは、円偏光反射部13の構成が異なるので、その点を中心に説明する。画像表示部20については、第1の実施形態と同様である。
円偏光反射部13は、第1の実施形態の円偏光反射部12と同様に、図2に示すように、画像表示部20の画像表示面20a側に設けられるものである。
そして、円偏光反射部13は、第1の実施形態の円偏光反射部12と同様に、第2の実施形態の車両用画像表示機能付きミラー30において、半透過半反射層として機能する。すなわち、円偏光反射部13は、画像表示部20において撮影画像を表示させた場合には、画像表示部20からの出射光(撮影画像光)を透過させることにより、車両用画像表示機能付きミラー10の前面に撮影画像が表示されるように機能する。
一方、画像表示部20において撮影画像を表示していない場合には、円偏光反射部13は、画像表示部20側とは反対側から(図2に示す矢印S方向側から)の入射光を反射して、車両用画像表示機能付きミラー30の前面がミラーとなるように機能する。
図6は、図2に示す車両用画像表示機能付きミラー30のB−C線断面図を示すものである。円偏光反射部13は、図6に示すように、1/4波長板31と、円偏光反射層32と、ガラスまたはプラスチックからなる前面板33と、高位相差板34とを備えたものである。なお、本実施形態においては、円偏光反射層32が2色性偏光反射層に相当するものであり、高位相差板34が光学補償層に相当するものである。
1/4波長板31、円偏光反射層32、前面板33および高位相差板34は、画像表示部20側からこの順に配置されている。すなわち前面板33に対して画像表示部20側に1/4波長板31および円偏光反射層32が配置され、前面板22に対して画像表示部20側とは反対側に高位相差板34が配置されている。
このような構成によって、円偏光反射部13は半透過半反射層として機能するが、図6に示すように、鏡面は、円偏光反射層32の前面板33側の面32aに形成される。
そして、1/4波長板31および円偏光反射層32と前面板33とが単層の第1の粘着層35によって接着され、前面板33と高位相差板34とが単層の第2の粘着層36によって接着されている。
ここで、単層の第1の粘着層35または第2の粘着層36によって接着されるとは、1/4波長板31および円偏光反射層32と前面板33との間または前面板33と高位相差板34との間に、第1の粘着層35または第2の粘着層36以外の粘着層を含まず、1層の粘着層しか配置されていないことを意味する。第1の粘着層35自体および第2の粘着層36自体は、複数の層から形成されるものであってもよい。
本実施形態の車両用画像表示機能付きミラー30においては、1/4波長板31および円偏光反射層32の積層体と前面板33とを単層の第1の粘着層35によって接着し、前面板33に対して画像表示部20側とは反対側に高位相差板34を配置するようにしたので、ユーザが偏光サングラスなどを使用している場合にも方向依存性なく鮮明な画像およびミラー反射像を視認でき、かつ反射像の歪みを抑制することができる。また、前面板33と高位相差板34も単層の第2の粘着層36によって接着するようにしたので、さらに反射像の歪みを抑制することができる。なお、高位相差板34の作用効果については、後で詳述する。
第1の粘着層35および第2の粘着層36としては、上記第1の実施形態と同様に、OCAシートを用いることができる。また、第1の粘着層35および第2の粘着層36の厚さは、10μm以上25μm以下とすることが望ましい。その理由は、上記第1の実施形態と同様である。
画像表示部20と1/4波長板31との間は、これらを枠体などに固定することによって間隔を空けることが望ましい。ただし、画像表示部20と1/4波長板31とは直接接着されていてもよい。また、1/4波長板31と円偏光反射層32との間には接着層等の他の層が含まれていてもよいが、1/4波長板31と円偏光反射層32とは直接接していることが好ましい。また、1/4波長板31と円偏光反射層32は互いに同じ面積で積層されていることが好ましい。
1/4波長板31は、画像が最も明るくなるように、角度調整されていることが好ましい。すなわち、特に直線偏光により画像表示している画像表示部20に対し、上記直線偏光を最もよく透過させるように上記直線偏光の偏光方向(透過軸)と1/4波長板31の遅相軸との関係が調整されていることが好ましい。たとえば、一層型の1/4波長板31の場合、上記透過軸と遅相軸とは45°の角度をなしていることが好ましい。直線偏光により画像表示している画像表示部20から出射した光は1/4波長板31を透過後、右または左のいずれかのセンスの円偏光となっている。後述する円偏光反射層32は、上記のセンスの円偏光を透過する捩れ方向を有するコレステリック液晶層で構成されていることが好ましい。
本実施形態の車両用画像表示機能付きミラー30においては、画像表示部20と円偏光反射層32との間に1/4波長板31を含むことにより、画像表示部20からの光を円偏光に変換して円偏光反射層32に入射させることが可能となっている。そのため、円偏光反射層32において反射されて画像表示部20側に戻る光を大幅に減らすことができ、明るい画像の表示が可能となる。
なお、本明細書において、円偏光につき「選択的」というときは、照射される光の右円偏光成分または左円偏光成分のいずれかの光量が、他方の円偏光成分よりも多いことを意味する。具体的には「選択的」というとき、光の円偏光度は、0.3以上であることが好ましく、0.6以上がより好ましく、0.8以上がさらに好ましい。実質的に1.0であることがさらに好ましい。ここで、円偏光度とは、光の右円偏光成分の強度をIR、左円偏光成分の強度をILとし たとき、|IR−IL|/(IR+IL)で表される値である。
また、本明細書において、円偏光につき「センス」というときは、右円偏光であるか、または左円偏光であるかを意味する。円偏光のセンスは、光が手前に向かって進んでくるように眺めた場合に電場ベクトルの先端が時間の増加に従って時計回りに回る場合が右円偏光であり、反時計回りに回る場合が左円偏光であるとして定義される。
また、本明細書においては、コレステリック液晶の螺旋の捩れ方向について「センス」との用語を用いることもある。コレステリック液晶による選択反射は、コレステリック液晶の螺旋の捩れ方向(センス)が右の場合は右円偏光を反射し、左円偏光を透過し、センスが左の場合は左円偏光を反射し、右円偏光を透過する。
1/4波長板31は、可視光領域において1/4波長板として機能する位相差層であればよい。1/4波長板31の例としては、一層型の1/4波長板、1/4波長板と1/2波長位相差板とを積層した広帯域1/4波長板などが挙げられる。前者の1/4波長板の正面位相差は、画像表示部20の発光波長の1/4の長さであればよい。それゆえに例えば画像表示部20の発光波長が450nm、530nmおよび640nmの場合は、450nmの波長で112.5nm±10nm、好ましくは112.5nm ±5nm、より好ましくは112.5nmの位相差であり、530nmの波長で132.5nm±10nm、好ましくは132.5nm±5nm、より好ましくは132.5nmの位相差であり、640nmの波長で160nm±10nm、好ましくは160nm±5nm、より好ましくは160nmの位相差であるような逆分散性の位相差層を1/4波長板として用いることが最も好ましいが、位相差の波長分散性の小さい位相差板や順分散性の位相差板も用いることができる。なお、逆分散性とは長波長になるほど位相差の絶対値が大きくなる性質を意味し、順分散性 とは短波長になるほど位相差の絶対値が大きくなる性質を意味する。
積層型の1/4波長板は、1/4波長板と1/2波長位相差板とをその遅相軸を60°の角度で貼り合わせ、1/2波長位相差板側を直線偏光の入射側に配置して、且つ1/2波長位相差板の遅相軸を入射直線偏光の偏光面に対して15°または75°に交差して使用するものであり、位相差の逆分散性が良好なため好適に用いることができる。本明細書において、位相差は正面レターデーションを意味する。位相差はAXOMET RICS社製の偏光位相差解析装置AxoScanを用いて測定することができる。またはKOBRA 21ADHまたはWR(王子計測機器(株)製)において特定の波長の光をフィルム法線方向に入射させて測定してもよい。
1/4波長板31としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、石英板、延伸されたポリカーボネートフィルム、延伸されたノルボルネン系ポリマーフィルム、炭酸ストロンチウムのような複屈折を有する無機粒子を含有して配向させた透明フィルム、および支持体上に無機誘電体を斜め蒸着した薄膜などが挙げられる。
また、1/4波長板31としては、上記第1の実施形態の円偏光反射部12の1/4波長板23の例として挙げたものも用いることができる。
円偏光反射層32は、可視光領域で選択反射を示すコレステリック液晶層を少なくとも1層含むものである。円偏光反射層32は、2層以上のコレステリック液晶層を含んでいてもよく、配向層などの他の層を含んでいてもよい。円偏光反射層32はコレステリック液晶層のみからなることが好ましい。
また、円偏光反射層32が複数のコレステリック液晶層を含むときは、それらは隣接するコレステリック液晶層と直接接していることが好ましい。円偏光反射層32は、3層、4層など3層以上のコレステリック液晶層を含んでいることが好ましい。また、円偏光反射層32の膜厚は2.0μm〜300μmであることが好ましく、より好ましくは8. 0〜200μmである。
本明細書において、コレステリック液晶層は、コレステリック液晶相を固定した層を意味する。コレステリック液晶層を単に液晶層ということもある。コレステリック液晶相は、特定の波長域において右円偏光または左円偏光のいずれか一 方のセンスの円偏光を選択的に反射させるとともに他方のセンスの円偏光を透過する円偏光選択反射を示すことが知られている。本明細書において、円偏光選択反射を単に選択反射ということもある。円偏光選択反射性を示すコレステリック液晶相を固定した層を含むフィルムとして、重合性液晶化合物を含む組成物から形成されたフィルムは従来から数多く知られており、コレステリック液晶層については、それらの従来技術を参照することができる。
コレステリック液晶層は、コレステリック液晶相となっている液晶化合物の配向が保持されている層であればよく、典型的には、重合性液晶化合物をコレステリック液晶相の配向状態としたうえで、紫外線照射、加熱等によって重合、硬化し、流動性が無い層を形成して、同時に、また外場や外力によって配向形態に変化を生じさせることない状態に変化した層であればよい。なお、コレステリック液晶層においては、コレステリック液晶相の光学的性質が層中において保持されていれば十分であり、層中の液晶性化合物はもはや液晶性を示していなくてもよい。例えば、重合性液晶化合物は、硬化反応により高分子量化して、もはや液晶性を失っていてもよい。
コレステリック液晶層の選択反射の中心波長λは、コレステリック相における螺旋構造のピッチP(=螺旋の周期)に依存し、コレステリック液晶層の平均屈折率nとλ=n×Pの関係に従う。なお、本明細書において、コレステリック液晶層が有する選択反射の中心波長λは、コレステリック液晶層の法線方向から測定した円偏光反射スペクトルの反射ピークの重心位置にある波長を意味する。なお、本明細書において、選択反射の中心波長はコレステリック液晶層の法線方向から測定した時の中心波長を意味する。上記式から分かるように、螺旋構造のピッチを調節することによって、選択反射の中心波長を調整できる。n値とP値を調節して、所望の波長の光に対して右円偏光または左円偏光のいずれか一方を選択的に反射させるために、中心波長λを調節することができる。
コレステリック液晶層に対して斜めに光が入射する場合は、選択反射の中心波長は短波長側にシフトする。そのため、画像表示のために必要とされる選択反射の波長に対して、上記のλ=n×Pの式に従って計算されるλが長波長となるようにn×Pを調整することが好ましい。屈折率nのコレステリック液晶層中でコレステリック液晶層の法線方向( コレステリック液晶層の螺旋軸方向)に対して光線がθの角度で通過するときの選択反射の中心波長をλdとするとき、λdは、以下の式で表される。
λd=n×P×cosθ
上記の選択反射の性質に由来して、本発明の画像表示機能付きミラーは、斜め方向から見た、表示画像および反射像に色味が出てしまうことがある。円偏光反射層に赤外光領域に選択反射の中心波長を有するコレステリック液晶層を含ませることによって、この色味を防止することも可能である。この場合の赤外光領域の選択反射の中心波長は具体的には、780〜900nm、好ましくは780〜850nmにあればよい。
コレステリック液晶相のピッチは重合性液晶化合物とともに用いるキラル剤の種類、またはその添加濃度に依存するため、これらを調整することによって所望のピッチを得ることができる。なお、螺旋のセンスやピッチの測定法については「液晶化学実験入門」日本 液晶学会編 シグマ出版2007年出版、46頁、および「液晶便覧」液晶便覧編集委員 会 丸善 196頁に記載の方法を用いることができる。
円偏光反射層32は、赤色光の波長域に選択反射の中心波長を有するコレステリック液晶層と、緑色光の波長域に選択反射の中心波長を有するコレステリック液晶層と、青色光の波長域に選択反射の中心波長を有するコレステリック液晶層とを含むことが好ましい。円偏光反射層32は、たとえば400nm〜500nmに選択反射の中心波長を有するコレステリック液晶層、500nm〜580nmに選択反射の中心波長を有するコレステリック液晶層、および580nm〜700nmに選択反射の中心波長を有するコレステリック液晶層を含むことが好ましい。また、円偏光反射層が複数のコレステリック液晶層を含むときは、より画像表示部20に近いコレステリック液晶層がより長い選択反射の中心波長を有していることが好ましい。このような構成により、表示画像および反射像における斜め色味を抑えることが できる。
使用するコレステリック液晶層の選択反射の中心波長を、画像表示部20の発光波長域、および円偏光反射層32の使用態様に応じて調整することにより光利用効率良く明るい画像を表示することができる。円偏光反射層32の使用態様としては、特に円偏光反射層32への光の入射角、画像観察方向などが挙げられる。
コレステリック液晶層の反射円偏光のセンスは螺旋のセンスに一致する。各コレステリック液晶層としては、画像表示部20から出射して1/4波長板31を透過して得られているセンスの円偏光のセンスに応じて、螺旋のセンスが右または左のいずれかであるコレステリック液晶層が用いられる。具体的には、画像表示部20から出射して1/4波長板31を透過して得られているセンスの円偏光を透過する螺旋のセンスを有するコレステリック液晶層を用いればよい。円偏光反射層32に複数のコレステリック液晶層が含まれるとき、それらの螺旋のセンスは全て同じであることが好ましい。
選択反射を示す選択反射帯の半値幅Δλ(nm)は、Δλが液晶化合物の複屈折Δnと上記ピッチPに依存し、Δλ=Δn×Pの関係に従う。そのため、選択反射帯の幅の制御は、Δnを調整して行うことができる。Δnの調整は重合性液晶化合物の種類やその混合比率を調整したり、配向固定時の温度を制御したりすることで行うことができる。選択反射の中心波長が同一の1種のコレステリック液晶層の形成のために、周期Pが同じで、同じ螺旋のセンスのコレステリック液晶層を複数積層してもよい。周期Pが同じで、同じ螺旋のセンスのコレステリック液晶層を積層することによっては、特定の波長で円偏光選択性を高くすることができる。
次に、1/4波長板31およびコレステリック液晶層の作製材料および作製方法について説明する。上記1/4波長板31の形成に用いる材料としては、重合性液晶化合物を含む液晶組成物などが挙げられる。コレステリック液晶層の形成に用いる材料は、さらにキラル剤(光学活 性化合物)を含むことが好ましい。必要に応じてさらに界面活性剤や重合開始剤などと混合して溶剤などに溶解した上記液晶組成物を、支持体、仮支持体、配向膜、1/4波長板、下層となるコレステリック液晶層などに塗布し、配向熟成後、液晶組成物の硬化により固定化してコレステリック液晶層を形成することができる。また、支持体、仮支持体、配向膜、または下層となるコレステリック液晶層などに塗布し、配向熟成後、液晶組成物の硬化により固定化してコレステリック液晶層を形成することができる。
重合性液晶化合物としては、棒状液晶化合物を用いればよい。棒状の重合性液晶化合物の例としては、棒状ネマチック液晶化合物が挙げられる。棒状ネマチック液晶化合物としては、アゾメチン類、アゾキシ類、シアノビフェニル類、シアノフェニルエステル類、安息香酸エステル類、シクロヘキサンカルボン酸フェニルエステル類、シアノフェニルシクロヘキサン類、シアノ置換フェニルピリミジン類、アルコキシ置換フェニルピリミジン類、フェニルジオキサン類、トラン類およびアルケニルシクロヘキシルベンゾニトリル類が好ましく用いられる。低分子液晶化合物だけではなく、高分子液晶化合物も用いることができる。
重合性液晶化合物は、重合性基を液晶化合物に導入することで得られる。重合性基の例には、不飽和重合性基、エポキシ基、およびアジリジニル基が含まれ、不飽和重合性基が好ましく、エチレン性不飽和重合性基が特に好ましい。重合性基は種々の方法で、液晶化合物の分子中に導入できる。重合性液晶化合物が有する重合性基の個数は、好ましくは1〜6個、より好ましくは1〜3個である。重合性液晶化合物の例は、Makromol.Chem.,190巻、2255頁(1989年)、Advanced Materials 5巻、107頁(1993年)、米国特許第4683327号明細書、同5622648号明細書、同5770107号明細書、国際公開第1995/22586号パンフレット、国際公開第1995/24455号パンフレット、国際公開第1997/00600号パンフレット、国際公開第1998/23580号パンフレット、国際公開第1998/52905号パンフレット、特開平1−272551号公報、同6−16616号公報、同7−110469号 公報、同11−80081号公報、および特開2001−328973号公報などに記載の化合物が含まれる。2種類以上の重合性液晶化合物を併用してもよい。2種類以上の重合性液晶化合物を併用すると、配向温度を低下させることができる。
また、液晶組成物中の重合性液晶化合物の添加量は、液晶組成物の固形分質量(溶媒を除いた質量)に対して、80〜99.9質量%であることが好ましく、85〜99.5質量%であることがより好ましく、90〜99質量%であることが特に好ましい。
コレステリック液晶層の形成に用いる材料はキラル剤を含んでいることが好ましい。キラル剤はコレステリック液晶相の螺旋構造を誘起する機能を有する。キラル化合物は、化合物によって誘起する螺旋のセンスまたは螺旋ピッチが異なるため、目的に応じて選択すればよい。キラル剤としては、特に制限はなく、公知の化合物(例えば、液晶デバイスハンドブック、第3章4−3項、TN、STN用カイラル剤、199頁、日本学術振興会第142委 員会編、1989に記載)、イソソルビドおよびイソマンニド誘導体を用いることができる。キラル剤は、一般に不斉炭素原子を含むが、不斉炭素原子を含まない軸性不斉化合物あるいは面性不斉化合物もキラル剤として用いることができる。軸性不斉化合物または面性不斉化合物の例には、ビナフチル、ヘリセン、パラシクロファンおよびこれらの誘導体が含まれる。キラル剤は、重合性基を有していてもよい。キラル剤と液晶化合物とがいずれも重合性基を有する場合は、重合性キラル剤と重合性液晶化合物との重合反応により、重合性液晶化合物から誘導される繰り返し単位と、キラル剤から誘導される繰り返し単位とを有するポリマーを形成することができる。この態様では、重合性キラル剤が有する重合性基は、重合性液晶化合物が有する重合性基と、同種の基であることが好ましい。従って、キラル剤の重合性基も、不飽和重合性基、エポキシ基またはアジリジニル基であることが好ましく、不飽和重合性基であることがさらに好ましく、エチレン性不飽和重合性基であることが特に好ましい。また、キラル剤は、液晶化合物であってもよい。
キラル剤が光異性化基を有する場合には、塗布、配向後に活性光線などのフォトマスク照射によって、発光波長に対応した所望の反射波長のパターンを形成することができるので好ましい。光異性化基としては、フォトクロッミック性を示す化合物の異性化部位、アゾ、アゾキシ、シンナモイル基が好ましい。具体的な化合物として、特開2002−80478号公報、特開2002−80851号公報、特開2002−179668号公報、特開2002−179669号公報、特開2002−179670号公報、特開2002−179681号公報、特開2002−179682号公報、特開2002−338575号公報、特開2002−338668号公報、特開2003−313189号公報、および特開2003−313292号公報に記載の化合物を用いることができる。液晶組成物における、キラル剤の含有量は、重合性液晶性化合物量の0.01モル%〜 200モル%が好ましく、1モル%〜30モル%がより好ましい。
液晶組成物は、重合開始剤を含有していることが好ましい。紫外線照射により重合反応を進行させる態様では、使用する重合開始剤は、紫外線照射によって重合反応を開始可能な光重合開始剤であることが好ましい。光重合開始剤の例には、α−カルボニル化合物(米国特許第2367661号、同2367670号の各明細書記載)、アシロインエー テル(米国特許第2448828号明細書記載)、α−炭化水素置換芳香族アシロイン化 合物(米国特許第2722512号明細書記載)、多核キノン化合物(米国特許第304 6127号、同2951758号の各明細書記載)、トリアリールイミダゾールダイマー とp−アミノフェニルケトンとの組み合わせ(米国特許第3549367号明細書記 載)、アクリジンおよびフェナジン化合物(特開昭60−105667号公報、米国特許 第4239850号明細書記載)およびオキサジアゾール化合物(米国特許第42129 70号明細書記載)等が挙げられる。液晶組成物中の光重合開始剤の含有量は、重合性液晶化合物の含有量に対して0.1〜 20質量%であることが好ましく、0.5質量%〜5質量%であることがさらに好まし い。
液晶組成物は、硬化後の膜強度向上、耐久性向上のため、任意に架橋剤を含有していてもよい。架橋剤としては、紫外線、熱、または湿気等で硬化するものが好適に使用できる。架橋剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えばトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート等の多官能アクリレート化合物;グリシジル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジグリシジルエーテル等のエポキシ化合物;2,2−ビスヒドロキシメチルブタノール−トリス[3−(1−アジリジニル)プロピオネート]、4,4−ビス(エチレンイミノカルボニルアミノ)ジフェニルメタン等のアジリジン化合物;ヘキサメチレンジイソシアネート、ビウレット型イソシアネート等のイソシアネート化合物;オキサゾリン基を側鎖に有するポリオキサゾリン化合物;ビニルトリメトキシシラン、およびN−(2−アミノエチル)3−アミノプロピルトリメトキシシラン等のアルコキシシラン化合物などが挙げられる。また、架橋剤の反応性に応じて公知の触媒を用いることができ、膜強度および耐久性向上に加えて生産性を向上させることができる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。架橋剤の含有量は、3質量%〜20質量%が好ましく、5質量%〜15質量%がより好ましい。架橋剤の含有量が、3質量%未満であると、架橋密度向上の効果が得られないことがあり、20質量%を超えると、形成される層の安定性を低下させてしまうことがある。
液晶組成物中には、安定的にまたは迅速にプレーナー配向するために寄与する配向制御 剤を添加してもよい。配向制御剤の例としては特開2007−272185号公報の段落 〔0018〕〜〔0043〕等に記載のフッ素(メタ)アクリレート系ポリマー、特開2 012−203237号公報の段落〔0031〕〜〔0034〕等に記載の式(I)〜(IV)で表される化合物などが挙げられる。なお、配向制御剤としては1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
液晶組成物中における、配向制御剤の添加量は、重合性液晶化合物の全質量に対して0.01質量%〜10質量%が好ましく、0.01質量%〜5質量%がより好ましく、0.02質量%〜1質量%が特に好ましい。
液晶組成物は、その他に、塗膜の表面張力を調整し膜厚を均一にするための界面活性剤、および重合性モノマー等の種々の添加剤から選ばれる少なくとも1種を含有していてもよい。また、液晶組成物中には、必要に応じて、さらに重合禁止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定化剤、色材、および金属酸化物微粒子等を、光学的性能を低下させない範囲で添加することができる。
液晶組成物の調製に使用する溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、有機溶媒が好ましく用いられる。有機溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えばケトン類、アルキルハライド類、アミド類、スルホキシド類、ヘテロ環化合物、炭化水素 類、エステル類、およびエーテル類などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよい し、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、環境への負荷を考慮した場合にはケトン類が特に好ましい。
仮支持体、配向膜、1/4波長板、または下層となるコレステリック液晶層などへの液晶組成物の塗布方法は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ワイヤーバーコーティング法、カーテンコーティング法、押し出しコーティング法、ダイレクトグラビアコーティング法、リバースグラビアコーティング法、ダイコーティング法、スピンコーティング法、ディップコーティング法、スプレーコーティング法、およびスライドコーティング法などが挙げられる。また、別途支持体上に塗設した液晶組成物を転写することによっても実施できる。塗布した液晶組成物を加熱することにより、液晶分子を配向させる。コレステリック液晶層形成の際はコレステリック配向させればよく、1/4波長板形成の際は、ネマチック配向させることが好ましい。コレステリック配向の際、加熱温度は、200℃以下が好ましく、130℃以下がより好ましい。この配向処理により、重合性液晶化合物が、フィルム面に対して実質的に垂直な方向に螺旋軸を有するようにねじれ配向している光学薄膜が得られる。ネマチック配向の際、加熱温度は、50℃〜120℃が好ましく、60℃〜100℃がより好ましい。
配向させた液晶化合物は、更に重合させ、液晶組成物を硬化することができる。重合は、熱重合、光照射による光重合のいずれでもよいが、光重合が好ましい。光照射は、紫外線を用いることが好ましい。照射エネルギーは、20mJ/cm2〜50J/cm2が好 ましく、100mJ/cm2〜1,500mJ/cm2がより好ましい。光重合反応を促進するため、加熱条件下または窒素雰囲気下で光照射を実施してもよい。照射紫外線波長は350nm〜430nmが好ましい。重合反応率は安定性の観点から、高いほうが好ましく70%以上が好ましく、80%以上がより好ましい。重合反応率は、重合性の官能基の消費割合を、IR吸収スペクトルを用いて決定することができる。
個々のコレステリック液晶層の厚みは、上記特性を示す範囲であれば、特に限定はされないが、好ましくは1.0μm以上150μm以下の範囲、より好ましくは4.0μm以上、100μm以下の範囲である。液晶組成物から形成される1/4波長板の厚みは、特に限定はされないが、好ましくは 0.2〜10μm、より好ましくは0.5〜2μmである。
液晶組成物は、仮支持体または仮支持体表面に形成された配向層の表面に塗布され層形成されてもよい。仮支持体または仮支持体および配向層は、層形成後に剥離されればよい。また、特に1/4波長板形成の際は支持体を用いてもよい。支持体は層形成後に剥離しなくてよい。仮支持体および支持体の例としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)などのポリエステル、ポリカーボネート、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン、ポリアミド、ポリオレフィン、セルロース誘導体、シリコーン、またはガラス板などが挙げられる。
配向層は、ポリマーなどの有機化合物(ポリイミド、ポリビニルアルコール、ポリエステル、ポリアリレート、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリアミド、および変性ポリアミドなどの樹脂)のラビング処理、無機化合物の斜方蒸着、マイクログルーブを有する層の形成、またはラングミュア・ブロジェット法(LB膜)による有機化合物(例えば、ω−トリコサン酸、ジオクタデシルメチルアンモニウムクロライド、ステアリル酸メチル)の累積のような手段を用いて、設けることができる。更に、電場の付与、磁場の付与または光照射により、配向機能が生じる配向層を用いてもよい。特にポリマーからなる配向層はラビング処理を行ったうえで、ラビング処理面に液晶組成物を塗布することが好ましい。ラビング処理は、ポリマー層の表面を、紙、布で一定方向に、数回擦ることにより実施することができる。配向層を設けずに仮支持体表面、または仮支持体をラビング処理した表面に、液晶組成物を塗布してもよい。配向層の厚さは0.01〜5μmであることが好ましく、0.05〜2μmであることがさらに好ましい。
上記のように、1/4波長板31およびコレステリック液晶層は、重合性液晶化合物および重合開始剤、更に必要に応じて添加されるキラル剤、および界面活性剤等を溶媒に溶解させた液晶組成物を、仮支持体、配向層、1/4波長板または先に作製されたコレステリック液晶層等の上に塗布し、乾燥させて塗膜を得、この塗膜に所望の形態に重合性液晶化合物を配向させて、その後重合性化合物を重合して配向を固定して、形成することができる。重合性液晶化合物から形成される層の積層体は、上記工程を繰り返し行うことにより形成することができる。また、一部の層または一部の積層膜を別途作製し、それらを接着層により貼り合せてもよい。
1/4波長板31とコレステリック液晶層との積層膜、複数のコレステリック液晶層からなる積層膜、または1/4波長板31と複数のコレステリック液晶層とからなる積層膜の形成の際は、1/4波長板31または先のコレステリック液晶層の表面に直接、重合性液晶化合物等を含む液晶組成物を塗布し、配向および固定の工程を繰り返して形成してもよい。また、コレステリック液晶層の積層膜においては、先に形成されたコレステリック液晶層の表面に直接接するように次のコレステリック液晶層を形成することにより、先に形成したコレステリック液晶層の空気界面側の液晶分子の配向方位と、その上に形成するコレステリック液晶層の下側の液晶分子の配向方位が一致し、コレステリック液晶層の積層体の偏光特性が良好となる。
高位相差板34とは、5000nm以上の正面位相差を有するものを意味する。上記高位相差板34の正面位相差は、6000nm以上であることが好ましく、8000nm以上とすることがより好ましい。高位相差板34の正面位相差は、大きいほど好ましいが、製造効率および薄膜化を考慮して、100000nm以下、50000nm以下、40000nm以下、または30000nm以下であってもよい。
上記のような高い正面位相差を有する高位相差板34や1/4波長板は、太陽光が車両の窓ガラス(特にリアガラス)を透過することにより生じる偏光を疑似的に無偏光とすることができる。偏光を疑似的に無偏光とすることができる正面位相差については、特開2005−321544号公報の段落[0022]〜[0033]に記載がある。具体的な正面位相差の数値は、本実施形態の車両用画像表示機能付きミラー30を用いる車両に応じて決定することができる。特に、車両のリアガラスを透過した太陽光に生じる正面位相差の大きさに応じて決定すればよい。
車両の窓ガラス、特にリアガラスに用いられる強化ガラス(たとえば合わせガラスの構成ではない強化ガラス)は、複屈折分布を有することが知られている。強化ガラスは、一般に、フロート板ガラスを軟化点付近の700℃まで加熱した後、ガラス表面に空気を吹き付けて急冷して作製される。この処理によってガラス表面の温度が先に下がり収縮して固まる一方、ガラス内部は表面に比べて温度が下がるのが遅く、収縮するのも遅れるため、内部に応力分布が生じ、複屈折性のないフロート板ガラスを用いた場合であっても、強化ガラスに複屈折分布が発生する。
そのため、特に上述のように作製した強化ガラスが使用されている車両のリアガラスなどを通過して車両用画像表示機能付きミラー前面に入射する光は、反射像に上述のムラを発生させると考えられる。すなわち、複屈折分布により車両用画像表示機能付きミラー前面に入射する光に分布を伴った偏光成分が生じると、車両用画像表示機能付きミラー前面での反射光と円偏光反射層32での選択反射光との干渉によって反射光の強度の差が生じ、上述の反射像のムラの原因となっていると考えられる。本実施形態の車両用画像表示機能付きミラー30においては、所定の大きさの位相差を有する高位相差板34の利用によって、車両用画像表示機能付きミラー30前面に入射する光を、円偏光反射層32に入射する前に疑似的に無偏光とすることにより、ムラを軽減することが可能となったと推定される。
高位相差板34としては、プラスチックフィルムおよび水晶板などの複屈折性材料を用いることができる。プラスチックとしては、ポリエチレンテレフタラート(PET)などのポリエステルフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリアセタールフィルム、およびポリアリレートフィルムなどが挙げられる。PETを主成分として高い位相差を有する位相差層については、特開2013−257579号公報および特開2015−102636号公報などを参照することができる。高位相差板34として、光学コスモシャイン(登録商標)超複屈折タイプ(東洋紡社製)などの市販品を用いてもよい。
高い位相差を有するプラスチックフィルムは、一般的には、樹脂を溶融押出ししてドラム上などにキャストしてフィルム状に成形し、これを加熱しながら、一軸または二軸に2〜5倍の延伸倍率によって延伸することによって形成できる。また、結晶化を促進し、フィルムの強度を上げる目的で、延伸した後に延伸温度を超える温度で「熱固定」と呼ばれる熱処理を行ってもよい。
また、高位相差板34の代わりに、1/4波長板を設けるようにしてもよい。1/4波長板も、高位相差板34と同様に、太陽光が車両の窓ガラスを透過することにより生じる偏光を疑似的に解消とすることができる。
1/4波長板は、反射する光の位相を実質的に±λ/4ずらす機能を有する。具体的には、波長550nmでの正面位相差が138nm±10nmであればよく、好ましくは138nm±5nmである。
このように所定の大きさの位相差を有する1/4波長板を用いることによって、偏光状態の異なる入射光の位相を反射光の強度差が生じにくい領域にずらすことができ、これにより上述した反射像のムラを軽減することが可能となったと推定される。
なお、高位相差板34の代わりに用いられる1/4位相差板についても、上述した1/4波長板23および1/4波長板31と同じものを用いることができる。
なお、上述した高位相差板は、第1の実施形態の車両用画像表示機能付きミラー10に設けるようにしてもよい。具体的には、図7に示すように、高位相差板28は、第1の実施形態の車両用画像表示機能付きミラー10における円偏光反射部12の前面板22に対して、画像表示部20側とは反対側に設けるようにすればよい。1/4波長板23と高位相差板28の積層順については、画像表示部20側から高位相差板28および1/4波長板23の順としてもよいし、逆に、画像表示部20側から1/4波長板23および高位相差板28の順としても良いが、1/4波長板23による偏光変換精度が高く、高位相差板28による位相差のずれの影響を受けにくいことを考慮すると、図7に示すように、画像表示部20側から高位相差板28および1/4波長板23の順とすることが好ましい。なお、この場合にも、前面板22と高位相差板28とは、OCAシートなどの単層の粘着層によって接着することが好ましい。
また、第1の実施形態の車両用画像表示機能付きミラー10における1/4波長板23の代わりに、上述した高位相差板を設けるようにしてもよい。これにより、直線偏光反射層21を通過した偏光光は解消され、1/4波長板23と同様にユーザが偏光サングラスなどを使用している場合にも方向依存性なく鮮明な画像およびミラー反射像を視認できる効果を得ることができる。
次に、第2の実施形態の車両用画像表示機能付きミラー30の製造方法について、図8を参照しながら説明する。図8においては、矢印の方向に工程が進むものとする。
まず、高位相差板34が用意され、この高位相差板34の一方の面に対して、第2の粘着層36が形成される。具体的には、たとえば一方の面の剥離シートが剥がされたOCAシートの粘着剤層が高位相差板34の一方の面に対して貼り付けられ、その後、OCAシートの他方の面の剥離シートが剥離され、これにより第2の粘着層36が形成される。
次に、第2の粘着層36の粘着面上に前面板33が貼り付けられる。次いで、前面板33上に第1の粘着層35が形成される。具体的には、たとえば一方の面の剥離シートが剥がされたOCAシートの粘着剤層が前面板33に対して貼り付けられ、その後、OCAシートの他方の面の剥離シートが剥離され、これにより第1の粘着層35が形成される。
そして、第1の粘着層35の粘着面上に円偏光反射層32および1/4波長板31の積層体が貼り付けられることによって円偏光反射部13が形成される。
円偏光反射部13は、ロール状に巻かれた部材同士を貼り合わせることによって形成することができ、これにより大面積のシート状の円偏光反射部13を形成することができる。このように形成されたシート状の円偏光反射部13は、車両用のルームミラーなどといった最終的な製品の形状に合わせて裁断される。
そして、適切な形状に裁断された円偏光反射部13が、画像表示部20の画像表示面20aに接着されることによって第1の実施形態の車両用画像表示機能付きミラー10が形成される。
なお、上記第2の実施形態の車両用画像表示機能付きミラー30における円偏光反射部13の露出している表面に対してハードコート処理を施すようにしてもよい。すなわち、円偏光反射部13の高位相差板34の前面板33側とは反対側の面にハードコート処理を施すことによって保護機能を持たせるようにしてもよい。
ハードコート処理によってハードコート層を形成する方法としては、特に制限はなく、公知の方法を用いることができる。
ハードコート層を形成する方法としては、たとえば塗布またはスパッタなどの気相製膜などを挙げることができ、その中でも塗布が好ましく、一定の硬さを得るために多官能のモノマー或いはオリゴマーを含んだ塗布液を塗布し、乾燥後硬膜させることが望ましい。
塗布液は、溶媒に材料を溶解及び/又は分散して調製されることが好ましい。塗布液の塗布については、ワイヤーバーコーティング法、押し出しコーティング法、ダイレクトグラビアコーティング法、リバースグラビアコーティング法、およびダイコーティング法等の種々の方法を採用することができる。また、インクジェット装置を用いて、液晶組成物をノズルから吐出して、塗膜を形成してもよい。
ハードコート層の形成に利用される材料については、特に制限はない。たとえばポリマーフィルム(例えば、PETフィルム)など、ハードコート層の材料として従来用いられている種々の材料を利用することができる。
ハードコート処理によって形成されるハードコート層の鉛筆硬度は2H以上であることが好ましい。ハードコート層の鉛筆硬度を2H以上に制御する方法としては特に制限はなく、公知の方法を用いることができる。例えば、ハードコート層用組成物は、主成分として少なくとも1種類の二官能以上の重合性モノマーを用いることが好ましい。光照射または熱により重合した後に得られるハードコート層の鉛筆硬度を2H以上に制御しやすいからである。
二官能以上の重合性モノマーとしては、二官能以上の(メタ)アクリレートが好ましい。ここで、二官能以上のモノマーとは、重合性基がモノマー1分子中に2以上含まれるモノマーのことを意味する。
二官能以上の(メタ)アクリレートは、光重合性であることが好ましい。また、求める鉛筆硬度に応じて、二官能以上の(メタ)アクリレートを1種のみ用いても、2種以上を混合して用いてもよい。このような二官能以上の(メタ)アクリレートとしては、公知のものを用いることができ、その中でも、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA)、ペンタエリスリトールテトラアクリレート(PETA)を用いることが硬度を確保する観点から好ましい。
さらに、ハードコート層用組成物は、二官能以上の(メタ)アクリレートの他に、塗布時の粘度や製膜後の鉛筆硬度を調整する目的で、さらに単官能(メタ)アクリレートを含んでいてもよい。
なお、鉛筆硬度は、JIS K5400(鉛筆引っかき試験方法)に準拠した方法によって測定される。
また、図9に示すように、上記第2の実施形態の車両用画像表示機能付きミラー30における円偏光反射部13に対してガラスまたはプラスチックからなる保護板38を設けるようにしてもよい。すなわち、円偏光反射部13の高位相差板34の前面板33側とは反対側の面に対して保護板38を設けるようにしてもよい。保護板38としてプラスチック板を用いる場合には、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル、ポリカーボネート、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン、ポリアミド、ポリオレフィン、セルロース誘導体、またはシリコーンなどを用いることができる。保護板38の膜厚としては、100μm〜10mm程度であればよく、好ましくは200μm〜2mmであり、より好ましくは500μm〜2mmである。保護板38と高位相差板34とは、単層の粘着層37によって接着されることが好ましく、たとえばOCAシートによって接着してもよく、PVB(ポリビニルブチラール)によって接着してもよい。
以下、本発明の実施例について、表1から表3を参照しながら説明する。
なお、表1、表3〜4の説明において、オレンジピールの状態とは、車両用画像表示機能付きミラーを形成した後、前面側(画像表示部側とは反対側、図2に示す矢印S方向)から見た場合におけるオレンジピールの状態を評価した結果であり、Aが最もオレンジピールが目立たない状態であり、次いで、B、CおよびDの順番でオレンジピールの大きさが徐々に大きくなり、Dが最もオレンジピールが目立つ状態であるものとする。ここでは、A〜Cの状態が許容範囲であるとした。オレンジピールの状態の評価は、官能検査によって行った。
また、表1、表3〜4の説明において、取扱い易さとは、第1の粘着層および第2の粘着層としてOCAシートを用いた場合における取扱い易さを評価した結果であり、OCAシートから剥離シートを剥離した場合に、剥離シートに残存している粘着剤の量を取扱い易さとして評価した結果である。Aが最も残存量が少なく、次いでBおよびCの順に残存量が多くなるものとする。ここでは、A〜Cを許容範囲内であるとした。粘着剤の残存量の評価は、官能検査によって行った。
なお、第1の粘着層および第2の粘着層の厚さは、株式会社キーエンス製多層膜厚測定器SI−Tシリーズによって測定される。
(実施例1)
実施例1は、第1の実施形態の車両用画像表示機能付きミラー10の一実施例であり、図3に示すような積層構成とした。すなわち、前面板22に対して画像表示部20側に直線偏光反射層21を形成し、画像表示部20側とは反対側に1/4波長板23を形成する構成とした。直線偏光反射層21としては、特表平9−506837号公報に記載された方法に基づいて、偏光制御波長領域が580nm〜720nmになるように各層の厚みを調整して作製したものを用いた。1/4波長板としては、帝人社製のピュアエースを用い、前面板として厚さ1.8mmのガラス板を用いた。第1の粘着層24としては、厚さ15μmのOCAシート(81シリーズ(スリーエムジャパン株式会社製))を用い、第2の粘着層25としては、厚さ50μmのOCAシート(81シリーズ(スリーエムジャパン株式会社製))を用いた。また、画像表示部20としては、10インチのIPS型ディスプレイ装置(発光ピーク波長が、450nm(B(Blue))、540nm(G(Green))および630nm(R(Red)))を用いた。
実施例1によって作製された車両用画像表示機能付きミラーのオレンジピールの状態はAであり、取扱い易さもAであった。
(実施例2)
実施例2は、第1の粘着層24および第2の粘着層25として10μmの厚さのOCAシートを用いたこと以外は、実施例1と同様にして車両用画像表示機能付きミラーを作製した。
実施例2によって作製された車両用画像表示機能付きミラーのオレンジピールの状態はAであり、取扱い易さはBであった。
(実施例3)
実施例3は、第1の粘着層24および第2の粘着層25として5μmの厚さのOCAシートを用いたこと以外は、実施例1と同様にして車両用画像表示機能付きミラーを作製した。
実施例3によって作製された車両用画像表示機能付きミラーのオレンジピールの状態はAであったが、取扱い易さはCであった。
(実施例4)
実施例4は、第1の粘着層24および第2の粘着層25として25μmの厚さのOCAシートを用いたこと以外は、実施例1と同様にして車両用画像表示機能付きミラーを作製した。
実施例4によって作製された車両用画像表示機能付きミラーのオレンジピールの状態はBであり、取扱い易さはAであった。
(実施例5)
実施例5は、第1の粘着層24および第2の粘着層25として50μmの厚さのOCAシートを用いたこと以外は、実施例1と同様にして車両用画像表示機能付きミラーを作製した。
実施例5によって作製された車両用画像表示機能付きミラーのオレンジピールの状態はCであり、取扱い易さはAであった。
(実施例6)
実施例6は、第1の粘着層24および第2の粘着層25として100μmの厚さのOCAシートを用いたこと以外は、実施例1と同様にして車両用画像表示機能付きミラーを作製した。
実施例6によって作製された車両用画像表示機能付きミラーのオレンジピールの状態はCであり、取扱い易さはAであった。
(実施例7)
実施例7は、図5に示すように、1/4波長板23に対してOCAシートを用いて保護板27を貼り付けた用いたこと以外は、実施例1と同様にして車両用画像表示機能付きミラーを作製した。保護板27としては厚さ0.75mmのガラス板を用いた。
実施例7によって作製された車両用画像表示機能付きミラーのオレンジピールの状態はAであり、取扱い易さはAであった。
(実施例8)
実施例8は、第2の実施形態の車両用画像表示機能付きミラー30の一実施例であり、図6に示すような積層構成とした。すなわち、前面板33に対して画像表示部20側に1/4波長板31および円偏光反射層32の積層体を形成し、画像表示部20側とは反対側に高位相差板34を形成する構成とした。
以下、実施例8で用いた1/4波長板および円偏光反射層の積層体の形成方法について説明する。
<液晶性混合物(X)の調製>
下記化合物1、化合物2、フッ素系水平配向剤1,2、重合開始剤、および溶媒メチルエチルケトンを混合し、下記組成の塗布液を調製した。
・化合物1 80質量部
・化合物2 20質量部
・フッ素系水平配向剤1 0.1質量部
・フッ素系水平配向剤2 0.007質量部
・重合開始剤IRGACURE819(BASF社製) 3質量部
・溶媒(メチルエチルケトン) 溶質濃度が30質量%となる量
<コレステリック液晶性混合物(R)の調製>
上記化合物1、フッ素系水平配向剤1,2、キラル剤、重合開始剤、および溶媒メチルエチルケトンを混合し、下記組成の塗布液を調製した。
・化合物1 80質量部
・化合物2 20質量部
・フッ素系水平配向剤1 0.1質量部
・フッ素系水平配向剤2 0.007質量部
・右旋回性キラル剤LC756(BASF社製)
目標の反射波長に合わせて調整
・重合開始剤IRGACURE819(BASF社製) 3質量部
・溶媒(メチルエチルケトン) 溶質濃度が30質量%となる量
混合物(R)のキラル剤LC−756の処方量を調整して塗布液(R1)、(R4)および(R7)を調製した。それぞれの塗布液を用いて、以下の円偏光反射層作製時と同様に仮支持体上に単一層のコレステリック液晶層を作製し、反射特性を確認したところ、作製されたコレステリック液晶層はすべて右円偏光反射層であり、中心反射波長は下記表2のとおりであった。
<1/4波長板および円偏光反射層の積層体の形成>
上述したようにして調製した塗布液を用い、下記の手順にて1/4波長板および円偏光反射層の積層体を作製した。仮支持体として、富士フイルム株式会社製PETフィルム(下塗り層無し、厚み:75μm)をラビング処理して使用した。
(1)液晶性混合物(X)を、ワイヤーバーを用いて、乾燥後の膜の厚みが2.0μmになるように、仮支持体のラビング処理面表面に、室温にて塗布した。室温にて30秒間乾燥させて溶剤を除去した後、125℃の雰囲気で2分間加熱し、その後85℃でネマチック液晶相とした。次いで、フージョンUVシステムズ(株)製無電極ランプ「Dバルブ」(90mW/cm2)にて、出力60%で6〜12秒間UV照射し、ネマチック液晶相を固定して1/4波長板を得た。
(2)表2に示す1層目の塗布液(R1)を、ワイヤーバーを用いて、乾燥後の膜の厚みが4.0μmになるように、1/4波長板表面に、室温にて塗布した。
(3)室温にて30秒間乾燥させて溶剤を除去した後、125℃の雰囲気で2分間加熱し、その後95℃でコレステリック液晶相とした。次いで、フージョンUVシステムズ(株)製無電極ランプ「Dバルブ」(90mW/cm2)にて、出力60%で6〜12秒間UV照射し、コレステリック液晶相を固定して、コレステリック液晶層を作製し、室温まで冷却した。
(4)得られたコレステリック液晶層表面に表2に示す2層目の塗布液(4)を塗布して上記工程(2)及び(3)を繰り返した。さらに、得られた2層目のコレステリック液晶表面に表2に示す3層目の塗布液(R7)を塗布して上記工程(2)及び(3)を繰り返して、1/4波長板上に3層のコレステリック液晶層を有する円偏光反射層を形成した。
高位相差板34としては、光学コスモシャイン(登録商標)超複屈折タイプ(東洋紡社製)を用い、前面板33としては厚さ1.8mmのガラス板を用いた。第1の粘着層35としては、厚さ15μmのOCAシート(81シリーズ(スリーエムジャパン株式会社製))を用い、第2の粘着層36としては、厚さ50μmのOCAシート(81シリーズ(スリーエムジャパン株式会社製))を用いた。また、画像表示部20としては、10インチのIPS型ディスプレイ装置(発光ピーク波長が、450nm(B(Blue))、540nm(G(Green))および630nm(R(Red)))を用いた。
実施例8によって作製された車両用画像表示機能付きミラーのオレンジピールの状態はAであり、取扱い易さもAであった。
(実施例9)
実施例9は、第1の粘着層35および第2の粘着層36として10μmの厚さのOCAシートを用いたこと以外は、実施例8と同様にして車両用画像表示機能付きミラーを作製した。
実施例9によって作製された車両用画像表示機能付きミラーのオレンジピールの状態はAであり、取扱い易さはBであった。
(実施例10)
実施例10は、第1の粘着層35および第2の粘着層36として5μmの厚さのOCAシートを用いたこと以外は、実施例8と同様にして車両用画像表示機能付きミラーを作製した。
実施例10によって作製された車両用画像表示機能付きミラーのオレンジピールの状態はAであったが、取扱い易さはCであった。
(実施例11)
実施例11は、第1の粘着層35および第2の粘着層36として25μmの厚さのOCAシートを用いたこと以外は、実施例8と同様にして車両用画像表示機能付きミラーを作製した。
実施例11によって作製された車両用画像表示機能付きミラーのオレンジピールの状態はBであり、取扱い易さはAであった。
(実施例12)
実施例12は、第1の粘着層35および第2の粘着層36として50μmの厚さのOCAシートを用いたこと以外は、実施例1と同様にして車両用画像表示機能付きミラーを作製した。
実施例12によって作製された車両用画像表示機能付きミラーのオレンジピールの状態はCであり、取扱い易さはAであった。
(実施例13)
実施例13は、第1の粘着層35および第2の粘着層36として100μmの厚さのOCAシートを用いたこと以外は、実施例8と同様にして車両用画像表示機能付きミラーを作製した。
実施例13によって作製された車両用画像表示機能付きミラーのオレンジピールの状態はCであり、取扱い易さはAであった。
(実施例14)
実施例14は、図9に示すように、高位相差板34に対してOCAシートを用いて保護板38を貼り付けた用いたこと以外は、実施例8と同様にして車両用画像表示機能付きミラーを作製した。保護板38としては厚さ0.75mmのガラス板を用いた。
実施例14によって作製された車両用画像表示機能付きミラーのオレンジピールの状態はAであり、取扱い易さはAであった。
(比較例1)
比較例1においては、図10に示すような積層構成として車両用画像表示機能付きミラー100を作製した。すなわち、前面板105に対して画像表示部101側に向かって1/4波長板104および直線偏光反射層103をこの順に形成して、車両用画像表示機能付きミラー100を作製した。直線偏光反射層103、1/4波長板104、前面板105および画像表示部101については、実施例1と同様のものを用い、直線偏光反射層103と1/4波長板104および1/4波長板104と前面板105とは、それぞれOCAシート(81シリーズ(スリーエムジャパン株式会社))106,107を用いて接着した。OCAシート106,107の厚さはどちらも25μmであった。
比較例1によって作製された車両用画像表示機能付きミラーのオレンジピールの状態はDであり、取扱い易さはAであった。
(比較例2)
比較例2においては、前面板に対して画像表示部側に向かって高位相差板、円偏光反射層および1/4波長板をこの順に形成して、車両用画像表示機能付きミラーを作製した。円偏光反射層および1/4波長板の積層体、高位相差板、前面板、並びに画像表示部については、実施例8と同様のものを用い、円偏光反射層および1/4波長板の積層体と高位相差板、および高位相差板と前面板とは、それぞれOCAシート(81シリーズ(スリーエムジャパン株式会社製))を用いて接着した。OCAシートの厚さはどちらも25μmであった。
比較例2によって作製された車両用画像表示機能付きミラーのオレンジピールの状態はDであり、取扱い易さはAであった。
1,2 ルームミラー
10,30 車両用画像表示機能付きミラー
11 枠体
12,13 円偏光反射部
20 画像表示部
20a 画像表示面
21 直線偏光反射層
21a 面
22 前面板
23 1/4波長板
24 第1の粘着層
25 第2の粘着層
26 粘着層
27 保護板
28 高位相差板
31 1/4波長板
32 円偏光反射層
32a 面
33 前面板
34 高位相差板
35 第1の粘着層
36 第2の粘着層
37 粘着層
38 保護板
100 画像表示機能付きミラー
101 画像表示部
103 直線偏光反射層
104 1/4波長板
105 前面板
106,107 OCAシート
A ユーザ

Claims (20)

  1. 車両の周辺の撮影画像を表示可能な画像表示部を備えた車両用画像表示機能付きミラーであって、
    前記画像表示部側から順に、該画像表示部に表示された撮像画像光が入射される2色性偏光反射層とガラスまたはプラスチックからなる前面板と光学補償層とが配置され、
    前記2色性偏光反射層と前記前面板とが単層の第1の粘着層によって接着され、かつ前記前面板と前記光学補償層とが単層の第2の粘着層によって接着されていることを特徴とする車両用画像表示機能付きミラー。
  2. 前記第1の粘着層の厚さが、10μm以上25μm以下である請求項1記載の車両用画像表示機能付きミラー。
  3. 前記第1の粘着層が、光学用透明粘着シートである請求項1または2記載の車両用画像表示機能付きミラー。
  4. 前記第2の粘着層の厚さが、10μm以上25μm以下である請求項1から3いずれか1項記載の車両用画像表示機能付きミラー。
  5. 前記第2の粘着層が、光学用透明粘着シートである請求項1から4いずれか1項記載の車両用画像表示機能付きミラー。
  6. 前記2色性偏光反射層が、直線偏光反射層である請求項1から5いずれか1項記載の車両用画像表示機能付きミラー。
  7. 前記直線偏光反射層が、複屈折の異なる薄膜を交互に積層した多層構造である請求項6記載の車両用画像表示機能付きミラー。
  8. 前記光学補償層が、1/4波長板である請求項1から7いずれか1項記載の車両用画像表示機能付きミラー。
  9. 前記光学補償層が、高位相差板である請求項1から7いずれか1項記載の車両用画像表示機能付きミラー。
  10. 前記光学補償層が、1/4波長板と高位相差板からなる請求項1から7いずれか1項記載の車両用画像表示機能付きミラー。
  11. 前記2色性偏光反射層が、円偏光反射層である請求項1から5いずれか1項記載の車両用画像表示機能付きミラー。
  12. 前記光学補償層が、高位相差板である請求項11記載の車両用画像表示機能付きミラー。
  13. 前記光学補償層が、1/4波長板である請求項11記載の車両用画像表示機能付きミラー。
  14. 前記光学補償層の前記前面板側とは反対側の面に2H以上のハードコート処理が施されている請求項1から13いずれか1項記載の車両用画像表示機能付きミラー。
  15. 前記光学補償層の前記前面板側とは反対側に、ガラスまたはプラスチックからなる保護板が設けられている請求項1から13いずれか1項記載の車両用画像表示機能付きミラー。
  16. 請求項1から15いずれか1項記載の車両用画像表示機能付きミラーの製造方法であって、
    前記光学補償層上にシート状の前記第2の粘着層を形成し、
    該第2の粘着層上に前記前面板を貼り合せ、
    該前面板上にシート状の前記第1の粘着層を形成し、
    該第1の粘着層上に前記2色性偏光反射層を貼り合せることを特徴とする車両用画像表示機能付きミラーの製造方法。
  17. 前記第1の粘着層の厚さが、10μm以上25μm以下である請求項16いずれか1項記載の車両用画像表示機能付きミラーの製造方法。
  18. 前記第1の粘着層が、光学用透明粘着シートである請求項16または17記載の車両用画像表示機能付きミラーの製造方法。
  19. 前記第2の粘着層の厚さが、10μm以上25μm以下である請求項16から18いずれか1項記載の車両用画像表示機能付きミラーの製造方法。
  20. 前記第2の粘着層が、光学用透明粘着シートである請求項16から19いずれか1項記載の車両用画像表示機能付きミラーの製造方法。
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