JP2016004487A - 光学的パターン読み取り方法、光学的パターン読み取りシステム、光学的パターン読み取り装置、および光学的パターンを含む光学部材 - Google Patents
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Abstract
【課題】新規な光学的パターン読み取り方法および光学的パターン読み取りシステムを提供する。
【解決手段】光学部材と光源を含み直線偏光を照射可能な照射部と撮像素子とを含む。光学部材は、光吸収材料等で形成されたパターンを有する情報提示層と右円偏光を選択反射する右円偏光反射層および左円偏光を選択反射する左円偏光反射層からなる群より選択されるいずれか一方の円偏光反射層を含む反射層とを含み、円偏光反射層が、コレステリック液晶相を固定した層を含み、照射部の照射光に対し選択反射を示し、かつ選択反射を示す波長域の非偏光に対して、右円偏光または左円偏光のいずれか一方のセンスの円偏光を選択的に反射する反射波長を赤外線波長域に有する。1/4波長板を、光源と光学部材との間に含むシステム及びシステム等を用いた光学部材に円偏光を照射する。
【選択図】図1
【解決手段】光学部材と光源を含み直線偏光を照射可能な照射部と撮像素子とを含む。光学部材は、光吸収材料等で形成されたパターンを有する情報提示層と右円偏光を選択反射する右円偏光反射層および左円偏光を選択反射する左円偏光反射層からなる群より選択されるいずれか一方の円偏光反射層を含む反射層とを含み、円偏光反射層が、コレステリック液晶相を固定した層を含み、照射部の照射光に対し選択反射を示し、かつ選択反射を示す波長域の非偏光に対して、右円偏光または左円偏光のいずれか一方のセンスの円偏光を選択的に反射する反射波長を赤外線波長域に有する。1/4波長板を、光源と光学部材との間に含むシステム及びシステム等を用いた光学部材に円偏光を照射する。
【選択図】図1
Description
本発明は、光吸収材料または光反射材料で形成されたパターンの一部に光照射することによりパターンの一部を読み取る方法、および光吸収材料または光反射材料で形成されたパターンの一部に光照射することによりパターンの一部を読み取るためのシステムに関する。また、本発明は、上記方法またはシステムに用いることができるパターン読み取り装置および光学部材に関する。
文字、図形等の手書き情報をデジタル化して情報処理装置に入力する光学ペンと手書き入力シートとを使用したシステムにおいては、典型的例として、光学ペンが照射部と撮像部とを含み、手書き入力シートは、光学ペンから照射された光を手書き入力シートに書き込まれた情報を反映させた光として光学ペンに内蔵されている撮像素子に戻すための反射フィルムを含む構成が用いられる。一例として、特許文献1には、一面側からの赤外線を反射すると共に、可視光を透過する特性を有する赤外線反射層が、座標情報および/またはコード情報が繰り返し定義されたドットパターンのドットが配置されたドットパターン層とともに設けられた情報入力補助シートを用いた方法についての記載がある。
本発明は、新規な光学的パターン読み取り方法および光学的パターン読み取りシステムを提供することを課題とする。本発明は特に、光学的パターンの読み取りの際の感度の高い方法およびシステムを提供することを課題とする。
本発明者らは、従来から反射部材として用いることができることが知られているコレステリック液晶相を固定した層を上記反射フィルムとして用いて上記課題を解決することを試み、コレステリック液晶相を固定した層の特性に沿った読み取り方法と読み取りシステムについてさらに検討を重ね、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は下記の[1]〜[27]を提供するものである。
[1]光吸収材料または光反射材料で形成されたパターンの一部に光照射することにより上記パターンの一部を読み取る方法であって、
上記パターンが光学部材に含まれ、
上記光学部材は、上記パターンを有する情報提示層と反射層とを含み、
上記反射層は、
右円偏光を選択反射する右円偏光反射層および左円偏光を選択反射する左円偏光反射層からなる群より選択されるいずれか一方の円偏光反射層を含み、
上記円偏光反射層は、コレステリック液晶相を固定した層を含み、
上記円偏光反射層は、上記照射光に対し選択反射を示し、かつ上記選択反射を示す波長域の非偏光に対して、右円偏光または左円偏光のいずれか一方のセンスの円偏光を選択的に反射する反射波長を有し、
上記反射波長は赤外線波長域にあり、
上記パターンは、上記反射波長の光を吸収または反射する材料で形成されたパターンであり、
上記方法は、上記反射層が選択的に反射するセンスかつ波長の円偏光を、上記光学部材に、情報提示層側から照射すること、および
照射により得られる光学部材の反射光を検知して上記パターンの一部を撮像することを含む方法。
[1]光吸収材料または光反射材料で形成されたパターンの一部に光照射することにより上記パターンの一部を読み取る方法であって、
上記パターンが光学部材に含まれ、
上記光学部材は、上記パターンを有する情報提示層と反射層とを含み、
上記反射層は、
右円偏光を選択反射する右円偏光反射層および左円偏光を選択反射する左円偏光反射層からなる群より選択されるいずれか一方の円偏光反射層を含み、
上記円偏光反射層は、コレステリック液晶相を固定した層を含み、
上記円偏光反射層は、上記照射光に対し選択反射を示し、かつ上記選択反射を示す波長域の非偏光に対して、右円偏光または左円偏光のいずれか一方のセンスの円偏光を選択的に反射する反射波長を有し、
上記反射波長は赤外線波長域にあり、
上記パターンは、上記反射波長の光を吸収または反射する材料で形成されたパターンであり、
上記方法は、上記反射層が選択的に反射するセンスかつ波長の円偏光を、上記光学部材に、情報提示層側から照射すること、および
照射により得られる光学部材の反射光を検知して上記パターンの一部を撮像することを含む方法。
[2]反射光を直線偏光に変換して検知する[1]に記載の方法。
[3]上記の円偏光の照射を、光源、直線偏光子、λ/4位相差板、上記光学部材をこの順で配置して行う[1]または[2]に記載の方法。
[4]上記撮像のための撮像素子、上記直線偏光子、上記λ/4位相差板、上記光学部材をこの順で配置して、上記撮像を行う[3]に記載の方法。
[5]上記反射層の上記反射波長の非偏光に対する拡散反射率が25%以上である[1]〜[4]のいずれか一項に記載の方法。
[6]上記反射層の上記反射波長における非偏光に対する正反射率が20%超であり、かつ上記反射層の上記反射波長における非偏光に対する拡散反射率が25%未満である[1]〜[4]のいずれか一項に記載の方法。
[7]光吸収材料または光反射材料で形成されたパターンの一部に光照射することにより上記パターンの一部を読み取るシステムであって、
上記システムは、上記パターンを含む光学部材と照射部と撮像素子とを含み、
上記光学部材は、上記パターンを有する情報提示層と反射層とを含み、
上記反射層は、右円偏光を選択反射する右円偏光反射層および左円偏光を選択反射する左円偏光反射層からなる群より選択されるいずれか一方の円偏光反射層を含み、
上記円偏光反射層はコレステリック液晶相を固定した層を含み、
上記円偏光反射層は、上記照射される光に対し選択反射を示し、上記選択反射を示す波長域の非偏光に対して、右円偏光または左円偏光のいずれか一方のセンスの円偏光を選択的に反射する反射波長を有し、
上記反射波長は赤外線波長域にあり、
上記パターンは、上記反射波長の光を吸収または反射する材料で形成されたパターンであり、
上記撮像素子は、上記反射波長の赤外線を検知できるセンサーを含み、
上記照射部は上記反射波長の赤外線を出射できる光源を含み、
上記照射部は直線偏光を出射可能であり、
上記システムは、1/4波長板を、上記光源と上記光学部材との間に含むシステム。
[3]上記の円偏光の照射を、光源、直線偏光子、λ/4位相差板、上記光学部材をこの順で配置して行う[1]または[2]に記載の方法。
[4]上記撮像のための撮像素子、上記直線偏光子、上記λ/4位相差板、上記光学部材をこの順で配置して、上記撮像を行う[3]に記載の方法。
[5]上記反射層の上記反射波長の非偏光に対する拡散反射率が25%以上である[1]〜[4]のいずれか一項に記載の方法。
[6]上記反射層の上記反射波長における非偏光に対する正反射率が20%超であり、かつ上記反射層の上記反射波長における非偏光に対する拡散反射率が25%未満である[1]〜[4]のいずれか一項に記載の方法。
[7]光吸収材料または光反射材料で形成されたパターンの一部に光照射することにより上記パターンの一部を読み取るシステムであって、
上記システムは、上記パターンを含む光学部材と照射部と撮像素子とを含み、
上記光学部材は、上記パターンを有する情報提示層と反射層とを含み、
上記反射層は、右円偏光を選択反射する右円偏光反射層および左円偏光を選択反射する左円偏光反射層からなる群より選択されるいずれか一方の円偏光反射層を含み、
上記円偏光反射層はコレステリック液晶相を固定した層を含み、
上記円偏光反射層は、上記照射される光に対し選択反射を示し、上記選択反射を示す波長域の非偏光に対して、右円偏光または左円偏光のいずれか一方のセンスの円偏光を選択的に反射する反射波長を有し、
上記反射波長は赤外線波長域にあり、
上記パターンは、上記反射波長の光を吸収または反射する材料で形成されたパターンであり、
上記撮像素子は、上記反射波長の赤外線を検知できるセンサーを含み、
上記照射部は上記反射波長の赤外線を出射できる光源を含み、
上記照射部は直線偏光を出射可能であり、
上記システムは、1/4波長板を、上記光源と上記光学部材との間に含むシステム。
[8]上記照射部が、光源と直線偏光子とを含み、
上記光源、上記直線偏光子、および上記1/4波長板がこの順で配置されている[7]に記載のシステム。
[9]上記照射部が上記撮像素子と一体化し、
上記センサー、上記直線偏光子、および上記1/4波長板がこの順で配置されている[8]に記載のシステム。
[10]上記光学部材が上記1/4波長板を含み、
上記1/4波長板、上記情報提示層、および上記反射層がこの順で配置されている、[7]または[8]に記載のシステム。
[11]上記円偏光反射層が、液晶化合物、キラル剤、および水平配向剤を含む液晶組成物から形成された層である[7]〜[10]のいずれか一項に記載のシステム。
[12]上記反射層が、
上記円偏光反射層が選択反射を示す波長域において
非偏光に対する拡散反射率が25%以上となる反射波長を有する[7]〜[11]のいずれか一項に記載のシステム。
[13]非偏光可視光の直透過率が50%以上であって、ヘイズ値が5%以下である[12]に記載のシステム。
上記光源、上記直線偏光子、および上記1/4波長板がこの順で配置されている[7]に記載のシステム。
[9]上記照射部が上記撮像素子と一体化し、
上記センサー、上記直線偏光子、および上記1/4波長板がこの順で配置されている[8]に記載のシステム。
[10]上記光学部材が上記1/4波長板を含み、
上記1/4波長板、上記情報提示層、および上記反射層がこの順で配置されている、[7]または[8]に記載のシステム。
[11]上記円偏光反射層が、液晶化合物、キラル剤、および水平配向剤を含む液晶組成物から形成された層である[7]〜[10]のいずれか一項に記載のシステム。
[12]上記反射層が、
上記円偏光反射層が選択反射を示す波長域において
非偏光に対する拡散反射率が25%以上となる反射波長を有する[7]〜[11]のいずれか一項に記載のシステム。
[13]非偏光可視光の直透過率が50%以上であって、ヘイズ値が5%以下である[12]に記載のシステム。
[14]上記反射層の上記反射波長において非偏光に対する正反射率が15%以下である[13]に記載のシステム。
[15]上記円偏光反射層が、液晶化合物、キラル剤、および水平配向剤を含む液晶組成物から形成された層であり、
上記円偏光反射層の最表面の液晶分子の面内配向方位がランダムである[12]〜[14]のいずれか一項に記載のシステム。
[16]上記円偏光反射層の少なくとも一方の最表面でコステリック液晶相の螺旋軸の傾きを有し、
上記の螺旋軸の傾きはそれぞれ面内で変化しており、
上記螺旋軸の傾きの最大値が20°以下である[12]〜[15]のいずれか一項に記載の反射フィルム。
[17]上記反射層が透明層を含み、
上記透明層と上記円偏光反射層とが直接接している[12]〜[16]のいずれか一項に記載のシステム。
[18]上記円偏光反射層が上記透明層の表面に直接塗布された液晶組成物から形成されている[17]に記載のシステム。
[19]上記透明層が(メタ)アクリレートモノマーを含む非液晶性組成物を塗布硬化して得られた層である[17]または[18]に記載の光学部材。
[15]上記円偏光反射層が、液晶化合物、キラル剤、および水平配向剤を含む液晶組成物から形成された層であり、
上記円偏光反射層の最表面の液晶分子の面内配向方位がランダムである[12]〜[14]のいずれか一項に記載のシステム。
[16]上記円偏光反射層の少なくとも一方の最表面でコステリック液晶相の螺旋軸の傾きを有し、
上記の螺旋軸の傾きはそれぞれ面内で変化しており、
上記螺旋軸の傾きの最大値が20°以下である[12]〜[15]のいずれか一項に記載の反射フィルム。
[17]上記反射層が透明層を含み、
上記透明層と上記円偏光反射層とが直接接している[12]〜[16]のいずれか一項に記載のシステム。
[18]上記円偏光反射層が上記透明層の表面に直接塗布された液晶組成物から形成されている[17]に記載のシステム。
[19]上記透明層が(メタ)アクリレートモノマーを含む非液晶性組成物を塗布硬化して得られた層である[17]または[18]に記載の光学部材。
[20]上記反射層が基材を含み、
上記反射層が、上記基材、上記透明層、上記円偏光反射層を、この順に含む[17]〜[19]のいずれか一項に記載のシステム。
[21]上記反射波長の非偏光に対する上記反射層の正反射率が20%超であり、かつ
上記反射波長の非偏光に対する拡散反射率が25%未満である[7]〜[11]のいずれか一項に記載のシステム。
[22]前非偏光可視光の直透過率が50%以上であって、ヘイズ値が2%以下である[21]に記載のシステム。
[23]光吸収材料または光反射材料で形成されたパターンの一部に光照射することにより上記パターンの一部を読み取るための読み取り装置であって、
光源と1/4波長板と撮像素子とを含み、
上記光源および上記1/4波長板がこの順で配置されている読み取り装置。
[24]光吸収材料または光反射材料で形成されたパターンの一部に光照射することにより上記パターンの一部を読み取るための読み取り装置であって、
光源と直線偏光子と1/4波長板と撮像素子とを含み、
上記光源、上記直線偏光子、および上記1/4波長板がこの順で配置されている読み取り装置。
[25]上記撮像素子、上記直線偏光子、および上記1/4波長板がこの順で配置されている[24]に記載の読み取り装置。
上記反射層が、上記基材、上記透明層、上記円偏光反射層を、この順に含む[17]〜[19]のいずれか一項に記載のシステム。
[21]上記反射波長の非偏光に対する上記反射層の正反射率が20%超であり、かつ
上記反射波長の非偏光に対する拡散反射率が25%未満である[7]〜[11]のいずれか一項に記載のシステム。
[22]前非偏光可視光の直透過率が50%以上であって、ヘイズ値が2%以下である[21]に記載のシステム。
[23]光吸収材料または光反射材料で形成されたパターンの一部に光照射することにより上記パターンの一部を読み取るための読み取り装置であって、
光源と1/4波長板と撮像素子とを含み、
上記光源および上記1/4波長板がこの順で配置されている読み取り装置。
[24]光吸収材料または光反射材料で形成されたパターンの一部に光照射することにより上記パターンの一部を読み取るための読み取り装置であって、
光源と直線偏光子と1/4波長板と撮像素子とを含み、
上記光源、上記直線偏光子、および上記1/4波長板がこの順で配置されている読み取り装置。
[25]上記撮像素子、上記直線偏光子、および上記1/4波長板がこの順で配置されている[24]に記載の読み取り装置。
[26]反射層と情報提示層を含む光学部材であって、
上記反射層は、
右円偏光を選択反射する右円偏光反射層および左円偏光を選択反射する左円偏光反射層からなる群より選択される1つ以上の円偏光反射層を含み、
円偏光反射層はコレステリック液晶相を固定した層を含み、
上記円偏光反射層が選択反射を示す波長域において
非偏光に対する拡散反射率が25%以上となる反射波長を有し、
上記反射波長が赤外線波長域にあり、
上記情報提示層は、上記反射波長の光を吸収または反射する材料のパターンを有し、
上記光学部材は上記反射波長に対する1/4波長板を含み、
上記反射層と上記情報提示層と上記1/4波長板とをこの順で含む光学部材。
[27]反射層と情報提示層を含む光学部材であって、
上記反射層は、
右円偏光を選択反射する右円偏光反射層および左円偏光を選択反射する左円偏光反射層からなる群から選択される1つ以上の円偏光反射層を含み、
円偏光反射層はコレステリック液晶相を固定した層を含み、
上記円偏光反射層が選択反射を示す波長域において
非偏光に対する正反射率が20%超となる反射波長を有し、
上記反射波長の非偏光に対する拡散反射率が50%未満であり、
上記反射波長が赤外線波長域にあり、
上記情報提示層は、上記反射波長の光を吸収または反射する材料のパターンを有し、
上記光学部材は上記反射波長に対する1/4波長板を含み、
上記反射層と上記情報提示層と上記1/4波長板とをこの順で含む光学部材。
上記反射層は、
右円偏光を選択反射する右円偏光反射層および左円偏光を選択反射する左円偏光反射層からなる群より選択される1つ以上の円偏光反射層を含み、
円偏光反射層はコレステリック液晶相を固定した層を含み、
上記円偏光反射層が選択反射を示す波長域において
非偏光に対する拡散反射率が25%以上となる反射波長を有し、
上記反射波長が赤外線波長域にあり、
上記情報提示層は、上記反射波長の光を吸収または反射する材料のパターンを有し、
上記光学部材は上記反射波長に対する1/4波長板を含み、
上記反射層と上記情報提示層と上記1/4波長板とをこの順で含む光学部材。
[27]反射層と情報提示層を含む光学部材であって、
上記反射層は、
右円偏光を選択反射する右円偏光反射層および左円偏光を選択反射する左円偏光反射層からなる群から選択される1つ以上の円偏光反射層を含み、
円偏光反射層はコレステリック液晶相を固定した層を含み、
上記円偏光反射層が選択反射を示す波長域において
非偏光に対する正反射率が20%超となる反射波長を有し、
上記反射波長の非偏光に対する拡散反射率が50%未満であり、
上記反射波長が赤外線波長域にあり、
上記情報提示層は、上記反射波長の光を吸収または反射する材料のパターンを有し、
上記光学部材は上記反射波長に対する1/4波長板を含み、
上記反射層と上記情報提示層と上記1/4波長板とをこの順で含む光学部材。
本発明により、新規な光学的パターン読み取り方法および光学的パターン読み取りシステムが提供される。本発明はまた、上記方法またはシステムに用いることができるパターン読み取り装置および光学部材をする。本発明の光学的パターン読み取り方法および光学的パターン読み取りシステムによって、感度の高いパターン読み取りが可能である。本発明の光学的パターン読み取り方法および光学的パターン読み取りシステムは、手書き情報をデジタル化して情報処理装置に入力する光学ペンを使用したシステムなどに適用できる。
以下、本発明を詳細に説明する。
なお、本明細書において「〜」とはその前後に記載される数値を下限値および上限値として含む意味で使用される。 本明細書において、例えば、「45°」、「平行」、「垂直」あるいは「直交」等の角度は、特に記載がなければ、厳密な角度との差異が5度未満の範囲内であることを意味する。厳密な角度との差異は、4度未満であることが好ましく、3度未満であることがより好ましい。
本明細書において、「(メタ)アクリレート」は、「アクリレートおよびメタクリレートのいずれか一方または双方」の意味で使用される。
なお、本明細書において「〜」とはその前後に記載される数値を下限値および上限値として含む意味で使用される。 本明細書において、例えば、「45°」、「平行」、「垂直」あるいは「直交」等の角度は、特に記載がなければ、厳密な角度との差異が5度未満の範囲内であることを意味する。厳密な角度との差異は、4度未満であることが好ましく、3度未満であることがより好ましい。
本明細書において、「(メタ)アクリレート」は、「アクリレートおよびメタクリレートのいずれか一方または双方」の意味で使用される。
本明細書において、円偏光につき「選択的」というときは、照射される光の右円偏光成分または左円偏光成分のいずれかの光量が、他方の円偏光成分よりも多いことを意味する。具体的には「選択的」というとき、光の円偏光度は、0.3以上であることが好ましく、0.6以上がより好ましく、0.8以上がさらに好ましい。実質的に1.0であることがさらに好ましい。 ここで、円偏光度とは、光の右円偏光成分の強度をIR、左円偏光成分の強度をILとしたとき、|IR−IL|/(IR+IL)で表される値である。光の円偏光成分の比を表すため、本明細書においては、円偏光度を用いることがある。
本明細書において、円偏光につき「センス」というときは、右円偏光であるか、または左円偏光であるかを意味する。円偏光のセンスは、光が手前に向かって進んでくるように眺めた場合に電場ベクトルの先端が時間の増加に従って時計回りに回る場合が右円偏光であり、反時計回りに回る場合が左円偏光であるとして定義される。
本明細書においては、コレステリック液晶の螺旋の捩れ方向について「センス」との用語を用いることもある。コレステリック液晶による選択反射は、コレステリック液晶の螺旋の捩れ方向(センス)が右の場合は右円偏光を反射し、左円偏光を透過し、センスが左の場合は左円偏光を反射し、右円偏光を透過する。
可視光線は電磁波のうち、ヒトの目で見える波長の光であり、380nm〜780nmの波長域の光を示す。赤外線(赤外光)は可視光線より長く電波より短い波長域電磁波である。赤外線のうち、近赤外光とは700nm〜2500nmの波長域の電磁波である。
本明細書において、「拡散反射率」または「正反射率」は分光光度計と積分球ユニットを用いて測定した値に基づいて計算される値である。正反射率は積分球ユニットを用いて測定した値に基づく場合、測定の都合上、例えば入射角5°での測定値であればよい。拡散反射率は全反射率(積分球の全角度測定値)から正反射率を差し引いて算出することができる値である。直透過率は、積分球ユニットを用いて測定した値に基づく場合、0°での透過率である。
本明細書において、「ヘイズ値」は、日本電色工業株式会社製のヘーズメーターNDH−2000を用いて測定される値を意味する。
理論上は、ヘイズ値は、以下式で表される値を意味する。
(380〜780nmの非偏光の散乱透過率)/(380〜780nmの非偏光の散乱透過率+自然光の直透過率)×100%
散乱透過率は分光光度計と積分球ユニットを用いて、得られる全方位透過率から直透過率を差し引いて算出することができる値である。
本明細書において、単に「反射光」または「透過光」というときは、散乱光および回折光を含む意味で用いられる。
理論上は、ヘイズ値は、以下式で表される値を意味する。
(380〜780nmの非偏光の散乱透過率)/(380〜780nmの非偏光の散乱透過率+自然光の直透過率)×100%
散乱透過率は分光光度計と積分球ユニットを用いて、得られる全方位透過率から直透過率を差し引いて算出することができる値である。
本明細書において、単に「反射光」または「透過光」というときは、散乱光および回折光を含む意味で用いられる。
なお、光の各波長の偏光状態は、円偏光板を装着した分光放射輝度計またはスペクトルメータを用いて測定することができる。この場合、右円偏光板を通して測定した光の強度がIR、左円偏光板を通して測定した光の強度がILに相当する。また、白熱電球、水銀灯、蛍光灯、LED等の通常光源は、ほぼ自然光を発しているが、これらに装着されたフィルムの偏光を作り出す特性は、例えば、AXOMETRICS社製の偏光位相差解析装置AxoScanなどを用いて測定することができる。
また、照度計や光スペクトルメータに、反射フィルムを取り付けても測定することができる。右円偏光透過板をつけ、右円偏光量を測定、左円偏光透過板をつけ、左円偏光量を測定することにより、比率を測定できる。
また、照度計や光スペクトルメータに、反射フィルムを取り付けても測定することができる。右円偏光透過板をつけ、右円偏光量を測定、左円偏光透過板をつけ、左円偏光量を測定することにより、比率を測定できる。
(パターン読み取り)
パターンは光学的材料で形成されたものであり、特に赤外線を吸収または反射する材料で形成されたパターンであればよい。パターンは、シート状または膜状に形成されたもの、またはシートまたは膜の表面の少なくとも一部に形成されたものであればよい。パターンは、例えば、その一部の領域を選択したときに、または選択された一部領域から隣接する領域に移動するときに、パターン内における上記選択された一部領域の位置もしくは座標情報を与えうる模様であればよい。選択される一部は、例えば使用される読み取り装置で1回の光照射で読み取れる単位であればよい。パターンの例としては、特開2014‐98943号公報の段落0123〜0152で説明されるドットパターンなどが挙げられる
本発明の方法およびシステムにおいては、パターンを含む光学部材を用いる。
パターンは光学的材料で形成されたものであり、特に赤外線を吸収または反射する材料で形成されたパターンであればよい。パターンは、シート状または膜状に形成されたもの、またはシートまたは膜の表面の少なくとも一部に形成されたものであればよい。パターンは、例えば、その一部の領域を選択したときに、または選択された一部領域から隣接する領域に移動するときに、パターン内における上記選択された一部領域の位置もしくは座標情報を与えうる模様であればよい。選択される一部は、例えば使用される読み取り装置で1回の光照射で読み取れる単位であればよい。パターンの例としては、特開2014‐98943号公報の段落0123〜0152で説明されるドットパターンなどが挙げられる
本発明の方法およびシステムにおいては、パターンを含む光学部材を用いる。
(光学部材)
光学部材は、パターンを含む情報提示層と反射層とを含む。パターン読み取りの際は、光学部材の情報提示層側から光照射され、パターン由来の光情報を反映した光が反射層から反射され、検知されていればよい。
光学部材は、後述のλ/4位相差板を含んでいてもよい。
光学部材は、パターンを含む情報提示層と反射層とを含む。パターン読み取りの際は、光学部材の情報提示層側から光照射され、パターン由来の光情報を反映した光が反射層から反射され、検知されていればよい。
光学部材は、後述のλ/4位相差板を含んでいてもよい。
(反射層の光学的性質)
反射層は、赤外線を反射することができる層であり、赤外線波長域に、右円偏光または左円偏光のいずれか一方を選択的に反射する反射波長を有する。
反射層が反射する赤外線の波長は特に限定されないが、反射層の透過率スペクトルを確認したときに、750〜2000nmの範囲、好ましくは800〜1500nmの範囲に中心波長を有する反射波長帯域が確認できることが好ましい。上記反射波長は、組み合わせて用いられる光学ペンなどの光源の波長や撮像素子のセンサーが感知する赤外線の波長に従って選択されていることも好ましい。反射波長帯域の半値幅は50〜500nm、好ましくは100〜300nmであることが好ましい。
反射層としては、例えば、非偏光に対する拡散反射率が25%以上となる反射波長を有する散乱性の反射層であってもよく、非偏光に対する正反射率が20%超であり、非偏光に対する拡散反射率が25%未満である反射波長を有する非散乱性の反射層であってもよい。
上記の反射波長は、後述のコレステリック液晶層が選択反射を示す波長域のいずれかにあればよく、選択反射の中心波長に該当していてもよい。
反射層は、赤外線を反射することができる層であり、赤外線波長域に、右円偏光または左円偏光のいずれか一方を選択的に反射する反射波長を有する。
反射層が反射する赤外線の波長は特に限定されないが、反射層の透過率スペクトルを確認したときに、750〜2000nmの範囲、好ましくは800〜1500nmの範囲に中心波長を有する反射波長帯域が確認できることが好ましい。上記反射波長は、組み合わせて用いられる光学ペンなどの光源の波長や撮像素子のセンサーが感知する赤外線の波長に従って選択されていることも好ましい。反射波長帯域の半値幅は50〜500nm、好ましくは100〜300nmであることが好ましい。
反射層としては、例えば、非偏光に対する拡散反射率が25%以上となる反射波長を有する散乱性の反射層であってもよく、非偏光に対する正反射率が20%超であり、非偏光に対する拡散反射率が25%未満である反射波長を有する非散乱性の反射層であってもよい。
上記の反射波長は、後述のコレステリック液晶層が選択反射を示す波長域のいずれかにあればよく、選択反射の中心波長に該当していてもよい。
特開2014−098943号公報の段落0391にも記載されているように、反射フィルムの反射が、鏡面反射であると、すなわち、拡散反射率が低いと、反射フィルムの反射光を利用してパターンの一部を情報として読み取る撮像素子の感度が悪くなってしまうという問題がある。散乱性の反射層を用いた場合は、この問題を解消できる。
散乱性の反射層である場合、反射層の上記の反射波長における拡散反射率は、30%以上、35%以上、40%以上であってもよく、47%以下、45%以下、42%以下等であってもよい。また、散乱性の反射層の上記の反射波長における反射層の非偏光に対する正反射率は15%以下であることが好ましく、13%以下であることがより好ましい。
非散乱性の反射層である場合、反射層の上記の反射波長における正反射率は、30%以上、35%以上、または40%以上であることも好ましい。または非散乱性の反射層の拡散反射率は25%未満であることが好ましく、10%以下、5%以下、または1%以下であることがより好ましい。
非散乱性の反射層である場合、反射層の上記の反射波長における正反射率は、30%以上、35%以上、または40%以上であることも好ましい。または非散乱性の反射層の拡散反射率は25%未満であることが好ましく、10%以下、5%以下、または1%以下であることがより好ましい。
反射層は、可視光領域において、透明であればよい。具体的には波長380〜780nmの非偏光可視光の直透過率が50%以上である。また、特に、ヘイズ値が5%以下である。ヘイズ値は3%以下であることが好ましく、2%以下であることがより好ましい。特に非散乱性の反射層である場合、ヘイズ値は2%以下であることが好ましく、1.5%以下であることがより好ましく、1%以下であることがさらに好ましい。
(反射層の構成)
反射層は、円偏光反射層として右円偏光を選択反射する右円偏光反射層または左円偏光を選択反射する左円偏光反射層のいずれかを含む。本発明の反射フィルムは、右円偏光反射層または左円偏光反射層のいずれかを含んでいることによって、右円偏光または左円偏光のいずれか一方を選択的に反射することが可能である
反射層は、円偏光反射層として右円偏光を選択反射する右円偏光反射層または左円偏光を選択反射する左円偏光反射層のいずれかを含む。本発明の反射フィルムは、右円偏光反射層または左円偏光反射層のいずれかを含んでいることによって、右円偏光または左円偏光のいずれか一方を選択的に反射することが可能である
(コレステリック液晶相を固定した層)
円偏光反射層はコレステリック液晶相を固定した層を含む。コレステリック液晶相は、右円偏光または左円偏光のいずれか一方を選択的に反射する円偏光選択反射性を有することが知られている。円偏光選択反射性を示すフィルムとして、重合性液晶化合物を含む組成物から形成されたフィルムは従来から数多く知られており、コレステリック液晶相を固定した層については、それらの従来技術を参照することができる。
円偏光反射層はコレステリック液晶相を固定した層を含む。コレステリック液晶相は、右円偏光または左円偏光のいずれか一方を選択的に反射する円偏光選択反射性を有することが知られている。円偏光選択反射性を示すフィルムとして、重合性液晶化合物を含む組成物から形成されたフィルムは従来から数多く知られており、コレステリック液晶相を固定した層については、それらの従来技術を参照することができる。
コレステリック液晶相を固定した層とは、コレステリック液晶相となっている液晶化合物の配向が保持されている層であればよく、典型的には、重合性液晶化合物をコレステリック液晶相の配向状態としたうえで、紫外線照射、加熱等によって重合、硬化し、流動性が無い層を形成して、同時に、また外場や外力によって配向形態に変化を生じさせることない状態に変化した層であればよい。なお、コレステリック液晶相を固定した層においては、コレステリック液晶相の光学的性質が層中において保持されていれば十分であり、層中の液晶性化合物はもはや液晶性を示していなくてもよい。例えば、重合性液晶化合物は、硬化反応により高分子量化して、もはや液晶性を失っていてもよい。
本明細書においてコレステリック液晶相を固定した層をコレステリック液晶層または液晶層ということがある。
本明細書においてコレステリック液晶相を固定した層をコレステリック液晶層または液晶層ということがある。
コレステリック液晶相を固定した層は、コレステリック液晶の螺旋構造に由来した円偏光選択反射を示す。円偏光選択反射の中心波長λは、コレステリック相における螺旋構造のピッチ長P(=螺旋の周期)に依存し、コレステリック液晶層の平均屈折率nとλ=n×Pの関係に従う。そのため、この螺旋構造のピッチ長を調節することによって、円偏光選択反射を示す波長を調整できる。すなわち、n値とP値を調節して、近赤外光波長域の少なくとも一部において右円偏光または左円偏光のいずれか一方を選択的に反射するようにするために、中心波長λが750nm〜2000nm、好ましくは800nm〜1500nmの波長域となるようにすることができる。コレステリック液晶相のピッチ長は重合性液晶化合物とともに用いるキラル剤の種類、またはその添加濃度に依存するため、これらを調整することによって所望のピッチ長を得ることができる。なお、螺旋のセンスやピッチの測定法については「液晶化学実験入門」日本液晶学会編 シグマ出版2007年出版、46頁、および「液晶便覧」液晶便覧編集委員会 丸善 196頁に記載の方法を用いることができる。
コレステリック液晶層の反射円偏光のセンスは螺旋のセンスに一致する。そのため、右円偏光反射層および左円偏光反射層としては、それぞれ螺旋のセンスが右および左であるコレステリック液晶層を用いればよい。反射層は、コレステリック液晶層を1層含んでいてもよく、2層以上含んでいてもよい。2層以上含む場合は、例えば、周期Pが同じで、同じ螺旋のセンスのコレステリック液晶層を複数積層して、円偏光反射層が形成されていてもよく、周期Pが異なり、同じ螺旋のセンスのコレステリック液晶層を複数積層して、円偏光反射層が形成されていてもよい。コレステリック液晶層の積層の際は、別に作製したコレステリック液晶層を接着剤等を用いて積層してもよく、後述の方法で形成された先のコレステリック液晶層の表面に直接、重合性液晶化合物等を含む液晶組成物を塗布し、配向および固定の工程を繰り返してもよい。
また、円偏光選択反射を示す選択反射帯(円偏光反射帯)の半値幅Δλ(nm)
は、Δλが液晶化合物の複屈折Δnと上記ピッチ長Pに依存し、Δλ=Δn×Pの関係に従う。そのため、選択反射帯の幅の制御は、Δnを調整して行うことができる。Δnの調整は重合性液晶化合物の種類やその混合比率を調整したり、配向固定時の温度を制御したりすることで行うことができる。
は、Δλが液晶化合物の複屈折Δnと上記ピッチ長Pに依存し、Δλ=Δn×Pの関係に従う。そのため、選択反射帯の幅の制御は、Δnを調整して行うことができる。Δnの調整は重合性液晶化合物の種類やその混合比率を調整したり、配向固定時の温度を制御したりすることで行うことができる。
なお、コレステリック液晶層の反射中心波長と半値幅は下記のように求めることができる。
分光光度計UV3150(島津製作所)を用いて光反射層の透過スペクトルを測定すると、選択反射領域に透過率の低下ピークがみられる。この最も大きいピーク高さの1/2の高さの透過率となる2つの波長のうち、短波側の波長の値をλ1(nm)、長波側の波長の値をλ2(nm)とすると、反射中心波長と半値幅は下記式で表すことができる。
反射中心波長=(λ1+λ2)/2
半値幅=(λ2−λ1)
分光光度計UV3150(島津製作所)を用いて光反射層の透過スペクトルを測定すると、選択反射領域に透過率の低下ピークがみられる。この最も大きいピーク高さの1/2の高さの透過率となる2つの波長のうち、短波側の波長の値をλ1(nm)、長波側の波長の値をλ2(nm)とすると、反射中心波長と半値幅は下記式で表すことができる。
反射中心波長=(λ1+λ2)/2
半値幅=(λ2−λ1)
円偏光反射帯の幅(コレステリック液晶層の円偏光反射スペクトルプロファイルは方形であるため、通常、「幅」は「半値幅Δλ」と実質的に同じである。)は、通常1種の材料では50nm〜150nm程度である。選択波長域を広げるためには、周期Pを変えた反射光の中心波長が異なるコレステリック液晶層を2種以上積層すればよい。または、1つのコレステリック液晶層内において、周期Pを膜厚方向に対して緩やかに変化させることで制御波長域を広げることもできる。
(コレステリック液晶相を固定した層の作製方法)
以下、コレステリック液晶層の作製材料および作製方法について説明する。
上記コレステリック液晶層の形成に用いる材料としては、重合性液晶化合物を含む液晶組成物などがあげられる。液晶組成物は、キラル剤および水平配向剤を含んでいることが好ましい。液晶組成物は、さらに界面活性剤や重合開始剤を含んでいてもよい。
液晶組成物を、基材、透明層、配向層、または、下層となるコレステリック液晶層などに塗布し、コレステリック配向熟成後、固定化してコレステリック液晶層を形成することができる。
以下、コレステリック液晶層の作製材料および作製方法について説明する。
上記コレステリック液晶層の形成に用いる材料としては、重合性液晶化合物を含む液晶組成物などがあげられる。液晶組成物は、キラル剤および水平配向剤を含んでいることが好ましい。液晶組成物は、さらに界面活性剤や重合開始剤を含んでいてもよい。
液晶組成物を、基材、透明層、配向層、または、下層となるコレステリック液晶層などに塗布し、コレステリック配向熟成後、固定化してコレステリック液晶層を形成することができる。
重合性液晶化合物
重合性液晶化合物は、棒状液晶化合物であっても、円盤状液晶化合物であってもよいが、棒状液晶化合物であることが好ましい。
コレステリック液晶層を形成する棒状の重合性液晶化合物の例としては、棒状ネマチック液晶化合物があげられる。棒状ネマチック液晶化合物としては、アゾメチン類、アゾキシ類、シアノビフェニル類、シアノフェニルエステル類、安息香酸エステル類、シクロヘキサンカルボン酸フェニルエステル類、シアノフェニルシクロヘキサン類、シアノ置換フェニルピリミジン類、アルコキシ置換フェニルピリミジン類、フェニルジオキサン類、トラン類およびアルケニルシクロヘキシルベンゾニトリル類が好ましく用いられる。低分子液晶化合物だけではなく、高分子液晶化合物も用いることができる。
重合性液晶化合物は、棒状液晶化合物であっても、円盤状液晶化合物であってもよいが、棒状液晶化合物であることが好ましい。
コレステリック液晶層を形成する棒状の重合性液晶化合物の例としては、棒状ネマチック液晶化合物があげられる。棒状ネマチック液晶化合物としては、アゾメチン類、アゾキシ類、シアノビフェニル類、シアノフェニルエステル類、安息香酸エステル類、シクロヘキサンカルボン酸フェニルエステル類、シアノフェニルシクロヘキサン類、シアノ置換フェニルピリミジン類、アルコキシ置換フェニルピリミジン類、フェニルジオキサン類、トラン類およびアルケニルシクロヘキシルベンゾニトリル類が好ましく用いられる。低分子液晶化合物だけではなく、高分子液晶化合物も用いることができる。
重合性液晶化合物は、重合性基を液晶化合物に導入することで得られる。重合性基の例には、不飽和重合性基、エポキシ基、およびアジリジニル基が含まれ、不飽和重合性基が好ましく、エチレン性不飽和重合性基が特に好ましい。重合性基は種々の方法で、液晶化合物の分子中に導入できる。重合性液晶化合物が有する重合性基の個数は、好ましくは1〜6個、より好ましくは1〜3個である。重合性液晶化合物の例は、Makromol.Chem.,190巻、2255頁(1989年)、Advanced Materials 5巻、107頁(1993年)、米国特許第4683327号明細書、同5622648号明細書、同5770107号明細書、国際公開WO95/22586号公報、同95/24455号公報、同97/00600号公報、同98/23580号公報、同98/52905号公報、特開平1−272551号公報、同6−16616号公報、同7−110469号公報、同11−80081号公報、および特開2001−328973号公報などに記載の化合物が含まれる。2種類以上の重合性液晶化合物を併用してもよい。2種類以上の重合性液晶化合物を併用すると、配向温度を低下させることができる。
また、液晶組成物中の重合性液晶化合物の添加量は、液晶組成物の固形分質量(溶媒を除いた質量)に対して、80〜99.9質量%であることが好ましく、85〜99.5質量%であることがより好ましく、90〜99質量%であることが特に好ましい。
キラル剤(光学活性化合物)
キラル剤はコレステリック液晶相の螺旋構造を誘起する機能を有する。キラル化合物は、化合物によって誘起する螺旋のセンスまたは螺旋ピッチが異なるため、目的に応じて選択すればよい。
キラル剤としては、特に制限はなく、公知の化合物(例えば、液晶デバイスハンドブック、第3章4−3項、TN、STN用カイラル剤、199頁、日本学術振興会第142委員会編、1989に記載)、イソソルビド、イソマンニド誘導体を用いることができる。
キラル剤は、一般に不斉炭素原子を含むが、不斉炭素原子を含まない軸性不斉化合物あるいは面性不斉化合物もキラル剤として用いることができる。軸性不斉化合物または面性不斉化合物の例には、ビナフチル、ヘリセン、パラシクロファンおよびこれらの誘導体が含まれる。キラル剤は、重合性基を有していてもよい。キラル剤と液晶化合物とがいずれも重合性基を有する場合は、重合性キラル剤と重合性液晶化合物との重合反応により、重合性液晶化合物から誘導される繰り返し単位と、キラル剤から誘導される繰り返し単位とを有するポリマーを形成することができる。この態様では、重合性キラル剤が有する重合性基は、重合性液晶化合物が有する重合性基と、同種の基であることが好ましい。従って、キラル剤の重合性基も、不飽和重合性基、エポキシ基またはアジリジニル基であることが好ましく、不飽和重合性基であることがさらに好ましく、エチレン性不飽和重合性基であることが特に好ましい。
また、キラル剤は、液晶化合物であってもよい。
キラル剤はコレステリック液晶相の螺旋構造を誘起する機能を有する。キラル化合物は、化合物によって誘起する螺旋のセンスまたは螺旋ピッチが異なるため、目的に応じて選択すればよい。
キラル剤としては、特に制限はなく、公知の化合物(例えば、液晶デバイスハンドブック、第3章4−3項、TN、STN用カイラル剤、199頁、日本学術振興会第142委員会編、1989に記載)、イソソルビド、イソマンニド誘導体を用いることができる。
キラル剤は、一般に不斉炭素原子を含むが、不斉炭素原子を含まない軸性不斉化合物あるいは面性不斉化合物もキラル剤として用いることができる。軸性不斉化合物または面性不斉化合物の例には、ビナフチル、ヘリセン、パラシクロファンおよびこれらの誘導体が含まれる。キラル剤は、重合性基を有していてもよい。キラル剤と液晶化合物とがいずれも重合性基を有する場合は、重合性キラル剤と重合性液晶化合物との重合反応により、重合性液晶化合物から誘導される繰り返し単位と、キラル剤から誘導される繰り返し単位とを有するポリマーを形成することができる。この態様では、重合性キラル剤が有する重合性基は、重合性液晶化合物が有する重合性基と、同種の基であることが好ましい。従って、キラル剤の重合性基も、不飽和重合性基、エポキシ基またはアジリジニル基であることが好ましく、不飽和重合性基であることがさらに好ましく、エチレン性不飽和重合性基であることが特に好ましい。
また、キラル剤は、液晶化合物であってもよい。
キラル剤が光異性化基を有する場合には、塗布、配向後に活性光線などのフォトマスク照射によって、発光波長に対応した所望の反射波長のパターンを形成することができるので好ましい。光異性化基としては、フォトクロッミック性を示す化合物の異性化部位、アゾ、アゾキシ、シンナモイル基が好ましい。具体的な化合物として、特開2002−80478号公報、特開2002−80851号公報、特開2002−179668号公報、特開2002−179669号公報、特開2002−179670号公報、特開2002−179681号公報、特開2002−179682号公報、特開2002−338575号公報、特開2002−338668号公報、特開2003−313189号公報、特開2003−313292号公報に記載の化合物を用いることができる。
液晶組成物における、キラル剤の含有量は、重合性液晶性化合物量の0.01モル%〜200モル%が好ましく、1モル%〜30モル%がより好ましい。
液晶組成物における、キラル剤の含有量は、重合性液晶性化合物量の0.01モル%〜200モル%が好ましく、1モル%〜30モル%がより好ましい。
重合開始剤
液晶組成物は、重合開始剤を含有していることが好ましい。紫外線照射により重合反応を進行させる態様では、使用する重合開始剤は、紫外線照射によって重合反応を開始可能な光重合開始剤であることが好ましい。光重合開始剤の例には、α−カルボニル化合物(米国特許第2367661号、同2367670号の各明細書記載)、アシロインエーテル(米国特許第2448828号明細書記載)、α−炭化水素置換芳香族アシロイン化合物(米国特許第2722512号明細書記載)、多核キノン化合物(米国特許第3046127号、同2951758号の各明細書記載)、トリアリールイミダゾールダイマーとp−アミノフェニルケトンとの組み合わせ(米国特許第3549367号明細書記載)、アクリジンおよびフェナジン化合物(特開昭60−105667号公報、米国特許第4239850号明細書記載)およびオキサジアゾール化合物(米国特許第4212970号明細書記載)等があげられる。
液晶組成物中の光重合開始剤の含有量は、重合性液晶化合物の含有量に対して0.1〜20質量%であることが好ましく、0.5質量%〜5質量%であることがさらに好ましい。
液晶組成物は、重合開始剤を含有していることが好ましい。紫外線照射により重合反応を進行させる態様では、使用する重合開始剤は、紫外線照射によって重合反応を開始可能な光重合開始剤であることが好ましい。光重合開始剤の例には、α−カルボニル化合物(米国特許第2367661号、同2367670号の各明細書記載)、アシロインエーテル(米国特許第2448828号明細書記載)、α−炭化水素置換芳香族アシロイン化合物(米国特許第2722512号明細書記載)、多核キノン化合物(米国特許第3046127号、同2951758号の各明細書記載)、トリアリールイミダゾールダイマーとp−アミノフェニルケトンとの組み合わせ(米国特許第3549367号明細書記載)、アクリジンおよびフェナジン化合物(特開昭60−105667号公報、米国特許第4239850号明細書記載)およびオキサジアゾール化合物(米国特許第4212970号明細書記載)等があげられる。
液晶組成物中の光重合開始剤の含有量は、重合性液晶化合物の含有量に対して0.1〜20質量%であることが好ましく、0.5質量%〜5質量%であることがさらに好ましい。
架橋剤
液晶組成物は、硬化後の膜強度向上、耐久性向上のため、任意に架橋剤を含有していてもよい。架橋剤としては、紫外線、熱、湿気等で硬化するものが好適に使用できる。
架橋剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えばトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート等の多官能アクリレート化合物;グリシジル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジグリシジルエーテル等のエポキシ化合物;2,2−ビスヒドロキシメチルブタノール−トリス[3−(1−アジリジニル)プロピオネート]、4,4−ビス(エチレンイミノカルボニルアミノ)ジフェニルメタン等のアジリジン化合物;ヘキサメチレンジイソシアネート、ビウレット型イソシアネート等のイソシアネート化合物;オキサゾリン基を側鎖に有するポリオキサゾリン化合物;ビニルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)3−アミノプロピルトリメトキシシラン等のアルコキシシラン化合物などがあげられる。また、架橋剤の反応性に応じて公知の触媒を用いることができ、膜強度および耐久性向上に加えて生産性を向上させることができる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
架橋剤の含有量は、3質量%〜20質量%が好ましく、5質量%〜15質量%がより好ましい。架橋剤の含有量が、3質量%未満であると、架橋密度向上の効果が得られないことがあり、20質量%を超えると、コレステリック液晶層の安定性を低下させてしまうことがある。
液晶組成物は、硬化後の膜強度向上、耐久性向上のため、任意に架橋剤を含有していてもよい。架橋剤としては、紫外線、熱、湿気等で硬化するものが好適に使用できる。
架橋剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えばトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート等の多官能アクリレート化合物;グリシジル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジグリシジルエーテル等のエポキシ化合物;2,2−ビスヒドロキシメチルブタノール−トリス[3−(1−アジリジニル)プロピオネート]、4,4−ビス(エチレンイミノカルボニルアミノ)ジフェニルメタン等のアジリジン化合物;ヘキサメチレンジイソシアネート、ビウレット型イソシアネート等のイソシアネート化合物;オキサゾリン基を側鎖に有するポリオキサゾリン化合物;ビニルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)3−アミノプロピルトリメトキシシラン等のアルコキシシラン化合物などがあげられる。また、架橋剤の反応性に応じて公知の触媒を用いることができ、膜強度および耐久性向上に加えて生産性を向上させることができる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
架橋剤の含有量は、3質量%〜20質量%が好ましく、5質量%〜15質量%がより好ましい。架橋剤の含有量が、3質量%未満であると、架橋密度向上の効果が得られないことがあり、20質量%を超えると、コレステリック液晶層の安定性を低下させてしまうことがある。
水平配向剤
液晶組成物中には、安定的にまたは迅速にプレーナー配向のコレステリック液晶層とするために寄与する配向制御剤としての水平配向剤を添加してもよい。水平配向剤の例としては特開2007−272185号公報の段落〔0018〕〜〔0043〕等に記載のフッ素(メタ)アクリレート系ポリマー、特開2012−203237号公報の段落〔0031〕〜〔0034〕等に記載の式(I)〜(IV)で表される化合物などがあげられる。
なお、水平配向剤としては1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
液晶組成物中には、安定的にまたは迅速にプレーナー配向のコレステリック液晶層とするために寄与する配向制御剤としての水平配向剤を添加してもよい。水平配向剤の例としては特開2007−272185号公報の段落〔0018〕〜〔0043〕等に記載のフッ素(メタ)アクリレート系ポリマー、特開2012−203237号公報の段落〔0031〕〜〔0034〕等に記載の式(I)〜(IV)で表される化合物などがあげられる。
なお、水平配向剤としては1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
液晶組成物中における、水平配向剤の添加量は、重合性液晶化合物の全質量に対して0.01質量%〜10質量%が好ましく、0.01質量%〜5質量%がより好ましく、0.02質量%〜1質量%が特に好ましい。
その他の添加剤
その他、液晶組成物は、塗膜の表面張力を調整し膜厚を均一にするための界面活性剤、および重合性モノマー等の種々の添加剤から選ばれる少なくとも1種を含有していてもよい。また、液晶組成物中には、必要に応じて、さらに重合禁止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定化剤、色材、金属酸化物微粒子等を、光学的性能を低下させない範囲で添加することができる。
その他、液晶組成物は、塗膜の表面張力を調整し膜厚を均一にするための界面活性剤、および重合性モノマー等の種々の添加剤から選ばれる少なくとも1種を含有していてもよい。また、液晶組成物中には、必要に応じて、さらに重合禁止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定化剤、色材、金属酸化物微粒子等を、光学的性能を低下させない範囲で添加することができる。
コレステリック液晶層は、重合性液晶化合物および重合開始剤、更に必要に応じて添加されるキラル剤、界面活性剤等を溶媒に溶解させた液晶組成物を、基材上に塗布し、乾燥させて塗膜を得、この塗膜に活性光線を照射してコレステリック液晶性組成物を重合し、コレステリック規則性が固定化されたコレステリック液晶層を形成することができる。なお、複数のコレステリック液晶層からなる積層膜は、コレステリック液晶層の製造工程を繰り返し行うことにより形成することができる。
液晶組成物の調製に使用する溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、有機溶媒が好ましく用いられる。
有機溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えばケトン類、アルキルハライド類、アミド類、スルホキシド類、ヘテロ環化合物、炭化水素類、エステル類、エーテル類、などがあげられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、環境への負荷を考慮した場合にはケトン類が特に好ましい。
有機溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えばケトン類、アルキルハライド類、アミド類、スルホキシド類、ヘテロ環化合物、炭化水素類、エステル類、エーテル類、などがあげられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、環境への負荷を考慮した場合にはケトン類が特に好ましい。
基材上への液晶組成物の塗布方法は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ワイヤーバーコーティング法、カーテンコーティング法、押し出しコーティング法、ダイレクトグラビアコーティング法、リバースグラビアコーティング法、ダイコーティング法、スピンコーティング法、ディップコーティング法、スプレーコーティング法、スライドコーティング法などがあげられる。また、別途仮支持体上に塗設した液晶組成物を基材上へ転写することによっても実施できる。塗布した液晶組成物を加熱することにより、液晶分子を配向させる。加熱温度は、200℃以下が好ましく、130℃以下がより好ましい。この配向処理により、重合性液晶化合物が、フィルム面に対して実質的に垂直な方向に螺旋軸を有するようにねじれ配向している光学薄膜が得られる。
配向させた液晶化合物は、更に重合させればよい。重合は、熱重合、光照射による光重合のいずれでもよいが、光重合が好ましい。光照射は、紫外線を用いることが好ましい。照射エネルギーは、20mJ/cm2〜50J/cm2が好ましく、100mJ/cm2〜1,500mJ/cm2がより好ましい。光重合反応を促進するため、加熱条件下または窒素雰囲気下で光照射を実施してもよい。照射紫外線波長は350nm〜430nmが好ましい。重合反応率は安定性の観点から、高いことが好ましく70%以上が好ましく、80%以上がより好ましい。
重合反応率は、重合性の官能基の消費割合を、IR吸収スペクトルを用いて決定することができる。
重合反応率は、重合性の官能基の消費割合を、IR吸収スペクトルを用いて決定することができる。
個々のコレステリック液晶層の厚みは、上記特性を示す範囲であれば、特に限定はされないが、好ましくは1.0μm以上150μm以下の範囲、より好ましくは4.0μm以上、100μm以下の範囲である。
反射層のコレステリック液晶層の膜厚の総計は好ましくは2.0μm以上、300μm以下の範囲、より好ましくは8.0μm以上、200μm以下の範囲である。2.0μm以上の厚みで周期構造に基づく選択反射を十分に確保することができる。また、300μm以下の厚みで、可視光の透過性も十分確保することができる。
反射層のコレステリック液晶層の膜厚の総計は好ましくは2.0μm以上、300μm以下の範囲、より好ましくは8.0μm以上、200μm以下の範囲である。2.0μm以上の厚みで周期構造に基づく選択反射を十分に確保することができる。また、300μm以下の厚みで、可視光の透過性も十分確保することができる。
(コレステリック液晶層の拡散反射率の調整)
本発明者らの検討の結果、選択反射波長(赤外線波長域)における拡散反射率が高く、ヘイズ値が低いコレステリック液晶層は、層の少なくとも一方の表面、好ましくは層の両表面で液晶分子のチルト角が小さく、且つ液晶分子の面内配向方位をランダムとすることにより得られることが判明した。すなわち、上記のチルト角および面内配向方位を調整することにより、選択反射波長における拡散反射率を50%以上でありかつ非偏光可視光に対するヘイズ値が低い5%以下であるコレステリック液晶層を形成することができる。コレステリック液晶層表面近傍の液晶配向方向、チルト角はコレステリック液晶層断面の膜表面近傍を透過電子顕微鏡(TEM)像などで確認すればよい。
コレステリック液晶層表面の液晶分子のチルト角と面内配向方位とを上記のように調整することにより、最表面でコステリック液晶相の螺旋軸の傾きを有する構成を実現することができる。螺旋軸の傾きを有するとは、後述の螺旋軸の傾きが2°以上である面内の位置があることを意味する。最表面でコステリック液晶相の螺旋軸の傾きを有する構成によりコレステリック液晶相の螺旋軸は面内で僅かなうねりを持って分布させることができると考えられる。すなわち、層の法線方向から螺旋軸のずれを、生じさせることができる。この螺旋軸のずれにより、散乱性の層となる。この層の内部には、複数の配向欠陥が存在しうる。
本発明者らの検討の結果、選択反射波長(赤外線波長域)における拡散反射率が高く、ヘイズ値が低いコレステリック液晶層は、層の少なくとも一方の表面、好ましくは層の両表面で液晶分子のチルト角が小さく、且つ液晶分子の面内配向方位をランダムとすることにより得られることが判明した。すなわち、上記のチルト角および面内配向方位を調整することにより、選択反射波長における拡散反射率を50%以上でありかつ非偏光可視光に対するヘイズ値が低い5%以下であるコレステリック液晶層を形成することができる。コレステリック液晶層表面近傍の液晶配向方向、チルト角はコレステリック液晶層断面の膜表面近傍を透過電子顕微鏡(TEM)像などで確認すればよい。
コレステリック液晶層表面の液晶分子のチルト角と面内配向方位とを上記のように調整することにより、最表面でコステリック液晶相の螺旋軸の傾きを有する構成を実現することができる。螺旋軸の傾きを有するとは、後述の螺旋軸の傾きが2°以上である面内の位置があることを意味する。最表面でコステリック液晶相の螺旋軸の傾きを有する構成によりコレステリック液晶相の螺旋軸は面内で僅かなうねりを持って分布させることができると考えられる。すなわち、層の法線方向から螺旋軸のずれを、生じさせることができる。この螺旋軸のずれにより、散乱性の層となる。この層の内部には、複数の配向欠陥が存在しうる。
コレステリック液晶層の最表面の螺旋軸の傾きは以下のように得ることができる。
コレステリック液晶層断面をTEM観察すると、明部と暗部との縞模様が観察できる。縞模様は、層面に略平行な方向に明部と暗部とが繰り返されるように観察される。図2に模式図を示す。この明部と暗部の繰り返し2回分(明部2つおよび暗部2つ)が螺旋1ピッチ分に相当する。縞模様の法線方向が螺旋軸となる。コレステリック液晶層の最表面の螺旋軸の傾きは、最表面11から1本目の暗部がなす線と同じ側の最表面との角度として得ることができる(図2の101)。
コレステリック液晶層を、最表面の螺旋軸の傾きが面内で変化しているように構成することにより、拡散反射率が高い散乱性の層とすることができる。なお、「螺旋軸の傾きが変化している」とは、例えば、表面の任意の直線上で一定間隔で螺旋軸の傾きを測定すると、直線進行方向で増加および減少が確認される状態を示す。増加および減少は、好ましくは繰り返されており、変化は好ましくは連続的である。
最表面はコレステリック液晶層の少なくともいずれか一方(最上面または最下面)であってもよく、両方(最上面まおよび最下面)であってもよいが、両方であることが好ましい。
さらに螺旋軸の傾きの最大値を20°以下とすることにより、ヘイズ値(可視光波長域)を5%以下程度に低く調整することができる。螺旋軸の傾きの最大値は2°以上20°以下であればよく、5°以上20°以下であることが好ましい。
コレステリック液晶層断面をTEM観察すると、明部と暗部との縞模様が観察できる。縞模様は、層面に略平行な方向に明部と暗部とが繰り返されるように観察される。図2に模式図を示す。この明部と暗部の繰り返し2回分(明部2つおよび暗部2つ)が螺旋1ピッチ分に相当する。縞模様の法線方向が螺旋軸となる。コレステリック液晶層の最表面の螺旋軸の傾きは、最表面11から1本目の暗部がなす線と同じ側の最表面との角度として得ることができる(図2の101)。
コレステリック液晶層を、最表面の螺旋軸の傾きが面内で変化しているように構成することにより、拡散反射率が高い散乱性の層とすることができる。なお、「螺旋軸の傾きが変化している」とは、例えば、表面の任意の直線上で一定間隔で螺旋軸の傾きを測定すると、直線進行方向で増加および減少が確認される状態を示す。増加および減少は、好ましくは繰り返されており、変化は好ましくは連続的である。
最表面はコレステリック液晶層の少なくともいずれか一方(最上面または最下面)であってもよく、両方(最上面まおよび最下面)であってもよいが、両方であることが好ましい。
さらに螺旋軸の傾きの最大値を20°以下とすることにより、ヘイズ値(可視光波長域)を5%以下程度に低く調整することができる。螺旋軸の傾きの最大値は2°以上20°以下であればよく、5°以上20°以下であることが好ましい。
本明細書において、「チルト角」とは、傾斜した液晶分子が層平面となす角度を意味し、液晶化合物の屈折率楕円体において最大の屈折率の方向が層平面となす角度のうち、最大の角度を意味する。従って、正の光学的異方性を持つ棒状液晶化合物では、チルト角は棒状液晶化合物の長軸方向すなわちダイレクター方向と層平面とのなす角度を意味する。
液晶分子の面内配向方位とは、液晶分子の上記の最大の屈折率の方向最大の屈折率の方向の、層と平行な面内での方位を意味する。面内配向方位がランダムであるとは、面内の液晶化合物分子の面内配向方位の平均方位と4°以上異なる面内配向方位を有する液晶分子がTEMにて10%以上20%以下で確認できる状態を意味する。
なお、本明細書において、液晶分子というとき、液晶組成物においては重合性液晶化合物の分子を意味し、重合性液晶化合物が液晶組成物の硬化反応により高分子化している場合は、上記重合性液晶化合物分子に該当する部分構造を意味する。
液晶分子の面内配向方位とは、液晶分子の上記の最大の屈折率の方向最大の屈折率の方向の、層と平行な面内での方位を意味する。面内配向方位がランダムであるとは、面内の液晶化合物分子の面内配向方位の平均方位と4°以上異なる面内配向方位を有する液晶分子がTEMにて10%以上20%以下で確認できる状態を意味する。
なお、本明細書において、液晶分子というとき、液晶組成物においては重合性液晶化合物の分子を意味し、重合性液晶化合物が液晶組成物の硬化反応により高分子化している場合は、上記重合性液晶化合物分子に該当する部分構造を意味する。
コレステリック液晶層の形成の際の重合性液晶化合物の配向の際の、下層側表面にある液晶分子のチルト角は0度〜20度の範囲が好ましく、0度〜10度がより好ましい。上記の値にチルト角を制御することにより配向欠陥の密度と、螺旋軸の傾斜角度分布を好ましい範囲とすることができる。
散乱性の反射層形成のためにコレステリック液晶層を形成するときの重合性液晶化合物の配向の際は、下層側表面の液晶分子のチルト角(プレチルト角)を上記のように低く、好ましくは水平にし、且つ液晶分子の配向均一性を低下させるために、液晶組成物を塗布する後述の透明層や基材、または他のコレステリック液晶層の表面にラビングなどの配向処理をしないことが好ましい。コレステリック液晶層の空気界面側の液晶分子を水平にするために、前述の水平配向剤を使用することが好ましい。
(透明層)
散乱性の反射層は、コレステリック液晶層の形成の際に液晶組成物が塗布される下層として、透明層を含んでいてもよい。透明層は、その表面に設けられる液晶組成物中の重合性液晶化合物分子に対して低いプレチルト角を与える材料からなる層を好ましく用いることができる。
透明層としては、例えば、(メタ)アクリレートモノマー、ゼラチン、ウレタンモノマーなどを含む非液晶性の重合性組成物を塗布硬化したものを用いることができる。例えば、(メタ)アクリレートモノマーを含む層を塗布硬化して得られるアクリル層は面内において等方的であるため、アクリル層表面にラビング処理を施さずに液晶層を形成すると、アクリル層に接している液晶の面内配向方位はランダムとなる。
そのためアクリル層表面に液晶組成物を塗布して形成されるコレステリック液晶層を配向欠陥を有する層とすることができる。
そして、配向欠陥を有する液晶層上に液晶層を形成すると、同様に配向欠陥を有する液晶層を形成することができる。
透明層としてはそのほか、ポリイミド(日産化学社製ポリイミドワニスのサンエバー130など)、ポリビニルアルコール、ポリエステル、ポリアリレート、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリアミド、変性ポリアミドなどの樹脂などを用いてもよい。拡散反射率の高いコレステリック液晶層の形成のため、液晶組成物を塗布する透明層の表面はラビング処理(例えば、ポリマー層の表面を、紙または布等で一定方向に、擦ることによるラビング処理)を行わないことが好ましい。
透明層の厚さは0.01〜50μmであることが好ましく、0.05〜20μmであることがさらに好ましい。
散乱性の反射層は、コレステリック液晶層の形成の際に液晶組成物が塗布される下層として、透明層を含んでいてもよい。透明層は、その表面に設けられる液晶組成物中の重合性液晶化合物分子に対して低いプレチルト角を与える材料からなる層を好ましく用いることができる。
透明層としては、例えば、(メタ)アクリレートモノマー、ゼラチン、ウレタンモノマーなどを含む非液晶性の重合性組成物を塗布硬化したものを用いることができる。例えば、(メタ)アクリレートモノマーを含む層を塗布硬化して得られるアクリル層は面内において等方的であるため、アクリル層表面にラビング処理を施さずに液晶層を形成すると、アクリル層に接している液晶の面内配向方位はランダムとなる。
そのためアクリル層表面に液晶組成物を塗布して形成されるコレステリック液晶層を配向欠陥を有する層とすることができる。
そして、配向欠陥を有する液晶層上に液晶層を形成すると、同様に配向欠陥を有する液晶層を形成することができる。
透明層としてはそのほか、ポリイミド(日産化学社製ポリイミドワニスのサンエバー130など)、ポリビニルアルコール、ポリエステル、ポリアリレート、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリアミド、変性ポリアミドなどの樹脂などを用いてもよい。拡散反射率の高いコレステリック液晶層の形成のため、液晶組成物を塗布する透明層の表面はラビング処理(例えば、ポリマー層の表面を、紙または布等で一定方向に、擦ることによるラビング処理)を行わないことが好ましい。
透明層の厚さは0.01〜50μmであることが好ましく、0.05〜20μmであることがさらに好ましい。
(配向層)
非散乱性の反射層はコレステリック液晶層の形成の際に液晶組成物が塗布される下層として、配向層を含んでいてもよい。
配向層は、ポリマーなどの有機化合物(ポリイミド、ポリビニルアルコール、ポリエステル、ポリアリレート、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリアミド、変性ポリアミドなどの樹脂)のラビング処理、無機化合物の斜方蒸着、マイクログルーブを有する層の形成、またはラングミュア・ブロジェット法(LB膜)による有機化合物(例えば、ω−トリコサン酸、ジオクタデシルメチルアンモニウムクロライド、ステアリル酸メチル)の累積のような手段で、設けることができる。更に、電場の付与、磁場の付与または光照射により、配向機能が生じる配向層も知られている。
特にポリマーからなる配向層はラビング処理を行ったうえで、ラビング処理面に液晶組成物を塗布することが好ましい。ラビング処理は、ポリマー層の表面を、紙、布で一定方向に、数回擦ることにより実施することができる。
配向層を設けずに支持体表面、または支持体をラビング処理した表面に、液晶組成物を塗布してもよい。
仮支持体を用いて液晶層を形成する場合は、配向膜は仮支持体とともに剥離されて光学部材を構成する層とはならなくてもよい。
配向層の厚さは0.01〜5μmであることが好ましく、0.05〜2μmであることがさらに好ましい。
非散乱性の反射層はコレステリック液晶層の形成の際に液晶組成物が塗布される下層として、配向層を含んでいてもよい。
配向層は、ポリマーなどの有機化合物(ポリイミド、ポリビニルアルコール、ポリエステル、ポリアリレート、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリアミド、変性ポリアミドなどの樹脂)のラビング処理、無機化合物の斜方蒸着、マイクログルーブを有する層の形成、またはラングミュア・ブロジェット法(LB膜)による有機化合物(例えば、ω−トリコサン酸、ジオクタデシルメチルアンモニウムクロライド、ステアリル酸メチル)の累積のような手段で、設けることができる。更に、電場の付与、磁場の付与または光照射により、配向機能が生じる配向層も知られている。
特にポリマーからなる配向層はラビング処理を行ったうえで、ラビング処理面に液晶組成物を塗布することが好ましい。ラビング処理は、ポリマー層の表面を、紙、布で一定方向に、数回擦ることにより実施することができる。
配向層を設けずに支持体表面、または支持体をラビング処理した表面に、液晶組成物を塗布してもよい。
仮支持体を用いて液晶層を形成する場合は、配向膜は仮支持体とともに剥離されて光学部材を構成する層とはならなくてもよい。
配向層の厚さは0.01〜5μmであることが好ましく、0.05〜2μmであることがさらに好ましい。
(基材)
反射層は、コレステリック液晶層の支持体として基材を含んでいてもよい。基材は、上記の透明層または配向層を兼ねていてもよい。
基材は特に限定されない。基材としては、プラスチックフィルムを用いることができる。プラスチックフィルムの例としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)などのポリエステル、ポリカーボネート、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン、ポリアミド、ポリオレフィン、セルロース誘導体、シリコーンなどがあげられる。
反射層は、コレステリック液晶層の支持体として基材を含んでいてもよい。基材は、上記の透明層または配向層を兼ねていてもよい。
基材は特に限定されない。基材としては、プラスチックフィルムを用いることができる。プラスチックフィルムの例としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)などのポリエステル、ポリカーボネート、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン、ポリアミド、ポリオレフィン、セルロース誘導体、シリコーンなどがあげられる。
基材の膜厚としては、5μm〜1000μm程度であればよく、好ましくは10μm〜250μmであり、より好ましくは15μm〜90μmである。
なお、コレステリック液晶層の形成のために用いられる支持体は、コレステリック液晶層形成後に剥離される仮支持体であってもよく、コレステリック液晶層形成の後、コレステリック液晶層が基材に転写されてもよい なお、仮支持体としては上記のプラスチックフィルムの他、ガラス等を用いてもよい。
なお、コレステリック液晶層の形成のために用いられる支持体は、コレステリック液晶層形成後に剥離される仮支持体であってもよく、コレステリック液晶層形成の後、コレステリック液晶層が基材に転写されてもよい なお、仮支持体としては上記のプラスチックフィルムの他、ガラス等を用いてもよい。
(情報提示層)
情報提示層は上記反射波長の光を吸収または反射する材料のパターンを有する。すなわち、情報提示層は赤外線を吸収または反射する材料のパターンを有する。パターンは情報提示層の全体にあっても、一部にあってもよい。上記反射波長の光を吸収または反射する材料は、例えば基材表面にインクジェット法などにより塗布、印刷され、パターンを形成していてもよい。または、例えば、基材表面に一様に塗布されたあと、赤外線レーザーなどを用いて、0.5〜3000μmの単位で印字蒸発され、パターンを形成していてもよい。後者の方法については、例えば特開2011‐152652号公報の記載を参照できる。
情報提示層は上記反射波長の光を吸収または反射する材料のパターンを有する。すなわち、情報提示層は赤外線を吸収または反射する材料のパターンを有する。パターンは情報提示層の全体にあっても、一部にあってもよい。上記反射波長の光を吸収または反射する材料は、例えば基材表面にインクジェット法などにより塗布、印刷され、パターンを形成していてもよい。または、例えば、基材表面に一様に塗布されたあと、赤外線レーザーなどを用いて、0.5〜3000μmの単位で印字蒸発され、パターンを形成していてもよい。後者の方法については、例えば特開2011‐152652号公報の記載を参照できる。
(赤外線を吸収または反射する材料)
赤外線を吸収または反射する材料としては、例えば、カーボンインク、無機物イオン(銅、鉄、イッテルビウムなどの金属類)を含有するインク、フタロシアニン色素、ジオチール化合物色素、スクアリウム色素、クロコニウム色素、ニッケル錯体色素などの有機色素、そのほか公知の赤外線吸収色素、公知の赤外線反射性粒子等を用いることができる。赤外線を吸収または反射する材料は可視光波長領域において、反射または吸収を有していないことが好ましい。
赤外線を吸収または反射する材料としては、例えば、カーボンインク、無機物イオン(銅、鉄、イッテルビウムなどの金属類)を含有するインク、フタロシアニン色素、ジオチール化合物色素、スクアリウム色素、クロコニウム色素、ニッケル錯体色素などの有機色素、そのほか公知の赤外線吸収色素、公知の赤外線反射性粒子等を用いることができる。赤外線を吸収または反射する材料は可視光波長領域において、反射または吸収を有していないことが好ましい。
(光学部材の層構成)
反射層が透明層を含むときの光学部材の層構成の例としては、情報提示層、透明層、円偏光反射層がこの順に配置された構成、および情報提示層、円偏光反射層、透明層がこの順に配置された構成が挙げられる。反射層が基材を含むときの光学部材の層構成の例としては、情報提示層、基材、円偏光反射層がこの順に配置された構成、および情報提示層、円偏光反射層、基材がこの順に配置された構成が挙げられる。反射層が基材と透明層を含むときの光学部材の層構成の例としては、情報提示層、基材、透明層、円偏光反射層がこの順に配置された構成、基材、透明層、円偏光反射層、情報提示層、がこの順に配置された構成が挙げられる。円偏光反射層を2層以上含む構成においては、全ての円偏光反射層が隣接し、円偏光反射層の間には情報提示層、基材、および透明層のいずれも含まない構成とすることが好ましい。
反射層が透明層を含むときの光学部材の層構成の例としては、情報提示層、透明層、円偏光反射層がこの順に配置された構成、および情報提示層、円偏光反射層、透明層がこの順に配置された構成が挙げられる。反射層が基材を含むときの光学部材の層構成の例としては、情報提示層、基材、円偏光反射層がこの順に配置された構成、および情報提示層、円偏光反射層、基材がこの順に配置された構成が挙げられる。反射層が基材と透明層を含むときの光学部材の層構成の例としては、情報提示層、基材、透明層、円偏光反射層がこの順に配置された構成、基材、透明層、円偏光反射層、情報提示層、がこの順に配置された構成が挙げられる。円偏光反射層を2層以上含む構成においては、全ての円偏光反射層が隣接し、円偏光反射層の間には情報提示層、基材、および透明層のいずれも含まない構成とすることが好ましい。
(接着層)
光学部材は、各層の接着のための接着層を含んでいてもよい。接着層は接着剤から形成されるものであればよい。
接着剤としては硬化方式の観点からホットメルトタイプ、熱硬化タイプ、光硬化タイプ、反応硬化タイプ、硬化の不要な感圧接着タイプがあり、それぞれ素材としてアクリレート系、ウレタン系、ウレタンアクリレート系、エポキシ系、エポキシアクリレート系、ポリオレフィン系、変性オレフィン系、ポリプロピレン系、エチレンビニルアルコール系、塩化ビニル系、クロロプレンゴム系、シアノアクリレート系、ポリアミド系、ポリイミド系、ポリスチレン系、ポリビニルブチラール系などの化合物を使用することができる。作業性、生産性の観点から、硬化方式として光硬化タイプが好ましく、光学的な透明性、耐熱性の観点から、素材はアクリルレート系、ウレタンアクリレート系、エポキシアクリレート系などを使用することが好ましい。
光学部材は、各層の接着のための接着層を含んでいてもよい。接着層は接着剤から形成されるものであればよい。
接着剤としては硬化方式の観点からホットメルトタイプ、熱硬化タイプ、光硬化タイプ、反応硬化タイプ、硬化の不要な感圧接着タイプがあり、それぞれ素材としてアクリレート系、ウレタン系、ウレタンアクリレート系、エポキシ系、エポキシアクリレート系、ポリオレフィン系、変性オレフィン系、ポリプロピレン系、エチレンビニルアルコール系、塩化ビニル系、クロロプレンゴム系、シアノアクリレート系、ポリアミド系、ポリイミド系、ポリスチレン系、ポリビニルブチラール系などの化合物を使用することができる。作業性、生産性の観点から、硬化方式として光硬化タイプが好ましく、光学的な透明性、耐熱性の観点から、素材はアクリルレート系、ウレタンアクリレート系、エポキシアクリレート系などを使用することが好ましい。
(照射光、照射部)
パターン読み取りの際は、上記のコレステリック液晶層を反射層に含む光学部材にパターンが配されるとともに、光学部材が反射する波長の円偏光が光学部材に照射される。
照射のための光源としては、赤外線波長域の光を照射できる光源を用いればよい。光源は赤外線波長域の光を発光できるものであっても、波長変換部材により赤外線波長域の光を照射できるように調整されているものでもよい。光源としては、ハロゲンランプ、タングステンランプ、LED、LD、キセノンランプ、メタハラランプなどはいずれも使用できるが、小型、発光指向性、単色光、パルス変調適性の点でLEDまたはLDが好ましい。
円偏光を照射するため、光源とともに、直線偏光子、λ/4位相差層、またはコレステリック液晶層を含む円偏光板等を組み合わせて用い、光学部材への光照射に用いてもよい。例えば、LEDなどの非偏光光源を直線偏光子とλ/4位相差層と組み合わせて用いて円偏光を得てもよく、LEDなどの非偏光光源の出射光を円偏光板と組み合わせて用いて円偏光を得てもよく、LDなどの偏光光源をλ/4位相差層と組み合わせて用いて円偏光を得てもよい。パターン読み取りの際は、光源の光出射面に直線偏光子を貼付して、照射部として用いるとともに、照射部と光学部材との間に別途λ/4位相差層を配置してもよく、光源の光出射面に直線偏光子およびλ/4位相差層を、光源、直線偏光子およびλ/4位相差層の順になるように配置して照射部として用いてもよい。光源が偏光光源の場合は、光源の光出射面にλ/4位相差層を貼付して、照射部として用いてもよい。
パターン読み取りの際は、上記のコレステリック液晶層を反射層に含む光学部材にパターンが配されるとともに、光学部材が反射する波長の円偏光が光学部材に照射される。
照射のための光源としては、赤外線波長域の光を照射できる光源を用いればよい。光源は赤外線波長域の光を発光できるものであっても、波長変換部材により赤外線波長域の光を照射できるように調整されているものでもよい。光源としては、ハロゲンランプ、タングステンランプ、LED、LD、キセノンランプ、メタハラランプなどはいずれも使用できるが、小型、発光指向性、単色光、パルス変調適性の点でLEDまたはLDが好ましい。
円偏光を照射するため、光源とともに、直線偏光子、λ/4位相差層、またはコレステリック液晶層を含む円偏光板等を組み合わせて用い、光学部材への光照射に用いてもよい。例えば、LEDなどの非偏光光源を直線偏光子とλ/4位相差層と組み合わせて用いて円偏光を得てもよく、LEDなどの非偏光光源の出射光を円偏光板と組み合わせて用いて円偏光を得てもよく、LDなどの偏光光源をλ/4位相差層と組み合わせて用いて円偏光を得てもよい。パターン読み取りの際は、光源の光出射面に直線偏光子を貼付して、照射部として用いるとともに、照射部と光学部材との間に別途λ/4位相差層を配置してもよく、光源の光出射面に直線偏光子およびλ/4位相差層を、光源、直線偏光子およびλ/4位相差層の順になるように配置して照射部として用いてもよい。光源が偏光光源の場合は、光源の光出射面にλ/4位相差層を貼付して、照射部として用いてもよい。
(直線偏光板)
直線偏光板としては、赤外線波長域の非偏光を直線偏光に変換する機能を有する直線偏光子を含む直線偏光板を用いればよい。
直線偏光子は、反射型直線偏光子と吸収型直線偏光子がある。
反射型直線偏光子としては、例えば(i)多層構造の直線偏光反射板、(ii)複屈折の異なる薄膜を積層した偏光子、(iii)ワイヤーグリッド型偏光子、(iv)偏光プリズム、(v)散乱異方性型偏光板、などが挙げられる。
直線偏光板としては、赤外線波長域の非偏光を直線偏光に変換する機能を有する直線偏光子を含む直線偏光板を用いればよい。
直線偏光子は、反射型直線偏光子と吸収型直線偏光子がある。
反射型直線偏光子としては、例えば(i)多層構造の直線偏光反射板、(ii)複屈折の異なる薄膜を積層した偏光子、(iii)ワイヤーグリッド型偏光子、(iv)偏光プリズム、(v)散乱異方性型偏光板、などが挙げられる。
(i)多層構造の直線偏光反射板としては、互いに屈折率の異なる誘電体薄膜を複数層積層してなるものが挙げられる。波長選択反射膜とするためには、高屈折率の誘電体薄膜と低屈折率の誘電体薄膜とを交互に複数層積層することが好ましいが、2種以上に限定されず、それ以上の種類であっても構わない。
積層数は、2層〜20層が好ましく、2層〜12層がより好ましく、4層〜10層が更に好ましく、6層〜8層が特に好ましい。積層数が20層を超えると、多層蒸着により生産効率性が低下することがある。
積層数は、2層〜20層が好ましく、2層〜12層がより好ましく、4層〜10層が更に好ましく、6層〜8層が特に好ましい。積層数が20層を超えると、多層蒸着により生産効率性が低下することがある。
誘電体薄膜の積層順については、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、隣接する膜の屈折率が高い場合にはそれより低い屈折率の膜を最初に積層する。その逆に隣接する層の屈折率が低い場合にはそれより高い屈折率の膜を最初に積層する。屈折率が高いか低いかの境目は1.8である。なお、屈折率が高いか低いかは絶対的なものではなく、高屈折率の材料の中でも、相対的に屈折率の大きいものと小さいものとが存在してもよく、これらを交互に使用しても構わない。
高屈折率の誘電体薄膜の材料としては、例えば、Sb2O3、Sb2S3、Bi2O3、CeO2、CeF3、HfO2、La2O3、Nd2O3、Pr6O11、Sc2O3、SiO、Ta2O5、TiO2、TlCl、Y2O3、ZnSe、ZnS、ZrO2、などが挙げられる。これらの中でも、Bi2O3、CeO2、CeF3、HfO2、SiO、Ta2O5、TiO2、Y2O3、ZnSe、ZnS、ZrO2が好ましく、これらの中でも、SiO、Ta2O5、TiO2、Y2O3、ZnSe、ZnS、ZrO2が特に好ましい。
低屈折率の誘電体薄膜の材料としては、例えば、Al2O3、BiF3、CaF2、LaF3、PbCl2、PbF2、LiF、MgF2、MgO、NdF3、SiO2、Si2O3、NaF、ThO2、ThF4、などが挙げられる。これらの中でも、Al2O3、BiF3、CaF2、MgF2、MgO、SiO2、Si2O3が好ましく、Al2O3、CaF2、MgF2、MgO、SiO2、Si2O3が特に好ましい。
なお、誘電体薄膜の材料においては、原子比についても特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、成膜時に雰囲気ガス濃度を変えることにより、原子比を調整することができる。
なお、誘電体薄膜の材料においては、原子比についても特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、成膜時に雰囲気ガス濃度を変えることにより、原子比を調整することができる。
誘電体薄膜の成膜方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、イオンプレーティング、イオンビーム等の真空蒸着法、スパッタリング等の物理的気相成長法(PVD法)、化学的気相成長法(CVD法)、などが挙げられる。これらの中でも、真空蒸着法、スパッタリング法が好ましく、スパッタリング法が特に好ましい。
スパッタリング法としては、成膜レートの高いDCスパッタリング法が好ましい。なお、DCスパッタリング法においては、導電性が高い材料を用いることが好ましい。
また、スパッタリング法により多層成膜する方法としては、例えば、(1)1つのチャンバで複数のターゲットから交互または順番に成膜する1チャンバ法、(2)複数のチャンバで連続的に成膜するマルチチャンバ法とがある。これらの中でも、生産性および材料コンタミネーションを防ぐ観点から、マルチチャンバ法が特に好ましい。
誘電体薄膜の膜厚としては、光学波長オーダーで、λ/16〜λの膜厚が好ましく、λ/8〜3λ/4がより好ましく、λ/6〜3λ/8がより好ましい。
スパッタリング法としては、成膜レートの高いDCスパッタリング法が好ましい。なお、DCスパッタリング法においては、導電性が高い材料を用いることが好ましい。
また、スパッタリング法により多層成膜する方法としては、例えば、(1)1つのチャンバで複数のターゲットから交互または順番に成膜する1チャンバ法、(2)複数のチャンバで連続的に成膜するマルチチャンバ法とがある。これらの中でも、生産性および材料コンタミネーションを防ぐ観点から、マルチチャンバ法が特に好ましい。
誘電体薄膜の膜厚としては、光学波長オーダーで、λ/16〜λの膜厚が好ましく、λ/8〜3λ/4がより好ましく、λ/6〜3λ/8がより好ましい。
誘電体蒸着層中を伝播する光は、誘電体薄膜毎に光の一部が反射し、多重反射となる。それらの反射光が干渉して誘電体薄膜の厚みと光に対する膜の屈折率との積で決まる波長の光のみが選択的に透過される。また、誘電体蒸着層の中心透過波長は入射光に対して角度依存性を有しており、入射光を変化させると透過波長を変えることができる。
(ii)複屈折の異なる薄膜を積層した偏光子としては、例えば特表平9−506837号公報などに記載されたものを用いることができる。
具体的には、屈折率関係を得るために選ばれた条件下で加工すると、広く様々な材料を用いて、偏光子を形成できる。一般に、第一の材料の一つが、選ばれた方向において、第二の材料とは異なる屈折率を有することが必要である。この屈折率の違いは、フィルムの形成中、またはフィルムの形成後の延伸、押出成形、或いはコーティングを含む様々な方法で達成できる。更に、2つの材料が同時押出することができるように、類似のレオロジー特性(例えば、溶融粘度)を有することが好ましい。
複屈折の異なる薄膜を積層した偏光子としては、市販品を用いることができ、市販品としては、例えば、3M社製の商品名:DBEFなどが挙げられる。
具体的には、屈折率関係を得るために選ばれた条件下で加工すると、広く様々な材料を用いて、偏光子を形成できる。一般に、第一の材料の一つが、選ばれた方向において、第二の材料とは異なる屈折率を有することが必要である。この屈折率の違いは、フィルムの形成中、またはフィルムの形成後の延伸、押出成形、或いはコーティングを含む様々な方法で達成できる。更に、2つの材料が同時押出することができるように、類似のレオロジー特性(例えば、溶融粘度)を有することが好ましい。
複屈折の異なる薄膜を積層した偏光子としては、市販品を用いることができ、市販品としては、例えば、3M社製の商品名:DBEFなどが挙げられる。
(iii)ワイヤーグリッド型偏光子は、金属細線の複屈折によって、偏光の一方を透過し、他方を反射させる偏光子である。
ワイヤーグリッド偏光子は、金属ワイヤーを周期的に配列したもので、テラヘルツ波帯域で主に偏光子として用いられる。ワイヤーグリッドが偏光子として機能するためには,ワイヤー間隔が入射電磁波の波長よりも十分小さいことが必要となる。
ワイヤーグリッド偏光子では、金属ワイヤーが等間隔に配列されている。金属ワイヤーの長手方向と平行な偏光方向の偏光成分はワイヤーグリッド偏光子において反射され、垂直な偏光方向の偏光成分はワイヤーグリッド偏光子を透過する。
ワイヤーグリッド型偏光子としては、市販品を用いることができ、市販品としては、例えば、エドモンドオプティクス社製のワイヤーグリッド偏光フィルタ50×50、NT46−636などが挙げられる。
ワイヤーグリッド偏光子は、金属ワイヤーを周期的に配列したもので、テラヘルツ波帯域で主に偏光子として用いられる。ワイヤーグリッドが偏光子として機能するためには,ワイヤー間隔が入射電磁波の波長よりも十分小さいことが必要となる。
ワイヤーグリッド偏光子では、金属ワイヤーが等間隔に配列されている。金属ワイヤーの長手方向と平行な偏光方向の偏光成分はワイヤーグリッド偏光子において反射され、垂直な偏光方向の偏光成分はワイヤーグリッド偏光子を透過する。
ワイヤーグリッド型偏光子としては、市販品を用いることができ、市販品としては、例えば、エドモンドオプティクス社製のワイヤーグリッド偏光フィルタ50×50、NT46−636などが挙げられる。
吸収型直線偏光子としては、例えば(i)形状異方性のある金属ナノ粒子を配列固定した偏光子、(ii)二色性色素を配列固定した偏光子などが挙げられる。
(i)形状異方性のある金属ナノ粒子を配列固定した偏光子は、アスペクト比が大きなハロゲン化銀粒子や、銀粒子を配向しそれを固定したものである。この偏光板は粒子の配列方向に電界振動面を有する光を吸収し、それに直交する方向の光を透過する吸収型の直線偏光板である。これに属するものとして特開昭59−83951号公報、特開平2−248341号公報、特開2003−139951号公報にあるものを用いることができる。
(i)形状異方性のある金属ナノ粒子を配列固定した偏光子は、アスペクト比が大きなハロゲン化銀粒子や、銀粒子を配向しそれを固定したものである。この偏光板は粒子の配列方向に電界振動面を有する光を吸収し、それに直交する方向の光を透過する吸収型の直線偏光板である。これに属するものとして特開昭59−83951号公報、特開平2−248341号公報、特開2003−139951号公報にあるものを用いることができる。
(ii)二色性色素を配列固定した偏光子としては、PVA(ポリビニルアルコール)にヨウ素を吸着もしくは2色性染料をドーピングさせ延伸した偏光フィルムなどをあげることができる。赤外領域において偏光子とする場合、これを部分脱水してポリビニレンとして用いることができる。この偏光板は延伸方法に電界振動面を有する光を吸収し、それに直交する方向の光を透過する。
これは、PVAのフィルムをヨウ素/ヨウ化物などの染色性組成物槽中に通してPVA層の染色を行ったのち4〜6倍の倍率で延伸することによって二色性色素の配向を得ることができる。PVAのポリビニレンへの変換は米国特許第2.445,555号に記載されているような塩酸蒸気法で行うことができる。またこの偏光用材料の安定性を改善するために、ホウ酸とボラツクスを含有する水性ボレート化浴を使用してボレート化することも行われる。市販のエドモンド・オプティクス・ジャパン株式会社製の近赤外用直線偏光フィルムを、これに相当するものとしてあげることができる。
直線偏光分離層の厚さは、0.05μm〜300μmが好ましく、0.2μm〜150μmがより好ましく、0.5μm〜100μmが更に好ましい。
これは、PVAのフィルムをヨウ素/ヨウ化物などの染色性組成物槽中に通してPVA層の染色を行ったのち4〜6倍の倍率で延伸することによって二色性色素の配向を得ることができる。PVAのポリビニレンへの変換は米国特許第2.445,555号に記載されているような塩酸蒸気法で行うことができる。またこの偏光用材料の安定性を改善するために、ホウ酸とボラツクスを含有する水性ボレート化浴を使用してボレート化することも行われる。市販のエドモンド・オプティクス・ジャパン株式会社製の近赤外用直線偏光フィルムを、これに相当するものとしてあげることができる。
直線偏光分離層の厚さは、0.05μm〜300μmが好ましく、0.2μm〜150μmがより好ましく、0.5μm〜100μmが更に好ましい。
(λ/4波長板)
λ/4波長板の正面位相差は、赤外線波長域の1/4の長さ、または「中心波長*n±中心波長の1/4(nは整数)」であればよい。特に反射フィルムの反射波長、または光源の発光波長の中心波長の1/4の長さなどであればよい。例えば、光源の発光中心波長が1000nmであれば、250nm、750nm、1250nm、1750nmなどの位相差であることが好ましい。また位相差の光入射角度の依存性は小さいほど好ましく、中心波長の1/4の長さの位相差を持つ位相差板がこの点において最も好ましい。
なお、正面位相差はKOBRA 21ADHまたはWR(王子計測機器(株)製)において赤外線波長域内の波長の光をフィルム法線方向に入射させて測定することができる。測定波長の選択にあたっては、波長選択フィルターをマニュアルで交換するか、または測定値をプログラム等で変換して測定することができる。
λ/4波長板の正面位相差は、赤外線波長域の1/4の長さ、または「中心波長*n±中心波長の1/4(nは整数)」であればよい。特に反射フィルムの反射波長、または光源の発光波長の中心波長の1/4の長さなどであればよい。例えば、光源の発光中心波長が1000nmであれば、250nm、750nm、1250nm、1750nmなどの位相差であることが好ましい。また位相差の光入射角度の依存性は小さいほど好ましく、中心波長の1/4の長さの位相差を持つ位相差板がこの点において最も好ましい。
なお、正面位相差はKOBRA 21ADHまたはWR(王子計測機器(株)製)において赤外線波長域内の波長の光をフィルム法線方向に入射させて測定することができる。測定波長の選択にあたっては、波長選択フィルターをマニュアルで交換するか、または測定値をプログラム等で変換して測定することができる。
λ/4波長板としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、延伸されたポリカーボネートフィルム、延伸されたノルボルネン系ポリマーフィルム、炭酸ストロンチウムのような複屈折を有する無機粒子を含有して配向させた透明フィルム、支持体上に無機誘電体を斜め蒸着した薄膜などが挙げられる。また、λ/4波長板としては、例えば、(1)特開平5−27118号公報、および特開平5−27119号公報に記載された、レターデーションが大きい複屈折性フィルムと、レターデーションが小さい複屈折性フィルムとを、それらの光軸が直交するように積層させた位相差板、(2)特開平10−68816号公報に記載された、特定波長においてλ/4波長となっているポリマーフィルムと、それと同一材料からなり同じ波長においてλ/2波長となっているポリマーフィルムとを積層させて、広い波長領域でλ/4波長が得られる位相差板、(2)特開平10−90521号公報に記載された、二枚のポリマーフィルムを積層することにより広い波長領域でλ/4波長を達成できる位相差板、(3)国際公開第00/26705号パンフレットに記載された変性ポリカーボネートフィルムを用いた広い波長領域でλ/4波長を達成できる位相差板、(4)国際公開第00/65384号パンフレットに記載されたセルロースアセテートフィルムを用いた広い波長領域でλ/4波長を達成できる位相差板、などが挙げられる。
このようなλ/4波長板としては、市販品を用いることができ、市販品としては、例えば商品名:ピュアエース WR(帝人株式会社製)などが挙げられる。
λ/4層の厚さは、0.2μm〜300μmが好ましく、0.5μm〜150μmがより好ましく、1μm〜80μmがさらに好ましい。
このようなλ/4波長板としては、市販品を用いることができ、市販品としては、例えば商品名:ピュアエース WR(帝人株式会社製)などが挙げられる。
λ/4層の厚さは、0.2μm〜300μmが好ましく、0.5μm〜150μmがより好ましく、1μm〜80μmがさらに好ましい。
λ/4波長板は、直線偏光子の透過軸に対し、λ/4波長板の光軸が45度となるように配置して用いればよい。
λ/4波長板は、光学部材に含まれていてもよい。光学部材がλ/4波長板を含む場合、円偏光反射層に対して情報提示層側の最外面に含まれていればよい。
λ/4波長板は、光学部材に含まれていてもよい。光学部材がλ/4波長板を含む場合、円偏光反射層に対して情報提示層側の最外面に含まれていればよい。
(撮像素子)
パターン読み取りにおいて、パターン由来の光情報を反映した光学部材からの光は、撮像素子において、赤外線センサーにより検知され、読み取られたパターンの一部が撮像されていればよい。
赤外線センサーの例として、Si、Ge、HgCdTe、PtSi、InSb、PbSなどの半導体を使用したフォトダイオード型センサーや光検出素子を線状に配列した検出器や画像を取り込めるCCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor)が挙げられる。
撮像素子はさらに得られた像を拡大するためのレンズ、光学部材からの光以外の光を遮断するためのフィルター、赤外線波長域以外の光が赤外線センサーに入射しないようにするためのフィルターなどを含んでいてもよい。
また、撮像素子は、直線偏光子を含んでいてもよく、直線偏光子およびλ/4波長板を、赤外線センサー、直線偏光子およびλ/4波長板がこの順となるように含んでいてもよい。すなわち、赤外線センサーが直線偏光を検知するように構成されていてもよい。撮像素子が、直線偏光子のみを含む場合は、直線偏光子に入射する光がλ/4波長板を経由する構成とすればよい。光学部材の反射層からの円偏光のみが検知されるように直線偏光子の透過軸の方向とλ/4波長板の光軸の方向を調整することにより、外光や光学部材表面からの反射光の影響の少ない撮像を行うことができる。
パターン読み取りにおいて、パターン由来の光情報を反映した光学部材からの光は、撮像素子において、赤外線センサーにより検知され、読み取られたパターンの一部が撮像されていればよい。
赤外線センサーの例として、Si、Ge、HgCdTe、PtSi、InSb、PbSなどの半導体を使用したフォトダイオード型センサーや光検出素子を線状に配列した検出器や画像を取り込めるCCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor)が挙げられる。
撮像素子はさらに得られた像を拡大するためのレンズ、光学部材からの光以外の光を遮断するためのフィルター、赤外線波長域以外の光が赤外線センサーに入射しないようにするためのフィルターなどを含んでいてもよい。
また、撮像素子は、直線偏光子を含んでいてもよく、直線偏光子およびλ/4波長板を、赤外線センサー、直線偏光子およびλ/4波長板がこの順となるように含んでいてもよい。すなわち、赤外線センサーが直線偏光を検知するように構成されていてもよい。撮像素子が、直線偏光子のみを含む場合は、直線偏光子に入射する光がλ/4波長板を経由する構成とすればよい。光学部材の反射層からの円偏光のみが検知されるように直線偏光子の透過軸の方向とλ/4波長板の光軸の方向を調整することにより、外光や光学部材表面からの反射光の影響の少ない撮像を行うことができる。
(読み取り装置)
光源を含む照射部と撮像素子が一体化して読み取り装置を形成していてもよい。読み取り装置は、さらに、撮像映像を処理するためのプロセッサ、光照射を調節するための光制御部などを含んでいてもよい。読み取り装置は、例えばペン型であることが好ましく、ペン型のスキャナとして用いることのできる形態となっていることが好ましい。具体的構成としては、例えば特開2014‐98943号公報の図69(a)を参照することができる。
読み取り装置は、直線偏光子を含んでいてもよい。直線偏光子は、光源から見て照射側、かつ、赤外線センサーからみて光入射側に設けられていればよい。読み取り装置は直線偏光子およびλ/4波長板を含んでいてもよい。直線偏光子およびλ/4波長板を含む場合は、光源、直線偏光子、および1/4波長板がこの順であり、かつ、センサー、直線偏光子、および1/4波長板がこの順であるように設けられていればよい。照射部と、撮像素子が一体化した読み取り装置において、直線偏光子または直線偏光子およびλ/4波長板を設けることにより、光学部材の反射層からの円偏光を検知するための位置合わせが不要となる。
光源を含む照射部と撮像素子が一体化して読み取り装置を形成していてもよい。読み取り装置は、さらに、撮像映像を処理するためのプロセッサ、光照射を調節するための光制御部などを含んでいてもよい。読み取り装置は、例えばペン型であることが好ましく、ペン型のスキャナとして用いることのできる形態となっていることが好ましい。具体的構成としては、例えば特開2014‐98943号公報の図69(a)を参照することができる。
読み取り装置は、直線偏光子を含んでいてもよい。直線偏光子は、光源から見て照射側、かつ、赤外線センサーからみて光入射側に設けられていればよい。読み取り装置は直線偏光子およびλ/4波長板を含んでいてもよい。直線偏光子およびλ/4波長板を含む場合は、光源、直線偏光子、および1/4波長板がこの順であり、かつ、センサー、直線偏光子、および1/4波長板がこの順であるように設けられていればよい。照射部と、撮像素子が一体化した読み取り装置において、直線偏光子または直線偏光子およびλ/4波長板を設けることにより、光学部材の反射層からの円偏光を検知するための位置合わせが不要となる。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、試薬、物質量とその割合、操作等は本発明の趣旨から逸脱しない限り適宜変更することができる。従って、本発明の範囲は以下の実施例に限定されるものではない。
以下、本発明の方法およびシステムに用いることができる光学部材の作製方法を例示する。
[反射フィルム1の作製]
東洋紡株式会社製コスモシャインA−4300(厚み75μm)の片面に、表2に示す塗布液Bを乾燥後の乾膜の厚みが8μmになるように室温にてワイヤーバーを用いて塗布した。塗布層を室温にて30秒間乾燥させた後、85℃の雰囲気で2分間加熱し、その後30℃でフュージョン製Dバルブ(ランプ90mW/cm)にて出力60%で6〜12秒間UV照射しアクリル層を得た。上記で得られたアクリル層上にラビング処理を施さずに表1に示す塗布液A−1を乾燥後の乾膜の厚みが5μmになるように室温にて塗布した。得られた塗布膜を上記と同様に乾燥、加熱、UV照射を行い、液晶層を作製し、反射フィルム1を得た。
東洋紡株式会社製コスモシャインA−4300(厚み75μm)の片面に、表2に示す塗布液Bを乾燥後の乾膜の厚みが8μmになるように室温にてワイヤーバーを用いて塗布した。塗布層を室温にて30秒間乾燥させた後、85℃の雰囲気で2分間加熱し、その後30℃でフュージョン製Dバルブ(ランプ90mW/cm)にて出力60%で6〜12秒間UV照射しアクリル層を得た。上記で得られたアクリル層上にラビング処理を施さずに表1に示す塗布液A−1を乾燥後の乾膜の厚みが5μmになるように室温にて塗布した。得られた塗布膜を上記と同様に乾燥、加熱、UV照射を行い、液晶層を作製し、反射フィルム1を得た。
[反射フィルム2の作製]
東洋紡株式会社製コスモシャインA−4100(厚み75μm)の易接着処理していないPET面上にラビング処理を施し、表1に示す塗布液A−1を乾燥後の乾膜の厚みが5μmになるように室温にて塗布した。塗布層を室温にて30秒間乾燥させた後、85℃の雰囲気で2分間加熱し、その後30℃でフュージョン製Dバルブ(ランプ90mW/cm)にて出力60%で6〜12秒間UV照射し、液晶層を作製し、反射フィルム2を得た。
東洋紡株式会社製コスモシャインA−4100(厚み75μm)の易接着処理していないPET面上にラビング処理を施し、表1に示す塗布液A−1を乾燥後の乾膜の厚みが5μmになるように室温にて塗布した。塗布層を室温にて30秒間乾燥させた後、85℃の雰囲気で2分間加熱し、その後30℃でフュージョン製Dバルブ(ランプ90mW/cm)にて出力60%で6〜12秒間UV照射し、液晶層を作製し、反射フィルム2を得た。
フィルム評価方法
JASCO製の分光光度計V−670を用い、作製した反射フィルム1,2の透過スペクトルを測定した。得られた透過スペクトルを図1に示す。反射フィルム1においては、波長850nmを中心波長とし、半値幅が117nmとなる反射を示す透過率の減少が見られた。反射フィルム2においては、波長850nmを中心波長とし、半値幅が100nmとなる反射を示す透過率の減少が見られた。
JASCO製の分光光度計V−670を用い、作製した反射フィルム1,2の透過スペクトルを測定した。得られた透過スペクトルを図1に示す。反射フィルム1においては、波長850nmを中心波長とし、半値幅が117nmとなる反射を示す透過率の減少が見られた。反射フィルム2においては、波長850nmを中心波長とし、半値幅が100nmとなる反射を示す透過率の減少が見られた。
JASCO製の分光光度計V−670を用い反射フィルムの各物性値を求めた。正反射率は絶対反射率測定ユニットARV474S型を組み合わせて、反射の全角度測定値(全反射率)は積分球ユニットISN723型を組み合わせて測定した。正反射率は入射角5°での測定値である。拡散反射率は上記の全角度測定値から正反射率を差し引いて算出した。正反射率および全反射率は波長850nmの光を用いて測定した。
直透過率、直透過率は入射角0°での測定値であり、波長380〜780nmの非偏光の直透過率は、測定した380〜780nmの透過率を平均して算出した。
直透過率、直透過率は入射角0°での測定値であり、波長380〜780nmの非偏光の直透過率は、測定した380〜780nmの透過率を平均して算出した。
ヘイズ値は日本電色工業株式会社製のヘーズメーターNDH−2000を用いて測定した。
結果は以下の通りであった。
(反射フィルム1)
正反射率(850nm):11.0%
拡散反射率(850nm):35.6%
波長380〜780nmの非偏光の直透過率:85.5%
ヘイズ値:2.2%
(反射フィルム2)
正反射率(850nm):44.0%
拡散反射率(850nm):0.4%
波長380〜780nmの非偏光の直透過率:88.3%
ヘイズ値:0.63%
結果は以下の通りであった。
(反射フィルム1)
正反射率(850nm):11.0%
拡散反射率(850nm):35.6%
波長380〜780nmの非偏光の直透過率:85.5%
ヘイズ値:2.2%
(反射フィルム2)
正反射率(850nm):44.0%
拡散反射率(850nm):0.4%
波長380〜780nmの非偏光の直透過率:88.3%
ヘイズ値:0.63%
情報提示層の形成
上記で作製した反射フィルム1〜4それぞれの東洋紡株式会社製コスモシャインA−4300(厚み75μm)の、未塗布側にカーボンインキを塗布した。塗布面にYVO4レーザー(波長1064nm)ビーム径10μmの赤外光を照射して、予めデザインしたドットパターンを印字蒸発にて形成した。すなわち、デザインしたドットパターンに従って、カーボンインキを除去して情報提示層を形成し、光学部材1〜4を得た。
上記で作製した反射フィルム1〜4それぞれの東洋紡株式会社製コスモシャインA−4300(厚み75μm)の、未塗布側にカーボンインキを塗布した。塗布面にYVO4レーザー(波長1064nm)ビーム径10μmの赤外光を照射して、予めデザインしたドットパターンを印字蒸発にて形成した。すなわち、デザインしたドットパターンに従って、カーボンインキを除去して情報提示層を形成し、光学部材1〜4を得た。
11 コレステリック液晶層の最表面
101 最表面の螺旋軸の傾き
101 最表面の螺旋軸の傾き
Claims (27)
- 光吸収材料または光反射材料で形成されたパターンの一部に光照射することにより前記パターンの一部を読み取る方法であって、
前記パターンが光学部材に含まれ、
前記光学部材は、前記パターンを有する情報提示層と反射層とを含み、
前記反射層は、
右円偏光を選択反射する右円偏光反射層および左円偏光を選択反射する左円偏光反射層からなる群より選択されるいずれか一方の円偏光反射層を含み、
前記円偏光反射層は、コレステリック液晶相を固定した層を含み、
前記円偏光反射層は、前記照射光に対し選択反射を示し、かつ前記選択反射を示す波長域の非偏光に対して、右円偏光または左円偏光のいずれか一方のセンスの円偏光を選択的に反射する反射波長を有し、
前記反射波長は赤外線波長域にあり、
前記パターンは、前記反射波長の光を吸収または反射する材料で形成されたパターンであり、
前記方法は、前記反射層が選択的に反射するセンスかつ波長の円偏光を、前記光学部材に、情報提示層側から照射すること、および
照射により得られる光学部材の反射光を検知して前記パターンの一部を撮像することを含む方法。 - 反射光を直線偏光に変換して検知する請求項1に記載の方法。
- 前記の円偏光の照射を、光源、直線偏光子、λ/4位相差板、前記光学部材をこの順で配置して行う請求項1または2に記載の方法。
- 前記撮像のための撮像素子、前記直線偏光子、前記λ/4位相差板、前記光学部材をこの順で配置して、前記撮像を行う請求項3に記載の方法。
- 前記反射層の前記反射波長の非偏光に対する拡散反射率が25%以上である請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
- 前記反射層の前記反射波長における非偏光に対する正反射率が20%超であり、かつ前記反射層の前記反射波長における非偏光に対する拡散反射率が25%未満である請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
- 光吸収材料または光反射材料で形成されたパターンの一部に光照射することにより前記パターンの一部を読み取るシステムであって、
前記システムは、前記パターンを含む光学部材と照射部と撮像素子とを含み、
前記光学部材は、前記パターンを有する情報提示層と反射層とを含み、
前記反射層は、右円偏光を選択反射する右円偏光反射層および左円偏光を選択反射する左円偏光反射層からなる群より選択されるいずれか一方の円偏光反射層を含み、
前記円偏光反射層はコレステリック液晶相を固定した層を含み、
前記円偏光反射層は、前記照射される光に対し選択反射を示し、前記選択反射を示す波長域の非偏光に対して、右円偏光または左円偏光のいずれか一方のセンスの円偏光を選択的に反射する反射波長を有し、
前記反射波長は赤外線波長域にあり、
前記パターンは、前記反射波長の光を吸収または反射する材料で形成されたパターンであり、
前記撮像素子は、前記反射波長の赤外線を検知できるセンサーを含み、
前記照射部は前記反射波長の赤外線を出射できる光源を含み、
前記照射部は直線偏光を出射可能であり、
前記システムは、1/4波長板を、前記光源と前記光学部材との間に含むシステム。 - 前記照射部が、光源と直線偏光子とを含み、
前記光源、前記直線偏光子、および前記1/4波長板がこの順で配置されている請求項7に記載のシステム。 - 前記照射部が前記撮像素子と一体化し、
前記センサー、前記直線偏光子、および前記1/4波長板がこの順で配置されている請求項8に記載のシステム。 - 前記光学部材が前記1/4波長板を含み、
前記1/4波長板、前記情報提示層、および前記反射層がこの順で配置されている、請求項7または8に記載のシステム。 - 前記円偏光反射層が、液晶化合物、キラル剤、および水平配向剤を含む液晶組成物から形成された層である請求項7〜10のいずれか一項に記載のシステム。
- 前記反射層が、
前記円偏光反射層が選択反射を示す波長域において
非偏光に対する拡散反射率が25%以上となる反射波長を有する請求項7〜11のいずれか一項に記載のシステム。 - 非偏光可視光の直透過率が50%以上であって、ヘイズ値が5%以下である請求項12に記載のシステム。
- 前記反射層の前記反射波長において非偏光に対する正反射率が15%以下である請求項13に記載のシステム。
- 前記円偏光反射層が、液晶化合物、キラル剤、および水平配向剤を含む液晶組成物から形成された層であり、
前記円偏光反射層の最表面の液晶分子の面内配向方位がランダムである請求項12〜14のいずれか一項に記載のシステム。 - 前記円偏光反射層の少なくとも一方の最表面でコステリック液晶相の螺旋軸の傾きを有し、
前記の螺旋軸の傾きはそれぞれ面内で変化しており、
前記螺旋軸の傾きの最大値が20°以下である請求項12〜15のいずれか一項に記載の反射フィルム。 - 前記反射層が透明層を含み、
前記透明層と前記円偏光反射層とが直接接している請求項12〜16のいずれか一項に記載のシステム。 - 前記円偏光反射層が前記透明層の表面に直接塗布された液晶組成物から形成されている請求項17に記載のシステム。
- 前記透明層が(メタ)アクリレートモノマーを含む非液晶性組成物を塗布硬化して得られた層である請求項17または18に記載の光学部材。
- 前記反射層が基材を含み、
前記反射層が、前記基材、前記透明層、前記円偏光反射層を、この順に含む請求項17〜19のいずれか一項に記載のシステム。 - 前記反射波長の非偏光に対する前記反射層の正反射率が20%超であり、かつ
前記反射波長の非偏光に対する拡散反射率が25%未満である請求項7〜11のいずれか一項に記載のシステム。 - 前非偏光可視光の直透過率が50%以上であって、ヘイズ値が2%以下である請求項21に記載のシステム。
- 光吸収材料または光反射材料で形成されたパターンの一部に光照射することにより前記パターンの一部を読み取るための読み取り装置であって、
光源と1/4波長板と撮像素子とを含み、
前記光源および前記1/4波長板がこの順で配置されている読み取り装置。 - 光吸収材料または光反射材料で形成されたパターンの一部に光照射することにより前記パターンの一部を読み取るための読み取り装置であって、
光源と直線偏光子と1/4波長板と撮像素子とを含み、
前記光源、前記直線偏光子、および前記1/4波長板がこの順で配置されている読み取り装置。 - 前記撮像素子、前記直線偏光子、および前記1/4波長板がこの順で配置されている請求項24に記載の読み取り装置。
- 反射層と情報提示層を含む光学部材であって、
前記反射層は、
右円偏光を選択反射する右円偏光反射層および左円偏光を選択反射する左円偏光反射層からなる群より選択される1つ以上の円偏光反射層を含み、
円偏光反射層はコレステリック液晶相を固定した層を含み、
前記円偏光反射層が選択反射を示す波長域において
非偏光に対する拡散反射率が25%以上となる反射波長を有し、
前記反射波長が赤外線波長域にあり、
前記情報提示層は、前記反射波長の光を吸収または反射する材料のパターンを有し、
前記光学部材は前記反射波長に対する1/4波長板を含み、
前記反射層と前記情報提示層と前記1/4波長板とをこの順で含む光学部材。 - 反射層と情報提示層を含む光学部材であって、
前記反射層は、
右円偏光を選択反射する右円偏光反射層および左円偏光を選択反射する左円偏光反射層からなる群から選択される1つ以上の円偏光反射層を含み、
円偏光反射層はコレステリック液晶相を固定した層を含み、
前記円偏光反射層が選択反射を示す波長域において
非偏光に対する正反射率が20%超となる反射波長を有し、
前記反射波長の非偏光に対する拡散反射率が50%未満であり、
前記反射波長が赤外線波長域にあり、
前記情報提示層は、前記反射波長の光を吸収または反射する材料のパターンを有し、
前記光学部材は前記反射波長に対する1/4波長板を含み、
前記反射層と前記情報提示層と前記1/4波長板とをこの順で含む光学部材。
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