JP6254769B2 - 円偏光分離フィルムおよび円偏光分離フィルムの製造方法、ならびに赤外線センサー - Google Patents

円偏光分離フィルムおよび円偏光分離フィルムの製造方法、ならびに赤外線センサー Download PDF

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本発明は、円偏光分離フィルムおよび円偏光分離フィルムの製造方法、ならびに赤外線センサーに関する。
赤外領域における偏光を利用した検知システムが従来から知られている。例えば、特許文献1では、シリコン基板に第一の直線偏光フィルターを介した偏光赤外光を照射し、シリコン基板からの反射光もしくは透過光を第二の直線偏光フィルターを介して受光するシステムで、シリコン基板のクラックを検出している。この技術は、すなわち、クラックが存在しない箇所の反射光もしくは透過光は直線偏光であり第二の直線偏光フィルターを介すると特定の条件を満たすとき以外は感知できる光量が減少するが、クラックでの反射光もしくは透過光においては乱反射によって第二の直線偏光フィルターを介しても感知できる光が生じることを利用したものである。特許文献2では、赤外光を利用してヒトの手や物体を検知する自動水栓装置において、投光する赤外光の直線偏光成分を透過する第一の偏光手段と、受光する赤外光の直線偏光成分を透過させる第二の偏光手段を用いて誤検知を防止した装置が開示されている。
特許文献3では、特許文献1の技術において円偏光を利用した技術が開示されている。円偏光の利用によって、第二の直線偏光フィルターの偏光方向の調整の必要性が排除されている。
特開2008−58270号公報 特開2003−96850号公報 特開2013−36888号公報
赤外光波長域における偏光を利用した検知システムは、様々な光環境で利用される可能性がある。本発明は、赤外光波長域における偏光を利用した検知システムにおいて、周囲環境に関わらず感度が高く、誤検知を少なくすることを課題とする。より詳しくは、本発明はこのようなシステムに利用可能なフィルムの提供を課題とするものである。
本発明者らは、上記課題の解決のため、赤外線波長域における偏光を利用した検知システムの検討を行った。そして、赤外線を感知する受光素子を有するセンサーを用いて検知を行う場合であっても受光素子が可視光領域の光も検知して誤検知を招いている場合があることを見出した。本発明者らは、この知見に基づきさらに研究を重ね、本発明を完成させた。すなわち、本発明は下記の[1]〜[15]を提供するものである。
[1]近赤外光波長域の少なくとも一部において右円偏光または左円偏光のいずれか一方を選択的に透過させる円偏光分離フィルムであって、可視光波長域の少なくとも一部において光を反射する可視光反射層と近赤外光波長域の少なくとも一部において右円偏光または左円偏光のいずれか一方を選択的に透過させる円偏光分離層とを含む円偏光分離フィルム。
[2]前記の近赤外光波長域の少なくとも一部が波長800〜1500nmの50nm幅以上の波長域であり、かつ前記の可視光波長域の少なくとも一部が波長380〜780nmの50nm幅以上の波長域である[1]に記載の円偏光分離フィルム。
[3]波長380〜780nmの領域の平均光透過率が5%以下であり、かつ、波長800〜1500nmの範囲の50nm幅以上の領域において、右または左円偏光のいずれか一方の光透過率が10%以下であり他方の円偏光の光透過率が90%以上である[1]または[2]に記載の円偏光分離フィルム。
[4]前記可視光反射層が、コレステリック液晶相を固定した層であるか、または誘電体多層膜である[1]〜[3]のいずれか一項に記載の円偏光分離フィルム。
[5]前記円偏光分離層がコレステリック液晶相を固定した層である[1]〜[4]のいずれか一項に記載の円偏光分離フィルム。
[6]前記円偏光分離層が、直線偏光分離層と波長800〜1500nmの50nm以上の範囲で位相差(Re)が200〜375nmである層とを含む[1]〜[4]のいずれか一項に記載の円偏光分離フィルム。
[7][1]〜[5]のいずれか一項に記載の円偏光分離フィルムの製造方法であって、前記円偏光分離層が以下(1)〜(3)を含む方法により形成される方法:
(1)重合性液晶化合物およびキラル剤を含む液晶組成物を基材に塗布すること、
(2)(1)において基板上に塗布された液晶組成物を乾燥させてコレステリック液晶相を形成すること、
(3)加熱または光照射により前記コレステリック液晶相を固定すること。
[8][7]に記載の円偏光分離フィルムの製造方法であって、前記円偏光分離層が以下(1´)〜(3´)を含む方法により形成される方法:
(1´)重合性液晶化合物およびキラル剤を含む液晶組成物を前記(3)で得られる前記コレステリック液晶相を固定した層の表面に直接塗布すること、
(2´)(1´)において基板上に塗布された液晶組成物を乾燥させてコレステリック液晶相を形成すること、
(3´)加熱または光照射により(2´)で形成された前記コレステリック液晶相を固定すること。
[9]前記(1)の重合性液晶化合物およびキラル剤と前記(1´)の重合性液晶化合物およびキラル剤がそれぞれ同一である[8]に記載の製造方法。
[10][7]〜[9]のいずれか一項に記載の製造方法であって、
(4)前記コレステリック液晶相を固定した層の表面に、接着剤を用いて可視光反射層を貼り合わせること、
を含む製造方法。
[11][7]〜[9]のいずれか一項に記載の製造方法であって、
(14)前記基材の表面に、可視光反射層を接着剤を用いて貼り合わせること
を含む製造方法。
[12][1]〜[5]のいずれか一項に記載の円偏光分離フィルムの製造方法であって、前記円偏光分離層が以下(21)〜(23)を含む方法により形成される方法:
(21)重合性液晶化合物およびキラル剤を含む液晶組成物を可視光反射層上に塗布すること、
(22)(21)において前記可視光反射層上に塗布された液晶組成物を乾燥させてコレステリック液晶相を形成すること、
(23)加熱または光照射により前記コレステリック液晶相を固定すること。
[13][12]に記載の円偏光分離フィルムの製造方法であって、前記円偏光分離層が以下(21´)〜(23´)を含む方法により形成される方法:
(21´)重合性液晶化合物およびキラル剤を含む液晶組成物を、前記(23)で得られる前記コレステリック液晶相を固定した層の表面に直接塗布すること、
(22´)(21´)において基板上に塗布された液晶組成物を乾燥させてコレステリック液晶相を形成すること、
(23´)加熱または光照射により(22´)で形成された前記コレステリック液晶相を固定すること。
[14]前記(21)の重合性液晶化合物およびキラル剤と前記(21´)の重合性液晶化合物およびキラル剤がそれぞれ同一である[13]に記載の製造方法。
[15][1]〜[5]のいずれか一項に記載の円偏光分離フィルムと、前記円偏光分離フィルムが右円偏光または左円偏光のいずれか一方を選択的に透過させる波長の光を検出できる受光素子とを含む赤外線センサー。
本発明により、赤外線を利用した検知システムにおいて利用可能である円偏光分離フィルムが提供される。本発明の円偏光分離フィルムを用いて周囲環境に関わらず感度が高くて誤検知の少ない検知システム、または赤外線センサーの提供が可能である。
実施例で用いた、フィルム、光源、受光素子、鏡の配置を模式的に示す図である。
以下、本発明を詳細に説明する。
なお、本明細書において「〜」とはその前後に記載される数値を下限値および上限値として含む意味で使用される。
本明細書において、円偏光につき「選択的」というときは、照射される光の右円偏光成分または左円偏光成分のいずれかの光量が、他方の円偏光成分よりも多いことを意味する。具体的には「選択的」というとき、光の円偏光度は、0.3以上であることが好ましく、0.6以上がより好ましく、0.8以上がさらに好ましい。実質的に1.0であることがさらに好ましい。 ここで、円偏光度とは、光の右円偏光成分の強度をIR、左円偏光成分の強度をILとしたとき、|IR−IL|/(IR+IL)で表される値である。光の円偏光成分の比を表すため、本明細書においては、円偏光度を用いることがある。
本明細書において、円偏光につき「センス」というときは、右円偏光であるか、または左円偏光であるかを意味する。円偏光のセンスは、光が手前に向かって進んでくるように眺めた場合に電場ベクトルの先端が時間の増加に従って時計回りに回る場合が右円偏光であり、反時計回りに回る場合が左円偏光であるとして定義される。
本明細書においては、コレステリック液晶の螺旋の捩れ方向について「センス」との用語を用いることもある。コレステリック液晶による選択反射は、コレステリック液晶の螺旋の捩れ方向(センス)が右の場合は右円偏光を反射し、左円偏光を透過し、センスが左の場合は左円偏光を反射し、右円偏光を透過する。
可視光線は電磁波のうち、ヒトの目で見える波長の光であり、380nm〜780nmの波長域の光を示す。
赤外線(赤外光)は可視光線より長く電波より短い波長域電磁波である。近赤外光とは一般的に700nm〜2500nmの波長域の電磁波である。近赤外光としては、780nm〜1500nm、または800nm〜1500nmの波長域が好ましい。典型的には、赤外線カメラ、赤外線光電センサー、または赤外線通信などで用いられている近赤外光の波長域に対応する波長域であればよい。
本明細書において、光透過率の算出に関連して必要である光強度の測定は、例えば通常の可視、近赤外スペクトルメータを用い、リファレンスを空気として、測定したものであればよい。
なお、光の各波長の偏光状態は、円偏光板を装着した分光放射輝度計またはスペクトルメータを用いて測定することができる。この場合、右円偏光板を通して測定した光の強度がIR、左円偏光板を通して測定した光の強度がILに相当する。また、白熱電球、水銀灯、蛍光灯、LED等の通常光源は、ほぼ自然光を発しているが、これらに装着して偏光状態制御部材の偏光を作り出す特性は、例えば、AXOMETRICS社製の偏光位相差解析装置AxoScanなどを用いて測定することができる。
また、照度計や光スペクトルメータに、円偏光板を取り付けても測定することができる。右円偏光透過板をつけ、右円偏光量を測定、左円偏光透過板をつけ、左円偏光量を測定することにより、比率を測定できる。
(円偏光分離フィルムの光学的性質)
本発明の円偏光分離フィルムは、近赤外光波長域の少なくとも一部において右円偏光または左円偏光のいずれか一方を選択的に透過させるフィルムである。本発明の円偏光分離フィルムは、片側面から入射した特定の近赤外光波長域の光(自然光、非偏光)を右円偏光および左円偏光に分離し、いずれか一方を選択的に他側面側に透過させることができることが好ましい。このとき他方の円偏光は反射していても吸収していてもよい。
本発明の円偏光分離フィルムは、いずれの面から入射した光に対しても右円偏光または左円偏光のいずれか一方を選択的に透過させるものであってもよく、いずれか一方の面から入射した光に対してのみ右円偏光または左円偏光のいずれか一方を選択的に透過させ、他側面から入射した光に対してはそのような同様の選択的透過を示さないものであってもよい。また、本発明の円偏光分離フィルムは、いずれの面から入射した光であっても右円偏光および左円偏光に分離していずれか一方を選択的に他側面側に透過していてもよく、いずれか一方の面から入射した光についてのみ右円偏光および左円偏光に分離し、いずれか一方を選択的に他側面側に透過させ、他側面から入射した光に対してはそのような円偏光分離を示さないものであってもよい。
本発明の円偏光分離フィルムは、波長800〜1500nmの範囲の50nm幅以上の領域において右または左円偏光のいずれか一方を入射させたときの入射光と同一センスの円偏光の光透過率{(透過した円偏光の光強度)/(入射円偏光の光強度)×100}が、70%以上、80%以上、90%以上、95%以上、99%以上、好ましくは実質的に100%であればよい。同時に上記と同一の波長域において、他方のセンスの円偏光を入射させたときの入射光と同一センスの円偏光の光透過率{(透過した円偏光の光強度)/(入射させた円偏光の光強度)×100}が30%以下、20%以下、10%以下、5%以下、1%以下、好ましくは実質的に0%であればよい。
本発明の円偏光分離フィルムは、可視光波長域において低い光透過率を有していることが好ましい。通常は自然光(非偏光)の透過率が低い構成であればよく、円偏光および/または直線偏光の透過率も低いことが好ましい。また、可視光波長域の一部において光の透過率が低くてもよく、可視光波長域の全域において光の透過率が低くてもよい。具体的には、380nm〜780nmの波長域の平均光透過率が50%以下、40%以下、30%以下、20%以下、10%以下、または5%以下等であればよい。
可視光波長域において光の透過率が低いことにより、本発明の円偏光分離フィルムを、赤外線センサーと組み合わせて用いると、センサーに到達するセンシングに不必要な光(センシングに障害になる光)を大幅に減らすことができ、S/N比を高め、センサーが検出する最低の光強度を下げることができる。
本発明の円偏光分離フィルムは可視光波長域の少なくとも一部において光を反射する可視光反射層と近赤外光波長域の少なくとも一部において右円偏光または左円偏光のいずれか一方を選択的に透過させる円偏光分離層とを含む。本発明の円偏光分離フィルムは必要に応じて他の層を含んでいてもよい。以下、各層について説明する。
(可視光反射層)
本発明の円偏光分離フィルムは、可視光波長域の少なくとも一部において光を反射する可視光反射層を含む。可視光反射層は、自然光を反射することが好ましい。また、非偏光、円偏光、直線偏光のいずれも反射することが好ましい。可視光反射層は、特定の可視光波長域の光がフィルムを透過しないようにさせる光遮断層として機能できる。本発明の円偏光分離フィルムは、主に、可視光反射層により可視光波長域での低い光透過率を達成していればよい。光遮断のために光を反射させることにより、フィルムの温度上昇もないため、フィルム耐久性が上がり、フィルム性能が維持しやすい。また、可視光反射層は通常、鏡のような外観を有し、フィルムの外観にも好影響を与え、センサー部品として用いられる場合にも人の目に触れる部分に使用しやすくなる。
可視光反射層が光を反射する可視光波長域の少なくとも一部は380nm〜780nmの波長域にあればよい。可視光波長域の少なくとも一部の波長域幅は、10nm以上、20nm以上、30nm以上、40nm以上、または50nm以上等であればよい。可視光反射層が光を反射する可視光波長域は、円偏光分離フィルムと組み合わせて用いられるセンサー(受光素子)においてセンシングに不必要な光(センシングに障害になる光)が検出されやすい波長域を含んでいることが好ましい。また、円偏光分離フィルムと組み合わせて用いられる光源の発光波長等に応じて定められる所望の近赤外光波長域以外の光の波長域を含んでいることも好ましい。可視光波長域の少なくとも一部は380nm〜750nmの波長域の50%以上、60%以上、70%以上、80%以上、または90%以上であってもよく、実質的に100%であってもよい。
円偏光分離フィルムが赤外線を用いた検知システムに用いられる場合、可視光反射層は、使用するセンサー(受光素子)の検出波長域を除く波長域の少なくとも一部で光反射性が高いものであればよい。また、使用する光源、通常は赤外線光源、の発光波長領域を除く少なくとも一部で光反射性が高いものであればよい。一般に受光素子(光検出器)として使用されるシリコンフォトダイオードは、使用環境中に最も多く存在しノイズの主因となる可視光領域にまで感度を有するため、可視光反射層は、この可視光領域を中心に反射するものが好ましい。また、可視光反射層は、円偏光分離層が右円偏光または左円偏光のいずれか一方を選択的に透過させる近赤外光波長域の光を実質的に反射または吸収しないことが好ましい。
可視光反射層の厚さは、2μm〜500μmが好ましく、5μm〜300μmがより好ましく、10μm〜150μmが更に好ましい。
可視光反射層の例としては、誘電体多層膜およびコレステリック液晶相を固定した層などがあげられる。
(誘電体多層膜)
誘電体多層膜は、無機酸化物や有機高分子材料の屈折率の異なる透明誘電性の層を相互に多層積層したものである。これらの透明誘電体層の少なくともいずれか一層は、厚み(d)と透明誘電体層の屈折率(n)との積(n×d)が、反射させるべき光の波長(λ)の4分の1になる様にして構成され、反射の中心波長がλで誘電体層の屈折率の差に対応して決まる反射の帯域幅の領域の光を反射することができる。通常の材料の組み合わせでは、一つの周期の誘電体多層膜で可視光領域全体を反射することは困難であるため、n×dの値を変えた反射光の中心波長が異なるものを幾種類か積層することで反射の帯域幅を広げるなど調整することができる。上記透明誘電体層は、使用する赤外光波長域において透過性であれば特に限定されない。
通常、誘電体多層膜中の無機酸化物としてはTiO2、SiO2、Ta25などを好適に用いることができる。無機酸化物の層は、例えば、ガラス、耐熱性高分子フィルムの表面にスパッタ法などで形成することができる。一方、有機高分子材料の例としては、ポリカーボネート、アクリル樹脂、ポリエステル、エポキシ樹脂、ポリウレタン、ポリアミド、ポリオレフィン、シリコーン(シリコーンポリウレア等の変性シリコーンを含む)等があげられ、特表平9−507308号公報等に開示された方法に準じて製造することができる。
(コレステリック液晶相を固定した層:可視光反射層)
コレステリック液晶相は、右円偏光または左円偏光のいずれか一方を選択的に反射させるとともに他方の円偏光を透過する円偏光選択反射を示すことが知られている。円偏光選択反射性を示すコレステリック液晶化合物やコレステリック液晶化合物から形成されたフィルムは従来から数多く知られており、本発明の円偏光分離フィルムにおいてコレステリック液晶相を固定した層を用いる場合には、それらの従来技術を参照することができる。
コレステリック液晶相を固定した層とは、コレステリック液晶相となっている液晶化合物の配向が保持されている層であればよく、典型的には、重合性液晶化合物をコレステリック液晶相の配向状態としたうえで、紫外線照射、加熱等によって重合、硬化し、流動性が無い層を形成して、同時に、また外場や外力によって配向形態に変化を生じさせることない状態に変化した層であればよい。なお、コレステリック液晶相を固定した層においては、コレステリック液晶相の光学的性質が層中において保持されていれば十分であり、該層中の液晶性化合物はもはや液晶性を示していなくてもよい。例えば、重合性液晶化合物は、硬化反応により高分子量化して、もはや液晶性を失っていてもよい。
本明細書において前記コレステリック液晶相を固定した層をコレステリック液晶層または液晶層ということがある。
前記コレステリック液晶相を固定した層は、コレステリック液晶の螺旋構造に由来した円偏光反射を示す。その反射の中心波長λは、コレステリック相における螺旋構造のピッチ長P(=螺旋の周期)に依存し、コレステリック液晶層の平均屈折率nとλ=n×Pの関係に従う。そのため、この螺旋構造のピッチ長を調節することによって、円偏光反射を示す波長を調整できる。すなわち、可視光波長域の少なくとも一部において光を反射する可視光反射層の形成のためには、n値とP値を調節して中心波長λが380nm〜780nmの波長域となるようにすればよい。コレステリック液晶相のピッチ長は重合性液晶化合物とともに用いるキラル剤の種類、またはその添加濃度に依存するため、これらを調整することによって所望のピッチ長を得ることができる。なお、螺旋のセンスやピッチの測定法については「液晶化学実験入門」日本液晶学会編 シグマ出版2007年出版、46p、および「液晶便覧」液晶便覧編集委員会 丸善 196pに記載の方法を用いることができる。
また、コレステリック液晶層の反射円偏光のセンスは螺旋のセンスに一致する。
反射波長での反射率は、コレステリック液晶層が厚いほど高くなるが、通常の液晶材料では可視光の波長域では2〜8μmの厚みで飽和し、また片側の円偏光のみに対しての反射であるため反射率は最大で50%である。円偏光のセンスに関わらず光反射し、自然光の反射率を50%以上とするために、可視光反射層としては、周期Pが同じで、螺旋のセンスが右のコレステリック液晶層と左のコレステリック液晶層とが積層されたもの、または、周期Pが同じで、同じ螺旋のセンスのコレステリック液晶層と、その間に配される前記コレステリック液晶層の円偏光反射の中心波長に対して半波長の位相差を有する位相差膜とからなる積層体を用いることができる。
また、選択反射(円偏光反射)帯の半値幅は、Δλが液晶化合物の複屈折Δnと上記ピッチ長Pに依存し、Δλ=Δn×Pの関係に従う。そのため、選択反射帯の幅の制御は、Δnを調整して行うことができる。Δnの調整は重合性液晶化合物の種類やその混合比率を調整したり、配向固定時の温度を制御したりすることで行うことができる。
円偏光反射波長域の幅は可視光領域においては、通常の材料では50nm〜100nmであるため、周期Pを変えた反射光の中心波長が異なるコレステリック液晶層を幾種類か積層することで反射の帯域幅を広げることができる。また、1つのコレステリック液晶層内において、周期Pを膜厚方向に対して緩やかに変化させることで反射の帯域を広げることもできる。
コレステリック液晶層の具体的な作製材料および作製方法については後述する。
(円偏光分離層)
本発明の円偏光分離フィルムは、近赤外光波長域の少なくとも一部において右円偏光または左円偏光のいずれか一方を選択的に透過させる円偏光分離層を含む。本発明の円偏光分離フィルムは円偏光分離層の右円偏光または左円偏光のいずれか一方を選択的に透過させる機能が他の層によって喪失しないように円偏光分離層を含むことにより、近赤外光波長域の少なくとも一部において右円偏光または左円偏光のいずれか一方を選択的に透過させる機能を有する。すなわち、例えば、本発明の円偏光分離フィルムは、特定の近赤外光波長域において右円偏光または左円偏光のいずれか一方を選択的に透過させる円偏光分離層とともに同一の波長域で同一のセンスの円偏光を反射する円偏光分離層を同時に含むことにより、または対応する近赤外光波長域において、光(自然光)を反射または吸収する層を含むことにより、右円偏光または左円偏光のいずれか一方を選択的に透過させる個々の円偏光分離層の機能が相殺されていないことが好ましい。
円偏光分離層が右円偏光または左円偏光のいずれか一方を選択的に透過させる近赤外光波長域は、780nm〜1500nm、好ましくは800nm〜1500nmにあればよく、その波長域幅は、5nm以上、10nm以上、20nm以上、30nm以上、40nm以上、または50nm以上であればよい。円偏光分離層が右円偏光または左円偏光のいずれか一方を選択的に透過させる近赤外光波長域は、円偏光分離フィルムの使用形態と合わせて、例えばセンシングに必要な光の波長を含んでいればよく、800nm〜1500nmの波長域の50%以上、60%以上、70%以上、80%以上、または90%以上であってもよく、実質的に100%であってもよい。
円偏光分離層は、右円偏光または左円偏光のいずれか一方を選択的に透過させる波長域以外の光については、透過させていても、反射していても、吸収していてもよい。また、 円偏光分離層は右円偏光または左円偏光のいずれか一方を選択的に透過させるとともに、他方の円偏光を反射していてもよく、吸収していてもよい。
円偏光分離層としては、例えば、前記コレステリック液晶相を固定した層、または直線偏光分離層とλ/4位相差層とを含む積層体からなる層を用いることができる。
(コレステリック液晶相を固定した層:円偏光分離層)
円偏光分離層としては、上述のようなコレステリック液晶相を固定した層を用いることができる。ただし、円偏光分離層として用いられるコレステリック液晶層は近赤外光波長域の少なくとも一部において右円偏光または左円偏光のいずれか一方を選択的に透過(反射)するように、上述の、n値とP値を調節して中心波長λが780nm〜1500nm、好ましくは800nm〜1500nmの波長域となるようにすればよい。
円偏光分離層としては、螺旋のセンスが右または左のいずれかであるコレステリック液晶層を用いればよく、特定の波長で円偏光選択性を高くするためなどの目的のために積層する際には、周期Pが同じで、同じ螺旋のセンスのコレステリック液晶層を複数積層すればよい。この際は、後述の方法で形成された先のコレステリック液晶層の表面に直接、重合性液晶化合物等を含む液晶組成物を塗布し、配向および固定の工程を繰り返すことが好ましい。このような工程により、先に形成したコレステリック層の空気界面側の液晶分子の配向方位と、その上に形成するコレステリック液晶層の下側の液晶分子の配向方位が一致し、円偏光分離層の偏光特性が良好となる。
また、可視光反射層にコレステリック液晶層を用いる場合と同様に、または選択反射(透過)帯域幅を広げるため複数層を積層してもよいが、その際は同じ螺旋のセンスのコレステリック液晶層を積層することが好ましい。
コレステリック液晶層は、いずれの面から入射した光に対しても右円偏光または左円偏光のいずれか一方を選択的に透過させ、かついずれの面から入射した光であっても右円偏光および左円偏光に分離していずれか一方を選択的に他側面側に透過させることができる。
コレステリック液晶層の作製材料、および作製方法については後述する。
(直線偏光分離層とλ/4位相差層とを含む積層体)
直線偏光分離層とλ/4位相差層とを含む積層体からなる円偏光分離層では、直線偏光分離層の面から入射する光は、反射もしくは吸収によって直線偏光に変換され、その後、λ/4位相差層を通過することによって右または左の円偏光に変換される。一方、λ/4位相差層からの光入射の場合、いずれの偏光状態の光でも最後に通過する直線偏光分離層によって直線偏光となるが、特に入射光が円偏光の場合はλ/4位相差層によって直線偏光層の透過軸に平行または直交する直線偏光に変換されるので、入射円偏光センスの識別に利用するためにはλ/4位相差層側から光を入射することが好ましく、出射円偏光を利用する場合には、直線偏光分離層側から光を入射することが好ましい。
直線偏光分離層としては、直線偏光子を用いることができ、赤外線領域の光に対応した偏光子であればよい。
(直線偏光子)
好適に用いることができる赤外線直線偏光子としては、屈折性を有し屈折率の異なる樹脂を多層積層し、延伸により厚みと位相差値を制御した多層誘電体反射偏光子、多数の平行導体線配列(グリット)により構成されたグリット偏光子、形状異方性のある金属ナノ粒子を配列固定した偏光子、二色性色素を配列固定した偏光子などがあげられる。これらはいずれも薄層状、フィルム状、 あるいは板状に形成することが容易であり、円偏光分離層を形成する工程において、後述のシート状の位相差層を単に貼り合せて形成できる。または、赤外線直線偏光子上に直接、位相差層形成のための組成物を塗布することにより位相差層を形成してすることができ、より薄膜の円偏光分離層の作製が可能である。
多層誘電体反射偏光子は、面内透過軸に平行な振動方向の光のみを透過し、それ以外の光を反射可能な偏光フィルムである。この様なフィルムとして、特表平9−507308号公報等に開示された多層フィルムをあげることができる。これは、フィルム面内に複屈折性のない透明誘電体層1からなる層と面内に複屈折性を有する透明誘電体層2からなる層を交互に多層積層したものであり、透明誘電体層1の屈折率を透明誘電体層2の常光屈折率または異常光屈折率のいずれかに一致するように形成したものである。さらにこれらの透明誘電体層の少なくともいずれか一方は、厚み(d)と透明誘電体層の屈折率(n)との積(n×d)が、反射させるべき光の波長の4分の1になる様にして構成される。上記透明誘電体層の形成のための材料は、使用する赤外線波長において光透過性の材料であればよく、例としてはポリカーボネート、アクリル樹脂、ポリエステル、エポキシ樹脂、ポリウレタン、ポリアミド、ポリオレフィン、セルロース誘導体、シリコーン(シリコーンポリウレア等の変性シリコーンを含む)等があげられる。
グリット偏光子は、使用する赤外線波長において光透過性の高分子フィルム、ガラス基板やケイ素(Si)基板の片面にアルミや銀、または金などの良導体薄膜からなるサブミクロンピッチ(入射光の波長より短いピッチ)の多数の平行導体線配列構造(グリット)を設けたものであり、特開2002−328234号公報等に開示された偏光子をあげることができる。この偏光子は入射光のうちグリットに対して平行な偏光成分は反射し、垂直な偏光成分は透過することによって、偏光子として機能する。 必要に応じてこれをガラスで挟んだり反射防止層を設けたりすることができる。
形状異方性のある金属ナノ粒子を配列固定した偏光子は、アスペクト比が大きなハロゲン化銀粒子や、銀粒子を配向しそれを固定したものである。この偏光板は粒子の配列方向に電界振動面を有する赤外光を吸収し、それに直交する方向の赤外光を透過する吸収型の直線偏光板である。これに属するものとして特開昭59−83951号公報、特開平2−248341号公報、特開2003−139951号公報にあるものを用いることができる。
二色性色素を配列固定した偏光子としては、PVA(ポリビニルアルコール)にヨウ素を吸着もしくは2色性染料をドーピングさせ延伸しポリビニレンとした赤外偏光フィルムなどをあげることができる。この偏光板は延伸方法に電界振動面を有する赤外光を吸収し、それに直交する方向の赤外光を透過する。
これは、PVAのフィルムをヨウ素/ヨウ化物などの染色性組成物槽中に通してPVA層の染色を行ったのち4〜6倍の倍率で延伸することによって二色性色素の配向を得ることができる。PVAのポリビニレンへの変換は米国特許第2.445,555号に記載されているような塩酸蒸気法で行うことができる。またこの偏光用材料の安定性を改善するために、ホウ酸とボラツクスを含有する水性ボレート化浴を使用してボレート化することも行われる。市販のエドモンド・オプティクス・ジャパン株式会社製の近赤外用直線偏光フィルムを、これに相当するものとしてあげることができる。
直線偏光分離層の厚さは、0.05μm〜300μmが好ましく、0.2μm〜150μmがより好ましく、0.5μm〜100μmが更に好ましい。
(λ/4位相差層)
位相差板の面内遅相軸は 上記偏光板の吸収軸もしくは透過軸から45°回転させた方位に設置する。赤外線光源としてLEDやレーザーなどの単色光光源を用いる場合には、位相差板の正面位相差は 光源の発光波長の中心波長の1/4の長さ、または「中心波長*n±中心波長の1/4(nは整数)」であることが望ましく、例えば、光源の発光中心波長が1000nmであれば、250nm、750nm、1250nm、1750nmなどの位相差であることが好ましい。また位相差の光入射角度の依存性は小さいほど好ましく、中心波長の1/4の長さの位相差を持つ位相差板がこの点において最も好ましい。
本発明の円偏光分離フィルムを用いた検知システムにおいて、赤外線光源として発光波長が異なる多種の光源を組み合わせて用いたり、発光強度のピークが二波長以上の光源や発光が広い波長範囲に及ぶ光源を用いたりする場合などにおいて、円偏光選択性を示す波長域を広くしたい場合が考えられる。そのような場合にも、上述の位相差板を用いることができるが、広帯域の位相差板を用いることがより好ましい。広帯域の位相差板とは広い波長範囲にわたって位相差角度が一定となる位相差板で、この例としては、複屈折率の波長分散が互いに異なる位相差層をその遅相軸を直交させることで広帯域とした積層位相差板、この原理を分子レベルで用い複屈折率の波長分散が互いに異なる置換基をその配列軸を直交させて配向形成した高分子フィルム、使用波長域の波長(λ)に対して位相差がλ/2の層とλ/4の層を互いの遅相軸を60度に交差して積層した位相差板などをあげることができる。
上記位相差板の材料の例としては、結晶性のガラスや無機物の結晶や、ポリカーボネート、アクリル樹脂、ポリエステル、エポキシ樹脂、ポリウレタン、ポリアミド、ポリオレフィン、セルロース誘導体、シリコーン(シリコーンポリウレア等の変性シリコーンを含む)等のポリマーや 重合性液晶化合物、高分子液晶化合物を配列させて固定したものをあげることができる。
λ/4層の厚さは、0.2μm〜300μmが好ましく、0.5μm〜150μmがより好ましく、1μm〜80μmが更に好ましい。
(コレステリック液晶相を固定した層の作製方法)
以下、可視光反射層または円偏光分離層に用いることができるコレステリック液晶層の作製材料および作製方法について説明する。
上記コレステリック液晶層の形成に用いる材料としては、重合性液晶化合物とキラル剤(光学活性化合物)とを含む液晶組成物などがあげられる。必要に応じてさらに界面活性剤や重合開始剤などと混合して溶剤などに溶解した上記液晶組成物を、基材(支持体、配向膜、下層となるコレステリック液晶層など)に塗布し、コレステリック配向熟成後、固定化してコレステリック液晶層を形成することができる。
重合性液晶化合物
重合性液晶化合物は、棒状液晶化合物であっても、円盤状液晶化合物であってもよいが、棒状液晶化合物であることが好ましい。
コレステリック液晶層を形成する棒状の重合性液晶化合物の例としては、棒状ネマチック液晶化合物があげられる。前記棒状ネマチック液晶化合物としては、アゾメチン類、アゾキシ類、シアノビフェニル類、シアノフェニルエステル類、安息香酸エステル類、シクロヘキサンカルボン酸フェニルエステル類、シアノフェニルシクロヘキサン類、シアノ置換フェニルピリミジン類、アルコキシ置換フェニルピリミジン類、フェニルジオキサン類、トラン類およびアルケニルシクロヘキシルベンゾニトリル類が好ましく用いられる。低分子液晶化合物だけではなく、高分子液晶化合物も用いることができる。
重合性コレステリック液晶化合物は、重合性基をコレステリック液晶化合物に導入することで得られる。重合性基の例には、不飽和重合性基、エポキシ基、およびアジリジニル基が含まれ、不飽和重合性基が好ましく、エチレン性不飽和重合性基が特に好ましい。重合性基は種々の方法で、コレステリック液晶化合物の分子中に導入できる。重合性コレステリック液晶化合物が有する重合性基の個数は、好ましくは1〜6個、より好ましくは1〜3個である。重合性コレステリック液晶化合物の例は、Makromol.Chem.,190巻、2255頁(1989年)、Advanced Materials 5巻、107頁(1993年)、米国特許第4683327号明細書、同5622648号明細書、同5770107号明細書、国際公開WO95/22586号公報、同95/24455号公報、同97/00600号公報、同98/23580号公報、同98/52905号公報、特開平1−272551号公報、同6−16616号公報、同7−110469号公報、同11−80081号公報、および特開2001−328973号公報などに記載の化合物が含まれる。2種類以上の重合性コレステリック液晶化合物を併用してもよい。2種類以上の重合性コレステリック液晶化合物を併用すると、配向温度を低下させることができる。
また、液晶組成物中の重合性液晶化合物の添加量は、液晶組成物の固形分質量(溶媒を除いた質量)に対して、10〜60質量%であることが好ましく、20〜50質量%であることがより好ましく、30〜40質量%であることが特に好ましい。
キラル剤(光学活性化合物)
キラル剤はコレステリック液晶相の螺旋構造を誘起する機能を有する。キラル化合物は、化合物によって誘起する螺旋のセンスまたは螺旋ピッチが異なるため、目的に応じて選択すればよい。
キラル剤としては、特に制限はなく、公知の化合物(例えば、液晶デバイスハンドブック、第3章4−3項、TN、STN用カイラル剤、199頁、日本学術振興会第142委員会編、1989に記載)、イソソルビド、イソマンニド誘導体を用いることができる。
キラル剤は、一般に不斉炭素原子を含むが、不斉炭素原子を含まない軸性不斉化合物あるいは面性不斉化合物もキラル剤として用いることができる。軸性不斉化合物または面性不斉化合物の例には、ビナフチル、ヘリセン、パラシクロファンおよびこれらの誘導体が含まれる。前記キラル剤は、重合性基を有していてもよい。キラル剤と硬化性コレステリック液晶化合物が重合性基を有する場合は、重合性キラル剤と重合性コレステリック液晶化合物との重合反応により、コレステリック液晶化合物から誘導される繰り返し単位と、キラル剤から誘導される繰り返し単位とを有するポリマーを形成することができる。この態様では、重合性キラル剤が有する重合性基は、重合性コレステリック液晶化合物が有する重合性基と、同種の基であることが好ましい。従って、キラル剤の重合性基も、不飽和重合性基、エポキシ基またはアジリジニル基であることが好ましく、不飽和重合性基であることがさらに好ましく、エチレン性不飽和重合性基であることが特に好ましい。
また、前記キラル剤は、液晶化合物であってもよい。
キラル剤が光異性化基を有する場合には、塗布、配向後に活性光線などのフォトマスク照射によって、発光波長に対応した所望の反射波長のパターンを形成することができるので好ましい。前記光異性化基としては、フォトクロッミック性を示す化合物の異性化部位、アゾ、アゾキシ、シンナモイル基が好ましい。具体的な化合物として、特開2002−80478号公報、特開2002−80851号公報、特開2002−179668号公報、特開2002−179669号公報、特開2002−179670号公報、特開2002−179681号公報、特開2002−179682号公報、特開2002−338575号公報、特開2002−338668号公報、特開2003−313189号公報、特開2003−313292号公報に記載の化合物を用いることができる。
液晶組成物における、キラル剤の含有量は、重合性液晶性化合物量の0.01モル%〜200モル%が好ましく、1モル%〜30モル%がより好ましい。
重合開始剤
液晶組成物は、重合開始剤を含有していることが好ましい。紫外線照射により重合反応を進行させる態様では、使用する重合開始剤は、紫外線照射によって重合反応を開始可能な光重合開始剤であることが好ましい。光重合開始剤の例には、α−カルボニル化合物(米国特許第2367661号、同2367670号の各明細書記載)、アシロインエーテル(米国特許第2448828号明細書記載)、α−炭化水素置換芳香族アシロイン化合物(米国特許第2722512号明細書記載)、多核キノン化合物(米国特許第3046127号、同2951758号の各明細書記載)、トリアリールイミダゾールダイマーとp−アミノフェニルケトンとの組み合わせ(米国特許第3549367号明細書記載)、アクリジンおよびフェナジン化合物(特開昭60−105667号公報、米国特許第4239850号明細書記載)およびオキサジアゾール化合物(米国特許第4212970号明細書記載)等があげられる。
液晶組成物中の光重合開始剤の含有量は、重合性液晶化合物の含有量に対して0.1〜20質量%であることが好ましく、0.5質量%〜5質量%であることがさらに好ましい。
架橋剤
液晶組成物は、硬化後の膜強度向上、耐久性向上のため、任意に架橋剤を含有していてもよい。前記架橋剤としては、紫外線、熱、湿気等で硬化するものが好適に使用できる。
架橋剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えばトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート等の多官能アクリレート化合物;グリシジル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジグリシジルエーテル等のエポキシ化合物;2,2−ビスヒドロキシメチルブタノール−トリス[3−(1−アジリジニル)プロピオネート]、4,4−ビス(エチレンイミノカルボニルアミノ)ジフェニルメタン等のアジリジン化合物;ヘキサメチレンジイソシアネート、ビウレット型イソシアネート等のイソシアネート化合物;オキサゾリン基を側鎖に有するポリオキサゾリン化合物;ビニルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)3−アミノプロピルトリメトキシシラン等のアルコキシシラン化合物などがあげられる。また、前記架橋剤の反応性に応じて公知の触媒を用いることができ、膜強度および耐久性向上に加えて生産性を向上させることができる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
架橋剤の含有量は、3質量%〜20質量%が好ましく、5質量%〜15質量%がより好ましい。前記架橋剤の含有量が、3質量%未満であると、架橋密度向上の効果が得られないことがあり、20質量%を超えると、コレステリック層の安定性を低下させてしまうことがある。
配向制御剤
液晶組成物中には、安定的にまたは迅速にプレーナー配向のコレステリック液晶層とするために寄与する配向制御剤を添加してもよい。配向制御剤の例としては特開2007−272185号公報の段落〔0018〕〜〔0043〕等に記載のフッ素(メタ)アクリレート系ポリマー、特開2012−203237号公報の段落〔0031〕〜〔0034〕等に記載の式(I)〜(IV)で表される化合物などがあげられる。
なお、前記配向制御剤としては1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
液晶組成物中における、配向制御剤の添加量は、コレステリック液晶化合物の全質量に対して0.01質量%〜10質量%が好ましく、0.01質量%〜5質量%がより好ましく、0.02質量%〜1質量%が特に好ましい。
その他の添加剤
その他、液晶組成物は、塗膜の表面張力を調整し膜厚を均一にするための界面活性剤、および重合性モノマー等の種々の添加剤から選ばれる少なくとも1種を含有していてもよい。また、前記液晶組成物中には、必要に応じて、さらに重合禁止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定化剤、色材、金属酸化物微粒子等を、光学的性能を低下させない範囲で添加することができる。
コレステリック液晶層は、前記重合性液晶化合物および前記重合開始剤、更に必要に応じて添加される前記キラル剤、前記界面活性剤等を溶媒に溶解させた液晶組成物を、基材上に塗布し、乾燥させて塗膜を得、この塗膜に活性光線を照射してコレステリック液晶性組成物を重合し、コレステリック規則性が固定化されたコレステリック液晶層を形成することができる。なお、複数のコレステリック層からなる積層膜は、コレステリック層の製造工程を繰り返し行うことにより形成することができる。
液晶組成物の調製に使用する溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、有機溶媒が好ましく用いられる。
有機溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えばケトン類、アルキルハライド類、アミド類、スルホキシド類、ヘテロ環化合物、炭化水素類、エステル類、エーテル類、などがあげられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、環境への負荷を考慮した場合にはケトン類が特に好ましい。
基材上への液晶組成物の塗布方法は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ワイヤーバーコーティング法、カーテンコーティング法、押し出しコーティング法、ダイレクトグラビアコーティング法、リバースグラビアコーティング法、ダイコーティング法、スピンコーティング法、ディップコーティング法、スプレーコーティング法、スライドコーティング法などがあげられる。また、別途支持体上に塗設した液晶組成物を基材上へ転写することによっても実施できる。塗布した液晶組成物を加熱することにより、液晶分子を配向させる。加熱温度は、200℃以下が好ましく、130℃以下がより好ましい。この配向処理により、重合性液晶化合物が、フィルム面に対して実質的に垂直な方向に螺旋軸を有するようにねじれ配向している光学薄膜が得られる。
配向させた液晶化合物は、更に重合させればよい。前記重合は、熱重合、光照射による光重合のいずれでもよいが、光重合が好ましい。前記光照射は、紫外線を用いることが好ましい。照射エネルギーは、20mJ/cm2〜50J/cm2が好ましく、100mJ/cm2〜1,500mJ/cm2がより好ましい。光重合反応を促進するため、加熱条件下または窒素雰囲気下で光照射を実施してもよい。照射紫外線波長は350nm〜430nmが好ましい。重合反応率は安定性の観点から、高いほうが好ましく70%以上が好ましく、80%以上がより好ましい。
重合反応率は、重合性の官能基の消費割合を、IR吸収スペクトルを用いて決定することができる。
なお、近赤外波長域での円偏光分離層であるコレステリック液晶層の厚み(複数層積層されている場合は複数層の合計)は、1μm〜150μmが好ましく、2μm〜100μmがより好ましく、5μm〜50μmが更に好ましい。
(その他の層)
本発明の円偏光分離フィルムは、支持体、上記の液晶化合物の配向のための配向層、円偏光分離層と可視光反射層の貼合のための接着層等の他の層を含んでいてもよい。
支持体は特に限定されず、プラスチックフィルムの他、ガラス等を用いてもよい。可視光反射層や円偏光分離層の光学的性質を相殺する性質を有していないことが好ましく、一般的には透明であり、低複屈折性であることが好ましい。プラスチックフィルムの例としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)などのポリエステル、ポリカーボネート、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン、ポリアミド、ポリオレフィン、セルロース誘導体、シリコーンなどがあげられる。上記のコレステリック液晶層の作製のために用いられる支持体は、本発明の円偏光分離フィルムにおいては剥離されていてもよい。
配向膜は、有機化合物、ポリマー(ポリイミド、ポリビニルアルコール、ポリエステル、ポリアリレート、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリアミド、変性ポリアミドなどの樹脂)のラビング処理、無機化合物の斜方蒸着、マイクログルーブを有する層の形成、またはラングミュア・ブロジェット法(LB膜)による有機化合物(例えば、ω−トリコサン酸、ジオクタデシルメチルアンモニウムクロライド、ステアリル酸メチル)の累積のような手段で、設けることができる。更に、電場の付与、磁場の付与または光照射により、配向機能が生じる配向膜も知られている。これらの中でも、ポリマーのラビング処理により形成する配向膜が特に好ましい。前記ラビング処理は、ポリマー層の表面を、紙、布で一定方向に、数回擦ることにより実施することができる。
配向膜を設けずに支持体表面、または支持体をラビング処理した表面に、液晶組成物を塗布してもよい。
接着剤としては硬化方式の観点からホットメルトタイプ、熱硬化タイプ、光硬化タイプ、反応硬化タイプ、硬化の不要な感圧接着タイプがあり、それぞれ素材としてアクリレート系、ウレタン系、ウレタンアクリレート系、エポキシ系、エポキシアクリレート系、ポリオレフィン系、変性オレフィン系、ポリプロピレン系、エチレンビニルアルコール系、塩化ビニル系、クロロプレンゴム系、シアノアクリレート系、ポリアミド系、ポリイミド系、ポリスチレン系、ポリビニルブチラール系などの化合物を使用することができる。作業性、生産性の観点から、硬化方式として光硬化タイプが好ましく、光学的な透明性、耐熱性の観点から、素材はアクリルレート系、ウレタンアクリレート系、エポキシアクリレート系などを使用することが好ましい。
(円偏光分離フィルムの製造方法)
円偏光分離フィルムは上記のように作製できる可視光反射層と円偏光分離層とを接着剤等を用いて貼り合わせることにより作製することができる。貼り合わせる面は特に限定されず、例えば、支持体を有する場合は支持体面側でもよく、その反対側でもよい。両者を貼り合わせた後、支持体は剥離しても、剥離しなくてもよい。円偏光分離層が直線偏光分離層とλ/4位相差層とを含むものである場合は、λ/4位相差層からみて直線偏光分離層側の面に可視光反射層が貼り合わされていることが好ましい。
円偏光分離フィルムは、可視光反射層上に直接、円偏光分離層形成用の組成物を塗布する工程を経て円偏光分離層を形成して作製されていてもよく、円偏光分離層上に直接、可視光反射層形成用の組成物を塗布する工程を経て可視光反射層を形成して作製されていてもよい。
(円偏光分離フィルムの用途)
本発明の円偏光分離フィルムは、赤外線を利用した検知システムにおいて使用することができる。検知のための赤外線(近赤外光波長域の光)として偏光を用いることにより、偏光の透過性に選択性のあるフィルムを介した対象物からの反射光および透過光(散乱光および回折光を含む)の検知において、バックグラウンドとの対比として対象物の光学的性質を反映させることが可能であり、特定の光学的性質を有する対象物の検知が可能となったり、誤作動の少ない検知等が可能となったりする。さらに、例えば本発明の円偏光分離フィルムを用いて、検知のための赤外線(近赤外光波長域の光)を円偏光とし、本発明の円偏光分離フィルムを介した対象物からの反射光および透過光(散乱光および回折光を含む)を検知すると、偏光として直線偏光を用いる場合と比較して偏光検出のためのフィルムの方位の調整が容易になる。
検知の対象物の例としては、透明フィルム、鏡面反射体上のクラック、鏡面反射体上の異物などがあげられる。
本発明の円偏光分離フィルムは、例えば、前記円偏光分離フィルムが右円偏光または左円偏光のいずれか一方を選択的に透過させる波長の光を検出できる受光素子を有するセンサーの部品として用いることができる。例えば、センサーの受光面に本発明の円偏光分離フィルムを配置することができる。
センサーの受光素子としては、Si、Ge、HgCdTe、PtSi、InSb、PbSなどの半導体を使用したフォトダイオード型センサーや光検出素子を線状に配列した検出器や画像を取り込めるCCDやCMOSが含まれる。
本発明の円偏光分離フィルムは前記円偏光分離フィルムが右円偏光または左円偏光のいずれか一方を選択的に透過させる波長の光を発する光源を有する光源装置の部品として用いてもよい。
光源としては、ハロゲンランプ、タングステンランプ、LED、LD、キセノンランプ、メタハラランプなど受光素子の感光波長の光を発光するものであればいずれも使用できるが、小型、発光指向性、単色光、パルス変調適性の点でLEDまたはLDが好ましい。
センサーは受光素子を筐体内部に有し、光取り込み部分に円偏光分離フィルムを配して、円偏光分離フィルムを経由した光以外の光が受光素子に到達しない構成となっていることが好ましい。また、円偏光分離フィルムは円偏光分離層が外側であって可視光反射層が受光素子側となるように配置されていることが好ましい。円偏光分離層が直線偏光分離層とλ/4位相差層とを含むものである場合は、λ/4位相差層が外側であって直線偏光分離層が受光素子側となるように配置することが好ましい。
また、光源装置は光源を筐体内部に有し、光を出射する部分に円偏光分離フィルムを配して、円偏光分離フィルムを経由した光以外の光が光源から出射していない構成となっていることが好ましい。また、円偏光分離フィルムは円偏光分離層が外側であって可視光反射層が光源側となるように配置されていることが好ましい。円偏光分離層が直線偏光分離層とλ/4位相差層とを含むものである場合は、λ/4位相差層外側であって直線偏光分離層が光源側となるように配置することが好ましい。
本発明の円偏光分離フィルムは、実施例で示すように、センサーおよび光源装置とは独立して用いてもよい。この際は、本発明の円偏光分離フィルムを対象物と受光素子との間および/または対象物と光源との間に配して使用すればよい。このとき、上記のセンサーまたは光源装置での説明に準じて、対象物に対するフィルムの向きを調整することができる。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、試薬、物質量とその割合、操作等は本発明の趣旨から逸脱しない限り適宜変更することができる。従って、本発明の範囲は以下の実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
円偏光分離層の作製
ラビング処理を施した富士フイルム製PETのラビング処理面に、表1に示す塗布液A−2を、乾燥後の乾膜の厚みが5μmになるように、室温にてワイヤーバーを用いて塗布した。塗布層を室温にて30秒間乾燥させた後、85℃の雰囲気で2分間加熱し、その後30℃でフュージョン製Dバルブ(ランプ90mW/cm)にて出力60%で6〜12秒間UV照射し液晶層を得た。この液晶層上に表1に示す塗布液A−3を乾燥後の乾膜の厚みが5μmになるように室温にて塗布し、その後上記と同様に乾燥、加熱、UV照射を行い、2層目の液晶層を形成して、円偏光分離層を得た。
可視光反射層の作製
ラビング処理を施した富士フイルム製PETのラビング処理面に、表2に示す塗布液B−1を、乾燥後の乾膜の厚みが2μmになるように室温にてワイヤーバーを用いて塗布した。塗布層を室温にて30秒間乾燥させた後、85℃の雰囲気で2分間加熱し、その後30℃でフュージョン製Dバルブ(ランプ90mW/cm)にて出力60%で6〜12秒間UV照射し液晶層を得た。この液晶層上に表2に示す塗布液B−2を乾燥後の乾膜の厚みが2μmになるように室温にて塗布し、その後上記と同様に乾燥、加熱、UV照射を行い2層目の液晶層を形成した。2層目の液晶層上に表2に示す塗布液B−3〜B−16をそれぞれ用いて同様の工程で3層目〜16層目の液晶層を形成し、可視光反射層を得た。
可視光反射層、円偏光分離層の貼合
上記で作製した円偏光分離層の液晶層側の面上に、DIC株式会社製UV硬化型接着剤Exp.U12034−6を、乾燥後の乾膜の厚みが5μmになるように室温にてワイヤーバーを用いて塗布した。この塗布面と上記で作製した可視光反射層の液晶層側の面とを気泡が入らないように貼りあわせ、その後30℃でフュージョン製Dバルブ(ランプ90mW/cm)にて出力60%で6〜12秒間UV照射した。その後、円偏光分離層、可視光反射層の支持体となっていた富士フイルム製PETを剥離し、実施例1の円偏光分離フィルムを得た。
[実施例2]
ラビング処理を施した富士フイルム製PETのラビング処理面に、表1に示す塗布液A−1を乾燥後の乾膜の厚みが5μmになるように室温にてワイヤーバーを用いて塗布した。塗布層を室温にて30秒間乾燥させた後、85℃の雰囲気で2分間加熱し、その後30℃でフュージョン製Dバルブ(ランプ90mW/cm)にて出力60%で6〜12秒間UV照射し液晶層を得た。この液晶層上に表1に示す塗布液A−2を乾燥後の乾膜の厚みが5μmになるように室温にて塗布し、その後上記と同様に乾燥、加熱、UV照射を行い、2層目の液晶層を形成した。2層目の液晶層上に表1に示す塗布液A−3を乾燥後の乾膜の厚みが5μmになるように室温にて塗布し、その後上記と同様に乾燥、加熱、UV照射を行い、3層目の液晶層を形成して、円偏光分離層を得た。
上記で作製した円偏光分離層を実施例1で作製した可視光反射層と同じ可視光反射層と実施例1と同様の方法で貼合し実施例2の円偏光分離フィルムを得た。
[実施例3]
ラビング処理を施した富士フイルム製PETのラビング処理面に、表1に示す塗布液A−1を乾燥後の乾膜の厚みが5μmになるように室温にてワイヤーバーを用いて、塗布した。塗布層を室温にて30秒間乾燥させた後、85℃の雰囲気で2分間加熱し、その後30℃でフュージョン製Dバルブ(ランプ90mW/cm)にて出力60%で6〜12秒間UV照射し、液晶層を得た。この液晶層上に表1に示す塗布液A−2を乾燥後の乾膜の厚みが5μmになるように室温にて塗布し、上記と同様に乾燥、加熱、UV照射を行い、2層目の液晶層を形成した。2層目の液晶層上に表1に示す塗布液A−3〜A−9をそれぞれ用いて同様の工程で3層目〜9層目の液晶層を形成し、円偏光分離層を得た。
上記で作製した円偏光分離層を実施例1で作製した可視光反射層と同じ可視光反射層と実施例1と同様の方法で貼合し、実施例3の円偏光分離フィルムを得た。
[実施例4]
ラビング処理を施した富士フイルム製PETのラビング処理面に、表1に示す塗布液A−1を乾燥後の乾膜の厚みが5μmになるように室温にてワイヤーバーを用いて、塗布した。塗布層を室温にて30秒間乾燥させた後、85℃の雰囲気で2分間加熱し、その後30℃でフュージョン製Dバルブ(ランプ90mW/cm)にて出力60%で6〜12秒間UV照射し、液晶層を得た。この液晶層上に表1に示す塗布液A−2を乾燥後の乾膜の厚みが5μmになるように室温にて塗布し、上記と同様に乾燥、加熱、UV照射を行い、2層目の液晶層を形成した。2層目の液晶層上に表1に示す塗布液A−3〜A−12をそれぞれ用いて同様の工程で3層目〜912層目の液晶層を形成し、円偏光分離層を得た。
上記で作製した円偏光分離層を実施例1で作製した可視光反射層と同じ可視光反射層と実施例1と同様の方法で貼合し、実施例4の円偏光分離フィルムを得た。
[実施例5]
ラビング処理を施した富士フイルム製PETのラビング処理面に、表1に示す塗布液A−1を乾燥後の乾膜の厚みが5μmになるように室温にてワイヤーバーを用いて、塗布した。塗布層を室温にて30秒間乾燥させた後、85℃の雰囲気で2分間加熱し、その後30℃でフュージョン製Dバルブ(ランプ90mW/cm)にて出力60%で6〜12秒間UV照射し、液晶層を得た。この液晶層上に表1に示す塗布液A−2を乾燥後の乾膜の厚みが5μmになるように室温にて塗布し、上記と同様に乾燥、加熱、UV照射を行い、2層目の液晶層を形成した。2層目の液晶層上に表1に示す塗布液A−3〜A−14をそれぞれ用いて同様の工程で3層目〜14層目の液晶層を形成し、円偏光分離層を得た。
上記で作製した円偏光分離層を実施例1で作製した可視光反射層と同じ可視光反射層と実施例1と同様の方法で貼合し、実施例5の円偏光分離フィルムを得た。
[実施例6]
ラビング処理を施した富士フイルム製PETのラビング処理面に、表1に示す塗布液A−15を、乾燥後の乾膜の厚みが5μmになるように室温にてワイヤーバーを用いて塗布した。塗布層を室温にて30秒間乾燥させた後、85℃の雰囲気で2分間加熱し、その後30℃でフュージョン製Dバルブ(ランプ90mW/cm)にて出力60%で6〜12秒間UV照射し液晶層を得た。この液晶層上に表1に示す塗布液A−16を乾燥後の乾膜の厚みが5μmになるように室温にて塗布し、その後上記と同様に乾燥、加熱、UV照射を行い、2層目の液晶層を形成して、円偏光分離層を得た。
上記で作製した円偏光分離層を実施例1で作製した可視光反射層と同じ可視光反射層と実施例1と同様の方法で貼合し、実施例6の円偏光分離フィルムを得た。
[実施例7]
ラビング処理を施した富士フイルム製PETのラビング処理面に、表2に示す塗布液B−1を乾燥後の乾膜の厚みが2μmになるように室温にてワイヤーバーを用いて塗布した。塗布層を室温にて30秒間乾燥させた後、85℃の雰囲気で2分間加熱し、その後30℃でフュージョン製Dバルブ(ランプ90mW/cm)にて出力60%で6〜12秒間UV照射し液晶層を得た。この液晶層上に表2に示す塗布液B−2を乾燥後の乾膜の厚みが2μmになるように室温にて塗布し、上記と同様に乾燥、加熱、UV照射を行い、2層目の液晶層を形成した。2層目の液晶層上に表2に示す塗布液B−3〜B−5、B−9〜B−13をそれぞれ用いて同様の工程で3層目〜10層目の液晶層を形成し、可視光反射層を得た。
上記で作製した可視光反射層を実施例1で作製した円偏光分離層と同じ円偏光分離層と実施例1と同様の方法で貼合し、実施例7の円偏光分離フィルムを得た。
[実施例8]
ラビング処理を施した富士フイルム製PETのラビング処理面に、表2に示す塗布液B−1を、乾燥後の乾膜の厚みが2μmになるように室温にてワイヤーバーを用いて塗布した。塗布層を室温にて30秒間乾燥させた後、85℃の雰囲気で2分間加熱し、その後30℃でフュージョン製Dバルブ(ランプ90mW/cm)にて出力60%で6〜12秒間UV照射し液晶層を得た。この液晶層上に表2に示す塗布液B−2を乾燥後の乾膜の厚みが2μmになるように室温にて塗布し、上記と同様に乾燥、加熱、UV照射を行い、2層目の液晶層を形成した。2層目の液晶層上に表2に示す塗布液B−3、B−9〜B−11をそれぞれ用いて同様の工程で3層目〜6層目の液晶層を形成し、可視光反射層を得た。
上記で作製した可視光反射層を、実施例1で作製した円偏光分離層と同じ円偏光分離層と実施例1と同様の方法で貼合し、実施例8の円偏光分離フィルムを得た。
[実施例9]
ラビング処理を施した富士フイルム製PETのラビング処理面に、表1に示す塗布液A−2 を、乾燥後の乾膜の厚みが5μmになるように室温にてワイヤーバーを用いて塗布した。塗布層を室温にて30秒間乾燥させた後、85℃の雰囲気で2分間加熱し、その後30℃でフュージョン製Dバルブ(ランプ90mW/cm)にて出力60%で6〜12秒間UV照射し、円偏光分離層を得た。
上記で作製した円偏光分離層を実施例1で作製した可視光反射層と同じ可視光反射層と実施例1と同様の方法で貼合し実施例9の円偏光分離フィルムを得た。
[実施例10]
ラビング処理を施した富士フイルム製PETのラビング処理面に、表2に示す塗布液B−1を、乾燥後の乾膜の厚みが2μmになるように室温にてワイヤーバーを用いて塗布した。塗布層を室温にて30秒間乾燥させた後、85℃の雰囲気で2分間加熱し、その後30℃でフュージョン製Dバルブ(ランプ90mW/cm)にて出力60%で6〜12秒間UV照射し液晶層を得た。この液晶層上に表2に示す塗布液B−9を乾燥後の乾膜の厚みが2μmになるように室温にて塗布し、その後上記と同様に乾燥、加熱、UV照射を行い2層目の液晶層を形成して、可視光反射層を得た。
上記で作製した可視光反射層を実施例1で作製した円偏光分離層と同じ円偏光分離層と実施例1と同様の方法で貼合し、実施例10の円偏光分離フィルムを得た。
[実施例11]
ラビング処理を施した富士フイルム製PETのラビング処理面に、表3に示す塗布液Cを、2000rpmの回転数でスピン塗布した。塗布層を室温にて30秒間乾燥させた後、85℃の雰囲気で2分間加熱し、その後30℃でフュージョン製Dバルブ(ランプ90mW/cm)にて出力60%で6〜12秒間UV照射し位相差膜を形成した。
この位相差膜の位相差をAxometrix社のAxoScanを用いて、400nm〜800nmの範囲で測定し、これらの値を用いて880nmにおける位相差を外挿法で求めたところ220nmの位相差であった。
この膜の位相差膜表面にDIC株式会社製UV硬化型接着剤Exp.U12034−6を、乾燥後の乾膜の厚みが5μmになるように室温にてワイヤーバーを用いて塗布した。液晶分子の配向軸が偏光板の吸収軸との面内でなす角度が45度になるようにエドモンド・オプティクス・ジャパン株式会社製の近赤外用直線偏光フィルムを貼り合せ、円偏光板を形成した。この円偏光板を上記のAxoScanを用いて、光入射側に偏光板が来るようにしてCircular Polarizanceを測定することによって、右円偏光板となっていることを確認した。
上記で作製した円偏光分離層の直線偏光板の面上に、実施例1で作製した可視光反射層の液晶層側の面を実施例1と同様の方法で貼合し、実施例11の円偏光分離フィルムを得た。
[比較例1]
実施例1で作製した円偏光分離層のみを使用した。
[比較例2]
実施例2で作製した円偏光分離層のみを使用した。
[比較例3]
DIC株式会社製UV硬化型接着剤Exp.U12034−6を、ワイヤーバーを用いて、乾燥後の乾膜の厚みが5μmになるように富士フイルム株式会社製IR80(可視光吸収層)上に、室温にて塗布した。この塗布面を作製した実施例1と同様に作製した円偏光分離層の液晶層側と気泡が入らないように貼りあわせ、その後30℃でフュージョン製Dバルブ(ランプ90mW/cm)にて出力60%で6〜12秒間UV照射した。円偏光分離層の支持体となっていた富士フイルム製PETを剥離し、比較例3の円偏光分離フィルムを得た。
測定方法
上記で作製したフィルム、鏡、光源(京セミ株式会社製KED880S4)、受光素子(新光電子株式会社製KS1364)を図1に示すように配置した。なお、フィルムは可視光反射層が光源および受光素子側かつ円偏光分離層が鏡側となるように配置した。鏡に対して、光源から波長880nm中心の非偏光を、フィルムを介して照射し、鏡からの反射光が前記フィルムを透過した光を受光素子で感知して評価した。フィルムが無い状態で測定した値を100として、フィルムを設置して測定した値を補正して評価した。値が低いほど効果があることを示す。評価基準は以下の通りである。
AA:0〜5
A:5〜20
B:20〜50
C:50〜100
暗室は光を完全に遮断した状態で測定し、明室は白熱灯をともした状態で測定した。耐久性は40Wハロゲンランプを1000時間照射し続けた後に上記の測定を実施し、数値変化が5以内でA、5以上でCとした。外観は目視で評価し、鏡のように見えるものをA、それ以外をCとした。
結果を表4に示す。

Claims (6)

  1. 円偏光分離フィルムと受光素子とを含み、
    前記円偏光分離フィルムは、近赤外光波長域の少なくとも一部において右円偏光または左円偏光のいずれか一方を選択的に透過させ、
    前記円偏光分離フィルムは、可視光波長域の少なくとも一部において光を反射する可視光反射層と近赤外光波長域の少なくとも一部において右円偏光または左円偏光のいずれか一方を選択的に透過させる円偏光分離層とを含み、
    前記受光素子は前記円偏光分離フィルムが右円偏光または左円偏光のいずれか一方を選択的に透過させる波長の光を検出できる受光素子である、
    赤外線センサー
  2. 前記の近赤外光波長域の少なくとも一部が波長800〜1500nmの50nm幅以上の波長域であり、かつ前記の可視光波長域の少なくとも一部が波長380〜780nmの50nm幅以上の波長域である請求項1に記載の赤外線センサー
  3. 前記円偏光分離フィルムの波長380〜780nmの領域の平均光透過率が5%以下であり、かつ、波長800〜1500nmの範囲の50nm幅以上の領域において、前記円偏光分離フィルムの右または左円偏光のいずれか一方の光透過率が10%以下であり他方の円偏光の光透過率が90%以上である請求項1または2に記載の赤外線センサー
  4. 前記可視光反射層が、コレステリック液晶相を固定した層であるか、または誘電体多層膜である請求項1〜3のいずれか一項に記載の赤外線センサー
  5. 前記円偏光分離層がコレステリック液晶相を固定した層である請求項1〜4のいずれか一項に記載の赤外線センサー
  6. 前記円偏光分離層が、直線偏光分離層と波長800〜1500nmの50nm以上の範囲で位相差(Re)が200〜375nmである層とを含む請求項1〜4のいずれか一項に記載の赤外線センサー
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