JP2017150802A - 全熱交換素子用紙及び全熱交換素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の課題は、伝熱性と透湿性の両方を有しながら、気体遮蔽性にも優れた全熱交換素子用紙、及び全熱交換性能が高く、吸湿時の形状変化が少ない全熱交換素子を提供することである。
【解決手段】JIS P 8121−1:2012「パルプ−ろ水度試験方法−第1部:ショッパー・リーグラ法 Pulps−Determination of drainability−Part 1: Schopper−Riegler method」のろ水度で80°SR以上に叩解した天然パルプを含む紙からなる全熱交換素子用紙において、該紙が固定化された皺を有することを特徴とする全熱交換素子用紙であり、皺率が15〜40%であり、密度が0.20〜0.36g/cmであることが好ましい。
【選択図】図2

Description

本発明は、全熱交換素子用紙及び全熱交換素子に関する。
近年、建築法の改正、生活様式の変化、環境保護等の観点から、より少ない電力でより大きな効果を得るため、全熱交換効率の高い全熱交換素子が求められるようになっている。全熱交換素子は、ビル、事務所、店舗、住居等で、快適な空間を維持するために、新鮮な外気を供給すると共に室内の汚れた空気を排出する全熱交換器(熱交換換気装置)に搭載される素子である。全熱交換素子を通して、外気と室内排気が混ざりあわないように、換気が行われる。そして、この換気の際に、全熱交換素子に用いられている全熱交換素子用紙を介して室内のエネルギーである顕熱(温度)と潜熱(湿度)が回収される。そのため、全熱交換素子には、伝熱性と透湿性と気体遮蔽性に優れ、給気と排気の混合を起こさないという性能が求められる。
図1に示したように、一般的に空調分野で利用されている直交流型積層構造の全熱交換素子1は、平面形状の仕切部材2と断面波形状の間隔保持部材3を積層して形成される基本構成部材を、間隔保持部材3の波方向が直交又はそれに近い角度で交差するように積層し、接着して形成されている。この間隔保持部材3によって作られる積層方向に隣接する流路4及び流路5に、それぞれ異なる状態の気流6及び気流7を流すことで仕切部材2を媒体として、2つの気流間で顕熱及び潜熱の交換が行われる。「それぞれ異なる状態の気流」とは、一般的には温湿度状態の異なる空気の流れであり、例えば、流路4に新鮮な外気を流し、流路5に室内の汚れた空気を流す。
仕切部材2は、流路4及び流路5に流れている2つの気流6及び気流7間に存在し、顕熱及び潜熱交換のための媒体として存在しているため、仕切部材2の伝熱性及び透湿性は全熱交換素子としての顕熱及び潜熱交換効率に大きな影響を与える。また、空調用の全熱交換素子では、特に2つの気流6及び気流7間で二酸化炭素(CO)などの気体の移行を少なくすることが求められるため、上記の性能のほか、仕切部材2には高い気体遮蔽性も求められる。
間隔保持部材3は仕切部材2の間隔を保ち、2つの気流6及び気流7が通り抜ける流路4及び流路5を確保する役割を担っている。また、熱交換する際に、結露により全熱交換素子1の素子強度が弱くなるため、間隔保持部材3には高湿環境下での構造保持性能が求められる。
さらに、製品としての安全性確保の観点より、全熱交換素子自体には高い難燃性も求められる。このように、全熱交換素子1の仕切部材2及び間隔保持部材3は、様々な性能が求められ、それに応じて様々な仕切部材2及び間隔保持部材3が用いられている。
仕切部材2として使用される全熱交換素子用紙には、伝熱性と透湿性の両方と難燃性を有する必要があるため、従来、叩解処理した天然パルプを含有し、吸湿剤や難燃剤が塗布された紙が用いられている。
例えば、伝熱性と透湿性の両方を有し、さらに、室内外の空気が混合しないように気体遮蔽性にも優れている全熱交換素子用紙として、高度に叩解した天然パルプと吸湿剤を含有する紙が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献2には、仕切部材に多数の皺(しわ)が形成された全熱交換素子用紙を用いた全熱交換素子が記載されている。この皺によって全熱交換素子用紙に形成された凹凸により、伝熱面積を広く確保することができると共に、流路内の気流を層流から乱流に変えることで、気流の全熱交換素子用紙への接触量を多くすることができ、熱交換が向上するとされている。
国際公開第2002/099193号パンフレット 特開平06−281379号公報
特許文献1に記載された全熱交換素子用紙では、天然パルプが高度に叩解される程、パルプ繊維同士の結合力が強まるため、高密度となり、透気抵抗度は高くなる。その結果、気体遮蔽性が向上するものの、湿度変化により伸縮度合いが大きくなる。そして、湿度変化による紙の縦横の伸縮度合いが異なるため、全熱交換素子の変形が起こり易くなり、長期間全熱交換器が使用された際に、騒音が発生する場合があるほか、換気性能、湿熱交換性能自体にも悪影響を及ぼす場合があった。
逆に、天然パルプが軽度に叩解された場合には、パルプ繊維同士の結合力が弱まるため、湿度変化による紙の伸縮度合いは小さくなり、全熱交換素子の変形が起こり難くなる。しかし、紙が低密度となり、透気抵抗度が低下する。その結果、気体遮蔽性が低下し、室内外の空気が混合し易くなる。
特許文献2には、気体遮蔽性の記載は無く、皺によって全熱交換効率は向上するものの、室内外の空気の混合を起こす恐れがある。また、特許文献2には、吸湿時の全熱交換素子の変形等への言及が成されていなかった。
そこで、本発明者らが、特許文献1に記載の全熱交換素子用紙に、特許文献2に記載の多数の皺を形成して、その性能を確認した結果、吸湿により形成していた皺は解(ほど)かれ、全熱交換素子の変形の原因となることがわかった。また、皺が吸湿により解かれない紙質を有する紙では、気体遮蔽性が良くなく、室内外の空気が混合し、換気の役目が果たせないことがわかった。
このような現状を鑑み、本発明の課題は、伝熱性と透湿性の両方を有しながら、気体遮蔽性にも優れた全熱交換素子用紙、及び全熱交換性能が高く、吸湿時の形状変化が少ない全熱交換素子を提供することである。
本発明者は、上記課題を解決するため鋭意研究した結果、下記の全熱交換素子用紙、全熱交換素子及び全熱交換素子用紙の製造方法を発明するに至った。
(1)JIS P 8121−1:2012「パルプ−ろ水度試験方法−第1部:ショッパー・リーグラ法 Pulps−Determination of drainability−Part 1: Schopper−Riegler method」のろ水度で80°SR以上に叩解した天然パルプを含む紙からなる全熱交換素子用紙において、該紙が固定化された皺を有することを特徴とする全熱交換素子用紙。
(2)固定化された皺を有する紙において、皺率が15〜40%であり、密度が0.20〜0.36g/cmである上記(1)記載の全熱交換素子用紙。
(3)皺が、接着剤によって固定化されてなる上記(1)又は(2)記載の全熱交換素子用紙。
(4)接着剤が、ポリビニルアルコール系接着剤及びポリ酢酸ビニル系接着剤の群から選ばれる少なくとも1種である上記(3)記載の全熱交換素子用紙。
(5)接着剤が、ポリアミド樹脂を含む上記(3)又は上記(4)記載の全熱交換素子用紙。
(6)全熱交換素子用紙が、さらに、吸湿剤及び/又は難燃剤を含有する上記(1)〜(5)のいずれか記載の全熱交換素子用紙。
(7)上記(1)〜(6)のいずれか記載の全熱交換素子用紙を用いた全熱交換素子。
従来、全熱交換素子の全熱交換効率を向上させる手段として、流路の断面形状を小さくして、気流の全熱交換素子用紙への接触量を多くする手段があるが、圧力損失が大幅に増大する、積層数が増大する等の問題があった。本発明の全熱交換素子用紙では、皺により形成した凹凸によって、伝熱面積及び透湿面積を広く確保することができる。また、全熱交換素子用紙表面の気流を層流から乱流に変えることができることによって、気流の全熱交換素子用紙への接触量を一層多くすることができる。したがって、圧力損失を大幅に増大させることなく、所要の全熱交換効率を確保することができる。さらに、全熱交換素子用紙の積層数が増大することもなく、製造作業性が向上するという効果を奏する。
JIS P 8121−1:2012「パルプ−ろ水度試験方法−第1部:ショッパー・リーグラ法 Pulps−Determination of drainability−Part 1: Schopper−Riegler method」のろ水度で80°SR以上に叩解した、高度に叩解された天然パルプを含む全熱交換素子用紙では、一般的な紙に比べて横方向の伸縮が大きく、このため、積層構造の全熱交換素子は、吸湿時において、積層毎に縦横の伸縮度合いの大きさが入れ替わることになり、全熱交換素子全体としては複雑な寸法変化が起こるため、著しく変形する。本発明の全熱交換素子用紙では、固定化された皺により全熱交換素子用紙に形成した凹凸が吸湿により平坦な方向に膨潤しようとすることによって、縦方向に伸縮するため、横方向の伸縮度合いの大きさに合わせて縦方向の伸縮度合いの大きさを調整することが可能であり、全熱交換素子の変形を抑えることが可能となる。
また、本発明の全熱交換素子用紙において、皺が接着剤によって固定化されてなることによって、横方向の伸縮度合いの大きさに合わせて縦方向の伸縮度合いの大きさをより適切に調整することが可能となる。この効果を得るためには、接着剤がポリビニルアルコール系接着剤及びポリ酢酸ビニル系接着剤の群から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。また、接着剤が、ポリアミド樹脂を含む場合、ポリアミド樹脂が天然パルプのセルロース等の水酸基へ架橋反応することで、吸湿時の伸びを抑える作用があり、横方向の伸縮度合いの大きさに合わせて縦方向の伸縮度合いの大きさを調整することがより容易になり、全熱交換素子の変形を抑えることが可能となる。さらに、接着剤が、ポリビニルアルコール系接着剤及びポリ酢酸ビニル系接着剤の群から選ばれる少なくとも1種であり、且つポリアミド樹脂を含む接着剤であることがさらに好ましい。
なお、固定化された皺を有する全熱交換素子用紙が、吸湿剤及び/又は難燃剤を含有することで、さらに高い全熱交換効率を確保することができる。そして、接着剤がポリアミド樹脂を含む場合、ポリアミド樹脂がセルロース等の水酸基へ架橋反応していることで、吸湿剤等の付与時や湿潤時の強度劣化も緩和される。
本発明の全熱交換素子用紙を用いた全熱交換素子において、例えば本発明の全熱交換素子用紙を仕切部材として用いた直交流型積層構造の全熱交換素子では、仕切部材の皺の方向が積層される層毎に交互に、直交又はそれに近い角度で、向きを変えられているため、熱交換されるべき2つの気流において、それぞれの気流の上部又は下部に全熱交換素子用紙の皺の方向が気流の流れ方向と交差し、乱流が一層起こりやすくなり、気流の全熱交換素子用紙への接触量を多くすることができる。そして、この全熱交換素子が搭載された熱交換換気装置では、全熱交換素子の圧力損失の減少により、ファンの回転数を低下させることができ、ひいては、運転音や消費電力を減少させることができる。
直交流型積層構造の全熱交換素子の概略斜視図である。 直交流型積層構造の全熱交換素子における各部材の積層順序を示す分解斜視図である。
以下、本発明の全熱交換素子用紙について、詳細に説明する。
本発明の全熱交換素子用紙は、JIS P 8121−1:2012「パルプ−ろ水度試験方法−第1部:ショッパー・リーグラ法 Pulps−Determination of drainability−Part 1: Schopper−Riegler method」のろ水度で80°SR以上に叩解した天然パルプを含む紙からなる全熱交換素子用紙において、該紙が固定化された皺を有することを特徴とする全熱交換素子用紙である。本発明では、「JIS P 8121−1:2012『パルプ−ろ水度試験方法−第1部:ショッパー・リーグラ法 Pulps−Determination of drainability−Part 1: Schopper−Riegler method』のろ水度」を「ショッパー・リーグラ法のろ水度」と略記する場合がある。
全熱交換素子は、ビル、事務所、店舗、住居等で、快適な空間を維持するために、新鮮な外気を供給すると共に室内の汚れた空気を排出する全熱交換器に搭載される素子である。全熱交換素子を通して外気と室内排気が混ざりあわないように換気が行われる。そして、この換気の際に、全熱交換素子に用いられている全熱交換素子用紙を介して室内のエネルギーである顕熱(温度)と潜熱(湿度)が回収される。
図1は、直交流型積層構造の全熱交換素子1の概略斜視図である。全熱交換素子1は、平面形状の仕切部材2と断面波形状の間隔保持部材3を積層して形成される基本構成部材を、間隔保持部材3の波方向が直交又はそれに近い角度で交差するように積層し、接着して形成されている。この間隔保持部材3によって作られる積層方向に隣接する流路4及び流路5に、それぞれ異なる状態の気流6及び気流7を流すことで仕切部材2を媒体として、2つの気流間で顕熱及び潜熱の交換が行われる。「それぞれ異なる状態の気流」とは、一般的には温湿度状態の異なる空気の流れであり、例えば、流路4に新鮮な外気を流し、流路5に室内の汚れた空気を流す。
全熱交換素子用紙とは、熱交換されるべき2つの気流を仕切り、且つ、熱及び湿度交換を行う仕切部材2に使用される用紙である。本発明における全熱交換素子とは、本発明の全熱交換素子用紙を仕切部材に用いて製造した全熱交換素子であれば、その構造は問わない。代表的な全熱交換素子の構造である、直交流型積層構造であるコルゲート構造は、仕切部材2であるライナーシートに本発明における全熱交換素子用紙を用い、間隔保持部材である中芯のシートの波方向が直交又はそれに近い角度で交差するように積層される構造である。図2は、直交流型積層構造の全熱交換素子における各部材の積層順序を示す分解斜視図であり、間隔保持部材A 10、仕切部材A 8、間隔保持部材B 11、仕切部材B 9の順序で積層され、間隔保持部材A 10と間隔保持部材B 11の波方向が直交又はそれに近い角度で交差するように積層され、さらに、仕切部材A 8と仕切部材B 9の皺12の方向が直交又はそれに近い角度で交差するように積層されている。
本発明において、天然パルプとしては、広葉樹晒しクラフトパルプ(略称:LBKP、英文表記:Hardwood Bleached Kraft Pulp)、針葉樹晒しクラフトパルプ(略称:NBKP、英文表記:Softwood Bleached Kraft Pulp)、広葉樹晒しサルファイトパルプ(略称:LBSP、英文表記:Hardwood Bleached Sulfite Pulp)、針葉樹晒しサルファイトパルプ(略称:NBSP、英文表記:Softwood Bleached Sulfite Pulp)、広葉樹未晒クラフトパルプ(略称:LUKP、英文表記:Hardwood Unbleached Kraft Pulp)、針葉樹未晒クラフトパルプ(略称:NUKP、英文表記:Softwood Unbleached Kraft Pulp)等の木材パルプが挙げられる。これらの木材パルプは、単独又は複数配合して使用することができる。また、綿、コットンリンター、麻、竹、サトウキビ、トウモロコシ、ケナフ等の植物繊維;羊毛、絹等の動物繊維;レーヨン、キュプラ、リヨセル等のセルロース再生繊維を、単独又は複数配合して使用することもできる。
天然パルプは、パルプ繊維間の結合強度を高め、シート形状を維持することと、気体遮蔽性を高めるために、ダブルディスクリファイナー、デラックスファイナー、ジョルダン、コニカルリファイナー等の叩解装置により、適宜叩解処理を施し、ショッパー・リーグラ法のろ水度で80°SR以上に調成される。より好ましいショッパー・リーグラ法のろ水度は90°SR以上であり、さらに好ましいショッパー・リーグラ法のろ水度は95°SR以上である。
本発明において、紙は、長網、丸網、ツインワイヤー、オントップ、ハイブリッド等の抄紙機を用いて抄紙することができる。また、抄紙後にスーパーカレンダー処理、熱カレンダー処理等を施して、紙の密度を調整することや紙の均一性を向上させることもできる。
本発明において、全熱交換素子用紙の皺は接着剤によって固定化されてなることが好ましい。接着剤として、ポリビニルアルコール系接着剤、ポリ酢酸ビニル系接着剤、エーテル系セルロース系接着剤、アクリル系接着剤、オレフィン系接着剤、ポリウレタン系接着剤、エポキシ樹脂系接着剤、スチレン・ブタジエンゴム系接着剤等が挙げられる。本発明において、全熱交換素子用紙の皺が接着剤によって固定化されてなることによって、横方向の伸縮度合いの大きさに合わせて縦方向の伸縮度合いの大きさをより適切に調整する効果が得られる。この効果をより容易に得るためには、接着剤がポリビニルアルコール系接着剤及びポリ酢酸ビニル系接着剤の群から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。また、接着剤がポリアミド樹脂を含むことがより好ましい。接着剤の塗布量(乾燥後の質量基準)は、好ましくは0.5〜4.0g/mであり、より好ましくは1.0〜2.5g/mであり、さらに好ましくは1.5〜2.0g/mである。なお、接着剤の塗布量における基準となる面積は、皺形成「後」の紙の面積である。
本発明において、全熱交換素子用紙をクロムメッキで鏡面仕上げされたドラムドライヤーに張り付かせた後ドクターで掻き剥がすことによって、全熱交換素子用紙に細かい皺を形成させることができる。本発明では、皺の状態を<式A>で計算される「皺率」で表す。「皺率」は、紙に形成した皺の量の指標であり、皺による凹凸の量の指標でもある。
<式A>
皺率(%)=(1−皺形成後の紙の面積/皺形成前の紙の面積)×100
皺が接着剤によって固定化されると、接着剤によって透湿度が低下する場合があるが、皺率を大きくすることによって、透湿面積を大きくすることができるため、透湿度の低下を補填することができる。皺率が大きく、伝熱面積及び透湿面積が大きくなる方が好ましいものの、皺率が大き過ぎると、吸湿剤や難燃剤塗布時に皺が解け易くなる。また、皺が形成されることによって、紙の密度は低くなるが、密度が低くなり過ぎて、皺によって形成された凹凸における山の高さが大きくなり過ぎると、皺の固定化が弱くなり、吸湿剤や難燃剤塗布時に皺が解け易くなる。そのため、固定化された皺を有する紙における皺率は、好ましくは15〜40%であり、より好ましくは18〜35%である。また、固定化された皺を有する紙における密度は、好ましくは0.20〜0.36g/cmであり、より好ましくは0.25〜0.36g/cmであり、さらに好ましくは0.30〜0.36g/cmである。
吸湿剤としては、無機酸塩、有機酸塩、無機質填料、多価アルコール、尿素類、吸湿性高分子(吸水性高分子)などが挙げられる。
例えば、無機酸塩としては、塩化リチウム(LiCl)、塩化カルシウム(CaCl)、塩化マグネシウム等が挙げられる。有機酸塩としては、乳酸ナトリウム、乳酸カルシウム、ピロリドンカルボン酸ナトリウム等が挙げられる。無機質填料としては、水酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、珪酸アルミニウム、珪酸マグネシウム、タルク、クレー、ゼオライト、珪藻土、セピオライト、シリカゲル、活性炭等が挙げられる。多価アルコールとしては、グリセリン、エチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリグリセリン等が挙げられる。尿素類としては、尿素、ヒドロキシエチル尿素等が挙げられる。吸湿性高分子としては、ポリアスパラギン酸、ポリアクリル酸、ポリグルタミン酸、ポリリジン、アルギン酸、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシアルキルセルロース及びそれらの塩又は架橋物;カラギーナン、ペクチン、ジェランガム、寒天、キサンタンガム、ヒアルロン酸、グアーガム、アラビアゴム、澱粉及びそれらの架橋物;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、コラーゲン、アクリルニトリル系重合体ケン化物、澱粉/アクリル酸塩グラフト共重合体、酢酸ビニル/アクリル酸塩共重合体ケン化物、澱粉/アクリルニトリルグラフト共重合体、アクリル酸塩/アクリルアミド共重合体、ポリビニルアルコール/無水マレイン酸共重合体、ポリエチレンオキサイド系、イソブチレン−無水マレイン酸共重合体、多糖類/アクリル酸塩グラフト自己架橋体等が挙げられる。目的とする透湿性に応じて、種類や付着量を適宜選択して用いることができる。吸湿剤の付与率(乾燥後の質量基準)は、原紙質量に対し、好ましくは10〜30%であり、より好ましくは12〜27%であり、さらに好ましくは15〜20%である。
難燃剤としては、無機系難燃剤、無機リン系化合物、含窒素化合物、塩素系化合物、臭素系化合物などがある。例えば、ホウ砂とホウ酸の混合物、水酸化アルミニウム、三酸化アンチモン、リン酸アンモニウム、ポリリン酸アンモニウム、スルファミン酸アンモニウム、スルファミン酸グアニジン、リン酸グアニジン、リン酸アミド、塩素化ポリオレフィン、臭化アンモニウム、非エーテル型ポリブロモ環状化合物等の水溶液又は水に分散可能である難燃剤が挙げられる。難燃剤の付与率(乾燥後の質量基準)は、原紙質量に対し、好ましくは10〜30%であり、より好ましくは13〜25%であり、さらに好ましくは15〜20%である。
本発明の全熱交換素子用紙を製造する方法(全熱交換素子用紙の製造方法)を説明する。本発明の全熱交換素子用紙の製造方法は、ショッパー・リーグラ法のろ水度で80°SR以上に叩解した天然パルプを含む原紙に接着剤を塗布する工程(A)と、原紙に皺を形成して固定化する工程(B)とをこの順に含む。また、全熱交換素子用紙が吸湿剤及び/又は難燃剤を含有する場合の全熱交換素子用紙の製造方法は、工程(B)の後に、紙に吸湿剤及び/又は難燃剤を付与する工程(C)を含む。
ショッパー・リーグラ法のろ水度で80°SR以上に叩解した天然パルプを含む原紙に接着剤を塗布する工程(A)と、原紙に皺を形成して固定化する工程(B)とをこの順に含む製造方法によれば、吸湿により皺が解け難く、全熱交換素子の変形を最小限に抑えられる。原紙に皺を形成して固定化する工程(B)と接着剤を塗布する工程(A)とをこの順に含む製造方法では、接着剤によって皺が固定化される効果が弱まり、皺が解け、表面積が小さくなり、全熱交換効率も低くなる。
また、工程(B)の後に、紙に吸湿剤及び/又は難燃剤を付与する工程(C)を含む製造方法によれば、皺が解けず、表面積の広い全熱交換素子用紙が得られる。原紙に吸湿剤及び/又は難燃剤を付与する工程(C)の後に、接着剤を塗布する工程(A)と、原紙に皺を形成して固定化する工程(B)とをこの順に含む製造方法の場合、接着剤によって皺が固定化される効果が弱まる場合がある。接着剤がポリアミド樹脂を含む場合、天然パルプのセルロース等と吸湿剤及び/又は難燃剤が結合され、接着剤がセルロース等と直接架橋しないため、全熱交換素子用紙は湿度変化により伸縮し易くなり、接着剤により層を形成するため、全熱交換効率を悪化させる場合がある。また、先に付与された吸湿剤及び/又は難燃剤が、接着剤塗布時に接着剤の塗液中に流入し、全熱交換素子用紙の透湿性能及び/又は難燃性能が低下する場合がある。さらには、先に付与された吸湿剤及び/又は難燃剤は、加熱乾燥する際に天然パルプのセルロース等を劣化させ、紙の変色や強度劣化を引き起こす場合がある。
工程(A)では、接着剤を含む液を原紙に塗布する。塗布方法としては、スプレー法、コーター法、ディッピング法等が挙げられる。
工程(B)では、接着剤が塗布されることで湿った状態の原紙を、回転するドラムドライヤーに張り付かせ、ドラムドライヤーで乾燥しながら回転させ、その後、ドラムドライヤーに当接させたドクターによって原紙を掻き剥がし、その際に細かい皺を形成させる。その後、ヤンキードライヤーで加熱して、皺を固定化する。
工程(C)では、吸湿剤及び/又は難燃剤を含む液を紙に付与する。付与方法としては、ディッピング法、コーター法、スプレー法等が挙げられる。
以下、実施例によって本発明を詳述する。なお、本発明は実施例に限定されるものではない。実施例における部、%は、断りの無い限り、質量基準である。また、塗布量及び付与量を示す値は、断りの無い限り、乾燥後の質量基準である。
(皺率)
皺の量の指標として、皺率を算出した。「皺率」は<式A>を使用して計算するが、実施例及び比較例において、皺の形成前と形成後における紙の幅がほとんど変わらなかったため、<式B>を使用して計算した。
<式B>
皺率(%)={1−(皺形成後の紙の長さ/皺形成前の紙の長さ)}×100
(吸湿剤付与量及び吸湿剤付与率)
「吸湿剤付与量」は、「付与後の坪量−付与前の坪量」で算出した値である。また、「吸湿剤付与率」は、全熱交換素子用紙の固形分中の吸湿剤量を計算し、百分率で算出した値であり、<式C>を使用して計算した。
<式C>
吸湿剤付与率(%)=吸湿剤付与量/[原紙坪量×{1+(皺率(%)/100}]×100
(皺形成前の紙の密度)
皺形成前の紙の密度は、JIS P 8118:2014「紙及び板紙−厚さ、密度及び比容積の試験方法−Paper and board−Determination of thickness,density and specific volume」に準拠して、温度23℃、相対湿度50%下での密度を測定した値である。
(皺形成後の紙の密度)
皺形成後の紙の密度によって、皺の密度を評価した。皺形成後の紙の密度は、JIS P 8118:2014「紙及び板紙−厚さ、密度及び比容積の試験方法−Paper and board−Determination of thickness,density and specific volume」に準拠して、温度23℃、相対湿度50%下での密度を測定した値である。
実施例1
針葉樹晒しクラフトパルプ(NBKP)を濃度4.5%で離解した後、ダブルディスクリファイナーを用いてパルプのショッパー・リーグラ法のろ水度で95°SRになるまで叩解し、長網抄紙機により、坪量30g/m、密度0.92g/cmの原紙を抄紙した。クレープ加工機により、接着剤としてポリビニルアルコールとポリ酢酸ビニル6%混合液にホルムアルデヒド変性ポリアミド樹脂を0.15%混合した液を、原紙に1.7g/m(基準:皺形成後の面積)塗布した後(工程(A))、クロムメッキで鏡面仕上げされたドラムドライヤーに張り付かせた後ドクターで掻き剥がし、細かい皺を形成させ、続いて、ヤンキードライヤーで加熱し、皺を固定化させた(工程(B))。皺を固定化する際、皺率は20%とし、密度0.31g/cmの紙を得た。固定化された皺を有する紙に、含浸加工機により、吸湿剤としてLiClを5.2g/m(基準:皺形成後の面積)付与させ(工程(C))、全熱交換素子用紙を得た。
実施例2
実施例1と同じ条件で坪量30g/mの原紙を抄紙した。クレープ加工機により、接着剤としてポリビニルアルコールとポリ酢酸ビニル6%混合液にホルムアルデヒド変性ポリアミド樹脂を0.5%混合した液を、原紙に1.8g/m(基準:皺形成後の面積)塗布した後(工程(A))、クロムメッキで鏡面仕上げされたドラムドライヤーに張り付かせた後ドクターで掻き剥がし、細かい皺を形成させ、続いて、ヤンキードライヤーで加熱し、皺を固定化させた(工程(B))。皺を固定化する際、皺率は30%とし、密度0.25g/cmの紙を得た。固定化された皺を有する紙に、含浸加工機により、吸湿剤としてLiClを5.5g/m(基準:皺形成後の面積)付与させ(工程(C))、全熱交換素子用紙を得た。
実施例3
針葉樹晒しクラフトパルプ(NBKP)を濃度4.5%で離解した後、ダブルディスクリファイナーを用いてパルプのショッパー・リーグラ法のろ水度で90°SRになるまで叩解し、長網抄紙機により、坪量40g/m、密度0.98g/cmの原紙を抄紙した。クレープ加工機により、接着剤としてポリビニルアルコールとポリ酢酸ビニル6%混合液を、原紙に1.5g/m(基準:皺形成後の面積)塗布した後(工程(A))、クロムメッキで鏡面仕上げされたドラムドライヤーに張り付かせた後ドクターで掻き剥がし、細かい皺を形成させ、続いて、ヤンキードライヤーで加熱し、皺を固定化させた(工程(B))。皺を固定化する際、皺率は15%とし、密度0.36g/cmの紙を得た。固定化された皺を有する紙に、含浸加工機により、吸湿剤としてLiClを6.7g/m(基準:皺形成後の面積)付与させ(工程(C))、全熱交換素子用紙を得た。
実施例4
実施例1と同じ条件で坪量30g/mの原紙を抄紙した。クレープ加工機により、接着剤としてポリビニルアルコールとポリ酢酸ビニル6%混合液にホルムアルデヒド変性ポリアミド樹脂を0.5%混合した液を、原紙に1.8g/m(基準:皺形成後の面積)塗布した後(工程(A))、クロムメッキで鏡面仕上げされたドラムドライヤーに張り付かせた後ドクターで掻き剥がし、細かい皺を形成させ、続いて、ヤンキードライヤーで加熱し、皺を固定化させた(工程(B))。皺を固定化する際、皺率は10%とし、密度0.26g/cmの紙を得た。固定化された皺を有する紙に、含浸加工機により、吸湿剤としてLiClを5.1g/m(基準:皺形成後の面積)付与させ(工程(C))、全熱交換素子用紙を得た。
実施例5
実施例1と同じ条件で坪量30g/mの原紙を抄紙した。クレープ加工機により、接着剤としてポリビニルアルコールとポリ酢酸ビニル6%混合液にホルムアルデヒド変性ポリアミド樹脂を0.5%混合した液を、原紙に1.8g/m(基準:皺形成後の面積)塗布した後(工程(A))、クロムメッキで鏡面仕上げされたドラムドライヤーに張り付かせた後ドクターで掻き剥がし、細かい皺を形成させ、続いて、ヤンキードライヤーで加熱し、皺を固定化させた(工程(B))。皺を固定化する際、皺率は20%とし、密度0.22g/cmの紙を得た。皺を固定化させた原紙に、含浸加工機により、吸湿剤としてLiClを4.9g/m(基準:皺形成後の面積)付与させ(工程(C))、全熱交換素子用紙を得た。
実施例6
実施例1と同じ条件で坪量30g/mの原紙を抄紙した。クレープ加工機により、接着剤としてポリビニルアルコールとポリ酢酸ビニル6%混合液にホルムアルデヒド変性ポリアミド樹脂を0.5%混合した液を、原紙に1.8g/m(基準:皺形成後の面積)塗布した後(工程(A))、クロムメッキで鏡面仕上げされたドラムドライヤーに張り付かせた後ドクターで掻き剥がし、細かい皺を形成させ、続いて、ヤンキードライヤーで加熱し、皺を固定化させた(工程(B))。皺を固定化する際、皺率は55%とし、密度0.18g/cmの紙を得た。固定化された皺を有する紙に、含浸加工機により、吸湿剤としてLiClを6.5g/m(基準:皺形成後の面積)付与させ(工程(C))、全熱交換素子用紙を得た。
実施例7
実施例1と同じ条件で坪量30g/mの原紙を抄紙した。クレープ加工機により、接着剤としてポリビニルアルコールとポリ酢酸ビニル6%混合液にホルムアルデヒド変性ポリアミド樹脂を0.5%混合した液を、原紙に1.8g/m(基準:皺形成後の面積)塗布した後(工程(A))、クロムメッキで鏡面仕上げされたドラムドライヤーに張り付かせた後ドクターで掻き剥がし、細かい皺を形成させ、続いて、ヤンキードライヤーで加熱し、皺を固定化させた(工程(B))。皺を固定化する際、皺率は40%とし、密度0.20g/cmの紙を得た。固定化された皺を有する紙に、含浸加工機により、吸湿剤としてLiClを6.4g/m(基準:皺形成後の面積)付与させ(工程(C))、全熱交換素子用紙を得た。
実施例8
実施例1と同じ条件で坪量30g/mの原紙を抄紙した。クレープ加工機により、接着剤としてポリビニルアルコールとポリ酢酸ビニル6%混合液にホルムアルデヒド変性ポリアミド樹脂を0.15%混合した液を、原紙に1.7g/m(基準:皺形成後の面積)塗布した後(工程(A))、クロムメッキで鏡面仕上げされたドラムドライヤーに張り付かせた後ドクターで掻き剥がし、細かい皺を形成させ、続いて、ヤンキードライヤーで加熱し、皺を固定化させた(工程(B))。皺を固定化する際、皺率は20%とし、密度0.31g/cmの紙を得た。固定化された皺を有する紙に、含浸加工機により、吸湿剤としてCaClを6.2g/m(基準:皺形成後の面積)付与させ(工程(C))、全熱交換素子用紙を得た。
比較例1
実施例1と同じ条件で、坪量30g/mの原紙を抄紙した。この原紙に、含浸加工機により、LiClを4.3g/m付与させ、密度0.99g/cmの全熱交換素子用紙を得た。
比較例2
実施例1と同じ条件で、坪量30g/mの原紙を抄紙した。この原紙に、含浸加工機により、LiClを5.2g/m付与させ、密度1.00g/cmの全熱交換素子用紙を得た。
比較例3
実施例3と同じ条件で、坪量40g/mの原紙を抄紙した。この原紙に、含浸加工機により、LiClを6.0g/m付与させ、密度1.09g/cmの全熱交換素子用紙を得た。
比較例4
実施例1と同じ条件で、坪量30g/mの原紙を抄紙した。この原紙に、含浸加工機により、CaClを6.3g/m付与させ、密度0.96g/cmの全熱交換素子用紙を得た。
上記例で製造した全熱交換素子用紙について、下記の評価方法により評価した。その結果をまとめて表1に示す。
(透湿度)
下記条件を変更した以外は、JIS Z0208:1976「防湿包装材料の透湿度試験方法(カップ法) Testing Methods for Determination of the Water Vapour Transmission Rate of Moisture−Proof Packaging Materials (Dish Method)」に準拠して測定した透湿度によって、全熱交換素子用紙の顕熱(湿度)交換性を評価した。
JIS B8628:2003「全熱交換器 Air to air heat exchanger」における素子性能の測定条件は、暖房時、室内:乾球20℃、湿球14℃(相対湿度48%)、室外:乾球5℃、湿球2℃(相対湿度53%)冷房時、室内:乾球37℃、湿球20℃(相対湿度50%)、室外:乾球35℃、湿球29℃(相対湿度63%)であり、温度5〜35℃、相対湿度48〜63%の範囲であることから、温度23℃、相対湿度50%の条件に変更した。また、短時間での熱交換性能を評価するため、30分後に質量を測定して、24時間値に換算して透湿度を求めた。
Figure 2017150802
<評価>
実施例1と比較例1の結果から、ショッパー・リーグラ法のろ水度で80°SR以上に叩解した天然パルプを含む紙からなり、該紙が固定化された皺を有する実施例1の全熱交換素子用紙は、皺の無い比較例1の全熱交換素子用紙よりも、透湿度が高かった。つまり、湿度交換性の優れた全熱交換素子用紙であった。
実施例3と比較例3の結果から、ショッパー・リーグラ法のろ水度で80°SR以上に叩解した天然パルプを含む紙からなり、該紙が固定化された皺を有する実施例3の全熱交換素子用紙は、皺の無い比較例3の全熱交換素子用紙よりも、透湿度が高かった。つまり、湿度交換性の優れた全熱交換素子用紙であった。
実施例1及び2と比較例2の結果から、固定化された皺を有する実施例1及び2の全熱交換素子用紙は、吸湿剤付与率が高いが、皺の無い比較例2の全熱交換素子用紙と比較して、優れた透湿性能が得られた。つまり、皺の無い全熱交換素子用紙では、固定化された皺を有する全熱交換素子用紙よりも、吸湿剤の量が多く必要であることがわかる。
実施例8と比較例4の結果から、固定化された皺を有する実施例8の全熱交換素子用紙は、吸湿剤付与率が高いが、皺の無い比較例4の全熱交換素子用紙と比較して、優れた透湿性能が得られた。つまり、皺の無い全熱交換素子用紙では、固定化された皺を有する全熱交換素子用紙よりも、吸湿剤の量が多く必要であることがわかる。
同じ条件で製造した原紙を使用し、吸湿剤がLiClであり、吸湿剤付与率が14〜15%である実施例1、2及び4〜7と比較例1の結果から、固定化された皺を有する実施例1、2及び4〜7の全熱交換素子用紙は、皺の無い比較例1の全熱交換素子用紙よりも、透湿度が高かった。また、実施例1、2及び4〜7の結果から、皺率が15〜40%であり、密度が0.20〜0.36g/cmである実施例1、2、5及び7の全熱交換素子用紙では、透湿度が高かった。また、皺率がより好ましい範囲内(18〜35%)である実施例1と実施例2の結果から、皺率が大きく、表面積が増加することによって、透湿度がより高くなった。実施例4の全熱交換素子用紙では、皺率が10%であるため、皺を固定するために使用した接着剤による透湿度の低下を皺による表面積の増加によって補うという効果が小さくなった。そのため、実施例4の全熱交換素子用紙よりも実施例1、2、5及び7の全熱交換素子用紙の方が、優れた透湿度を示した。また、実施例6の全熱交換素子用紙では、皺率が55%であり、紙の密度が0.18g/cmであることから、皺率が40%である実施例7の全熱交換素子用紙と同等の透湿度を示してはいるが、皺が解ける傾向が見られた。実施例1、2及び5の結果から、紙の密度が0.25〜0.36g/cmである実施例1及び2の全熱交換素子用紙の方が、実施例5の全熱交換素子用紙よりも、優れた透湿度を示した。特に、実施例1と実施例5の結果から、皺率が同じ場合において、紙の密度が低く、皺の高さが高くなると、紙の密度が高い場合よりも、吸湿剤塗布時に皺が解け易くなるため、紙の密度が高い実施例1の全熱交換素子用紙の方が、実施例5の全熱交換素子用紙よりも、優れた透湿度を示した。
実施例9
実施例1と同じ条件で、坪量30g/mの原紙を抄紙した。クレープ加工機により、接着剤としてポリビニルアルコールとポリ酢酸ビニル6%混合液を、原紙に1.5g/m(基準:皺形成後の面積)塗布した後(工程(A))、クロムメッキで鏡面仕上げされたドラムドライヤーに張り付かせた後ドクターで掻き剥がし、細かい皺を形成させ、続いて、ヤンキードライヤーで加熱し、皺を固定化させた(工程(B))。皺を固定化する際、皺率は20%とし、密度0.31g/cmの紙を得た。固定化された皺を有する紙に、含浸加工機により、吸湿剤としてLiClを5.2g/m(基準:皺形成後の面積)付与させ(工程(C))、全熱交換素子用紙を得た。
実施例10
実施例1と同じ条件で、坪量30g/mの原紙を抄紙した。クレープ加工機により、接着剤としてポリビニルアルコールとポリ酢酸ビニル6%混合液にホルムアルデヒド変性ポリアミド樹脂を0.15%混合した液を、原紙に1.7g/m(基準:皺形成後の面積)塗布した後(工程(A))、クロムメッキで鏡面仕上げされたドラムドライヤーに張り付かせた後ドクターで掻き剥がし、細かい皺を形成させ、続いて、ヤンキードライヤーで加熱し、皺を固定化させた(工程(B))。皺を固定化する際、皺率は30%とし、密度0.22g/cmの紙を得た。固定化された皺を有する紙に、含浸加工機により、吸湿剤であるLiClと難燃剤であるスルファミン酸グアニジンを固形比率1:1で混合溶解した液を8.8g/m(基準:皺形成後の面積)付与させ(工程(C))、全熱交換素子用紙を得た。
実施例11
実施例1と同じ条件で、坪量30g/mの原紙を抄紙した。クレープ加工機により、接着剤としてカチオン澱粉6%糊化液を、原紙に1.5g/m(基準:皺形成後の面積)塗布した後(工程(A))、クロムメッキで鏡面仕上げされたドラムドライヤーに張り付かせた後ドクターで掻き剥がし、細かい皺を形成させ、続いて、ヤンキードライヤーで加熱し、皺を固定化させた(工程(B))。皺を固定化する際、皺率は20%とし、密度0.31g/cmの紙を得た。固定化された皺を有する紙に、含浸加工機により、吸湿剤としてLiClを5.2g/m(基準:皺形成後の面積)付与させ(工程(C))、全熱交換素子用紙を得た。
比較例5
実施例1と同じ条件で、坪量30g/mの原紙を抄紙した。クレープ加工機により、クロムメッキで鏡面仕上げされたドラムドライヤーに水で濡らした原紙を張り付かせた後ドクターで掻き剥がし、細かい皺を形成させた(工程(B))。その後、接着剤としてポリビニルアルコールとポリ酢酸ビニル6%混合液にホルムアルデヒド変性ポリアミド樹脂を0.15%混合した液を原紙に1.7g/m(基準:皺形成後の面積)塗布した後、ヤンキードライヤーで加熱した(工程(A))。皺を形成する際、皺率は20%とし、密度0.31g/cmの紙を得た。皺を有する紙に、含浸加工機により、吸湿剤としてLiClを5.2g/m(基準:皺形成後の面積)付与させ(工程(C))、全熱交換素子用紙を得た。
比較例6
実施例3と同じ条件で、坪量40g/mの原紙を抄紙した。クレープ加工機により、クロムメッキで鏡面仕上げされたドラムドライヤーに水で濡らした原紙を張り付かせた後ドクターで掻き剥がし、細かい皺を形成させた(工程(B))。その後、接着剤としてポリビニルアルコールとポリ酢酸ビニル6%混合液を原紙に1.5g/m(基準:皺形成後の面積)塗布した後、ヤンキードライヤーで加熱した(工程(A))。皺を形成する際、皺率は15%とし、密度0.36g/cmの紙を得た。皺を有する紙に、含浸加工機により、吸湿剤としてLiClを6.7g/m(基準:皺形成後の面積)付与させ(工程(C))、全熱交換素子用紙を得た。
比較例7
実施例1と同じ条件で、坪量30g/mの原紙を抄紙した。この紙に、含浸加工機により、吸湿剤としてLiClを5.2g/m(基準:皺形成後の面積)付与させた(工程(C))。クレープ加工機により、接着剤としてポリビニルアルコールとポリ酢酸ビニル6%混合液にホルムアルデヒド変性ポリアミド樹脂を0.15%混合した液を原紙に1.7g/m(基準:皺形成後の面積)塗布した後(工程(A))、クロムメッキで鏡面仕上げされたドラムドライヤーに張り付かせた後ドクターで掻き剥がし、細かい皺を形成させ、続いて、ヤンキードライヤーで加熱し(工程(B))、皺を形成させた全熱交換素子用紙を得た。皺を形成する際、皺率は20%とし、密度0.31g/cmの皺を有する紙を得た。
比較例8
実施例3と同じ条件で、坪量40g/mの原紙を抄紙した。この原紙に、含浸加工機により、吸湿剤としてLiClを6.7g/m(基準:皺形成後の面積)付与させた(工程(C))。クレープ加工機により、接着剤としてポリビニルアルコールとポリ酢酸ビニル6%混合液を原紙に1.5g/m(基準:皺形成後の面積)塗布した後(工程(A))、クロムメッキで鏡面仕上げされたドラムドライヤーに張り付かせた後ドクターで掻き剥がし、細かい皺を形成させ、続いて、ヤンキードライヤーで加熱し(工程(B))、皺を形成させた全熱交換素子用紙を得た。皺を形成する際、皺率は15%とし、密度0.36g/cmの皺を有する紙を得た。
比較例9
実施例1と同じ条件で、坪量30g/mの原紙を抄紙した。この紙に、含浸加工機により、難燃剤としてスルファミン酸グアニジンを4.4g/m(基準:皺形成後の面積)付与させた後(工程(C1))、吸湿剤としてLiClを4.4g/m(基準:皺形成後の面積)付与させた(工程(C2))。クレープ加工機により、接着剤としてポリビニルアルコールとポリ酢酸ビニル6%混合液にホルムアルデヒド変性ポリアミド樹脂を0.15%混合した液を原紙に1.7g/m(基準:皺形成後の面積)塗布した後(工程(A))、クロムメッキで鏡面仕上げされたドラムドライヤーに張り付かせた後ドクターで掻き剥がし、細かい皺を形成させ、続いて、ヤンキードライヤーで加熱し(工程(B))、皺を形成させた全熱交換素子用紙を得た。皺を形成する際、皺率は30%とし、密度0.22g/cmの皺を有する紙を得た。
上記例で製造した全熱交換素子用紙について、下記の評価方法により評価した。その結果をまとめて表2に示す。
(皺の解け)
実施例1における吸湿剤含浸前の皺の状態を基準に、皺の状況を目視にて評価した。
A:皺がほとんど解けていない。
B:皺が少し解けている。実使用上問題が無い。
C:明らかに皺が解けている。実使用上問題がある。
(伸縮率)
全熱交換素子用紙を、温度10℃、相対湿度20%から温度30℃、相対湿度80%及びその逆に環境変化させた場合の伸縮率を評価した。
(紙の強度)
温度23℃、相対湿度50%下で調湿した全熱交換素子用紙を、折り曲げた時の紙の割れやすさを評価した。
A:紙がほとんど割れない。
B:紙が少し割れる。実使用上問題が無い。
C:明らかに紙に割れが発生している。実使用上問題がある。
Figure 2017150802
PVA糊:ポリビニルアルコールとポリ酢酸ビニル混合液
PA樹脂:ホルムアルデヒド変性ポリアミド樹脂
<評価>
実施例1と比較例5の結果から、工程(A)と工程(B)と工程(C)とをこの順に含む製造方法で製造され、固定化された皺を有する実施例1の全熱交換素子用紙は、工程(B)と工程(A)と工程(C)とをこの順に含む製造方法で製造され、皺が固定化されていない比較例5の全熱交換素子用紙に比べ、皺の解けがほとんど無く、伸縮率も小さい。つまり、実施例1の全熱交換素子用紙を用いた全熱交換素子は、温度湿度条件が変化した時の形状変化が少ないことを示している。
実施例3と比較例6の結果から、工程(A)と工程(B)と工程(C)とをこの順に含む製造方法で製造され、固定化された皺を有する実施例3の全熱交換素子用紙は、工程(B)と工程(A)と工程(C)とをこの順に含む製造方法で製造され、皺が固定化されていない比較例6の全熱交換素子用紙に比べ、皺の解けがほとんど無く、伸縮率も小さい。つまり、実施例3の全熱交換素子用紙を用いた全熱交換素子は、温度湿度条件が変化した時の形状変化が少ないことを示している。
実施例1と比較例7の結果から、工程(C)と工程(A)と工程(B)とをこの順に含む製造方法で製造され、皺が固定化されていない比較例7の全熱交換素子用紙は、工程(A)と工程(B)と工程(C)とをこの順に含む製造方法で製造され、固定化された皺を有する実施例1の全熱交換素子用紙に比べ、皺が解け易く、伸縮率も大きく、紙の強度も脆くなる結果となった。つまり、比較例7の全熱交換素子用紙を用いた全熱交換素子は、割れ等のトラブルが発生し易く、温度湿度条件が変化した時の形状変化が多いことを示している。
実施例3と比較例8の結果から、工程(C)と工程(A)と工程(B)とをこの順に含む製造方法で製造され、皺が固定化されていない比較例8の全熱交換素子用紙は、工程(A)と工程(B)と工程(C)とをこの順に含む製造方法で製造され、固定化された皺を有する実施例3の全熱交換素子用紙に比べ、皺が解け易く、伸縮率も大きく、紙の強度も脆くなる結果となった。つまり、比較例8の全熱交換素子用紙を用いた全熱交換素子は、割れ等のトラブルが発生し易く、温度湿度条件が変化した時の形状変化が多いことを示している。
実施例10と比較例9の結果から、工程(C1)と工程(C2)と工程(A)と工程(B)とをこの順に含む製造方法で製造され、皺が固定化されていない比較例9の全熱交換素子用紙は、工程(A)と工程(B)と工程(C)とをこの順に含む製造方法で製造され、固定化された皺を有する実施例10の全熱交換素子用紙に比べ、皺が解け易く、伸縮率も大きく、紙の強度も脆くなる結果となった。なお、表2において、比較例9の年熱交換素子用紙の伸縮率は最大であった。つまり、比較例9の全熱交換素子用紙を用いた全熱交換素子は、割れ等のトラブルが発生し易く、温度湿度条件が変化した時の形状変化が多いことを示している。
実施例9と実施例11の結果から、接着剤がカチオン澱粉である実施例11の全熱交換素子用紙より、接着剤がPVA糊である実施例9の全熱交換素子用紙の方が、伸縮率が小さく、皺が解け難い。つまり、実施例9の全熱交換素子用紙を用いた全熱交換素子は、温度湿度条件が変化した時の形状変化が少ないことがわかる。
また、実施例9と実施例1及び2の結果から、接着剤がポリアミド樹脂を含む実施例1及び2の全熱交換素子用紙の方が、接着剤がポリアミド樹脂を含まない実施例9の全熱交換素子用紙よりも、伸縮率が小さく、実施例1及び2の全熱交換素子用紙を用いた全熱交換素子は、温度湿度条件が変化した時の形状変化が少ないことがわかる。
次に、本発明の全熱交換素子用紙を用いた全熱交換素子の実施例を、図1及び図2を用いて説明する。
実施例12
実施例1で得た全熱交換素子用紙を仕切部材2に用い、断面波形構造に成型したコルゲート状の晒クラフト紙60g/mを間隔保持部材3に用いて、直交流型積層構造であるコルゲート構造の全熱交換素子を得た。間隔保持部材A 10、仕切部材A 8、間隔保持部材B 11、仕切部材B 9の順序で積層し、間隔保持部材A 10と間隔保持部材B 11の波方向が直交する角度(90°)で交差するように積層され、さらに、仕切部材A 8と仕切部材B 9の皺12の方向も直交する角度(90°)で交差するように、各部材を貼り合わせて136段を積層し、縦300mm、横300mm、高さ280mmの全熱交換素子を得た。この時、晒クラフト紙60g/mは、コルゲートマシンにより、波形のピッチが4.8mmで、波形の高さが2.0mmに成型した。また、各部材の貼り合わせには、エチレン酢酸ビニル系の接着剤を使用した。
実施例13
実施例10で得た全熱交換素子用紙を仕切部材2に用い、断面波形構造に成型したコルゲート状の晒クラフト紙60g/mを間隔保持部材3に用いて、直交流型積層構造であるコルゲート構造の全熱交換素子を得た。間隔保持部材A 10、仕切部材A 8、間隔保持部材B 11、仕切部材B 9の順序で積層し、間隔保持部材A 10と間隔保持部材B 11の波方向が直交する角度(90°)で交差するように積層され、さらに、仕切部材A 8と仕切部材B 9の皺12の方向も直交する角度(90°)で交差するように、各部材を貼り合わせて106段を積層し、縦300mm、横300mm、高さ280mmの全熱交換素子を得た。この時、晒クラフト紙60g/mは、コルゲートマシンにより、波形のピッチが5.8mmで、波形の高さが2.6mmに成型した。また、各部材の貼り合わせには、エチレン酢酸ビニル系の接着剤を使用した。
比較例10
仕切部材2として比較例1で得た全熱交換素子用紙を用いた以外は、実施例12と同様に全熱交換素子を得た。
比較例11
仕切部材2として比較例9で得た全熱交換素子用紙を用いた以外は、実施例13と同様に全熱交換素子を得た。
上記例で製造した全熱交換素子について、下記の評価方法により評価した。その結果をまとめて表3に示す。
(全熱交換素子の変形)
実施例12、13及び比較例10、11の全熱交換素子を用いて、この全熱交換素子を温度30℃、相対湿度90%の条件で48時間放置し、形状変化を目視にて評価した。
A:ほとんど形状が変化しない。
B:少し形状が変化する。実使用上問題が無い。
C:明らかに形状が変化していて、実使用上問題がある。
(圧力損失)
JIS B8628:2003に準じて、実施例12、13及び比較例10、11の全熱交換素子を用いて、この全熱交換素子の圧力損失を評価した。
(全熱交換効率)
JIS B8628:2003に準じて、実施例12、13及び比較例10、11の全熱交換素子を用いて、この全熱交換素子の全熱交換効率を評価した。
Figure 2017150802
<評価>
これらの結果より、比較例10を基準にした場合、全熱交換素子用紙が固定化された皺を有する以外は、比較例10と同じ構成である実施例12の全熱交換素子は、皺による乱流発生により圧力損失がやや高めとなるものの、変形も少なく、全熱交換効率も良好である。また、実施例13の全熱交換素子では、コルゲートの間隔が広くなった結果、圧力損失は下がり、変形も少なく、全熱交換効率は比較例10と同等レベルを維持している。全熱交換素子用紙の皺が固定化されていない以外は、実施例13と同じ構成である比較例11の全熱交換素子では、圧力損失は低いものの、変形し、全熱交換効率も低くなった。
本発明における全熱交換素子用紙は、新鮮な外気を供給すると共に室内の汚れた空気を排出する際に顕熱(温度)と潜熱(湿度)の熱交換を行う全熱交換器の全熱交換素子に利用される。
1 全熱交換素子
2 仕切部材
3 間隔保持部材
4 流路
5 流路
6 気流
7 気流
8 仕切部材A
9 仕切部材B
10 間隔保持部材A
11 間隔保持部材B
12 皺

Claims (7)

  1. JIS P 8121−1:2012「パルプ−ろ水度試験方法−第1部:ショッパー・リーグラ法 Pulps−Determination of drainability−Part 1: Schopper−Riegler method」のろ水度で80°SR以上に叩解した天然パルプを含む紙からなる全熱交換素子用紙において、該紙が固定化された皺を有することを特徴とする全熱交換素子用紙。
  2. 固定化された皺を有する紙において、皺率が15〜40%であり、密度が0.20〜0.36g/cmである請求項1記載の全熱交換素子用紙。
  3. 皺が、接着剤によって固定化されてなる請求項1又は2記載の全熱交換素子用紙。
  4. 接着剤が、ポリビニルアルコール系接着剤及びポリ酢酸ビニル系接着剤の群から選ばれる少なくとも1種である請求項3記載の全熱交換素子用紙。
  5. 接着剤が、ポリアミド樹脂を含む請求項3又は請求項4記載の全熱交換素子用紙。
  6. 全熱交換素子用紙が、さらに、吸湿剤及び/又は難燃剤を含有する請求項1〜5のいずれか記載の全熱交換素子用紙。
  7. 請求項1〜6のいずれか記載の全熱交換素子用紙を用いた全熱交換素子。
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