JP3624377B2 - 珪藻土を含む珪藻土紙、珪藻土と無機質材料を含む高填料紙およびそれらの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、建材などから発生する有害ガスを吸収し、さらに室内の湿度を調整可能な消臭性能や調湿性能に優れる紙およびその製造方法に関し、特に住宅の壁材等に使用される珪藻土を含む珪藻土紙あるいは珪藻土と無機質材料とを含む高填料紙およびそれらの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、住宅の天井や壁などには様々な種類の建材が使用されており、またそれらの建材の表面には、意匠性を高めるために室内装飾用の化粧シート(例えば、合成樹脂製、布製、紙製など)を貼り合わせて使用する場合も多い。
【0003】
これらの建材や化粧シートとして用いられる合成樹脂製シート中には、例えば、ホルムアルデヒドなど、いわゆる「シックハウス症候群」を引き起こす有害ガスを発生する化学物質を含む場合があり、施工当初に特有の不快な臭気を発することがある。そのため、室内装飾用の化粧シートとして、耐久性の良い合成樹脂製シートの代わりに、布製や紙製の壁紙などを使用する場合も多くなっている。
【0004】
一方、夏場に高温多湿となる我が国の気候風土において、密閉性が高くなっている最近の住宅では、気象条件によっては、室内に結露を生じ、結露した周辺にカビを発生する場合がある。また、結露に至らなくても室内が常に湿度の高い状態となりやすい最近の住宅では、住人の健康に影響を及ぼすことが懸念される。
【0005】
しかしながら、化粧シートとして紙製の壁紙を使用する場合には、壁紙はある程度の有害ガスや湿気を吸収するもののその吸収性能はそれほど大きくないため、建材から発生する「シックハウス症候群」を引き起こす有害ガスや結露を生じる湿気をより多く吸収し、消臭性や調湿性に優れる壁紙が望まれている。
【0006】
ただし、紙製の壁紙に調湿剤を添加する場合、壁紙の紙厚は薄いことから、「シックハウス症候群」を引き起こす有害ガスを吸収し、結露の生じにくい調湿性能に優れる壁紙を製造するためには、壁紙中に可能な限りの調湿剤を添加する必要がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
この紙製の壁紙の消臭性能、調湿性能を改善する試みとしては、例えば、特開平10−212694号公報に、調湿剤として炭素粉や珪藻土を含有する建物内装用シートが開示されている。
【0008】
しかしながら、特開平10−212694号公報には、壁紙として使用可能な所定強度を有する建物内装用シートを形成するために建物内装用シート中に含有可能な調湿剤の添加量およびその製造方法については開示されていない。そのため、どの程度の調湿剤をどのような方法で添加すると所定強度を有する壁紙を形成することができるかについては不明である。
【0009】
一方、特開昭59−100798号公報には、珪藻土とパルプをブレンドして形成される珪藻土を含有する裏打紙およびその製造方法が開示されているが、開示された製造方法では、パルプ100重量部に対して珪藻土を20重量部より多く添加すると、裏打紙としての強度が低下し、裏打紙として使用できないことが開示されている。
【0010】
すなわち、特開平10−212694号公報および特開昭59−100798号公報によれば、壁紙中に珪藻土を含有する製造技術は開示されているものの壁紙を形成するためには、最大20重量部の珪藻土をパルプ100重量部に添加するのが限界である。
【0011】
しかしながら、上記説明したように紙厚の薄い壁紙に消臭性能や調湿性能を有する珪藻土などを添加する場合には、壁紙中に可能な限りの珪藻土を添加して、建材から発生する有害ガスや室内の湿気を吸収して、壁紙の消臭性能や調湿性能を向上することが望まれる。
【0012】
本発明は上記説明した従来技術の問題点を解決することを出発点としてなされたものであり、その目的は、パルプ100重量部に対して珪藻土を20重量部より多く含んでも、珪藻土紙または高填料紙としての製紙強度を有する珪藻土紙または高填料紙およびそれらの製造方法を提供することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明に係る一実施形態の珪藻土紙は、以下の構成を有する。すなわち、全重量の30〜80重量%の珪藻土と、フリーネスが100〜200mlとなるように叩解されたパルプと、前記珪藻土と前記パルプとの間の少なくとも結合強度を高める添加剤と、を含むことを特徴とする。
【0016】
ここで、例えば、前記添加剤は、全重量の0.2〜1.7重量%含まれることが好ましい。
【0017】
ここで、例えば、前記添加剤には、サイズ剤、紙力増強剤、歩留向上剤が含まれることが好ましい。
【0018】
ここで、例えば、前記サイズ剤は、パルプを疎水化する構造を含む樹脂から選択され、前記紙力増強剤は、パルプの水酸基と水素結合を形成するあるいは3次元化した網目構造でパルプを固定して強度を増加させる性能を有する水溶性樹脂から選択され、前記歩留向上剤は、ワイヤーパートでの歩留まり率を示すワンパスリテンションを向上させる水溶性樹脂から選択されることが好ましい。
【0019】
ここで、例えば、前記サイズ剤は、オレフィン系樹脂、アルキルケテンダイマー、スチレンアクリル系樹脂およびロジン系のうちの少なくともいずれか1つを含み、前記紙力増強剤は、ポリアクリルアミド系樹脂、ポリアミドエピクロロヒドリン樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂およびポリアミド樹脂のうちの少なくともいずれか1つを含み、前記歩留向上剤は、ポリアクリルアミド系樹脂、スチレン系樹脂、ポリアミド縮合物および多価フェノール系樹脂のうちの少なくともいずれか1つを含むことが好ましい。
【0020】
ここで、例えば、前記サイズ剤を全重量の0.1〜1.0重量%、前記紙力増強剤を全重量の0.1〜0.5重量%、前記歩留向上剤を全重量の0.05〜0.2重量%含むことが好ましい。
【0021】
上記目的を達成するための本発明に係る一実施形態の珪藻土と無機質材料とを含有する高填料紙は、以下の構成を有する。すなわち、フリーネスが100〜200mlとなるように叩解されたパルプと、全重量の20〜35重量%の珪藻土と、全重量の10〜50重量%の無機質材料と、前記パルプ、前記珪藻土および前記無機質材料の間の少なくとも結合強度を高める添加剤とを含むことを特徴とする。
【0023】
ここで、例えば、前記添加剤は、全重量の0.2〜1.7重量%含まれることが好ましい。
【0024】
ここで、例えば、前記無機材料は、水酸化アルミニウム、クレー、カオリン、焼成カオリン、タルク、炭酸カルシウムあるいは二酸化チタン、水酸化チタン等のチタン酸化物又は水酸化物、硫酸バリウム、酸化亜鉛、硫酸カルシウム、酸化アルミニウム、炭酸マグネシウム、酸性白土、珪藻頁岩、ケイ酸塩鉱物およびホワイトカーボンから選択された1種または2種以上を複合して使用することが好ましい。
【0025】
ここで、例えば、前記添加剤は、サイズ剤、紙力増強剤、歩留向上剤を含むことが好ましい。
【0026】
ここで、例えば、前記サイズ剤は、パルプを疎水化する構造を含む樹脂から選択され、前記紙力増強剤は、パルプの水酸基と水素結合を形成するあるいは3次元化した網目構造でパルプを固定して強度を増加させる性能を有する水溶性樹脂から選択され、前記歩留向上剤は、ワイヤーパートでの歩留まり率を示すワンパスリテンションを向上させる水溶性樹脂から選択されることが好ましい。
【0027】
ここで、例えば、前記サイズ剤は、オレフィン系樹脂、アルキルケテンダイマー、スチレンアクリル系樹脂およびロジン系のうちの少なくともいずれか1つを含み、前記紙力増強剤は、ポリアクリルアミド系樹脂、ポリアミドエピクロロヒドリン樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂およびポリアミド樹脂のうちの少なくともいずれか1つを含み、前記歩留向上剤は、ポリアクリルアミド系樹脂、スチレン系樹脂、ポリアミド縮合物および多価フェノール系樹脂のうちの少なくともいずれか1つを含むことが好ましい。
【0028】
ここで、例えば、前記サイズ剤を全重量の0.1〜1.0重量%、前記紙力増強剤を全重量の0.1〜0.5重量%、前記歩留向上剤を全重量の0.05〜0.2重量%含むことが好ましい。
【0029】
上記目的を達成するための本発明に係る一実施形態の珪藻土紙の製造方法は、以下の構成を有する。すなわち、パルプをフリーネスが100〜200mlとなるように叩解し、前記叩解したパルプを、珪藻土と、さらに前記パルプと前記珪藻土との間の少なくとも結合強度を高める添加剤と混合して珪藻土入りパルプスラリーを調成し、前記珪藻土入りパルプスラリーを抄造して前記珪藻土が全量の30〜80重量%となるように調成されている珪藻土紙を製造することを特徴とする。
【0030】
上記目的を達成するための本発明に係る一実施形態の高填料紙の製造方法は、以下の構成を有する。すなわち、パルプが100〜200mlのフリーネスとなるように叩解し、前記叩解したパルプを、珪藻土と、無機質材料と、さらに前記パルプ、前記珪藻土および前記無機質材料の間の少なくとも結合強度を高める添加剤と混合してスラリーを調成し、前記スラリーを抄造し、前記珪藻土が全重量の20〜35重量%と、前記無機質材料が全重量の10〜50重量%となるように調成されている珪藻土と無機質材料を含有する高填料紙を製造することを特徴とする。
【0031】
【発明の実施形態】
以下に図面を参照して、本発明に係る好適な実施形態である「珪藻土紙」あるいは「高填料紙」およびそれらの製造方法を例示的に詳しく説明する。ただし、この実施形態に記載されている構成要素、数値などは、特に特定的な記載がない限りは、この発明をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【0032】
[定義]
まず本実施形態で用いる「珪藻土を含む珪藻土紙」、「珪藻土と無機質材料を含む高填料紙」および「フリーネス(ろ水度)」について以下に定義する。
【0033】
「珪藻土を含む珪藻土紙」とは、所定のフリーネスを有するように叩解されたパルプ中に所定量の珪藻土と、結合強度やワンパスリテンションなどの特性を高める添加剤とを混合してスラリーを調成し、このスラリーを抄造して得られる紙と定義する。
【0034】
「珪藻土と無機質材料を含む高填料紙」とは、所定のフリーネスを有するように叩解されたパルプ中に所定量の珪藻土と、無機質材料と、結合強度などの特性を高める添加剤とを混合してスラリーを調成し、このスラリーを抄造して得られる紙と定義する。
【0035】
なお、本実施形態では、「珪藻土を含む珪藻土紙」を単に「珪藻土紙」と称し、「珪藻土と無機質材料を含む高填料紙」を単に「高填料紙」と称して区別する。
【0036】
[フリーネス(ろ水度)]とは、パルプの水切れの程度を表す指標(数値)で、繊維の叩解の度合いを示すものである。パルプのフリーネスの測定方法は、日本工業規格JIS P8121で、「カナダ標準ろ水度試験方法」および「ショッパーろ水度試験方法」に規定されている。本実施形態では、フリーネス(ろ水度)を「カナダ標準ろ水度試験方法」を用いて測定したが、「ショッパーろ水度試験方法」を用いて測定してもよい。
【0037】
[珪藻土、高填料紙の原料]
次に、上記説明した「珪藻土紙」あるいは「高填料紙」を製造するために用いる原料について以下詳しく説明する。
【0038】
なお上記定義したように、「高填料紙」の構成成分は、「珪藻土紙」の構成成分に無機質材料成分をさらに添加したものであり、「珪藻土紙」と「高填料紙」の原料の違いは、無機質材料のみである。そこで以下の説明では、「珪藻土紙」および「高填料紙」の各原料は重複するものが多いので、それぞれの原料を区別して説明することなく一括して説明することとする。
【0039】
[パルプ]
本実施形態の「珪藻土紙」あるいは「高填料紙」で使用するパルプとしては、種々のパルプを使用することができる。例えば、針葉樹未晒クラフトパルプ(NUKP)、針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)、広葉樹未晒クラフトパルプ(LUKP)、広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)、針葉樹晒サルファイトパルプ(NBSP)等の木材パルプと、サーモメカニカルパルプ(TMP)や砕木パルプ(GP)等の高収率パルプのいずれかを単独又は複合して使用することができる。
【0040】
また木材パルプに限らず、麻、こうぞ等のじん皮繊維、竹、わら、バガス、ケナフ等の非木材パルプも利用および配合することもできる。さらに用途に応じて、有機合成繊維、無機質繊維を混合しても良い。
【0041】
[パルプのフリーネス]
上記より選択されたパルプは、「珪藻土紙」あるいは「高填料紙」が壁紙などとして使用できる程度の強度等を有するようにフリーネス(ろ水度)を調成して用いる。本実施形態のパルプのフリーネス(ろ水度)は、80〜300mlが好ましく、より好ましくは、100〜200mlとなるように叩解して使用する。
【0042】
また上記の範囲のフリーネスに調成されたパルプにおいて、フリーネスが小さい程、「珪藻土紙」あるいは「高填料紙」の強度などが高くなり、珪藻土や無機質材料を多く含有することもできる。
【0043】
なお、「珪藻土紙」あるいは「高填料紙」を作製する際に、フリーネス(ろ水度)が300ml以上のパルプを用いると、得られる「珪藻土紙」あるいは「高填料紙」の強度は、壁紙等で使用できる程度の強度に達することができず、使用できない。この点について、以下詳しく説明する。
【0044】
パルプを100〜200mlとなるように叩解すると繊維が柔軟になり、さらにフィブリル化が進んで繊維間の結合面積が増大し、繊維同士の絡みが増える。この繊維同士の絡みが多くあるパルプを珪藻土や無機質材料と混合すると、フィブリル化した繊維の交点部分に珪藻土や無機質材料が付着し、パルプと珪藻土あるいは無機質材料との接触面積が増加する。その結果、それらの間で発生する摩擦抵抗が増加し、「珪藻土紙」あるいは「高填料紙」を作製するときに得られる紙の強度を高くすることができる。
【0045】
一方、フリーネス(ろ水度)が450mlのパルプは、叩解が進んでいないため、フィブリル化が少なく、繊維同士の絡みが少ない。そのため、この繊維同士の絡みが少ないパルプを珪藻土や無機質材料と混合すると、フィブリル化した繊維の交点部分に珪藻土や無機質材料が付着しにくいためパルプと珪藻土などとの間の接触面積はそれほど増加しない。その結果、それらの間で発生する摩擦抵抗の増加は少ないため、パルプに珪藻土あるいは無機質材料などを含有させて珪藻土紙や高填料紙を作製するときに得られる紙の強度を高くすることができない。
【0046】
なお、「珪藻土紙」中にパルプは任意量添加することができるが、「珪藻土紙」の消臭性能や調湿性能を高めるために本実施形態では、パルプは「珪藻土紙」の全重量の70重量部以下となるように添加するのが望ましい。また同様に、「高填料紙」中にもパルプは任意量添加することができる。
【0047】
[珪藻土]
珪藻土は、藻類が珪藻殻となって長い間地層に堆積し化石化したものであり、主成分は、SiO2(シリカ)である。本実施形態の「珪藻土紙」あるいは「高填料紙」で使用する珪藻土の粒子径は、5〜100ミクロン、好ましくは10〜50ミクロンに整粒されたものが望ましい。
【0048】
そのために天然に存在する珪藻土は使用前に十分精製・乾燥されたものまたは乾燥品を焼成したものを用いる。
【0049】
このように調成された珪藻土は、水蒸気の吸湿・放湿性能および有害ガスの消臭性能に優れていることから建材などから放出される有害ガスを吸着しやすく、また室内の湿度に合わせて水蒸気を吸収したり、放湿しやすいくなる。珪藻土は、これらの特性を生かして、建材の他に、ろ過助剤、吸着・脱臭剤、充填材などに幅広く利用されている。
【0050】
なお本実施形態では、「珪藻土紙」中に珪藻土を好ましくは全重量の30〜80重量%、より好ましくは、全重量の50〜80重量%添加することができる。また「珪藻土紙」中の珪藻土の割合は、珪藻土紙の特性に応じて選択することができ、例えば、珪藻土紙の消臭性能や調湿性能を高めるためには、「珪藻土紙」中の珪藻土の割合を増やせばよい。
【0051】
また同様に、本実施形態では、「高填料紙」中に珪藻土を好ましくは無機質材料と合わせて全重量の30〜85重量%、より好ましくは、全重量の50〜85重量%添加することができる。なお「高填料紙」中の珪藻土の割合は、特に限定する必要が無く、使用する「高填料紙」の特性に応じて選択することができる。例えば、珪藻土の有する消臭性能や調湿性能より利用したい場合には、「高填料紙」中の珪藻土の割合を増やせばよい。
【0052】
[無機質材料]
本実施形態の「高填料紙」で使用する無機質材料としては、消臭性能、調湿性能を示し、難燃性の材料であれば天然のものであれ人工のものであれどのようなものであっても良い。例えば、水酸化アルミニウム、クレー、カオリン、焼成カオリン、タルク、炭酸カルシウムあるいは二酸化チタン、水酸化チタン等のチタン酸化物又は水酸化物、硫酸バリウム、酸化亜鉛、硫酸カルシウム、ホワイトカーボン、酸化アルミニウム、炭酸マグネシウム、酸性白土、珪藻頁岩、ケイ酸塩鉱物等を単独あるいは数種類組み合わせて使用することができる。
【0053】
このような無機質材料は、水蒸気の吸湿・放湿性能および有害ガスの消臭性能に優れることから建材などから放出される有害ガスを吸着しやすく、また室内の湿度に合わせて水蒸気を吸収したり、放湿しやすいくなる。また難燃性や不燃性の特性を持たせることもできる。
【0054】
本実施形態では、無機質材料を「高填料紙」中に好ましくは珪藻土と合わせて全重量の30〜85重量%、より好ましくは、全重量の50〜85重量%添加することができる。なお「高填料紙」中の無機質材料の割合は、特に限定する必要が無く、使用する「高填料紙」の特性に応じて選択することができる。例えば、無機質材料の有する消臭性能、調湿性能および難燃性の特性をより利用したい場合には、「高填料紙」中の無機質材料の割合を増やせばよく、無機質材料の有する消臭性能、調湿性能および他の特性を利用したい場合には、高填料紙中の無機質材料の割合を増やせばよい。またなお「高填料紙」中の無機質材料の種類は、上記説明したものから1種あるいは2種以上を所定量ずつ複合して使用すれば良く、その種類および量については特に限定する必要が無く、使用する「高填料紙」の特性に応じて選択することができる。
【0055】
[添加剤:内添用]
本実施形態の「珪藻土紙」あるいは「高填料紙」で使用する内添する添加剤は、珪藻土とパルプとの間の結合強度等の特性、あるいは、珪藻土とパルプあるいは無機質材料との間の結合強度やワンパスリテンション等の特性を高めるために用いられる。添加剤としては、下記に示するサイズ剤、紙力増強剤および歩留向上剤を用いることが好ましい。
【0056】
[サイズ剤]
サイズ剤は、パルプ(の主成分であるセルロース)を疎水化する構造を含む樹脂が好ましく、例えば、オレフィン系樹脂、アルキルケテンダイマー、スチレンアクリル樹脂、ロジンなどを用いるのが好ましい。
【0057】
[紙力増強剤]
紙力増強剤は、パルプの水酸基と水素結合を形成したり、3次元化した網目構造でパルプを固定して強度等を増加させる性能を有する水溶性樹脂が好ましく、例えば、ポリアクリルアミド系樹脂、ポリアミドエピクロロヒドリン樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、ポリアミド樹脂などを用いるのが好ましい。
【0058】
[歩留向上剤]
歩留向上剤は、ワイヤーパートでのワンパスリテンションを向上させる水溶性樹脂が好ましく、例えば、ポリアクリルアミド系樹脂、スチレン系樹脂、ポリアミド縮合物および多価フェノール系樹脂などを用いるのが好ましい。
【0059】
なお上記説明した添加剤の「珪藻土紙」あるいは「高填料紙」に添加する量は、「珪藻土紙」あるいは「高填料紙」中の各成分の割合および所望する特性(強度等)によって変化するが、添加剤(サイズ剤、紙力増強剤および歩留向上剤)の合計量は、「珪藻土紙」の場合には、全重量に対して0.2〜1.7重量%であることが好ましく、「高填料紙」の場合には、全重量に対して0.2〜1.7重量%であることが好ましい。
【0060】
また添加剤中のサイズ剤、紙力増強剤および歩留向上剤の各割合もまた、「珪藻土紙」あるいは「高填料紙」中の各成分の割合および所望する特性(強度等)によって変化する。例えば、「珪藻土紙」の場合には、全重量に対してサイズ剤が0.1〜1.0重量%、紙力増強剤が0.1〜0.5重量%、歩留向上剤が0.05〜0.2重量%であることが好ましく、「高填料紙」の場合には、全重量に対してサイズ剤が0.1〜1.0重量%、紙力増強剤が0.1〜0.5重量%、歩留向上剤が0.05〜0.2重量%であることが好ましい。
【0061】
これらの添加剤は、「珪藻土紙」あるいは「高填料紙」を製造する途中で調成される「珪藻土紙」用スラリーあるいは「高填料紙」用スラリー中に添加(内添)され、抄造されることにより、所定の強度等を有する「珪藻土紙」および「高填料紙」が作製される。また必要に応じて、上記説明した添加剤に加えて防かび剤などの添加剤をを更に添加しても良い。
【0062】
また上記のサイズ剤、紙力増強剤および歩留向上剤は、作製する「珪藻土紙」あるいは「高填料紙」の特性に応じて、それぞれ最適な種類を選択し、さらに各添加量の割合いを「珪藻土紙」あるいは「高填料紙」に適した量に最適化することにより、更に「珪藻土紙」および「高填料紙」の強度等を向上することができる。
【0063】
また本実施形態の「珪藻土紙」あるいは「高填料紙」で使用する添加剤は、上記説明したスラリーに添加(内添)する添加剤の他に、「珪藻土紙」あるいは「高填料紙」の表面のみに添加(外添)し、「珪藻土紙」あるいは「高填料紙」の表面性状、例えば、表面紙力の向上などするために必要に応じて添加される添加剤を含んでも良い。外添する添加剤とは、例えば、酸化デンプン等を用いることができる。
【0064】
[珪藻土紙あるいは高填料紙の配合:図1]
以上説明した各原料より「珪藻土紙」あるいは「高填料紙」を製造するための好適な配合およびより好適な配合をまとめたものを図1に示す。
【0065】
[珪藻土紙の製造方法:図2]
上記説明した各原料を用いる本実施形態の「珪藻土紙」あるいは「高填料紙」の製造方法について以下説明する。まず珪藻土紙の製造方法について、図2を参照して説明する。
【0066】
[原料の調成]
図2の原料で、パルプ、珪藻土、内添する添加剤について説明する。所定のフリーネスを有するパルプは、上記説明した原料パルプから選択され、公知技術により調成された原料パルプから所定濃度、例えば、数%のパルプスラリーを作製し、このパルプスラリーを叩解装置であるDDRで所定のフリーネス(例えば、100〜200ml)となるまで叩解することによって得られる。
【0067】
珪藻土は、使用前に十分精製・乾燥されたもの、または乾燥品を焼成したものを用いる。
【0068】
また内添する添加剤としては、上記説明した添加剤の中から選択されたサイズ剤、紙力増強剤、歩留向上剤を所望の特性(強度等)が得られるように所定量ずつ配合して得られる。
【0069】
[調成工程]
次に、図2の調成工程(珪藻土入りパルプスラリーの調成)について説明する。上記調成された原料パルプ、珪藻土、内添する添加剤を「珪藻土紙」中に所定濃度となるように配合してから均一に混合し、珪藻土入りパルプのインレット濃度、約1〜2重量%のスラリーを得る。
【0070】
[抄造工程]
次に、図2の抄造工程(「珪藻土紙」の抄造)について説明する。調成工程で調成された珪藻土入りパルプスラリーは、長網多筒式抄紙機を用いて「珪藻土紙」に抄造される。
【0071】
すなわち、所定濃度に調成された珪藻土入りパルプスラリーをストイックインレットに送り、ワイヤーパートにおいて珪藻土入りパルプスラリーをワイヤー上に流出させて、原料を脱水し紙層を形成させてから、プレスパートでさらに紙層の水分を低下させる。次のプレドライヤーパートで紙層を乾燥させてから、サイズプレスを用いて「珪藻土紙」の表面に外添する添加剤を塗工後、再びアフタードライヤーパートにて乾燥させる。
【0072】
[仕上工程]
次に、図2の仕上工程(表面仕上げ)について説明する。乾燥させた「珪藻土紙」をスーパーキャレンダーに通紙することにより、所定の紙厚、表面平滑度を有する「珪藻土紙」を得る。
【0073】
[高填料紙の製造方法:図3]
次に、上記説明した各原料を用いる本実施形態の「高填料紙」の製造方法について、図3を参照して説明する。
【0074】
なお図3の「高填料紙」の製造方法は、図2の「珪藻土紙」の製造方法と類似する製造方法である。従って、以下に示す「高填料紙」の製造方法では、「珪藻土紙」と共通する部分の内容の説明は省略し、異なる点についてのみ説明することとする。
【0075】
[原料の調成]
まず図3の原料(パルプ、珪藻土、無機質材料、内添する添加剤)について説明する。
【0076】
パルプ、珪藻土、無機質材料、内添する添加剤の調成方法は、「珪藻土紙」の場合と同様であるので、その説明は重複するので省略する。
【0077】
また無機質材料は、上記説明した無機質材料から選択された無機質材料を必要に応じて1種あるいは2種以上複合して用いる。
【0078】
[調成工程]
次に、図3の調成工程(珪藻土および無機質材料入りパルプスラリーの調成)について説明する。上記調成された原料パルプ、珪藻土、無機質材料および内添する添加剤を「高填料紙」中に所定濃度となるように配合してから均一に混合し、珪藻土および無機質材料を含むパルプのインレット濃度約1〜2重量%のスラリーを得る。
【0079】
[抄造工程]
次に、図3の抄造工程(「高填料紙」の抄造)について説明する。調成工程で調成された珪藻土および無機質材料入りパルプスラリーは、長網多筒式抄紙機を用いて「高填料紙」に抄造される。
【0080】
[仕上工程]
次に、図3の仕上工程(表面仕上げ)について説明する。乾燥させた「高填料紙」をスーパーキャレンダーに通紙することにより、所定の紙厚、表面平滑度を有する「高填料紙」を得る。
【0081】
このようにして得られる「珪藻土紙」および「高填料紙」は、紙の強度等が強く、適正な層間強度等を有しているため加工時の作業性に富んでおりかつ表面が滑らかで、印刷適正に優れている。
【0082】
なお上記説明した「珪藻土紙」および「高填料紙」の抄紙方法は、特に限定されるものではなく、酸性抄紙、中性抄紙、アルカリ性抄紙のいずれであってもよく、用いるパルプは、NBKP、LBKPなどの化学パルプの他、TMPなどの高歩留パルプを含む中質原紙あるいは回収古紙パルプも使用できる。
【0083】
また、添加剤としては、上記説明した紙力増強剤、歩留向上剤、サイズ剤の他に、例えば、顔料、着色染料、等の抄紙用補助薬品をパルプスラリーに必要に応じて添加してもよい。
【0084】
また、抄造については、長網多筒式抄紙機に限ることはなく、公知の抄紙機で抄造してもよい。
【0085】
なお本実施形態では、上記のようにして得られた「珪藻土紙」あるいは「高填料紙」を、抄造した後、その原紙をスーパーキャレンダーに通紙して仕上げ処理しているが、キャレンダー圧力、ニップ数については特に限定されず、要求される品質に応じて適宜選択して使用することができる。またスーパーキャレンダーにオンライン方式で仕上げ処理する場合も同様である。
【0086】
[実施例:図4、5]
上記説明した「珪藻土紙」および「高填料紙」の製造方法に基づいて、各種配合の「珪藻土紙」および「高填料紙」をそれぞれ作製し、それらの製紙強度およびワンパスリテンションを測定した結果を図4および図5に示す。
【0087】
また図4および図5には、本実施例の「珪藻土紙」および「高填料紙」と比較するために比較例1および比較例2の配合で作製した紙の製紙強度およびワイヤー上の歩留まり率を示すワンパスリテンションを評価した結果をあわせて示す。
【0088】
図4の「珪藻土紙1」〜「珪藻土紙4」は、フリーネスが100mlまたは200mlのパルプ(針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP))に珪藻土を全重量に対して30重量%または80重量%、添加剤として全重量の1.0重量%含有させたものである。また添加剤としては、サイズ剤、紙力増強剤および歩留向上剤を用いた。
【0089】
また「比較例1−1」および「比較例1−2」は、「珪藻土紙1」および「珪藻土紙2」と同じ配合で、針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)のフリーネスを450mlとしたものである。
【0090】
「珪藻土紙1」〜「珪藻土紙4」は、図4に示すように「珪藻土紙」としての製紙強度を有することが示されたが、「比較例1−1」および「比較例1−2」は、「珪藻土紙」としての製紙強度を有さないことが示された。また「珪藻土紙1」〜「珪藻土紙4」のワイヤー上の歩留まり率を示すワンパスリテンション(82〜93%)は、「比較例1−1」および「比較例1−2」のワンパスリテンション(59〜60%)に比べて高いことも示された。
【0091】
上記の結果から、珪藻土を全重量の30〜80重量%含む「珪藻土紙」が壁紙としての特性(強度、ワンパスリテンションなど)を示すには、フリーネスが100〜200mlのパルプと所定量の添加剤(サイズ剤、紙力増強剤および歩留向上剤)を含む必要があることが示された。
【0092】
図5の「高填料紙1」〜「高填料紙6」は、フリーネスが100mlまたは200mlのパルプ(針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP))に珪藻土と無機質材料を全重量に対して30、50重量%または85重量%、添加剤として全重量の1.0重量%含有させたものである。また添加剤としては、サイズ剤、紙力増強剤および歩留向上剤を用いた。
【0093】
また「比較例2−1」および「比較例2−2」は、「高填料紙1」および「高填料紙3」と同じ配合で、針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)のフリーネスを450mlとしたものである。
【0094】
「高填料紙1」〜「高填料紙6」は、図5に示すように「高填料紙」としての製紙強度を有することが示されたが、「比較例2−1」および「比較例2−2」は、「高填料紙」としての製紙強度を有さないことが示された。また「高填料紙1」〜「高填料紙6」のワイヤー上の歩留まり率を示すワンパスリテンション(80〜90%)は、「比較例2−1」および「比較例2−2」のワンパスリテンション(56〜57%)に比べて高いことも示された。
【0095】
上記の結果から、珪藻土と無機質材料を全重量の30〜85重量%含む「高填料紙」が壁紙としての特性(強度、ワンパスリテンションなど)を示すには、フリーネスが100〜200mlのパルプと所定量の添加剤(サイズ剤、紙力増強剤および歩留向上剤)を含む必要があることが示された。
【0096】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、パルプ100重量部に対して珪藻土を20重量部より多く含んでも、珪藻土紙または高填料紙としての製紙強度を有する珪藻土紙または高填料紙およびそれらの製造方法を提供できる。
【0098】
また壁紙の表紙や裏打ち紙だけでなく、珪藻土の特性を生かして、他の用途にも利用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る一実施形態の珪藻土紙および高填料紙の組成を示す図である。
【図2】本発明に係る一実施形態の珪藻土紙の製造方法を説明する図である。
【図3】本発明に係る一実施形態の高填料紙の製造方法を説明する図である。
【図4】本発明に係る一実施形態の珪藻土紙の配合と製紙強度などの関係を説明する図である。
【図5】本発明に係る一実施形態の高填料紙の配合と製紙強度などの関係を説明する図である。
Claims (15)
- 全重量の30〜80重量%の珪藻土と、
フリーネスが100〜200mlとなるように叩解されたパルプと、
前記珪藻土と前記パルプとの間の少なくとも結合強度を高める添加剤と、
を含むことを特徴とする珪藻土を含む珪藻土紙。 - 前記添加剤は、全重量の0.2〜1.7重量%含まれることを特徴とする請求項1に記載の珪藻土を含む珪藻土紙。
- 前記添加剤には、サイズ剤、紙力増強剤、歩留向上剤が含まれることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の珪藻土を含む珪藻土紙。
- 前記サイズ剤は、パルプを疎水化する構造を含む樹脂から選択され、前記紙力増強剤は、パルプの水酸基と水素結合を形成するあるいは3次元化した網目構造でパルプを固定して強度を増加させる性能を有する水溶性樹脂から選択され、前記歩留向上剤は、ワイヤーパートでの歩留まり率を示すワンパスリテンションを向上させる水溶性樹脂から選択されることを特徴とする請求項3に記載の珪藻土を含む珪藻土紙。
- 前記サイズ剤は、オレフィン系樹脂、アルキルケテンダイマー、スチレンアクリル系樹脂およびロジン系のうちの少なくともいずれか1つを含み、前記紙力増強剤は、ポリアクリルアミド系樹脂、ポリアミドエピクロロヒドリン樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂およびポリアミド樹脂のうちの少なくともいずれか1つを含み、前記歩留向上剤は、ポリアクリルアミド系樹脂、スチレン系樹脂、ポリアミド縮合物および多価フェノール系樹脂のうちの少なくともいずれか1つを含むことを特徴とする請求項4に記載の珪藻土を含む珪藻土紙。
- 前記サイズ剤を全重量の0.1〜1.0重量%、前記紙力増強剤を全重量の0.1〜0.5重量%、前記歩留向上剤を全重量の0.05〜0.2重量%含むことを特徴とする請求項3に記載の珪藻土を含む珪藻土紙。
- フリーネスが100〜200mlとなるように叩解されたパルプと、
全重量の20〜35重量%の珪藻土と、
全重量の10〜50重量%の無機質材料と、
前記パルプ、前記珪藻土および前記無機質材料の間の少なくとも結合強度を高める添加剤とを含むことを特徴とする珪藻土と無機質材料とを含む高填料紙。 - 前記添加剤は、全重量の0.2〜1.7重量%含まれることを特徴とする請求項7に記載の珪藻土と無機質材料とを含む高填料紙。
- 前記無機材料は、水酸化アルミニウム、クレー、カオリン、焼成カオリン、タルク、炭酸カルシウムあるいは二酸化チタン、水酸化チタン等のチタン酸化物又は水酸化物、硫酸バリウム、酸化亜鉛、硫酸カルシウム、酸化アルミニウム、炭酸マグネシウム、酸性白土、珪藻頁岩、ケイ酸塩鉱物およびホワイトカーボンから選択された1種または2種以上を複合して使用することを特徴とする請求項7に記載の珪藻土と無機質材料とを含む高填料紙。
- 前記添加剤は、サイズ剤、紙力増強剤、歩留向上剤を含むことを特徴とする請求項7に記載の珪藻土と無機質材料とを含む高填料紙。
- 前記サイズ剤は、パルプを疎水化する構造を含む樹脂から選択され、前記紙力増強剤は、パルプの水酸基と水素結合を形成するあるいは3次元化した網目構造でパルプを固定して強度を増加させる性能を有する水溶性樹脂から選択され、前記歩留向上剤は、ワイヤーパートでの歩留まり率を示すワンパスリテンションを向上させる水溶性樹脂から選択されることを特徴とする請求項10に記載の珪藻土と無機質材料とを含む高填料紙。
- 前記サイズ剤は、オレフィン系樹脂、アルキルケテンダイマー、スチレンアクリル系樹脂およびロジン系のうちの少なくともいずれか1つを含み、前記紙力増強剤は、ポリアクリルアミド系樹脂、ポリアミドエピクロロヒドリン樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂およびポリアミド樹脂のうちの少なくともいずれか1つを含み、前記歩留向上剤は、ポリアクリルアミド系樹脂、スチレン系樹脂、ポリアミド縮合物および多価フェノール系樹脂のうちの少なくともいずれか1つを含むことを特徴とする請求項11に記載の珪藻土と無機質材料とを含む高填料紙。
- 前記サイズ剤を全重量の0.1〜1.0重量%、前記紙力増強剤を全重量の0.1〜0.5重量%、前記歩留向上剤を全重量の0.05〜0.2重量%含むことを特徴とする請求項10に記載の珪藻土と無機質材料とを含む高填料紙。
- パルプをフリーネスが100〜200mlとなるように叩解し、
前記叩解したパルプを、珪藻土と、さらに前記パルプと前記珪藻土との間の少なくとも結合強度を高める添加剤と混合して珪藻土入りパルプスラリーを調成し、
前記珪藻土入りパルプスラリーを抄造して前記珪藻土が全量の30〜80重量%となるように調成されている珪藻土紙を製造することを特徴とする珪藻土紙の製造方法。 - パルプが100〜200mlのフリーネスとなるように叩解し、
前記叩解したパルプを、珪藻土と、無機質材料と、さらに前記パルプ、前記珪藻土および前記無機質材料の間の少なくとも結合強度を高める添加剤と混合してスラリーを調成し、
前記スラリーを抄造し、前記珪藻土が全重量の20〜35重量%と、前記無機質材料が全重量の10〜50重量%となるように調成されている珪藻土と無機質材料を含有する高填料紙を製造することを特徴とする高填料紙の製造方法。
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