JP6966854B2 - フィルタ原紙 - Google Patents

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Description

本発明は、フィルタ原紙に関する。
濾過フィルタ(以下、単に「フィルタ」ともいう。)は、固液分離等の濾過分離が必要な用途で多用されている。特に、微細物質を除去できるフィルタは、飲料用途、食品用途、製薬用途など、幅広く利用されている。
例えば、特許文献1には、セルロース系繊維と、活性炭と、ケイ酸カルシウムと、樹脂結合剤とを必須成分として含み、厚さが5mm以下であり、細孔径が0.5〜25μmである食用油フィルタが開示されている。
特許文献2には、セルロース不織布からなり、目付が3〜150g/mであり、透気抵抗度が10〜2000s/100mlである機能性フィルタが開示されている。
特開平3−77615号公報 特開2010−115574号公報
しかしながら、特許文献1、2に記載のフィルタでは、サブミクロンの微細物質を充分に除去することはできなかった。特に、特許文献2に記載のフィルタの場合、複数枚重ねて使用すると圧力損失が高くなり、単位時間当たりの流量が稼げず、濾過効率が低下しやすかった。
本発明の目的は、微細物質を除去でき、かつ圧力損失が低いフィルタ原紙を提供することである。
本発明は、以下の態様を有する。
[1] パルプと、珪藻土と、カチオン性樹脂とを含有するフィルタ原紙であって、前記フィルタ原紙の坪量が1000〜2000g/mであり、前記パルプの濾水度が200〜600mlであり、前記珪藻土の含有量が、前記フィルタ原紙の総質量に対して40〜80質量%であり、前記カチオン性樹脂の含有量が、前記パルプ100質量部に対して2〜6質量部である、フィルタ原紙。
[2] 前記カチオン性樹脂が、湿潤紙力剤および熱硬化性樹脂からなる群より選ばれる1種以上である、[1]に記載のフィルタ原紙。
[3] 密度が0.3〜0.5g/cmである、[1]または[2]に記載のフィルタ原紙。
本発明によれば、微細物質を除去でき、かつ圧力損失が低いフィルタ原紙を提供できる。
実施例で用いた圧力損失測定装置を示す概略構成図である。
「フィルタ原紙」
本発明のフィルタ原紙は、少なくともパルプと、珪藻土と、カチオン性樹脂とを含有する。
<パルプ>
パルプは、フィルタ原紙の主原料である。
パルプとしては、木材パルプ、天然繊維、再生繊維、合成繊維などが挙げられる。
木材パルプとしては、例えば針葉樹高歩留り未晒クラフトパルプ(HNKP;N材)、針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP;N材、NB材)、広葉樹未晒クラフトパルプ(LUKP;L材)、広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP、L材)等の化学パルプ;グランドウッドパルプ(GP)、プレッシャーライズドグランドウッドパルプ(PGW)、サーモメカニカルパルプ(TMP)等の機械パルプ;デインキングパルプ(DIP)、ウェイストパルプ(WP)等の古紙パルプやセミケミカルパルプ(CP)などが挙げられる。
天然繊維としては、例えば木綿、わら、竹、エスパルト、バガス、リンター、マニラ麻、亜麻、麻、黄麻、雁皮等のパルプ状繊維などが挙げられる。
これらパルプは、1種単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。これらの中でも、NBKP、LBKP、リンターが好ましく、濾過液の圧力耐性の点でNBKPが特に好ましい。
パルプの濾水度は、200〜600mlであり、300〜500mlが好ましい。パルプの濾水度が200ml以上であれば、紙力を良好に維持しつつ、圧力損失の上昇を抑制できる。一方、パルプの濾水度が600ml以下であれば、珪藻土のパルプへの担持性が高まり、濾過性能が向上する。
パルプの濾水度は、カナディアン・スタンダード・フリーネス(CSF)の値を意味し、JIS P 8121−2:2012「パルプ−ろ水度試験方法−第2部:カナダ標準ろ水度法」に準拠して測定することができる。より詳しくは、フィルタ原紙に使用されているパルプの濾水度は以下のようして測定される。
まず、JIS P 8220−1:2012「パルプ−離解方法−第1部:化学パルプの離解」に準拠してフィルタ原紙の離解を行い、フィルタ原紙を構成する物質(構成物)が離解したスラリーをメッシュで濾過して水洗する作業を数回繰り返すことによりパルプ分を取り出す。次いで、JIS P 8121−2:2012「パルプ−ろ水度試験方法−第2部:カナダ標準ろ水度法」に準拠して、取り出したパルプの濾水度を測定する。この時、メッシュの目開きは、パルプ以外のフィルタ原紙の構成物の大きさによって適宜決定すればよい。パルプ意外のフィルタ原紙の構成物の大きさは光学顕微鏡で確認し、それに見合ったメッシュサイズを選定すればよい。
<珪藻土>
珪藻土は、フィルタ原紙の濾過性能を高める役割を果たす。
珪藻土としては特に制限されず、未焼成珪藻土でもよいし、焼成珪藻土でもよい。
フィルタ原紙中の珪藻土の含有量は、フィルタ原紙の総質量に対して40〜80質量%であり、50〜70質量%が好ましい。珪藻土の含有量が40質量%以上であれば、濾過性能が向上する。一方、珪藻土の含有量が80質量%以下であれば、圧力損失の上昇を抑制できる。加えて、珪藻土以外の成分(特に、パルプ)の含有量を充分に確保できるので、濾過液を通水させる際の圧力に充分に耐えることのできるフィルタ原紙が得られやすくなる。
フィルタ原紙中の珪藻土の含有量は、JIS P 8251:2300「紙、板紙及びパルプ−灰分試験方法−525℃燃焼法」に準拠して測定することができる。
フィルタ原紙中にその他の無機物が存在する場合には、SEM画像での観察、及び焼却残渣をエネルギー分散型X線分光器(EDS)で元素分析することにより、珪藻土とその他の無機物の定性、定量を実施すればよい。
<カチオン性樹脂>
カチオン性樹脂は、パルプおよび珪藻土を凝集させ、パルプに珪藻土を担持させやすくする役割を果たす。加えて、アニオン性であるパルプとカチオン性樹脂とを併用することで、プラス、マイナスどちらの電荷を帯びた微細物質をも捕集しやすくなる効果が得られやすくなる。なお、本発明において「微細」とは、平均粒子径が0.1μm未満を意味する。
なお、樹脂がカチオン性であるか否かは、ゼータ電位測定装置にて確認することができる。具体的には、JIS P 8220−1:2012「パルプ−離解方法−第1部:化学パルプの離解」に準拠してフィルタ原紙の離解を行い、フィルタ原紙の構成物が離解したスラリーからパルプおよび珪藻土を除去した液をサンプル液として使用する。ゼータ電位測定装置を用いてサンプル液のゼータ電位を測定することで、樹脂のイオン性を確認することができる。
カチオン性樹脂としては、湿潤紙力剤、熱硬化性樹脂などが挙げられる。
湿潤紙力剤としては、例えばポリアミドポリアミン・エピクロロヒドリン樹脂、ポリアミン・エピクロロヒドリン樹脂、メラミン・ホルムアルデヒド樹脂、尿素・ホルムアルデヒド樹脂、エポキシ変性ポリアミド樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、グリオキザール変性ポリアミド樹脂などが挙げられる。これらの中でも、使用可能な抄紙pH領域が広い、湿潤紙力が高いなどの観点から、ポリアミドポリアミン・エピクロロヒドリン樹脂、ポリアミン・エピクロロヒドリン樹脂、メラミン・ホルムアルデヒド樹脂、尿素・ホルムアルデヒド樹脂、エポキシ変性ポリアミド樹脂が好ましい。
これら湿潤紙力剤は、1種単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。また、熱硬化性樹脂と併用してもよい。
熱硬化性樹脂としては、例えばメラミン樹脂、尿素樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルアルコール、ポリエステルなどが挙げられる。これらの中でも、紙力を高めやすい点から、メラミン樹脂、尿素樹脂が好ましい。熱硬化性樹脂は、例えば本発明のフィルタ原紙が抄造法で製造される際、乾燥工程において溶融することでパルプの交絡を補助・補強する効果が期待できる。
これら熱硬化性樹脂は、1種単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。また、湿潤紙力剤と併用してもよい。
フィルタ原紙中のカチオン性樹脂の含有量は、パルプ100質量部に対して2〜6質量部であり、3〜5質量部が好ましい。カチオン性樹脂の含有量が2質量部以上であれば、濾過性能が向上する。カチオン性樹脂の含有量が多くなるほど濾過性能は向上する傾向にあるが、カチオン性樹脂が多すぎると逆に濾過性能が低下する。上述したように、カチオン性樹脂はパルプおよび珪藻土を凝集させ、パルプに珪藻土を担持させる役割を果たし、カチオン性樹脂の含有量が多くなるほどパルプおよび珪藻土が凝集しやすくなる。しかし、カチオン性樹脂が過剰となりパルプおよび珪藻土が過度に凝集すると、フィルタ原紙内において密度の低い(粗い)部分と、高い(細かい)部分とが形成されやすくなる。すなわち粗密が生じやすくなる。その結果、密度の低い部分において捕捉対象物である微細物質などが通り抜けやすくなり、濾過性能が低下する傾向にある。カチオン性樹脂の含有量が6質量部以下であれば、パルプおよび珪藻土が過度に凝集されるのを抑制できるので、濾過性能を良好に維持できる。加えて、圧力損失の上昇を抑制できる。
フィルタ原紙中のパルプの含有量は、JIS P 8251:2300「紙、板紙及びパルプ−灰分試験方法−525℃燃焼法」に準拠して測定することができる。
フィルタ原紙に含まれるパルプ、無機物以外の樹脂成分は、パルプ、無機物が不溶であり、かつ樹脂成分が可溶の溶媒を選択して、樹脂成分の定量を実施すればよい。
一方、フィルタ原紙中のカチオン性樹脂の含有量は、液体クロマトグラフ法にて測定することができる。具体的には、以下のようにして測定する。まず、JIS P 8220−1:2012「パルプ−離解方法−第1部:化学パルプの離解」に準拠してフィルタ原紙の離解を行い、フィルタ原紙の構成物が離解したスラリーからパルプおよび珪藻土を除去した液をサンプル液として使用する。サンプル液にカチオン性樹脂が含まれている場合には、サンプル液にブロムフェノールブルーを添加するとカチオン性樹脂と反応して青色に呈色する。サンプル液にアニオン性樹脂が含まれている場合には、サンプル液にメチレンブルーを添加するとアニオン性樹脂と反応して油溶性の反応物を生成する。サンプル液にノニオン性樹脂が含まれている場合には、サンプル液にチオシアン酸コバルトアンモニウムを添加するとノニオン性樹脂と反応して青色に呈色する。これらの呈色反応を利用し、サンプル液にブロムフェノールブルーを添加して青色に呈色したことを確認した後、液体クロマトグラフ法にてカチオン性樹脂とブロムフェノールブルーとの反応生成物を検量線法により定量することで、フィルタ原紙中のカチオン性樹脂の含有量を求めることができる。なお、上述したように、サンプル液のゼータ電位を測定してサンプル液に含まれる樹脂のイオン性を確認してもよい。
<他の成分>
フィルタ原紙は、本発明の効果を損なわない範囲内であれば、必要に応じてパルプ、珪藻土、カチオン性樹脂以外の成分(他の成分)を含んでいてもよい。
他の成分としては、pH調整剤、スライムコントロール剤、消泡剤、粘剤などが挙げられる。
なお、本発明のフィルタ原紙を食品用途、飲料用途、製薬用途のフィルタに使用する場合、フィルタ原紙は珪藻土以外の無機物を実質的に含有しないことが好ましい。ここで、「実質的に含有しない」とは、フィルタ原紙の総質量に対して1質量%未満を意味する。
<物性>
フィルタ原紙の坪量は、1000〜2000g/mであり、1200〜1800g/mが好ましい。フィルタ原紙の坪量が、1000g/m以上であれば濾過性能が向上し、2000g/m以下であれば圧力損失の上昇を抑制できる。
フィルタ原紙の坪量は、JIS P 8124:2011「紙及び板紙−坪量の測定方法」に準拠して測定することができる。
フィルタ原紙の密度は、0.3〜0.5g/cmが好ましい。フィルタ原紙の密度が、0.3g/cm以上であれば濾過性能がより向上し、0.5g/cm以下であれば圧力損失の上昇をより抑制できる。
フィルタ原紙の密度は、JIS P 8118:1988「紙及び板紙−厚さ及び密度の試験方法」に準拠して測定することができる。
フィルタ原紙の厚さは、2500〜7500μmが好ましく、3000〜5000μmがより好ましい。
フィルタ原紙の厚さは、JIS P 8118:1988「紙及び板紙−厚さ及び密度の試験方法」に準拠して測定することができる。
<製造方法>
フィルタ原紙は、公知の抄紙方法により製造できる。例えば、パルプと、珪藻土と、カチオン性樹脂と、必要に応じて他の成分とを水に分散させて原料スラリーを調製し、得られた原料スラリーを湿式抄紙してフィルタ原紙を得る。
パルプは、予め叩解しておくことが好ましい。叩解は、シングルディスクリファイナー(SDR)、ダブルディスクリファイナー(DDR)、ビーター等の叩解機により適宜行なうことができる。
湿式抄紙に用いる湿式抄紙機としては特に限定されず、一般の抄紙技術に適用されている抄紙機、具体的には長網抄紙機、円網抄紙機、傾斜式抄紙機、ツインワイヤー抄紙機などを使用できる。
<作用効果>
以上説明した本発明のフィルタ原紙は、パルプに加え、特定量の珪藻土およびカチオン性樹脂を含有し、かつフィルタ原紙の坪量およびパルプの濾水度が規定されているので、パルプに珪藻土が充分に担持しており、濾過性能に優れる。よって、微細物質を充分に除去できる。しかも、本発明のフィルタ原紙は、圧力損失が低い。
<用途>
本発明のフィルタ原紙は、そのままフィルタとして用いてもよいし、本発明のフィルタ原紙を複数枚組み合わせてフィルタとして用いてもよい。本発明のフィルタ原紙を複数枚組み合わせる場合、各フィルタ原紙は同じ種類であってもよいし、異なる種類であってもよい。また、本発明のフィルタ原紙と、他のフィルタ原紙やフィルタ原紙以外の部材と組み合わせて、フィルタを構成してもよい。
本発明のフィルタ原紙を備えるフィルタは、微細物質を除去する用途に好適であり、例えば、アルコール飲料や清涼飲料等の飲料、食品、製薬など、様々な製品の製造過程において、微細物質を除去する際に使用できる。具体的な一例としては、生ビールの酵母除去用フィルタなどが挙げられる。
以下、本発明を実施例および比較例によりさらに詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例2、18は参考例である。
各種測定・評価は以下の方法で行った。
「測定・評価」
<坪量の測定>
JIS P 8124:2011「紙及び板紙−坪量の測定方法」に準拠して、フィルタ原紙の坪量を測定した。
<濾水度の測定>
JIS P 8121−2:2012「パルプ−ろ水度試験方法−第2部:カナダ標準ろ水度法」に準拠して、パルプの濾水度を測定した。具体的には、以下のようにして測定した。
まず、JIS P 8220−1:2012「パルプ−離解方法−第1部:化学パルプの離解」に準拠してフィルタ原紙の離解を行い、フィルタ原紙の構成物が離解したスラリーをナイロンメッシュ(#150)で濾過して水洗する作業を3回繰り返すことによりパルプ分(残渣)を取り出した。次いで、JIS P 8121−2:2012「パルプ−ろ水度試験方法−第2部:カナダ標準ろ水度法」に準拠して、取り出したパルプの濾水度を測定した。
<珪藻土の含有量の測定>
JIS P 8251:2300「紙、板紙及びパルプ−灰分試験方法−525℃燃焼法」に準拠して、フィルタ原紙中の珪藻土の含有量を測定した。
<カチオン性樹脂の含有量の測定>
JIS P 8220−1:2012「パルプ−離解方法−第1部:化学パルプの離解」に準拠してフィルタ原紙の離解を行い、フィルタ原紙の構成物が離解したスラリーからパルプおよび珪藻土を除去した液をサンプル液として使用した。ゼータ電位測定装置(協和界面科学株式会社製、型式「ZC−3000」)を用いてサンプル液のゼータ電位を測定し、サンプル液に含まれる樹脂がカチオン性であることを確認した。
次いで、サンプル液にブロムフェノールブルーを添加し、カチオン性樹脂とブロムフェノールブルーとの反応生成物を液体クロマトグラフ法にて検量線法により定量することで、フィルタ原紙中のカチオン性樹脂の含有量を求めた。
別途、JIS P 8251:2300「紙、板紙及びパルプ−灰分試験方法−525℃燃焼法」に準拠して、フィルタ原紙中のパルプの含有量を測定し、パルプの含有量を100質量部としたときの、カチオン性樹脂の含有量を求めた。
<密度の測定>
JIS P 8118:1988「紙及び板紙−厚さ及び密度の試験方法」に準拠して、フィルタ原紙の密度を測定した。
<厚さの測定>
JIS P 8118:1988「紙及び板紙−厚さ及び密度の試験方法」に準拠して、フィルタ原紙の厚さを測定した。
<圧力損失の測定>
水100質量部に対して、微細物質としてAPPIEサブミクロン領域試験用粒子(日本粉体工業技術協製、「FSTP0.09−0.2」、粒子径分布の概略値:0.09〜0.2μm、材質:溶融シリカ)を0.02質量部添加し、濾過液を調製した。
図1に示す圧力損失測定装置1を用い、以下のようにして圧力損失を測定した。図1に示す圧力損失測定装置1は、濾過液を貯留するタンク10と、タンク10から供給された濾過液を濾過する濾過部20と、タンク10および濾過部20の間に設けられた第一の通液部30および第二の通液部40と、第一の通液部30および第二の通液部40の間に設けられた円筒状の液溜め部50とを備える。濾過部20は、直径47mmの円形シートに切断したフィルタ原紙21を備える。第一の通液部30は、第一の通液管31と第一の圧力計32とを備える。第二の通液部40は、第二の通液管41と第二の圧力計42とを備える。タンク10から供給された濾過液は、第一の通液部30の第一の通液管31、液溜め部50および第二の通液部40の第二の通液管41を順に通過した後、濾過部20のフィルタ原紙21により濾過される。
ポンプ(図示略)を用いて、流量33.6ml/分の条件でタンク10から濾過液を供給し、濾過部20にて濾過した。濾過液の通水量が1Lとなったときの第一の通液管31内の圧力を第一の圧力計32で測定した。同様に、第二の通液管41内の圧力を第二の圧力計42で測定し、第一の通液部と第二の通液部における圧力差を求め、これを圧力損失として、下記評価基準により評価した。
◎:圧力損失が50kPa以下。
○:圧力損失が50kPa超、70kPa以下。
△:圧力損失が70kPa超、100kPa以下。
×:圧力損失が100kPa超。
<濁度の測定>
圧力損失の測定と同様にして濾過液を調製した。
フィルタ原紙を直径47mmの円形シートに切断し、濾過液を通水させた。濾過液の通水量が1Lとなったときの、フィルタ原紙を通過した処理液の濁度を高感度ラボ用濁度計(HACH社製、型式「2100N」)を用いて測定し、以下の評価基準にて評価した。
◎:濁度が0.050FTU以下。
○:濁度が0.050FTU超、0.070FTU以下。
△:濁度が0.070FTU超、0.100FTU以下。
×:濁度が0.100FTU超。
<総合評価>
総合評価は、以下の基準に従って行った。
◎:圧力損失および濁度の結果がいずれも「◎」である。
○:圧力損失および濁度の結果の少なくとも一方が「○」である。
△:圧力損失および濁度の結果の少なくとも一方が「△」である。
×:圧力損失および濁度の結果の少なくとも一方が「×」である。
「実施例1」
濾水度を350mlに調整したパルプ(針葉樹晒クラフトパルプ)に対して、珪藻土と、カチオン性樹脂としてポリアミドポリアミン・エピクロルヒドリン樹脂(荒川化学工業株式会社製、「アラフィックス100」)とを添加し、固形分濃度が2.0質量%となるように水に分散させて、原料スラリーを調製した。珪藻土の配合量は、得られるフィルタ原紙の総質量に対して70質量%となる量とした。一方、カチオン性樹脂の配合量は、パルプ100質量部に対して3質量部となる量とした。
長網抄紙機を用い、坪量1500g/m、厚さ3750μm、密度0.4g/cmとなるように原料スラリーを湿式抄紙し、フィルタ原紙を製造した。
得られたフィルタ原紙について、圧力損失および濁度を測定した。結果を表1に示す。
「実施例2〜22、比較例1〜8」
珪藻土およびカチオン性樹脂の配合量(含有量)と、パルプの濾水度と、フィルタ原紙の坪量、密度および厚さとが表1に示す値となるように変更した以外は、実施例1と同様にしてフィルタ原紙を製造し、圧力損失および濁度を測定した。結果を表1に示す。
Figure 0006966854
表1の結果より明らかなように、各実施例で得られたフィルタ原紙は、圧力損失が低く、濾過性能にも優れており、微細物質を効果的に除去できた。
対して、坪量が900g/mである比較例1のフィルタ原紙、パルプの濾水度が700mlである比較例4のフィルタ原紙、珪藻土の含有量が30質量%または90質量%である比較例5、6のフィルタ原紙、カチオン性樹脂の含有量が1質量部または8質量部である比較例7、8のフィルタ原紙は、いずれも濾過性能に劣り、微細物質を充分に除去できなかった。
坪量が2100g/mである比較例2のフィルタ原紙、パルプの濾水度が100mlである比較例3のフィルタ原紙、カチオン性樹脂の含有量が8質量部である比較例8のフィルタ原紙は、いずれも圧力損失が高かった。
1 圧力損失測定装置
10 タンク
20 濾過部
21 フィルタ原紙
30 第一の通液部
31 第一の通液管
32 第一の圧力計
40 第二の通液部
41 第二の通液管
42 第二の圧力計
50 液溜め部

Claims (4)

  1. パルプと、珪藻土と、カチオン性樹脂とを含有するフィルタ原紙であって、
    前記フィルタ原紙の坪量が1200〜2000g/mであり、
    前記パルプの濾水度が200〜600mlであり、
    前記珪藻土の含有量が、前記フィルタ原紙の総質量に対して40〜80質量%であり、
    前記カチオン性樹脂の含有量が、前記パルプ100質量部に対して2〜質量部である、フィルタ原紙。
  2. 前記カチオン性樹脂が、湿潤紙力剤および熱硬化性樹脂からなる群より選ばれる1種以上である、請求項1に記載のフィルタ原紙。
  3. 密度が0.3〜0.5g/cmである、請求項1または2に記載のフィルタ原紙。
  4. 前記パルプが針葉樹晒クラフトパルプである、請求項1〜3のいずれか一項に記載のフィルタ原紙。
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