JP2015182771A - フィルターバッグ用紙 - Google Patents
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Abstract
【課題】急須で淹れた茶に匹敵する色合い及び味の強さの茶を淹れることができるフィルターバッグ用紙を提供することを課題とする。具体的にはティーバッグに充填される微細な粉茶が、茶を淹れる前はフィルターバッグから抜け難く、且つ茶を淹れる際にはティーバッグの目詰まりを起こさず、微細な粉茶、茶成分を抽出させることができ、その結果、色合いが濃く味の強いお茶を淹れることができるフィルターバッグ用紙を提供する。
【解決手段】湿潤状態のシートにウォータージェット加工を施した、坪量10〜15g/m2、厚さ30〜60μm、ろ水度が2.5〜3.5秒、バブルポイント法により測定した最大細孔径が400〜700μmであるフィルターバッグ用紙。
【選択図】図1
【解決手段】湿潤状態のシートにウォータージェット加工を施した、坪量10〜15g/m2、厚さ30〜60μm、ろ水度が2.5〜3.5秒、バブルポイント法により測定した最大細孔径が400〜700μmであるフィルターバッグ用紙。
【選択図】図1
Description
本発明は、紅茶、緑茶等の茶葉類を入れて袋状とし、袋ごと抽出を行うためのフィルターバッグ用紙に関し、詳しくは、機械的なクリンピングによって袋形状とするクリンプタイプ(ノンヒートシールタイプ)のフィルターバッグ用紙に関する。
現在、紅茶、緑茶などの茶葉類、麦茶や杜仲茶などの茶外茶類、鰹節などの出汁類の抽出を目的としたフィルターバッグ用は、セルロース繊維を主体としたヒートシール加工を施さないで製袋するノンヒートシールタイプと、熱融着繊維を主体としヒートシール加工によって製袋するヒートシールタイプに大別することができる。
前者であるノンヒートシールタイプは、主に紅茶、緑茶などの茶葉類に適用され、茶葉類を含包したフィルターバッグを沸騰したお湯を入れたポットやカップに入れて抽出を行うものである。フィルターバッグに茶葉類を入れて袋状にするときには、フィルターバッグ用紙端面同士をクリンピング加工して接合している。
後者であるヒートシールタイプは、主に麦茶や杜仲茶などの茶外茶類、鰹節などの出汁類に適用され、フィルターバックを薬缶などに入れて沸騰させ煮出しをする用途に用いられており、フィルターバッグ用紙端面同士は、煮出しによって剥がれ破袋しないようにヒートシール加工によって接合している。このようなヒートシールタイプのフィルターバッグ用紙は、主として、ヒートシール性を有す層とヒートシール性を有さない層とから構成されている。
一般に、煎茶を充填したフィルターバック(ティーバッグ)で淹れた茶は、急須で淹れた茶と比較して、色合い、味、香りが劣る。この理由は、急須で茶を淹れる場合には、通常、細く撚られた形に整えられた煎茶の茶葉に湯が浸漬して開くうちに色合い、味、香りなどが抽出されてくるが、ティーバッグでは茶葉が充分に開く時間と空間を確保できないためである。
このため、煎茶用のティーバッグには、20号下といわれる煎茶の選別工程で篩にかけたられた細かな茶葉が入れられている。 このような煎茶用のティーバッグには、茶葉の細かな微粉末を充填しても茶を抽出する際には目詰まりを起こさず、茶成分を流出させて味や香りの強いお茶を淹れられることが必要とされており、特許文献1には、坪量13.0〜11.5g/m2、厚さ50〜40μm、ろ水度3.3〜3.05秒、目開きが500μm以下のフィルターバッグ用紙が開示されている。
しかしながら、引用文献1のフィルターバッグ用紙を用いた、ティーバッグ(煎茶)で淹れた茶は、急須で淹れた茶に比べると色合い、味の強さに物足りなさを感じる。
そこで本発明は、急須で淹れた茶に匹敵する色合い及び味の強さの茶を淹れることができるフィルターバッグ用紙を提供することを課題とする。具体的にはティーバッグに充填される微細な粉茶が、茶を淹れる前はフィルターバッグから抜け難く、且つ茶を淹れる際にはティーバッグの目詰まりを起こさず、微細な粉茶、茶成分を抽出させることができ、その結果、色合いが濃く味の強いお茶を淹れることができるフィルターバッグ用紙を提供することを課題とする。
本発明は以下の[1]〜[4]を提供する。
[1] 湿潤状態のシートにウォータージェット加工を施したフィルターバッグ用紙であって、該フィルターバッグ用紙の坪量が10〜15g/m2、厚さが30〜60μm、濾水度が2.5〜3.5秒、バブルポイント法により測定した最大細孔径が400〜700μmであることを特徴とするフィルターバッグ用紙。
[2] 前記ウォータージェット加工によって形成された、実体顕微鏡により計測した径が150μm以上である細孔の個数が、30〜300個/cm2であることを特徴とする[1]に記載のフィルターバッグ用紙。
[3] 前記湿潤状態のシートを乾燥した時の最大細孔径が400μm未満であることを特徴とする[1]〜[2]に記載のフィルターバッグ用紙。
[4] [1]〜[3]に記載のフィルターバッグ用紙を袋状に成形することを特徴とするフィルターバッグ。
[1] 湿潤状態のシートにウォータージェット加工を施したフィルターバッグ用紙であって、該フィルターバッグ用紙の坪量が10〜15g/m2、厚さが30〜60μm、濾水度が2.5〜3.5秒、バブルポイント法により測定した最大細孔径が400〜700μmであることを特徴とするフィルターバッグ用紙。
[2] 前記ウォータージェット加工によって形成された、実体顕微鏡により計測した径が150μm以上である細孔の個数が、30〜300個/cm2であることを特徴とする[1]に記載のフィルターバッグ用紙。
[3] 前記湿潤状態のシートを乾燥した時の最大細孔径が400μm未満であることを特徴とする[1]〜[2]に記載のフィルターバッグ用紙。
[4] [1]〜[3]に記載のフィルターバッグ用紙を袋状に成形することを特徴とするフィルターバッグ。
本発明によれば、急須で淹れた茶に匹敵する色合い及び味の強さの茶を淹れることができるフィルターバッグ用紙を提供することができる。具体的にはティーバッグに充填される微細な粉茶が、茶を淹れる前はフィルターバッグから抜け難く、且つ茶を淹れる際にはティーバッグの目詰まりを起こさず、微細な粉茶、茶成分を抽出させることができ、その結果、色合いが濃く味の強いお茶を淹れることができるフィルターバッグ用紙を提供することができる。
本発明は、従来のティーバッグで淹れた茶と急須で淹れた茶では、茶碗の底に沈降する微細な粉茶が急須で淹れた茶の方が非常に多いことに着目してなされたものであり、この違いから、従来のフィルターバッグが有している最大細孔径より大きな細孔を付与させることにより、付与した細孔からの微細な粉茶が溶出するとともに、茶成分の抽出性が大きく向上し、ティーバッグに充填される微細な粉茶が、茶を淹れる前はフィルターバッグから抜け難く、且つ茶を淹れる際にはティーバッグの目詰まりを起こさず、微細な粉茶、茶成分を抽出させることができ、その結果、色合いが濃く味の強いお茶を淹れることができることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明の坪量10〜15g/m2、厚さ30〜60μm、ろ水度が2.5〜3.5秒であるフィルターバッグ用紙は、湿潤状態のシートにウォータージェット加工を施し、バブルポイント法により測定した最大細孔径が400〜700μmであることを特徴とする。なお、本発明において「〜」は以上、以下を表す。
本発明のフィルターバッグ用紙は、湿潤状態のシートにウォータージェット加工を施されていることが重要である。例えば、一度乾燥された紙シートにウォータージェット加工を施した場合、紙シートのセルロース繊維同士の水素結合によりウォータージェットにより細孔が形成されにくいばかりでなく、ウォータージェット加工によってフィルターバッグ用紙の強度が大幅に低下する。このため、湿潤状態の紙シートにウェータージェット加工を施すことで最大細孔径が400〜700μmの細孔を付与することができるとともに、その細孔の個数をコントロールすることが容易にできる。
ウォータージェット加工によって形成され、バブルポイント法により測定した最大細孔径が400μm未満であると、微細な粉茶の溶出性、茶成分の抽出性が不十分となる。また、バブルポイント法により測定した最大細孔径が700μmを上回ると、大きな穴が開きすぎてしまい、茶を淹れる際にその細孔から茶葉そのものが流出する。
また、ウォータージェット加工によって形成され、実体顕微鏡で観察した画像を解析して計測した径が150μm以上である細孔の個数は、30〜300個/cm2であることが好ましく、より好ましくは50〜200個/cm2である。ウォータージェット加工によって形成された細孔が30個を下回ると、ウォータージェット加工を施す前と微細な粉茶の溶出量、茶成分の抽出量の向上が見られない。一方、細孔の個数が300個/cm2を上回ると、ウォータージェット加工によってフィルターバッグ用紙が部分的に薄くなり、フィルターバッグ用紙の強度が低下してしまう。
なお、バブルポイント法により測定した最大細孔径は、基材の空隙に満たされた液体が、基材と接する気体の圧力によって押し出される時の圧力値より換算して求めるため、フィルターバッグ用紙などの紙基材の場合、紙のZ方向の空隙径なども影響を受けるので、投影径になる実態顕微鏡で観察した画像を解析して計測した径よりもバブルポイント法により測定した最大細孔径のほうが大きくなる。
本発明において、湿潤状態のシートは限定されるものではないが、この湿潤状態のシートを乾燥した際のバブルポイント法により測定した最大細孔径が400μm未満であることが、微細な粉茶の溶出性、茶成分の抽出性、強度の点から好ましい。
湿潤状態のシートには、セルロース繊維、合成繊維など任意の繊維を使用することができ、それを単独で、もしくは2種類以上混合して使用することができる。
ここで用いるセルロース繊維は、木材パルプと非木材パルプとを例示することができる。木材パルプは、広葉樹、針葉樹を公知の方法で蒸解して得られるパルプである。これらの木材原料を単独で、あるいは、2種以上混合して使用することができる。但し、広葉樹パルプは柔細胞を含んでおり、この柔細胞がフィルターバッグ用紙の細孔を埋めてしまうので、針葉樹パルプが好ましく用いられる。
非木材パルプは、ケナフ、亜麻、大麻、マニラ麻、ジュート、サイザル麻、こうぞ、三椏等の非木材原料を公知の方法で蒸解して得られるパルプである。これらの非木材パルプを、単独あるいは2種以上混合して使用することができる。靭皮繊維由来のパルプであるケナフパルプ、ジュートパルプ、亜麻パルプ、あるいは、葉脈繊維由来のパルプであるマニラ麻パルプ、サイザル麻パルプを用いることが好ましい。その中でも、マニラ麻パルプはセルロースの重合度が高く、繊維長が長いため強度が強いシートが得られるので、最も好ましいと言える。
本発明のセルロース繊維は、アルカリ処理によるマーセル化、カルボキシメチル化など、適宜、化学処理を施したセルロース繊維を用いることができる。
本発明のセルロース繊維は、アルカリ処理によるマーセル化、カルボキシメチル化など、適宜、化学処理を施したセルロース繊維を用いることができる。
本発明の湿潤状態のシートに用いる合成繊維としては、ビスコースレーヨン、銅アンモニアレーヨン、ポリノジックなどの再生セルロース繊維、ポリエステル繊維、ポリオレフィン繊維、エチレン−酢酸ビニル共重合繊維、エチレン−ポリビニルアルコール共重合繊維、ポリビニルアルコール繊維、ポリ塩化ビニル繊維、ポリアミド繊維、ポリフェニレンサルファイド繊維、ポリアリレート繊維、ポリアミドイミド繊維、フェノール繊維などが例示される。
本発明のフィルターバッグ用紙において、ノンヒートシールタイプのフィルターバッグ用紙にでは、熱融着性の合成繊維を使用しないほうが好ましく、再生セルロース繊維が適宜、使用される。
本発明のフィルターバッグ用紙において、ノンヒートシールタイプのフィルターバッグ用紙にでは、熱融着性の合成繊維を使用しないほうが好ましく、再生セルロース繊維が適宜、使用される。
合成繊維を使用する場合は、熱融着性のバインダー繊維を適宜使用することができる。熱融着性のバインダー繊維としては、未延伸のポリエステル、共重合ポリエステル、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重体合、エチレン−ポリビニルアルコール共重合体等の単独、もしくは、芯鞘構造もしくはサイドバイサイド構造に代表される複合した繊維を使用することができる。これらの合成繊維の繊度は、0.1dtex以上5dtex以下であることが好ましい。
セルロース繊維の叩解度は、フィルターバッグ用紙に求められる特性に応じて設定することができ、通常はカナダ標準ろ水度で300CSF〜750CSFの間に調成される。本発明の場合、原料パルプの叩解は、木材パルプと非木材パルプを使用する場合、それらを混合して行ってもよいが、別々に叩解したパルプを混合することとしてもよい。
合成繊維を用いる場合は、フィルターバッグ用紙に求められる特性に応じて選択した繊維を水中で分散させて調成される。その場合、分散助剤等の製紙用副資材を、適宜添加することができる。
このように調成した原料パルプには、必要に応じ、ロジンサイズ剤等のサイズ剤、ポリアクリルアミド等の乾燥紙力増強剤、ポリアミド・ポリアミン・エピクロルヒドリンやメラミン樹脂等の湿潤紙力増強剤、硫酸バンドその他の定着剤等の製紙用副資材を、適宜添加することができる。
本発明の湿潤状態のシートに用いる木材パルプの含有量は10重量%以上40重量%以下、非木材繊維の含有量は45重量%以上75重量%以下、合成繊維の含有量は0重量%以上30重量%以下であることが好ましい。非木材パルプや合成繊維は木材パルプと比較して高価であり、木材パルプの含有量が10重量%未満、もしくは非木材繊維の含有量が75重量%を超えると得られるフィルターバッグ用紙は高価なものとなり好ましくない。木材パルプの含有量が40重量%を超えるもしくは非木材繊維の含有量が45重量%未満では引張強さや引裂強さが低く好ましくない。合成繊維の含有量は、フィルターバッグの抽出性に求められるろ水度に応じて適宜配合することができるが、合成繊維の含有量が30重量%を超えると、引張強さが弱くなりすぎてしまい好ましくない。
本発明のフィルターバッグ用紙は、公知の製紙技術によって製造することができる。その製造に用いる抄紙機としては、円網式抄紙機、傾斜短網式抄紙機、長網式抄紙機、ツインワイヤー式抄紙機等を挙げることができる。
次にお抄紙機で抄き上げられた湿紙状態のシートにウォータージェット加工を施す装置について例示するが、同様の加工が可能であれば、下記の装置に限定されるものではない。
ウォータージェット加工装置は抄紙機のワイヤーパート上に設置する。ウォータージェット加工装置は、ワイヤー上に抄き上げられた湿紙の側に位置し高圧水流を噴出するノズル部と、ワイヤー側に位置し噴出された水を回収するサクション部からなる。ノズル部の噴出孔の直径は0.05mm以上0.2mm以下のものが用いられる。噴出孔の直径が0.05mm未満では噴出される高圧水流の径が小さく、湿紙に細孔を形成するに十分な高圧水流の流量が得られない。また、ノズルが目詰まりしやすい。噴出孔の直径が0.2mm以上では、高圧水流の流量が多くなりすぎるため、湿紙に細孔を形成するに十分な高圧水流の圧力が得られない。したがって、本発明のフィルターバッグ用紙に用いるウォータージェット加工装置の噴出部のノズル径は、高圧水流によって湿紙に形成された細孔がバブルポイント法で測定した最大径が400μm〜700μmの範囲となるように適宜設計すれば良い。ウォータージェット加工装置のノズル部の噴出孔の間隔は0.5mm以上2.0mm以下が好ましく、抄紙機の幅方向に沿って配置する。噴出孔の間隔が0.5mm未満では噴出された高圧水流同士が干渉し、安定した水流とならない。2.0mmを超えると高圧水流により形成される細孔の数が減り非効率である。
高圧水流を噴出するためにポンプを使用するがこの時の水圧は0.2MPa以上2.0MPa以下が好ましい。水圧が0.2MPa未満では水流の勢いが弱く、細孔を形成するには至らない。2.0MPaを超えると原料の繊維が抄紙ワイヤーに刺さって剥離できなくなり操業性が低下する。また、このウォータージェット加工装置は複数台設置することも可能である。
このように湿紙の状態でウォータージェット加工が施されたシートは、従来公知の乾燥方法により乾燥することができる。本発明で用いる抄紙法における乾燥工程としては、ヤンキードライヤー式、多筒式、熱風式、赤外線加熱式、などを挙げることができる。
また、フィルターバッグ用紙の強度を向上させるために、サイズプレス装置等によって、スチレン系樹脂、スチレン・アクリル系樹脂、スチレン・マレイン酸樹脂、アルキルケテンダイマー、澱粉、酸化澱粉、ヒドロキシエチル化澱粉、カルボキシメチル化セルロース、カルボキシメチル化グアーガム、リン酸化グアーガム、酸化グアーガム、ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド等の薬品を塗工することとしてもよい。
また、カルボキシルメチルセルロースナトリウムやセルロースキサントゲン酸ナトリウムなどの化学変性セルロースのナトリウム塩を塗工し、希硫酸に浸漬させて中和し、化学変性セルロースを不溶化してもいい。
また、カルボキシルメチルセルロースナトリウムやセルロースキサントゲン酸ナトリウムなどの化学変性セルロースのナトリウム塩を塗工し、希硫酸に浸漬させて中和し、化学変性セルロースを不溶化してもいい。
本発明のフィルターバッグ用紙の流れ方向の引張強さは0.5kgf/15mm以上であることが好ましい。これよりも弱いと成形機で断紙が発生しやすく、操業性が悪くなる。本発明のフィルターバッグ用紙の湿潤引張強さは、フィルターバッグ用紙の流れ方向で0.15kgf/15mm以上、幅方向で0.05kgf/15mm以上であることが好ましい。これよりも弱いとフィルターバッグとして使用する際に茶を抽出し、抽出液からフィルターバッグを取り出す際に水を含んだ茶葉の重みでフィルターバッグが破袋しやすくなる。
本発明のフィルターバッグ用紙は、袋状のフィルターバッグを成形し、茶葉を充填されてなることを特徴とするフィルターバッグに好適に用いられる。
以下、実施例により本発明を説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例および比較例の評価方法については、以下の方法を用いた。
(坪量)
JISP8124に準拠して測定した。
JISP8124に準拠して測定した。
(紙厚)
JISP8118に準拠して測定した。
JISP8118に準拠して測定した。
(引張強さ、湿潤引張強さ)
引張強さはJAPAN TAPPI No.71に準拠して測定した。湿潤引張強さは、測定紙片を蒸留水に浸漬し、不要な水分を除去した以外はJAPAN TAPPI No.71に準拠して測定した。
引張強さはJAPAN TAPPI No.71に準拠して測定した。湿潤引張強さは、測定紙片を蒸留水に浸漬し、不要な水分を除去した以外はJAPAN TAPPI No.71に準拠して測定した。
(濾水度)
濾水度の測定は、図1のろ水度試験機を使用して次のように行った。まず、80mm角の試験サンプル8枚を20℃の水に浸漬し、気泡が入らないように8枚重ねとし、ろ水度試験機のサンプルフォルダーの50メッシュ金網(直径65mm)の上にセットし、サンプルフォルダー上部に内径65mmの円筒を固定する。次いで、排水口を閉じた状態で円筒内の試験サンプルからの高さ254mmの刻線を超えるよう、円筒に20℃の水1,000mlを注ぐ。そして、排水口を開放し、液面が高さ254mmの刻線を通過してから高さ103mmの刻線を通過するまでの時間(500mlの水が33.2cm2の面積のフィルターバッグ用紙8枚を通過する時間)を計測し、ろ水度(秒)とした。
濾水度の測定は、図1のろ水度試験機を使用して次のように行った。まず、80mm角の試験サンプル8枚を20℃の水に浸漬し、気泡が入らないように8枚重ねとし、ろ水度試験機のサンプルフォルダーの50メッシュ金網(直径65mm)の上にセットし、サンプルフォルダー上部に内径65mmの円筒を固定する。次いで、排水口を閉じた状態で円筒内の試験サンプルからの高さ254mmの刻線を超えるよう、円筒に20℃の水1,000mlを注ぐ。そして、排水口を開放し、液面が高さ254mmの刻線を通過してから高さ103mmの刻線を通過するまでの時間(500mlの水が33.2cm2の面積のフィルターバッグ用紙8枚を通過する時間)を計測し、ろ水度(秒)とした。
(最大細孔径)
JIS−K3832に準じてバブルポイント圧力を測定し、式(1)を用いて最大細孔径を算出した。
DBP=4γcosθ/P×10−6 … 式(1)
ここで、DBPは最大細孔径(μm)、γは試験液の表面張力(N/m)、θは不織布と溶剤の接触角(rad)、Pはバブルポイント圧力(Pa)である。
JIS−K3832に準じてバブルポイント圧力を測定し、式(1)を用いて最大細孔径を算出した。
DBP=4γcosθ/P×10−6 … 式(1)
ここで、DBPは最大細孔径(μm)、γは試験液の表面張力(N/m)、θは不織布と溶剤の接触角(rad)、Pはバブルポイント圧力(Pa)である。
(150μm以上の細孔の数)
実体顕微鏡で縦2.7mm、横3.4mmの範囲を10点観察し、画像を保存した。ケニス株式会社の画像計測合成ソフトフォトメジャーを用い、観察した画像の150μm以上の細孔の数を計測し、1cm2あたりの数に換算した。
実体顕微鏡で縦2.7mm、横3.4mmの範囲を10点観察し、画像を保存した。ケニス株式会社の画像計測合成ソフトフォトメジャーを用い、観察した画像の150μm以上の細孔の数を計測し、1cm2あたりの数に換算した。
(フィルターバッグの作製)
流れ方向15.0cm、幅方向11.5cmにフィルターバッグ用紙を切り取った。紙片の長辺同士1.7cmを重ね合わせてから4回折り返し、折り返した部分にクリンピング加工を施し、幅4.0cmの筒状とした。次いで、筒状としたものを流れ方向に折り、筒状となったフィルターバッグ用紙の2つの開口部へ、片側1g、合計2gとなるように粉茶を充填し、開口部を筒の折り返しより6cmの長さで折り返して口金で封印し、茶抽出試験用のフィルターバッグを作製した。
フィルターバッグに充填する粉茶は、市販の緑茶ティーバッグ(株式会社伊藤園製、商品名「お〜いお茶 緑茶 ティーバッグ」)に充填されている粉茶を取り出して使用した。
流れ方向15.0cm、幅方向11.5cmにフィルターバッグ用紙を切り取った。紙片の長辺同士1.7cmを重ね合わせてから4回折り返し、折り返した部分にクリンピング加工を施し、幅4.0cmの筒状とした。次いで、筒状としたものを流れ方向に折り、筒状となったフィルターバッグ用紙の2つの開口部へ、片側1g、合計2gとなるように粉茶を充填し、開口部を筒の折り返しより6cmの長さで折り返して口金で封印し、茶抽出試験用のフィルターバッグを作製した。
フィルターバッグに充填する粉茶は、市販の緑茶ティーバッグ(株式会社伊藤園製、商品名「お〜いお茶 緑茶 ティーバッグ」)に充填されている粉茶を取り出して使用した。
(茶の官能評価)
作製したティーバッグを、90℃の湯250mLに30秒間浸した後、湯内で5往復上下させて茶成分を抽出し、ティーバッグを取り出した。その後、お茶の官能評価を一般消費者10人に試飲させ、市販の緑茶ティーバッグ(株式会社伊藤園製、商品名「お〜いお茶 緑茶 ティーバッグ」)を用いて同様に抽出したお茶と比較して、下記の基準で評価を行い、最も多かった評価のものを評価結果として採用した。
○:従来よりも色合いが濃く味が強い、
△:従来の茶とほとんど変わらない、
×:色合いが薄く、味も弱い
作製したティーバッグを、90℃の湯250mLに30秒間浸した後、湯内で5往復上下させて茶成分を抽出し、ティーバッグを取り出した。その後、お茶の官能評価を一般消費者10人に試飲させ、市販の緑茶ティーバッグ(株式会社伊藤園製、商品名「お〜いお茶 緑茶 ティーバッグ」)を用いて同様に抽出したお茶と比較して、下記の基準で評価を行い、最も多かった評価のものを評価結果として採用した。
○:従来よりも色合いが濃く味が強い、
△:従来の茶とほとんど変わらない、
×:色合いが薄く、味も弱い
(実施例1)
離解処理したマニラ麻を70重量%と、離解処理したNBKPを30重量%とを混合し、抄紙用原料とした。抄紙用原料のフリーネスは710CSFmlであった。短網抄紙機で坪量13g/m2となるよう、各種抄造条件を調整したのちにワイヤーパートに設置したウォータージェット加工装置にて処理を行い、原紙を得た。このとき、ノズルの噴出孔の径は0.1mm、間隔は1mmであり、水圧は0.4MPaであった。
得られた原紙をカルボキシルセルロースナトリウム塩2.5%の塗工液に含浸し、乾燥したのち、中和による不溶化、水洗および乾燥を行い、フィルターバッグ用紙を得た。
離解処理したマニラ麻を70重量%と、離解処理したNBKPを30重量%とを混合し、抄紙用原料とした。抄紙用原料のフリーネスは710CSFmlであった。短網抄紙機で坪量13g/m2となるよう、各種抄造条件を調整したのちにワイヤーパートに設置したウォータージェット加工装置にて処理を行い、原紙を得た。このとき、ノズルの噴出孔の径は0.1mm、間隔は1mmであり、水圧は0.4MPaであった。
得られた原紙をカルボキシルセルロースナトリウム塩2.5%の塗工液に含浸し、乾燥したのち、中和による不溶化、水洗および乾燥を行い、フィルターバッグ用紙を得た。
(実施例2)
ウォータージェット加工において、ノズルの噴出孔の径が0.07mm、間隔が0.7mmであり、水圧が1.0MPaであった以外は実施例1と同様にしてフィルターバッグ用紙を得た。
ウォータージェット加工において、ノズルの噴出孔の径が0.07mm、間隔が0.7mmであり、水圧が1.0MPaであった以外は実施例1と同様にしてフィルターバッグ用紙を得た。
(比較例1)
ウォータージェット加工を行わなかったこと以外は実施例1と同様にしてフィルターバッグ用紙を得た。
ウォータージェット加工を行わなかったこと以外は実施例1と同様にしてフィルターバッグ用紙を得た。
ウォータージェット加工を行わなかった比較例1は、市販のティーバッグと同等のお茶であったが、本発明の実施例1および2のフィルターバッグ用紙は、粉茶に含まれる茶微粉末が程よくお茶に抽出され、色合いが濃く、味が強いお茶となった。
Claims (4)
- 湿潤状態のシートにウォータージェット加工を施したフィルターバッグ用紙にあって、該フィルターバッグ用紙の坪量が10〜15g/m2、厚さが30〜60μm、濾水度が2.5〜3.5秒、バブルポイント法により測定した最大細孔径が400〜700μmであることを特徴とするフィルターバッグ用紙。
- 前記ウォータージェット加工によって形成された、実体顕微鏡により計測した径が150μm以上である細孔の個数が、30〜300個/cm2であることを特徴とする請求項1に記載のフィルターバッグ用紙。
- 前記湿潤状態のシートを乾燥した時の最大細孔径が400μm未満であることを特徴とする請求項1〜請求項2に記載のフィルターバッグ用紙。
- 請求項1〜請求項3に記載のフィルターバッグ用紙を袋状に成形することを特徴とするフィルターバッグ。
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JP2014057744A JP2015182771A (ja) | 2014-03-20 | 2014-03-20 | フィルターバッグ用紙 |
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JP2014057744A JP2015182771A (ja) | 2014-03-20 | 2014-03-20 | フィルターバッグ用紙 |
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Cited By (6)
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JP2018174796A (ja) * | 2017-04-12 | 2018-11-15 | 株式会社小谷穀粉 | 緑茶抽出用ティーバッグ |
JP2020006064A (ja) * | 2018-07-12 | 2020-01-16 | 日本製紙パピリア株式会社 | コーヒー濾紙 |
WO2020012946A1 (ja) * | 2018-07-12 | 2020-01-16 | 日本製紙パピリア株式会社 | コーヒー濾紙 |
CN112367883A (zh) * | 2018-07-12 | 2021-02-12 | 日本制纸巴比利亚股份有限公司 | 咖啡滤纸 |
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