JP2015193405A - ヒートシール用フィルターバック用紙 - Google Patents

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慶一 前原
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Abstract

【課題】
本発明は、ヒートシール面同士のヒートシール強度を満足するとともに、ノンヒートシール面同士のヒートシール強度が強いヒートシール用フィルターバッグ用紙を提供することを課題とする。
【解決手段】
ヒートシール層とノンヒートシール層とから構成されるヒートシール用フィルターバッグ用紙において、ヒートシール層がセルロース繊維と熱可塑性合成繊維(ポリプロピレン系繊維を除く)からな、ノンヒートシール層が、主としてセルロース繊維からなることを特徴とするヒートシール用フィルターバッグ用紙。
【選択図】 なし

Description

本発明は、紅茶、緑茶等の茶葉類、鰹節などの出汁類を入れて袋状とし、袋ごと煮出し、あるいは水出しを行うためのフィルターバッグ用紙に関し、詳しくは、ヒートシール性を有す層とヒートシール性を有さない層とから構成されるヒートシール用フィルターバッグ用紙に関する。
現在、紅茶、緑茶などの茶葉類、麦茶や杜仲茶などの茶外茶類、鰹節などの出汁類の抽出を目的としたフィルターバッグ用は、セルロース繊維を主体としたヒートシール加工を施さないで製袋するノンヒートシールタイプと、熱融着繊維を主体としヒートシール加工によって製袋するヒートシールタイプに大別することができる。
前者であるノンヒートシールタイプは、主に紅茶、緑茶などの茶葉類に適用され、茶葉類を含包したフィルターバッグを沸騰したお湯を入れたポットやカップに入れて抽出を行うものである。フィルターバッグに茶葉類を入れて袋状にするときには、フィルターバッグ用紙端面同士をクリンピング加工して接合している。
後者であるヒートシールタイプは、主に麦茶や杜仲茶などの茶外茶類、鰹節などの出汁類に適用され、フィルターバックを薬缶などに入れて沸騰させ煮出しをする用途に用いられており、フィルターバッグ用紙端面同士は、煮出しによって剥がれ破袋しないようにヒートシール加工によって接合している。このヒートシールタイプのフィルターバッグ用紙は、主として、ヒートシール性を有す層とヒートシール性を有さない層とから構成されている。
従来のヒートシール性を有するフィルターバッグ用紙としては、ヒートシール層としてエチレン−ビニルアルコール共重合体を鞘成分としポリプロピレンを芯成分とする複合繊維とポリプロピレン繊維とが混合使用され、ノンヒートシール層に熱溶融繊維を使用していないフィルターバッグ用紙(引用文献1)、レーヨン又はポリエステル繊維と木材パルプと麻パルプとから構成されているノンヒートシール層と、共重合ポリエステルである鞘成分とポリエステルである芯成分からなる複合繊維とポリオレフィン繊維と木材パルプと麻パルプとから構成されているヒートシール層からなるフィルターバッグ用紙(引用文献2)などが開示されている。
これらは、いずれも主に麦茶や杜仲茶などの茶外茶類、鰹節などの出汁類の煮出し用とするために、ヒートシール層同士のヒートシール強度が高く、ヒートシール層とノンヒートシール層の層間強度に優れたフィルターバッグ用紙である。
特開平10−128895号公報 特開2000−345498号公報
近年、主に紅茶、緑茶などの茶葉類に適用されるノンヒートシールタイプに代わって、フィルターバッグの生産を高速化する目的で、これまでクリンピング加工で製袋していたものをヒートシール加工に置き換える製袋機が主流となってきている。
このヒートシール加工による製袋機は、例えばフィルターバッグ用紙のヒートシール面の上に、茶葉を一ヵ所に落とし、次いでヒートシール面同士を合わせて一対の回転する過熱された金属ロールで挟みセンターシールを行い、次いで茶葉のない部分を一対の過熱された金属板でクロスシールを行う。クロスシールされた部分は切断され、一つのフィルターバッグとなる。その後、フィルターバッグは二つ折りされると同時に底部がW型に折られ、クロスシールされた部分同士はタグ付きの糸を挟み込んだ状態でさらにノンヒートシール面同士のトップシールを行い、外装袋に包んでティーバッグ製品となる。
このヒートシールタイプのフィルターバッグ用紙は、ヒートシール面同士のヒートシール強度を満足することはもとより、ノンヒートシール面同士のヒートシール強度が必要であるが、ヒートシール機の過熱部分に熱溶融繊維の樹脂成分が付着しないといった性能が要求される。
しかしながら、引用文献1および2はヒートシール層に含有したポリプロピレン繊維、若しくはポリオレフィン系/ポリプロピレン複合繊維が、ヒートシール面同士を熱接着する際にノンヒートシール面側の表面まで溶け出してしまい、この溶け出したポリオレフィン樹脂分が、ヒートシール機の過熱ロールなどに付着してしまい汚れが発生するといった問題がある。更には、ノンヒートシール面同士をヒートシールする際には、ノンヒートシール層表面に溶け出したポリオレフィン樹脂がヒートシール機の過熱ロールなどに取られた影響で、ノンヒートシール層表面のポリオレフィン樹脂分が少なくなり、ノンヒートシール面同士のヒートシール強度が不足するといった問題も発生する。
そこで本発明は、ヒートシール面同士のヒートシール強度を満足するとともに、ノンヒートシール面同士のヒートシール強度が強いヒートシール用フィルターバッグ用紙を提供することを目的と課題とする。
本発明は以下の(1)〜(7)を提供する。
(1) ヒートシール層とノンヒートシール層とから構成されるヒートシール用フィルターバッグ用紙において、ヒートシール層がセルロース繊維と熱可塑性合成繊維(ポリプロピレン系繊維を除く)からなり、ノンヒートシール層が、主としてセルロース繊維からなることを特徴とするヒートシール用フィルターバッグ用紙。
(2) 前記ノンヒートシール層のセルロース繊維の構成比率が、木材パルプ20〜100重量%、非木材パルプ80〜0重量%、再生セルロース繊維0〜30重量%であることを特徴とする(1)に記載のヒートシール用フィルターバッグ用紙。
(3) 前記ヒートシール層のセルロース繊維及び熱可塑性合成繊維(ポリプロピレン系繊維を除く)の構成比率が、セルロース繊維25〜65重量%、熱可塑性合成繊維75〜35重量%であることを特徴とする(1)〜(2)に記載のヒートシール用フィルターバッグ用紙。
(4) 前記熱可塑性合成繊維(ポリプロピレン系繊維を除く)が、少なくともポリエチレン系樹脂、エチレン‐酢酸ビニル共重合系樹脂、エチレン‐ビニルアルコール共重合系樹脂、それらのグラフト重合物からなる繊維から選ばれる1種類を含有していることを特徴とする(1)〜(3)に記載のヒートシール用フィルターバッグ用紙。
(5) 前記熱可塑性合成繊維(ポリプロピレン系繊維を除く)が、ポリエステル系樹脂を芯成分とし、ポリエチレン系樹脂、エチレン‐酢酸ビニル共重合系樹脂、エチレン‐ビニルアルコール共重合系樹脂のうち少なくとも一成分を鞘成分とする複合繊維を含有していることを特徴とする(1)〜(4)に記載のヒートシール用フィルターバッグ用紙。
(6) ヒートシール層とノンヒートシール層との層比が、ヒートシール層/ノンヒートシール層=40/60〜75/25重量%であることを特徴とする(1)〜(5)に記載のヒートシール用フィルターバッグ用紙。
(7) 前記フィルターバッグ用紙が、坪量10〜25g/m2、厚さ30〜85μm、流れ方向の引張強さ0.50kN/m以上、横方向の湿潤引張強さ0.06kN/m以上、通気度15,000ml/min/cm2、濾水度30秒以下であることを特徴とする(1)〜(6)に記載のヒートシール用フィルターバッグ用紙。
本発明によれば、ヒートシール面同士のヒートシール強度を満足するとともに、ノンヒートシール面同士のヒートシール強度が強いヒートシール用フィルターバッグ用紙を提供することができる。
は、ろ水度試験機の概略図である。
本発明のヒートシール用フィルターバッグ用紙(以下、単に「フィルターバッグ用紙」という場合もある。)は、ヒートシール層(以下、シール層という)とノンヒートシール層(以下ノンシール層という)とから構成されるヒートシール用フィルターバッグ用紙において、ノンシール層は、主としてセルロース繊維から構成され、シール層は、セルロース繊維とポリプロピレン系樹脂以外の熱可塑性合成繊維とから構成される。
ノンシール層は、主としてセルロース繊維から構成され、熱可塑性合成繊維を含まないため、ヒートシール加工時にヒートシール機の過熱部分にヒートシール用フィルターバッグ用紙が融着することがない。
一方、シール層にポリプロピレン系樹脂以外の熱可塑性合成繊維を含有させることで、ヒートシールが可能であるとともに、ヒートシール機の過熱部分にシール層に含まれる熱可塑性合成繊維がノンシール層の表面に溶け出すことを防止することができる。
本発明のヒートシール用フィルターバッグ用紙が優れた効果を発現する理由は明らかでないが、熱可塑性樹脂の流動性(MFR:メルトフローレート)が大きく影響していると推測している。
ポリプロピレン系樹脂のMFRは20〜60g/10minと高いため、シール層同士をヒートシール加工する時に、熱可塑性樹脂がノンシール層の表面にまで達してしまうため、ヒートシール機の過熱ロールなどに溶け出した熱可塑性樹脂が付着してしまい、過熱ロールを汚す問題が起こる。さらに、この影響でヒートシール用フィルターバッグ用紙のヒートシールされた箇所のノンシール層同士をヒートシールしようとした際に、シール層からノンシール層へ溶け出てくる熱可塑性樹脂が少なくなるために、十分なノンシール面同士のヒートシール強度が得られないといった問題が発生する。一方、ポリエチレン系樹脂などのMFRは1~40g/10minであり、上記したポリプロピレン系樹脂での問題が発生しにくいと考えられる。なお、ポリプロピレン系樹脂とポリエチレン系樹脂のMFRの重なっている範囲はあるが、上記問題の発生に違いが生じるのは、MRF以外の物性が影響しているものと推測される。
ノンシール層のセルロース繊維は、木材パルプ20〜100重量%、非木材パルプ80〜0重量%、再生セルロース繊維0〜30重量%とから構成されることが好ましい。
木材パルプ、非木材パルプ、再生セルロース繊維それぞれの配合率は、目的とするヒートシール用フィルターバッグ用紙の強度物性、濾過適性などに応じて適宜変更することができる。
木材パルプは、広葉樹、針葉樹を公知の方法で蒸解して得られるパルプである。これらの木材原料を単独で、あるいは、2種以上混合して使用することができる。但し、広葉樹パルプは柔細胞を含んでおり、この柔細胞がヒートシール用フィルターバッグ用紙の細孔を埋めてしまうので、針葉樹パルプが好ましく用いられる。
非木材パルプは、ケナフ、亜麻、大麻、マニラ麻、ジュート、サイザル麻、こうぞ、三椏等の非木材原料を公知の方法で蒸解して得られるパルプである。これらの非木材パルプを、単独あるいは2種以上混合して使用することができる。靭皮繊維由来のパルプであるケナフパルプ、ジュートパルプ、亜麻パルプ、あるいは、葉脈繊維由来のパルプであるマニラ麻パルプ、サイザル麻パルプを用いることが好ましい。その中でも、マニラ麻パルプはセルロースの重合度が高く、繊維長が長いため強度が強いシートが得られるので、最も好ましい。
本発明の木材パルプおよび非木材パルプは、アルカリ処理によるマーセル化、カルボキシメチル化など、適宜、化学処理を施したパルプ繊維を用いることができる。
さらに、本発明の木材パルプおよび非木材パルプは、目的とするヒートシール用フィルターバッグ用紙の強度物性、濾過適性などに応じて適宜叩解されて用いられる。
セルロース繊維の叩解度は、ヒートシール用フィルターバッグ用紙に求められる特性に応じて設定することができ、通常は300CSF〜750CSFの間に調成される(未叩解の状態で使用するかもしくは300CSF以上のカナダ標準フリーネスに叩解して使用する)。本発明の場合、原料パルプの叩解は、木材パルプと非木材パルプを使用する場合、それらを混合して行ってもよいが、別々に叩解したパルプを混合することとしてもよい。必要に応じ、ロジンサイズ剤等のサイズ剤、ポリアクリルアミド等の乾燥紙力増強剤、ポリアミド・ポリアミン・エピクロルヒドリンやメラミン樹脂等の湿潤紙力増強剤、硫酸バンドその他の定着剤等の製紙用副資材を、適宜添加することができる。
再生セルロース繊維は、ビスコースレーヨン、銅アンモニアレーヨン、ポリノジック、溶剤紡糸レーヨンなどが例示できる。
シール層は、セルロース繊維25〜65重量%、ポリプロピレン系樹脂以外の熱可塑性合成繊維75〜35重量%とから構成される。
シール層に用いられるセルロース繊維は、ノンシール層に用いられるセルロース繊維と同意であり、同じものを用いても良いし、異なるパルプ繊維の組み合わせでも構わない。シール層のセルロース繊維の配合は、25重量%を下回ると、ノンシール層との層間強度が弱くなりすぎてしまうので好ましくない。熱可塑性合成繊維の配合は、35重量%を下回ると十分なヒートシール強度が得られないので好ましくない。75重量%を上回るとフィルターバッグの製袋加工時の加工性が悪くなるため好ましくない。
ポリプロピレン系樹脂以外の熱可塑性合成繊維は、ポリエチレン樹脂、エチレン‐酢酸ビニル共重合樹脂、エチレン‐ビニルアルコール共重合樹脂など、更にはこれらをグラフト重合などで化学処理した樹脂(以下、ポリエチレン系樹脂という)が好ましく用いられ、これら樹脂からなる短繊維若しくは合成パルプが用いられる。
短繊維は、ポリエチレン系樹脂で構成される単一繊維でもよいし、二成分以上を組み合わせて一つの繊維とした複合繊維でも構わない。複合繊維は、芯成分と鞘成分で異なる樹脂を組み合わせた芯鞘型の繊維、第一成分と第二成分とが隣り合ったサイドバイサイド型の繊維、等が例示でき、中でも芯鞘型の複合繊維が好ましく用いられる。
芯鞘型の複合繊維においては、鞘成分は前記ポリエチレン系樹脂であることが好ましい。芯成分は、ポリプロピレン樹脂を使用しないことが好ましく、ポリエステル樹脂が芯成分であることがより好ましい。ポリエステル樹脂は、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、又はこれらのポリエステルと10モル%未満の範囲で共重合可能な成分を含むポリエステル共重合体であることが例示できる。
なお、本発明において、ポリプロピレン系樹脂の熱可塑性合成繊維は、ポリプロピレンの単一繊維、芯鞘構造の複合繊維の芯成分がポリプロピレンである複合繊維であり、これらの合成繊維を含むと好ましくない。
合成パルプは、ポリオレフィン系合成パルプ、全芳香族ポリアミド系合成パルプ、全芳香族ポリエステル系合成パルプなどが例示でき、ポリオレフィン系合成パルプが好ましく用いられる。
ポリオレフィン系合成パルプは、ポリエチレン樹脂、エチレン・メタクリル酸共重合樹脂、エチレン・α−不飽和カルボン酸共重合樹脂、エチレン・1−ブテン共重合樹脂、ポリメチルペンテン樹脂、および/もしくはそれらの酸変性物などのポリオレフィン系樹脂を、単独もしくは複数を主たる樹脂成分として、フラッシュ法等の公知の手段で繊維状にしたものであり、その形態は叩解した木材パルプと類似で、繊維が枝分かれフィブリル化しおり、市販のものとしては三井化学株式会社製SWP(登録商標)が例示できる。
ポリオレフィン合成パルプの平均繊維長は、フィルターバッグの濾過性の点から、0.5〜2.0mmであることが好ましく、0.8〜1.5mmであることがより好ましい。また、合成パルプのカナダ標準フリーネス(CSF)は300〜750mlであることが好ましい。
ポリプロピレン系樹脂以外の熱可塑性合成繊維は、短繊維及び/若しくは合成パルプを混合して使用しても良いし、単独で使用しても構わない。しかしながら、合成パルプ単独では、フィルターバッグ用紙の密度が高くなり濾水性が悪くなるため、短繊維を含むことが好ましい。
シール層とノンシール層との層比は40/60〜75/25重量%であることが好ましい。ノンシール層の層比が25重量%を下回ると、本来のヒートシール性を有さないという効果が得られない。シール層の層比が45重量%を下回ると、ヒートシール強度が十分に得られない。
本発明のヒートシール用フィルターバッグ用紙は、坪量10〜25g/m2、厚さ30〜85μmである。
本発明のヒートシール用フィルターバッグ用紙の流れ方向の引張強さ0.50kN/m以上が好ましい。流れ方向の引張強さが0.50kN/mを下回ると、フィルターバッグを製袋するときに製袋機内で断紙が発生しやすくなり好ましくない。横方向の湿潤引張強さは0.06kN/m以上が好ましい。横方向の湿潤引張強さが0.06kN/mを下回ると、フィルターバッグから茶などを抽出するときにフィルターバッグが破袋しやすくなるため好ましくない。通気度15,000ml/min/cm2以上、濾水度30秒以下であれば、フィルターバッグからの茶の抽出性が好ましくなる。
本発明のヒートシール用フィルターバッグ用紙は、公知の製紙技術によって製造することができる。その製造に用いる抄紙機としては、円網式抄紙機、傾斜短網式抄紙機、長網式抄紙機、ツインワイヤー式抄紙機等を挙げることができる。なお、本発明のヒートシール用フィルターバッグ用紙は、ノンシール層とシール層の2層で構成されることから、少なくとも2層の湿紙を抄き合せることができるタイプの抄紙機として、円網式と円網式とを、円網式と傾斜短網式とを、傾斜短網式と傾斜短網式とを、円網式と長網式とを、長網式と長網式とを、などを組み合あせたコンビネーションマシンで製造することができる。もしくは、ワイヤー上に第1の層を抄き上げて、その第1の層の上に第2に層を抄き上げるタイプの抄紙機として、抄紙インレットが二重構造もしくは2つのインレットを有する円網式抄紙機、傾斜短網式抄紙機、長網式抄紙機で製造することができる。
本発明のヒートシール用フィルターバッグ用紙は、従来公知の乾燥方法により乾燥することができる。本発明で用いる抄紙法における乾燥工程としては、ヤンキードライヤー式、多筒式、熱風式、赤外線加熱式、などを挙げることができる。
また、ヒートシール用フィルターバッグ用紙の強度を向上させるために、サイズプレス装置等によって、スチレン系樹脂、スチレン・アクリル系樹脂、スチレン・マレイン酸樹脂、アルキルケテンダイマー、澱粉、酸化澱粉、ヒドロキシエチル化澱粉、カルボキシメチル化セルロース、カルボキシメチル化グアーガム、リン酸化グアーガム、酸化グアーガム、ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド等の薬品を塗工することとしてもよい。更には、カルボキシルメチルセルロースナトリウムやセルロースキサントゲン酸ナトリウム(ビスコース)などのナトリウム塩を塗工し、希硫酸に浸漬させて中和し、塗工液を不溶化しても良い。
以下、実施例により本発明を説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例および比較例の評価方法については、以下の方法を用いた。
[実施例1]
600CSFに叩解したマニラ麻パルプと600CSFに叩解したNBKPを準備し、マニラ麻パルプとNBKPとが重量比で60:40となるように混合し、ノンシール層用の紙料とした。また、別途、550CSFに叩解したマニラ麻パルプを15重量%と、550CSFに叩解したNBKPを15重量%と、ポリエチレンパルプ(三井化学製、SWP(登録商標)AU690、離解フリーネス680CSF)を30重量%と、ポリエステル/ポリエチレン(芯/鞘)複合繊維(帝人製TJ04V4、1.7dtex×5mm)を40重量%とを混合し、シール層用の紙料とした。
それぞれの紙料を、傾斜短網と円網を有するコンビネーションマシンを用い、傾斜短網へシール層用の紙料を供し、円網にノンシール層用の紙料を供し、それぞれを層比が60:40となるように抄き上げ、ノンシール層とシール層とを抄き合せて、(120℃の)ヤンキードライヤーにて乾燥し、ヒートシール用フィルターバッグ用紙を得た。
[実施例2]
550CSFに叩解したNBKPを30重量%と、ポリエチレンパルプ(三井化学製、SWP(登録商標)AU690、離解フリーネス680CSF)を30重量%と、ポリエステル/ポリエチレン(芯/鞘)複合繊維(帝人製TJ04V4、1.7dtex×5mm)を40重量%とを混合し、シール層用の紙料とした以外は、実施例1と同様にしてヒートシール用フィルターバッグ用紙を得た。
[比較例1]
550CSFに叩解したマニラ麻パルプを15重量%と、550CSFに叩解したNBKPを15重量%と、ポリプロピレン/ポリエチレン(芯/鞘)複合繊維(JNCファイバーズ製ESC、1.7dtex×5mm)を70重量%とを混合し、シール層用の紙料とした以外は、実施例1と同様にしてヒートシール用フィルターバッグ用紙を得た。
[比較例2]
550CSFに叩解したマニラ麻パルプを15重量%と、550CSFに叩解したNBKPを15重量%と、ポリエチレンパルプ(三井化学製、SWP(登録商標)AU690、離解フリーネス680CSF)を30重量%と、ポリプロピレン/ポリエチレン(芯/鞘)複合繊維(JNCファイバーズ製ESC、1.7dtex×5mm)を40重量%とを混合し、シール層用の紙料とした以外は、実施例1と同様にしてヒートシール用フィルターバッグ用紙を得た。
(坪量)
JISP8124に準拠して測定した。
(厚さ)
JISP8118に準拠して測定した。
(引張強さ、湿潤引張強さ)
引張強さはJAPAN TAPPI No.71に準拠して測定した。湿潤引張強さは、測定紙片を蒸留水に浸漬し、不要な水分を除去した以外はJAPAN TAPPI No.71に準拠して測定した。
(ろ水度)
濾水度の測定は、図1のろ水度試験機を使用して次のように行った。
まず、80mm角の試験サンプル8枚を20℃の水に浸漬し、気泡が入らないように8枚重ねとし、ろ水度試験機のサンプルフォルダーの50メッシュ金網(直径65mm)の上にセットし、サンプルフォルダー上部に内径65mmの円筒を固定する。次いで、排水口を閉じた状態で円筒内の試験サンプルからの高さ254mmの刻線を超えるよう、円筒に20℃の水1,000mlを注ぐ。そして、排水口を開放し、液面が高さ254mmの刻線を通過してから高さ103mmの刻線を通過するまでの時間(500mlの水が33.2cm2の面積のフィルターを通過する時間))を計測し、ろ水度(秒)とした。
(通気度)
米国FILTRONA社製通気度計PPM100を用いて、気温23℃、相対湿度50%の環境下において、100mmH2Oの圧力下における1cm2あたりに流れる空気の流量(ml/min)を測定した。
(ヒートシール強度)
シール層同士のヒートシール強度はは、巾25mmの試験サンプルを2本準備し、シール面同士を重ね合せ、ヒートシールテスターを用いて、シール温度150℃、シール圧力98kPa、シール時間1秒の条件でヒートシールを行い、シール層同士のヒートシール強度測定用サンプルとした。
ノンシール層同士のヒートシールは、シール層同士のヒートシール強度測定用サンプル2本を準備し、ヒートシールされた部分のノンヒート面同士を重ね合せ、再度ヒートシールされた部分をシール温度150℃、シール圧392kPa、シール時間5秒の条件でヒートシールを行い、ノンシール層同士のヒートシール強度測定用サンプルとした。
作製した試験サンプルはそれぞれ、気温23℃、相対湿度50%の環境下においてインテスコ小型精密材料試験機を用いて、シールした部分を30mm/分の引張速度にて剥離し、剥離強さ(N/25mm)とした。
(製袋機による評価)
茶葉用製袋機C2000タイプ(IMA社製)を用いて、実施例1~2、比較例1~2のヒートシール用フィルターバッグ用紙の評価を行った。なお、製袋機C2000タイプの機構は次の通りである。まず、ヒートシール用フィルターバッグ用紙のヒートシール面の上に、茶葉を落とし、次いでヒートシール面同士を合わせて一対の回転する過熱された金属ロールで挟みセンターシールを行い、ヒートシール用フィルターバッグ用紙を筒状にする。次いで、茶葉のない部分を一対の過熱された金属板でクロスシールを行う。クロスシールされた部分は切断され、一つのフィルターバッグとなる。その後、フィルターバッグは二つ折りされると同時に底部がW型に折られ、クロスシールされた部分同士はタグ付きの糸を挟み込んだ状態でさらにノンヒートシール面同士のトップシールを行い、外装袋に包んでティーバッグ製品とする。
(ヒートシール適性)
上記で製造されたティーバッグ製品のセンターシール部、クロスシール部、トップシール部のヒートシール強度を下記の基準で評価した。
○:ヒートシールの接着がはがれにくく、実用的にまったく問題のないもの。
△:ヒートシールの接着がはがれやすいが、実用的に使用可能なもの。
×:ヒートシールの接着が容易に剥がれてしまい、実用的に使用できないもの。
(ポリマーダスト)
25000個ティーバックを製造した際の、ポリマーダスト(ヒートシールを行う加熱した金属部分に合成繊維に起因した樹脂が付着する現象)について、下記の基準で評価した。
○:ヒートシールを行う加熱した金属部分(特にクロスシール)に合成繊維に起因した樹脂が付着の発生が見られない。
△:ヒートシールを行う加熱した金属部分(特にクロスシール)に合成繊維に起因した樹脂が付着の発生が若干みられるもの。
×:ヒートシールを行う加熱した金属部分(特にクロスシール)に合成繊維に起因した樹脂が付着の発生が大量にみられるもの。
Figure 2015193405
比較例1は、クロスシール部のノンヒート層に接する加熱金属にポリマーダストが付着し、その影響でクロスシール部のノンヒート層同士をヒートシールするトップシールの接着不良が発生した。比較例3は、比較例1よりシール層のポリプロピレン樹脂が半減したため、ポリマーダストの発生とトップシールの接着不良は軽減した。それに比し、実施例1及び実施例2は良好な製袋適性を有するヒートシール用フィルターバッグ用紙が得られた。

Claims (7)

  1. ヒートシール層とノンヒートシール層とから構成されるヒートシール用フィルターバッグ用紙において、ヒートシール層がセルロース繊維と熱可塑性合成繊維(ポリプロピレン系繊維を除く)からな、ノンヒートシール層が、主としてセルロース繊維からなることを特徴とするヒートシール用フィルターバッグ用紙。
  2. 前記ノンヒートシール層のセルロース繊維の構成比率が、木材パルプ20〜100重量%、非木材パルプ80〜0重量%、再生セルロース繊維0〜30重量%であることを特徴とする請求項1に記載のヒートシール用フィルターバッグ用紙。
  3. 前記ヒートシール層のセルロース繊維及び熱可塑性合成繊維(ポリプロピレン系繊維を除く)の構成比率が、セルロース繊維25〜65重量%、熱可塑性合成繊維75〜35重量%であることを特徴とする請求項1〜2に記載のヒートシール用フィルターバッグ用紙。
  4. 前記熱可塑性合成繊維(ポリプロピレン系繊維を除く)が、少なくともポリエチレン系樹脂、エチレン‐酢酸ビニル共重合系樹脂、エチレン‐ビニルアルコール共重合系樹脂、それらのグラフト重合物からなる繊維から選ばれる1種類を含有していることを特徴とする請求項1〜3に記載のヒートシール用フィルターバッグ用紙。
  5. 前記熱可塑性合成繊維(ポリプロピレン系繊維を除く)が、ポリエステル系樹脂を芯成分とし、ポリエチレン系樹脂、エチレン‐酢酸ビニル共重合系樹脂、エチレン‐ビニルアルコール共重合系樹脂のうち少なくとも一成分を鞘成分とする複合繊維を含有していることを特徴とする請求項1〜3に記載のヒートシール用フィルターバッグ用紙。
  6. ヒートシール層とノンヒートシール層との層比が40/60〜75/25重量%であることを特徴とする請求項1乃至5に記載のヒートシール用フィルターバッグ用紙。
  7. 前記フィルターバッグ用紙が、坪量10〜25g/m2、厚さ30〜85μm、流れ方向の引張強さ0.50kN/m以上、横方向の湿潤引張強さ0.06kN/m以上、通気度15,000ml/min/cm2、濾水度30秒以下であることを特徴とする請求項1〜6に記載のヒートシール用フィルターバッグ用紙。
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