JP2005065961A - コーヒーフィルター及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 コーヒーの濾過性能が改善され、おいしいコーヒーを得ることができるコーヒーフィルター及びその製造方法を提供する。
【解決手段】 このコーヒーフィルターは、木材パルプ及び非木材パルプが配合されて抄紙される原紙から構成されている。木材パルプとしては、未晒パルプ及び晒パルプが配合される。非木材パルプとしては、リンターパルプが配合される。このコーヒーフィルターには、焙煎コーヒーを収容する収容部が備えられ、この収容部にお湯が注がれることにより、焙煎コーヒーからその成分が抽出される。そして、その抽出液がコーヒーフィルターによって濾過されることにより、コーヒーが得られる。原紙において、未晒パルプの配合率は25〜35重量%、晒パルプの配合率は50〜60重量%及びリンターパルプの配合率は10〜20重量%であることが好ましい。
【選択図】 図1
【解決手段】 このコーヒーフィルターは、木材パルプ及び非木材パルプが配合されて抄紙される原紙から構成されている。木材パルプとしては、未晒パルプ及び晒パルプが配合される。非木材パルプとしては、リンターパルプが配合される。このコーヒーフィルターには、焙煎コーヒーを収容する収容部が備えられ、この収容部にお湯が注がれることにより、焙煎コーヒーからその成分が抽出される。そして、その抽出液がコーヒーフィルターによって濾過されることにより、コーヒーが得られる。原紙において、未晒パルプの配合率は25〜35重量%、晒パルプの配合率は50〜60重量%及びリンターパルプの配合率は10〜20重量%であることが好ましい。
【選択図】 図1
Description
本発明は、焙煎コーヒーからコーヒーを抽出・濾過するためのコーヒーフィルター及びその製造方法に関するものである。
従来より、焙煎コーヒーからコーヒーを抽出・濾過するには、ネル製、不織布製、紙製等のコーヒーフィルターが使用されている。これらの中でもネル製のコーヒーフィルターを使用すると、おいしいコーヒーが抽出・濾過されることが知られている。しかしながら、このネル製のコーヒーフィルターはその衛生管理が面倒であるため、個人でコーヒーを楽しむには、紙製のコーヒーフィルターが広く使用されている。このようなコーヒーフィルターの原紙としては、木材パルプ及び非木材パルプを混抄したものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開平9−195194号公報(段落[0015])
上記特許文献1に記載の原紙から構成されるコーヒーフィルターでは、焙煎コーヒーに含まれ、きつい酸味、きつい苦み等を生じる雑味成分が十分に除去されないため、ネル製のコーヒーフィルターを用いて抽出・濾過されたコーヒーのようなおいしさが十分に得られないという問題があった。
本発明は、上記のような従来技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的とするところは、コーヒーの濾過性能が改善され、おいしいコーヒーを得ることができるコーヒーフィルター及びその製造方法を提供することにある。
上記の目的を達成するために請求項1に記載の発明のコーヒーフィルターでは、焙煎コーヒーを収容する収容部を備えたコーヒーフィルターにおいて、木材パルプとして未晒パルプ及び晒パルプが配合されるとともに非木材パルプとしてリンターパルプが配合されて抄紙される原紙から構成されるものである。
請求項2に記載の発明のコーヒーフィルターでは、請求項1に記載の発明において、前記未晒パルプの配合率は25〜35重量%、前記晒パルプの配合率は50〜60重量%、及び前記リンターパルプの配合率は10〜20重量%であることを特徴とする。
請求項3に記載の発明のコーヒーフィルターでは、請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記収容部の内面は、クレープ加工によって皺状に形成されるものである。
請求項4に記載の発明のコーヒーフィルターの製造方法では、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のコーヒーフィルターの製造方法であって、前記原紙は円網式抄紙機によって抄紙されることを特徴とする。
請求項4に記載の発明のコーヒーフィルターの製造方法では、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のコーヒーフィルターの製造方法であって、前記原紙は円網式抄紙機によって抄紙されることを特徴とする。
本発明によれば、コーヒーの抽出性能が改善され、おいしいコーヒーを得ることができる。
以下、本発明の実施形態について図面に基づき詳細に説明する。
図1に示すように、本実施形態におけるコーヒーフィルター11を開いた状態を基準に説明すると、このコーヒーフィルター11は有底円錐状をなし、その上端には円形状の開口部12が形成されている。また、コーヒーフィルター11の内部には、図示しない焙煎コーヒーが収容される収容部13が形成され、この収容部13にお湯が注がれることにより、焙煎コーヒーからその成分が抽出される。そして、抽出液がコーヒーフィルター11によって濾過されることにより、コーヒーが得られる。
図1に示すように、本実施形態におけるコーヒーフィルター11を開いた状態を基準に説明すると、このコーヒーフィルター11は有底円錐状をなし、その上端には円形状の開口部12が形成されている。また、コーヒーフィルター11の内部には、図示しない焙煎コーヒーが収容される収容部13が形成され、この収容部13にお湯が注がれることにより、焙煎コーヒーからその成分が抽出される。そして、抽出液がコーヒーフィルター11によって濾過されることにより、コーヒーが得られる。
このコーヒーフィルター11は、原紙を所定の形状に打ち抜いたパルプシートから折り曲げ形成される。その原紙は、木材パルプとして未晒パルプ及び晒パルプが配合されるとともに、非木材パルプとしてリンターパルプが配合されて抄紙されるものである。これらの木材パルプ及び非木材パルプはいずれもバージンパルプである。
この木材パルプは、製造方法によってクラフトパルプ(KP)及びサルファイトパルプ(SP)に分類される。また、木材パルプは原料によって針葉樹(N材)パルプ及び広葉樹(L材)パルプに分類される。未晒パルプは、漂白されていない木材パルプを示し、その白色度は20〜45%程度である。一方、晒パルプは漂白工程を経た木材パルプを示し、その白色度は85〜88%程度である。なお、ここでいう白色度はJIS P 8123に規定されるハンター白色度をいう。晒パルプの漂白方法としては、アルカリ、塩素、次亜塩素酸ナトリウム等を使用する漂白法、二酸化塩素等を使用するECF(Elementary Chlorine Free)漂白法、酸素、過酸化水素、オゾン等を使用するTCF(Total Chlorine Free)漂白法等が挙げられる。
これらの木材パルプの中でも、湿潤強度に優れる原紙が得られることから未晒クラフトパルプ(UKP)及び晒クラフトパルプ(BKP)であることが好ましい。また、これらの木材パルプの中でも、その繊維長が長く、湿潤強度に優れる原紙が得られることから、N材から得られる木材パルプが好ましい。
原紙における未晒パルプの配合率は、好ましくは25〜35重量%、より好ましくは27〜33重量%、さらに好ましくは28〜32重量%である。この配合率が25重量%未満であると、原紙の湿潤強度が不足するおそれがある。一方、35重量%を超えると、リグニン等の不純物によってコーヒーの香りや味に悪影響を及ぼすおそれがある。
原紙における晒パルプの配合率は、好ましくは50〜60重量%、より好ましくは52〜58重量%、さらに好ましくは53〜57重量%である。この配合率が50重量%未満であると、濾過速度が低下し、コーヒーの渋みや苦みが強くなるおそれがある。一方、60重量%を超えると、原紙の湿潤強度が不足するおそれがある。
リンターパルプは、綿の種子の根本に生えている短繊維(コットンリンター)を精製することによって得られるパルプである。リンターパルプはセルロース純度が高いため、リンターパルプの配合によって、コーヒーフィルター11に含まれる不純物が低減される。このリンターパルプは、漂白工程を経たものでも漂白工程を経ていないものであってもよいが、不純物がより低減されていることから漂白工程を経たものが好ましい。
原紙におけるリンターパルプの配合率は、好ましくは10〜20重量%、より好ましくは12〜18重量%、さらに好ましくは13〜17重量%である。この配合率が10重量%未満であると、コーヒーフィルター11に含まれる不純物を十分に低減することができず、コーヒーの香りや味に悪影響を及ぼすおそれがある。一方、20重量%を超えると、濾過速度が低下し、コーヒーの渋みや苦みが強くなるおそれがある。
原紙の坪量は、好ましくは51〜61g/m2、より好ましくは53〜59g/m2である。この坪量が51g/m2未満及び61g/m2を超えると、コーヒーフィルター11に適した濾過速度が得られないおそれがある。また、コーヒーフィルター11に適した濾過速度が得られることから、原紙の厚さは0.26〜0.30mmが好ましい。原紙の引張強度(MD、縦方向)は、好ましくは15〜30N/15mm幅、より好ましくは17〜30N/15mm幅、さらに好ましくは20〜30N/15mm幅である。また、原紙の引張強度(TD、横方向)は、好ましくは3〜15N/15mm幅、より好ましくは5〜15N/15mm幅、さらに好ましくは7〜15N/15mm幅である。この引張強度(MD)が15N/15mm幅未満及び引張強度(TD)が3N/15mm幅未満であると、原紙の打ち抜き加工が困難となるおそれがある。一方、引張強度(MD)が30N/15mm幅を超える原紙、及び引張強度(TD)が15N/15mm幅を超える原紙を得ようとすると、コーヒーフィルター11としての適切な濾過速度が得られないおそれがある。なお、坪量はJIS P 8124、厚さはJIS P 8118及び引張強度は
JIS P 8113に準じて測定したものであり、いずれも相対湿度50±2%、温度23±1℃の条件(4時間以上調湿)で測定した値である。
JIS P 8113に準じて測定したものであり、いずれも相対湿度50±2%、温度23±1℃の条件(4時間以上調湿)で測定した値である。
原紙の濾水速度は、好ましくは40〜50秒/100cc、より好ましくは42〜48秒/100cc、さらに好ましくは43〜47秒/100ccである。この濾水速度が40秒/100cc未満であると、コーヒーの酸味が強くなりすぎるおそれがある。一方、50秒/100ccを超えると、苦みや渋みが強くなりすぎるおそれがある。なお、この濾水速度は、JIS P 3801に準じて、10cm2の濾過面積において、20℃、100mLの蒸留水を0.98kPaの圧力により濾過する時間を測定したものである。
このコーヒーフィルター11の底側、及び底側から開口部12側に達する片側部分には、接合部14が形成されている。この接合部14は、重ね合わされたパルプシートをプレス加工により圧着させることによって形成されている。つまり、この接合部14には接着剤が使用されていない。従って、コーヒーの味や香りに対して接着剤が悪影響を及ぼすことが防止されている。
このコーヒーフィルター11の内面15は、クレープ加工によって皺状に形成され、内面15の表面積(濾過面積)が増大されている。従って、焙煎コーヒーから抽出される油脂分や雑味成分が内面15に効率的に吸着されることにより、コーヒーに油脂分が混入することを抑制することができるとともに、さらにおいしいコーヒーを得ることができる。
このコーヒーフィルター11の製造工程は、紙料を調製する原料調製工程、原紙を製造する抄紙工程、及び原紙からコーヒーフィルター11を成形する加工工程を備えている。原料調製工程は所定の叩解度や濾水度まで叩解した各パルプに、必要に応じて消泡剤、紙力増強剤等を配合することにより、紙料を調製する工程である。
抄紙工程は、ワイヤーパート、プレスパート、及びドライヤーパートを備えている。ワイヤーパートは、抄紙機によって紙料から紙層を形成させるパートである。抄紙機の形式としては、エンドレスワイヤーよって紙層を形成する長網式抄紙機、円網によって紙層を形成する円網式抄紙機等が挙げられる。これらの抄紙機の中でも、地合(パルプ繊維の分布の均一さ)が良好となり、濾過性能のばらつきが低減することができることから、円網式抄紙機によって抄紙されることが好ましい。
プレスパートは、複数段のプレスロールによって紙層が脱水されることにより、湿紙を形成する工程である。ドライヤーパートは、加熱されたドライヤーの表面に湿紙を接触させることにより、水分を蒸発させ、原紙とする工程である。このドライヤーとしては、複数本の円筒状のドライヤーからなる多筒式ドライヤー、円筒状の1本のドライヤーからなるヤンキードライヤー等が挙げられる。クレープ加工が施された原紙を得るにはヤンキードライヤーが使用される。
原紙のクレープ加工としては、ウエット法とドライ法に大別される。ウエット法は、抄紙された湿紙にクレープ状の皺を形成させた後、ヤンキードライヤーで乾燥する方法である。ドライ法は、ヤンキードライヤーの表面において乾燥中の紙又は乾燥後の紙にクレープ状の皺を形成させる方法である。これらのクレープ加工のうち、コーヒーフィルター11としてのコシや強度を十分に付与することができることからウエット法が好ましい。
ウエット法によるクレープ加工について詳述すると、図2に示すように、プレスパートの最後段のプレスロール16において、そのプレスロール16の表面に密着した湿紙17がドクター18によって連続的に掻き取られることにより、湿紙17に皺が形成される。皺が形成された湿紙17は、フェルト19に載置された状態でドライヤーパートに搬入される。ドライヤーパートには、ヤンキードライヤー20及びその表面に接触する方向に押圧可能な一対のタッチロール21が備えられている。フェルト19に載置された湿紙17の片面は、タッチロール21によってヤンキードライヤー20の表面に押圧されるようになっている。そして、加熱されたヤンキードライヤー20の表面において、湿紙17が乾燥される。このとき、ヤンキードライヤー20によって搬送される湿紙17の速度は、プレスロール16によって搬送される湿紙17の速度よりも遅く設定されることにより、湿紙17の皺が維持された状態で乾燥され、クレープ加工が施された原紙22が連続的に得られる。
原紙22に形成されるクレープの度合い(皺の度合い)は、プレスロール16によって搬送される湿紙17の速度と、ヤンキードライヤー20で搬送される湿紙17の速度との差によって調整することができる。例えば、プレスロール16で搬送される湿紙17の速度をA[m/min]、ヤンキードライヤー20で搬送される湿紙17の速度をB[m/min]とした場合、下記式(1)によって、クレープの度合いを示すクレープ率X[%]を算出できる。
X=(B−A)/A×100 ・・・(1)
このクレープ率の値は、好ましくは10〜20%、より好ましくは12〜18%、さらに好ましくは13〜17%である。このクレープ率が10%未満であると、濾過面積を十分に増大することができず、コーヒーに油脂分が混入することを十分に抑制することができない。一方、20%を超えると、ヤンキードライヤー20における乾燥効率や原紙22の打ち抜き加工性が低下し、生産性が悪化するおそれがある。
このクレープ率の値は、好ましくは10〜20%、より好ましくは12〜18%、さらに好ましくは13〜17%である。このクレープ率が10%未満であると、濾過面積を十分に増大することができず、コーヒーに油脂分が混入することを十分に抑制することができない。一方、20%を超えると、ヤンキードライヤー20における乾燥効率や原紙22の打ち抜き加工性が低下し、生産性が悪化するおそれがある。
また、クレープ加工によって形成される皺の深さは、図2に示すフェルト19に接触していた面(表面)の方がヤンキードライヤー20に接触していた面(裏面)よりも深く形成される。焙煎コーヒーから抽出される雑味成分や油脂分をより効率的に吸着させることができることから、原紙22における表面をコーヒーフィルター11の内面15とするとともに、原紙22における裏面をコーヒーフィルター11の外面とすることが好ましい。
抄紙工程によって得られた原紙22は、図示しないワインダーによって巻き取られ、原紙ロールとして加工工程に供給される。加工工程では、まず原紙22を打抜機で所定の形状に打ち抜くことにより、パルプシートを形成する。続いて、このパルプシートをその中央で折り曲げるとともにプレス加工により接合部14を形成することにより、コーヒーフィルター11が加工される。
さて、このコーヒーフィルター11を使用するには、底側における接合部14の内側及び片側部分における接合部14の内側を互い違いに折り曲げる。次に、開口部12を開いてコーヒーフィルター11をドリッパーにセットする。続いて、所定量の焙煎コーヒーを計量スプーンで計り取り、収容部13に入れる。次に、少量のお湯を注ぎ、焙煎コーヒーを30秒程蒸してから、所定量のお湯を焙煎コーヒーの全体に行き渡るようにゆっくりと注ぐ。すると、抽出されたコーヒーが濾過されてコーヒーフィルター11の底部から濾過されたコーヒーが得られる。
このとき、原紙22には未晒パルプ、晒パルプ及びリンターパルプが配合されている。従って、これらの3種類のパルプを構成する繊維は、それぞれ湿潤強度、繊維長等が異なるため、各パルプを組み合わせることによって、濾過速度の微妙な調整が可能となり、雑味成分が十分に除去される。特に、コットンリンターパルプを構成する短繊維には、天然の撚りがあるため、この短繊維が未晒パルプ繊維及び晒パルプ繊維と混抄されることにより、濾過速度の微妙な調整に寄与していると考えられる。さらに、未晒パルプの配合によって、コーヒーフィルター11の湿潤強度が十分に得られ、濾過の開始から終了まで、安定した濾過性能が発揮される。加えて、3種類のパルプによる吸着能の違いから、このコーヒーフィルター11には多種類にわたる雑味成分が吸着されると推測され、得られるコーヒーのおいしさに寄与していると考えられる。
本実施形態によって発揮される効果について、以下に記載する。
・ この実施形態のコーヒーフィルター11においては、原紙は未晒パルプ、晒パルプ及びリンターパルプが配合されて抄紙されている。このように構成した場合、各パルプを構成する繊維の湿潤強度、繊維長等の違いから、濾過速度の微妙な調整が可能となり、濾過性能が改善される。従って、おいしいコーヒーを得ることができる。また、このコーヒーフィルター11は紙製であるため、使用後には容易に廃棄することができる。
・ この実施形態のコーヒーフィルター11においては、原紙は未晒パルプ、晒パルプ及びリンターパルプが配合されて抄紙されている。このように構成した場合、各パルプを構成する繊維の湿潤強度、繊維長等の違いから、濾過速度の微妙な調整が可能となり、濾過性能が改善される。従って、おいしいコーヒーを得ることができる。また、このコーヒーフィルター11は紙製であるため、使用後には容易に廃棄することができる。
・ この実施形態のコーヒーフィルター11においては、未晒パルプの配合率が25〜35重量%、晒パルプの配合率が50〜60重量%及びリンターパルプの配合率が10〜20重量%であることが好ましい。このように構成した場合、湿潤強度及び吸着能の向上、不純物の低減化等の作用がバランスよく発揮され、よりおいしいコーヒーを得ることができる。また、抄紙工程において、クレープ加工を施す場合、クレープ加工の均一性を向上させることができる。さらに、原紙のコシが適度に得られるため、原紙の打抜加工性が良好となり、容易に製造することができる。
・ この実施形態のコーヒーフィルター11においては、収容部13の内面15がクレープ加工によって皺状に形成されていることが好ましい。このように構成した場合、濾過面積が増大され、油脂分が効率的に吸着され、コーヒーに油脂分が混入することを抑制することができる。
・ この実施形態のコーヒーフィルター11の製造方法においては、円網式抄紙機によって抄紙されている。この製造方法の場合、原紙の地合を良好にすることができ、濾過性能がさらに改善される。従って、さらにおいしいコーヒーを得ることができる。
なお、前記実施形態を次のように変更して構成することもできる。
・ 前記実施形態における接合部14は、プレス加工により、圧着させることにより形成することが好ましいが、各種接着剤によって接着させてもよい。
・ 前記実施形態における接合部14は、プレス加工により、圧着させることにより形成することが好ましいが、各種接着剤によって接着させてもよい。
・ 前記実施形態におけるコーヒーフィルター11は、ドリッパーにセットして使用されている。このコーヒーフィルター11の開口部12に、例えば、厚紙からなる円環状の支持体を設け、この支持体によってコーヒーフィルター11をコーヒーカップに支持するように構成してもよい。このように構成した場合、ドリッパーを使用せずに容易にコーヒーを入れることができる。
次に、上記実施形態から把握できる技術的思想について以下に記載する。
・ 請求項3に記載のコーヒーフィルターの製造方法であって、前記原紙を製造する抄紙工程は、抄紙することにより紙層を形成するワイヤーパートと、前記紙層を脱水して湿紙を形成するプレスパートと、湿紙を乾燥させることにより原紙を得るためのドライヤーパートとを備え、前記ワイヤーパートでは円網式抄紙機によって抄紙され、前記プレスパートではプレスロールで搬送される湿紙がドクターで掻き取られることにより前記湿紙に皺が形成され、その湿紙の片面がヤンキードライヤーの表面に接触されることにより乾燥され、該ヤンキードライヤーにおける湿紙の速度は前記プレスロールによって搬送される湿紙の速度よりも遅くすることにより、得られる原紙にクレープ加工が施されることを特徴とするコーヒーフィルターの製造方法。この製造方法の場合、クレープ加工による皺を堅固に形成することができるとともに、ヤンキードライヤーの非接触面の皺を深く形成することができる。従って、その非接触面をコーヒーフィルターの内面にすることにより、濾過面積が十分に確保される。従って、コーヒーに油脂分が混入することをさらに抑制することができるとともに、一層おいしいコーヒーが得られるコーヒーフィルターを容易に製造することができる。
・ 請求項3に記載のコーヒーフィルターの製造方法であって、前記原紙を製造する抄紙工程は、抄紙することにより紙層を形成するワイヤーパートと、前記紙層を脱水して湿紙を形成するプレスパートと、湿紙を乾燥させることにより原紙を得るためのドライヤーパートとを備え、前記ワイヤーパートでは円網式抄紙機によって抄紙され、前記プレスパートではプレスロールで搬送される湿紙がドクターで掻き取られることにより前記湿紙に皺が形成され、その湿紙の片面がヤンキードライヤーの表面に接触されることにより乾燥され、該ヤンキードライヤーにおける湿紙の速度は前記プレスロールによって搬送される湿紙の速度よりも遅くすることにより、得られる原紙にクレープ加工が施されることを特徴とするコーヒーフィルターの製造方法。この製造方法の場合、クレープ加工による皺を堅固に形成することができるとともに、ヤンキードライヤーの非接触面の皺を深く形成することができる。従って、その非接触面をコーヒーフィルターの内面にすることにより、濾過面積が十分に確保される。従って、コーヒーに油脂分が混入することをさらに抑制することができるとともに、一層おいしいコーヒーが得られるコーヒーフィルターを容易に製造することができる。
次に、製造例及び比較例を挙げて前記実施形態をさらに具体的に説明する。
(製造例1)
未晒パルプ(N−UKP、アメリカ産、白色度約23%)、晒パルプ(N−BKP、カナダ産、白色度約89%)及びリンターパルプ(原料:インド産のインド綿)をリファイナーによって所定の濾水度まで叩解した。次に、未晒パルプ、晒パルプ及びリンターパルプをそれぞれ30:55:15の重量比率で配合することにより紙料を調製した。この紙料を円網式抄紙機によって抄紙し、ウエット法によってクレープ加工を施すことにより、原紙を製造した。この原紙におけるヤンキードライヤーの非接触面を内面とし、コーヒーフィルターを製造した。原紙の物性は、坪量57.0g/m2、厚さ0.28mm、引張強度(縦)21.0N/15mm幅、引張強度(横)9.10N/15mm幅、濾水速度44.6秒/100ccであった。
(比較例1)
半晒パルプ(白色度約46%)及び製造例1に記載のリンターパルプをリファイナーによって製造例1と同じ濾水度まで叩解した。次に、半晒パルプ及びリンターパルプを85:15の重量比率で配合することにより、紙料を調製した。この紙料から製造例1と同様にして、コーヒーフィルターを製造した。原紙の物性は、坪量58.0g/m2、厚さ0.28mm、引張強度(縦)20.2N/15mm幅、引張強度(横)8.72N/15mm幅、濾水速度51.0秒/100ccであった。
<評価方法>
製造例1及び比較例1のコーヒーフィルターを使用して、それぞれ同じ条件でコーヒーを入れた。コーヒーの愛好家であるパネラー(男性5名、女性5名)が各例のコーヒーを試飲し、表1に示す項目についての優劣を官能評価した。合計10名のパネラーのうち、6名以上が優れると評価したものを優(○)、5名以下が優れると評価したものを劣(×)とし、それらの評価結果を表1に示す。
(製造例1)
未晒パルプ(N−UKP、アメリカ産、白色度約23%)、晒パルプ(N−BKP、カナダ産、白色度約89%)及びリンターパルプ(原料:インド産のインド綿)をリファイナーによって所定の濾水度まで叩解した。次に、未晒パルプ、晒パルプ及びリンターパルプをそれぞれ30:55:15の重量比率で配合することにより紙料を調製した。この紙料を円網式抄紙機によって抄紙し、ウエット法によってクレープ加工を施すことにより、原紙を製造した。この原紙におけるヤンキードライヤーの非接触面を内面とし、コーヒーフィルターを製造した。原紙の物性は、坪量57.0g/m2、厚さ0.28mm、引張強度(縦)21.0N/15mm幅、引張強度(横)9.10N/15mm幅、濾水速度44.6秒/100ccであった。
(比較例1)
半晒パルプ(白色度約46%)及び製造例1に記載のリンターパルプをリファイナーによって製造例1と同じ濾水度まで叩解した。次に、半晒パルプ及びリンターパルプを85:15の重量比率で配合することにより、紙料を調製した。この紙料から製造例1と同様にして、コーヒーフィルターを製造した。原紙の物性は、坪量58.0g/m2、厚さ0.28mm、引張強度(縦)20.2N/15mm幅、引張強度(横)8.72N/15mm幅、濾水速度51.0秒/100ccであった。
<評価方法>
製造例1及び比較例1のコーヒーフィルターを使用して、それぞれ同じ条件でコーヒーを入れた。コーヒーの愛好家であるパネラー(男性5名、女性5名)が各例のコーヒーを試飲し、表1に示す項目についての優劣を官能評価した。合計10名のパネラーのうち、6名以上が優れると評価したものを優(○)、5名以下が優れると評価したものを劣(×)とし、それらの評価結果を表1に示す。
11…コーヒーフィルター、13…収容部、15…内面、22…原紙。
Claims (4)
- 焙煎コーヒーを収容する収容部を備えたコーヒーフィルターにおいて、木材パルプとして未晒パルプ及び晒パルプが配合されるとともに非木材パルプとしてリンターパルプが配合されて抄紙される原紙から構成されることを特徴とするコーヒーフィルター。
- 前記未晒パルプの配合率は25〜35重量%、前記晒パルプの配合率は50〜60重量%、及び前記リンターパルプの配合率は10〜20重量%である請求項1に記載のコーヒーフィルター。
- 前記収容部の内面は、クレープ加工によって皺状に形成される請求項1又は請求項2に記載のコーヒーフィルター。
- 請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のコーヒーフィルターの製造方法であって、前記原紙は円網式抄紙機によって抄紙されることを特徴とするコーヒーフィルターの製造方法。
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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2003
- 2003-08-22 JP JP2003299136A patent/JP2005065961A/ja active Pending
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