JP2017145916A - モータ駆動ユニット - Google Patents

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Abstract

【課題】インボードブレーキとして機能する電磁ブレーキおよびパーキングブレーキの機能を兼ね備えたモータ駆動ユニットを提供する。【解決手段】駆動用モータ2の出力トルクを左右の駆動軸6,7に分配して伝達するモータ駆動ユニット1において、駆動用モータ2の出力軸9と一体回転するブレーキロータ28と回転が制約されているブレーキステータ29とを通電時に発生する磁気力を利用して吸着させることにより出力軸9を制動する電磁ブレーキ機構4と、通電時にトルクを出力する制動用モータ32と、制動用モータ32の出力トルクが付与されることによりブレーキロータ28とブレーキステータ29とを摩擦係合させる係合力を発生するとともに、係合力を発生している状態で電源がOFFになっても、出力軸9の制動状態を維持することが可能な係合力発生機構31とを設けた。【選択図】図1

Description

この発明は、車両の駆動力源として駆動トルクを発生する駆動用モータ、および、駆動用モータと駆動輪との間でトルクを伝達する動力伝達機構を備えたモータ駆動ユニットに関するものである。
車両に搭載されるモータ駆動ユニットの一例が特許文献1に記載されている。この特許文献1に記載された駆動歯車装置は、いわゆるトルクベクタリング装置であって、駆動用モータの出力トルクを左右の駆動輪に分配して伝達する差動機構と、差動機構から左右の駆動輪へ伝達するトルクの分配率を制御する制御用(差動用)モータとによって構成されている。差動機構は、2個のシングルピニオン型の遊星歯車機構を備え、各遊星歯車機構におけるサンギヤが、それぞれ、回転軸の両端に連結されている。回転軸の中央部には、駆動用モータからトルクが入力される入力ギヤが設けられている。各リングギヤは、互いに反対方向へ回転するように、2個の軸部材で構成された反転機構を介して連結されている。また、一方のリングギヤに、制御用モータが連結されている。そして、各キャリアに、それぞれ、ドライブシャフトを介して左右の駆動輪が連結されている。
国際公開第2015/008661号
上記の特許文献1に記載されているようなトルクベクタリング装置をモータ駆動ユニットとして車両に搭載することにより、モータを駆動力源とする走行性能が良好な電動車両を容易に構成することができる。さらに、そのようなモータ駆動ユニットに、駆動輪へ制動トルクを付与するブレーキ機構を内蔵させることにより、車両の制動装置をインボードブレーキにすることができる。特に、電磁力を利用して制動トルクを発生させる電磁ブレーキでインボードブレーキを構成することにより、従来の制動装置で一般的に使用されているような油圧システムや、ブレーキキャリパのような反力受けとなる強度部材を省くことができる。そのため、装置の簡素化や小型・軽量化を図ることができる。また、従来車輪に装備されるブレーキ装置に代えて、上記のようなインボードブレーキを採用することにより、車両のばね下荷重を軽減することができる。
一方、上記のようなインボードブレーキを構成する電磁ブレーキとしては、電磁石のコイルへ通電することにより作動して制動トルクを発生させる励磁作動型の電磁ブレーキが好適である。励磁作動型の電磁ブレーキのコイルへ通電することにより車両を制動し、通電を止めることにより車両の制動力を解除することができる。しかしながら、そのような励磁作動型の電磁ブレーキでは、例えば車両の電源をOFFにして長時間駐車するような場合に、電磁ブレーキで発生する制動トルクを保持することができなくなってしまう。すなわち、励磁作動型の電磁ブレーキでは、駐車時に車両の制動力を維持するパーキングブレーキとしての機能を得ることができない。
なお、電磁ブレーキには、通電が無い場合にばねの弾性力等を利用して制動トルクを発生させる無励磁作動型の電磁ブレーキもある。無励磁作動型の電磁ブレーキでは、電磁ブレーキのコイルへの通電が止められた場合でも制動トルクを発生することができる。しかしながら、そのような無励磁作動型の電磁ブレーキでは、車両の電源がOFFになった際に、直ちに電磁ブレーキによる制動トルクが作用してしまう。そのため、例えば、車両の走行中に何らかのフェールによって電源がOFFになった場合には、運転者の意図に反して車両が急制動されてしまう。したがって、上記のようなモータ駆動ユニットに内蔵するインボードブレーキとして採用するには、無励磁作動型の電磁ブレーキ付きモータは適切ではない。
この発明は上記の技術的課題に着目して考え出されたものであり、車両のインボードブレーキとして機能する電磁ブレーキ機構を備え、かつ、パーキングブレーキの機能も兼ね備えたモータ駆動ユニットを提供することを目的とするものである。
上記の目的を達成するために、この発明は、駆動用モータと、第1サンギヤならびに第1リングギヤおよび第1キャリアを有する第1遊星歯車機構と、第2サンギヤならびに第2リングギヤおよび第2キャリアを有する第2遊星歯車機構と、前記第1サンギヤと前記第2サンギヤとを連結する結合軸と、前記駆動用モータの出力軸と前記結合軸との間でトルクを伝達する伝動機構と、前記第1リングギヤと前記第2リングギヤとの間でいずれか一方のリングギヤのトルクを反転させて他方のリングギヤへ伝達する反転機構と、前記第1キャリアに連結された第1駆動軸と、前記第2キャリアに連結された第2駆動軸とを備え、前記駆動用モータの出力トルクを前記第1駆動軸と前記第2駆動軸とに分配して伝達するモータ駆動ユニットにおいて、前記出力軸と一体回転する少なくとも一つの回転部材と、前記回転部材に対して相対回転するとともに、前記回転部材の回転方向での回転が制約されている少なくとも一つの制動部材とを、通電時に発生する磁気力を利用して吸着させることにより前記出力軸を制動する電磁ブレーキ機構と、通電時にトルクを出力する制動用モータと、前記制動用モータの出力トルクが付与されることにより前記回転部材と前記制動部材とを摩擦係合させる係合力を発生するとともに、前記係合力を発生している状態で前記電磁ブレーキ機構および前記制動用モータへの通電がいずれも停止された場合にも、前記回転部材と前記制動部材とを摩擦係合させて前記出力軸を制動した状態を維持することが可能な係合力発生機構とを備えていることを特徴とするものである。
また、この発明は、前記係合力発生機構が、所定の回転方向の前記出力トルクが付与されることによって前記回転部材と前記制動部材とを摩擦係合させる軸力を発生する送りねじ機構を用いて構成されていることを特徴としている。
また、この発明は、前記制動部材が、前記第1リングギヤおよび前記第2リングギヤの少なくともいずれか一方の外周部に形成された外歯歯車と噛み合って回転するように構成されていることを特徴としている。
そして、この発明は、前記第1リングギヤおよび前記第2リングギヤのいずれか一方にトルクを付与する差動用モータを更に備えていることを特徴としている。
この発明のモータ駆動ユニットによれば、車両の駆動力源となる駆動用モータ、および、その駆動用モータの出力トルクを2本の駆動軸に分配する差動機構を、一式のユニットとして車両に搭載することができる。また、この発明のモータ駆動ユニットは、駆動用モータの出力軸を制動する電磁ブレーキ機構を備えている。そのため、この発明のモータ駆動ユニットを車両に搭載すれば、上記の電磁ブレーキ機構によって車両の制動装置を構成することができる。すなわち、車両の制動装置を、いわゆるインボードブレーキにすることができる。さらに、この発明のモータ駆動ユニットは、出力軸を制動した状態を維持することが可能な係合力発生機構と、その係合力発生機構を作動させる制動用モータとから構成されるパーキングブレーキ機構を備えている。そのため、制動用モータによって係合力発生機構を作動させて出力軸を制動している状態で、電磁ブレーキ機構および制動用モータに対する通電が止められた場合であっても、係合力発生機構による出力軸の制動状態を維持することができる。例えば、駐車時に車両の電源がOFFになる場合であっても、車両の制動状態を容易に維持することができる。
また、この発明のモータ駆動ユニットによれば、制動用モータの出力トルクを軸力に変換して出力軸を制動する送りねじ機構によって係合力発生機構が構成される。送りねじ機構は、直線運動を回転運動に変換する場合の送りねじの逆効率を、回転運動を直線運動に変換する場合の送りねじの正効率よりも低く設定しておくことにより、送りねじ機構で出力軸を制動するための軸力を発生した状態を容易に維持することができる。そのため、制動用モータによって送りねじ機構を作動させて出力軸を制動している状態で、電磁ブレーキ機構および制動用モータに対する通電が止められた場合であっても、送りねじ機構による出力軸の制動状態を維持することができる。
また、この発明のモータ駆動ユニットでは、第1駆動軸と第2駆動軸との間で差動装置として機能する第1遊星歯車機構および第2遊星歯車機構の少なくともいずれか一方のリングギヤと、電磁ブレーキ機構における制動部材とが歯車で噛み合わされる。第1リングギヤと第2リングギヤとは、反転機構によってトルクを反転させるように連結されている。制動部材は、電磁ブレーキ機構を作動させることにより回転部材と吸着させられ、回転部材を制動する。すなわち、制動部材は、回転部材を制動する際に回転部材と共に回転が止められる。また、制動部材は、パーキングブレーキ機構により、回転部材と共に回転を止められた状態が維持される。したがって、第1リングギヤおよび第2リングギヤも共に回転が止められる。そのため、この発明のモータ駆動ユニットによれば、パーキングブレーキ機構を作動させることにより、駆動用モータの出力軸を制動した状態を維持するとともに、第1駆動軸と第2駆動軸との間の差動回転を制限することができる。
そして、この発明のモータ駆動ユニットによれば、第1リングギヤまたは第2リングギヤのいずれか一方にトルクを付与する差動用モータが設けられる。そのため、差動用モータの出力トルクおよび回転数を制御することにより、第1駆動軸と第2駆動軸との間の差動状態およびトルクの分配比を制御することができる。すなわち、この発明のモータ駆動ユニットに、トルクベクタリング装置としての機能を持たせることができる。
この発明のモータ駆動ユニットの一例を説明するための断面図である。 第1駆動軸および第2駆動軸が同一回転数で回転する場合の第1遊星歯車機構および第2遊星歯車機構における各回転要素の回転数を示す共線図である。 第1駆動軸および第2駆動軸が差動回転する場合の第1遊星歯車機構および第2遊星歯車機構における各回転要素の回転数を示す共線図である。 この発明のモータ駆動ユニットの他の例を説明するための断面図である。 この発明のモータ駆動ユニットの他の例を示す図であって、差動用モータを設け、モータ駆動ユニットをトルクベクタリング装置として構成した一例を説明するための断面図である。 この発明のモータ駆動ユニットの他の例を示す図であって、差動用モータを設け、モータ駆動ユニットをトルクベクタリング装置として構成した他の例を説明するための断面図である。 差動用モータによって第1駆動軸および第2駆動軸を差動回転させるように制御する場合の第1遊星歯車機構および第2遊星歯車機構における各回転要素の回転数を示す共線図である。
この発明を、図を参照して具体的に説明する。図1に、この発明を適用したモータ駆動ユニットの一例を示してある。図1に示すモータ駆動ユニット1は、主要な構成要素として、駆動用モータ2、差動機構3、電磁ブレーキ機構4、パーキングブレーキ機構5、および、第1駆動軸6ならびに第2駆動軸7を備えている。
駆動用モータ2は、主に、車両の駆動力源として使用することが想定されていて、例えば、永久磁石式の同期モータ(PM)、あるいは、誘導モータ(IM)などによって構成されている。駆動用モータ2は、このモータ駆動ユニット1のケース8に固定されている。駆動用モータ2のロータ(図示せず)と一体に回転する出力軸9が、ケース8に形成された開口部10からケース8の内部に挿入され、ケース8に収容されている。そして、出力軸9から駆動用モータ2が出力するトルクを差動機構3へ伝達するように構成されている。
差動機構3は、第1遊星歯車機構11ならびに第2遊星歯車機構12の構成が同じ一対の遊星歯車機構、第1遊星歯車機構11と第2遊星歯車機構とを連結する結合軸13、前述の駆動用モータ2と結合軸13との間でトルクを伝達する伝動機構14、および、第1遊星歯車機構11と第2遊星歯車機構12との間でトルクを反転させて伝達する反転機構15から構成されている。
第1遊星歯車機構11は、第1サンギヤ16、第1リングギヤ17、および、第1キャリア18を有している。図1に示す例では、シングルピニオン型の遊星歯車機構が用いられている。具体的には、第1サンギヤ16に対して同心円上に、内歯歯車の第1リングギヤ17が配置されている。これら第1サンギヤ16と第1リングギヤ17とに噛み合っているピニオン19が第1キャリア18によって自転および公転が可能なように保持されている。第1サンギヤ16には、後述する伝動機構14および結合軸13を介して、駆動用モータ2の出力トルクが入力される。第1リングギヤ17は、後述する反転機構15により、後述する第2リングギヤ21と連結されている。第1キャリア18には、第1駆動軸6が一体回転するように連結されている。第1リングギヤ17の外周部には、後述する反転機構15の第1ピニオン26と噛み合う外歯歯車が形成されている。
第2遊星歯車機構12は、上記の第1遊星歯車機構11と同様に、第2サンギヤ20、第2リングギヤ21、および、第2キャリア22を有している。図1に示す例では、シングルピニオン型の遊星歯車機構が用いられている。具体的には、第2サンギヤ20に対して同心円上に、内歯歯車の第2リングギヤ21が配置されている。これら第2サンギヤ20と第2リングギヤ21とに噛み合っているピニオン23が第2キャリア22によって自転および公転が可能なように保持されている。第2サンギヤ20には、上記の第1サンギヤ16と共に、後述する伝動機構14および結合軸13を介して、駆動用モータ2の出力トルクが入力される。第2リングギヤ21は、後述する反転機構15により、第1リングギヤ17と連結されている。第2キャリア22には、第2駆動軸7が一体回転するように連結されている。第2リングギヤ21の外周部には、後述する反転機構15の第2ピニオン27と噛み合う外歯歯車が形成されている。
なお、第1遊星歯車機構11および第2遊星歯車機構12は同じ構成である。すなわち、第1遊星歯車機構11および第2遊星歯車機構12は、各ギヤの歯数や形状およびギヤ比などが全て同一に形成されている。また、図1では、上記のようにシングルピニオン型の遊星歯車機構を用いて第1遊星歯車機構11および第2遊星歯車機構12を構成した例を示しているが、それら第1遊星歯車機構11および第2遊星歯車機構12は、ダブルピニオン型の遊星歯車機構を用いて構成することもできる。
結合軸13は、駆動用モータ2の出力軸9と平行に配置され、第1遊星歯車機構11の第1サンギヤ16と、第2遊星歯車機構12の第2サンギヤ20とを連結している。図1に示す例では、結合軸13の左側に、第1サンギヤ16が結合軸13と一体回転するように固定されている。一方、結合軸13の右側に、第2サンギヤ20が結合軸13と一体回転するように固定されている。結合軸13の中央部分には、後述する伝動機構14のドリブンギヤ25が取り付けられている。なお、上記のように結合軸13によって一体に連結された第1遊星歯車機構11および第2遊星歯車機構12は、第1キャリア18および第2キャリア22にそれぞれ形成されたボス部11aおよびボス部12aで、ケース8に回転自在に支持されている。
伝動機構14は、駆動用モータ2の出力軸9と第1遊星歯車機構11および第2遊星歯車機構12との間で動力伝達経路を形成している。図1に示す例では、伝動機構14は、ドライブギヤ24およびドリブンギヤ25から構成されている。ドライブギヤ24は、駆動用モータ2の出力軸9に、出力軸9と一体回転するように固定されている。ドリブンギヤ25は、結合軸13の中央部分に、結合軸13と一体回転するように固定されている。それらドライブギヤ24とドリブンギヤ25とが、互いに噛み合わされている。したがって、駆動用モータ2の出力トルクは、ドライブギヤ24およびドリブンギヤ25から構成される伝動機構14を介して、結合軸13へ伝達される。
反転機構15は、第1リングギヤ17と第2リングギヤ21との間で、いずれか一方のリングギヤ17(または21)のトルクを反転させて他方のリングギヤ21(または17)へ伝達するように構成されている。図1に示す例では、反転機構15は、第1ピニオン26および第2ピニオン27から構成されている。第1ピニオン26および第2ピニオン27は、いずれも、第1リングギヤ17および第2リングギヤ21よりも歯幅が長い円筒歯車である。第1ピニオン26の歯数と第2ピニオン27の歯数とは同一である。第1ピニオン26は、出力軸9および結合軸13と平行に配置され、ケース8に回転自在に支持されている。第1ピニオン26は、第2ピニオン27と噛み合わされるとともに、第1リングギヤ17の外周部に形成された外歯歯車とも噛み合わされている。図1に示す例では、第1ピニオン26の左側部分が第1リングギヤ17の外歯歯車に噛み合わされ、第1ピニオン26の右側部分が第2ピニオン27の左側部分に噛み合わされている。同様に、第2ピニオン27は、第1ピニオン26と噛み合わされるとともに、第2リングギヤ21の外周部に形成された外歯歯車とも噛み合わされている。図1に示す例では、第2ピニオン27の右側部分が第2リングギヤ21の外歯歯車に噛み合わされ、第2ピニオン27の左側部分が第1ピニオン26の右側部分に噛み合わされている。このように第1ピニオン26と第2ピニオン26とから構成される反転機構15は、第1リングギヤ17および第2リングギヤ21の円周方向に等ピッチで複数(好ましくは3個以上)設けられている。
上記のように構成された差動機構3は、車両に搭載される従来のデファレンシャルギヤとして機能する。例えば、このモータ駆動ユニット1を搭載した車両が直進走行する場合、駆動用モータ2から第1サンギヤ16および第2サンギヤ20に入力されるトルクは、第1キャリア18および第2キャリア22に等分されて伝達される。その際、第1リングギヤ17には、第1サンギヤ12に作用するトルクとは反対の回転方向のトルクが作用する。また、第2リングギヤ21には、第2サンギヤ16に作用するトルクとは反対の回転方向のトルクが作用する。すなわち、駆動用モータ2から差動機構3に入力されるトルクは、第1リングギヤ17および第2リングギヤ21に対してそれぞれ同一の回転方向のトルクとして作用する。ただし、第1リングギヤ17と第2リングギヤ21とは、上記のような反転機構15によって連結されているので、第1リングギヤ17および第2リングギヤ21にそれぞれ作用するトルクは相殺される。そのため、上記のように第1キャリア18と第2キャリア22とに等しくトルクが分配され、それら第1キャリア18および第2キャリア22が同じ回転数で回転する場合には、第1リングギヤ17および第2リングギヤ21は、いずれの回転方向へも回転しない状態となる。その結果、第1リングギヤ17および第2リングギヤ21は、それぞれの遊星歯車機構における反力要素として機能することになる。
したがって、図2の共線図に示すように、所定の回転数で第1サンギヤ16に伝達されたトルクは、第1遊星歯車機構11のギヤ比に応じて減速され、第1キャリア18から出力される。また、第1サンギヤ16と共に、所定の回転数で第2サンギヤ20に伝達されたトルクは、第2遊星歯車機構12のギヤ比に応じて減速され、第2キャリア22から出力される。上述したように第1遊星歯車機構11と第2遊星歯車機構12とは同一の構成となっているため、第1キャリア18から出力されるトルクと、第2キャリア22から出力されるトルクとは、大きさおよび回転方向ならびに回転数がいずれも同一になる。すなわち、第1キャリア18および第2キャリア22には等しくトルクが分配され、それら第1キャリア18およびキャリア22にそれぞれ連結している第1駆動軸6および第2駆動軸7が同一の回転数で回転する。
一方、例えば、旋回走行時に左右の駆動輪に回転差が生じるような場合には、図3の共線図に示すように、第1キャリア18と第2キャリア22との間に回転差が生じる。この場合に駆動用モータ2から第1サンギヤ16および第2サンギヤ20に入力されるトルクは、第1キャリア18および第2キャリア22に、所定の分配率で分配されて伝達される。その際、第1リングギヤ17と第2リングギヤ21とが上記のような反転機構15によって連結されているので、第1リングギヤ17および第2リングギヤ21は、それぞれの遊星歯車機構における反力要素として機能しつつ、同一の回転数で互いに反対の回転方向へ回転する。すなわち、第1リングギヤ17および第2リングギヤ21は、絶対値が等しい回転数で回転する。その結果、第1キャリア18および第2キャリア22には、第1リングギヤ17および第2リングギヤ21の回転数の絶対値に応じて決まる所定の分配率で、トルクが分配される。そして、その分配されたトルクに応じた回転数で、第1キャリア18および第2キャリア22がそれぞれ回転する。すなわち、第1キャリア18およびキャリア22にそれぞれ連結している第1駆動軸6および第2駆動軸7が差動回転する。
このモータ駆動ユニット1は、上記のような駆動用モータ2および差動機構3と共に、電磁ブレーキ機構4を備えている。電磁ブレーキ機構4は、通電されることにより作動して所定の回転部材を制動する励磁作動型の電磁ブレーキである。図1に示す例では、電磁ブレーキ機構4は、ブレーキロータ28、ブレーキステータ29、および、制動用ソレノイド30から構成されている。電磁ブレーキ機構4は、制動用ソレノイド30に通電することにより、ブレーキロータ28とブレーキステータ29とを摩擦係合させるように作動し、制動トルクを発生するように構成されている。電磁ブレーキ機構4は、制動用ソレノイド30への通電がない状態では、上記のように作動することなく、制動トルクを発生しない。
ブレーキロータ28は、円板状の磁性体によって形成されている。ブレーキロータ28は、出力軸9の先端に、出力軸9と一体回転するように固定されている。ブレーキロータ28のブレーキステータ29と対向する面(図1の左側の面)の外周部分には、後述するブレーキステータ29の摩擦面29aと接触して摩擦係合する摩擦面28aが形成されている。このモータ駆動ユニット1では、ブレーキロータ28が、この発明における「回転部材」に相当する。
ブレーキステータ29は、円環状の磁性体によって形成されている。ブレーキステータ29は、出力軸9の軸線方向(図1の左右方向)に移動が可能であり、かつ、出力軸9の回転方向へは回転が不可能なように、ケース8に組み込まれている。図1に示す例では、ブレーキステータ29の外周部に形成されたスプライン軸と、ケース8に形成されたスプライン穴とによってスプライン嵌合されている。したがって、ブレーキステータ29は、出力軸9およびブレーキロータ28の回転方向での回転が、ケース8に組み込まれることによって制約されている。ブレーキステータ29のブレーキロータ28と対向する面(図1の右側の面)、すなわち、ブレーキステータ29の前述の摩擦面28aと対向する部分には、摩擦面28aと接触して摩擦係合する摩擦面29aが形成されている。このモータ駆動ユニット1では、ブレーキステータ29が、この発明における「制動部材」に相当する。
制動用ソレノイド30は、固定磁極として機能するブレーキロータ28、可動磁極として機能するブレーキステータ29、および、鉄心(図示せず)に巻かれたコイル30aから構成されている。コイル30aは、後述するパーキングブレーキ機構5の押圧部材33に固定されている。上記のブレーキロータ28およびブレーキステータ29が、いずれも磁性体によって形成されているのに対して、コイル30aが取り付けられる押圧部材33は、非磁性体によって形成されている。上記のブレーキステータ29およびコイル30aは、コイル30aの外周面に対してブレーキステータ29が摺動可能なように、または、コイル30aの外周面とブレーキステータ29の内周面との間に所定の隙間が空くように、それぞれ配置されている。図1に示す例では、コイル30aで発生する磁気吸引力の影響が及ぶ範囲内のクリアランスが設けられて、コイル30aおよびブレーキステータ29がそれぞれ配置されている。
コイル30aは、所定の電圧が印加されることによって磁気吸引力を発生する。上記のように、コイル30aおよびブレーキステータ29は、互いに接触するように、または、コイル30aで発生する磁気吸引力の影響が及ぶ範囲内で隙間が空くように配置されている。そのため、ブレーキステータ29には、コイル30aで発生させた磁気吸引力が作用する。すなわち、電磁ブレーキ機構4は、コイル30aに通電して磁気吸引力を発生させることにより、その磁気吸引力をブレーキステータ29に作用させ、ブレーキステータ29をブレーキロータ28側へ吸着させるように構成されている。したがって、この電磁ブレーキ機構4は、磁気吸引力によってブレーキロータ28とブレーキステータ29とを吸着させることにより、摩擦面28aと摩擦面29aとを摩擦係合させ、出力軸9を制動することができる。なお、図1では示していないが、コイル30aへの通電を遮断した場合に、摩擦面28aと摩擦面29aとの接触を避けるためのリターンスプリングを設けることもできる。
上記のように、このモータ駆動ユニット1は、駆動用モータ2の出力軸9を制動する電磁ブレーキ機構4をユニット内に備えている。電磁ブレーキ機構4で出力軸9を制動することにより、伝動機構14および連結軸13を介して、差動機構3における第1サンギヤ16および第2サンギヤ20を制動することができる。第1サンギヤ16および第2サンギヤ20が制動されることにより、第1キャリア18および第2キャリア22が制動される、すなわち、第1駆動軸6および第2駆動軸7が制動される。したがって、このモータ駆動ユニット1を車両に搭載することにより、電磁ブレーキ機構4で車両のインボードブレーキを構成することができる。
このモータ駆動ユニット1は、電磁ブレーキ機構4に対する通電が無くなった場合であっても、ブレーキステータ29とブレーキロータ28とを摩擦係合させて出力軸9を制動した状態を維持することが可能なように構成されている。そのために、このモータ駆動ユニット1には、パーキングブレーキ機構5が設けられている。パーキングブレーキ機構5は、係合力発生機構と、その係合力発生機構を作動させる制動用モータ32とを備えている。
係合力発生機構は、回転運動を直線運動に変換してブレーキステータ29を出力軸9の軸線方向でブレーキロータ28側へ押圧し、ブレーキステータ29とブレーキロータ28とを摩擦係合させるための係合力を発生する。それとともに、ブレーキステータ29とブレーキロータ28とを摩擦係合させて出力軸9を制動した状態を維持することが可能なように構成されている。具体的には、係合力発生機構は、上記のような係合力を発生してブレーキステータ29とブレーキロータ28とを摩擦係合させ、出力軸9を制動するとともに、係合力を発生している状態で電源が消失した場合であっても、出力軸9を制動した状態を維持することが可能な作動装置である。係合力発生機構は、例えば、回転力を軸力に変換するねじの作用を利用した送りねじ機構を用いて構成することができる。あるいは、制動用モータ32で駆動されるピニオンおよびラックを用いた推力発生機構、制動用モータ32で駆動される伝動アクチュエータ、もしくは、制動用モータ32で駆動される回転式ポンプで発生する油圧を用いた油圧アクチュエータなどにより、係合力発生機構を構成することができる。図1に示す例では、制動用モータ32で駆動される送りねじ機構31を用いて係合力発生機構が構成されている。
送りねじ機構31は、回転運動を直線運動に変換してブレーキステータ29を出力軸9の軸線方向でブレーキロータ28側へ押圧するとともに、ブレーキステータ29とブレーキロータ28とを摩擦係合させて出力軸9を制動した状態を維持することが可能な作動装置である。送りねじ機構31は、押圧部材33、および、回転軸34から構成されている。
押圧部材33は、円板状の非磁性体によって形成されている。押圧部材33の中央部分には、押圧部材33の板厚方向(図1の左右方向)に貫通する送りねじの雌ねじ部31aが形成されている。押圧部材33には、制動用ソレノイド30のコイル30aが取り付けられている。コイル30aは押圧部材33に対して移動不可能なように固定されている。押圧部材33のコイル30aが取り付けられた部分の外周側に、ブレーキステータ29と接触する押圧面33aが形成されている。また、押圧部材33の外周部には、ブレーキステータ29に形成されているものと同様のスプライン軸が形成されている。そして、押圧部材33は、ブレーキステータ29と共に、ケース8に形成されたスプライン穴にはめ込まれている。図1に示す例では、ブレーキロータ28から遠い方(図1の左側)から、押圧部材33、ブレーキステータ29の順に、ケース8に組み付けられている。
回転軸34は、制動用モータ32のモータ軸32aに、モータ軸32aと一体回転するように連結されている。回転軸34の外周部には、送りねじの雄ねじ部31bが形成されている。そして、押圧部材33の雌ねじ部31aに回転軸34の雄ねじ部31bがねじ込まれており、それによって送りねじ機構31が構成されている。送りねじ機構31の雌ねじ部31aおよび雄ねじ部32bは、例えば、ボールねじ、あるいは、台形ねじや角ねじによって形成されている。
送りねじ機構31は、制動用モータ32によってモータ軸32aすなわち回転軸34を所定の回転方向(正転方向)へ回転させることにより、押圧部材33を回転軸34の軸線方向でブレーキロータ28に近付ける前進方向(図1の右方向)の軸力を発生する。また、送りねじ機構31は、制動用モータ32によって回転軸34を正転方向と反対方向(逆転方向)へ回転させることにより、押圧部材33を回転軸34の軸線方向でブレーキロータ28から遠ざける後退方向(図1の左方向)の軸力を発生する。
したがって、パーキングブレーキ機構5は、上記のように制動用モータ32によって送りねじ機構31に正転方向のトルクを付与することにより、ブレーキロータ28とブレーキステータ29とを摩擦係合させて出力軸9を制動することができる。また、制動用モータ32によって送りねじ機構31に逆転方向のトルクを付与することにより、このパーキングブレーキ機構5による出力軸9の制動を解除することができる。
また、このパーキングブレーキ機構5における送りねじ機構31は、直線運動を回転運動に変換する場合の送りねじの逆効率が、回転運動を直線運動に変換する場合の送りねじの正効率よりも低く設定されている。すなわち、送りねじ機構31は、回転軸34を正転方向へ回転させて押圧部材31を前進方向へ移動させる場合の正効率よりも、押圧部材31を後退方向へ移動させて回転軸34を逆転方向へ回転させる場合の逆効率が低くなるように構成されている。したがって、送りねじ機構31でブレーキステータ29を前進方向へ押圧し、出力軸9を制動した状態を容易に維持することができる。そのため、制動用モータ32によって送りねじ機構31を作動させ、出力軸9を制動した状態で、前述の電磁ブレーキ機構4および制動用モータ32に対する通電が止められた場合であっても、パーキングブレーキ機構5による出力軸9の制動状態を容易に維持することができる。
図4,図5,図5に、この発明を適用したモータ駆動ユニットの他の例を示してある。図4に示すモータ駆動ユニット101は、前述の図1に示したモータ駆動ユニット1と同様に、主要な構成要素として、駆動用モータ2、差動機構3、電磁ブレーキ機構102、パーキングブレーキ機構103、および、第1駆動軸6ならびに第2駆動軸7を備えている。駆動用モータ2、差動機構3、および、第1駆動軸6ならびに第2駆動軸7等は、図1に示したモータ駆動ユニット1と同じ構成である。なお、以下の説明では、図1と同じ構成のものは、図1と同一の参照符号を付けて詳細な説明を省略する。
このモータ駆動ユニット101は、前述したような駆動用モータ2および差動機構3と共に、電磁ブレーキ機構102を備えている。電磁ブレーキ機構102は、通電されることにより作動して所定の回転部材を制動する励磁作動型の電磁ブレーキである。図4に示す例では、電磁ブレーキ機構102は、ブレーキロータ104、第1ブレーキステータ105、第2ブレーキステータ106、第1制動用ソレノイド107、および、第2制動用ソレノイド108から構成されている。電磁ブレーキ機構102は、2個の制動用ソレノイド107,108に通電することにより、ブレーキロータ104と第1ブレーキステータ105および第2ブレーキステータ106とを摩擦係合させるように作動し、制動トルクを発生するように構成されている。電磁ブレーキ機構102は、各制動用ソレノイド107,108への通電がない状態では、上記のように作動することなく、制動トルクを発生しない。
ブレーキロータ104は、円板状の磁性体によって形成されている。ブレーキロータ104は、出力軸9と一体回転し、かつ、軸線方向(図4の左右方向)に移動可能なように、出力軸9に取り付けられている。図4に示す例では、出力軸9の外周部に形成されたスプライン軸と、ブレーキロータ104に形成されたスプライン穴とによってスプライン嵌合されている。ブレーキロータ104の外周部には、伝動機構14におけるドリブンギヤ25と噛み合わされる外歯歯車(すなわちドライブギヤ24)が形成されている。すなわち、このモータ駆動ユニット101では、電磁ブレーキ機構102におけるブレーキロータ104と、伝動機構14におけるドライブギヤ24とが、一つの部材で兼用されている。
ブレーキロータ104の軸線方向(図4の左右方向)における両側に、第1ブレーキステータ105および第2ブレーキステータ106がブレーキロータ104を挟み込むようにして配置されている。図4に示す例では、ブレーキロータ104の軸線方向における左側に、第1ブレーキステータ105が配置され、ブレーキロータ104の軸線方向における右側に、第2ブレーキステータ106が配置されている。ブレーキロータ104の第1ブレーキステータ105と対向する面(図4の左側の面)の外周部分には、後述する第1ブレーキステータ105の摩擦面105aと接触して摩擦係合する摩擦面104aが形成されている。ブレーキロータ104の第2ブレーキステータ106と対向する面(図4の右側の面)の外周部分には、後述する第2ブレーキステータ106の摩擦面106aと接触して摩擦係合する摩擦面104bが形成されている。このモータ駆動ユニット101では、ブレーキロータ104が、この発明における「回転部材」に相当する。
第1ブレーキステータ105は、円環状の磁性体によって形成されている。第1ブレーキステータ105は、軸線方向に移動可能であり、かつ、出力軸9およびブレーキロータ104と相対回転が可能なように、軸受等を介して出力軸9に支持されている。第1ブレーキステータ105の外周部には外歯歯車が形成されている。その外歯歯車は、差動機構3における第1リングギヤ17の外周部に形成された外歯歯車と噛み合わされている。したがって、第1ブレーキステータ105は、出力軸9およびブレーキロータ104の回転方向での回転が、第1リングギヤ17によって制約されている。第1ブレーキステータ105のブレーキロータ104と対向する面(図4の右側の面)、すなわち、第1ブレーキステータ105の前述の摩擦面104aと対向する部分には、摩擦面104aと接触して摩擦係合する摩擦面105aが形成されている。第1ブレーキステータ105の摩擦面105aよりも内周側には、後述する第1制動用ソレノイド107のコイル107aが取り付けられている。コイル107aは第1ブレーキステータ105に対して移動不可能なように固定されている。
第2ブレーキステータ106は、第1ブレーキステータ106と同様に、円環状の磁性体によって形成されている。第2ブレーキステータ106は、軸線方向に移動が可能であり、かつ、出力軸9およびブレーキロータ104と相対回転が可能なように、軸受等を介して出力軸9に支持されている。第2ブレーキステータ106の外周部には外歯歯車が形成されている。その外歯歯車は、差動機構3における第2リングギヤ21の外周部に形成された外歯歯車と噛み合わされている。したがって、第2ブレーキステータ106は、出力軸9およびブレーキロータ104の回転方向での回転が、第2リングギヤ21によって制約されている。第2ブレーキステータ106のブレーキロータ104と対向する面(図4の左側の面)、すなわち、第2ブレーキステータ106の前述の摩擦面104bと対向する部分には、摩擦面104bと接触して摩擦係合する摩擦面106aが形成されている。第2ブレーキステータ106の摩擦面106aよりも内周側には、後述する第2制動用ソレノイド108のコイル108aが取り付けられている。コイル108aは第2ブレーキステータ106に対して移動不可能なように固定されている。このモータ駆動ユニット101では、上記の第1ブレーキステータ105および第2ブレーキステータ106が、この発明における「制動部材」に相当する。
第1制動用ソレノイド107は、固定磁極として機能するブレーキロータ104、鉄心(図示せず)に巻かれたコイル107a、および、コイル107aと共に可動磁極として機能する第1ブレーキステータ105から構成されている。コイル107aは、第1ブレーキステータ105と共に軸線方向で移動可能なように、第1ブレーキステータ105に固定されている。コイル107aは、所定の電圧が印加されることによって磁気吸引力を発生し、第1ブレーキステータ105と共にブレーキロータ104側へ吸着されるように構成されている。
第2制動用ソレノイド108は、第1制動用ソレノイド107と同様に、固定磁極として機能するブレーキロータ104、鉄心(図示せず)に巻かれたコイル108a、および、コイル108aと共に可動磁極として機能する第2ブレーキステータ106から構成されている。コイル108aは、第2ブレーキステータ106と共に軸線方向で移動可能なように、第2ブレーキステータ106に固定されている。コイル108aは、所定の電圧が印加されることによって磁気吸引力を発生し、第2ブレーキステータ106と共にブレーキロータ104側へ吸着されるように構成されている。
コイル107aおよびコイル108aに通電し、ブレーキロータ104に第1ブレーキステータ105および第2ブレーキステータ106を吸着させると、摩擦面104aと摩擦面105a、および、摩擦面104bと摩擦面106aとが、それぞれ摩擦係合する。その結果、ブレーキロータ104と、第1ブレーキステータ105および第2ブレーキステータ106とが一体回転するように係合する。その際、ブレーキロータ104は、ドリブンギヤ25および連結軸13を介して、第1サンギヤ16および第2サンギヤ20に歯車で連結され、第1ブレーキステータ105および第2ブレーキステータ106は、それぞれ、第1リングギヤ17および第2リングギヤ21に歯車で連結されている。また、第1リングギヤ17と第2リングギヤ21とは、前述したような反転機構15によって連結されている。そのため、ブレーキロータ104と第1ブレーキステータ105および第2ブレーキステータ106とが係合すると、第1サンギヤ16および第2サンギヤ20と、第1リングギヤ17および第2リングギヤ21とが連結される。したがって、第1遊星歯車機構11における各回転要素、および、第2遊星歯車機構12における各回転要素が、全て直結された状態になる。そして、前述したように、第1リングギヤ17と第2リングギヤ21とが反転機構15によって連結されていることから、第1リングギヤ17および第2リングギヤ21に作用するトルクが相殺され、それら第1リングギヤ17と第2リングギヤ21は、この場合も反力要素として機能する。そのため、第1遊星歯車機構11における各回転要素、および、第2遊星歯車機構12における各回転要素は、いずれも、回転数が0になる。結局、ブレーキロータ104および第1ブレーキステータ105ならびに第2ブレーキステータ106も回転が止められ、その結果、出力軸9が制動される。また、その場合、差動機構3における第1キャリア18と第2キャリア22との間、すなわち、第1駆動軸6と第2駆動軸7との間の差動回転が制限される。
したがって、この電磁ブレーキ機構102では、コイル107aおよびコイル108aに通電してブレーキロータ104と第1ブレーキステータ105および第2ブレーキステータ106とを摩擦係合させることにより、差動機構3における第1遊星歯車機構11および第2遊星歯車機構12の各回転要素を全て直結させることができる。その結果、出力軸9を制動することができる。それとともに、第1駆動軸6と第2駆動軸7との間の差動回転を制限することができる。
さらに、このモータ駆動ユニット101は、前述のモータ駆動ユニット1におけるパーキングブレーキ機構5と同様の、パーキングブレーキ機構103を備えている。パーキングブレーキ機構103は、送りねじ機構109と、送りねじ機構109を作動させる制動用モータ110とを備えている。
送りねじ機構109は、回転運動を直線運動に変換して第1ブレーキステータ105およびブレーキロータ104を出力軸9の軸線方向で第2ブレーキステータ106側へ押圧するとともに、それら第1ブレーキステータ105および第2ブレーキステータ106とブレーキロータ104とを摩擦係合させて出力軸9を制動した状態を維持することが可能な作動装置である。送りねじ機構109は、押圧部材111、および、回転軸112から構成されている。
押圧部材111は、円板状に形成されている。押圧部材111の中央部分には、押圧部材111の板厚方向(図4の左右方向)に貫通する送りねじの雌ねじ部109aが形成されている。押圧部材111の第1ブレーキステータ105と対向する面には、第1ブレーキステータ105に接触した際に第1ブレーキステータ105との相対回転を許容するスラスト軸受112が取り付けられている。したがって、スラスト軸受112の第1ブレーキステータ105と対向する側の載荷面が、第1ブレーキステータ105と接触する押圧面になっている。また、押圧部材111は、例えば、スプライン、あるいは、キーおよびキー溝構造により、回転軸112の回転方向への回転が規制されている。
回転軸112は、制動用モータ110のモータ軸110aに、モータ軸110aと一体回転するように連結されている。回転軸112の外周部には、送りねじの雄ねじ部109bが形成されている。そして、押圧部材111の雌ねじ部109aに回転軸112の雄ねじ部109bがねじ込まれており、それによって送りねじ機構109が構成されている。
送りねじ機構109は、前述の送りねじ機構31と同様に、制動用モータ110によってモータ軸110aすなわち回転軸112を所定の回転方向(正転方向)へ回転させることにより、押圧部材111を回転軸112の軸線方向で第1ブレーキステータ105に近付ける前進方向(図4の右方向)の軸力を発生する。また、送りねじ機構109は、制動用モータ110によって回転軸112を正転方向と反対方向(逆転方向)へ回転させることにより、押圧部材111を回転軸112の軸線方向で第1ブレーキステータ105から遠ざける後退方向(図4の左方向)の軸力を発生する。
したがって、パーキングブレーキ機構103は、上記のように制動用モータ110によって送りねじ機構109に正転方向のトルクを付与することにより、ブレーキロータ104と第1ブレーキステータ105および第2ブレーキステータ106とを摩擦係合させて出力軸9を制動することができる。また、制動用モータ110によって送りねじ機構109に逆転方向のトルクを付与することにより、このパーキングブレーキ機構103による出力軸9の制動を解除することができる。
また、このパーキングブレーキ機構103における送りねじ機構109は、前述の送りねじ機構31と同様に、送りねじの逆効率が正効率よりも低く設定されている。すなわち、送りねじ機構109は、回転軸112を正転方向へ回転させて押圧部材111を前進方向へ移動させる場合の正効率よりも、押圧部材111を後退方向へ移動させて回転軸112を逆転方向へ回転させる場合の逆効率が低くなるように構成されている。したがって、送りねじ機構109で第1ブレーキステータ105およびブレーキロータ104を前進方向へ押圧し、出力軸9を制動した状態を容易に維持することができる。そのため、制動用モータ110によって送りねじ機構109を作動させ、出力軸9を制動した状態で、電磁ブレーキ機構102および制動用モータ110に対する通電が止められた場合であっても、パーキングブレーキ機構103による出力軸9の制動状態を容易に維持することができる。
さらに、このモータ駆動ユニット101では、前述したように、ブレーキロータ104と第1ブレーキステータ105および第2ブレーキステータ106とを摩擦係合させることにより、差動機構3による差動回転が制限される。したがって、パーキングブレーキ機構103によって出力軸9を制動した状態を維持する際には、第1駆動軸6と第2駆動軸7との間の差動回転も制限される。そのため、パーキングブレーキ機構103による出力軸9の制動状態を確実に維持することができる。例えば、このモータ駆動ユニット101を搭載した車両が駐車時にパーキングブレーキ機構103を作動させた際に、左右の駆動輪が接地する路面の状態が異なっていたことにより、第1駆動軸6と第2駆動軸7とを差動回転させるトルクが生じるような場合であっても、パーキングブレーキ機構103による車両の制動状態を確実に維持することができる。
図5に示すモータ駆動ユニット201は、前述したような差動機構3および第1駆動軸6ならびに第2駆動軸7と共に、駆動用モータ202、電磁ブレーキ機構203、および、パーキングブレーキ機構204を備えている。このモータ駆動ユニット201では、駆動用モータ202のモータケース202aに、電磁ブレーキ機構203が内蔵されている。そのように電磁ブレーキ機構203を内蔵した駆動用モータ202が、モータ駆動ユニット201のケース8に組み付けられている。
駆動用モータ202の出力軸205は、一方(図5の左側)の端部がモータケース202aから突出しており、その突出した部分が、ケース8に形成された開口部10からケース8の内部に挿入されている。出力軸205の先端部分には、伝動機構15を構成するドライブギヤ24が出力軸205と一体回転するように固定されている。したがって、出力軸205から駆動用モータ202が出力するトルクを差動機構3へ伝達するように構成されている。
電磁ブレーキ機構203は、前述の電磁ブレーキ機構4および電磁ブレーキ機構102と同様に、通電されることにより作動して出力軸205を制動する励磁作動型の電磁ブレーキである。電磁ブレーキ機構203は、ブレーキロータ206、ブレーキステータ207、および、制動用ソレノイド208を備えている。電磁ブレーキ機構203は、制動用ソレノイド208に通電することにより、ブレーキロータ206とブレーキステータ207とを摩擦係合させるように作動し、制動トルクを発生するように構成されている。電磁ブレーキ機構203は、制動用ソレノイド208への通電がない状態では、上記のように作動することなく、制動トルクを発生しない。
ブレーキロータ206は、円板状の磁性体によって形成されている。ブレーキロータ206は、出力軸205と一体回転するように、出力軸205に固定されている。ブレーキステータ207は、円環状に形成されている。このモータ駆動ユニット201では、ブレーキロータ206が、この発明における「回転部材」に相当する。
ブレーキステータ207は、出力軸205の軸線方向(図5の左右方向)に移動が可能であり、かつ、出力軸205の回転方向へは回転が不可能なように、モータケース202a内に組み込まれている。図5に示す例では、ブレーキステータ207のブレーキロータ206と対向しない面(図5の右側の面)の外周側部分に、複数のプッシュロッド209が組み付けられている。プッシュロッド209は、棒状あるいは管状に形成されており、それぞれ、モータケース202aの軸線方向に形成された複数の貫通孔に、摺動可能に挿入されている。プッシュロッド209の一方(図5の左側)の端部が、ブレーキステータ207に組み付けられている。プッシュロッド209は、いずれも、モータケース202aの貫通孔に挿入されていることから、出力軸205の軸線方向にのみ移動が可能であり、出力軸205の回転方向およびその他の方向へは移動が不可能になっている。したがって、上記のようなプッシュロッド209が、少なくとも2本、ブレーキステータ207に組み付けられることにより、ブレーキステータ207は、出力軸205およびブレーキロータ206の回転方向での回転が制約されている。このモータ駆動ユニット201では、ブレーキステータ207が、この発明における「制動部材」に相当する。
制動用ソレノイド208は、固定磁極として機能するブレーキロータ206、鉄心(図示せず)に巻かれたコイル208a、および、コイル208aと共に可動磁極として機能するブレーキステータ207から構成されている。コイル208aは、ブレーキステータ207と共に軸線方向に移動可能なように、ブレーキステータ207に固定されている。コイル208aは、所定の電圧が印加されることによって磁気吸引力を発生し、ブレーキステータ207と共にブレーキロータ206側へ吸着されるように構成されている。したがって、この電磁ブレーキ203は、コイル208aに通電してブレーキロータ206とブレーキステータ207とを吸着させることにより、出力軸205を制動するように構成されている。
このモータ駆動ユニット201は、前述のパーキングブレーキ機構5およびパーキングブレーキ機構103と同様に機能するパーキングブレーキ機構204を備えている。パーキングブレーキ機構204は、送りねじ機構210と、送りねじ機構210を作動させる制動用モータ211とを備えている。
送りねじ機構210は、回転運動を直線運動に変換してブレーキステータ207を出力軸205の軸線方向でブレーキロータ206側へ押圧するとともに、それらブレーキステータ207とブレーキロータ206とを摩擦係合させて出力軸205を制動した状態を維持することが可能な作動装置である。送りねじ機構210は、押圧部材212、および、回転軸213から構成されている。
押圧部材212は、カップ状に形成されて制動用モータ211を覆うカバー部材212a、および、カバー部材212aの開口部分に形成されたフランジ部材212bから構成されている。カバー部材212aの底部の径方向における中央部分に、カバー部材212aの板厚方向(図5の左右方向)に貫通する送りねじの雌ねじ部210aが形成されている。
制動用モータ211は、出力軸205の軸線方向で、駆動用モータ202に隣接し、モータケース202aの外側(図5の右側)に配置されてモータケース202aに固定されている。
回転軸213は、制動用モータ211のモータ軸211aに、モータ軸211aと一体回転するように連結されている。回転軸213の外周部には、送りねじの雄ねじ部210bが形成されている。そして、押圧部材212の雌ねじ部210aに回転軸213の雄ねじ部210bがねじ込まれており、それによって送りねじ機構210が構成されている。
さらに、このモータ駆動ユニット201は、差動機構3における第1リングギヤ17および第2リングギヤ21のいずれか一方にトルクを付与することができる差動用モータを備えている。図5に示す例では、第1リングギヤ17にトルクを付与する差動用モータ214を備えている。
差動用モータ214は、駆動用モータ2および駆動用モータ202と同様に、例えば、永久磁石式の同期モータ(PM)、あるいは、誘導モータ(IM)などによって構成されている。差動用モータ214は、このモータ駆動ユニット201のケース8に固定されている。差動用モータ214のモータ軸214aが、ケース8の内部に収容されている。モータ軸214aの先端部分に、ピニオン215がモータ軸214aと一体回転するように固定されている。
モータ軸214aおよびピニオン215と平行に、減速ギヤ216が配置されている。減速ギヤ216は、大径ギヤ216a、および、大径ギヤ216aよりも径が小さい小径ギヤ216bが一体に組み合わされて構成されている。大径ギヤ216aは、ピニオン215よりも径が大きく、大径ギヤ216aとピニオン215とが噛み合わされている。小径ギヤ216bは、第1リングギヤ17の外周部に形成された外歯歯車と噛み合わされている。小径ギヤ216bは、第1リングギヤ17の外歯歯車よりも径が小さい。したがって、差動用モータ214から出力されたトルクが増大されて第1リングギヤ17に伝達されるように構成されている。
上記のように、このモータ駆動ユニット201は、第1リングギヤ17トルクを付与することができる差動用モータ214を備えている。そのため、例えば、図7の共線図に示すように、差動用モータ214から第1リングギヤ17に、第1リングギヤ17の回転数を引き上げる方向のトルクを付与すると、反転機構15の作用により、第2リングギヤ21には第1リングギヤ17と反対の回転方向のトルクが作用する。そのため、第2リングギヤ21は、第1リングギヤ17と回転方向が反対でかつ同じ回転数で回転する。その結果、第1リングギヤ17および第2リングギヤ21の回転数に応じて、第1キャリア18と第2キャリア22とが差動回転する。したがって、差動用モータ214の出力トルクおよび回転数を制御することにより、第1キャリア18と第2キャリア22との間の差動状態およびトルクの分配比を制御することができる。すなわち、このモータ駆動ユニット201は、トルクベクタリング装置としての機能を有し、第1駆動軸6と第2駆動軸7との間の差動状態およびトルクの分配比を制御することができる。
上記の図5に示したモータ駆動ユニット201におけるパーキングブレーキ機構204は、図6に示すモータ駆動ユニット301におけるパーキングブレーキ機構302のように構成することができる。パーキングブレーキ機構302は、送りねじ機構303と、送りねじ機構303を作動させる制動用モータ304とを備えている。送りねじ機構303は、回転運動を直線運動に変換してブレーキステータ207を出力軸205の軸線方向でブレーキロータ206側へ押圧するとともに、それらブレーキステータ207とブレーキロータ206とを摩擦係合させて出力軸205を制動した状態を維持することが可能な作動装置である。なお、このモータ駆動ユニット301では、ブレーキロータ206が、この発明における「回転部材」に相当する。また、ブレーキステータ207が、この発明における「制動部材」に相当する。
送りねじ機構303は、押圧プレート305、および、回転軸306から構成されている。押圧プレート305は、円板状に形成されている。押圧プレート305は、駆動用モータ202の出力軸205の軸線方向に移動が可能であり、かつ、出力軸205の回転方向へは回転が不可能なように、モータケース202a内に組み込まれている。押圧プレート305の径方向における中央部分に、押圧プレート305の板厚方向(図6の左右方向)に貫通する送りねじの雌ねじ部303aが形成されている。
制動用モータ304は、モータ軸304aの軸線方向で、押圧プレート305に隣接し、モータケース202aの外側(図6の右側)に配置されてモータケース202aに固定されている。
回転軸306は、モータ軸304aに、モータ軸304aと一体回転するように連結されている。回転軸306の外周部には、送りねじの雄ねじ部303bが形成されている。そして、押圧プレート305の雌ねじ部303aに回転軸306の雄ねじ部303bがねじ込まれており、それによって送りねじ機構303が構成されている。
1,101,201,301…モータ駆動ユニット、 2,202…駆動用モータ、 3…差動機構、 4,102,203…電磁ブレーキ機構、 5,103,204,302…パーキングブレーキ機構、 6…第1駆動軸、 7…第2駆動軸、 9,205…出力軸、 11…第1遊星歯車機構、 12…第2遊星歯車機構、 13…結合軸、 14…伝動機構、 15…反転機構、 16…第1サンギヤ、 17…第1リングギヤ、 18…第1キャリア、 20…第2サンギヤ、 21…第1リングギヤ、 22…第2キャリア、 28,104,206…ブレーキロータ(回転部材)、 29,105,106,207…ブレーキステータ(制動部材)、 31,109,210,303…送りねじ機構(係合力発生機構)、 32,110,211,304…制動用モータ、 214…差動用モータ。

Claims (4)

  1. 駆動用モータと、第1サンギヤならびに第1リングギヤおよび第1キャリアを有する第1遊星歯車機構と、第2サンギヤならびに第2リングギヤおよび第2キャリアを有する第2遊星歯車機構と、前記第1サンギヤと前記第2サンギヤとを連結する結合軸と、前記駆動用モータの出力軸と前記結合軸との間でトルクを伝達する伝動機構と、前記第1リングギヤと前記第2リングギヤとの間でいずれか一方のリングギヤのトルクを反転させて他方のリングギヤへ伝達する反転機構と、前記第1キャリアに連結された第1駆動軸と、前記第2キャリアに連結された第2駆動軸とを備え、前記駆動用モータの出力トルクを前記第1駆動軸と前記第2駆動軸とに分配して伝達するモータ駆動ユニットにおいて、
    前記出力軸と一体回転する少なくとも一つの回転部材と、前記回転部材に対して相対回転するとともに、前記回転部材の回転方向での回転が制約されている少なくとも一つの制動部材とを、通電時に発生する磁気力を利用して吸着させることにより前記出力軸を制動する電磁ブレーキ機構と、
    通電時にトルクを出力する制動用モータと、
    前記制動用モータの出力トルクが付与されることにより前記回転部材と前記制動部材とを摩擦係合させる係合力を発生するとともに、前記係合力を発生している状態で前記電磁ブレーキ機構および前記制動用モータへの通電がいずれも停止された場合にも、前記回転部材と前記制動部材とを摩擦係合させて前記出力軸を制動した状態を維持することが可能な係合力発生機構と
    を備えていることを特徴とするモータ駆動ユニット。
  2. 請求項1に記載のモータ駆動ユニットにおいて、
    前記係合力発生機構は、所定の回転方向の前記出力トルクが付与されることによって前記回転部材と前記制動部材とを摩擦係合させる軸力を発生する送りねじ機構を用いて構成されていることを特徴とするモータ駆動ユニット。
  3. 請求項1または2に記載のモータ駆動ユニットにおいて、
    前記制動部材は、前記第1リングギヤおよび前記第2リングギヤの少なくともいずれか一方の外周部に形成された外歯歯車と噛み合って回転するように構成されていることを特徴とするモータ駆動ユニット。
  4. 請求項1または2に記載のモータ駆動ユニットにおいて、
    前記第1リングギヤおよび前記第2リングギヤのいずれか一方にトルクを付与する差動用モータを更に備えていることを特徴とするモータ駆動ユニット。
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