JP2017144637A - 樹脂成形品の成形方法及び成形装置 - Google Patents

樹脂成形品の成形方法及び成形装置 Download PDF

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Abstract

【課題】キャビティに射出された表層用の樹脂材料によって基材表面の凹凸模様が崩れるという問題を解決する。【解決手段】表層3用の二次樹脂材料を射出する表層成形用キャビティ13の体積を表層3の体積よりも大きくし、第2樹脂材料23を射出後に圧縮して表層3を形成するようにした。【選択図】 図1

Description

本発明は、基材の凹凸模様が形成された表面が可視光線透過性を有する表層で覆われてなる樹脂成形品の成形方法及び成形装置に関する。
自動車の内装材や外装材、家庭用品、事務用品など様々な製品が合成樹脂によって成形されているが、近年はこのような樹脂成形品に対する加飾の要求が高くなっている。その加飾技術に関し、特許文献1は、透明又は不透明の第一合成樹脂フィルムの上面に光輝性のあるシボが形成され、このシボの上に1層又は複数層からなる透明の第二合成樹脂フィルムが積層されてなる加飾フィルムを開示する。
また、特許文献1には、第一合成樹脂フィルムに、フレーク状や粉状の光輝材を練り込んだ合成樹脂を使用すること、第二合成樹脂フィルムを第一合成樹脂フィルムに積層するときの加熱によってシボが潰れないように、両フィルムを形成する合成樹脂のメルトフローレートの差を0.5〜50g/分にすること、両合成樹脂フィルムには着色してもよいこと、さらに、シボが光輝性を有するので、光を良く反射し、見る方向によって光の反射が異なり、また陰の出方が異なるので、立体感があり高級感が得られることが記載されている。
特開2005−14374号公報
ところで、基材の凹凸模様が形成された表面に可視光透過性を有する表層を積層してなる樹脂成形品を得るにあたり、その表層の成形に射出成形を採用すると、基材表面の凹凸模様が射出された樹脂材料によって崩れるという問題がある。すなわち、例えば、表層成形用のキャビティに基材をインサートした状態で表層成形用の樹脂材料を射出すると、そのキャビティ内を基材の表面に沿って流動する樹脂材料のせん断発熱やその流動に伴って凹凸模様に加わるせん断力によって、凹凸模様の凹凸が潰れたように変形するという問題である。特に、キャビティのゲート近傍では、射出が終了するまで基材の凹凸模様にせん断発熱及びせん断力が加わり続けるため、凹凸模様が崩れ易い。
本発明の課題は、キャビティに射出された表層用の樹脂材料によって基材表面の凹凸模様が崩れるという問題を解決することにある。
上記の目的を達成するために、本発明では、表層用の樹脂材料を射出するキャビティの体積を表層の体積よりも大きくし、樹脂材料を射出後に圧縮して表層を形成するようにした。
すなわち、ここに開示する方法は、表面に凹凸高さが5μm以上700μm以下である凹凸模様が形成された基材の当該表面が可視光線透過性を有する厚さが0.8mm以上8mm以下の表層で覆われてなる樹脂成形品の成形方法であって、上記基材の上記凹凸模様が形成された表面側に上記表層を成形するためのキャビティを形成する工程と、上記キャビティに樹脂材料を射出する工程と、上記キャビティ内に射出された樹脂材料を圧縮することによって上記表層を成形する工程とを備えたことを特徴とする。
本発明によれば、キャビティの体積が表層の体積よりも大きいことにより、表層の射出成形に伴って樹脂材料から基材表面の凹凸模様に加わるせん断発熱及びせん断力が小さくなり、凹凸模様の崩れ防止に有利になる。
好ましい態様では、上記樹脂材料を射出するときに、上記樹脂材料は、上記キャビティ内の上記凹凸模様が形成された基材の表面に対して平行に射出される。また、別の好ましい態様では、上記樹脂材料を射出するときに、上記樹脂材料は、上記キャビティ内の上記凹凸模様が形成された基材の表面から離れる方向に向かって射出される。これにより、二次樹脂材料は、基材表面の凹凸模様に向かって直接射出されることがないから、せん断力及びせん断発熱を効果的に抑制することができる。
好ましい態様では、上記圧縮による、上記キャビティの容積の圧縮率は、50%以上95%以下となる。これにより、二次樹脂射出時に生じる、基材表面の凹凸模様にかかるせん断力及びせん断発熱を効果的に抑制することができる。なお、上記キャビティの容積の圧縮率は、キャビティに二次樹脂材料が注入される前のキャビティの圧縮前容積に対する、キャビティに二次樹脂材料の注入後二次樹脂材料が圧縮された後のキャビティの圧縮後容積の比率(=圧縮後容積/圧縮前容積×100(%))で表される。
好ましい態様では、上記基材は光輝材及び/又は無機顔料を含有する。これにより、基材のメルトフローレートが該基材を構成するマトリックス樹脂自体のメルトフローレートよりも低くなる。よって、表層を射出成形したときに、流動する樹脂材料によって基材の凹凸模様が崩れることを避ける上で有利になる。このことは、表層用の樹脂材料として、必ずしも、基材のマトリックス樹脂よりも融点が低い樹脂材料を採用することを要しないことを意味する。従って、樹脂材料の選択幅が広がる。
なお、上記基材は、上記光輝材として、例えばアルミフレークを含有することができ、上記無機顔料として、チタン、カーボン、酸化鉄等を含有することができる。
また、ここに開示する装置は、表面に凹凸高さが5μm以上700μm以下である凹凸模様が形成された基材の当該表面が可視光線透過性を有する厚さが0.8mm以上8mm以下の表層で覆われてなる樹脂成形品の成形装置であって、上記基材が配置されるコア型と、上記コア型に配置された上記基材の上記凹凸模様が形成された表面側に上記表層用の樹脂材料を収容するためのキャビティを形成するキャビティ型とを備え、上記キャビティの高さは、上記表層の厚さよりも大きく設定されており、上記キャビティ型は、上記キャビティの容積を圧縮可能に可動に設けられていることを特徴とする。
本発明によれば、キャビティの体積が表層の体積よりも大きいことにより、表層の射出成形に伴って樹脂材料から基材表面の凹凸模様に加わるせん断発熱及びせん断力が小さくなり、凹凸模様の崩れ防止に有利になる。
好ましい態様では、上記キャビティ型は、上記キャビティ内に上記樹脂材料を射出するためのゲートを備えており、上記ゲートの上記樹脂材料の射出方向は、上記基材の上記凹凸模様が形成された表面と平行な方向である。また、別の好ましい態様では、上記キャビティ型は、上記キャビティ内に上記樹脂材料を射出するためのゲートを備えており、上記ゲートの上記樹脂材料の射出方向は、上記基材の上記凹凸模様が形成された表面と平行な方向に対して、該表面から離れる方向に傾斜している。これにより、二次樹脂材料は、ゲートから基材表面の凹凸模様に向かって直接射出されることがないから、せん断力及びせん断発熱を効果的に抑制することができる。
好ましい態様では、上記キャビティ型による上記キャビティの容積の圧縮率は、50%以上95%以下である。これにより、二次樹脂射出時に生じる、基材表面の凹凸模様にかかるせん断力及びせん断発熱を効果的に抑制することができる。
好ましい態様では、上記基材が光輝材及び/又は無機顔料を含有する。これにより、基材のメルトフローレートが該基材を構成するマトリックス樹脂自体のメルトフローレートよりも低くなる。よって、表層を射出成形したときに、流動する樹脂材料によって基材の凹凸模様が崩れることを避ける上で有利になる。このことは、表層用の樹脂材料として、必ずしも、基材のマトリックス樹脂よりも融点が低い樹脂材料を採用することを要しないことを意味する。従って、樹脂材料の選択幅が広がる。
なお、上記基材は、上記光輝材として、例えばアルミフレークを含有することができ、上記無機顔料として、チタン、カーボン、酸化鉄等を含有することができる。
本発明によれば、キャビティの体積が表層の体積よりも大きいことにより、表層の射出成形に伴って樹脂材料から基材表面の凹凸模様に加わるせん断発熱及びせん断力が小さくなり、凹凸模様の崩れ防止に有利になる。
樹脂成形品を一部断面にして示す斜視図。 本発明の第1実施形態に係る樹脂成形品の成形装置を模式的に示す一部断面にした側面図。 図2に示す装置における、第2樹脂材料の成形用金型部分の拡大断面図。 図3の金型において、第2樹脂材料をキャビティに注入する様子を模式的に示す図。 図3の金型において、キャビティに注入された第2樹脂材料に対して加圧成形を行う様子を模式的に示す図。 本発明の第2実施形態に係る成形装置における図3相当図。 図6の金型において、第2樹脂材料をキャビティに注入する様子を模式的に示す図。 図6の金型において、キャビティに注入された第2樹脂材料に対して加圧成形を行う様子を模式的に示す図。
以下、本発明を実施するための形態を図面に基づいて説明する。以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
(第1実施形態)
<樹脂成形品の一例>
図1に示す樹脂成形品1において、2は基材、3は基材2の表面を覆う表層である。基材2の表面に凹凸模様4が形成されている。基材2は光輝材及び/又は無機顔料を含有する第1樹脂材料によって形成され、表層3は着色材を含有する又は着色材を含有しない第2樹脂材料23によって形成されている。表層3を形成する第2樹脂材料23は、可視光線透過性を有するため、表層3を通して基材2の表面の凹凸模様4を視認することができる。
基材2の凹凸模様4の凹凸高さは5μm以上700μm以下である。上記凹凸模様の凹凸高さが5μmよりも小さくなると、凹凸模様の視認性が悪くなり、700μmを超えて大きくなると、細かい模様の形成に不利になる。好ましいのは、凹凸高さを10μm以上350μm以下にすることである。
また、表層3の厚さは0.8mm以上8mm以下である。上記表層の厚さが0.8mmよりも小さくなると、表層の形成が難しくなり、8mmよりも大きくなると、表面の平滑性の確保が難しくなる。
上記基材2及び表層3には種々の樹脂材料を採用することができるが、基材用樹脂材料としては、PC(ポリカーボネート)、ABS樹脂、PC−ABS(PCとABS樹脂のポリマーアロイ)等を好適に採用することができ、表層用樹脂としては、PC、PMMA(ポリメタクリル酸メチル樹脂)等を好適に採用することができる。これにより、樹脂成形品1の美観性と耐久性とを両立させることができる。
上記基材2に含有される光輝材としては、例えばアルミフレーク、ガラスフレーク等が挙げられる。また、上記基材2に含有される無機顔料としては、チタン、カーボン、酸化鉄等が挙げられる。基材2が光輝材及び/又は無機顔料を含有することにより、基材2のメルトフローレートが該基材2を構成するマトリックス樹脂自体のメルトフローレートよりも低くなる。よって、表層3を射出成形したときに、流動する樹脂材料によって基材2の凹凸模様4が崩れることを避ける上で有利になる。このことは、表層3用の樹脂材料として、必ずしも、基材2のマトリックス樹脂よりも融点が低い樹脂材料を採用することを要しないことを意味する。従って、樹脂材料の選択幅が広がる。
<樹脂成形品の成形装置>
図2に示す成形装置5は、二色成形法で樹脂成形品1を成形するものである。
成形装置5において、6は基材2の凹凸模様4を成形する一次キャビティ面6aを備えた一次キャビティ型、14は表層3の表面を成形する二次キャビティ面7aを備えた二次キャビティ型、8は両キャビティ型6,14に共通のコア型である。一次キャビティ型6の一次キャビティ面6aは基材表面に凹凸模様4を成形すべくシボ加工されている。
両キャビティ型6,14は、コア型8を挟んで相対するようにベース9上に配置され、互いに離反する方向(型開き方向)に可動になっている。コア型8は、垂直軸まわりに回転するロータリー11に支持され、その互いに逆向きになった両面に基材2の裏面側を成形する成形面8aを備えている。
一次キャビティ型6とコア型8によって基材成形用キャビティ12が形成される。また、二次キャビティ型14とコア型8によって、基材2を収容し、該基材2の凹凸模様4が形成された表面側に表層3を射出成形するための表層成形用キャビティ13を形成される。すなわち、表層成形用キャビティ13は、コア型8に配置された基材2の凹凸模様4が形成された表面と、二次キャビティ型14の第2部材27の内壁面と、二次キャビティ型14の第1部材7の二次キャビティ面7aとにより形成され、この表層成形用キャビティ13内に第2樹脂材料23を収容する。図2において、15は基材成形用キャビティ12に通ずるランナー、16は同キャビティ12に接続されるゲートである。また、17は表層成形用キャビティ13に通ずるランナー、18は同キャビティ13に接続されるゲートである。
一次キャビティ型6の背部には基材成形用の第1樹脂材料21を射出するための第1射出ユニット22が配置されている。二次キャビティ型14の背部には表層成形用の第2樹脂材料23を射出するための第2射出ユニット24が配置されている。両射出ユニット22,24各々は、キャビティ型6,14に対して進退可能になっている。
ここに、表層成形用キャビティ13の容積は、上記表層3の体積よりも大きく設定されている。すなわち、上記二次キャビティ型14は、上記表層成形用キャビティ13内に第2樹脂材料23が射出された後に、該第2樹脂材料23を圧縮可能に設けられている。上記二次キャビティ型14による上記表層成形用キャビティ13の容積の圧縮率、すなわち表層成形用キャビティ13に上記第2樹脂材料23が注入される前の上記表層成形用キャビティ13の圧縮前容積に対する、表層成形用キャビティ13に第2樹脂材料23の注入後二次キャビティ型14が基材2側に移動して第2樹脂材料23が圧縮された後の上記表層成形用キャビティ13の圧縮後容積の比率(=圧縮後容積/圧縮前容積×100(%))は、好ましくは50%以上95%以下、より好ましくは55%以上90%以下、特に好ましくは60%以上85%以下である。
具体的には、例えば基材2の凹凸模様4が形成されている表面の面積を一定とし、表層成形用キャビティ13の高さを可変に設定することができる。すなわち、上記表層成形用キャビティ13内に第2樹脂材料23が射出された後に、二次キャビティ型14の第1部材7を基材2の凹凸模様4が形成された表面側に移動させることにより、該第2樹脂材料23を圧縮することができる。このとき、表層成形用キャビティ13の初期高さは、表層成形用キャビティ13の最終高さ、すなわち表層3の厚さの、好ましくは1.05倍以上2.00倍以下、より好ましくは1.10倍以上1.80倍以下、特に好ましくは1.17倍以上1.65倍以下である。
このように、表層成形用キャビティ13の体積を表層3の体積よりも大きく設定し、第2樹脂材料23の射出後にこれを圧縮成形して表層3を形成することにより、表層3の射出成形に伴って第2樹脂材料23から基材2表面の凹凸模様4に加わるせん断発熱及びせん断力を効果的に抑制し、凹凸模様4の崩れ防止に有利になる。
表層成形用キャビティ13に接続されるゲート18は、図3に示すように、基材2の表面から基材2の厚さ方向に離れた高さに設定されている。具体的には例えば、ゲート18と基材2の表面との間隔は0.5mm以上であることが好ましい。これにより、ゲート18から射出された第2樹脂材料23が直接凹凸模様4にかかることを抑制できる。また、ゲート18の第2樹脂材料23の射出方向は、基材2の凹凸模様4が形成された表面に対して平行な方向となるように、ゲート18は構成されている。これにより、第2樹脂材料23は、ゲート18から基材2表面に対して平行に射出され、すなわち凹凸模様4に向かって直接射出されることがないから、せん断力及びせん断発熱を効果的に抑制することができる。
なお、表層成形用キャビティ13に接続されるゲート18は、いかなる形状のゲートも採用することができるが、例えばフィルムゲートを採用してもよい。これにより、第2樹脂材料23の射出時に生じる、基材2表面の凹凸模様4にかかるせん断力及びせん断発熱を抑制することができる。この場合、例えばゲート18の幅は、10mm以上、該ゲート18の厚さは0.5mm以上とすることができる。
また、ゲート18、二以上の複数のゲートであってもよい。これにより、1つのゲートから射出される樹脂材料の量が少なくなるほど、基材の表面に沿って流動する樹脂材料の流速が小さくなるから、樹脂材料から基材の凹凸模様に加わるせん断発熱及びせん断力が小さくなるためである。また、複数のゲートからの樹脂材料の注入を多段階としてもよい。特に、ゲートを基材側から表層側に向かって複数設けた場合には、基材側のゲートによる樹脂の注入を行った後、表層側のゲートからの注入を行う等、注入を多段階とすることにより、ゲート近傍の凹凸模様4にかかるせん断発熱及びせん断力を低減させることができる。
<樹脂成形品の成形方法>
上記成形装置5を用いた樹脂成形品1の成形方法を説明する。
キャビティ型6,14及びコア型8を型締めし、第1射出ユニット22を前進させ、溶融した第1樹脂材料21を基材成形用キャビティ12に射出する。これにより、表面に凹凸模様を有する基材2が形成される。
型開き後に、コア型8を、成形された基材2と共にロータリー11によって180度反転させ、型締めする。これにより、図3に示すように、当該基材2の表面と二次キャビティ型14の間に表層成形用キャビティ13が形成される。
次に、図4に示すように、第2射出ユニット24を前進させ、溶融した第2樹脂材料23を、ゲート18を通じて表層成形用キャビティ13に射出する。
そして、図5に示すように、表層成形用キャビティ13内に射出された第2樹脂材料23を圧縮することによって上記表層3を成形する。
このとき、第2樹脂材料23を圧縮するタイミング(以下、「圧縮タイミング」という。)は、第2樹脂材料23の硬化が始まる前に圧縮を開始する観点から、必要量の第2樹脂材料23を表層成形用キャビティ13に充填し終わった直後とすることができる。また、表層3の厚さが厚い場合には、第2樹脂材料23の必要量が多くなるため、第2樹脂材料23の硬化が始まる前に圧縮を開始する観点から、第2樹脂材料23の表層成形用キャビティ13への充填が完了する前、具体的には例えば90%〜95%完了時点で、圧縮を開始してもよい。
以上の工程により、基材2の表面を覆う表層3が形成され、基材2と表層3の界面に凹凸模様4を有する樹脂成形品1が得られる。
上記工程によれば、表層成形用キャビティ13の体積が表層3の体積よりも大きいことにより、表層3の射出成形に伴って第2樹脂材料23から基材2表面の凹凸模様4に加わるせん断発熱及びせん断力が小さくなり、凹凸模様4の崩れ防止に有利になる。
なお、本実施形態において、上述のごとく、第2樹脂材料23は、表層成形用キャビティ13内の上記凹凸模様4が形成された基材2の表面に対して平行に射出される。これにより、二次樹脂材料は、基材表面の凹凸模様に向かって直接射出されることがないから、せん断力及びせん断発熱を効果的に抑制することができる。
また、第2樹脂材料23の溶融温度t2は第1樹脂材料の溶融温度t1よりも低いこと(例えば、温度差(t1−t2)が0℃以上50℃以下であること)が好ましい。基材2及び表層3の射出成形は、例えば、各々のマトリックス樹脂としてPCを用いる場合、例えば、型温度を80℃程度、射出ユニット22,24のシリンダ温度を250℃〜300℃程度とすればよい。
(第2実施形態)
第1実施形態では、ゲート18は、第2樹脂材料23が表層成形用キャビティ13内の凹凸模様4が形成された基材2の表面に対して平行に射出されるように形成されている構成であった。これに対し、本実施形態では、図6に示すように、ゲート18の第2樹脂材料23の射出方向は、基材2の凹凸模様4が形成された表面と平行な方向に対して、該表面から離れる方向に傾斜するように構成されている。換言すると、ゲート18は、第2樹脂材料23が表層成形用キャビティ13内の凹凸模様4が形成された基材2の表面から離れる方向に向かって射出されるように形成されている。これにより、第2樹脂材料23の凹凸模様4に対するせん断発熱及びせん断力が効果的に緩和される。具体的には、基材2の凹凸模様4が形成された表面に対するゲート18の角度は、第2樹脂材料23のせん断発熱及びせん断力を緩和して凹凸模様4の崩れを防止する観点から、好ましくは、1度以上30度以下であり、より好ましくは3度以上20度以下であり、特に好ましくは4度以上17度以下である。
また、ゲート18は、第1実施形態と同様に、基材2の表面から基材2の厚さ方向に離れた高さに設定されているが、射出方向が基材2の表面から離れた方向に向かっているため、第1実施形態の場合に比べて、ゲート18と基材2の表面との間隔は小さくてもよい。具体的には例えば、ゲート18と基材2の表面との間隔は0.3mm以上であることが好ましい。これにより、ゲート18から射出された第2樹脂材料23が直接凹凸模様4にかかることを抑制できる。
図7に示すように、ゲート18から射出された第2樹脂材料23は、その大部分が二次キャビティ型14の二次キャビティ面7aに向かって移動し、表層成形用キャビティ13内における第2樹脂材料23の充填量が増加するのに伴って徐々に基材2の凹凸模様4の上に配置される。
そして、第2樹脂材料23の充填量が所定量となったところで、図8に示すように、第2樹脂材料23を圧縮し、表層3を形成する。このとき、圧縮タイミングは第1実施形態と同様に設定することができる。
これにより、第2樹脂材料23は、基材2表面の凹凸模様4に向かって直接射出されることがなく、第2樹脂材料23による凹凸模様4に対するせん断力及びせん断発熱が大幅に低減され得る。
(その他の実施形態)
上記実施形態では樹脂成形品の成形に二色成形法を採用したが、本発明は、基材を金型にインサートして表層を射出成形するインサート成形法を採用することもできる。
<樹脂成形品の製造例>
表1に示すように、表層3を基材2表面に成形した。基材2及び表層3のマトリックス樹脂はいずれもPCである。基材2表面の凹凸模様4は凹凸高さが55μmの木目調とした。射出成形において、型温度は80℃、射出ユニット22,24のシリンダ温度は250℃又は260℃とした。そうして、得られた樹脂成形品の凹凸模様4の崩れ状態を目視で評価した。
表1の評価欄において、「◎」は凹凸模様の陰影感及び奥行き感(立体感)が強く、凹凸模様の崩れが認められない(品質最良)を、「○」は凹凸模様に陰影感及び奥行き感があり、凹凸模様の崩れが殆ど認められない(品質良好)を、「△」は凹凸模様が少し流され、その崩れが認められる(低品質)を、「×」は比較的広い範囲にわたって凹凸模様の崩れが認められる(不良)を、それぞれ意味する。
Figure 2017144637
製造例1,2,5,6では、ゲート18の射出方向角度は表層3と平行である。製造例3,4では、ゲート18の射出方向角度は表層3に対して15度表層3から離れる方向となるように設定されている。
製造例2,4では、キャビティ高さが高く、キャビティ容積が大きいことから、シリンダ温度を製造例1,3,5よりも高くするとともに、圧縮タイミングを表層成形用キャビティ13への第2樹脂材料23の射出量が95%となった直後としている。これにより、圧縮開始前に第2樹脂材料23が硬化し始めるのを避けることができる。
表1によれば、製造例1〜2は良好な品質、製造例3〜4は高い品質であった。これに対し、製造例5,6は、基材2表面の凹凸模様4に少し乱れが見られた。
製造例1に比べ、製造例3において品質が高かったことから、ゲート18の射出方向の角度が表層3から離れる方向に設定されていることにより、凹凸模様4にかかるせん断力がより緩和されたものと考えられる。
製造例2,4では、いずれも高い品質が得られたことから、表層成形用キャビティ13の容積が大きいことにより、凹凸模様4にかかるせん断発熱及びせん断力が小さくなり、凹凸模様4の崩れが抑えられたものと考えられる。
一方、製造例5では圧縮を行わず、表層成形用キャビティ13の高さを製造例1の最終高さと同じとして、表層成形用キャビティ13の容積を製造例1と同じとしたが、圧縮ありの場合と比較して、凹凸模様4にかかるせん断発熱及びせん断力の緩和が不十分となったと考えられる。
また、製造例6でも圧縮を行わず、製造例2の最終キャビティ高さと同一のキャビティ高さとしたが、凹凸模様4に乱れが見られた。これは、シリンダ温度の上昇により、特に射出開始直後の凹凸模様4にかかるせん断発熱及びせん断力が大きくなったためと考えられる。
本発明は、キャビティの体積が表層の体積よりも大きいことにより、表層の射出成形に伴って樹脂材料から基材表面の凹凸模様に加わるせん断発熱及びせん断力が小さくなり、凹凸模様の崩れ防止に有利になるので、極めて有用である。
1 樹脂成形品
2 基材
3 表層
4 凹凸模様
5 成形装置
6 一次キャビティ型
6a 一次キャビティ面
7 第1部材
7a 二次キャビティ面
8 コア型
8a 成形面
9 ベース
11 ロータリー
12 基材成形用キャビティ
13 表層成形用キャビティ(キャビティ)
14 二次キャビティ型(キャビティ型)
18 ゲート
21 第1樹脂材料
22 第1射出ユニット
23 第2樹脂材料(樹脂材料)
24 第2射出ユニット
27 第2部材

Claims (12)

  1. 表面に凹凸高さが5μm以上700μm以下である凹凸模様が形成された基材の当該表面が可視光線透過性を有する厚さが0.8mm以上8mm以下の表層で覆われてなる樹脂成形品の成形方法であって、
    上記基材の上記凹凸模様が形成された表面側に上記表層を成形するためのキャビティを形成する工程と、
    上記キャビティに樹脂材料を射出する工程と、
    上記キャビティ内に射出された樹脂材料を圧縮することによって上記表層を成形する工程とを備えた
    ことを特徴とする樹脂成形品の成形方法。
  2. 請求項1において、
    上記樹脂材料を射出するときに、上記樹脂材料は、上記キャビティ内の上記凹凸模様が形成された基材の表面に対して平行に射出される
    ことを特徴とする樹脂成形品の成形方法。
  3. 請求項1において、
    上記樹脂材料を射出するときに、上記樹脂材料は、上記キャビティ内の上記凹凸模様が形成された基材の表面から離れる方向に向かって射出される
    ことを特徴とする樹脂成形品の成形方法。
  4. 請求項1乃至請求項3のいずれか一において、
    上記圧縮による、上記キャビティの容積の圧縮率は、50%以上95%以下となる
    ことを特徴とする樹脂成形品の成形方法。
  5. 請求項1乃至請求項4のいずれか一において、
    上記基材は光輝材及び/又は無機顔料を含有することを特徴とする樹脂成形品の成形方法。
  6. 請求項5において、
    上記基材が上記光輝材としてアルミフレークを含有することを特徴とする樹脂成形品の成形方法。
  7. 表面に凹凸高さが5μm以上700μm以下である凹凸模様が形成された基材の当該表面が可視光線透過性を有する厚さが0.8mm以上8mm以下の表層で覆われてなる樹脂成形品の成形装置であって、
    上記基材が配置されるコア型と、
    上記コア型に配置された上記基材の上記凹凸模様が形成された表面側に上記表層用の樹脂材料を収容するためのキャビティを形成するキャビティ型と
    を備え、
    上記キャビティの高さは、上記表層の厚さよりも大きく設定されており、
    上記キャビティ型は、上記キャビティの容積を圧縮可能に可動に設けられている
    ことを特徴とする樹脂成形品の成形装置。
  8. 請求項7において、
    上記キャビティ型は、上記キャビティ内に上記樹脂材料を射出するためのゲートを備えており、
    上記ゲートの上記樹脂材料の射出方向は、上記基材の上記凹凸模様が形成された表面と平行な方向である
    ことを特徴とする樹脂成形品の成形装置。
  9. 請求項7において、
    上記キャビティ型は、上記キャビティ内に上記樹脂材料を射出するためのゲートを備えており、
    上記ゲートの上記樹脂材料の射出方向は、上記基材の上記凹凸模様が形成された表面と平行な方向に対して、該表面から離れる方向に傾斜している
    ことを特徴とする樹脂成形品の成形装置。
  10. 請求項7乃至請求項9のいずれか一において、
    上記キャビティ型による上記キャビティの容積の圧縮率は、50%以上95%以下である
    ことを特徴とする樹脂成形品の成形装置。
  11. 請求項7乃至請求項10のいずれか一において、
    上記基材が光輝材及び/又は無機顔料を含有することを特徴とする樹脂成形品の成形装置。
  12. 請求項11において、
    上記基材が上記光輝材としてアルミフレークを含有することを特徴とする樹脂成形品の成形装置。
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