JP2017143687A - 磁力回転装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ディテントトルクをさらに低減させることが可能であり、高い効率の磁力回転装置を提供すること。【解決手段】第1の磁力回転装置1M1と第2の磁力回転装置1M2とが互いに連結されて構成され、第1の磁力回転装置および第2の磁力回転装置は、それぞれ、捲線32を備えたN個(Nは2以上の整数)の鉄心31が円周方向に沿って等間隔で配置された固定子12,16と、複数の永久磁石体41が円周方向に沿って等間隔で配置されてN個の磁極を有した回転子13,17と、を備えており、第1の磁力回転装置における固定子と回転子との位相角γ1と、第2の磁力回転装置における固定子と回転子との位相角γ2との差である配置ずれ角δ(=γ1−γ2)が、(180/N)度となるように、固定子および回転子が配置されている。【選択図】図7

Description

本発明は、電動機、発電機、または電動発電機などの磁力回転装置に関する。
従来より、捲線を備えた複数の鉄心が円周方向に沿って等間隔で配置された固定子と、複数の永久磁石が円周方向に沿って等間隔で配置され前記固定子と対向した状態で回転する回転子とを備えた磁力回転装置などが提案されている(特許文献1〜4)。
例えば特許文献1には、永久磁石と捲線による電磁石との間に反発力が生じるように、回転体が種々の回転位置の領域にあるときに捲線に種々のパルス電流を流すようにした磁力回転装置が開示されている。
また、特許文献2には、複数の永久磁石を周方向に配置した回転子と複数の電磁石を周方向に配置した固定子とを備え、電磁石に間欠的に通電し、永久磁石と電磁石との間の吸引力と反発力によって回転子を回転させる磁力回転装置が開示されている。特許文献2では、永久磁石の数と電磁石の数とを互いに異ならせることによってディテントトルク(コギングトルク)を低減することが開示されている。
また、特許文献3には、回転体を回転させてモータとして機能させつつ、回転体の回転により直接的に発電する交流電圧出力巻線を備えた一方向通電形ブラシレスDCモータが開示されている。
このような磁力回転装置などによって、電動機または発電機を構成することが可能である。例えば、捲線に流れる電流による鉄心の磁界と永久磁石との吸引または反発によって回転トルクを発生させることにより、電動機として動作させることが可能である。また、外部の回転力によって回転子を回転させ、永久磁石の回転により鉄心に磁束の変化を起こして捲線から電流を取り出すことにより、発電機として動作することが可能である。
また、磁力回転装置による電動機と発電機とを同軸上に形成することによって、電動発電機を構成することが可能である。
特開2006−187080号公報 特開2009−118705号公報 WO2009/060544号公報 WO2015/019625号公報
しかし、上に述べた特許文献1、2に開示された磁力回転装置では、かなりのディテントトルクが発生するため、これが効率を低下させる1つの要因となっている。
また、特許文献3に開示されたブラシレスDCモータでは、ある程度のディテントトルクの低減が図られるとしても、まだ十分ではなかった。
また、この種の磁力回転装置を電動機として起動する際に、一時的なバックラッシュ(逆回転)を起こして円滑な起動がなされないことがある。
本発明は、上述の問題に鑑みてなされたもので、ディテントトルクをさらに低減させることが可能であり、高い効率の磁力回転装置を提供することを目的とする。
本明細書において開示される磁力回転装置は、第1の磁力回転装置と第2の磁力回転装置とが互いに連結されて構成され、前記第1の磁力回転装置および前記第2の磁力回転装置は、それぞれ、捲線を備えたN個(Nは2以上の整数)の鉄心が円周方向に沿って等間隔で配置された固定子と、複数の永久磁石体が円周方向に沿って等間隔で配置されてN個の磁極を有した回転子と、を備えており、前記第1の磁力回転装置における前記固定子と前記回転子との位相角と、前記第2の磁力回転装置における前記固定子と前記回転子との位相角との差である配置ずれ角が、(180/N)度となるように、前記固定子および前記回転子が配置されてなる。
好ましくは、前記第1の磁力回転装置および前記第2の磁力回転装置において、それぞれの前記回転子は、軸方向から見た形状が矩形であって円周の接線方向に沿ってN極とS極の磁極が形成されて配置された(N/2)個の前記永久磁石体を有する。
また好ましくは、前記永久磁石体のそれぞれにおいて、外側の2つの角部による中心角は(360/N)度である。
本発明によると、ディテントトルクをさらに低減させることが可能であり、高い効率の磁力回転装置および電動発電機を提供することができる。
本発明に係る第1の実施形態の磁力回転装置の側面断面図である。 図1に示す磁力回転装置の正面断面図である。 図1の一部を拡大して示す図である。 図2の一部を拡大して示す図である。 第1の磁力回転装置における鉄心と永久磁石体の配置関係を示す図である。 第2の磁力回転装置における鉄心と永久磁石体の配置関係を示す図である。 磁力回転装置における回転磁界を説明するための図である。 第2の実施形態の第2の磁力回転装置における鉄心と永久磁石体の配置関係を示す図である。 第3の実施形態の第1の磁力回転装置における鉄心と永久磁石体の配置関係を示す図である。 永久磁石体の構成の例を示す図である。 遮蔽円板の例を示す図である。 制御装置の構成の例を示すブロック図である。 制御装置による磁力回転装置の制御の様子を示すタイミング図である。
〔第1の実施形態〕
図1および図2には、本発明に係る第1の実施形態の磁力回転装置1の側面断面図および正面断面図が示され、図3および図4にはそれらの一部を拡大した図が示されている。なお、図2は、図1におけるAA−AA線断面矢視図に相当する。
なお、これらの図は、固定子、回転子、鉄心、および永久磁石体などの配置関係を示すことを主な目的としており、磁力回転装置1における種々の部材の機械的な構造や連結関係を正確に示すものではない。機械的な構造などについては種々の公知の技術を適用することが可能である。
図1〜図4において、磁力回転装置1は、第1の磁力回転装置1M1および第2の磁力回転装置1M2を備え、それらの回転軸11が共通に設けられている。
なお、本実施形態において、第1の磁力回転装置1M1および第2の磁力回転装置1M2は、いずれも電動機である。つまり、磁力回転装置1は、2つの電動機が一体回転するように回転軸11が連結されたダブル電動機である。したがって、第1の磁力回転装置1M1を「電動機1M1」と、第2の磁力回転装置1M2を「電動機1M2」と、それぞれ記載することがある。
また、電動機1M1と電動機1M2とを区別する必要のない場合に、これらのいずれか、またはこれらの両方(つまり磁力回転装置1の全体)を指して、「電動機1M」と記載することがある。
フレーム21は、ステンレス鋼のような非磁性材料によって、電動機1Mを機械的に維持するように設けられ、電動機1Mの外形を形成している。
回転軸11は、フレーム21に設けられたベアリングによって、フレーム21に対し回転自在に支持されている。
電動機1M1は、A電動機M1AとB電動機M1Bとの2つの部分によって構成される。電動機1M2は、A電動機M2AとB電動機M2Bとの2つの部分によって構成される。
本実施形態において、電動機1M1と電動機1M2とは、その構成部材の構造は同じである。例えば、鉄心31および捲線32からなる固定子12,16自体の構造、永久磁石体41を備えた回転子13,17の構造などは、電動機1M1と電動機1M2とで同じである。しかし、電動機1M1の固定子12と電動機1M2の固定子16とでは、円周方向(回転方向)における配置角(位相角)が互いに異なる。詳細は以下に述べる。
つまり、電動機1M1および電動機1M2は、それぞれ、捲線32を備えたN個(Nは2以上の整数)の鉄心31が円周方向に沿って等間隔で配置された固定子12、16と、複数の永久磁石体41が円周方向に沿って等間隔で配置されてN個の磁極を有した回転子13,17と、を備えている。なお、本実施形態において、N=8であり、したがって8極の電動機1Mということになる。
電動機1M1における固定子12と回転子13との位相角γ1と、電動機1M2における固定子16と回転子17との位相角γ2との差である配置ずれ角δが、δ=(180/N)度、本実施形態においては22.5度となるように、これら固定子12,16および回転子13,17が配置されている。
また、電動機1M1および電動機1M2において、それぞれの回転子13,17は、軸方向から見た形状が矩形であって回転円周の接線方向に沿ってN極とS極の磁極が形成されて配置された(N/2)個、本実施形態においては4個の前記永久磁石体41を有する。
以下においてさらに詳しく説明する。
〔磁力回転装置1の構造についての説明〕
〔電動機1M1〕
電動機1M1は、回転軸11、固定子12、回転子13、およびフレーム21などを有する。
〔固定子〕
固定子12は、捲線(コイル)32を備えた複数の鉄心31が円周方向に沿って等間隔で配置されたものである。
各鉄心31は、外形がコ字形またはU字形の珪素鋼板を所定の厚さに積層したものであり、中央部に胴部311が、その両端に脚部312a,bが設けられた形状である。脚部312a,bの先端は、それぞれ長方形状の端面313a,bとなっており、2つの端面313a,bは、同じ平面上にあって回転軸11の中心方向を向いた状態である(図3参照)。
捲線32は、鉄心31の各脚部312a,bにそれぞれ設けれた2つの捲線32a,bを含む。捲線32a,bに電流を流すことにより、鉄心31に磁束および磁界が生じ、電磁石となる。2つの捲線32a,bを例えば並列接続とし、鉄心31内に同じ方向の磁束が生じるように電流を流すことにより、端面313a,bに互いに異なる磁極が形成される。つまり、端面313a,bの一方がN極、他方がS極となる。
本実施形態では、胴部311が軸方向と平行に延びるように、つまり2つの脚部312a,bが軸方向に沿って離れた位置となるような姿勢の8個の鉄心31が、円周上に等間隔で、つまり隣り合う鉄心31同士の中心角が45度(=360度÷8)となるように、配置されている(図2、図4参照)。
つまり、各鉄心31の中心を通りかつ固定子12の中心つまり回転子13の回転中心(回転軸11の軸心)KCを通過する中心線LKが、互いにβ1=45度の中心角をなすようになっている。隣り合う鉄心31の端面と端面との間隔は、端面の幅とほぼ同じか、または若干狭い。
最上位置にある鉄心31(YA1)の中心線LKは、垂直線であり、この垂直線を固定子12、16および回転子13,17の回転角度位置における基準線(=0度)と考える場合がある。
〔回転子〕
回転子13は、鉄心31の一方の脚部312aに対向するA回転子13aと、鉄心31の他方の脚部312bに対向するB回転子13bとからなる(図1、図3参照)。これらA回転子13aとB回転子13bとは、一体に回転するものであり、基本的な構造は互いに同じであるので、A回転子13aについて詳しく説明する。
なお、固定子12の脚部312aの側とA回転子13aとによって上に述べたA電動機M1Aが構成され、固定子12の脚部312bの側とB回転子13bとによって上に述べたB電動機M1Bが構成される。
〔A回転子〕
まず、A回転子13aは、複数の永久磁石体41が、円周方向に沿って等間隔で配置されたものであり、固定子12と対向して、つまり固定子12の複数の端面313aにより形成される円周面に対向した状態で、回転軸11とともに回転する(図2参照)。
本実施形態では、4個の永久磁石体41が、円周上に等間隔で、つまり隣り合う永久磁石体41同士の中心角β3が90度(=360度÷4)となるように、配置されている。
永久磁石体41は、図10に示すように、ネオジム(またはネオジウム)を成分として含んだ6個の永久磁石(ネオジム磁石)41a〜fが磁極方向に積み重ねられて構成され、全体として直方体の形状、つまりブロック状に形成されている。各永久磁石41a〜fは、表面が滑らかとなるようにニッケルメッキが施されている。しかし、永久磁石体41の構成として種々のものが採用可能である。例えば、1個の永久磁石で永久磁石体41を構成してもよく、2個の永久磁石の間に磁性体からなるつなぎ鉄心を挿入して構成してもよい。
図4を参照して、直方体の互いに対向する2つの面が磁極面411a,bであり、磁極面411a,bの一方がN極、他方がS極となっている。つまり、矢印DSの回転方向(すなわち図の左回転方向)の前方側の磁極面411aがN極、後方側の磁極面411bがS極である。
永久磁石体41は、その中央を通過する線(中心線)LTに対して左右対称である。中心線LTは、回転子13の回転中心KCを通過する線である。つまり、永久磁石体41は、2つの磁極面411a,bを結ぶ方向が回転円周の接線方向と一致するように配置される。
図4には、永久磁石体41の外側の2つの角部である頂点TPを通りかつ回転中心KCを通過する線(磁極線)LUが描かれている。図では磁極線LUは中心線LKと一致している。2つの頂点TPによる中心角β2、つまり、2本の磁極線LUの中心角β2は、β2=(360/N)度である。本実施形態では、N=8であるから、β2=45度である。
つまり、2つの頂点TPの中心角β2と2つの鉄心31の中心線LKの中心角β1とは互いに等しく、45度である。したがって、永久磁石体41のN極の側の頂点TPが鉄心31の中心線LKの位置にあるときには、S極の側の頂点TPは隣の鉄心31の中心線LKの位置にある。
なお、永久磁石体41を支持し、かつ回転軸11とともに一体的に回転するよう連結するために、側板部材45などが設けられている。側板部材45は、それぞれの永久磁石体41を軸方向の両側から挟みかつ位置決めするように凹部が設けられた円板状の部材である。側板部材45は非磁性体でありかつ絶縁体である合成樹脂などからなっている。側板部材45は、回転軸11が貫通する円筒状のブシュ47に固定されている。ブシュ47は、キー48によって回転軸11と一体に回転する。
なお、これら側板部材45などの材質および形状などは、上に説明した以外の種々のものとすることが可能である。
〔B回転子〕
次に、B回転子13bについて説明する。
B回転子13bは、上に述べたA回転子13aの構造と基本的に同じであるが、永久磁石体41の極性が互いに異なる。
すなわち、B回転子13b、つまり回転子13における鉄心31の脚部312bに対向する部分は、A回転子13aと同様に、複数の永久磁石体41が円周方向に沿って等間隔で配置されたものであり、固定子12と対向した状態で、つまり固定子12の複数の端面313bにより形成される円周面に対向した状態で、回転軸11とともに回転する。
また、A回転子13aとB回転子13bとは、正面方向、つり回転軸11に沿った方向から見たときに、永久磁石体41の配置が互いに一致して一直線上に重なるように配置されており、したがってそれぞれの中心線LTも互いに一致して重なる。
永久磁石体41の極性について、図2に示すように、A回転子13aでは、矢印DSの回転方向の前方側の磁極面411aがN極、後方側の磁極面411bがS極であるが、B回転子13bでは、矢印DSの前方側の磁極面411aがS極、後方側の磁極面411bがN極である。つまり、B回転子13bでは、図2における「N」と「S」とを入れ替えた極性となる。
〔電動機1M2〕
次に、電動機1M2について説明する。
電動機1M2は、上に述べたように、固定子16および回転子17の構成部材の構造は、電動機1M1の場合と同じである。相違点は、電動機1M2の固定子16の配置された位相角が、電動機1M1の固定子12に対して矢印DSの方向に配置位相角β4=22.5度ずれている点である。また、図1に示すように、回転子17はA回転子17aとB回転子17bとからなる。
すなわち、図2および図4において、電動機1M1の固定子12の8個の鉄心31は実線で示され、電動機1M2の固定子16の8個の鉄心31は二点鎖線で示されている。図で分かるように、電動機1M2の固定子16の8個の鉄心31(二点鎖線で示される)の配置角は、電動機1M1の固定子12の8個の鉄心31(実線で示される)の配置角に対して、矢印DSの回転方向に配置位相角β4=22.5度だけずれでいる。
具体的には、図4における電動機1M1の最上位置にある鉄心31(YA1)の中心線LK、つまり垂直線に対して、電動機1M2の最上位置にある鉄心31(YC1)の中心線LKは、矢印DSの回転方向に配置位相角β4=22.5度だけずれでいる。
これに対し、電動機1M1の回転子13と電動機1M2の回転子17とは、永久磁石体41の円周方向に沿った配置が互いに一致している。つまり、永久磁石体41については同じ位相角で配置されており、配置位相角β5は0度である。
すなわち、図2および図4に示す状態において、電動機1M1における固定子12と回転子13との位相角γ1を、最上位置にある鉄心31(YA1)の中心線LKと永久磁石体41の中心線LTとのなす角度を矢印DSの方向に計った角度とすると、位相角γ1は22.5度である。電動機1M2における固定子16と回転子17との位相角γ2を、最上位置よりも矢印DSの前方側に配置された鉄心31(YC1)の中心線LKと永久磁石体41の中心線LTとのなす角度を矢印DSの方向に計った角度とすると、位相角γ2は0度である。したがって、位相角γ1と位相角γ2との差である配置ずれ角δ(=γ1−γ2)は、δ=22.5−0=22.5度である。
なお、回転子13,17は一体に回転するので、回転子13,17がどのような角度位置にあっても、位相角γ1と位相角γ2との関係(差の値)は同じであり、配置ずれ角δは常に22.5度で一定である。つまり、永久磁石体41についての配置位相角β5は0度であるので、鉄心31についての配置位相角β4がそのまま配置ずれ角δとなる。
すなわち、配置ずれ角δを(180/N)度、つまり22.5度とするためには、電動機1M1と電動機1M2とにおいて、固定子12、16および回転子13,17が配置される角度位置が所定の関係にあればよい。
例えば、電動機1M1と電動機1M2とにおいて、鉄心31の配置位相角β4つまり固定子12、16の配置位相角β4と、永久磁石体41の配置位相角β5つまり回転子13,17の配置位相角β5との和であるβ4+β5が、22.5度となればよい。
本実施形態の磁力回転装置1では、固定子12、16の配置位相角β4を22.5度とし、回転子13,17の配置位相角β5を0度とした。
しかし、例えば、固定子12、16の配置位相角β4を15度とし、回転子13,17の配置位相角β5を7.5度としてもよい。また、固定子12、16の配置位相角β4を0度とし、回転子13,17の配置位相角β5を22.5度としてもよい。
つまり、電動機1M2の永久磁石体41を電動機1M1の永久磁石体41に対して矢印DSと反対方向にずらせ、その配置位相角β5を22.5度とした場合には、電動機1M1の鉄心31と電動機1M2の鉄心31についての配置位相角β4を0度とすることにより、配置ずれ角δは22.5度となる。
〔永久磁石の極性などについての説明〕
図5には、第1の実施形態の磁力回転装置1の第1の磁力回転装置(電動機1M1)における鉄心13と永久磁石体41の配置関係が、図6には、第2の磁力回転装置(電動機1M2)における鉄心16と永久磁石体41の配置関係が、図7には、磁力回転装置1における回転磁界を説明するための図が、それぞれ示されている。
なお、図5および図6は、図1のAA−AA線、CC−CC線の各位置における断面矢視図に相当し、図7は、図5および図6を重ね合わせて表示したものである。
また、図2、図4〜図7においては、捲線32に電流を流すことなく、かつ回転軸11に外部からの回転力を与えることのない自由状態において、回転子13,17が取り得る回転角度位置の1つの状態が示されている。
上においても説明したように、図5において、鉄心31の中心線LKは、互いにβ1(=45度)の中心角をなす。永久磁石体41の中心線LTは、互いにβ3(=90度)の中心角をなす。また、図5の状態では、固定子12と回転子13との位相角γ1が22.5度である。
図6において、鉄心31の中心線LKは、互いにβ1(=45度)の中心角をなす。永久磁石体41の中心線LTは、互いにβ3(=90度)の中心角をなす。また、図6に示す状態では、固定子16と回転子17との位相角γ2は0度である。
また、図5において、最上位置にある鉄心31を「YA1」とし、矢印DSの方向に沿って、1つおきに「YA2」「YA3」「YA4」とする。「YA1」の鉄心31の矢印DSの方向に1つ目の鉄心31を「YB1」とし、矢印DSの方向に沿って、1つおきに「YB2」「YB3」「YB4」とする。
図6において、最上位置よりも矢印DSの前方側に配置された鉄心31を「YC1」とし、矢印DSの方向に沿って、1つおきに「YC2」「YC3」「YC4」とする。「YC1」の鉄心31の矢印DSの方向に1つ目の鉄心31を「YD1」とし、矢印DSの方向に沿って、1つおきに「YD2」「YD3」「YD4」とする。
図7において、最上位置にある「YA1」の鉄心31から矢印DSの方向に連続して隣り合う4つの鉄心31を1組の鉄心群とすると、1〜4の4組の鉄心群に区画される。また、各組みの鉄心群について、4つの鉄心31は、矢印DSの方向に、A相、C相、B相、D相ということになる。
すなわち、電動機1M1の鉄心31の8個の捲線32は、矢印DSの円周方向に沿って交互に4個のA相と4個のB相とに区分されている。また、電動機1M2鉄心31の8個の捲線32は、矢印DSの円周方向に沿って交互に4個のC相と4個のD相とに区分されている。
4組の鉄心群に対して同時に、A相、C相、B相、D相の順に捲線32に電流を流して励磁することにより、矢印DSの方向の回転磁界が生じる。つまり、A相、C相、B相、D相の順に移動する回転磁界が形成される。この回転磁界によって、回転子13,17の永久磁石体41が吸引または反発して回転磁界と同じ方向に同期して回転駆動する。A相、C相、B相、D相の1サイクルで回転子13,17は4分の1回転し、4サイクルで1回転する。
また、永久磁石体41と鉄心31との間には、永久磁石体41の磁力による吸引力が作用し、これによってディテントトルク(コギングトルク)が発生する。ディテントトルクの大きさと方向を含むパターンは、電動機1M1および電動機1M2のそれぞれにおいて、隣り合う2つの鉄心31の中心角β1(=45度)ごとに繰り返される。しかし、電動機1M1と電動機1M2とでは配置ずれ角δが22.5度であり、これによって電動機1M1に発生するディテントトルクと電動機1M2に発生するディテントトルクとが互いに打ち消し合い、全体のディテントトルクが大幅に低減されることとなる。
つまり、電動機1M1の回転子13と電動機1M1の回転子17とは、永久磁石体41によるディテントトルクの変化について、互いに逆の位相であるということになり、それぞれのディテントトルクが互いに打ち消し合って、合成されたディテントトルクはゼロになるか、または大幅に低減される。
ディテントトルクが低減されることにより、磁力回転装置1の効率が向上する。例えば、回転子13,17の直径が100mmの磁力回転装置1を用いて試験を行ったところ、電動機1M1または電動機1M2を単独で用いた場合の出力トルクに対し、これらを連結して図に示す磁力回転装置1として用いた場合の出力トルクは、2倍ではなく、2.5〜2.6倍程度に増大した。
このように、第1の実施形態の磁力回転装置1では、A相、C相、B相、D相の4相による回転磁界を、電動機1M1にはA相とB相を、電動機1M2にはC相とD相を、それぞれ担当させ、一体に連結された回転子13,17を回転駆動するように構成される。そして、電動機1M1における回転子13のディテントトルクと電動機1M2における回転子16のディテントトルクとを相殺することにより、全体のディテントトルクを大幅に低減したのである。
なお、上に述べた実施形態において、磁力回転装置1を構成する第1の磁力回転装置1M1と第2の磁力回転装置1M2とを、いずれも電動機1M1,1M2とし、これによって1つの電動機1Mとした。しかし、第1の磁力回転装置1M1と第2の磁力回転装置1M2とのいずれか一方を発電機として磁力回転装置1を電動発電機として構成してもよく、また、両方を発電機としてもよい。いずれの場合も、ディテントトルクが大幅に低減され、効率が向上する。
また、さらに第3、第4の磁力回転装置1M3,1M4を連結して1つの磁力回転装置1としてもよい。
〔第2の実施形態〕
図8には、第2の実施形態の磁力回転装置1Bにおける第2の磁力回転装置1BM2の鉄心と永久磁石体の配置関係が示されている。
すなわち、第2の実施形態の磁力回転装置1Bは、第1の実施形態の磁力回転装置1における第2の磁力回転装置である図6に示す電動機1M2を、図8に示す第2の磁力回転装置1BM2に置き換えたものである。
第2の実施形態において、第2の磁力回転装置1BM2は発電機であり、第2の磁力回転装置1BM2を「発電機1BM2」と記載することがある。つまり、磁力回転装置1Bは、電動機1M1と発電機1BM2とを連結した電動発電機として構成される。
発電機1BM2は、第1の実施形態の電動機1M2と同様に、捲線32を備えたN個(Nは2以上の整数、本実施形態においてN=8である。)の鉄心31が円周方向に沿って等間隔で配置された固定子16Bと、複数の永久磁石体51が円周方向に沿って等間隔で配置されてN個の磁極を有した回転子17Bとを備えている。本実施形態において、8個の鉄心31の中心線LKは、互いにβ1(=45度)の中心角をなす。
発電機1BM2では、固定子16Bの位相角が、図5に示す電動機1M1の固定子12に対してずれることなく、一致した状態に配置されている。つまり、固定子12の中心線LKと固定子16Bの中心線LKとは一致し、固定子12、16Bについての配置位相角β4は0度である。
すなわち、図8に示す発電機1BM2の最上位置にある「YC1」の鉄心31の中心線LKは、垂直線であり、図4における電動機1M1の最上位置にある鉄心31(YA1)の中心線LKと一致している。
また、発電機1BM2において、回転子17Bは、軸方向から見た形状が矩形であって半径方向に沿ってN極とS極の磁極が形成されて配置されたN個、本実施形態においては8個の永久磁石体51を有する。
ここで、8個の永久磁石体51について、隣り合う2つの永久磁石体51,51を1組とする。つまり、図8において、回転子17Bの上部、左部、右部、下部の位置に示されるそれぞれ2つの永久磁石体51,51を1組とする。そうすると、各組の永久磁石体51,51の中央に位置する中心線LTgは、図8に示す状態おいて垂直線または水平線となり、かつ、鉄心31の中心線LKとそれぞれ一致する。そして、隣り合う2つの中心線LTgは、互いにβ3(=90度)の中心角をなす。
発電機1BM2において、4本の中心線(半径線)LTgが、回転子17Bの位相角を示すのに用いられる。
このように、第2の実施形態の磁力回転装置1Bでは、第1の実施形態の磁力回転装置1における第1の磁力回転装置である電動機1M1(図5参照)と、図8に示す第2の磁力回転装置である発電機1BM2とが、図5および図8に示す角度位置関係で連結されており、回転子13,17Bはこの角度位置関係を維持した状態で一体に回転する。
したがって、磁力回転装置1Bにおいて、電動機1M1における固定子12と回転子13との位相角γ1は22.5度であり、発電機1BM2における固定子16Bと回転子17Bとの位相角γ2は0度である。
したがって、磁力回転装置1Bにおいて、図5に示す状態における電動機1M1の固定子12と回転子13との位相角γ1と、図8に示す状態における発電機1BM2の固定子16Bと回転子17Bとの位相角γ2との差である配置ずれ角δ(=γ1−γ2)が、δ=(180/N)度、本実施形態においては22.5度となるように、これら固定子12,16Bおよび回転子13,17Bが配置されていることとなる。
換言すれば、固定子12、16Bの配置位相角β4は0度であり、回転子13,17Bの配置位相角β5は22.5度である。
なお、図8には発電機1BM2におけるA回転子(17Ba)のみが示されているが、図1に示す電動機1M2について説明したように、発電機1BM2はB回転子(17Bb)を有している。発電機1BM2のB回転子(17Bb)は、図8に示すA回転子(17Ba)の構造と基本的に同じであり、相違点は、永久磁石体51の極性がA回転子(17Ba)とは逆である点のみである。
本実施形態では、N=8であり、したがって8極の磁力回転装置1Bということになる。8極の磁力回転装置1Bにおいて、配置ずれ角δが22.5度つまり(180/N)度であるので、これによって電動機1M1に発生するディテントトルクと発電機1BM2に発生するディテントトルクとが互いに打ち消し合い、全体のディテントトルクが大幅に低減されることとなる。これにより、高い効率の磁力回転装置1Bが得られる。
第2の本実施形態の磁力回転装置1Bでは、電動機1M1においてA相とB相の2相による回転磁界を発生させ、これによって回転子13を回転駆動し、回転軸11により連結された発電機1BM2の回転子17Bを回転駆動する。発電機1BM2の捲線32から、2相の交流電力が取り出される。
なお、永久磁石体51について、永久磁石体41の場合と同様に複数の永久磁石を磁極方向に積み重ねて構成してもよい。
〔第3の実施形態〕
図9には、第3の実施形態の磁力回転装置1Cにおける第1の磁力回転装置1CM1の鉄心と永久磁石体の配置関係が示されている。
すなわち、第3の実施形態の磁力回転装置1Cは、第1の実施形態の磁力回転装置1における第1の磁力回転装置である図5に示す電動機1M1を、図9に示す第1の磁力回転装置1CM1に置き換えたものである。
第3の実施形態において、第1の磁力回転装置1CM1は発電機であり、第1の磁力回転装置1CM1を「発電機1CM1」と記載することがある。つまり、磁力回転装置1Cは、発電機1CM1と電動機1M2とを連結した電動発電機機として構成される。
発電機1CM1は、第1の実施形態と同様に捲線32を備えたN個(Nは2以上の整数、本実施形態においてN=8である。)の鉄心31が円周方向に沿って等間隔で配置された固定子12Cと、複数の永久磁石体52が円周方向に沿って等間隔で配置されてN個の磁極を有した回転子13Cとを備えている。本実施形態において、8個の鉄心31の中心線LKは、互いにβ1(=45度)の中心角をなす。
発電機1CM1では、各鉄心31の中心線LKの中心角β1、隣り合う永久磁石体52,52における2本の磁極線LUの中心角β2、隣り合う永久磁石体52,52の中央に位置する中心線LTg同士の中心角β3、および、図9に示す状態における固定子12Cと回転子13Cとの位相角γ1は、図5に示す電動機1M1の場合と同じである。
つまり、発電機1CM1では、固定子12Cの位相角が、図6に示す電動機1M2の固定子16に対してずれることなく、一致した状態に配置されており、固定子12C、16についての配置位相角β4は0度である。
また、発電機1CM1において、回転子13Cは、上に述べた永久磁石体51と同様な8個の永久磁石体52を有する。8個の永久磁石体52は、図9に示す最上位置の永久磁石体52からその左回転方向に隣り合う2つずつの4組について、各組の永久磁石体52,52の中央に位置する中心線LTgは、互いにβ3(=90度)の中心角をなす。
このように、第3の実施形態の磁力回転装置1Cでは、図9に示す第1の磁力回転装置である発電機1CM1と、図6に示す第1の実施形態の磁力回転装置1における第2の磁力回転装置である電動機1M2(図6参照)とが、図9および図6に示す角度位置関係で連結されており、回転子13C,17はこの角度位置関係を維持した状態で一体に回転する。
したがって、磁力回転装置1Cにおいて、発電機1CM1における固定子12Cと回転子13Cとの位相角γ1は22.5度であり、電動機1M2における固定子16と回転子17との位相角γ2は0度である。
したがって、磁力回転装置1Cにおいて、図9に示す状態における発電機1CM1の固定子12Cと回転子13Cとの位相角γ1と、図6に示す状態における電動機1M2の固定子16と回転子17との位相角γ2との差である配置ずれ角δ(=γ1−γ2)が、δ=(180/N)度、本実施形態においては22.5度となるように、これら固定子12C,16および回転子13C,17が配置されていることとなる。
換言すれば、固定子12C、16の配置位相角β4は0度であり、回転子13C,17の配置位相角β5は22.5度である。
なお、図9には発電機1CM1におけるA回転子(13Ca)のみが示されているが、図1に示す電動機1M1について説明したように、B回転子を有している。つまり、発電機1CM1のB回転子は、図9に示すA回転子(13Ca)の構造と基本的に同じであり、永久磁石体52の極性がA回転子とは逆である点のみが異なる。
本実施形態では、N=8であり、したがって8極の磁力回転装置1Cということになる。8極の磁力回転装置1Cにおいて、配置ずれ角δが22.5度つまり(180/N)度であるので、これによって発電機1CM1に発生するディテントトルクと電動機1M2に発生するディテントトルクとが互いに打ち消し合い、全体のディテントトルクが大幅に低減されることとなる。これにより、磁力回転装置1Cの効率が向上する。
第2の本実施形態の磁力回転装置1Cでは、電動機1M2においてC相とD相の2相による回転磁界を発生させ、これによって回転子16を回転駆動し、回転軸11により連結された発電機1CM1の回転子13Cを回転駆動する。発電機1CM1の捲線32から、2相の交流電力が取り出される。
〔第4の実施形態〕
第4の実施形態の磁力回転装置1Dは、特に図には示さないが、図9に示す第1の磁力回転装置1CM1と図8に示す第2の磁力回転装置1BM2とを図に示す角度位置関係で連結したものであり、回転子13C,17Bはこの角度位置関係を維持した状態で一体に回転する。
第1の磁力回転装置1CM1および第2の磁力回転装置1BM2は、いずれも発電機である。つまり、磁力回転装置1Dは、2つの発電機が一体回転するように回転軸11が連結されたダブル発電機である。磁力回転装置1Dは、例えば第1の実施形態の電動機1Mなど、他の適当な回転駆動装置によって回転駆動される。
発電機1CM1、1BM2の捲線32から、2相2組の交流電力が取り出される。
磁力回転装置1Dにおいても、第1の磁力回転装置1CM1と第2の磁力回転装置1BM2とに発生するディテントトルクが互いに打ち消し合い、全体のディテントトルクが大幅に低減されて磁力回転装置1Dの効率が向上する。
また、第1の磁力回転装置1CM1または第2の磁力回転装置1BM2を、電動機として用いることも可能である。
〔制御などに関して〕
〔ダブル電動機における制御〕
次に、磁力回転装置1の制御について説明する。
図1および図11において、回転軸11の回転角度位置を検出するために、フォトインタラプタ61a〜dが設けられている。回転軸11には、遮蔽円板62が取り付けられて一体に回転し、遮蔽円板62の回転角度位置によって、フォトインタラプタ61a〜dがオンオフする。
つまり、フレーム21の端面に対して、取付け板63が、取り付け用の長孔63a,63a…を利用してネジなどにより固定されている。取付け板63には、4個のフォトインタラプタ61a〜dがネジによって取り付けられている。図11に示すように、フォトインタラプタ61a〜dは、左回転方向に沿って、フォトインタラプタ61b,61d,61a,61cの順に、互いに22.5度の等間隔で取り付けられている。
遮蔽円板62には、4つのスリット62S1〜4が、互いに45度の等間隔で設けられ、スリット62S1〜4がフォトインタラプタ61a〜dの位置にきたときに、それに対応したフォトインタラプタ61a〜dがオンする。フォトインタラプタ61a〜dのオンオフ信号に基づいて、回転軸11の回転角度位置、つまり回転子13,17の回転角度位置が検出される。
図11に示す遮蔽円板62では、各スリット62S1〜4の開口部の中心角θ1が22度であり、したがって、フォトインタラプタ61a〜dは、遮蔽円板62の1回転において、4回にわたって角度θ1(=22度)の範囲においてオンする。角度θ1は、22度以外に種々変更し設定することができる。例えば、20度、21度、21.5度、その他の角度に設定することができる。
取付け板63を取り付ける回転角度位置を調整することにより、4個のフォトインタラプタ61a〜dの全体の回転角度位置を調整することができ、これにより、フォトインタラプタ61a〜dがオンするタイミングを調整することができる。つまり、回転子13,17に対してフォトインタラプタ61a〜dがオンする回転角度位置を調整することができる。スリット62S1〜4の周縁部には、スリット62S1〜4とフォトインタラプタ61a〜dとの角度位置関係を確認するための目盛り62Mが設けられている。
なお、取付け板63を取り付けるフォトインタラプタ61a〜dのそれぞれの回転角度位置を、個別に調整できるようにしてもよい。
図11に示す遮蔽円板62のスリット62S1〜4の回転角度位置は、上に述べた図4〜図7に示す回転子13,17の回転角度位置に対応しており、この状態で連結されて一体的に回転する。
図11に示す状態では、最上位置のスリット62S1によってフォトインタラプタ61aがオンを開始し、遮蔽円板62が矢印DSの方向へ角度θ1だけ回転する間、オンが維持される。遮蔽円板62が矢印DSの方向へ22.5度回転すると、次にフォトインタラプタ61cがオンを開始し、その位置からさらに角度θ1だけ回転する間、オンが維持される。そして、遮蔽円板62が矢印DSの方向へ22.5度回転すると、今度は次のスリット62S2によってフォトインタラプタ61b、61dが順次オンとなり、それぞれ角度θ1の範囲においてオンが維持される。
このように、遮蔽円板62の矢印DSの方向への回転により、図11の位置から、フォトインタラプタ61a,61c,61b,61dの順に、それぞれ角度θ1の範囲でオンする。
なお、遮蔽円板62を取り付けた回転角度位置を調整することにより、フォトインタラプタ61a〜dがオンするタイミングを調整することができる。例えば、遮蔽円板62を矢印DSの方向に角度θ3だけ回転させてフォトインタラプタ61aがフォトインタラプタ61aTで示される位置となるようにすると、フォトインタラプタ61a〜dのオンするタイミングは、それぞれ角度θ3だけ遅れる。フォトインタラプタ61a〜dのオンするタイミングを遅らせまたは早くすることにより、電動機1Mの出力トルクを調整することができる。本実施形態では、トルク調整可能な角度θ3の範囲は、9度程度である。
また、遮蔽円板62のスリット62S1〜4の回転角度位置を変更することによって、電動機1Mの回転駆動方向を逆にすることができる。例えば、遮蔽円板62を、図11に示す最上位置のスリット62S1の右端がフォトインタラプタ61aの中央に位置するように調整すると、回転子13,17の回転方向は矢印DSとは逆方向になる。
図12には制御装置71の構成の例が示され、図13には制御装置71による電動機1Mの捲線32の電流のオンオフの制御の様子が示されている。
図12において、制御装置71は、ゲート制御部72およびスイッチング部73を備える。スイッチング部73は、A相スイッチング部73A、C相スイッチング部73C、B相スイッチング部73B、およびD相スイッチング部73Dを有する。
ゲート制御部72は、フォトインタラプタ61a〜dの出力する信号S1a〜dに基づいて、電動機1Mの各捲線32に流す電流をオンオフするためのタイミング信号S2A,S2C,S2B,S2Dを作成する。
つまり、図13に示すように、電動機1Mの永久磁石体41のS極の頂点TP(図4参照)が、各相に対応する鉄心YA,YC,YB,YDの中心にきたときに、またはそれより若干の回転角度を過ぎたときに、対応するスイッチング部73A,73C,73B,73Dがオンするように制御する。そして、それぞれオンした後、当該頂点TPがオン角度θ2だけ回転したときに、それぞれ対応するスイッチング部73A,73C,73B,73Dがオフするように制御する。
ここでのオン角度θ2は、永久磁石体41の形状、配置、負荷の大きさなどによって異なり、最適のオン角度θ2となるように調整される。本実施形態では、θ2=22度(機械角)となるように調整される。
オン角度θ2が22度の場合には、スイッチング部73A,73C,73B,73Dのオンのタイミングは重ならない。オン角度θ2を22度以外の適当な角度とすることも可能である。例えば、20度、21度、21.5度、その他の角度に設定することができる。
また、オン角度θ2を、フォトインタラプタ61a〜dがオンする角度θ1と一致させることができる。つまり、フォトインタラプタ61a〜dがオンする角度θ1とスイッチング部73A,73C,73B,73Dがオンするオン角度θ2とを一致させてもよい。この場合に、ゲート制御部72は、フォトインタラプタ61a〜dの信号S1a〜dのタイミングに合わせて、タイミング信号S2A,S2C,S2B,S2Dを出力すればよい。例えば、フォトインタラプタ61a〜dの信号S1a〜dをそのままタイミング信号S2A,S2C,S2B,S2Dとして出力してもよい。
各相のスイッチング部73A,73C,73B,73Dの出力端子には、それぞれに対応する相の鉄心YA,YC,YB,YDの捲線32が並列に接続されている。各相のスイッチング部73がオンすることにより、捲線32に電流が流れ、対応する鉄心YA〜YDが励磁される。
例えば、永久磁石体41の磁極に対向する鉄心31を、その永久磁石体41の磁極が反発するよう、捲線32に電流を流して磁化する。鉄心31の磁化によって、永久磁石体41の次の磁極が吸引される。
このように、永久磁石体41の磁極との間で反発力または吸引力が生じ、これによって回転トルクが発生し、回転軸11が回転駆動される。
制御装置71には、電源を供給するための端子TB1,2が設けられ、端子TB1,2に直流電源が接続される。直流電源として、例えば、電圧が12ボルト、24ボルト、34ボルト程度、またはそれ以上の電圧の安定化直流電源、またはバッテリーなどを用いることができる。
上に述べた制御例では、頂点TPが鉄心の中心位置にきたと同時に捲線32に電流を流したが、これらのタイミングを前後にずらすことも可能である。
〔電動発電機における電動機の制御〕
次に、磁力回転装置1B,1Cの制御について説明する。
この場合は、電動機1M1または1M2を単体で回転駆動するよう制御することになる。したがって、電動機1M1または1M2の捲線32に対して、A相とB相、またはC相とD相の2相の電流を流すよう制御する。オン角度θ2を22度よりも大きくしてもよい。その他は磁力回転装置1の制御の場合と同様である。
磁力回転装置1B,1Cでは、ディテントトルクが低減されているので、回転速度のムラがなくなり、発電機1BM2,1CM1の出力波形を綺麗な正弦波とすることができる。
なお、制御装置71において、電動機1M1,1M2に出力する電流IA,IB,IC,IDの周期または周波数、大きさなどを可変調整することが可能であり、これにより電動機の回転速度およびパワー(出力)を制御することができる。
〔その他〕
上に実施形態においては、N=8でとして8極の磁力回転装置1,1B,1C,1Dについて説明したが、Nを8以外の整数、例えば、4、6、12などとしてもよい。
その他、回転軸11、固定子12,12C,16,16B、回転子13,13C,17,17B、フレーム21、鉄心31、捲線32、永久磁石体41,51,52、電動機1M1,1M2、発電機1BM2,1CM1、または磁力回転装置1,1B,1C,1Dの各部または全体の構成、構造、形状、個数、配置、方向、極性などは、本発明の主旨に沿って適宜変更することができる。各実施例の構成、構造、形状、個数などを相互に入れ替えて組み合わせてもよい。
1,1B,1C 磁力回転装置
1M1 電動機(第1の磁力回転装置)
1M2 電動機(第2の磁力回転装置)
1BM2 発電機(第2の磁力回転装置)
1CM1 発電機(第1の磁力回転装置)
11 回転軸
12,12C,16,16B 固定子
13,13C,17,17B 回転子
21 フレーム
31 鉄心
32 捲線
41,51,52 永久磁石体
71 制御装置
γ1,γ2 位相角
δ 配置ずれ角
LU 磁極線
LT,LTg 中心線
LK 中心線
θ1 スリットの中心角
θ2 オン角度

Claims (14)

  1. 第1の磁力回転装置と第2の磁力回転装置とが互いに連結されて構成され、
    前記第1の磁力回転装置および前記第2の磁力回転装置は、それぞれ、
    捲線を備えたN個(Nは2以上の整数)の鉄心が円周方向に沿って等間隔で配置された固定子と、複数の永久磁石体が円周方向に沿って等間隔で配置されてN個の磁極を有した回転子と、を備えており、
    前記第1の磁力回転装置における前記固定子と前記回転子との位相角と、前記第2の磁力回転装置における前記固定子と前記回転子との位相角との差である配置ずれ角が、(180/N)度となるように、前記固定子および前記回転子が配置されてなる、
    ことを特徴とする磁力回転装置。
  2. 前記第1の磁力回転装置および前記第2の磁力回転装置において、それぞれの前記回転子は、軸方向から見た形状が矩形であって円周の接線方向に沿ってN極とS極の磁極が形成されて配置された(N/2)個の前記永久磁石体を有する、
    請求項1記載の磁力回転装置。
  3. 前記永久磁石体のそれぞれにおいて、外側の2つの角部による中心角は(360/N)度である、
    請求項2記載の磁力回転装置。
  4. 前記永久磁石体は、板状の複数の永久磁石が磁極方向に積み重ねられて構成されている、
    請求項2または3記載の磁力回転装置。
  5. 前記第1の磁力回転装置または前記第2の磁力回転装置において、前記回転子は、軸方向から見た形状が矩形であって半径方向に沿ってN極とS極の磁極が形成されて配置されたN個の前記永久磁石体を有する、
    請求項1記載の磁力回転装置。
  6. 前記第1の磁力回転装置の前記固定子と前記第2の磁力回転装置の前記固定子とは(180/N)度の位相角で配置されており、
    前記第1の磁力回転装置の前記回転子と前記第2の磁力回転装置の前記回転子とは0度の位相角で配置されている、
    請求項1ないし5のいずれかに記載の磁力回転装置。
  7. 前記第1の磁力回転装置の前記固定子と前記第2の磁力回転装置の前記固定子とは0度の位相角で配置されており、
    前記第1の磁力回転装置の前記回転子と前記第2の磁力回転装置の前記回転子とは(180/N)度の位相角で配置されている、
    請求項1ないし5のいずれかに記載の磁力回転装置。
  8. 前記第1の磁力回転装置および前記第2の磁力回転装置において、それぞれ8個の前記鉄心が円周方向に沿って配置され、
    前記配置ずれ角は22度ないし24度である、
    請求項1ないし7のいずれかに記載の磁力回転装置。
  9. 前記第1の磁力回転装置の前記鉄心の8個の前記捲線は、円周方向に沿って交互に4個のA相と4個のB相とに区分され、
    前記第2の磁力回転装置の前記鉄心の8個の前記捲線は、円周方向に沿って交互に4個のC相と4個のD相とに区分され、
    前記第1の磁力回転装置および前記第2の磁力回転装置の前記固定子に、A相、C相、B相、D相の順に移動する回転磁界が形成されるよう、前記捲線に電流が供給される、
    請求項8記載の磁力回転装置。
  10. 前記第1の磁力回転装置または前記第2の磁力回転装置において、
    前記固定子として、中央部に胴部をその両端に脚部を有し両側の端面が回転の中心方向を向いた形状の鉄心が用いられ、
    前記回転子として、前記鉄心の一方の端面に対向して回転するA回転子および他方の端面に対向して回転するB回転子の2つの前記回転子を備え、
    前記A回転子の前記永久磁石体と前記B回転子の前記永久磁石体とは、互いに同じ位相角で配置され、かつ、磁極の極性が互いに逆である、
    請求項1ないし9のいずれかに記載の磁力回転装置。
  11. 前記第1の磁力回転装置と前記第2の磁力回転装置とにおいて、前記固定子がずれて配置される位相角と回転子がずれて配置される位相角との和が、配置位相角である(180/N)度となっている、
    請求項1ないし10のいずれかに記載の磁力回転装置。
  12. 前記第1の磁力回転装置および前記第2の磁力回転装置は、いずれも電動機である、
    請求項1ないし11のいずれかに記載の磁力回転装置。
  13. 前記第1の磁力回転装置は電動機であり、前記第2の磁力回転装置は発電機である、
    請求項1ないし12のいずれかに記載の磁力回転装置。
  14. 前記第1の磁力回転装置および前記第2の磁力回転装置は、いずれも発電機である、
    請求項1ないし12のいずれかに記載の磁力回転装置。
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