JP2017143173A - 超電導コイルの製造装置及びその製造方法並びに超電導コイル - Google Patents

超電導コイルの製造装置及びその製造方法並びに超電導コイル Download PDF

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Abstract

【課題】超電導コイルの外径寸法を、絶縁物を用いて設計値に適合させる場合に、超電導コイル内部の絶縁物量が不均一になっても、超電導コイル冷却時の熱応力の増大を抑制して超電導コイルの劣化を防止できる。【解決手段】薄膜超電導テープ線1間に絶縁テープ11を介在させる状態で薄膜超電導テープ線を巻き回し、絶縁性の樹脂を含浸して超電導コイル13を製造する超電導コイルの製造装置10において、薄膜超電導テープ線を巻枠19に巻き回して形成される巻線部12の外形寸法を巻線部の形成中に測定する測定手段16と、巻線部の形成過程で薄膜超電導テープ線間に、樹脂に対して接着力が低下する離形処理を施した離形テープ14を供給する供給手段17と、測定手段により測定された巻線部の外形寸法が設計値未満の場合に供給手段を動作させて、離形テープを薄膜超電導テープ間に供給して巻線部の外形寸法を調整する制御手段18と、を有する。【選択図】図1

Description

本発明は、薄膜で多層構造の超電導線材を巻き回して超電導コイルを製造する超電導コイルの製造装置及びその製造方法、並びに超電導コイルに関する。
磁気共鳴画像診断装置(MRI)や核磁気共鳴分光装置(NMR)などは、空間的に非常に均一な磁場空間(不均一性数ppm以下)が必要である。この均一磁場が超電導コイルの位置や電流密度の影響を強く受けるため、超電導コイルの外径寸法は0.2mm以下の公差になるように製作する必要がある。超電導線材を巻き回してなる超電導コイルの場合、超電導線材の厚さ寸法の公差が0.01mm程度以上であるため、通常の巻線方法では、上記0.2mm以下の公差を実現することは難しい。そのため、光学透過式センサにより超電導コイルの外周寸法を測定し、超電導線材に絶縁テープや絶縁性の樹脂を追加するなどして、巻き回される線材の厚さを調整することで、超電導コイルの外径を調整する方法などが知られている。
特許第5732556号公報 特開2010−267835号公報
B.J.Parkinson,R.Slade,M.J.D.Mallett, and V. Chamritski,"Development of a Cryogen Free 1.5 T YBCO HTS Magnet for MRI," IEEE Trans.Appl.Supercond.,vol.23, no.3,2013.
しかしながら、超電導線材を含み巻き回される線材の厚さを調整するために、絶縁テープや樹脂の分量を制御すると、超電導コイル内部で絶縁物の量が不均一になってしまう。このため、超電導コイル冷却時の熱応力が大きくなって、超電導コイルが劣化する恐れがある。
本発明の目的は、上述の事情を考慮してなされたものであり、超電導コイルの外径寸法を、絶縁物を用いて設計値に適合させる場合に、超電導コイル内部の絶縁物量が不均一になっても、超電導コイル冷却時の熱応力の増大を抑制して超電導コイルの劣化を防止できる超電導コイルの製造装置及びその製造方法並びに超電導コイルを提供することにある。
本発明に係る超電導コイルの製造装置は、薄膜で且つ多層構造の超電導線材間に絶縁材を介在させる状態で前記超電導線材を巻き回し、絶縁性の樹脂を含浸して超電導コイルを製造する超電導コイルの製造装置において、前記超電導線材を巻枠に巻き回して形成される巻線部の外径寸法を前記巻線部の形成中に測定する測定手段と、前記巻線部の形成過程で前記超電導線材間に、前記樹脂に対して接着力が低下する離形処理を施した離形絶縁材を供給する供給手段と、前記測定手段により測定された前記巻線部の外径寸法が設計値未満の場合に前記供給手段を動作させて、前記離形絶縁材を前記超電導線材間に供給して前記巻線部の外径寸法を調整する制御手段と、を有することを特徴とするものである。
また、本発明に係る超電導コイルの製造方法は、薄膜で且つ多層構造の超電導線材間に絶縁材を介在させる状態で前記超電導線材を巻き回し、絶縁性の樹脂を含浸して超電導コイルを製造する超電導コイルの製造方法において、前記超電導線材を巻枠に巻き回して形成される巻線部の外径寸法を前記巻線部の形成中に測定し、この測定された前記巻線部の外径寸法が設計値未満の場合に、前記樹脂に対して接着力が低下する離形処理を施した離形絶縁材を、前記巻線部の形成過程で前記超電導線材間に供給して前記巻線部の外径寸法を調整することを特徴とするものである。
更に、本発明に係る超電導コイルは、薄膜で且つ多層構造の超電導線材間に絶縁材が介在された状態で前記超電導線材が巻き回された巻線部を有し、この巻線部に絶縁性の樹脂が含浸されて構成された超電導コイルにおいて、前記巻線部の前記超電導線材間に、前記樹脂に対して接着力が低下する離形処理を施した離形絶縁材が配置されることで、前記巻線部の外径寸法が調整されて構成されたことを特徴とするものである。
本発明によれば、巻線部の形成中に測定された巻線部の外径寸法が設計値未満の場合に、巻線部を形成するために巻き回される超電導線材間に離形絶縁材を供給して、巻線部の外径寸法を設計値に適合させるので、製造される超電導コイルの電流密度が均一になり、超電導コイルは均一な磁場を発生できる。
また、巻線部を形成するために巻き回される超電導線材間に離形絶縁材が供給されて、製造される超電導コイルの内部で絶縁物の量が不均一になっても、離形絶縁材は、樹脂との接着力が低いことから、超電導コイルが冷却時に縮径しても樹脂に対して移動できる。このため、離形絶縁材を境に、巻き回された超電導線材間で力の伝達がなされず、従って、超電導コイルにおいて熱応力の増大を抑制できるので、超電導コイルの劣化を防止できる。
本発明に係る超電導コイルの製造装置における第1実施形態を示す構成図。 図1の薄膜超電導テープ線の構成を示す斜視図。 本発明に係る超電導コイルの製造装置における第2実施形態を示す構成図。 本発明に係る超電導コイルの製造装置における第3実施形態を示す構成図。 本発明に係る超電導コイルの製造装置における第3実施形態の他の形態を示す構成図。
以下、本発明を実施するための実施形態を図面に基づき説明する。
[A]第1実施形態(図1、図2)
図1は、本発明に係る超電導コイルの製造装置における第1実施形態を示す構成図である。この図1に示す超電導コイルの製造装置10は、超電導線材としての薄膜超電導テープ線1間に絶縁材としての絶縁テープ11が介在された状態で薄膜超電導テープ線1が巻き回された巻線部12を備え、この巻線部12に絶縁性の樹脂(不図示)が含浸された超電導コイル13であって、巻線部12の薄膜超電導テープ線1間に離形絶縁材としての離形テープ14が配置されることで巻線部12の外形寸法が調整された超電導コイル13を製造するものである。
そして、この超電導コイルの製造装置10は、巻線部12を形成する巻取手段15と、巻線部12の外形寸法を測定する測定手段16と、離形テープ14を供給する供給手段17と、この供給手段17を制御する制御手段18と、絶縁性の樹脂を含浸する含浸手段(不図示)とを有して構成される。
ここで、薄膜超電導テープ線1は、図2に示すように薄膜で且つ多層構造に構成され、少なくともテープ基板2と中間層3と超電導層4とを有し、薄膜超電導テープ線1の両面が安定化層5で被覆されて構成される。また、必要に応じて、テープ基板2と中間層3との間に配向層6が、超電導層4と安定化層5との間に保護層7がそれぞれ設けられてもよい。このような多層構造の薄膜超電導テープ線1の寸法は、例えば幅10mm、厚さ0.1mmに形成される。
テープ基板2は、例えば、ステンレス鋼、ハステロイ等のニッケル合金、銀合金等の材質で形成される。また、中間層3は拡散防止層であり、例えば、酸化セリウム、YSZ、酸化マグネシウム、酸化イットリウム、酸化イッテルビウム、バリウムジルコニアなどの材質からなり、テープ基板1上に形成される。
超電導層4は、例えば、RE123系の組成(RE1B2C3O7等)を有する超電導体薄膜からなる。なお、「RE1B2C3O7」の「RE」は希土類元素(例えば、ネオジム(Nd)、ガドリニウム(Gd)、ホルミニウム(Ho)、サマリウム(Sm)等)及びイットリウム元素の少なくともいずれかを、「B」はバリウム(Ba)を、「C」は銅(Cu)を、「O」は酸素(O)を意味している。
安定化層5は、超電導層4が超電導から常電導に移転した場合において、超電導層4から電流をバイパスして安定して電流を流すことができることを目的として設けられ、導電性の銀等から形成される。また、配向層6は、テープ基板2上に中間層3を配向させて形成する目的で設けられ、酸化マグネシウム(MgO)等から形成される。なお、配向した基板テープ2を用いる場合には、この配向層6を省略することが可能である。
保護層7は、超電導層4が空気中の水分に触れて劣化するのを防止する等の目的で設けられ、銀等から形成される。なお、保護層7も超電導層4が超電導から常電導に移転した場合において、超電導層4から電流をバイパスする役割も果たす。
図1に示す巻取手段15は、FRP(繊維強化プラスチック)等の絶縁物からなる巻枠19に薄膜超電導テープ線1と例えば絶縁テープ11とを巻き回して、薄膜超電導テープ線1間に絶縁テープ11が介在された状態で巻線部12を形成する。この巻線部12の形成は、薄膜超電導テープ線1と絶縁テープ11との共巻きのほか、薄膜超電導テープ線1の表面に絶縁テープ11が螺旋状に巻き付けられた複合テープ線を巻枠19に巻き回して形成してもよく、また、薄膜超電導テープ線1の表面に絶縁材がコーティングされたコーティングテープ線を巻枠19に巻き回して形成してもよい。これらの複合テープ線やコーティングテープ線が巻枠19に巻き回されて巻線部12が形成される場合にも、薄膜超電導テープ線1間に絶縁材(例えば絶縁テープ11)が介在される。
測定手段16は、薄膜超電導テープ線1を絶縁テープ11と共に巻枠19に巻き回して形成される巻線部12の外形寸法、または複合テープ線もしくはコーティングテープ線を巻枠19に巻き回して形成される巻線部12の外形寸法を、この巻線部12の形成中に測定する。測定手段16により測定される巻線部12の外形寸法は、巻枠19の外周面から巻線部12の外周面までの巻線部12の厚さであってもよく、または、巻枠19の中心から巻線部12の外周面までの距離(半径)であってもよい。
供給手段17は、巻取手段15による巻線部12の形成過程で、薄膜超電導テープ線1間に離形テープ14を供給して配置させるものである。この離形テープ14は、含浸される樹脂に対して、薄膜超電導テープ線1や絶縁テープ11よりも接着力が低下する離形処理を施したテープ状の絶縁材である。具体的には、この離形テープ14は、フッ素樹脂、パラフィン、グリース、シリコンオイルからなる群より選ばれた少なくとも1種が離形材として接着もしくは塗布されたテープ状の絶縁物である。
この離形テープ14は、巻取手段15が薄膜超電導テープ線1と絶縁テープ11とを共巻きして巻線部15を形成する場合には、薄膜超電導テープ線1の表面に設置され、巻取手段15が複合テープ線またはコーティングテープ線を巻き回して巻線部12を形成する場合には、複合テープ線またはコーティングテープ線の表面(つまり、絶縁テープ11または絶縁材の表面)に設置される。
制御手段18は、巻線部12の形成中に測定手段16により測定された巻線部12の外形寸法を、その測定時点での巻線部12の外形寸法の設計値と比較する。制御手段18は、測定された巻線部12の外形寸法が上記設計値未満であるときに、供給手段17を作動させて離形テープ14を薄膜超電導テープ線1、複合テープ線またはコーティングテープ線の表面に設置する。これにより、巻線部12の薄膜超電導テープ線1間に離形テープ14が供給されて配置され、巻線部12の外形寸法が設計値と適合するように調整される。
含浸手段は、所謂塗込み含浸または真空含浸を実施する手段である。塗込み含浸は、巻取手段15が薄膜超電導テープ線1及び絶縁テープ11(または複合テープ線もしくはコーティングテープ線)を巻枠19に巻き回して巻線部12を形成する過程で、薄膜超電導テープ線1と絶縁テープ11の例えば同一の片側面(または複合テープ線もしくはフィッティングテープ線の片側面)に、絶縁性の樹脂(例えばエポキシ樹脂)を塗布することでなされる含浸である。また、真空含浸は、巻取手段15、測定手段16、供給手段17及び制御手段18の動作により巻き回されて薄膜超電導テープ線1に離形テープ14が適宜配置された巻線部12の隙間に、真空中で絶縁性の樹脂を流入させた後に硬化させることでなされる含浸である。
以上のように構成されたことから、本第1実施形態によれば、次の効果(1)および(2)を奏する。
(1)制御手段18は、薄膜超電導テープ線1の厚さ寸法の公差の影響で、巻取手段15による巻線部12の形成中に測定手段16により測定された巻線部12の外形寸法が、その測定時点での巻線部12の外形寸法の設計値未満である場合に、供給手段17を動作させて、巻線部12を形成するために巻き回される薄膜超電導テープ線1間に離形テープ14を供給して配置し、巻線部12の外形寸法を調整する。これにより、巻線部12の外形寸法を設計値に適合させることができるので、製造される超電導コイル13の電流密度が均一になり、この超電導コイル13は均一な磁場を発生することができる。
(2)制御手段18が供給手段17の動作を制御することで、巻線部12を形成するために巻き回される薄膜超電導テープ線1間に離形テープ14が供給されて配置される。これにより、製造される超電導コイル13の内部で絶縁物の量が不均一になっても、離形テープ14は、含浸された樹脂との接着力が低いことから、超電導コイル13が冷却時に縮径しても上記樹脂に対して移動できる。この結果、超電導コイル13において、離形テープ14を境に、巻き回された薄膜超電導テープ線1間で力の伝達がなされず、従って、超電導コイル13における熱応力の増大を抑制できるので、超電導コイル13の劣化を防止できる。
[B]第2実施形態(図3)
図3は、本発明に係る超電導コイルの製造装置における第2実施形態を示す構成図である。この第2実施形態において、第1実施形態と同様な部分については、同一の符号を付すことにより説明を簡略化し、または省略する。
本第2実施形態の超電導コイルの製造装置20が第1実施形態と異なる点は、離形絶縁材としての離形テープ21が、その組成を図1に示した離形テープ14と同一としつつも、その厚さを薄膜超電導テープ線1の厚さ以下とする、または厚さが相違する離形テープ21を複数用意して測定手段16により測定された巻線部12の外形寸法と設計値との差に応じて選択された厚さの離形テープ21とするように設定された点であり、更に、この離形テープ21が巻線部12の半径方向の複数箇所に分散して配置されることで、巻線部12の外形寸法が調整された点である。
つまり、制御手段18は、巻取手段15による巻線部12の形成過程で測定手段16により測定された巻線部12の外形寸法が、その測定時点における巻線部12の外形寸法の設計値未満であった場合に、巻線部12の外形寸法を上記設計値に適合させるために必要な離形テープ21の供給量を一度に連続して供給させるのではなく、分散して断続的に供給させるように供給手段17を制御する。従って、巻線部12において、離形テープ21が巻線部12の半径方向の複数箇所に分散して配置されることになり、これにより、巻線部12の外形寸法が設計値に適合するように調整される。
以上のように構成されたことから、本第2実施形態によれば、第1実施形態の効果(1)及び(2)と同様な効果を奏するほか、次の効果(3)及び(4)を奏する。
(3)離形テープ21の厚さが薄膜超電導テープ線1の厚さ以下に設定されたので、巻線部12の内部に離形テープ21が配置された後、この離形テープ21の上に薄膜超電導テープ線1が巻き回される際に、この薄膜超電導テープ線1に生ずる段差を小さくできる。このため、離形テープ11が配置された巻線部12における薄膜超電導テープ線1の巻線部12における半径方向位置、つまりこの巻線部12を備えた超電導コイル13における薄膜超電導テープ線1の超電導コイル13半径方向の位置を略設計値の位置に保持できる。この結果、この超電導コイル13に均一の磁場を発生させることができる。
(4)巻線部12の外形寸法を調整するために必要な量の離形テープ21が、巻線部12の半径方向の複数箇所に分散して配置されたので、この場合においても、巻線部12における各薄膜超電導テープ線1の巻線部12における半径方向位置を略設計値に保持できる。この結果、この巻線部12を備えた超電導コイル13における薄膜超電導テープ線1の超電導コイル13における半径方向位置が略設計値の位置に保持されて、この超電導コイル13に均一の磁場を発生させることができる。
[C]第3実施形態(図4、図5)
図4は、本発明に係る超電導コイルの製造装置における第3実施形態を示す構成図である。また、図5は、本発明に係る超電導コイルの製造装置における第3実施形態の他の形態を示す構成図である。この第3実施形態において、第1及び第2実施形態と同様な部分については、同一の符号を付すことにより説明を簡略化し、または省略する。
本第3実施形態の超電導コイルの製造装置30が第1及び第2実施形態と異なる点は、巻線部12の外形寸法を測定する測定手段16が、図4に示す接触式の第1寸法測定器31、または図5に示す第2寸法測定器32である点である。これらの第1及び第2寸法測定器31及び32は、共に、巻線部12の形成過程でこの巻線部12の外周面33に接触して、巻線部12の外形寸法を測定するものである。
このうち、第1寸法測定器31は、測定時に巻線部12の外周面33に当接して、巻線部12に対して1軸方向(巻線部12の半径方向)に変化することで、巻線部12の外形寸法(巻枠19の外周面から巻線部12の外周面33までの距離)を測定するものである。この第1寸法測定器31は、非測定時には巻線部12の外周面33から離反する。
また、第2寸法測定器32は、転動自在なローラ部34を巻線部12の外周面33に常時押し当て、このローラ部34が巻線部12の半径方向に変位することで、巻線部12の外形寸法(巻枠19の外周面から巻線部12の外周面33までの距離)を連続的に測定する。また、このローラ部34を備えた第2寸法測定器32は、製造時に巻線部12が回転することで、この巻線部12の外周寸法をローラ部34の回転量から計測し、この外周寸法から巻線部12の外形寸法(巻枠19の中心位置から巻線部12の外周面33までの距離:半径)を演算により測定してもよい。
以上のように構成されたことから、本第3実施形態においても、第1及び第2実施形態の効果(1)〜(4)と同様な効果を奏するほか、次の効果(5)を奏する。
(5)第1寸法測定器31及び第2寸法測定器32は、巻線部12の外周面33と接触してこの巻線部12の外形寸法を測定するので、レーザ等を用いた非接触式の寸法測定器ではレーザの反射によって測定精度が低下するが、このような測定精度の低下を招くことがない。
また、巻線部12の形成過程で含浸手段によって薄膜超電導テープ線1の表面等に絶縁性の樹脂を塗布する塗込み含浸がなされる場合には、非接触式の寸法測定器では測定が困難である。即ち、非接触式の寸法測定器では、樹脂が塗布された直後の樹脂の厚さを含む巻線部12の外形寸法を測定することになるからである。これに対して、接触式の第1及び第2寸法測定器31及び32では、これらの寸法測定器31及び32が、巻線部12の外周面33を押圧することで余剰の樹脂を押し出しながら測定することになるので、巻線部12の外形寸法を正確に測定することができる。
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができ、また、それらの置き換えや変更は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1…薄膜超電導テープ線(超電導線材)、10…超電導コイルの製造装置、11…絶縁テープ(絶縁材)、12…巻線部、13…超電導コイル、14…離形テープ(離形絶縁材)16…測定手段、17…供給手段、18…制御手段、19…巻枠、20…超電導コイルの製造装置、21…離形テープ(離形絶縁材)、30…超電導コイルの製造装置、31…第1寸法測定器、32…第2寸法測定器、33…外周面。

Claims (14)

  1. 薄膜で且つ多層構造の超電導線材間に絶縁材を介在させる状態で前記超電導線材を巻き回し、絶縁性の樹脂を含浸して超電導コイルを製造する超電導コイルの製造装置において、
    前記超電導線材を巻枠に巻き回して形成される巻線部の外径寸法を前記巻線部の形成中に測定する測定手段と、
    前記巻線部の形成過程で前記超電導線材間に、前記樹脂に対して接着力が低下する離形処理を施した離形絶縁材を供給する供給手段と、
    前記測定手段により測定された前記巻線部の外径寸法が設計値未満の場合に前記供給手段を動作させて、前記離形絶縁材を前記超電導線材間に供給して前記巻線部の外径寸法を調整する制御手段と、を有することを特徴とする超電導コイルの製造装置。
  2. 前記離形絶縁材は、フッ素樹脂、パラフィン、グリース、シリコンオイルからなる群より選ばれた少なくとも一種を離形材として接着もしくは塗布した絶縁物であることを特徴とする請求項1に記載の超電導コイルの製造装置。
  3. 前記離形絶縁材の厚さが、超電導線材の厚さ以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の超電導コイルの製造装置。
  4. 前記離形絶縁材は、その厚さが複数設定され、前記測定手段により測定された前記巻線部の外径寸法と設計値との差に応じて選択された厚さの前記離形絶縁材であることを特徴とする請求項1または2に記載の超電導コイルの製造装置。
  5. 前記制御手段は、離形絶縁材を巻線部の半径方向の複数箇所に分散して配置させるように供給手段を制御することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の超電導コイルの製造装置。
  6. 前記超電導線材が、薄膜超電導テープ線であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の超電導コイルの製造装置。
  7. 前記測定手段は、巻線部の外周に接触して前記巻線部の外径寸法を測定する接触式の寸法測定器であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の超電導コイルの製造装置。
  8. 薄膜で且つ多層構造の超電導線材間に絶縁材を介在させる状態で前記超電導線材を巻き回し、絶縁性の樹脂を含浸して超電導コイルを製造する超電導コイルの製造方法において、
    前記超電導線材を巻枠に巻き回して形成される巻線部の外径寸法を前記巻線部の形成中に測定し、
    この測定された前記巻線部の外径寸法が設計値未満の場合に、前記樹脂に対して接着力が低下する離形処理を施した離形絶縁材を、前記巻線部の形成過程で前記超電導線材間に供給して前記巻線部の外径寸法を調整することを特徴とする超電導コイルの製造方法。
  9. 前記離形絶縁材は、フッ素樹脂、パラフィン、グリース、シリコンオイルからなる群より選ばれた少なくとも一種を離形材として接着もしくは塗布した絶縁物であることを特徴とする請求項8に記載の超電導コイルの製造方法。
  10. 前記離形絶縁材は、巻線部の半径方向の複数箇所に分散して配置されるように、前記巻線部の形成過程で超電導線材間に供給されることを特徴とする請求項8または9に記載の超電導コイルの製造方法。
  11. 薄膜で且つ多層構造の超電導線材間に絶縁材が介在された状態で前記超電導線材が巻き回された巻線部を有し、この巻線部に絶縁性の樹脂が含浸されて構成された超電導コイルにおいて、
    前記巻線部の前記超電導線材間に、前記樹脂に対して接着力が低下する離形処理を施した離形絶縁材が配置されることで、前記巻線部の外径寸法が調整されて構成されたことを特徴とする超電導コイル。
  12. 前記離形絶縁材は、フッ素樹脂、パラフィン、グリース、シリコンオイルからなる群より選ばれた少なくとも一種を離形材として接着もしくは塗布した絶縁物であることを特徴とする請求項11に記載の超電導コイル。
  13. 前記離形絶縁材は、前記巻線部の外径寸法と設計値との差に応じて複数の厚さから選択された厚さの前記離形絶縁材であることを特徴とする請求項11または12に記載の超電導コイル。
  14. 前記離形絶縁材が、巻線部の半径方向の複数箇所に分散して配置されたことを特徴とする請求項11乃至13のいずれか1項に記載の超電導コイル。
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