JP2017141119A - 水中不分離性コンクリート組成物およびその硬化体 - Google Patents

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Abstract

【課題】流動性と水中不分離性の両者を同時に満足できる、新規な水中不分離性コンクリート組成物の提供。【解決手段】本発明による水中不分離性コンクリート組成物は、セメントと、ガラクトマンナンからなる増粘剤とを含む。前記ガラクトマンナンのマンノース/ガラクトース比が4を超えるものである。また、本発明による水中不分離性コンクリート硬化体は前記組成物を硬化してえられるものである。さらに本発明による水中不分離性コンクリート組成物用添加剤は、前記ガラクトマンナンと消泡性成分とを含むものである。【選択図】なし

Description

本発明は、水中不分離性コンクリート組成物およびその硬化体に関する。
通常、海岸、海洋、港湾または河川に橋(橋脚)や防波堤等を建設する場合、土木建築工事において水中に直接コンクリートを打設することとなる。しかし、その際にセメント成分が水により洗い流されることでコンクリート構造体の強度低下を招くことがある。そのため施工には、メチルセルロース系、アクリル系およびガム系などの増粘剤をコンクリートに混和した、水中不分離性コンクリート組成物が用いられる。
そのような水中不分離性コンクリート組成物として、特許文献1にはセルロースエーテル、デュータンガム、ポリアクリルアミドおよびベントナイトを含有する増粘剤を含有する水中不分離性コンクリート組成物が提案されている。また、特許文献2には、水中で使用することを目的とした、膨張材、増粘剤および減水剤を含む水中グラウト用セメント組成物が提案されている。この引用文献2には、増粘剤の例として、セルロース系、エチレンオキサイド系、アクリル系、ポリビニルアルコール系の増粘剤が挙げられている。
水中不分離性コンクリートに使用する水中不分離性混和剤に用いられる増粘剤としては、セルロース系、アクリル系、ガム系のものが代表的なものである。これらの水中不分離性混和剤を使用することにより、材料分離防止効果やセルフレベリング効果が発揮され、水中においてもセメント粒子が分離分散せず、自己充填性が得られるため、施工性が確保できる。そして、これらの増粘剤の中でもガム系の増粘剤は混和剤の添加がコンクリートの流動性に及ぼす影響が小さいことから,自己充填型のコンクリートの製造が容易にできる特徴がある。
しかしながら、ガム系増粘剤として知られているガラクトマンナン系増粘剤を水中不分離性コンクリートに適用した場合、水中不分散性が不足する傾向にあり、流動性と水中不分離性の両者を満足することが難しい。従来使用されているガラクトマンナン系の増粘剤としては、グアガムが一般的であるが、グアガムは、上記の理由により水中不分離用コンクリートとして使用される実例はほとんど報告されていない(特許文献3)。
特開2014−37329号公報 特開平07−138055号公報 特開平06−135750号公報
このような背景のもと、本発明は、ガラクトマンナン系増粘剤を用いながら、流動性と水中不分離性の両者を同時に満足できる、新規な水中不分離性コンクリート組成物を提供するものである。
また、本発明は、上記水中不分離性コンクリート組成物を硬化して得られる、水中不分離性コンクリート硬化体を提供するものである。
本発明の一態様によれば、セメントと、ガラクトマンナンからなる増粘剤とを含み、前記ガラクトマンナンのマンノース/ガラクトース比が4を超えるものであることを特徴とする水中不分離性コンクリート組成物が提供される。
本発明の他の態様によれば、前記水中不分離性コンクリート組成物を硬化して得られることを特徴とする、水中不分離性コンクリート硬化体が提供される。
本発明の他の態様によれば、ガラクトマンナンと消泡性成分とを含み、前記ガラクトマンナンのマンノース/ガラクトース比が4を超えるものであることを特徴とする、水中不分離性コンクリート組成物用添加剤が提供される。
本発明による水中不分離性コンクリート組成物は、流動性と水中不分離性とを同時に満足することができるものである。したがって、本発明による水中不分離性コンクリート組成物は、十分な流動性を有するので水中に形成された型枠内に容易に充填することが可能であり、充填された組成物は水中で分離分散しにくいため、水中環境に依存せずに所望の硬化体を得ることができる。また、本発明による水中不分離性コンクリート組成物を硬化して得られる水中不分離性コンクリート硬化体は、形成時に水中環境の影響が小さいために、設計通りの形状とすることが容易であるため、海岸、海洋、港湾または河川に橋(橋脚)や防波堤等を建設する際に好適に使用することができる。
本明細書において「水中不分離性コンクリート」とは、増粘剤等を混和することにより、水中での材料分離抵抗を高めた水中コンクリートをいう。なお、本明細書において「水中不分離性コンクリート組成物」(以下、単に「組成物」ということがある)とは、硬化前の水中不分離性コンクリートの組成物を意味し、一方、「水中不分離性コンクリート硬化体」(以下、単に「硬化体」ということがある)とは、水中不分離性コンクリート組成物を硬化させたものを意味する。
本発明の内容について、以下に詳細に説明する。
<水中不分離性コンクリート組成物>
本発明による水中不分離性コンクリート組成物は、セメントと、ガラクトマンナンからなる増粘剤と、必要に応じてその他の成分を含むものである。以下、各構成要素について、以下にそれぞれ説明する。なお、本明細書において、「単位量(kg/m)」とは、1mのコンクリートを作製するときに用いる各原料の使用量を意味する。
[セメント]
本発明に用いるセメントとしては、種々のものを使用することができ、例えば、ポルトランドセメントや混合セメントなどを使用することができる。そのようなポルトランドセメントとしては、例えば、普通、早強、超早強、低熱及び中庸熱等の各種ポルトランドセメントが挙げられる。混合セメントとしては、例えば、フライアッシュ、高炉スラグ、シリカフューム又は石灰石微粉末等が混合された各種の混合セメントが挙げられる。また、上記以外のセメントとしては、速硬性を有しない普通セメントタイプのエコセメントなどが挙げられる。これらのセメントは、いずれか1種を選択して使用することもできるが、2種以上のセメントを組み合わせて使用してもよい。
本発明による組成物中のセメントの配合量は、使用するセメントの種類および単位水量によって適宜設定することができるが、単位量で300〜550kg/mであることが好ましい。
[増粘剤]
本発明による組成物は、ガラクトマンナンからなる増粘剤を含んでいる。ガラクトマンナンはマンノースからなる直線状主鎖に、側鎖としてガラクトースが結合したユニットから構成される多糖類である。天然物としてマメ科植物の種子の胚乳から得ることができる。ガラクトマンナンは、種々の植物から採取されるが、植物の種類に応じてマンノースとガラクトースとの割合が変化する。例えば、グアーの種子から得られる天然多糖類はグアガムと呼ばれるが、グアガムにおける主鎖マンノースと側鎖ガラクトースの比率は、2:1となっている。その他、一般に知られているガラクトマンナンにはマンノースとガラクトースの比が3:1であるタラガム、4:1であるローカストビーンガムがある。
本発明において用いられるガラクトマンナンは、ガラクトースに対するマンノースの比、すなわちマンノース/ガラクトース比が4を超えるものである。このようなガラクトマンナンのうち、好ましいものとして、マンノース/ガラクトース比が5であるものである。このようなガラクトマンナンとして、エビスグサモドキの種子を粉砕して得られた、多糖類を主成分とする天然物であるカシアガムが挙げられる。入手が容易であり、取り扱い性にもすぐれるので、カシアガムが最も好ましいものである。本発明において、ガラクトマンナンは、マンノース/ガラクトース比が4を超えることが必要であるが、2種類以上のガラクトマンナンを混合したものであってもよい。すなわち、マンノース/ガラクトース比が多いものと少ないものとを配合したものであっても、ガラクトマンナン全体におけるマンノース/ガラクトース比が4を超えるように配合されていればよい。また、ガラクトマンナンは天然物である必要は無く、天然物が精製されたものまたは改質されたもの、あるいは合成されたものであってもよい。なお、本発明においてガラクトマンナンは、マンノース/ガラクトース比が4を超えることが必要であるが、4.8以上であることが好ましく、5以上であることがより好ましい。なお、本発明においてこれらの比は構成単位の比率、すなわちモル比を意味する。
ガラクトマンナンからなる増粘剤の配合量は、単位量で、2.5〜5.0kg/mであることが好ましく、3.5〜4.5kg/mであることがより好ましい。増粘剤の配合量を、2.5kg/m以上とすることで、コンクリートに水中不分離性を十分に付与することができ、5.0kg/m以下とすることで、凝結が大幅に遅延することを防止することができる。
本発明による組成物は、ガラクトマンナン以外の増粘剤を含んでいてもよい。このような増粘剤としては、通常コンクリートに使用されているものであれば特に制限されるものではないが、本発明による効果を損なわないものが望まれる。そのような増粘剤として、例えば、セルロース系増粘剤、アクリル系増粘剤、ガラクトマンナン以外のガム系増粘剤等が挙げられる。セルロース系増粘剤としては、カルボキシメチルセルロース、アルキルセルロース、ヒドロキシアルキルセルロースおよびヒドロキシアルキルアルキルセルロース等が挙げられる。アクリル系増粘剤としては、カルボキシビニルポリマー等が挙げられる。ガム系増粘剤としては、キサンタンガムおよびジェランガム等が挙げられる。
[その他の構成要素]
本発明による水中不分離性コンクリート組成物は、必要に応じて以下の構成要素を含有することができる。
(消泡剤)
本発明おける組成物は、消泡性成分、すなわち消泡剤をさらに含むことが好ましい。本発明で用いられる消泡剤は、一般的にモルタル、コンクリートの製造に使用されるセメント用の消泡剤をそのまま用いることができる。このような消泡剤としては、具体的には、鉱物系、エステル系、アミン系、アミド系、ポリエーテル系、シリコン系等の消泡剤が挙げられる。
消泡剤の添加量は、増粘剤の総質量に対して、0.05〜1.0質量%が好ましく、0.1〜1.0質量%がより好ましい。
消泡剤の組成物への添加方法は特に限定されないが、例えば、コンクリートプラントにおいて他の配合材料と併せて添加して混練する方法、あるいはコンクリート施工現場において最後に添加し混練する方法がある。または事前に増粘剤と消泡剤を混合しておいてもよい。
(分散剤)
本発明による組成物は、分散剤をさらに含むことが好ましい。本発明で用いられる分散剤は、一般的にモルタルやコンクリートの製造に使用されるセメント用の分散剤をそのまま用いることができる。そのような分散剤としては、例えば、減水剤、AE減水剤、高性能減水剤、高性能AE減水剤および流動化剤等が挙げられる。具体的には、メラミンスルホン酸系分散剤、ポリカルボン酸系分散剤およびナフタレンスルホン酸系分散剤等の分散剤が挙げられる。これらの中では、特にポリカルボン酸系の分散剤が好ましい。
分散剤の添加量は、セメントの粉体の総質量に対して、1.0〜3.5質量%が好ましく、1.5〜3.0質量%がより好ましい。
分散剤の組成物への添加方法は特に限定されないが、例えば、コンクリートプラントにおいて他の配合材料と併せて添加して混練する方法、あるいはコンクリート施工現場において最後に添加し混練する方法がある。
(骨材)
本発明による組成物は、骨剤をさらに含むことが好ましい。本発明で用いられる骨材は、特に制限されるものではなく、通常のコンクリートの製造に使用される細骨材および粗骨材を何れも使用することができる。そのような細骨材および粗骨材として、例えば川砂、海砂、山砂、砕砂、人工細骨材、スラグ細骨材、再生細骨材、珪砂、川砂利、陸砂利、砕石、人工粗骨材、スラグ粗骨材、再生粗骨材等が挙げられる。
骨材の配合量は、単位量で1,500〜2,000kg/mであり、さらに1,600〜1,800kg/mとするのが、発熱および乾燥収縮の抑制ならびにワーカビリティー確保のバランスの点で好ましい。
また、全骨材の容積に対する細骨材の容積の占める割合(s/a)は、通常35〜50%であり、40〜45%であることがワーカビリティー確保の観点から好ましい。
(水)
本発明による組成物は、水を用いて混練する。水の配合量(単位水量)は、150〜250kg/mとすることが、材料分離抵抗性を高めることから好ましい。混練には、コンクリートミキサを用いることが好ましい。
水(W)とセメント(C)との質量比(W/C)は、通常40〜65%であり、45〜60%であることが、水和発熱低減および圧縮強度の確保の観点から好ましい。
(その他の混和剤)
さらに、本発明による組成物は、本発明の効果を実質的に損なわない範囲で、例えばモルタルやコンクリートに使用できる他の成分(混和剤(材))を含有するものであっても良い。このような成分として、具体的には、収縮低減剤、膨張材、保水剤、防錆剤、空気連行剤、防水材、撥水剤、白華防止剤、凝結調整剤、硬化促進剤(材)、顔料、繊維、シリカフューム、スラグ、フライアッシュなどが例示される。
<水中不分離性コンクリート硬化体>
本発明による水中不分離性コンクリート硬化体は、上記組成物を硬化させることによって得ることができる。硬化は任意の方法によって行うことができるが、例えば、上記組成物を混練し、その混練物を型枠等に流し込んだ後に養生することで硬化させてもよい。本発明による硬化体は、水中と気中のいずれでも硬化させることができる。
<水中不分離性コンクリート組成物用添加剤>
本発明による水中不分離性コンクリート組成物用添加剤は、前記ガラクトマンナンと、消泡性成分とを含むものである。このような添加剤は、通常のセメントに混合するだけで、水中不分離性コンクリート組成物を製造することができるうえ、セメントに対する添加剤の配合比を変えることで、コンクリート組成物の物性などを調整することができるので便利である。このような添加剤は、ガラクトマンナンおよび消泡性成分のほか、前記混和剤に例示した成分を含んでいてもよい。
次に、本発明を実施例により、さらに詳細に説明するが、本発明が実施例により限定されるものではない。
<水中不分離性コンクリート組成物の調製>
本発明による水中不分離性コンクリート組成物の製造方法について説明する。
まず、使用した材料を以下に示す。
水(W): 水道水
セメント(C): 普通ポルトランドセメント
細骨材(S): 静岡県産山砂
粗骨材(G): 茨城県産砕石
増粘剤(V):(1)カシアガム(マンノース/ガラクトース比=5)
(2)グアガム(マンノース/ガラクトース比=2)
(3)タラガム(マンノース/ガラクトース比=3)
(4)ローカストビーンガム(マンノース/ガラクトース比=4)
消泡剤(F): ポリエーテル系
分散剤(D): ポリカルボン酸系分散剤
実施例1におけるコンクリート配合を表1に示す。
Figure 2017141119
環境温度20℃にて、コンクリートミキサを用いて各材料を上記のコンクリート配合で練り混ぜて水中不分離性コンクリート組成物を製造した。また、増粘剤の種類と配合量、ならびに消泡剤および分散剤との配合比を変更して、実施例2〜7および比較例1〜3の組成物も調製した。各組成物の配合比は表2に示す。なお、これらの組成物における目標スランプフローは500±30mm、目標空気量は4.0%以下である。
Figure 2017141119
<スランプフローの測定>
組成物のスランプフローは、JIS A 1150「コンクリートのスランプフロー試験方法」に準拠して測定した。測定に際して、スランプコーンとしてはJIS A 1101に規定される金属製のものを用い、平板としては鋼製のものを用いた。
<空気量の測定>
組成物の空気量は、JIS A 1128「フレッシュコンクリートの空気量の圧力による試験方法−空気室圧力方法」に準拠して測定した。
<懸濁物質量の測定>
組成物を水中に投入した際の懸濁物質の量は、土木学会で定められた規格であるJSCE−D 104−2013「コンクリート用水中不分離性混和剤品質規格(案)」に準拠して測定した。測定方法を以下に簡潔に示す。
まず、組成物の試料を、所定の形状の投入容器に500g計り取り、800mlの蒸留水中に10回に分けて投入した。全ての試料を水中に投入した後、3分間静置し、静かに上澄み液を約600ml分取した。分取した水を均一に混合し、その一部を正確に計り取って被検水とした。この被検水を濾過し、残渣(ろ物とも言う)を乾燥させて重量を測定した。懸濁物質量(mg/l)は、残渣の重量(mg)を被検水の量(l)で除して算出した。
<水中気中強度比の測定>
組成物の硬化体の水中気中強度比は、土木学会で定められた規格であるJSCE−D 104−2013「コンクリート用水中不分離性混和剤品質規格(案)」に準拠して測定した。その際、気中での供試体の作製はJIS A 1132「8.コンクリート強度試験用供試体の作り方」に準拠して行い、水中での供試体の作製はJSCE−F 504「水中不分離性コンクリートの圧縮強度試験用円柱供試体の作り方」に準拠して行った。得られた各供試体の圧縮強度は、JIS A 1108「3.コンクリートの圧縮強度試験方法」に準拠して測定した。これらの手順の概要を以下に示す。
(気中での供試体の作製)
表2に記載の配合比の原料を混合してミキサを用いて練り混ぜた試料を、型枠(内径100mm、高さ200mm)の充填部内に流し込んだ。コンクリートが十分に硬化するまで、24時間放置し、その後型枠を外してコンクリート供試体を得た。その後、供試体を20℃水中養生し、材齢28日まで養生してから圧縮強度試験に用いた。
(水中での供試体の作製)
水槽いっぱいに水道水を入れ、その水槽の中に型枠の開口部が上を向くように、型枠を置いた。型枠は、気中での供試体の作製に用いたものと同じものを用いた。表2に記載の配合比の原料を混合してミキサを用いて練り混ぜた試料を、約10回に分けてその型枠の中に静かに投入した。試料を充填した型枠を水中から静かに取り出し、そのまま大気中に15分間静置した後、養生場所に移して24時間養生した。その後、供試体を型枠から取り外し、直ちに20℃水中養生を開始し、材齢28日まで養生してから圧縮強度試験に用いた。
(圧縮強度試験)
気中および水中で得られたそれぞれの供試体について、圧縮強度試験を行った。得られたそれぞれの供試体の圧縮強度を算出し、水中気中強度比を求めた。水中気中強度比は、水中で得られた供試体の圧縮強度を気中で得られた供試体の圧縮強度で除し、百分率で表わしたものである。
上記の試験で得られた結果は表3に示す通りであった。
Figure 2017141119
この結果から明らかなように、マンノース/ガラクトース比が4を超えるガラクトマンナン(カシアガム)を増粘剤として用いた実施例では、比較例に比べて懸濁物質量が少ないことがわかる。懸濁物質量が50mg/l以下であると十分な水中不分離性があるといえるが、本発明による組成物はいずれもこの水準を上回っている。また、カシアガムを増粘剤として用いた実施例は、いずれもスランプフローが目標値に近く、十分な流動性を有することがわかる。すなわち、増粘剤としてカシアガムを用いることで、水中不分離性を流動性の両方を同時に満足する組成物を得ることができる。さらには、これらの実施例の組成物は、気中強度と水中強度とで差が少なく、優れた水中気中強度比も実現している。
なお、消泡剤を含まない組成物を用いた実施例3に比べて、消泡剤を含む組成物を用いた実施例1または2は、空気量が少なくスランプフローも優れており、さらには気中強度および水中強度も高い。したがって、消泡剤を含む組成物がより好ましい性能を示していることが分かる。

Claims (7)

  1. セメントと、ガラクトマンナンからなる増粘剤とを含み、前記ガラクトマンナンのマンノース/ガラクトース比が4を超えるものであることを特徴とする水中不分離性コンクリート組成物。
  2. 前記ガラクトマンナンがカシアガムである、請求項1に記載の組成物。
  3. 前記増粘剤の含有量が、単位量で2.5〜5.0kg/mである、請求項1または2に記載の組成物。
  4. 消泡剤をさらに含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の組成物。
  5. 前記消泡剤の含有量が、前記増粘剤の総質量を基準として、0.05〜1.0質量%である、請求項4に記載の組成物。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の水中不分離性コンクリート組成物を硬化して得られる、水中不分離性コンクリート硬化体。
  7. ガラクトマンナンと消泡性成分とを含み、前記ガラクトマンナンのマンノース/ガラクトース比が4を超えるものであることを特徴とする、水中不分離性コンクリート組成物用添加剤。
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