JP2017140741A - 組立タイヤの再生方法および再生システム - Google Patents
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Abstract
【課題】円筒状の剛体リングの外周面に円筒状のゴム部材を一体化した組立タイヤ部材と、この組立タイヤ部材の内周面とホイールの外周面との間に介在するゴム製の円環状チューブとを有する組立タイヤを、繰り返し使用する部材の品質低下を抑制しつつ、効率的に再生できる組立タイヤの再生方法および再生システムを提供する。
【解決手段】ゴム部材13が損耗した組立タイヤ10Aの幅方向両側に固定したカバー体7によってホイール15、円環状チューブ14および剛体リング12を覆い、ゴム部材13は露出させた状態にしてゴム部材13を除去し、この組立タイヤ10Aをカバー体7とともにモールド4の内部に配置し、閉型したモールド4の内部のキャビティ6に射出した未加硫ゴムRを加硫して、剛体リング12の外周面に接合させて一体化した円筒状のゴム部材13を成形して新たな組立タイヤ10に再生する。
【選択図】図6
【解決手段】ゴム部材13が損耗した組立タイヤ10Aの幅方向両側に固定したカバー体7によってホイール15、円環状チューブ14および剛体リング12を覆い、ゴム部材13は露出させた状態にしてゴム部材13を除去し、この組立タイヤ10Aをカバー体7とともにモールド4の内部に配置し、閉型したモールド4の内部のキャビティ6に射出した未加硫ゴムRを加硫して、剛体リング12の外周面に接合させて一体化した円筒状のゴム部材13を成形して新たな組立タイヤ10に再生する。
【選択図】図6
Description
本発明は、組立タイヤの再生方法および再生システムに関し、さらに詳しくは、円筒状の剛体リングの外周側に円筒状のゴム部材を一体化した組立タイヤ部材と、この組立タイヤ部材の内周面とホイールの外周との間に介在するゴム製の円環状チューブとを備えた組立タイヤを、繰り返し使用する部材の品質低下を抑えながら、効率的に再生することができる組立タイヤの再生方法および再生システムに関するものである。
近年、従来の一般的な空気入りタイヤとは異なる様々なタイプのタイヤが提案されている。例えば、円筒状の剛体リングと、この剛体リングに外嵌される円筒状のゴム部材とを有する組立タイヤ部材が提案されている(特許文献1)。この組立タイヤ部材と、ホイールの外周面に配置されるゴム製の円環状チューブとにより組立タイヤが構成される。この組立タイヤは、空気が密封された円環状チューブを、組立タイヤ部材の外周面とホイールの外周面との間に介在させてホイールに組み付けられる。このタイプの組立タイヤでは、走行時に円筒状の剛体リングと円筒状のゴム部材のズレを防止して走行安定性を確保するには、両者を一体化させておくことが好ましい。
この組立タイヤでは、主に損耗が進むのは路面に接触する円筒状のゴム部材になる。そのため、損耗した円筒状のゴム部材だけを再生すれば、新たな組立タイヤとして繰り返し使用することができる。組立タイヤを繰り返し使用することにより、タイヤ生産における省エネルギ化、省資源化を図ることができる。
しかしながら、この組立タイヤを再生する場合、まず、損耗した円筒状のゴム部材を剛体リングとともにホイールから取り外す必要がある。次いで、剛体リングから損耗した円筒状のゴム部材のすべて、或いは、所定の厚さを残して除去した後、新たな円筒状ゴム部材を成形して剛体リングに一体化させて組立タイヤ部材を再生する。次いで、再生した組立タイヤ部材を円環状のチューブを介してホイールに組み付ける。このように、組立タイヤを再生するには多くの工数が必要になるという問題がある。
本発明の目的は、円筒状の剛体リングの外周側に円筒状のゴム部材を一体化した組立タイヤ部材と、この組立タイヤ部材の内周面とホイールの外周との間に介在するゴム製の円環状チューブとを備えた組立タイヤを、繰り返し使用する部材の品質低下を抑えながら、効率的に再生することができる組立タイヤの再生方法および再生システムを提供することにある。
上記目的を達成するため本発明の組立タイヤの再生方法は、円筒状の剛体リングの外周側に円筒状のゴム部材を一体化した組立タイヤ部材と、この組立タイヤ部材の内周面とホイールの外周面との間に介在するゴム製の円環状チューブとを備えた組立タイヤの再生方法であって、前記ゴム部材が損耗した組立タイヤの幅方向両側にカバー体を配置して、このカバー体によって前記ホイール、前記円環状チューブおよび前記剛体リングを覆い、前記ゴム部材は露出させた状態にして前記カバー体を前記組立タイヤに固定し、次いで前記ゴム部材を除去した後に、前記ホイール、前記円環状チューブおよび前記剛体リングを前記カバー体とともにモールドの内部に配置して、閉型した前記モールドの内部で前記剛体リングの外周側に形成されたキャビティに未加硫ゴムを射出して加硫させるとともに、前記剛体リングの外周面に接合させることにより、前記剛体リングと一体化した円筒状のゴム部材を新たに成形して組立タイヤを再生し、その後、再生した組立タイヤから前記カバー体を取り外すことを特徴とする。
本発明の別の組立タイヤの再生方法は、円筒状の剛体リングの外周側に円筒状のゴム部材を一体化した組立タイヤ部材と、この組立タイヤ部材の内周面とホイールの外周面との間に介在するゴム製の円環状チューブとを備えた組立タイヤの再生方法であって、前記ゴム部材が損耗した組立タイヤの幅方向両側にカバー体を配置して、このカバー体によって前記ホイール、前記円環状チューブおよび前記剛体リングを覆い、前記ゴム部材は露出させた状態にして前記カバー体を前記組立タイヤに固定し、次いで前記剛体リングの外周面に所定厚さの前記ゴム部材を残しつつ、損傷した部分を除去した後に、前記ホイール、前記円環状チューブおよび所定厚さの前記ゴム部材を外周面に一体化した状態の前記剛体リングを前記カバー体とともに、モールドの内部に配置して、閉型した前記モールドの内部で所定厚さの前記ゴム部材の外周側に形成されたキャビティに未加硫ゴムを射出して加硫させるとともに、所定厚さの前記ゴム部材の外周面に接合させることにより、前記剛体リングと一体化した円筒状のゴム部材を新たに成形して組立タイヤを再生し、その後、再生した組立タイヤから前記カバー体を取り外すことを特徴とする。
本発明の組立タイヤの再生システムは、円筒状の剛体リングの外周側に円筒状のゴム部材を一体化した組立タイヤ部材と、この組立タイヤ部材の内周面とホイールの外周面との間に介在するゴム製の円環状チューブとを備えた組立タイヤの再生システムであって、ゴム除去装置と、ゴム射出機と、モールドと、前記ゴム部材が損耗した組立タイヤの幅方向両側に着脱自在に固定されるカバー体とを備えて、前記カバー体は、前記ゴム部材が損耗した組立タイヤの幅方向両側で前記組立タイヤに固定されることにより、前記ホイール、前記円環状チューブおよび前記剛体リングを覆い、前記ゴム部材は露出させた状態にする構成であり、前記ゴム除去装置は、前記カバー体が固定された前記組立タイヤの露出させた状態の前記ゴム部材を除去する設定にされて、前記モールドの内部には、前記ゴム部材が除去された後に前記ホイール、前記円環状チューブおよび前記剛体リングが前記カバー体とともに配置される設定にされて、前記ゴム射出機は、閉型した前記モールドの内部で前記剛体リングの外周側に形成されるキャビティに未加硫ゴムを射出する設定にされて、射出された未加硫ゴムが前記モールドの内部で加硫するとともに、前記剛体リングの外周面に接合して前記剛体リングと一体化した新たな円筒状のゴム部材を成形して組立タイヤを再生する構成にしたことを特徴とする。
本発明の別の組立タイヤの再生システムは、円筒状の剛体リングの外周側に円筒状のゴム部材を一体化した組立タイヤ部材と、この組立タイヤ部材の内周面とホイールの外周面との間に介在するゴム製の円環状チューブとを備えた組立タイヤの再生システムであって、ゴム除去装置と、ゴム射出機と、モールドと、前記ゴム部材が損耗した組立タイヤの幅方向両側に着脱自在に固定されるカバー体とを備えて、前記カバー体は、前記ゴム部材が損耗した組立タイヤの幅方向両側で前記組立タイヤに固定されることにより、前記ホイール、前記円環状チューブおよび前記剛体リングを覆い、前記ゴム部材は露出させた状態にする構成であり、前記ゴム除去装置は、前記カバー体が固定された前記組立タイヤの露出させた状態の前記ゴム部材を所定の厚さを残して除去する設定にされて、前記モールドの内部には、前記ゴム部材が除去された後に前記ホイール、前記円環状チューブおよび所定厚さの前記ゴム部材を外周面に一体化した状態の前記剛体リングが前記カバー体とともに配置される設定にされて、前記ゴム射出機は、閉型した前記モールドの内部で所定厚さの前記ゴム部材の外周側に形成されるキャビティに未加硫ゴムを射出する設定にされて、射出された未加硫ゴムが前記モールドの内部で加硫するとともに、所定厚さの前記ゴム部材の外周面に接合して前記剛体リングと一体化した新たな円筒状のゴム部材を成形して組立タイヤを再生する構成にしたことを特徴とする。
本発明によれば、組立タイヤをホイールに組み付けた状態のまま、損耗した円筒状のゴム部材を除去する工程、新たな円筒状のゴム部材を成形する工程を行うことにより新しい組立タイヤを再生する。そのため、ホイールに対して組立タイヤの取外しおよび取付け行う必要がなく、少ない工数で効率的に新たな組立タイヤを再生することができる。その際に、円筒状のゴム部材が損耗した組立タイヤの幅方向両側にカバー体を固定して、このカバー体によって、ホイール、円環状チューブおよび剛体リングを覆った状態にする。これにより、それぞれの工程において、組立タイヤの繰り返し使用する部材がカバー体によって保護されることになり、これら部材の品質低下を抑制することができる。
以下、本発明の組立タイヤの再生システムを図に示した実施形態に基づいて説明する。
図1〜図3に例示する本発明の組立タイヤの再生システム1によって、使用済みの組立タイヤ10Aが図7〜図8に例示する新たな組立タイヤ10に再生される。この組立タイヤ10は、組立タイヤ部材11とゴム製の円環状チューブ14とで構成されている。
組立タイヤ部材11は、円筒状の剛体リング12と、剛体リング12の外周側に配置される円筒状のゴム部材13とを有している。剛体リング12とゴム部材13は接合されて一体化している。剛体リング12としては、例えば、平板状の金属または炭素繊維強化プラスチックを円筒状に形成した円筒体を用いることできる。または、線状の金属または炭素繊維強化プラスチックを円筒状に形成し、これを複数本、横並びにして接合した円筒体を剛体リング12として用いることもできる。ゴム部材13は加硫ゴムにより形成されて、一般的な空気入りタイヤのように空洞部を形成する形態ではなく、実質的に中実(ソリッド)である。
円環状チューブ14は、組立タイヤ部材11の内周面とホイール15の外周面との間に介在する。1つの円環状チューブ14を用いることも、複数の円環状チューブ14を横並び状態にして使用することもできる。
即ち、組立タイヤ部材11と円環状チューブ14とホイール15とはそれぞれ分離した別体である。そして、組立タイヤ部材11が円環状チューブ14を介してホイール15の外周側に配置されることにより、組立タイヤ10がホイール15に組み付けられる。剛体リング12、ゴム部材13およびホイール15の幅は実質的に同じになっている。組立タイヤ10とホイール15の組立体が、例えば自動車に装着されて使用される。
再生システム1は、ゴム除去装置2と、ゴム射出機3と、モールド4と、カバー体7とを備えている。ゴム除去装置2は、後述するようにゴム部材13を切削等によって組立タイヤ部材から除去する。ゴム射出機3は、後述するようにモールド4の内部に形成されるキャビティ6に未加硫ゴムRを射出する。モールド4の内部には、後述するようにゴム部材13が除去された後の組立タイヤ10Aがカバー体7とともに配置される。カバー体7は、後述するようにゴム部材13が損耗した使用済みの組立タイヤ10Aの幅方向両側に着脱自在に固定される。
この実施形態の製造システム1にはさらに、冷却機構8および加熱機構9が設けられている。冷却機構8は、水冷または空冷により円環状チューブ14を冷却する機器である。冷却機構8は、例えば、円環状チューブ14の内部に直接、気体または液体の冷媒を供給する(循環させる)。或いは、剛体リング12またはホイール15に気体または液体の冷媒を供給して(循環させて)、間接的に円環状チューブ14を冷却する冷却機構8を採用することもできる。
加熱機構9は、スチーム等の熱媒体を供給(循環)してモールド4を所定温度に加熱する。さらに、この実施形態では、加熱機構9によって剛体リング12を所定温度に加熱できるように構成されている。
モールド4は図2、図3に例示するように、上下に配置されるセグメント5a、5bと、これらセグメント5a、5bの上下間で周方向に分割された複数のセグメント5c〜5hとにより構成されている。この実施形態のモールド4はいわゆるセクショナルタイプであるが、上下二つ割りタイプのモールド4を採用することもできる。ゴム部材13を除去した使用済みの組立タイヤ10Aが内部に配置されたモールド4を閉型すると、剛体リング12の外周側にキャビティ6が形成される。
ゴム射出機3は、キャビティ6に未加硫ゴムRを射出する。未加硫ゴムRは射出できる流動特性を有し、加硫が可能な仕様であればよく、例えば、天然ゴム、IR、SBR、BRなどのジエン系ゴム、ブチルゴム、ハロゲン化ブチルゴム、EPDMなどの非ジエン系ゴム、カーボンブラック、オイル、老化防止剤、加工助剤、軟化剤、可塑剤、加硫剤、加硫促進剤、加硫遅延剤等の各種配合材料が適宜配合されている。
このゴム射出機3は、未加硫ゴムRを所定温度で加温しつつ収容するシリンダと、シリンダに収容されている未加硫ゴムRを押出すプランジャと備えている。プランジャを前進させることにより、未加硫ゴムRを所定の射出圧力で射出する。この射出圧力は例えば10MPa〜50MPaである。
以下、再生システム1を用いて新たな組立タイヤ10を再生する手順の一例を説明する。
使用済みの組立タイヤ10Aは、タイヤ走行中に路面に直接接触するゴム部材13の外周面が損耗している。そこで、図4〜図5に例示するようにゴム除去装置2を用いて、損耗しているゴム部材13を除去する。この際に、この組立タイヤ10Aの幅方向両側にカバー体7を固定する。
カバー体7は円盤状であり、金属または硬質樹脂等によって形成されていて、剛体リング12の側縁に係合する係合部7aと、ホイール15に連結する連結部7bとを有している。この実施形態では、複数の係合部7aが周方向に間隔をあけて配置されている。剛体リング12の側面には、これら係合部7aに係合する係合部12aが設けられている。連結部7bはホイール15のネジ穴に連結する構造にするとよい。係合部7aと連結部7bとにより組立タイヤ10Aに固定したカバー体7によって、ホイール15、円環状チューブ14および剛体リング12を覆い、ゴム部材13は露出させた状態にする。組立タイヤ10Aに固定したカバー体7と円環状チューブ14とは非接触の状態にするとよい。
ゴム除去装置2は例えば、組立タイヤ10Aを保持する保持部2aと、保持した組立タイヤ10Aを回転させる回転駆動部2bと、カッター部2cとを有している。保持部2aは例えば連結部7bに接続して組立タイヤ10Aを保持する。そして、組立タイヤ10Aを回転駆動させつつ、カッター部2cをゴム部材13の外周面に当接させてゴム部材13を切削する。この実施形態では、実質的にすべてのゴム部材13を除去する。カバー体7によって、ホイール15、円環状チューブ14および剛体リング12が覆われて保護されているので、カッター部2cによって不用意に損傷する不具合を回避するには有利になっている。
次いで、ゴム部材3を除去した組立タイヤ10Aをカバー体7とともに、開型したモールド4の中に横置き状態で配置する。次いで、モールド4を閉型することにより、図3に例示するように剛体リング12の外周面とモールド4との間にキャビティ6が形成される。
次いで、図6に例示するようにゴム射出機3からキャビティ6に未加硫ゴムRを射出してキャビティ6に充填する。キャビティ6に充填された未加硫ゴムRは、キャビティ6(モールド4の表面形状)によって所定形状に成形される。そして、加熱機構9によって加熱されたモールド4により未加硫ゴムRを加硫させる。未加硫ゴムRを加硫させる温度は、例えば150℃〜200℃である。
この未加硫ゴムRを加硫させるとともに、剛体リング12の外周面に接合させる。これにより、射出した未加硫ゴムRを、剛体リング12と一体化させた新たなゴム部材13として成形する。これにより、図7〜図8に例示する新たな組立タイヤ10が再生される。
次いで、モールド4を開型して、再生した新たな組立タイヤ10をホイール15およびカバー体7とともにモールド4の外に取り出す。次いで、新たな組立タイヤ10とホイール15との組立体からカバー体7を外す。
未加硫ゴムRを射出する前に、剛体リング12の外周面に接着部材Bを配置させておくとよい。接着部材Bとしては接着材や接着ゴムを用いる。これにより、接着部材Bを用いて、射出した未加硫ゴムRを剛体リング12の外周面により強固に接合することが可能になる。即ち、射出された未加硫ゴムRの加硫接着のみで剛体リング12の外周面に接合する場合に比して、強固な接合が可能になる。
この際に、加熱機構9で剛体リング12を加熱して、剛体リング12を介して接着部材Bを予め所定温度(例えば、未加硫ゴムRが加硫する温度以下の60℃〜100℃)に加熱した状態にすることもできる。加熱することで接着部材Bが活性化して接着力を高めることができるので、射出した未加硫ゴムRを剛体リング12の外周面に強固に、かつ早期に接合するには一段と有利になる。
新たな円筒状のゴム部材13を成形する工程では、カバー体7によって、ホイール15、円環状チューブ14および剛体リング12が覆われて保護されている。特に、ゴム製の円環状チューブ14は、カバー体7によって加硫時の熱から保護されるので熱劣化を回避するには有利になっている。カバー体7と円環状チューブ14とを非接触の状態にしておくと、円環状チューブ14の熱劣化を回避するには益々有利になる。このように本発明では、繰り返し使用するホイール15、円環状チューブ14および剛体リング12が、新たな組立タイヤ10を再生する工程において、カバー体7によって保護されるので品質低下を抑制することができる。
また、本発明では組立タイヤ10Aを新たな組立タイヤ10に再生する工程で、ホイール15に対して使用済みの組立タイヤ10Aの取外しおよび新たな組立タイヤ10の取付け行う必要がない。この取外し作業および取付け作業は非常に時間を要するので、本発明によれば、少ない工数で効率的に新たな組立タイヤ10を再生することができる。
射出する未加硫ゴムRは、必要に応じて適切なゴム種にすることができる。例えば、剛体リング12を繰り返し使用して組立タイヤ部材11を製造する場合、以前の組立タイヤ部材11に使用されていたゴム部材13とは異なるゴム物性のゴム部材13を使用することで、容易にタイヤの特性を変えることができる。
図9に例示する別の実施形態のように、使用済の組立タイヤ10Aのゴム部材13に対して、所定厚さの部分13aを残して新たな組立タイヤ10を再生することもできる。この実施形態の場合は、先の実施形態と同様に組立タイヤ10Aの幅方向両側にカバー体7を固定する。これにより、カバー体7によってホイール15、円環状チューブ14および剛体リング12を覆い、ゴム部材13は露出させた状態にする。
次いで、ゴム除去装置2によってゴム部材13の損傷した部分を除去し、剛体リング12の外周面にゴム部材13の所定厚さの部分13aを残す。次いで、ホイール15、円環状チューブ14および所定厚さの部分13aを外周面に一体化した状態の剛体リング12をカバー7体とともに、モールド4の内部に配置する。これにより、閉型したモールド4の内部では所定厚さの部分13a外周側にキャビティ6が形成される。
次いで、図10に例示するようにゴム射出機3からキャビティ6に未加硫ゴムRを射出してキャビティ6に充填する。キャビティ6に充填された未加硫ゴムRは、キャビティ6(モールド4の表面形状)によって所定形状に成形される。そして、加熱機構9によって加熱されたモールド4により未加硫ゴムRを加硫させるとともに、所定厚さの部分13a外周面に接合させる。これにより、射出した未加硫ゴムRを、剛体リング12と一体化させた新たなゴム部材13として成形する。これにより、図11〜図12に例示する新たな組立タイヤ10が再生される。
次いで、モールド4を開型して、再生した新たな組立タイヤ10をホイール15およびカバー体7とともにモールド4の外に取り出す。次いで、新たな組立タイヤ10とホイール15との組立体からカバー体7を外す。
この実施形態の場合も、先の実施形態に対して記載した様々なアレンジを適用することができる。この実施形態の場合は、未加硫ゴムRを加硫する際に、ゴム部材13の所定厚さの部分13aが熱劣化することが懸念されるので、この所定厚さの部分13aを冷却機構8を用いて冷却(例えば、40℃〜100℃に維持)しつつ未加硫ゴムRを加硫することもできる。
1 再生システム
2 ゴム除去装置
2a 保持部
2b 回転駆動部
2c カッター部
3 ゴム射出機
4 モールド
5a、5b、5c、5d、5e、5f、5g、5h セグメント
6 キャビティ
7 カバー体
7a 係合部
7b 連結部
8 冷却機構
9 加熱機構
10 新たな組立タイヤ
10A 使用済みの組立タイヤ
11 組立タイヤ部材
12 円筒状の剛体リング
12a 係合部
13 円筒状のゴム部材
13a 所定厚さの部分
14 円環状チューブ
15 ホイール
R 未加硫ゴム
2 ゴム除去装置
2a 保持部
2b 回転駆動部
2c カッター部
3 ゴム射出機
4 モールド
5a、5b、5c、5d、5e、5f、5g、5h セグメント
6 キャビティ
7 カバー体
7a 係合部
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10 新たな組立タイヤ
10A 使用済みの組立タイヤ
11 組立タイヤ部材
12 円筒状の剛体リング
12a 係合部
13 円筒状のゴム部材
13a 所定厚さの部分
14 円環状チューブ
15 ホイール
R 未加硫ゴム
Claims (10)
- 円筒状の剛体リングの外周側に円筒状のゴム部材を一体化した組立タイヤ部材と、この組立タイヤ部材の内周面とホイールの外周面との間に介在するゴム製の円環状チューブとを備えた組立タイヤの再生方法であって、
前記ゴム部材が損耗した組立タイヤの幅方向両側にカバー体を配置して、このカバー体によって前記ホイール、前記円環状チューブおよび前記剛体リングを覆い、前記ゴム部材は露出させた状態にして前記カバー体を前記組立タイヤに固定し、次いで前記ゴム部材を除去した後に、前記ホイール、前記円環状チューブおよび前記剛体リングを前記カバー体とともにモールドの内部に配置して、閉型した前記モールドの内部で前記剛体リングの外周側に形成されたキャビティに未加硫ゴムを射出して加硫させるとともに、前記剛体リングの外周面に接合させることにより、前記剛体リングと一体化した円筒状のゴム部材を新たに成形して組立タイヤを再生し、その後、再生した組立タイヤから前記カバー体を取り外すことを特徴とする組立タイヤの再生方法。 - 円筒状の剛体リングの外周側に円筒状のゴム部材を一体化した組立タイヤ部材と、この組立タイヤ部材の内周面とホイールの外周面との間に介在するゴム製の円環状チューブとを備えた組立タイヤの再生方法であって、
前記ゴム部材が損耗した組立タイヤの幅方向両側にカバー体を配置して、このカバー体によって前記ホイール、前記円環状チューブおよび前記剛体リングを覆い、前記ゴム部材は露出させた状態にして前記カバー体を前記組立タイヤに固定し、次いで前記剛体リングの外周面に所定厚さの前記ゴム部材を残しつつ、損傷した部分を除去した後に、前記ホイール、前記円環状チューブおよび所定厚さの前記ゴム部材を外周面に一体化した状態の前記剛体リングを前記カバー体とともに、モールドの内部に配置して、閉型した前記モールドの内部で所定厚さの前記ゴム部材の外周側に形成されたキャビティに未加硫ゴムを射出して加硫させるとともに、所定厚さの前記ゴム部材の外周面に接合させることにより、前記剛体リングと一体化した円筒状のゴム部材を新たに成形して組立タイヤを再生し、その後、再生した組立タイヤから前記カバー体を取り外すことを特徴とする組立タイヤの再生方法。 - カバー体を、前記剛体リングの側縁に係合させるとともに、前記ホイールに連結することにより、前記カバー体を前記組立タイヤに固定する請求項1または2に記載の組立タイヤの再生方法。
- 前記組立タイヤに固定した前記カバー体と前記円環状チューブとを非接触の状態にする請求項1〜3のいずれかに記載の組立タイヤの再生方法。
- 前記円環状チューブを冷却しながら、前記キャビティに未加硫ゴムを射出して加硫させる請求項1〜4のいずれかに記載の組立タイヤの再生方法。
- 円筒状の剛体リングの外周側に円筒状のゴム部材を一体化した組立タイヤ部材と、この組立タイヤ部材の内周面とホイールの外周面との間に介在するゴム製の円環状チューブとを備えた組立タイヤの再生システムであって、
ゴム除去装置と、ゴム射出機と、モールドと、前記ゴム部材が損耗した組立タイヤの幅方向両側に着脱自在に固定されるカバー体とを備えて、
前記カバー体は、前記ゴム部材が損耗した組立タイヤの幅方向両側で前記組立タイヤに固定されることにより、前記ホイール、前記円環状チューブおよび前記剛体リングを覆い、前記ゴム部材は露出させた状態にする構成であり、
前記ゴム除去装置は、前記カバー体が固定された前記組立タイヤの露出させた状態の前記ゴム部材を除去する設定にされて、
前記モールドの内部には、前記ゴム部材が除去された後に前記ホイール、前記円環状チューブおよび前記剛体リングが前記カバー体とともに配置される設定にされて、
前記ゴム射出機は、閉型した前記モールドの内部で前記剛体リングの外周側に形成されるキャビティに未加硫ゴムを射出する設定にされて、
射出された未加硫ゴムが前記モールドの内部で加硫するとともに、前記剛体リングの外周面に接合して前記剛体リングと一体化した新たな円筒状のゴム部材を成形して組立タイヤを再生する構成にしたことを特徴とする組立タイヤの再生システム。 - 円筒状の剛体リングの外周側に円筒状のゴム部材を一体化した組立タイヤ部材と、この組立タイヤ部材の内周面とホイールの外周面との間に介在するゴム製の円環状チューブとを備えた組立タイヤの再生システムであって、
ゴム除去装置と、ゴム射出機と、モールドと、前記ゴム部材が損耗した組立タイヤの幅方向両側に着脱自在に固定されるカバー体とを備えて、
前記カバー体は、前記ゴム部材が損耗した組立タイヤの幅方向両側で前記組立タイヤに固定されることにより、前記ホイール、前記円環状チューブおよび前記剛体リングを覆い、前記ゴム部材は露出させた状態にする構成であり、
前記ゴム除去装置は、前記カバー体が固定された前記組立タイヤの露出させた状態の前記ゴム部材を所定の厚さを残して除去する設定にされて、
前記モールドの内部には、前記ゴム部材が除去された後に前記ホイール、前記円環状チューブおよび所定厚さの前記ゴム部材を外周面に一体化した状態の前記剛体リングが前記カバー体とともに配置される設定にされて、
前記ゴム射出機は、閉型した前記モールドの内部で所定厚さの前記ゴム部材の外周側に形成されるキャビティに未加硫ゴムを射出する設定にされて、
射出された未加硫ゴムが前記モールドの内部で加硫するとともに、所定厚さの前記ゴム部材の外周面に接合して前記剛体リングと一体化した新たな円筒状のゴム部材を成形して組立タイヤを再生する構成にしたことを特徴とする組立タイヤの再生システム。 - カバー体が、前記剛体リングの側縁に係合する係合部を有するとともに、前記ホイールに連結する連結部を有する請求項6または7に記載の組立タイヤの再生システム。
- 前記組立タイヤに固定した前記カバー体と前記円環状チューブとが非接触の状態になる構成にした請求項6〜8のいずれかに記載の組立タイヤの再生システム。
- 前記キャビティに未加硫ゴムを射出して加硫させる際に、前記円環状チューブを冷却する冷却機構を備えた請求項6〜9のいずれかに記載の組立タイヤの再生システム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016022801A JP2017140741A (ja) | 2016-02-09 | 2016-02-09 | 組立タイヤの再生方法および再生システム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2016022801A JP2017140741A (ja) | 2016-02-09 | 2016-02-09 | 組立タイヤの再生方法および再生システム |
Publications (1)
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Family
ID=59627221
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2016022801A Pending JP2017140741A (ja) | 2016-02-09 | 2016-02-09 | 組立タイヤの再生方法および再生システム |
Country Status (1)
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JP (1) | JP2017140741A (ja) |
-
2016
- 2016-02-09 JP JP2016022801A patent/JP2017140741A/ja active Pending
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