JP2004358805A - フォーム充填タイヤの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】廃棄するフォーム充填タイヤの加硫済みフォーム円環体を他のフォーム充填タイヤに再利用することが可能なフォーム充填タイヤの製造方法を提供する。
【解決手段】廃棄するフォーム充填タイヤ1から取り出した加硫済みフォーム円環体2を台タイヤ3の空洞部5に配置し、その加硫済みフォーム円環体2と台タイヤ3の空洞部5に面する内面7との間に未加硫フォーム10を充填する。その後、台タイヤ3をリム組して加熱する。
【選択図】図3
【解決手段】廃棄するフォーム充填タイヤ1から取り出した加硫済みフォーム円環体2を台タイヤ3の空洞部5に配置し、その加硫済みフォーム円環体2と台タイヤ3の空洞部5に面する内面7との間に未加硫フォーム10を充填する。その後、台タイヤ3をリム組して加熱する。
【選択図】図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、フォーム充填タイヤの製造方法に関し、更に詳しくは、廃棄するフォーム充填タイヤの加硫済みフォーム円環体を他のフォーム充填タイヤに再利用することができるフォーム充填タイヤの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、フォークリフトなどに装着される産業車両用タイヤとして、台タイヤの内側空洞部にフォーム(発泡材)を充填して加硫発泡させた加硫済みフォーム円環体を配置するようにしたフォーム充填タイヤがある(例えば、特許文献1参照)。このように加硫済みフォーム円環体をタイヤ空洞部に設けることで、耐パンク性を高めるようにしている。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−113790号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上述したフォーム充填タイヤは、通常、摩耗によりトレッド面の溝が無くなると寿命になり、廃棄処分している。しかし、内部に配置した加硫済みフォーム円環体は、その機能を発揮できるものが多く、まだまだ使用可能な状態にあり、近年の地球資源を有効利用するという環境対策の高まりから、その再利用が強く求められていた。
【0005】
本発明は、廃棄するフォーム充填タイヤの加硫済みフォーム円環体を他のフォーム充填タイヤに再利用することが可能なフォーム充填タイヤの製造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する本発明は、廃棄するフォーム充填タイヤから取り出した加硫済みフォーム円環体を台タイヤ内側の空洞部に配置し、該加硫済みフォーム円環体と台タイヤの空洞部に面する内面との間に未加硫フォームを充填し、該台タイヤをリム組した後加熱することを特徴とする。
【0007】
このように加硫済みフォーム円環体を廃棄するフォーム充填タイヤから取り出して台タイヤに使用することで、他のフォーム充填タイヤに再利用することができる。その結果、加硫済みフォーム円環体を使用しないで未加硫フォームのみを充填して製造した場合に比べて、未加硫フォームの充填量を大幅に減らすことができる。また、未加硫フォームのみを加硫すればよいので、加熱時間が短縮でき、それにより省エネと生産性の向上に寄与する。
【0008】
また、加硫済みフォーム円環体が加硫したフォームにより台タイヤの内面に接着固定されるので、走行中に台タイヤの内面と再利用した加硫済みフォーム円環体とが擦れ合って加硫済みフォーム円環体が破壊されるような問題が生じるのを回避することができる。
【0009】
更に、加硫済みフォーム円環体を解体して切断片とし、これに未加硫フォームを混在させてフォーム充填タイヤを製造すると、タイヤの周方向剛性が許容限度以上のバラツキを生じるので、走行に支障を来すことになるが、上述したように加硫済みフォーム円環体の状態で再利用することで、タイヤの周方向剛性を許容限度以内に収めることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の構成について添付の図面を参照しながら詳細に説明する。
【0011】
図1〜5は、本発明のフォーム充填タイヤの製造方法の一実施形態を示し、1は廃棄するフォーム充填タイヤ、2は再利用する加硫済みフォーム円環体、3は加硫成形されている台タイヤである。
【0012】
以下、図1〜5を参照しながら、廃棄するフォーム充填タイヤ1よりタイヤサイズが大きい台タイヤ3に加硫済みフォーム円環体2を配置して、新たなフォーム充填タイヤを製造する方法について説明する。
【0013】
先ず、図1に示す寿命になった廃棄するフォーム充填タイヤ1からまだ使用可能な加硫済みフォーム円環体2を取り出す。取り出す際には、フォーム充填タイヤ1のタイヤ本体4を解体して、一体構造のまま加硫済みフォーム円環体2を取り出すのが好ましいが、周方向に所定の間隔で数箇所切断したものであってもよい。
【0014】
続いて、図2に示すように、取り出した加硫済みフォーム円環体2を配置する台タイヤ3(図3参照)内側の空洞部5に面する内面7に対面する加硫済みフォーム円環体2の内周側表面8に、台タイヤ3の径方向に延在するようにした切欠き溝9を周方向に沿って所定の間隔で複数形成する。
【0015】
これは、図3に示すように、加硫済みフォーム円環体2の内周側表面8が台タイヤ3の内面7に接触する場合に、未加硫フォーム10(図4参照)を内部に均一的に充填するための通路として使用される。加硫済みフォーム円環体2の内周側表面8と台タイヤ3の内面7とが接触しないようにタイヤサイズを選択した場合には、この切欠き溝9を形成しなくてもよい。
【0016】
また、図2の点線で示すように、加硫済みフォーム円環体2の内周面11に沿って環状に切削し、加硫済みフォーム円環体2の内径を広くする。これにより、台タイヤ3の空洞部5に配置した際に、加硫済みフォーム円環体2が空洞部5内に没入した状態となり、空洞部5の開口12から未加硫フォーム10を充填し易くすることができる。
【0017】
次いで、切削加工した加硫済みフォーム円環体2を、図3に示すように、台タイヤ3の空洞部5内に押し込んで配置した後、未加硫フォーム10を空洞部5内に供給し、図4に示すように、加硫済みフォーム円環体2と台タイヤ3の内面7との間の空間に充填する。
【0018】
未加硫フォーム10の充填後、図5に示すように、台タイヤ3のビード部13に空洞部5の開口12を密閉するようにしてリム14を組付け、次いで、不図示の加硫室に入れて所定の時間加熱し、未加硫フォーム10を加硫する。未加硫フォーム10の加硫により加硫済みフォーム円環体2が加硫されたフォームを介して台タイヤ3の内面7に接着したフォーム充填タイヤを得る。
【0019】
図6は、本発明のフォーム充填タイヤの製造方法の他の実施形態を示し、ここでは、台タイヤのタイヤサイズが破棄するフォーム充填タイヤと同じである場合を示している。
【0020】
このようにサイズが同じ場合には、未加硫フォーム10を充填するための空間を空洞部5内に確保するため、取り出した加硫済みフォーム円環体2に対して、図2で行った切削加工に加えて、更に台タイヤ3の内面7に対面する加硫済みフォーム円環体2の外周側表面15を周方向に沿って切削し、図6に示すように、空洞部5に配置した際に空間16を形成できるようにする。それ以外は、上記と同様である。
【0021】
上述した本発明によれば、廃棄するフォーム充填タイヤ1から取り出した加硫済みフォーム円環体2を台タイヤ3に使用することで、他のフォーム充填タイヤに再利用することが可能になる。これにより、加硫済みフォーム円環体2を使用しないで未加硫フォーム10のみを充填して製造した場合に比べて、未加硫フォーム10の充填量を大幅に減らすことができ、しかも未加硫フォーム10のみを加硫すればよいので、加熱時間が短縮できる結果、省エネルギー化ができ、かつ生産性を向上することができる。
【0022】
また、台タイヤ3の空洞部5に配置した加硫済みフォーム円環体2は、加硫したフォームにより台タイヤ3の内面7に接着して固定されるので、走行中に台タイヤ3の内面7と再利用した加硫済みフォーム円環体2とが擦れ合って加硫済みフォーム円環体2が破壊するような不具合を招くことがない。
【0023】
更に、加硫済みフォーム円環体2を解体して切断片とし、これに未加硫フォームを混在させてフォーム充填タイヤを製造すると、タイヤの剛性が周方向で許容限度以上のバラツキを生じるため、走行に支障を来すことになるが、上述したように加硫済みフォーム円環体2として再利用することで、このような問題の発生を回避することができる。
【0024】
本発明において、上述した未加硫フォーム10は、加硫済みフォーム円環体2に使用されるフォームと同じものを使用することができ、例えば、ゴム(例えば、天然ゴムなど)に発泡剤(例えば、p−トルエンスルホニルアセトンヒドラゾーンなど)を配合したものを好ましく用いることができる。
【0025】
取り出した加硫済みフォーム円環体2に対する切削加工は、加硫済みフォーム円環体2を空洞部5内に配置でき、かつ未加硫フォーム10を空隙を残すことなく十分に充填して加硫済みフォーム円環体2を台タイヤ3の内面7に接着させるようにするために行うものであり、必要に応じて適宜行えばよく、これらの条件が揃っている場合には必ずしも行う必要はない。
【0026】
また、廃棄するフォーム充填タイヤ1よりタイヤサイズが大きい台タイヤ3に加硫済みフォーム円環体2を配置する場合には、加硫済みフォーム円環体2がその表面8,15に廃棄するフォーム充填タイヤ1のインナーライナー層(加硫済みフォーム円環体2に接するゴム層)が付着しているものであってもよい。インナーライナー層も使用することで、廃棄するフォーム充填タイヤ1の廃棄量を減らすことができる。
【0027】
本発明では、上述した台タイヤ3に限らず、まだ寿命にならないフォーム充填タイヤや更生タイヤにおいて、機能が低下した加硫済みフォーム円環体を交換するような場合にも好適に使用することができる。
【0028】
【実施例】
タイヤサイズ825−20 14PRのフォーム充填タイヤから加硫済みフォーム円環体を一体のまま取り出し、これを図2に示したように切削加工した。それを台タイヤの空洞部に配置し、未加硫フォームを充填した。温度160℃の条件下で加熱加硫し、タイヤサイズ1200−20 18PRのフォーム充填タイヤを得た。
【0029】
なお、未加硫フォームには、天然ゴム100重量部に発泡剤(p−トルエンスルホニルアセトンヒドラゾーン)を3重量部配合したものを使用した。
【0030】
加硫済みフォーム円環体を再利用したフォーム充填タイヤに使用した未加硫フォームの量は、加硫済みフォーム円環体を使用せずに、未加硫フォームだけを充填して加硫成形したフォーム充填タイヤに比べて、50%削減したことを確認した。また、未加硫フォームの加硫が終了するまでの加熱時間が35%短縮され、省エネと生産性の向上に寄与することを確認した。
【0031】
【発明の効果】
上述したように本発明は、廃棄するフォーム充填タイヤから取り出した加硫済みフォーム円環体を台タイヤの空洞部に配置し、該加硫済みフォーム円環体と台タイヤの空洞部内面との間に未加硫フォームを充填し、該台タイヤをリム組した後加熱することで、廃棄するフォーム充填タイヤの加硫済みフォーム円環体を他のフォーム充填タイヤに再利用することができる。それにより、未加硫フォームの充填量を減らして材料コストを低減することができ、かつ省エネと生産性の向上を図ることができる。また、加硫済みフォーム円環体の使用による走行上の不具合を招くこともない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のフォーム充填タイヤの製造方法において使用する、廃棄するフォーム充填タイヤの一例を示すタイヤ子午線断面図である。
【図2】図1の廃棄するフォーム充填タイヤから取り出した加硫済みフォーム円環体を切削加工した状態を示す断面図である。
【図3】図2の加硫済みフォーム円環体をタイヤサイズが大きい台タイヤ内に配置した状態を示すタイヤ子午線断面図である。
【図4】図3の加硫済みフォーム円環体を配置した台タイヤ内に未加硫フォームを充填した状態を示すタイヤ子午線断面図である。
【図5】図4の未加硫フォームを充填した台タイヤにリムを取り付けた状態を示すタイヤ子午線断面図である。
【図6】タイヤサイズが同じ台タイヤ内に加硫済みフォーム円環体を配置した状態を示すタイヤ子午線断面図である。
【符号の説明】
1 廃棄するフォーム充填タイヤ 2 加硫済みフォーム円環体
3 台タイヤ 5 空洞部
7 内面 8 内周側表面
9 切欠き溝 10 未加硫フォーム
11 内周面 14 リム
15 外周側表面
【発明の属する技術分野】
本発明は、フォーム充填タイヤの製造方法に関し、更に詳しくは、廃棄するフォーム充填タイヤの加硫済みフォーム円環体を他のフォーム充填タイヤに再利用することができるフォーム充填タイヤの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、フォークリフトなどに装着される産業車両用タイヤとして、台タイヤの内側空洞部にフォーム(発泡材)を充填して加硫発泡させた加硫済みフォーム円環体を配置するようにしたフォーム充填タイヤがある(例えば、特許文献1参照)。このように加硫済みフォーム円環体をタイヤ空洞部に設けることで、耐パンク性を高めるようにしている。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−113790号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上述したフォーム充填タイヤは、通常、摩耗によりトレッド面の溝が無くなると寿命になり、廃棄処分している。しかし、内部に配置した加硫済みフォーム円環体は、その機能を発揮できるものが多く、まだまだ使用可能な状態にあり、近年の地球資源を有効利用するという環境対策の高まりから、その再利用が強く求められていた。
【0005】
本発明は、廃棄するフォーム充填タイヤの加硫済みフォーム円環体を他のフォーム充填タイヤに再利用することが可能なフォーム充填タイヤの製造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する本発明は、廃棄するフォーム充填タイヤから取り出した加硫済みフォーム円環体を台タイヤ内側の空洞部に配置し、該加硫済みフォーム円環体と台タイヤの空洞部に面する内面との間に未加硫フォームを充填し、該台タイヤをリム組した後加熱することを特徴とする。
【0007】
このように加硫済みフォーム円環体を廃棄するフォーム充填タイヤから取り出して台タイヤに使用することで、他のフォーム充填タイヤに再利用することができる。その結果、加硫済みフォーム円環体を使用しないで未加硫フォームのみを充填して製造した場合に比べて、未加硫フォームの充填量を大幅に減らすことができる。また、未加硫フォームのみを加硫すればよいので、加熱時間が短縮でき、それにより省エネと生産性の向上に寄与する。
【0008】
また、加硫済みフォーム円環体が加硫したフォームにより台タイヤの内面に接着固定されるので、走行中に台タイヤの内面と再利用した加硫済みフォーム円環体とが擦れ合って加硫済みフォーム円環体が破壊されるような問題が生じるのを回避することができる。
【0009】
更に、加硫済みフォーム円環体を解体して切断片とし、これに未加硫フォームを混在させてフォーム充填タイヤを製造すると、タイヤの周方向剛性が許容限度以上のバラツキを生じるので、走行に支障を来すことになるが、上述したように加硫済みフォーム円環体の状態で再利用することで、タイヤの周方向剛性を許容限度以内に収めることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の構成について添付の図面を参照しながら詳細に説明する。
【0011】
図1〜5は、本発明のフォーム充填タイヤの製造方法の一実施形態を示し、1は廃棄するフォーム充填タイヤ、2は再利用する加硫済みフォーム円環体、3は加硫成形されている台タイヤである。
【0012】
以下、図1〜5を参照しながら、廃棄するフォーム充填タイヤ1よりタイヤサイズが大きい台タイヤ3に加硫済みフォーム円環体2を配置して、新たなフォーム充填タイヤを製造する方法について説明する。
【0013】
先ず、図1に示す寿命になった廃棄するフォーム充填タイヤ1からまだ使用可能な加硫済みフォーム円環体2を取り出す。取り出す際には、フォーム充填タイヤ1のタイヤ本体4を解体して、一体構造のまま加硫済みフォーム円環体2を取り出すのが好ましいが、周方向に所定の間隔で数箇所切断したものであってもよい。
【0014】
続いて、図2に示すように、取り出した加硫済みフォーム円環体2を配置する台タイヤ3(図3参照)内側の空洞部5に面する内面7に対面する加硫済みフォーム円環体2の内周側表面8に、台タイヤ3の径方向に延在するようにした切欠き溝9を周方向に沿って所定の間隔で複数形成する。
【0015】
これは、図3に示すように、加硫済みフォーム円環体2の内周側表面8が台タイヤ3の内面7に接触する場合に、未加硫フォーム10(図4参照)を内部に均一的に充填するための通路として使用される。加硫済みフォーム円環体2の内周側表面8と台タイヤ3の内面7とが接触しないようにタイヤサイズを選択した場合には、この切欠き溝9を形成しなくてもよい。
【0016】
また、図2の点線で示すように、加硫済みフォーム円環体2の内周面11に沿って環状に切削し、加硫済みフォーム円環体2の内径を広くする。これにより、台タイヤ3の空洞部5に配置した際に、加硫済みフォーム円環体2が空洞部5内に没入した状態となり、空洞部5の開口12から未加硫フォーム10を充填し易くすることができる。
【0017】
次いで、切削加工した加硫済みフォーム円環体2を、図3に示すように、台タイヤ3の空洞部5内に押し込んで配置した後、未加硫フォーム10を空洞部5内に供給し、図4に示すように、加硫済みフォーム円環体2と台タイヤ3の内面7との間の空間に充填する。
【0018】
未加硫フォーム10の充填後、図5に示すように、台タイヤ3のビード部13に空洞部5の開口12を密閉するようにしてリム14を組付け、次いで、不図示の加硫室に入れて所定の時間加熱し、未加硫フォーム10を加硫する。未加硫フォーム10の加硫により加硫済みフォーム円環体2が加硫されたフォームを介して台タイヤ3の内面7に接着したフォーム充填タイヤを得る。
【0019】
図6は、本発明のフォーム充填タイヤの製造方法の他の実施形態を示し、ここでは、台タイヤのタイヤサイズが破棄するフォーム充填タイヤと同じである場合を示している。
【0020】
このようにサイズが同じ場合には、未加硫フォーム10を充填するための空間を空洞部5内に確保するため、取り出した加硫済みフォーム円環体2に対して、図2で行った切削加工に加えて、更に台タイヤ3の内面7に対面する加硫済みフォーム円環体2の外周側表面15を周方向に沿って切削し、図6に示すように、空洞部5に配置した際に空間16を形成できるようにする。それ以外は、上記と同様である。
【0021】
上述した本発明によれば、廃棄するフォーム充填タイヤ1から取り出した加硫済みフォーム円環体2を台タイヤ3に使用することで、他のフォーム充填タイヤに再利用することが可能になる。これにより、加硫済みフォーム円環体2を使用しないで未加硫フォーム10のみを充填して製造した場合に比べて、未加硫フォーム10の充填量を大幅に減らすことができ、しかも未加硫フォーム10のみを加硫すればよいので、加熱時間が短縮できる結果、省エネルギー化ができ、かつ生産性を向上することができる。
【0022】
また、台タイヤ3の空洞部5に配置した加硫済みフォーム円環体2は、加硫したフォームにより台タイヤ3の内面7に接着して固定されるので、走行中に台タイヤ3の内面7と再利用した加硫済みフォーム円環体2とが擦れ合って加硫済みフォーム円環体2が破壊するような不具合を招くことがない。
【0023】
更に、加硫済みフォーム円環体2を解体して切断片とし、これに未加硫フォームを混在させてフォーム充填タイヤを製造すると、タイヤの剛性が周方向で許容限度以上のバラツキを生じるため、走行に支障を来すことになるが、上述したように加硫済みフォーム円環体2として再利用することで、このような問題の発生を回避することができる。
【0024】
本発明において、上述した未加硫フォーム10は、加硫済みフォーム円環体2に使用されるフォームと同じものを使用することができ、例えば、ゴム(例えば、天然ゴムなど)に発泡剤(例えば、p−トルエンスルホニルアセトンヒドラゾーンなど)を配合したものを好ましく用いることができる。
【0025】
取り出した加硫済みフォーム円環体2に対する切削加工は、加硫済みフォーム円環体2を空洞部5内に配置でき、かつ未加硫フォーム10を空隙を残すことなく十分に充填して加硫済みフォーム円環体2を台タイヤ3の内面7に接着させるようにするために行うものであり、必要に応じて適宜行えばよく、これらの条件が揃っている場合には必ずしも行う必要はない。
【0026】
また、廃棄するフォーム充填タイヤ1よりタイヤサイズが大きい台タイヤ3に加硫済みフォーム円環体2を配置する場合には、加硫済みフォーム円環体2がその表面8,15に廃棄するフォーム充填タイヤ1のインナーライナー層(加硫済みフォーム円環体2に接するゴム層)が付着しているものであってもよい。インナーライナー層も使用することで、廃棄するフォーム充填タイヤ1の廃棄量を減らすことができる。
【0027】
本発明では、上述した台タイヤ3に限らず、まだ寿命にならないフォーム充填タイヤや更生タイヤにおいて、機能が低下した加硫済みフォーム円環体を交換するような場合にも好適に使用することができる。
【0028】
【実施例】
タイヤサイズ825−20 14PRのフォーム充填タイヤから加硫済みフォーム円環体を一体のまま取り出し、これを図2に示したように切削加工した。それを台タイヤの空洞部に配置し、未加硫フォームを充填した。温度160℃の条件下で加熱加硫し、タイヤサイズ1200−20 18PRのフォーム充填タイヤを得た。
【0029】
なお、未加硫フォームには、天然ゴム100重量部に発泡剤(p−トルエンスルホニルアセトンヒドラゾーン)を3重量部配合したものを使用した。
【0030】
加硫済みフォーム円環体を再利用したフォーム充填タイヤに使用した未加硫フォームの量は、加硫済みフォーム円環体を使用せずに、未加硫フォームだけを充填して加硫成形したフォーム充填タイヤに比べて、50%削減したことを確認した。また、未加硫フォームの加硫が終了するまでの加熱時間が35%短縮され、省エネと生産性の向上に寄与することを確認した。
【0031】
【発明の効果】
上述したように本発明は、廃棄するフォーム充填タイヤから取り出した加硫済みフォーム円環体を台タイヤの空洞部に配置し、該加硫済みフォーム円環体と台タイヤの空洞部内面との間に未加硫フォームを充填し、該台タイヤをリム組した後加熱することで、廃棄するフォーム充填タイヤの加硫済みフォーム円環体を他のフォーム充填タイヤに再利用することができる。それにより、未加硫フォームの充填量を減らして材料コストを低減することができ、かつ省エネと生産性の向上を図ることができる。また、加硫済みフォーム円環体の使用による走行上の不具合を招くこともない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のフォーム充填タイヤの製造方法において使用する、廃棄するフォーム充填タイヤの一例を示すタイヤ子午線断面図である。
【図2】図1の廃棄するフォーム充填タイヤから取り出した加硫済みフォーム円環体を切削加工した状態を示す断面図である。
【図3】図2の加硫済みフォーム円環体をタイヤサイズが大きい台タイヤ内に配置した状態を示すタイヤ子午線断面図である。
【図4】図3の加硫済みフォーム円環体を配置した台タイヤ内に未加硫フォームを充填した状態を示すタイヤ子午線断面図である。
【図5】図4の未加硫フォームを充填した台タイヤにリムを取り付けた状態を示すタイヤ子午線断面図である。
【図6】タイヤサイズが同じ台タイヤ内に加硫済みフォーム円環体を配置した状態を示すタイヤ子午線断面図である。
【符号の説明】
1 廃棄するフォーム充填タイヤ 2 加硫済みフォーム円環体
3 台タイヤ 5 空洞部
7 内面 8 内周側表面
9 切欠き溝 10 未加硫フォーム
11 内周面 14 リム
15 外周側表面
Claims (9)
- 廃棄するフォーム充填タイヤから取り出した加硫済みフォーム円環体を台タイヤ内側の空洞部に配置し、該加硫済みフォーム円環体と台タイヤの空洞部に面する内面との間に未加硫フォームを充填し、該台タイヤをリム組した後加熱するフォーム充填タイヤの製造方法。
- 前記加硫済みフォーム円環体が一体的に構成されている請求項1に記載のフォーム充填タイヤの製造方法。
- 前記台タイヤの内面に対面する前記加硫済みフォーム円環体の内周側表面に、前記台タイヤのタイヤ径方向に延在するようにした切欠き溝を周方向に沿って所定の間隔で形成した後、前記空洞部に配置する請求項1または2に記載のフォーム充填タイヤの製造方法。
- 前記台タイヤの内面に対面する前記加硫済みフォーム円環体の内周側表面に、前記台タイヤの径方向に延在するようにした切欠き溝を周方向に沿って所定の間隔で形成すると共に、前記加硫済みフォーム円環体の内周面に沿って切削した後、前記空洞部に配置する請求項1または2に記載のフォーム充填タイヤの製造方法。
- 前記台タイヤのタイヤサイズが前記廃棄するフォーム充填タイヤより大きい請求項1,2,3または4に記載のフォーム充填タイヤの製造方法。
- 前記加硫済みフォーム円環体は、前記台タイヤの内面に対面する表面に前記廃棄するフォーム充填タイヤのインナーライナー層が付着している請求項5に記載のフォーム充填タイヤの製造方法。
- 前記台タイヤの内面に対面する前記加硫済みフォーム円環体の外周側表面を切削した後、前記空洞部に配置する請求項1または2に記載のフォーム充填タイヤの製造方法。
- 前記台タイヤの内面に対面する前記加硫済みフォーム円環体の外周側表面を切削すると共に、内周側表面に前記台タイヤの径方向に延在するようにした切欠き溝を周方向に沿って所定の間隔で形成した後、前記空洞部に配置する請求項1または2に記載のフォーム充填タイヤの製造方法。
- 前記台タイヤのタイヤサイズが前記廃棄するフォーム充填タイヤと同じである請求項7または8に記載のフォーム充填タイヤの製造方法。
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---|---|---|---|
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Cited By (3)
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-
2003
- 2003-06-04 JP JP2003159632A patent/JP2004358805A/ja active Pending
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