以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態に係るプロジェクターについて説明する。
なお、本発明の範囲は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で任意に変更可能である。また、以下の図面においては、各構成をわかりやすくするために、実際の構造と各構造における縮尺や数等を異ならせる場合がある。
図1は、本実施形態のプロジェクター500を示す概略構成図である。図1に示すように、本実施形態のプロジェクター500は、光源装置200と、平行化レンズ305と、照明光学系310と、色分離光学系320と、3つの液晶ライトバルブ(光変調装置)330R,330G,330Bと、クロスダイクロイックプリズム340と、投射光学系350と、を備えている。
光源装置200から射出された光は、平行化レンズ305を通過して照明光学系310に入射する。平行化レンズ305は、光源装置200からの光を平行化する。
照明光学系310は、光源装置200から射出される光の照度を、液晶ライトバルブ330R,330G,330B上において均一化するように調整する。さらに、照明光学系310は、光源装置200から射出される光の偏光方向を一方向に揃える。その理由は、光源装置200から射出される光を液晶ライトバルブ330R,330G,330Bで有効に利用するためである。
照度分布と偏光方向とが調整された光は、色分離光学系320に入射する。色分離光学系320は、入射光を赤色光(R)、緑色光(G)、青色光(B)の3つの色光に分離する。3つの色光は、各色光に対応付けられた液晶ライトバルブ330R,330G,330Bにより、映像信号に応じてそれぞれ変調される。液晶ライトバルブ330R,330G,330Bは、後述する液晶パネル560R,560G,560Bと、偏光板(図示せず)と、を備えている。偏光板は、液晶パネル560R,560G,560Bのそれぞれの光入射側および光射出側に配置される。
変調された3つの色光は、クロスダイクロイックプリズム340により合成される。合成光は投射光学系350に入射する。投射光学系350は、入射光をスクリーン700(図3参照)に投射する。これにより、スクリーン700上に映像が表示される。なお、平行化レンズ305、照明光学系310、色分離光学系320、クロスダイクロイックプリズム340、投射光学系350の各々の構成としては、周知の構成を採用することができる。
図2は、光源装置200の構成を示す断面図である。光源装置200は、光源ユニット210と、放電灯点灯装置(放電灯駆動装置)10と、を備えている。図2には、光源ユニット210の断面図が示されている。光源ユニット210は、主反射鏡112と、放電灯90と、副反射鏡113と、を備えている。
放電灯点灯装置10は、放電灯90に駆動電流Iを供給して放電灯90を点灯させる。主反射鏡112は、放電灯90から放出された光を照射方向Dに向けて反射する。照射方向Dは、放電灯90の光軸AXと平行である。
放電灯90の形状は、照射方向Dに沿って延びる棒状である。放電灯90の一方の端部を第1端部90e1とし、放電灯90の他方の端部を第2端部90e2とする。放電灯90の材料は、例えば、石英ガラス等の透光性材料である。放電灯90の中央部は球状に膨らんでおり、その内部は放電空間91である。放電空間91には、希ガス、金属ハロゲン化合物等を含む放電媒体であるガスが封入されている。
放電空間91には、第1電極92および第2電極93の先端が突出している。第1電極92は、放電空間91の第1端部90e1側に配置されている。第2電極93は、放電空間91の第2端部90e2側に配置されている。第1電極92および第2電極93の形状は、光軸AXに沿って延びる棒状である。放電空間91には、第1電極92および第2電極93の電極先端部が、所定距離だけ離れて対向するように配置されている。第1電極92および第2電極93の材料は、例えば、タングステン等の金属である。
放電灯90の第1端部90e1に、第1端子536が設けられている。第1端子536と第1電極92とは、放電灯90の内部を貫通する導電性部材534により電気的に接続されている。同様に、放電灯90の第2端部90e2に、第2端子546が設けられている。第2端子546と第2電極93とは、放電灯90の内部を貫通する導電性部材544により電気的に接続されている。第1端子536および第2端子546の材料は、例えば、タングステン等の金属である。導電性部材534,544の材料としては、例えば、モリブデン箔が利用される。
第1端子536および第2端子546は、放電灯点灯装置10に接続されている。放電灯点灯装置10は、第1端子536および第2端子546に、放電灯90を駆動するための駆動電流Iを供給する。その結果、第1電極92および第2電極93の間でアーク放電が起きる。アーク放電により発生した光(放電光)は、破線の矢印で示すように、放電位置から全方向に向かって放射される。
主反射鏡112は、固定部材114により、放電灯90の第1端部90e1に固定されている。主反射鏡112は、放電光のうち、照射方向Dと反対側に向かって進む光を照射方向Dに向かって反射する。主反射鏡112の反射面(放電灯90側の面)の形状は、放電光を照射方向Dに向かって反射できる範囲内において、特に限定されず、例えば、回転楕円形状であっても、回転放物線形状であってもよい。例えば、主反射鏡112の反射面の形状を回転放物線形状とした場合、主反射鏡112は、放電光を光軸AXに略平行な光に変換することができる。これにより、平行化レンズ305を省略することができる。
副反射鏡113は、固定部材522により、放電灯90の第2端部90e2側に固定されている。副反射鏡113の反射面(放電灯90側の面)の形状は、放電空間91の第2端部90e2側の部分を囲む球面形状である。副反射鏡113は、放電光のうち、主反射鏡112が配置された側と反対側に向かって進む光を主反射鏡112に向かって反射する。これにより、放電空間91から放射される光の利用効率を高めることができる。
固定部材114,522の材料は、放電灯90からの発熱に耐え得る耐熱材料である範囲内において、特に限定されず、例えば、無機接着剤である。主反射鏡112および副反射鏡113と放電灯90との配置を固定する方法としては、主反射鏡112および副反射鏡113を放電灯90に固定する方法に限らず、任意の方法を採用できる。例えば、放電灯90と主反射鏡112とを、独立にプロジェクター500の筐体(図示せず)に固定してもよい。副反射鏡113についても同様である。
以下、プロジェクター500の回路構成について説明する。
図3は、本実施形態のプロジェクター500の回路構成の一例を示す図である。プロジェクター500は、図1に示した光学系の他、画像信号変換部510と、直流電源装置80と、液晶パネル560R,560G,560Bと、画像処理装置570と、CPU(Central Processing Unit)580と、を備えている。
画像信号変換部510は、外部から入力された画像信号502(輝度−色差信号やアナログRGB信号など)を所定のワード長のデジタルRGB信号に変換して画像信号512R,512G,512Bを生成し、画像処理装置570に供給する。
画像処理装置570は、3つの画像信号512R,512G,512Bに対してそれぞれ画像処理を行う。画像処理装置570は、液晶パネル560R,560G,560Bをそれぞれ駆動するための駆動信号572R,572G,572Bを液晶パネル560R,560G,560Bに供給する。
直流電源装置80は、外部の交流電源600から供給される交流電圧を一定の直流電圧に変換する。直流電源装置80は、トランス(図示しないが、直流電源装置80に含まれる)の2次側にある画像信号変換部510、画像処理装置570およびトランスの1次側にある放電灯点灯装置10に直流電圧を供給する。
放電灯点灯装置10は、起動時に放電灯90の電極間に高電圧を発生し、絶縁破壊を生じさせて放電路を形成する。以後、放電灯点灯装置10は、放電灯90が放電を維持するための駆動電流Iを供給する。
液晶パネル560R,560G,560Bは、前述した液晶ライトバルブ330R,330G,330Bにそれぞれ備えられている。液晶パネル560R,560G,560Bは、それぞれ駆動信号572R,572G,572Bに基づいて、前述した光学系を介して各液晶パネル560R,560G,560Bに入射される色光の透過率(輝度)を変調する。
CPU580は、プロジェクター500の点灯開始から消灯に至るまでの各種の動作を制御する。例えば、図3の例では、通信信号582を介して点灯命令や消灯命令を放電灯点灯装置10に出力する。CPU580は、放電灯点灯装置10から通信信号584を介して放電灯90の点灯情報を受け取る。
以下、放電灯点灯装置10の構成について説明する。
図4は、放電灯点灯装置10の回路構成の一例を示す図である。
放電灯点灯装置10は、図4に示すように、電力制御回路20と、極性反転回路30と、制御部40と、動作検出部60と、イグナイター回路70と、を備えている。
電力制御回路20は、放電灯90に供給する駆動電力を生成する。本実施形態においては、電力制御回路20は、直流電源装置80からの電圧を入力とし、入力電圧を降圧して直流電流Idを出力するダウンチョッパー回路で構成されている。
電力制御回路20は、スイッチ素子21、ダイオード22、コイル23およびコンデンサー24を含んで構成される。スイッチ素子21は、例えば、トランジスターで構成される。本実施形態においては、スイッチ素子21の一端は直流電源装置80の正電圧側に接続され、他端はダイオード22のカソード端子およびコイル23の一端に接続されている。
コイル23の他端にコンデンサー24の一端が接続され、コンデンサー24の他端はダイオード22のアノード端子および直流電源装置80の負電圧側に接続されている。スイッチ素子21の制御端子には、後述する制御部40から電流制御信号が入力されてスイッチ素子21のON/OFFが制御される。電流制御信号には、例えば、PWM(Pulse Width Modulation)制御信号が用いられてもよい。
スイッチ素子21がONすると、コイル23に電流が流れ、コイル23にエネルギーが蓄えられる。その後、スイッチ素子21がOFFすると、コイル23に蓄えられたエネルギーがコンデンサー24とダイオード22とを通る経路で放出される。その結果、スイッチ素子21がONする時間の割合に応じた直流電流Idが発生する。
極性反転回路30は、電力制御回路20から入力される直流電流Idを所定のタイミングで極性反転させる。これにより、極性反転回路30は、制御された時間だけ継続する直流である駆動電流I、もしくは、任意の周波数を持つ交流である駆動電流Iを生成し、出力する。本実施形態において、極性反転回路30は、インバーターブリッジ回路(フルブリッジ回路)で構成されている。
極性反転回路30は、例えば、トランジスターなどで構成される第1のスイッチ素子31、第2のスイッチ素子32、第3のスイッチ素子33、および第4のスイッチ素子34を含んでいる。極性反転回路30は、直列接続された第1のスイッチ素子31および第2のスイッチ素子32と、直列接続された第3のスイッチ素子33および第4のスイッチ素子34と、が互いに並列接続された構成を有する。第1のスイッチ素子31、第2のスイッチ素子32、第3のスイッチ素子33、および第4のスイッチ素子34の制御端子には、それぞれ制御部40から極性反転制御信号が入力される。この極性反転制御信号に基づいて、第1のスイッチ素子31、第2のスイッチ素子32、第3のスイッチ素子33および第4のスイッチ素子34のON/OFF動作が制御される。
極性反転回路30においては、第1のスイッチ素子31および第4のスイッチ素子34と、第2のスイッチ素子32および第3のスイッチ素子33と、を交互にON/OFFさせる動作が繰り返される。これにより、電力制御回路20から出力される直流電流Idの極性が交互に反転する。極性反転回路30は、第1のスイッチ素子31と第2のスイッチ素子32との共通接続点、および第3のスイッチ素子33と第4のスイッチ素子34との共通接続点から、制御された時間だけ同一極性状態を継続する直流である駆動電流I、もしくは制御された周波数をもつ交流である駆動電流Iを生成し、出力する。
すなわち、極性反転回路30は、第1のスイッチ素子31および第4のスイッチ素子34がONのときには第2のスイッチ素子32および第3のスイッチ素子33がOFFであり、第1のスイッチ素子31および第4のスイッチ素子34がOFFのときには第2のスイッチ素子32および第3のスイッチ素子33がONであるように制御される。したがって、第1のスイッチ素子31および第4のスイッチ素子34がONのときには、コンデンサー24の一端から第1のスイッチ素子31、放電灯90、第4のスイッチ素子34の順に流れる駆動電流Iが発生する。第2のスイッチ素子32および第3のスイッチ素子33がONのときには、コンデンサー24の一端から第3のスイッチ素子33、放電灯90、第2のスイッチ素子32の順に流れる駆動電流Iが発生する。
本実施形態において、電力制御回路20と極性反転回路30とを合わせた部分が放電灯駆動部230に対応する。すなわち、放電灯駆動部230は、放電灯90を駆動する駆動電流Iを放電灯90に供給する。
制御部40は、放電灯駆動部230を制御する。図4の例では、制御部40は、電力制御回路20および極性反転回路30を制御することにより、駆動電流Iが同一極性を継続する保持時間、駆動電流Iの電流値(駆動電力の電力値)、周波数等のパラメーターを制御する。制御部40は、極性反転回路30に対して、駆動電流Iの極性反転タイミングにより、駆動電流Iが同一極性で継続する保持時間、駆動電流Iの周波数等を制御する極性反転制御を行う。制御部40は、電力制御回路20に対して、出力される直流電流Idの電流値を制御する電流制御を行う。
本実施形態において制御部40は、交流駆動と、直流駆動と、片寄駆動と、低周波交流駆動と、混合駆動と、を実行可能である。交流駆動は、放電灯90に交流電流が供給される駆動である。直流駆動は、放電灯90に直流電流が供給される駆動である。
片寄駆動は、放電灯90に極性の異なる直流電流が交互に供給され、一方の極性の直流電流の長さが、他方の極性の直流電流の長さよりも十分に長い駆動である。低周波交流駆動は、放電灯90に交流駆動の交流電流よりも周波数の低い交流電流が供給される駆動である。混合駆動は、交流駆動と直流駆動とが交互に実行される駆動である。各放電灯駆動によって放電灯90に供給される駆動電流Iの駆動電流波形については、後段において詳述する。
制御部40の構成は、特に限定されない。本実施形態においては、制御部40は、システムコントローラー41、電力制御回路コントローラー42、および極性反転回路コントローラー43を含んで構成されている。なお、制御部40は、その一部または全てを半導体集積回路で構成してもよい。
システムコントローラー41は、電力制御回路コントローラー42および極性反転回路コントローラー43を制御することにより、電力制御回路20および極性反転回路30を制御する。システムコントローラー41は、動作検出部60が検出したランプ電圧(電極間電圧)Vlaおよび駆動電流Iに基づき、電力制御回路コントローラー42および極性反転回路コントローラー43を制御してもよい。
本実施形態においては、システムコントローラー41には、記憶部44が接続されている。
システムコントローラー41は、記憶部44に格納された情報に基づき、電力制御回路20および極性反転回路30を制御してもよい。記憶部44には、例えば、駆動電流Iが同一極性で継続する保持時間、駆動電流Iの電流値、周波数、波形、変調パターン等の駆動パラメーターに関する情報が格納されていてもよい。
電力制御回路コントローラー42は、システムコントローラー41からの制御信号に基づき、電力制御回路20へ電流制御信号を出力することにより、電力制御回路20を制御する。
極性反転回路コントローラー43は、システムコントローラー41からの制御信号に基づき、極性反転回路30へ極性反転制御信号を出力することにより、極性反転回路30を制御する。
制御部40は、専用回路を用いて実現され、上述した制御や後述する処理の各種制御を行うようにすることができる。これに対して、制御部40は、例えば、CPUが記憶部44に記憶された制御プログラムを実行することによりコンピューターとして機能し、これらの処理の各種制御を行うようにすることもできる。
図5は、制御部40の他の構成例について説明するための図である。図5に示すように、制御部40は、制御プログラムにより、電力制御回路20を制御する電流制御手段40−1、極性反転回路30を制御する極性反転制御手段40−2として機能するように構成されてもよい。
図4に示した例では、制御部40は、放電灯点灯装置10の一部として構成されている。これに対して、制御部40の機能の一部をCPU580が担うように構成されていてもよい。
動作検出部60は、本実施形態においては、放電灯90のランプ電圧Vlaを検出して制御部40にランプ電圧情報を出力する電圧検出部を含む。また、動作検出部60は、駆動電流Iを検出して制御部40に駆動電流情報を出力する電流検出部などを含んでいてもよい。本実施形態においては、動作検出部60は、第1の抵抗61、第2の抵抗62および第3の抵抗63を含んで構成されている。
本実施形態において、動作検出部60の電圧検出部は、放電灯90と並列に、互いに直列接続された第1の抵抗61および第2の抵抗62で分圧した電圧によりランプ電圧Vlaを検出する。また、本実施形態において、電流検出部は、放電灯90に直列に接続された第3の抵抗63に発生する電圧により駆動電流Iを検出する。
イグナイター回路70は、放電灯90の点灯開始時にのみ動作する。イグナイター回路70は、放電灯90の点灯開始時に放電灯90の電極間(第1電極92と第2電極93との間)を絶縁破壊して放電路を形成するために必要な高電圧(放電灯90の通常点灯時よりも高い電圧)を、放電灯90の電極間(第1電極92と第2電極93との間)に供給する。本実施形態においては、イグナイター回路70は、放電灯90と並列に接続されている。
図6(A),(B)には、第1電極92および第2電極93の先端部分が示されている。第1電極92および第2電極93の先端にはそれぞれ突起552p,562pが形成されている。
第1電極92と第2電極93の間で生じる放電は、主として突起552pと突起562pとの間で生じる。本実施形態のように突起552p,562pがある場合には、突起が無い場合と比べて、第1電極92および第2電極93における放電位置(アーク位置)の移動を抑えることができる。
図6(A)は、第1電極92が陽極として動作し、第2電極93が陰極として動作する第1極性状態を示している。第1極性状態では、放電により、第2電極93(陰極)から第1電極92(陽極)へ電子が移動する。陰極(第2電極93)からは電子が放出される。陰極(第2電極93)から放出された電子は陽極(第1電極92)の先端に衝突する。この衝突によって熱が生じ、陽極(第1電極92)の先端(突起552p)の温度が上昇する。
図6(B)は、第1電極92が陰極として動作し、第2電極93が陽極として動作する第2極性状態を示している。第2極性状態では、第1極性状態とは逆に、第1電極92から第2電極93へ電子が移動する。その結果、第2電極93の先端(突起562p)の温度が上昇する。
このように、放電灯90に駆動電流Iが供給されることで、電子が衝突する陽極の温度は上昇する。一方、電子を放出する陰極は、陽極に向けて電子を放出している間、温度は低下する。
第1電極92と第2電極93との電極間距離は、突起552p,562pの劣化とともに大きくなる。突起552p,562pが損耗するためである。電極間距離が大きくなると、第1電極92と第2電極93との間の抵抗が大きくなるため、ランプ電圧Vlaが大きくなる。したがって、ランプ電圧Vlaを参照することによって、電極間距離の変化、すなわち、放電灯90の劣化度合いを検出することができる。
なお、第1電極92と第2電極93とは、同様の構成であるため、以下の説明においては、代表して第1電極92についてのみ説明する場合がある。また、第1電極92の先端の突起552pと第2電極93の先端の突起562pとは、同様の構成であるため、以下の説明においては、代表して突起552pについてのみ説明する場合がある。
以下、本実施形態の制御部40による放電灯駆動部230の制御について説明する。本実施形態において制御部40は、交流駆動、直流駆動、片寄駆動、および低周波交流駆動の4つの駆動を組み合わせて放電灯駆動部230を制御する。
本実施形態において制御部40は、例えば、所定の駆動サイクルが繰り返されるように、放電灯駆動部230を制御する。所定の駆動サイクルは、駆動サイクルC1と、駆動サイクルC2と、を含む。本実施形態において駆動サイクルC1と駆動サイクルC2とは、ランプ電圧Vlaおよび累積点灯時間ttに応じて切り換えられる。
以下、各駆動サイクルにおける放電灯90に駆動電流Iが供給される期間の変化について説明する。まず、駆動サイクルC1について説明する。図7は、駆動サイクルC1が繰り返されるように放電灯駆動部230が制御される場合を示している。
図7に示すように、本実施形態において駆動サイクルC1は、第1期間P1と、第2期間P2と、第3期間P3と、第4期間P4と、を有する。駆動サイクルC1には、第1期間P1と第2期間P2とが交互に繰り返される混合期間PH1が設けられる。すなわち、制御部40は、第1期間P1と、第2期間P2と、第3期間P3と、第4期間P4と、混合期間PH1と、が設けられるように放電灯駆動部230を制御する。混合期間PH1における第1期間P1の数と第2期間P2の数とは、特に限定されない。
第1期間P1は、交流駆動が実行される期間である。第2期間P2は、直流駆動が実行される期間である。第3期間P3は、片寄駆動が実行される期間である。第4期間P4は、低周波交流駆動が実行される期間である。このように、駆動サイクルC1は、制御部40が4つの駆動を行うことで実行される。混合期間PH1は、混合駆動が実行される期間である。本実施形態において混合期間PH1は、1つの駆動サイクルC1に複数設けられる。以下、各期間について詳細に説明する。
図8は、混合期間PH1の駆動電流波形の一例を示す図である。図8において、縦軸は駆動電流Iを示しており、横軸は時間Tを示している。駆動電流Iは、第1極性状態である場合を正とし、第2極性状態となる場合を負として示している。
図8に示すように、第1期間P1は、放電灯90に第1周波数f1を有する交流電流が供給される期間である。本実施形態において第1期間P1は、第1交流期間(交流期間)P11と、第2交流期間(交流期間)P12と、第3交流期間(交流期間)P13と、第4交流期間(交流期間)P14と、を有する。第1交流期間P11と、第2交流期間P12と、第3交流期間P13と、第4交流期間P14とは、この順に連続して設けられる。
本実施形態において第1交流期間P11と、第2交流期間P12と、第3交流期間P13と、第4交流期間P14と、における交流電流は、例えば、電流値Im1と電流値−Im1との間で極性が複数回反転される矩形波交流電流である。
第1交流期間P11における第1周波数f11と、第2交流期間P12における第1周波数f12と、第3交流期間P13における第1周波数f13と、第4交流期間P14における第1周波数f14と、は、互いに異なる。すなわち、本実施形態において第1周波数f1は、互いに異なる複数の周波数を含み、第1期間P1は、放電灯90に供給される交流電流の周波数が互いに異なる交流期間を複数有している。
第1周波数f11と、第1周波数f12と、第1周波数f13と、第1周波数f14と、は、この順に小さくなる。すなわち、第1期間P1において、時間的に後に設けられる交流期間ほど交流電流の周波数が小さくなる。
本実施形態において制御部40は、動作検出部60における電圧検出部によって検出されたランプ電圧Vlaおよび放電灯90に供給される駆動電力Wdの両方に基づいて、第1周波数f11〜f14を設定する。すなわち、本実施形態において制御部40は、ランプ電圧Vlaおよび駆動電力Wdの少なくとも一方に基づいて、第1周波数f11〜f14を設定する。すなわち、本実施形態において制御部40は、ランプ電圧Vlaおよび駆動電力Wdの少なくとも一方に基づいて、第1周波数f11〜f14を変化させる。
図9は、ランプ電圧Vlaと第1周波数f11〜f14との関係の一例を示すグラフである。図9において、縦軸は第1周波数f1を示しており、横軸はランプ電圧Vlaを示している。図9は、駆動電力Wdが一定の値である場合のランプ電圧Vlaと第1周波数f11〜f14との関係を示している。
図9の例では、ランプ電圧Vlaの値が所定の値Vla1未満の範囲において、第1周波数f11〜f14は、一定である。図9の例では、ランプ電圧Vlaの値が所定の値Vla1以上の範囲において、第1周波数f11〜f14は、ランプ電圧Vlaが大きいほど大きく設定される。ランプ電圧Vlaの値が所定の値Vla1以上の範囲において、第1周波数f11〜f14とランプ電圧Vlaとの関係は、例えば、1次関数で表される。
図9の例では、ランプ電圧Vlaの値が所定の値Vla1以上の範囲におけるランプ電圧Vlaに対する第1周波数f1の変化の傾きは、第1周波数f14、第1周波数f13、第1周波数f12、第1周波数f11の順で大きくなる。すなわち、ランプ電圧Vlaが大きくなるほど、第1周波数f11〜f14間の値の差は大きくなる。
図10は、駆動電力Wdと第1周波数f11〜f14との関係の一例を示すグラフである。図10において、縦軸は第1周波数f1を示しており、横軸は駆動電力Wdを示している。図10は、ランプ電圧Vlaが一定の値である場合の駆動電力Wdと第1周波数f11〜f14との関係を示している。
図10の例では、第1周波数f11〜f14は、駆動電力Wdが小さいほど大きく設定される。第1周波数f11〜f14と駆動電力Wdとの関係は、例えば、1次関数で表される。図10の例では、駆動電力Wdに対する第1周波数f1の変化の傾きは、例えば、第1周波数f11〜f14のいずれにおいても同じである。
本実施形態においては、図9に示すランプ電圧Vlaに対する第1周波数f1の変化と、図10に示す駆動電力Wdに対する第1周波数f1の変化との両方に基づいて、第1周波数f1が設定される。具体的には、例えば、ランプ電圧Vlaに対して設定される第1周波数f1の値に、駆動電力Wdの変化による第1周波数f1の変化分を足し合わせる、あるいは減じることで、第1周波数f1の値が設定される。第1周波数f1の値は、例えば、50Hz以上、50kHz以下の間である。
なお、本明細書において、第1周波数f1はランプ電圧Vlaが大きいほど大きく設定される、とは、図9の例のようにランプ電圧Vlaの値が所定の範囲内のみにおいてのことであってもよいし、ランプ電圧Vlaの値が取り得るすべての範囲内においてのことであってもよい。
また、本明細書において、第1周波数f1は駆動電力Wdが小さいほど大きく設定される、とは、図10の例のように駆動電力Wdの値が取り得るすべての範囲内においてのことであってもよいし、駆動電力Wdの値が所定の範囲内のみにおいてのことであってもよい。
また、本明細書において、第1周波数f1はランプ電圧Vlaが大きいほど大きく設定される、とは、駆動電力Wdを一定とした場合について、このように設定されることを含む。また、本明細書において、第1周波数f1は駆動電力Wdが小さいほど大きく設定される、とは、ランプ電圧Vlaを一定とした場合について、このように設定されることを含む。
すなわち、例えば、本実施形態のように第1周波数f1がランプ電圧Vlaと駆動電力Wdとの両方に基づいて設定される場合、ランプ電圧Vlaが大きくなった場合でも駆動電力Wdが大きくなることで実際の第1周波数f1は小さくなることがあり、駆動電力Wdが大きくなった場合でもランプ電圧Vlaが小さくなることで実際の第1周波数f1は大きくなることがある。
本実施形態において、第1期間P1の開始極性は、例えば、直前に設けられる期間の終了極性と反対の極性である。開始極性とは、ある期間が開始した時点における駆動電流Iの極性である。終了極性とは、ある期間が終了した時点における駆動電流Iの極性である。
具体的には、例えば、第1期間P1の直前に設けられた第2期間P2において放電灯90に供給される直流電流の極性が第2極性であった場合、第2期間P2の終了極性は第2極性となるため、第1期間P1の開始極性は第1極性である。また、例えば、第1期間P1の直前の第4期間P4の終了極性が第1極性であった場合、第1期間P1の開始極性は第2極性である。本実施形態において第1期間P1の開始極性とは、第1交流期間P11の開始極性である。
図8に示すように、本実施形態において、第1交流期間P11の長さt11と、第2交流期間P12の長さt12と、第3交流期間P13の長さt13と、第4交流期間P14の長さt14とは、例えば、同じである。各交流期間に含まれる交流電流の周期数T1は、例えば、ランプ電圧Vlaおよび駆動電力Wdの両方に基づいて設定される。本実施形態において各交流期間に含まれる交流電流の周期数T1は、例えば、ランプ電圧Vlaおよび駆動電力Wdの両方に基づいて設定される第1周波数f1に基づいて設定される。
また、本実施形態において、第1期間P1の長さt1、すなわち、長さt11〜t14の合計の長さは、例えば、10ms(ミリ秒)以上、10s(秒)以下である。第1期間P1の長さt1がこのように設定されることで、第1電極92の突起552pおよび第2電極93の突起562pに好適に熱負荷を加えることができる。
すなわち、図8に示す第1交流期間P11における周期数T11は、第1周波数f11に基づいて設定される。第2交流期間P12の周期数T12は、第1周波数f12に基づいて設定される。第3交流期間P13の周期数T13は、第1周波数f13に基づいて設定される。第4交流期間P14の周期数T14は、第1周波数f14に基づいて設定される。具体的には、例えば、各第1周波数f1に各期間の長さを乗じた値が、周期数となる。
第2期間P2は、放電灯90に直流電流が供給される期間である。図8に示す例では、第2期間P2においては、一定の電流値Im1を有する第1極性の駆動電流Iが放電灯90に供給される。混合期間PH1の第2期間P2において放電灯90に供給される直流電流の極性は、第2期間P2が設けられるごとに反転する。
すなわち、図7に示す混合期間PH1において、第1期間P1の直前に設けられる第2期間P2の直流電流と、第1期間P1の直後に設けられる第2期間P2の直流電流とでは、互いに極性が異なる。例えば、第1期間P1の直前に設けられる第2期間P2の直流電流の極性が、図8に示す第2期間P2の直流電流と同様に第1極性である場合、第1期間P1の直後に設けられる第2期間P2の直流電流の極性は、第1極性と反対の第2極性である。この場合、第1期間P1の直後に設けられる第2期間P2においては、一定の電流値−Imを有する第2極性の駆動電流Iが放電灯90に供給される。
図8に示す第2期間P2の長さt2は、第1期間P1における第1周波数f11を有する交流電流の半周期の長さよりも大きい。第2期間P2の長さt2は、例えば、10ms(ミリ秒)以上、20ms(ミリ秒)以下である。第2期間P2の長さt2がこのように設定されることで、第1電極92の突起552pに好適に熱負荷を加えることができる。
本実施形態において制御部40は、ランプ電圧Vlaおよび駆動電力Wdの両方に基づいて第2期間P2の長さt2を設定する。すなわち、本実施形態において制御部40は、ランプ電圧Vlaおよび駆動電力Wdの少なくとも一方に基づいて第2期間P2の長さt2を設定する。言い換えると、本実施形態において制御部40は、ランプ電圧Vlaおよび駆動電力Wdの少なくとも一方に基づいて、第2期間P2の長さt2を変化させる。第2期間P2の長さt2は、例えば、ランプ電圧Vlaが大きいほど大きく設定される。第2期間P2の長さt2は、例えば、駆動電力Wdが大きいほど小さく設定される。
第2期間P2の長さt2とランプ電圧Vlaとの関係は、駆動電力Wdを一定とした場合、例えば、1次関数で表せる。第2期間P2の長さt2と駆動電力Wdとの関係は、ランプ電圧Vlaを一定とした場合、例えば、1次関数で表せる。
なお、本明細書において、第2期間P2の長さt2はランプ電圧Vlaが大きいほど大きく設定される、とは、ランプ電圧Vlaの値が所定の範囲内のみにおいてのことであってもよいし、ランプ電圧Vlaの値が取り得るすべての範囲内においてのことであってもよい。
また、本明細書において、第2期間P2の長さt2は駆動電力Wdが大きいほど小さく設定される、とは、駆動電力Wdの値が所定の範囲内のみにおいてのことであってもよいし、駆動電力Wdの値が取り得るすべての範囲内においてのことであってもよい。
すなわち、ランプ電圧Vlaが所定の値以下である場合には、例えば、第2期間P2の長さt2を一定としてもよい。また、駆動電力Wdが所定の値以下である場合には、例えば、第2期間P2の長さt2を一定としてもよい。
また、本明細書において、第2期間P2の長さt2はランプ電圧Vlaが大きいほど大きく設定される、とは、駆動電力Wdを一定とした場合について、このように設定されることを含む。また、本明細書において、第2期間P2の長さt2は駆動電力Wdが大きいほど小さく設定される、とは、ランプ電圧Vlaを一定とした場合について、このように設定されることを含む。
すなわち、例えば、本実施形態のように第2期間P2の長さt2がランプ電圧Vlaと駆動電力Wdとの両方に基づいて設定される場合、ランプ電圧Vlaが大きくなった場合でも駆動電力Wdが大きくなることで実際の第2期間P2の長さt2は小さくなることがあり、駆動電力Wdが大きくなった場合でもランプ電圧Vlaが小さくなることで実際の第2期間P2の長さt2は大きくなることがある。
図7に示すように、第3期間P3は、時間的に隣り合う混合期間PH1の間に設けられる。第3期間P3は、例えば、第1期間P1の直後に設けられる。第3期間P3は、例えば、第1期間P1の直前に設けられる。すなわち、第3期間P3は、例えば、第1期間P1に挟まれて設けられる。
図11は、第3期間P3の駆動電流波形の一例を示す図である。図11において、縦軸は駆動電流Iを示しており、横軸は時間Tを示している。駆動電流Iは、第1極性状態である場合を正とし、第2極性状態となる場合を負として示している。
図11に示すように、第3期間P3は、第1直流期間P31および第2直流期間P32を交互に含む期間である。第1直流期間P31は、放電灯90に直流電流が供給される期間である。図11に示す例では、第1直流期間P31においては、一定の電流値Im1を有する第1極性の駆動電流Iが放電灯90に供給される。
第2直流期間P32は、第1直流期間P31において放電灯90に供給される直流電流の極性と反対の極性を有する直流電流が放電灯90に供給される期間である。すなわち、図11に示す例では、第2直流期間P32においては、一定の電流値−Im1を有する第2極性の駆動電流Iが放電灯90に供給される。
第1直流期間P31において放電灯90に供給される直流電流の極性および第2直流期間P32において放電灯90に供給される直流電流の極性は、第3期間P3が設けられるごとに反転する。すなわち、図11に示される第3期間P3の次に設けられる第3期間P3においては、第1直流期間P31において放電灯90に供給される直流電流の極性は、第2極性となり、第2直流期間P32において放電灯90に供給される直流電流の極性は、第1極性となる。
第1直流期間P31の長さt31は、第2直流期間P32の長さt32よりも大きい。第1直流期間P31の長さt31は、例えば、第2直流期間P32の長さt32の10倍以上である。第1直流期間P31の長さt31がこのように設定されることで、第3期間P3において、一方の電極を好適に加熱しつつ、他方の電極の温度が低下し過ぎることを好適に抑制できる。
第1直流期間P31の長さt31は、例えば、5.0ms(ミリ秒)以上、20ms(ミリ秒)以下である。第2直流期間P32の長さt32は、0.5ms(ミリ秒)よりも小さい。
第3期間P3における第1直流期間P31の長さt31の合計は、第2期間P2の長さt2よりも大きく、第4期間P4の交流電流、すなわち後述する第2周波数f2を有する交流電流の半周期の長さよりも大きい。第3期間P3における第1直流期間P31の長さt31の合計とは、第3期間P3に含まれるすべての第1直流期間P31の長さt31を足し合わせた長さである。図11の例では、第3期間P3には、例えば、4つの第1直流期間P31が含まれている。そのため、第3期間P3における第1直流期間P31の長さt31の合計とは、4つの第1直流期間P31の長さt31を足し合わせた長さである。
第3期間P3における第1直流期間P31の長さt31の合計は、例えば、10ms(ミリ秒)以上、1.0s(秒)以下である。第3期間P3における第1直流期間P31の長さt31の合計がこのように設定されることで、第1電極92の突起552pに加えられる熱負荷を好適に大きくできる。
なお、以下の説明においては、第3期間P3における第1直流期間P31の長さt31の合計を、単に、第1直流期間P31の合計長さ、と呼ぶ場合がある。
第1直流期間P31の長さt31は、それぞれ同じであってもよいし、互いに異なっていてもよい。図11の例では、第1直流期間P31の長さt31は、それぞれ同じである。
本実施形態において制御部40は、ランプ電圧Vlaおよび駆動電力Wdの両方に基づいて、第1直流期間P31の合計長さを設定する。すなわち、本実施形態において制御部40は、ランプ電圧Vlaおよび駆動電力Wdの少なくとも一方に基づいて、第1直流期間P31の合計長さを設定する。言い換えると、本実施形態において制御部40は、ランプ電圧Vlaおよび駆動電力Wdの少なくとも一方に基づいて、第1直流期間P31の合計長さを変化させる。第1直流期間P31の合計長さは、例えば、ランプ電圧Vlaが大きいほど大きく設定される。第1直流期間P31の合計長さは、例えば、駆動電力Wdが大きいほど小さく設定される。
第1直流期間P31の合計長さとランプ電圧Vlaとの関係は、駆動電力Wdを一定とした場合、例えば、1次関数で表せる。第1直流期間P31の合計長さと駆動電力Wdとの関係は、ランプ電圧Vlaを一定とした場合、例えば、1次関数で表せる。
なお、本明細書において、第3期間P3における第1直流期間P31の長さt31の合計はランプ電圧Vlaが大きいほど大きく設定される、とは、ランプ電圧Vlaの値が所定の範囲内のみにおいてのことであってもよいし、ランプ電圧Vlaの値が取り得るすべての範囲内においてのことであってもよい。
また、本明細書において、第3期間P3における第1直流期間P31の長さt31の合計は駆動電力Wdが大きいほど小さく設定される、とは、駆動電力Wdの値が所定の範囲内のみにおいてのことであってもよいし、駆動電力Wdの値が取り得るすべての範囲内においてのことであってもよい。
すなわち、ランプ電圧Vlaが所定の値以下である場合には、例えば、第1直流期間P31の合計長さを一定としてもよい。また、駆動電力Wdが所定の値以下である場合には、例えば、第1直流期間P31の合計長さを一定としてもよい。
また、本明細書において、第3期間P3における第1直流期間P31の長さt31の合計はランプ電圧Vlaが大きいほど大きく設定される、とは、駆動電力Wdを一定とした場合について、このように設定されることを含む。また、本明細書において、第3期間P3における第1直流期間P31の長さt31の合計は駆動電力Wdが大きいほど小さく設定される、とは、ランプ電圧Vlaを一定とした場合について、このように設定されることを含む。
すなわち、例えば、本実施形態のように第1直流期間P31の合計長さがランプ電圧Vlaと駆動電力Wdとの両方に基づいて設定される場合、ランプ電圧Vlaが大きくなった場合でも駆動電力Wdが大きくなることで実際の第1直流期間P31の合計長さは小さくなることがあり、駆動電力Wdが大きくなった場合でもランプ電圧Vlaが小さくなることで実際の第1直流期間P31の合計長さは大きくなることがある。
第3期間P3に含まれる第1直流期間P31の数は、例えば、第1直流期間P31の合計長さに基づいて決まる。第1直流期間P31の数は、例えば、各第1直流期間P31の長さt31が所定の値以下となる範囲内で、設定された第1直流期間P31の合計長さを実現できるように決められる。すなわち、第3期間P3に含まれる第1直流期間P31の数は、例えば、第1直流期間P31の合計長さが大きくなるほど多くなる。
具体的には、例えば所定の値が20ms(ミリ秒)と設定される場合、第1直流期間P31の合計長さが20ms(ミリ秒)よりも大きく40ms(ミリ秒)以下のとき、第3期間P3に含まれる第1直流期間P31の数は2つである。また、第1直流期間P31の合計長さが40ms(ミリ秒)よりも大きく60ms(ミリ秒)以下のとき、第3期間P3に含まれる第1直流期間P31の数は3つである。
図11に示す例では、第3期間P3に含まれる第1直流期間P31の数は4つである。すなわち、例えば所定の値が20ms(ミリ秒)と設定される場合、第1直流期間P31の合計長さは、60ms(ミリ秒)よりも大きく80ms(ミリ秒)以下である。
以上のように設定することで、各第1直流期間P31の長さt31を所定の値(20ms)以下としつつ、設定された第1直流期間P31の合計長さを実現できる。
図7に示すように、本実施形態において第4期間P4は、時間的に隣り合う混合期間PH1の間に設けられる。第4期間P4は、例えば、第1期間P1の直後に設けられる。第4期間P4は、例えば、第1期間P1の直前に設けられる。すなわち、第4期間P4は、例えば、第1期間P1に挟まれて設けられる。
図12は、第4期間P4の駆動電流波形の一例を示す図である。図12において、縦軸は駆動電流Iを示しており、横軸は時間Tを示している。駆動電流Iは、第1極性状態である場合を正とし、第2極性状態となる場合を負として示している。
図12に示すように、第4期間P4は、放電灯90に第1周波数f1よりも小さい第2周波数f2を有する交流電流が供給される期間である。すなわち、第4期間P4における交流電流の第2周波数f2は、第1周波数f11〜f14のいずれよりも小さい。第2周波数f2の値は、例えば、10Hz以上、100Hz以下の間である。
第4期間P4は、設けられるごとに開始極性が反転する。図12の例では、第4期間P4の開始極性は、例えば、第1極性である。そのため、図12に示す第4期間P4の次に設けられる第4期間P4においては、開始極性は第2極性となる。
第4期間P4の長さt4は、例えば、第2期間P2の長さt2よりも大きい。第4期間P4の長さt4は、第2周波数f2を有する交流電流の6周期の長さ以上、30周期の長さ以下である。第4期間P4の長さt4がこのように設定されることで、第1電極92の突起552pの形状を好適に整えることができる。
上述したように、本実施形態において第3期間P3と第4期間P4とは、時間的に隣り合う混合期間PH1同士の間に設けられる。本実施形態において第3期間P3と第4期間P4とは、一定のパターンに沿って周期的に設けられる。以下、詳細に説明する。
図13は、本実施形態の制御部40による駆動サイクルC1における制御の一例について示すフローチャートである。図13に示すように、制御部40は、駆動サイクルC1を開始する(ステップS11)と、まず混合駆動を実行する(ステップS12)。これにより、混合期間PH1が開始される。そして、制御部40は、駆動サイクルC1を開始してから第1所定時間が経過したか否かを判断する(ステップS13)。
ここで、第1所定時間とは、駆動サイクルC1が開始された時点から第1所定時刻までの間の時間である。本実施形態において第1所定時刻は、等間隔に複数設定される。そのため、本実施形態において第1所定時間は、複数設けられる。
具体的には、例えば、本実施形態において所定時刻は、30s(秒)ごとに設定される。すなわち、第1所定時刻は、例えば、駆動サイクルC1が開始された時点を基点として、30s(秒)、60s(秒)、90s(秒)となる時刻である。すなわち、第1所定時間は、例えば、30s(秒)、60s(秒)、90s(秒)である。駆動サイクルC1を開始した直後においては、第1所定時間は、初期値(30s)に設定されている。
駆動サイクルC1を開始してから第1所定時間が経過していない場合(ステップS13:NO)、制御部40は、混合駆動を続行する。一方、駆動サイクルC1を開始してから第1所定時間が経過した場合(ステップS13:YES)、制御部40は、駆動サイクルC1を開始してから第2所定時間が経過したか否かを判断する(ステップS14)。
ここで、第2所定時間とは、駆動サイクルC1が開始された時点から第2所定時刻までの間の時間である。第2所定時刻は、例えば、駆動サイクルC1が開始された時点を基点として、90s(秒)となる時刻である。すなわち、第2所定時間は、例えば、90s(秒)である。第2所定時間は、第1所定時間の初期値(例えば、30s)よりも大きい。
駆動サイクルC1を開始してから第2所定時間が経過していない場合(ステップS14:NO)、制御部40は、片寄駆動を実行する(ステップS15)。これにより、第3期間P3が開始される。制御部40は、第3期間P3が終了した後、第1所定時間を次の値(60s)に設定し(ステップS16)、再び混合駆動を実行する(ステップS12)。
一方、駆動サイクルC1を開始してから第2所定時間が経過した場合(ステップS14:YES)、制御部40は、低周波交流駆動を実行する(ステップS17)。これにより、第4期間P4が開始される。制御部40は、第4期間P4が終了した後、駆動サイクルC1を終了する(ステップS18)。
以上のように、例えば、駆動サイクルC1が開始してから初めの第1所定時間(30s)が経過した場合、および駆動サイクルC1が開始してから2番目の第1所定時間(60s)が経過した場合には、片寄駆動が実行され、第3期間P3が設けられる。
一方、駆動サイクルC1が開始してから3番目の第1所定時間(90s)が経過した場合には、第2所定時間(90s)も経過しているため、低周波交流駆動が実行され、第4期間P4が設けられる。
このように、第3期間P3と第4期間P4とは、一定のパターンに沿って周期的に設けられる。すなわち、本実施形態において制御部40は、第1所定間隔、上記例では30s(秒)ごとに、第3期間P3と第4期間P4とのうちのいずれか一方が設けられるように、かつ、第2所定間隔、上記例では90s(秒)ごとに、第4期間P4が設けられるように放電灯駆動部230を制御する。第2所定間隔は、第1所定間隔よりも大きい。
上記例では、第3期間P3が30s(秒)ごとに2つ設けられた後に、第4期間P4が設けられる。すなわち、第4期間P4が設けられてから次の第4期間P4が設けられるまでの間に、2つの第3期間P3が設けられる。第3期間P3における第1直流期間P31において放電灯90に供給される直流電流の極性、および第2直流期間P32において放電灯90に供給される直流電流の極性は、第3期間P3が設けられるごとに反転する。そのため、時間的に隣り合う第4期間P4に挟まれて設けられる2つの第3期間P3においては、放電灯90に供給される駆動電流Iの極性が互いに逆となる。
すなわち、本実施形態において制御部40は、第4期間P4が設けられる第2所定間隔において、第1極性の直流電流が放電灯90に供給される第1直流期間P31、および第2極性の直流電流が放電灯90に供給される第2直流期間P32を交互に含む第3期間P3と、第2極性の直流電流が放電灯90に供給される第1直流期間P31、および第1極性の直流電流が放電灯90に供給される第2直流期間P32を交互に含む第3期間P3と、の2つの第3期間P3が設けられるように放電灯駆動部230を制御する。言い換えると、時間的に隣り合う第4期間P4に挟まれる期間において、これら2つの第3期間P3が設けられる。
次に、駆動サイクルC2について説明する。図14は、駆動サイクルC2が繰り返されるように放電灯駆動部230が制御される場合を示している。図14に示すように、本実施形態において駆動サイクルC2は、第1期間P1と、第2期間P2と、第4期間P4と、を有する。本実施形態の駆動サイクルC2は、第3期間P3が設けられない点において、駆動サイクルC1と異なる。
図14の例では、駆動サイクルC2は、1つの混合期間PH1と、混合期間PH1の直後に設けられた第4期間P4と、からなる。これにより、駆動サイクルC2が繰り返されることで、混合期間PH1と第4期間P4とが交互に繰り返される。第4期間P4は、駆動サイクルC1と同様に、第2所定間隔(例えば、90s(秒))ごとに設けられる。
図15は、本実施形態の制御部40による駆動サイクルC2における制御の一例について示すフローチャートである。図15に示すように、制御部40は、駆動サイクルC2を開始する(ステップS21)と、まず混合駆動を実行する(ステップS22)。これにより、混合期間PH1が開始される。そして、制御部40は、駆動サイクルC2を開始してから第2所定時間が経過したか否かを判断する(ステップS23)。
駆動サイクルC2を開始してから第2所定時間が経過していない場合(ステップS23:NO)、制御部40は、混合駆動を続行する。一方、駆動サイクルC2を開始してから第2所定時間が経過した場合(ステップS23:YES)、制御部40は、低周波交流駆動を実行する(ステップS24)。これにより、第4期間P4が開始される。制御部40は、第4期間P4が終了した後、駆動サイクルC2を終了する(ステップS25)。
次に、制御部40による駆動サイクルC1および駆動サイクルC2の決定手順について説明する。図16は、本実施形態における制御部40による駆動サイクルを決定する手順の一例を示すフローチャートである。図16に示すように、制御部40は、動作検出部60の電圧検出部にランプ電圧Vlaを検出させる(ステップS31)。制御部40は、検出したランプ電圧Vlaが第1所定値よりも小さいか否かを判断する(ステップS32)。第1所定値は、例えば、65V以上、75V以下程度である。
制御部40は、ランプ電圧Vlaが第1所定値よりも小さい場合(ステップS32:YES)、駆動サイクルC2を実行することを決定する(ステップS35)。一方、制御部40は、ランプ電圧Vlaが第1所定値以上である場合(ステップS32:NO)、累積点灯時間ttが第2所定値よりも小さいか否かを判断する(ステップS33)。第2所定値は、例えば、80h(時間)以上、150h(時間)以下程度である。
制御部40は、累積点灯時間ttが第2所定値よりも小さい場合(ステップS33:YES)、駆動サイクルC2の実行を決定する(ステップS35)。一方、制御部40は、累積点灯時間ttが第2所定値以上である場合(ステップS33:NO)、駆動サイクルC1の実行を決定する(ステップS34)。なお、本明細書において、累積点灯時間とは、放電灯が点灯された時間の総計である。
以上のように、制御部40は、ランプ電圧Vlaが第1所定値よりも小さい、あるいは、累積点灯時間ttが第2所定値よりも小さい場合、第3期間P3が設けられない駆動サイクルC2を実行する。言い換えると、制御部40は、ランプ電圧Vlaが第1所定値よりも小さい場合、および放電灯90の累積点灯時間ttが第2所定値よりも小さい場合の両方において、第3期間P3を設けない。一方、制御部40は、ランプ電圧Vlaが第1所定値以上で、かつ、累積点灯時間ttが第2所定値以上である場合、駆動サイクルC1を実行する。
具体的には、例えば、第1所定値が70Vで、かつ、放電灯90の初期のランプ電圧Vlaが65Vの場合、初期段階において制御部40は、放電灯90を駆動サイクルC2で駆動する。そして、プロジェクター500の使用に応じてランプ電圧Vlaが上昇して第1所定値(70V)以上となり、かつ、累積点灯時間ttが第2所定値(100h(時間))以上である場合に、制御部40は、駆動サイクルを駆動サイクルC2から駆動サイクルC1に変化させ、放電灯90を駆動サイクルC1で駆動する。
なお、本実施形態において制御部40は、ランプ電圧Vlaが第1所定値以上となった際、累積点灯時間ttが第2所定値よりも小さかった場合には、引き続き放電灯90を駆動サイクルC2で駆動する。そして、制御部40は、累積点灯時間ttが第2所定値以上となった際に、駆動サイクルを駆動サイクルC2から駆動サイクルC1に変化させる。
制御部40は、例えば、プロジェクター500を起動した後、放電灯90が定常点灯されるまでの立上期間に、上述した駆動サイクルを決定する判断を行う。立上期間においては、放電灯90に印加されるランプ電圧Vlaは、定常点灯時のランプ電圧Vlaに向けて徐々に上昇する。そのため、立上期間において駆動サイクルを決定する判断を行う場合、検出したランプ電圧Vlaから定常点灯時のランプ電圧Vlaの値を推定して、その値が第1所定値よりも小さいか否かを判断する。
なお、制御部40は、上述した駆動サイクルを決定する判断を、放電灯90が定常点灯した後も定期的に行ってもよい。この場合、プロジェクター500の電源がONとなっている間に、放電灯90の駆動サイクルが変化する場合がある。また、制御部40は、駆動サイクルを決定する判断を、立上期間においてのみ行ってもよい。この場合、プロジェクター500の電源がONとなった後、一度駆動サイクルが決定されると、プロジェクター500の電源がOFFとなるまでの間、同じ駆動サイクルが実行される。
また、制御部40は、例えば、プロジェクター500の電源がOFFにされる直前に、プロジェクター500の電源が次回ONにされる際に実行する駆動サイクルを決定する判断を行ってもよい。この場合、例えば、プロジェクター500の電源を最初にONにする際には放電灯90を駆動サイクルC2で駆動することが予め設定されている。そして、プロジェクター500の電源を2度目以降にONにする際には、前回、プロジェクター500がOFFにされる直前に決定された駆動サイクルで放電灯90が駆動される。
上述した制御部40による制御は、放電灯駆動方法としても表現できる。すなわち、本実施形態の放電灯駆動方法の一つの態様は、第1電極92および第2電極93を有する放電灯90に駆動電流Iを供給して、放電灯90を駆動する放電灯駆動方法であって、放電灯90に交流電流が供給される第1期間P1と、放電灯90に直流電流が供給される第2期間P2とが交互に繰り返される混合期間PH1と、放電灯90に直流電流が供給される第1直流期間P31、および第1直流期間P31において放電灯90に供給される直流電流の極性と反対の極性を有する直流電流が放電灯90に供給される第2直流期間P32を交互に含む第3期間P3と、が設けられ、第2直流期間P32の長さは、0.5msよりも小さく、第3期間P3における第1直流期間P31の長さt31の合計は、第2期間P2の長さt2よりも大きく、ランプ電圧Vlaが第1所定値よりも小さい場合、および放電灯90の累積点灯時間ttが第2所定値よりも小さい場合のうちの少なくとも一方において、第3期間P3を設けないことを特徴とする。
本実施形態によれば、放電灯90に交流電流が供給される第1期間P1および放電灯90に直流電流が供給される第2期間P2が交互に繰り返される混合期間PH1に加えて、第3期間P3が設けられる。第3期間P3においては、第1直流期間P31と第2直流期間P32とが設けられる。第1直流期間P31の長さt31は、第2直流期間P32の長さt32よりも大きく、第2直流期間P32の長さt32は、0.5ms(ミリ秒)よりも小さい。そのため、第3期間P3においては、第1直流期間P31において陽極となる側の電極を加熱することができる。なお、以下の説明においては、加熱される側の電極が、例えば、第1電極92であるものとして説明する。
また、第1直流期間P31の合計長さは、第2期間P2の長さt2よりも大きい。そのため、第3期間P3において加熱される第1電極92に加えられる熱負荷は、第2期間P2において加熱される第1電極92に加えられる熱負荷よりも大きい。
このように、第3期間P3においては、第1期間P1あるいは第2期間P2に比べて、第1電極92に加えられる熱負荷が大きくなる。そのため、第3期間P3を周期的に設けることで、第1電極92に加えられる熱負荷を、混合期間PH1のみの場合に比べて大きく変動させることができる。これにより、放電灯90が劣化した場合であっても、第1電極92の突起552pを溶融して成長させやすい。したがって、本実施形態によれば、突起552pの形状を維持しやすく、放電灯90の寿命を向上できる。
また、第3期間P3には、第1直流期間P31において放電灯90に供給される直流電流と反対極性の直流電流が放電灯90に供給される第2直流期間P32が設けられるため、第3期間P3において加熱する第1電極92と反対側の第2電極93の温度が低下し過ぎることを抑制できる。例えば、第2電極93の温度が低下し過ぎると、第2電極93を加熱して溶融させる際に、第2電極93の温度を高くしにくく、第2電極93の突起562pを溶融させにくい虞がある。
また、第2直流期間P32の長さt32は、0.5ms(ミリ秒)よりも小さいため、第2直流期間P32において第1電極92の温度が低下しにくい。そのため、第1直流期間P31によって第1電極92を好適に加熱しやすい。
また、例えば、第3期間P3を含む駆動においては、第1電極92の突起552pおよび第2電極93の突起562pに比較的大きい熱負荷を加えて溶融させることで、突起552p,562pの成長を促す。しかし、放電灯90が劣化していない比較的初期の段階においては、突起552p,562pが比較的溶融しやすいため、第3期間P3を含む駆動を実行すると突起552p,562pが溶融し過ぎる場合がある。これにより、突起552p,562pが損耗、あるいは突起552p,562pが消失して第1電極92と第2電極93との電極間距離が大きくなり、プロジェクター500の照度が低下する場合があった。
これに対して、本実施形態によれば、ランプ電圧Vlaが第1所定値よりも小さい場合、および累積点灯時間ttが第2所定値よりも小さい場合には、第3期間P3が設けられない。そのため、放電灯90の初期段階において突起552p,562pが損耗、あるいは突起552p,562pが消失することを抑制できる。これにより、プロジェクター500の照度が低下することを抑制できる。なお、比較的初期段階の放電灯90においては、第1電極92および第2電極93が比較的成長しやすいため、第3期間P3が含まれない駆動であっても突起552p,562pの形状を安定して維持しやすい。
また、例えば、第3期間P3において、第1直流期間P31の長さt31と第2直流期間P32の長さt32との差(比)が小さいと、第1直流期間P31における第1電極92の温度の上昇幅と、第2直流期間P32における第1電極92の温度の下降幅との差が小さい。そのため、第3期間P3において第1電極92の温度を上昇させにくい。これにより、第3期間P3において第1電極92に加えられる熱負荷を十分に大きくできず、突起552pを十分に溶融できない虞がある。
これに対して、本実施形態によれば、第1直流期間P31の長さt31は、第2直流期間P32の長さt32の10倍以上である。そのため、第1直流期間P31における第1電極92の温度の上昇幅を、第2直流期間P32における第1電極92の温度の下降幅に対して十分に大きくできる。これにより、本実施形態によれば、第3期間P3において第1電極92に好適に熱負荷を加えることができ、突起552pの形状をより維持しやすい。
また、本実施形態によれば、第3期間P3における第1直流期間P31の長さt31の合計は、10ms(ミリ秒)以上、1.0s(秒)以下である。そのため、第3期間P3において第1電極92に加えられる熱負荷を十分に大きくしやすく、突起552pの形状をより維持しやすい。
また、本実施形態によれば、第3期間P3は、時間的に隣り合う混合期間PH1の間に設けられる。そのため、第1電極92に加えられる熱負荷が比較的大きい第3期間P3を適切に設けやすい。したがって、本実施形態によれば、突起552pの形状をより維持しやすく、放電灯90の寿命をより向上できる。
また、第1期間P1と第2期間P2とでは、第1期間P1の方が、第1電極92に加えられる熱負荷が小さくなりやすい。本実施形態によれば、第3期間P3は、第1期間P1の直後に設けられる。そのため、混合期間PH1から第3期間P3に移り変わることによる熱負荷の変動をより大きくしやすい。したがって、第1電極92の突起552pをより成長させやすい。
また、本実施形態によれば、第1直流期間P31において放電灯90に供給される直流電流の極性および第2直流期間P32において放電灯90に供給される直流電流の極性は、第3期間P3が設けられるごとに反転する。そのため、第1電極92と第2電極93とを交互にバランスよく加熱しやすい。したがって、本実施形態によれば、第1電極92の突起552pおよび第2電極93の突起562pをバランスよく成長させることができ、突起552pの形状および突起562pの形状を共に維持しやすい。
また、本実施形態によれば、第3期間P3に加えて、第4期間P4が設けられる。第4期間P4は、第1期間P1の交流電流の第1周波数f1よりも小さい第2周波数f2を有する交流電流が放電灯90に供給される。そのため、第4期間P4において第1電極92に加えられる熱負荷は、第1期間P1において第1電極92に加えられる熱負荷よりも大きい。第3期間P3と第4期間P4とでは、第3期間P3の方が、第1電極92に加えられる熱負荷が大きくなりやすい。そのため、例えば、第3期間P3が周期的に設けられる期間が長く続くと、第1電極92の突起552pが過剰に溶融される虞がある。
これに対して、本実施形態によれば、第3期間P3に加えて、第3期間P3よりも第1電極92に加えられる熱負荷が小さくなりやすい第4期間P4を周期的に設けることで、第3期間P3によって突起552pが過剰に溶融されることを抑制でき、突起552pの形状を整えることができる。
また、本実施形態によれば、第1直流期間P31の合計長さは、第2周波数f2を有する交流電流の半周期の長さよりも大きい。そのため、第3期間P3において加熱される第1電極92に加えられる熱負荷をより大きくできる。
また、本実施形態によれば、第4期間P4は、時間的に隣り合う混合期間PH1の間に設けられる。そのため、第1電極92に加えられる熱負荷が比較的大きい第4期間P4を適切に設けやすい。したがって、本実施形態によれば、突起552pの形状をより維持しやすく、放電灯90の寿命をより向上できる。
また、本実施形態によれば、第4期間P4は、第1期間P1の直後に設けられる。第1期間P1および第4期間P4においては、放電灯90に交流電流が供給される。そのため、放電灯90に交流電流が供給される期間が連続し、第1期間P1から第4期間P4に移り変わる際に、周波数が第1周波数f1から、第1周波数f1よりも小さい第2周波数f2となる。これにより、放電灯90に直流電流が供給される第2期間P2の直後に第4期間P4が設けられる場合に比べて、第1電極92に加えられる熱負荷の変動を緩やかにしやすく、第4期間P4において第1電極92の突起552pの形状を整えやすい。
また、本実施形態によれば、第1所定間隔ごとに、第3期間P3と第4期間P4とのうちのいずれか一方が設けられる。そのため、第1電極92の突起552pに加えられる熱負荷を周期的に大きくすることができ、突起552pの形状を好適に維持しやすい。
また、本実施形態によれば、第1所定間隔よりも大きい第2所定間隔ごとに、第4期間P4が設けられる。そのため、第4期間P4が設けられる頻度を、第3期間P3が設けられる頻度よりも低くしやすい。これにより、第3期間P3が数回設けられた後に、第4期間P4を設けることができる。したがって、第1電極92の突起552pを好適に溶融させつつ、突起552pの形状を整えることができる。
また、本実施形態によれば、第1周波数f1は、互いに異なる複数の周波数を含む。そのため、第1期間P1内において、第1電極92に加えられる熱負荷を変動させることができる。したがって、本実施形態によれば、突起552pをより成長させやすい。
また、本実施形態によれば、第1期間P1において、時間的に後に設けられる交流期間ほど第1周波数f1が小さくなる。すなわち、第1期間P1においては、時間的に最も前に設けられる第1交流期間P11において、第1周波数f1が最も大きい。言い換えれば、第1周波数f1のうちで、第1交流期間P11において放電灯90に供給される交流電流の第1周波数f11が最も大きい。放電灯90に供給される交流電流の周波数が大きいほど、第1電極92の温度は低下しやすい。
そのため、混合期間PH1において、第1期間P1よりも熱負荷が大きい第2期間P2の直後に、第1周波数f1が大きい第1交流期間P11を設けることで、第2期間P2によって加熱された第1電極92の温度を急激に低下させやすく、第1電極92に熱負荷の変動による刺激を加えやすい。その結果、本実施形態によれば、突起552pをより成長させやすい。
また、本実施形態によれば、第4期間P4は、設けられるごとに開始極性が反転する。そのため、第2期間P2および第3期間P3において放電灯90に供給される直流電流の極性を反転させる場合においても、第4期間P4の直前の期間から第4期間P4に移り変わる際、および第4期間P4から直後の期間に移り変わる際に、極性を反転させることができる。すなわち、期間が移り変わる前後で、放電灯90に供給される駆動電流Iの極性を逆にすることができる。したがって、本実施形態によれば、第1電極92の突起552pおよび第2電極93の突起562pをよりバランスよく成長させることができ、突起552pの形状および突起562pの形状をより維持しやすい。
また、本実施形態によれば、混合期間PH1の第2期間P2において放電灯90に供給される直流電流の極性は、第2期間P2が設けられるごとに反転する。そのため、混合期間PH1において、第1電極92の突起552pおよび第2電極93の突起562pをバランスよく成長させることができ、突起552pの形状および突起562pの形状を共に維持しやすい。
また、例えば、放電灯90が劣化すると、第1電極92の突起552pが溶融しにくくなり、突起552pの形状を維持しにくくなる。そのため、第1電極92に加えられる熱負荷が比較的大きい第3期間P3によっても、突起552pの形状を十分に維持しにくくなる虞がある。
また、例えば、放電灯90に供給される駆動電力Wdが比較的大きい場合には、第1電極92に加えられる熱負荷が大きくなりやすい。そのため、第3期間P3が設けられることで、第1電極92に加えられる熱負荷が過剰に大きくなる虞がある。
これらの問題に対して、本実施形態によれば、制御部40は、ランプ電圧Vlaおよび駆動電力Wdの少なくとも一方に基づいて、第1直流期間P31の合計長さを設定する。そのため、上記問題の少なくとも一方を解決できる。
具体的には、第1直流期間P31の合計長さがランプ電圧Vlaに基づいて設定される場合、ランプ電圧Vlaが大きくなるほど、第1直流期間P31の合計長さを大きく設定することで、放電灯90が劣化した場合に第3期間P3において第1電極92に加えられる熱負荷をより大きくできる。これにより、放電灯90が劣化した場合に、第3期間P3によって好適に第1電極92の突起552pを溶融させやすく、突起552pの形状を維持しやすい。
一方、第1直流期間P31の合計長さが駆動電力Wdに基づいて設定される場合、駆動電力Wdが大きくなるほど、第1直流期間P31の合計長さを小さく設定することで、駆動電力Wdが比較的に大きい場合に、第3期間P3において第1電極92に加えられる熱負荷を小さくできる。これにより、第1電極92の突起552pが過剰に溶融されることを抑制でき、突起552pの形状を維持しやすい。
本実施形態によれば、第1直流期間P31の合計長さは、ランプ電圧Vlaおよび駆動電力Wdの両方に基づいて設定されるため、上記問題をいずれも解決することができる。
また、本実施形態によれば、制御部40は、ランプ電圧Vlaおよび駆動電力Wdの少なくとも一方に基づいて、第2期間P2の長さt2を設定する。そのため、第2期間P2の長さt2をランプ電圧Vlaが大きいほど大きく設定することで、放電灯90が劣化した場合に、突起552pを好適に溶融させやすく、突起552pの形状を維持しやすい。また、第2期間P2の長さt2を駆動電力Wdが大きいほど小さく設定することで、第1電極92の突起552pが過剰に溶融されることを抑制でき、突起552pの形状を維持しやすい。
また、本実施形態によれば、第4期間P4の長さt4は、第4期間P4において放電灯90に供給される第2周波数f2を有する交流電流の6周期の長さ以上、30周期の長さ以下である。そのため、第4期間P4において第1電極92の突起552pの形状をより好適に整えることができる。
また、例えば、放電灯90が劣化してランプ電圧Vlaが大きくなる場合、放電灯90に供給される駆動電流Iが小さくなるため、アーク放電の輝点が不安定になりやすく、移動しやすい。アーク放電の輝点が移動すると、第1電極92における溶融する位置および溶融量が変化する。これにより、第1電極92の形状が不安定になり、消耗しやすくなる虞があった。
また、同様にして、駆動電力Wdが小さい場合においても、駆動電流Iが小さくなる。そのため、アーク放電の輝点が不安定になり、第1電極92が消耗しやすくなる虞があった。
これらの問題に対して、本実施形態によれば、制御部40は、ランプ電圧Vlaおよび駆動電力Wdの少なくとも一方に基づいて、第1周波数f1を設定する。そのため、上記問題の少なくとも一方を解決できる。
具体的には、第1周波数f1がランプ電圧Vlaに基づいて設定される場合、ランプ電圧Vlaが大きくなるほど、第1周波数f1を大きく設定することで、放電灯90が劣化した場合に、アーク放電の輝点を安定させやすい。これは、以下の理由による。
放電灯90に供給される交流電流の周波数が比較的大きい場合、第1電極92の突起552pにおける溶融される部分の体積が比較的小さくなる。アーク放電の輝点は、突起552pが溶融されて平坦化された先端面に位置する。突起552pにおける溶融される部分の体積が小さい場合、平坦化される先端面の面積が比較的小さい。そのため、アーク放電の輝点が移動する領域が小さくなり、アーク放電の輝点の位置を安定化できる。
したがって、本実施形態によれば、放電灯90が劣化した場合に、第1電極92が消耗しやすくなることを抑制できる。
一方、第1周波数f1が駆動電力Wdに基づいて設定される場合、駆動電力Wdが小さくなるほど、第1周波数f1を大きく設定することで、駆動電力Wdが比較的に小さい場合に、第1周波数f1を比較的大きくできる。これにより、上記と同様にして、アーク放電の輝点を安定化でき、第1電極92が消耗しやすくなることを抑制できる。
本実施形態によれば、第1周波数f1は、ランプ電圧Vlaおよび駆動電力Wdの両方に基づいて設定されるため、上記問題をいずれも解決することができる。
なお、本実施形態においては、以下の構成および方法を採用することもできる。
本実施形態において制御部40は、ランプ電圧Vlaが第1所定値よりも小さい場合、および累積点灯時間ttが第2所定値よりも小さい場合のうちの少なくとも一方において、第3期間P3を設けなければよい。すなわち、制御部40は、ランプ電圧Vlaが第1所定値よりも小さい場合のみに第3期間P3を設けなくてもよいし、累積点灯時間ttが第2所定値よりも小さい場合のみに第3期間P3を設けなくてもよい。
例えば、ランプ電圧Vlaが第1所定値よりも小さい場合のみに第3期間P3を設けない場合、制御部40は、ランプ電圧Vlaが第1所定値よりも小さければ、累積点灯時間ttに関わらず第3期間P3を設けない。また、累積点灯時間ttが第2所定値よりも小さい場合のみに第3期間P3を設けない場合、制御部40は、累積点灯時間ttが第2所定値よりも小さければ、ランプ電圧Vlaに関わらず第3期間P3を設けない。上記いずれかの場合にのみ、第3期間P3を設けない構成であっても、初期段階においてプロジェクター500の照度が低下することを抑制できる。
また、本実施形態において、第1期間P1と、第2期間P2と、第3期間P3と、第4期間P4とは、駆動サイクルC1内において、どのように設けられてもよい。例えば、上記の説明においては、第1期間P1と第2期間P2とは、混合期間PH1において交互に連続して設けられる場合のみを説明したが、これに限られず、それぞれ離れて設けられてもよい。また、例えば、第2期間P2と第3期間P3、第2期間P2と第4期間P4、および第3期間P3と第4期間P4が、それぞれ連続して設けられてもよい。また、駆動サイクルC1においては、第4期間P4が設けられなくてもよい。
また、本実施形態の駆動サイクルC2は、第3期間P3が設けられなければ、構成は特に限定されない。駆動サイクルC2においては、第4期間P4が設けられなくてもよい。
また、本実施形態において、時間的に隣り合う混合期間PH1の間に設けられる第3期間P3および第4期間P4は、第2期間P2の直後に設けられてもよい。
また、本実施形態において複数の第1周波数f1は、どのように設けられてもよい。本実施形態においては、例えば、第1期間P1において、時間的に後に設けられる交流期間ほど、第1周波数f1が大きくなる構成であってもよい。
また、本実施形態において第1周波数f1は、1つの周波数のみで構成されてもよい。すなわち、本実施形態において第1期間P1における交流期間は、1種類のみであってもよい。
また、本実施形態において第1期間P1に含まれる各交流期間の長さは、互いに異なっていてもよい。すなわち、第1交流期間P11の長さt11と、第2交流期間P12の長さt12と、第3交流期間P13の長さt13と、第4交流期間P14の長さt14と、は、互いに異なっていてもよい。
また、上記説明においては、ある期間の終了極性と、ある期間の直後に設けられる期間の開始極性とは、互いに異なる構成としたが、これに限られない。本実施形態においては、ある期間の終了極性と、ある期間の直後に設けられる期間の開始極性とが同じであってもよい。
また、本実施形態において制御部40は、ランプ電圧Vlaのみに基づいて第3期間P3における第1直流期間P31の合計長さを設定してもよいし、駆動電力Wdのみに基づいて第3期間P3における第1直流期間P31の合計長さを設定してもよい。また、本実施形態において第3期間P3における第1直流期間P31の合計長さは、変化しなくてもよい。
また、本実施形態において制御部40は、ランプ電圧Vlaのみに基づいて第2期間P2の長さt2を設定してもよいし、駆動電力Wdのみに基づいて第2期間P2の長さt2を設定してもよい。また、本実施形態において第2期間P2の長さt2は、変化しなくてもよい。
また、本実施形態において制御部40は、第2期間P2が設けられるごとに、ランプ電圧Vlaおよび駆動電力Wdの少なくとも一方に基づいて第2期間P2の長さt2を設定してもよいし、混合期間PH1が設けられるごとに1度ずつランプ電圧Vlaおよび駆動電力Wdの少なくとも一方に基づいて第2期間P2の長さt2を設定してもよい。第2期間P2の長さt2が、第2期間P2が設けられるごとに設定される場合、1つの混合期間PH1において各第2期間P2の長さt2は、互いに異なる場合がある。一方、第2期間P2の長さt2が、混合期間PH1が設けられるごとに1度ずつ設定される場合、1つの混合期間PH1において各第2期間P2の長さt2は、互いに同じである。
また、本実施形態において制御部40は、混合期間PH1が所定の数だけ設けられるごとに1度ずつランプ電圧Vlaおよび駆動電力Wdの少なくとも一方に基づいて第2期間P2の長さt2を設定してもよい。すなわち、本実施形態において制御部40は、ランプ電圧Vlaおよび駆動電力Wdの少なくとも一方に基づいて、第4期間P4の長さt4を変化させてもよい。
また、本実施形態において制御部40は、第3期間P3における第1直流期間P31の合計長さ、および第2期間P2の長さt2と同様に、ランプ電圧Vlaおよび駆動電力Wdの少なくとも一方に基づいて第4期間P4の長さt4を設定してもよい。
また、本実施形態において制御部40は、混合期間PH1の第2期間P2において放電灯90に供給される直流電流の極性を、第2期間P2が設けられるごとに反転しなくてもよい。すなわち、本実施形態においては、放電灯90に同じ極性の直流電流が供給される第2期間P2が、2回以上連続して設けられてもよい。
また、本実施形態において制御部40は、第1直流期間P31において放電灯90に供給される直流電流の極性および第2直流期間P32において放電灯90に供給される直流電流の極性を、第3期間P3が設けられるごとに反転しなくてもよい。すなわち、本実施形態においては、2回以上連続して、第1直流期間P31において放電灯90に供給される直流電流の極性および第2直流期間P32において放電灯90に供給される直流電流の極性がそれぞれ同じである第3期間P3が設けられてもよい。
また、本実施形態において制御部40は、ランプ電圧Vlaのみに基づいて第1周波数f1を設定してもよいし、駆動電力Wdのみに基づいて第1周波数f1を設定してもよい。また、本実施形態において第1周波数f1は変化しなくてもよい。
なお、上記の各実施形態において、透過型のプロジェクターに本発明を適用した場合の例について説明したが、本発明は、反射型のプロジェクターにも適用することも可能である。ここで、「透過型」とは、液晶パネル等を含む液晶ライトバルブが光を透過するタイプであることを意味する。「反射型」とは、液晶ライトバルブが光を反射するタイプであることを意味する。なお、光変調装置は、液晶パネル等に限られず、例えばマイクロミラーを用いた光変調装置であってもよい。
また、上記の各実施形態において、3つの液晶パネル560R,560G,560B(液晶ライトバルブ330R,330G,330B)を用いたプロジェクター500の例を挙げたが、本発明は、1つの液晶パネルのみを用いたプロジェクター、4つ以上の液晶パネルを用いたプロジェクターにも適用可能である。
また、上記説明した各構成は、相互に矛盾しない範囲内において、適宜組み合わせることができる。
実施例は、初期の駆動サイクルを駆動サイクルC2として、上述した所定の条件に基づいて駆動サイクルを駆動サイクルC1と駆動サイクルC2との間で変化させた。比較例は、初期の駆動サイクルを駆動サイクルC1として、駆動サイクルを変化させないものとした。言い換えると、比較例においては、ランプ電圧Vlaおよび累積点灯時間ttによらず、第3期間P3が設けられるものとした。使用した放電灯の初期のランプ電圧Vlaは、65Vであった。実施例においては、第1所定値を70Vとし、第2所定値を100h(時間)とした。
第1期間P1においては、第1交流期間P11の第1周波数f11を150Hz、第2交流期間P12の第1周波数f12を200Hz、第3交流期間P13の第1周波数f13を250Hz、第4交流期間P14の第1周波数f14を300Hzとした。第1交流期間P11〜第4交流期間P14において、各期間の長さはそれぞれ互いに同じとし、第1期間P1の長さt1は、100ms(ミリ秒)とした。第2期間P2の長さt2は、10ms(ミリ秒)とした。
第3期間P3において、第1直流期間P31の長さt31を10ms(ミリ秒)とし、第2直流期間P32の長さt32を0.47ms(ミリ秒)とした。第3期間P3の長さt3は100ms(ミリ秒)とした。第4期間P4の第2周波数f2は42Hzとし、第4期間P4の長さt4は200ms(ミリ秒)とした。第1所定間隔は30s(秒)とし、第2所定間隔は90s(秒)とした。
実施例および比較例のそれぞれについて、放電灯を点灯し、プロジェクター500の照度の計測を行った。その結果、比較例では、累積点灯時間ttが2h(時間)となった時点の照度維持率が96.3%で、累積点灯時間ttが250h(時間)となった時点の照度維持率が83.0%であった。一方、実施例では、累積点灯時間ttが2h(時間)となった時点の照度維持率が99.4%で、累積点灯時間ttが250h(時間)となった時点の照度維持率が95.0%であった。なお、照度維持率とは、放電灯を初めに点灯させた際の照度に対する割合である。実施例において累積点灯時間ttが250h(時間)となった時点のランプ電圧Vlaは75Vであり、駆動サイクルは、駆動サイクルC1であった。
以上の結果から、第3期間P3が常に設けられるように放電灯を駆動するよりも、初期段階においては第3期間P3を設けないように放電灯を駆動することで、照度維持率の低下を抑制できることが確かめられた。したがって、本実施例の有用性を確かめられた。