JP2017138522A - 楽曲演奏装置、楽曲演奏用プログラム及び楽曲演奏方法 - Google Patents

楽曲演奏装置、楽曲演奏用プログラム及び楽曲演奏方法 Download PDF

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Abstract

【課題】複数のスピーカーを使用して、楽曲に適した音像定位で臨場感のある演奏を行うことを目的とする。【解決手段】本発明に係る楽曲演奏装置は、チャンネルに含まれる効果付与情報に基づいて、チャンネルの音像定位位置を決定する位置決定処理と、各チャンネルについて決定した音像定位位置と、演奏音の出力先となる複数のスピーカーの位置に基づいて、各チャンネルで形成される演奏音の音量を1もしくは複数のスピーカーに割り当てる割り当て処理と、演奏情報に基づいて演奏を行い、割り当て処理でスピーカーに割り当てられた各チャンネルの音量で音響出力する演奏処理と、を実行することを特徴とする。【選択図】図9

Description

本発明は、演奏情報に基づいて楽曲の演奏を行う楽曲演奏装置、楽曲演奏用プログラム及び楽曲演奏方法に関する。
演奏情報に基づいて演奏を行う楽曲演奏装置は、演奏情報の記憶容量も抑えられるため、多数の楽曲を取り扱うカラオケ、あるいは、インターネットの楽曲配信において好適である。このような楽曲演奏装置では、演奏される演奏音に立体感を持たせるため、通常、2以上のスピーカーを使用して音響出力することが通常である。左右2つのスピーカーを使用した場合、右スピーカー、左スピーカーには、楽曲情報で予め割り当てられた演奏音が音響出力される。
特許文献1には、楽曲データに含まれるベロシティ値(音の強弱)をユーザーと仮想音源位置との長短に変換する遠近効果付加効果を行うことで、立体音響効果を有する楽曲データに変換する装置が開示されている。
特開2007−158985号公報
ところで、カラオケ装置が設置されているカラオケボックスやナイト店では、歌唱するためのステージが設けられている場合がある。このようなステージ上で歌唱する際は、プロの歌手のコンサートのように、歌手がバックバンドを背後に歌唱しているような臨場感を形成することが好ましい。しかしながら、従来は、2つのスピーカーで音響出力することが通常であって、音響面については臨場感が十分にある状況ではなかった。特許文献1に開示される装置は、左右の2チャンネルによる立体音響効果であるため、やはり臨場感を形成するには乏しいものであった。
本発明はカラオケを行うステージ等において、複数のスピーカーから各チャンネルが音像定位した臨場感のある音響出力を行うことを目的としている。また、カラオケ装置で使用する既存の楽曲数は膨大な数であって、各楽曲に各チャンネルを複数のスピーカーに割り当てる作業を行うことは困難である。本発明ではこのような加工を伴うことなく、既存の演奏情報をそのまま使用して音像定位させることを目的とするものである。また、実際に音響出力させるスピーカーの配置は、使用する場所によって異なることが予想される。本発明は、このようにスピーカーの配置が異なる場合であっても、適切に音像定位させることを目的としている。
そのため、本発明は以下の構成を採用したことを特徴としている。
演奏音を形成するための複数のチャンネルを含む演奏情報に基づいて演奏を行う楽曲演奏装置であって、
各前記チャンネルは、演奏音に効果を付与する効果付与情報を含み、
前記チャンネルに含まれる効果付与情報に基づいて、前記チャンネルの音像定位位置を決定する位置決定処理と、
各前記チャンネルについて決定した前記音像定位位置と、演奏音の出力先となる複数のスピーカーの位置に基づいて、各前記チャンネルで形成される演奏音の音量を1もしくは複数の前記スピーカーに割り当てる割り当て処理と、
前記演奏情報に基づいて演奏を行い、前記割り当て処理で前記スピーカーに割り当てられた各前記チャンネルの音量で音響出力する演奏処理と、を実行することを特徴とする。
さらに本発明に係る楽曲演奏装置において、
前記効果付与情報は、遅延させることで演奏音に効果を付与する遅延系の効果付与情報を含むことを特徴とする。
さらに本発明に係る楽曲演奏装置において、
前記位置決定処理は、前記効果付与情報の遅延量に応じた奥行き位置を有する音像定位位置を決定することを特徴とする。
さらに本発明に係る楽曲演奏装置において、
前記割り当て処理で使用する複数のスピーカーの位置を指定可能とすることを特徴とする。
さらに本発明に係る楽曲演奏装置において、
前記演奏処理は、前記効果付与情報に基づく効果を低減、もしくは、無効として演奏情報に基づく演奏を行うことを特徴とする。
さらに本発明に係る楽曲演奏装置において、
前記位置決定処理は、1つの前記チャンネルに対して複数の前記音像定位位置を決定することを特徴とする。
さらに本発明に係る楽曲演奏装置において、
前記位置決定処理は、楽曲の予約後であって、前記演奏処理の前に実行されることを特徴とする。
また本発明に係る楽曲演奏用プログラムは、
演奏音を形成するための複数のチャンネルを含む演奏情報に基づいて演奏可能な情報処理装置で実行可能な楽曲演奏用プログラムであって、
各前記チャンネルは、演奏音に効果を付与する効果付与情報を含み、
前記チャンネルに含まれる効果付与情報に基づいて、前記チャンネルの音像定位位置を決定する位置決定処理と、
各前記チャンネルについて決定した前記音像定位位置と、演奏音の出力先となる複数のスピーカーの位置に基づいて、各前記チャンネルで形成される演奏音の音量を1もしくは複数の前記スピーカーに割り当てる割り当て処理と、
前記演奏情報に基づいて演奏を行い、前記割り当て処理で前記スピーカーに割り当てられた各前記チャンネルの音量で音響出力する演奏処理と、を実行することを特徴とする。
また本発明に係る楽曲演奏方法は、
演奏音を形成するための複数のチャンネルを含む演奏情報に基づいて演奏を行う楽曲演奏方法であって、
各前記チャンネルは、演奏音に効果を付与する効果付与情報を含み、
前記チャンネルに含まれる効果付与情報に基づいて、前記チャンネルの音像定位位置を決定する位置決定手段と、
各前記チャンネルについて決定した前記音像定位位置と、演奏音の出力先となる複数のスピーカーの位置に基づいて、各前記チャンネルで形成される演奏音の音量を1もしくは複数の前記スピーカーに割り当てる割り当て手段と、
前記演奏情報に基づいて演奏を行い、前記割り当て手段で前記スピーカーに割り当てられた各前記チャンネルの音量で音響出力する演奏手段と、を有することを特徴とする。
本発明に係る楽曲演奏装置、楽曲演奏用プログラム、及び、楽曲演奏方法によれば、演奏情報中の各チャンネルに含まれる効果付与情報に基づいて、カラオケボックス等に配置されている複数のスピーカーに対し、各チャンネルで形成される演奏音の音量を割り当てることで、各チャンネルが音像定位した臨場感のある演奏を行うことが可能となる。また、既存の演奏情報を加工することなく使用できるため、カラオケ装置等、多数の楽曲を演奏する楽曲演奏装置において好適である。
さらに本発明によれば、音像定位位置を決定する情報として、遅延させることで演奏音に効果を付与する遅延系の効果付与情報を使用することで、演奏音に即した適切な音像定位位置とすることが可能となる。
さらに本発明によれば、効果付与情報の遅延量に応じた奥行き位置を有する音像定位位置とすることで、さらに演奏音に即した適切な音像定位位置とすることが可能となる。
さらに本発明によれば、割り当て処理で使用する複数のスピーカーの位置を指定可能とすることで、予め定められている所定位置にスピーカーを配置する必要が無く、例えば、既に配置されているスピーカーの位置を指定することが可能となり、場所によるスピーカーの配置の制約にも柔軟に対応することが可能となる。
さらに本発明によれば、効果付与情報に基づく効果を低減、もしくは、無効として演奏情報に基づく演奏を行うこととしている。本発明では、複数のスピーカーに対し、各チャンネルで形成される演奏音の音量を割り当てることで、演奏音に付与する効果を実現している。したがって、演奏処理において効果付与情報に基づいて効果を付与した場合、効果が重複して付与されることが考えられる。本構成を採用することで、効果の重複度合いを低減、もしくは解消し、適切な効果とすることが可能となる。
例えば、効果付与情報の1つであるコーラスは、1つのチャンネルで複数の演奏音が奏でられているように聞かせることができる。このような場合、1のチャンネルに1の音像定位位置を割り当てると、1箇所の音像定位位置から複数の演奏者による演奏音が聞こえる不自然な状態となってしまう。本発明では、チャンネルに割り当てられている効果付与情報等を条件として、1のチャンネルに対し、コーラスを低減する、あるいは、無効にしてから複数の音像定位位置を決定することで、違和感を抑えた音像定位を実現することが可能となる。
また、本発明の位置決定処理は、楽曲の予約後であって、前記演奏処理の前に実行されることを特徴としている。カラオケ装置のような楽曲演奏装置では、数十万曲の既存の楽曲情報が存在しており、各楽曲に位置決定処理を施して演奏位置を決めることは困難である。本発明のこのような構成により、予約してから演奏されるまでの期間を有効利用して、音像定位位置を決定することが可能である。
本実施形態のカラオケシステムの構成を示す図 本実施形態の音響制御部の構成を示す図 本実施形態の楽曲情報のデータ構成を示す図 本実施形態の楽曲予約処理を示すフロー図 本実施形態の位置決定処理を示すフロー図 本実施形態の割り当て処理を示すフロー図 本実施形態の楽曲再生処理を示すフロー図 本実施形態の位置決定処理で使用する演奏情報の一部を示す例 演奏情報に基づく(A)位置決定処理、(B)割り当て処理を説明するための模式図 チャンネル01(ピアノ)について割り当て処理の詳細を説明する模式図 チャンネル02(ギター)について割り当て処理の詳細を説明する模式図 チャンネル05(バイオリン)について割り当て処理の詳細を説明する模式図 チャンネル06(ハンドベル)について割り当て処理の詳細を説明する模式図 他の実施形態について、演奏情報に基づく(A)位置決定処理、(B)割り当て処理を説明するための模式図
本発明は、カラオケ装置等の楽曲演奏装置に適用することが可能である。本明細書では、楽曲演奏装置としてカラオケシステム内で楽曲を演奏するカラオケ装置を例として説明する。楽曲演奏装置としては、カラオケ装置に限られるものではなく、電子楽器あるいはパーソナルコンピュータ、携帯情報端末(スマートフォン、タブレット端末等)といった各種情報処理装置で実行可能な楽曲演奏用プログラムに適用することも可能である。また、楽曲演奏方法についても本発明の範疇である。
図1は、本発明の実施形態に係るカラオケシステムの構成を示す図である。本実施形態におけるカラオケシステムは、カラオケ装置2(コマンダ)と、リモコン装置1を含んで構成されている。なお、図1に示す例では、1台のカラオケ装置2に対して、リモコン装置1aとリモコン装置1b、2台のリモコン装置1が使用されている例である。これらリモコン装置1a、1bの構成は同一であるため、リモコン装置1として説明を行う。カラオケ装置2とリモコン装置1は、LAN100及びアクセスポイント110を利用してネットワークを形成するように接続されている。
カラオケボックスなどの店舗に設置されるカラオケ装置2は、楽曲を演奏するための演奏部として音響制御部25を備えている。また、カラオケ装置2は、ユーザーからの各種入力を受け付ける操作部21を備える。カラオケ装置2は、操作部21からの入力を解釈してCPU30に伝達する操作処理部22を備える。また、カラオケ装置2は、各種情報を記憶する記憶部としてのハードディスク32を備える。カラオケ装置2は、LAN100に接続してネットワークに加入する通信手段としてのLAN通信部24を備えている。
また、カラオケ装置2は、モニタ41に対して歌詞映像、背景映像を表示させる映像再生手段を備える。この映像再生手段は、映像情報に基づいて映像を再生する映像再生部29、再生する映像を一時的に蓄積するビデオRAM28、再生された映像に対する歌詞テロップの重畳、映像効果を付与する映像制御部31を備えて構成される。
さらに、このカラオケ装置2では、外部に接続されるモニタ41以外に、タッチパネルモニタ33に対して各種情報を表示することを可能としている。タッチパネルモニタ33は映像制御部31から入力された映像情報を表示する表示部35と、タッチ入力された位置を操作処理部22に出力するタッチパネル34が重畳されて構成されている。このタッチパネルモニタ33は、カラオケ装置2の操作部、あるいは、リモコン装置1のタッチパネルモニタ11などと同様、入力部として機能する。ユーザーは、タッチパネルモニタ33にて楽曲を選択することで、直接カラオケ装置2に予約をさせるなど、カラオケ装置2に対する各種操作を行うことが可能である。
さらに、カラオケ装置2は、各構成を統括して制御するためのCPU30、各種プログラムを実行するにあたって必要となる情報を一時記憶するためのメモリ27を備えて構成される。
このような構成にてカラオケ装置2は、各種処理を実行することとなるが、カラオケ装置2の主な機能として、楽曲予約処理、楽曲再生処理などを実行可能としている。楽曲予約処理は、ユーザーからの指定に基づいて楽曲を指定、予約するための処理であってリモコン装置1と連携して実行される。ユーザーの操作により、リモコン装置1などの入力部で指定された予約情報をメモリ27中の予約テーブルに登録する。楽曲再生処理は、予約された楽曲を再生させる処理であって、楽曲演奏処理と歌詞再生処理とが同期して実行される処理である。
楽曲演奏処理は、楽曲情報に含まれる演奏情報に基づき、音響制御部25に演奏を実行させる処理である。音響制御部25にて演奏された楽曲は、マイクロホン44a、44bから入力される歌唱音声と一緒に複数のスピーカー42a〜42gから放音される。歌詞再生処理は、楽曲情報に含まれる歌詞情報をモニタ41に表示させることで歌唱補助を行う処理である。この歌詞再生処理で表示される歌詞に、背景映像を重畳させて表示させる背景映像表示処理を実行することとしてもよい。
図2は、本実施形態の音響制御部25の構成を示した図である。音響制御部25は、演奏情報に基づいて演奏音を形成し、複数(本実施形態では8個)のスピーカー42a〜42gに出力する。本実施形態では、演奏音を形成する手段として、電子楽器においてよく知られているMIDI音源251を使用している。MIDI音源251は、複数のチャンネル(チャンネル01〜チャンネル16)について演奏音を出力可能としている。MIDI音源251から出力されたチャンネル毎の演奏音は、ミキサー252においてスピーカー42a〜42hに音量分配される。本実施形態は、カラオケ装置2であるため、歌唱用に設けられたマイクロホン44a、44bに入力された歌唱音声も、ミキサー252で音量分配された後、スピーカー42a〜42gから出力される。
本実施形態の音響制御部25は、このように、複数のスピーカー42a〜42gを使用して放音することが可能となっており、チャンネル毎の演奏音を適切に音像定位させ、臨場感のある演奏を行うことが可能となっている。なお、音像定位を正確に行う上で、スピーカー42a〜42gの数は多いほど多様な音像定位を実現することができるが、少なくとも2個以上であればよい。特に本実施形態では、聴取者に対する奥行き感を形成することが重要であるため、複数のスピーカー42a〜42gの少なくとも2個は、聴取側の奥行き方向(Z軸方向)に配置されていることが好ましい。
一方、リモコン装置1は、歌唱する楽曲を選択する選曲処理を実行可能とし、予約情報などカラオケ装置2に対して各種指示を送信可能としている。また、リモコン装置1は、カラオケ装置2あるいはインターネット上に接続されたサーバー装置5から各種情報を受信し、ユーザーに対して各種情報を提供することも可能である。本実施形態では、ユーザーから各種指示を受け付けるユーザインターフェイスとして、操作部17と、タッチパネルモニタ11を備えている。タッチパネルモニタ11は、表示部11aとタッチパネル11bを有して構成され、表示部11aに各種インターフェイスを表示するとともに、ユーザーからのタッチ入力を受付可能としている。
さらにリモコン装置1は、楽曲検索に必要とされるデータベース、各種プログラム、並びに、プログラム実行に伴って発生する各種情報を記憶する記憶部として、メモリ14、そして、これら構成を統括して制御するためのリモコン側制御部を備えて構成される。リモコン側制御部には、CPU15、タッチパネルモニタ11に対して表示する映像を形成する映像制御部13、表示する映像情報を一時的に蓄えるビデオRAM12、タッチパネルモニタ11あるいは操作部17からの入力を解釈してCPU15に伝える操作処理部18が含まれている。
また、リモコン装置1は、無線LAN通信部16によって、アクセスポイント110と無線接続されることで、LAN100によって構成されるネットワークに接続される。なお、各リモコン装置1は、特定のカラオケ装置2に対して事前に対応付けされている。リモコン装置1から出力される各種命令は、対応付けされたカラオケ装置2にて受信される。
このようなリモコン装置1の構成により、ユーザーからの各種入力をタッチパネルモニタ11、あるいは、操作部17から受付けるとともに、映像情報をタッチパネルモニタ11に表示することで、カラオケ装置2に対して楽曲予約などの各種指示を行うことが可能とされている。
図3は、カラオケ装置2で使用する楽曲情報のデータ構成を示す図である。楽曲情報は、楽曲情報に関連する各種情報であるメタ情報と、演奏等、各種処理を実行する実情報を含んで構成される。メタ情報には、楽曲情報を識別するための楽曲識別情報、楽曲名、歌手名、作詞者名、作曲者名等が含まれている。
楽曲情報の実情報には、演奏情報、歌詞情報が含まれている。演奏情報は、MIDI規格に基づく電子楽器用の制御情報、あるいは、実際の演奏を録音した圧縮音声情報等で構成された情報であって、カラオケの伴奏音を演奏するための情報である。歌詞情報は、歌唱補助のため、演奏情報に同期して表示される情報であり、演奏に同期して表示された歌詞の色替えを行うように構成することも可能である。
図3には、演奏情報の詳細が記載されている。演奏情報は複数(図3の例では16個のチャンネル)のチャンネルを含んで構成されている。各チャンネルは、プログラムナンバーで規定される音色に割り当てられている。各チャンネルは、効果付与情報、楽譜情報を含んで構成されている。効果付与情報は、チャンネル中の楽譜情報に基づいて演奏された演奏音に音響効果を付与するための情報である。効果付与情報には、音の左右定位を決定するパンポット、残響量を決定するリバーブ、複数の楽器を略同時に鳴らしたように聞こえる効果を付与するコーラス、演奏音に歪みをかけるディストーション等が含まれる。図3では、後で説明する位置決定処理に使用するパンポット、リバーブについて、その数値を示している。楽譜情報は、MIDI規格に規定されるノートオン情報、ノートオフ情報等で構成された情報であって、この楽譜情報に基づき演奏を行うことで、各チャンネルの音色に関する演奏音が形成される。楽譜情報に基づき形成された演奏音は、効果付与情報に基づく音響効果が付与されスピーカー42a〜42gへと出力される。本実施形態では、効果付与情報中のパンポット、リバーブ等を使用して、各チャンネルについて形成された演奏音の音像定位位置を決定する。なお、音像定位位置を決定するためには、各種効果付与情報を使用することが可能であるが、音像定位位置の奥行き位置(聴取位置から遠ざかる方向に関する位置)には、リバーブ等、演奏音を遅延させる遅延系の効果付与情報を使用することが好ましい。
図4は、本実施形態の楽曲予約処理を示すフロー図である。ユーザーは、リモコン装置1、あるいは、タッチパネルモニタ33を操作することで、歌唱したい楽曲の予約を行う。例えば、リモコン装置1で楽曲の予約を行った場合、楽曲に対応する楽曲識別情報を含んだ予約情報が、カラオケ装置2に送信される。予約情報を受信したカラオケ装置2は、新規予約が行われたと判断(S101:Yes)して、位置決定処理(S200)、割り当て処理(S300)を実行する。これらの処理は、楽曲を演奏する際、演奏された各チャンネルの演奏音を複数のスピーカー42a〜42hに音像定位させるための前処理である。
従来の電子楽器における音像定位は、パンポットのみを使用した左右の音像定位が用いられることが通常である。また、複数のスピーカーを使用して音像定位させる場合には、各スピーカーで出力する音を演奏情報に割り当てておく必要があった。本実施形態では、演奏情報中、演奏情報の各チャンネルに含まれる効果情報を使用して、音像定位が事前に割り当てられていない場合であっても、各チャンネルを適切に音像定位させて、臨場感のある演奏を行うことを可能としている。また、位置決定処理(S200)、割り当て処理(S300)は、楽曲が予約されてから再生開始までの期間に実行することで、音像定位が事前に割り当てられていない楽曲に対しても、楽曲再生開始時には、楽曲に対応した形態で音像定位させることが可能である。位置決定処理(S200)、割り当て処理(S300)が完了すると、予約情報を予約テーブルに登録(S102)して、新規予約を監視する状態(S101)に戻る。
では、各楽曲を複数のスピーカー42a〜42hに音像定位させる位置決定処理(S200)、並びに、割り当て処理(S300)について説明する。図8は、本実施形態の位置決定処理(S200)で使用する演奏情報の一部を示す例である。この例では、演奏情報は、5つのチャンネルを有して構成されている。各チャンネルには、プログラムナンバーで規定された音色が割り当てられている。また、各チャンネルには、パンポット、リバーブ、コーラスについて規定した効果付与情報が規定されている。本実施形態の位置決定処理(S200)は、効果付与情報中のパンポット、リバーブ、コーラスを使用して、音像定位位置を決定する。パンポットは、音響効果中、左右の音像定位を決める効果である。本実施形態では1〜128の値で規定され、最も左に定位する場合を「1」、最も右に定位する場合を「128」、真ん中に定位する場合を「64」として規定している。リバーブは、演奏音に残響を付与する効果であり、0以上の数値で規定されている。数値が大きくなるほど、演奏音に付与する残響の量が大きい。コーラスは、演奏音を時間的に微妙にずらすことで、空間的な広がりを有する効果である。0以上の数値で規定され、数値が大きくなるほど、演奏音をずらす時間的値が大きくなる。
本実施形態の位置決定処理(S200)では、まず、(S201)において、楽曲情報から各チャンネルに効果付与情報としてパンポット、リバーブ、コーラスの値を抽出する。次に、各チャンネルに規定されたパンポットに基づき音像定位位置の左右位置を決定し、各チャンネルに規定されたリバーブに基づき音像定位位置の奥行き位置を決定する(S202)。また、コーラスが付与されている(コーラスの値が0以上)チャンネルについては、領域を有する音像定位位置を決定する。これはコーラスが付与されることで、広がり(ある程度の領域)のある演奏音となることを理由としている。
図9(A)は、図8に示す演奏情報の例に基づいて決定した音像定位位置の配置例である。図中、パンポットを横軸(X軸)、リバーブをZ軸に取り、各チャンネル(音色)について音像定位位置を割り当てている。また、X軸は演奏音が演奏されるステージの左右方向を、Z軸はステージの奥行き方向に対応している。例えば、チャンネル01(ピアノ)の場合、パンポットは「018」、リバーブは「0」であるため、左右方向(X方向)における音像定位位置は、中央位置よりも左寄りであって、奥行き位置は最前位置となる。また、チャンネル10(ドラム)の場合は、パンポットは「064」、リバーブは「45」であるため、音像定位位置は中央位置であって、奥行き位置は奥側に位置することになる。つまり、リバーブの値の大小は、音像定位の奥行き位置を決定する。
このように本実施形態では、パンポットに基づき音像定位位置の左右位置を決定し、リバーブに基づき音像定位位置の奥行き位置を決定することで、各チャンネルの演奏音を適切に音像定位させることが可能となっている。さらに本実施形態では、コーラスが付与されたチャンネルについては、音像定位位置に領域を持たせることとしている。図8中、これに相当するのが、チャンネル05(バイオリン)と、チャンネル06(ハンドベル)である。これらのチャンネルについては、音像定位位置にコーラスの値の大きさに応じた大きさの領域を持たせている。図9(A)に示されるように、チャンネル05(バイオリン)、チャンネル06(ハンドベル)については、パンポット、リバーブで決定された位置を中心に有する矩形領域が音像定位位置となる。この矩形領域の大きさは、コーラスの値に応じて大きくなる。また、矩形領域の形(縦、横の比)は、想定されているスピーカー42a〜42gの配置によって定められる。
位置決定処理(S200)にて、各チャンネルの音像定位位置が決定された後、音像定位位置に基づいて、各スピーカー42a〜42hに対して各チャンネルの演奏音の音量を割り当てる割り当て処理(S300)を実行する。図9(B)は、実際のスピーカー42aの配置上に、図9(A)で決定した音像定位位置を重畳した模式図である。本実施形態では、後列に4個のスピーカー42a〜42dを配置し、前列に4個のスピーカー42e〜42hを配置した4×2のマトリックスによる配置形態となっている。カラオケ装置2は、このスピーカー42a〜42hの配置を配置情報として記憶しており、割り当て処理(S300)では、まず、配置情報を読み出す(S301)。次に、位置決定処理(S200)で決定した各チャンネルの音像定位位置と、読み出した配置情報に基づいて、各スピーカー42a〜42hにおけるチャンネルの音量を決定する(S302)。
図10(A)は、図9(B)の例中、チャンネル01(ピアノ)について、スピーカー42a〜42hへの割り当て処理(S300)を説明するための模式図である。チャンネル01(ピアノ)については、スピーカー42e〜42hの配置列上に音像定位位置が位置しているため、音像定位位置に近い2つのスピーカー42e、42fを使用して演奏音が出力される。他のスピーカー42a〜42d、42g、42hは、チャンネル01(ピアノ)の演奏音を出力しない(音量は0となる)。図10(A)中、実線で示すスピーカー42e、42fは音量が割り当てられたスピーカーであり、破線で示すスピーカー42a〜42d、42g、42hは音量が0となるスピーカーを示している(他の図も同様)。
図10(B)は、2つのスピーカー42e、42fに対する音量割り当てを説明するための模式図である。2つのスピーカー42e、42fに対する音量割り当ては、特性曲線を用いて割り当てられる。左に位置するスピーカー42eについては、右下がりの特性曲線Llが使用され、右に位置するスピーカー42eについては、左下がりの特性曲線Lrが使用される。チャンネル01(ピアノ)の音像定位位置をこの特性曲線上に降ろしたときの値が、スピーカー42e、42fに対する音量であって、スピーカー42eに対しては音量Vlが、スピーカー42fに対しては音量Vrとして決定される。チャンネル01(ピアノ)の音像定位位置は両スピーカー42e、42fの中間よりもやや左側(スピーカー42e側)に位置しているため、スピーカー42eの音量Vlの方がスピーカー42fの音量Vrよりもやや大きい値となっている。スピーカー42e、42fに対してこのような音量配分を行うことで、位置決定処理(S200)で決定した音像定位位置にチャンネル01(ピアノ)の演奏音を音像定位させることが可能となる。
ところで本実施形態のように、位置の異なる複数のスピーカー42a〜42hに演奏音の音量を割り当てた場合、スピーカー42a〜42hの配置によって、演奏音に効果が実現されることになる。したがって、演奏情報に含まれる効果付与情報をそのまま付与した場合、効果付与情報の種類によっては音像定位位置の効果が重複して付与されることになる。本実施形態の割り当て処理(S300)では、効果付与情報の種類にリバーブが含まれている(奥行き方向の成分含まれている)、つまり、リバーブの値が0でないときは、効果付与情報を調整する(S303)ことで、重複することになる効果の重複度合いを低減、もしくは、無効することとしている。まず、効果付与情報の種類にリバーブが含まれない、リバーブの値が0である場合を、図10を用いて説明する。図10(A)において、CH(以下、チャンネル)01(ピアノ)については、パンポットのみが付与されているので、リバーブの値は0である(リバーブが付与されていない事に相当)、奥行き方向の成分は含まれていないと判断する。このため、チャンネル01(ピアノ)の位置はスピーカー42e〜42hの配置列上で、42eと42fの間にあり、奥行き方向には位置していない。よって、演奏時にはこのパンポットを使用することなく、図10(B)に示す2つのスピーカー42e、42fに対する音量割り当てで実現する。チャンネル01(ピアノ)に対する効果付与情報は、パンポットのみであるため、スピーカー42eとスピーカー42fに対する音量割り当てによって、パンポットで指定された左右の音像定位が実現している。割り当て処理(S300)における効果付与情報の調整(S303)は、複数のスピーカー42a〜42hの音量割り当てと、効果付与情報を使用した演奏による効果の重複を避ける、あるいは低減するため、パンポット以外の効果付与情報中のリバーブやコーラスに対して行われることになるが、チャンネル01(ピアノ)は、パンポットのみであるため、効果付与情報の調整は行われない。
次に、効果付与情報の種類に奥行き成分として使用するリバーブが含まれている(リバーブの値が0でない)場合を、図11を用いて説明する。図11(A)は、図9(B)の例中、チャンネル02(ギター)について、スピーカー42a〜42hへの割り当て処理(S300)を説明するための模式図である。チャンネル02(ギター)については、スピーカー42b、42c、42f、42gで囲まれた範囲内に音像定位位置が位置しているため、これら4つのスピーカー42b、42c、42f、42gを使用して演奏音が出力される。他のスピーカー42a、42d、42e、42hは、チャンネル02(ギター)の演奏音を出力しない(音量は0となる)。
図11(B)は、4つのスピーカー42b、42c、42f、42gに対する音量割り当てを説明するための模式図である。この場合も図10(B)と同様、特性曲線を用いて割り当てられる。ただし、4つのスピーカー42b、42c、42f、42gを使用するため、左右の音量割合と前後の音量割合をそれぞれ求めることで、各スピーカー42b、42c、42f、42gに対する音量割り当てが行われる。左右の音量割合の決定については、図10(B)と同様であって、左列については、右下がりの特性曲線Llが使用され、右列については、左下がりの特性曲線Lrが使用される。これら特性曲線Ll、Lrを使用することで、左列の音量はVl、右列の音量はVrと割り当てられる。一方、前後の音量割合の決定については、前列については特性曲線Lfが使用され、後列については特性曲線Luが使用される。これら特性曲線Lf、Luを使用することで、前列の音量はVf、後列の音量はVuと割り当てられる。
左右の音割り当て、前後の音量割り当てに基づいて、4つのスピーカー42b、42c、42f、42gに対する音量割り当てを算出することが可能である。具体的には、以下の式を使用している。
スピーカー42f(左前)の音量割り当て=左列の音量Vl*前列の音量Vf
スピーカー42g(右前)の音量割り当て=右列の音量Vr*前列の音量Vf
スピーカー42b(左後)の音量割り当て=左列の音量Vl*後列の音量Vu
スピーカー42c(右後)の音量割り当て=右列の音量Vr*後列の音量Vu
チャンネル02(ギター)についても音量割り当てによる効果の重複を抑制するため、効果付与情報の調整が行われる(S303)。チャンネル02(ギター)に対しては、2つの効果(パンポット、リバーブ)が付与されているが、演奏時にはこのパンポットを使用することなく、4つのスピーカー42b、42c、42f、42gに対する音量割り当てによって実現する。また、リバーブについても4つのスピーカー42b、42c、42f、42gの配置(特に、前列のスピーカー42f、42gと、後列のスピーカー42b、42c間に設けられている距離等)によっても付与されるため、演奏時にはリバーブを使用しない、あるいは、リバーブをかける量(リバーブの値)を減じることで、演奏音に効果が重複してかけられることを抑制している。
図12(A)は、図9(B)の例中、チャンネル05(バイオリン)について、スピーカー42a〜42hへの割り当て処理(S300)を説明するための模式図である。チャンネル05(バイオリン)については、スピーカー42a、42b、42e、42fで囲まれた範囲内に音像定位位置が位置しているため、これら4つのスピーカー42a、42b、42e、42fを使用して演奏音が出力される。他のスピーカー42c、42d、42g、42hは、チャンネル05(バイオリン)の演奏音を出力しない(音量は0となる)。
図12(B)は、4つのスピーカー42a、42b、42e、42fに対する音量割り当てを説明するための模式図である。本実施形態では、チャンネル05(バイオリン)の音像定位位置は矩形領域としている。4つのスピーカー42a、42b、42e、42fに対しては、この矩形領域の頂点から各スピーカー42a、42b、42e、42fまでの距離Da、Db、De、Dfを使用して割り当てられる。例えば、スピーカー42aに対しては、矩形領域の4つの頂点中、スピーカー42aまでの距離が最も近い矩形領域の左上頂点を選択肢、スピーカー42aから矩形領域の左上頂点までの距離Daに応じて、チャンネル05(バイオリン)に対する音量の割り当てが行われる。他のスピーカー42b、42e、42fに対しても同様に距離Db、De、Dfが決定される。そして、スピーカー42a、42b、42e、42fに対する音量割り当ては、例えば、各距離Da、Db、De、Dfが長くなるほど、音量が小さくなるように割り当てられる。
このように本実施形態では、効果付与情報中、空間的な広がりを有する効果(本例では、コーラス)については、音像定位位置を領域(この例では矩形形状)として決定し、当該領域に基づいてスピーカー42a、42b、42e、42fに音量を割り当てることとしている。このような構成により、音像定位位置としての領域に、チャンネル05(バイオリン)の演奏音を音像定位させることを可能としている。なお、スピーカー42a、42b、42e、42fに対する音量割り当てに基づき、チャンネル05(バイオリン)に付与されていた効果付与情報(リバーブ、コーラス)が調整(低減または無効)される(S303)。楽曲の演奏を行う楽曲再生処理では、調整された効果付与情報を使用して演奏情報の演奏が行われる。
図13(A)は、図9(B)の例中、チャンネル06(ハンドベル)について、スピーカー42a〜42hへの割り当て処理(S300)を説明するための模式図である。チャンネル06(ハンドベル)については、チャンネル05(バイオリン)の場合と同様、効果付与情報中にコーラスが規定されているため、音像定位位置が領域を有する形態として決定されている。この場合、領域としての音像定位位置に近い3つのスピーカー42b、42c、42dを使用して演奏音が出力される。他のスピーカー42a、42e、42f、42g、42hは、チャンネル06(ハンドベル)の演奏音を出力しない(音量は0となる)。
図12(B)は、3つのスピーカー42b、42c、42dに対する音量割り当てを説明するための模式図である。図12の場合と同様、各スピーカー42b、42c、42dに対して、最も近い矩形領域の頂点が対応付けられる。例えば、スピーカー42bに対しては、矩形領域の左下頂点が対応付けられる。そして、各スピーカー42b、42c、42dから、それに対応付けられた頂点までの距離Db、Dc、Ddに基づき音量が割り当てられる。このチャンネル06(ハンドベル)の場合、スピーカー42a〜42hの配置範囲からZ軸方向に外れて位置している。そのため、この外れた分をスピーカーの配置による効果で賄いきれないことが考えられる。したがって、効果付与情報の調整(S303)において、矩形領域がスピーカー42a〜42hの配置範囲から外れたZ軸方向の量Dz(例えば、スピーカー42b〜42dで形成する線分から、矩形中心までのZ軸方向の量)を使用してリバーブの値を調整することが考えられる。このように、本実施形態では、複数のスピーカー42a〜42hの配置によって、演奏音に対する効果を実現すると共に、配置によって賄いきれない効果については、効果付与情報を使用して演奏音に効果を付与することで、演奏音を適切に音像定位させている。
以上、4つのチャンネルについて、位置決定処理(S200)と割り当て処理(S300)を説明したが、位置決定処理(S200)で決定された各チャンネルに対する音量割り当て、並びに、S303で調整された効果付与情報は、予約情報に書き込まれ、楽曲再生処理で使用される。
図7は、本実施形態の楽曲再生処理を示すフロー図である。リモコン装置1から送信された予約情報は、カラオケ装置2のメモリ27で管理する予約テーブルに順次記憶される。カラオケ装置2は、予約テーブルのチェックを行い(S401)、次に再生すべき再生の楽曲があると判定した場合(S402:Yes)、楽曲情報の再生を開始する(S403)。楽曲情報の再生期間中、MIDI音源251は、S303で調整された効果付与情報を使用して演奏情報を演奏し、ミキサー252は、S302で複数のスピーカー42a〜42hに割り当てられた音量で各チャンネルの演奏音を出力することで、音像定位を伴った臨場感のある演奏を行う。
以上、8つのスピーカー42a〜42hがマトリックス状に配置された実施形態について説明を行ったが、本発明では、スピーカーの他の配置についても適用することができる。図9(B)などで説明したスピーカー42a〜42hの配置は、各スピーカー42a〜42hを所定間隔で配置すればよいため、実際の配置を行うことは容易である。しかしながら、実際には配置する場所の形状、あるいは、スピーカーの設置可能場所といった制約を受けることがあり、図9(B)のように配置できないことが考えられる。そのため、予めカラオケ装置2側にて設定されている配置情報を使用することに代え、ユーザーがスピーカーの配置情報を、実際の配置を参照して入力することとしてもよい。
また、前述の実施形態では、位置決定処理(S200)で決定した音像定位位置を、割り当て処理(S300)に正確に再現しているが、割り当て処理(S300)の形態は適宜形態を採用することが可能である。図14は、他の実施形態について、演奏情報に基づく(A)位置決定処理、(B)割り当て処理を説明するための模式図である。前述の実施形態と同様、位置決定処理(S200)で決定した各チャンネルの音像定位位置に基づいて、複数のスピーカー42a〜42eに対する割り当て処理(S300)が実行される。この場合、音像定位位置に最も近い1のスピーカー42a〜42eに音量を割り当てることとしている。例えば、チャンネル01(ベース)の演奏音は、その音像定位位置に最も近いスピーカー42aから出力される。したがって、各スピーカー42a〜42eは、1つのチャンネルに対応するため、各チャンネルの演奏による演奏音が各スピーカー42a〜42eから出力され、演奏音が明確に分離した音像定位で聴取させることが可能となる。なお、1のスピーカーに対して複数のチャンネルの音像定位位置が重複する場合、使用していない他のスピーカーにチャンネルを振り分けることとしてもよい。あるいは、1のスピーカーで複数のチャンネルの演奏音を重複して出力する形態も考えられる。
本発明は、以上説明した実施形態以外に変形例を採用することも可能である。以下に変形例について説明する。
(変形例1)
歌唱を行うカラオケ装置2では、演奏情報中のチャンネルには歌唱する旋律(主旋律)のために設けられたものがある。この主旋律のためのチャンネルを再生することで、歌唱時のガイドとして使用することが可能である。マイクロホン44a、44bから入力された歌唱音声は、この旋律(主旋律)を形成するチャンネルに付与されている効果付与情報を使用して、音像定位位置を決定し、各スピーカー42a〜42hに音量を割り当ててもよい。ユーザーの歌唱音声に対しても適切に音像定位させることが可能となる。なお、本実施形態では、2本のマイクロホン44a、44bを使用しているため、例えば、デュエットのような第1主旋律、第2主旋律のそれぞれをマイクロホン44a、44bの歌唱音声に割り当てて音像定位させることが可能である。
(変形例2)
位置決定処理(S200)では、演奏情報中の各チャンネルに対して1の音像定位位置を決定しているが、1のチャンネルに対して複数の音像定位位置を決定することとしてもよい。例えば、効果付与情報の1つであるコーラスは、1つのチャンネルで複数の演奏音が奏でられているように聞かせることができる。例えば、コーラスが付与されているチャンネルに対しては、コーラスを低減、あるいは、無効にしてから複数の音像定位位置を決定することとしてもよい。複数の音像定位位置に基づいてスピーカーに音量を割り当てることで、スピーカー間で生じる遅延により、コーラスと同様の効果を奏することが可能となる。なお、コーラスの値に応じて、コーラスを低減、あるいは、無効にしてから複数の音像定位位置間の距離を変化させることで、演奏情報に付与されていたコーラスを、より正確に再現することが可能である。
(変形例3)
また、本実施形態では、1つの楽曲中、チャンネルに割り当てられた効果付与情報を固定としているが、演奏位置を決めるための情報(本実施形態では、パン、リバーブ等)は、演奏の進行に伴い変更される場合がある。このような場合には、演奏の進行に伴って音像定位位置を移動させることとしてもよい。この場合、位置決定処理(S200)は、音像定位位置を時系列の情報として決定することになる。
1(1a、1b):リモコン装置 25:音響制御部
2:カラオケ装置 27:メモリ
5:サーバー装置 28:ビデオRAM
11:タッチパネルモニタ 29:映像再生部
11a:表示部 30:CPU
11b:タッチパネル 31:映像制御部
12:ビデオRAM 32:ハードディスク
13:映像制御部 33:タッチパネルモニタ
14:メモリ 34:タッチパネル
15:CPU 35:表示部
16:無線LAN通信部 41:モニタ
17:操作部 42a〜42h:スピーカー
18:操作処理部 44a、44b:マイクロホン
21:操作部 110:アクセスポイント
22:操作処理部 251:MIDI音源
24:LAN通信部 252:ミキサー

Claims (9)

  1. 演奏音を形成するための複数のチャンネルを含む演奏情報に基づいて演奏を行う楽曲演奏装置であって、
    各前記チャンネルは、演奏音に効果を付与する効果付与情報を含み、
    前記チャンネルに含まれる効果付与情報に基づいて、前記チャンネルの音像定位位置を決定する位置決定処理と、
    各前記チャンネルについて決定した前記音像定位位置と、演奏音の出力先となる複数のスピーカーの位置に基づいて、各前記チャンネルで形成される演奏音の音量を1もしくは複数の前記スピーカーに割り当てる割り当て処理と、
    前記演奏情報に基づいて演奏を行い、前記割り当て処理で前記スピーカーに割り当てられた各前記チャンネルの音量で音響出力する演奏処理と、を実行することを特徴とする
    楽曲演奏装置。
  2. 前記効果付与情報は、遅延させることで演奏音に効果を付与する遅延系の効果付与情報を含むことを特徴とする
    請求項1に記載の楽曲演奏装置。
  3. 前記位置決定処理は、前記効果付与情報の遅延量に応じた奥行き位置を有する音像定位位置を決定することを特徴とする
    請求項2に記載の楽曲演奏装置。
  4. 前記割り当て処理で使用する複数のスピーカーの位置を指定可能とすることを特徴とする
    請求項1から請求項3の何れか1項に記載の楽曲演奏装置。
  5. 前記演奏処理は、前記効果付与情報に基づく効果を低減、もしくは、無効として演奏情報に基づく演奏を行うことを特徴とする
    請求項1から請求項4の何れか1項に記載の楽曲演奏装置。
  6. 前記位置決定処理は、1つの前記チャンネルに対して複数の前記音像定位位置を決定することを特徴とする
    請求項1から請求項5の何れか1項に記載の楽曲演奏装置。
  7. 前記位置決定処理は、楽曲の予約後であって、前記演奏処理の前に実行されることを特徴とする
    請求項1から請求項6の何れか1項に記載の楽曲演奏装置。
  8. 演奏音を形成するための複数のチャンネルを含む演奏情報に基づいて演奏可能な情報処理装置で実行可能な楽曲演奏用プログラムであって、
    各前記チャンネルは、演奏音に効果を付与する効果付与情報を含み、
    前記チャンネルに含まれる効果付与情報に基づいて、前記チャンネルの音像定位位置を決定する位置決定処理と、
    各前記チャンネルについて決定した前記音像定位位置と、演奏音の出力先となる複数のスピーカーの位置に基づいて、各前記チャンネルで形成される演奏音の音量を1もしくは複数の前記スピーカーに割り当てる割り当て処理と、
    前記演奏情報に基づいて演奏を行い、前記割り当て処理で前記スピーカーに割り当てられた各前記チャンネルの音量で音響出力する演奏処理と、を実行することを特徴とする
    楽曲演奏用プログラム。
  9. 演奏音を形成するための複数のチャンネルを含む演奏情報に基づいて演奏を行う楽曲演奏方法であって、
    各前記チャンネルは、演奏音に効果を付与する効果付与情報を含み、
    前記チャンネルに含まれる効果付与情報に基づいて、前記チャンネルの音像定位位置を決定する位置決定手段と、
    各前記チャンネルについて決定した前記音像定位位置と、演奏音の出力先となる複数のスピーカーの位置に基づいて、各前記チャンネルで形成される演奏音の音量を1もしくは複数の前記スピーカーに割り当てる割り当て手段と、
    前記演奏情報に基づいて演奏を行い、前記割り当て手段で前記スピーカーに割り当てられた各前記チャンネルの音量で音響出力する演奏手段と、を有することを特徴とする
    楽曲演奏方法。
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