JP2017137984A - 回転変速システム - Google Patents

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Abstract

【課題】エンジン側にワンウェイクラッチを設ける工夫によって、回転機器の回転速度を2段階に変速させることができる回転変速システムを提供すること。
【解決手段】回転変速システム1は、回転軸20、回転体21及びワンウェイクラッチ22を備える駆動側回転機構2と、第1従動回転体31、第2従動回転体32、コイル33及び従動側アーマチュア342を備える従動側回転機構3とを備える。第1回転状態X1においては、コイル33が通電されて第1従動回転体31が第2従動回転体32に連結され、ワンウェイクラッチ22のアウター回転部材221が空転するとともに、回転体21によって従動回転軸81が第1回転速度で回転する。第2回転状態X2においては、コイル33が通電されず第1従動回転体31が第2従動回転体32から分離され、第1従動回転体31が空転するとともに、アウター回転部材221によって従動回転軸81が第2回転速度で回転する。
【選択図】図1

Description

本発明は、エンジンの回転出力を利用して、回転機器を2段階に変速させて回転させる回転変速システムに関する。
GHP(ガスヒートポンプ)等においては、エンジンの回転出力を利用して、空調機器における圧縮機を作動させることが行われている。一般的に、圧縮機は、エンジンの回転速度に比例する回転速度で作動させており、圧縮機の回転速度を変速することは行われていない。一方、特許文献1においては、圧縮機の入力回転軸に電磁クラッチを設け、エンジンの回転出力を、電磁クラッチを介して圧縮機に伝達することにより、回転動力の伝達とこの伝達の遮断とを切り替えることが記載されている。また、特許文献2においては、圧縮機の回転入力部に変速手段としての電磁クラッチを設け、この電磁クラッチによって、エンジンの回転速度に対する圧縮機の回転速度を変速することが記載されている。また、特許文献3においては、電磁クラッチ及びワンウェイクラッチを用いて、エンジンによって駆動される機械式過給機の回転速度を変速することが記載されている。
実開平5−27360号公報 特開平7−269982号公報 特開平5−59959号公報
しかしながら、特許文献1〜3等においては、圧縮機側に電磁クラッチ又はワンウェイクラッチを設ける工夫が記載されているのみであり、エンジン側に電磁クラッチ又はワンウェイクラッチを設ける工夫については何ら記載されていない。エンジン側においては、エンジンのクランク軸にフライホイールが連結されている。そのため、エンジン側に電磁クラッチを設けようとすると、電磁クラッチの励磁コイルを回転不能に固定するための特別な工夫が必要になる。
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたもので、エンジン側にワンウェイクラッチを設ける工夫によって、回転機器の回転速度を2段階に変速させることができる回転変速システムを提供しようとして得られたものである。
本発明の一態様は、エンジンの回転出力によって回転する駆動側回転機構と、該駆動側回転機構によって従動回転する従動側回転機構とを備え、該従動側回転機構によって動作する回転機器を2段階に変速させる回転変速システムであって、
上記駆動側回転機構は、
上記エンジンのクランク軸に連結されたフライホイールの、上記クランク軸が連結された側とは反対側に連結された回転軸と、
該回転軸に同心状に取り付けられた回転体と、
上記回転軸に同心状に取り付けられたインナー部材、該インナー部材の外周側に配置されたアウター回転部材、該アウター回転部材と上記インナー部材との間に配置され、該インナー部材に対する該アウター回転部材の一方向への相対回転を許容する分離状態と、該インナー部材に対する該アウター回転部材の他方向への相対回転を阻止する連結状態とを形成可能な連結部材を有するワンウェイクラッチと、を備えており、
上記従動側回転機構は、
上記回転機器の従動回転軸に対して同心状に配置されるとともに、該回転機器の非回転部位に軸受を介して取り付けられ、上記回転体と共に回転する第1従動回転体と、
上記従動回転軸に同心状に取り付けられ、上記アウター回転部材と共に回転する第2従動回転体と、
上記第1従動回転体の内側に配置され、上記回転機器の非回転部位に取り付けられたコイルと、
上記第2従動回転体及び上記従動回転軸の少なくとも一方に取り付けられ、上記コイルが通電された際に上記第1従動回転体を上記第2従動回転体及び上記従動回転軸に連結させる従動側アーマチュアと、を備えており、
上記回転体の外径A1と上記第1従動回転体の外径B1との比A1/B1は、上記アウター回転部材の外径A2と上記第2従動回転体の外径B2との比A2/B2よりも大きく、
上記コイルが通電されて上記第1従動回転体が上記第2従動回転体に連結され、上記分離状態にある上記ワンウェイクラッチの上記アウター回転部材が上記インナー部材に対して空転するとともに、上記回転体によって上記第1従動回転体及び上記第2従動回転体が従動回転して、上記従動回転軸が第1回転速度で回転する第1回転状態と、
上記コイルが通電されず上記第1従動回転体が上記第2従動回転体から分離され、上記回転体によって上記第1従動回転体が上記第2従動回転体に対して空転するとともに、上記連結状態にある上記ワンウェイクラッチの上記アウター回転部材によって上記第2従動回転体が従動回転して、上記従動回転軸が第2回転速度で回転する第2回転状態と、に切換え可能である、回転変速システムにある。
上記回転変速システムにおいては、フライホイールが設けられたエンジンの側において、ワンウェイクラッチが設けられ、回転機器の側において、コイル及び従動側アーマチュアによる電磁クラッチが設けられる。
エンジン側においては、フライホイールが障害物となるため、電磁クラッチを構成するコイルを、エンジンにおける非回転部位に固定することができない。この課題に対して、回転変速システムにおいては、コイルの固定及び配線が必要となる電磁クラッチをエンジン側に設けるのではなく、固定及び配線が不要なワンウェイクラッチをエンジン側に設ける。また、回転機器側においては、電磁クラッチを構成するコイルを、回転機器の非回転部位に取り付ける。
このようなエンジン側にワンウェイクラッチを設けるとともに回転機器側に電磁クラッチを設ける回転変速システムは、従来のシステムにはない新たな構造を提供する。そして、エンジンと回転機器との間で、エンジンの回転を受けて回転する回転機器の回転速度の切換えを行う構造を、少ない部品点数でコンパクトに形成することができる。
回転変速システムは、コイルへの通電の有無によって、第1回転状態と第2回転状態とに切換え可能である。
コイルが通電(励磁)されたときには、第1回転状態が形成される。この第1回転状態においては、従動側アーマチュアがコイルによる電磁吸引力を受け、第1従動回転体が第2従動回転体と連結される。そして、第1回転状態においては、フライホイールの回転を受けて回転軸、第1回転体及びワンウェイクラッチのインナー部材が回転するとともに、回転体の回転を受けて、第1従動回転体、第2従動回転体及び従動回転軸が従動回転する。そして、回転機器の従動回転軸は、回転体の外径A1と第1従動回転体の外径B1との比A1/B1によって定まる第1回転速度で回転することになる。
ところで、第2従動回転体が回転するときには、第2従動回転体の回転力がワンウェイクラッチのアウター回転部材に伝わる。このとき、ワンウェイクラッチにおいては、インナー部材が回転軸とともに回転している。そして、回転体の外径A1と第1従動回転体の外径B1との比A1/B1が、アウター回転部材の外径A2と第2従動回転体の外径B2との比A2/B2よりも大きい関係により、アウター回転部材とインナー部材との間に回転速度の差が生じ、アウター回転部材の回転速度がインナー部材の回転速度よりも速くなる。これにより、アウター回転部材がインナー部材に対して一方向へ相対回転し、ワンウェイクラッチの分離状態が形成され、アウター回転部材がインナー部材に対して空転する。そのため、第1従動回転体と共に第2従動回転体が回転することによる弊害は生じない。
一方、コイルが通電(励磁)されていないときには、第2回転状態が形成される。この第2回転状態においては、従動側アーマチュアがコイルによる電磁吸引力を受けず、第1従動回転体が第2従動回転体と分離される。そして、第2回転状態においては、フライホイールの回転を受けて回転軸、回転体及びワンウェイクラッチのインナー部材が回転する。そして、回転体によって回転する第1従動回転体は、第2従動回転体及び従動回転軸に対して空転する。
また、コイルが通電されていないときに、ワンウェイクラッチにおいては、インナー部材が回転軸と共に回転する際に、アウター回転部材には、従動回転軸及び第2従動回転体を介して、従動回転軸における加速トルク、摩擦トルク等による負荷トルクが加わる。この負荷トルクによって、アウター回転部材には、インナー部材の回転方向とは逆の回転方向に負荷が加わる。これにより、連結部材を介してアウター回転部材とインナー部材とが連結され、インナー部材に対するアウター回転部材の他方向への相対回転が阻止される。そして、ワンウェイクラッチの連結状態が形成され、アウター回転部材がインナー部材と共に回転する。
その結果、アウター回転部材によって第2従動回転体が従動回転し、従動回転軸が第2回転速度で回転する。そして、回転機器の従動回転軸は、アウター回転部材の外径A2と第2従動回転体の外径B2との比A2/B2によって定まる第2回転速度で回転することになる。
このように、上記回転変速システムによれば、エンジン側にワンウェイクラッチを設ける工夫によって、回転機器の回転速度を2段階に変速させることができる。
実施形態1にかかる、第1回転状態にある回転変速システムを示す断面説明図。 実施形態1にかかる、第2回転状態にある回転変速システムを示す断面説明図。 実施形態1にかかる、従動側回転機構を示す断面説明図。 実施形態2にかかる、第1回転状態にある回転変速システムを示す断面説明図。 実施形態2にかかる、第2回転状態にある回転変速システムを示す断面説明図。
上述した回転変速システムにかかる好ましい実施形態について、図面を参照して説明する。
(実施形態1)
回転変速システム1は、図1、図2に示すように、エンジン7の回転出力によって回転する駆動側回転機構2と、駆動側回転機構2によって従動回転する従動側回転機構3とを備え、従動側回転機構3によって動作する回転機器8を2段階に変速させるものである。
駆動側回転機構2は、図1に示すように、回転軸20、回転体21及びワンウェイクラッチ22を備える。
回転軸20は、エンジン7のクランク軸71に連結されたフライホイール72の、クランク軸71が連結された側とは反対側に連結される。回転体21は、回転軸20に同心状に取り付けられたプーリである。ワンウェイクラッチ22は、回転軸20に同心状に取り付けられたインナー部材223と、インナー部材223の外周側に配置されたアウター回転部材221と、アウター回転部材221とインナー部材223との間に配置された連結部材224とを有する。連結部材224は、図1に示すように、インナー部材223に対するアウター回転部材221の一方向への相対回転を許容する分離状態Y1と、図2に示すように、インナー部材223に対するアウター回転部材221の他方向への相対回転を阻止する連結状態Y2とを形成可能である。
従動側回転機構3は、図3に示すように、第1従動回転体31、第2従動回転体32、コイル33及び従動側アーマチュア342を備える。
第1従動回転体31は、回転機器8の従動回転軸81に対して同心状に配置されたプーリである。第1従動回転体31は、回転機器8の非回転部位80に軸受316を介して取り付けられており、回転体21と共に回転する。第2従動回転体32は、従動回転軸81に同心状に取り付けられたプーリであり、アウター回転部材221と共に回転する。コイル33は、第1従動回転体31の内側に配置されており、回転機器8の非回転部位80に取り付けられている。従動側アーマチュア342は、第2従動回転体32及び従動回転軸81に取り付けられており、コイル33が通電された際に第1従動回転体31を第2従動回転体32及び従動回転軸81に連結させるものである。
図1に示すように、回転体21の外径A1と第1従動回転体31の外径B1との比A1/B1は、アウター回転部材221の外径A2と第2従動回転体32の外径B2との比A2/B2よりも大きい。回転変速システム1は、図1に示すように、回転機器8の従動回転軸81を第1回転速度で回転させる第1回転状態X1と、図2に示すように、回転機器8の従動回転軸81を第2回転速度で回転させる第2回転状態X2とに切換え可能である。
第1回転状態X1においては、図1に示すように、コイル33が通電されて第1従動回転体31が第2従動回転体32に連結され、分離状態Y1にあるワンウェイクラッチ22のアウター回転部材221がインナー部材223に対して空転するとともに、回転体21によって第1従動回転体31及び第2従動回転体32が従動回転して、従動回転軸81が第1回転速度で回転する。第2回転状態X2においては、図2に示すように、コイル33が通電されず第1従動回転体31が第2従動回転体32から分離され、回転体21によって第1従動回転体31が第2従動回転体32に対して空転するとともに、連結状態Y2にあるワンウェイクラッチ22のアウター回転部材221によって第2従動回転体32が従動回転して、従動回転軸81が第2回転速度で回転する。
以下に、本形態の回転変速システム1についてさらに詳説する。
図1、図2に示すように、駆動側回転機構2を設けるエンジン7は、ガスを燃料として動作するガスエンジンである。回転変速システム1は、ガスエンジンによって冷暖房の空調を行うGHP(ガスヒートポンプ)において使用される。駆動側回転機構2は、エンジン7側に設けられており、従動側回転機構3は、回転機器8側に設けられている。駆動側回転機構2と従動側回転機構3とによる回転変速システム1は、エンジン7の回転出力(フライホイール72の回転)を利用して、回転機器8としての、ヒートポンプ(空調機器)における圧縮機を作動させるものである。
フライホイール72は、弾み車ともいい、円盤形状に形成されており、エンジン7の回転速度を安定化させる等の目的でクランク軸71に設けられている。また、フライホールは歯車として形成されており、その外周の歯面には、エンジン7のスタータの回転軸20に設けられた歯車の歯面が噛み合うことが可能である。回転軸20は、フライホイール72の中心部において、フライホイール72と同心状に連結されている。回転軸20の基端部には、フランジ部201が設けられており、フランジ部201は、ボルトによってフライホイール72に取り付けられている。
まず、駆動側回転機構2の各要素について説明する。
図1に示すように、回転体21は、回転軸20の先端部に直接連結されている。回転体21は、円盤形状の円盤部211と、円盤部211の外周部分において、回転軸20の軸線方向に平行に設けられた動力伝達部212とを有している。回転軸20に対する回転体21の取付は、種々の方法で行うことができる。また、回転軸20と回転体21とは、一体品とすることもできる。
ワンウェイクラッチ22は、回転軸20における、回転体21とフライホイール72との間の部位に取り付けられている。
本形態のワンウェイクラッチ22は、スプラグ式のものであり、インナー部材(インナーレース)223とアウター回転部材(アウターレース)221との間に複数の連結部材224としてのスプラグが配置されたものである。そして、図1に示すように、インナー部材223に対してアウター回転部材221が一方向に回転すると、インナー部材223とアウター回転部材221との間において複数の連結部材224が滑り、インナー部材223とアウター回転部材221とが分離される。また、図2に示すように、インナー部材223に対してアウター回転部材221が他方向に回転すると、インナー部材223とアウター回転部材221との間に複数の連結部材224が噛み合い、インナー部材223とアウター回転部材221とが連結される。
なお、ワンウェイクラッチ22は、インナー部材223に設けられたカムに対して、スプリングを介して連結部材224としてのローラーが当接するカム式のものとすることもできる。また、ワンウェイクラッチ22は、その他、種々の構造を有するものとすることができる。
インナー部材223は、インナー部材223と回転軸20との間に設けられたキー225によって回転軸20と一体化されている。また、回転体21及びワンウェイクラッチ22のアウター回転部材221は、外周にベルトが掛け渡されるプーリとして形成されている。
次に、従動側回転機構3の各要素について説明する。
本形態の回転変速システム1においては、図1、図2に示すように、エンジン7から回転軸20が突出する方向(フライホイール72に対して回転軸20が突出する方向)と、回転機器8から従動回転軸81が突出する方向とが互いに逆になっている。第1従動回転体31は、従動回転軸81における、第2従動回転体32と回転機器8のハウジングとの間の部位に取り付けられている。
図3に示すように、従動側回転機構3は、回転機器8の従動回転軸81の外周側に同心状に配置された円筒状のハウジングノーズ36を有している。ハウジングノーズ36は、回転機器8の非回転部位80としてのハウジングに取り付けられている。
第1従動回転体31は、ハウジングノーズ36の外周に軸受316を介して同心状に取り付けられている。第1従動回転体31は、軸受316を取り付けるために従動回転軸81の軸線方向に平行に設けられた取付部313と、取付部313における先端側の端部から軸線方向に垂直に設けられた円盤形状の円盤部311と、円盤部311の外周部分において、取付部313と対向して回転軸20の軸線方向に平行に設けられた動力伝達部312とを有している。取付部313と動力伝達部312との間には、コイル33を収容するための収容凹部315が形成されている。軸受316は、ベアリングを用いた転がり軸受である。
同図に示すように、第2従動回転体32は、ハウジングノーズ36の外周に軸受326を介して同心状に取り付けられている。第2従動回転体32は、軸受326を取り付けるために従動回転軸81の軸線方向に平行に設けられた取付部323と、取付部323から軸線方向に垂直に設けられた円盤形状の円盤部321と、円盤部321の外周部分において、回転軸20の軸線方向に平行に設けられた動力伝達部322とを有している。第2従動回転体32は、ボルトによって、部材327を介して従動回転軸81の先端部に直接連結されている。軸受326は、ベアリングを用いた転がり軸受である。
第1従動回転体31及び第2従動回転体32は、外周にベルトが掛け渡されるプーリとして形成されている。
コイル33は、第1従動回転体31における、収容凹部315に収容されるフィールドコア332内に収容されている。コイル33が収容されたフィールドコア332は、回転機器8の非回転部位80としてのハウジング又はハウジングノーズ36に取り付けられている。コイル33の通電線331は、フィールドコア332に設けられた貫通孔を介してフィールドコア332の外部に引き出されている。また、エンジン7の制御装置による制御を受けて、コイル33への通電及び通電の遮断が行われる。
図3に示すように、従動側回転機構3においては、従動側コイル33とクラッチ部34とによって電磁クラッチが形成されている。クラッチ部34は、第2従動回転体32の円盤部321に取り付けられた板ばね341と、板ばね341に連結されて第1従動回転体31の円盤部311と対面して配置された従動側アーマチュア342とを有している。板ばね341は、可撓性を有する板部材によって形成されている。従動側アーマチュア342は、第1従動回転体31の円盤部311を間に挟んで、従動側コイル33と対向する位置に配置されている。
従動側アーマチュア342は、従動側コイル33に通電が行われたときに、従動側コイル33による電磁吸引力を受けて第1従動回転体31の円盤部311に吸着可能である。第1従動回転体31の円盤部311及び従動側アーマチュア342は、従動側コイル33による磁界の影響を受けて磁化される軟磁性材料によって形成されている。
図2に示すように、コイル33が励磁されていない状態においては、第1従動回転体31の円盤部311と従動側アーマチュア342との間に間隙が形成されている。これにより、第1従動回転体31と第2従動回転体32とが切り離された状態が形成される。一方、図1に示すように、通電によってコイル33が励磁されるときには、板ばね341が撓みながら従動側アーマチュア342が第1従動回転体31の円盤部311に吸着される。これにより、第1従動回転体31と第2従動回転体32とが連結される。
図1、図2に示すように、回転体21の動力伝達部212の外周と第1従動回転体31の動力伝達部312の外周とには、第1ベルト41が掛け渡されている。そして、回転体21と第1従動回転体31とは一体的に回転する。また、アウター回転部材221の動力伝達部222の外周と第2従動回転体32の動力伝達部322の外周とには、第2ベルト42が掛け渡されている。そして、アウター回転部材221と第2従動回転体32とは一体的に回転する。
なお、回転体21、第1従動回転体31、アウター回転部材221及び第2従動回転体32は、プーリ以外にも、例えば、スプロケットとして形成することも可能である。この場合には、各ベルト41、42に代えて、チェーンが用いられる。
本形態においては、図1に示すように、回転体21の動力伝達部212の外径A1をアウター回転部材221の動力伝達部222の外径A2よりも大きくしている。また、第1従動回転体31の動力伝達部312の外径B1と第2従動回転体32の動力伝達部322の外径B2とはほぼ同じにしている。そして、回転体21の動力伝達部212の外径A1と第1従動回転体31の動力伝達部312の外径B1との比A1/B1は、アウター回転部材221の動力伝達部222の外径A2と第2従動回転体32の動力伝達部322の外径B2との比A2/B2よりも大きい。そして、従動回転軸81の第1回転速度は、従動回転軸81の第2回転速度よりも速くなる。
なお、外径A1、A2、B1、B2の大きさは、比A1/B1が比A2/B2よりも大きくなる範囲内において、必要に応じて任意に変更することができる。例えば、回転体21の動力伝達部212の外径A1をアウター回転部材221の動力伝達部222の外径A2とほぼ同じにするとともに、第1従動回転体31の動力伝達部312の外径B1を第2従動回転体32の動力伝達部322の外径B2よりも小さくすることができる。これによって、比A1/B1が比A2/B2よりも大きい状態を形成することができる。
次に、回転変速システム1の制御動作について説明する。
回転変速システム1は、エンジン7の制御装置による制御を受け、コイル33への通電の有無によって、第1回転状態X1と第2回転状態X2とに切換え可能である。
図1に示すように、コイル33が通電(励磁)されたときには、第1回転状態X1が形成される。この第1回転状態X1においては、従動側アーマチュア342がコイル33による電磁吸引力を受け、第1従動回転体31が第2従動回転体32と連結される。そして、第1回転状態X1においては、フライホイール72の回転を受けて回転軸20、回転体21及びワンウェイクラッチ22のインナー部材223が回転するとともに、第1ベルト41を介して回転体21と連結された第1従動回転体31が回転する。
また、第1従動回転体31に従動側アーマチュア342によって連結された第2従動回転体32が回転し、第2従動回転体32が取り付けられた従動回転軸81が回転する。そして、回転機器8の従動回転軸81は、回転体21の動力伝達部212の外径A1と第1従動回転体31の動力伝達部312の外径B1との比A1/B1によって定まる第1回転速度で回転することになる。
ところで、第2従動回転体32が回転するときには、第2ベルト42を介して第2従動回転体32の回転力がワンウェイクラッチ22のアウター回転部材221に伝わる。このとき、ワンウェイクラッチ22においては、インナー部材223が回転軸20とともに回転している。そして、回転体21の外径A1と第1従動回転体31の外径B1との比A1/B1が、アウター回転部材221の外径A2と第2従動回転体32の外径B2との比A2/B2よりも大きい関係により、アウター回転部材221とインナー部材223との間に回転速度の差が生じ、アウター回転部材221の回転速度がインナー部材223の回転速度よりも速くなる。これにより、アウター回転部材221がインナー部材223に対して一方向へ相対回転し、ワンウェイクラッチ22の分離状態Y1が形成され、アウター回転部材221がインナー部材223に対して空転する。そのため、第1従動回転体31と共に第2従動回転体32が回転することによる弊害は生じない。
一方、図2に示すように、コイル33が通電(励磁)されていないときには、第2回転状態X2が形成される。この第2回転状態X2においては、従動側アーマチュア342がコイル33による電磁吸引力を受けず、第1従動回転体31が第2従動回転体32と分離される。そして、第2回転状態X2においては、フライホイール72の回転を受けて回転軸20、回転体21及びワンウェイクラッチ22のインナー部材223が回転する。そして、第1ベルト41を介して回転体21と連結された第1従動回転体31が回転し、第1従動回転体31は、第2従動回転体32及び従動回転軸81に対して空転する。
また、コイル33が通電されていないときに、ワンウェイクラッチ22においては、インナー部材223が回転軸20と共に回転する際に、アウター回転部材221には、従動回転軸81、第2従動回転体32及び第2ベルト42を介して、従動回転軸81における加速トルク、摩擦トルク等による負荷トルクが加わる。この負荷トルクによって、アウター回転部材221には、インナー部材223の回転方向とは逆の回転方向に負荷が加わる。これにより、連結部材224を介してアウター回転部材221とインナー部材223とが噛み合い、インナー部材223に対するアウター回転部材221の他方向への相対回転が阻止される。そして、ワンウェイクラッチ22の連結状態Y2が形成され、アウター回転部材221がインナー部材223と共に回転する。
その結果、第2ベルト42を介してアウター回転部材221と連結された第2従動回転体32が従動回転し、第2従動回転体32と共に従動回転軸81が第2回転速度で回転する。そして、回転機器8の従動回転軸81は、アウター回転部材221の動力伝達部222の外径A2と第2従動回転体32の動力伝達部322の外径B2との比A2/B2によって定まる第2回転速度で回転することになる。
このように、本形態の回転変速システム1によれば、エンジン7側にワンウェイクラッチ22を設ける工夫によって、回転機器8の回転速度を2段階に変速させることができる。
本形態の回転変速システム1においては、フライホイール72が設けられたエンジン7の側において、ワンウェイクラッチ22が設けられ、回転機器8の側において、コイル33及び従動側アーマチュア342を有する電磁クラッチが設けられる。エンジン7側においては、フライホイール72が障害物となるため、電磁クラッチを構成するコイル33を、エンジン7における非回転部位70に固定することができない。この課題に対して、回転変速システム1においては、コイル33の固定及び配線が必要となる電磁クラッチをエンジン7側に設けるのではなく、固定及び配線が不要な機械式構造を有するワンウェイクラッチ22をエンジン7側に設ける。また、回転機器8側においては、電磁クラッチを構成するコイル33を、回転機器8の非回転部位80に取り付ける。
このようなエンジン7側にワンウェイクラッチ22を設けるとともに回転機器8側に電磁クラッチを設ける回転変速システム1は、従来のシステムにはない新たな構造を提供する。そして、エンジン7と回転機器8との間で、エンジン7の回転を受けて回転する回転機器8の回転速度の切換えを行う構造を、少ない部品点数でコンパクトに形成することができる。
(実施形態2)
本形態の回転変速システム1においては、エンジン7から回転軸20が突出する方向(フライホイール72に対して回転軸20が突出する方向)と、回転機器8に対して従動回転軸81が突出する方向とが、互いに同じである。また、駆動側回転機構2においては、回転体21は、回転軸20における、ワンウェイクラッチ22とフライホイール72との間の部位に取り付けられている。また、従動側回転機構3においては、第1従動回転体31は、従動回転軸81における、第2従動回転体32と回転機器8の非回転部位80としてのハウジングとの間の部位に取り付けられており、コイル33は、回転機器8のハウジング又はハウジングノーズ36に取り付けられている。
本形態の回転変速システム1におけるその他の構成は、実施形態1の場合と同様であり、実施形態1において用いた符号と同じ符号で示す。また、本形態の回転変速システム1においても、実施形態1の回転変速システム1と同様の作用効果を得ることができる。
本発明は、各実施形態のみに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲においてさらに異なる実施形態を構成することが可能である。
例えば、回転機器8は、圧縮機とする以外にも、回転入力を受けて動作する発電機、冷却水ポンプ、油圧ポンプ等の種々の機器とすることもできる。そして、回転変速システム1は、GHP以外の用途、例えば自動車、あるいはボール盤、旋盤、フライス盤、研磨盤等の工作機械に用いることもできる。
1 回転変速システム
2 駆動側回転機構
20 回転軸
21 回転体
22 ワンウェイクラッチ
221 アウター回転部材
223 インナー部材
224 連結部材
3 従動側回転機構
31 第1従動回転体
32 第2従動回転体
33 コイル
342 従動側アーマチュア
41 第1ベルト
42 第2ベルト
7 エンジン
71 クランク軸
72 フライホイール
8 回転機器
81 従動回転軸
X1 第1回転状態
X2 第2回転状態
Y1 分離状態
Y2 連結状態

Claims (5)

  1. エンジンの回転出力によって回転する駆動側回転機構と、該駆動側回転機構によって従動回転する従動側回転機構とを備え、該従動側回転機構によって動作する回転機器を2段階に変速させる回転変速システムであって、
    上記駆動側回転機構は、
    上記エンジンのクランク軸に連結されたフライホイールの、上記クランク軸が連結された側とは反対側に連結された回転軸と、
    該回転軸に同心状に取り付けられた回転体と、
    上記回転軸に同心状に取り付けられたインナー部材、該インナー部材の外周側に配置されたアウター回転部材、該アウター回転部材と上記インナー部材との間に配置され、該インナー部材に対する該アウター回転部材の一方向への相対回転を許容する分離状態と、該インナー部材に対する該アウター回転部材の他方向への相対回転を阻止する連結状態とを形成可能な連結部材を有するワンウェイクラッチと、を備えており、
    上記従動側回転機構は、
    上記回転機器の従動回転軸に対して同心状に配置されるとともに、該回転機器の非回転部位に軸受を介して取り付けられ、上記回転体と共に回転する第1従動回転体と、
    上記従動回転軸に同心状に取り付けられ、上記アウター回転部材と共に回転する第2従動回転体と、
    上記第1従動回転体の内側に配置され、上記回転機器の非回転部位に取り付けられたコイルと、
    上記第2従動回転体及び上記従動回転軸の少なくとも一方に取り付けられ、上記コイルが通電された際に上記第1従動回転体を上記第2従動回転体及び上記従動回転軸に連結させる従動側アーマチュアと、を備えており、
    上記回転体の外径A1と上記第1従動回転体の外径B1との比A1/B1は、上記アウター回転部材の外径A2と上記第2従動回転体の外径B2との比A2/B2よりも大きく、
    上記コイルが通電されて上記第1従動回転体が上記第2従動回転体に連結され、上記分離状態にある上記ワンウェイクラッチの上記アウター回転部材が上記インナー部材に対して空転するとともに、上記回転体によって上記第1従動回転体及び上記第2従動回転体が従動回転して、上記従動回転軸が第1回転速度で回転する第1回転状態と、
    上記コイルが通電されず上記第1従動回転体が上記第2従動回転体から分離され、上記回転体によって上記第1従動回転体が上記第2従動回転体に対して空転するとともに、上記連結状態にある上記ワンウェイクラッチの上記アウター回転部材によって上記第2従動回転体が従動回転して、上記従動回転軸が第2回転速度で回転する第2回転状態と、に切換え可能である、回転変速システム。
  2. 上記フライホイールに対して上記回転軸が突出する方向と、上記回転機器に対して上記従動回転軸が突出する方向とは、互いに逆であり、
    上記ワンウェイクラッチは、上記回転軸における、上記回転体と上記フライホイールとの間の部位に取り付けられており、
    上記第1従動回転体は、上記従動回転軸における、上記第2従動回転体と上記回転機器のハウジングとの間の部位に取り付けられており、
    上記コイルは、上記回転機器の非回転部位に取り付けられている、請求項1に記載の回転変速システム。
  3. 上記フライホイールに対して上記回転軸が突出する方向と、上記回転機器に対して上記従動回転軸が突出する方向とは、互いに同じであり、
    上記回転体は、上記回転軸における、上記ワンウェイクラッチと上記フライホイールとの間の部位に取り付けられており、
    上記第1従動回転体は、上記従動回転軸における、上記第2従動回転体と上記回転機器のハウジングとの間の部位に取り付けられており、
    上記コイルは、上記回転機器の非回転部位に取り付けられている、請求項1に記載の回転変速システム。
  4. 上記回転体及び上記第1従動回転体は、それらの外周に第1ベルトが掛け渡されたプーリであり、
    上記ワンウェイクラッチの上記アウター回転部材及び上記第2従動回転体は、それらの外周に第2ベルトが掛け渡されたプーリである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の回転変速システム。
  5. 上記回転機器は、ヒートポンプに用いられる圧縮機である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の回転変速システム。
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