JP2017137982A - 回転変速システム - Google Patents

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Abstract

【課題】回転体の空転に伴う回転損失を低減させることができる回転変速システムを提供すること。
【解決手段】回転変速システム1は、エンジン7側に設けられ、第1回転体21、第1駆動側コイル23A、第2回転体22及び第2駆動側コイル23Bを有する駆動側回転機構2と、回転機器8側に設けられ、第1従動回転体31、第1従動側コイル33A、第2従動回転体32及び第2従動側コイル33Bを有する従動側回転機構3とを備える。回転変速システム1は、第1駆動側コイル23A及び第1従動側コイル33Aが通電されて、第1回転体21、第1従動回転体31及び従動回転軸81が回転する第1回転状態X1と、第2駆動側コイル23B及び第2従動側コイル33Bが通電されて、第2回転体22、第2従動回転体32及び従動回転軸81が回転する第2回転状態X2とに切換え可能である。
【選択図】図1

Description

本発明は、エンジンの回転出力を利用して、回転機器を2段階に変速させて回転させる回転変速システムに関する。
GHP(ガスヒートポンプ)等においては、エンジンの回転出力を利用して、空調機器における圧縮機を作動させることが行われている。一般的に、圧縮機は、エンジンの回転速度に比例する回転速度で作動させており、圧縮機の回転速度を変速することは行われていない。一方、特許文献1においては、圧縮機の入力回転軸に電磁クラッチを設け、エンジンの回転出力を、電磁クラッチを介して圧縮機に伝達することにより、回転動力の伝達とこの伝達の遮断とを切り替えることが記載されている。また、特許文献2においては、圧縮機の回転入力部に変速手段としての電磁クラッチを設け、この電磁クラッチによって、エンジンの回転速度に対する圧縮機の回転速度を変速することが記載されている。
実開平5−27360号公報 特開平7−269982号公報
しかしながら、特許文献1、2等においては、圧縮機側に電磁クラッチを設けて、圧縮機の回転軸に設けられた回転体の回転及び空転の切換を行っているに過ぎない。そして、エンジン側において電磁クラッチを設けることは行われていない。また、圧縮機の回転軸がいずれかの回転体と共に回転するときには、他の回転体が空転することになる。そのため、空転する回転体に掛け渡されたベルトも空転し、ベルトの屈曲による損失が、回転する回転体及び回転軸の回転に対する損失となる。
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたもので、回転体の空転に伴う回転損失を低減させることができる回転変速システムを提供しようとして得られたものである。
本発明の一態様は、エンジンの回転出力によって回転する駆動側回転機構と、該駆動側回転機構によって従動回転する従動側回転機構とを備え、該従動側回転機構によって動作する回転機器を2段階に変速させる回転変速システムであって、
上記駆動側回転機構は、
上記エンジンのクランク軸に連結されたフライホイールの、上記クランク軸が連結された側とは反対側に連結された回転軸と、
該回転軸に軸受を介して同心状に取り付けられた第1回転体と、
該第1回転体の内側において該第1回転体又は上記回転軸に軸受を介して取り付けられるとともに、回転が阻止された第1駆動側コイルと、
上記回転軸に軸受を介して同心状に取り付けられた第2回転体と、
該第2回転体の内側において該第2回転体又は上記回転軸に軸受を介して取り付けられるとともに、回転が阻止された第2駆動側コイルと、
上記回転軸に取り付けられ、上記第1駆動側コイルが通電された際に上記第1回転体を上記回転軸に連結させる第1駆動側アーマチュアと、
上記回転軸に取り付けられ、上記第2駆動側コイルが通電された際に上記第2回転体を上記回転軸に連結させる第2駆動側アーマチュアと、を備えており、
上記従動側回転機構は、
上記回転機器の従動回転軸に同心状に配置され、上記第1回転体と共に回転する第1従動回転体と、
該第1従動回転体の内側において上記回転機器の非回転部位に取り付けられた第1従動側コイルと、
上記従動回転軸に同心状に取り付けられ、上記第2回転体と共に回転する第2従動回転体と、
該第2従動回転体の内側において、該第2従動回転体又は上記従動回転軸に軸受を介して取り付けられるとともに、回転が阻止された第2従動側コイルと、
上記従動回転軸に取り付けられ、上記第1従動側コイルが通電された際に上記第1従動回転体を上記従動回転軸に連結させる第1従動側アーマチュアと、
上記従動回転軸に取り付けられ、上記第2従動側コイルが通電された際に上記第2従動回転体を上記従動回転軸に連結させる第2従動側アーマチュアと、を備えており、
上記第1回転体の外径A1と上記第1従動回転体の外径B1との比A1/B1と、上記第2回転体の外径A2と上記第2従動回転体の外径B2との比A2/B2とは、互いに異なっており、
上記第2駆動側コイル及び上記第2従動側コイルが通電されない状態で上記第1駆動側コイル及び上記第1従動側コイルが通電され、上記フライホイールの回転を受けて上記回転軸及び上記第1回転体が回転するとともに、該第1回転体の回転を受けて上記第1従動回転体が従動回転して、上記従動回転軸を第1回転速度で回転させる第1回転状態と、
上記第1駆動側コイル及び上記第1従動側コイルが通電されない状態で上記第2駆動側コイル及び上記第2従動側コイルが通電され、上記フライホイールの回転を受けて上記回転軸及び上記第2回転体が回転するとともに、該第2回転体の回転を受けて上記第2従動回転体が従動回転して、上記従動回転軸を第2回転速度で回転させる第2回転状態と、に切換え可能である、回転変速システムにある。
上記回転変速システムにおいては、エンジン側に配置される駆動側回転機構と、回転機器側に配置される従動側回転機構とのいずれもが、コイル及びアーマチュアを2つずつ有して構成されている。そして、エンジン側における2つのコイル及びアーマチュアの動作と、回転機器側における2つのコイル及びアーマチュアの動作とによって、回転機器の従動回転軸の回転に使用されない回転体が積極的に空転することを防ぐことができる。これにより、回転変速システムによれば、回転体の空転に伴う回転損失を低減させることができる。
回転変速システムは、第1駆動側コイル及び第1従動側コイルと、第2駆動側コイル及び第2従動側コイルとへの通電の有無によって、第1回転状態と第2回転状態とに切換え可能である。
第2駆動側コイル及び第2従動側コイルが通電(励磁)されない状態で第1駆動側コイル及び第1従動側コイルが通電(励磁)されるときには、第1回転状態が形成される。この第1回転状態においては、第2駆動側アーマチュアが第2駆動側コイルによる電磁吸引力を受けず、第2回転体が第2駆動側アーマチュア及び回転軸と分離された状態にあり、第2従動側アーマチュアが第2従動側コイルによる電磁吸引力を受けず、第2従動回転体が第2従動側アーマチュア及び従動回転軸と分離された状態にある。また、第1駆動側アーマチュアが第1駆動側コイルによる電磁吸引力を受け、第1回転体が第1駆動側アーマチュア及び回転軸と連結された状態にあり、第1従動側アーマチュアが第1従動側コイルによる電磁吸引力を受け、第1従動回転体が第1従動側アーマチュア及び従動回転軸と連結された状態にある。
これにより、第1回転状態においては、フライホイールの回転を受けて回転軸及び第1回転体が回転するとともに、第1回転体の回転を受けて、第1従動回転体及び従動回転軸が従動回転する。そして、回転機器の従動回転軸は、第1回転体の外径A1と第1従動回転体の外径B1との比A1/B1によって定まる第1回転速度で回転することになる。
ところで、第1回転体及び第1従動回転体が回転するときには、回転軸に軸受を介して取り付けられた第2回転体は、静止した状態を維持することができる。また、このときには、従動回転軸に軸受を介して取り付けられた第2従動回転体も、静止した状態を維持することができる。そのため、第2回転体及び第2従動回転体が空転することによる、第1回転体及び第1従動回転体の回転の損失を低減させることができる。なお、第2回転体及び第2従動回転体は、軸受に生じる摩擦抵抗を受けて、回転軸又は従動回転軸と共に若干空転してもよい。
一方、第1駆動側コイル及び第1従動側コイルが通電(励磁)されない状態で第2駆動側コイル及び第2従動側コイルが通電(励磁)されるときには、第2回転状態が形成される。この第2回転状態においては、第1駆動側アーマチュアが第1駆動側コイルによる電磁吸引力を受けず、第1回転体が第1駆動側アーマチュア及び回転軸と分離された状態にあり、第1従動側アーマチュアが第1従動側コイルによる電磁吸引力を受けず、第1従動回転体が第1従動側アーマチュア及び従動回転軸と分離された状態にある。また、第2駆動側アーマチュアが第2駆動側コイルによる電磁吸引力を受け、第2回転体が第2駆動側アーマチュア及び回転軸と連結された状態にあり、第2従動側アーマチュアが第2従動側コイルによる電磁吸引力を受け、第2従動回転体が第2従動側アーマチュア及び従動回転軸と連結された状態にある。
これにより、第2回転状態においては、フライホイールの回転を受けて回転軸及び第2回転体が回転するとともに、第2回転体の回転を受けて、第2従動回転体及び従動回転軸が従動回転する。そして、回転機器の従動回転軸は、第2回転体の外径A2と第2従動回転体の外径B2との比A2/B2によって定まる第2回転速度で回転することになる。
また、第2回転体及び第2従動回転体が回転するときには、回転軸に軸受を介して取り付けられた第1回転体は、静止した状態を維持することができる。また、このときには、従動回転軸に軸受を介して取り付けられた第1従動回転体も、静止した状態を維持することができる。そのため、第1回転体及び第1従動回転体が空転することによる、第2回転体及び第2従動回転体の回転の損失を低減させることができる。なお、第1回転体及び第1従動回転体は、軸受に生じる摩擦抵抗を受けて、回転軸又は従動回転軸と共に若干空転してもよい。
このように、エンジン側及び回転機器側の両方に、コイル及びアーマチュアが2つずつ設けられた回転変速システムは、従動回転軸を従動回転させるときに不要になる回転体は静止させるといった工夫により、従来にはない新たな構造を提供することができる。そして、回転変速システムによれば、エンジン側及び回転機器側の両方にコイル及びアーマチュアが2つずつ設けられた具体的な回転変速システムを形成することができる。
それ故、上記回転変速システムによれば、回転体の空転に伴う回転損失を低減させることができる。
実施形態にかかる、第1回転状態にある回転変速システムを示す断面説明図。 実施形態にかかる、第2回転状態にある回転変速システムを示す断面説明図。 実施形態にかかる、駆動側回転機構を示す断面説明図。 実施形態にかかる、従動側回転機構を示す断面説明図。
上述した回転変速システムにかかる好ましい実施形態について、図面を参照して説明する。
本形態の回転変速システム1は、図1、図2に示すように、エンジン7の回転出力によって回転する駆動側回転機構2と、駆動側回転機構2によって従動回転する従動側回転機構3とを備え、従動側回転機構3によって動作する回転機器8を2段階に変速させるものである。
駆動側回転機構2は、回転軸20、第1回転体21、第1駆動側コイル23A、第2回転体22、第2駆動側コイル23B、第1駆動側アーマチュア242A及び第2駆動側アーマチュア242Bを備える。
図3に示すように、回転軸20は、エンジン7のクランク軸71に連結されたフライホイール72の、クランク軸71が連結された側とは反対側に連結されている。第1回転体21は、回転軸20に軸受216を介して同心状に取り付けられている。第1駆動側コイル23Aは、第1回転体21の内側において第1回転体21に軸受236Aを介して取り付けられており、第1回転体21と共に回転することが阻止されている。第2回転体22は、回転軸20に軸受226を介して同心状に取り付けられている。第2駆動側コイル23Bは、第2回転体22の内側において第2回転体22に軸受236Bを介して取り付けられており、第2回転体22と共に回転することが阻止されている。
第1駆動側アーマチュア242Aは、回転軸20に取り付けられており、第1駆動側コイル23Aが通電された際に第1回転体21を回転軸20に連結させるものである。第2駆動側アーマチュア242Bは、回転軸20に取り付けられており、第2駆動側コイル23Bが通電された際に第2回転体22を回転軸20に連結させるものである。
図1、図2に示すように、従動側回転機構3は、第1従動回転体31、第1従動側コイル33A、第2従動回転体32、第2従動側コイル33B、第1従動側アーマチュア342A及び第2従動側アーマチュア342Bを備える。
図4に示すように、第1従動回転体31は、回転機器8の従動回転軸81に同心状に配置されており、第1回転体21と共に回転する。第1従動側コイル33Aは、第1従動回転体31の内側において回転機器8の非回転部位80に取り付けられている。第2従動回転体32は、従動回転軸81に同心状に取り付けられており、第2回転体22と共に回転する。第2従動側コイル33Bは、第2従動回転体32の内側においてアーマチュアハブ38の円筒部381に軸受336を介して取り付けられており、第2従動回転体32と共に回転することが阻止されている。
第1従動側アーマチュア342Aは、従動回転軸81に取り付けられており、第1従動側コイル33Aが通電された際に第1従動回転体31を従動回転軸81に連結させるものである。第2従動側アーマチュア342Bは、従動回転軸81に取り付けられており、第2従動側コイル33Bが通電された際に第2従動回転体32を従動回転軸81に連結させるものである。
図1に示すように、第1回転体21の外径A1と第1従動回転体31の外径B1との比A1/B1と、第2回転体22の外径A2と第2従動回転体32の外径B2との比A2/B2とは、互いに異なっている。
回転変速システム1は、第1回転状態X1と第2回転状態X2との2つの回転状態に切換え可能である。第1回転状態X1においては、図1に示すように、第2駆動側コイル23B及び第2従動側コイル33Bが通電されない状態で第1駆動側コイル23A及び第1従動側コイル33Aが通電され、フライホイール72の回転を受けて回転軸20及び第1回転体21が回転するとともに、第1回転体21の回転を受けて第1従動回転体31が従動回転して、従動回転軸81が第1回転速度で回転する。第2回転状態X2においては、図2に示すように、第1駆動側コイル23A及び第1従動側コイル33Aが通電されない状態で第2駆動側コイル23B及び第2従動側コイル33Bが通電され、フライホイール72の回転を受けて回転軸20及び第2回転体22が回転するとともに、第2回転体22の回転を受けて第2従動回転体32が従動回転して、従動回転軸81が第2回転速度で回転する。
以下に、本形態の回転変速システム1についてさらに詳説する。
図1、図2に示すように、駆動側回転機構2を設けるエンジン7は、ガスを燃料として動作するガスエンジンである。回転変速システム1は、ガスエンジンによって冷暖房の空調を行うGHP(ガスヒートポンプ)において使用される。駆動側回転機構2は、エンジン7側に設けられており、従動側回転機構3は、回転機器8側に設けられている。駆動側回転機構2と従動側回転機構3とによる回転変速システム1は、エンジン7の回転出力(フライホイール72の回転)を利用して、回転機器8としての、ヒートポンプ(空調機器)における圧縮機を作動させるものである。
図3に示すように、フライホイール72は、弾み車ともいい、円盤形状に形成されており、エンジン7の回転速度を安定化させる等の目的でクランク軸71に設けられている。回転軸20は、フライホイール72の中心部において、フライホイール72と同心状に連結されている。回転軸20の基端部には、フランジ部201が設けられており、フランジ部201は、ボルトによってフライホイール72に取り付けられている。
まず、駆動側回転機構2の各要素について説明する。
図3に示すように、第1回転体21は、回転軸20の外周に軸受216を介して同心状に取り付けられている。第1回転体21は、円盤形状の円盤部211と、円盤部211の外周部分において、回転軸20の軸線方向に平行に設けられた動力伝達部212と、円盤部211の内周部分において、軸受216に取り付けるために回転軸20の軸線方向に平行に設けられた取付部213とを有している。取付部213と動力伝達部212との間には、第1駆動側コイル23Aを収容するための収容凹部215が形成されている。軸受216は、ベアリングを用いた転がり軸受である。
第2回転体22は、回転軸20の外周において、回転軸20との間に軸受226を介して取り付けられている。第2回転体22は、回転軸20における、第1回転体21とフライホイール72との間の部位に、回転軸20と同心状に取り付けられている。軸受226は、ベアリングを用いた転がり軸受である。第2回転体22は、円盤形状の円盤部221と、円盤部221の外周部分において、回転軸20の軸線方向に平行に設けられた動力伝達部222と、円盤部221の内周部分において、軸受226に取り付けるために軸線方向に平行に設けられた取付部223とを有している。また、円盤部221における、取付部223の外周側の位置には、軸線方向に平行な突起部224が設けられている。取付部223と突起部224との間には、第2駆動側コイル23Bを収容するための収容凹部225が形成されている。
第1回転体21及び第2回転体22は、外周にベルトが掛け渡されるプーリとして形成されている。
同図に示すように、第1駆動側コイル23Aは、第1回転体21における、収容凹部215に収容されるフィールドコア232A内に収容されている。第1駆動側コイル23Aが収容されたフィールドコア232Aは、第1回転体21の取付部213の外周において、取付部213との間に軸受236Aを介して取り付けられている。軸受236Aは、ベアリングを用いた転がり軸受である。第1駆動側コイル23Aの通電線231Aは、フィールドコア232Aに設けられた貫通孔を介してフィールドコア232Aの外部に引き出されている。なお、第1駆動側コイル23Aが収容されたフィールドコア232Aは、回転軸20に対して軸受を介して取り付けることもできる。また、エンジン7の制御装置による制御を受けて、第1駆動側コイル23Aへの通電及び通電の遮断が行われる。
第2駆動側コイル23Bは、第2回転体22における、収容凹部225に収容されるフィールドコア232B内に収容されている。第2駆動側コイル23Bが収容されたフィールドコア232Bは、第2回転体22の取付部223の外周において、取付部223との間に軸受236Bを介して取り付けられている。軸受236Bは、ベアリングを用いた転がり軸受である。第2駆動側コイル23Bの通電線231Bは、フィールドコア232Bに設けられた貫通孔を介してフィールドコア232Bの外部に引き出されている。なお、第2駆動側コイル23Bが収容されたフィールドコア232Bは、回転軸20に対して軸受を介して取り付けることもできる。また、エンジン7の制御装置による制御を受けて、第2駆動側コイル23Bへの通電及び通電の遮断が行われる。
図3に示すように、回転軸20における、第1回転体21と第2回転体22との間の部位には、回転軸20の径方向外方に突出するアーマチュアハブ200が設けられている。アーマチュアハブ200は、回転軸20に取り付けられた円筒形状の取付部202と、取付部202から径方向外方に突出する円盤形状の円盤部203とを有している。アーマチュアハブ200は、取付部202と回転軸20との間に設けられたキー204によって回転軸20と一体化されている。
駆動側回転機構2においては、第1駆動側コイル23A、第1駆動側クラッチ部24A、第2駆動側コイル23B、第2駆動側クラッチ部24B及びアーマチュアハブ200によって電磁クラッチが形成されている。
第1駆動側クラッチ部24Aは、アーマチュアハブ200に取り付けられた板ばね241Aと、板ばね241Aに連結されて第1回転体21の円盤部211と対面して配置された第1駆動側アーマチュア242Aとを有している。第1駆動側アーマチュア242Aは、アーマチュアハブ200の円盤部203における、第1回転体21と対向する側に取り付けられている。
板ばね241Aは、可撓性を有する板部材によって形成されている。第1駆動側アーマチュア242Aは、第1回転体21の円盤部211を間に挟んで、第1駆動側コイル23Aと対向する位置に配置されている。第1駆動側アーマチュア242Aは、第1駆動側コイル23Aに通電が行われたときに、第1駆動側コイル23Aによる電磁吸引力を受けて第1回転体21の円盤部211に吸着可能である。第1回転体21の円盤部211及び第1駆動側アーマチュア242Aは、第1駆動側コイル23Aによる磁界の影響を受けて磁化される軟磁性材料によって形成されている。
図2に示すように、第1駆動側コイル23Aが励磁されていない状態においては、第1回転体21の円盤部211と第1駆動側アーマチュア242Aとの間に間隙が形成されている。これにより、第1回転体21がアーマチュアハブ200及び回転軸20から切り離された状態が形成される。一方、図1に示すように、通電によって第1駆動側コイル23Aが励磁されるときには、板ばね241Aが撓みながら第1駆動側アーマチュア242Aが第1回転体21の円盤部211に吸着される。これにより、第1回転体21がアーマチュアハブ200及び回転軸20に連結される。
図3に示すように、第2駆動側クラッチ部24Bは、アーマチュアハブ200に取り付けられた板ばね241Bと、板ばね241Bに連結されて第2回転体22の円盤部221と対面して配置された第2駆動側アーマチュア242Bとを有している。第2駆動側アーマチュア242Bは、アーマチュアハブ200の円盤部203における、第2回転体22と対向する側に取り付けられている。
板ばね241Bは、可撓性を有する板部材によって形成されている。第2駆動側アーマチュア242Bは、第2回転体22の円盤部221を間に挟んで、第2駆動側コイル23Bと対向する位置に配置されている。第2駆動側アーマチュア242Bは、第2駆動側コイル23Bに通電が行われたときに、第2駆動側コイル23Bによる電磁吸引力を受けて第2回転体22の円盤部221に吸着可能である。第2回転体22の円盤部221及び第2駆動側アーマチュア242Bは、第2駆動側コイル23Bによる磁界の影響を受けて磁化される軟磁性材料によって形成されている。
図1に示すように、第2駆動側コイル23Bが励磁されていない状態においては、第2回転体22の円盤部221と第2駆動側アーマチュア242Bとの間に間隙が形成されている。これにより、第2回転体22がアーマチュアハブ200及び回転軸20から切り離された状態が形成される。一方、図2に示すように、通電によって第2駆動側コイル23Bが励磁されるときには、板ばね241Bが撓みながら第2駆動側アーマチュア242Bが第2回転体22の円盤部221に吸着される。これにより、第2回転体22がアーマチュアハブ200及び回転軸20に連結される。
図3に示すように、第1駆動側コイル23Aは、第1駆動側回転止め部材25Aによって、第1回転体21と共に回転することが阻止されている。第1駆動側回転止め部材25Aは、第1駆動側コイル23Aとエンジン7の非回転部位70とに連結されている。第1駆動側回転止め部材25Aは、必要に応じて屈曲された棒形状の部材によって形成されている。第1駆動側回転止め部材25Aは、第1回転体21に対する第1駆動側コイル23Aの共回りを阻止できる部材であればよく、大きな剛性は必要とされない。第1駆動側回転止め部材25Aの一端は、第1駆動側コイル23Aが収容されたフィールドコア232Aに取り付けられており、第1駆動側回転止め部材25Aの他端は、エンジン7の非回転部位70としてのエンジンブロック、シリンダヘッド又はシリンダヘッドカバーに取り付けられている。第1駆動側回転止め部材25Aの他端は、エンジン7が設置される架台等に取り付けることもできる。
第2駆動側コイル23Bは、第2駆動側回転止め部材25Bによって、第2回転体22と共に回転することが阻止されている。第2駆動側回転止め部材25Bは、第2回転体22とフライホイール72との隙間を介して配置されている。第2駆動側回転止め部材25Bは、第2駆動側コイル23Bとエンジン7の非回転部位70とに連結されている。第2駆動側回転止め部材25Bは、必要に応じて屈曲された棒形状の部材によって形成されている。第2駆動側回転止め部材25Bは、第2回転体22に対する第2駆動側コイル23Bの共回りを阻止できる部材であればよく、大きな剛性は必要とされない。第2駆動側回転止め部材25Bの一端は、第2駆動側コイル23Bが収容されたフィールドコア232Bに取り付けられており、第2駆動側回転止め部材25Bの他端は、エンジン7の非回転部位70としてのエンジンブロック、シリンダヘッド又はシリンダヘッドカバーに取り付けられている。第2駆動側回転止め部材25Bの他端は、エンジン7が設置される架台等に取り付けることもできる。
また、第2駆動側コイル23Bの通電線231Bにおける、第2回転体22とフライホイール72との間に配置される部分は、第2駆動側回転止め部材25Bに沿って配線されている。第2駆動側回転止め部材25Bは、第2駆動側コイル23Bの回転止めをする機能の他に、第2駆動側コイル23Bの通電線231Bを配線するためのガイドをする機能も有している。そして、第2駆動側回転止め部材25Bによって、フライホイール72と第2回転体22との間における、第2駆動側コイル23Bの通電線231Bを保持することができる。
次に、従動側回転機構3の各要素について説明する。
図4に示すように、回転機器8の従動回転軸81の外周側には、円筒状のハウジングノーズ36が同心状に配置されている。ハウジングノーズ36は、回転機器8の非回転部位80としてのハウジングに取り付けられている。
アーマチュアハブ38は、従動回転軸81の先端部に連結されるとともにハウジングノーズ36の外周に軸受386を介して同心状に取り付けられている。アーマチュアハブ38は、第1従動回転体31と第2従動回転体32との間に配置されるアーマチュア対向部382を有している。
また、アーマチュアハブ38は、アーマチュア対向部382の他に、従動回転軸81の軸線方向に沿って配置された円筒形状の円筒部381を有する。アーマチュアハブ38の円筒部381は、連結部材50により従動回転軸81に連結されている。円筒部381は、ハウジングノーズ36の外周に軸受386を介して取り付けられている。アーマチュア対向部382は、円盤形状を有しており、円筒部381における、従動回転軸81の先端部に対向する側とは反対側の端部から径方向外方に突出して設けられている。
同図に示すように、第1従動回転体31は、ハウジングノーズ36の外周に、軸受316を介して従動回転軸81に同心状に取り付けられている。第1従動回転体31は、軸受316を取り付けるために従動回転軸81の軸線方向に平行に設けられた取付部313と、取付部313における先端側の端部から軸線方向に垂直に設けられた円盤形状の円盤部311と、円盤部311の外周部分において、取付部313と対向して従動回転軸81の軸線方向に平行に設けられた動力伝達部312とを有している。取付部313と動力伝達部312との間には、第1従動側コイル33Aを収容するための収容凹部315が形成されている。軸受316は、ベアリングを用いた転がり軸受である。
第2従動回転体32は、アーマチュアハブ38の円筒部381の外周に、軸受326を介して従動回転軸81に同心状に取り付けられている。第2従動回転体32は、軸受326を取り付けるために従動回転軸81の軸線方向に平行に設けられた取付部323と、取付部323から軸線方向に垂直に設けられた円盤形状の円盤部321と、円盤部321の外周部分において、従動回転軸81の軸線方向に平行に設けられた動力伝達部322とを有している。取付部323と動力伝達部322との間には、第2従動側コイル33Bを収容するための収容凹部325が形成されている。軸受326は、ベアリングを用いた転がり軸受である。
第1従動回転体31及び第2従動回転体32は、外周にベルトが掛け渡されるプーリとして形成されている。
図4に示すように、第1従動側コイル33Aは、第1従動回転体31の内側において、回転機器8の非回転部位80に固定されたハウジングノーズ36に取り付けられている。第1従動側コイル33Aは、第1従動回転体31における、収容凹部315に収容されるフィールドコア332A内に収容されている。第1従動側コイル33Aが収容されたフィールドコア332Aは、ハウジングノーズ36に取り付けられている。第1従動側コイル33Aの通電線331Aは、フィールドコア332Aに設けられた貫通孔を介してフィールドコア332Aの外部に引き出されている。また、エンジン7の制御装置による制御を受けて、第1従動側コイル33Aへの通電及び通電の遮断が行われる。なお、フィールドコア332Aは、回転機器8の非回転部位80としてのハウジングに取り付けることもできる。
第2従動側コイル33Bは、第2従動回転体32の内側において、従動回転軸81に固定されたアーマチュアハブ38の円筒部381に、軸受336を介して取り付けられている。第2従動側コイル33Bは、第2従動回転体32における、収容凹部325に収容されるフィールドコア332B内に収容されている。フィールドコア332Bは、軸受336を介してアーマチュアハブ38の円筒部381に取り付けられている。第2従動側コイル33Bの通電線331Bは、フィールドコア332Bに設けられた貫通孔を介してフィールドコア332Bの外部に引き出されている。また、エンジン7の制御装置による制御を受けて、第2従動側コイル33Bへの通電及び通電の遮断が行われる。なお、フィールドコア332Bは、第2従動回転体32に対して軸受を介して取り付けることもできる。
同図に示すように、第2従動側コイル33Bが収容されたフィールドコア332Bは、従動側回転止め部材35によって、エンジン7の非回転部位70又は回転機器8の非回転部位80に連結されている。従動側回転止め部材35は、フィールドコア332Bが第2従動回転体32と共に回転することを阻止するものである。従動側回転止め部材35は、必要に応じて屈曲された棒形状の部材によって形成されている。従動側回転止め部材35は、第2従動回転体32に対する第2従動側コイル33Bの共回りを阻止できる部材であればよく、大きな剛性は必要とされない。従動側回転止め部材35は、フィールドコア332Bと、エンジン7が設置される架台等とを連結することもできる。
また、第2従動側コイル33Bの通電線331Bの一部は、従動側回転止め部材35に沿って配線することができる。
従動側回転機構3においては、第1従動側コイル33A、第1従動側クラッチ部34A、第2従動側コイル33B、第2従動側クラッチ部34B及びアーマチュアハブ38によって電磁クラッチが形成されている。
第1従動側クラッチ部34Aは、アーマチュアハブ38のアーマチュア対向部382に取り付けられた板ばね341Aと、板ばね341Aに連結されて第1従動回転体31の円盤部311と対面して配置された第1従動側アーマチュア342Aとを有している。第1従動側アーマチュア342Aは、アーマチュアハブ38のアーマチュア対向部382における、第1従動回転体31と対向する側に取り付けられている。
板ばね341Aは、可撓性を有する板部材によって形成されている。第1従動側アーマチュア342Aは、第1従動回転体31の円盤部311を間に挟んで、第1従動側コイル33Aと対向する位置に配置されている。第1従動側アーマチュア342Aは、第1従動側コイル33Aに通電が行われたときに、第1従動側コイル33Aによる電磁吸引力を受けて第1従動回転体31の円盤部311に吸着可能である。第1従動回転体31の円盤部311及び第1従動側アーマチュア342Aは、第1従動側コイル33Aによる磁界の影響を受けて磁化される軟磁性材料によって形成されている。
図2に示すように、第1従動側コイル33Aが励磁されていない状態においては、第1従動回転体31の円盤部311と第1従動側アーマチュア342Aとの間に間隙が形成されている。これにより、第1従動回転体31と第1従動側アーマチュア342Aとが切り離された状態が形成される。一方、図1に示すように、通電によって第1従動側コイル33Aが励磁されるときには、板ばね341Aが撓みながら第1従動側アーマチュア342Aが第1従動回転体31の円盤部311に吸着される。これにより、第1従動回転体31と第1従動側アーマチュア342Aとが連結される。
図4に示すように、第2従動側クラッチ部34Bは、アーマチュアハブ38のアーマチュア対向部382に取り付けられた板ばね341Bと、板ばね341Bに連結されて第2従動回転体32の円盤部321と対面して配置された第2従動側アーマチュア342Bとを有している。第2従動側アーマチュア342Bは、アーマチュアハブ38のアーマチュア対向部382における、第2従動回転体32と対向する側に取り付けられている。
板ばね341Bは、可撓性を有する板部材によって形成されている。第2従動側アーマチュア342Bは、第2従動回転体32の円盤部321を間に挟んで、第2従動側コイル33Bと対向する位置に配置されている。第2従動側アーマチュア342Bは、第2従動側コイル33Bに通電が行われたときに、第2従動側コイル33Bによる電磁吸引力を受けて第2従動回転体32の円盤部321に吸着可能である。第2従動回転体32の円盤部321及び第2従動側アーマチュア342Bは、第2従動側コイル33Bによる磁界の影響を受けて磁化される軟磁性材料によって形成されている。
図1に示すように、第2従動側コイル33Bが励磁されていない状態においては、第2従動回転体32の円盤部321と第2従動側アーマチュア342Bとの間に間隙が形成されている。これにより、第2従動回転体32と第2従動側アーマチュア342Bとが切り離された状態が形成される。一方、図2に示すように、通電によって第2従動側コイル33Bが励磁されるときには、板ばね341Bが撓みながら第2従動側アーマチュア342Bが第2従動回転体32の円盤部321に吸着される。これにより、第2従動回転体32と第2従動側アーマチュア342Bとが連結される。
図1、図2に示すように、第1回転体21の動力伝達部212の外周と第1従動回転体31の動力伝達部312の外周とには、第1ベルト41が掛け渡されている。そして、第1回転体21と第1従動回転体31とは一体的に回転する。また、第2回転体22の動力伝達部222の外周と第2従動回転体32の動力伝達部322の外周とには、第2ベルト42が掛け渡されている。そして、第2回転体22と第2従動回転体32とは一体的に回転する。
なお、第1回転体21、第1従動回転体31、第2回転体22及び第2従動回転体32は、プーリ以外にも、例えば、スプロケットとして形成することも可能である。この場合には、各ベルト41、42に代えて、チェーンが用いられる。
本形態においては、図1に示すように、第1回転体21の動力伝達部211の外径A1を第2回転体22の動力伝達部222の外径A2よりも小さくしている。また、第1従動回転体31の動力伝達部312の外径B1と第2従動回転体32の動力伝達部322の外径B2とはほぼ同じにしている。そして、第1回転体21の動力伝達部212の外径A1と第1従動回転体31の動力伝達部312の外径B1との比A1/B1は、第2回転体22の動力伝達部222の外径A2と第2従動回転体32の動力伝達部322の外径B2との比A2/B2よりも小さい。そして、回転機器8の従動回転軸81の第1回転速度は、回転機器8の従動回転軸81の第2回転速度よりも遅くなる。なお、外径A1、A2、B1、B2の大きさは、必要に応じて任意に変更することができる。そして、従動回転軸81の第1回転速度は、従動回転軸81の第2回転速度よりも速くすることもできる。
本形態の回転変速システム1においては、図1、図2に示すように、エンジン7から回転軸20が突出する方向(フライホイール72に対して回転軸20が突出する方向)と、回転機器8から従動回転軸81が突出する方向とが互いに逆になっている。これ以外にも、エンジン7から回転軸20が突出する方向と、回転機器8から従動回転軸81が突出する方向とは同じにすることもできる。
次に、回転変速システム1の制御動作について説明する。
回転変速システム1は、エンジン7の制御装置による制御を受け、第1駆動側コイル23A及び第1従動側コイル33Aと、第2駆動側コイル23B及び第2従動側コイル33Bとへの通電の有無によって、第1回転状態X1と第2回転状態X2とに切換え可能である。
図1に示すように、第2駆動側コイル23B及び第2従動側コイル33Bが通電されない状態で第1駆動側コイル23A及び第1従動側コイル33Aが通電されるときには、第1回転状態X1が形成される。この第1回転状態X1においては、第2駆動側アーマチュア242Bが第2駆動側コイル23Bによる電磁吸引力を受けず、第2回転体22が第2駆動側アーマチュア242B、アーマチュアハブ200及び回転軸20と分離された状態にあり、第2従動側アーマチュア342Bが第2従動側コイル33Bによる電磁吸引力を受けず、第2従動回転体32が第2従動側アーマチュア342B、アーマチュアハブ38及び従動回転軸81と分離された状態にある。また、第1回転状態X1においては、第1駆動側アーマチュア242Aが第1駆動側コイル23Aによる電磁吸引力を受け、第1回転体21が第1駆動側アーマチュア242A、アーマチュアハブ200及び回転軸20と連結された状態にあり、第1従動側アーマチュア342Aが第1従動側コイル33Aによる電磁吸引力を受け、第1従動回転体31が第1従動側アーマチュア342A、アーマチュアハブ38及び従動回転軸81と連結された状態にある。
これにより、第1回転状態X1においては、フライホイール72の回転を受けて回転軸20及び第1回転体21が回転するとともに、第1ベルト41を介して第1回転体21と連結された第1従動回転体31が回転する。また、第1従動回転体31に第1従動側アーマチュア342Aによって連結されたアーマチュアハブ38が回転し、アーマチュアハブ38が取り付けられた従動回転軸81が回転する。そして、回転機器8の従動回転軸81は、第1回転体21の動力伝達部212の外径A1と第1従動回転体31の動力伝達部312の外径B1との比A1/B1によって定まる第1回転速度で回転することになる。
ところで、第1回転体21及び第1従動回転体31が回転するときには、回転軸20に軸受226を介して取り付けられた第2回転体22は、静止した状態を維持することができる。また、このときには、アーマチュアハブ38に軸受326を介して取り付けられた第2従動回転体32も、静止した状態を維持することができる。そのため、第2回転体22及び第2従動回転体32が空転することによる、第1回転体21及び第1従動回転体31の回転の損失を低減させることができる。なお、第2回転体22及び第2従動回転体32は、軸受226、326に生じる摩擦抵抗を受けて、回転軸20又は従動回転軸81と共に若干空転してもよい。
一方、図2に示すように、第1駆動側コイル23A及び第1従動側コイル33Aが通電されない状態で第2駆動側コイル23B及び第2従動側コイル33Bが通電されるときには、第2回転状態X2が形成される。この第2回転状態X2においては、第1駆動側アーマチュア242Aが第1駆動側コイル23Aによる電磁吸引力を受けず、第1回転体21が第1駆動側アーマチュア242A、アーマチュアハブ200及び回転軸20と分離された状態にあり、第1従動側アーマチュア342Aが第1従動側コイル33Aによる電磁吸引力を受けず、第1従動回転体31が第1従動側アーマチュア342A、アーマチュアハブ38及び従動回転軸81と分離された状態にある。また、第2回転状態X2においては、第2駆動側アーマチュア242Bが第2駆動側コイル23Bによる電磁吸引力を受け、第2回転体22が第2駆動側アーマチュア242B、アーマチュアハブ200及び回転軸20と連結された状態にあり、第2従動側アーマチュア342Bが第2従動側コイル33Bによる電磁吸引力を受け、第2従動回転体32が第2従動側アーマチュア342B、アーマチュアハブ38及び従動回転軸81と連結された状態にある。
これにより、第2回転状態X2においては、フライホイール72の回転を受けて回転軸20及び第2回転体22が回転するとともに、第2ベルト42を介して第2回転体22と連結された第2従動回転体32が回転する。また、第2従動回転体32に第2従動側アーマチュア342Bによって連結されたアーマチュアハブ38が回転し、アーマチュアハブ38が取り付けられた従動回転軸81が回転する。そして、回転機器8の従動回転軸81は、第2回転体22の動力伝達部222の外径A2と第2従動回転体32の動力伝達部322の外径B2との比A2/B2によって定まる第2回転速度で回転することになる。
また、第2回転体22及び第2従動回転体32が回転するときには、回転軸20に軸受216を介して取り付けられた第1回転体21は、静止した状態を維持することができる。また、このときには、ハウジングノーズ36に軸受316を介して取り付けられた第1従動回転体31も、静止した状態を維持することができる。そのため、第1回転体21及び第1従動回転体31が空転することによる、第2回転体22及び第2従動回転体32の回転の損失を低減させることができる。なお、第1回転体21及び第1従動回転体31は、軸受216、316に生じる摩擦抵抗を受けて、回転軸20又は従動回転軸81と共に若干空転してもよい。
このように、エンジン7側及び回転機器8側の両方に、コイル23A、23B、33A、33B及びクラッチ24A、24B、34A、34Bが2つずつ設けられた本形態の回転変速システム1は、従動回転軸81を従動回転させるときに不要になる回転体は静止させるといった工夫により、従来にはない新たな構造を提供することができる。そして、エンジン7側における2つのコイル23A、23B及びクラッチ24A、24Bの動作と、回転機器8側における2つのコイル33A、33B及びクラッチ34A、34Bの動作とによって、回転機器8の従動回転軸81の回転に使用されない回転体が積極的に空転することを防ぐことができる。
それ故、本形態の回転変速システム1によれば、回転体21、22、31、32の空転に伴う回転損失を低減させることができる。
本発明は、各実施形態のみに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲においてさらに異なる実施形態を構成することが可能である。
例えば、回転機器8は、圧縮機とする以外にも、回転入力を受けて動作する発電機、冷却水ポンプ、油圧ポンプ等の種々の機器とすることもできる。そして、回転変速システム1は、GHP以外の用途、例えば自動車、あるいはボール盤、旋盤、フライス盤、研磨盤等の工作機械に用いることもできる。
1 回転変速システム
2 駆動側回転機構
20 回転軸
200 アーマチュアハブ
21 第1回転体
22 第2回転体
23A 第1駆動側コイル
23B 第2駆動側コイル
242A 第1駆動側アーマチュア
242B 第2駆動側アーマチュア
25A 第1駆動側回転止め部材
25B 第2駆動側回転止め部材
3 従動側回転機構
31 第1従動回転体
32 第2従動回転体
33A 第1従動側コイル
33B 第2従動側コイル
342A 第1従動側アーマチュア
342B 第2従動側アーマチュア
35 従動側回転止め部材
36 ハウジングノーズ
38 アーマチュアハブ
382 アーマチュア対向部
41 第1ベルト
42 第2ベルト
7 エンジン
71 クランク軸
72 フライホイール
8 回転機器
81 従動回転軸
X1 第1回転状態
X2 第2回転状態

Claims (4)

  1. エンジンの回転出力によって回転する駆動側回転機構と、該駆動側回転機構によって従動回転する従動側回転機構とを備え、該従動側回転機構によって動作する回転機器を2段階に変速させる回転変速システムであって、
    上記駆動側回転機構は、
    上記エンジンのクランク軸に連結されたフライホイールの、上記クランク軸が連結された側とは反対側に連結された回転軸と、
    該回転軸に軸受を介して同心状に取り付けられた第1回転体と、
    該第1回転体の内側において該第1回転体又は上記回転軸に軸受を介して取り付けられるとともに、回転が阻止された第1駆動側コイルと、
    上記回転軸に軸受を介して同心状に取り付けられた第2回転体と、
    該第2回転体の内側において該第2回転体又は上記回転軸に軸受を介して取り付けられるとともに、回転が阻止された第2駆動側コイルと、
    上記回転軸に取り付けられ、上記第1駆動側コイルが通電された際に上記第1回転体を上記回転軸に連結させる第1駆動側アーマチュアと、
    上記回転軸に取り付けられ、上記第2駆動側コイルが通電された際に上記第2回転体を上記回転軸に連結させる第2駆動側アーマチュアと、を備えており、
    上記従動側回転機構は、
    上記回転機器の従動回転軸に同心状に配置され、上記第1回転体と共に回転する第1従動回転体と、
    該第1従動回転体の内側において上記回転機器の非回転部位に取り付けられた第1従動側コイルと、
    上記従動回転軸に同心状に取り付けられ、上記第2回転体と共に回転する第2従動回転体と、
    該第2従動回転体の内側において、該第2従動回転体又は上記従動回転軸に軸受を介して取り付けられるとともに、回転が阻止された第2従動側コイルと、
    上記従動回転軸に取り付けられ、上記第1従動側コイルが通電された際に上記第1従動回転体を上記従動回転軸に連結させる第1従動側アーマチュアと、
    上記従動回転軸に取り付けられ、上記第2従動側コイルが通電された際に上記第2従動回転体を上記従動回転軸に連結させる第2従動側アーマチュアと、を備えており、
    上記第1回転体の外径A1と上記第1従動回転体の外径B1との比A1/B1と、上記第2回転体の外径A2と上記第2従動回転体の外径B2との比A2/B2とは、互いに異なっており、
    上記第2駆動側コイル及び上記第2従動側コイルが通電されない状態で上記第1駆動側コイル及び上記第1従動側コイルが通電され、上記フライホイールの回転を受けて上記回転軸及び上記第1回転体が回転するとともに、該第1回転体の回転を受けて上記第1従動回転体が従動回転して、上記従動回転軸を第1回転速度で回転させる第1回転状態と、
    上記第1駆動側コイル及び上記第1従動側コイルが通電されない状態で上記第2駆動側コイル及び上記第2従動側コイルが通電され、上記フライホイールの回転を受けて上記回転軸及び上記第2回転体が回転するとともに、該第2回転体の回転を受けて上記第2従動回転体が従動回転して、上記従動回転軸を第2回転速度で回転させる第2回転状態と、に切換え可能である、回転変速システム。
  2. 上記第1駆動側コイルは、上記第1回転体及び上記回転軸の少なくとも一方と共に回転することが、第1駆動側回転止め部材によって阻止されており、
    該第1駆動側回転止め部材は、上記第1駆動側コイルと、上記エンジン又は該エンジンが取り付けられる部位とを連結しており、
    上記第2駆動側コイルは、上記第2回転体及び上記回転軸の少なくとも一方と共に回転することが、第2駆動側回転止め部材によって阻止されており、
    該第2駆動側回転止め部材は、上記第2駆動側コイルと、上記エンジン又は該エンジンが取り付けられる部位とを連結しており、
    上記第2従動側コイルは、上記第2従動回転体及び上記従動回転軸の少なくとも一方と共に回転することが、従動側回転止め部材によって阻止されており、
    該従動側回転止め部材は、上記第2従動側コイルと、上記エンジン、該エンジンが取り付けられる部位、上記回転機器又は該回転機器が取り付けられる部位とを連結している、請求項1に記載の回転変速システム。
  3. 上記第1回転体及び上記第1従動回転体は、それらの外周に第1ベルトが掛け渡されたプーリであり、
    上記第2回転体及び上記第2従動回転体は、それらの外周に第2ベルトが掛け渡されたプーリである、請求項1又は2に記載の回転変速システム。
  4. 上記回転機器は、ヒートポンプに用いられる圧縮機である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の回転変速システム。
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