JP2017137985A - 回転機器の回転切換機構 - Google Patents
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Abstract
【課題】回転軸に配置された2つの回転体の回転及び空転の切換を個々に独立して行うことができ、回転体の外周側を開放することができる回転機器の回転切換機構を提供すること。【解決手段】回転機器8の回転切換機構3は、ハウジングノーズ36、第1回転体31、第1コイル33A、アーマチュアハブ38、第2回転体32、第2コイル33B、第1アーマチュア342A及び第2アーマチュア342Bを備える。ハウジングノーズ36は、回転機器8の回転軸81の外周側に同心状に配置される。アーマチュアハブ38は、回転軸81の先端部に連結されるとともにハウジングノーズ36の外周に軸受386を介して同心状に取り付けられている。第1アーマチュア342A及び第2アーマチュア342Bは、アーマチュアハブ38のアーマチュア対向部382に設けられている。【選択図】図3
Description
本発明は、回転機器の回転切換機構に関する。
GHP(ガスヒートポンプ)等においては、エンジンの回転出力を利用して、空調機器における圧縮機を作動させることが行われている。一般的に、圧縮機は、エンジンの回転速度に比例する回転速度で作動させており、圧縮機の回転速度を変速することは行われていない。一方、特許文献1においては、圧縮機の入力回転軸に電磁クラッチを設け、エンジンの回転出力を、電磁クラッチを介して圧縮機に伝達することにより、回転動力の伝達とこの伝達の遮断とを切り替えることが記載されている。また、特許文献2においては、圧縮機の回転入力部に変速手段としての電磁クラッチを設け、この電磁クラッチによって、エンジンの回転速度に対する圧縮機の回転速度を変速することが記載されている。
しかしながら、特許文献1においては、圧縮機の回転軸にコイル及びアーマチュアを2つ設ける工夫はなされていない。そのため、圧縮機側において、回転軸に配置された2つの回転体の回転及び空転の切換を行うことができない。一方、特許文献2においては、回転軸に配置された回転体としてのプーリの外側にブラケットが存在する。そのため、プーリ等の回転体に動力を伝達するベルト等の部材の交換が困難である。
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたもので、回転軸に配置された2つの回転体の回転及び空転の切換を個々に独立して行うことができ、回転体の外周側を開放することができる回転機器の回転切換機構を提供しようとして得られたものである。
本発明の一態様は、回転機器の回転軸の外周側に同心状に配置されるとともに該回転機器の非回転部位に取り付けられた円筒状のハウジングノーズと、
該ハウジングノーズの外周に軸受を介して同心状に取り付けられた第1回転体と、
該第1回転体の内側において上記ハウジングノーズ又は上記非回転部位に取り付けられた第1コイルと、
上記回転軸の先端部に連結されるとともに上記ハウジングノーズの外周に軸受を介して同心状に取り付けられたアーマチュアハブと、
該アーマチュアハブの外周に軸受を介して同心状に取り付けられた第2回転体と、
該第2回転体の内側において該第2回転体又は上記アーマチュアハブに軸受を介して取り付けられ、該第2回転体及び該アーマチュアハブの少なくとも一方と共に回転することが阻止された第2コイルと、
上記アーマチュアハブにおける、上記第1回転体と上記第2回転体との間に配置されるアーマチュア対向部に設けられ、上記第1コイルが通電された際に上記第1回転体に連結される第1アーマチュアと、
上記アーマチュア対向部に設けられ、上記第2コイルが通電された際に上記第2回転体に連結される第2アーマチュアと、を備える、回転機器の回転切換機構にある。
該ハウジングノーズの外周に軸受を介して同心状に取り付けられた第1回転体と、
該第1回転体の内側において上記ハウジングノーズ又は上記非回転部位に取り付けられた第1コイルと、
上記回転軸の先端部に連結されるとともに上記ハウジングノーズの外周に軸受を介して同心状に取り付けられたアーマチュアハブと、
該アーマチュアハブの外周に軸受を介して同心状に取り付けられた第2回転体と、
該第2回転体の内側において該第2回転体又は上記アーマチュアハブに軸受を介して取り付けられ、該第2回転体及び該アーマチュアハブの少なくとも一方と共に回転することが阻止された第2コイルと、
上記アーマチュアハブにおける、上記第1回転体と上記第2回転体との間に配置されるアーマチュア対向部に設けられ、上記第1コイルが通電された際に上記第1回転体に連結される第1アーマチュアと、
上記アーマチュア対向部に設けられ、上記第2コイルが通電された際に上記第2回転体に連結される第2アーマチュアと、を備える、回転機器の回転切換機構にある。
上記回転機器の回転切換機構は、第1コイル及び第1アーマチュアと、第2コイル及び第2アーマチュアとを有する。これにより、回転機器において、2つのコイルへの通電の有無によって、回転軸に配置された2つの回転体の回転及び空転の切換を行うことができる。
また、第1回転体は、ハウジングノーズの外周に配置され、第2回転体は、アーマチュアハブの外周に配置されている。アーマチュアハブは、回転軸の先端部に連結されるとともにハウジングノーズの外周に軸受を介して同心状に取り付けられ、かつ、第1回転体と第2回転体との間に配置されるアーマチュア対向部を有している。このようなアーマチュアハブの形状は、従来にはない新しい形状である。そして、この新規形状のアーマチュアハブを用いることにより、各回転体の外周側には、ブラケット等の部品が存在せず、各回転体の外周側を開放することができる。これにより、各回転体の外周側にベルト等の動力伝達部材を取り付ける場合には、この動力伝達部材の交換を容易にすることができる。
それ故、上記回転機器の回転切換機構によれば、回転軸に配置された2つの回転体の回転及び空転の切換を個々に独立して行うことができ、各回転体の外周側を開放することができる。
上述した回転機器の回転切換機構にかかる好ましい実施形態について、図面を参照して説明する。
回転機器8の回転切換機構3は、図3に示すように、ハウジングノーズ36、第1回転体31、第1コイル33A、アーマチュアハブ38、第2回転体32、第2コイル33B、第1アーマチュア342A及び第2アーマチュア342Bを備える。ハウジングノーズ36は、円筒状に形成されており、回転機器8の回転軸81の外周側に同心状に配置される。ハウジングノーズ36は、回転機器8の非回転部位80としてのハウジングに取り付けられる。第1回転体31は、ハウジングノーズ36の外周に軸受316を介して同心状に取り付けられたプーリである。第1コイル33Aは、第1回転体31の内側においてハウジングノーズ36に取り付けられている。
回転機器8の回転切換機構3は、図3に示すように、ハウジングノーズ36、第1回転体31、第1コイル33A、アーマチュアハブ38、第2回転体32、第2コイル33B、第1アーマチュア342A及び第2アーマチュア342Bを備える。ハウジングノーズ36は、円筒状に形成されており、回転機器8の回転軸81の外周側に同心状に配置される。ハウジングノーズ36は、回転機器8の非回転部位80としてのハウジングに取り付けられる。第1回転体31は、ハウジングノーズ36の外周に軸受316を介して同心状に取り付けられたプーリである。第1コイル33Aは、第1回転体31の内側においてハウジングノーズ36に取り付けられている。
アーマチュアハブ38は、回転軸81の先端部に連結されるとともにハウジングノーズ36の外周に軸受386を介して同心状に取り付けられており、かつ、第1回転体31と第2回転体32との間に配置されるアーマチュア対向部382を有している。第2回転体32は、アーマチュアハブ38の外周に軸受326を介して同心状に取り付けられたプーリである。第2コイル33Bは、第2回転体32の内側においてアーマチュアハブ38に軸受336を介して取り付けられ、第2回転体32及びアーマチュアハブ38の少なくとも一方と共に回転することが阻止されている。
第1アーマチュア342Aは、アーマチュアハブ38のアーマチュア対向部382における、第1回転体31と対向する側に設けられており、第1コイル33Aが通電された際に第1回転体31に連結される。第2アーマチュア342Bは、アーマチュア対向部382における、第2回転体32と対向する側に設けられており、第2コイル33Bが通電された際に第2回転体32に連結される。回転切換機構3は、第2コイル33Bが通電されない状態で第1コイル33Aが通電され、第1アーマチュア342Aが第1回転体31に連結された第1回転状態X1と、第1コイル33Aが通電されない状態で第2コイル33Bが通電され、第2アーマチュア342Bが第2回転体32に連結された第2回転状態X2とに切換え可能である。
以下に、本形態の回転機器8の回転切換機構3についてさらに詳説する。
図1、図2に示すように、本形態の回転機器8は、エンジン7の回転出力を受けて動作するものである。回転切換機構3における第1回転体31は、エンジン7の出力軸に同心状に取り付けられたエンジン側第1回転体21の回転を受けて従動回転するものである。回転切換機構3における第2回転体32は、エンジン7の出力軸に同心状に取り付けられたエンジン側第2回転体22の回転を受けて従動回転するものである。
図1、図2に示すように、本形態の回転機器8は、エンジン7の回転出力を受けて動作するものである。回転切換機構3における第1回転体31は、エンジン7の出力軸に同心状に取り付けられたエンジン側第1回転体21の回転を受けて従動回転するものである。回転切換機構3における第2回転体32は、エンジン7の出力軸に同心状に取り付けられたエンジン側第2回転体22の回転を受けて従動回転するものである。
エンジン7の出力軸としてのクランク軸71には、フライホイール72が同心状に連結されている。エンジン側第1回転体21及びエンジン側第2回転体22は、フライホイール72の、クランク軸71が連結された側とは反対側に連結されたエンジン側回転軸20の外周に取り付けられている。エンジン側回転軸20、エンジン側第1回転体21及びエンジン側第2回転体22は、エンジン側回転構造体2を構成する。
同図に示すように、エンジン側回転構造体2と回転切換機構3とは、エンジン7の回転出力を受けて動作する回転機器8の回転速度を2段階に変速させる回転変速システム1を形成する。エンジン側回転構造体2が設けられるエンジン7は、ガスを燃料として動作するガスエンジンである。回転変速システム1は、ガスエンジンによって冷暖房の空調を行うGHP(ガスヒートポンプ)において使用される。回転変速システム1は、エンジン7の回転出力を利用して、回転機器8としての、ヒートポンプ(空調機器)における圧縮機を作動させるものである。
フライホイール72は、弾み車ともいい、円盤形状に形成されており、エンジン7の回転速度を安定化させる等の目的でクランク軸71に設けられている。エンジン側回転軸20は、フライホイール72の中心部において、フライホイール72と同心状に連結されている。エンジン側回転軸20の基端部には、フランジ部201が設けられており、フランジ部201は、ボルトによってフライホイール72に取り付けられている。
図1、図2に示すように、エンジン側第1回転体21は、円盤形状の円盤部211と、円盤部211の外周部分において、エンジン側回転軸20の軸線方向に平行に設けられた動力伝達部212と、円盤部211の内周部分において、エンジン側回転軸20の外周に取り付けられた取付部213とを有している。エンジン側第2回転体22は、円盤形状の円盤部221と、円盤部221の外周部分において、エンジン側回転軸20の軸線方向に平行に設けられた動力伝達部222と、円盤部221の内周部分において、エンジン側回転軸20の外周に取り付けられた取付部223とを有している。各取付部213、223は、種々の構造によってエンジン側回転軸20に固定することができる。なお、エンジン側第1回転体21とエンジン側第2回転体22とは一体品とすることができる。また、エンジン側第1回転体21及びエンジン側第2回転体22の少なくとも一方を、エンジン側回転軸20との一体品とすることもできる。
エンジン側第1回転体21及びエンジン側第2回転体22は、外周にベルトが掛け渡されるプーリとして形成されている。
エンジン側第1回転体21及びエンジン側第2回転体22は、外周にベルトが掛け渡されるプーリとして形成されている。
図3に示すように、回転切換機構3におけるアーマチュアハブ38は、アーマチュア対向部382の他に、回転軸81の軸線方向に沿って配置された円筒形状の円筒部381を有する。アーマチュアハブ38の円筒部381は、連結部材50により従動回転軸81に連結されている。円筒部381は、ハウジングノーズ36の外周に軸受386を介して取り付けられている。アーマチュア対向部382は、円盤形状を有しており、円筒部381における、回転軸81の先端部に対向する側とは反対側の端部から径方向外方に突出して設けられている。
第1回転体31は、ハウジングノーズ36の外周に、軸受316を介して回転軸81に同心状に取り付けられている。第1回転体31は、軸受316を取り付けるために回転軸81の軸線方向に平行に設けられた取付部313と、取付部313における先端側の端部から軸線方向に垂直に設けられた円盤形状の円盤部311と、円盤部311の外周部分において、取付部313と対向して回転軸81の軸線方向に平行に設けられた動力伝達部312とを有している。取付部313と動力伝達部312との間には、第1コイル33Aを収容するための収容凹部315が形成されている。軸受316は、ベアリングを用いた転がり軸受である。
第2回転体32は、アーマチュアハブ38の円筒部381の外周に、軸受326を介して回転軸81に同心状に取り付けられている。第2回転体32は、軸受326を取り付けるために回転軸81の軸線方向に平行に設けられた取付部323と、取付部323から軸線方向に垂直に設けられた円盤形状の円盤部321と、円盤部321の外周部分において、回転軸81の軸線方向に平行に設けられた動力伝達部322とを有している。取付部323と動力伝達部322との間には、第2コイル33Bを収容するための収容凹部325が形成されている。軸受326は、ベアリングを用いた転がり軸受である。
第1回転体31及び第2回転体32は、外周にベルトが掛け渡されるプーリとして形成されている。
第1回転体31及び第2回転体32は、外周にベルトが掛け渡されるプーリとして形成されている。
図3に示すように、第1コイル33Aは、第1回転体31における、収容凹部315に収容されるフィールドコア332A内に収容されている。第1コイル33Aが収容されたフィールドコア332Aは、ハウジングノーズ36に取り付けられている。第1コイル33Aの通電線331Aは、フィールドコア332Aに設けられた貫通孔を介してフィールドコア332Aの外部に引き出されている。また、エンジン7の制御装置による制御を受けて、第1コイル33Aへの通電及び通電の遮断が行われる。なお、フィールドコア332Aは、回転機器8の非回転部位80としてのハウジングに取り付けることもできる。
第2コイル33Bは、第2回転体32における、収容凹部325に収容されるフィールドコア332B内に収容されている。第2コイル33Bが収容されたフィールドコア332Bは、軸受336を介してアーマチュアハブ38の円筒部381に取り付けられている。第2コイル33Bの通電線331Bは、フィールドコア332Bに設けられた貫通孔を介してフィールドコア332Bの外部に引き出されている。また、エンジン7の制御装置による制御を受けて、第2コイル33Bへの通電及び通電の遮断が行われる。なお、フィールドコア332Bは、第2回転体32に対して軸受を介して取り付けることもできる。
同図に示すように、第2コイル33Bが収容されたフィールドコア332Bは、回転止め部材35によって、エンジン7の非回転部位70又は回転機器8の非回転部位80に連結されている。回転止め部材35は、フィールドコア332Bが第2回転体32と共に回転することを阻止するものである。回転止め部材35は、必要に応じて屈曲された棒形状の部材によって形成されている。回転止め部材35は、第2回転体32に対する第2コイル33Bの共回りを阻止できる部材であればよく、大きな剛性は必要とされない。回転止め部材35は、フィールドコア332Bと、エンジン7が設置される架台等とを連結することもできる。
また、第2コイル33Bの通電線331Bの一部は、回転止め部材35に沿って配線することができる。
また、第2コイル33Bの通電線331Bの一部は、回転止め部材35に沿って配線することができる。
回転切換機構3においては、第1コイル33A、第1クラッチ部34A、第2コイル33B、第2クラッチ部34B及びアーマチュアハブ38によって電磁クラッチが形成されている。
第1クラッチ部34Aは、アーマチュアハブ38のアーマチュア対向部382に取り付けられた板ばね341Aと、板ばね341Aに連結されて第1従動回転体31の円盤部311と対面して配置された第1アーマチュア342Aとを有している。第1アーマチュア342Aは、アーマチュアハブ38のアーマチュア対向部382における、第1従動回転体31と対向する側に取り付けられている。
第1クラッチ部34Aは、アーマチュアハブ38のアーマチュア対向部382に取り付けられた板ばね341Aと、板ばね341Aに連結されて第1従動回転体31の円盤部311と対面して配置された第1アーマチュア342Aとを有している。第1アーマチュア342Aは、アーマチュアハブ38のアーマチュア対向部382における、第1従動回転体31と対向する側に取り付けられている。
板ばね341Aは、可撓性を有する板部材によって形成されている。第1アーマチュア342Aは、第1従動回転体31の円盤部311を間に挟んで、第1コイル33Aと対向する位置に配置されている。第1アーマチュア342Aは、第1コイル33Aに通電が行われたときに、第1コイル33Aによる電磁吸引力を受けて第1従動回転体31の円盤部311に吸着可能である。第1従動回転体31の円盤部311及び第1アーマチュア342Aは、第1コイル33Aによる磁界の影響を受けて磁化される軟磁性材料によって形成されている。
図2に示すように、第1コイル33Aが励磁されていない状態においては、第1回転体31の円盤部311と第1アーマチュア342Aとの間に間隙が形成されている。これにより、第1回転体31と第1アーマチュア342Aとが切り離された状態が形成される。一方、図1に示すように、通電によって第1コイル33Aが励磁されるときには、板ばね341Aが撓みながら第1アーマチュア342Aが第1回転体31の円盤部311に吸着される。これにより、第1回転体31と第1アーマチュア342Aとが連結される。
図3に示すように、第2クラッチ部34Bは、アーマチュアハブ38のアーマチュア対向部382に取り付けられた板ばね341Bと、板ばね341Bに連結されて第2従動回転体32の円盤部321と対面して配置された第2アーマチュア342Bとを有している。第2アーマチュア342Bは、アーマチュアハブ38のアーマチュア対向部382における、第2従動回転体32と対向する側に取り付けられている。
板ばね341Bは、可撓性を有する板部材によって形成されている。第2アーマチュア342Bは、第2従動回転体32の円盤部321を間に挟んで、第2コイル33Bと対向する位置に配置されている。第2アーマチュア342Bは、第2コイル33Bに通電が行われたときに、第2コイル33Bによる電磁吸引力を受けて第2従動回転体32の円盤部321に吸着可能である。第2従動回転体32の円盤部321及び第2アーマチュア342Bは、第2コイル33Bによる磁界の影響を受けて磁化される軟磁性材料によって形成されている。
図1に示すように、第2コイル33Bが励磁されていない状態においては、第2回転体32の円盤部321と第2アーマチュア342Bとの間に間隙が形成されている。これにより、第2回転体32と第2アーマチュア342Bとが切り離された状態が形成される。一方、図2に示すように、通電によって第2コイル33Bが励磁されるときには、板ばね341Bが撓みながら第2アーマチュア342Bが第2回転体32の円盤部321に吸着される。これにより、第2回転体32と第2アーマチュア342Bとが連結される。
図1、図2に示すように、第1回転体31の動力伝達部312の外周とエンジン側第1回転体21の動力伝達部212の外周とには、第1ベルト41が掛け渡されている。そして、第1回転体31とエンジン側第1回転体21とは一体的に回転する。また、第2回転体32の動力伝達部322の外周とエンジン側第2回転体22の動力伝達部222の外周とには、第2ベルト42が掛け渡されている。そして、第2回転体32とエンジン側第2回転体22とは一体的に回転する。
なお、第1回転体31、エンジン側第1回転体21、第2回転体32及びエンジン側第2回転体22は、プーリ以外にも、例えば、スプロケットとして形成することも可能である。この場合には、各ベルト41、42に代えて、チェーンが用いられる。
なお、第1回転体31、エンジン側第1回転体21、第2回転体32及びエンジン側第2回転体22は、プーリ以外にも、例えば、スプロケットとして形成することも可能である。この場合には、各ベルト41、42に代えて、チェーンが用いられる。
回転切換機構3の第1回転状態X1が形成されるときには、制御装置によって第2コイル33Bが通電されない状態で第1コイル33Aが通電され、第1アーマチュア342Aが第1回転体31の円盤部311に吸着される。そして、エンジン側第1回転体21の回転を受けて、第1回転体31、アーマチュアハブ38、各クラッチ34A、34B及び回転軸81が第1回転速度で回転する。
一方、回転切換機構3の第2回転状態X2が形成されるときには、制御装置によって第1コイル33Aが通電されない状態で第2コイル33Bが通電され、第2アーマチュア342Bが第2回転体32の円盤部321に吸着される。そして、エンジン側第2回転体22の回転を受けて、第2回転体32、アーマチュアハブ38、各クラッチ34A、34B及び回転軸81が第2回転速度で回転する。
一方、回転切換機構3の第2回転状態X2が形成されるときには、制御装置によって第1コイル33Aが通電されない状態で第2コイル33Bが通電され、第2アーマチュア342Bが第2回転体32の円盤部321に吸着される。そして、エンジン側第2回転体22の回転を受けて、第2回転体32、アーマチュアハブ38、各クラッチ34A、34B及び回転軸81が第2回転速度で回転する。
本形態においては、図1に示すように、エンジン側第1回転体21の動力伝達部211の外径A1をエンジン側第2回転体22の動力伝達部222の外径A2よりも小さくしている。また、第1回転体31の動力伝達部312の外径B1と第2回転体32の動力伝達部322の外径B2とはほぼ同じにしている。そして、エンジン側第1回転体21の動力伝達部212の外径A1と第1回転体31の動力伝達部312の外径B1との比A1/B1は、エンジン側第2回転体22の動力伝達部222の外径A2と第2回転体32の動力伝達部322の外径B2との比A2/B2よりも小さい。そして、回転機器8の回転軸81の第1回転速度は、回転機器8の回転軸81の第2回転速度よりも遅くなる。なお、外径A1、A2、B1、B2の大きさは、必要に応じて任意に変更することができる。そして、回転軸81の第1回転速度は、回転軸81の第2回転速度よりも速くすることもできる。
本形態の回転変速システム1においては、図1、図2に示すように、エンジン7からエンジン側回転軸20が突出する方向(フライホイール72に対してエンジン側回転軸20が突出する方向)と、回転機器8から回転軸81が突出する方向とが互いに逆になっている。これ以外にも、エンジン7からエンジン側回転軸20が突出する方向と、回転機器8から回転軸81が突出する方向とは同じにすることもできる。
次に、エンジン側回転構造体2と回転切換機構3とによって形成された回転変速システム1の制御動作について説明する。
回転変速システム1は、エンジン7の制御装置による制御を受け、第1コイル33A及び第2コイル33Bへの通電の有無によって、第1回転状態X1と第2回転状態X2とに切換え可能である。
図1に示すように、第2コイル33Bが通電されない状態で第1コイル33Aが通電されるときには、第1回転状態X1が形成される。この第1回転状態X1においては、第2アーマチュア342Bが第2コイル33Bによる電磁吸引力を受けず、第2回転体32がアーマチュアハブ38及び回転軸81と分離された状態にあるとともに、第1アーマチュア342Aが第1コイル33Aによる電磁吸引力を受け、第1回転体31がアーマチュアハブ38及び回転軸81と連結された状態にある。
回転変速システム1は、エンジン7の制御装置による制御を受け、第1コイル33A及び第2コイル33Bへの通電の有無によって、第1回転状態X1と第2回転状態X2とに切換え可能である。
図1に示すように、第2コイル33Bが通電されない状態で第1コイル33Aが通電されるときには、第1回転状態X1が形成される。この第1回転状態X1においては、第2アーマチュア342Bが第2コイル33Bによる電磁吸引力を受けず、第2回転体32がアーマチュアハブ38及び回転軸81と分離された状態にあるとともに、第1アーマチュア342Aが第1コイル33Aによる電磁吸引力を受け、第1回転体31がアーマチュアハブ38及び回転軸81と連結された状態にある。
これにより、第1回転状態X1においては、フライホイール72の回転を受けてエンジン側回転構造体2が回転するとともに、第1ベルト41を介してエンジン側第1回転体21と連結された第1回転体31が回転する。また、第1回転体31と共にアーマチュアハブ38、各クラッチ34A、34B及び回転軸81が回転する。そして、回転機器8の回転軸81は、エンジン側第1回転体21の動力伝達部212の外径A1と第1回転体31の動力伝達部312の外径B1との比A1/B1によって定まる第1回転速度で回転することになる。
一方、図2に示すように、第1コイル33Aが通電されない状態で第2コイル33Bが通電されるときには、第2回転状態X2が形成される。この第2回転状態X2においては、第1アーマチュア342Aが第1コイル33Aによる電磁吸引力を受けず、第1回転体31がアーマチュアハブ38及び回転軸81と分離された状態にあるとともに、第2アーマチュア342Bが第2コイル33Bによる電磁吸引力を受け、第2回転体32がアーマチュアハブ38及び回転軸81と連結された状態にある。
これにより、第2回転状態X2においては、フライホイール72の回転を受けてエンジン側回転構造体2が回転するとともに、第2ベルト42を介してエンジン側第2回転体22と連結された第2回転体32が回転する。また、第2回転体32と共にアーマチュアハブ38、各クラッチ34A、34B及び回転軸81が回転する。そして、回転機器8の回転軸81は、エンジン側第2回転体22の動力伝達部222の外径A2と第2回転体32の動力伝達部322の外径B2との比A2/B2によって定まる第2回転速度で回転することになる。
なお、第2回転状態X2を形成するときにおいては、回転止め部材35によって、第2回転体32の回転を受けて第2コイル33Bが回転することを阻止する。
なお、第2回転状態X2を形成するときにおいては、回転止め部材35によって、第2回転体32の回転を受けて第2コイル33Bが回転することを阻止する。
本形態の回転機器8の回転切換機構3は、第1コイル33A及び第1アーマチュア342Aと、第2コイル33B及び第2アーマチュア342Bとを有する。これにより、回転機器8において、2つのコイル33A、33Bへの通電の有無によって、回転軸81に配置された2つの回転体31、32の回転及び空転の切換を行うことができる。
また、第1回転体31は、ハウジングノーズ36の外周に配置され、第2回転体32は、アーマチュアハブ38の円筒部381の外周に配置されている。アーマチュアハブ38は、連結部383、円筒部381及びアーマチュア対向部382を有するハット形状(帽子型の形状)に形成されている。このようなアーマチュアハブ38の形状は、従来にはない新しい形状である。そして、この新規形状のアーマチュアハブ38を用いることにより、各回転体31、32の外周側には、ブラケット等の部品が存在せず、各回転体31、32の外周側を開放することができる。これにより、各回転体31、32の外周に取り付けられる各ベルト41、42の交換を容易にすることができる。
それ故、本形態の回転機器8の回転切換機構3によれば、回転軸81に配置された2つの回転体31、32の回転及び空転の切換を個々に独立して行うことができ、各回転体31、32の外周側を開放することができる。
本発明は、本形態のみに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲においてさらに異なる実施形態を構成することが可能である。
例えば、回転機器8は、圧縮機とする以外にも、回転入力を受けて動作する発電機、冷却水ポンプ、油圧ポンプ等の種々の機器とすることもできる。そして、回転切換機構3は、GHP以外の用途、例えば自動車、あるいはボール盤、旋盤、フライス盤、研磨盤等の工作機械に用いることもできる。
例えば、回転機器8は、圧縮機とする以外にも、回転入力を受けて動作する発電機、冷却水ポンプ、油圧ポンプ等の種々の機器とすることもできる。そして、回転切換機構3は、GHP以外の用途、例えば自動車、あるいはボール盤、旋盤、フライス盤、研磨盤等の工作機械に用いることもできる。
1 回転変速システム
2 エンジン側回転構造体
21 エンジン側第1回転体
22 エンジン側第2回転体
3 回転切換機構
31 第1回転体
32 第2回転体
33A 第1コイル
33B 第2コイル
342A 第1アーマチュア
342B 第2アーマチュア
36 ハウジングノーズ
38 アーマチュアハブ
41 第1ベルト
42 第2ベルト
7 エンジン
8 回転機器
81 回転軸
X1 第1回転状態
X2 第2回転状態
2 エンジン側回転構造体
21 エンジン側第1回転体
22 エンジン側第2回転体
3 回転切換機構
31 第1回転体
32 第2回転体
33A 第1コイル
33B 第2コイル
342A 第1アーマチュア
342B 第2アーマチュア
36 ハウジングノーズ
38 アーマチュアハブ
41 第1ベルト
42 第2ベルト
7 エンジン
8 回転機器
81 回転軸
X1 第1回転状態
X2 第2回転状態
Claims (6)
- 回転機器の回転軸の外周側に同心状に配置されるとともに該回転機器の非回転部位に取り付けられた円筒状のハウジングノーズと、
該ハウジングノーズの外周に軸受を介して同心状に取り付けられた第1回転体と、
該第1回転体の内側において上記ハウジングノーズ又は上記非回転部位に取り付けられた第1コイルと、
上記回転軸の先端部に連結されるとともに上記ハウジングノーズの外周に軸受を介して同心状に取り付けられたアーマチュアハブと、
該アーマチュアハブの外周に軸受を介して同心状に取り付けられた第2回転体と、
該第2回転体の内側において該第2回転体又は上記アーマチュアハブに軸受を介して取り付けられ、該第2回転体及び該アーマチュアハブの少なくとも一方と共に回転することが阻止された第2コイルと、
上記アーマチュアハブにおける、上記第1回転体と上記第2回転体との間に配置されるアーマチュア対向部に設けられ、上記第1コイルが通電された際に上記第1回転体に連結される第1アーマチュアと、
上記アーマチュア対向部に設けられ、上記第2コイルが通電された際に上記第2回転体に連結される第2アーマチュアと、を備える、回転機器の回転切換機構。 - 上記アーマチュアハブは、上記回転軸の軸線方向に沿って配置され、上記ハウジングノーズの外周に軸受を介して取り付けられた円筒部を有しており、
上記アーマチュア対向部は、上記円筒部における、上記回転軸の先端部に対向する側とは反対側の端部から径方向外方に突出して設けられている、請求項1に記載の回転機器の回転切換機構。 - 上記回転機器は、エンジンの回転出力を受けて動作するものであり、
上記第1回転体は、上記エンジンの出力軸に同心状に取り付けられたエンジン側第1回転体の回転を受けて従動回転するものであり、
上記第2回転体は、上記エンジンの出力軸に同心状に取り付けられたエンジン側第2回転体の回転を受けて従動回転するものである、請求項1又は2に記載の回転機器の回転切換機構。 - 上記エンジン側第1回転体の外径A1と上記第1回転体の外径B1との比A1/B1と、上記エンジン側第2回転体の外径A2と上記第2回転体の外径B2との比A2/B2とは、互いに異なっており、
上記第2コイルが通電されない状態で上記第1コイルが通電され、上記第1アーマチュアが上記第1回転体に連結されて、上記エンジン側第1回転体の回転を受けて上記第1回転体及び上記回転軸が第1回転速度で回転する第1回転状態と、上記第1コイルが通電されない状態で上記第2コイルが通電され、上記第2アーマチュアが上記第2回転体に連結されて、上記エンジン側第2回転体の回転を受けて上記第2回転体及び上記回転軸が第2回転速度で回転する第2回転状態とに切換え可能である、請求項3に記載の回転機器の回転切換機構。 - 上記第1回転体及び上記エンジン側第1回転体は、それらの外周に第1ベルトが掛け渡されたプーリであり、
上記第2回転体及び上記エンジン側第2回転体は、それらの外周に第2ベルトが掛け渡されたプーリである、請求項3又は4に記載の回転機器の回転切換機構。 - 上記回転機器は、ヒートポンプに用いられる圧縮機である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の回転機器の回転切換機構。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016021194A JP2017137985A (ja) | 2016-02-05 | 2016-02-05 | 回転機器の回転切換機構 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016021194A JP2017137985A (ja) | 2016-02-05 | 2016-02-05 | 回転機器の回転切換機構 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2017137985A true JP2017137985A (ja) | 2017-08-10 |
Family
ID=59566687
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2016021194A Pending JP2017137985A (ja) | 2016-02-05 | 2016-02-05 | 回転機器の回転切換機構 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2017137985A (ja) |
-
2016
- 2016-02-05 JP JP2016021194A patent/JP2017137985A/ja active Pending
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