JP2017137775A - エンジン冷却装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】冷却水の循環を停止すべき水停止制御中に、冷却水の循環が生じて暖機促進効果が低下することを抑制することのできるエンジン冷却装置を提供する。【解決手段】機械式のウォータポンプ16に設けられた2個の吐出口18F,18Sを、各バンクのウォータジャケット13F,13Sにそれぞれ連結する連結水路19F,19Sと、ウォータジャケット13F,13Sのそれぞれを通過した冷却水が合流する合流部21と、合流部21から吸入口17への冷却水の環流を遮断する流量制御弁22と、が設けられた冷却水回路を備えるエンジン冷却装置において、各連結水路19F,19Sを、ウォータジャケット13F,13S及び流量制御弁22を通ることなく吸入口17にそれぞれ連通させる連通水路30F,30Sを設けるようにした。【選択図】図1

Description

本発明は、エンジン冷却装置に関する。
従来、特許文献1に記載のエンジン冷却装置が知られている。同文献のエンジン冷却装置は、ウォータジャケットを通って冷却水が循環する冷却水回路に、ウォータジャケットに冷却水を吐出するウォータポンプと、ウォータジャケットを通過した冷却水のウォータポンプへの還流を遮断する水停止機構と、を備えている。そして、エンジンの暖機中に、水停止機構により上記冷却水の還流を遮断して、冷却水回路の冷却水の循環を停止させる水停止制御を行うことで、ウォータジャケットを流れる冷却水によるエンジンの熱の持ち去りを抑えて、エンジンの暖機を促進している。
特開2013−23406号公報
バンク毎にウォータジャケットが個別に設けられたV型エンジンの冷却装置にも、上記のような水停止機構を設置して、エンジンの暖機時に水停止制御を行えば、エンジンの暖機を促進することができる。ところで、V型エンジンの冷却装置では、両バンクのウォータジャケットにそれぞれ個別に冷却水を吐出する2個の吐出口を有した機械式のウォータポンプを備えるものがある。そうしたウォータポンプを採用するV型エンジンの冷却装置では、水停止制御を行っても、暖機促進の効果が十分に得られない虞がある。
図7に、バンク別のウォータジャケット50F,50Sを有するV型エンジンに適用されるエンジン冷却装置の冷却水回路の一例を示す。このエンジン冷却装置は、2個の吐出口51F,51Sを有した機械式のウォータポンプ52と、冷却水の循環を停止させる水停止機構53とを備えている。
同図に示すように、このエンジン冷却装置では、ウォータポンプ52の2個の吐出口51F,51Sはそれぞれ、連結水路54F,54Sを通じて各ウォータジャケット50F,50Sに連結されている。一方、各ウォータジャケット50F,50Sの下流には、各々のウォータジャケット50F,50Sを通過した冷却水が合流する合流部55が設けられている。そして、このエンジン冷却装置では、各々のウォータジャケット50F,50Sを通過した冷却水が、合流部55で合流した後、ラジエータ56を通ってウォータポンプ52の吸入口57に戻るように冷却水回路が構成されている。
一方、水停止機構53は、こうした冷却水回路における合流部55とラジエータ56との間の部分に設けられている。そして、水停止機構53により、合流部55からラジエータ56への冷却水の流れを遮断することで、冷却水回路の冷却水の循環を停止させる水停止制御が行われる。
エンジン出力軸であるクランクシャフトの回転により駆動される機械式のウォータポンプ52は、冷却水回路の冷却水循環の停止中も、駆動され続ける。水停止制御を開始した時点では、冷却水回路における水停止機構53から吸入口57までの部分には未だ、ある程度の量の冷却水が残っている。そのため、ウォータポンプ52は、水停止制御の開始後しばらくは、吸入口57からの冷却水の吸入と、その吸入した冷却水の両吐出口51F,51Sからの吐出と、を続ける。
ところで、エンジンの補機レイアウトなどの都合により、各バンクの吐出口51F,51Sや連結水路54F,54Sを異なった寸法・形状とすることがある。そうした場合、吐出口51F側と吐出口51S側とで、ウォータポンプ52の冷却水の吐出能力に違いが生じることがある。
同図に示したエンジン冷却装置では、両バンクのウォータジャケット50F,50Sの下流側が合流部55を通じて繋がっており、水停止制御中に、両ウォータジャケット50F、50Sを通って2個の吐出口51F、51Sを繋ぐ経路ができてしまう。そのため、両吐出口51F,51Sの吐出能力に差があると、吐出能力の高い方の吐出口から吐出された冷却水が、吐出能力の低い方の吐出口から吐出された冷却水を押し返すことで、両ウォータジャケット50F,50Sを通って冷却水が循環してしまう。例えば、吐出口51F側の吐出能力が高い場合、同図に破線矢印で示すように、吐出口51Fを出て、連結水路54F,ウォータジャケット50F,合流部55、ウォータジャケット50S、連結水路54Sを通って吐出口51Sに戻る冷却水の循環が発生する。また、吐出口51S側の吐出能力が高い場合、上記破線矢印とは逆回りの冷却水の循環が発生する。一旦、こうした循環が発生すると、吸入口57から冷却水を吸入できなくなっても、吐出能力の低い方の吐出口からの冷却水の吸入は続くため、水停止制御中、そうした冷却水の循環が続いたままとなることがある。
また、上記態様での冷却水の循環が生じなくても、吸入口57から冷却水を吸入できない状態となると、ウォータポンプ52が、2個の吐出口51F,51Sのうち、より引き込みやすい方から冷却水を吸い込むことがある。そして、吸い込んだ冷却水をもう一方の吐出口から吐出することで、上記と同様の冷却水の循環が発生することがある。
こうして水停止制御中に発生する冷却水循環の流量は、通常の冷却水回路の冷却水循環の流量に比して少ないものではある。とはいえ、本来、冷却水が流れない筈のウォータジャケット50F,50Sに少量でも冷却水が流れることになるため、水停止制御によるエンジンの暖機促進効果は損なわれてしまう。また、水停止制御中にも、吸入口57を通じて若干の冷却水の出入りがある。そして、上記のような冷却水の循環が発生しているときに、エンジン10の外部の冷たい冷却水が吸入口57から流入すると、ウォータジャケット50F,50Sを通って循環している冷却水にその冷たい冷却水が混じってしまうため、ウォータジャケット50F,50S内の水温上昇が遅れてしまうようにもなる。
なお、吐出口51F,51Sや連結水路54F,54Sの寸法形状の違いは僅かであっても、上記のような冷却水の循環が発生する契機となる。そして、循環する冷却水の流れが一旦形成されると、より冷却水が循環しやすい状態となるため、循環する冷却水の流量が最初は僅かであっても、やがては無視できないほどの流量となってしまうことがある。そのため、吐出口51F,51Sや連結水路54F,54Sの寸法形状を意図的に異ならせた場合だけでなく、それらの寸法形状を設計上は同じとした場合にも、加工誤差による寸法形状の僅かな違いが上記のような冷却水の循環を発生させることがある。
本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、冷却水の循環を停止すべき水停止制御中に、冷却水の循環が生じて暖機促進効果が低下することを抑制するものである。
上記課題を解決するエンジン冷却装置は、「N」を2以上の整数としたとき、エンジン出力軸の回転により駆動されて、吸入口から吸入した冷却水をN個の吐出口のそれぞれから吐出する機械式のウォータポンプと、燃焼室の周囲を通って冷却水を流すエンジン内の水路であって、上記N個の吐出口にそれぞれ対応するN個のウォータジャケットと、上記N個の吐出口の各々を、対応するウォータジャケットにそれぞれ連結するN個の連結水路と、上記N個のウォータジャケットのそれぞれを通過した冷却水が合流する合流部と、その合流部で合流した冷却水をウォータポンプの吸入口に還流する還流水路と、その還流水路を通じた冷却水の環流を遮断する水停止機構と、上記N個の連結水路の各々を上記N個のウォータジャケット及び上記水停止機構を通ることなく前記吸入口にそれぞれ連通するN個の連通水路と、を設けている。
こうしたエンジン冷却装置の冷却水の循環経路(冷却水回路)において、上記N個のウォータジャケットは、並列に接続された状態で設けられている。そして、水停止機構により、合流部から吸入口への冷却水の環流を遮断することで、上記N個のウォータジャケットを通っての冷却水の循環を停止させる水停止制御が行われる。なお、このエンジン冷却装置では、機械式のウォータポンプを採用しているため、水停止制御中もウォータポンプは動作し続ける。
上記エンジン冷却装置では、水停止制御中にも、連結水路が連通水路を介して吸入口側に連通している。吐出口からの吐出により生じた圧力は、その一部が連通水路を通じて吸入口側に逃れるため、ウォータジャケット内の冷却水に加わる吐出圧はその分緩和される。ウォータジャケット内の冷却水に加わる吐出圧の絶対的な大きさが小さくなれば、ウォータジャケット毎の同吐出圧に、あまり大きな差は生じにくくなるため、合流部を通じたウォータジャケット間の冷却水の流動が抑制されるようになる。さらに、連通水路を通じた冷却水の還流により、水停止制御中も、吸入口からの冷却水の吸入、各吐出口からの冷却水の吐出が継続されるため、吐出口からの冷却水の吸い込みは生じないようになる。そのため、上記連通水路が設けられたエンジン冷却装置では、水停止制御中にウォータジャケットを通る冷却水の循環が発生することを抑制することが、ひいてはその循環の発生により、水停止制御によるエンジンの暖機促進効果が低下することが抑えられる。
なお、ウォータポンプの吐出圧は脈動しており、その脈動は、連結水路を通じて連通水路にも伝播される。上記N個の連通水路のそれぞれを、吸入口に繋がる水路にて合流させるようにした場合、上記吸入口に繋がる水路における各連通水路からの冷却水の取込口が互いに正対していると、一方の連通水路の脈動が他方の連通水路に直接伝播されてしまう。その結果、両連通水路の脈動同士が干渉して、連通水路の内圧変動が大きくなってしまい、連通水路を通じた冷却水の還流が妨げられることがある。そのため、上記N個の連通水路のそれぞれを、上記吸入口に繋がる水路における当該連通水路からの冷却水の取込口が、他の連通水路からの冷却水の取込口のいずれとも正対しないように設けることが望ましい。
ところで、連通水路を通って吸入口に還流する際の冷却水の圧力損失が連通水路毎に異なれば、吐出口の吐出圧と、連通水路より還流される冷却水の流量との関係が一律でなくなってしまうため、各連結水路の内圧の差を的確に緩和できなくなる虞がある。よって、上記エンジン冷却装置において、連結水路から連通水路を通って吸入口に還流する際の冷却水の圧力損失は、上記N個の連通水路のすべてにおいて同じとすることが望ましい。また、連通水路が配管により構成されている場合、同配管の長さ及び内径を上記N個の連通水路のすべてにおいて同じとすれば、同N個の連通水路における圧力損失を同じとすることができるため、同N個の連通水路を通って吸入口に還流する際の冷却水の圧力損失を揃えやすくなる。
ウォータジャケットを通って冷却水を循環させているときに、連通水路を通じた連結水路から吸入口での冷却水の還流が許容されていると、吐出口から連結水路に吐出された冷却水が、連通水路とウォータジャケットとに分配される。そのため、連通水路側に流れる冷却水の流量が多過ぎると、ウォータジャケットの流量を確保できなくなってしまう。そうした場合にも、連結水路から連通水路を通って吸入口に還流する際の冷却水の圧力損失が、同連結水路からウォータジャケットを通った後、還流水路を通って吸入口に還流する際の冷却水の圧力損失よりも大きくされていれば、連結水路からウォータジャケットに流れる冷却水の流量は、連通水路側に流れる冷却水の流量よりも多くなる。そのため、ウォータジャケットの冷却水の流量の確保が容易となる。
ウォータポンプと、上記N個の連結水路と、吸入口に接続された水路とが、チェーンカバーに設けられている場合、上記N個の連結水路のそれぞれをカバー内水路に接続するホースにより上記N個の連通水路を構成することができる。チェーンカバー内の限られた空間に連通水路を設置する場合、パイプなどの形状が定まった部材で連通水路が構成されていると、その設置に困難を伴うことがあるが、自在に曲げられるホースであれば、その設置はより容易となる。
また、2個のバンクにそれぞれウォータジャケットが設けられたV型エンジンの冷却装置では、両バンクのウォータジャケットの下流にそれぞれ水遮断機構を設けるよりも、各ウォータジャケットを通過した冷却水が合流する合流部の下流側の部分に水遮断機構を設けた方が簡単な構成で水停止制御を実現できる。ただし、両バンクのウォータジャケットにそれぞれ冷却水を吐出する2個の吐出口を有した機械式のウォータポンプを採用すると、冷却水回路における水停止機構よりも上流側の部分に、両ウォータジャケットを通って冷却水が循環する経路ができるため、暖機促進効果を低下させる水停止制御中の冷却水の循環が発生する可能性を否定できなくなる。勿論、ウォータポンプの吐出口を1つに減らして、連結水路において冷却水を上記2個のウォータジャケットに分岐する構成としたり、ウォータジャケットの下流に水停止機構をそれぞれ設ける構成としたりすることで、上記のような水停止制御中の冷却水の循環がそもそも生じないようにすることはできるものの、それには大掛かりな構成の変更が必要となる。その点、上記エンジン冷却装置では、各連結水路を吸入口に連結する2個の連通水路を設けるだけの比較的簡易な構成の変更のみで、水停止制御中の冷却水の循環の発生を抑えられるため、構成の変更に伴う製造コストの増加を抑えることができる。
第1実施形態のエンジン冷却装置が備える冷却水回路の構成を模式的に示す図。 同実施形態のエンジン冷却装置の構成部品であるウォータポンプ及びその周辺の内部構造を模式的に示す断面図。 エンジン正面側から見た同ウォータポンプ及びその近傍の平面図。 上記実施形態のエンジン冷却装置における水停止制御中の冷却水の流れを示す図。 (a)〜(c)連通水路が合流する水路での各連通水路の接続態様の例を各示す略図。 第2実施形態のエンジン冷却装置が備える冷却水回路の構成を模式的に示す図。 従来のエンジン冷却装置における水停止制御中の冷却水の流れを示す図。
(第1実施形態)
以下、エンジン冷却装置の第1実施形態を、図1〜図5を参照して詳細に説明する。本実施形態のエンジン冷却装置は、2つの気筒列(バンク)を有したV型エンジンに適用される。ここでは、エンジンの動力取出し側、すなわち変速機が接続される側を同エンジンの後部とし、後部とは反対側の部分を前部とする。そして、ここでは、同エンジンの前部に正対して見たときに左手側に位置するバンクを第1バンクとし、右手側に位置するバンクを第2バンクとする。なお、本実施形態のエンジン冷却装置の構成部材にあって、上記2つのバンクのそれぞれに対となって設けられる構成部材には、符号の先頭部分を共通の番号とし、末尾を「F」とした符号を第1バンク側の構成部材に、末尾を「S」とした符号を第2バンク側の構成部材に、それぞれ付すものとする。
図1に示すように、上記2つのバンクを備えるエンジン10には、バンク別の2つのウォータジャケット13F,13Sが設けられている。すなわち、第1バンクの各気筒の燃焼室10Fの周囲を通って冷却水を流すエンジン10内の水路であるウォータジャケット13Fと、第2バンクの各気筒の燃焼室10Sの周囲を通って冷却水を流すエンジン10内の水路であるウォータジャケット13Sとである。ウォータジャケット13Fは、第1バンクのシリンダブロック11F及びシリンダヘッド12Fの内部を通るように設けられている。また、ウォータジャケット13Sは、第2バンクのシリンダブロック11S及びシリンダヘッド12Sの内部を通るように設けられている。各シリンダブロック11F,11Sには、各ウォータジャケット13F,13Sの冷却水の流入口14F,14Sが、各シリンダヘッド12F,12Sには、各ウォータジャケット13F,13Sの冷却水の流出口15F,15Sがそれぞれ設けられている。
本実施形態のエンジン冷却装置は、これらウォータジャケット13F,13Sを通って冷却水が循環する冷却水回路を備える。この冷却水回路において、上記2個のウォータジャケット13F,13Sは並列に接続されている。すなわち、冷却水回路での冷却水の流れは、各ウォータジャケット13F,13Sよりも上流側で2つに分岐され、分岐された各流れがウォータジャケット13F,13Sの一方、及び他方をそれぞれ通った後に合流するようになっている。
冷却水回路は、エンジン10の出力軸であるクランクシャフト42(図2参照)の回転により駆動される機械式のウォータポンプ16を備える。本実施形態では、ウォータポンプ16として、遠心式のポンプが採用されている。ウォータポンプ16には、1個の吸入口17と、2個の吐出口18F,18Sとが設けられている。そして、ウォータポンプ16は、駆動に応じて、吸入口17から吸入した冷却水を2個の吐出口18F,18Sからそれぞれ吐出する。
上記2個の吐出口18F,18Sのうち、第1バンク側に位置する吐出口18Fは、連結水路19Fを通じて第1バンクのウォータジャケット13Fの流入口14Fに連結されている。また、第2バンク側に位置する吐出口18Sは、連結水路19Sを通じて第2バンクのウォータジャケット13Sの流入口14Sに連結されている。なお、本エンジン冷却装置では、シリンダブロック11F,11S、及びシリンダヘッド12F,12Sのエンジン前方側を覆うように設置されたチェーンカバー33に、ウォータポンプ16及び2個の連結水路19F,19Sが設けられている。
各ウォータジャケット13F,13Sの流出口15F,15Sには、流出水路20F,20Sがそれぞれ連結されている。両流出水路20F,20Sは、合流部21にて合流した後、流量制御弁22に接続されている。
流量制御弁22は、流出水路20F,20Sから冷却水が流入する流入ポート22Aと、同流入ポート22Aから流入した冷却水を流出可能な3個の流出ポート22B、22C、22Dとを備える。流出ポート22Bには、外気との熱交換により冷却水を冷却するラジエータ25が途中に設けられたラジエータ水路24が接続されている。また、流出ポート22Cには、冷却水との熱交換により、車室に送風される空気を温めるヒータコア28が途中に設けられたヒータ水路26が接続されている。さらに、流出ポート22Dには、ラジエータ25及びヒータコア28の双方を迂回して冷却水を流すためのバイパス水路27が接続されている。そして、流量制御弁22は、各流出ポート22B、22C、22Dの開口面積を可変とすることで、ラジエータ水路24、ヒータ水路26及びバイパス水路27の各水路に流出する冷却水の流量を調整するよう構成されている。
ラジエータ水路24の下流端は、チェーンカバー33に設けられたコネクタ45を介して、同チェーンカバー33内に設けられたカバー内水路29に接続され、更にカバー内水路29の下流端は、ウォータポンプ16の吸入口17に接続されている。また、ヒータ水路26の下流端は、ラジエータ水路24におけるラジエータ25よりも下流側の部分に接続され、バイパス水路27の下流端は、ヒータ水路26におけるヒータコア28よりも下流側の部分に接続されている。こうしたラジエータ水路24、ヒータ水路26、及びバイパス水路27は、合流部21で合流した冷却水をウォータポンプ16の吸入口17に還流する還流水路となっている。
また、冷却水回路には、上記2個の連結水路19F,19Sをカバー内水路29にそれぞれ連結する2個の連通水路30F,30Sが設けられている。そして、これらの連通水路30F,30Sにより、各連結水路19F,19Sがウォータポンプ16の吸入口17にそれぞれ連通されている。
こうした冷却水回路に設けられた流量制御弁22の動作は、エンジン制御用の電子制御ユニット46により制御されている。電子制御ユニット46は、入口水温センサ47及び出口水温センサ48の検出結果や、車室内の暖房の使用状況などに応じて流量制御弁22の動作を制御し、ラジエータ水路24、ヒータ水路26、及びバイパス水路27の各水路を流れる冷却水の流量を調整している。なお、入口水温センサ47は、流入口14F,14Sのいずれかに流入する冷却水の温度(入口水温)を検出するセンサであり、出口水温センサ48は、流出口15F,15Sのいずれかより流出する冷却水の温度(出口水温)を検出するセンサである。
電子制御ユニット46は、流量制御弁22の動作制御の一環として、エンジン10の暖機中に出口水温が規定の水停止温度以下のときに、水停止制御を実施する。水停止制御中の流量制御弁22は、3個の流出ポート22B、22C、22Dのすべてを閉じるように動作される。そして、ラジエータ水路24、ヒータ水路26、及びバイパス水路27のいずれにも冷却水が流出しない状態を形成して、合流部21からウォータポンプ16の吸入口17への冷却水の環流を遮断することで、冷却水回路の冷却水の循環を停止させる。本実施形態のエンジン冷却装置では、こうした水停止制御中に、合流部21から吸入口17への冷却水の環流を遮断する流量制御弁22が水停止機構に該当する。
続いて、図2及び図3を参照して、冷却水回路におけるウォータポンプ16及びその周辺の構成をより詳細に説明する。なお、図2にはエンジン10の前方を「Fr」、後方を「Rr」として矢印で示している。また、図2では、各部の内部構造を説明する便宜上、構造を模式的に示している。したがって、図2に示す断面構造は、図3に示すウォータポンプ16の平面図に示されている構造と必ずしも合致していない。
図2に示すように、チェーンカバー33は、メインプレート34、ポンプカバー35、及びインナープレート36の、重なった3枚のプレートを有している。ポンプカバー35は、メインプレート34のエンジン前方側の面に被さるように設けられている。また、インナープレート36は、メインプレート34のエンジン後方側の面に被さるように設けられている。
メインプレート34とポンプカバー35との間には、ウォータポンプ16のポンプ室37となる円筒形状の空間が区画形成されている。ポンプ室37の内部には、ウォータポンプ16のインペラ38が収容されている。インペラ38の回転軸38Aは、ポンプカバー35に固定されたベアリング39により回転可能に軸支されている。また、インペラ38の回転軸38Aにおけるエンジン前方側の端部には、ポンププーリ41が一体回転可能に取り付けられている。ポンププーリ41には、クランクシャフト42の端部に一体回転可能に取り付けられたクランクプーリ43との間に、ベルト44が巻き掛けられており、クランクシャフト42の回転がポンププーリ41に、ひいては回転軸38Aを介してインペラ38に伝達されるようになっている。
ちなみに、このベルト44は、ウォータポンプ以外の各種のエンジン補機の回転軸に固定された補機プーリにも巻き掛けられている。これらプーリのレイアウト上、ポンププーリ41は、両バンクの中央よりも第2バンク寄りの位置に設置されている。そのため、ポンプ室37も、両バンクの中央よりも第2バンク寄りの位置に配置されている。
ポンプ室37の外周には、2個の吐出口18F,18Sが、同外周における対向する部分にそれぞれ開口されている。これら2個の吐出口18F,18Sは、ポンプ室37と同様にメインプレート34とポンプカバー35との間に区画形成された、上述の2個の連結水路19F,19Sに繋がっている。連結水路19Fは、吐出口18Fより第1バンク側に延伸され、メインプレート34に形成された通孔34Fを通じて、第1バンクのシリンダブロック11Fに設けられたウォータジャケット13Fの流入口14Fに連結されている。また、連結水路19Sは、吐出口18Sより第2バンク側に延伸され、メインプレート34に形成された通孔34Sを通じて、第2バンクのシリンダブロック11Sに設けられたウォータジャケット13Sの流入口14Sに連結されている。
なお、上述のようにポンプ室37は、両バンクの中央よりも第2バンク寄りの位置に設けられている。一方、エンジン10において、両バンクのウォータジャケット13F,13Sの流入口14F,14Sは、左右対称となる位置に設けられている。そのため、第2バンク側の連結水路19Sは、第1バンク側の連結水路19Fよりも短くなっている。なお、両連結水路19F,19Sの水路長が異なれば、両連結水路19F,19Sを通過する際の冷却水の圧力損失に違いが生じて、両ウォータジャケット13F,13Sの冷却水の流量に差が生じる虞がある。このエンジン冷却装置では、第1バンク側の吐出口18Fの開口面積を第2バンク側の吐出口18Sよりも広くするとともに、第1バンク側の連結水路19Fの水路断面積を第2バンク側の連結水路19Sよりも広くすることで、両連結水路19F,19Sを通過する際の冷却水の圧力損失が同じとなるようにしている。もちろん、連結水路19F,19Sの水路断面積は同じとして、吐出口18F,18Sの開口面積だけを異ならせたり、吐出口18F,18Sの開口面積は同じとして、連結水路19F,19Sだけを異ならせたりすることでも、両連結水路19F,19Sを通過する際の冷却水の圧力損失を揃えることは可能である。
一方、メインプレート34とインナープレート36との間には、上述のカバー内水路29が区画形成されている。メインプレート34におけるインペラ38の回転軸38Aと対向する部分には、吸入口17となる円孔が形成されており、カバー内水路29は、その円孔を通じてポンプ室37に連通している。なお、図3に示すように、カバー内水路29は、ラジエータ水路24が接続されるコネクタ45と吸入口17とを繋ぐように設けられている。ちなみに、本エンジン冷却装置では、コネクタ45は、ポンプカバー35に設けられている。
各連結水路19F,19Sの途中には、取出口31F,31Sがそれぞれ設けられており、各取出口31F,31Sには、各連通水路30F,30Sがそれぞれ接続されている。一方、各連通水路30F,30Sにおける、各取出口31F,31Sに接続された側と反対側の端は、カバー内水路29に設けられた取込口32F,32Sにそれぞれ接続されている。なお、図2では、図示の都合上、カバー内水路29における各取込口32F,32Sの位置が、吸入口17の直近に位置するように描かれているが、実際には、図3に示すように、各取込口32F,32Sは、吸入口17から離れた位置に設けられている。
両連通水路30F,30Sには、同じ内径、同じ長さの配管が用いられている。ちなみに、両連通水路30F,30Sを構成する配管の内径は、各連通水路30F,30Sを通って各連結水路19F,19Sから吸入口17に還流する際の冷却水の圧力損失が、冷却水回路においてウォータジャケット13F,13Sを通って循環する際の冷却水の圧力損失よりも大きくなるように設定されている。
なお、本エンジン冷却装置では、両連通水路30F,30Sを構成する配管として、ゴムなどの弾性材料により形成されたホースを採用している。その採用の理由は次の通りである。
図3に示すように、本エンジン冷却装置では、第1バンク側の連通水路30Fにおける取出口31Fと取込口32Fとの距離と、第2バンク側の連通水路30Sにおける取出口31Sと取込口32Sとの距離とが異なっている。そのため、両連通水路30F,30Sの配管の長さを同じとするには、両配管を異なった形状とする必要がある。その点、そうした配管として、自在に曲げられるホースを採用すれば、両連通水路30F,30Sの配管を共通部品として、部品点数を削減することができる。また、連通水路30F、30Sは、チェーンカバー33内の限られた空間に設置する必要があり、パイプなどの形状が定まった部材で連通水路30F,30Sが構成されていると、その設置に困難を伴うことがあるが、自在に曲げられるホースであれば、より容易に設置できる。
なお、水停止制御中のウォータポンプ16では、インペラ38の回転によりポンプ室37内の冷却水が撹拌されており、その影響で、各連結水路19F,19Sにおける吐出口18F,18Sの近傍の部分やカバー内水路29における吸入口17の近傍の部分に乱流が形成されることがある。各連通水路30F,30Sの取出口31F,31Sや取込口32F,32Sが、そうした部分に設けられていると、乱流の影響により、各連通水路30F,30Sを通じた冷却水の還流が妨げられて、冷却水の循環の発生を十分に抑制できなくなる虞がある。そのため、各連通水路30F,30Sの取出口31F,31Sや取込口32F,32Sは、乱流の影響を受けないところまで、吐出口18F,18Sや吸入口17から離れた位置に設けることが望ましい。
(作用効果)
続いて、以上のように構成された本実施形態のエンジン冷却装置の作用及びその効果を説明する。
エンジン10の運転中、ウォータポンプ16は、クランクシャフト42の回転により駆動され、吸入口17から吸入した冷却水を2個の吐出口18F,18Sから吐出する。2個の吐出口18F,18Sから吐出した冷却水は、各連結水路19F,19Sを通じて両バンクのウォータジャケット13F,13Sにそれぞれ送られる。そして、各ウォータジャケット13F,13Sをそれぞれ通過した冷却水は、各流出水路20F,20Sを通って合流部21で合流した後、流量制御弁22に流入する。
このとき、流量制御弁22の3個の流出ポート22B、22C、22Dの少なくとも1個が開いていれば、冷却水は、流量制御弁22を通過した後、ラジエータ水路24、ヒータ水路26、バイパス水路27のいずれか1つ以上とカバー内水路29とを通ってウォータポンプ16の吸入口17に還流される。その結果、冷却水が、両ウォータジャケット13F,13Sを通って冷却水回路を循環するようになる。
なお、こうしてウォータジャケット13F,13Sを通って冷却水が循環している間も、各連結水路19F,19Sからは、各連通水路30F,30Sを通って吸入口17に冷却水が還流し続ける。そして、そうして還流する冷却水の流量の分、各ウォータジャケット13F,13Sの冷却水の流量は、ウォータポンプ16が各吐出口18F,18Sから吐出した冷却水の流量よりも少なくなる。そのため、このときの各連通水路30F,30Sの流量があまりに多くなってしまうようでは、ウォータジャケット13F,13Sの冷却水流量を確保できなくなってしまう。
その点、本実施形態のエンジン冷却装置では、上述したように、各連通水路30F,30Sを通って各連結水路19F,19Sから吸入口17に還流する際の冷却水の圧力損失が、各連結水路19F,19Sから各ウォータジャケット13F,13Sを通った後、還流水路であるラジエータ水路24、ヒータ水路26、バイパス水路27のいずれかを通って吸入口17に循環する際の冷却水の圧力損失よりも十分大きくなっている。したがって、各連通水路30F,30Sの流量は、ウォータジャケット13F,13Sの流量から見れば僅かなものとなり、連通水路30F,30Sを通じた冷却水の還流による各ウォータジャケット13F,13Sの流量低下は限られたものとなる。そのため、本実施形態のエンジン冷却装置では、吐出能力の大きな大型のウォータポンプを採用したり、各連通水路30F,30Sを水停止制御中以外は閉鎖する弁を設置したりといった、製造コストの増加を招く対策を講じなくても、ウォータジャケット13F,13Sの冷却水の流量を確保することが可能となっている。
一方、電子制御ユニット46により、上述した水停止制御が開始されると、流量制御弁22のすべての流出ポート22B、22C、22Dが閉じられて、合流部21からウォータポンプ16の吸入口17への冷却水の還流が遮断される。その結果、ウォータポンプ16の各吐出口18F,18Sから吐出した冷却水は、冷却水回路における流量制御弁22よりも上流側の区間(水止め区間)に留められるようになる。
なお、こうした水停止制御中にも、クランクシャフト42は回転により、機械式のウォータポンプ16は駆動され続ける。水停止制御の開始直後には、ラジエータ水路24やヒータ水路26、バイパス水路27、カバー内水路29には、ある程度の冷却水が残っている。そのため、水停止制御の開始後もウォータポンプ16はしばらくの間、そうした冷却水を吸入口17から吸入して、両吐出口18F,18Sから吐出する。
本実施形態のエンジン冷却装置の冷却水回路では、水停止制御中の水止め区間に、2個の吐出口18F,18Sの間に、両ウォータジャケット13F,13Sを通って冷却水が流通可能な経路ができている。すなわち、ウォータポンプ16の吐出口18Fから、第1バンク側の連結水路19F,ウォータジャケット13F,流出水路20Fを通った後、合流部21を通過して、第2バンク側の流出水路20S、ウォータジャケット13S、連結水路19Sを通り、吐出口18Sからウォータポンプ16に戻る経路、或いはその逆回りの経路である。
水停止制御中にそうした経路を通って冷却水が循環することがあると、本来、冷却水の流れを停止すべきウォータジャケット13F,13Sに冷却水が流れてしまうため、水停止制御によるエンジン10の暖機促進効果が損なわれてしまう。こうした冷却水の循環は、ウォータポンプ16の吐出口18F側と吐出口18S側との吐出能力の違いにより発生する。本実施形態のエンジン冷却装置では、第1バンク側と第2バンク側とで、吐出口18F,18Sや連結水路19F,19Sの寸法や形状が異なっており、吐出量力の違いが生じやすくなっている。
また、吸入口17から冷却水を吸入できない状態となったときに、ウォータポンプ16が、吸入口17の代わりに吐出口18F,18Sのいずれかから冷却水を吸い込むことによっても、上記のような水停止制御中の冷却水の循環が発生する。こうした吐出口18F,18Sからの冷却水の吸い込みは、吐出口18F側と吐出口18S側との間の流体力学的な状態の対称性が破れることで発生し、吐出口18F,18S、連結水路19F,19Sの寸法や形状の違いは、そうした対称性の破れの大きな要因となる。
ただし、本実施形態のエンジン冷却装置では、水停止制御中にも、各連結水路19F,19Sが、連通水路30F,30Sを通じてウォータポンプ16の吸入口17側に連通している。そのため、各吐出口18F,18Sからの冷却水の吐出による圧力の一部が、各連通水路30F,30Sを通じて吸入口17側に逃れるようになり、両ウォータジャケット13F,13S内の冷却水に加わる吐出圧がその分緩和される。そして、両ウォータジャケット13F,13S内の冷却水に加わる吐出圧の絶対的な大きさが小さくなれば、それら吐出圧の差も小さくなる。そのため、合流部21を通じたウォータジャケット13F,13S内の冷却水の流動が抑えられるようになる。
なお、両連通水路30F,30Sを通って吸入口17に還流する際の冷却水の圧力損失に違いがあると、各連通水路30F,30Sによる吐出圧の緩和効果に差ができてしまい、場合によっては、各ウォータジャケット13F,13S内の冷却水に加わる吐出圧の差が、却って拡大することが起こり得る。そうした場合、吐出能力の違いによる冷却水循環の発生を、適切に抑制できなくなってしまう。
一方、各連通水路30F,30Sを通る吐出口18F,18Sから吸入口17への冷却水の還流経路を構成する連結水路19F,19S、連通水路30F,30S、及びカバー内水路29のうち、連通水路30F,30Sは、連結水路19F,19Sやカバー内水路29と比べ、水路断面積が小さい。そのため、還流経路全体の圧力損失に占める連通水路30F,30Sの圧力損失の割合は大きくなっている。本実施形態のエンジン冷却装置では、各連通水路30F,30Sを構成する配管に、同じ内径、同じ長さの配管が用いられており、同連通水路30F,30Sの圧力損失が同じとなっている。そのため、上記還流経路の圧力損失の差を小さく抑えることができ、吐出口18F,18Sの吐出能力の違いにより発生する冷却水の循環をより確実に抑制することができる。
もちろん、各連結水路19F,19Sにおける各吐出口18F,18Sから連通水路30F,30Sの取出口31F,31Sまでの区間の圧力損失も同じとすることが望ましい。本実施形態のエンジン冷却装置では、第1バンク側の吐出口18Fの開口面積、及び連結水路19Fの水路断面積が第2バンク側よりも広くされている。そのため、第1バンク側の連結水路19Fにおける吐出口18Fから取出口31Fまでの距離を、第2バンク側の連結水路19Sにおける吐出口18Sから取出口31Sまでの距離よりも長くすることで、上記区間の圧力損失を揃えることが可能である。なお、吐出口18F,18Sの開口面積、及び連結水路19F,19Sの水路断面積が同じである場合には、各連結水路19Fにおける吐出口18F,18Sから取出口31F,31Sまでの距離を同じとすることで、上記区間の圧力損失を揃えることができる。もっとも、上述のように、還流経路全体の圧力損失に占める、連結水路19F,19S内の区間の圧力損失の割合はあまり大きくない。そのため、各連結水路19F,19Sにおける吐出口18F,18Sから取出口31F,31Sまでの距離に極端な違いがなければ、実用上の問題が生じることは殆どない。
また、上記連通水路30F,30Sを通って冷却水が流れることで、水停止制御中に、図4に示すような、2つの冷却水の循環が形成される。すなわち、上記循環の1つは、ウォータポンプ16のポンプ室37(図2,3参照)から、吐出口18F、連結水路19F、連通水路30F、カバー内水路29を順に通って吸入口17よりポンプ室37に戻るように行われる。また、上記循環のもう一つは、ウォータポンプ16のポンプ室37から、吐出口18S、連結水路19S、連通水路30S、カバー内水路29を順に通って吸入口17よりポンプ室37に戻るように行われる。
こうして冷却水が循環することで、水停止制御中も、吸入口17からの冷却水の吸入、及び各吐出口18F,18Sからの冷却水の吐出が途切れることなく続けられ、吸入口17からの冷却水の吸入が途絶えないようになる。したがって、吸入口17に代えての吐出口18F,18Sのからの冷却水の吸い込みを、ひいてはその吸い込みにより生じる水停止制御中の冷却水の循環についても、抑えることが可能となる。
以上のように、本実施形態のエンジン冷却装置では、冷却水の循環を停止すべき水停止制御中に、冷却水の循環が生じて暖機促進効果が低下することを抑制することができる。
なお、水停止制御中のウォータジャケット13F,13Sを通る冷却水の循環は、冷却水回路の構成を変更することでそもそも生じないようにすることができる。例えば、ウォータポンプの吐出口を1つに減らして、連結水路において冷却水を両バンクのウォータジャケットに分岐する構成とすれば、水停止制御中の冷却水の循環は発生しないようになる。しかしながら、V型エンジンの冷却装置の多くでは、連結水路を短くするため、2個の吐出口を有したウォータポンプを採用したものが多く、そうした構成とするには、大掛かりな構成の変更が必要となる。その点、本実施形態では、各連結水路19F,19Sを吸入口17に連結する2個の連通水路30F,30Sを設けるだけの比較的簡易な構成の変更のみで、水停止制御中の水止め区間における冷却水の循環を抑えられるため、構成の変更に伴うコストの増加を抑えられる。
上記実施形態のエンジン冷却装置では、吸入口17に繋がるカバー内水路29に各連通水路30F,30Sが接続されており、各連通水路30F,30Sを通じて還流される冷却水がカバー内水路29で合流されるようになっている。こうした連通水路30F,30Sの冷却水の合流部分では、次の問題が生じることがある。
すなわち、ウォータポンプの吐出圧は脈動しており、その脈動は、各連通水路にも伝播する。図5(a)に示すように、吸入口に繋がる水路Xに対しての、2個の連通水路Y1,Y1の取込口y1,y2が互いに正対する位置に設けられている場合、一方の連通水路Y1(Y2)の脈動が他方の連通水路Y2(Y1)に直接伝播されてしまう。そして、両連通水路Y1,Y2の内部で脈動同士が干渉して、内圧の変動が増大するため、両連通水路Y1,Y2を通じた冷却水の還流が妨げられる。そのため、取込口y1,y2同士が正対する配置されている場合には、水停止制御中の冷却水循環の抑制効果が損なわれる虞がある。
こうした脈動の干渉は、各連通水路Y1,Y2の取込口y1,y2が互いに正対しないようにすることで抑えられる。例えば、図5(b)の構成では、両連通水路Y1,Y2が、水路Xにおける同水路Xの延伸方向に離間した位置に接続することで、両取込口y1,y2の正対を避けている。また、図5(c)の構成では、水路Xに対する連通水路Y1の接続方向の逆方向以外の方向から、もう一つの連通水路Y2を水路Xに接続するようにすることで、両取込口y1,y2の正対を避けている。なお、吸込口に繋がる水路において3個以上の連通水路が合流する場合、水路における各連通水路の取込口のすべてが互いに正対しないようにすることで、連通水路間の脈動の干渉を抑えることが可能となる。
もっとも、各連通水路Y1,Y2が合流する水路Xが十分大きい容積を有している場合、取込口y1,y2が正対していても、取込口y1,y2の間に距離があるため、他の連通水路への脈動の伝播は限られたものとなる。そのため、そうした場合には、取込口y1,y2が正対するような水路Xへの連通水路Y1,Y1の接続も許容することができる。上記実施形態のエンジン冷却装置のカバー内水路29は、連通水路30F,30S間の脈動の伝播が問題とならない程度に十分な容積を有している。そのため、上記実施形態では、カバー内水路29における両連通水路30F,30Sの取込口32F,32Sが互いに正対する配置となってはいるが、それが問題とはなっていない。
上記実施形態は、以下のように変更して実施することもできる。
・上記実施形態では、各連通水路30F,30Sを構成する配管としてホースを採用していたが、各連通水路30F,30Sを構成する配管として金属製や樹脂製のパイプを採用してもよい。
・上記実施形態では、ウォータポンプ16や連結水路19F,19Sがチェーンカバー33に設けられていたが、それらをチェーンカバー33以外の部分に設けるようにしてもよい。例えば、ウォータポンプ16や連結水路19F,19Sがチェーンカバー33をシリンダブロック11F,11Sに設けることも可能である。
・上記実施形態では、流量制御弁22が、ラジエータ水路24、ヒータ水路26及びバイパス水路27への冷却水の流出を同時に遮断することで、合流部21から吸入口17への冷却水の還流を遮断するようにしていたが、それ以外の機構により、そうした還流の遮断を行うようにしてもよい。例えば、ラジエータ水路24、ヒータ水路26及びバイパス水路27のそれぞれに個別の弁を設け、それらを同時に閉じることで、合流部21から吸入口17への冷却水の還流を遮断するようにしてもよい。その場合、それら3つの弁が水停止機構を構成することになる。
・上記実施形態では、冷却水回路における、合流部21から吸入口17に冷却水を還流する水路として、ラジエータ水路24、ヒータ水路26及びバイパス水路27の3本の水路が並列に設けられていたが、そうした水路の数が2本以下、4本以上であってもよい。
・上記実施形態では、各連結水路19F,19Sから各連通水路30F,30Sを通って吸入口17に還流する際の冷却水の圧力損失が、各ウォータジャケット13F,13Sを通って冷却水回路を循環する際の冷却水の圧力損失よりも十分大きくなるように、各連通水路30F,30Sを構成する配管の寸法設定を行っていた。圧力損失を大きくすると、各連通水路30F,30Sを通って還流する冷却水の流量は自ずと制限される。そこで、水停止制御中の冷却水循環の抑制に、各連通水路30F,30Sを通じて多量の冷却水の還流が必要な場合には、次のようにするとよい。すなわち、各連通水路30F,30Sを通じて還流する際の冷却水の圧力損失を、冷却水回路を通じて循環する冷却水の圧力損失と同等、又はそれより大きくする一方、還流を遮断乃至は制限する弁を各連通水路30F,30Sに設ける。このようにすれば、水停止制御中は、各連通水路30F,30Sを通じて多量の冷却水を還流して、冷却水循環の発生を抑制することができる。一方、水停止制御中以外は、各連通水路30F、30Sを通じて還流される冷却水の流量を抑え、ウォータジャケット13F,13Sの冷却水流量を確保することが可能となる。
・上記実施形態では、各連通水路30F,30Sを構成する配管(ホース)の長さ及び内径を同じとすることで、各連結水路19F,19Sから各連通水路30F,30Sを通って吸入口17に還流する際の冷却水の圧力損失が同じとなるようにしていた。両配管の内径、長さが不一致となっていても、両者を通じて還流する際の冷却水の圧力損失が同じとなっていれば、吐出口18F,18Sの吐出能力の違いにより生じる連結水路19F,19Sの内圧の差をより確実に縮小することができ、水停止制御中の冷却水循環のより確実な抑制が可能となる。例えば、両連通水路30F,30Sを構成する配管の一方を他方よりも長くし、それに応じた分、上記配管の一方の内径を他方よりも大きくすることで、両連通水路30F,30Sを通じて還流される冷却水の圧力損失を同じとすることができる。なお、各連通水路30F,30Sを通って還流する際の冷却水の圧力損失に違いがあっても、上記のような連結水路19F,19Sの内圧の差の拡大を招かない範囲内であれば、水停止制御中の冷却水循環の抑制は可能である。
・上記実施形態では、ウォータポンプ16として遠心式のポンプを採用していたが、容積式のポンプを採用する場合にも、複数の吐出口を有し、それら複数の吐出口がポンプ内部で連通している構造となっていれば、水停止制御中のウォータジャケットを通じた冷却水の循環は同様に生じ得る。そうした場合にも、各吐出口を各ウォータジャケットに連結する連結水路の各々に、ウォータポンプの吸入口に連通する連通水路を設ければ、水停止制御中の冷却水循環の発生によるエンジンの暖機促進効果の低下を抑制できる。
(第2実施形態)
続いて、エンジン冷却装置の第2実施形態を、図6を参照して説明する。
第1実施形態では、バンク別の2個のウォータジャケット13F,13Sを通って冷却水が循環する冷却水回路が設けられたV型エンジンに適用のエンジン冷却装置について説明した。同エンジン冷却装置は、水停止制御中の冷却水循環の発生を抑制する連通水路30F,30Sを備えていた。こうした水停止制御中の冷却水循環の発生の抑制に係る構造は、3個以上のウォータジャケットを通って冷却水が循環する冷却水回路を備えるエンジン冷却装置にも同様に適用することができる。また、同構造は、V型以外の気筒配列を有したエンジンにも適用できる。
図6に示すエンジン60は、直列3気筒の気筒配列とされ、そのシリンダブロック61及びシリンダヘッド62には、各気筒に対応した3個のウォータジャケット63A,63B,63Cが設けられている。これらのウォータジャケット63A,63B,63Cはそれぞれ対応する気筒の燃焼室60A,60B,60Cの周囲を通って冷却水を流すエンジン60内の水路となっている。各ウォータジャケット63A,63B,63Cの冷却水の流入口64A,64B,64Cは、シリンダブロック61にそれぞれ設けられている。また、各ウォータジャケット63A,63B,63Cの冷却水の流出口65A,65B,65Cは、シリンダヘッド62にそれぞれ設けられている。
本実施形態のエンジン冷却装置は、上記3個のウォータジャケット63A,63B,63Cを通って冷却水が循環する冷却水回路を備える。この冷却水回路には、1個の吸入口66と、上記3個のウォータジャケット63A,63B,63Cのそれぞれに対応する3個の吐出口67A,67B,67Cと、を備える機械式のウォータポンプ68が設けられている。ウォータポンプ68は、エンジン出力軸の回転により駆動されて、吸入口66から吸入した冷却水を、各吐出口67A,67B,67Cからそれぞれ吐出する。ウォータポンプ68の各吐出口67A,67B,67Cは、各々の対応するウォータジャケット63A,63B,63Cの流入口64A,64B,64Cに、連結水路69A,69B,69Cによってそれぞれ連結されている。
一方、各ウォータジャケット63A,63B,63Cの各流出口65A,65B,65Cには、排出水路70A,70B,70Cがそれぞれ連結されている。各排出水路70A,70B,70Cの下流端は、合流部71で合流した後、水停止機構72に接続されている。水停止機構72には、ラジエータ73が途中に設けられた還流水路74が接続されており、その還流水路74の下流端は、ウォータポンプ68の吸入口66に接続されている。水停止機構72は、合流部71から還流水路74への冷却水の流出を、ひいては合流部71から吸入口66への冷却水の還流を遮断することで、各ウォータジャケット63A,63B,63Cを通る冷却水の循環を停止させる。ちなみに、こうした冷却水回路では、還流水路74が、吸入口66に繋がる水路となる。
こうした冷却水回路では、各ウォータジャケット63A,63B,63Cの下流側が、水停止機構72よりも上流側の合流部71において互いに連通しており、水停止制御中のウォータポンプ68の各吐出口67A,67B,67Cの間に、ウォータジャケット63A,63B,63Cを通って冷却水が流通可能な経路ができる。そのため、この冷却水回路も、上述したような水停止制御中の冷却水の循環が発生し得る構造となっている。
本実施形態のエンジン冷却装置では、そうした冷却水回路に、上記3個の連結水路69A,69B,69Cの各々を、ウォータポンプ68の吸入口66にそれぞれ連通する連通水路75A,75B,75Cが設けられている。各連通水路75A,75B,75Cの吸入口66側の端は、還流水路74におけるラジエータ73よりも下流側の部分に接続されている。これらの連通水路75A,75B,75Cは、第1実施形態のエンジン冷却装置に設けられた連通水路30F,30Sと同様に機能して、水停止制御中の冷却水の循環の発生を抑制し、その発生に伴うエンジンの暖機促進効果の低下を抑える。
10,60…エンジン、10F,10S…燃焼室、13F,13S,63A,63B,63C…ウォータジャケット、16,68…ウォータポンプ、17,66…吸入口、18F,18S,67A,67B,67C…吐出口、19F,19S,69A,69B,69C…連結水路、21,71…合流部、22…流量制御弁(水停止機構)、24…ラジエータ水路(還流水路)、26…ヒータ水路(還流水路)、27…バイパス水路(還流水路)、29…カバー内水路(吸入口に繋がる水路)、30F,30S,75A,75B,75C…連通水路、31F,31S…取出口、33…チェーンカバー、42…クランクシャフト(エンジン出力軸)、72…水停止機構、74…還流水路。
特開2013−234605号公報
なお、上述のようにポンプ室37は、両バンクの中央よりも第2バンク寄りの位置に設けられている。一方、エンジン10において、両バンクのウォータジャケット13F,13Sの流入口14F,14Sは、左右対称となる位置に設けられている。そのため、第2バンク側の連結水路19Sは、第1バンク側の連結水路19Fよりも短くなっている。なお、両連結水路19F,19Sの水路長が異なれば、両連結水路19F,19Sを通過する際の冷却水の圧力損失に違いが生じて、両ウォータジャケット13F,13Sの冷却水の流量に差が生じる虞がある。このエンジン冷却装置では、第1バンク側の吐出口18Fの開口面積を第2バンク側の吐出口18Sよりも広くするとともに、第1バンク側の連結水路19Fの水路断面積を第2バンク側の連結水路19Sよりも広くすることで、両連結水路19F,19Sを通過する際の冷却水の圧力損失が同じとなるようにしている。もちろん、連結水路19F,19Sの水路断面積は同じとして、吐出口18F,18Sの開口面積だけを異ならせたり、吐出口18F,18Sの開口面積は同じとして、連結水路19F,19Sの水路断面積だけを異ならせたりすることでも、両連結水路19F,19Sを通過する際の冷却水の圧力損失を揃えることは可能である。
すなわち、ウォータポンプの吐出圧は脈動しており、その脈動は、各連通水路にも伝播する。図5(a)に示すように、吸入口に繋がる水路Xに対しての、2個の連通水路Y1,Y1の取込口y1,y2が互いに正対する位置に設けられている場合、一方の連通水路Y1(Y2)の脈動が他方の連通水路Y2(Y1)に直接伝播されてしまう。そして、両連通水路Y1,Y2の内部で脈動同士が干渉して、内圧の変動が増大するため、両連通水路Y1,Y2を通じた冷却水の還流が妨げられる。そのため、取込口y1,y2同士が正対する配置されている場合には、水停止制御中の冷却水循環の抑制効果が損なわれる虞がある。
・上記実施形態では、ウォータポンプ16や連結水路19F,19Sがチェーンカバー33に設けられていたが、それらをチェーンカバー33以外の部分に設けるようにしてもよい。例えば、ウォータポンプ16や連結水路19F,19Sをシリンダブロック11F,11Sに設けることも可能である。

Claims (7)

  1. 「N」を2以上の整数としたとき、
    エンジン出力軸の回転により駆動されて、吸入口から吸入した冷却水をN個の吐出口から吐出する機械式のウォータポンプと、
    燃焼室の周囲を通って冷却水を流すエンジン内の水路であって、前記N個の吐出口のそれぞれに対応するN個のウォータジャケットと、
    前記ウォータポンプの前記吐出口の各々を、対応する前記ウォータジャケットにそれぞれ連結するN個の連結水路と、
    前記N個のウォータジャケットのそれぞれを通過した冷却水が合流する合流部と、
    前記合流部で合流した冷却水を前記ウォータポンプの前記吸入口に還流する還流水路と、
    前記還流水路を通じた冷却水の環流を遮断する水停止機構と、
    前記N個の連結水路の各々を、前記N個のウォータジャケット及び前記水停止機構を通ることなく前記吸入口にそれぞれ連通させるN個の連通水路と、
    を備えることを特徴とするエンジン冷却装置。
  2. 前記N個の連通水路のそれぞれは、前記吸入口に繋がる水路にて合流し、且つ同水路における前記連通水路からの冷却水の取込口が、他の連通水路の取込口のいずれとも正対しないように設けられている
    請求項1に記載のエンジン冷却装置。
  3. 前記連結水路から前記連通水路を通って前記吸入口に還流する際の冷却水の圧力損失は、前記N個の連通水路のすべてにおいて同じとされている
    請求項1又は2に記載のエンジン冷却装置。
  4. 前記連通水路を構成する配管の長さ及び内径が前記N個の連通水路のすべてにおいて同じとされている
    請求項1〜3のいずれか1項に記載のエンジン冷却装置。
  5. 前記連結水路から前記連通水路を通って前記吸入口に還流する際の冷却水の圧力損失は、同連結水路から前記ウォータジャケットを通った後、前記還流水路を通って前記吸入口に還流する際の冷却水の圧力損失よりも大きくされている
    請求項1〜4のいずれか1項に記載のエンジン冷却装置。
  6. 前記ウォータポンプと、前記N個の連結水路と、前記吸入口に接続されたカバー内水路と、がチェーンカバーに設けられ、
    前記N個の連結水路のそれぞれを前記カバー内水路に接続するホースにより前記N個の連通水路が構成されている
    請求項1〜5のいずれか1項に記載のエンジン冷却装置。
  7. 当該エンジン冷却装置は、2個のバンクを有するV型エンジンに適用され、前記N個のウォータジャケットは、前記2個のバンクにそれぞれ設けられた2個のウォータジャケットである
    請求項1〜6のいずれか1項に記載のエンジン冷却装置。
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