JP2017137480A - 滑り止め用シート - Google Patents

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正一郎 河野
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Abstract

【課題】 乾燥環境下はもとより、水濡れ環境下でも十分な滑り止め機能を有し、手足や身体による接触感が良好で、浴槽内や床面、傾斜する机面での敷設状態を安定させることができる滑り止め用シートを提供する。
【解決手段】 軟質樹脂と微小中空球体とが構成成分であって、スライス面に該微小中空球体由来の微小凹構造を有する、アスカーC硬度が20〜100である滑り止め用シート;軟質樹脂と微小中空球体との重量比[軟質樹脂/微小中空球体]が80/20〜99/1であることが好ましい。
【選択図】 なし

Description

本発明は滑り止め用シートに関する。詳しくは表面が微小中空球体(s)に起因する微小凹構造を有する滑り止め用シートに関する。
従来から、たとえば、水濡れしたステンレス製の調理台上でまな板が滑るという問題、水を張った浴槽内での転倒事故問題など、「滑る」ことによる弊害が多くある。
これに対して、一般的には滑り止め材として粘着性のゴムや、コルク板などが使用され、このほかにゴム状弾性材料により形成され表面に凹凸構造を有する滑り止めシート(たとえば、特許文献1)、シート表面に、連続気泡の表面微細凹凸となった薄い発泡ゴム層を形成し、この発泡ゴム層により、載置物との間の接触抵抗を高めるようにした滑り止めシート(たとえば、特許文献2)などが開発されている。
特開2001−181408号公報 特開昭62−178337号公報
しかしながら、粘着性のゴムは、樹脂が対象物に粘着してべとつきの原因となり、埃等が付着して粘着力が低下しやすく、コルクは素材自身がもろいので耐久性が小さい。
また、ゴム状弾性材料を使用して滑り止めに凸凹パターンを使用する場合には、その形状を金型等で成形しているので、形状の大きさは数mm以上と大きくなってしまい、例えばシートに手や身体の一部で触れたり乗ったりする場合に凸凹感や痛みがかんじられて触感が悪く、連続気泡の表面微小凹凸となった薄い発泡ゴム層の場合には、十分な滑り止めの効果があるとはいえなかった。
本発明の目的は、乾燥環境下はもとより、水濡れ環境下でも十分な滑り止め機能を有し、手足や身体による接触感が良好で、浴槽内や床面、傾斜する机面での敷設状態を安定させることができる滑り止め用シートを提供することである。
本発明者らは、上記の課題に鑑み、鋭意研究の結果、本発明に至った。
すなわち、本発明は、軟質樹脂(A)と微小中空球体(s)とが構成成分であって、スライス面に該(s)由来の微小凹構造(α)を有する、アスカーC硬度が20〜100である滑り止め用シート(X)である。
本発明の滑り止め用シート(X)は、以下の効果を奏する。
(1)乾燥環境下はもとより、水濡れ環境下でも十分な滑り止め性能を有する。
(2)接触感が良好である。
[軟質樹脂(A)]
本発明における軟質樹脂(A)は、応力により変形する軟質の樹脂であり、以下の(A1)〜(A3)が挙げられる。これらは単独使用しても、2種以上を併用してもよい。
軟質樹脂(A)としては、軟質塩化ビニル樹脂、スチレン−ブタジエンブロック共重合体、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体、およびスチレン−(エチレン−ブチレン)−スチレンブロック共重合体等のスチレン(共)重合体(A1);
アルキル(メタ)アクリレートを主成分としたスチレン−アルキル(メタ)アクリレート−アクリロニトリル共重合体、ポリオルガノシロキサンとアルキル(メタ)アクリレートからなる複合ゴムにビニル単量体がグラフト重合したグラフト共重合体、高ゴム含量のアクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、高ゴム含量アクリロニトリル−アクリレート−スチレン共重合体、高ゴム含量のアクリロニトリル−エチレン−ブテン−スチレン共重合体、シリコーン樹脂、アクリル変性シリコーン樹脂、低密度ポリエチレン−メチルメタクリレートグラフト共重合体、(エチレン−エチルアクリレート)−メチルメタクリレートグラフト共重合体、低密度ポリエチレン−グリシジルメタクリレートグラフト共重合体、ポリエステル−ポリエステルブロック共重合体、ポリエステル−ポリエーテルブロック共重合体、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−α−オレフィン共重合体、プロピレン−α−オレフィン共重合体、酸基含有エチレン−プロピレン共重合体、エポキシ基含有エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−メチルメタクリレート共重合体等の前記(A1)以外のビニル(共)重合体(A2);
ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、アルキッド樹脂、シリコーン樹脂等の前記(A1)、(A2)以外の樹脂(A3)が挙げられる。
上記(A)のうち、滑り止め性能、接触感の観点から、好ましいのは(A3)、さらに好ましいのはポリウレタン樹脂である。
また、ポリウレタン樹脂は、後述の微小中空球体(s)を後述の滑り止め用シートの構成成分とする観点、樹脂の硬度、シートの加工のし易さの観点からも好ましい。
[微小中空球体(s)]
本発明における微小中空球体(s)は、熱硬化性樹脂(ポリメチルメタクリレート、ポリアクリロニトリル等)からなる微小中空球体(s1)、熱可塑性樹脂(フェノール樹脂、尿素樹脂等)からなる微小中空球体(s2)、無機化合物(ガラス、アルミナシリケート、セラミックス、カーボン等)からなる微小中空球体(s3)、熱硬化性樹脂および/または熱可塑性樹脂からなる微小中空球体に、表面に無機フィラー(例えば、炭酸カルシウム等)の被覆をした微小中空球体(s4)が挙げられる。
上記(s)のうち、滑り止め性能、触感の観点から、好ましいのは(s1)、(s2)、(s4)であり、さらに好ましいのは(s4)である。
なお、上記(s)は単独使用しても、2種以上を併用してもよい。
このような微小中空球体(s)の市場から入手できる具体例としては、マツモトマイクロスフェアーF−80ED、MFLシリーズ(松本油脂製薬社製)、エクスパンセル920DEシリーズ(日本フィライト社製)、EMCシリーズ(日本フィライト社製)、フェノリックマイクロバルーンBJO−0930(ユニオンカーバイド社製)等が挙げられる。
後述の滑り止め用シート(X)の滑り止め性能および(X)の接触感の観点から、(s)の体積平均粒径は、好ましくは10〜200μm、さらに好ましくは20〜150μmである。また、(s)の真比重は、好ましくは0.01〜0.3、さらに好ましくは0.05〜0.2である。
[滑り止め用シート(X)]
本発明の滑り止め用シート(X)は、前記軟質樹脂(A)と前記微小中空球体(s)とが構成成分であって、スライス面に該(s)由来の微小凹構造(α)を有する、アスカーC硬度が20〜100、好ましくは25〜95である滑り止め用シートである。
該(s)由来の微小凹構造(α)は、スライス前にスライス面に存在した(s)がスライスされ、中空部分がスライス面に開口している。
また、アスカーC硬度は、例えば、軟質樹脂(A)の硬度、微小中空球体(s)の種類、量により適宜調整できる。
前記微小凹構造(α)の数平均径は、滑り止め性能および接触感の観点から、好ましくは5〜200μm、さらに好ましくは10〜150μm、とくに好ましくは25〜100μmである。
また、微小凹構造(α)の数はスライス面1cm当たり、滑り止め性能、接触感の観点から、好ましくは500〜200,000個/cm、さらに好ましくは2,000〜150,000個/cm、とくに好ましくは8,000〜100,000個/cmである。
なお、微小凹構造(α)の数平均径と数は、顕微鏡による拡大画像を、画像解析して算出することができる。
なお、後述の実施例における微小凹構造(α)の数平均径、微小凹構造(α)の数は上記方法にしたがった。
滑り止め用シート(X)は、軟質樹脂(A)と微小中空球体(s)とを構成成分とする樹脂組成物を、例えば、成形して成形物として、スライス(切断)することで製造できる。
軟質樹脂(A)と微小中空球体(s)との重量比[(A)/(s)]は、接触感および滑り止め性能の観点から、好ましくは80/20〜99/1、さらに好ましくは90/10〜98/2である。
以下において、(A)がポリウレタン樹脂の場合について、詳述するが、(A)が他の樹脂の場合についても、同様である。
軟質樹脂(A)が、ポリウレタン樹脂の場合、前記樹脂組成物は、例えば以下の方法で製造できる。
(i)溶融したポリウレタン樹脂と、微小中空球体(s)と混合・分散後、冷却して樹脂組成物を得る。
(ii)ポリウレタン樹脂の原料であるポリオール(a)および/またはイソシアネート(c)と、(s)とを予め混合・分散させて、ポリオール(a)の成分とイソシアネート(c)の成分とを反応させて樹脂組成物を得る。
上記(i)、(ii)のうち、滑り止め性能と工業上の観点から、好ましいのは(ii)である。
[ポリオール(a)]
ポリオール(a)としては、公知のポリオールが使用できる。例えば、ポリオール化合物は2個または2個以上の活性ヒドロキシル基を有する化合物であり、2〜8価またはそれ以上の水酸基含有化合物である。常温(25℃)で液状であることが好ましい。
ポリオール(a)は、以下の(a1)〜(a3)が挙げられる。
ポリエーテルポリオール(a1)の具体例としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、トリエチレングリコール、ネオペンチルグリコールなどの多価アルコール;ピロガロール、ハイドロキノンなどの多価フェノール;ビスフェノールA、ビスフェノールS、ビスフェノールF、などのビスフェノール類;アルキレンジアミン(エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンなど)、ポリアルキレンポリアミン(ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミンなど)、アルカノールアミン(モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンなど)などの脂肪族アミン;アニリン、フェニレンジアミン、キシリレンジアミン、p−ジフェニルジアミン、メチレンビスフェニレンジアミン、メチレンビスーオルトクロロフェニレンジアミンなどの芳香族アミン;イソホロンジアミン、シクロヘキシレンジアミンなどの脂環式アミン;アミノエチルピペラジンなどの複素脂環式アミンなど;およびこれらの活性水素化合物にアルキレンオキサイド(AO)(アルキレンオキサイドの炭素数2〜4)を付加した化合物などが挙げられる。
ポリエステルポリオール(a2)の具体例としては、多価アルコール(前記の2価アルコールおよびトリメチロールプロパン、グリセリンなど)と多塩基酸(コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、マレイン酸、ダイマー酸などの脂肪族ポリカルボン酸、フタル酸、テレフタル酸、ダイマー酸、トリメリット酸などの芳香族ポリカルボン酸など)とを反応させて得られる縮合ポリエステルポリオール、ε−カプロラクトンなどのラクトンを開環重合して得られるポリラクトンポリオールなどが挙げられる。これらのポリエステルポリオールは2種以上を併用してもよい。これらのうちで好ましいものは、2価アルコール(エチレングリコール、ジエチレングリコールおよび1,4−ブタンジオールの1種以上)とフタル酸とを縮合反応して得られるポリエステルポリオールである。
その他ポリオール(a3)としては、ひまし油又はひまし油誘導体、ポリブタジエンポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリエーテルエステルポリオールなどが挙げられる。
上記(a)のうち、好ましいのは(a1)、(a3)、さらに好ましいのは多価アルコールのアルキレンオキサイドを付加した化合物、ひまし油である。
なお、(a)は1種単独使用でも、2種以上を併用してもよい。
[イソシアネート(c)]
イソシアネート(c)としては、ポリウレタンの製造に用いるものであればよい。これらのイソシアネートは、単独でも複数を併用してもよく、それらのヌレート変性、プレポリマー変性、ウレトジオン変性などの変性をした変性体を用いてもよく、複数のポリイソシアネートや変性体をそれぞれ併用してもよい。
イソシアネート(c)としては、具体的には、2,4−または2,6−トルエンジイソシアネート(TDI)、粗製TDI、ジフェニルメタン−2,4’−または4,4’−ジイソシアネート(MDI)、ポリメチレンポリフェニルイソシアネート(粗製MDI)、ナフチレン−1,5−ジイソシアネート(NDI)の芳香族ポリイソシアネート;1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、1,4−シクロヘキシルジイソシアネートなどの脂肪族ポリイソシアネート;イソホロンジイソシアネート(IPDI)、1,4−シクロヘキシルジイソシアネートなどの脂環式ポリイソシアネート;およびこれらの変性物(例えば、カルボジイミド変性、アロファネート変性、ウレア変性、ビューレット変性、イソシアヌアレート変性、オキサゾリドン変性など)、イソシアネート基末端プレポリマーなどが挙げられる。変性ポリイソシアネートの具体例としては、カルボジイミド変性MDI、ショ糖変性TDI、ひまし油変性MDIなどが挙げられる。
これらのうちで好ましいものは、MDI、TDI、IPDI、カルボジイミド変性MDIおよびショ糖変性TDIおよびそれらのプレポリマーである。
ウレタン樹脂の製造法も限定されず、イソシアネートとポリオールの直接反応で製造しても、一旦イソシアネート基末端ウレタンプレポリマーを製造しておいて、そのイソシアネート基末端ウレタンプレポリマーにポリオールを反応させて製造してもよい。
ウレタン樹脂の製造法の具体的な一例を示せば、下記の通りである。まず、ポリオール(a)に、必要に応じてウレタン化触媒、消泡剤、乾燥剤、添加剤、微小中空体、などの各種添加剤を配合し、ポリオール配合液を作成する。
同時に、イソシアネート(c)に必要に応じて添加剤などを配合してイソシアネート配合液とする。
次いで混合装置または発泡装置を使用し、ポリオール配合液とポリイソシアネート配合液とを混合する。得られた混合液を所定の容器(金型)にいれ、反応、硬化後、取り出して軟質樹脂(A)であるウレタン樹脂と微小中空球体(s)を構成成分とするウレタン樹脂成形物を得る。
ウレタン化触媒としては、ウレタン化反応を促進する公知のウレタン化触媒が使用でき、たとえば、トリエチレンジアミン、ビス(N,N−ジメチルアミノ−2−エチル)エーテル、N,N,N’,N’−テトラメチルヘキサメチレンジアミン、N,N−ジメチルアミノプロピルアミンのPO付加物などの3級アミンおよびそのカルボン酸塩、酢酸カリウム、オクチル酸カリウム、スタナスオクトエート等のカルボン酸金属塩、ジブチルチンジラウレートなどの有機金属化合物が挙げられる。
ウレタン化反応の反応条件は特に制限されず、公知の条件が適用される。ポリウレタン樹脂の製造に際してのイソシアネート指数[(NCO基/活性水素原子含有基)の当量比×100](NCOインデックス)は、好ましくは70〜125、さらに好ましくは75〜120、とくに好ましくは85〜115である。
ポリウレタン樹脂成形物の比重は、例えば0.1〜3.0、好ましくは0.3〜2.5である。
また、シートの硬さや風合いを改良するためにウレタン樹脂を製造する場合に、添加剤として、種々の軟化剤、無機や有機の補強剤、充てん剤、あるいは日光や熱などによる老化を防止するための老化防止剤、加工性を改良するための種々の油や滑剤、染料や顔料のような着色剤、抗菌剤、防かび剤などを添加してもよい。
軟化剤としては、たとえば、鉱物油、植物油、動物油などが、無機の補強剤や充てん剤としては、たとえば上記の比重を向上させるもの以外のクレー、炭酸マグネシウム、水和シリカ、炭酸カルシウム、カーボンブラックなど、有機の補強剤や充てん剤としては、例えば各種の木粉、おが粉、セルロース粉末、プラスチック粉末などが用いられる。
次に冷却して得られるウレタン樹脂成形物を所望の厚さにスライスし、所望の大きさに裁断して、本発明の滑り止め用シート(X)を得るが、スライス、裁断の方法などについては特に限定されるものではない。
スライスは、ゴムや皮革などをスライスする装置が適用できる。移動テーブルもしくはコンベアー上に軟質樹脂材料を載せて、水平回転する刃物(バンドナイフ / 鋸)により水平方向にスライス裁断加工によって製造できる。
シートの厚さも用途によって異なるが、好ましくは1〜50mm、さらに好ましくは2〜40mmである。厚さが厚くなるとマット状となるが、表面に微小凹構造を有し、そこに接するものは滑りにくくなり、同様な効果を奏するので、厚さだけマット状であっても本発明のシートに含めるものとする。
スライスすることによって、主に微小中空球体(s)がスライサーの刃により切断された開口球体構造(微小凹部)が生じる。これらの微小凹部は主として単独孔であり、前記微小凹構造(α)となる。
また、本発明の滑り止め用シート(X)は水中に沈むシートとすることができるが、確実に速くしかも安定して沈ませるには、該シートの比重をより大きくする必要がある。水中に速く安定的に沈降させることが可能な好ましい比重としては、シートの比重を1.1以上2.4以下に調整することである。比重がこの範囲にあるシートであれば、浴槽用マットとしても、より好適である。
シートの比重を上げる方法としては、特に限定されないが、たとえば、高比重の無機粒子の添加が挙げられ、具体例としては、金、銀、鉛、タングステン、バリウム塩、カルシウム塩、タルクなどが挙げられ、特に好ましくは、人体に対する人体への安全性、価格競争力、高比重である観点で、バリウム塩、カルシウム塩、及びタルクを上記の軟質樹脂と微小中空球体(s)の混合物配合にすることが好ましい。
高比重の無機粒子の配合量は、シートの比重を1.1以上2.4以下にすることができれば特に限定されないが、樹脂への混合時に高粘度になると混合か困難になることから、配合量は、軟質樹脂の重量に基づいて、好ましくは1〜90重量%、さらに好ましくは5〜70重量%である。
本発明の滑り止め用シート(X)は、スライス面に該微小中空球体(s)由来の微小凹構造(α)を有するので、身体への良好な感触(接触感)が得られると共に滑り止め効果が向上し、乾燥環境下はもとより、水濡れ環境下でも十分な滑り止め性能を有する。
これは、仮説ではあるが、前記微小凹構造(α)が、吸盤としての機能を有するためと推定される。
本発明の滑り止め用シートは、浴槽内マット、浴室の床マット、調理場のマット、自動車のシート、嵩崩れ防止のための梱包用シート、マグネット付きフックの一部分、ゴルフ用手袋や卓球、テニスラケット、ゴルフクラブのグリップ、印鑑押印用マット、ハンガー取付け端の崩れ防止材、スカートやズボンのハンガーの内張り、階段の滑り止め材、指サックの代用品、シーツや絨毯のズレ防止材、靴底滑り止め材、シリコンウェハーの研磨材料部品などの多様な用途に供されるが、これらに限定されない。
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。部は重量部を示す。
実施例および比較例に使用したポリウレタン樹脂原料は以下の通りである。
ポリオール(a−1):
平均官能基数2.0、数平均分子量1000、
水酸基価112であるエチレングリコールのPO付加物。
ポリオール(a−2):
平均官能基数2.0、数平均分子量2000、
水酸基価56であるエチレングリコールのPO付加物。
ポリオール(a−3):
平均官能基数2.7、数平均分子量950、
水酸基価約160の精製ひまし油[伊藤製油社製ひまし油 SL]
ポリオール(a−4):
平均官能基数2.0、数平均分子量2000、
水酸基価56であるビスフェノールAのPO付加物
ウレタン化触媒(E−1):
日東化成社製「ネオスタン U−600」
微小中空球体(s−1):
体積平均粒径110μmのアクリル樹脂中空球体の表面を炭酸カルシウムで被覆した
マイクロバルーン、松本油脂製薬社製
「マツモトマイクロスフィアーMFL−110CAL」、真比重0.08
微小中空球体(s−2):
体積平均粒径60μmのアクリル樹脂中空球体の表面を炭酸カルシウムで被覆した
マイクロバルーン、松本油脂製薬社製
「マツモトマイクロスフィアーMFL−100MCA」、真比重0.12
無機粉体(h−1):
体積平均粒径1.8μmの炭酸カルシウム、白石カルシウム(株)製
「ホワイトンSB赤」真比重2.7
無機粉体(h−2):
体積平均粒径12μmの沈降性硫酸バリウム、
堺化学工業(株)製「BMH−100」、真比重4.5
脱水剤:
ユニオン昭和社製「モレキュラーシーブ3A−Bパウダー」
イソシアネート(b−1):
カルボジイミド変性ジフェニルメタンジイソシアネート。
トーソー(株)製、「コロネートMX」イソシアネート基含有率28.7重量%
イソシアネ−ト(b−2):
イソホロンジイソシアネート「VESTANAT IPDI」、EVONIC社製、
イソシアネート基含有率37.6重量%
<実施例1〜8、比較例1>
真空ハードミキサー[日本ソセー工業社製、UVR−20L]を用いて、表1にしたがってポリオール配合液を作成した。そのポリオール配合液と、イソシアネートとを表1にしたがって、15分間減圧下で混合した。
その混合液をタテ500mm×ヨコ500mm×高さ100mmの大きさの金型内に投入した後、硬化炉にて110℃にて10時間硬化させることによりポリウレタン樹脂成形物を得た。
得られたポリウレタン樹脂成形物を、下記に示す評価方法により、各滑り止め用シートを作成して、評価を行った。結果を表1に示した。
<比較例2>
メカニカルフロス発泡機を用いて、表1に示す重量部のポリオールとポリイソシアネートを当該成型品の比重が1.3になるように窒素と共に連続的に混合し、混合物を吐出した。
このときのメカニカルフロスヘッドの回転数は300RPM、窒素流量は1.0L/分であった。ポリオール成分配合液とイソシアネート配合液との送液比[NCO/OH当量比]は、1.05/1とし、送液速度は1L/分で行った。ミキサー部で混合された液は連続的に吐出口から供給されるため、予め吐出口に、金属製の金型を取り付け、供給されてきた混合液を受けた。受けた混合液を、硬化炉にて、110℃にて10時間硬化させることによりポリウレタン樹脂成形物を得た。
得られたポリウレタン樹脂成形物を、下記に示す評価方法により、滑り止め用シートを作成して、評価を行った。結果を表1に示す。
<比較例3>
市販の滑り止めシート(合成樹脂製)を購入して評価した(比X−3)。
<評価方法>
(1)乾燥摩擦力(単位:N):
作成した成形物をスライサー(独FOTUNA社製AN400D)にて2mmの厚さのシートにスライスして、滑り止め用シートを得た。
シート上に、底面積100cmで、底面が鉄である重量が2kgに調整された測定用重り(縦10cm、横10cm、高さ10cmの鉄製の升の中に砂を入れて重量を2kgに調整した物)を乗せて、プッシュプルゲージにて測定用重りの側面を押し、測定用重りが動き出すのに掛かる力を乾燥摩擦力とした。
(2)湿潤摩擦力(単位:N):
作成した成形物をスライサー(独FOTUNA社製AN400D)にて2mmの厚さのシートにスライスして、滑り止め用シートを得た。
得られたシートの上に1ccの水を垂らし、シート上の水滴の上に、底面積100cmで、底面が鉄である重量が2kgに調整された測定用重り(縦10cm、横10cm、高さ10cmの鉄製の升の中に砂を入れて重量を2kgに調整した物)を乗せて、プッシュプルゲージにて測定用重りの側面を押し、測定用重りが動き出すのに掛かる力を湿潤摩擦力とした。
(3)接触感:
スライサー(独FOTUNA社製AN400D)で2mmの厚さにスライスして、滑り止め用シートを得た。シートを床の上に置き、評価者10人にその上に素足で乗ってもらい、シート表面の接触感について「良い」と感じた人数を接触感の評価とした。
(4)アスカーC硬度:
上記(3)のスライスした厚さ2mmの滑り止め用シートについて、自動硬度計(高分子計器社製PX−100、加重1Kg)を用い、加重5分後の硬度を測定した。
(5)比重:
上記(3)のスライスした厚さ2mmの滑り止め用シートから、2cm×2cmの正方形シートを切り出し、水中置換法にて測定を行った。
Figure 2017137480
表1の結果から、本発明の滑り止め用シートは、比較のものと比べて、乾燥摩擦力が大であり、湿潤摩擦力が大であることから、乾燥下と水濡れ環境下での滑り止め性能に優れ、かつ接触感についても良好であることがわかる。
本発明の滑り止め用シートは、滑り止め性能と接触感とに優れることから、浴槽内マット、浴室の床マット、調理場のマット、自動車のシート、嵩崩れ防止のための梱包用シート、マグネット付きフックの一部分、ゴルフ用手袋や卓球、テニスラケット、ゴルフクラブのグリップ、印鑑押印用マット、ハンガー取付け端の崩れ防止材、スカートやズボンのハンガーの内張り、階段の滑り止め材、指サックの代用品、シーツや絨毯のズレ防止材、靴底滑り止め材、シリコンウェハーの研磨材料部品などの種々の用途に好適に使用できる。

Claims (7)

  1. 軟質樹脂(A)と微小中空球体(s)とが構成成分であって、スライス面に該(s)由来の微小凹構造(α)を有する、アスカーC硬度が20〜100である滑り止め用シート(X)。
  2. 前記微小凹構造(α)の数平均径が5〜200μmである請求項1記載の滑り止め用シート。
  3. 前記微小凹構造(α)が、スライス面1cm当たり500〜200,000個/cmである請求項1または2記載の滑り止め用シート。
  4. 前記微小中空球体(s)の体積平均粒子径が10〜200μmである請求項1〜3のいずれか記載の滑り止め用シート。
  5. 軟質樹脂(A)がウレタン樹脂である請求項1〜4のいずれか記載の滑り止め用シート。
  6. 軟質樹脂(A)と微小中空球体(s)との重量比[(A)/(s)]が80/20〜99/1である請求項1〜5のいずれか記載の滑り止め用シート。
  7. 軟質樹脂(A)と微小中空球体(s)とを構成成分とする樹脂組成物の成形物をスライスする、アスカーC硬度が20〜100である滑り止め用シート(X)の製造方法。
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