JPWO2003101668A1 - 研磨材、及びそれを使用した研磨方法 - Google Patents
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Abstract
少なくとも、マトリックス樹脂原料として有機ポリイソシアネート、及び有機ポリオールと有機ポリアミンから選ばれた1種以上、並びに研磨粒子として水酸基を一定量有する粒子及び/又はコロイダルシリカ等を含む原料を重合反応により硬化させて得られた、マトリックス樹脂がウレタン結合及び/又はウレア結合を有する樹脂である研磨材を提供する。該研磨材は、環境に悪影響を与えることなく、被研磨物を長時間連続研磨することが可能である。
Description
技術分野
本発明は、研磨材、及びそれを使用した研磨方法に関し、さらに詳細には、少なくとも、(1)マトリックス樹脂原料として有機ポリイソシアネート、及び有機ポリオールと有機ポリアミンから選ばれた1種以上、並びに(2)研磨粒子として水酸基を有する粒子又はコロイダルシリカ等を含む原料を重合反応により硬化させて得られる研磨材、及びそれを使用した研磨方法に関する。
背景技術
従来より、不織布の研磨パッドと遊離砥粒を含む研磨液とを使用したCMP法(Chemical Mechanical Polishing:化学的機械的研磨法)は知られているが、近年、研磨加工コストの低減、及び研磨液の廃液処理問題から環境に配慮したCMP法が求められている。
上記遊離砥粒を含む研磨液を使用したCMP法では、使用された遊離砥粒(例えばシリカなど)の大部分が廃液中に排出されることになるので、簡便な廃液処理法を採用することができないという問題点があった。通常、研磨時の砥粒の磨耗による消費量は、砥粒全体の3〜4重量%程度であり、大部分の砥粒が研磨に直接寄与することなく無駄に消費されているのが実情である。従って、遊離砥粒を含む研磨液を使用したCMP法では、加工コストの低減や環境に配慮した対応を十分に行うことが困難であった。
このような背景から、遊離砥粒を含有する研磨液を使用せずに、研磨パッドに砥粒を含有させるCMP法の改良が検討されている。このCMP法の改良では、大部分の砥粒(例えばシリカなど)が研磨に寄与して磨耗消費されるので、研磨液の廃液中に排出される砥粒量を低減でき、従って、一度使用した研磨液をろ過してリサイクル使用することが可能となる。また、砥粒が無駄に消費されることがないので、研磨工程のランニングコストを大幅に低減することが期待できる。
しかしながら、従来の固定砥粒研磨パッドでは、自生発刃作用が発揮されないため、研磨効率(研磨レート)が比較的短時間で低下してしまい、長時間の連続研磨を行うことができないという問題があった。このため、研削(ドレッシング)による砥粒の目立てを頻繁におこなう必要があり、生産性の低下を招いていた。
例えば、特開平5−8178号公報には、フェルト状繊維質シートに線状の熱可塑性ポリウレタン樹脂を含浸、凝固させて得た複合基材に、該熱可塑性ポリウレタン樹脂よりも硬質の樹脂を含浸、加熱乾燥させた半導体ウエハー研磨用クロスが開示されている。かかる研磨クロスは目詰まりのために研磨能力が短期間で低下することはないが、それでもそのライフは好ましい態様でも60時間程度である。
また、特開平8−216034号公報には、硬度が50〜85である軟質ポリウレタン樹脂のマトリックス60〜90重量%と、前記マトリックスの中に分散され、シリカ、アルミナ、炭化ケイ素の群から選ばれる少なくとも1種の研磨砥粒10〜40重量%とから成る発泡倍率1.5〜5.0の研磨材が開示されている。この研磨材は、研磨後の半導体ウエハの表面平滑性に優れ、面ダレ現象も抑制できるが、長時間連続研磨することができないという問題点を有している。
更に、特開平11−204467号公報には、表面段差を有する半導体基板表面に対して機械的研磨を行う研磨パッドと、前記半導体基板表面に対して化学的研磨を行う溶液を供給する装置を有する装置において、前記半導体基板より硬度の高い粒子が配合されている半導体製造装置が開示されている。該研磨パッドの原材料としてウレタンにシリカ粒子を混和して成形したものが開示されている。該装置を用いると被処理基板上に形成された絶縁膜の研磨速度や研磨量を、被処理基板全面で均一にすることができ、過度な研磨スラリの供給が不要になるという特徴はあるものの、やはり長時間連続研磨することができず、定期的に研削(ドレッシング)を行わなければならないという問題点がある。
このような事情から、長時間に渡る連続研磨を行う場合には、遊離砥粒を含む研磨液を使用して被研磨物を研磨しなければならなかった。
一般に、化合物半導体ウエハ等を研磨する際に研磨材に要求される性能として、長時間の連続研磨のほかに、更に研磨後の被研磨物の表面平滑性が高精度であること、研磨速度の速いこと、及び面ダレ現象(研磨面の周辺部が中心部よりも薄くなること)を起こさないことも必要とされる。
更に、凹凸のある被研磨材の表面に適合させるには研磨材のマトリックス樹脂は弾力性に富む材料で形成されることも必要である。
発明の開示
従って、本発明の目的は、長時間連続して研磨することが可能であり、かつ研磨速度が速く被研磨物の表面平滑性は高精度で、面ダレ現象を起こさない、研磨材、及び該研磨材を使用した固定砥粒研磨パッドを提供することにある。
本発明の他の目的は、上記研磨材を使用した被研磨物の研磨方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために種々検討した結果、研磨材の原料に少なくとも、(1)マトリックス樹脂原料として有機ポリイソシアネート、及び有機ポリオールと有機ポリアミンから選ばれた1種以上、並びに(2)研磨材料粒子を含む原料を重合反応により硬化させて得られる研磨材に、研磨粒子として水酸基を有する粒子又はコロイダルシリカ等を使用することにより、長時間連続して研磨することが可能であり、かつ研磨速度が速く被研磨物の表面平滑性は高精度で、面ダレ現象を起こさない研磨材が得られることを見出し本発明を完成させた。
すなわち、本発明の第1の態様によれば、少なくとも、(1)マトリックス樹脂原料として有機ポリイソシアネート(成分A)、及び有機ポリオール(成分B)と有機ポリアミン(成分C)から選ばれた1種以上、並びに(2)研磨粒子(成分E)を含む原料を重合反応により硬化させて得られる研磨材であって、粒子(成分E)が、(a)該粒子中の水酸基量(中和滴定法による測定値、以下同じ)0.001mmol/g以上である粒子(成分E1)、及び/又は(b)フュームドシリカ、コロイダルシリカ、フュームドアルミナ、コロイダルアルミナ、ベーマイトとバイヤライトから選ばれた少なくとも1種類以上(成分E2)であることを特徴とする研磨材
が提供される。
本発明の第1の態様においては、
(1)マトリックス樹脂(樹脂F)が少なくともウレタン結合を有する樹脂であること、
(2)マトリックス樹脂原料が有機ポリイソシアネート(成分A)、有機ポリオール(成分B)及び有機ポリアミン(成分C)から選ばれた1種以上、並びに発泡剤(成分D)を含むこと、
(3)マトリックス樹脂原料が有機ポリイソシアネート(成分A)、有機ポリオール(成分B)と有機ポリアミン(成分C)から選ばれた1種以上、及び有機ポリカルボン酸(成分J)であること、
(4)マトリックス樹脂(樹脂F)がウレタン結合、ウレア結合、及びアミド結合のいずれか1種以上を有する樹脂であること、
(5)発泡倍率が1.1ないし5倍であること、
(6)粒子(成分E)が、コロイダルシリカであること
(7)粒子(成分E1)中の水酸基量が0.01ないし6mmol/gであること、
(8)粒子(成分E1)が水酸基を付与された、ダイヤモンド、立方晶窒化硼素、ジルコニア、セリア、酸化マンガン、酸化チタン、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、酸化マグネシウム、アルミナ−シリカ、及び炭化ケイ素から選ばれた1種以上であること、
(9)マトリックス樹脂(樹脂F)が研磨材中に60ない95重量%含まれること、
(10)研磨材が有機ポリイソシアネート化合物(成分A)、有機ポリオール(成分B)及び有機ポリアミン(成分C)から選ばれた1種以上、発泡剤(成分D)、触媒、及び粒子(成分E)を含む原料を重合反応により硬化させて得られた発泡体であること、
(11)研磨材が有機ポリオール(成分B)及び有機ポリアミン(成分C)から選ばれた1種以上、発泡剤(成分D)、触媒、及び粒子(成分E)からなる混合物に、有機ポリイソシアネート化合物(成分A)を加えて撹拌混合して重合反応により硬化・成形させて得られた発泡体であること、
(12)研磨材が有機ポリイソシアネート化合物(成分A)、発泡剤(成分D)、及び触媒からなる混合物に、有機ポリオール(成分B)及び有機ポリアミン(成分C)から選ばれた1種以上、並びに粒子(成分E)からなる混合物を加えて撹拌混合して重合反応により硬化・成形させて得られた発泡体であること、
が望ましい。
また、本発明の第2の態様によれば、少なくとも、マトリックス樹脂原料として有機ポリイソシアネート(成分A)、及び有機ポリオール(成分B)と有機ポリアミン(成分C)から選ばれた1種以上、並びに前記粒子(成分E)を含む原料を重合反応させて得られる、マトリックス樹脂(樹脂F)がウレタン結合を有する樹脂である研磨材を研磨テーブルに装着してなる固定砥粒研磨パッド(研磨パッドG)であって、固定砥粒研磨パッド(研磨パッドG)と被研磨物保持部との間で被研磨物を押圧し、固定砥粒研磨パッド(研磨パッドG)と前記被研磨物との間に研磨液(研磨液H)を供給しながら、前記被研磨物とのとの相対運動によって前記被研磨物を研磨するための固定砥粒研磨パッドが提供される。
本発明の第2の態様においては、
(1)固定砥粒研磨パッド(研磨パッドG)が中心点から円周方向に向かって放射状溝を有すること、
(2)固定砥粒研磨パッド(研磨パッドG)が格子状溝を有すること
が望ましい。
また、本発明の第3の態様によれば、前記研磨材からなる固定砥粒研磨パッド(研磨パッドG)を研磨テーブル上に装着し、固定砥粒研磨パッド(研磨パッドG)と被研磨物保持部との間で被研磨物を押圧し、固定砥粒研磨パッド(研磨パッドG)と前記被研磨物との間に研磨液(研磨液H)を供給しながら、固定砥粒研磨パッド(研磨パッドG)と前記被研磨物との相対運動によって被研磨物を研磨する方法であることを特徴とする被研磨物の研磨方法が提供される。
本発明の第3の態様においては、
(1)研磨液(研磨液H)がアルカリ水溶液であること、
(2)前記アルカリ水溶液がpH10以上であること
が望ましい。
本発明の研磨材を使用して被研磨物の研磨を長時間の連続研磨をおこなっても、研磨機能が低下することは殆どない。更に研磨粒子として配合した粒子(成分E)が重合反応後にマトリックス樹脂(樹脂F)中に分散して砥粒(砥粒I)として存在するが、この砥粒(砥粒I)も殆ど消耗しない。また研磨液の廃液中に砥粒(砥粒I)が排出される量も大幅に削減されるので、環境に悪影響を与えることなく簡易なろ過手段などにより研磨液をリサイクル使用することができる。
本発明の研磨材を使用して被研磨物の研磨を長時間連続して行うことのできる具体的なメカニズムについては明確にはされていないが、本発明の研磨材を重合反応により硬化・成形させる際に、有機ポリイソシアネート(成分A)の有するイソシアネート基(−CNO)と粒子(成分E)の有する水酸基との間で化学的結合力が発現するためと推定される。
すなわち、有機ポリイソシアネート(成分A)の有するイソシアネート基(−CNO)に、粒子(成分E)の有する水酸基の水素原子が活性水素として作用し、該活性水素原子は前期イソシアネート基(−CNO)の窒素原子に付加して、該水酸基の水素原子の抜けた酸素原子はイソシアネート基(−CNO)の炭素原子と結合して、[(マトリックス樹脂側)−NH−CO−O−(砥粒側)]の化学結合が生ずるためと推定される。
マトリックス樹脂(樹脂F)と砥粒(砥粒I)との間に化学結合が発現する結果、マトリックス樹脂(樹脂F)中に存在する砥粒(砥粒I)の脱落する量が大幅に減少し、長時間の連続研磨が可能になったと推定される。
従来の研磨材は、使用されていた粒子に水酸基が殆ど存在しないか、存在していても微量であったために、マトリックス樹脂中に砥粒粒子が単に物理的に保持された状態であったため、このような砥粒は研磨により相当部分が容易に脱落していたと推定される。
また、マトリックス樹脂(樹脂F)と砥粒(砥粒I)との境界面に化学結合力が発現することにより、研磨材の研磨面に存在する砥粒(砥粒I)部分だけでなく研磨材表面全体が加工面となるので、長時間の連続研磨でも研磨効率が低下しないものと考えられる。
これらのことにより、研磨材の自発刃作用が発揮されなくても長時間の連続研磨をおこなうことが可能となる。
[本発明の第1の態様]
本発明の研磨材は、少なくとも、マトリックス樹脂原料として有機ポリイソシアネート(成分A)、及び有機ポリオール(成分B)と有機ポリアミン(成分C)から選ばれた1種以上、並びに研磨粒子として前記粒子(成分E)を含む原料を重合反応により硬化させて得られた、マトリックス樹脂(樹脂F)がウレタン結合、及び/又はウレア結合を有する研磨材である。
また、マトリックス樹脂原料には、有機ポリイソシアネート(成分A)、有機ポリオール(成分B)及び有機ポリアミン(成分C)の他、必要に応じ発泡剤(成分D)、触媒、又は整泡剤を用いることもできる。
更に、研磨粒子材料として用いる粒子(成分E)には、特定量の水酸基を有する粒子、又は後述するコロイダルシリカ等のように水酸基を有するものでもよく、更に水酸基が付与されたジルコニア等であってもよい。
マトリックス樹脂原料の1つである有機ポリイソシアネート化合物(成分A)は、分子内に2つ以上のイソシアネート基を有する化合物であり、ポリウレタン樹脂を製造する際に通常用いられるポリイソシアネートを特に制限なく使用することが可能である。
この様な有機ポリイソシアネート化合物(成分A)として具体的には、トリレンジイソシアネート(TDI)、4,4−ジフェニルメタンジイソソアネート(MDI)、ポリメリックMDI、キシリレンジイソシアネート(XDI)、ナタチレンジイソシアネート(NDI)、パラフェニレンジイソシアネート(PPDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(HMDI)、インホロンジイソシアネート(IPDI)、リジンジイソシアネート(LDI)、トリジンジイソシアネート(TODI)、水添キシリレンジイソシアネート、更にこれらのポリイソシアネートの変性物、又はあらかじめ末端にイソシアネート基が残るようにポリオールと反応させたプレポリマー等が挙げられる。
有機ポリイソシアネート化合物(成分A)のNCO基の含有量は好ましくは20ないし48重量%、特に好ましくは20ないし40重量%、更に好ましくは25ないし38重量%である。この範囲で耐久性、耐摩耗性に優れる研磨材が得られる。
これらの有機ポリイソシアネート化合物(成分A)は、単独使用でも2種以上の併用でも良い。
これらの中でもトリレンジイソシアネート(TDI)、又は4,4−ジフェニルメタンジイソソアネート(MDI)が好ましい。
有機ポリオール(成分B)としては、分子内に2つ以上のヒドロキシル基を有する有機化合物であれば広く使用することができ、多価アルコール類、ポリエーテル系ポリオール、ポリエステルポリオール、ポリマーポリオール類が挙げられる。
有機ポリオール(成分B)の具体例として、エチレングレコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン、ビスフェノールA、水添ビスフェノールA、ヒドロキシピバリルヒドロキシピバレート、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、グリセリンもしくは、ヘキサントリオール等の多価アルコール類;ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシエチレン、ポリオキシテトレメチレングリコール、ポリオキシプロピレン、ポリオキシテトラメチレングリコールもしくは、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシテトラメチレングリコール等のポリエーテルグリコール類;上記の各種多価アルコール類とエチレンオキシド、プロピレンオキシド、テトラヒドロフラン、エチルグリシジルエーテル、プロピルグリシジルエーテル、ブチルグリシルエーテル、フェニルグリシジルエーテルまたはアリルグリシジルエーテル等との開環重合によって得られる変性ポリエーテルポリオール類;上記の各種多価アルコールの、1種以上と、コハク酸、マレイン酸、アジピン酸、グルタル酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、フタル酸、インフタル酸、テレフタル酸等の多価カルボン酸類との共縮合によって得られるポリエステルポリオール類;上記の各種多価アルコールの1種以上と、ε−カプロラクトン、δ−バレロラクトンもしくは3−メチル−δ−バレロラクトンの如き各種ラクトン類との重縮合反応によって得られるラクトン系ポリエステルポリオール類;ビスフェノールA型エポキシ化合物、水添ビスフェノールA型エポキシ化合物、一価および/または多価アルコールのグリシジルエーテルあるいは1塩基酸及び/または多塩基酸のグリシジルエステルの如き各種エポキシ化合物を、ポリエステルポリオール合成時に、1種以上併用して得られるエポキシ変性ポリエステルポリオール類;さらにはポリエステルポリアミドポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリブタジエンポリオール、ポリペンタジエンポリオール、ひまし油、ひまし油誘導体、水添ひまし油、水添ひまし油誘導体またはヒドロキシル基含有アクリル共重合体等が挙げられる。
上記有機ポリオール(成分B)としては、好ましいものは水酸基価が100ないし1800、特に好ましいものは200ないし1200である。
これらの有機ポリオール(成分B)は、単独使用でも2種以上の併用でも良い。
有機ポリイソシアネート化合物(成分A)と有機ポリオール(成分B)の配合割合は、官能基比率([活性水素含有化合物]/[イソシアネート])で0.8〜1.2、好ましくは1〜1.2の範囲である。
本発明においては、有機ポリオール(成分B)の一部または全部の代わりに、有機ポリアミン(成分C)を使用することもできる。使用可能なポリアミンとしては、ポリウレタン樹脂を製造する際に通常用いられる公知のジアミン、トリアミンまたはそれらの混合物が使用できるが、これらの代表的なものとしては、例えば1,2−エチレンジアミン、ビス−(3−アミノプロピル)−アミン、ヒドラジン、ヒドラジン−2−エタノール、ビス−(2−メチルアミノエチル)−メチルアミン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、3−アミノ−1−メチルアミノプロパン、N−メチル−ビス−(3−アミノプロピル)−アミン、テトラエチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、1−アミノエチル−1,2−エチレンジアミン、ビス−(N,N’−アミノエチル)−1,2−エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、フェニレンジアミン、トルイレンジアミン、2,4,6−トリアミノトルエントリハイドロクロライド、1,3,6−トリアミノナフタレン、イソフォロンジアミン、キシリレンジアミン、4,4’ジアミノジフェニルメタン、水添4,4’ジアミノジフェニルメタン、あるいは、これらポリアミンモノマーの誘導体等が挙げられる。
有機ポリアミン(成分C)のアミン価は、好ましくは56ないし560(mgKOH/g)、特に好ましくは80ないし400(mgKOH/g)である。この範囲で耐久性、及び研磨性能に優れた研磨材が得られる。
更に、本発明においては、前記有機ポリオール(成分B)及び/又は有機ポリアミン(成分C)の代わりに有機ポリカルボン酸(成分J)を用いることもできる。この場合、マトリックス樹脂(樹脂F)は、ウレタン結合、ウレア結合、及びアミド結合のいずれか1種以上を有する樹脂となる。
このような有機ポリカルボン酸(成分J)として、フタル酸などの芳香族カルボン酸、アジピン酸などの脂肪族カルボン酸が挙げられる。これらは硬化触媒の安定剤としても作用し、臭気のないものが好ましい。
また、有機ポリイソシアネート化合物(成分A)と有機ポリオール(成分B)及び有機ポリアミン(成分C)から選ばれた1種以上を反応させる際に使用できる発泡剤(成分D)として、水、トリクロロモノフルオロメタン、ジクロロジフルオロメタン、メチレンクロライド、トリクロロフルオロエタン、トリクロロエタンなどの1種または2種以上の混合物が挙げられる。
マトリックス樹脂(樹脂F)を成形する際の発泡倍率は1.1〜5倍であるのが好ましい。
この場合の発泡倍率とは、マトリックス樹脂原料と研磨粒子(成分E)が配合された原料に発泡剤(成分D)を配合することなく無発泡の硬化物を製造し、その重さと体積から計算した嵩密度をD1とし、同じ研磨粒子(成分E)が配合された原料に発泡剤(成分D)を配合して発泡させた硬化物を製造し、その重さと体積から計算した嵩密度をD2としたときに、D1/D2で示される値をいう。
発泡倍率が前記5.0を超える研磨材は、その気泡構造が粗であるため、研磨時における研磨速度は速くなるが、他方では被研磨物であるウエハ等の表面を粗らしてしまい、研磨後における被研磨物の表面平滑性を低下させる。
また、発泡倍率が1.1未満の場合には、その気泡構造は密であるため、ウエハ等の表面平滑性を高めるものの、研磨速度が遅く、研磨時の生産性は低下する。
有機ポリイソシアネート化合物(成分A)と有機ポリオール(成分B)等を反応させる際に使用可能な触媒としては、特に限定はなく、アミン系触媒や有機金属系触媒等を使用することができる。このような、アミン系触媒として、トリエチレンジアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリイソプロパノールアミン、トリブチルアミン、トリオクチルアミン、N−メチルモルホリン、N−エチルモルホリン等を挙げることができる。また、有機金属系触媒としては、オクチル酸錫、ラウリル酸錫、ジブチル錫ジラウレート等を挙げることができる。このうち、好ましいものはアミン系触媒である。
触媒の添加量は特に限定はないが通常、有機ポリイソシアネート化合物(成分A)と有機ポリオール(成分B)の合計量100重量部に対し0.01〜0.5重量部程度である。
整泡剤としては、従来から知られているオルガノシリコーン系界面活性剤が使用される。このようなオルガノシリコーン系界面活性剤としては、例えば、日本ユニカー(株)製のL−520、L−532、L−540、L−544、L−3550、L−5740S、L−5740M、L−6202等;トーレシリコーン(株)製のSH−190、SH−192、SH−193、SH−194、SRX−294、SRX−298等;信越シリコン(株)製のF−114、F−121、F−122、F−230、F−258、F−260B、F−317、F−341、F−601、F−606等を挙げることができる。
更に必要により、難燃剤、脱水剤、耐候剤等を原料組成物に添加使用することができる。
難燃剤としては水酸化アルミニウム、リン酸エステル類、メラミン、赤リン、膨張黒鉛等が例示でき、脱水剤としては、ケイ酸カルシウム、炭酸カルシウム、硫酸マグネシウム、合成ゼオライト等が例示でき、耐候剤としてはポリウレタン樹脂に通常用いられる紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤等が例示できる。
本発明で、研磨粒子(成分E)として、(a)水酸基量が0.001mmol/g以上の粒子(成分E1)、及び/又は(b)フュームドシリカ、コロイダルシリカ、フュームドアルミナ、コロイダルアルミナ、ベーマイト、及びバイヤライトのうちから選ばれた少なくとも1種類以上(成分E2)を使用することができる。
研磨粒子として前記粒子(成分E1)を使用する場合、水酸基を有する粒子(成分E1)の水酸基量は、下記の中和滴定法による水酸基量が0.001mmol/g以上である。水酸基量が0.001mmol/g以上であれば本発明の効果である、マトリックス樹脂(樹脂F)硬化後に該マトリックス樹脂(樹脂F)と砥粒(砥粒I)との間で化学的結合力を発現させることが可能となる。
また、前記水酸基量は、好ましくは0.01mmol/g以上、特に好ましくは0.05mmol/g以上である。
尚、粒子(成分E1)の水酸基量に特に上限値はないが、あまり多くなると粒子(成分E1)がマトリックス樹脂に被覆されてしまうおそれがあるので、水酸基量の増加に対応する効果は期待できない。粒子(成分E1)の水酸基量は、一般的に好ましくは、20mmol/g以下、特に好ましくは10mmol/g以下、更に好ましくは6mmol/g以下である。
研磨粒子(成分E)中の水酸基量の測定方法は、以下の方法による。すなわち、試料の粒子を2.00g秤量し(Wgとする)100mlの三角フラスコにいれ、0.05NのNaOH水溶液を80ml加え、ゴム栓で密栓し12時間撹拌しながら放置した。その後粒子と溶液を遠心分離機で分離し、この溶液から10mlをピペットに採り、0.05NのHCl水溶液で中和滴定した。その中和に要するHCl水溶液をAmlとする。尚、粒子を入れずに同様な操作をし、その中和に要するHCl水溶液をBmlとする。粒子の単位重量当たりのOH基の量(Xmmol/g)は次式によって算出される。
X=〔(B−A)×0.05×8〕/W
尚、上記水酸基量の測定値は、粒子(成分E)の比較的表面付近に存在する水酸基量の測定値である。本発明において、実際にマトリックス樹脂(樹脂F)との間で化学的結合力を発現させることが可能なのは、粒子(成分E)の比較的表面付近に存在する水酸基であるので上記測定方法を採用し、その測定値は便宜上、粒子(成分E)の水酸基量とする。
水酸基を有する粒子(成分E1)として具体的には、シリカ、アルミナ等の公知の無機系砥粒に使用されているものがすべて使用可能である。更に、水酸基を付与した粒子(成分E1)としては、例えば、水和反応で水酸基を付与した酸化チタンなどの金属酸化物を例示することができる。また、複数の異なる素材粒子に機械的なエネルギーを加えて、メカノケミカル的な反応を起こさせて粒子の複合化(水酸基のある粒子と水酸基のない粒子を複合化させて水酸基を挿入)する方法もある。このように、粒子の種類に応じて各種方法で水酸基を付与することができる。
このような粒子として、水酸基を付与したダイヤモンド、立方晶窒化硼素、ジルコニア、セリア、酸化マンガン、酸化チタン、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、酸化マグネシウム、アルミナーシリカ、あるいは炭化ケイ素を挙げることができる。
また、研磨粒子(成分E2)として、フュームドシリカ、コロイダルシリカ、フュームドアルミナ、コロイダルアルミナ、ベーマイト、及びバイヤライトのうちから選ばれた少なくとも1種類からなるものを使用することができる。
これらの研磨粒子(成分E2)は、通常いずれも粒子表面に水酸基を有するので、前記した粒子(成分E1)のように水酸基量を考慮せずに、単独或いは任意に組み合わせて用いることが可能であり、これらのなかでも、コロイダルシリカが好ましい。
また、フュームドシリカ、及びフュームドアルミナについては、これらの粒子表面にSi−Cl結合が多く存在する場合には水分存在下で200ないし800℃程度で加熱処理してSi−Cl結合をSi−OH結合に変えたものが好適に使用できる。
上記コロイダルシリカ等の製造方法に特に制限はなく、例えば特開平4−2602号公報、特開平4−231319号公報、特開平5−97422号公報、特開2003−89786号公報、特開2003−100678号公報等に記載された公知の製造方法で製造したものが使用できる。
上記コロイダルシリカ、ヒュームドシリカ等は、その表面(構造中の結合端)には、Si−OHからなる水酸基(シラノール基)を多く有するのでマトリックス樹脂(樹脂F)と化学的に結合するのに好適である。
また、これらの研磨粒子(成分E)は被研磨物表面に砥粒起因のスクラッチが発生するのを防止したり、保存中に沈殿して組成変化することがないように粒子径がそろい、粒子径の小さなものが好ましい。研磨粒子(成分E)の粒子径は走査型電子顕微鏡によって観察することができ、粒子径としては、0.005ないし50μmの範囲にあることが好ましい。粒子径が前記0.005μm未満であると研磨レートが大きくなりにくいので好ましくなく、一方、前記50μmを越えると被研磨物表面にスクラッチを発生しやすくなるので好ましくない。
本発明の研磨材は、該研磨材中にマトリックス樹脂(樹脂F)が60ない95重量%含まれることが望ましい。
研磨材中のマトリックス樹脂(樹脂F)の含有割合が前記95重量%を超えると(砥粒が5重量%未満である場合)には、研磨速度が遅くなり高い生産性を維持することができない、一方前記60重量%未満であると(砥粒が40重量%を超える場合)には、研磨材製造の際に、マトリックスになる液状ポリウレタン樹脂の流動性が著しく低下して成形加工することが困難になる場合がある。
本発明の研磨材は、少なくとも、マトリックス樹脂原料として有機ポリイソシアネート(成分A)、及び有機ポリオール(成分B)と有機ポリアミン(成分C)から選ばれた1種以上(必要により有機ポリカルボン酸を添加する場合もある)、並びに研磨粒子(成分E)を含む原料を重合反応させて得られるものである。
尚、上記したように、必要に応じて触媒、発泡剤(成分D)、整泡剤等を配合することができる。
前記原料混合物を混合して、反応射出法あるいは注型法等で重合反応により、硬化・成形させることができる。
[本発明の第2の態様]
上記した研磨材からなる固定砥粒研磨パッド(研磨パッドG)は、研磨テーブル上に装着され、被研磨物を固定砥粒研磨パッド(研磨パッドG)面に押圧し、固定砥粒研磨パッド(研磨パッドG)と前記被研磨物との相対運動によって被研磨物を研磨するものである。
固定砥粒研磨パッド(研磨パッドG)には、研磨液を使用する場合、該研磨液を固定砥粒研磨パッド(研磨パッドG)の全体に均一に行き渡らせるために固定砥粒研磨パッドが中心点から円周方向に向かって放射状溝、又は格子状溝を設けるのが望ましい。
[本発明の第3の態様]
本発明の第3の態様は、上記した研磨材からなる固定砥粒研磨パッド(研磨パッドG)を研磨テーブル上に装着し、固定砥粒研磨パッド(研磨パッドG)と被研磨物保持部との間で被研磨物を押圧し、固定砥粒研磨パッド(研磨パッドG)と前記被研磨物との間に研磨液(研磨液H)を供給しながら、固定砥粒固定砥粒研磨パッド(研磨パッドG)と前記被研磨物との相対運動によって被研磨物を研磨する方法である。
上記研磨方法では、研磨液(研磨液H)としてアルカリ水溶液を使用すると化学的機械的研磨が可能となり、研磨速度が速く、表面平滑性が高精度である被研磨物を得ることが可能となる。
前記研磨液(研磨液H)としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アンモニウム等の水溶液が例示でき、化学的研磨作用を発現させるためにはそのアルカリ濃度は、pHが10以上のアルカリ水溶液であることが好ましい。
本発明の研磨方法を採用することにより、長時間の研磨を連続して行っても研磨効率の低下が極めて少ない。また、研磨液(研磨液H)としてアルカリ水溶液を使用しており、且つ研磨材からの砥粒(砥粒I)の脱落も極めて少ないので、研磨液(研磨液H)を簡易な再生装置でろ過するだけでリサイクル使用することが可能である。
発明を実施するための最良の形態
(第1の実施の形態)
本発明の研磨材は下記のようにして製造することができる。
前記した有機イソシアネート化合物(成分A)、有機ポリオール(成分B)、発泡剤(成分D)、触媒、整泡剤、及び、粒子(成分E)からなる混合物を撹拌し、原料組成液中に粒子(成分E)を均一に分散させる。
尚、この場合、平均分子量が250〜4、000の有機ポリオール(成分B)、発泡剤(成分D)、触媒、整泡剤、及び、粒子(成分E)からなる混合物に対して、有機イソシアネート化合物(成分A)を添加して撹拌混合する方法が特に好適である。
また、原料(粒子(成分E)及び有機ポリオール(成分B)を除く)を所定量配合して液状の組成物を調製し、ここに化学的に安定な有機ポリオール(成分B)に粒子(成分E)を配合して充分に混合撹拌した混合液を添加する方法も好適である。
次に、所定の寸法形状をした金型に該原料組成物を注型し、所定の時間、加熱する。原料組成物は硬化と同時に発泡する。硬化終了後、発泡した研磨材を金型から取り出し、本発明の研磨材が得られる。
尚、反応射出成形法を採用する場合には、原料混合物を樹脂ゲートから金型内に射出し、該金型内で比較的短時間で加熱硬化して成形物を得る。
研磨材として、特に、JISK6253−1997/IS07619で規定する表面硬度が20〜150℃の温度範囲でショアD20〜85が好適である。ショアD硬度が20未満では研磨効率が悪くなり、85を越えると、(粗さにより)スクラッチが入りやすくなるからである。
(第2の実施の形態)
図2に示すように、第2の実施形態における固定砥粒研磨パッド16の表面には、溝加工16a、16bが施されている。かかる溝加工は、研磨液を、固定砥粒研磨パッドの全体(特に中心付近)に効率的に均一に行き渡らせるためである。このことにより、ウェハ面内の平坦化、研磨レートの向上、局部的な昇温による熱膨張の防止などを図ることができる。例えば、図2(a)に示すような放射状の溝加工や、図2(b)に示すような格子状の溝加工を施すことができる。
図2(a)に示すように、固定砥粒研磨パッド16に放射状溝16aを形成する場合には、固定砥粒研磨パッド16の中心点において放射状に16〜32分割する(中心角22.5°〜11.25°で分割する)のが好ましい。また、その溝幅は、例えば1〜2mm程度であり、かつ溝深さは例えば1〜2mm程度であるのが好ましい。なお、固定砥粒研磨パッド16の中心近傍においては、溝16aが過度に集中するのを防止するため、中心から所定範囲(例えば中心から100mm以内)には溝加工を施さないのが好ましい。
また、図2(b)に示すように、固定砥粒研磨パッド16に格子状溝16bを形成する場合には、例えば15mm〜30mm間隔で溝を形成するのが好ましい。
上記実施形態においては、固定砥粒研磨パッドに放射状または格子状の溝を形成した例を挙げて説明したが、本発明は、かかる例には限定されない。六角形状、波形状など好適な方式で溝を形成することができる。また、溝の断面形状を正方形状(長方形状)として説明したが、丸形状、V字形状、U字形状など他の形状でも実施することができる。
(第3の実施の形態)
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
まず、図1に基づいて、第3の実施形態における固定砥粒研磨パッドが使用される研磨装置の構成について説明する。なお、図1は、本実施形態にかかる固定砥粒研磨パッドが使用される研磨装置の構成を示す斜視図である。
本実施形態にかかる固定砥粒研磨パッドが使用される研磨装置10は、図1に示すように、モータ12により回転可能な研磨テーブル14と、研磨テーブル14上に設けられた固定砥粒研磨パッド16と、保持した基板30の研磨面を固定砥粒研磨パッド16に押しつける基板保持部20と、基板保持部20を回転、加圧駆動させる基板保持部駆動手段18と、研磨テーブル14上に研磨液25を供給する研磨液供給口24などから構成されている。
研磨テーブル14は、例えば、ステンレス鋼、セラミックスなどで形成された略円盤状のテーブルであり、上面に例えば平滑な水平面を有する。この研磨テーブル14は、例えばその下方の装置内に設けられたモータ12の駆動力がスピンドル26、変速機(図示せず)等を介して伝達されることにより、図1の太矢印の方向に所定速度(例えば40rpm)で回転する。
なお、固定砥粒研磨パッド16は、研磨テーブル14上に極力平坦になるよう貼り付けられ、研磨テーブル14の回転に伴って基板30に対して回転運動し、研磨液供給口24から供給された研磨液25を介して、基板30の研磨面が研磨される。かかる固定砥粒研磨パッド16の詳細は、後述する。
基板保持部駆動手段18は、ロッド28を介して基板保持部20を加圧しながら回転させる機構であり、例えばモータおよびシリンダ(図示せず)等からなる。即ち、例えば、加圧機構であるシリンダにより、基板30を保持した基板保持部20を固定砥粒研磨パッド16に対し例えば垂直方向に押しつけるとともに、回転機構であるモータにより基板保持部20を図1の細矢印の方向に回転させることができる。また、基板保持部20を任意の略水平方向に揺動させることが可能なように基板保持部駆動手段18を構成してもよい。
また、基板保持部(研磨ヘッド、キャリアとも呼ばれる)20は、全体が略円柱形状を有し、研磨テーブル14の上方に回転可能に設置される。かかる基板保持部20は、保持部駆動手段18とロッド28を介して連結されており、下面には基板30の横ずれを防止するためのリング(リテーナリング)を備えている。
通常の研磨時においては、基板保持部20は、基板30を保持した状態で回転しながら、基板30の研磨面を固定砥粒研磨パッド16に押圧する。このように固定砥粒研磨パッド16に押しつけられた基板30は、反対方向に回転する固定砥粒研磨パッド16と双方向で擦り合わせられて、研磨面全体が均等に研磨される。
研磨液供給ノズル24は、基板30の研磨時に、回転する固定砥粒研磨パッド16上に研磨液25を供給する。研磨液25は、化学反応性物質を含む溶液であり、研磨中に基板30と固定砥粒研磨パッド16の間に入り込んで基板30の研磨面と化学的に反応しながら高精度に平滑化する。
なお、本実施形態にかかる研磨装置には、基板保持部(研磨ヘッド)20、研磨テーブル14、研磨液供給ノズル24には、各々、温調装置(図示せず)が設けられており、上記箇所の温度を適宜好適に設定することにより、より好適な研磨を実行することができる。
かかる研磨液は、pH10以上であるアルカリ水溶液であることが好ましい。これは、実施例2に示すように、pH10未満の研磨液を使用すると研磨効率が著しく低下するからである。
このように、本実施形態にかかる研磨液としてアルカリ液が使用されるので、簡易な再生装置でろ過するだけで再利用することができる。例えば酸化ナトリウム、水酸化カリウムで調整されたアルカリ溶液を使用する場合には、中和装置などを使用してさらに簡易な廃液処理をおこなうことができる。このように、研磨液の再利用も簡易に実現できるので、環境に寄与することができる。本実施形態にかかる研磨液(アルカリ溶液)は、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アミン、アンモニアなどにより調整することができる。また、研磨液は、20〜150℃の温度範囲で調整されて、20〜150℃の温度範囲で研磨されるのが好ましい。
実施例
次に、上記実施形態に基づいて、各種ポリウレタン研磨パッドを作製し、各種研磨液を使用して、被研磨物(シリコンウェハ)の研磨効率などの評価を実施したので、以下に具体的に説明する。
実施例1、比較例1、2
固定砥粒研磨パッドとして、実施例1では、本発明のポリウレタン研磨パッドを、比較例1ではアルミナ砥粒含有のポリウレタン研磨パッドを、比較例3として、従来より市販されている固定砥粒研磨パッドを使用した。
実施例1で使用した研磨粒子はコロイダルシリカ(扶桑化学(株)製、商品名:クオートロンSP−4B)であり、比較例1で使用した研磨粒子はアルミナ((株)フジミインコーポレッテド製、商品名:WA#3000)である。また比較例2の市販固定砥粒研磨パッドは(株)ノリタケカンパニー製、研磨パッド(商品名:FARDパッド)である。
尚、実施例1及び比較例1における研磨パッドの原料組成及び研磨パッドの物性を表1に示す。
表1に示すように、分子量250〜5000で官能基数2〜3のポリエーテルポリオール(三洋化成(株)製、商品名:サンニックス)、インシアネート(NCO基の含有量31重量%、ダウ・ポリウレタン社製、商品名:PAPI*135)、水、アミン系触媒(東ソー(株)製、商品名:TOYOCAT−ET)、シリコーン整泡剤(日本ユニカー(株)製、商品名:L−5309)と前記研磨粒子材料を表1に示す割合(重量部)で配合して、液状混合物を調整した。この、液状混合物を金型に注入して、20〜30℃の室温で24時間放置し、発泡硬化させ、ポリウレタン研磨パッドを作製した。
このポリウレタン研磨パッドを研磨機の定盤に粘着テープで貼り付け、ダイヤモンドを電着した修正リングで、ポリウレタン研磨パッドの表面を修正し、発泡構造が表面に露出した厚み9mmのポリウレタン研磨パッドを得た。
比較例1で使用した研磨パッドは実施例1におけるコロイダルシリカをアルミナに変えた以外は実施例1と同様の方法により研磨パッドを作製した。
図1に示すように、ポリウレタン研磨パッドに被研磨物(シリコンウェハ)を押圧し、ポリウレタン研磨パッドと被研磨物との間に研磨液を供給しながら、ポリウレタン研磨パッドと被研磨物(シリコンウェハ)との相対運動によって被研磨物(シリコンウェハ)を研磨加工した。
研磨条件は以下の通りである。
研磨圧力:300g/cm2
定盤の回転数:40rpm。
また、ポリウレタン研磨パッドの硬度は、JISK6253−1997/IS07619で規定するショアD硬度計を用いて測定した。発泡倍率は、未発泡の硬化物D1と実施例1で作製したポリウレタン研磨パッドの密度D2とを用いて、D1/D2とした
研磨効率は、研磨加工時に、1分あたりの重量変化を測定して厚みの変化を計算することにより算出した。表面の粗さは、表面粗さ測定器(小坂研究所製、商品名:surfcoder3500)を用いて測定した。
廃液の評価は、保留粒子径1μmの定性ろ紙により廃液をろ過し、ろ過後の廃液の状態を観察した。ろ過後の廃液を直径10mmの試験管に入れて、反対側に新聞紙の活字が読みとれれば良好、読みとれなければ不良とした。
評価結果を、図3及び表2に示す。
図3及び表2に示すように、本発明のシリカ砥粒含有のポリウレタン研磨パッドの場合には、333時間連続研磨を実行しても、研磨効率は一定であった。また、研磨時における砥粒の脱落は、確認できなかった。通常、1枚のシリコンウェハの研磨時間は、例えば10分/枚であるので、333時間の連続研磨を行ったとすれば約2000枚のシリコンウェハを連続的に研磨することが可能である。
なお、廃液の評価は、良好であった。
比較例1のアルミナ砥粒含有ポリウレタン研磨パッドの場合には、研磨時間が経つにつれて研磨効率が低下し、80時間で研磨が不可能な状態となった。1枚目のシリコンウェハ研磨は、通常に行うことが出来たが、2枚目のシリコンウェハ研磨では、研磨効率が著しく低下した。
比較例3の従来の固定砥粒研磨パッドの場合には、研磨を開始した途端に研磨効率が極端に落ちて、10時間で研磨不能となった。1枚目のシリコンウェハ研磨は、通常に行うことが出来たが、2枚目のシリコンウェハ研磨で研磨効率が殆どゼロとなった。
上記実施例1において、研磨粒子材料としてコロイダルシリカ、マトリックス樹脂にウレタンを用いて作製した固定砥粒研磨パッドを使用した場合には、シリコンウェハを333時間連続研磨しても研磨効率が一定維持されていることが確認された。従来の固定砥粒研磨パッドを使用した方法では、10分程度の研磨でドレスが必要であったことを考え合わせると、連続研磨時間が飛躍的に向上されていることが理解される。さらに、固定砥粒研磨パッドの厚みは減少しておらず、砥粒は全く脱落していなかった。したがって、研磨後の廃液には、被研磨物であるシリコンとアルカリ溶液しか排出されないので、環境に悪影響を与えることなく簡易かつ容易に廃液処理をおこなうことができる。
実施例2
ポリオールAとして、分子量600のグリセリン系ポリエーテルポリオール(三洋化成(株)製、商品名:GP−600)、ポリオールBとして分子量3000のグリセリン系ポリエーテルポリオール(三洋化成(株)製、商品名:GP−3000)、有機ポリイソシアネート(ダウポリウレタン社製、商品名:PARI*135)を使用し、触媒(東ソ(株)製、商品名:TOYOCAT−ET)、整泡剤(日本ユニカー(株)製、商品名:L−5309)、及び研磨粒子として実施例1で使用したと同様のコロイダルシリカを使用した。これらを表3に示す配合で混合して、注型法により常温で硬化させ研磨材を得た。得られた発泡倍率、硬度、粗さ等を表3に記載する。
被研磨物(シリコンウェハ)を以下の条件で、研磨液のpHを9.5〜13.5として研磨を行った。結果を表3に示す。
研磨条件は下記のとおりである。
研磨圧力:300g/cm2
定盤の回転数:40rpm
表3から、研磨液のpHは、10以上であることが好ましく、pH10未満の研磨液を使用すると研磨効率が著しく低下することがわかる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
産業上の利用可能性
本発明の研磨材において、マトリックス樹脂と砥粒との間で化学的結合が発現しているので、マトリックス樹脂と砥粒との間の結合力が大幅に向上する結果、マトリックス樹脂から砥粒が脱落することは殆どない。このことにより、研磨材の自発刃作用が発揮されなくても長時間の連続研磨をおこなうことができる。また、長時間の連続研磨をおこなっても砥粒が殆ど消耗せずに廃液(研磨液)には砥粒が殆ど含まれることはないので、環境に悪影響を与えることなく簡易なろ過手段などにより容易に再利用することができる。
【図面の簡単な説明】
図1は、第1の実施形態における研磨材を固定砥粒研磨パッドとして使用した研磨装置の概要を示す斜視図である。
図2は、第2の実施の形態における固定砥粒研磨パッドの構成を示す斜視図である。
図3は、実施例1における研磨時間と研磨効率との関係を示すグラフである。
本発明は、研磨材、及びそれを使用した研磨方法に関し、さらに詳細には、少なくとも、(1)マトリックス樹脂原料として有機ポリイソシアネート、及び有機ポリオールと有機ポリアミンから選ばれた1種以上、並びに(2)研磨粒子として水酸基を有する粒子又はコロイダルシリカ等を含む原料を重合反応により硬化させて得られる研磨材、及びそれを使用した研磨方法に関する。
背景技術
従来より、不織布の研磨パッドと遊離砥粒を含む研磨液とを使用したCMP法(Chemical Mechanical Polishing:化学的機械的研磨法)は知られているが、近年、研磨加工コストの低減、及び研磨液の廃液処理問題から環境に配慮したCMP法が求められている。
上記遊離砥粒を含む研磨液を使用したCMP法では、使用された遊離砥粒(例えばシリカなど)の大部分が廃液中に排出されることになるので、簡便な廃液処理法を採用することができないという問題点があった。通常、研磨時の砥粒の磨耗による消費量は、砥粒全体の3〜4重量%程度であり、大部分の砥粒が研磨に直接寄与することなく無駄に消費されているのが実情である。従って、遊離砥粒を含む研磨液を使用したCMP法では、加工コストの低減や環境に配慮した対応を十分に行うことが困難であった。
このような背景から、遊離砥粒を含有する研磨液を使用せずに、研磨パッドに砥粒を含有させるCMP法の改良が検討されている。このCMP法の改良では、大部分の砥粒(例えばシリカなど)が研磨に寄与して磨耗消費されるので、研磨液の廃液中に排出される砥粒量を低減でき、従って、一度使用した研磨液をろ過してリサイクル使用することが可能となる。また、砥粒が無駄に消費されることがないので、研磨工程のランニングコストを大幅に低減することが期待できる。
しかしながら、従来の固定砥粒研磨パッドでは、自生発刃作用が発揮されないため、研磨効率(研磨レート)が比較的短時間で低下してしまい、長時間の連続研磨を行うことができないという問題があった。このため、研削(ドレッシング)による砥粒の目立てを頻繁におこなう必要があり、生産性の低下を招いていた。
例えば、特開平5−8178号公報には、フェルト状繊維質シートに線状の熱可塑性ポリウレタン樹脂を含浸、凝固させて得た複合基材に、該熱可塑性ポリウレタン樹脂よりも硬質の樹脂を含浸、加熱乾燥させた半導体ウエハー研磨用クロスが開示されている。かかる研磨クロスは目詰まりのために研磨能力が短期間で低下することはないが、それでもそのライフは好ましい態様でも60時間程度である。
また、特開平8−216034号公報には、硬度が50〜85である軟質ポリウレタン樹脂のマトリックス60〜90重量%と、前記マトリックスの中に分散され、シリカ、アルミナ、炭化ケイ素の群から選ばれる少なくとも1種の研磨砥粒10〜40重量%とから成る発泡倍率1.5〜5.0の研磨材が開示されている。この研磨材は、研磨後の半導体ウエハの表面平滑性に優れ、面ダレ現象も抑制できるが、長時間連続研磨することができないという問題点を有している。
更に、特開平11−204467号公報には、表面段差を有する半導体基板表面に対して機械的研磨を行う研磨パッドと、前記半導体基板表面に対して化学的研磨を行う溶液を供給する装置を有する装置において、前記半導体基板より硬度の高い粒子が配合されている半導体製造装置が開示されている。該研磨パッドの原材料としてウレタンにシリカ粒子を混和して成形したものが開示されている。該装置を用いると被処理基板上に形成された絶縁膜の研磨速度や研磨量を、被処理基板全面で均一にすることができ、過度な研磨スラリの供給が不要になるという特徴はあるものの、やはり長時間連続研磨することができず、定期的に研削(ドレッシング)を行わなければならないという問題点がある。
このような事情から、長時間に渡る連続研磨を行う場合には、遊離砥粒を含む研磨液を使用して被研磨物を研磨しなければならなかった。
一般に、化合物半導体ウエハ等を研磨する際に研磨材に要求される性能として、長時間の連続研磨のほかに、更に研磨後の被研磨物の表面平滑性が高精度であること、研磨速度の速いこと、及び面ダレ現象(研磨面の周辺部が中心部よりも薄くなること)を起こさないことも必要とされる。
更に、凹凸のある被研磨材の表面に適合させるには研磨材のマトリックス樹脂は弾力性に富む材料で形成されることも必要である。
発明の開示
従って、本発明の目的は、長時間連続して研磨することが可能であり、かつ研磨速度が速く被研磨物の表面平滑性は高精度で、面ダレ現象を起こさない、研磨材、及び該研磨材を使用した固定砥粒研磨パッドを提供することにある。
本発明の他の目的は、上記研磨材を使用した被研磨物の研磨方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために種々検討した結果、研磨材の原料に少なくとも、(1)マトリックス樹脂原料として有機ポリイソシアネート、及び有機ポリオールと有機ポリアミンから選ばれた1種以上、並びに(2)研磨材料粒子を含む原料を重合反応により硬化させて得られる研磨材に、研磨粒子として水酸基を有する粒子又はコロイダルシリカ等を使用することにより、長時間連続して研磨することが可能であり、かつ研磨速度が速く被研磨物の表面平滑性は高精度で、面ダレ現象を起こさない研磨材が得られることを見出し本発明を完成させた。
すなわち、本発明の第1の態様によれば、少なくとも、(1)マトリックス樹脂原料として有機ポリイソシアネート(成分A)、及び有機ポリオール(成分B)と有機ポリアミン(成分C)から選ばれた1種以上、並びに(2)研磨粒子(成分E)を含む原料を重合反応により硬化させて得られる研磨材であって、粒子(成分E)が、(a)該粒子中の水酸基量(中和滴定法による測定値、以下同じ)0.001mmol/g以上である粒子(成分E1)、及び/又は(b)フュームドシリカ、コロイダルシリカ、フュームドアルミナ、コロイダルアルミナ、ベーマイトとバイヤライトから選ばれた少なくとも1種類以上(成分E2)であることを特徴とする研磨材
が提供される。
本発明の第1の態様においては、
(1)マトリックス樹脂(樹脂F)が少なくともウレタン結合を有する樹脂であること、
(2)マトリックス樹脂原料が有機ポリイソシアネート(成分A)、有機ポリオール(成分B)及び有機ポリアミン(成分C)から選ばれた1種以上、並びに発泡剤(成分D)を含むこと、
(3)マトリックス樹脂原料が有機ポリイソシアネート(成分A)、有機ポリオール(成分B)と有機ポリアミン(成分C)から選ばれた1種以上、及び有機ポリカルボン酸(成分J)であること、
(4)マトリックス樹脂(樹脂F)がウレタン結合、ウレア結合、及びアミド結合のいずれか1種以上を有する樹脂であること、
(5)発泡倍率が1.1ないし5倍であること、
(6)粒子(成分E)が、コロイダルシリカであること
(7)粒子(成分E1)中の水酸基量が0.01ないし6mmol/gであること、
(8)粒子(成分E1)が水酸基を付与された、ダイヤモンド、立方晶窒化硼素、ジルコニア、セリア、酸化マンガン、酸化チタン、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、酸化マグネシウム、アルミナ−シリカ、及び炭化ケイ素から選ばれた1種以上であること、
(9)マトリックス樹脂(樹脂F)が研磨材中に60ない95重量%含まれること、
(10)研磨材が有機ポリイソシアネート化合物(成分A)、有機ポリオール(成分B)及び有機ポリアミン(成分C)から選ばれた1種以上、発泡剤(成分D)、触媒、及び粒子(成分E)を含む原料を重合反応により硬化させて得られた発泡体であること、
(11)研磨材が有機ポリオール(成分B)及び有機ポリアミン(成分C)から選ばれた1種以上、発泡剤(成分D)、触媒、及び粒子(成分E)からなる混合物に、有機ポリイソシアネート化合物(成分A)を加えて撹拌混合して重合反応により硬化・成形させて得られた発泡体であること、
(12)研磨材が有機ポリイソシアネート化合物(成分A)、発泡剤(成分D)、及び触媒からなる混合物に、有機ポリオール(成分B)及び有機ポリアミン(成分C)から選ばれた1種以上、並びに粒子(成分E)からなる混合物を加えて撹拌混合して重合反応により硬化・成形させて得られた発泡体であること、
が望ましい。
また、本発明の第2の態様によれば、少なくとも、マトリックス樹脂原料として有機ポリイソシアネート(成分A)、及び有機ポリオール(成分B)と有機ポリアミン(成分C)から選ばれた1種以上、並びに前記粒子(成分E)を含む原料を重合反応させて得られる、マトリックス樹脂(樹脂F)がウレタン結合を有する樹脂である研磨材を研磨テーブルに装着してなる固定砥粒研磨パッド(研磨パッドG)であって、固定砥粒研磨パッド(研磨パッドG)と被研磨物保持部との間で被研磨物を押圧し、固定砥粒研磨パッド(研磨パッドG)と前記被研磨物との間に研磨液(研磨液H)を供給しながら、前記被研磨物とのとの相対運動によって前記被研磨物を研磨するための固定砥粒研磨パッドが提供される。
本発明の第2の態様においては、
(1)固定砥粒研磨パッド(研磨パッドG)が中心点から円周方向に向かって放射状溝を有すること、
(2)固定砥粒研磨パッド(研磨パッドG)が格子状溝を有すること
が望ましい。
また、本発明の第3の態様によれば、前記研磨材からなる固定砥粒研磨パッド(研磨パッドG)を研磨テーブル上に装着し、固定砥粒研磨パッド(研磨パッドG)と被研磨物保持部との間で被研磨物を押圧し、固定砥粒研磨パッド(研磨パッドG)と前記被研磨物との間に研磨液(研磨液H)を供給しながら、固定砥粒研磨パッド(研磨パッドG)と前記被研磨物との相対運動によって被研磨物を研磨する方法であることを特徴とする被研磨物の研磨方法が提供される。
本発明の第3の態様においては、
(1)研磨液(研磨液H)がアルカリ水溶液であること、
(2)前記アルカリ水溶液がpH10以上であること
が望ましい。
本発明の研磨材を使用して被研磨物の研磨を長時間の連続研磨をおこなっても、研磨機能が低下することは殆どない。更に研磨粒子として配合した粒子(成分E)が重合反応後にマトリックス樹脂(樹脂F)中に分散して砥粒(砥粒I)として存在するが、この砥粒(砥粒I)も殆ど消耗しない。また研磨液の廃液中に砥粒(砥粒I)が排出される量も大幅に削減されるので、環境に悪影響を与えることなく簡易なろ過手段などにより研磨液をリサイクル使用することができる。
本発明の研磨材を使用して被研磨物の研磨を長時間連続して行うことのできる具体的なメカニズムについては明確にはされていないが、本発明の研磨材を重合反応により硬化・成形させる際に、有機ポリイソシアネート(成分A)の有するイソシアネート基(−CNO)と粒子(成分E)の有する水酸基との間で化学的結合力が発現するためと推定される。
すなわち、有機ポリイソシアネート(成分A)の有するイソシアネート基(−CNO)に、粒子(成分E)の有する水酸基の水素原子が活性水素として作用し、該活性水素原子は前期イソシアネート基(−CNO)の窒素原子に付加して、該水酸基の水素原子の抜けた酸素原子はイソシアネート基(−CNO)の炭素原子と結合して、[(マトリックス樹脂側)−NH−CO−O−(砥粒側)]の化学結合が生ずるためと推定される。
マトリックス樹脂(樹脂F)と砥粒(砥粒I)との間に化学結合が発現する結果、マトリックス樹脂(樹脂F)中に存在する砥粒(砥粒I)の脱落する量が大幅に減少し、長時間の連続研磨が可能になったと推定される。
従来の研磨材は、使用されていた粒子に水酸基が殆ど存在しないか、存在していても微量であったために、マトリックス樹脂中に砥粒粒子が単に物理的に保持された状態であったため、このような砥粒は研磨により相当部分が容易に脱落していたと推定される。
また、マトリックス樹脂(樹脂F)と砥粒(砥粒I)との境界面に化学結合力が発現することにより、研磨材の研磨面に存在する砥粒(砥粒I)部分だけでなく研磨材表面全体が加工面となるので、長時間の連続研磨でも研磨効率が低下しないものと考えられる。
これらのことにより、研磨材の自発刃作用が発揮されなくても長時間の連続研磨をおこなうことが可能となる。
[本発明の第1の態様]
本発明の研磨材は、少なくとも、マトリックス樹脂原料として有機ポリイソシアネート(成分A)、及び有機ポリオール(成分B)と有機ポリアミン(成分C)から選ばれた1種以上、並びに研磨粒子として前記粒子(成分E)を含む原料を重合反応により硬化させて得られた、マトリックス樹脂(樹脂F)がウレタン結合、及び/又はウレア結合を有する研磨材である。
また、マトリックス樹脂原料には、有機ポリイソシアネート(成分A)、有機ポリオール(成分B)及び有機ポリアミン(成分C)の他、必要に応じ発泡剤(成分D)、触媒、又は整泡剤を用いることもできる。
更に、研磨粒子材料として用いる粒子(成分E)には、特定量の水酸基を有する粒子、又は後述するコロイダルシリカ等のように水酸基を有するものでもよく、更に水酸基が付与されたジルコニア等であってもよい。
マトリックス樹脂原料の1つである有機ポリイソシアネート化合物(成分A)は、分子内に2つ以上のイソシアネート基を有する化合物であり、ポリウレタン樹脂を製造する際に通常用いられるポリイソシアネートを特に制限なく使用することが可能である。
この様な有機ポリイソシアネート化合物(成分A)として具体的には、トリレンジイソシアネート(TDI)、4,4−ジフェニルメタンジイソソアネート(MDI)、ポリメリックMDI、キシリレンジイソシアネート(XDI)、ナタチレンジイソシアネート(NDI)、パラフェニレンジイソシアネート(PPDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(HMDI)、インホロンジイソシアネート(IPDI)、リジンジイソシアネート(LDI)、トリジンジイソシアネート(TODI)、水添キシリレンジイソシアネート、更にこれらのポリイソシアネートの変性物、又はあらかじめ末端にイソシアネート基が残るようにポリオールと反応させたプレポリマー等が挙げられる。
有機ポリイソシアネート化合物(成分A)のNCO基の含有量は好ましくは20ないし48重量%、特に好ましくは20ないし40重量%、更に好ましくは25ないし38重量%である。この範囲で耐久性、耐摩耗性に優れる研磨材が得られる。
これらの有機ポリイソシアネート化合物(成分A)は、単独使用でも2種以上の併用でも良い。
これらの中でもトリレンジイソシアネート(TDI)、又は4,4−ジフェニルメタンジイソソアネート(MDI)が好ましい。
有機ポリオール(成分B)としては、分子内に2つ以上のヒドロキシル基を有する有機化合物であれば広く使用することができ、多価アルコール類、ポリエーテル系ポリオール、ポリエステルポリオール、ポリマーポリオール類が挙げられる。
有機ポリオール(成分B)の具体例として、エチレングレコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン、ビスフェノールA、水添ビスフェノールA、ヒドロキシピバリルヒドロキシピバレート、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、グリセリンもしくは、ヘキサントリオール等の多価アルコール類;ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシエチレン、ポリオキシテトレメチレングリコール、ポリオキシプロピレン、ポリオキシテトラメチレングリコールもしくは、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシテトラメチレングリコール等のポリエーテルグリコール類;上記の各種多価アルコール類とエチレンオキシド、プロピレンオキシド、テトラヒドロフラン、エチルグリシジルエーテル、プロピルグリシジルエーテル、ブチルグリシルエーテル、フェニルグリシジルエーテルまたはアリルグリシジルエーテル等との開環重合によって得られる変性ポリエーテルポリオール類;上記の各種多価アルコールの、1種以上と、コハク酸、マレイン酸、アジピン酸、グルタル酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、フタル酸、インフタル酸、テレフタル酸等の多価カルボン酸類との共縮合によって得られるポリエステルポリオール類;上記の各種多価アルコールの1種以上と、ε−カプロラクトン、δ−バレロラクトンもしくは3−メチル−δ−バレロラクトンの如き各種ラクトン類との重縮合反応によって得られるラクトン系ポリエステルポリオール類;ビスフェノールA型エポキシ化合物、水添ビスフェノールA型エポキシ化合物、一価および/または多価アルコールのグリシジルエーテルあるいは1塩基酸及び/または多塩基酸のグリシジルエステルの如き各種エポキシ化合物を、ポリエステルポリオール合成時に、1種以上併用して得られるエポキシ変性ポリエステルポリオール類;さらにはポリエステルポリアミドポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリブタジエンポリオール、ポリペンタジエンポリオール、ひまし油、ひまし油誘導体、水添ひまし油、水添ひまし油誘導体またはヒドロキシル基含有アクリル共重合体等が挙げられる。
上記有機ポリオール(成分B)としては、好ましいものは水酸基価が100ないし1800、特に好ましいものは200ないし1200である。
これらの有機ポリオール(成分B)は、単独使用でも2種以上の併用でも良い。
有機ポリイソシアネート化合物(成分A)と有機ポリオール(成分B)の配合割合は、官能基比率([活性水素含有化合物]/[イソシアネート])で0.8〜1.2、好ましくは1〜1.2の範囲である。
本発明においては、有機ポリオール(成分B)の一部または全部の代わりに、有機ポリアミン(成分C)を使用することもできる。使用可能なポリアミンとしては、ポリウレタン樹脂を製造する際に通常用いられる公知のジアミン、トリアミンまたはそれらの混合物が使用できるが、これらの代表的なものとしては、例えば1,2−エチレンジアミン、ビス−(3−アミノプロピル)−アミン、ヒドラジン、ヒドラジン−2−エタノール、ビス−(2−メチルアミノエチル)−メチルアミン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、3−アミノ−1−メチルアミノプロパン、N−メチル−ビス−(3−アミノプロピル)−アミン、テトラエチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、1−アミノエチル−1,2−エチレンジアミン、ビス−(N,N’−アミノエチル)−1,2−エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、フェニレンジアミン、トルイレンジアミン、2,4,6−トリアミノトルエントリハイドロクロライド、1,3,6−トリアミノナフタレン、イソフォロンジアミン、キシリレンジアミン、4,4’ジアミノジフェニルメタン、水添4,4’ジアミノジフェニルメタン、あるいは、これらポリアミンモノマーの誘導体等が挙げられる。
有機ポリアミン(成分C)のアミン価は、好ましくは56ないし560(mgKOH/g)、特に好ましくは80ないし400(mgKOH/g)である。この範囲で耐久性、及び研磨性能に優れた研磨材が得られる。
更に、本発明においては、前記有機ポリオール(成分B)及び/又は有機ポリアミン(成分C)の代わりに有機ポリカルボン酸(成分J)を用いることもできる。この場合、マトリックス樹脂(樹脂F)は、ウレタン結合、ウレア結合、及びアミド結合のいずれか1種以上を有する樹脂となる。
このような有機ポリカルボン酸(成分J)として、フタル酸などの芳香族カルボン酸、アジピン酸などの脂肪族カルボン酸が挙げられる。これらは硬化触媒の安定剤としても作用し、臭気のないものが好ましい。
また、有機ポリイソシアネート化合物(成分A)と有機ポリオール(成分B)及び有機ポリアミン(成分C)から選ばれた1種以上を反応させる際に使用できる発泡剤(成分D)として、水、トリクロロモノフルオロメタン、ジクロロジフルオロメタン、メチレンクロライド、トリクロロフルオロエタン、トリクロロエタンなどの1種または2種以上の混合物が挙げられる。
マトリックス樹脂(樹脂F)を成形する際の発泡倍率は1.1〜5倍であるのが好ましい。
この場合の発泡倍率とは、マトリックス樹脂原料と研磨粒子(成分E)が配合された原料に発泡剤(成分D)を配合することなく無発泡の硬化物を製造し、その重さと体積から計算した嵩密度をD1とし、同じ研磨粒子(成分E)が配合された原料に発泡剤(成分D)を配合して発泡させた硬化物を製造し、その重さと体積から計算した嵩密度をD2としたときに、D1/D2で示される値をいう。
発泡倍率が前記5.0を超える研磨材は、その気泡構造が粗であるため、研磨時における研磨速度は速くなるが、他方では被研磨物であるウエハ等の表面を粗らしてしまい、研磨後における被研磨物の表面平滑性を低下させる。
また、発泡倍率が1.1未満の場合には、その気泡構造は密であるため、ウエハ等の表面平滑性を高めるものの、研磨速度が遅く、研磨時の生産性は低下する。
有機ポリイソシアネート化合物(成分A)と有機ポリオール(成分B)等を反応させる際に使用可能な触媒としては、特に限定はなく、アミン系触媒や有機金属系触媒等を使用することができる。このような、アミン系触媒として、トリエチレンジアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリイソプロパノールアミン、トリブチルアミン、トリオクチルアミン、N−メチルモルホリン、N−エチルモルホリン等を挙げることができる。また、有機金属系触媒としては、オクチル酸錫、ラウリル酸錫、ジブチル錫ジラウレート等を挙げることができる。このうち、好ましいものはアミン系触媒である。
触媒の添加量は特に限定はないが通常、有機ポリイソシアネート化合物(成分A)と有機ポリオール(成分B)の合計量100重量部に対し0.01〜0.5重量部程度である。
整泡剤としては、従来から知られているオルガノシリコーン系界面活性剤が使用される。このようなオルガノシリコーン系界面活性剤としては、例えば、日本ユニカー(株)製のL−520、L−532、L−540、L−544、L−3550、L−5740S、L−5740M、L−6202等;トーレシリコーン(株)製のSH−190、SH−192、SH−193、SH−194、SRX−294、SRX−298等;信越シリコン(株)製のF−114、F−121、F−122、F−230、F−258、F−260B、F−317、F−341、F−601、F−606等を挙げることができる。
更に必要により、難燃剤、脱水剤、耐候剤等を原料組成物に添加使用することができる。
難燃剤としては水酸化アルミニウム、リン酸エステル類、メラミン、赤リン、膨張黒鉛等が例示でき、脱水剤としては、ケイ酸カルシウム、炭酸カルシウム、硫酸マグネシウム、合成ゼオライト等が例示でき、耐候剤としてはポリウレタン樹脂に通常用いられる紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤等が例示できる。
本発明で、研磨粒子(成分E)として、(a)水酸基量が0.001mmol/g以上の粒子(成分E1)、及び/又は(b)フュームドシリカ、コロイダルシリカ、フュームドアルミナ、コロイダルアルミナ、ベーマイト、及びバイヤライトのうちから選ばれた少なくとも1種類以上(成分E2)を使用することができる。
研磨粒子として前記粒子(成分E1)を使用する場合、水酸基を有する粒子(成分E1)の水酸基量は、下記の中和滴定法による水酸基量が0.001mmol/g以上である。水酸基量が0.001mmol/g以上であれば本発明の効果である、マトリックス樹脂(樹脂F)硬化後に該マトリックス樹脂(樹脂F)と砥粒(砥粒I)との間で化学的結合力を発現させることが可能となる。
また、前記水酸基量は、好ましくは0.01mmol/g以上、特に好ましくは0.05mmol/g以上である。
尚、粒子(成分E1)の水酸基量に特に上限値はないが、あまり多くなると粒子(成分E1)がマトリックス樹脂に被覆されてしまうおそれがあるので、水酸基量の増加に対応する効果は期待できない。粒子(成分E1)の水酸基量は、一般的に好ましくは、20mmol/g以下、特に好ましくは10mmol/g以下、更に好ましくは6mmol/g以下である。
研磨粒子(成分E)中の水酸基量の測定方法は、以下の方法による。すなわち、試料の粒子を2.00g秤量し(Wgとする)100mlの三角フラスコにいれ、0.05NのNaOH水溶液を80ml加え、ゴム栓で密栓し12時間撹拌しながら放置した。その後粒子と溶液を遠心分離機で分離し、この溶液から10mlをピペットに採り、0.05NのHCl水溶液で中和滴定した。その中和に要するHCl水溶液をAmlとする。尚、粒子を入れずに同様な操作をし、その中和に要するHCl水溶液をBmlとする。粒子の単位重量当たりのOH基の量(Xmmol/g)は次式によって算出される。
X=〔(B−A)×0.05×8〕/W
尚、上記水酸基量の測定値は、粒子(成分E)の比較的表面付近に存在する水酸基量の測定値である。本発明において、実際にマトリックス樹脂(樹脂F)との間で化学的結合力を発現させることが可能なのは、粒子(成分E)の比較的表面付近に存在する水酸基であるので上記測定方法を採用し、その測定値は便宜上、粒子(成分E)の水酸基量とする。
水酸基を有する粒子(成分E1)として具体的には、シリカ、アルミナ等の公知の無機系砥粒に使用されているものがすべて使用可能である。更に、水酸基を付与した粒子(成分E1)としては、例えば、水和反応で水酸基を付与した酸化チタンなどの金属酸化物を例示することができる。また、複数の異なる素材粒子に機械的なエネルギーを加えて、メカノケミカル的な反応を起こさせて粒子の複合化(水酸基のある粒子と水酸基のない粒子を複合化させて水酸基を挿入)する方法もある。このように、粒子の種類に応じて各種方法で水酸基を付与することができる。
このような粒子として、水酸基を付与したダイヤモンド、立方晶窒化硼素、ジルコニア、セリア、酸化マンガン、酸化チタン、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、酸化マグネシウム、アルミナーシリカ、あるいは炭化ケイ素を挙げることができる。
また、研磨粒子(成分E2)として、フュームドシリカ、コロイダルシリカ、フュームドアルミナ、コロイダルアルミナ、ベーマイト、及びバイヤライトのうちから選ばれた少なくとも1種類からなるものを使用することができる。
これらの研磨粒子(成分E2)は、通常いずれも粒子表面に水酸基を有するので、前記した粒子(成分E1)のように水酸基量を考慮せずに、単独或いは任意に組み合わせて用いることが可能であり、これらのなかでも、コロイダルシリカが好ましい。
また、フュームドシリカ、及びフュームドアルミナについては、これらの粒子表面にSi−Cl結合が多く存在する場合には水分存在下で200ないし800℃程度で加熱処理してSi−Cl結合をSi−OH結合に変えたものが好適に使用できる。
上記コロイダルシリカ等の製造方法に特に制限はなく、例えば特開平4−2602号公報、特開平4−231319号公報、特開平5−97422号公報、特開2003−89786号公報、特開2003−100678号公報等に記載された公知の製造方法で製造したものが使用できる。
上記コロイダルシリカ、ヒュームドシリカ等は、その表面(構造中の結合端)には、Si−OHからなる水酸基(シラノール基)を多く有するのでマトリックス樹脂(樹脂F)と化学的に結合するのに好適である。
また、これらの研磨粒子(成分E)は被研磨物表面に砥粒起因のスクラッチが発生するのを防止したり、保存中に沈殿して組成変化することがないように粒子径がそろい、粒子径の小さなものが好ましい。研磨粒子(成分E)の粒子径は走査型電子顕微鏡によって観察することができ、粒子径としては、0.005ないし50μmの範囲にあることが好ましい。粒子径が前記0.005μm未満であると研磨レートが大きくなりにくいので好ましくなく、一方、前記50μmを越えると被研磨物表面にスクラッチを発生しやすくなるので好ましくない。
本発明の研磨材は、該研磨材中にマトリックス樹脂(樹脂F)が60ない95重量%含まれることが望ましい。
研磨材中のマトリックス樹脂(樹脂F)の含有割合が前記95重量%を超えると(砥粒が5重量%未満である場合)には、研磨速度が遅くなり高い生産性を維持することができない、一方前記60重量%未満であると(砥粒が40重量%を超える場合)には、研磨材製造の際に、マトリックスになる液状ポリウレタン樹脂の流動性が著しく低下して成形加工することが困難になる場合がある。
本発明の研磨材は、少なくとも、マトリックス樹脂原料として有機ポリイソシアネート(成分A)、及び有機ポリオール(成分B)と有機ポリアミン(成分C)から選ばれた1種以上(必要により有機ポリカルボン酸を添加する場合もある)、並びに研磨粒子(成分E)を含む原料を重合反応させて得られるものである。
尚、上記したように、必要に応じて触媒、発泡剤(成分D)、整泡剤等を配合することができる。
前記原料混合物を混合して、反応射出法あるいは注型法等で重合反応により、硬化・成形させることができる。
[本発明の第2の態様]
上記した研磨材からなる固定砥粒研磨パッド(研磨パッドG)は、研磨テーブル上に装着され、被研磨物を固定砥粒研磨パッド(研磨パッドG)面に押圧し、固定砥粒研磨パッド(研磨パッドG)と前記被研磨物との相対運動によって被研磨物を研磨するものである。
固定砥粒研磨パッド(研磨パッドG)には、研磨液を使用する場合、該研磨液を固定砥粒研磨パッド(研磨パッドG)の全体に均一に行き渡らせるために固定砥粒研磨パッドが中心点から円周方向に向かって放射状溝、又は格子状溝を設けるのが望ましい。
[本発明の第3の態様]
本発明の第3の態様は、上記した研磨材からなる固定砥粒研磨パッド(研磨パッドG)を研磨テーブル上に装着し、固定砥粒研磨パッド(研磨パッドG)と被研磨物保持部との間で被研磨物を押圧し、固定砥粒研磨パッド(研磨パッドG)と前記被研磨物との間に研磨液(研磨液H)を供給しながら、固定砥粒固定砥粒研磨パッド(研磨パッドG)と前記被研磨物との相対運動によって被研磨物を研磨する方法である。
上記研磨方法では、研磨液(研磨液H)としてアルカリ水溶液を使用すると化学的機械的研磨が可能となり、研磨速度が速く、表面平滑性が高精度である被研磨物を得ることが可能となる。
前記研磨液(研磨液H)としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アンモニウム等の水溶液が例示でき、化学的研磨作用を発現させるためにはそのアルカリ濃度は、pHが10以上のアルカリ水溶液であることが好ましい。
本発明の研磨方法を採用することにより、長時間の研磨を連続して行っても研磨効率の低下が極めて少ない。また、研磨液(研磨液H)としてアルカリ水溶液を使用しており、且つ研磨材からの砥粒(砥粒I)の脱落も極めて少ないので、研磨液(研磨液H)を簡易な再生装置でろ過するだけでリサイクル使用することが可能である。
発明を実施するための最良の形態
(第1の実施の形態)
本発明の研磨材は下記のようにして製造することができる。
前記した有機イソシアネート化合物(成分A)、有機ポリオール(成分B)、発泡剤(成分D)、触媒、整泡剤、及び、粒子(成分E)からなる混合物を撹拌し、原料組成液中に粒子(成分E)を均一に分散させる。
尚、この場合、平均分子量が250〜4、000の有機ポリオール(成分B)、発泡剤(成分D)、触媒、整泡剤、及び、粒子(成分E)からなる混合物に対して、有機イソシアネート化合物(成分A)を添加して撹拌混合する方法が特に好適である。
また、原料(粒子(成分E)及び有機ポリオール(成分B)を除く)を所定量配合して液状の組成物を調製し、ここに化学的に安定な有機ポリオール(成分B)に粒子(成分E)を配合して充分に混合撹拌した混合液を添加する方法も好適である。
次に、所定の寸法形状をした金型に該原料組成物を注型し、所定の時間、加熱する。原料組成物は硬化と同時に発泡する。硬化終了後、発泡した研磨材を金型から取り出し、本発明の研磨材が得られる。
尚、反応射出成形法を採用する場合には、原料混合物を樹脂ゲートから金型内に射出し、該金型内で比較的短時間で加熱硬化して成形物を得る。
研磨材として、特に、JISK6253−1997/IS07619で規定する表面硬度が20〜150℃の温度範囲でショアD20〜85が好適である。ショアD硬度が20未満では研磨効率が悪くなり、85を越えると、(粗さにより)スクラッチが入りやすくなるからである。
(第2の実施の形態)
図2に示すように、第2の実施形態における固定砥粒研磨パッド16の表面には、溝加工16a、16bが施されている。かかる溝加工は、研磨液を、固定砥粒研磨パッドの全体(特に中心付近)に効率的に均一に行き渡らせるためである。このことにより、ウェハ面内の平坦化、研磨レートの向上、局部的な昇温による熱膨張の防止などを図ることができる。例えば、図2(a)に示すような放射状の溝加工や、図2(b)に示すような格子状の溝加工を施すことができる。
図2(a)に示すように、固定砥粒研磨パッド16に放射状溝16aを形成する場合には、固定砥粒研磨パッド16の中心点において放射状に16〜32分割する(中心角22.5°〜11.25°で分割する)のが好ましい。また、その溝幅は、例えば1〜2mm程度であり、かつ溝深さは例えば1〜2mm程度であるのが好ましい。なお、固定砥粒研磨パッド16の中心近傍においては、溝16aが過度に集中するのを防止するため、中心から所定範囲(例えば中心から100mm以内)には溝加工を施さないのが好ましい。
また、図2(b)に示すように、固定砥粒研磨パッド16に格子状溝16bを形成する場合には、例えば15mm〜30mm間隔で溝を形成するのが好ましい。
上記実施形態においては、固定砥粒研磨パッドに放射状または格子状の溝を形成した例を挙げて説明したが、本発明は、かかる例には限定されない。六角形状、波形状など好適な方式で溝を形成することができる。また、溝の断面形状を正方形状(長方形状)として説明したが、丸形状、V字形状、U字形状など他の形状でも実施することができる。
(第3の実施の形態)
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
まず、図1に基づいて、第3の実施形態における固定砥粒研磨パッドが使用される研磨装置の構成について説明する。なお、図1は、本実施形態にかかる固定砥粒研磨パッドが使用される研磨装置の構成を示す斜視図である。
本実施形態にかかる固定砥粒研磨パッドが使用される研磨装置10は、図1に示すように、モータ12により回転可能な研磨テーブル14と、研磨テーブル14上に設けられた固定砥粒研磨パッド16と、保持した基板30の研磨面を固定砥粒研磨パッド16に押しつける基板保持部20と、基板保持部20を回転、加圧駆動させる基板保持部駆動手段18と、研磨テーブル14上に研磨液25を供給する研磨液供給口24などから構成されている。
研磨テーブル14は、例えば、ステンレス鋼、セラミックスなどで形成された略円盤状のテーブルであり、上面に例えば平滑な水平面を有する。この研磨テーブル14は、例えばその下方の装置内に設けられたモータ12の駆動力がスピンドル26、変速機(図示せず)等を介して伝達されることにより、図1の太矢印の方向に所定速度(例えば40rpm)で回転する。
なお、固定砥粒研磨パッド16は、研磨テーブル14上に極力平坦になるよう貼り付けられ、研磨テーブル14の回転に伴って基板30に対して回転運動し、研磨液供給口24から供給された研磨液25を介して、基板30の研磨面が研磨される。かかる固定砥粒研磨パッド16の詳細は、後述する。
基板保持部駆動手段18は、ロッド28を介して基板保持部20を加圧しながら回転させる機構であり、例えばモータおよびシリンダ(図示せず)等からなる。即ち、例えば、加圧機構であるシリンダにより、基板30を保持した基板保持部20を固定砥粒研磨パッド16に対し例えば垂直方向に押しつけるとともに、回転機構であるモータにより基板保持部20を図1の細矢印の方向に回転させることができる。また、基板保持部20を任意の略水平方向に揺動させることが可能なように基板保持部駆動手段18を構成してもよい。
また、基板保持部(研磨ヘッド、キャリアとも呼ばれる)20は、全体が略円柱形状を有し、研磨テーブル14の上方に回転可能に設置される。かかる基板保持部20は、保持部駆動手段18とロッド28を介して連結されており、下面には基板30の横ずれを防止するためのリング(リテーナリング)を備えている。
通常の研磨時においては、基板保持部20は、基板30を保持した状態で回転しながら、基板30の研磨面を固定砥粒研磨パッド16に押圧する。このように固定砥粒研磨パッド16に押しつけられた基板30は、反対方向に回転する固定砥粒研磨パッド16と双方向で擦り合わせられて、研磨面全体が均等に研磨される。
研磨液供給ノズル24は、基板30の研磨時に、回転する固定砥粒研磨パッド16上に研磨液25を供給する。研磨液25は、化学反応性物質を含む溶液であり、研磨中に基板30と固定砥粒研磨パッド16の間に入り込んで基板30の研磨面と化学的に反応しながら高精度に平滑化する。
なお、本実施形態にかかる研磨装置には、基板保持部(研磨ヘッド)20、研磨テーブル14、研磨液供給ノズル24には、各々、温調装置(図示せず)が設けられており、上記箇所の温度を適宜好適に設定することにより、より好適な研磨を実行することができる。
かかる研磨液は、pH10以上であるアルカリ水溶液であることが好ましい。これは、実施例2に示すように、pH10未満の研磨液を使用すると研磨効率が著しく低下するからである。
このように、本実施形態にかかる研磨液としてアルカリ液が使用されるので、簡易な再生装置でろ過するだけで再利用することができる。例えば酸化ナトリウム、水酸化カリウムで調整されたアルカリ溶液を使用する場合には、中和装置などを使用してさらに簡易な廃液処理をおこなうことができる。このように、研磨液の再利用も簡易に実現できるので、環境に寄与することができる。本実施形態にかかる研磨液(アルカリ溶液)は、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アミン、アンモニアなどにより調整することができる。また、研磨液は、20〜150℃の温度範囲で調整されて、20〜150℃の温度範囲で研磨されるのが好ましい。
実施例
次に、上記実施形態に基づいて、各種ポリウレタン研磨パッドを作製し、各種研磨液を使用して、被研磨物(シリコンウェハ)の研磨効率などの評価を実施したので、以下に具体的に説明する。
実施例1、比較例1、2
固定砥粒研磨パッドとして、実施例1では、本発明のポリウレタン研磨パッドを、比較例1ではアルミナ砥粒含有のポリウレタン研磨パッドを、比較例3として、従来より市販されている固定砥粒研磨パッドを使用した。
実施例1で使用した研磨粒子はコロイダルシリカ(扶桑化学(株)製、商品名:クオートロンSP−4B)であり、比較例1で使用した研磨粒子はアルミナ((株)フジミインコーポレッテド製、商品名:WA#3000)である。また比較例2の市販固定砥粒研磨パッドは(株)ノリタケカンパニー製、研磨パッド(商品名:FARDパッド)である。
尚、実施例1及び比較例1における研磨パッドの原料組成及び研磨パッドの物性を表1に示す。
表1に示すように、分子量250〜5000で官能基数2〜3のポリエーテルポリオール(三洋化成(株)製、商品名:サンニックス)、インシアネート(NCO基の含有量31重量%、ダウ・ポリウレタン社製、商品名:PAPI*135)、水、アミン系触媒(東ソー(株)製、商品名:TOYOCAT−ET)、シリコーン整泡剤(日本ユニカー(株)製、商品名:L−5309)と前記研磨粒子材料を表1に示す割合(重量部)で配合して、液状混合物を調整した。この、液状混合物を金型に注入して、20〜30℃の室温で24時間放置し、発泡硬化させ、ポリウレタン研磨パッドを作製した。
このポリウレタン研磨パッドを研磨機の定盤に粘着テープで貼り付け、ダイヤモンドを電着した修正リングで、ポリウレタン研磨パッドの表面を修正し、発泡構造が表面に露出した厚み9mmのポリウレタン研磨パッドを得た。
比較例1で使用した研磨パッドは実施例1におけるコロイダルシリカをアルミナに変えた以外は実施例1と同様の方法により研磨パッドを作製した。
図1に示すように、ポリウレタン研磨パッドに被研磨物(シリコンウェハ)を押圧し、ポリウレタン研磨パッドと被研磨物との間に研磨液を供給しながら、ポリウレタン研磨パッドと被研磨物(シリコンウェハ)との相対運動によって被研磨物(シリコンウェハ)を研磨加工した。
研磨条件は以下の通りである。
研磨圧力:300g/cm2
定盤の回転数:40rpm。
また、ポリウレタン研磨パッドの硬度は、JISK6253−1997/IS07619で規定するショアD硬度計を用いて測定した。発泡倍率は、未発泡の硬化物D1と実施例1で作製したポリウレタン研磨パッドの密度D2とを用いて、D1/D2とした
研磨効率は、研磨加工時に、1分あたりの重量変化を測定して厚みの変化を計算することにより算出した。表面の粗さは、表面粗さ測定器(小坂研究所製、商品名:surfcoder3500)を用いて測定した。
廃液の評価は、保留粒子径1μmの定性ろ紙により廃液をろ過し、ろ過後の廃液の状態を観察した。ろ過後の廃液を直径10mmの試験管に入れて、反対側に新聞紙の活字が読みとれれば良好、読みとれなければ不良とした。
評価結果を、図3及び表2に示す。
図3及び表2に示すように、本発明のシリカ砥粒含有のポリウレタン研磨パッドの場合には、333時間連続研磨を実行しても、研磨効率は一定であった。また、研磨時における砥粒の脱落は、確認できなかった。通常、1枚のシリコンウェハの研磨時間は、例えば10分/枚であるので、333時間の連続研磨を行ったとすれば約2000枚のシリコンウェハを連続的に研磨することが可能である。
なお、廃液の評価は、良好であった。
比較例1のアルミナ砥粒含有ポリウレタン研磨パッドの場合には、研磨時間が経つにつれて研磨効率が低下し、80時間で研磨が不可能な状態となった。1枚目のシリコンウェハ研磨は、通常に行うことが出来たが、2枚目のシリコンウェハ研磨では、研磨効率が著しく低下した。
比較例3の従来の固定砥粒研磨パッドの場合には、研磨を開始した途端に研磨効率が極端に落ちて、10時間で研磨不能となった。1枚目のシリコンウェハ研磨は、通常に行うことが出来たが、2枚目のシリコンウェハ研磨で研磨効率が殆どゼロとなった。
上記実施例1において、研磨粒子材料としてコロイダルシリカ、マトリックス樹脂にウレタンを用いて作製した固定砥粒研磨パッドを使用した場合には、シリコンウェハを333時間連続研磨しても研磨効率が一定維持されていることが確認された。従来の固定砥粒研磨パッドを使用した方法では、10分程度の研磨でドレスが必要であったことを考え合わせると、連続研磨時間が飛躍的に向上されていることが理解される。さらに、固定砥粒研磨パッドの厚みは減少しておらず、砥粒は全く脱落していなかった。したがって、研磨後の廃液には、被研磨物であるシリコンとアルカリ溶液しか排出されないので、環境に悪影響を与えることなく簡易かつ容易に廃液処理をおこなうことができる。
実施例2
ポリオールAとして、分子量600のグリセリン系ポリエーテルポリオール(三洋化成(株)製、商品名:GP−600)、ポリオールBとして分子量3000のグリセリン系ポリエーテルポリオール(三洋化成(株)製、商品名:GP−3000)、有機ポリイソシアネート(ダウポリウレタン社製、商品名:PARI*135)を使用し、触媒(東ソ(株)製、商品名:TOYOCAT−ET)、整泡剤(日本ユニカー(株)製、商品名:L−5309)、及び研磨粒子として実施例1で使用したと同様のコロイダルシリカを使用した。これらを表3に示す配合で混合して、注型法により常温で硬化させ研磨材を得た。得られた発泡倍率、硬度、粗さ等を表3に記載する。
被研磨物(シリコンウェハ)を以下の条件で、研磨液のpHを9.5〜13.5として研磨を行った。結果を表3に示す。
研磨条件は下記のとおりである。
研磨圧力:300g/cm2
定盤の回転数:40rpm
表3から、研磨液のpHは、10以上であることが好ましく、pH10未満の研磨液を使用すると研磨効率が著しく低下することがわかる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
産業上の利用可能性
本発明の研磨材において、マトリックス樹脂と砥粒との間で化学的結合が発現しているので、マトリックス樹脂と砥粒との間の結合力が大幅に向上する結果、マトリックス樹脂から砥粒が脱落することは殆どない。このことにより、研磨材の自発刃作用が発揮されなくても長時間の連続研磨をおこなうことができる。また、長時間の連続研磨をおこなっても砥粒が殆ど消耗せずに廃液(研磨液)には砥粒が殆ど含まれることはないので、環境に悪影響を与えることなく簡易なろ過手段などにより容易に再利用することができる。
【図面の簡単な説明】
図1は、第1の実施形態における研磨材を固定砥粒研磨パッドとして使用した研磨装置の概要を示す斜視図である。
図2は、第2の実施の形態における固定砥粒研磨パッドの構成を示す斜視図である。
図3は、実施例1における研磨時間と研磨効率との関係を示すグラフである。
Claims (19)
- 少なくとも、(1)マトリックス樹脂原料として有機ポリイソシアネート(成分A)、及び有機ポリオール(成分B)と有機ポリアミン(成分C)から選ばれた1種以上、並びに(2)研磨粒子(成分E)を含む原料を重合反応により硬化させて得られた研磨材であって、該粒子(成分E)が、(a)粒子中の水酸基量(中和滴定法による測定値)0.001mmol/g以上である粒子(成分E1)、及び/又はフュームドシリカ、コロイダルシリカ、フュームドアルミナ、コロイダルアルミナ、ベーマイトとバイヤライトから選ばれた少なくとも1種類以上(成分E2)であることを特徴とする研磨材。
- マトリックス樹脂(樹脂F)が少なくともウレタン結合を有する樹脂である請求項1に記載の研磨材。
- マトリックス樹脂原料が有機ポリイソシアネート(成分A)、有機ポリオール(成分B)及び有機ポリアミン(成分C)から選ばれた1種以上、並びに発泡剤(成分D)を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の研磨材。
- マトリックス樹脂原料が有機ポリイソシアネート(成分A)、有機ポリオール(成分B)と有機ポリアミン(成分C)から選ばれた1種以上、及び有機ポリカルボン酸(成分J)である請求項1ないし3のいずれかに記載の研磨材。
- マトリックス樹脂(樹脂F)がウレタン結合、ウレア結合、及びアミド結合のいずれか1種以上を有する樹脂である請求項1ないし4のいずれかに記載の研磨材。
- 発泡倍率が1.1ないし5倍である請求項1ないし5のいずれかに記載の研磨材。
- 粒子(成分E)が、コロイダルシリカである請求項1ないし6のいずれかに記載の研磨材。
- 粒子(成分E1)中の水酸基量が0.01ないし6mmol/g(中和滴定法による測定値)である請求項1ないし6のいずれかに記載の研磨材。
- 水酸基を有する粒子(成分E1)が水酸基を付与された、ダイヤモンド、立方晶窒化硼素、ジルコニア、セリア、酸化マンガン、酸化チタン、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、酸化マグネシウム、アルミナ−シリカ、及び炭化ケイ素から選ばれた1種以上である請求項1ないし6、及び8のいずれかに記載の研磨材。
- マトリックス樹脂(樹脂F)が研磨材中に60ない95重量%含まれることを特徴とする請求項1ないし9のいずれかに記載の研磨材。
- 研磨材が有機ポリイソシアネート化合物(成分A)、有機ポリオール(成分B)及び有機ポリアミン(成分C)から選ばれた1種以上、発泡剤(成分D)、触媒、及び粒子(成分E)を含む原料を重合反応により硬化させて得られた発泡体である請求項1ないし10のいずれかに記載の研磨材。
- 研磨材が有機ポリオール(成分B)及び有機ポリアミン(成分C)から選ばれた1種以上、発泡剤(成分D)、触媒、及び粒子(成分E)からなる混合物に、有機ポリイソシアネート化合物(成分A)を加えて撹拌混合して重合反応により硬化・成形されたことを特徴とする請求項11に記載の研磨材。
- 研磨材が有機ポリイソシアネート化合物(成分A)、発泡剤(成分D)、及び、触媒からなる混合物に、有機ポリオール(成分B)及び有機ポリアミン(成分C)から選ばれた1種以上、並びに粒子(成分E)からなる混合物を加えて撹拌混合して重合反応により硬化・成形されたことを特徴とする請求項11に記載の研磨材。
- 請求項1ないし13のいずれかに記載の研磨材を研磨テーブルに装着してなる固定砥粒研磨パッド(研磨パッドG)であって、固定砥粒研磨パッド(研磨パッドG)と被研磨物保持部との間で被研磨物を押圧し、固定砥粒研磨パッド(研磨パッドG)と前記被研磨物との間に研磨液(研磨液H)を供給しながら、前記被研磨物との相対運動によって前記被研磨物を研磨するための固定砥粒研磨パッド。
- 固定砥粒研磨パッドが中心点から円周方向に向かって放射状溝を有することを特徴とする請求項14に記載の固定砥粒研磨パッド。
- 固定砥粒研磨パッドが格子状溝を有することを特徴とする請求項14に記載の固定砥粒研磨パッド。
- 請求項1ないし12のいずれかに記載の研磨材からなる固定砥粒研磨パッド(研磨パッドG)を研磨テーブル上に装着し、固定砥粒研磨パッド(研磨パッドG)と被研磨物保持部との間で被研磨物を押圧し、固定砥粒研磨パッド(研磨パッドG)と前記被研磨物との間に研磨液(研磨液H)を供給しながら、固定砥粒研磨パッド(研磨パッドG)と前記被研磨物との相対運動によって被研磨物を研磨する方法であることを特徴とする被研磨物の研磨方法。
- 研磨液(研磨液H)がアルカリ水溶液である請求項17に記載の被研磨物の研磨方法。
- アルカリ水溶液がpH10以上である請求項18に記載の被研磨物の研磨方法。
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