JP2017137411A - 軟質ポリウレタンフォーム用ポリイソシアネート組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】 軟質ポリウレタンフォームにおいて低密度領域で低ヒステリシスロスとなるポリイソシアネート組成物を提供する。
【解決手段】 特定の成分比率範囲にあるポリフェニレンポリメチレンポリイソシアネート(A)を特定のオキシエチレンユニット含有量幅で、かつ特定の開始剤官能基数幅にあるモノオール(B)にてアロファネート化することにより得られる軟質ポリウレタンフォーム用変性ポリフェニレンポリメチレンポリイソシアネート組成物(C)により解決する。
【選択図】なし
【解決手段】 特定の成分比率範囲にあるポリフェニレンポリメチレンポリイソシアネート(A)を特定のオキシエチレンユニット含有量幅で、かつ特定の開始剤官能基数幅にあるモノオール(B)にてアロファネート化することにより得られる軟質ポリウレタンフォーム用変性ポリフェニレンポリメチレンポリイソシアネート組成物(C)により解決する。
【選択図】なし
Description
本発明は、軟質ポリウレタンフォーム用イソシアネート組成物並びに同組成物からなる軟質ポリウレタンフォームに関する。特に本発明の軟質ポリウレタンフォームは、耐久性を要求される車両用シートクッションに適する。
古くより自動車のシートクッション用軟質ポリウレタンフォーム(以下、軟質フォームとも言う)は、安全性の観点から長時間の乗車でも厚み減少による運転者の視点変化が少なくなるよう高い耐久性が要求されている。一方で、昨今のシートクッションでは、路面から伝わる振動を軽減するため、フォームの反発弾性率を低く抑え、また、コスト低減の観点からフォーム密度を可能な限り低くすることが求められている。しかしながら、これら低反発化、低密度化は、フォーム耐久性を著しく悪化させることが知られており、耐久性と乗り心地性、経済性を両立させる技術の確立が求められてきた。
これらを解決する手段として特開2001−137077号公報にはトリレンジイソシアネート(以下TDIとも言う)とポリフェニレンポリメチレンポリイソシアネート(以下Poly−MDIとも言う)との混合物を使用した軟質フォームが提案されている。しかし、TDIを主原料とする軟質フォームは、ジフェニルメタンジイソシアネート(以下MDIとも言う)を主原料とする軟質フォームに比べ反発弾性率が高くなることが知られており、十分な振動吸収性能を達成するために低減すべき反発弾性率の幅が大きい。反発弾性率を下げる手段としては、樹脂の架橋密度低減やガラス転移温度上昇、フォームの通気度低減などが上げられるが、これらは全て軟質フォームの耐久性を悪化させることが知られており、結果としてTDIを主原料とする軟質フォームでは、低い反発弾性率による良好な振動吸収性と低いヒステリシスロス率による高い耐久性とを両立することが困難である。さらに、TDIを使用したウレタンフォームでは、フォームのスキン層とコア層との密度差が大きく、同じ25%圧縮硬さ、ヒステリシスロス率のフォームであっても表面触感が固く、乗り心地性能に劣る。加えて、蒸気圧の高いTDIの使用は、軟質フォーム製造場所の作業環境が悪化することが知られている。
一方、TDI系軟質フォームに比較し、一般的に反発弾性率が低いMDI系軟質フォームは、高密度領域で振動吸収性と耐久性の両立が比較的容易である。しかし、TDIに比べ単位重量当りのイソシアネート基含有率(NCO含量)が低いMDI系イソシアネートでは、密度低減のために大量の水を配合する必要が有り、昨今シートクッションに要求される55kg/m3未満の低密度領域では、イソシアネートと水との反応により生成する剛直なウレア結合の増加で樹脂の変形からの復元性が減少し、耐久性が悪化すると共にMDI系フォームの特徴である良好な質感が失われる。これまで、上記密度領域で耐久性の指標となるヒステリシスロス率が28%を下回るMDI系軟質フォームは知られていない。
また、国際公開第2000/008083号には、ジフェニルメタンジイソシアネート含有率81〜100%、ジフェニルメタンジイソシアネート中の2,2’−ジフェニルメタンジイソシアネート及び2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート40〜60%を含む変性されていないMDIと平均公称ヒドロキシル官能価2〜6、平均当量200〜600のオキシエチレン基を少なくとも60質量%含有するポリエーテルポリオールを含むポリオール組成物とを反応させる方法が開示されている。しかしながら、この方法では、水を含む他の活性水素基含有化合物と当該オキシエチレンユニットを有するポリオールが競合してイソシアネートと反応するため、結果として当該オキシエチレンユニットを有するポリオールの末端水酸基の反応は完結せず、十分なヒステリシスロス率低減の効果が得られなかった。また、新たに為された本発明による好適なオキシエチレンユニットを有するポリオールは、大気圧における凝固点を室温付近に有するため、一般的な軟質フォーム成形時のポリオールプレミックス温度10〜45℃で固化してしまうため、通常の発泡装置では原料液フィルターに固形物として詰まり、国際公開第2000/008083号に示される方法に供することができない。
本発明は、低い反発弾性率による良好な振動吸収性を有しつつ、55kg/m3未満の低密度領域においても低いヒステリシスロス率を実現する軟質フォーム製造用イソシアネート組成物、及びこのイソシアネートを使用した高振動吸収性、高耐久性を有する軟質フォーム、さらにはこの軟質フォームを使用した、良好な乗り心地性と高い安全性を両立する車両用シートクッション、シートバック及びサドルの提供を目的とする。
本発明は、前述の課題を解決するために鋭意検討した結果、見出されたものである。
すなわち本発明は、以下の(1)〜(5)の実施形態を含むものである。
(1)ポリフェニレンポリメチレンポリイソシアネート(A)とモノオール(B)とのアロファネート変性体からなる、変性ポリフェニレンポリメチレンポリイソシアネート組成物(C)であって、
ポリフェニレンポリメチレンポリイソシアネート(A)がジフェニルメタンジイソシアネートを65〜95質量%の範囲で含むこと、
モノオール(B)がオキシエチレンユニットを55質量%以上含むこと、及び
変性ポリフェニレンポリメチレンポリイソシアネート組成物(C)のイソシアネート含量が25〜65質量%の範囲であること
を特徴とする変性ポリフェニレンポリメチレンポリイソシアネート組成物。
ポリフェニレンポリメチレンポリイソシアネート(A)がジフェニルメタンジイソシアネートを65〜95質量%の範囲で含むこと、
モノオール(B)がオキシエチレンユニットを55質量%以上含むこと、及び
変性ポリフェニレンポリメチレンポリイソシアネート組成物(C)のイソシアネート含量が25〜65質量%の範囲であること
を特徴とする変性ポリフェニレンポリメチレンポリイソシアネート組成物。
(2)ポリフェニレンポリメチレンポリイソシアネート(A)に含まれるジフェニルメタンジイソシアネートの総量に対し、2,2’−ジフェニルメタンジイソシアネート及び2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートを10〜50質量%の範囲で含むことを特徴とする上記(1)に記載の変性ポリフェニレンポリメチレンポリイソシアネート組成物。
(3)モノオール(B)の水酸基価が40〜150mgKOH/gであることを特徴とする上記(1)又は(2)に記載の変性ポリフェニレンポリメチレンポリイソシアネート組成物。
(4)上記(1)乃至(3)のいずれかに記載の変性ポリフェニレンポリメチレンポリイソシアネート組成物、ポリオール(G)、触媒(H)、発泡剤(I)及び整泡剤(J)の混合液を反応させて発泡することを特徴とする軟質ポリウレタンフォームの製造方法。
(5)軟質ポリウレタンフォームの見掛け硬度が55kg/m3未満であり、スキン付きフォーム試験片の25%圧縮硬さが100〜400N/314cm2の範囲であり、反発弾性率が45〜65%の範囲であり、かつヒステリシスロス率が28%未満であることを特徴とする上記(4)に記載の軟質ポリウレタンフォームの製造方法。
本発明の軟質フォーム用のイソシアネート組成物を含有する軟質フォーム成形用組成物によれば、低い反発弾性率による良好な振動吸収性を有しつつ、低密度領域においても低いヒステリシスロス率を実現する軟質フォームを製造することができる。
先ず、本発明のポリイソシアネート組成物について説明する。本発明のポリイソシアネート組成物は、ポリフェニレンポリメチレンポリイソシアネート(A)をオキシエチレンユニットを有するモノオール(B)にてアロファネート化したイソシアネート含量25〜32質量%の変性ポリフェニレンポリメチレンポリイソシアネート組成物(C)であって、ポリフェニレンポリメチレンポリイソシアネート(A)がジフェニルメタンジイソシアネートを65〜90質量%の範囲で含み、ジフェニルメタンジイソシアネートに含まれる2,2’−ジフェニルメタンジイソシアネート及び2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートが、ジフェニルメタンジイソシアネートの総量に対し10〜50質量%であり、オキシエチレンユニットを有するモノオール(B)は、オキシエチレンユニットを65%以上含むことを特徴とする軟質フォーム用ポリイソシアネート組成物である。
本発明におけるポリフェニレンポリメチレンポリイソシアネート(A)はベンゼン環とイソシアネート基を2つずつ含むジフェニルメタンジイソシアネート、ベンゼン環とイソシアネート基を3つ以上ずつ含む多核体と、一般的に市販のポリフェニレンポリメチレンポリイソシアネートに含まれる少量の不純物(イソシアネート二量体、Poly−MDIのメチル化物や塩素化物、カルボジイミドやウレトンイミン化合物)からなる。
本発明におけるアロファネート化触媒としては、公知の触媒から適宜選択して用いることができ、例えば、アセチルアセトン金属錯体、オクチル酸ジルコニウム塩等のカルボン酸塩、ジメチルアミノエトキシエタノール等の3級アミン類等を用いることができる。なお、アロファネート化触媒の使用量は、ポリイソシアネートとアルコールとの合計質量に対して0.0005〜1質量%が好ましく、0.001〜0.1質量%がより好ましい。反応終了後、塩化ベンゾイル、リン酸、リン酸エステル等の反応停止剤を反応系内に加え、30〜100℃で1〜2時間停止反応を行い、アロファネート化反応を停止させる。アロファネート化は、ウレタン化と同時に行っても、ウレタン化後に行ってもよい。ウレタン化とアロファネート化とを同時に行う場合、アロファネート化触媒の存在下で反応を行えばよく、ウレタン化後にアロファネート化を行う場合、アロファネート化触媒の非存在下で、所定時間ウレタン化反応を行った後、アロファネート化触媒を添加してアロファネート化反応を行えばよい。
Poly−MDI(A)におけるMDIの質量含有率(以下MDI含有率とも言う)は変性ポリフェニレンポリメチレンポリイソシアネート組成物(C)の組成原単位からオキシエチレンユニットを有するモノオール(B)を除いた、Poly−MDI(A)に対するMDIの含有率であり、ゲルパーミエーションクロマトグラフやガスクロマトグラフにて測定することができる。また、MDIや多核体を各種ブレンドしてPoly−MDI(A)を調製する場合、各原料のMDI含有率が事前に判明していれば、計算により算出することもできる。MDI含有率としては65〜90質量%が好ましく、70〜85質量%がより好ましい。
本発明にかかるMDI含有率が90質量%を超えると得られるポリイソシアネート組成物の低温における貯蔵安定性や得られる軟質フォームの耐久性、硬さが低化しやすい。他方、65質量%未満では架橋密度が高くなることで、シートクッションに適さない程度までフォームが硬くなると共にフォームの引張り破断時伸び率が低下し、車両の座席用軟質フォームに十分なフォーム強度を得にくくなる。
さらに、MDI総量に対する2,2’−ジフェニルメタンジイソシアネート(以下2,2’−MDIとも言う)の含有率と2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(以下2,4’−MDIとも言う)の含有率との合計(以下アイソマー含有率とも言う)は10〜50質量%であることが好ましく、20〜45質量%であることがより好ましい。
本発明にかかるMDI総量に対する2,2’−MDI及び2,4’−MDIの含有量が10質量%未満では得られるポリイソシアネート組成物の低温での貯蔵安定性が損なわれ、イソシアネート保管場所や配管、発泡成形機内の常時加温が必要となる他、軟質フォームの成形安定性が損なわれ、発泡途中でのフォーム崩壊などが発生しやすい。他方、50質量%を超えるとフォーム硬度が低下し、シートクッション、シートバックやサドルとして十分な硬さが確保できない、反応性が低下し、成形サイクルが延長する、フォームの独泡率が高くなりヒステリシスロス率が上昇する、などの問題が生じやすい。
本発明のポリイソシアネート組成物の合成に使用されるオキシエチレンユニットを有するモノオール(B)は、少なくともオキシエチレン単位の含有量が55〜100質量%であることが必要であり、75〜100質量%がより好ましい。
本発明では、特定のオキシエチレン単位含有量を含むモノオール(B)によりPoly−MDI(A)をアロファネート変性することで、軟質フォームとなった際、樹脂中におけるオキシエチレン単位同士、またはオキシエチレン単位とアロファネート、ウレタンやウレア結合間に静電的な相互作用が生じ、擬似架橋構造を取ることにより低い反発弾性率のフォームであっても低いヒステリシスロス率、高い耐久性を実現するものであって、オキシエチレン単位含量が55質量%未満の変性用ポリオールでは、前記相互作用が十分では無く、良好な効果は得られない。
モノオール(B)は、前記のオキシエチレン単位含有量を満足することで発明者らが求める良好な軟質フォーム性能を実現することが可能であるが、中でもモノオール(B)の水酸基価が40〜150mgKOH/gである場合、より優れた結果が得られる。
上記水酸基価の範囲であれば凝集力が高く、ヒステリシスロス率改善効果が大きい。水酸基価が40mgKOH/gより低い場合、オキシエチレン単位による凝集性が非常に高くなることで、ヒステリシスロス率改善効果はより大きくなるが、高すぎる凝集力は、イソシアネート自体の凝固点を高め、低温貯蔵安定性悪化を引き起こすことがある。
なお凝固点とは、校正された水銀温度計により1℃刻みで正しく温度調節されている恒温水槽に、それぞれの温度で100mlの蓋付きガラス瓶に入れられたポリオールを24時間保管した後に目視上結晶析出が確認できた最高の温度をいう。
さらに、本発明にかかるオキシエチレンユニットを有するモノオール(B)において、JIS K 1557で規定されるCPR値(controlled polymerization rate)は、10以下であることが好ましい。さらに好ましくは5以下である。CPR値が10を超える場合、イソシアネートのウレタン変性において、ウレタン化反応以外のトリマー化やアロファネート化、ダイマー化反応が促進され、合成中のイソシアネートが固化したり、イソシアネート粘度が予定外に上昇したりして実用に耐えないものとなりやすい。
本発明にかかるオキシエチレンユニットを65〜100質量%で含むモノオールとしては一般的に平均分子量300以上1300以下が好適な範囲となる。入手可能な製品としては東邦化学社製MPEG−1000、同 メトキシPEG400、日本乳化剤社製MPG−081、等が挙げられる。
また、上記オキシエチレン単位の含有量と水酸基価、CPR値を達成することが可能であれば、二種類以上のポリオールを混合して使用することも可能である。
本発明の変性ポリフェニレンポリメチレンポリイソシアネート組成物(C)におけるイソシアネート基含量は25〜32質量%である。かかるNCO含量が25質量%未満では、イソシアネートと水との反応による二酸化炭素発生量が少なすぎ、低密度領域での成形性を確保することが困難である。32質量%を超える場合、オキシエチレン単位を有するモノオールの量が少なすぎ、本発明のヒステリシスロス率低減効果を得にくい。
前記Poly−MDIと前記オキシエチレンユニットを有するモノオールとを反応させる合成法としては特に制限されるものではなく、全量のPoly−MDIにオキシエチレンユニットを有するモノオールを全量仕込みプレポリマー化する方法、MDIの一部とポリオールを反応させてから残りのPoly−MDIを混合する方法等が適用できる。
次に、本発明の軟質フォームの製造方法について説明する。本発明の軟質フォームの製造方法は、製造された軟質フォームが見掛け密度55kg/m3未満、かつスキン付きフォーム試験片の25%圧縮硬さが100〜400N/314cm2、反発弾性率が45〜65%、ヒステリシスロス率が28%未満であることを特徴とし、本発明の変性ポリフェニレンポリメチレンポリイソシアネート組成物(C)、ポリオール(G)、触媒(H)、発泡剤(I)としての水、及び整泡剤(J)の混合液を反応発泡せしめる軟質フォームの製造方法である。
なお、上記見掛け密度、反発弾性率は、JIS K6400記載の方法で、スキン付き試験片フォームの25%圧縮硬さは、JIS K6400記載のB法で、ヒステリシスロス率はJIS K6400記載のB法で測定される値を指す。
本発明にかかるポリオール(G)としては、軟質フォームとして優れた性能を発現しやすい、水酸基価20〜40mgKOH/g、及び平均官能基数が2〜4のポリエーテルポリオールを主体とするものが好ましい。
このようなポリエーテルポリオールとしては、公知のものが使用でき、例えば、(数平均)分子量700未満の低分子量ポリオール類、低分子量ポリアミン類、低分子量アミノアルコール類等を開始剤として、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等のアルキレンオキサイドや、テトラヒドロフラン等の環状エーテルを付加させて得られるものが挙げられる。このような開始剤としては、例えば水、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、2−メチル−1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、2−n−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2−n−ヘキサデカン−1,2−エチレングリコール、2−n−エイコサン−1,2−エチレングリコール、2−n−オクタコサン−1,2−エチレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノールAのエチレンオキサイド又はプロピレンオキサイド付加物、水素添加ビスフェノールA、3−ヒドロキシ−2,2−ジメチルプロピル−3−ヒドロキシ−2,2−ジメチルプロピオネート、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトール等の低分子量ポリオール類;アニリン、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、トルエンジアミン、メタフェニレンジアミン、ジフェニルメタンジアミン、キシリレンジアミン等の低分子量アミン類;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン等の低分子量アミノアルコール類等が挙げられる。
かかる水酸基価が40mgKOH/gを超えるとポリウレタンフォームの硬さが高くなりすぎ、柔軟性も低下する。他方、20mgKOH/g未満では得られるポリウレタンフォームの硬さが車両の座席用軟質フォームとしては柔らかすぎ、また、高い粘度による混合不良などが発生しやすい。
本発明の軟質フォームの製造方法では、硬さ調整を目的として、ポリオール中でビニル系モノマーを通常の方法で重合せしめて製造したポリマーポリオールを併用することができる。このようなポリマーポリオールとしては、前記ポリオール(G)と同様のポリエーテルポリオール中、ラジカル開始剤の存在下でビニル系モノマーを重合させ、安定分散させたものが挙げられる。また、ビニル系モノマーとしては、例えばアクリロニトリル、スチレン、塩化ビニリデン、ヒドロキシアルキル、メタアクリレート、アルキルメタアクリレートが挙げられ、中でもアクリロニトリル、スチレンが好ましい。このようなポリマーポリオールの具体例としては、旭硝子ウレタン社製のEL−910、EL−923、三洋化成工業社製のFA−728R等が挙げられる。
本発明に使用される触媒(H)としては、当業界で公知の各種ウレタン化触媒や三量化触媒を用いることができる。代表例としてはトリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、N−メチルモルホリン、N−エチルモルホリン、ジメチルベンジルアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルヘキサメチレンジアミン、N,N,N’,N’,N’’−ペンタメチルジエチレントリアミン、トリエチレンジアミン、ビス−(2−ジメチルアミノエチル)エーテル、1,8−ジアザ−ビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7等の三級アミン、ジメチルエタノールアミン、N−トリオキシエチレン−N,N−ジメチルアミン、N,N−ジメチル−N−ヘキサノールアミン等の反応型三級アミン又はこれらの有機酸塩、1−メチイミダゾール、2−メチルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、2,4−ジメチルイミダゾール、1−ブチル−2−メチルイミダゾール等のイミダゾール化合物、スタナスオクトエート、ジブチルチンジラウレート、ナフテン酸亜鉛等の有機金属化合物、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、2,4,6−トリス(ジアルキルアミノアルキル)ヘキサヒドロ−S−トリアジン、酢酸カリウム、2−エチルヘキサン酸カリウム等の三量化触媒等が挙げられる。触媒の種類と量は、適切なフォームセルの独泡率、生産サイクルを実現できるものであれば良く、特に規定する必要は無いが、フォーム臭気などの点から好ましい添加量はポリオールに対し0.1〜5質量部である。
本発明に使用される発泡剤(I)は、イソシアネート基と水との反応で発生する炭酸ガスが好ましく、水の量はポリオール(G)100質量部に対し2〜15質量部が好ましい。水に加え、液化炭酸ガスを6質量部までの範囲で添加し、発泡倍率を高めることも可能である。
本発明に使用される整泡剤(J)は当業界で公知の有機珪素系界面活性剤であり、例えば、東レ・ダウコーニング社製のSZ−1327、SZ−1325、SZ−1336、SZ−3601、モメンティブ社製のY−10366、L−5309、エボニック社製B−8724LF2、B−8715LF2、信越化学社製のF−122等が挙げられる。これら整泡剤の量はポリオール(G)100質量部に対し0.1〜3質量部が好ましい。
また、本発明には成形安定性の向上やフォーム硬さの調整を目的としてジエタノールアミンやトリエタノールアミンといった架橋剤を添加することができる。架橋剤の好ましい添加量はポリオール(G)100質量部に対し5質量部までである。必要以上の架橋剤添加では、強い独泡性を生じたり、架橋密度増大により機械的強度が悪化する傾向にある。
上記の他に、添加剤として、難燃剤、可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、着色剤、各種充填剤、内部離型剤、その他の加工助剤を使用することができる。なお、これらの助剤の中でイソシアネートと反応しうる活性水素基を有さないものについては、ポリイソシアネートにあらかじめ混合して使用することもできる。
本発明のポリイソシアネート組成物中の全イソシアネート基と水を含むイソシアネート反応性化合物中の全イソシアネート反応性基との混合発泡時におけるモル比(NCO/NCO反応性基)としては0.7〜1.4(イソシアネートインデックス(NCO INDEX)=70〜140)であることが好ましく、フォームの耐久性や成形サイクルの良好な範囲として0.8〜1.3(イソシアネートインデックス(NCO INDEX)=80〜130)がより好ましい。
イソシアネートインデックスが70未満では耐久性の低下や独泡性が過度に上昇しやすく、140より高い場合は未反応イソシアネートが長く残存することによる成形サイクルの延長、高分子量化の遅延によるフォーム発泡途中でのセル崩壊などが生じやすい。
本発明の軟質フォームの製造方法は、前記変性ポリイソシアネート組成物(C)、ポリオール(G)、触媒(H)、発泡剤(I)としての水、及び整泡剤(J)の混合液の発泡原液を金型内に注入し、その後発泡硬化させることを特徴とする軟質ポリウレタンモールドフォーム(以下、軟質モールドフォームとも言う)の製造方法が使用できる。
上記発泡原液を金型内に注入する際の金型温度としては、通常30〜80℃、好ましくは45〜65℃である。上記発泡原液を金型内に注入する際の金型温度が30℃未満であると、反応速度低下による生産サイクルの延長につながり、一方、80℃より高いと、ポリオールとイソシアネートの反応に対し、水とイソシアネートとの反応が過度に促進されることにより、発泡途中においてフォームが崩壊したり、ウレア結合の局所増大による耐久性、フォーム触感が悪化しやすくなる。
上記発泡原液を発泡硬化させる際の硬化時間としては、一般的な車両用シートパッド、サドルなどの生産サイクルを考慮すると10分以下が好ましく、7分以下がより好ましい。
本発明の軟質モールドフォームを製造するに際しては、通常の軟質モールドフォームの場合と同様、高圧発泡機や低圧発泡機等を用いて、上記各成分を混合することができる。
ポリイソシアネート成分とポリオール成分とは発泡直前で混合することが好ましい。その他の成分は、原料の貯蔵安定性や反応性の経時変化に影響を与えない範囲でポリイソシアネート成分またはポリオール成分と予め混合することができる。それら混合物は混合後直ちに使用しても、貯留した後、必要量を適宜使用してもよい。混合部に2成分を超える成分を同時に導入可能な構造を有する発泡装置の場合、ポリオール、発泡剤、ポリイソシアネート、触媒、整泡剤、添加剤などを個別に混合部に導入することもできる。
また、混合方法は発泡機のマシンヘッド混合室内で混合を行うダイナミックミキシング、送液配管内で混合を行うスタティックミキシングの何れでも良く、また両者を併用してもよい。物理発泡剤等のガス状成分と液状成分との混合はスタティックミキシングで、液体として安定に貯留可能な成分同士の混合はダイナミックミキシングで実施される場合が多い。本発明に使用される発泡装置は、混合部の溶剤洗浄が必要のない高圧発泡装置であることが好ましい。
このような混合により得られた混合液を金型(モールド)内に吐出し、発泡硬化させ、その後脱型が行われる。
上記脱型を円滑に行うため、金型に予め離型剤を塗布しておくことも好適である。使用する離型剤としては、成形加工分野で通常用いられる離型剤を用いればよい。
上記脱型を円滑に行うため、金型に予め離型剤を塗布しておくことも好適である。使用する離型剤としては、成形加工分野で通常用いられる離型剤を用いればよい。
脱型後の製品はそのままでも使用できるが、従来公知の方法で圧縮下又は、減圧下でフォームのセル膜を破壊し、以降の製品外観、寸法を安定化させることが好ましい。
本発明のポリイソシアネート組成物による好適な軟質フォームは、JIS K6400の方法で測定される見掛け密度が55kg/m3未満、かつJIS K6400記載のB法で測定されるスキン付きフォーム試験片の25%圧縮硬さが100〜400N/314cm2であって、JIS K6400記載の反発弾性率が45〜65%、JIS K6400記載のB法によるヒステリシスロス率が28%未満であることを特徴とする。本発明によるポリイソシアネート組成物を用いた軟質フォームであれば、上記一般的に入手可能な原料類を使用して本特徴を有する軟質フォームを容易に製造することができる。
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、文中の「部」、「%」は質量基準である。
<イソシアネート合成例I−1>
攪拌機、温度計、冷却器及び窒素ガス導入管のついた容量:1Lの反応器に、2,2’−MDI:1.4%、2,4’−MDI:43.4%を含むMDI:607.1gを仕込み、55℃まで昇温した後、モノオール(数平均分子量1000、エチレンオキサイドユニット含有量 100%、東邦化学工業社製MPEG−1000)を87.0g仕込み、アセチルアセトン亜鉛(日本化学産業社製ナーセム亜鉛)を0.07g仕込み、90℃まで昇温した。温度を維持したまま攪拌羽根で均一に混合しながら1.5時間アロファネート化反応を行った。60℃まで降温し、塩化ベンゾイル0.14gを添加しアロファネート化反応を停止させた。続いてMDI:39%、MDI中の2,2’−MDIと2,4’−MDIの含有率2.5%のPoly−MDIを305.9g仕込み、30分間攪拌後、室温まで冷却してイソシアネート基末端プレポリマー「I−1」(NCO含量31.6%)を得た。MPEG−1000との反応の前に仕込んだMDIと反応後に仕込んだPoly−MDIとを合算したPoly−MDIの組成は、MDI含有率80.2%、MDI中の2,2’−MDIと2,4’−MDIの合計した含有率は、38.1%であった。
攪拌機、温度計、冷却器及び窒素ガス導入管のついた容量:1Lの反応器に、2,2’−MDI:1.4%、2,4’−MDI:43.4%を含むMDI:607.1gを仕込み、55℃まで昇温した後、モノオール(数平均分子量1000、エチレンオキサイドユニット含有量 100%、東邦化学工業社製MPEG−1000)を87.0g仕込み、アセチルアセトン亜鉛(日本化学産業社製ナーセム亜鉛)を0.07g仕込み、90℃まで昇温した。温度を維持したまま攪拌羽根で均一に混合しながら1.5時間アロファネート化反応を行った。60℃まで降温し、塩化ベンゾイル0.14gを添加しアロファネート化反応を停止させた。続いてMDI:39%、MDI中の2,2’−MDIと2,4’−MDIの含有率2.5%のPoly−MDIを305.9g仕込み、30分間攪拌後、室温まで冷却してイソシアネート基末端プレポリマー「I−1」(NCO含量31.6%)を得た。MPEG−1000との反応の前に仕込んだMDIと反応後に仕込んだPoly−MDIとを合算したPoly−MDIの組成は、MDI含有率80.2%、MDI中の2,2’−MDIと2,4’−MDIの合計した含有率は、38.1%であった。
この合成例1で実施したMDIとポリオールとを事前に反応させ、その後Poly−MDIを添加する方法を合成法1とする。
<イソシアネート合成例I−2>
攪拌機、温度計、冷却器及び窒素ガス導入管のついた容量:1Lの反応器に、2,2’−MDI:0.7%、2,4’−MDI:24.2%を含むMDI:660.1gとMDI:39%、MDI中の2,2’−MDIと2,4’−MDIの含有率2.5%のPoly−MDI:317.4gとを仕込み攪拌した。攪拌により均一となったPoly−MDIの組成は、MDI含有率80.2%、MDI中の2,2’−MDIと2,4’−MDIの合計した含有率は、21.2%であった。その後、75℃まで昇温した後、モノオール(数平均分子量700、エチレンオキサイドユニット含有量 100%、日本乳化剤社製MPG−081)を22.5g仕込み、アセチルアセトン亜鉛(日本化学産業社製ナーセム亜鉛)を0.07g仕込み、90℃まで昇温した。温度を維持したまま攪拌羽根で均一に混合しながら1.5時間アロファネート化反応を行った。60℃まで降温し、塩化ベンゾイル0.14gを添加しアロファネート化反応を停止させた。30分間攪拌後、室温まで冷却して、イソシアネート基末端プレポリマー「I−2」(NCO含量31.4%)を得た。
攪拌機、温度計、冷却器及び窒素ガス導入管のついた容量:1Lの反応器に、2,2’−MDI:0.7%、2,4’−MDI:24.2%を含むMDI:660.1gとMDI:39%、MDI中の2,2’−MDIと2,4’−MDIの含有率2.5%のPoly−MDI:317.4gとを仕込み攪拌した。攪拌により均一となったPoly−MDIの組成は、MDI含有率80.2%、MDI中の2,2’−MDIと2,4’−MDIの合計した含有率は、21.2%であった。その後、75℃まで昇温した後、モノオール(数平均分子量700、エチレンオキサイドユニット含有量 100%、日本乳化剤社製MPG−081)を22.5g仕込み、アセチルアセトン亜鉛(日本化学産業社製ナーセム亜鉛)を0.07g仕込み、90℃まで昇温した。温度を維持したまま攪拌羽根で均一に混合しながら1.5時間アロファネート化反応を行った。60℃まで降温し、塩化ベンゾイル0.14gを添加しアロファネート化反応を停止させた。30分間攪拌後、室温まで冷却して、イソシアネート基末端プレポリマー「I−2」(NCO含量31.4%)を得た。
この合成例2で実施したMDIとPoly−MDIとを事前に混合し、その後ポリオールと反応させる方法を合成法2とする。
<イソシアネート合成例>
表中に組成、合成法を記載した。また、使用した変性用ポリオールの詳細も表に示した。
表中に組成、合成法を記載した。また、使用した変性用ポリオールの詳細も表に示した。
<ポリオールプレミックスの調製>
攪拌機を備えた容量100Lの混合機に、ポリオール(G)、触媒(H)、発泡剤(I)としての水、及び整泡剤(J)をそれぞれ、表1に記載した量を仕込み、均一に混合した。
攪拌機を備えた容量100Lの混合機に、ポリオール(G)、触媒(H)、発泡剤(I)としての水、及び整泡剤(J)をそれぞれ、表1に記載した量を仕込み、均一に混合した。
<ポリオールG>
・ポリオールG−1:重合開始剤平均官能基数=3.0、水酸基価=28(mgKOH/g)のポリオキシエチレンポリオキシプロピレンポリオール、三洋化成工業社製サンニックス FA−921
・ポリオールG−2:重合開始剤平均官能基数=4.0、水酸基価=28(mgKOH/g)のポリオキシエチレンポリオキシプロピレンポリオール、旭硝子社製 エクセノール 838
・ポリオールG−3:重合開始剤平均官能基数=3.0、水酸基価=48(mgKOH/g)のポリオキシエチレンポリオキシプロピレンポリオール、三洋化成工業社製 サンニックス FA−103
・ポリオールG−4:平均官能基数=3.0、水酸基価=28(mgKOH/g)のポリマーポリオール、三洋化成工業社製 サンニックス FA−728R
・ポリオールG−1:重合開始剤平均官能基数=3.0、水酸基価=28(mgKOH/g)のポリオキシエチレンポリオキシプロピレンポリオール、三洋化成工業社製サンニックス FA−921
・ポリオールG−2:重合開始剤平均官能基数=4.0、水酸基価=28(mgKOH/g)のポリオキシエチレンポリオキシプロピレンポリオール、旭硝子社製 エクセノール 838
・ポリオールG−3:重合開始剤平均官能基数=3.0、水酸基価=48(mgKOH/g)のポリオキシエチレンポリオキシプロピレンポリオール、三洋化成工業社製 サンニックス FA−103
・ポリオールG−4:平均官能基数=3.0、水酸基価=28(mgKOH/g)のポリマーポリオール、三洋化成工業社製 サンニックス FA−728R
<触媒H>
・触媒H−1:トリエチレンジアミンの33%ジプロピレングリコール溶液、東ソー社製TEDA−L33
・触媒H−2:ビス(2−ジメチルアミノエチル)エーテルの70%ジプロピレングリコール溶液、東ソー社製TOYOCAT−ET
・触媒H−1:トリエチレンジアミンの33%ジプロピレングリコール溶液、東ソー社製TEDA−L33
・触媒H−2:ビス(2−ジメチルアミノエチル)エーテルの70%ジプロピレングリコール溶液、東ソー社製TOYOCAT−ET
<整泡剤J>
・整泡剤J−1:シリコーン系整泡剤、東レ・ダウコーニング社製SZ−1325
・整泡剤J−1:シリコーン系整泡剤、東レ・ダウコーニング社製SZ−1325
<フォーム成型>
[発泡条件]
金型温度:55〜60℃
金型形状:100×300×300mm
金型材質:アルミニウム
キュアー条件:55〜60℃×4分
[発泡条件]
金型温度:55〜60℃
金型形状:100×300×300mm
金型材質:アルミニウム
キュアー条件:55〜60℃×4分
ポリオールプレミックスP−1〜P−3と合成したイソシアネート基末端プレポリマーI−1〜I−3を液温25±1℃に調整した。ポリオールプレミックスにイソシアネート基末端プレポリマーI−1〜I−3を表4に示すイソシアネートインデックス値となる割合で混合し、ミキサー(毎分7000回転)で7秒間混合し金型内に注入し軟質フォームを発泡させた後、金型より取出して、ローラークラッシングによる破泡後、得られた軟質フォームの物性を測定した。
ポリオールプレミックスP−1〜P―3と合成したイソシアネート基末端プレポリマーH−1〜H−3を液温25±1℃に調整した。ポリオールプレミックスにポリイソシアネート基末端プレポリマーH−1〜H−3に示すイソシアネートを表5に示すイソシアネートインデックスで投入し、ミキサー(毎分7000回転)で7秒間混合し、金型内に注入してポリウレタンフォームを反応、発泡させた後、金型より取出して、ローラークラッシングで破泡後、得られた軟質フォームの物性を測定した。
<ポリウレタンフォームの物性測定>
見掛け密度、引張強さ、伸び、引裂強さ、反発弾性率、湿熱圧縮残留歪は、JIS K6400記載の方法で、圧縮残留歪はJIS K6400記載のA法で、スキン付き試験片フォームの25%圧縮硬さ(25%ILD)は、JIS K6400記載のB法で、ヒステリシスロス率はJIS K6400記載のB法で測定した。
見掛け密度、引張強さ、伸び、引裂強さ、反発弾性率、湿熱圧縮残留歪は、JIS K6400記載の方法で、圧縮残留歪はJIS K6400記載のA法で、スキン付き試験片フォームの25%圧縮硬さ(25%ILD)は、JIS K6400記載のB法で、ヒステリシスロス率はJIS K6400記載のB法で測定した。
表4に示す結果から明らかなように、本発明のポリイソシアネート組成物を用いて本発明の方法によって得られた軟質ポリウレタンフォームK−1〜K5はいずれもオキシエチレンユニットの凝集による疑似架橋の結果、ヒステリシスロスが28%未満であり良好な物性を示すことが確認できた。
表5に示すようにK−6、K−7、K−9ではオキシエチレン単位を有するポリオールの量が少ないため、凝集による架橋効果が低く、ヒステリスロスが28%を超える結果となった。また、K−8のようにMDI含量を下げた場合は軟質フォーム樹脂中の化学的架橋密度が高くなりすぎ、低いヒステリシスロス率、高い耐久性は実現可能であるが、フォームの機械的強度が常用に耐えない程度まで悪化する。
以上の結果から、本発明の変性ポリイソシアネート組成物を用いることにより密度55kg/m3未満でヒステリシスロスが28%未満と低く、耐久性が高い軟質ウレタンフォームを成型することができるため、産業上極めて有用である。
Claims (5)
- ポリフェニレンポリメチレンポリイソシアネート(A)とモノオール(B)とのアロファネート変性体からなる、変性ポリフェニレンポリメチレンポリイソシアネート組成物(C)であって、
ポリフェニレンポリメチレンポリイソシアネート(A)がジフェニルメタンジイソシアネートを65〜95質量%の範囲で含むこと、
モノオール(B)がオキシエチレンユニットを55質量%以上含むこと、及び
変性ポリフェニレンポリメチレンポリイソシアネート組成物(C)のイソシアネート含量が25〜65質量%の範囲であること
を特徴とする変性ポリフェニレンポリメチレンポリイソシアネート組成物。 - ポリフェニレンポリメチレンポリイソシアネート(A)に含まれるジフェニルメタンジイソシアネートの総量に対し、2,2’−ジフェニルメタンジイソシアネート及び2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートを10〜50質量%の範囲で含むことを特徴とする請求項1に記載の変性ポリフェニレンポリメチレンポリイソシアネート組成物。
- モノオール(B)の水酸基価が40〜150mgKOH/gであることを特徴とする請求項1又は2に記載の変性ポリフェニレンポリメチレンポリイソシアネート組成物。
- 請求項1乃至3のいずれかに記載の変性ポリフェニレンポリメチレンポリイソシアネート組成物、ポリオール(G)、触媒(H)、発泡剤(I)及び整泡剤(J)の混合液を反応させて発泡することを特徴とする軟質ポリウレタンフォームの製造方法。
- 軟質ポリウレタンフォームの見掛け硬度が55kg/m3未満であり、スキン付きフォーム試験片の25%圧縮硬さが100〜400N/314cm2の範囲であり、反発弾性率が45〜65%の範囲であり、かつヒステリシスロス率が28%未満であることを特徴とする請求項4に記載の軟質ポリウレタンフォームの製造方法。
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