JP2017136959A - タイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、突起部で構成された暗部により各方向から入射される光の反射を制御して、表示部のコントラストを高めることができるタイヤを提供することを目的とする。【解決手段】タイヤ外面に複数突設された高さが0.2mm以上0.5mm以下の突条の突起部に、一部が切断された平面視ループ状のループ形状部と、互いに隣接するループ形状部の端部同士を連接する連接部と、を設け、互いに隣接する突起部間の最小の間隔が0.15mm以上0.35mm以下である。【選択図】図3

Description

本発明は、文字などの表示が形成されたタイヤに関する。
従来、タイヤのサイド部に微細な突起を形成して、コントラストを有するパターンを形成する技術が知られている。例えば特許文献1には、パターンの全域にわたって分布した複数の繊維状物を形成することで、光の反射をコントロールし、周囲とのコントラストが得られるように構成されている。
特表2009−512584号公報
しかしながら、このようなコントラストを有するパターンにあっては、視認する角度を変えた場合に、パターン部が均一に見えないことがある。このため、パターン部の視認性のさらなる向上が求められている。
本発明は、暗部により各方向から入射される光の反射を制御して、表示部のコントラストを高めることができるタイヤを提供することを目的とする。
本発明の第一の態様のタイヤは、タイヤ外面に複数突設された高さが0.2mm以上0.5mm以下の突条の突起部に、一部が切断された平面視ループ状のループ形状部と、互いに隣接するループ形状部の端部同士を連接する連接部と、を設け、互いに隣接する突起部間の最小の間隔が0.15mm以上0.35mm以下である。
すなわち、タイヤ外面には、突起部で構成される暗部によって表示が形成される。ここで、タイヤ外面とは、タイヤサイド部、トレッド部、トレッドの溝底、溝壁など、タイヤの外側から視認可能な表面をいう。また、タイヤとしては、空気入りタイヤ、非空気入りタイヤの両方を含む。
表示を構成する暗部は、タイヤ外面に複数突設された高さが0.2mm以上0.5mm以下の突起部によって構成されており、突起部には、ループ形状部が複数形成されている。ループ形状部は、平面視ループ状に形成されており、ループ形状部を構成する壁面は、様々な方向を向いている。
このため、ループ形状部の壁面で光が反射した際には、その反射方向を異ならせることができ、反射光の集中が抑制される。これにより、このループ形状部を有する暗部を、暗く見せることができるので、タイヤが有する黒さ以上に黒く見せることができる。また、様々な角度から見ても黒く見えるので異方性が向上し、視認性が向上する。
そして、このループ形状部を有する突起部で構成された暗部を黒く見せることができる。これにより、暗部と暗部以外の部分とのコントラストを高めることができ、視認性を向上させることができる。
また、互いに隣接する突起部間の最小の間隔は、0.15mm以上0.35mm以下とされている。このため、ループ形状部を有した突起部を0.35mmを超えて離間して配置した場合と比較して、各突起部のループ形状部を密に並べて配置することができる。これにより、表示を構成する暗部をより黒く見せることができる。
本発明の第二の態様のタイヤは、第一の形態において、前記突起部を構成する壁面は傾斜し、前記タイヤ外面への垂線と前記壁面との成す角度は7.5度以上20.0度以下である。
これにより、壁面同士の成す角度が7.5度よりも大きいと、壁面での反射光が、突条の間から外側へ戻る割合が多くなり、視認性の向上が抑制される。すなわち、光が反射して、明部とのコントラストの差異が小さくなり、視認性の向上が抑制される。一方、角度が20度よりも小さいと、突条が倒れやすくなる。
また、ループ状に形成されたループ形状部の内側に位置する壁面において、光を繰り返し反射させることで、光を減衰できる。これにより、暗部をより黒く見せることができる。
本発明の第三の形態のタイヤは、第一及び第二の形態において、前記ループ形状部を、三か所に屈曲部を有する多角形状に形成した。
すなわち、ループ形状部は多角形状に形成されており、ループ形状部を構成する壁面を四方向へ向けることができる。このため、ループ形状部の各壁面で反射した光の反射方向を四方向に分散することができ、反射光の集中が抑制される。
これにより、このループ形状部を有する暗部では、タイヤが有する黒さ以上に黒く見せることができる。また、様々な角度から見ても黒く見えるので異方性が向上し、視認性が向上する。
本発明の第四の形態のタイヤは、第三の形態において、前記連接部を、前記ループ形状部の突出方向と逆側に突出するとともに三か所に屈曲部を有し一部が切断された多角形状に形成した。
これにより、多角形状部分を、突起部の延在方向の両側に設けて密に配置することができ、視認性のさらなる向上を図ることができる。
本発明によれば、突起部で構成された暗部により各方向から入射される光の反射を制御して、表示部のコントラストを高め、視認性を向上することができる。
第1実施形態に係るタイヤの側面図である。 第1実施形態に係るタイヤのトレッドの一部斜視断面図である。 第1実施形態に係るタイヤの暗部の一部を示す平面図である。 図3のA−A線の断面図である。 第2実施形態に係る突起部の一部を示す平面図である。 第3実施形態に係る突起部の一部を示す平面図である。 第4実施形態に係る突起部の一部を示す平面図である。 第4実施形態に係るタイヤの標章部を一部拡大した平面図である。 試験例の結果である表1、表2、表3を示す図である。
(第1実施形態)
以下、図面を参照して、本発明の第1実施形態について説明する。図1には、本実施形態に係るタイヤ10の側面図が示されている。本実施形態では、タイヤ周方向をC、タイヤ径方向をRで示す。なお、このタイヤ10は、空気入りタイヤであってもよいし、非空気入りタイヤであってもよい。
タイヤ外面を構成するタイヤサイド部12(装飾部)には、表示を形成する第1標章部14及び第2標章部16が形成されている。各標章部14,16は、帯状の円弧状とされ、タイヤ中心軸CEを挟んで対称位置に形成されている。これらの標章部14,16は、タイヤ最大幅部(タイヤサイド部12間の直線距離の最大部分)よりもタイヤ径方向Rの外側に配置されることが好ましい。また、各標章部14,16は、外観上黒く見える暗部20と、暗部20より明るく見える明部22とを有している。
図1の紙面上側に設けられた第1標章部14では、明部22が平滑面で形成された例えば「ABCDEFGH」の文字で構成されており、この明部22の外周部に暗部20が形成されている。この暗部20は、一種の装飾帯であり、明部22で形成された文字を囲むように形成されている。
一方、図1の紙面下側に設けられた第2標章部16では、暗部20によって例えば「ABCDEFGH」の文字が形成されており、この暗部20の外周部は、明部22で構成されている。この第2標章部16では、明部22が一種の装飾帯を構成し、暗部20で形成された文字を囲むように設けられている。この明部22は、タイヤサイド部12の標章部以外の外面を構成する一般面12Aと同様に平滑面で構成されており、当該明部22は、一般面12Aより内側に後退した段差面12Bで構成されている。
また、タイヤ10は、図2に示すように、タイヤ径方向Rの外側にトレッド26を備えている。トレッド26には、複数の周方向溝28が形成されている。タイヤ外面を構成する周方向溝28の溝底28A(装飾部)には、表示を形成する第3標章部30が形成されている。第3標章部30は、帯状とされ、周方向溝28の一部に形成されている。この第3標章部30も、外観上黒く見える暗部20と、暗部20と比較して明るく見える明部22とを有している。
この第3標章部30では、明部22が平滑面で形成された例えば「ABCDEFGH」の文字で構成されており、この明部22の外周部に暗部20が形成されている。この暗部20は、一種の装飾帯であり、明部22で形成された文字を囲むように形成されている。
なお、暗部20を含む各標章部14,16,30は、レーザー加工によってタイヤ10のモールド内に対応する凹凸を設けることによって、形成することができる。
第1標章部14の暗部20は、図3に示すように、タイヤサイド部12の一般面12A(図1参照)より内側に後退した段差面12Bに突設された複数の突起部40によって構成されている。以下、第1標章部14の暗部20を例に挙げて説明するが、他の標章部16,30の暗部20も同様の構造とする。
この突起部40は、段差面12Bに形成された突条42によって構成されており、突条42には、ループ形状部44が複数個所に形成されている。隣接するループ形状部44は所定のピッチPで配置されており、以下の実施形態のループ形状部も同様に同ピッチPで設けられているものとする。各ループ形状部44は、突起部40の突出方向から見た平面視形状が曲線から成る形状に形成されており、その短手方向の一部が切断されている。
このループ形状部44は、切断部46により開口した部分の開口幅Wがループ形状部本体48の長手方向の長さ寸法Sより短く設定されており、開口部分が窄んだ形状に形成されている。
ここで、ループ状とは、環状を示し、その平面視形状は問わず、円形、楕円形、矩形を含む。このため、ループ形状部44は、一部が切断された環状の環状部と言い換えることができる。
そして、各ループ形状部44は、長手方向に複数並設されており、隣接するループ形状部44の端部は、直線上に延在する連接部50によって連接されている。
この突起部40は、複数並設して設けられており、互いに隣接する突起部40間の最小の間隔Tは、0.2mm以上0.3mm以下とされている。この間隔Tは、図3において縦方向に並んだ突起部40の離間距離を示す。本実施形態では、最小の間隔Tとして一方の突起部40のループ形状部44の端部と他方の突起部40のループ形状部40間の間隔が挙げられる。以下の実施形態においても、最小の間隔を「T」として図面に示す。
なお、本実施形態では、互いに隣接する突起部40間の最小の間隔Tを、0.2mm以上0.3mm以下に設定した場合について説明するが、これに限定されるものではない。例えば、この間隔Tは、0.15mm以上0.35mm以下の範囲とすることができ、この範囲内であれば、所定の効果を得ることができる。
すなわち、この突起部40では、ループ形状部44の内側を暗くして黒く見えるように構成するが、隣接する突起部40間の最小の間隔Tが0.3mmを超えると、各ループ形状部44によって暗部20を黒く見せる効果の減少が始まる。そして、間隔Tが0.35mmを超えると、その効果の減少が顕著となる。また、間隔Tが0.15mm未満となると製造時における成形性の確保が難しい。
このため、この間隔Tは、0.15mm以上0.35mm以下とすることが望ましく、間隔Tは、0.2mm以上0.3mm以下とすることが好ましい。
突起部40を構成する突条42は、図4に示すように、段差面12Bから天面42Aまでの高さHが、0.3mm以上0.4mm以下に設定されている。なお、本実施形態では、突起部40を構成する突条42の高さHを、0.3mm以上0.4mm以下に設定した場合について説明するが、これに限定されるものではない。例えば、この高さHを、0.2mm以上0.5mm以下の範囲に設定することができ、この範囲内であれば、所定の効果を得ることができる。
なお、突起部40の頂部を曲面状にしても良い。この場合、突起部40の頂部において、光の反射を分散することができる。
また、突起部40の頂部は尖らせた形状であることが望ましい。この場合、突起部40の頂部を曲面状にしたり、頂平坦な天面42Aで構成した場合と比較して、光の直接反射が抑制され、より黒く見せることができる。
この突起部40では、ループ形状部44において入射した光の反射を抑制して暗く見せることで、暗部20を形成している。このとき、突起部40を構成する突条42の高さHが0.3mm未満だと、突起部40によって暗部20を黒く見せる効果の減少が始まり、高さHが0.2mm未満だと、その効果の減少が顕著となる。一方、この突起部40を構成する突条42の高さHが、0.4mmを超えると、外力による突条42の変形が生じやすく、高さHが0.5mmを超えると、製造時における成形性の確保が難しい。
このため、突起部40を構成する突条42の高さHは、0.2mm以上0.5mm以下とすることが望ましく、高さHを0.3mm以上0.4mm以下とすることが好ましい。
この突起部40を構成する突条42は、壁面42Bが段差面12B側へ向かうに従って突条42の中心から離れる方向へ傾斜しており、この壁面42Bと段差面12Bへの垂線52との成す角度θは、7.5度以上20.0度以下に設定されている。
ここで、突条42の壁面42Bが垂線52と成す角度θを7.5度未満にすると、突条42が変形し倒れ易くなる。一方、突条42の壁面42Bが垂線52と成す角度θが20.0度を超えると、壁面42Bでの反射光が暗部20から放出される率が増加する。
このため、突条42の壁面42Bと垂線52とが成す角度θは、7.5度以上20.0度以下となるように設定することが望ましい。壁面42Bと垂線52とが成す角度θを7.5度以上20.0度以下とすれば、製造時に型抜きがしやすくなり、成形性が向上する。その結果、倒れ込みが少なくなり、耐久性が向上する。
次に、本実施形態に係るタイヤの作用効果について説明する。すなわち、タイヤサイド部12やトレッド26の周方向溝28の溝底28Aには、表示を形成する標章部14,16,30が設けられている。これらの標章部14,16,30を構成する暗部20は、高さが0.3mm以上0.4mm以下の突条42で構成された突起部40によって形成されており、突起部40には、ループ形状部44が複数形成されている。ループ形状部44は、平面視ループ状に形成されており、ループ形状部44を構成する突条42の壁面42Bは、様々な方向を向いている。
このため、ループ形状部44の壁面42Bで光が反射した際には、その反射方向を異ならせることができ、反射光の集中が抑制される。これにより、このループ形状部44を有する暗部20を暗く見せることができ、タイヤ10が有する黒さ以上に黒く見せることができる。また、様々な角度から見ても黒く見えるので異方性が向上し、視認性が向上する。
したがって、暗部20により各方向から入射される光の反射を制御して、表示部のコントラストを高めることができる。
そして、このループ形状部44を有する突起部40で構成された暗部20を黒く見せることができるので、暗部20と暗部20以外の部分とのコントラストを高めることができ、視認性を向上させることができる。
また、この突起部40において、並設された隣接するループ形状部44は、端部同士が連接部50で連接されている。このため、ループ形状部44をばらばらに配置した場合と比較して、各ループ形状部44を突起部40の延在方向に密に並べて配置することができる。これにより、表示を構成する第1標章部14の暗部20をより黒く見せることができる。
そして、隣接する突起部40間の最小の間隔Tは、0.2mm以上0.3mm以下とされている。このため、ループ形状部44を有した突起部40を0.3mmを超えて離間して配置した場合と比較して、各突起部40のループ形状部44を密に並べて配置することができる。これにより、表示を構成する暗部20をより黒く見せることができる。
また、突起部40が、0.15mmより近接する場合や0.35mmを超えて離れる場合と比較して、反射防止効果が高められる。これによっても、表示を構成する第1標章部14の暗部20がより黒く見える。
そして、前記突起部40を構成する突条42の壁面42Bは、傾斜しており、垂線52に対する角度θが7.5度以上20.0度以下とされている。
これにより、壁面42B同士の成す角度θが7.5度よりも大きいと、壁面42Bでの反射光が、突条42の間から外側へ戻る割合が多くなり、視認性の向上が抑制される。すなわち、光が反射して、明部20とのコントラストの差異が小さくなり、視認性の向上が抑制される。一方、角度θが20度よりも小さいと、突条が倒れやすくなる。
また、ループ状に形成されたループ形状部44の内側に位置する壁面42Bにおいて、光を繰り返し反射させることで、光を減衰できる。これにより、暗部20をより黒く見せることができる。
なお、本実施形態では、ループ形状部44を曲線から成る形状とした場合について説明したが、この形状に限定されるものではない。
(第2実施形態)
図5は、第2実施形態を示す図であり、第1実施形態と同一又は同等部分については、同符号を付して説明を割愛するとともに異なる部分についてのみ説明する。
すなわち、本実施形態の暗部20では、突起部40のループ形状部60における平面視形状が異なっており、ループ形状部60は、三か所に屈曲部を有する多角形状に形成されている。
具体的に説明すると、このループ形状部60は、隣接する一方の連接部50の端部より第1鋭延出部60Aを介して斜め方向に延出した第1直線部60Bと、第1直線部60Bに第1屈曲部60Cを介して連設された第2直線部60Dとを備えている。第2直線部60Dには、第2屈曲部60Eを介して第3直線部60Fが連設されており、第3直線部60Fには、第3屈曲部60Gを介して第4直線部60Hが連設されている。そして、第4直線部60Hは、第2鋭延出部60Iを介して、他方の連接部50に連接されている。
第1及び第3屈曲部60C,60Hは、鋭角で構成されており、第2屈曲部60Eは、鈍角で構成されている。これにより、当該ループ形状部60は、六角形状に形成されるとともに、その一辺が喪失されることにより、当該ループ形状部60の一部が切断されている。
この切断部62により開口した部分の開口幅Wは、ループ形状部本体64の長手方向長さ寸法S、つまり第1屈曲部60C先端から第3屈曲部60G先端までの寸法より短く設定されており、開口部分が窄んだ形状に形成されている。各ループ形状部60は、長手方向に複数並設されており、隣接するループ形状部60の端部は、直線上に延在する連接部50によって連接されている。
このようなループ形状部60にあっては、多角形状に形成されており、ループ形状部60を構成する突条42の壁面42Bを四方向へ向けることができる。このため、ループ形状部60の各壁面42Bで反射した光の反射方向を四方向に分散することができ、反射光の集中が抑制される。
これにより、このループ形状部60を有する暗部20を暗く見せることができ、タイヤ10が有する黒さ以上に黒く見せることができる。また、様々な角度から見ても黒く見えるので異方性が向上し、視認性が向上する。また、第1の実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
(第3実施形態)
図6は、第3実施形態を示す図であり、第2実施形態と同一又は同等部分については、同符号を付して説明を割愛するとともに異なる部分についてのみ説明する。
本実施形態の暗部20では、突起部40の平面視形状が第2実施形態と異なっており、第2実施形態の連接部50が、三か所に屈曲部を有するとともに一部が切断された多角形状に形成されている。
これにより、第2実施形態のループ形状部60が、突起部40の幅方向の中心に延在する中心線Cの両側に設けられた形状とされている。このため、中心線Cを境とする一方側に形成されたループ形状部60を第1屈曲形状部70とするとともに、中心線Cを境とする他方側に形成されたループ形状部60を第2屈曲形状部72として説明する。
すなわち、第1屈曲形状部70を構成する第4直線部70Hの延長上には、第2屈曲形状部72を構成する第1直線部72Bが形成されている。また、第2屈曲形状部72を構成する第4直線部72Hの延長上には、第1屈曲形状部70を構成する第1直線部70Bが形成されている。これにより、第1屈曲形状部70と第2屈曲形状部72とが連続して設けられており、中心線Cを境とした両側に、第1屈曲形状部70と第2屈曲形状部72とが交互に突出するように構成されている。
本実施形態では、第2実施形態の作用効果に加えて、多角形状の第1及び第2屈曲形状部70,72を、突起部40の延在方向の両側に設けて密に配置することができる。これにより、異なる方向から入射する光を効率的に減衰させることができ、突条に対して各方向から入射される光の反射を抑制することができる。よって、視認性のさらなる向上を図ることができる。
(第4実施形態)
図7及び図8は、第4実施形態を示す図であり、第3実施形態と同一又は同等部分については、同符号を付して説明を割愛するとともに異なる部分についてのみ説明する。
本実施形態の暗部20では、突起部40の平面視形状が異なっている。すなわち、突起部40を構成する第1屈曲形状部70における第2屈曲部70Eの先端からは、第1延出部80が延出している。第1延出部80は、直線状に形成されており、当該突起部40の中心線Cに対して直交する方向へ延出している。
また、突起部40を構成する第2屈曲形状部72における第2屈曲部72Eの先端からは、第2延出部82が延出している。この第2延出部82も、直線状に形成されており、当該突起部40の中心線Cに対して直交する方向へ延出している。
第1延出部80は、幅方向の一方側に隣接した突起部40における第1屈曲形状部70内に延出しており、当該第1屈曲形状部70の第1屈曲部70Cと第3屈曲部70Gとを結んだ第1結線K1に達するように構成されている。
第1延出部80と先端側に位置する第1屈曲形状部70の第2屈曲部70Eまでの距離80Aは、最小の間隔Tの1/2倍以上1倍以下となるように設定されている。また、第1延出部80と側部に位置する第2屈曲形状部72第1屈曲部72C又は第3屈曲部72Gまでの距離80Bは、前述した最小の間隔Tの1/2倍以上1倍以下となるように設定されている。これにより、突起部40を密に配置できる為、コントラストが高まり、視認性が向上する。
また、第2延出部82は、幅方向の他方側に隣接した突起部40における第2屈曲形状部72内に延出しており、当該第2屈曲形状部72の第1屈曲部72Cと第3屈曲部72Gとを結んだ第2結線K2に達するように構成されている。
第2延出部82と先端側に位置する第1屈曲形状部70の第2屈曲部72Eまでの距離82Aは、前述した最小の間隔Tの1/2倍以上1倍以下となるように設定されている。また、第2延出部82と側部に位置する第1屈曲形状部70第1屈曲部70C又は第3屈曲部70Gまでの距離82Bは、最小の間隔Tの1/2倍以上1倍以下となるように設定されている。これにより、突起部40を密に配置できる為、コントラストが高まり、視認性が向上する。
なお、本実施形態において、互いに隣接する突起部40間の最小の間隔Tとは、突起部40の本体部分の最小の間隔Tをいう。具体的には、一方の突起部40の第2屈曲形状部72の第1屈曲部72Cから他方の突起部40の第1屈曲形状部70までの間隔が挙げられる。
本実施形態では、第3実施形態の作用効果に加えて、反射光を抑える効果を有した第1及び第2延出部80,82を、第1及び第2屈曲形状部70,72の第1屈曲部70C,72Cと第3屈曲部70G,72Gと間に配置することができる。
これにより、第1屈曲部70C,72C及び第3屈曲部70G,72G間での段差面12Bの露出を抑え、反射の低下効果を高めることができる。また、第1及び第2屈曲形状部70,72の内側を構成する壁面42Bと、第1及び第2延出部80,82を構成する壁面42Bとの間で光を繰り返し反射させることで、反射光を減衰できる。これにより、反射の低下効果をさらに高めることができる。
図8には、第1標章部14の一部が示されている。明部22を構成する文字は、平滑面で構成され光沢を有しており、光が反射する。この明部22の周りは、暗部20で構成されており、この暗部20では、光が吸収され、光の反射が抑制される。このため、光が反射する明部22と光を吸収する暗部20との間で、コントラストが高められ、第1標章部14に表示された文字の視認性を向上させることができる。
なお、各実施形態では、突起部40を構成する突条42の壁面42Bを傾斜した場合についてのみ説明したが、これに限定されるものではなく、壁面42Bに傾斜を設けなくてもよい。
<試験例>
本発明の効果を立証するために、以下の試験1〜試験3を実施した。
(試験条件)
供試タイヤとしては、いずれもサイズが205/55R16でタイヤ断面高さSHが114mmのタイヤを用いた。
供試タイヤには、第4実施形態の第1標章部14を設けた。第1標章部14を構成する暗部20は、突起部40の高さHが0.35mm、最小の間隔Tが0.2mm、垂線52と壁面42Bの成す角度θが12.5度を基準値とした。各試験において、高さH、間隔T、又は角度θを、表1〜表3に示す値とする供試タイヤを用いて評価試験を行った。
(試験方法)
試験では、第1標章部14の暗部20を各方向から見たときの視認性について評価した。まず、それぞれの供試タイヤを適用リムに組み付け、その後、20人の看者が観察して、通常のタイヤよりも暗部20が黒く見えるかのアンケート調査を行った。その結果を「視認性」として表1〜表3に示す(図9参照)。
なお、各表では、暗部20が黒く明確に見えたと回答した看者の数が18人以上の場合をA、10〜17人の場合をB、9人以下の場合をCとして評価した。なお各表には、暗部20が黒く明確に見えたと回答した看者の人数も併記した。
また、この試験では、突起部40の成形性について評価した。まず、それぞれの供試タイヤを製造し、各供試タイヤの突起部40でベアの発生を目視で評価し、突起部40におけるベアの発生率を指標に成形性を評価する。その結果を「成形性」として各表に示す。なお、各表では、ベアの発生率が0.1%未満の場合にパターン部の成形性を○で表し、ベアの発生率が0.1〜0.3%未満の場合にパターン部の成形性を△で表し、ベアの発生率が0.3%以上の場合にパターン部の成形性を×で表した。
(試験1)
試験1では、図9の表1に示したように、突起部40の高さHを変化させたタイヤ1〜タイヤ6を用意して試験を行った。なお、高さH以外は、前述の基準値とし、間隔Tに関しては高さHに合わせて調整を行った。
表1に示されるように、高さHが、0.2mm以上0.5mm以下の範囲では、成形性を考慮に入れた視認性が向上しており、高さHが、0.3mm以上0.4mm以下の範囲では、さらなる向上が認められた。なお、高さHが、0.5mmを超えると、成形性の悪化が認められる。
(試験2)
試験2では、図9の表2に示したように、突起部40間の最小の間隔Tを変化させたタイヤ1〜タイヤ7を用意して試験を行った。なお、間隔T以外は、前述の基準値とし、角度θ に関しては間隔Tに合わせて調整を行った。
表2に示されるように、間隔Tが0.15mm以上0.35mm以下の範囲では、成形性を考慮に入れた視認性の向上が認められ、間隔Tが0.2mm以上0.3mm以下の範囲では、さらなる向上が認められた。
(試験3)
試験3では、図9の表3に示したように、垂線52と壁面42Bとの成す角度θを変化させたタイヤ1〜タイヤ7を用意して試験を行った。なお、角度θ以外は、前述の基準値とし、間隔Tに関しては角度θ に合わせて調整を行った。
表3に示されるように、角度θが7.5度以上20.0度以下の範囲で成形性を考慮に入れた視認性の向上が確認できた。
10 タイヤ、 12 タイヤサイド部(タイヤの外面)、14 第1標章部(表示)、 16 第2標章部(表示)、 30 第3標章部(表示)、 22 明部、 40 突起部、 42 突条、 42B 壁面、 44 ループ形状部、 52 垂線、 60 ループ形状部、60C 第1屈曲部、 60E 第2屈曲部、 60G 第3屈曲部、70 第1屈曲形状部、 70C 第1屈曲部、 70E 第2屈曲部、 70G 第3屈曲部、 72 第2屈曲形状部、 72C 第1屈曲部、 72E 第2屈曲部、 72G 第3屈曲部、 H 高さ、 T 間隔、 θ 角度

Claims (4)

  1. タイヤ外面に複数突設された高さが0.2mm以上0.5mm以下の突条の突起部に、一部が切断された平面視ループ状のループ形状部と、互いに隣接するループ形状部の端部同士を連接する連接部と、を設け、
    互いに隣接する突起部間の最小の間隔が0.15mm以上0.35mm以下であるタイヤ。
  2. 前記突起部を構成する壁面は傾斜し、前記タイヤ外面への垂線と前記壁面との成す角度は7.5度以上20.0度以下である請求項1に記載のタイヤ。
  3. 前記ループ形状部を、三か所に屈曲部を有する多角形状に形成した請求項1又は請求項2に記載のタイヤ。
  4. 前記連接部を、前記ループ形状部の突出方向と逆側に突出するとともに三か所に屈曲部を有し一部が切断された多角形状に形成した請求項3に記載のタイヤ。
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