JP2017136603A - 圧延機におけるスキュー低減装置及び低減方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】圧延機1におけるスキュー低減装置40は、第1スラスト力測定装置41によって測定された第1のワークロール11に発生するスラスト力に基づいて、被圧延材Sに対する第1のワークロールのスキュー角θを算出し、算出されたスキュー角θが0.02°以下となるように、一方側第1入側ライナ42aの厚さ、一方側第1出側ライナ42bの厚さ、他方側第1入側ライナ43aの厚さ及び他方側第1出側ライナ43bの厚さを調整する第1ライナ厚調整装置44を備えている。第2のワークロール12側についても、第1ライナ厚調整装置44と同様の機能を有する第2ライナ厚調整装置54を備えている。
【選択図】図6
Description
この被圧延材の板クラウンを減少させるための一般的な方法として、例えば、イニシャルクラウンが付与されたワークロールをその軸方向(被圧延材の幅方向)に移動させるロールシフト方法が知られている。
このワークロールのスキューは、被圧延材の蛇行の原因となったり、スキューによって生じたワークロールのスラスト力がロールチョック内のベアリングに作用することになり、ベアリングが損傷し易くなって寿命が短くなるといった問題がある。このため、ワークロールのスキューは極力低減することが好ましい。
特許文献1に示す圧延機は、ロール胴中央に対して非対称なロールプロフィルを有するロールが被圧延材を挟んで上下に配置され、ロールと接触するように、ロール胴中央に対して対称なロールプロフィルを有する接触ロールがそれぞれ配置された圧延機であって、接触ロールに対して非対称なロールプロフィルを有するロールがオフセットされて配置され、かつ各ロールがオフセット分力により加勢される方向に各ロールの操作側と駆動側のロールチョックを押し付けて、ロールチョックとハウジング間に存在する圧延方向ガタをなくすガタ吸収装置が操作側と駆動側に設置されてなる圧延機である。
即ち、特許文献1に示す圧延機においては、ガタ吸収装置が、ロールチョックとハウジング間に存在する圧延方向ガタをなくすようになっているので、ロールチョックとハウジングとの間のクリアランスは低減できるが、被圧延材に対するロールの傾き、すなわち被圧延材に対するロールのスキュー角をゼロに近づけることが困難である。つまり、被圧延材に対するロールのスキュー角を直接測定したりあるいは計算によって算出するようにしてそのスキュー角を制御するようにしていないため、ロールチョックとハウジングとの間のクリアランスを低減できたとしても、被圧延材に対するロールのスキュー角をゼロに近づけることが困難である。
従って、本発明はこの問題を解決するためになされたものであり、その目的は、被圧延材に対する第1及び第2のワークロールのスキュー角を極力低減することができる圧延機におけるスキュー低減装置及び低減方法を提供することにある。
前記被圧延材を圧延する際に前記第1のワークロール及び前記第2のワークロールのうち少なくとも一方に発生するスラスト力を測定するスラスト力測定装置と、
該スラスト力測定装置によって測定された前記第1のワークロール及び前記第2のワークロールのうち少なくとも一方の両端を支持するワークロールチョックと前記ハウジングとの間に配置され、厚さが可変とされて前記ワークロールチョックと前記ハウジングとの間の間隔を調整可能なライナと、
前記スラスト力測定装置によって測定された前記第1のワークロール及び前記第2のワークロールのうち少なくとも一方に発生するスラスト力に基づいて、前記被圧延材に対する前記第1のワークロール及び前記第2のワークロールのうち少なくとも一方のスキュー角を算出し、算出されたスキュー角が0.02°以下となるように、前記ライナの厚さを調整するライナ厚調整装置とを備えていることを要旨とする。
前記被圧延材を圧延する際に前記第1のワークロール及び前記第2のワークロールのうち少なくとも一方に発生するスラスト力を測定するスラスト力測定工程と、
該スラスト力測定工程によって測定された前記第1のワークロール及び前記第2のワークロールのうち少なくとも一方に発生するスラスト力に基づいて、前記被圧延材に対する前記第1のワークロール及び前記第2のワークロールのうち少なくとも一方のスキュー角を算出し、算出されたスキュー角が0.02°以下となるように、前記スラスト力測定工程によって測定された前記第1のワークロール及び前記第2のワークロールのうち少なくとも一方の両端を支持するワークロールチョックと前記ハウジングとの間に配置され、厚さが可変とされて前記ワークロールチョックと前記ハウジングとの間の間隔を調整可能なライナの厚さを調整するライナ厚調整工程とを含むことを要旨とする。
図1及び図2には、本発明の一実施形態に係るスキュー低減装置を有する圧延機の概略構成が示されており、圧延機1は、いわゆる2段式圧延機である。
なお、本実施形態では、後述する被圧延材Sの進行方向に沿う方向をX方向と呼び、同一平面内においてX方向と直交する方向をY方向と呼び、X方向及びY方向に対して直交する方向をZ方向と呼ぶこともある。
また、図1及び図3では、後述する第1のワークロール11及び第2のワークロール12の各々のイニシャルロールカーブを強調して図示しているが、実際のイニシャルロールカーブとは異なっている。
この圧延機1は、図1及び図2に示すように、ハウジング10と、ハウジング10内において被圧延材Sの厚さ方向である上下方向(Z方向)に互いに対向して配置された第1のワークロール11及び第2のワークロール12と、第1のワークロール11の一方端を回動自在に支持する軸受部としての一方側第1ワークロールチョック(ワークロールチョック)13a及び第1のワークロール11の他方端を回動自在に支持する他方側第1ワークロールチョック(ワークロールチョック)13bと、第2のワークロール12の一方端を回動自在に支持する軸受部としての一方側第2ワークロールチョック(ワークロールチョック)14a及び第2のワークロール12の他方端を回動自在に支持する他方側第2ワークロールチョック(ワークロールチョック)14bとを備えている。第1のワークロール11は、第2のワークロール12に対して上側に配置される。
また、圧延機1は、ハウジング10の後述する天板部10aと一方側第1ワークロールチョック13a及び他方側第1ワークロールチョック13bとの間に、一方側第1ワークロールチョック13a及び他方側第1ワークロールチョック13bのそれぞれに対応して配設された一方側プレッシャーブロック16a及び他方側プレッシャーブロック16bを備えている。
また、圧延機1は、一方側第1ワークロールチョック13a及び他方側第1ワークロールチョック13bと一方側第2ワークロールチョック14a及び他方側第2ワークロールチョック14bとの間に、それぞれ2つずつ配設された4つのワークロールバランサ17a,17bを備えている。この4つのワークロールバランサ17a,17bの各々は、例えばシリンダ機構で構成されている。
一方側第1ワークロールチョック13aと一方側第2ワークロールチョック14aとの間に配設された2つのワークロールバランサ17aにおいて、一方のワークロールバランサ17aはハウジング10の前柱部10c側に配設され、他方のワークロールバランサ17aはハウジング10の後柱部10d側に配設されている。この2つのワークロールバランサ17aの各々は、各々のシリンダチューブがハウジング10の前柱部10c及び後柱部10dに固定され、各々のシリンダロッドの先端部が一方側第1ワークロールチョック13aのワークロールバランサ17a側の面に当接している。
また、他方側第1ワークロールチョック13b及び他方側第2ワークロールチョック14bは、図2及び図4に示すように、他方側ハウジング部10Bを構成する前柱部10c及び後柱部10dの間に配設されるとともに、上下方向(Z方向)に昇降可能となっている。
ここで、第1のワークロール11及び第2のワークロール12の各々は、各々の軸方向(Y方向)に逆向きに相対移動することによって各々の間のロールギャップGが変化するイニシャルロールカーブで形成されている。すなわち、第1のワークロール11及び第2のワークロール12の各々は、非対称なロールプロフィールを有するロールで形成されている。
そして、第1のワークロール11及び第2のワークロール12の各々は、各々の軸方向(Y方向)に逆向きに相対移動することによって各々の間のロールギャップGが変化するので、被圧延材Sの板クラウンに対応してロールギャップGを変更することにより、第1のワークロール11及び第2のワークロール12のロールクラウンを被圧延材の板クラウンに対応して変更することができる。
2つの第1ワークロールシフトシリンダ31の各々は、シリンダロッド31aがシリンダチューブ31bに対して伸縮することで一方側第1ワークロールチョック13a及び他方側第1ワークロールチョック13bと共に第1のワークロール11をその軸方向(Y方向)に移動させる。また、2つの第2ワークロールシフトシリンダ32の各々は、シリンダロッド32aがシリンダチューブ32bに対して伸縮することで一方側第2ワークロールチョック14a及び他方側第2ワークロールチョック14bと共に第2のワークロール12をその軸方向(Y方向)に移動させる。
なお、2つの第1ワークロールシフトシリンダ31の各々は、一方側第1ワークロールチョック13a側(作業者側)に、被圧延材Sの進行方向(X方向)において互いに離間して配置されている。また、2つの第2ワークロールシフトシリンダ32も、一方側第2ワークロールチョック14a側(作業者側)に、被圧延材Sの進行方向(X方向)において互いに離間して配置されている。
ここで、第1のワークロール11と第2のワークロール12との間のロールギャップG(ロールクラウン)の変更のタイミングについて説明すると、当該変更は、図1及び図2に示す被圧延材Sの圧下状態から図3に示す開放状態に移行した状態で行われる。
そして、一方側第1ワークロールチョック13a及び他方側第1ワークロールチョック13bの各々においても、ワークロールバランサ17a及びワークロールバランサ17bのシリンダロッドの先端部に接触した状態で支持されている。また、一方側第1ワークロールチョック13a及び他方側第1ワークロールチョック13bの各々の車輪23a,23bは、第1レール21から上方に離間した状態で配置されている。
そして、前述の昇降手段を構成する一方側圧下シリンダ15aのシリンダロッド15aa及び他方側圧下シリンダ15bのシリンダロッド15baを下降させると、図3に示す開放状態となる。
そして、一方側第1ワークロールチョック13a及び他方側第1ワークロールチョック13bの各々においても、車輪23a,23bを介して第1レール21に乗った状態(身を預けた状態)で支持され、第1レール21上をその延在方向(Y方向)に沿って走行可能になっている。
ここで、このロールシフト方法においては、被圧延材Sの幅方向(Y方向)において第1のワークロール11及び第2のワークロール12のそれぞれのロール径が異なるため、第1のワークロール11及び第2のワークロール12のそれぞれを入側方向あるいは出側方向に回転させる力が働き、図6に示すように、第1のワークロール11及び第2のワークロール12のそれぞれがスキュー、すなわち被圧延材Sに対する第1のワークロール11及び第2のワークロール12のそれぞれの傾きが発生する特徴がある。具体的に図6を参照して説明すると、第1のワークロール11及び第2のワークロール12のそれぞれの軸方向中心線CL1に直交する垂線L1が、被圧延材Sの幅方向の中心線CL2に対して傾斜し、スキュー角θ(垂線L1と中心線CL2とのなす角)が発生する。
このスキュー低減装置40は、第1スラスト力測定装置(スラスト力測定装置)41及び第2スラスト力測定装置(スラスト力測定装置)51と、一方側第1入側ライナ(ライナ)42a及び一方側第1出側ライナ(ライナ)42bと、他方側第1入側ライナ(ライナ)43a及び他方側第1出側ライナ(ライナ)43bと、一方側第2入側ライナ(ライナ)52a及び一方側第2出側ライナ(ライナ)52bと、他方側第2入側ライナ(ライナ)53a及び他方側第2出側ライナ(ライナ)53bと、第1ライナ厚調整装置(ライナ厚調整装置)44と、第2ライナ厚調整装置(ライナ厚調整装置)54とを備えている。
第1スラスト力測定装置41は、第1のワークロール11の一方側の端面11aに回転自在に支持されたスラストベアリング71と、第1のワークロール11の軸方向に発生するスラスト力SPを電気信号に変換するロードセル72とを備えている。スラストベアリング71は、第1のワークロール11の一方側の端面11aに固定された軌道輪71aと、軌道輪71aに対し転動体71cを挟んで回転自在に支持された軌道輪71bとを備えている。また、ロードセル72は、例えば引張圧縮型のロードセルが用いられ、軌道輪71bにロードボタンが押し付けられるようになっている。そして、ロードセル72は、ロードボタンに第1のワークロール11のスラスト力SPが伝達されることで、スラスト力SPに比例した電気信号を出力する。また、ロードセル72は、ロードセル押付け部材73に固定され、このロードセル押付け部材73は、カバー体75に螺合された複数のボルト74の先端に固定されている。ロードセル72のスラストベアリング71に対する押付け力は、各ボルト74のカバー体75に対する螺合量を調整することにより調整される。なお、図5において、符号61は一方側第1ワークロールチョック13aにおいて第1のワークロール11を回転可能に軸支するコロ軸受、62は同様の機能を有する玉軸受、63a及び63bは一方側第1ワークロールチョック13aに形成された凹部、64はコロ軸受及び玉軸受の位置決め部材、64a及び64bはキーパープレートである。
そして、第1スラスト力測定装置41のロードセル72は、図1に示すように、第1ライナ厚調整装置44を構成する後述の第1制御装置47に接続され、ロードセル72からの出力信号が第1制御装置47に入力されるようになっている。また、第2スラスト力測定装置51のロードセルは、図1に示すように、第2ライナ厚調整装置54を構成する後述の第2制御装置57に接続され、ロードセルからの出力信号が第2制御装置57に入力されるようになっている。
第1ライナ厚調整装置44は、具体的に述べると、一方側第1入側ライナ42aの第2部材42abを移動させる一方側第1入側アクチュエータ45a、一方側第1出側ライナ42bの第2部材42bbを移動させる一方側第1出側アクチュエータ45b、他方側第1入側ライナ43aの第2部材43abを移動させる他方側第1入側アクチュエータ46a、及び他方側第1出側ライナ43bの第2部材43bbを移動させる他方側第1出側アクチュエータ46bを備えている。
SP=μpsin(θ)・・・(1)
そして、第1制御装置47は、(1)式から算出されたスキュー角θがゼロとなるように、一方側第1入側ライナ42aの厚さ、一方側第1出側ライナ42bの厚さ、他方側第1入側ライナ43aの厚さ及び他方側第1出側ライナ43bの厚さを調整する。
これにより、第1のワークロール11のスキュー角θは0.02°以内でゼロに極力近づくことになる。
第2ライナ厚調整装置54は、具体的に述べると、一方側第2入側ライナ52aの第2部材52abを移動させる一方側第2入側アクチュエータ55a、一方側第2出側ライナ52bの第2部材52bbを移動させる一方側第2出側アクチュエータ55b、他方側第2入側ライナ53aの第2部材53abを移動させる他方側第2入側アクチュエータ56a、及び他方側第2出側ライナ53bの第2部材53bbを移動させる他方側第2出側アクチュエータ56bを備えている。
SP=μpsin(θ)・・・(2)
そして、第2制御装置57は、(2)式から算出されたスキュー角θがゼロとなるように、一方側第2入側ライナ52aの厚さ、一方側第2出側ライナ52bの厚さ、他方側第2入側ライナ53aの厚さ及び他方側第2出側ライナ53bの厚さを調整する。
これにより、第2のワークロール12のスキュー角θは0.02°以内でゼロに極力近づくことになる。
これにより、第1のワークロール11及び第2のワークロール12のそれぞれに発生するスラスト力が小さくなるため、被圧延材Sの蛇行を防止できるとともに、一方側第1ワークロールチョック13a、他方側第1ワークロールチョック13b、一方側第2ワークロールチョック14a及び他方側第2ワークロールチョック14b内のベアリングの寿命を長くすることができる。
圧延機1は、被圧延材Sを圧延する時には、図1及び図2に示すように、一方側第2ワークロールチョック14a及び他方側第2ワークロールチョック14bの各々を一方側圧下シリンダ15a及び他方側圧下シリンダ15bで圧下し、第1のワークロール11及び第2のワークロール12の各々に圧下荷重を供給して、第1のワークロール11及び第2のワークロール12間を通りながら図2の進行方向(X方向)に進行する被圧延材Sを圧延する。この被圧延材Sを圧延する際に第1のワークロール11に発生するスラスト力が第1スラスト力測定装置41によって測定されるとともに、被圧延材Sを圧延する際に第2のワークロール12に発生するスラスト力が第2スラスト力測定装置51によって測定される(スラスト力測定工程)。
この第1ライナ厚調整工程においては、具体的には、第1制御装置47が、第1スラスト力測定装置41によって測定された第1のワークロール11に発生するスラスト力SPに基づいて、被圧延材Sに対する第1のワークロール11のスキュー角θを算出し、算出されたスキュー角θがゼロとなるように、一方側第1入側アクチュエータ45aによる一方側第1入側ライナ42aの第2部材42abの移動量を制御して一方側第1入側ライナ42aの厚さを調整、一方側第1出側アクチュエータ45bによる一方側第1出側ライナ42bの第2部材42bbの移動量を制御して一方側第1出側ライナ42bの厚さを調整、他方側第1入側アクチュエータ46aによる他方側第1入側ライナ43aの第2部材43abの移動量を制御して他方側第1入側ライナ43aの厚さを調整、及び他方側第1出側アクチュエータ46bによる他方側第1出側ライナ43bの第2部材43bbの移動量を制御して他方側第1出側ライナ43bの厚さを調整する。
この第1ライナ厚調整工程により、第1のワークロール11のスキュー角θは0.02°以内でゼロに極力近づくことになる。
また、第2ライナ厚調整装置54がスラスト力測定工程によって測定された第2のワークロール12に発生するスラスト力に基づいて、被圧延材Sに対する第2のワークロール12のスキュー角θを算出し、算出されたスキュー角θがゼロとなるように、一方側第2入側ライナ52aの厚さ、一方側第2出側ライナ52bの厚さ、他方側第2入側ライナ53aの厚さ、及び他方側第2出側ライナ53bの厚さを調整する(第2ライナ厚調整工程)。
この第2ライナ厚調整工程により、第2のワークロール12のスキュー角θは0.02°以内でゼロに極力近づくことになる。
従って、本実施形態に係るスキュー低減方法によれば、被圧延材Sに対する第1のワークロール11及び第2のワークロール12のスキュー角θを第1のワークロール11及び第2のワークロール12のそれぞれに発生するスラスト力から計算によって算出するようにしてそれらのスキュー角θを制御するようにしているため、第1のワークロール11及び第2のワークロール12のスキュー角θを容易にゼロに近づけることができ、被圧延材Sに対するワークロール(第1及び第2のワークロール11,12)のスキュー角を極力低減することができる。
以上、本発明の実施形態について説明してきたが、本発明はこれに限定されずに種々の変更、改良を行うことができる。
例えば、スラスト力測定装置は、被圧延材Sを圧延する際に第1のワークロール11及び第2のワークロール12のうち少なくとも一方に発生するスラスト力を測定するものであればよく、第1スラスト力測定装置41及び第2スラスト力測定装置51の双方を設ける場合のみならず、いずれか一方のみを設ける場合であってもよい。
また、圧延機1は、2段式圧延機を例に説明しているが、本発明のスキュー低減装置は、第1のワークロール11及び第2のワークロール12に加えて、第1のワークロール11を支持するバックアップロールと、第2のワークロール12を支持するバックアップロールとを加えた4段式圧延機に適用されてもよい。
Claims (7)
- ハウジングと、該ハウジング内において被圧延材の厚さ方向に互いに対向して配置され、各々の軸方向に逆向きに相対移動することによって各々の間のロールギャップが変化するイニシャルロールカーブで形成された第1のワークロール及び第2のワークロールとを備えた圧延機におけるスキュー低減装置であって、
前記被圧延材を圧延する際に前記第1のワークロール及び前記第2のワークロールのうち少なくとも一方に発生するスラスト力を測定するスラスト力測定装置と、
該スラスト力測定装置によって測定された前記第1のワークロール及び前記第2のワークロールのうち少なくとも一方の両端を支持するワークロールチョックと前記ハウジングとの間に配置され、厚さが可変とされて前記ワークロールチョックと前記ハウジングとの間の間隔を調整可能なライナと、
前記スラスト力測定装置によって測定された前記第1のワークロール及び前記第2のワークロールのうち少なくとも一方に発生するスラスト力に基づいて、前記被圧延材に対する前記第1のワークロール及び前記第2のワークロールのうち少なくとも一方のスキュー角を算出し、算出されたスキュー角が0.02°以下となるように、前記ライナの厚さを調整するライナ厚調整装置とを備えていることを特徴とする圧延機におけるスキュー低減装置。 - 前記ワークロールチョックは、前記第1のワークロールの一方端を支持する一方側第1ワークロールチョック及び前記第1のワークロールの他方端を支持する他方側第1ワークロールチョックと、前記第2のワークロールの一方端を支持する一方側第2ワークロールチョック及び前記第2のワークロールの他方端を支持する他方側第2ワークロールチョックとを備え、
前記ハウジングは、前記一方側第1ワークロールチョック及び前記一方側第2ワークロールチョックの周囲を囲む一方側ハウジング部及び前記他方側第1ワークロールチョック及び前記他方側第2ワークロールチョックの周囲を囲む他方側ハウジング部を有し、
前記スラスト力測定装置は、前記被圧延材を圧延する際に前記第1のワークロールに発生するスラスト力を測定する第1スラスト力測定装置及び前記被圧延材を圧延する際に前記第2のワークロールに発生するスラスト力を測定する第2スラスト力測定装置を備え、
前記ライナは、
前記一方側ハウジング部と前記一方側第1ワークロールチョックとの間に配置され、厚さが可変とされて前記前記一方側ハウジング部と前記一方側第1ワークロールチョックとの間の間隔を調整可能な一方側第1ライナ及び前記一方側ハウジング部と前記一方側第1ワークロールチョックの出側面との間に配置され、厚さが可変とされて前記一方側ハウジング部と前記一方側第1ワークロールチョックの出側面との間の間隔を調整可能な一方側第1出側ライナと、前記他方側ハウジング部と前記他方側第1ワークロールチョックの入側面との間に配置され、厚さが可変とされて前記前記他方側ハウジング部と前記他方側第1ワークロールチョックの入側面との間の間隔を調整可能な他方側第1入側ライナ及び前記他方側ハウジング部と前記他方側第1ワークロールチョックの出側面との間に配置され、厚さが可変とされて前記他方側ハウジング部と前記他方側第1ワークロールチョックの出側面との間の間隔を調整可能な他方側第1出側ライナと、
前記一方側ハウジング部と前記一方側第2ワークロールチョックの入側面との間に配置され、厚さが可変とされて前記前記一方側ハウジング部と前記一方側第2ワークロールチョックの入側面との間の間隔を調整可能な一方側第2入側ライナ及び前記一方側ハウジング部と前記一方側第2ワークロールチョックの出側面との間に配置され、厚さが可変とされて前記前記一方側ハウジング部と前記一方側第2ワークロールチョックの出側面との間の間隔を調整可能な一方側第2出側ライナと、前記他方側ハウジング部と前記他方側第2ワークロールチョックの入側面との間に配置され、厚さが可変とされて前記他方側ハウジング部と前記他方側第2ワークロールチョックの入側面との間の間隔を調整可能な他方側第2入側ライナ及び前記他方側ハウジング部と前記他方側第2ワークロールチョックの出側面との間に配置され、厚さが可変とされて前記他方側ハウジング部と前記他方側第2ワークロールチョックの出側面との間の間隔を調整可能な他方側第2出側ライナとを備え、
前記ライナ厚調整装置は、
前記第1スラスト力測定装置によって測定された前記第1のワークロールに発生するスラスト力に基づいて、前記被圧延材に対する前記第1のワークロールのスキュー角を算出し、算出されたスキュー角が0.02°以下となるように、前記一方側第1入側ライナの厚さ、前記一方側第1出側ライナの厚さ、前記他方側第1入側ライナの厚さ及び前記他方側第1出側ライナの厚さを調整する第1ライナ厚調整装置と、
前記第2スラスト力測定装置によって測定された前記第2のワークロールに発生するスラスト力に基づいて、前記被圧延材に対する前記第2のワークロールのスキュー角を算出し、算出されたスキュー角が0.02°以下となるように、前記一方側第2入側ライナの厚さ、前記一方側第2出側ライナの厚さ、前記他方側第2入側ライナの厚さ及び前記他方側第2出側ライナの厚さを調整する第2ライナ厚調整装置とを備えていることを特徴とする圧延機におけるスキュー低減装置。 - 前記一方側第1入側ライナ、前記一方側第1出側ライナ、前記他方側第1入側ライナ、前記他方側第1出側ライナ、前記一方側第2入側ライナ、前記一方側第2出側ライナ、前記他方側第2入側ライナ、及び前記他方側第2出側ライナのそれぞれは、互いに傾斜面が摺接するように配置された楔形の一対の第1部材及び第2部材で構成され、前記第1部材がハウジング側に固定され、前記第2部材がワークロールチョック側に配置されて、前記第1部材と前記第2部材との合計板厚である各ライナの板厚を変える方向に移動可能となっていることを特徴とする請求項2に記載の圧延機におけるスキュー低減装置。
- 前記第1ライナ厚調整装置は、
前記一方側第1入側ライナの前記第2部材を移動させる一方側第1入側アクチュエータ、前記一方側第1出側ライナの前記第2部材を移動させる一方側第1出側アクチュエータ、前記他方側第1入側ライナの前記第2部材を移動させる他方側第1入側アクチュエータ、及び前記他方側第1出側ライナの前記第2部材を移動させる他方側第1出側アクチュエータと、
前記第1スラスト力測定装置によって測定された前記第1のワークロールに発生するスラスト力に基づいて、前記被圧延材に対する前記第1のワークロールのスキュー角を算出し、算出されたスキュー角が0.02°以下となるように、前記一方側第1入側アクチュエータによる前記一方側第1入側ライナの前記第2部材の移動量を制御して前記一方側第1入側ライナの厚さを調整、前記一方側第1出側アクチュエータによる前記一方側第1出側ライナの前記第2部材の移動量を制御して前記一方側第1出側ライナの厚さを調整、前記他方側第1入側アクチュエータによる前記他方側第1入側ライナの前記第2部材の移動量を制御して前記他方側第1入側ライナの厚さを調整、及び前記他方側第1出側アクチュエータによる前記他方側第1出側ライナの前記第2部材の移動量を制御して前記他方側第1出側ライナの厚さを調整する第1制御装置とを備えていることを特徴とする請求項3に記載の圧延機におけるスキュー低減装置。 - 前記第2ライナ厚調整装置は、
前記一方側第2入側ライナの前記第2部材を移動させる一方側第2入側アクチュエータ、前記一方側第2出側ライナの前記第2部材を移動させる一方側第2出側アクチュエータ、前記他方側第2入側ライナの前記第2部材を移動させる他方側第2入側アクチュエータ、及び前記他方側第2出側ライナの前記第2部材を移動させる他方側第2出側アクチュエータと、
前記第2スラスト力測定装置によって測定された前記第2のワークロールに発生するスラスト力に基づいて、前記被圧延材に対する前記第2のワークロールのスキュー角を算出し、算出されたスキュー角が0.02°以下となるように、前記一方側第2入側アクチュエータによる前記一方側第2入側ライナの前記第2部材の移動量を制御して前記一方側第2入側ライナの厚さを調整、前記一方側第2出側アクチュエータによる前記一方側第2出側ライナの前記第2部材の移動量を制御して前記一方側第2出側ライナの厚さを調整、前記他方側第2入側アクチュエータによる前記他方側第2入側ライナの前記第2部材の移動量を制御して前記他方側第2入側ライナの厚さを調整、及び前記他方側第2出側アクチュエータによる前記他方側第2出側ライナの前記第2部材の移動量を制御して前記他方側第2出側ライナの厚さを調整する第2制御装置とを備えていることを特徴とする請求項3又は4に記載の圧延機におけるスキュー低減装置。 - ハウジングと、ハウジング内において被圧延材の厚さ方向に互いに対向して配置され、各々の軸方向に逆向きに相対移動することによって各々の間のロールギャップが変化するイニシャルロールカーブで形成された第1のワークロール及び第2のワークロールとを備えた圧延機におけるスキュー低減方法であって、
前記被圧延材を圧延する際に前記第1のワークロール及び前記第2のワークロールのうち少なくとも一方に発生するスラスト力を測定するスラスト力測定工程と、
該スラスト力測定工程によって測定された前記第1のワークロール及び前記第2のワークロールのうち少なくとも一方に発生するスラスト力に基づいて、前記被圧延材に対する前記第1のワークロール及び前記第2のワークロールのうち少なくとも一方のスキュー角を算出し、算出されたスキュー角が0.02°以下となるように、前記スラスト力測定工程によって測定された前記第1のワークロール及び前記第2のワークロールのうち少なくとも一方の両端を支持するワークロールチョックと前記ハウジングとの間に配置され、厚さが可変とされて前記ワークロールチョックと前記ハウジングとの間の間隔を調整可能なライナの厚さを調整するライナ厚調整工程と、
を含むことを特徴とする圧延機におけるスキュー低減方法。 - 前記ワークロールチョックは、前記第1のワークロールの一方端を支持する一方側第1ワークロールチョック及び前記第1のワークロールの他方端を支持する他方側第1ワークロールチョックと、前記第2のワークロールの一方端を支持する一方側第2ワークロールチョック及び前記第2のワークロールの他方端を支持する他方側第2ワークロールチョックとを備え、
前記ハウジングは、前記一方側第1ワークロールチョック及び前記一方側第2ワークロールチョックの周囲を囲む一方側ハウジング部及び前記他方側第1ワークロールチョック及び前記他方側第2ワークロールチョックの周囲を囲む他方側ハウジング部を有し、
前記ライナは、
前記一方側ハウジング部と前記一方側第1ワークロールチョックとの間に配置され、厚さが可変とされて前記前記一方側ハウジング部と前記一方側第1ワークロールチョックとの間の間隔を調整可能な一方側第1ライナ及び前記一方側ハウジング部と前記一方側第1ワークロールチョックの出側面との間に配置され、厚さが可変とされて前記一方側ハウジング部と前記一方側第1ワークロールチョックの出側面との間の間隔を調整可能な一方側第1出側ライナと、前記他方側ハウジング部と前記他方側第1ワークロールチョックの入側面との間に配置され、厚さが可変とされて前記前記他方側ハウジング部と前記他方側第1ワークロールチョックの入側面との間の間隔を調整可能な他方側第1入側ライナ及び前記他方側ハウジング部と前記他方側第1ワークロールチョックの出側面との間に配置され、厚さが可変とされて前記他方側ハウジング部と前記他方側第1ワークロールチョックの出側面との間の間隔を調整可能な他方側第1出側ライナと、
前記一方側ハウジング部と前記一方側第2ワークロールチョックの入側面との間に配置され、厚さが可変とされて前記前記一方側ハウジング部と前記一方側第2ワークロールチョックの入側面との間の間隔を調整可能な一方側第2入側ライナ及び前記一方側ハウジング部と前記一方側第2ワークロールチョックの出側面との間に配置され、厚さが可変とされて前記前記一方側ハウジング部と前記一方側第2ワークロールチョックの出側面との間の間隔を調整可能な一方側第2出側ライナと、前記他方側ハウジング部と前記他方側第2ワークロールチョックの入側面との間に配置され、厚さが可変とされて前記他方側ハウジング部と前記他方側第2ワークロールチョックの入側面との間の間隔を調整可能な他方側第2入側ライナ及び前記他方側ハウジング部と前記他方側第2ワークロールチョックの出側面との間に配置され、厚さが可変とされて前記他方側ハウジング部と前記他方側第2ワークロールチョックの出側面との間の間隔を調整可能な他方側第2出側ライナとを備え、
前記スラスト力測定工程では、前記被圧延材を圧延する際に前記第1のワークロールに発生するスラスト力及び前記被圧延材を圧延する際に前記第2のワークロールに発生するスラスト力の双方を測定し、
前記ライナ厚調整工程は、該スラスト力測定工程によって測定された前記第1のワークロールに発生するスラスト力に基づいて、前記被圧延材に対する前記第1のワークロールのスキュー角を算出し、算出されたスキュー角が0.02°以下となるように、前記一方側ハウジング部と前記一方側第1ワークロールチョックの入側面との間に配置され、厚さが可変とされて前記前記一方側ハウジング部と前記一方側第1ワークロールチョックの入側面との間の間隔を調整可能な一方側第1入側ライナの厚さ及び前記一方側ハウジング部と前記一方側第1ワークロールチョックの出側面との間に配置され、厚さが可変とされて前記一方側ハウジング部と前記一方側第1ワークロールチョックの出側面との間の間隔を調整可能な一方側第1出側ライナの厚さ、前記他方側ハウジング部と前記他方側第1ワークロールチョックの入側面との間に配置され、厚さが可変とされて前記前記他方側ハウジング部と前記他方側第1ワークロールチョックの入側面との間の間隔を調整可能な他方側第1入側ライナの厚さ、及び前記他方側ハウジング部と前記他方側第1ワークロールチョックの出側面との間に配置され、厚さが可変とされて前記他方側ハウジング部と前記他方側第1ワークロールチョックの出側面との間の間隔を調整可能な他方側第1出側ライナの厚さを調整する第1ライナ厚調整工程と、
前記スラスト力測定工程によって測定された前記第2のワークロールに発生するスラスト力に基づいて、前記被圧延材に対する前記第2のワークロールのスキュー角を算出し、算出されたスキュー角が0.02°以下となるように、前記一方側ハウジング部と前記一方側第2ワークロールチョックの入側面との間に配置され、厚さが可変とされて前記前記一方側ハウジング部と前記一方側第2ワークロールチョックの入側面との間の間隔を調整可能な一方側第2入側ライナの厚さ、前記一方側ハウジング部と前記一方側第2ワークロールチョックの出側面との間に配置され、厚さが可変とされて前記前記一方側ハウジング部と前記一方側第2ワークロールチョックの出側面との間の間隔を調整可能な一方側第2出側ライナの厚さ、前記他方側ハウジング部と前記他方側第2ワークロールチョックの入側面との間に配置され、厚さが可変とされて前記他方側ハウジング部と前記他方側第2ワークロールチョックの入側面との間の間隔を調整可能な他方側第2入側ライナの厚さ、及び前記他方側ハウジング部と前記他方側第2ワークロールチョックの出側面との間に配置され、厚さが可変とされて前記他方側ハウジング部と前記他方側第2ワークロールチョックの出側面との間の間隔を調整可能な他方側第2出側ライナの厚さを調整する第2ライナ厚調整工程と、
を含むことを特徴とする請求項6に圧延機におけるスキュー低減方法。
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