JP2017136603A - 圧延機におけるスキュー低減装置及び低減方法 - Google Patents

圧延機におけるスキュー低減装置及び低減方法 Download PDF

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Abstract

【課題】被圧延材に対する第1及び第2のワークロールのスキュー角を極力低減することができる圧延機におけるスキュー低減装置及び低減方法を提供する。
【解決手段】圧延機1におけるスキュー低減装置40は、第1スラスト力測定装置41によって測定された第1のワークロール11に発生するスラスト力に基づいて、被圧延材Sに対する第1のワークロールのスキュー角θを算出し、算出されたスキュー角θが0.02°以下となるように、一方側第1入側ライナ42aの厚さ、一方側第1出側ライナ42bの厚さ、他方側第1入側ライナ43aの厚さ及び他方側第1出側ライナ43bの厚さを調整する第1ライナ厚調整装置44を備えている。第2のワークロール12側についても、第1ライナ厚調整装置44と同様の機能を有する第2ライナ厚調整装置54を備えている。
【選択図】図6

Description

本発明は、圧延機におけるスキュー低減装置及び低減方法に関する。
圧延機は、上下方向に配置された一対のワークロールに圧下荷重を供給してこの一対のワークロール間を通る被圧延材を圧延するようになっている。この種の圧延機では、圧延時に被圧延材から受ける反力によってワークロールが撓み、被圧延材の幅方向の中央部の厚みがその幅方向の端部の厚さよりも厚くなる、所謂、板クラウンが発生することがある。
この被圧延材の板クラウンを減少させるための一般的な方法として、例えば、イニシャルクラウンが付与されたワークロールをその軸方向(被圧延材の幅方向)に移動させるロールシフト方法が知られている。
このロールシフト方法においては、鋼板の幅方向においてワークロールのロール径が異なるため、ワークロールを入側方向あるいは出側方向に回転させる力が働き、ワークロールがスキュー、すなわち被圧延材に対するワークロールの傾きが発生する特徴がある。
このワークロールのスキューは、被圧延材の蛇行の原因となったり、スキューによって生じたワークロールのスラスト力がロールチョック内のベアリングに作用することになり、ベアリングが損傷し易くなって寿命が短くなるといった問題がある。このため、ワークロールのスキューは極力低減することが好ましい。
この問題を解決するために、従来、特許文献1に示す圧延機及び圧延方法が提案されている。
特許文献1に示す圧延機は、ロール胴中央に対して非対称なロールプロフィルを有するロールが被圧延材を挟んで上下に配置され、ロールと接触するように、ロール胴中央に対して対称なロールプロフィルを有する接触ロールがそれぞれ配置された圧延機であって、接触ロールに対して非対称なロールプロフィルを有するロールがオフセットされて配置され、かつ各ロールがオフセット分力により加勢される方向に各ロールの操作側と駆動側のロールチョックを押し付けて、ロールチョックとハウジング間に存在する圧延方向ガタをなくすガタ吸収装置が操作側と駆動側に設置されてなる圧延機である。
特開2005−14044号公報
しかしながら、この従来の特許文献1に示す圧延機及び圧延方法にあっては、以下の問題点があった。
即ち、特許文献1に示す圧延機においては、ガタ吸収装置が、ロールチョックとハウジング間に存在する圧延方向ガタをなくすようになっているので、ロールチョックとハウジングとの間のクリアランスは低減できるが、被圧延材に対するロールの傾き、すなわち被圧延材に対するロールのスキュー角をゼロに近づけることが困難である。つまり、被圧延材に対するロールのスキュー角を直接測定したりあるいは計算によって算出するようにしてそのスキュー角を制御するようにしていないため、ロールチョックとハウジングとの間のクリアランスを低減できたとしても、被圧延材に対するロールのスキュー角をゼロに近づけることが困難である。
特に、ロールは定期的に交換するため、ロールチョックを複数有しているのが一般的であるが、ロールチョックごとに個体差(磨耗量等に差がある)があり、ハウジングに対してロールチョックのガタをなくしている場合、被圧延材に対するロールの傾きがロールチョックごとに異なってしまい、被圧延材に対するロールのスキュー量の低減効果には限界があった。
従って、本発明はこの問題を解決するためになされたものであり、その目的は、被圧延材に対する第1及び第2のワークロールのスキュー角を極力低減することができる圧延機におけるスキュー低減装置及び低減方法を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明の一態様に係る圧延機におけるスキュー低減装置は、ハウジングと、該ハウジング内において被圧延材の厚さ方向に互いに対向して配置され、各々の軸方向に逆向きに相対移動することによって各々の間のロールギャップが変化するイニシャルロールカーブで形成された第1のワークロール及び第2のワークロールとを備えた圧延機におけるスキュー低減装置であって、
前記被圧延材を圧延する際に前記第1のワークロール及び前記第2のワークロールのうち少なくとも一方に発生するスラスト力を測定するスラスト力測定装置と、
該スラスト力測定装置によって測定された前記第1のワークロール及び前記第2のワークロールのうち少なくとも一方の両端を支持するワークロールチョックと前記ハウジングとの間に配置され、厚さが可変とされて前記ワークロールチョックと前記ハウジングとの間の間隔を調整可能なライナと、
前記スラスト力測定装置によって測定された前記第1のワークロール及び前記第2のワークロールのうち少なくとも一方に発生するスラスト力に基づいて、前記被圧延材に対する前記第1のワークロール及び前記第2のワークロールのうち少なくとも一方のスキュー角を算出し、算出されたスキュー角が0.02°以下となるように、前記ライナの厚さを調整するライナ厚調整装置とを備えていることを要旨とする。
また、本発明の別の態様に係る圧延機におけるスキュー低減方法は、ハウジングと、ハウジング内において被圧延材の厚さ方向に互いに対向して配置され、各々の軸方向に逆向きに相対移動することによって各々の間のロールギャップが変化するイニシャルロールカーブで形成された第1のワークロール及び第2のワークロールとを備えた圧延機におけるスキュー低減方法であって、
前記被圧延材を圧延する際に前記第1のワークロール及び前記第2のワークロールのうち少なくとも一方に発生するスラスト力を測定するスラスト力測定工程と、
該スラスト力測定工程によって測定された前記第1のワークロール及び前記第2のワークロールのうち少なくとも一方に発生するスラスト力に基づいて、前記被圧延材に対する前記第1のワークロール及び前記第2のワークロールのうち少なくとも一方のスキュー角を算出し、算出されたスキュー角が0.02°以下となるように、前記スラスト力測定工程によって測定された前記第1のワークロール及び前記第2のワークロールのうち少なくとも一方の両端を支持するワークロールチョックと前記ハウジングとの間に配置され、厚さが可変とされて前記ワークロールチョックと前記ハウジングとの間の間隔を調整可能なライナの厚さを調整するライナ厚調整工程とを含むことを要旨とする。
本発明に係る圧延機におけるスキュー低減装置及びスキュー低減方法によれば、被圧延材に対するワークロール(第1及び第2のワークロール)のスキュー角を極力低減することができる圧延機におけるスキュー低減装置及び低減方法を提供できる。
本発明の一実施形態に係るスキュー低減装置を有する圧延機の概略構成を示す正面図である。但し、図1においては、第1及び第2のワークロールは被圧延材を圧下している圧下状態にある。 図1の圧延機の右側面図である。 図1に示す圧延機の概略構成を示す正面図であり、第1及び第2のワークロールが開放状態にあるときを示している。 図1に示す圧延機を平面側(上面側)から見たときのスキュー低減装置の説明図である。 図1における5−5線に沿う断面図である。 第1及び第2のワークロールの被圧延材に対するスキュー及びスキュー低減装置によるスキューの低減方法を説明するための図である。
以下、図面を参照して本発明に係る一実施形態を詳細に説明する。なお、発明の実施形態を説明するための全図において、同一機能を有するものは同一符号を付け、その繰り返しの説明は省略することがある。
図1及び図2には、本発明の一実施形態に係るスキュー低減装置を有する圧延機の概略構成が示されており、圧延機1は、いわゆる2段式圧延機である。
なお、本実施形態では、後述する被圧延材Sの進行方向に沿う方向をX方向と呼び、同一平面内においてX方向と直交する方向をY方向と呼び、X方向及びY方向に対して直交する方向をZ方向と呼ぶこともある。
また、図1及び図3では、後述する第1のワークロール11及び第2のワークロール12の各々のイニシャルロールカーブを強調して図示しているが、実際のイニシャルロールカーブとは異なっている。
図1及び図2に示す本発明の一実施形態に係る圧延機1は、冷間圧延鋼板の鋼板処理ラインにおける調質圧延(スキンパス)を行う際に用いられるものである。
この圧延機1は、図1及び図2に示すように、ハウジング10と、ハウジング10内において被圧延材Sの厚さ方向である上下方向(Z方向)に互いに対向して配置された第1のワークロール11及び第2のワークロール12と、第1のワークロール11の一方端を回動自在に支持する軸受部としての一方側第1ワークロールチョック(ワークロールチョック)13a及び第1のワークロール11の他方端を回動自在に支持する他方側第1ワークロールチョック(ワークロールチョック)13bと、第2のワークロール12の一方端を回動自在に支持する軸受部としての一方側第2ワークロールチョック(ワークロールチョック)14a及び第2のワークロール12の他方端を回動自在に支持する他方側第2ワークロールチョック(ワークロールチョック)14bとを備えている。第1のワークロール11は、第2のワークロール12に対して上側に配置される。
また、圧延機1は、ハウジング10の後述する底板部10bと一方側第2ワークロールチョック14a及び他方側第2ワークロールチョック14bとの間に、一方側第2ワークロールチョック14a及び他方側第2ワークロールチョック14bのそれぞれに対応して配設された一方側圧下シリンダ15a及び他方側圧下シリンダ15bを備えている。
また、圧延機1は、ハウジング10の後述する天板部10aと一方側第1ワークロールチョック13a及び他方側第1ワークロールチョック13bとの間に、一方側第1ワークロールチョック13a及び他方側第1ワークロールチョック13bのそれぞれに対応して配設された一方側プレッシャーブロック16a及び他方側プレッシャーブロック16bを備えている。
また、圧延機1は、一方側第1ワークロールチョック13a及び他方側第1ワークロールチョック13bと一方側第2ワークロールチョック14a及び他方側第2ワークロールチョック14bとの間に、それぞれ2つずつ配設された4つのワークロールバランサ17a,17bを備えている。この4つのワークロールバランサ17a,17bの各々は、例えばシリンダ機構で構成されている。
また、ハウジング10は、上下方向(Z方向)において互いに離間して配置された天板部10a及び底板部10bと、天板部10a及び底板部10bの間に配置され、図4に示すように、X方向において互いに離間して配置された一対の前柱部10c及び一対の後柱部10dとを有している。一対の前柱部10cは、図4に示すように、Y方向において互いに離間して配置され、一対の後柱部10dも、図4に示すように、Y方向において互いに離間して配置されている。そして、図4に示すように、一方側第1ワークロールチョック13a及び一方側第2ワークロールチョック14aの周囲を囲む前柱部10c及び後柱部10dによって一方側ハウジング部10Aを構成し、他方側第1ワークロールチョック13b及び他方側第2ワークロールチョック14bの周囲を囲む前柱部10c及び後柱部10dによって他方側ハウジング部10Bを構成している。また、ハウジング10は、一対の前柱部10c間及び一対の後柱部10d間の各々において、図1に示すように、天板部10a側に配置された上側壁板部10eと、底板部10b側に配置された下側壁板部10fとを有している。
また、一方側圧下シリンダ15aは、シリンダチューブ15abがハウジング10の底板部10bに取り付けられ、シリンダロッド15aaの上端部が一方側第2ワークロールチョック14aの下面に当接して一方側第2ワークロールチョック14aに圧下荷重を供給する。また、他方側圧下シリンダ15bは、シリンダチューブ15bbがハウジング10の底板部10bに取り付けられ、シリンダロッド15baの上端部が他方側第2ワークロールチョック14bの下面に当接して他方側第2ワークロールチョック14bに圧下荷重を供給する。
また、一方側プレッシャーブロック16aは、その上面がハウジング10の天板部10aに取り付けられ、その上面とは反対側の下面が一方側第1ワークロールチョック13aの上面に当接して一方側第1ワークロールチョック13aに圧下荷重の反力を付与する。また、他方側プレッシャーブロック16bは、その上面がハウジング10の天板部10aに取り付けられ、その上面とは反対側の下面が他方側第1ワークロールチョック13bの上面に当接して他方側第1ワークロールチョック13bに圧下荷重の反力を付与する。
一方側第1ワークロールチョック13aと一方側第2ワークロールチョック14aとの間に配設された2つのワークロールバランサ17aにおいて、一方のワークロールバランサ17aはハウジング10の前柱部10c側に配設され、他方のワークロールバランサ17aはハウジング10の後柱部10d側に配設されている。この2つのワークロールバランサ17aの各々は、各々のシリンダチューブがハウジング10の前柱部10c及び後柱部10dに固定され、各々のシリンダロッドの先端部が一方側第1ワークロールチョック13aのワークロールバランサ17a側の面に当接している。
他方側第1ワークロールチョック13bと他方側第2ワークロールチョック14bとの間に配設された2つのワークロールバランサ17bにおいて、一方のワークロールバランサ17bはハウジング10の前柱部10c側に配設され、他方のワークロールバランサ17bはハウジング10の後柱部10d側に配設されている。この2つのワークロールバランサ17bの各々は、各々のシリンダチューブがハウジング10の前柱部10c及び後柱部10dに固定され、各々のシリンダロッドの先端部が他方側第1ワークロールチョック13bのワークロールバランサ17b側の面に当接している。
一方側第1ワークロールチョック13a及び一方側第2ワークロールチョック14aは、図4に示すように、一方側ハウジング部10Aを構成する前柱部10c及び後柱部10dの間に配設されるとともに、上下方向(Z方向)に昇降可能となっている。
また、他方側第1ワークロールチョック13b及び他方側第2ワークロールチョック14bは、図2及び図4に示すように、他方側ハウジング部10Bを構成する前柱部10c及び後柱部10dの間に配設されるとともに、上下方向(Z方向)に昇降可能となっている。
つまり、一方側第1ワークロールチョック13a及び一方側第2ワークロールチョック14aと、他方側第1ワークロールチョック13b及び他方側第2ワークロールチョック14bとは、一方側第1ワークロールチョック13a及び他方側第1ワークロールチョック13bを昇降可能に支持する前述の複数(本実施形態にあっては4つ)のワークロールバランサ17a,17bと、一方側第2ワークロールチョック14a及び他方側第2ワークロールチョック14bを昇降させるとともに、一方側第2ワークロールチョック14a及び他方側第2ワークロールチョック14bを昇降させて一方側第1ワークロールチョック13a及び他方側第1ワークロールチョック13bを昇降させる前述の一方側圧下シリンダ15a及び他方側圧下シリンダ15bとを備えた昇降手段によって上下方向に昇降される。一方側圧下シリンダ15a及び他方側圧下シリンダ54bは、図示しない油圧回路に接続され、油圧回路は図示しない制御装置により制御されるようになっている。
このように構成された圧延機1は、一方側第2ワークロールチョック14a及び他方側第2ワークロールチョック14bの各々を一方側圧下シリンダ15a及び他方側圧下シリンダ15bで圧下し、第1のワークロール11及び第2のワークロール12の各々に圧下荷重を供給して第1のワークロール11及び第2のワークロール12間を通りながら図2の進行方向(X方向)に進行する被圧延材Sを圧延する。
ここで、第1のワークロール11及び第2のワークロール12の各々は、各々の軸方向(Y方向)に逆向きに相対移動することによって各々の間のロールギャップGが変化するイニシャルロールカーブで形成されている。すなわち、第1のワークロール11及び第2のワークロール12の各々は、非対称なロールプロフィールを有するロールで形成されている。
そして、第1のワークロール11及び第2のワークロール12の各々は、各々の軸方向(Y方向)に逆向きに相対移動することによって各々の間のロールギャップGが変化するので、被圧延材Sの板クラウンに対応してロールギャップGを変更することにより、第1のワークロール11及び第2のワークロール12のロールクラウンを被圧延材の板クラウンに対応して変更することができる。
ここで、圧延機1においては、第1のワークロール11及び第2のワークロール12の各々を軸方向(Y方向)に逆向きに相対移動させるために、前述の構成に加え、図1及び図2に示すように、第1のワークロール11及び第2のワークロール12の各々の軸方向(Y方向)に沿って個別に延在する第1レール21及び第2レール22と、一方側第1ワークロールチョック13a及び他方側第1ワークロールチョック13bの各々に設けられ、かつ上第1レール21上をその延在方向に沿って移動する車輪23a,23bと、一方側第2ワークロールチョック14a及び他方側第2ワークロールチョック14bの各々に設けられ、かつ第2レール22上をその延在方向に沿って移動する車輪24a,24bを備えている。車輪23aは、車輪取付部材25aの一端側に回動自在に軸支され、車輪取付部材25aの他端側は一方側第1ワークロールチョック13aに固定され、車輪23bは、車輪取付部材25bの一端側に回動自在に軸支され、車輪取付部材25bの他端側は他方側第1ワークロールチョック13bに固定されている。また、車輪24aは、一方側第2ワークロールチョク14aに回動自在に軸支され、車輪24bは、他方側第2ワークロールチョック14bに回動自在に軸支されている。
圧延機1においては、第1のワークロール11及び第2のワークロール12の各々を軸方向(Y方向)に逆向きに相対移動させるために、2つの第1ワークロールシフトシリンダ31及び2つの第2ワークロールシフトシリンダ32を備えている。
2つの第1ワークロールシフトシリンダ31の各々は、シリンダロッド31aがシリンダチューブ31bに対して伸縮することで一方側第1ワークロールチョック13a及び他方側第1ワークロールチョック13bと共に第1のワークロール11をその軸方向(Y方向)に移動させる。また、2つの第2ワークロールシフトシリンダ32の各々は、シリンダロッド32aがシリンダチューブ32bに対して伸縮することで一方側第2ワークロールチョック14a及び他方側第2ワークロールチョック14bと共に第2のワークロール12をその軸方向(Y方向)に移動させる。
なお、2つの第1ワークロールシフトシリンダ31の各々は、一方側第1ワークロールチョック13a側(作業者側)に、被圧延材Sの進行方向(X方向)において互いに離間して配置されている。また、2つの第2ワークロールシフトシリンダ32も、一方側第2ワークロールチョック14a側(作業者側)に、被圧延材Sの進行方向(X方向)において互いに離間して配置されている。
このように構成された圧延機1は、一方側第1ワークロールチョック13a及び他方側第1ワークロールチョック13bと共に第1のワークロール11と、一方側第2ワークロールチョック14a及び他方側第2ワークロールチョック14bと共に第2のワークロール12とを、各々の軸方向(Y方向)に逆向きに相対移動させることにより、被圧延材Sの板クラウンに対応して第1のワークロール11と第2のワークロール12との間のロールギャップG、即ちロールクラウンを変更することができるので、先行圧延板の後端と後行圧延板の先端とを溶接した被圧延材Sの板クラウンが先行圧延板と後行圧延板とで異なる場合においても板クラウンを矯正することができる。
ここで、第1のワークロール11と第2のワークロール12との間のロールギャップG(ロールクラウン)の変更のタイミングについて説明すると、当該変更は、図1及び図2に示す被圧延材Sの圧下状態から図3に示す開放状態に移行した状態で行われる。
図1及び図2に示す圧下状態においては、一方側第2ワークロールチョック14a及び他方側第2ワークロールチョック14bの各々は、一方側圧下シリンダ15aのシリンダロッド15aa及び他方側圧下シリンダ15bのシリンダロッド15baの先端部に接触した状態で支持されている。また、一方側第2ワークロールチョック14a及び他方側第2ワークロールチョック14bの各々の車輪24a,24bは、第2レール22から上方に離間した状態で配置されている。
そして、一方側第1ワークロールチョック13a及び他方側第1ワークロールチョック13bの各々においても、ワークロールバランサ17a及びワークロールバランサ17bのシリンダロッドの先端部に接触した状態で支持されている。また、一方側第1ワークロールチョック13a及び他方側第1ワークロールチョック13bの各々の車輪23a,23bは、第1レール21から上方に離間した状態で配置されている。
そして、前述の昇降手段を構成する一方側圧下シリンダ15aのシリンダロッド15aa及び他方側圧下シリンダ15bのシリンダロッド15baを下降させると、図3に示す開放状態となる。
この図3に示す開放状態では、一方側第2ワークロールチョック14a及び他方側第2ワークロールチョック14bの各々は、車輪24a,24bを介して第2レール22に乗った状態(身を預けた状態)で支持され、第2レール22上をその延在方向(Y方向)に沿って走行可能になっている。
そして、一方側第1ワークロールチョック13a及び他方側第1ワークロールチョック13bの各々においても、車輪23a,23bを介して第1レール21に乗った状態(身を預けた状態)で支持され、第1レール21上をその延在方向(Y方向)に沿って走行可能になっている。
先行圧延板の後端と後行圧延板の先端との溶接部が通過する時は、図3に示す開放状態となるので、このタイミングで第1のワークロール11と第2のワークロール12との間のロールギャップGが変更される。
ここで、このロールシフト方法においては、被圧延材Sの幅方向(Y方向)において第1のワークロール11及び第2のワークロール12のそれぞれのロール径が異なるため、第1のワークロール11及び第2のワークロール12のそれぞれを入側方向あるいは出側方向に回転させる力が働き、図6に示すように、第1のワークロール11及び第2のワークロール12のそれぞれがスキュー、すなわち被圧延材Sに対する第1のワークロール11及び第2のワークロール12のそれぞれの傾きが発生する特徴がある。具体的に図6を参照して説明すると、第1のワークロール11及び第2のワークロール12のそれぞれの軸方向中心線CL1に直交する垂線L1が、被圧延材Sの幅方向の中心線CL2に対して傾斜し、スキュー角θ(垂線L1と中心線CL2とのなす角)が発生する。
この第1のワークロール11及び第2のワークロール12のそれぞれのスキューは、被圧延材Sの蛇行の原因となったり、スキューによって生じた第1のワークロール11及び第2のワークロール12のそれぞれのスラスト力(ワークロールの軸方向に沿う力)が一方側第1ワークロールチョック13a、他方側第1ワークロールチョック13b、一方側第2ワークロールチョック14a及び他方側第2ワークロールチョック14b内のベアリングに作用することになり、ベアリングが損傷し易くなって寿命が短くなるといった問題がある。このため、第1のワークロール11及び第2のワークロール12のそれぞれのスキューは極力低減することが好ましい。具体的には、第1のワークロール11及び第2のワークロール12のそれぞれの被圧延材Sに対するスキュー角θは、0.02°以下とすることにより前記した問題を無害化することができる。かかるスキュー角θのより好ましい範囲は、0°以上0.01°以下である。
そこで、圧延機1には、図1、図2及び図4に示すように、スキュー低減装置40が備えられている。
このスキュー低減装置40は、第1スラスト力測定装置(スラスト力測定装置)41及び第2スラスト力測定装置(スラスト力測定装置)51と、一方側第1入側ライナ(ライナ)42a及び一方側第1出側ライナ(ライナ)42bと、他方側第1入側ライナ(ライナ)43a及び他方側第1出側ライナ(ライナ)43bと、一方側第2入側ライナ(ライナ)52a及び一方側第2出側ライナ(ライナ)52bと、他方側第2入側ライナ(ライナ)53a及び他方側第2出側ライナ(ライナ)53bと、第1ライナ厚調整装置(ライナ厚調整装置)44と、第2ライナ厚調整装置(ライナ厚調整装置)54とを備えている。
ここで、第1スラスト力測定装置41は、被圧延材Sを圧延する際に第1のワークロール11に発生するスラスト力を測定するものであり、その詳細は図5示されている。
第1スラスト力測定装置41は、第1のワークロール11の一方側の端面11aに回転自在に支持されたスラストベアリング71と、第1のワークロール11の軸方向に発生するスラスト力SPを電気信号に変換するロードセル72とを備えている。スラストベアリング71は、第1のワークロール11の一方側の端面11aに固定された軌道輪71aと、軌道輪71aに対し転動体71cを挟んで回転自在に支持された軌道輪71bとを備えている。また、ロードセル72は、例えば引張圧縮型のロードセルが用いられ、軌道輪71bにロードボタンが押し付けられるようになっている。そして、ロードセル72は、ロードボタンに第1のワークロール11のスラスト力SPが伝達されることで、スラスト力SPに比例した電気信号を出力する。また、ロードセル72は、ロードセル押付け部材73に固定され、このロードセル押付け部材73は、カバー体75に螺合された複数のボルト74の先端に固定されている。ロードセル72のスラストベアリング71に対する押付け力は、各ボルト74のカバー体75に対する螺合量を調整することにより調整される。なお、図5において、符号61は一方側第1ワークロールチョック13aにおいて第1のワークロール11を回転可能に軸支するコロ軸受、62は同様の機能を有する玉軸受、63a及び63bは一方側第1ワークロールチョック13aに形成された凹部、64はコロ軸受及び玉軸受の位置決め部材、64a及び64bはキーパープレートである。
また、第2スラスト力測定装置51は、被圧延材Sを圧延する際に第2のワークロール12に発生するスラスト力を測定するものであり、第2のワークロール12の一方側の端面に取り付けられている。第2スラスト力測定装置51の装置構成は、第1スラスト力測定装置41と基本構成は同様であり、その説明は省略する。
そして、第1スラスト力測定装置41のロードセル72は、図1に示すように、第1ライナ厚調整装置44を構成する後述の第1制御装置47に接続され、ロードセル72からの出力信号が第1制御装置47に入力されるようになっている。また、第2スラスト力測定装置51のロードセルは、図1に示すように、第2ライナ厚調整装置54を構成する後述の第2制御装置57に接続され、ロードセルからの出力信号が第2制御装置57に入力されるようになっている。
また、一方側第1入側ライナ42aは、図4に示すように、一方側ハウジング部10Aを構成する前柱部10cと一方側第1ワークロールチョック13aの入側面13aaとの間に配置され、厚さが可変とされて一方側ハウジング部10Aの前柱部10cと一方側第1ワークロールチョック13aの入側面13aaとの間の間隔を調整可能となっている。一方側第1入側ライナ42aは、一方側第1ワークロールチョック13aの入側において上方部と下方部の2つの位置に2つ設けられる。そして、各一方側第1入側ライナ42aは、図4に示すように、互いに傾斜面が摺接するように配置された楔形の一対の第1部材42aa及び第2部材42abで構成されている。そして、第1部材42aaが前柱部10c側(ハウジング側)に固定され、第2部材42abが一方側第1ワークロールチョック13a側(ワークロールチョック側)に配置されて、第1部材42aaと第2部材42abとの合計板厚である一方側第1入側ライナ42aの板厚を変える方向(被圧延材Sの幅方向)に移動可能となっている。そして、第2部材42abが第1ライナ厚調整装置44を構成する後述の一方側第1入側アクチュエータ45aに接続されている。
また、一方側第1出側ライナ42bは、図4に示すように、一方側ハウジング部10Aを構成する後柱部10dと一方側第1ワークロールチョック13aの出側面13abとの間に配置され、厚さが可変とされて一方側ハウジング部10Aの後柱部10dと一方側第1ワークロールチョック13aの出側面13abとの間の間隔を調整可能となっている。一方側第1出側ライナ42bは、一方側第1ワークロールチョック13aの出側において上方部と下方部の2つの位置に2つ設けられる。そして、各一方側第1出側ライナ42bは、図4に示すように、互いに傾斜面が摺接するように配置された楔形の一対の第1部材42ba及び第2部材42bbで構成されている。そして、第1部材42baが後柱部10d側(ハウジング側)に固定され、第2部材42bbが一方側第1ワークロールチョック13a側(ワークロールチョック側)に配置されて、第1部材42baと第2部材42bbとの合計板厚である一方側第1出側ライナ42bの板厚を変える方向(被圧延材Sの幅方向)に移動可能となっている。そして、第2部材42bbが第1ライナ厚調整装置44を構成する後述の一方側第1出側アクチュエータ45bに接続されている。
更に、他方側第1入側ライナ43aは、図4に示すように、他方側ハウジング部10Bを構成する前柱部10cと他方側第1ワークロールチョック13bの入側面13baとの間に配置され、厚さが可変とされて他方側ハウジング部10Bの前柱部10cと他方側第1ワークロールチョック13bの入側面13baとの間の間隔を調整可能となっている。他方側第1入側ライナ43aは、図2に示すように、他方側第1ワークロールチョック13bの入側において上方部と下方部の2つの位置に2つ設けられる。そして、各他方側第1入側ライナ43aは、図4に示すように、互いに傾斜面が摺接するように配置された楔形の一対の第1部材43aa及び第2部材43abで構成されている。そして、第1部材43aaが前柱部10c側(ハウジング側)に固定され、第2部材43abが他方側第1ワークロールチョック13b側(ワークロールチョック側)に配置されて、第1部材43aaと第2部材43abとの合計板厚である他方側第1入側ライナ43aの板厚を変える方向(被圧延材Sの幅方向)に移動可能となっている。そして、第2部材43abが第1ライナ厚調整装置44を構成する後述の他方側第1入側アクチュエータ46aに接続されている。
また、他方側第1出側ライナ43bは、図4に示すように、他方側ハウジング部10Bを構成する後柱部10dと他方側第1ワークロールチョック13bの出側面13bbとの間に配置され、厚さが可変とされて他方側ハウジング部10Bの後柱部10dと他方側第1ワークロールチョック13bの出側面13bbとの間の間隔を調整可能となっている。他方側第1出側ライナ43bは、図2に示すように、他方側第1ワークロールチョック13bの入側において上方部と下方部の2つの位置に2つ設けられる。そして、各他方側第1出側ライナ43bは、図4に示すように、互いに傾斜面が摺接するように配置された楔形の一対の第1部材43ba及び第2部材43bbで構成されている。そして、第1部材43baが後柱部10d側(ハウジング側)に固定され、第2部材43bbが他方側第1ワークロールチョック13b側(ワークロールチョック側)に配置されて、第1部材43baと第2部材43bbとの合計板厚である他方側第1出側ライナ43bの板厚を変える方向(被圧延材Sの幅方向)に移動可能となっている。そして、第2部材43bbが第1ライナ厚調整装置44を構成する後述の他方側第1出側アクチュエータ46bに接続されている。
また、一方側第2入側ライナ52aは、図4に括弧書きで示すように、一方側ハウジング部10Aを構成する前柱部10cと一方側第2ワークロールチョック14aの入側面14aaとの間に配置され、厚さが可変とされて一方側ハウジング部10Aの前柱部10cと一方側第2ワークロールチョック14aの入側面14aaとの間の間隔を調整可能となっている。一方側第2入側ライナ52aは、一方側第2ワークロールチョック14aの入側において上方部と下方部の2つの位置に2つ設けられる。そして、各一方側第2入側ライナ52aは、図4に括弧書きで示すように、互いに傾斜面が摺接するように配置された楔形の一対の第1部材52aa及び第2部材52abで構成されている。そして、第1部材52aaが前柱部10c側(ハウジング側)に固定され、第2部材52abが一方側第2ワークロールチョック14a側(ワークロールチョック側)に配置されて、第1部材52aaと第2部材52abとの合計板厚である一方側第2入側ライナ52aの板厚を変える方向(被圧延材Sの幅方向)に移動可能となっている。そして、第2部材52abが第2ライナ厚調整装置54を構成する後述の一方側第2入側アクチュエータ55aに接続されている。
また、一方側第2出側ライナ52bは、図4に括弧書きで示すように、一方側ハウジング部10Aを構成する後柱部10dと一方側第2ワークロールチョック14aの出側面14abとの間に配置され、厚さが可変とされて一方側ハウジング部10Aの後柱部10dと一方側第2ワークロールチョック14aの出側面14abとの間の間隔を調整可能となっている。一方側第2出側ライナ52bは、一方側第2ワークロールチョック14aの出側において上方部と下方部の2つの位置に2つ設けられる。そして、各一方側第2出側ライナ52bは、図4に括弧書きで示すように、互いに傾斜面が摺接するように配置された楔形の一対の第1部材52ba及び第2部材52bbで構成されている。そして、第1部材52baが後柱部10d側(ハウジング側)に固定され、第2部材52bbが一方側第2ワークロールチョック14a側(ワークロールチョック側)に配置されて、第1部材52baと第2部材52bbとの合計板厚である一方側第2出側ライナ52bの板厚を変える方向(被圧延材Sの幅方向)に移動可能となっている。そして、第2部材52bbが第2ライナ厚調整装置54を構成する後述の一方側第2出側アクチュエータ55bに接続されている。
更に、他方側第2入側ライナ53aは、図4に括弧書きで示すように、他方側ハウジング部10Bを構成する前柱部10cと他方側第2ワークロールチョック14bの入側面14baとの間に配置され、厚さが可変とされて他方側ハウジング部10Bの前柱部10cと他方側第2ワークロールチョック14bの入側面14baとの間の間隔を調整可能となっている。他方側第2入側ライナ53aは、図2に示すように、他方側第2ワークロールチョック14bの入側において上方部と下方部の2つの位置に2つ設けられる。そして、各他方側第2入側ライナ53aは、図4で括弧書きでに示すように、互いに傾斜面が摺接するように配置された楔形の一対の第1部材53aa及び第2部材53abで構成されている。そして、第1部材53aaが前柱部10c側(ハウジング側)に固定され、第2部材53abが他方側第2ワークロールチョック14b側(ワークロールチョック側)に配置されて、第1部材53aaと第2部材53abとの合計板厚である他方側第2入側ライナ53aの板厚を変える方向(被圧延材Sの幅方向)に移動可能となっている。そして、第2部材53abが第2ライナ厚調整装置54を構成する後述の他方側第2入側アクチュエータ56aに接続されている。
また、他方側第2出側ライナ53bは、図4に括弧書きで示すように、他方側ハウジング部10Bを構成する後柱部10dと他方側第2ワークロールチョック14bの出側面14bbとの間に配置され、厚さが可変とされて他方側ハウジング部10Bの後柱部10dと他方側第2ワークロールチョック14bの出側面14bbとの間の間隔を調整可能となっている。他方側第2出側ライナ53bは、図2に示すように、他方側第2ワークロールチョック14bの出側において上方部と下方部の2つの位置に2つ設けられる。そして、各他方側第2出側ライナ53bは、図4に括弧書きで示すように、互いに傾斜面が摺接するように配置された楔形の一対の第1部材53ba及び第2部材53bbで構成されている。そして、第1部材53baが後柱部10d側(ハウジング側)に固定され、第2部材53bbが他方側第2ワークロールチョック14b側(ワークロールチョック側)に配置されて、第1部材53baと第2部材53bbとの合計板厚である他方側第1出側ライナ43bの板厚を変える方向(被圧延材Sの幅方向)に移動可能となっている。そして、第2部材53bbが第2ライナ厚調整装置54を構成する後述の他方側第2出側アクチュエータ56bに接続されている。
次に、第1ライナ厚調整装置44は、第1スラスト力測定装置41によって測定された第1のワークロール11に発生するスラスト力SPに基づいて、被圧延材Sに対する第1のワークロール11のスキュー角θ(図6参照)を算出し、算出されたスキュー角θが0.02°以下、より好ましくは0.01°以下となるように、一方側第1入側ライナ42aの厚さ、一方側第1出側ライナ42bの厚さ、他方側第1入側ライナ43aの厚さ及び他方側第1出側ライナ43bの厚さを調整する。
第1ライナ厚調整装置44は、具体的に述べると、一方側第1入側ライナ42aの第2部材42abを移動させる一方側第1入側アクチュエータ45a、一方側第1出側ライナ42bの第2部材42bbを移動させる一方側第1出側アクチュエータ45b、他方側第1入側ライナ43aの第2部材43abを移動させる他方側第1入側アクチュエータ46a、及び他方側第1出側ライナ43bの第2部材43bbを移動させる他方側第1出側アクチュエータ46bを備えている。
また、第1ライナ厚調整装置44は、第1スラスト力測定装置41によって測定された第1のワークロール11に発生するスラスト力SPに基づいて、被圧延材Sに対する第1のワークロール11のスキュー角θを算出し、算出されたスキュー角θがゼロとなるように、一方側第1入側アクチュエータ45aによる一方側第1入側ライナ42aの第2部材42abの移動量を制御して一方側第1入側ライナ42aの厚さを調整、一方側第1出側アクチュエータ45bによる一方側第1出側ライナ42bの第2部材42bbの移動量を制御して一方側第1出側ライナ42bの厚さを調整、他方側第1入側アクチュエータ46aによる他方側第1入側ライナ43aの第2部材43abの移動量を制御して他方側第1入側ライナ43aの厚さを調整、及び他方側第1出側アクチュエータ46bによる他方側第1出側ライナ43bの第2部材43bbの移動量を制御して他方側第1出側ライナ43bの厚さを調整する第1制御装置47を備えている。
ここで、第1制御装置47による第1のワークロール11のスキュー角θの算出は、第1スラスト力測定装置41によって測定された第1のワークロール11に発生するスラスト力をSP、被圧延材Sと第1のワークロール11との間の摩擦係数をμ、圧延荷重をpとした場合に、次の(1)式によって算出される。
SP=μpsin(θ)・・・(1)
そして、第1制御装置47は、(1)式から算出されたスキュー角θがゼロとなるように、一方側第1入側ライナ42aの厚さ、一方側第1出側ライナ42bの厚さ、他方側第1入側ライナ43aの厚さ及び他方側第1出側ライナ43bの厚さを調整する。
これについて具体的に述べると、図6に示すように、第1のワークロール11のスキュー角がθ(第1のワークロール11における垂線L1が被圧延材Sの中心線CL2に対して時計回りにθずれている)で、一方側第1ワークロールチョック13aの第1のワークロール11の軸方向中心線CL1上の中心Paと他方側第1ワークロールチョック13bの第1のワークロール11の軸方向中心線CL1上の中心Pbとの間隔がLである場合、一方側第1ワークロールチョック13aを前側にL/2・tanθだけ移動し、他方側第1ワークロールチョック13bを後側にL/2・tanθだけ移動すれば、第1のワークロール11の軸方向中心線CL1が反時計回りに移動して軸方向中心線CL1aとなり、第1のワークロール11における垂線L1が被圧延材Sの中心線CL2となってスキュー角θがゼロとなる。
従って、一方側第1入側ライナ42aの厚さが一方側第1出側ライナ42bの厚さに対してL/2・tanθだけ薄くなり、他方側第1入側ライナ43aの厚さが他方側第1出側ライナ43bの厚さに対してL/2・tanθだけ厚くなるように、第1制御装置47は、一方側第1入側アクチュエータ45aによる一方側第1入側ライナ42aの第2部材42abの移動量を制御、一方側第1出側アクチュエータ45bによる一方側第1出側ライナ42bの第2部材42bbの移動量を制御、他方側第1入側アクチュエータ46aによる他方側第1入側ライナ43aの第2部材43abの移動量を制御、及び他方側第1出側アクチュエータ46bによる他方側第1出側ライナ43bの第2部材43bbの移動量を制御する。
これにより、第1のワークロール11のスキュー角θは0.02°以内でゼロに極力近づくことになる。
また、第2ライナ厚調整装置54は、第2スラスト力測定装置51によって測定された第2のワークロール12に発生するスラスト力に基づいて、被圧延材Sに対する第2のワークロール12のスキュー角θ(図6参照)を算出し、算出されたスキュー角θが0.02°以下、より好ましくは0.01°以下となるように、一方側第2入側ライナ52aの厚さ、一方側第2出側ライナ52bの厚さ、他方側第2入側ライナ53aの厚さ及び他方側第2出側ライナ53bの厚さを調整する。
第2ライナ厚調整装置54は、具体的に述べると、一方側第2入側ライナ52aの第2部材52abを移動させる一方側第2入側アクチュエータ55a、一方側第2出側ライナ52bの第2部材52bbを移動させる一方側第2出側アクチュエータ55b、他方側第2入側ライナ53aの第2部材53abを移動させる他方側第2入側アクチュエータ56a、及び他方側第2出側ライナ53bの第2部材53bbを移動させる他方側第2出側アクチュエータ56bを備えている。
また、第2ライナ厚調整装置54は、第2スラスト力測定装置51によって測定された第2のワークロール12に発生するスラスト力に基づいて、被圧延材Sに対する第2のワークロール12のスキュー角θを算出し、算出されたスキュー角θがゼロとなるように、一方側第2入側アクチュエータ55aによる一方側第2入側ライナ52aの第2部材52abの移動量を制御して一方側第2入側ライナ52aの厚さを調整、一方側第2出側アクチュエータ55bによる一方側第2出側ライナ52bの第2部材52bbの移動量を制御して一方側第2出側ライナ52bの厚さを調整、他方側第2入側アクチュエータ56aによる他方側第2入側ライナ53aの第2部材53abの移動量を制御して他方側第2入側ライナ53aの厚さを調整、及び他方側第2出側アクチュエータ56bによる他方側第2出側ライナ53bの第2部材53bbの移動量を制御して他方側第2出側ライナ53bの厚さを調整する第2制御装置57を備えている。
ここで、第2制御装置57による第2のワークロール12のスキュー角θの算出は、第1制御装置47による第1のワークロール11のスキュー角θの算出と基本的には同一であって、第2スラスト力測定装置51によって測定された第2のワークロール12に発生するスラスト力をSP、被圧延材Sと第2のワークロール12との間の摩擦係数をμ、圧延荷重をpとした場合に、次の(2)式によって算出される。
SP=μpsin(θ)・・・(2)
そして、第2制御装置57は、(2)式から算出されたスキュー角θがゼロとなるように、一方側第2入側ライナ52aの厚さ、一方側第2出側ライナ52bの厚さ、他方側第2入側ライナ53aの厚さ及び他方側第2出側ライナ53bの厚さを調整する。
これについて具体的に述べると、図6に示すように、例えば、第2のワークロール12のスキュー角がθ(第2のワークロール12における垂線L1が被圧延材Sの中心線CL2に対して時計回りにθずれている)で、一方側第2ワークロールチョック14aの第2のワークロール12の軸方向中心線CL1上の中心Paと他方側第2ワークロールチョック14bの第2のワークロール12の軸方向中心線CL1上の中心Pbとの間隔がLである場合、一方側第2ワークロールチョック14aを前側にL/2・tanθだけ移動し、他方側第2ワークロールチョック14bを後側にL/2・tanθだけ移動すれば、第2のワークロール12の軸方向中心線CL1が反時計回りに移動して軸方向中心線CL1aとなり、第2のワークロール12における垂線L1が被圧延材Sの中心線CL2となってスキュー角θがゼロとなる。
従って、一方側第2入側ライナ52aの厚さが一方側第2出側ライナ52bの厚さに対してL/2・tanθだけ薄くなり、他方側第2入側ライナ53aの厚さが他方側第2出側ライナ53bの厚さに対してL/2・tanθだけ厚くなるように、第2制御装置57は、一方側第2入側アクチュエータ55aによる一方側第2入側ライナ52aの第2部材52abの移動量を制御、一方側第2出側アクチュエータ55bによる一方側第2出側ライナ52bの第2部材52bbの移動量を制御、他方側第2入側アクチュエータ56aによる他方側第2入側ライナ53aの第2部材53abの移動量を制御、及び他方側第2出側アクチュエータ56bによる他方側第2出側ライナ53bの第2部材53bbの移動量を制御する。
これにより、第2のワークロール12のスキュー角θは0.02°以内でゼロに極力近づくことになる。
従って、本実施形態に係る圧延機のスキュー低減装置40によれば、被圧延材Sに対する第1のワークロール11及び第2のワークロール12のスキュー角θを第1のワークロール11及び第2のワークロール12のそれぞれに発生するスラスト力から計算によって算出するようにしてそれらのスキュー角θを制御するようにしているため、第1のワークロール11及び第2のワークロール12のスキュー角θを容易にゼロに近づけることができ、被圧延材Sに対するワークロール(第1及び第2のワークロール11,12)のスキュー角を極力低減することができる。
これにより、第1のワークロール11及び第2のワークロール12のそれぞれに発生するスラスト力が小さくなるため、被圧延材Sの蛇行を防止できるとともに、一方側第1ワークロールチョック13a、他方側第1ワークロールチョック13b、一方側第2ワークロールチョック14a及び他方側第2ワークロールチョック14b内のベアリングの寿命を長くすることができる。
次に、スキュー低減装置40によるスキュー低減方法について説明する。
圧延機1は、被圧延材Sを圧延する時には、図1及び図2に示すように、一方側第2ワークロールチョック14a及び他方側第2ワークロールチョック14bの各々を一方側圧下シリンダ15a及び他方側圧下シリンダ15bで圧下し、第1のワークロール11及び第2のワークロール12の各々に圧下荷重を供給して、第1のワークロール11及び第2のワークロール12間を通りながら図2の進行方向(X方向)に進行する被圧延材Sを圧延する。この被圧延材Sを圧延する際に第1のワークロール11に発生するスラスト力が第1スラスト力測定装置41によって測定されるとともに、被圧延材Sを圧延する際に第2のワークロール12に発生するスラスト力が第2スラスト力測定装置51によって測定される(スラスト力測定工程)。
次に、第1ライナ厚調整装置44がスラスト力測定工程によって測定された第1のワークロール11に発生するスラスト力に基づいて、被圧延材Sに対する第1のワークロール11のスキュー角θを算出し、算出されたスキュー角θが0.02°以下、より好ましくは0.01°以下となるように、一方側第1入側ライナ42aの厚さ、一方側第1出側ライナ42bの厚さ、他方側第1入側ライナ43aの厚さ、及び他方側第1出側ライナ43bの厚さを調整する(第1ライナ厚調整工程)。
この第1ライナ厚調整工程においては、具体的には、第1制御装置47が、第1スラスト力測定装置41によって測定された第1のワークロール11に発生するスラスト力SPに基づいて、被圧延材Sに対する第1のワークロール11のスキュー角θを算出し、算出されたスキュー角θがゼロとなるように、一方側第1入側アクチュエータ45aによる一方側第1入側ライナ42aの第2部材42abの移動量を制御して一方側第1入側ライナ42aの厚さを調整、一方側第1出側アクチュエータ45bによる一方側第1出側ライナ42bの第2部材42bbの移動量を制御して一方側第1出側ライナ42bの厚さを調整、他方側第1入側アクチュエータ46aによる他方側第1入側ライナ43aの第2部材43abの移動量を制御して他方側第1入側ライナ43aの厚さを調整、及び他方側第1出側アクチュエータ46bによる他方側第1出側ライナ43bの第2部材43bbの移動量を制御して他方側第1出側ライナ43bの厚さを調整する。
ここで、第1制御装置47による被圧延材Sに対する第1のワークロール11のスキュー角θの算出は、被圧延材Sの圧下状態(図1及び図2参照)で行い、一方側第1入側ライナ42aの厚さ、一方側第1出側ライナ42bの厚さ、他方側第1入側ライナ43aの厚さ、及び他方側第1出側ライナ43bの厚さの調整は、第1のワークロール11及び第2のワークロール12の開放状態(図3参照)で行うことが好ましい。第1のワークロール11及び第2のワークロール12が開放状態に移行するときには、一方側圧下シリンダ15aのシリンダロッド15aa及び他方側圧下シリンダ15bのシリンダロッド15baが下降するので、シリンダロッド15aa及びシリンダロッド15baの下降信号を第1制御装置47に送出し、第1制御装置47は、これら下降信号をトリガーとして、一方側第1入側ライナ42aの厚さ、一方側第1出側ライナ42bの厚さ、他方側第1入側ライナ43aの厚さ、及び他方側第1出側ライナ43bの厚さの調整を行うとよい。
なお、第1制御装置47による一方側第1入側ライナ42aの厚さ、一方側第1出側ライナ42bの厚さ、他方側第1入側ライナ43aの厚さ、及び他方側第1出側ライナ43bの厚さの具体的な調整の仕方は、前述の仕方に従う。
この第1ライナ厚調整工程により、第1のワークロール11のスキュー角θは0.02°以内でゼロに極力近づくことになる。
また、第2ライナ厚調整装置54がスラスト力測定工程によって測定された第2のワークロール12に発生するスラスト力に基づいて、被圧延材Sに対する第2のワークロール12のスキュー角θを算出し、算出されたスキュー角θがゼロとなるように、一方側第2入側ライナ52aの厚さ、一方側第2出側ライナ52bの厚さ、他方側第2入側ライナ53aの厚さ、及び他方側第2出側ライナ53bの厚さを調整する(第2ライナ厚調整工程)。
この第2ライナ厚調整工程においては、具体的には、第2制御装置57が、第2スラスト力測定装置51によって測定された第2のワークロール12に発生するスラスト力に基づいて、被圧延材Sに対する第2のワークロール12のスキュー角θを算出し、算出されたスキュー角θが0.02°以下、より好ましくは0.01°以下となるように、一方側第2入側アクチュエータ55aによる一方側第2入側ライナ52aの第2部材52abの移動量を制御して一方側第2入側ライナ52aの厚さを調整、一方側第2出側アクチュエータ55bによる一方側第2出側ライナ52bの第2部材52bbの移動量を制御して一方側第2出側ライナ52bの厚さを調整、他方側第2入側アクチュエータ56aによる他方側第2入側ライナ53aの第2部材53abの移動量を制御して他方側第2入側ライナ53aの厚さを調整、及び他方側第2出側アクチュエータ56bによる他方側第2出側ライナ53bの第2部材53bbの移動量を制御して他方側第2出側ライナ53bの厚さを調整する。
ここで、第2制御装置57による被圧延材Sに対する第2のワークロール12のスキュー角θの算出は、被圧延材Sの圧下状態(図1及び図2参照)で行い、一方側第2入側ライナ52aの厚さ、一方側第2出側ライナ52bの厚さ、他方側第2入側ライナ53aの厚さ、及び他方側第2出側ライナ53bの厚さの調整は、第1のワークロール11及び第2のワークロール12の開放状態(図3参照)で行うこが好ましい。第1のワークロール11及び第2のワークロール12が開放状態に移行するときには、一方側圧下シリンダ15aのシリンダロッド15aa及び他方側圧下シリンダ15bのシリンダロッド15baが下降するので、シリンダロッド15aa及びシリンダロッド15baの下降信号を第2制御装置57に送出し、第2制御装置57は、これら下降信号をトリガーとして、一方側第2入側ライナ52aの厚さ、一方側第2出側ライナ52bの厚さ、他方側第2入側ライナ53aの厚さ、及び他方側第2出側ライナ53bの厚さの調整を行うとよい。
なお、第2制御装置57による一方側第2入側ライナ52aの厚さ、一方側第2出側ライナ52bの厚さ、他方側第2入側ライナ53aの厚さ、及び他方側第2出側ライナ53bの厚さの具体的な調整の仕方は、前述の仕方に従う。
この第2ライナ厚調整工程により、第2のワークロール12のスキュー角θは0.02°以内でゼロに極力近づくことになる。
従って、本実施形態に係るスキュー低減方法によれば、被圧延材Sに対する第1のワークロール11及び第2のワークロール12のスキュー角θを第1のワークロール11及び第2のワークロール12のそれぞれに発生するスラスト力から計算によって算出するようにしてそれらのスキュー角θを制御するようにしているため、第1のワークロール11及び第2のワークロール12のスキュー角θを容易にゼロに近づけることができ、被圧延材Sに対するワークロール(第1及び第2のワークロール11,12)のスキュー角を極力低減することができる。
これにより、第1のワークロール11及び第2のワークロール12のそれぞれに発生するスラスト力が小さくなるため、被圧延材Sの蛇行を防止できるとともに、一方側第1ワークロールチョック13a、他方側第1ワークロールチョック13b、一方側第2ワークロールチョック14a及び他方側第2ワークロールチョック14b内のベアリングの寿命を長くすることができる。
以上、本発明の実施形態について説明してきたが、本発明はこれに限定されずに種々の変更、改良を行うことができる。
例えば、スラスト力測定装置は、被圧延材Sを圧延する際に第1のワークロール11及び第2のワークロール12のうち少なくとも一方に発生するスラスト力を測定するものであればよく、第1スラスト力測定装置41及び第2スラスト力測定装置51の双方を設ける場合のみならず、いずれか一方のみを設ける場合であってもよい。
第1スラスト力測定装置41のみを設けた場合、第1ライナ厚調整装置44が、第1スラスト力測定装置41によって測定された第1のワークロール11に発生するスラスト力に基づいて、被圧延材Sに対する第1のワークロール11のスキュー角を算出し、算出されたスキュー角がゼロとなるように、一方側第1入側ライナ42aの厚さ、一方側第1出側ライナ42bの厚さ、他方側第1入側ライナ43aの厚さ及び他方側第1出側ライナ43bの厚さを調整し、第2ライナ厚調整装置54は、一方側第2入側ライナ52aの厚さ、一方側第2出側ライナ52bの厚さ、他方側第2入側ライナ53aの厚さ及び他方側第2出側ライナ53bの厚さを調整しない。
一方、第2スラスト力測定装置51のみを設けた場合、第2ライナ厚調整装置54が、第2スラスト力測定装置51によって測定された第2のワークロール12に発生するスラスト力に基づいて、被圧延材Sに対する第2のワークロール11のスキュー角を算出し、算出されたスキュー角がゼロとなるように、一方側第2入側ライナ52aの厚さ、一方側第2出側ライナ52bの厚さ、他方側第2入側ライナ53aの厚さ及び他方側第2出側ライナ53bの厚さを調整し、第1ライナ厚調整装置44は、一方側第1入側ライナ42aの厚さ、一方側第1出側ライナ42bの厚さ、他方側第1入側ライナ43aの厚さ及び他方側第1出側ライナ43bの厚さを調整しない。
また、一方側第1入側ライナ42aは、一方側第1ワークロールチョック13aの入側において上方部と下方部の2つの位置に2つ設けられ、一方側第1出側ライナ42bは、一方側第1ワークロールチョック13aの出側において上方部と下方部の2つの位置に2つ設けられ、他方側第1入側ライナ43aは、他方側第1ワークロールチョック13bの入側において上方部と下方部の2つの位置に2つ設けられ、他方側第1出側ライナ43bは、他方側第1ワークロールチョック13bの出側において上方部と下方部の2つの位置に2つ設けられているが、一方側第1入側ライナ42a、一方側第1出側ライナ42b、他方側第1入側ライナ43a、及び他方側第1出側ライナ43bのそれぞれの数は、2つに限らず、1つであっても、3つ以上であってもよい。
また、一方側第2入側ライナ52aは、一方側第2ワークロールチョック14aの入側において上方部と下方部の2つの位置に2つ設けられ、一方側第2出側ライナ52bは、一方側第2ワークロールチョック14aの出側において上方部と下方部の2つの位置に2つ設けられ、他方側第2入側ライナ53aは、他方側第2ワークロールチョック14bの入側において上方部と下方部の2つの位置に2つ設けられ、他方側第2出側ライナ53bは、他方側第2ワークロールチョック14bの出側において上方部と下方部の2つの位置に2つ設けられているが、一方側第2入側ライナ52a、一方側第2出側ライナ52b、他方側第2入側ライナ53a、及び他方側第2出側ライナ53bのそれぞれの数は、2つに限らず、1つであっても、3つ以上であってもよい。
また、圧延機1は、2段式圧延機を例に説明しているが、本発明のスキュー低減装置は、第1のワークロール11及び第2のワークロール12に加えて、第1のワークロール11を支持するバックアップロールと、第2のワークロール12を支持するバックアップロールとを加えた4段式圧延機に適用されてもよい。
1…圧延機、10…ハウジング、10a…天板部、10b…底板部、10c…前柱部、10d…後柱部、10e…上側壁板部、10f…下側壁板部、10A…一方側ハウジング部、10B…他方側ハウジング部、11…第1のワークロール、12…第2のワークロール、13a…一方側第1ワークロールチョック(ワークロールチョック)、13b…他方側第1ワークロールチョック(ワークロールチョック)、14a…一方側第2ワークロールチョック(ワークロールチョック)、14b…他方側第2ワークロールチョック(ワークロールチョック)、15a…一方側圧下シリンダ、15aa…シリンダロッド、15ab…シリンダチューブ、15b…他方側圧下シリンダ、15ba…シリンダロッド、15bb…シリンダチューブ、16a…一方側プレッシャーブロック、16b…他方側プレッシャーブロック、17a,17b…ワークロールバランサ、21…第1レール、22…第2レール、23a,23b…車輪、24a,24b…車輪、25a,25b…車輪取付部材、31…第1ワークロールシフトシリンダ31、31a…シリンダロッド、31b…シリンダチューブ、32…第2ワークロールシフトシリンダ、32a…シリンダロッド、32b…シリンダチューブ、40…スキュー低減装置、41…第1スラスト力測定装置(スラスト力測定装置)、42a…一方側第1入側ライナ(ライナ)、42aa…第1部材、42ab…第2部材、42b…一方側第1出側ライナ(ライナ)、42ba…第1部材、42bb…第2部材、43a…他方側第1入側ライナ(ライナ)、43aa…第1部材、43ab…第2部材、43b…他方側第1出側ライナ(ライナ)、43ba…第1部材、43bb…第2部材、44…第1ライナ厚調整装置(ライナ厚調整装置)、45a…一方側第1入側アクチュエータ、45b…一方側第1出側アクチュエータ、46a…他方側第1入側アクチュエータ、46b…他方側第1出側アクチュエータ、47…第1制御装置、51…第2スラスト力測定装置(スラスト力測定装置)、52a…一方側第2入側ライナ(ライナ)、52aa…第1部材、52ab…第2部材、52b…一方側第2出側ライナ(ライナ)、52ba…第1部材、52bb…第2部材、53a…他方側第2入側ライナ(ライナ)、53aa…第1部材、53ab…第2部材、53b…他方側第2出側ライナ(ライナ)、53ba…第1部材、53bb…第2部材、54…第2ライナ厚調整装置(ライナ厚調整装置)、55a…一方側第2入側アクチュエータ、55b…一方側第2出側アクチュエータ、56a…他方側第2入側アクチュエータ、56b…他方側第2出側アクチュエータ、57…第2制御装置、61…コロ軸受、62…玉軸受、63a,63b…凹部、64…位置決め部材、64a,64b…キーパープレート、71…スラストベアリング、71a,71b…軌道輪、71c…転動体、72…ロードセル、73…ロードセル押付け部材、74…ボルト、75…カバー体、S…被圧延材、G…ロールギャップ

Claims (7)

  1. ハウジングと、該ハウジング内において被圧延材の厚さ方向に互いに対向して配置され、各々の軸方向に逆向きに相対移動することによって各々の間のロールギャップが変化するイニシャルロールカーブで形成された第1のワークロール及び第2のワークロールとを備えた圧延機におけるスキュー低減装置であって、
    前記被圧延材を圧延する際に前記第1のワークロール及び前記第2のワークロールのうち少なくとも一方に発生するスラスト力を測定するスラスト力測定装置と、
    該スラスト力測定装置によって測定された前記第1のワークロール及び前記第2のワークロールのうち少なくとも一方の両端を支持するワークロールチョックと前記ハウジングとの間に配置され、厚さが可変とされて前記ワークロールチョックと前記ハウジングとの間の間隔を調整可能なライナと、
    前記スラスト力測定装置によって測定された前記第1のワークロール及び前記第2のワークロールのうち少なくとも一方に発生するスラスト力に基づいて、前記被圧延材に対する前記第1のワークロール及び前記第2のワークロールのうち少なくとも一方のスキュー角を算出し、算出されたスキュー角が0.02°以下となるように、前記ライナの厚さを調整するライナ厚調整装置とを備えていることを特徴とする圧延機におけるスキュー低減装置。
  2. 前記ワークロールチョックは、前記第1のワークロールの一方端を支持する一方側第1ワークロールチョック及び前記第1のワークロールの他方端を支持する他方側第1ワークロールチョックと、前記第2のワークロールの一方端を支持する一方側第2ワークロールチョック及び前記第2のワークロールの他方端を支持する他方側第2ワークロールチョックとを備え、
    前記ハウジングは、前記一方側第1ワークロールチョック及び前記一方側第2ワークロールチョックの周囲を囲む一方側ハウジング部及び前記他方側第1ワークロールチョック及び前記他方側第2ワークロールチョックの周囲を囲む他方側ハウジング部を有し、
    前記スラスト力測定装置は、前記被圧延材を圧延する際に前記第1のワークロールに発生するスラスト力を測定する第1スラスト力測定装置及び前記被圧延材を圧延する際に前記第2のワークロールに発生するスラスト力を測定する第2スラスト力測定装置を備え、
    前記ライナは、
    前記一方側ハウジング部と前記一方側第1ワークロールチョックとの間に配置され、厚さが可変とされて前記前記一方側ハウジング部と前記一方側第1ワークロールチョックとの間の間隔を調整可能な一方側第1ライナ及び前記一方側ハウジング部と前記一方側第1ワークロールチョックの出側面との間に配置され、厚さが可変とされて前記一方側ハウジング部と前記一方側第1ワークロールチョックの出側面との間の間隔を調整可能な一方側第1出側ライナと、前記他方側ハウジング部と前記他方側第1ワークロールチョックの入側面との間に配置され、厚さが可変とされて前記前記他方側ハウジング部と前記他方側第1ワークロールチョックの入側面との間の間隔を調整可能な他方側第1入側ライナ及び前記他方側ハウジング部と前記他方側第1ワークロールチョックの出側面との間に配置され、厚さが可変とされて前記他方側ハウジング部と前記他方側第1ワークロールチョックの出側面との間の間隔を調整可能な他方側第1出側ライナと、
    前記一方側ハウジング部と前記一方側第2ワークロールチョックの入側面との間に配置され、厚さが可変とされて前記前記一方側ハウジング部と前記一方側第2ワークロールチョックの入側面との間の間隔を調整可能な一方側第2入側ライナ及び前記一方側ハウジング部と前記一方側第2ワークロールチョックの出側面との間に配置され、厚さが可変とされて前記前記一方側ハウジング部と前記一方側第2ワークロールチョックの出側面との間の間隔を調整可能な一方側第2出側ライナと、前記他方側ハウジング部と前記他方側第2ワークロールチョックの入側面との間に配置され、厚さが可変とされて前記他方側ハウジング部と前記他方側第2ワークロールチョックの入側面との間の間隔を調整可能な他方側第2入側ライナ及び前記他方側ハウジング部と前記他方側第2ワークロールチョックの出側面との間に配置され、厚さが可変とされて前記他方側ハウジング部と前記他方側第2ワークロールチョックの出側面との間の間隔を調整可能な他方側第2出側ライナとを備え、
    前記ライナ厚調整装置は、
    前記第1スラスト力測定装置によって測定された前記第1のワークロールに発生するスラスト力に基づいて、前記被圧延材に対する前記第1のワークロールのスキュー角を算出し、算出されたスキュー角が0.02°以下となるように、前記一方側第1入側ライナの厚さ、前記一方側第1出側ライナの厚さ、前記他方側第1入側ライナの厚さ及び前記他方側第1出側ライナの厚さを調整する第1ライナ厚調整装置と、
    前記第2スラスト力測定装置によって測定された前記第2のワークロールに発生するスラスト力に基づいて、前記被圧延材に対する前記第2のワークロールのスキュー角を算出し、算出されたスキュー角が0.02°以下となるように、前記一方側第2入側ライナの厚さ、前記一方側第2出側ライナの厚さ、前記他方側第2入側ライナの厚さ及び前記他方側第2出側ライナの厚さを調整する第2ライナ厚調整装置とを備えていることを特徴とする圧延機におけるスキュー低減装置。
  3. 前記一方側第1入側ライナ、前記一方側第1出側ライナ、前記他方側第1入側ライナ、前記他方側第1出側ライナ、前記一方側第2入側ライナ、前記一方側第2出側ライナ、前記他方側第2入側ライナ、及び前記他方側第2出側ライナのそれぞれは、互いに傾斜面が摺接するように配置された楔形の一対の第1部材及び第2部材で構成され、前記第1部材がハウジング側に固定され、前記第2部材がワークロールチョック側に配置されて、前記第1部材と前記第2部材との合計板厚である各ライナの板厚を変える方向に移動可能となっていることを特徴とする請求項2に記載の圧延機におけるスキュー低減装置。
  4. 前記第1ライナ厚調整装置は、
    前記一方側第1入側ライナの前記第2部材を移動させる一方側第1入側アクチュエータ、前記一方側第1出側ライナの前記第2部材を移動させる一方側第1出側アクチュエータ、前記他方側第1入側ライナの前記第2部材を移動させる他方側第1入側アクチュエータ、及び前記他方側第1出側ライナの前記第2部材を移動させる他方側第1出側アクチュエータと、
    前記第1スラスト力測定装置によって測定された前記第1のワークロールに発生するスラスト力に基づいて、前記被圧延材に対する前記第1のワークロールのスキュー角を算出し、算出されたスキュー角が0.02°以下となるように、前記一方側第1入側アクチュエータによる前記一方側第1入側ライナの前記第2部材の移動量を制御して前記一方側第1入側ライナの厚さを調整、前記一方側第1出側アクチュエータによる前記一方側第1出側ライナの前記第2部材の移動量を制御して前記一方側第1出側ライナの厚さを調整、前記他方側第1入側アクチュエータによる前記他方側第1入側ライナの前記第2部材の移動量を制御して前記他方側第1入側ライナの厚さを調整、及び前記他方側第1出側アクチュエータによる前記他方側第1出側ライナの前記第2部材の移動量を制御して前記他方側第1出側ライナの厚さを調整する第1制御装置とを備えていることを特徴とする請求項3に記載の圧延機におけるスキュー低減装置。
  5. 前記第2ライナ厚調整装置は、
    前記一方側第2入側ライナの前記第2部材を移動させる一方側第2入側アクチュエータ、前記一方側第2出側ライナの前記第2部材を移動させる一方側第2出側アクチュエータ、前記他方側第2入側ライナの前記第2部材を移動させる他方側第2入側アクチュエータ、及び前記他方側第2出側ライナの前記第2部材を移動させる他方側第2出側アクチュエータと、
    前記第2スラスト力測定装置によって測定された前記第2のワークロールに発生するスラスト力に基づいて、前記被圧延材に対する前記第2のワークロールのスキュー角を算出し、算出されたスキュー角が0.02°以下となるように、前記一方側第2入側アクチュエータによる前記一方側第2入側ライナの前記第2部材の移動量を制御して前記一方側第2入側ライナの厚さを調整、前記一方側第2出側アクチュエータによる前記一方側第2出側ライナの前記第2部材の移動量を制御して前記一方側第2出側ライナの厚さを調整、前記他方側第2入側アクチュエータによる前記他方側第2入側ライナの前記第2部材の移動量を制御して前記他方側第2入側ライナの厚さを調整、及び前記他方側第2出側アクチュエータによる前記他方側第2出側ライナの前記第2部材の移動量を制御して前記他方側第2出側ライナの厚さを調整する第2制御装置とを備えていることを特徴とする請求項3又は4に記載の圧延機におけるスキュー低減装置。
  6. ハウジングと、ハウジング内において被圧延材の厚さ方向に互いに対向して配置され、各々の軸方向に逆向きに相対移動することによって各々の間のロールギャップが変化するイニシャルロールカーブで形成された第1のワークロール及び第2のワークロールとを備えた圧延機におけるスキュー低減方法であって、
    前記被圧延材を圧延する際に前記第1のワークロール及び前記第2のワークロールのうち少なくとも一方に発生するスラスト力を測定するスラスト力測定工程と、
    該スラスト力測定工程によって測定された前記第1のワークロール及び前記第2のワークロールのうち少なくとも一方に発生するスラスト力に基づいて、前記被圧延材に対する前記第1のワークロール及び前記第2のワークロールのうち少なくとも一方のスキュー角を算出し、算出されたスキュー角が0.02°以下となるように、前記スラスト力測定工程によって測定された前記第1のワークロール及び前記第2のワークロールのうち少なくとも一方の両端を支持するワークロールチョックと前記ハウジングとの間に配置され、厚さが可変とされて前記ワークロールチョックと前記ハウジングとの間の間隔を調整可能なライナの厚さを調整するライナ厚調整工程と、
    を含むことを特徴とする圧延機におけるスキュー低減方法。
  7. 前記ワークロールチョックは、前記第1のワークロールの一方端を支持する一方側第1ワークロールチョック及び前記第1のワークロールの他方端を支持する他方側第1ワークロールチョックと、前記第2のワークロールの一方端を支持する一方側第2ワークロールチョック及び前記第2のワークロールの他方端を支持する他方側第2ワークロールチョックとを備え、
    前記ハウジングは、前記一方側第1ワークロールチョック及び前記一方側第2ワークロールチョックの周囲を囲む一方側ハウジング部及び前記他方側第1ワークロールチョック及び前記他方側第2ワークロールチョックの周囲を囲む他方側ハウジング部を有し、
    前記ライナは、
    前記一方側ハウジング部と前記一方側第1ワークロールチョックとの間に配置され、厚さが可変とされて前記前記一方側ハウジング部と前記一方側第1ワークロールチョックとの間の間隔を調整可能な一方側第1ライナ及び前記一方側ハウジング部と前記一方側第1ワークロールチョックの出側面との間に配置され、厚さが可変とされて前記一方側ハウジング部と前記一方側第1ワークロールチョックの出側面との間の間隔を調整可能な一方側第1出側ライナと、前記他方側ハウジング部と前記他方側第1ワークロールチョックの入側面との間に配置され、厚さが可変とされて前記前記他方側ハウジング部と前記他方側第1ワークロールチョックの入側面との間の間隔を調整可能な他方側第1入側ライナ及び前記他方側ハウジング部と前記他方側第1ワークロールチョックの出側面との間に配置され、厚さが可変とされて前記他方側ハウジング部と前記他方側第1ワークロールチョックの出側面との間の間隔を調整可能な他方側第1出側ライナと、
    前記一方側ハウジング部と前記一方側第2ワークロールチョックの入側面との間に配置され、厚さが可変とされて前記前記一方側ハウジング部と前記一方側第2ワークロールチョックの入側面との間の間隔を調整可能な一方側第2入側ライナ及び前記一方側ハウジング部と前記一方側第2ワークロールチョックの出側面との間に配置され、厚さが可変とされて前記前記一方側ハウジング部と前記一方側第2ワークロールチョックの出側面との間の間隔を調整可能な一方側第2出側ライナと、前記他方側ハウジング部と前記他方側第2ワークロールチョックの入側面との間に配置され、厚さが可変とされて前記他方側ハウジング部と前記他方側第2ワークロールチョックの入側面との間の間隔を調整可能な他方側第2入側ライナ及び前記他方側ハウジング部と前記他方側第2ワークロールチョックの出側面との間に配置され、厚さが可変とされて前記他方側ハウジング部と前記他方側第2ワークロールチョックの出側面との間の間隔を調整可能な他方側第2出側ライナとを備え、
    前記スラスト力測定工程では、前記被圧延材を圧延する際に前記第1のワークロールに発生するスラスト力及び前記被圧延材を圧延する際に前記第2のワークロールに発生するスラスト力の双方を測定し、
    前記ライナ厚調整工程は、該スラスト力測定工程によって測定された前記第1のワークロールに発生するスラスト力に基づいて、前記被圧延材に対する前記第1のワークロールのスキュー角を算出し、算出されたスキュー角が0.02°以下となるように、前記一方側ハウジング部と前記一方側第1ワークロールチョックの入側面との間に配置され、厚さが可変とされて前記前記一方側ハウジング部と前記一方側第1ワークロールチョックの入側面との間の間隔を調整可能な一方側第1入側ライナの厚さ及び前記一方側ハウジング部と前記一方側第1ワークロールチョックの出側面との間に配置され、厚さが可変とされて前記一方側ハウジング部と前記一方側第1ワークロールチョックの出側面との間の間隔を調整可能な一方側第1出側ライナの厚さ、前記他方側ハウジング部と前記他方側第1ワークロールチョックの入側面との間に配置され、厚さが可変とされて前記前記他方側ハウジング部と前記他方側第1ワークロールチョックの入側面との間の間隔を調整可能な他方側第1入側ライナの厚さ、及び前記他方側ハウジング部と前記他方側第1ワークロールチョックの出側面との間に配置され、厚さが可変とされて前記他方側ハウジング部と前記他方側第1ワークロールチョックの出側面との間の間隔を調整可能な他方側第1出側ライナの厚さを調整する第1ライナ厚調整工程と、
    前記スラスト力測定工程によって測定された前記第2のワークロールに発生するスラスト力に基づいて、前記被圧延材に対する前記第2のワークロールのスキュー角を算出し、算出されたスキュー角が0.02°以下となるように、前記一方側ハウジング部と前記一方側第2ワークロールチョックの入側面との間に配置され、厚さが可変とされて前記前記一方側ハウジング部と前記一方側第2ワークロールチョックの入側面との間の間隔を調整可能な一方側第2入側ライナの厚さ、前記一方側ハウジング部と前記一方側第2ワークロールチョックの出側面との間に配置され、厚さが可変とされて前記前記一方側ハウジング部と前記一方側第2ワークロールチョックの出側面との間の間隔を調整可能な一方側第2出側ライナの厚さ、前記他方側ハウジング部と前記他方側第2ワークロールチョックの入側面との間に配置され、厚さが可変とされて前記他方側ハウジング部と前記他方側第2ワークロールチョックの入側面との間の間隔を調整可能な他方側第2入側ライナの厚さ、及び前記他方側ハウジング部と前記他方側第2ワークロールチョックの出側面との間に配置され、厚さが可変とされて前記他方側ハウジング部と前記他方側第2ワークロールチョックの出側面との間の間隔を調整可能な他方側第2出側ライナの厚さを調整する第2ライナ厚調整工程と、
    を含むことを特徴とする請求項6に圧延機におけるスキュー低減方法。
JP2016017302A 2016-02-01 2016-02-01 圧延機におけるスキュー低減装置及び低減方法 Active JP6376148B2 (ja)

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