JP2017134909A - 二次電池の製造方法 - Google Patents

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Hiroya Umeyama
浩哉 梅山
幸男 播磨
Yukio Harima
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Abstract

【課題】レーザ光を上方から照射し突合せ溶接して電池ケースに電池蓋を固定する際に、溶融部における溶接雰囲気を良好な状態に保つことにより、溶接不良の発生を少なくすることを可能とする、二次電池の製造方法を提供する。【解決手段】開口が設けられた電池ケース2に、開口の形状に沿った形状の電池蓋1を挿入し、電池ケース2と電池蓋1との突合せ部にレーザ光を照射して溶接を行なう工程を備える、二次電池の製造方法であって、溶接を行なう工程は、電池ケース2の上端の側部に、給気ノズル51を配置し、給気ノズル51の上方に排気ノズル53を配置し、上方から電池ケース2と電池蓋1との突合せ部にレーザ光を照射する際には、電池蓋1の上面には、全周にわたって上方に向う斜面1tを含む凸部領域1aが設けられた状態でレーザ光が照射され、斜面1tの傾斜角度は、90°以上120°未満である。【選択図】図6

Description

本発明は、二次電池の製造方法に関する。
たとえば、リチウムイオン二次電池、ナトリウム電池、電気二重層キャパシタ、およびリチウムイオンキャパシタ等の蓄電素子は、発電を行なう発電要素を有底の電池筐体に収容される。電池筐体は、電池ケースとこの電池ケースの開口に挿入される電池蓋とを有し、電池ケースと電池蓋との突合せ部に、レーザ光を上方から照射し突合せ溶接して電池ケースに電池蓋が固定される。
特開2015−107515号公報(特許文献1)には、溶接時に用いられる、給気吸気ノズル、排気ノズル、および、吸い込みノズルが開示され、溶接時における溶接箇所の雰囲気の適切化が図られている。
特開2015−107515号公報
電池ケースと電池蓋との突合せ部に、レーザ光を上方から照射し突合せ溶接する際には、溶融部の上方外周に配置した排気ノズルから排気を行ない、この排気ノズルの下方に配置した給気ノズルからアシストガスを給気する。
しかし、アシストガスは、溶接箇所の両側から給気されることから、両側から給気されるアシストガスが電池蓋の上で衝突し乱流を発生させることが考えられる。乱流が発生すると、アシストガスが電池蓋の上で滞留し、吸い込みノズルに吸引される気流と滞留したアシストガスとが干渉し、吸い込みノズルによる吸引の効果が得られなくなるおそれがある。
一方、アシストガスの電池蓋の上での衝突を回避するために、アシストガスの給気風量を少なくすることも考えられる。しかし、この場合には、吸い込みノズルによる吸引によりアシストガスが吸い込まれ、溶接箇所へのアシストガスの供給が低下し、溶接箇所での窒素不足に起因する酸化防止効果が得られないことが考えられる。
溶接時に参加防止効果が得られない場合には、溶融部の表面が乱れ、スパッタが発生しやすくなる。スパッタが多く発生すると、溶接時に用いる電池位置決め治具と電池ケースとの間にスパッタが入り込み、レーザ光に対する電池ケースの位置決めを正確に行なうことができない課題が発生することが考えられる。
この発明は、上記課題に鑑みてなされたもので、レーザ光を上方から照射し突合せ溶接して電池ケースに電池蓋を固定する際に、溶融部における溶接雰囲気を良好な状態に保つことにより、溶接不良の発生を少なくすることを可能とする、二次電池の製造方法を提供することにある。
この二次電池においては、開口が設けられた電池ケースに、上記開口の形状に沿った形状の電池蓋を挿入し、上記電池ケースと上記電池蓋との突合せ部にレーザ光を照射して溶接を行なう工程を備える、二次電池の製造方法であって、上記溶接を行なう工程は、上記電池ケースの上端の側部に、アシストガス給気ノズルを配置し、上記アシストガス給気ノズルの上方に吸引ノズルを配置し、上方から上記電池ケースと上記電池蓋との突合せ部にレーザ光を照射する際には、上記電池蓋の上面には、上方に向う斜面を含む凸部領域が設けられた状態でレーザ光が照射され、上記斜面の傾斜角度は、90°以上120°未満であり、上記凸部領域の上記電池蓋の上面からの高さは、3mm以上である。
上記二次電池の製造方法においては、アシストガス給気ノズルから供給されるアシストガスは、電池ケースと電池蓋との突合せ部を通過した後は、凸部領域の傾斜角度が90°以上120°未満の斜面に沿って斜め方向に上昇する。その結果、アシストガスの風量を低下させなくても、両側から給気されるアシストガスが整流のまま流、電池蓋の上で衝突することが回避され、電池蓋の上でアシストガスの衝突による乱流の発生が抑えられる。
また、アシストガスが電池蓋の上で滞留することが回避される。その結果、吸い込みノズルに吸引される気流と滞留したアシストガスとが干渉することがなく、吸い込みノズルによる吸引の効果を発揮させることができる。
以上により、電池ケースと電池蓋との突合せ部の溶接に必要なアシストガスを十分に供給することを可能にするとともに、溶接時に発生するガスを効率よく吸い込みノズルに吸引させることが可能となる。さらに、溶接時にアシストガスの不足が発生しないことから、溶接時にスパッタが発生することも抑えられ、溶接時に用いる電池位置決め治具と電池ケースとの間にスパッタが入り込むことがなく、レーザ光に対する電池ケースの位置決めを正確に行なうことが可能となる。
この二次電池の製造方法によれば、レーザ光を上方から照射し突合せ溶接して電池ケースに電池蓋を固定する際に、溶融部における溶接雰囲気を良好な状態に保つことにより、溶接不良の発生を少なくすることを可能とする。
実施の形態における二次電池の全体構成を示す斜視図である。 実施の形態における二次電池の側面を示す図である。 図2中のIII線矢視断面図である。 電池ケースと電池蓋との突合せ部の拡大断面図である。 電池ケースと電池蓋との突合せ部の溶接時における、給気ノズル、排気ノズル、および、レーザ光の配置位置を示す模式断面図である。 実施の形態における、電池ケースと電池蓋との突合せ部の溶接時における、アシストガス流れ、吸引気流、および、溶接時発生ガス流れを示す、模式断面図である。 課題1として、電池ケースと電池蓋との突合せ部の溶接時における、アシストガス流れ、吸引気流、および、溶接時発生ガス流れを示す、模式断面図である。 課題2として、電池ケースと電池蓋との突合せ部の溶接時における、アシストガス流れ、吸引気流、および、溶接時発生ガス流れを示す、模式断面図である。 溶接時にスパッタが発生する状態を示す、模式断面図である。 発生したスパッタによる課題を示す、模式断面図である。 溶接不良の一例を示す、模式断面図である。 実施例1から実施例5、および、比較例1から比較例5の評価結果を示す図である。 溶接不足長さ測定の要領を示す図である。 スパッタ発生カウントの要領を示す図である。 電池蓋に設けられる凸部領域の高さ低い場合の課題を説明する、模式断面図である。 電池蓋に設けられる凸部領域の斜面の傾斜角度が大きい場合の課題を説明する、模式断面図である。 他の実施の形態における電池蓋に設けられる凸部領域の構造を示す断面図である。
本発明に基づいた一例における実施の形態について、以下、図面を参照しながら説明する。以下に説明する実施の形態において、個数、量などに言及する場合、特に記載がある場合を除き、本発明の範囲は必ずしもその個数、量などに限定されない。同一の部品、相当部品に対しては、同一の参照番号を付し、重複する説明は繰り返さない場合がある。実施の形態における構成を適宜組み合わせて用いることは当初から予定されていることである。また、図においては、実際の寸法比率では記載しておらず、構造の理解を容易にするために、一部比率を異ならせて記載している。
[二次電池10の全体構成]
図1から図3を参照して、本実施の形態における二次電池10の全体構成について説明する。図1は、本実施の形態における二次電池10の全体構成を示す斜視図、図2は、本実施の形態における二次電池10の側面を示す図、図3は、図2中のIII線矢視断面図である。
この二次電池10は、非水電解二次電池であり、複数個が直列に組み合わされて組電池とされ、ハイブリッド自動車等に好適に搭載されている。その組電池は、ガソリンエンジンやディーゼルエンジン等の内燃機関とともにハイブリッド自動車の動力源とされている。ただし、以下に示す二次電池10の構造は、非水電解二次電池に限定されものではない。
二次電池10は、電池要素(不図示)、電池要素を収容する電池ケース2、電池蓋1、正極端子3P、および、負極端子3Nを有する。電池ケース2は、有底の一方向に開口2Aを有する略直方体のケース形状を有し、その内部には、電池要素が収容されている。電池蓋1は、矩形の平面視を有する平板形状を有し、電池ケース2に設けられた開口2Aを塞ぐように嵌合されている。電池ケース2および電池蓋1は、アルミニウム等の金属材料が用いられている。
本実施の形態における電池蓋1の上面には、上方に向う斜面1tを含む凸部領域1aが設けられている。本実施の形態では、凸部領域1aの上面に、正極端子3P、および、負極端子3Nが設けられている。
図3に示すように、電池ケース2と電池蓋1との突合せ部の溶接終了後には、全周にわたって溶融部Wが形成されることとなる。
[電池蓋1の具体的な構造]
図4を参照して、電池蓋1の具体的な構造について説明する。図4は、電池ケース2と電池蓋1との突合せ部の拡大断面図である。
この電池蓋1の上面には、上方に向う斜面1t含む凸部領域1aが、一体に設けられている。斜面1tは、凸部領域1aの全周を取り囲むように形成されている。電池蓋1の平坦部1bと電池ケース2の上端部2bとは、同一高さとなるように設けられており、電池蓋1の平坦部1bと電池ケース2の上端部2bとの突き合わせ部がレーザ光により溶接させる箇所となる。
電池蓋1の平坦部1bと斜面1tとの交差する角度を傾斜角度(θ)とした場合には、この傾斜角度(θ)は、後述する実施例の評価結果から、90°以上が好ましく、より好ましくは、90°以上120°以下であるとよい。また、凸部領域1aの平坦部1bからの高さ(h)も、後述する実施例の評価結果から、3mm以上が好ましく、より好ましくは、3mm以上6mm以下であるとよい。なお、二次電池10の総高さ(H)は、凸部領域1aが設けられていない二次電池10の総高さ(電池蓋1の上面までの高さ)と同じ高さに設けられる。
本実施の形態における電池蓋1は、凸部領域1aの下方には空間1cが設けられている。その結果、電池ケース2の高さは従来よりも低くなるが、この空間1cにおいて、電池ケース2の内部に収容される電池要素(不図示)の上部が位置することが可能であることから、電池要素の体格を小さくする必要はない。つまり、本実施の形態の電池蓋1の構成を採用することによって、電池性能が低下することはない。
[電池ケース2と電池蓋1との突合せ部の溶接工程]
図5および図6を参照して、電池ケース2と電池蓋1との突合せ部の溶接工程について説明する。図5は、電池ケース2と電池蓋1との突合せ部の溶接時における、給気ノズル51、排気ノズル53、および、レーザ光L1の配置位置を示す模式断面図、図6は、電池ケース2と電池蓋1との突合せ部の溶接時における、アシストガス流れ、吸引気流、および、溶接時発生ガス流れを示す、模式断面図である。
図5を参照して、電池ケース2と電池蓋1との突合せ部の溶接時においては、電池ケース2の上端の側部に、アシストガス給気用の給気ノズル51が配置される。給気ノズル51は、電池ケース2の上端の側部の略全周を取り囲む位置に配置される。たとえば、電池ケース2が平面視において長方形の場合には、各辺に沿って給気ノズル51が配置される。
給気ノズル51のノズル孔51nは、電池ケース2の上端部2bを含むように配置されるとよい。また、本実施の形態では、給気ノズル51のベース部51bが、電池ケース2の側部に当接することで、レーザ光L1の照射位置の位置決めを行なっている。なお、別部材を用いて、レーザ光L1の照射位置の位置決めを行なってもよい。
排気ノズル53も給気ノズル51と同様に、給気ノズル51の上方位置において、電池ケース2の略全周を取り囲む位置に配置される。たとえば、電池ケース2が平面視において長方形の場合には、各辺に沿って排気ノズル53が配置される。
給気ノズル51からは、アシストガスとして窒素が溶接領域に供給される。溶接箇所が十分な窒素雰囲気下になることで、溶接箇所の酸化防止効果が得られ、スパッタの発生が抑制される。
排気ノズル53は、吸引されることで、溶接箇所の上方位置が負圧状態になり、電池蓋1の上方に位置するガスが吸引され排出されることとなる。
図6を参照して、本実施の形態における、電池ケース2と電池蓋1との突合せ部の溶接時における、アシストガス流れ、吸引気流、および、溶接時発生ガス流れについて説明する。
この電池ケース2と電池蓋1との突合せ部の溶接時においては、給気ノズル51から供給されるアシストガスF1の一部は、電池ケース2と電池蓋1との突合せ部を通過した後は、凸部領域1aの斜面1tに沿って斜め方向に整流として上昇する。
その結果、アシストガスF1の風量を低下させなくても、両側から給気されるアシストガスF1が電池蓋1の上で衝突することが回避され、電池蓋1の上でアシストガスの衝突による乱流の発生が抑えられる。
また、アシストガスF1が電池蓋1の上で滞留することが回避される。その結果、排気ノズル53に吸引される気流F2と滞留したアシストガスF1とが干渉することがなく、排気ノズル53により、アシストガスF1、吸引される気流F2、および、溶接時に発生するガスF3を、スムーズに排気ノズル53に導き、排気ノズル53による吸引の効果を発揮させることができる。
このように、電池ケース2と電池蓋1との突合せ部の溶接に必要なアシストガスを十分に供給することを可能にするとともに、溶接時に発生するガスを効率よく排気ノズル53に吸引させることが可能となる。さらに、溶接時にアシストガスの不足が発生しないことから、スパッタが発生することも抑えられ、溶接時に用いる電池位置決め治具と電池ケースとの間にスパッタが入り込むことがなく、レーザ光に対する電池ケース2の位置決めを正確に行なうことが可能となる。
ここで、図7から図11を参照して、凸部領域1aを設けない場合の課題について説明する。図7は、課題1として、電池ケース2と電池蓋1との突合せ部の溶接時における、アシストガス流れ、吸引気流、および、溶接時発生ガス流れを示す、模式断面図、図8は、課題2として、電池ケース2と電池蓋1との突合せ部の溶接時における、アシストガス流れ、吸引気流、および、溶接時発生ガス流れを示す、模式断面図、図9は、溶接時にスパッタが発生する状態を示す、模式断面図、図10は、発生したスパッタによる課題を示す、模式断面図、図11は、溶接不良の一例を示す、模式断面図である。
図7を参照して、アシストガスF1は、溶接箇所の両側から給気ノズル51によって給気される。両側から給気されるアシストガスF1が電池蓋1の上で衝突し乱流を発生させることが考えられる。乱流が発生すると、アシストガスF1が電池蓋1の上で滞留し、排気ノズル53に吸引される気流と滞留したアシストガスF1とが干渉し、排気ノズル53による吸引の効果が得られなくなる。また、溶接時に発生するガスF3も滞留することになる。
レーザ光L1は、溶接時に飛散する副産物(金属蒸気等)中を通過する際に副産物に吸収・屈折による散乱が発生する。この現象は、溶接時に発生するガス(けむり)でも生じ、そのガスの濃度が高いとレーザ光L1のエネルギー量が減少する。その結果、溶け込み深さの低下、溶融ビード幅の減少等、溶融不足の要因となる。よって、排気ノズル53による不要なガスの排出は、レーザ光L1による溶接に重要である。
図8を参照して、凸部領域1aを設けない場合において、アシストガスF1の電池蓋1の上での衝突を回避するために、アシストガスF1の給気風量を少なくすることも考えられる。しかし、排気ノズル53による吸引によりアシストガスF1の多くが吸い込まれる結果となり、溶接箇所へのアシストガスの供給が低下し、溶接箇所での窒素不足に起因する酸化防止効果が得られなくなる。
溶接時に参加防止効果が得られない場合には、溶融部の表面が乱れ、スパッタが発生しやすくなる。スパッタが多く発生すると、溶接時に用いる電池位置決め治具と電池ケースとの間にスパッタが入り込み、レーザ光に対する電池ケースの位置決めを正確に行なうことができない新たな課題が発生する。
図9を参照して、溶接時に参加防止効果が得られない結果、溶融部Wの表面が乱れ、スパッタSPが発生した状態を示している。
図10を参照して、溶融部Wから多くのスパッタSPが発生した場合には、スパッタSPが、ベース部51bと電池ケース2との間に入り込むことが考えられる。ここで、ベース部51bは、レーザ光L1に対する電池ケース2の位置決めを行なっている。図9に示すように、レーザ光L1の位置と電池ケース2との距離が予めD1と決められている場合に、図10に示すようにベース部51bと電池ケース2との間にスパッタSPが入り込んだ場合には、レーザ光L1の位置ズレが発生する。
図11を参照して、溶接箇所へのレーザ光L1の位置ズレが発生した場合には、溶融部Wの溶融不足が生じ、一例としては、溶融部Wにボイド(空隙)Bが発生する。その結果、溶接強度不足が生じる。
しかし、本実施の形態の二次電池の製造方法によれば、上述した課題を発生させることなく、レーザ光L1を上方から照射し突合せ溶接して電池ケース2に電池蓋1を固定する際に、溶融部における溶接雰囲気を良好な状態に保つことにより、溶接不良の発生を少なくすることを可能としている。
(実施例)
次に、図12から図14を参照して、電池蓋1の凸部領域1aの平坦部1bからの高さ(h)と斜面1tの傾斜角度(θ)を変化させた場合の評価結果を、比較例とともに説明する。図12は、実施例1から実施例5、および、比較例1から比較例5の評価結果を示す図、図13は、溶接不足長さ測定の要領を示す図、図14は、スパッタ発生カウントの要領を示す図である。
全ての実施例および比較例において、電池ケース2には、アルミニウム(A3003−O)、厚さ0.5mmを用いた。電池蓋1には、アルミニウム(A1050−O)、厚さ1.4mmを用いた。
図12を参照して、電池蓋1の凸部領域1aの形状として、実施例1は、高さ(h)は、3mm、傾斜角度(θ)は、90°、実施例2は、高さ(h)は、3mm、傾斜角度(θ)は、120°、実施例3は、高さ(h)は、4mm、傾斜角度(θ)は、90°、実施例4は、高さ(h)は、4mm、傾斜角度(θ)は、120°、実施例5は、高さ(h)は、5mm、傾斜角度(θ)は、120°、実施例6は、高さ(h)は、6mm、傾斜角度(θ)は、120°である。
実施例1から実施例6において、アシストガス給気条件は、V[m/s]である。ここで、V[m/s]とは、事前に吸引なしの状態で酸化防止効果(以下に説明する50μm以上のスパッタ数量が溶接長さ1mm当たり0個)が発生する風速で、最小に調整した風速U[m/s]とし場合に、その2倍の風速を意味する。
比較例1は、高さ(h)は、0mm、比較例2は、高さ(h)は、0mm、比較例3は、高さ(h)は、2mm、傾斜角度(θ)は、90°、比較例4は、高さ(h)は、3mm、傾斜角度(θ)は、135°、比較例5は、高さ(h)は、4mm、傾斜角度(θ)は、135°である。なお、アシストガス給気条件は、比較例1は、U[m/s]とし、比較例2から比較例5は、V[m/s]とした。
排気ノズル53による吸引条件は、事前にアシストガスが無い状態で、溶融不足を抑制することが可能な吸引の風速に調整した風速に設定した。
レーザ溶接の条件は、溶融部Wの溶け込み深さが、約0.5mmになるように調整したレーザ出力と加工速度に設定した。
電池ケース2には、アルミニウム(A3003−O)、厚さ0.5mmを用いた。電池蓋1には、アルミニウム(A1050−O)、厚さ1.4mmを用いた。
評価サンプルの作成方法として、高さ(h)の異なる電池蓋を使用して、全周溶接を実施した。溶接の実施後に、図13に示す「溶融不足長さ測定(溶融部(ビード)の溶融不足の発生長さ)」および図14に示す「スパッタ発生カウント(周回溶融部のスパッタの発生数(寸法50μm以上のスパッタ))」の評価を行なった。
溶融不足長さの測定では、周回溶融部(ビード)をマイクロスコープで拡大し、溶融不足のためビードが細くなっている長さを測定した。溶融不足のビード判定基準は、正常なビード幅の70%以下とした。
スパッタ発生数カウントでは、周回溶融部の外周部20mmの範囲と電池蓋の端子部を除く上面のスパッタを捕集し、マイクロスコープで寸法が、50μm以上のスパッタの数量をカウントした。
実施例1から実施例6、および、比較例1から比較例5の評価結果を図12に示す。実施例1から実施例6は、いすれも「溶融不足長さ」および「スパッタ数」は、確認されず、総合判定は「A」評価で合格(優良)であった。
一方、比較例1から比較例5は、いずれも総合判定は「F」評価で不合格であった。ここで、図15を参照して、高さ(h)が小さい場合、図16を参照して、傾斜角度(θ)が大きい場合について検証する。図15は、電池蓋1に設けられる凸部領域1aの高さ(h)が低い場合の課題を説明する、模式断面図、図16は、電池蓋1に設けられる凸部領域1aの斜面1tの傾斜角度が大きい場合の課題を説明する、模式断面図である。
図15を参照して、高さ(h)が小さい場合には、給気ノズル51から給気されるアシストガスF1が斜面1tを乗り越えそのまま上方に整流される略横方向に進行する結果、対向する側のアシストガスF1と電池蓋の上で衝突し乱流を発生し、凸部領域1aを設ける効果が十分に発揮されないと考えることができる。よって、図12に示す各実施例および各比較例の評価結果に基づけば、凸部領域1aの平坦部1bからの高さ(h)は、3mm以上が好ましく、より好ましくは、3mm以上6mm以下であるとよい。
図16を参照して、傾斜角度(θ)が大きい場合には、給気ノズル51から給気されるアシストガスF1が斜面1tを乗り越えるとすぐに、対向する側のアシストガスF1と電池蓋の上で衝突し乱流を発生し、凸部領域1aを設ける効果が十分に発揮されないと考えることができる。よって、図12に示す各実施例および各比較例の評価結果に基づけば、斜面1tの傾斜角度(θ)は、90°以上が好ましく、より好ましくは、90°以上120°以下であるとよい。
(他の実施の形態)
図17を参照して、他の実施の形態における電池蓋の形態について説明する。図17は、他の実施の形態における電池蓋に設けられる凸部領域1aの構造を示す断面図である。上述した実施の形態では、凸部領域1aは、電池蓋1に対して一体的に設けられていた。本実施の形態では、凸部領域1aは、電池蓋1に対して別体に設けられており、例えば、溶接時にのみ、凸部領域1aを電池蓋1の上に載置し、溶接後に凸部領域1aを取り外す構成を採用してもよい。この構成においても、上記実施の形態における凸部領域1aと同様の作用効果を得ることが可能である。
以上、本発明に基づいた実施の形態および実施例について説明したが、上記の開示内容はすべての点で例示であって制限的なものではない。本発明の技術的範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 電池蓋、1b 平坦部、1t 斜面、1a 凸部領域、2 電池ケース、2b 上端部、3N 負極端子、3P 正極端子、10 二次電池、51 給気ノズル、51b ベース部、51n ノズル孔、53 排気ノズル。

Claims (1)

  1. 開口が設けられた電池ケースに、前記開口の形状に沿った形状の電池蓋を挿入し、前記電池ケースと前記電池蓋との突合せ部にレーザ光を照射して溶接を行なう工程を備える、二次電池の製造方法であって、
    前記溶接を行なう工程は、
    前記電池ケースの上端の側部に、アシストガス給気ノズルを配置し、
    前記アシストガス給気ノズルの上方に排気ノズルを配置し、
    上方から前記電池ケースと前記電池蓋との突合せ部にレーザ光を照射する際には、
    前記電池蓋の上面には、全周にわたって上方に向う斜面を含む凸部領域が設けられた状態でレーザ光が照射され、
    前記斜面の傾斜角度は、90°以上120°未満であり、
    前記凸部領域の前記電池蓋の上面からの高さは、3mm以上である、
    二次電池の製造方法。
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