JP2010205441A - 角形密閉電池の製造方法及び角形密閉電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】落下衝撃を受けた際に、短辺部及びコーナー部における溶融凝固部と未溶融部との間にクラックが生じ難く、電解液漏れの生じ難いレーザ光等の高エネルギー線による溶接方法を用いた密閉電池を提供すること。
【解決手段】本発明の角形密閉電池は、長方形状の開口部を有する角形電池外装缶11の開口部に、周辺にフランジ部20が形成された長方形状の封口体12が嵌合され、前記角形電池外装缶11と前記封口体12との嵌合面が高エネルギー線により溶接されて溶融凝固部が形成されていると共に内部に電極体が挿入されている角形密閉電池10において、前記封口体12のコーナー部及び短辺部におけるフランジ部20aには、前記角形電池外装缶11と前記封口体12との嵌合面に形成された溶接痕(溶融凝固部)21とは異なる別の溶接痕22が形成されていることを特徴とする。
【選択図】 図3

Description

本発明は、レーザ光等の高エネルギー線による溶接方法を用いた角形密閉電池の製造方法及びその製造方法により製造された角形密閉電池に関する。詳しくは、本発明は、特に落下衝撃を受けた際に、短辺部及びコーナー部における溶融凝固部と未溶融部との間にクラックが生じ難く、電解液漏れの生じ難いレーザ光等の高エネルギー線による溶接方法を用いた密閉電池の製造方法及びその製造方法により製造された角形密閉電池に関する。
携帯型の電子機器の急速な普及に伴い、それに使用される電池への要求仕様は、年々厳しくなり、特に小型・薄型化、高容量でサイクル特性が優れ、性能の安定したものが要求されている。そして、二次電池分野では他の電池に比べて高エネルギー密度であるニッケル水素電池やリチウム非水電解質二次電池が注目され、これらの二次電池の占める割合は二次電池市場において大きな伸びを示している。
ところで、この種の二次電池が使用される機器においては、電池を収容するスペースが角形(偏平な箱形)であることが多いことから、発電要素を角形電池外装缶に収容して密閉した密閉電池が使用されることが多い。このような角形密閉電池は、正極極板と負極極板とがセパレータを介して積層ないし偏平状に巻回された発電要素としての電極体を角形の電池外装缶の内部に収容し、封口体を角形の電池外装缶の開口部に嵌合させた後、嵌合部をレーザ溶接し、その後電解液注入孔から各種電解液を注液してこの電解液注入孔を封止することにより作製されている。このような封口体をレーザ溶接して角形の電池外装缶に固定する方法は、容積効率を低下させることなく、角形電池外装缶の開口部を閉塞できるという効果を奏するために広く使用されている。
上述のような角形の電池外装缶及び封口体共に熱伝導の良いアルミニウムないしアルミニウム合金を使用すると、角形密閉電池を著しく軽量化できるという優れた特長があるが、溶接部分(溶融凝固部)にクラックが生じやすい。そのため、下記特許文献1に開示されている発明では、角形電池外装缶の開口端の外周側を切り落としてレーザ溶接時の放熱効率を低下させてクラックの発生を抑制するようにしている。
しかしながら、角形電池外装缶の開口端の外周側を切り落としても、溶接部の強度が向上するわけではない。そのため、下記特許文献2に開示されている角形密閉電池では、図5に示したように、開口部を有する角形電池外装缶51と、この角形電池外装缶51との嵌合面全周或いはその一部に溝52を形成したフランジ部53を備えている封口体54と、を用い、この角形電池外装缶51と封口体54のフランジ部53の天面同士が略同一平面となるように角形電池外装缶51の開口部に封口体54を挿入し、角形電池外装缶51の開口部と封口体54の嵌合部にレーザ光を照射して溶接するようにしている。なお、図5は下記特許文献2に開示されている密閉電池の溶接部における溶接前後の拡大断面図である。
下記特許文献2に開示されている密閉電池の製造方法によれば、封口体側の溶け込みが増加し、封口体側の溶融部分と角形電池外装缶側の溶融部分との間で十分な溶け込み深度が得られるので、十分な溶接強度を有する密閉電池が得られている。
特開平 8− 77983号公報 特開2007−157519号公報
一方、近年の携帯型の電子機器の多機能化、高機能化、外観デザインの多様化および薄型化に伴い、これらの電子機器に用いられる角形密閉電池としては、薄型、幅広で、大容量のモデルが増加してきている。このようなモデルの角形密閉電池は、角形電池外装缶の開口部の形状及び封口体の平面視の形状は共に長方形状となっており、自重が大きく、かつ落下衝撃を受けた際に封口体の短辺部及びコーナー部が座屈変形しやすいという性質を有している。
そのため、薄型の電池においては、電極端子等の取り付けスペースを確保したり、電池を落下させたときに外装缶と封口板との長辺側溶接部で生じる溶接裂けを防止するため外装缶開口とフランジが完全に溶融するように、フランジの幅を狭くしている。封口体の長辺側においては、落下衝撃を受けても衝撃が分散されるので、座屈変形し難く、封口体のフランジ部の幅を狭くしても落下衝撃性に優れた溶接部を得ることができる。しかしながら、短辺部及びコーナー部においては、落下衝撃が狭い部分に集中するので、長辺側に比すると座屈変形し易く、封口体短辺のフランジの幅を長辺と同じように狭くしていくと、落下衝撃にて溶接部の割れが生じることが少なくない。このため、短辺部及びコーナー部では、封口体フランジ自体の強度確保が必要であり、フランジ部の幅を長辺部の幅よりも広くして落下衝撃性を向上させることが行われている。
上記特許文献2に開示されている角形密閉電池では、十分な溶接強度を有する密閉電池が得られており、短辺部及びコーナー部の落下衝撃性も向上している。しかしながら、上述のような近年の薄型、幅広で、大容量のモデルにおいては、落下衝撃を受けた際に、溶融凝固部にクラックが生じていないにも拘わらず、短辺部ないしコーナー部の溶融凝固部の近傍から電解液リークが生じる場合があることが見出され、さらなる改良が求められた。
本発明者は、このような電解液リークが生じる原因について種々検討を重ねた結果、封口体のコーナー部及び短辺部にフランジ未溶融部分が残存していると、落下衝撃を受けた際にこれらの溶融凝固部と未溶融部との境界部分にクラックが生じ、このクラックを経て電解液リークが生じていることを知見した。なお、このような現象は、角形密閉電池における座屈変形し易い短辺部及びコーナー部における溶融凝固部の近傍で特異的に生じる現象であって、座屈変形し難い長辺部においては、仮にフランジ部に未溶融部があったとしても、ほとんど生じない。
本発明は、上述のような従来技術の問題点を解決すべくなされたものである。すなわち、本発明の目的は、落下衝撃を受けた際に、短辺部及びコーナー部における溶融凝固部と未溶融部との間にクラックが生じ難く、電解液漏れの生じ難いレーザ光等の高エネルギー線による溶接方法を用いた密閉電池製造方法及びその製造方法により製造された角形密閉電池を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明の角形密閉電池の製造方法は、長方形状の開口部を有する角形電池外装缶と、電極体が接続されていると共に周辺にフランジ部が形成された封口体と、を有する角形密閉電池の製造方法であって、
前記電極体を前記角形電池外装缶内に挿入すると共に前記角形電池外装缶と前記封口体のフランジ部の天面同士が略同一平面となるように前記角形電池外装缶の開口部に前記封口体を嵌合する第1の工程と、
前記角形電池外装缶の開口部と前記封口体の嵌合部に高エネルギー線を照射して溶接する第2の工程と、
前記封口体のコーナー部及び短辺部に位置するフランジ部の根本を溶融するように前記高エネルギー線を照射して溶接する第3の工程と、
を備えることを特徴とする。
本発明における第1の工程及び第2の工程は、従来例の角形密閉電池の製造工程と同様である。本発明の角形密閉電池の製造方法は、このような第1の工程及び第2の工程に引き続いて、封口体のコーナー部及び短辺部に位置するフランジ部の根本を溶融するように高エネルギー線を照射して溶接する第3の工程を備えている。第1の工程及び第2の工程を経たのみでは、高エネルギー線のスポット径の関係から、封口体のコーナー部及び短辺部のフランジ部には未溶融部分が残存しており、落下衝撃を受けた際には、封口体の座屈により、これらの未溶融部と溶融凝固部との境界部分にクラックが生じ易い。
それに対し、第3の工程を経ると、封口体のコーナー部及び短辺部のフランジ部の底に残存していたフランジの未溶融部分が消失するため、封口体のコーナー部及び短辺部のフランジ部は全て溶融凝固部となる。そのため、落下衝撃を溶融凝固部全体で吸収するようになるのでクラックが生成し難くなり、しかも、封口体のコーナー部及び短辺部の溶融凝固部と接している未溶融部分の幅が長くなるのでクラックの伝播距離が長くなる。したがって、本発明の角形密閉電池の製造方法によれば、落下衝撃によって封口体が座屈することがあっても、短辺部ないしコーナー部の溶融凝固部の近傍からの電解液リークが生じることが抑制された角形密閉電池を製造することができるようになる。
なお、本発明の角形密閉電池の製造方法は、角形電池外装缶の開口部の形状及び封口体の平面視の形状が角部にRが付けられた角丸長方形の場合においても同様に適用可能であり、更に、非水電解質二次電池及びニッケル−水素二次電池のような水性電解質二次電池に対しても等しく適用可能である。
また、本発明の角形密閉電池の製造方法においては、前記第3の工程では、前記第2の工程における高エネルギー線の照射位置よりも前記封口体の中心側の位置から前記高エネルギー線を照射して前記封口体のコーナー部及び短辺部に位置するフランジ部の根本を溶融させることが好ましい。
第3の工程では第2の工程における高エネルギー線の照射位置よりも封口体の中心側の位置から高エネルギー線を照射するようにすると、高エネルギー線を封口体のコーナー部及び短辺部に位置するフランジ部の根本に照射することになるので、未溶融状態のフランジ部の全てを容易に溶融させ、しかも、レーザ光の照射位置でレーザ光の照射方向に最も深く溶融された状態となるので肉盛溶接と同様の効果を奏させることができるようになる。そのため、本発明の角形密閉電池の製造方法によれば、容易に封口体のコーナー部及び短辺部に位置するフランジ部の根本を溶融させて高強度の溶接部を得ることができるようになる。
また、本発明の角形密閉電池の製造方法においては、前記封口体は、前記フランジ部の幅がコーナー部及び短辺側では長辺側よりも広くなっていることが好ましい。
角形密閉電池のコーナー部及び短辺部フランジの幅を長辺部のフランジの幅より広くすることにより、落下衝撃を受けたときに座屈し難くなり、さらに第3の工程での溶接を行うことでいっそう高強度の溶接とすることができるようになる。
また、本発明の角形密閉電池の製造方法においては、前記高エネルギー線はレーザ光又は電子ビームからなることが好ましい。
本発明の角形密閉電池の製造方法によれば、レーザ光及び電子ビームともに溶接用高エネルギー線として慣用的に用いられているものであるから、溶接部の信頼性及び品質が良好な角形密閉電池が得られる。
更に、上記目的を達成するため、本発明の角形密閉電池は、長方形状の開口部を有する角形電池外装缶の開口部に、周辺にフランジ部が形成された長方形状の封口体が嵌合され、前記角形電池外装缶と前記封口体との嵌合面が高エネルギー線により溶接されて溶融凝固部が形成されていると共に内部に電極体が挿入されている角形密閉電池において、前記封口体のコーナー部及び短辺部におけるフランジ部には、前記角形電池外装缶と前記封口体との嵌合面に形成された溶融凝固部とは異なる別の溶融凝固部が形成されていることを特徴とする。
封口体のコーナー部及び短辺部におけるフランジ部に角形電池外装缶と封口体との嵌合面に形成された溶融凝固部とは異なる別の溶融凝固部が形成されていると、封口体のコーナー部及び短辺部のフランジ部にはフランジの未溶融部分が存在しておらず、封口体のコーナー部及び短辺部のフランジ部は全て溶融凝固部となる。そのため、落下衝撃を溶融凝固部全体で吸収することができるようになるのでクラックが生成し難くなり、しかも、封口体のコーナー部及び短辺部の溶融凝固部と接している未溶融部分の幅が長くなるのでクラックの伝播距離が長くなる。したがって、本発明の角形密閉電池によれば、落下衝撃によって封口体が座屈することがあっても、短辺部ないしコーナー部の溶融凝固部の近傍からの電解液リークが生じることが抑制された角形密閉電池となる。
また、本発明の角形密閉電池においては、前記封口体のコーナー部及び短辺部におけるフランジ部に形成された別の溶融凝固部は、前記角形電池外装缶と前記封口体との嵌合面に形成された溶融凝固部の一部と連続的につながっており、フランジ部の根本から斜め上方向に盛り上がり形状とされていることが好ましい。
別の溶融凝固部が角形電池外装缶と封口体との嵌合面に形成された溶融凝固部の一部と連続的につながっていると別の凝固部の破断強度が大きくなり、また別の凝固部がフランジ部の根本から斜め上方向に盛り上がり形状となっているとフランジ部に肉盛溶接を行った場合と同様の効果を生じるようになる。そのため、本発明の角形密閉電池によれば、より溶融凝固部の破断強度が大きく、しかも、短辺部ないしコーナー部の溶融凝固部の近傍から電解液リークが生じることが抑制された角形密閉電池となる。
また、本発明の角形密閉電池によれば、前記溶融凝固部及び前記別の溶融凝固部の幅は合わせて0.6mm〜1mmであり、前記別の溶融凝固部の溶融高さは0.2mm〜0.3mmであることが好ましい。
一般的に使用されているレーザ溶接装置のスポット径は0.5〜0.6mmである。そのため、レーザの照射装置の位置合わせ誤差を考慮すると、角形電池外装缶と封口体との嵌合面に形成された溶融凝固部及び別の溶融凝固部の幅を0.6mm未満とすることは物理的に困難であり、また、1mmを超えるようにすると物理的に角形電池外装缶と封口体との嵌合面に形成された溶融凝固部と別の溶融凝固部とが連続しない状態となることがあるので、好ましくない。そのため、本発明の角形密閉電池においては、角形電池外装缶と封口体との嵌合面に形成された溶融凝固部及び別の溶融凝固部の幅は合わせて0.6mm〜1mmの範囲で上記本発明の効果を良好に奏することができるようになる。
図1Aは実施例及び比較例に共通する角形密閉電池の斜視図であり、図1Bは平面図であり、図1Cは溶接前の図1BのIC−IC線に沿った断面図である。 図2Aは実施例及び比較例に共通する封口板の正面図であり、図2BはIIB−IIB位置での断面図である。 図3Aは実施例の角形密閉電池の短辺部の拡大平面図であり、図3Bは図3AのIIIB−IIIB線に沿った断面図である。 図4Aは比較例の角形密閉電池の短辺部の拡大平面図であり、図4Bは図4AのIVB−IVB線に沿った断面図である。 従来例の密閉電池の溶接部における溶接前後の拡大断面図である。
以下、本発明を実施するための形態を高エネルギー線としてのレーザ光を使用した場合を例にとり、実施例及び比較例によって図面を参照しながら詳細に説明する。ただし、以下に示す実施例は、本発明の技術思想を具体化するための一例を例示するものであって、本発明をこの実施例に特定することを意図するものではなく、本発明は高エネルギー線として電子線を使用した場合等、特許請求の範囲に示した技術思想を逸脱することなく種々の変更を行ったものにも均しく適用し得るものである。
[各角形密閉電池の作製]
最初に、実施例及び比較例に共通する角形密閉電池の構成について図1及び図2を用いて説明する。実施例及び比較例にかかる角形密閉電池10は、正極極板と負極極板とがセパレータを介して積層ないし偏平状に巻回された発電要素としての電極体(図示省略)を、角形の電池外装缶11の内部に収容し、封口体12によって角形の電池外装缶11を密閉したものである。なお、封口体12には、電極端子13、電解液注入口(図示省略)及びその封止部14及び安全装置15等が形成されている。そして、この角形密閉電池10は、電極体の一方の集電タブを電極端子13に取り付けた後、電極体を角形の電池外装缶11内に挿入して封口体12を角形の電池外装缶11に嵌合させた後、嵌合部をレーザ溶接し、その後電解液注入孔から各種電解液を注液してこの電解液注入孔を封止することにより作製される。
封口体12としては、図1Aに示したように、平面視における形状が角部にRが付けられた長方形(以下、「角丸長方形」という。)の純アルミニウムからなる封口体12を用いた。この封口体12は、周縁にフランジ部20を有し、コーナー部及び短辺側のフランジ部20aの幅は0.45mmとし、長辺側のフランジ部20bの幅は0.3mmとした。また、角形の電池外装缶としては、開口部の形状が封口体12と嵌合し得る角丸長方形をしており、肉厚0.2mmであり、外形寸法が厚さ=5.0mm、幅=45mm、高さ=53mmのアルミニウム合金製のものを用いた。
これらの実施例及び比較例で使用する封口体12を、角形電池外装缶11の内部に電極体を挿入した後、それぞれ角形電池外装缶11の開口内縁に予め取り付けたものを20個作製した。この工程が本発明における第1の工程に対応する。次いで全ての電池について、角形電池外装缶11と封口体12との接合面をフランジ部20の天面側から周方向全体にわたりパルス発振レーザ光によって溶接を行った。この工程が本発明における第2の工程に対応する。この第2の工程を経た電池の内、10個についてはそのまま比較例用とし、残りの10個について最初のパルス発振レーザ光の照射位置よりも封口体12の中心側の位置から再度パルス発振レーザ光を照射して封口体12のコーナー部及び短辺部に位置するフランジ部20aの根本を溶融させた。この工程が本発明の第3の工程に対応する。
このようにして角形電池外装缶11の開口部に封口体12をレーザ溶接した各電池について、電解液注入孔より所定量の電解液を注入し、電解液注入孔を封止することにより実施例及び比較例の角形密閉電池を作製した。なお、比較例の角形密閉電池は第3の工程を経ておらず、実施例の角形密閉電池のみ第3の工程を経ている。このようにして作製された実施例及び比較例の角形密閉電池の短辺部の拡大平面図及び拡大断面図をそれぞれ図3及び図4に示す。
比較例の角形密閉電池においては、図4A及び図4Bに示すように、コーナー部及び短辺部には、一列のレーザ溶接痕21が形成されており、しかも、未溶融状態のフランジ部20aが残存している。それに対し、実施例の角形密閉電池においては、図3A及び図3Bに示すように、コーナー部及び短辺部には、2列のレーザ溶接痕21及び22が形成されており、しかも、短辺部のフランジ部は全て溶融されている。
[落下試験]
このような構成の実施例及び比較例の角形密閉電池のそれぞれ10個ずつについて落下試験を行った。落下試験はそれぞれの電池の電極端子13を下向きにし、30cmの高さから鉄板上に落下させ、この落下を200回まで繰り返し、目視により電解液のリークが生じるまでの回数を測定した。結果をまとめて表1に示した。
Figure 2010205441
表1に示した結果によると、実施例の角形密閉電池は全て200回の落下試験を経た後でも電解液のリークが生じなかったが、比較例の角形密閉電池は10個中8個が200回までの落下試験で電解液のリークが生じていた。
このような現象が生じる理由は次のとおりであると推定される。すなわち、図4A及び図4Bに示したように、比較例の角形密閉電池は、封口体12のコーナー部及び短辺部には1列のレーザ溶接痕21として観察される部分に溶融凝固部が形成され、封口体12のコーナー部及び短辺部のフランジ部20aの底には最初のレーザ溶接後に未溶融部分が存在している。そのため、比較例の角形密閉電池が落下衝撃を受けると、封口体12が座屈変形するため、溶融凝固部の強度が強くても、フランジ部の未溶融部分が存在することに起因して溶融凝固部と接している封口体12の未溶融部の長さが短いので、図4Bにおいて破線で示した経路に沿ってクラックが生じるものと認められる。
それに対し、実施例の角形密閉電池は、図3A及び図3Bに示したように、封口体12のコーナー部及び短辺部のフランジ部20aの底には最初のレーザ溶接後に残存していた未溶融部分が消失しているため、封口体12のコーナー部及び短辺部のフランジ部20は全て、2列のレーザ溶接痕21及び22として観察されるように、溶融凝固部となる。そのため、落下衝撃を受けても、溶融凝固部と接している封口体12の未溶融部の長さが長いため、溶融凝固部全体で落下衝撃を吸収するようになるので、クラックが生成し難くなるわけである。
加えて、実施例の角形密閉電池においては、最初のレーザ光の照射位置よりも封口体12の中心側の位置から再度レーザ光を照射して封口体12のコーナー部及び短辺部に位置するフランジ部20aの根本を溶融させているため、2列目のレーザ溶接痕22に対応する溶融凝固部は、図3Bに示されているように、レーザ光の照射位置のレーザ光の照射方向に最も厚く溶融された状態となる。そのため、実施例の角形密閉電池によれば、肉盛溶接を行った状態と同様となるため、非常に溶接強度が大きい角形密閉電池が得られる。
なお、上記実施例においては、パルス発振レーザ光を用いてレーザ溶接を行った例を示したが、連続発振レーザ光を用いてレーザ溶接しても同様の効果を奏することができ、更に、レーザ溶接法のみでなく、周知の高エネルギー線、例えば電子ビーム溶接法を使用することもできる。また、照射角度は封口板表面と平行な方向を0°、この方向と垂直であって電池上方方向を90°としたとき、30°〜90°の方向から照射することが好ましい。
10…角形密閉電池 11…角形電池外装缶 12…封口体 13…電極端子 14…封止部 15…安全装置 20、20a、20b…フランジ部 21、22…レーザ溶接痕

Claims (7)

  1. 長方形状の開口部を有する角形電池外装缶と、電極体が接続されていると共に周辺にフランジ部が形成された封口体と、を有する角形密閉電池の製造方法であって、
    前記電極体を前記角形電池外装缶内に挿入すると共に前記角形電池外装缶と前記封口体のフランジ部の天面同士が略同一平面となるように前記角形電池外装缶の開口部に前記封口体を嵌合する第1の工程と、
    前記角形電池外装缶の開口部と前記封口体の嵌合部に高エネルギー線を照射して溶接する第2の工程と、
    前記封口体のコーナー部及び短辺部に位置するフランジ部の根本を溶融するように前記高エネルギー線を照射して溶接する第3の工程と、
    を備えることを特徴とする角形密閉電池の製造方法。
  2. 前記第3の工程では、前記第2の工程における高エネルギー線の照射位置よりも前記封口体の中心側の位置から前記高エネルギー線を照射して前記封口体のコーナー部及び短辺部に位置するフランジ部の根本を溶融させることを特徴とする請求項1に記載の角形密閉電池の製造方法。
  3. 前記封口体は、前記フランジ部の幅がコーナー部及び短辺側では長辺側よりも広いことを特徴とする請求項1に記載の角形密閉電池の製造方法。
  4. 前記高エネルギー線はレーザ光又は電子ビームからなることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の角形密閉電池の製造方法。
  5. 長方形状の開口部を有する角形電池外装缶の開口部に、周辺にフランジ部が形成された長方形状の封口体が嵌合され、前記角形電池外装缶と前記封口体との嵌合面が高エネルギー線により溶接されて溶融凝固部が形成されていると共に内部に電極体が挿入されている角形密閉電池において、
    前記封口体のコーナー部及び短辺部におけるフランジ部には、前記角形電池外装缶と前記封口体との嵌合面に形成された溶融凝固部とは異なる別の溶融凝固部が形成されていることを特徴とする角形密閉電池。
  6. 前記封口体のコーナー部及び短辺部におけるフランジ部に形成された別の溶融凝固部は、前記角形電池外装缶と前記封口体との嵌合面に形成された溶融凝固部の一部と連続的につながっており、フランジ部の根本から斜め上方向に盛り上がり形状とされていることを特徴とする請求項5に記載の角形密閉電池。
  7. 前記溶融凝固部及び前記別の溶融凝固部の幅は合わせて0.6mm〜1mmであり、前記別の溶融凝固部の溶融高さは0.2mm〜0.3mmであることを特徴とする請求項5又は6に記載の角形密閉電池。
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