JP2017132698A - Tie2活性化剤 - Google Patents
Tie2活性化剤 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2017132698A JP2017132698A JP2016011918A JP2016011918A JP2017132698A JP 2017132698 A JP2017132698 A JP 2017132698A JP 2016011918 A JP2016011918 A JP 2016011918A JP 2016011918 A JP2016011918 A JP 2016011918A JP 2017132698 A JP2017132698 A JP 2017132698A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- ganoderma
- agent
- tie2
- extract
- present
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Landscapes
- Medicines Containing Plant Substances (AREA)
Abstract
Description
一方で、血管透過性が過剰に亢進すると、生体組織の浮腫、炎症などが引き起こされ、生体組織が機能不全となる。これらの現象は、糖尿病性網膜症、腫瘍、炎症などの病態で観察されており、血管透過性の制御不全がこれらの病態を招いていると考えられている。このような血管透過性の過剰亢進は、さらなる血管構造の乱れを引き起こすため、血管の安定な構造を維持させることが上記の病態改善にとって重要である。
また、Tie2の活性化によって、血管新生(例えば、既存の血管からの新たな血管ネットワークの形成)の抑制化や、血管の成熟化(例えば、血管内皮細胞同士が接着斑を形成することで血管透過性を制御し、血管内皮細胞が血管壁細胞の裏打ちを伴うことによる血管構造の安定化)、血管の正常化(例えば、血管透過性の破綻した血管や血管の無秩序な増生を招くような異常な血管を、血管内皮細胞同士の接着を高め、血管壁細胞の内血管皮細胞への裏打ちを促進することにより、血管を正常な状態にすること)をできることも知られている(特許文献1及び2)。
例えば、血管再生医療等では、Tie2の活性化によって血管内皮細胞及び血管壁細胞間の接着を誘導し、血管を成熟できることが知られている。
また、糖尿病性網膜症や腫瘍等の、血管壁細胞が血管内皮細胞に接着しないことに起因する疾患等では、Tie2の活性化によって血管壁細胞を血管内皮細胞に接着させ、血管を正常化できることが知られている。
また、本発明は、Tie2の活性化とアンジオテンシン変換酵素(ACE)の阻害作用とを両立できる剤を提供することをも目的とする。
このような剤は、Tie2活性化効果に起因して、種々の機能(例えば、血管新生抑制機能、血管成熟化機能、血管安定化機能など)を有している。
そのため、本発明には、このような機能に基づく種々の用途に使用するための剤も含まれる。このような剤は、例えば、霊芝及び/又は霊芝の発酵物から選択される霊芝成分の抽出物を含有し、血管新生抑制剤、血管の成熟化剤、血管の正常化剤及び血管の安定化剤からなる群から選択される少なくとも1以上の用途に使用するための剤であってもよい。
本発明の剤において、霊芝成分は、特に、霊芝の発酵物を含んでいてもよい。
また、本発明の剤において、抽出物は、水抽出物であってもよい。
本発明の剤は、前記のように、霊芝成分の抽出物を有効成分としているため、Tie2活性化機能のみならず、従来のTie2活性化機能を有する成分にはない、他の機能も有している。そのため、本発明の剤は、さらに、このような他の機能を付与するための剤[例えば、アンジオテンシン変換酵素(ACE)を阻害するための剤]であってもよい。具体的には、本発明の剤は、さらに、血圧を降下させるための剤及び/又は血流改善をするための剤(血圧降下剤及び血流改善剤から選択された少なくとも1以上の用途に使用するための剤)であってもよい。また、本発明の剤は、さらに、体温調節機能を向上させるための剤(体温調整機能向上剤に使用するための剤)であってもよい。
本発明には、前記剤(Tie2活性化剤等)又は前記霊芝成分を含有する組成物(飲食品、医薬又は医薬組成物など)を含む。このような組成物は、霊芝成分を含んでおり、上記のように、例えば、Tie2活性化機能(さらにはACE阻害機能)を有している。そのため、本発明の組成物は、例えば、Tie2を活性化(さらにはACEを阻害)するための組成物(Tie2活性化用組成物)であってもよい。本発明の組成物は、より具体的には、血管壁細胞が血管内皮細胞から脱離することに起因する疾患(例えば、腫瘍、慢性関節リウマチ、糖尿病網膜症、高脂血症、高血圧等)の予防、改善及び/又は治療のための組成物(医薬組成物)であってもよい。
また、本発明では、Tie2活性化機能に加えて、アンジオテンシン変換酵素(ACE)の阻害作用等の、従来のTie2活性化成分に無い機能を実現できる。例えば、本発明の剤は、血圧降下効果、血流改善効果、体温調節機能向上効果なども有しているため、極めて有用性が高い。
本発明の剤(Tie2活性化剤、血管新生抑制剤、血管の成熟化剤、血管の正常化剤、血管の安定化剤など)は、霊芝及び/又はその発酵物から選択される霊芝成分の抽出物(エキス又は抽出エキス)を含有することを特徴とする。
霊芝(Ganoderuma lingzhi)は、ヒダナシタケ目マンネンタケ科マンネンタケ属に属するきのこである。
霊芝としては、特に限定されず、例えば、赤霊芝、青霊芝、黄霊芝、黒霊芝、白霊芝、紫霊芝、鹿角霊芝等が挙げられる。これらは、1種又は2種以上を使用することができる。また、霊芝は、天然品であっても、栽培品であってもよく、従来公知の取得方法により得られるものを使用することができる。
霊芝の自己消化物は、例えば、霊芝を所定の温度(例えば、35〜40℃程度)で発酵又は熟成させることにより、得ることができる。発酵時間は、特に限定されず、例えば1〜48時間、好ましくは1〜30時間である。尚、発酵は、霊芝の発酵に寄与する菌等の存在下で行ってもよい。
なお、発酵後、必要に応じて、滅菌処理(例えば、加熱滅菌、高圧滅菌、濾過滅菌等)を行ってもよい。
抽出溶媒としては、特に限定されないが、例えば、水(例えば、蒸留水、イオン交換水、生理食塩水等)、有機溶媒[例えば、低級アルコール(例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、t−ブタノール等)、多価アルコール(例えば、グリセリン、プロピレングリコール等)、ケトン類(例えば、アセトン等)、エステル類(例えば、酢酸エチルエステル等)、エーテル類(例えば、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等)等]等が挙げられ、好ましくは、水、低級アルコール等であり、より好ましくは、水、エタノール等である。これらは1種単独で又は2種以上を組合せて使用することができる。
霊芝成分の溶媒抽出物は、例えば、霊芝成分と抽出溶媒の混合物を、必要に応じて撹拌することにより得ることができる。
尚、溶媒抽出に供する霊芝成分としては、霊芝及び/又はその発酵物をそのまま使用してもよいし、霊芝及び/又はその発酵物を粉砕物、粉末、ペースト等として使用してもよい。
溶媒抽出の時間は、前記混合物の重量や処理温度等により適宜選択され得るが、例えば、0.1〜48時間である。
このような組成物は、例えば、飲食品(食品組成物)、医薬組成物等であってよい。
また、Tie2活性化剤の投与回数(又は摂取回数)は、剤型、投与対象等に応じて適宜選択され、1回投与であってもよいし、ある間隔をおいて持続投与してもよい。持続投与の場合、投与間隔は1日1回から数ヶ月に1回でも良い。
[霊芝の溶媒抽出物]
霊芝(赤霊芝、子実体)を粉砕した霊芝粉末25gに水500mLを加え、121℃で2時間加熱し、霊芝を水中に抽出した。抽出後の液を濾過した後、凍結させて粉末とし、霊芝の溶媒抽出物を得た。
正常ヒト臍帯静脈内皮細胞(HUVEC)は、組織培養用低血清培地Humedia−EG2(倉敷紡績株式会社製)で培養し、6ウェルプレートに0.5×106細胞/2mL/ウェルで播種し、37℃、5%CO2環境下で1晩培養した。
培養したHUVECに、霊芝の溶媒抽出物を、最終濃度がそれぞれ100、300、1000μg/mLとなるよう培地に添加し、さらに30分培養した。
RIPAバッファー(Millipore社製)を用いて、上記で得られたHUVECを回収し、SDSサンプルバッファー[0.25M Tris−HCl(pH6.8)、10%SDS、30%グリセロール、0.5M DDT、0.03%BPB]を加えて、SDS−PAGEを以下の条件で行った。
ゲル:10%アクリルアミドゲル
泳動条件:200mA、60分
Tie2抗体:Cell signaling社製
Phospho−Tie2抗体:Cell signaling社製
次いで、iBlot(Invitrogen社製)を用いてWestern blottingを行い、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)膜に転写した。5%スキムミルク/TBSTによりブロッキングを1時間行い、その後、TBSTで3回洗浄した後、Tie2抗体(a―Tie2)、又はPhospho−Tie2抗体(a―pTie2)を加えて1時間抗体反応させ、HRP標識された二次抗体を加えて1時間反応させ、化学発光検出(ECL)により、タンパク質のバンドを検出した。
霊芝の溶媒抽出物の代わりに、霊芝粉末800gに水12Lを添加し、37度で24時間撹拌処理した後、121℃で15分間加熱減菌し、フィルター濾過した後、得られたエキスを凍結乾燥させて粉末とし、霊芝の発酵物を得た。この霊芝の発酵物25gに水500mLを加え、121℃で2時間加熱し、霊芝の発酵物を水中に抽出した。抽出後の液を濾過した後、凍結乾燥させて粉末とし、霊芝の発酵物の溶媒抽出物を得た。
これを、最終濃度が100、300、1000μg/mLとなるよう添加した以外は実施例1〜3と同様にして、Tie2活性化評価を行った。
また、図1及び図2において、Ang1は、陽性対象の結果を示す。また、図1及び2において、霊芝Exは霊芝の溶媒抽出物を、発酵霊芝Exは霊芝の発酵物の溶媒抽出物を示す。
特に、実施例5に示すように、コントロールと比較して1.9倍ものTie2活性化効果を奏することは、極めて優れた効果である。
Claims (2)
- 霊芝及び/又は霊芝の発酵物から選択される霊芝成分の抽出物を含有するTie2活性化剤。
- 霊芝及び/又は霊芝の発酵物から選択される霊芝成分の抽出物を含有し、血管新生抑制剤、血管の成熟化剤、血管の正常化剤及び血管の安定化剤からなる群から選択される少なくとも1以上の用途に使用するための剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016011918A JP6563827B2 (ja) | 2016-01-25 | 2016-01-25 | Tie2活性化剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016011918A JP6563827B2 (ja) | 2016-01-25 | 2016-01-25 | Tie2活性化剤 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2017132698A true JP2017132698A (ja) | 2017-08-03 |
JP6563827B2 JP6563827B2 (ja) | 2019-08-21 |
Family
ID=59502199
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2016011918A Active JP6563827B2 (ja) | 2016-01-25 | 2016-01-25 | Tie2活性化剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6563827B2 (ja) |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004196761A (ja) * | 2002-12-18 | 2004-07-15 | Bhn Kk | 血管新生阻害剤 |
JP2017122065A (ja) * | 2016-01-07 | 2017-07-13 | 日本メナード化粧品株式会社 | 細胞接着分子発現抑制剤 |
-
2016
- 2016-01-25 JP JP2016011918A patent/JP6563827B2/ja active Active
Patent Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004196761A (ja) * | 2002-12-18 | 2004-07-15 | Bhn Kk | 血管新生阻害剤 |
JP2017122065A (ja) * | 2016-01-07 | 2017-07-13 | 日本メナード化粧品株式会社 | 細胞接着分子発現抑制剤 |
Non-Patent Citations (3)
Title |
---|
BIOCHEM.BIOPHYS.RES.COMMUN., vol. 330, JPN6019013232, 2005, pages 46 - 52, ISSN: 0004066961 * |
JOURNAL OF ETHNOPHARMACOLOGY, vol. 90, JPN6019013235, 2004, pages 17 - 20, ISSN: 0004066962 * |
JOURNAL OF NUCLEAR AGRICULTURAL SCIENCES, vol. 29, no. 10, JPN6019013239, 2015, pages 1963 - 1969, ISSN: 0004066963 * |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP6563827B2 (ja) | 2019-08-21 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
WO2020177390A1 (zh) | 一种猴头菌发酵制备含麦角硫因的化妆品原液的方法 | |
JP5538611B2 (ja) | メイラード反応阻害剤 | |
KR102137252B1 (ko) | 락토바실러스 플란타넘 j2k- 27 균주를 이용한 스트레스성 탈모방지용 혼합 발효 추출물 및 그 제조 방법, 그 혼합 발효 추출물을 함유하는 화장료 조성물 | |
KR102050265B1 (ko) | 락토바실러스 아시도필루스를 포함하는 관절염, 섬유증, 대장염 또는 이식거부 반응의 예방 또는 치료용 조성물 | |
CN108850760A (zh) | 一种具有解酒护肝的枸杞酵素饮料的制备方法 | |
CN115772550A (zh) | 一种具有抗氧化活性和保肝功效的草菇多肽的制备方法 | |
KR20170085872A (ko) | 율피 효소 분해물의 발효물을 포함하는 미백용 조성물 | |
KR20140034436A (ko) | 홍어 껍질 유래 젤라틴 추출물 및 상기 추출물로부터 분리한 펩타이드를 유효성분으로 포함하는 항고혈압 조성물 | |
KR101655878B1 (ko) | 세리포리아 락세라타에 의해 생산되는 세포외다당체를 유효성분으로 함유하는 탈모방지 또는 발모촉진용 조성물 | |
JP6301522B1 (ja) | 血圧上昇抑制組成物およびその製造方法 | |
Wang et al. | The nutritional value of Spirulina and Utilization Research | |
CN109806383A (zh) | 一种鳗鱼肽在制备促进免疫的食品、药品或保健品中的应用 | |
CN111084739B (zh) | 包含豆科植物培养根的酶处理提取物的用于增强皮肤弹性或改善皮肤皱纹的组合物 | |
KR102239415B1 (ko) | 발효 삼칠근의 추출물을 포함하는 피부미용 개선용 조성물 | |
KR20170106187A (ko) | 항산화용 조성물 | |
KR102535328B1 (ko) | 흑후추 추출물을 함유하여 글루타치온의 체내 흡수율을 높인 건강기능 식품용 조성물 및 이의 제조방법 | |
JP6563827B2 (ja) | Tie2活性化剤 | |
JP5502449B2 (ja) | 腸内フローラバランス改善剤及びその製造方法 | |
KR20200083293A (ko) | 엉겅퀴 및 모링가의 온천수 발효 추출물을 포함하는 화장료 조성물 | |
KR101659927B1 (ko) | 본초의 약효 증대방법, 면역증강용 발효 키토산의 제조방법 및 그 이용 | |
JP5063040B2 (ja) | 血管新生阻害剤 | |
JP6380840B2 (ja) | 脂肪前駆細胞増殖抑制作用を呈するカロチノイド誘導体 | |
KR20190109230A (ko) | 빅벨리해마 알칼레이즈 가수분해물, 그 분획물 또는 그 유효 펩타이드를 이용한 항고혈압 또는 항산화용 조성물 | |
JP6969041B2 (ja) | 血管内皮型一酸化窒素合成酵素産生促進剤及び経口用組成物 | |
US20240335493A1 (en) | Mung bean hull extract with antiviral effect and extraction method thereof |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A711 | Notification of change in applicant |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711 Effective date: 20180517 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821 Effective date: 20180521 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20180806 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20190416 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20190614 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20190702 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20190710 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20190723 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20190725 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6563827 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
S531 | Written request for registration of change of domicile |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |