JP2017132387A - 車両シート制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】スローストップ制御を実行可能な車両シート制御装置において、乗員による操作スイッチのオフ操作に基づいて停止される車両シートの電動駆動部位の停止位置を、乗員の所望の停止位置に近づけること。
【解決手段】制御回路12は、高速モード(通常モード)における操作スイッチSWのオン操作に基づきモータMの高速駆動(通常駆動)を実行し、該通常駆動中における操作スイッチSWのオフ操作に基づき、モータMの回転速度をゼロまで徐々に低下させる減速制御を実行した後、該通常駆動とは反対方向にモータMを駆動させる戻し制御を実行する。
【選択図】図1

Description

本発明は、モータの回転力に基づく車両シートの電動駆動を制御する車両シート制御装置に関するものである。
従来、例えば特許文献1に示されるように、前後のスライド移動やシートバックの傾動等を、モータを駆動源として電動駆動可能とした車両用電動シートがある。このようなものでは、操作スイッチの操作に基づくモータの駆動が車両シートに内蔵の減速機構等を介してシートクッションやシートバックに伝達され、それらの電動駆動が実現される。
特許第5471158号公報
ところで、上記のような車両用電動シートでは、電動駆動部位の動作の高速化が望まれているが、単に動作速度を上げた場合、電動駆動部位の作動停止時の慣性力が大きくなり、乗員に不安感を与えてしまうおそれがある。そこで、この問題を解消するため、モータを停止させる際にモータの回転速度を徐々に低下させる所謂スローストップ制御を実行することが好ましい。
しかしながら、スローストップ制御では、電動駆動部位の作動中における操作スイッチのオフ操作によってモータの減速が開始され、回転速度が徐々に低下された後に停止するため、乗員が最適位置と判断して操作スイッチをオフ操作した時点から行き過ぎた位置で電動駆動部位の作動が停止されることとなる。このときの行き過ぎ量は、電動駆動部位の動作速度が速いほど大きくなるため、上記のように動作を高速化させる場合に特に顕著な問題となる。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的は、スローストップ制御を実行可能な車両シート制御装置において、乗員による操作スイッチのオフ操作に基づいて停止される車両シートの電動駆動部位の停止位置を、乗員の所望の停止位置に近づけることにある。
上記課題を解決する車両シート制御装置は、モータの回転力に基づく車両シートの電動駆動を制御する車両シート制御装置であって、操作スイッチのオン操作に基づき前記モータの通常駆動を実行し、該通常駆動中における前記操作スイッチのオフ操作に基づき、前記モータの回転速度を徐々に低下させる減速制御を実行した後、前記通常駆動とは反対方向に前記モータを駆動させる戻し制御を実行する制御部を備える。
この構成によれば、通常駆動中における操作スイッチのオフ操作に基づいて減速制御(スローストップ制御)が実行された後、該通常駆動とは反対方向にモータが駆動される戻し制御が実行される。これにより、車両シートの電動駆動部位を乗員の所望の停止位置(操作スイッチをオフ操作したときの位置)に近づけるように戻すことが可能となる。
上記車両シート制御装置において、前記制御部は、前記通常駆動中に前記操作スイッチがオフ操作された時点での前記車両シートの位置情報をスイッチオフ位置として記憶し、前記戻し制御において前記車両シートを前記スイッチオフ位置に戻すべく前記モータの駆動を実行することが好ましい。
この構成によれば、減速制御後の戻し制御において、車両シートの電動駆動部位をスイッチオフ位置に戻すべくモータが駆動される。これにより、車両シートの電動駆動部位を乗員の所望の停止位置まで戻すことができる。
上記車両シート制御装置において、前記制御部は、前記戻し制御において、予め設定された戻し量だけ前記車両シートを作動させるべく前記モータの駆動を実行することが好ましい。
この構成によれば、減速制御後の戻し制御において、予め設定された戻し量だけ車両シートを作動させるべくモータが駆動される。減速制御による車両シートの行き過ぎ量は、通常駆動時の動作速度等からある程度類推できるため、前記戻し量を通常駆動の動作速度等を考慮した値に予め設定することで、戻し制御後の車両シートの停止位置を乗員の所望の停止位置に近づけることができ、さらに、この構成ではそれを単純な制御にて実現できる。
上記車両シート制御装置において、前記制御部の制御態様として、前記操作スイッチのオン操作に基づき前記モータの前記通常駆動を実行する通常モードと、前記操作スイッチのオン操作に基づき前記通常駆動時よりも低速で前記モータの駆動を実行する微調整モードとを備え、前記制御部は、前記戻し制御における前記モータの駆動停止後、前記微調整モードに移行することが好ましい。
この構成によれば、通常駆動の停止後(減速制御及び戻し制御の実行後)に移行される微調整モードにおいて、車両シートの位置の微調整を容易に行うことができる。
上記車両シート制御装置において、前記制御部は、前記微調整モードにおける前記操作スイッチのオン状態の継続時間が所定時間に達したとき、前記通常モードに移行することが好ましい。
この構成によれば、微調整モードにおける操作スイッチの所定時間以上の操作(長押し操作)によって、車両シートの動作速度が速い通常モードに切り替えることができる。
上記車両シート制御装置において、前記制御部は、前記微調整モードにおける前記操作スイッチのオフ状態の継続時間が所定時間に達したとき、前記通常モードに移行することが好ましい。
この構成によれば、微調整モードにおいて操作スイッチが所定時間操作されないことで、車両シートの動作速度が速い通常モードに切り替えることができる。
上記車両シート制御装置において、前記制御部は、前記操作スイッチのオン操作に基づき、一定値である速度指令値と前記モータの回転速度の実速度との差分を基に前記モータの回転速度を前記速度指令値に追従させる速度フィードバック制御を実行し、前記微調整モードにおける前記速度指令値は、前記通常モードにおける前記速度指令値よりも小さく設定されていることが好ましい。
この構成によれば、速度フィードバック制御によって、通常モード及び微調整モードにおけるモータの回転速度、つまり、車両シートの動作速度を一定に保つことができる。
本発明によれば、スローストップ制御を実行可能な車両シート制御装置において、乗員による操作スイッチのオフ操作に基づいて停止される車両シートの電動駆動部位の停止位置を、乗員の所望の停止位置に近づけることが可能となる。
実施形態の車両シート制御装置の電気ブロック図。 同形態における制御態様を説明するための説明図。 同形態において、微調整モードから高速モード(通常モード)への移行に関する制御態様を説明するためのタイミング図。 同形態において、微調整モードから高速モード(通常モード)への移行に関する制御態様を説明するためのタイミング図。
以下、車両シート制御装置の一実施形態について説明する。
図1に示すように、本実施形態の車両シート制御装置10は、車両シート1を前後方向にスライド動作させるための駆動源としてのモータMを備える。モータMは、給電ブラシ及び整流子(ともに図示略)を有するブラシ付きモータにて構成されている。モータMの回転は、車両シート1が備える減速機構(図示略)を介して該車両シート1の前後移動(スライド移動)に変換される。
車両シート制御装置10は、モータMに駆動電力を供給する駆動回路11と、駆動回路11を介してモータMの駆動を制御する制御回路12と、モータMの回転を検出する回転センサ13と、例えば車両シート1の側面に設けられた操作スイッチSWとを備える。操作スイッチSWが例えば搭乗者によって操作されると、操作スイッチSWから操作信号Smが制御回路12に出力され、制御回路12は操作信号Smの入力に基づいて駆動回路11を通じてモータMを回転駆動させ、車両シート1をスライド移動させる。
回転センサ13は、例えばモータMに搭載されたホールIC等からなり、モータMの回転に応じた回転検出信号Sp(パルス信号)を出力する。制御回路12は、回転センサ13から出力される回転検出信号Spに基づいて制御信号(PWM駆動信号)Scを生成し、その制御信号Scを駆動回路11に出力することにより駆動回路11をPWM駆動させ、モータMの駆動を制御する。
制御回路12は、速度算出部21、減算器22、速度指令値設定部23、FB制御部(フィードバック制御部)24、PWM制御部25及び位置カウント部26を備えている。
速度算出部21は、回転センサ13から出力される回転検出信号Spに基づいて回転速度検出値ωを算出する。減算器22は、速度指令値設定部23から出力された速度指令値ωdと、速度算出部21により演算されたモータMの回転速度検出値ωとの差分値(速度偏差Δω=ωd−ω)を演算し、演算した速度偏差ΔωをFB制御部24に出力する。
FB制御部24は、速度偏差Δωに基づいて速度フィードバック制御を実行する。本実施形態のFB制御部24が実行する速度フィードバック制御はPI制御である。すなわち、FB制御部24は速度偏差ΔωにP(比例)制御の比例ゲインKpを乗ずることにより比例成分を演算するとともに、速度偏差Δωの積分値にI(積分)制御の積分ゲインKiを乗ずることにより積分成分を演算する。そして、これら比例成分及び積分成分を加算することにより電圧指令値Vdを演算し、これをPWM制御部25に出力する。
PWM制御部25は、電圧指令値Vdに基づくDUTY指令値を演算するとともに、そのDUTY指令値に示されるオンDUTY比を有する制御信号Scを生成して駆動回路11に出力することで、駆動回路11をPWM駆動させる。これにより、制御信号Scに応じた駆動電力が駆動回路11からモータMに出力される。
位置カウント部26は、回転センサ13から出力される回転検出信号Spに基づいて車両シート1の位置情報Pを算出し、これを速度指令値設定部23に出力する。車両シート1の位置情報Pは、例えば、車両シート1の前後方向の位置に対応する回転検出信号Spの立ち上がり及び立ち下がりのカウント数である。
速度指令値設定部23は、速度指令値ωdを設定する際の参照値(後述する高速度値ωH及び低速度値ωL等)が予め記憶されたメモリ27を有し、後述のスイッチ操作に応じて高速度値ωH又は低速度値ωLを速度指令値ωdとして減算器22に出力する。
次に、制御回路12による制御態様について説明する。
本実施形態の車両シート制御装置10は、制御回路12の制御態様として、車両シート1の動作速度(モータMの駆動速度)が異なる2つの駆動モード(高速モード(通常モード)及び微調整モード)を備えている。
まず、高速モードにおける駆動制御について説明する。高速モードにおいて、操作スイッチSWのオン操作(例えば、前方への移動を指示する操作)に基づいて出力された操作信号Smが制御回路12に入力されると、メモリ27に記憶された前記参照値に基づいて設定された速度指令値ωdが減算器22に出力される。
ここで、図2に示すように、高速モードにおける始動(操作信号Smの入力)から所定時間Δtだけ経過する期間においては、速度指令値ωdが一定値である高速度値ωHまで徐々に増加される所謂スロースタート制御が実行される。そして、始動から所定時間Δtが経過した後(増速区間ISを過ぎた後)は、速度指令値ωdが前記高速度値ωHに設定される高速定速区間HSに移行する。この高速定速区間HSでは、制御回路12は、速度指令値ωd(=高速度値ωH)に基づく速度フィードバック制御によってモータMを一定速度で駆動させる。これにより、車両シート1は、高速度値ωHに基づく一定速度(ハイスピードNh)で前方にスライド移動される。なお、図2では、車両シート1の前方への動作速度をプラス値とし、後方への動作速度をマイナス値としている。
この高速定速区間HSでの作動中において、操作スイッチSWがオフ操作されると、速度指令値ωdが前記高速度値ωHから0まで徐々に減少される所謂スローストップ制御(減速制御)が実行される。これにより、車両シート1は、ハイスピードNhでの作動中における操作スイッチSWのオフ操作によって減速区間DSを経て停止する。また、このとき、制御回路12は、操作スイッチSWがオフ操作された時点での車両シート1の位置情報Pをスイッチオフ位置P1としてメモリ(図示略)に記憶させる。
減速区間DSが終了した後(つまり、上記の減速制御において速度指令値ωdが0とされた後)、制御回路12は、上記の操作スイッチSWのオン操作による作動方向とは反対方向にモータMを作動させる戻し制御を実行する。これにより、車両シート1が後方にスライド移動される戻し区間RSに移行する。この戻し区間RSでは、車両シート1が後方にスライド移動されて、スイッチオフ位置P1まで戻されるようになっている。なお、本実施形態における戻し区間RSでの車両シート1の作動制御(戻し制御)では、スロースタート制御及びスローストップ制御が実行される。つまり、戻し区間RSにおける車両シート1の後方への動作速度は、ゼロから徐々に上昇して、ピーク(最大速度Np)を経た後、徐々に減少し、スイッチオフ位置P1でゼロとなる。また、戻し区間RSでの車両シート1の最大速度Np(絶対値)は、高速定速区間HSでの車両シート1の動作速度(ハイスピードNh)よりも小さくなるように制御されることが好ましい。
上記のように、戻し区間RSを経て車両シート1がスイッチオフ位置P1で停止された後、制御回路12の駆動モードが高速モードから微調整モードに移行される。
図3に示すように、微調整モードにおいて、操作スイッチSWのオン操作に基づいて操作信号Smが制御回路12に入力されると、速度指令値設定部23は、前記高速度値ωHよりも小さい低速度値ωLを速度指令値ωdとして減算器22に出力する。そして、制御回路12は、速度指令値ωd(=低速度値ωL)に基づく速度フィードバック制御によってモータMを一定の低速度で駆動させる。これにより、車両シート1が一定の低速度でスライド移動される。なお、微調整モードでの車両シート1の動作速度は低速度であるため、高速モードで実行されるようなスロースタート制御及びスローストップ制御は不要であり、本実施形態の微調整モードではそれらスロースタート制御及びスローストップ制御が実行されないようになっている。
[微調整モードから高速モードへの切り替え]
図3に示すように、微調整モードにおいて、操作スイッチSWのオン状態(オン操作)の継続時間が所定時間Δt1に達したとき、制御回路12の駆動モードが高速モードに移行される。この場合、操作スイッチSWのオン操作が継続する間に、速度指令値設定部23から出力される速度指令値ωdが低速度値ωLから高速度値ωHに切り替わる。つまり、車両シート1の作動は、操作スイッチSWのオン操作直後から所定時間Δt1経過するまでの低速区間を経て高速区間に移行するようになっている。
また、図4に示すように、微調整モードにおける操作スイッチSWのオフ状態(例えば、操作スイッチSWがニュートラル位置とされた状態)の継続時間が所定時間Δt2に達したとき、制御回路12の駆動モードが高速モードに移行される。
次に、本実施形態の作用について説明する。
高速モードにおいて、操作スイッチSWがオン操作されると、車両シート1は、始動後の増速区間ISを経て高速度値ωHに基づく一定速度(ハイスピードNh)でスライド移動する。そして、その作動中において操作スイッチSWがオフ操作されると、車両シート1は、減速制御に基づく減速区間DSと、戻し制御に基づく戻し区間RSを経て、操作スイッチSWをオフ操作した時点での位置(スイッチオフ位置P1)で停止する。
また、高速モードにおいて減速区間DS及び戻し区間RSを経て車両シート1の作動が停止された後、制御回路12の駆動モードが微調整モードに移行される。微調整モードでは、操作スイッチSWのオン操作に基づいて車両シート1がより低速度でスライド移動されるため、高速モードでの車両シート1の作動停止後に、車両シート1の位置を容易に微調整することが可能となっている。
次に、本実施形態の特徴的な効果を記載する。
(1)制御回路12は、高速モード(通常モード)における操作スイッチSWのオン操作に基づきモータMの高速駆動(通常駆動)を実行し、該高速駆動中における操作スイッチSWのオフ操作に基づき、モータMの回転速度を徐々に低下させる減速制御を実行した後、該高速駆動とは反対方向にモータMを駆動させる戻し制御を実行する。この構成によれば、高速駆動中における操作スイッチSWのオフ操作に基づいて減速制御(スローストップ制御)が実行された後、該高速駆動とは反対方向にモータMが駆動される戻し制御が実行される。これにより、車両シート1を乗員の所望の停止位置(操作スイッチSWをオフ操作したときの位置)に近づけるように戻すことが可能となる。
(2)制御回路12は、高速駆動中(高速モードでの駆動中)に操作スイッチSWがオフ操作された時点での車両シート1の位置情報Pをスイッチオフ位置P1として記憶し、戻し制御において車両シート1をスイッチオフ位置P1に戻すべくモータMの駆動を実行する。この構成によれば、減速制御後の戻し制御において、車両シート1をスイッチオフ位置P1に戻すべくモータMが駆動される。これにより、車両シート1を乗員の所望の停止位置(スイッチオフ位置P1)まで戻すことができる。
(3)制御回路12の制御態様として、操作スイッチSWのオン操作に基づきモータMの高速駆動を実行する高速モード(通常モード)と、操作スイッチSWのオン操作に基づき高速駆動時よりも低速でモータMの駆動を実行する微調整モードとを備える。そして、制御回路12は、戻し制御におけるモータMの駆動停止後、微調整モードに移行する。この構成によれば、高速駆動の停止後(減速制御及び戻し制御の実行後)に移行される微調整モードにおいて、車両シート1の位置の微調整を容易に行うことができる。
(4)制御回路12は、微調整モードにおける操作スイッチSWのオン状態の継続時間が所定時間Δt1に達したとき、高速モードに移行する。この構成によれば、微調整モードにおける操作スイッチSWの所定時間Δt1以上の操作(長押し操作)によって、車両シート1の動作速度が速い高速モードに切り替えることができる。
(5)制御回路12は、微調整モードにおける操作スイッチSWのオフ状態の継続時間が所定時間Δt2に達したとき、高速モードに移行する。この構成によれば、微調整モードにおいて操作スイッチSWが所定時間Δt2以上操作されないことで、車両シート1の動作速度が速い高速モードに切り替えることができる。
(6)制御回路12は、操作スイッチSWのオン操作に基づき、一定値である速度指令値ωdとモータMの回転速度の実速度(回転速度検出値ω)との差分を基にモータMの回転速度(回転速度検出値ω)を速度指令値ωdに追従させる速度フィードバック制御を実行する。そして、微調整モードにおける速度指令値ωd(低速度値ωL)は、高速モードにおける速度指令値ωd(高速度値ωH)よりも小さく設定されている。この構成によれば、速度フィードバック制御によって、高速モード及び微調整モードにおけるモータMの回転速度、つまり、車両シート1の動作速度を一定に保つことができる。また、本実施形態のように速度フィードバック制御を実装することで、減速制御及び戻し制御における速度指令値ωdの設定によって該各制御時の車両シート1の動作速度を制御でき、より好ましい。
なお、上記実施形態は、以下のように変更してもよい。
・上記実施形態では、微調整モードにおける操作スイッチSWのオン状態の継続時間が所定時間Δt1に達したとき、制御回路12の駆動モードが高速モードに移行されるが、これ以外に例えば、位置情報Pに基づいて算出される微調整モード時の車両シート1の移動量が所定量に達したとき、駆動モードを高速モードに移行させてもよい。
・上記実施形態では、制御回路12は、高速駆動中(高速モードでの駆動中)に操作スイッチSWがオフ操作された時点での車両シート1の位置情報Pをスイッチオフ位置P1として記憶し、減速制御後の戻し制御において車両シート1をスイッチオフ位置P1に戻すべくモータMを駆動させるが、これに特に限定されるものではない。
例えば、減速制御後の戻し制御において、予め設定された戻し量だけ車両シート1を作動させるべくモータMを駆動させてもよい。減速制御による車両シート1の行き過ぎ量(減速区間DSでの移動量)は、高速駆動時の動作速度(ハイスピードNh)等からある程度類推できるため、戻し量を高速駆動の動作速度等を考慮した値に予め設定することで、単純な制御によって、戻し制御後の車両シート1の停止位置を乗員の所望の停止位置に近づけることができる。
・上記実施形態では、戻し制御におけるモータMの駆動停止後、制御回路12の駆動モードが微調整モードに移行されるが、これに特に限定されるものではなく、戻し制御におけるモータMの駆動停止後に微調整モードに移行しない制御態様としてもよい。
・上記実施形態における減速制御後の戻し制御では、スロースタート制御及びスローストップ制御が実行されるが、これに特に限定されるものではなく、例えば、戻し制御において低速度値ωLを速度指令値ωdとした定速制御(速度フィードバック制御)を実行してもよい。
・上記実施形態における速度フィードバック制御を、P制御やPID制御等に変更してもよい。
・上記実施形態では、制御回路12は、操作スイッチのオン操作に基づいて速度フィードバック制御を用いたモータMの駆動を実行するが、これ以外に例えば、電源電圧を成り行きでモータMに印加するオープン制御(オープンループ制御)を実行してもよい。
・上記実施形態では、車両シート1の前後移動を制御する車両シート制御装置10に適用したが、これに特に限定されるものではなく、例えば、車両シートのシートバックの傾動や、シートクッションの高さ調整動作(リフタ動作)等を制御する制御装置に適用してもよい。
・上記した実施形態並びに各変形例は適宜組み合わせてもよい。
1…車両シート、10…車両シート制御装置、12…制御回路(制御部)、SW…操作スイッチ、M…モータ。

Claims (7)

  1. モータの回転力に基づく車両シートの電動駆動を制御する車両シート制御装置であって、
    操作スイッチのオン操作に基づき前記モータの通常駆動を実行し、該通常駆動中における前記操作スイッチのオフ操作に基づき、前記モータの回転速度を徐々に低下させる減速制御を実行した後、前記通常駆動とは反対方向に前記モータを駆動させる戻し制御を実行する制御部を備えたことを特徴とする車両シート制御装置。
  2. 請求項1に記載の車両シート制御装置において、
    前記制御部は、前記通常駆動中に前記操作スイッチがオフ操作された時点での前記車両シートの位置情報をスイッチオフ位置として記憶し、前記戻し制御において前記車両シートを前記スイッチオフ位置に戻すべく前記モータの駆動を実行することを特徴とする車両シート制御装置。
  3. 請求項1に記載の車両シート制御装置において、
    前記制御部は、前記戻し制御において、予め設定された戻し量だけ前記車両シートを作動させるべく前記モータの駆動を実行することを特徴とする車両シート制御装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の車両シート制御装置において、
    前記制御部の制御態様として、前記操作スイッチのオン操作に基づき前記モータの前記通常駆動を実行する通常モードと、前記操作スイッチのオン操作に基づき前記通常駆動時よりも低速で前記モータの駆動を実行する微調整モードとを備え、
    前記制御部は、前記戻し制御における前記モータの駆動停止後、前記微調整モードに移行することを特徴とする車両シート制御装置。
  5. 請求項4に記載の車両シート制御装置において、
    前記制御部は、前記微調整モードにおける前記操作スイッチのオン状態の継続時間が所定時間に達したとき、前記通常モードに移行することを特徴とする車両シート制御装置。
  6. 請求項4又は5に記載の車両シート制御装置において、
    前記制御部は、前記微調整モードにおける前記操作スイッチのオフ状態の継続時間が所定時間に達したとき、前記通常モードに移行することを特徴とする車両シート制御装置。
  7. 請求項4〜6のいずれか1項に記載の車両シート制御装置において、
    前記制御部は、前記操作スイッチのオン操作に基づき、一定値である速度指令値と前記モータの回転速度の実速度との差分を基に前記モータの回転速度を前記速度指令値に追従させる速度フィードバック制御を実行し、
    前記微調整モードにおける前記速度指令値は、前記通常モードにおける前記速度指令値よりも小さく設定されていることを特徴とする車両シート制御装置。
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