JP2017128301A - 船外機の燃料タンク - Google Patents

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Abstract

【課題】船外機をチルトアップしたときに、燃料が燃料タンクから漏れ出てしまうことを防止することを目的とする。【解決手段】燃料タンク40は、燃料が貯留されるタンク本体41と、タンク本体41の上面から上向きに延出し上部に給油口48を有する上方延出部44A、および、タンク本体41内に延出し下部に底部50を有する下方延出部44Bが設けられた筒状のフィラーパイプ43と、給油口48を塞ぐ燃料タンクキャップ60と、を備え、下方延出部44Bの底部50は、船外機10の前側に偏倚した位置にタンク本体41内に燃料を流入させる燃料流入口53が設けられていることを特徴とする。【選択図】図3

Description

本発明は、船外機の燃料タンクに関するものである。特に、船体に対してチルトアップ可能な船外機本体に内蔵される燃料タンクに用いられて好適である。
内燃機関に燃料を供給するために燃料を貯留する燃料タンクが用いられる。特許文献1には、作業機器などを駆動する汎用内燃機関用の燃料タンクが開示されている。特許文献1の燃料タンクは、上面中央部に燃料注入口が設けられたタンク本体、燃料注入口を開閉するキャップなどを備えている。
特開2006−44524号公報
特許文献1に開示された作業機器は、一般的に燃料タンク内に貯留している燃料の油面に影響を与えるほど姿勢が変化することはない。一方、船体に対してチルトアップ可能な船外機本体はチルト軸を中心に回動可能である。したがって、船外機本体に内蔵される燃料タンクは船外機本体のチルトアップによって、貯留している燃料の油面が変化し、燃料注入口を開閉する燃料タンクキャップまで近接する場合がある。このような場合には、燃料が燃料タンクから漏れ出てしまう虞がある。特に、燃料タンクキャップに燃料タンク内と外部とを連通させるためのブリーザ孔が形成されている場合には燃料がブリーザ孔を介して燃料タンクから漏れ出てしまうことがある。
本発明は、上述したような問題点に鑑みてなされたものであり、船外機をチルトアップしたときに、燃料が燃料タンクから漏れ出てしまうことを防止することを目的とする。
本発明に係る船外機の燃料タンクは、船体に対してチルトアップ可能な船外機本体に内蔵される船外機の燃料タンクであって、燃料が貯留されるタンク本体と、前記タンク本体の上面から上向きに延出し上部に給油口を有する上方延出部、および、前記タンク本体内に延出し下部に底部を有する下方延出部が設けられた筒状のフィラーパイプと、前記給油口を塞ぐ燃料タンクキャップと、を備え、前記下方延出部の底部は、前記船外機の前側に偏倚した位置に前記タンク本体内に燃料を流入させる燃料流入口が設けられていることを特徴とする。
本発明によれば、船外機をチルトアップしたときに、燃料が燃料タンクから漏れ出てしまうことを防止することができる。
船外機全体の外観を示す左側面図である。 燃料タンクの周辺の構成を示す左側面図である。 燃料タンクの構成を示す断面図である。 燃料タンクのフィラーパイプ周辺の構成を示す斜視図である。 燃料を貯留した状態のタンク本体を示す断面図である。 燃料を貯留した状態でチルトアップしたときのタンク本体を示す断面図である。
以下、図面に基づき、本発明に係る船外機の燃料タンクの好適な実施形態について説明する。各図では、必要に応じて、船体1に搭載された状態の船外機10の前側(船体の前進方向)を矢印Frで示し、船外機10の後側(船体の後進方向)を矢印Rrで示し、船外機10の右側を矢印Rで示し、船外機10の左側を矢印Lで示している。また、特に言及がない場合、上方と下方とは後述するドライブシャフト27が鉛直方向に配置されている状態を基準とする。
図1は、船外機10全体の外観を示す左側面図である。図1に示すように、船外機10は船体1のトランサムボード2に対して取り付けられる。船外機10は、左右一対のクランプブラケット11と、クランプブラケット11に対して上下方向にチルト可能なスイベルブラケット12と、船外機本体13とを備えている。クランプブラケット11およびスイベルブラケット12は取付部材として機能する。クランプブラケット11は、トランサムボード2の上端を前後方向から挟持することで固定される。スイベルブラケット12は、上下方向に沿った円筒状の本体部14と、本体部14の上端部から前方に向かって延出される回動部15とを有する。回動部15は、左右一対のクランプブラケット11の間に嵌り込むように配設され、チルト軸16を介してクランプブラケット11に軸支される。したがって、船外機本体13はスイベルブラケット12を介してチルト軸16を中心に上下方向にチルトアップ可能である。本実施形態では、後述するドライブシャフト27が鉛直方向に配置されている状態から45°よりも大きく90°未満の角度、ここでは略70°チルトアップ可能である(図1に示す角度αを参照)。
船外機本体13の上部には、アッパカバー17aおよびロアカバー17bからなるエンジンカバー17内に内燃機関としてのエンジン18が収容される。エンジンカバー17のうち、ロアカバー17bには、後側に延出するキャリングハンドル17cが一体で形成される。なお、エンジンカバー17は、例えば合成樹脂により構成され、軽量化が図られている。
エンジン18は、バーティカル型であって例えば水冷式4サイクル単気筒エンジンが適用される。エンジン18は、クランクケース19、シリンダヘッド20およびシリンダヘッドカバー21を備えている。クランクケース19は、シリンダブロックが一体で形成され、鉛直方向に沿って配設されるクランクシャフト22を回転自在に支持する。クランクケース19の上側であってクランクシャフト22の軸端にはフライホイールマグネト装置23が配設され、フライホイールマグネト装置23の上側にはリコイルスタータ装置24が配設される。
また、エンジン18は、エンジン18の下側に配置されたエンジンホルダ25によって保持される。エンジンホルダ25の下側にはドライブシャフトハウジング26が結合されている。ドライブシャフトハウジング26は、スイベルブラケット12の本体部14を貫通するように下方向に向かって延設される。スイベルブラケット12の本体部14は、図示しない軸受けを介してドライブシャフトハウジング26を水平方向に回動可能に支持する。
ドライブシャフトハウジング26内には、クランクシャフト22の下端に接続されたドライブシャフト27が下側に向かって延設される。ドライブシャフトハウジング26の下側にはギアケース28が結合される。ギアケース28には、複数のギア29とプロペラシャフト30とが配設される。複数のギア29は、ドライブシャフト27の回転をプロペラシャフト30に伝達する。プロペラシャフト30の後端には、プロペラシャフト30と同期して回転するプロペラ31が結合される。また、エンジンホルダ25あるいはドライブシャフトハウジング26には、ハンドルブラケットを介して操舵ハンドル32が取り付けられる。操船者が操舵ハンドル32を水平方向に旋回することで、ドライブシャフトハウジング26が同方向に旋回する。したがって、ドライブシャフトハウジング26の旋回に応じてプロペラ31も旋回することから、船外機本体13の操舵角が変更され、船体1の進行方向を変えることができる。
また、リコイルスタータ装置24の後方には、燃料を貯留するための燃料タンク40が設置されている。図2は、アッパカバー17aを取り外した状態の燃料タンク40の周辺の構成を示す左側面図である。燃料タンク40は、チルト軸16の後側かつ上方であって、エンジン18の上方に位置する。燃料タンク40は、内部に貯留した燃料をスロットルボディなどを介してエンジン18に供給する。
次に、本実施形態に係る燃料タンク40の構成について説明する。本実施形態の燃料タンク40は、船外機本体13に内蔵されていることから、船外機本体13をチルトアップすることで、燃料タンク40の姿勢が前側に傾斜するように変化して、燃料タンク40内に貯留された燃料の油面も変化する。本実施形態の燃料タンク40は、船外機本体13がチルトアップした場合でも燃料タンク40に貯留された燃料が燃料タンク40から漏れ出ないように構成されている。
図3は、燃料タンク40の構成を示す断面図である。
燃料タンク40は、タンク本体41、フィラーパイプ43、燃料タンクキャップ60などを備えている。
タンク本体41は、上壁41a、下壁41b、前壁41c、後壁41d、側壁により構成され、内部に燃料を貯留するための空間42を有する。タンク本体41は、前後方向の寸法が上下方向の寸法よりも大きい略扁平状であって、例えば合成樹脂で形成されている。また、タンク本体41は、エンジンカバー17のアッパカバー17a内に配置される。
フィラーパイプ43は、タンク本体41の空間42と外部とを連通させ、燃料をタンク本体41の空間42内に流入させる。本実施形態のフィラーパイプ43は、タンク本体41と一体に成形され、上方延出部44Aと下方延出部44Bとを有する。上方延出部44Aと下方延出部44Bとはそれぞれ筒状であり、内部が連通することで鉛直方向に沿った空気室45が形成される。
上方延出部44Aは、タンク本体41の上壁41aから上向きに延出する。具体的には、上方延出部44Aは、タンク本体41の上壁41aの略中央、すなわち上壁41aの上面の前後方向の略中央かつ左右方向の略中央から鉛直方向の上方に向かって延出する。
上方延出部44Aは、円筒状の側壁部46を有する。側壁部46は、外周面に雄ネジ部47が形成され、上部に給油口48を有する。なお、上方延出部44Aは、エンジンカバー17のアッパカバー17aから露出された位置に配置される。
下方延出部44Bは、上方延出部44Aと連続するように、タンク本体41の上壁41aから下向きに延出する。具体的には、下方延出部44Bは、タンク本体41の上壁41aの略中央から鉛直方向の下方に向かって延出する。したがって、下方延出部44bはタンク本体41の空間42内に位置する。
下方延出部44Bは、円筒状の側壁部49と、下部に底部50とを有する。側壁部49は、底部50から所定の高さの位置に、内周面からフィラーパイプ43の鉛直中心線Cに向かって突出する段部51が形成される。段部51は、一部を除いて内周面に沿った環状に形成されている。段部51は、図示しないストレーナを支持する。また、側壁部49は、段部51よりも僅かに高い位置に、前側の内周面から鉛直中心線Cに向かって突出する突起部52が形成される。突起部52は、ストレーナが上方延出部44Aの給油口48から抜け出ないようにストレーナを保持する。
図4は、フィラーパイプ43を図3の矢印A方向から見た斜視図である。図4に示すように、突起部52は、側壁部49の内周面のうち段部51が欠落している一部の上方に位置する。
底部50は、鉛直中心線Cに対して直交する板状である。本実施形態の底部50には、燃料流入口53が形成されている。燃料流入口53は、タンク本体41内の空間42とフィラーパイプ43内の空気室45とを連通させる。したがって、上方延出部44Aの給油口48から給油された燃料は、フィラーパイプ43内の空気室45から燃料流入口53を通ってタンク本体41の空間42に流入させる。本実施形態の燃料流入口53は、底部50のうち前側に偏倚した位置に形成される。ここでは、燃料流入口53は、鉛直中心線Cよりも前側に位置している。具体的には、燃料流入口53は、鉛直中心線C側から、円形状の底部50のうち前側の外縁に向かって切り欠かれ、略U字状に形成される。図4に示すように、燃料流入口53は、半径rの円弧部54と、幅寸法2rの溝部55とを有する。このように、燃料流入口53は、鉛直中心線C側から側壁部49に向かって溝部55の幅寸法が平行または狭くなるように設定されている。底部50に燃料流入口53を前側に偏倚させて形成したことで、図3の断面図では下方延出部44Bの後側の側壁部49と底部50とによって略L字状に形成される。
また、下方延出部44Bの側壁部49には、燃料流入口53と繋がる切除部56が形成されている。切除部56は、燃料流入口53と同様に、タンク本体41内の空間42とフィラーパイプ43内の空気室45とを連通させる。切除部56は、側壁部49のうち前側の位置に形成される。具体的には、切除部56は、燃料流入口53から上側に向かって切り欠かれる。本実施形態の切除部56は、上端が段部51に近接、あるいは、上壁41aの下面に近接している。本実施形態では、図3に示すように、切除部56の上端から、その上端に最も近接した上壁41aの下面までの上下方向の距離Sは、側壁部49の厚みT(平均厚み)の3倍よりも小さく(S<3T)、さらには2倍よりも小さい(S<2T)。このように切除部56の上端を上壁41aの下面に近接させることで、空気室45から切除部56を通ってタンク本体41内の空間42内に燃料を導くことができる。また、図4に示すように、切除部56は、幅寸法が燃料流入口53の幅寸法2rと同一寸法に形成されている。
燃料タンクキャップ60は、上方延出部44Aの給油口48からタンク本体41内の燃料が漏れ出ないように給油口48を閉塞する。燃料タンクキャップ60は、キャップ本体61と、摘み部70と、脱落防止部78とを備える。
キャップ本体61は、側部62と蓋部64とを有し、カップ状に形成される。側部62は、内周面に雌ネジ部63が形成され、タンク本体41の上方延出部44Aの雄ネジ部47に螺合する。蓋部64の内側には、給油口48の開口面に当接するパッキン材65が設けられる。蓋部64は、鉛直中心線Cと同軸上に雌ネジ66が形成される。また、蓋部64は、雌ネジ66に近接した位置に鉛直中心線Cと平行にブリーザ孔67が形成される。ブリーザ孔67は、摘み部70によって閉塞されていない状態ではフィラーパイプ43の空気室45を介してタンク本体41の空間42と外部とを連通させる。したがって、ブリーザ孔67は、タンク本体41の空間42内を外部と同一の圧力(大気圧)にすることができる。
摘み部70は、摘み本体71と、フィルタ74とを有する。摘み本体71は、下面にブリーザ孔67の開口面に当接するパッキン材72が設けられる。また、摘み本体71は、下端に鉛直中心線Cと同軸上に、蓋部64の雌ネジ66と螺合する取付ネジ73が結合されている。したがって、摘み本体71を回動させることで取付ネジ73が回動し、摘み本体71が上下方向に進退する。このとき、摘み本体71のパッキン材72がブリーザ孔67の開口面に当接するまで、摘み本体71を回動させることでブリーザ孔67が閉塞される。フィルタ74は、取付ネジ73の先端側であって、フィルタプレート75と環状のストッパ76との間に配置されている。フィルタ74は、船体1が走行中に揺れてタンク本体41内で跳ね上がった燃料をブリーザ孔67から漏れ出ないように遮断する。一方、フィルタ74は、気体を通過させることが可能である。また、フィルタ74と取付ネジ73との間には取付ネジ73の軸方向に沿ってスプリング77が配設される。
脱落防止部78は、紐体としてのチェーン79と、係止体81とを有する。チェーン79は、一端が取付ネジ73にリング80を介して接続され、他端が係止体81に接続される。チェーン79は、例えば金属球が連接されたボールチェーンである。係止体81は、例えば弾性変形可能な金属線材を湾曲して形成される。係止体81の両端の長さは、通常時では給油口48の内径よりも大きく、更に、燃料流入口53および切除部56を合わせた孔の径よりも大きい。一方、係止体81の両端を近接させる方向に力を掛けることで給油口48の内径よりも小さく、かつ、燃料流入口53および切除部56を合わせた孔の径よりも小さく変形する。したがって、係止体81の両端を近接させた状態で給油口48と、燃料流入口53および切除部56とに挿入することで、係止体81をタンク本体41内に配置させることができる。タンク本体41内に係止体81を配置させることで、チェーン79を介してキャップ本体61がタンク本体41から離脱しないように係止させる。
次に、上述したように構成される燃料タンク40に貯留された燃料が、船外機本体13がチルトアップした場合でも漏れ出ない作用について図5および図6を参照して説明する。なお、図5および図6では、理解を容易にするためにストレーナ、脱落防止部78、フィルタ74などを省略して図示している。
図5は、チルトアップ前におけるタンク本体41内に貯留されている燃料の状態を示す図である。図5では、フィラーパイプ43の空気室45には燃料が所定の高さまで満たされている。また、タンク本体41の空間42内には燃料が空気室45内の燃料の油面の同じ高さまで貯留されている。このとき、タンク本体41の空間42内の燃料の油面は、タンク本体41の上壁41aに近接する高さまで到っている。
本実施形態では、下方延出部44Bの側壁部49に切除部56を形成し、切除部56の上端の位置を上壁41aの下面に近接させたことから、空気室45から切除部56を通ってタンク本体41内の空間42内に燃料を導くことができる。すなわち、燃料は切除部56の上端の直下まで満たすことができる。したがって、タンク本体41の空間42内の燃料を、タンク本体41の上壁41aの下面に近接する位置まで満たすことができる。
図6は、チルトアップ時におけるタンク本体41内に貯留されている燃料の状態を示す図である。図6では、フィラーパイプ43の空気室45には燃料がある程度の位置まで満たされているが、空気が多くの割合を占めている。具体的には、空気室45にはチルトアップしたときの燃料流入口53の上端の位置まで燃料が満たされている。一方、タンク本体41の空間42内には燃料がチルトアップしたときの後壁41dに近接した高さまで貯留されている。すなわち、空気室45内の燃料の油面の高さが、タンク本体41の空間42内の燃料の油面の高さよりも低い状態である。このように、空気室45内の燃料の油面の高さが低く維持されるのは、空間42内の燃料が空気室45内に流入しようとしても、空間42内の燃料の油面と後壁41dとの間にある空気の容積が増えることができず、空間42内が負圧になるためである。
本実施形態のように、下方延出部44Bの底部50には船外機10の前側に偏倚した位置に燃料流入口53を設けたことにより、船外機本体13をチルトアップしたときの燃料流入口53の上端の位置を低くすることができる。したがって、チルトアップしたときの空気室45内の燃料の油面の高さを燃料流入口53の上端の位置に倣って低くすることができると共に、空気室45内に占める空気の量を多くすることができる。このように、空気室45内の燃料の油面の高さを低く維持することができることで、船外機本体13をチルトアップしたときに燃料がタンク本体41から漏れ出すことを防止することができる。特に、タンク本体41回りの温度が上昇して燃料の体積が増えてしまうと共に、燃料タンクキャップ60とフィラーパイプ43との螺合状態が緩い場合であっても、燃料がタンク本体41の給油口48から漏れ出すことを防止することができる。
また、図6に示すように、船外機本体13をチルトアップしたときの燃料流入口53の上端の位置は、ブリーザ孔67の開口を通る水平線Hよりも低い位置である。したがって、摘み部70でブリーザ孔67を閉塞せずに船外機本体13をチルトアップしてしまった場合であっても、燃料がブリーザ孔67から漏れ出すことを防止することができる。
なお、本実施形態の船外機本体13はチルトアップさせた状態で、更にスイベルブラケット12を介して旋回させることができる。この場合には、燃料タンク40も図6の状態からドライブシャフト27を回動中心として旋回する。ここで、本実施形態の燃料流入口53の溝部55が鉛直中心線C側から側壁部49に向かって幅寸法が平行または狭くなるように設定されている。したがって、船外機本体13をチルトアップした状態から旋回させて、燃料流入口53の上端の位置が変化した場合であっても、燃料流入口53の上端の位置を低い状態にしたままにすることができ、燃料がタンク本体41から漏れ出すことを防止することができる。
また、本実施形態によれば、下方延出部44Bには側壁部49の一部を切り欠いて燃料流入口53と繋がる切除部56を設けたことにより、チルトアップしない状態で給油口48から燃料を給油することで、空気室45から燃料流入口53のみならず切除部56を通ってタンク本体41内の空間42内に燃料を導くことができる。したがって、タンク本体41の空間42内には切除部56の上端まで燃料を貯留させることができ、タンク本体41の空間42内に貯留できる燃料を増やすことができる。
以上、本発明に係る実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲内で変更等が可能である。
上述した実施形態では、タンク本体41の形状が略扁平状である場合について説明したが、この場合に限られない。本実施形態は、船外機本体13をチルトアップしたときに、タンク本体41の後壁41dの高さが給油口48よりも高くなるような構造の燃料タンク40に用いることができる。
1:船体 10:船外機 13:船外機本体 18:エンジン 40:燃料タンク 41:タンク本体 42:空間 43:フィラーパイプ 44A:上方延出部 44B:下方延出部 45:空気室 46:側壁部 48:給油口 49:側壁部 50:底部 53:燃料流入口 56:切除部 60:燃料タンクキャップ 61:キャップ本体 67:ブリーザ孔

Claims (3)

  1. 船体に対してチルトアップ可能な船外機本体に内蔵される船外機の燃料タンクであって、
    燃料が貯留されるタンク本体と、
    前記タンク本体の上面から上向きに延出し上部に給油口を有する上方延出部、および、前記タンク本体内に延出し下部に底部を有する下方延出部が設けられた筒状のフィラーパイプと、
    前記給油口を塞ぐ燃料タンクキャップと、を備え、
    前記下方延出部の底部は、前記船外機の前側に偏倚した位置に前記タンク本体内に燃料を流入させる燃料流入口が設けられていることを特徴とする船外機の燃料タンク。
  2. 前記燃料タンクキャップは、ブリーザ孔が設けられ、
    前記船外機本体をチルトアップして前記燃料タンクが前方に傾斜した状態では、前記燃料流入口の上端が、前記ブリーザ孔を通る水平線よりも低い位置であることを特徴とする請求項1に記載の船外機の燃料タンク。
  3. 前記下方延出部は、側壁部の一部を切り欠いて前記燃料流入口と繋がる切除部が設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の船外機の燃料タンク。
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