JP2017126434A - コイン形電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】コイン形電池の誤飲による生体への危害を低減する。【解決手段】発電要素と、前記発電要素を密閉収容する外装体と、を具備し、前記外装体は、底板部および前記底板部の周縁から立ち上がる側部を有し、外面が第1端子面を有するケースと、天板部および前記天板部から前記側部の内側へ延びる周縁部を有し、外面が第2端子面を有する封口板と、前記側部と前記周縁部との間に圧縮されて介在するガスケットと、前記ケースおよび前記封口板の少なくとも一方の前記外装体の外部に配される領域の80%以上を遮蔽する絶縁被膜と、を具備し、外部回路に装着されるときに、前記絶縁被膜の少なくとも一部が損傷して、前記第1端子面と前記第2端子面とが前記外部回路に電気的に接続される、コイン形電池。【選択図】図1

Description

本発明は、コイン形電池に関し、さらに詳しくは、誤飲に対する安全性を高めたコイン形電池に関する。
コイン形電池は、小型機器やメモリバックアップなどの電源として広く用いられている。コイン形電池の用途は拡大の一途にあるが、これに伴い、コイン形電池の誤飲に対する対策の重要性が増している。コイン形電池が生体内に取り込まれると、コイン形電池のケースおよび封口板のそれぞれの端子面が体液と接触し、水の電気分解が進行する。体液のpHは概ね中性であるが、水の電気分解が進行すると、負極側の端子面近傍の体液がアルカリ性に変化し、生体に危害を及ぼす。
そこで、特許文献1は、誤飲を防止する観点から、電池の表面に苦味物質を含有する導電性被膜を形成することを提案している。
一方、ケースと封口板との接触による短絡を抑制する観点から、封口板の周縁に沿って周回状に絶縁性材料を被覆することが提案されている(特許文献2)。
特開平4−312762号公報 特開2008−21566号公報
しかし、特許文献1の方法では、生体がコイン形電池を吐き出さずに飲み込んでしまった場合には、上記危害を避けることができない。また、特許文献2の場合、端子面のほとんどが露出しているため、上記危害を避けることができない。
上記に鑑み、本発明は、誤飲による生体への危害を低減することができる、安全性の高いコイン形電池を提供することを目的とする。
本発明の一局面は、発電要素と、前記発電要素を密閉収容する外装体と、を具備し、前記外装体は、底板部および前記底板部の周縁から立ち上がる側部を有し、外面が第1端子面を有するケースと、天板部および前記天板部から前記側部の内側へ延びる周縁部を有し、外面が第2端子面を有する封口板と、前記側部と前記周縁部との間に圧縮されて介在するガスケットと、前記ケースおよび前記封口板の少なくとも一方の前記外装体の外部に配される領域の80%以上を遮蔽する絶縁被膜と、を具備し、外部回路に装着されるときに、前記絶縁被膜の少なくとも一部が損傷して、前記第1端子面と前記第2端子面とが前記外部回路に電気的に接続される、コイン形電池に関する。
本発明によれば、コイン形電池の誤飲による生体への危害を低減することができる。
本発明の実施形態に係るコイン形電池の構成を示す縦断面図である。
本発明の実施形態に係るコイン形電池は、発電要素と、発電要素を密閉収容する外装体とで構成されている。外装体は、開口を有する有底のケースと、ケースの開口を塞ぐ封口板と、ケースの側部の端部(開口端部)と封口板の周縁部との間に介在するガスケットとを具備している。発電要素は、第一電極と、第二電極と、これらの間に介在するセパレータと、電解液とを具備する。ケースと封口板とで形成される空間に発電要素を充填した後、ケースの開口端部を、ガスケットを介して封口板の周縁部にかしめることで、発電要素が外装体の内部に密閉収容される。
コイン形電池には、ボタン形も含まれる。すなわち、コイン形電池の形状および直径は特に限定されない。例えば、電池の厚さが直径より大きいボタン形電池もコイン形電池に包含されるものとする。
より詳細には、ケースは、底板部および底板部の周縁から立ち上がる側部を有する。底板部は、通常、円形であるが、円形に近い形状(例えば楕円形)でもよい。底板部の外面は第1端子面として機能し、使用機器の外部回路が具備する一方の端子に接続される。封口板は、天板部および天板部からケースの側部の内側へ延びる周縁部を有する。天板部は、底板部の形状に対応しており、通常、底板部より直径の小さい円形である。天板部の外面は第2端子面として機能し、使用機器の外部回路が具備する他方の端子に接続される。コイン形電池の厚さTは、底板部の直径Dより小さい場合が多く(T<D)、例えば1.2mm≦T≦5.0mm、9mm≦D≦24.5mmである。ケースの側部と封口板の周縁部との間には、ガスケットが圧縮されて介在している。
ここで、ケースおよび封口板の少なくとも一方において、外装体の外部に配される領域の80%以上は、絶縁被膜で遮蔽されている。これにより、仮に外装体の外面が全面的に体液で濡れた場合でも、水の電気分解を伴う電流が流れにくくなる。よって、コイン形電池が誤飲された場合でも体液が大きくアルカリ性に変化することがなく、生体への危害を低減することができる。水の電気分解を高度に抑制する観点からは、ケースおよび封口板の少なくとも一方の外装体の外部に配される領域の90%以上が絶縁被膜で遮蔽されていることが望ましく、ケースおよび封口板の少なくとも一方の外装体の外部に配される領域の全面が絶縁被膜で遮蔽されていることがより望ましい。ケースおよび封口板の少なくとも一方の外装体の外部に配される領域の全面が絶縁被膜で遮蔽されていることは、外装体の外面が全面的に体液で濡れた場合でも水の電気分解が事実上進行しないことを意味する。水の電気分解を事実上進行させないように、絶縁被膜は、外装体の外部に露出するケースの全面または封口板の全面に亘って分布することが望ましい。
絶縁被膜は、外装体の外部に配されるケースの全面および封口板の全面に亘って分布するように設けてもよい。この場合、水の電気分解が進行する確率が更に低くなり、コイン形電池の安全性が高められる。また、仮に、絶縁被膜の一部が損傷し、ケースと封口板とが体液で短絡した場合であっても、そのような短絡が生じる面積が損傷個所に限定されるため、流れる電流を僅かに抑えることができる。
ケースおよび封口板の少なくとも一方において、外装体の外部に配される領域の80%を絶縁被膜で遮蔽した場合、正極と負極とが体液もしくは水で短絡したときに流れる電流は、例えば700μA/cm2以下に抑制される。すなわち、短絡電流に対する抵抗が十分に大きく、水の電気分解も十分に抑制される。一方、ケースおよび封口板の少なくとも一方の外装体の外部に配される領域の全面を絶縁被膜で遮蔽した場合、正極と負極とが体液もしくは水で短絡しても、電流が検知されず、あるいは僅かな電流が検知されたとしても10μA/cm2以下の電流しか流れない。すなわち、事実上、水の電気分解も進行しない。
絶縁被膜は、ケースおよび封口板の少なくとも一方の外装体の外部に配される領域の80%以上に、体液もしくは水を遮蔽できる状態で分布していればよい。よって、水の電気分解を十分に抑制でき、もしくは事実上進行させないのであれば、絶縁被膜にピンホールが存在してもよく、絶縁被膜が多孔質であってもよい。また、絶縁被膜を、島状、ドット状、ストライプ状などの形態でケースおよび封口板の外面に付着させてもよい。絶縁被膜を封口板の天板部の外面またはケースの底板部の外面にドーナツ状に形成してもよい。
外装体の外面が水で覆われてから30分間以内に流れる平均的な短絡電流が700μA/cm2以下である場合には、ケースおよび封口板の少なくとも一方の外装体の外部に配される領域の80%が絶縁被膜で遮蔽されていると判断することができる。短絡電流は、電池の外装体の外面を水で覆った後、30分間放置し、電池の外装体の外面を水で覆う前後の容量差(初期容量−30分放置後の残存容量)を測定し、その容量差を電池の封口板の天板部の面積と時間(1800秒)で除することで得られる。
第一電極と第二電極とは、互いに異なる極性を有する。すなわち、第一電極が正極(または負極)である場合、第二電極は負極(または正極)である。コイン形電池がリチウム電池である場合、外装体内に、正極はケースの底板部に対向するように収容され、負極は封口板の天板部に対向するように収容されることが一般的である。ただし、正負極の配置はこれに限定されない。
絶縁被膜は、ケースの外面または封口板の外面のうち、外装体の外部に配される(すなわち外装体の外部に露出する)部位にだけ形成すればよい。例えば、封口板の周縁部の外面は、ケースの側部の内側でガスケットにより覆われ、電池の内部に埋没している。よって、封口板の周縁部の外面には、絶縁被膜を設ける必要はない。ただし、コイン形電池の安全性が高める観点から、封口板の周縁部の外面にも絶縁被膜を形成してもよい。
別途、ケースの側部の端部を絶縁材料で被覆してもよい。例えば、ケースの外面に絶縁被膜を形成する場合でも、ケースの側部の端部(開口端部)では、絶縁被膜の下地である金属板が露出しやすいからである。
コイン形電池は、その使用時に使用機器の正負極端子間に装着される。このとき、ケースの第1端子面と封口板の第2端子面とが、使用機器の正負極端子と導通することが必要である。この点、コイン形電池が使用機器もしくは外部回路に装着されるときには、コイン形電池の第1端子面および第2端子面に外力もしくは圧力が加えられる。これにより、絶縁被膜の少なくとも一部が損傷し、例えば絶縁被膜の一部が削られて、第1端子面および第2端子面と外部回路とが電気的に接続される。
なお、コイン形電池が外部回路に装着されるときに第1端子面または第2端子面に加えられ得る荷重は、通常50g重以上である。よって、第1端子面と第2端子面にそれぞれ50g重以上の荷重が印加されると絶縁被膜が損傷するように、絶縁被膜の厚さや強度を設定することが望ましい。
絶縁被膜は、少なくとも、外装体の外部に配される封口板の全面に亘って分布するように設けられることが望ましい。封口板の周縁部および端部(エッジ面)は、ケースの側部の内側に配置され、外部に露出しないので、封口板の外面の露出面積はケースよりも小さく、端部も露出しない。そのため、封口板の外面だけに絶縁被膜を設けることが効率的である。また、製造工程や電池の取り扱いの際、封口板に形成された絶縁被膜は、ケースに形成された絶縁被膜よりも剥落しにくい。
絶縁被膜を形成する材料は、特に限定されないが、撥水性材料を含むことが望ましい。撥水性材料を含む絶縁被膜は、体液で濡れにくいため、体液と外装体との接触を抑制する効果が高められる。撥水性材料は、特に限定されないが、フッ素を含む材料が好ましく、フッ素樹脂、フッ化黒鉛などを用いることが好ましい。中でも、フッ素樹脂は、撥水性が高く、剥離しにくい点で、被膜成分として適している。生体の体液とケースおよび/または封口板との接触を十分に抑制する観点から、絶縁被膜と水との接触角は、90度(°)以上であることが望ましく、110度以上であることが更に望ましい。
フッ素樹脂としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、PVDFの変性体、ポリフッ化ビニル(PVF)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、エチレン−クロロトリフルオロエチレン共重合体(ECTFE)、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体などを用いることができる。
絶縁被膜の厚さは、0.5μm〜20μmが好ましく、1μm〜10μmがより好ましい。この範囲であれば、コイン形電池を外部回路に装着するときの外力もしくは圧力によって絶縁被膜が損傷しやすく、かつ外部回路に装着するとき以外は、十分な強度を有し、損傷を受けにくいからである。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態に係るコイン形電池について説明する。ただし、以下の実施形態は、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
図1は、本発明の実施形態に係るコイン形電池の縦断面図である。
コイン形電池10は、ケース1と、封口板6と、ガスケット5とで構成される外装体を具備する。ケース1は、底板部1aおよび底板部1aの周縁から立ち上がる側部1bを有する円筒形で底浅の電池缶である。封口板6は、天板部6aおよび天板部6aからケース1の側部1bの内側へと延びる周縁部6bを有する。ガスケット5の一部は、ケース1の側部1bと封口板6の周縁部6bとの間に介在することにより、ケース1と封口板6との隙間を封止している。
外装体の内部には発電要素が収容されている。発電要素は、正極2、負極3、セパレータ4および電解液(図示せず)を含む。図示例では、正極2はケース1の底板部1aと対向するように配置されている。よって、底板部1aの外面の第1端子面は、正極端子として機能する。一方、負極3は封口板6の天板部6aと対向するように配置される。よって、天板部6aの外面の第2端子面は、負極端子として機能する。
ケース1の素材としては、正極電位で耐腐食性を有する金属板を用いることが望ましい。例えば、リチウム電池のケース1には、ステンレス鋼(SUS430、SUS444、SUS329Jなど)、チタン、チタン合金などを用いることが望ましい。
封口板6の素材には、機械的強度に優れる金属板を用いることが望ましく、ステンレス鋼(SUS304、SUS316、SUS430など)を用いることが望ましい。ただし、安価な普通鋼や炭素鋼などの金属板を使用することもできる。普通鋼とは、JISに規定されるSS材、SM材、SPCC材のような鋼材である。炭素鋼は、S10C、S20C、S30C、S45C、S55Cのような鋼材であり、機械構造用合金鋼に属する。普通鋼や炭素鋼を用いる場合には、電池の内面側に、錆止め用のめっき層(例えばニッケルめっき層)を形成することが望ましい。通常、普通鋼や炭素鋼で形成されたケースの内面側と外面側の両面にニッケルめっき層が形成される。
図示例では、外装体の外部に露出するケース1の全面と封口板6の全面に、それぞれ絶縁被膜7a、7bが形成されている。絶縁被膜7a、7bを形成することで、コイン形電池が生体に誤飲された場合でも、生体の体液のpHが大きくなることが抑制される。よって、生体への危害を小さくすることができる。
次に、リチウム電池を例にとって、コイン形電池の製造方法について説明する。
コイン形電池は、発電要素を準備する工程(i)と、ケース1を準備する工程(ii)と、封口板6を準備する工程(iii)と、ガスケット5を準備する工程(iv)と、ケース1に発電要素を収容した後、封口板6でケース1の開口を塞ぎ、ケース1の開口端部を、ガスケット5を介して、封口板6の周縁部に加締める工程(v)と、ケース1および/または封口板6の外面に絶縁被膜を形成する工程(vi)と、を具備する製造方法により製造される。ケース1および/または封口板6に用いる金属板の厚さは、例えば0.1〜0.4mmである。
工程(ii)では、例えば、ステンレス鋼板を絞り加工して、有底の円筒状に成形することにより、ケース1が作製される。ステンレス鋼板の少なくとも電池の外面に対応する表面には、ニッケルめっき層が形成されていることが好ましい。
工程(iii)では、例えば、金属板をプレス加工することにより、所定形状の封口板が形成される。金属板の少なくとも電池の外面に対応する表面には、ニッケルめっき層が形成されていることが好ましい。
工程(iv)では、封口板6の周縁部に勘合する環状の溝部を有するガスケット5が準備される。ガスケット5は、予め封口板6の周縁部に装着させてもよい。ガスケット5の材質としては、例えば、ポリプロピレン(PP)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)などを用いることができる。
工程(v)では、ケース1の内部に発電要素を収容し、ケース1の開口を塞ぐように封口板6を配置する。その後、ケース1の開口端部(側部の端部)を内側に折り曲げる。これにより、ガスケット5が圧縮され、ガスケット5の下端部はケース1の底板部に密着する。また、ガスケット5の上端部は、封口板6の周縁部に密着する。
工程(vi)で絶縁被膜を形成する方法は、特に限定されない。例えば、フッ素樹脂などの撥水性材料を分散させた溶液または分散液を調製し、例えばエアースプレー方式で電池の外装体の所望の箇所に溶液または分散液を塗布し、乾燥させればよい。また、撥水性材料の粉体を、例えば静電スプレー方式で、電池の外装体の所望の箇所に塗布してもよい。続いて、撥水性材料と外装体との密着性を高めるために、電池を45〜100℃に加熱してもよい。
なお、絶縁被膜を形成する工程は、予め、ケースまたは封口板に加工する前の素材に対して施してもよい。ただし、絶縁被膜は、例えば50g重の荷重で損傷するように形成されるため、加工時に損傷を受けやすい。よって、ケースの開口端部を封口板にかしめる工程(以下、封口工程)を行った後に、絶縁被膜を形成することが望ましい。中でも簡易な方法として、封口工程を終えた電池の外装体の外面の全体に撥水性材料を含む溶液または分散液を塗布し、乾燥させて、適度な強度の絶縁被膜を外装体の外面の全体に形成する方法が挙げられる。
次に、リチウム電池を例にとって、コイン形電池の発電要素について説明する。
正極2は、正極合剤をコイン形に加圧成形することにより形成される。正極合剤は、正極活物質、導電助剤およびバインダーを含む。正極活物質の種類は、特に限定されないが、マンガン、コバルト、ニッケル、マグネシウム、銅、鉄、ニオブなどの遷移金属よりなる群から選択される少なくとも1種を含む酸化物(例えば二酸化マンガン)または複合酸化物を用いることができる。リチウムを含み、マンガン、コバルト、ニッケル、マグネシウム、銅、鉄、ニオブなどの金属よりなる群から選択される少なくとも1種を含む複合酸化物(例えばLiCoO2)も用いることができる。また、フッ化黒鉛を用いることもできる。正極活物質は1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
導電助剤としては、アセチレンブラック、ケッチェンブラックなどのカーボンブラック、人造黒鉛などの黒鉛類を使用できる。導電助材は1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
バインダーとしては、例えば、フッ素樹脂、スチレンブタジエンゴム(SBR)、変性アクリロニトリルゴム、エチレン−アクリル酸共重合体などが挙げられる。結着剤は1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
負極3は、例えば、コイン形に成形されたリチウム金属またはリチウム合金である。リチウム合金としては、Li−Al合金、Li−Sn合金、Li−Si合金、Li−Pb合金などが挙げられる。負極3は、負極活物質およびバインダーを含む負極合剤をコイン形に加圧成形したものでもよい。負極活物質の種類は、特に限定されないが、天然黒鉛、人造黒鉛、難黒鉛化性炭素などの炭素材料、酸化珪素、チタン酸リチウム、五酸化ニオブ、二酸化モリブデンなどの金属酸化物を用いることができる。バインダーとしては、例えば、正極に用い得る材料として例示した材料を任意に用いることができる。負極合剤に導電助剤を含ませてもよい。
電解液は、非水溶媒と、これに溶解する溶質(塩)とを含む。電解液中の溶質濃度は0.3〜2.0mol/Lが好ましい。非水溶媒としては、環状炭酸エステル、鎖状炭酸エステル、鎖状エーテル、環状エーテルなどを用いることができる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。溶質としては、LiBF4、LiPF6、LiClO4、LiCF3SO3、LiC49SO3、LiN(CF3SO22、LiN(C25SO22などが用いられる。
セパレータ4は、正極2と負極3との短絡を防止できる材料であればよい。例えば、ポリオレフィン、ポリエステルなどで形成された織布、不織布、微多孔フィルムなどが挙げられる。
次に、本発明を実施例に基づいて具体的に説明する。ただし、以下の実施例は本発明を限定するものではない。なお、本実施例では、図1に示すような構造のコイン形電池を作製した。
《実施例1》
(i)ケース
表面に厚み3μmのニッケルめっき層を形成したステンレス鋼板(SUS430、厚み200μm)を絞り加工して、底板部の直径が20mm、側部1bの高さが2.8mmのケース1を作製した。
(ii)封口板
表面に厚み3μmのニッケルめっき層を有するステンレス鋼板(SUS430、厚み250μm)をプレス加工して、天板部6aの直径が17mmの封口板6を作製した。
(iii)発電要素
正極活物質である二酸化マンガン100質量部と、導電助剤である黒鉛7質量部と、結着剤であるポリテトラフルオロエチレン5質量部とを混合して、正極合剤を調製した。正極合剤を直径15mm、厚さ2mmのコイン形に成形して正極2を作製した。一方、厚さ0.6mmの金属リチウム箔を直径16mmの円形に打ち抜いて負極3を作製した。電解液には、プロピレンカーボネートと1,2−ジメトキシエタンとを体積比2:1で混合した非水溶媒に、溶質としてLiClO4を濃度1.0mol/Lで溶解させた有機電解液を用いた。
(iv)コイン形電池の組み立て
ケース1の側部1bの内側に、ブロンアスファルトと鉱物油からなる封止剤を塗布したポリプロピレン製のガスケット5を配置するとともに、底板部1aにSUS430製の集電体(図示せず)を配置し、その上に、正極2を載置した。次に、正極2の上に、厚さ300μmのポリプロピレン製の不織布をセパレータ4として載置した。その後、有機電解液をケース1内に注液した。負極3は、封口板6の天板部6aの内側に貼り付けた。次に、ケース1の開口を塞ぐように封口板6を配置し、ケース1の側部1bの端部1tを、ガスケット5を介して封口板6の周縁部6bにかしめた。
(v)絶縁被膜
100質量部の水に、60質量部のPTFE粒子(粒子径1μm以下)を分散させてPTFEの分散液を調製した。この分散液を、外装体の全面にエアースプレー方式で塗布し、乾燥させて、厚さ3μmのPTFEで形成された絶縁被膜をケースと封口板の外面の全体に形成した。
これにより、直径20mm、厚さ3.2mm、電気容量225mAhのコイン形電池A1を完成させた。
《比較例1》
ケースおよび封口板のいずれの外面にも絶縁被膜を形成しなかったこと以外、実施例1と同様に、コイン形電池B1を完成させた。
[評価]
実施例1および比較例1のコイン形電池を、それぞれ10個作製した。
深さ15mmのシャーレの底部に豚肉を原料とする加工食肉(ハム)を載置し、続いて体液の代わりに生理食塩水をシャーレに注ぎ、ハムを完全に生理食塩水に浸した。次に、評価用の電池を、封口板がハムに接触するようにハムの上に載置した。このとき、電池が浮かないように電池のケース底面(底板部の外面)を生理食塩水の液面より僅かに下にして、ケース底面に食塩水の膜が形成される状態にした。この状態で、25℃で30分間放置した。その後、封口板と接触していたハムの状態を目視で観察したところ、実施例1の電池を載置したハムには、ほとんど変色が見られず、30分間の放置中に電池容量の実質的な変化は見られなかった。一方、比較例1の電池を載置したハムには、激しい変色がみられた。各例の10個の電池は、いずれも同じ傾向を示した。
次に、封口板と接触していたハムの表面のpHを測定し、それぞれ10個の平均値を算出した。結果を表1に示す。
次に、実施例1および比較例1の電池の正負極端子間に1kHzの交流電圧を印加して内部抵抗(端子間抵抗)を測定した。ただし、各端子面に対する荷重は50g重とした。このとき、外部回路には電流が流れ、端子間抵抗は表1に示す通りであった。
Figure 2017126434
以上より、本発明によれば、生体によるコイン形電池の誤飲が生じた場合でも、生体に対する危害を大きく低減できることが明らかとなった。また、電池と外部回路との導通を阻害しないように絶縁被膜を形成できることが判明した。
上記実施例では、絶縁被膜をPTFEで形成したが、その他の絶縁材料で絶縁被膜を形成する場合でも、同様にコイン形電池の安全性を高めることができるものと考えられる。
本発明は、リチウム電池、アルカリ電池、アルカリ蓄電池など、一次電池および二次電池を含む様々な電池に適用できるが、電池電圧が3.0Vを超える電池(例えばリチウム電池)において特に有用である。
1:ケース、1a:底板部、1b:側部、1t:端部、2:正極、3:負極、4:セパレータ、5:ガスケット、6:封口板、6a:天板部、6b:周縁部、7a,7b:絶縁被膜、10:コイン形電池

Claims (6)

  1. 発電要素と、前記発電要素を密閉収容する外装体と、を具備し、
    前記外装体は、
    底板部および前記底板部の周縁から立ち上がる側部を有し、外面が第1端子面を有するケースと、
    天板部および前記天板部から前記側部の内側へ延びる周縁部を有し、外面が第2端子面を有する封口板と、
    前記側部と前記周縁部との間に圧縮されて介在するガスケットと、
    前記ケースおよび前記封口板の少なくとも一方の前記外装体の外部に配される領域の80%以上を遮蔽する絶縁被膜と、を具備し、
    外部回路に装着されるときに、前記絶縁被膜の少なくとも一部が損傷して、前記第1端子面と前記第2端子面とが前記外部回路に電気的に接続される、コイン形電池。
  2. 前記第1端子面と前記第2端子面にそれぞれ50g重以上の荷重が印加されることによって、前記絶縁被膜の少なくとも一部が損傷する、請求項1に記載のコイン形電池。
  3. 前記絶縁被膜が、撥水性材料を含む、請求項1または2に記載のコイン形電池。
  4. 前記撥水性材料が、フッ素樹脂である、請求項3に記載のコイン形電池。
  5. 前記絶縁被膜の厚さが、0.5μm〜20μmである、請求項1〜4のいずれか1項に記載のコイン形電池。
  6. 前記側部の端部が、絶縁材料で被覆されている、請求項1〜5のいずれか1項に記載のコイン形電池。
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