JP6695047B2 - コイン形電池 - Google Patents

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Description

本発明は、コイン形電池に関し、さらに詳しくは、誤飲に対する安全性を高めたコイン形電池に関する。
コイン形電池は、小型機器やメモリバックアップなどの電源として広く用いられている。コイン形電池の用途は拡大の一途にあるが、これに伴い、コイン形電池の誤飲に対する対策の重要性が増している。コイン形電池が生体内に取り込まれると、コイン形電池のケースおよび封口板のそれぞれの端子面が体液と接触し、水の電気分解が進行する。体液のpHは概ね中性であるが、水の電気分解が進行すると、負極側の端子面近傍の体液がアルカリ性に変化し、生体に危害を及ぼす。
そこで、特許文献1は、誤飲を防止する観点から、電池の表面に苦味物質を含有する導電性被膜を形成することを提案している。
特開平4−312762号公報
しかし、特許文献1の方法では、生体がコイン形電池を吐き出さずに飲み込んでしまった場合には、上記危害を避けることができない。
上記に鑑み、本発明は、誤飲による生体への危害を低減することができる、安全性の高いコイン形電池を提供することを目的とする。
本発明の一局面は、発電要素と、前記発電要素を密閉収容する外装体と、を具備し、前記外装体は、底板部および前記底板部の周縁から立ち上がる側部を有し、外面が第1端子面を有するケースと、天板部および前記天板部から前記側部の内側へ延びる周縁部を有し、外面が第2端子面を有する封口板と、前記側部と前記周縁部との間に圧縮されて介在するガスケットと、を具備し、前記外装体の外面の少なくとも一部が、酸性物質を含む被膜で覆われており、前記酸性物質を含む被膜が、少なくとも前記第2端子面に設けられており、前記酸性物質が、酸性基を有する有機高分子、ギ酸、プロピオン酸、コハク酸、シュウ酸、フタル酸、アクリル酸およびメタクリル酸から選択される、コイン形電池に関する。
本発明によれば、コイン形電池の誤飲による生体への危害を低減することができる。
本発明の実施形態に係るコイン形電池の縦断面図である。
本発明の実施形態に係るコイン形電池は、発電要素と、発電要素を密閉収容する外装体とで構成されている。外装体は、開口を有する有底のケースと、ケースの開口を塞ぐ封口板と、ケースの側部の端部(開口端部)と封口板の周縁部との間に介在するガスケットとを具備している。発電要素は、第一電極と、第二電極と、これらの間に介在するセパレータと、電解液とを具備する。ケースと封口板とで形成される空間に発電要素を充填した後、ケースの開口端部を、ガスケットを介して封口板の周縁部に加締めることで、発電要素が外装体の内部に密閉収容される。
コイン形電池には、ボタン形も含まれる。すなわち、コイン形電池の形状および直径は特に限定されない。例えば、電池の厚さが直径より大きいボタン形電池もコイン形電池に包含されるものとする。
より詳細には、ケースは、底板部および底板部の周縁から立ち上がる側部を有する。底板部は、通常、円形であるが、円形に近い形状(例えば楕円形)でもよい。ケースの外面は第1端子面として機能し、使用機器の外部回路が具備する一方の端子に接続される。封口板は、天板部および天板部からケースの側部の内側へ延びる周縁部を有する。天板部は、底板部の形状に対応しており、通常、底板部より直径の小さい円形である。封口板の外面は第2端子面として機能し、使用機器の外部回路が具備する他方の端子に接続される。コイン形電池の厚さTは、底板部の直径Dより小さい場合が多く(T<D)、例えば1.2mm≦T≦5.0mm、9mm≦D≦24.5mmである。ケースの側部と封口板の周縁部との間には、ガスケットが圧縮されて介在している。
外装体の外面の少なくとも一部には、酸性物質を含む被膜が設けられている。ここで、酸性物質とは、水溶性であり、その水溶液が酸性を呈する物質である。コイン形電池が誤飲され、酸性物質を含む被膜が体液と接触すると、被膜から酸性物質が溶け出し、外装体の近傍で拡散する。一方、コイン形電池が体液と接触すると、体液に含まれる水の電気分解が進行し、第1端子面または第2端子面の近傍でアルカリ性物質(特にOH-)が生成する。このとき、外装体の近傍に拡散している酸性物質がアルカリ性物質と反応し、外装体の近傍のアルカリ濃度の上昇が抑制される。すなわち、酸性物質によってアルカリ性の体液が中和される。
酸性物質の酸性度は、1gの酸性物質を100cm3の水に溶解させるとき、得られる水溶液のpHが1〜5となる程度が望ましく、pHが2〜4となる程度がより望ましい。上記範囲であれば生体への酸性物質による影響が小さく、アルカリ性の体液を中和する効果も大きいからである。なお、酸性物質により、外装体の近傍の体液が、例えばpH5以下の酸性になってもよい。酸性の体液は、アルカリ性の体液に比べると、生体に対する影響が小さいからである。
被膜に含ませる酸性物質の量は、特に限定されない。酸性物質が少量でも相応の効果が得られる。コイン形電池の容量から被膜に含ませる酸性物質の量を決定してもよい。水の電気分解は、コイン形電池の容量が消費されると停止するからである。
酸性物質を含む被膜は、少なくとも第2端子面に設けられていることが望ましい。一般的なコイン形電池は、封口板と負極とが導通しており、第2端子面は負極端子となることが多い。水の電気分解による体液のアルカリ性への変化は、負極端子の近傍で進行する。よって、アルカリ性の体液を速やかに中和する観点から、酸性物質を含む被膜は負極端子となる第2端子面に設けることが望ましい。ただし、体液に溶け出した酸性物質は、外装体の近傍に速やかに拡散するため、酸性物質を含む被膜を、例えば第1端子面だけに形成したとしても中和の効果はそれほど損なわれない。
酸性物質を含む被膜を、第1端子面の少なくとも一部および第2端子面の少なくとも一部が露出するように設けてもよい。酸性物質を含む被膜は、外部回路との接続の際には抵抗成分になり得るためである。例えば、第1端子面の全面および第2端子面の中央部には酸性物質を含む被膜を設けず、第2端子面の周縁部だけに、酸性物質を含む環状の被膜を形成してもよい。
一方、酸性物質を含む被膜を薄く形成する場合には、第1端子面の全面および/または第2端子面の全面に酸性物質を含む被膜を形成してもよい。コイン形電池は、その使用時に使用機器の正負極端子間に装着される。このとき、コイン形電池の第1端子面および第2端子面には、外力もしくは圧力が加えられ、薄く形成された被膜が破損して第1端子面および/または第2端子面の少なくとも一部が露出するからである。すなわち、コイン形電池が外部回路に装着されるときに酸性物質を含む被膜の少なくとも一部が損傷し、もしくは削られるため、第1端子面および第2端子面と外部回路との電気的な接続は阻害されない。なお、コイン形電池が外部回路に装着されるときに第1端子面または第2端子面に加えられ得る圧力は、通常50g/重以上である。よって、第1端子面または第2端子面に50g/重以上の荷重が印加されたときに、酸性物質を含む被膜が破損するように被膜強度を設定することが望ましい。
酸性物質を含む被膜は、酸性物質だけで形成してもよく、酸性物質と他の物質との組み合わせでもよい。例えば、酸性物質と中性物質との複合物で酸性物質を含む被膜を形成してもよい。具体的には、酸性物質だけでは被膜として外装体に付着もしくは塗布することが困難な場合には、酸性物質を中性物質と混合して用いてもよい。また、水溶性の中性物質で形成されたマイクロカプセルに酸性物質を内包させてもよい。更に、酸性物質を粘着性物質(結着剤)と混合して被膜にしてもよい。
なお、中性物質とは、酸性基も塩基性基も有さない物質である。1gの中性物質を100cm3の水に溶解させるとき、得られる水溶液のpHは6〜8であることが望ましい。
酸性物質としては、生体に対する影響の小さいものが望ましいが、アルカリ性の体液よりも安全性が高ければ有望な候補となる。中でも、有機酸が好ましい。有機酸は、25℃で固体でもよく、液体でもよい。ただし、取り扱い性に優れる点では、固体の有機酸が望ましい。なお、液体の有機酸は、例えばマイクロカプセルに内包させて用いればよい。また、液体の有機酸と有機高分子とを溶媒に溶解させて溶液とした後、溶液をコイン形電池の外装体に塗布し、溶媒を乾燥により除去すれば、外装体に液体の有機酸を含む被膜を形成することができる。溶媒としては、水が好ましい。
外装体に固体の有機酸を含む被膜を形成するときは、固体の有機酸を溶媒に溶解させて溶液とした後、溶液をコイン形電池の外装体に塗布し、溶媒を乾燥により除去すればよい。溶媒としては、水が好ましい。このとき、有機高分子を溶液に溶解させてもよい。中でも、被膜にすることが容易である点で、酸性基を有する有機高分子を酸性物質として用いることが好ましい。酸性基としては、カルボキシル基、酸無水物基、スルホン酸基、リン酸基、ホウ酸基などが挙げられる。
酸性物質の具体例としては、リン酸、ホウ酸などの無機酸性物質、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、コハク酸、酒石酸、マレイン酸、フマル酸、シュウ酸、フタル酸、アクリル酸、メタクリル酸などの有機酸、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、アクリル酸とメタクリル酸との共重合体、アルギン酸などの有機高分子が挙げられる。
第1端子面および第2端子面の一部を、外部回路との接続箇所として露出させる場合、酸性物質を含む被膜の厚さは、特に限定されないが、1μm〜300μmが好ましく、5μm〜100μmがより好ましい。一方、第1端子面および/または第2端子面の全面に酸性物質を含む被膜を設ける場合、その被膜の厚さは、0.5μm〜20μmが好ましく、1μm〜10μmがより好ましい。この範囲であれば、十分量の酸性物質を含むとともに、コイン形電池が外部回路に装着されるときの外力もしくは圧力によって破損しやすい被膜となりやすい。
酸性物質を含む被膜の外面を、更に中性物質を含む被膜で覆ってもよい。中性物質を含む被膜は、酸性物質を含む被膜が外部回路への装着時以外に剥がれたり破損したりすることを抑制する保護膜として機能する。また、コイン形電池の通常の取り扱い時に、酸性物質が不必要に生体に接触することを防止することができる。
中性物質としては、中性の水溶性高分子が好ましい。水溶性高分子としては、コーンスターチ、マンナン、ペクチン、寒天、デキストリン、にかわ、ゼラチン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドンなどが挙げられる。中性物質を含む被膜は、酸性物質を含む被膜と同じように形成すればよい。例えば、水溶性高分子を溶媒に溶解させて溶液とした後、溶液を、酸性物質を含む被膜の外面に塗布し、溶媒を乾燥により除去すればよい。溶媒としては水が好ましい。
中性物質を含む被膜の厚さは、特に限定されないが、20μm以下が好ましい。この範囲であれば、コイン形電池が外部回路に装着されるときの外力もしくは圧力によって破損しやすい被膜となりやすい。なお、保護膜としての機能を十分に持たせる観点からは、中性物質を含む被膜の厚さは、1μm以上が好ましい。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態に係るコイン形電池について説明する。ただし、以下の実施形態は、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
図1は、本発明の実施形態に係るコイン形電池の縦断面図である。
コイン形電池10は、ケース1と、封口板6と、ガスケット5とで構成される外装体を具備する。ケース1は、底板部1aおよび底板部1aの周縁から立ち上がる側部1bを有する円筒形で底浅の電池缶である。封口板6は、天板部6aおよび天板部6aからケース1の側部1bの内側へと延びる周縁部6bを有する。ガスケット5の一部は、ケース1の側部1bと封口板6の周縁部6bとの間に介在することにより、ケース1と封口板6との隙間を封止している。
外装体の内部には発電要素が収容されている。発電要素は、正極2、負極3、セパレータ4および電解液(図示せず)を含む。図示例では、正極2はケース1の底板部1aと対向するように配置されている。よって、底板部1aの外面の第1端子面は、正極端子として機能する。一方、負極3は封口板6の天板部6aと対向するように配置される。よって、天板部6aの外面の第2端子面は、負極端子として機能する。
図示例では、ケース1の素材として、正極電位で耐腐食性を有する金属板を用いることが望ましい。例えば、リチウム電池のケース1には、ステンレス鋼(SUS430、SUS444、SUS329Jなど)、チタン、チタン合金などを用いることが望ましい。
封口板6の素材には、機械的強度に優れる金属板を用いることが望ましく、ステンレス鋼(SUS304、SUS316など)を用いることが望ましい。ただし、安価な普通鋼や炭素鋼などの金属板を使用することもできる。普通鋼とは、JISに規定されるSS材、SM材、SPCC材のような鋼である。炭素鋼は、S10C、S20C、S30C、S45C、S55Cのような鋼であり、機械構造用合金鋼に属する。
ケース1および封口板6の外面には、それぞれ酸性物質を含む被膜7a、7bが形成されている。ケース1および封口板6に酸性物質を含む被膜7a、7bを形成することで、コイン形電池が生体に誤飲された場合でも、生体の体液のpHが大きくなることが抑制される。よって、生体への危害を小さくすることができる。また、酸性物質を含む被膜7a、7bの外面は、中性物質を含む被膜8a、8bで覆われている。これにより、酸性物質を含む被膜が保護されるとともに、電池の通常使用時における酸性物質と生体との接触が抑制される。
次に、リチウム電池を例にとって、コイン形電池の製造方法について説明する。
コイン形電池は、発電要素を準備する工程(i)と、ケース1を準備する工程(ii)と、封口板6を準備する工程(iii)と、ガスケット5を準備する工程(iv)と、ケース1に発電要素を収容した後、封口板6でケース1の開口を塞ぎ、ケース1の開口端部を、ガスケット5を介して、封口板6の周縁部に加締める工程(v)と、ケース1および/または封口板6の外面に酸性物質を含む被膜を形成する工程(vi)と、酸性物質を含む被膜の更に外面に中性物質を含む被膜を形成する工程(vii)と、を具備する。ケース1および/または封口板6に用いる金属板の厚さは、例えば0.1〜0.4mmである。
工程(ii)では、例えば、ステンレス鋼板を絞り加工して、有底の円筒状に成形することにより、ケース1が作製される。ステンレス鋼板の少なくとも電池の外面に対応する表面には、ニッケルめっき層が形成されていることが好ましい。
工程(iii)では、例えば、金属板をプレス加工することにより、所定形状の封口板が形成される。金属板の少なくとも電池の外面に対応する表面には、ニッケルめっき層が形成されていることが好ましい。
工程(iv)では、封口板6の周縁部に勘合する環状の溝部を有するガスケット5が準備される。ガスケット5は、予め封口板6の周縁部に装着させてもよい。ガスケット5の材質としては、例えば、ポリプロピレン(PP)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)などを用いることができる。
工程(v)では、ケース1の内部に発電要素を収容し、ケース1の開口を塞ぐように封口板6を配置する。その後、ケース1の開口端部(側部の端部)を内側に折り曲げる。これにより、ガスケット5が圧縮され、ガスケット5の下端部はケース1の底板部に密着する。また、ガスケット5の上端部は、封口板6の周縁部6bに密着する。
工程(vi)では、例えば酸性物質を水に溶解させて調製した水溶液をコイン形電池の外装体(特にケース1および/または封口板6)の外面に塗布し、水を乾燥させればよい。これにより、被膜状の酸性物質が外装体の外面に付着する。
工程(vii)では、例えば中性物質を水に溶解させて調製した水溶液を、酸性物質を含む被膜の外面に塗布し、水を乾燥させればよい。これにより、被膜状の中性物質が酸性物質を含む被膜を覆うように、外装体の外面に付着する。
次に、リチウム電池を例にとって、コイン形電池の発電要素について説明する。
正極2は、正極合剤をコイン形に加圧成形することにより形成される。正極合剤は、正極活物質、導電助剤およびバインダーを含む。正極活物質の種類は、特に限定されないが、マンガン、コバルト、ニッケル、マグネシウム、銅、鉄、ニオブなどの遷移金属よりなる群から選択される少なくとも1種を含む酸化物(例えば二酸化マンガン)または複合酸化物を用いることができる。リチウムを含み、マンガン、コバルト、ニッケル、マグネシウム、銅、鉄、ニオブなどの金属よりなる群から選択される少なくとも1種を含む複合酸化物(例えばLiCoO2)も用いることができる。また、フッ化黒鉛を用いることもできる。正極活物質は1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
導電助剤としては、アセチレンブラック、ケッチェンブラックなどのカーボンブラック、人造黒鉛などの黒鉛類を使用できる。導電助材は1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
バインダーとしては、例えば、フッ素樹脂、スチレンブタジエンゴム(SBR)、変性アクリロニトリルゴム、エチレン−アクリル酸共重合体などが挙げられる。結着剤は1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
負極3は、例えば、コイン形に成形されたリチウム金属またはリチウム合金である。リチウム合金としては、Li−Al合金、Li−Sn合金、Li−Si合金、Li−Pb合金などが挙げられる。負極3は、負極活物質およびバインダーを含む負極合剤をコイン形に加圧成形したものでもよい。負極活物質の種類は、特に限定されないが、天然黒鉛、人造黒鉛、難黒鉛化性炭素などの炭素材料、酸化珪素、チタン酸リチウム、五酸化ニオブ、二酸化モリブデンなどの金属酸化物を用いることができる。バインダーとしては、例えば、正極に用い得る材料として例示した材料を任意に用いることができる。負極合剤に導電助剤を含ませてもよい。
電解液は、非水溶媒と、これに溶解する溶質(塩)とを含む。電解液中の溶質濃度は0.3〜2.0mol/Lが好ましい。非水溶媒としては、環状炭酸エステル、鎖状炭酸エステル、鎖状エーテル、環状エーテルなどを用いることができる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。溶質としては、LiBF4、LiPF6、LiClO4、LiCF3SO3、LiC49SO3、LiN(CF3SO22、LiN(C25SO22などが用いられる。
セパレータ4は、正極2と負極3との短絡を防止できる材料であればよい。例えば、ポリオレフィン、ポリエステルなどで形成された織布、不織布、微多孔フィルムなどが挙げられる。
次に、本発明を実施例に基づいて具体的に説明する。ただし、以下の実施例は本発明を限定するものではない。なお、本実施例では、図1に示すような構造のコイン形電池を作製した。
《実施例1》
以下の手順でコイン形電池A1を作製した。
(i)ケース
表面に厚み3μmのニッケルめっき層を形成したステンレス鋼板(SUS430、厚み200μm)を絞り加工して、底板部の直径が20mm、側部1bの高さが2.8mmのケース1を作製した。
(ii)封口板
表面に厚み3μmのニッケルめっき層を有するSUS430(厚み250μm)をプレス加工して、天板部6aの直径が17mmの封口板6を作製した。
(iii)発電要素
正極活物質である二酸化マンガン100質量部と、導電助剤である黒鉛7質量部と、結着剤であるポリテトラフルオロエチレン5質量部とを混合して、正極合剤を調製した。正極合剤を直径15mm、厚さ2mmのコイン形に成形して正極2を作製した。一方、厚さ0.6mmの金属リチウム箔を直径16mmの円形に打ち抜いて負極3を作製した。電解液には、プロピレンカーボネートと1,2−ジメトキシエタンとを体積比2:1で混合した非水溶媒に、溶質としてLiClO4を濃度1.0mol/Lで溶解させた有機電解液を用いた。
(iv)コイン形電池の組み立て
ケース1の側部1bの内側に、ブロンアスファルトと鉱物油からなる封止剤を塗布したポリプロピレン製のガスケット5を配置するとともに、底板部1aにSUS430製の集電体(図示せず)を配置し、その上に、正極2を載置した。次に、正極2の上に、厚さ300μmのポリプロピレン製の不織布をセパレータ4として載置した。その後、有機電解液をケース1内に注液した。負極3は、封口板6の天板部6aの内側に貼り付けた。次に、ケース1の開口を塞ぐように封口板6を配置し、ケース1の側部1bの端部を、ガスケット5を介して封口板6の周縁部6bに加締めた。
(v)酸性物質を含む被膜
100質量部の水に、20質量部のポリアクリル酸を溶解させてポリアクリル酸水溶液を調製した。この水溶液を、外装体を構成する封口板の外面の第2端子面(ここでは天板部の外面)の全面に塗布し、乾燥させて、厚さ3μmのポリアクリル酸を含む被膜を封口板の外面に付着させた。なお、1gのポリアクリル酸を100cm3の水に溶解させて得られた水溶液のpHは3.1であった。
(vi)中性物質を含む被膜
100質量部の水に、20質量部のゼラチンを溶解させてゼラチン水溶液を調製した。この水溶液を、封口板の外面に形成されたポリアクリル酸を含む被膜の外面に塗布し、乾燥させて、厚さ1μmのゼラチンを含む被膜を形成した。なお、1gのゼラチンを100cm3の水に溶解させて得られた水溶液のpHは6.3であった。
《実施例2》
ポリアクリル酸水溶液を、封口板の外面の第2端子面の中心から半径5mmの範囲を除いた領域だけにドーナツ状に塗布し、乾燥させて、厚さ3μmのポリアクリル酸を含む被膜を形成したこと以外、実施例1と同様に、コイン型電池A2を完成させた。
《実施例3》
ポリアクリル酸水溶液を、封口板の外面の第2端子面の中心から半径5mmの範囲を除いた領域だけにドーナツ状に塗布し、乾燥させて、厚さ50μmのポリアクリル酸を含む被膜を形成したこと以外、実施例1と同様に、コイン型電池A3を完成させた。
《実施例4》
ポリアクリル酸水溶液を、ケースの外面の第1端子面(ここでは底板部の外面)の中心から半径5mmの範囲を除いた領域だけにドーナツ状に塗布し、乾燥させて、厚さ50μmのポリアクリル酸を含む被膜を形成したこと以外、実施例1と同様に、コイン型電池A4を完成させた。
《比較例1》
ケースおよび封口板のいずれの外面にもポリアクリル酸を含む被膜を形成しなかったこと以外、実施例1と同様に、コイン形電池B1を完成させた。
[評価]
実施例1〜4および比較例1のコイン形電池を、それぞれ10個作製した。
電池の各端子面の中心から半径5mmの範囲内で、正負極端子間に1kHzの交流電圧を印加して内部抵抗(端子間抵抗)を測定した。ただし、各端子面に対する荷重は50g重とした。このとき、外部回路には電流が流れ、それぞれ10個の電池の初期の端子間抵抗の平均値は、表1に示す通りであった。
次に、深さ15mmのシャーレの底部に豚肉を原料とする加工食肉(ハム)を載置し、続いて体液の代わりに生理食塩水をシャーレに注ぎ、ハムを完全に生理食塩水に浸した。次に、評価用の電池を、封口板がハムに接触するように載置した。このとき、電池が浮かないように電池のケース底面(底板部の外面)を生理食塩水の液面より僅かに下にして、ケース底面に食塩水の膜が形成される状態にした。この状態で、25℃で30分間放置した。その後、封口板と接触していたハムの状態を目視で観察したところ、実施例1〜4の電池を載置したハムでは、いずれも変色は僅かであった。一方、比較例1の電池を載置したハムには、激しい変色が見られた。各例の10個の電池は、いずれも同じ傾向を示した。
次に、封口板と接触していたハムの表面のpHを測定し、それぞれ10個の平均値を算出した。結果を表1に示す。
Figure 0006695047
以上より、本発明によれば、生体によるコイン形電池の誤飲が生じた場合でも、生体に対する危害を大きく低減できることが明らかとなった。
上記実施例では、酸性物質を含む被膜をポリアクリル酸で形成したが、その他の酸性物質で被膜を形成する場合でも、同様にコイン形電池の安全性を高めることができるものと考えられる。
本発明は、リチウム電池、アルカリ電池、アルカリ蓄電池など、一次電池および二次電池を含む様々な電池に適用できるが、電池電圧が3.0Vを超える電池(例えばリチウム電池)において特に有用である。
1:ケース、1a:底板部、1b:側部、2:正極、3:負極、4:セパレータ、5:ガスケット、6:封口板、6a:天板部、6b:周縁部、7a,7b:酸性物質を含む被膜、8a,8b:中性物質を含む被膜、10:コイン形電池

Claims (5)

  1. 発電要素と、前記発電要素を密閉収容する外装体と、を具備し、
    前記外装体は、
    底板部および前記底板部の周縁から立ち上がる側部を有し、外面が第1端子面を有するケースと、
    天板部および前記天板部から前記側部の内側へ延びる周縁部を有し、外面が第2端子面を有する封口板と、
    前記側部と前記周縁部との間に圧縮されて介在するガスケットと、を具備し、
    前記外装体の外面の少なくとも一部が、酸性物質を含む被膜で覆われており、
    前記酸性物質を含む被膜が、少なくとも前記第2端子面に設けられており、
    前記酸性物質が、酸性基を有する有機高分子、ギ酸、プロピオン酸、コハク酸、シュウ酸、フタル酸、アクリル酸およびメタクリル酸から選択される、コイン形電池。
  2. 前記酸性物質を含む被膜が、前記第1端子面の少なくとも一部および前記第2端子面の少なくとも一部が露出するように設けられている、請求項1に記載のコイン形電池。
  3. 前記酸性物質を含む被膜の外面が、中性物質を含む被膜で覆われている、請求項1または2に記載のコイン形電池。
  4. 前記被膜は、着色剤を含まない、請求項1〜3のいずれか1項に記載のコイン形電池。
  5. 前記発電要素は、リチウム金属またはリチウム合金を負極として具備する、請求項1〜4のいずれか1項に記載のコイン形電池。
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