JP2017126420A - コイン形電池 - Google Patents

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朋大 柳下
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Abstract

【課題】誤飲による生体への危害を低減するコイン形電池の提供。【解決手段】底板部1aおよび底板部1aの周縁から立ち上がる側部1bを有する電池ケース1と、天板部6aおよび天板部6aから側部1bの内側へ延びる周縁部6bを有する封口板6と、側部1bと周縁部6bとの間に圧縮されて介在するガスケット5と、電池ケース1と封口板6により密閉された発電要素と、を具備し、電池ケース1および封口板6の少なくとも一方が、外面側に設けられニッケルからなる第1金属層13、63と、内面側に設けられた第2金属層11、61と、第1金属層13、63と第2金属層11、61との間に配する中間層12,62とを有し、中間層12、62は、ニオブ、タンタル、およびジルコニウムから選択される少なくとも1種の金属を含むクラッド材からなる、コイン形電池10。第2金属層11,61がステンレス鋼であることが好ましいコイン形電池。【選択図】図1

Description

本発明は、コイン形電池に関し、さらに詳しくは、誤飲に対する安全性を高めたコイン形電池に関する。
コイン形電池は、小型機器やメモリバックアップなどの電源として広く用いられている。コイン形電池の用途は拡大の一途にあるが、これに伴い、コイン形電池の誤飲に対する対策の重要性が増している。コイン形電池が生体内に取り込まれると、コイン形電池のケースおよび封口板のそれぞれの端子面が体液と接触することで短絡し、水の電気分解を伴う電流が流れ、生体に危害を及ぼす。更に、生体内で電池の腐食が進み、電池が破損すると、発電要素が生体の粘膜に接触するため、危害が大きくなる可能性がある。
そこで、特許文献1は、誤飲を防止する観点から、電池の表面に苦味物質を含有する導電性被膜を形成することを提案している。
特開平4−312762号公報
しかし、特許文献1の方法では、生体がコイン形電池を吐き出さずに飲み込んでしまった場合には、上記危害を避けることは難しい。
上記に鑑み、本発明は、誤飲による生体への危害を低減することができる、安全性の高いコイン形電池を提供することを目的とする。
本発明は、底板部および前記底板部の周縁から立ち上がる側部を有する電池ケースと、天板部および前記天板部から前記側部の内側へ延びる周縁部を有する封口板と、前記側部と前記周縁部との間に圧縮されて介在するガスケットと、前記電池ケースと前記封口板により密閉された発電要素と、を具備し、前記電池ケースおよび前記封口板の少なくとも一方が、外面側に設けられニッケルからなる第1金属層と、内面側に設けられた第2金属層と、前記第1金属層と前記第2金属層との間に配する中間層とを有し、前記中間層は、ニオブ、タンタル、およびジルコニウムからなる群から選択される少なくとも1種を含む、コイン形電池に関する。
本発明によれば、コイン形電池の誤飲による生体への危害を低減することができる。
本発明の一実施形態に係るコイン形電池の構成を示す縦断面図である。
本発明の本実施形態に係るコイン形電池は、発電要素と、発電要素を密閉収容する外装体とで構成されている。外装体は、開口を有する有底の電池ケースと、電池ケースの開口を塞ぐ封口板と、電池ケースの側部の端部(開口端部)と封口板の周縁部との間に介在す
るガスケットとを具備している。発電要素は、第一電極と、第二電極と、これらの間に介在するセパレータと、電解液とを具備する。電池ケースと封口板とで形成される空間に発電要素を充填した後、電池ケースの開口端部を、ガスケットを介して封口板の周縁部に加締めることで、発電要素が外装体の内部に密閉収容される。コイン形電池には、ボタン形も含まれる。すなわち、コイン形電池の形状や直径は特に限定されず、例えば電池厚みが直径より大きいボタン形電池もコイン形電池に包含されるものとする。
より詳細には、電池ケースは、底板部および底板部の周縁から立ち上がる側部を有する。底板部は、通常、円形であるが、円形に近い形状(例えば楕円形)でもよい。封口板は、天板部および天板部から電池ケースの側部の内側へ延びる周縁部を有する。天板部は、底板部の形状に対応しており、通常、底板部より直径の小さい円形である。コイン形電池の厚さTは、底板部の直径Dより小さい場合が多く(T<D)、例えば1.2mm≦T≦5.0mm、9mm≦D≦24.5mmである。電池ケースの側部と封口板の周縁部との間には、ガスケットが圧縮されて介在している。ここで、電池ケースおよび封口板の少なくとも一方は、外面側に設けられニッケルからなる第1金属層と、内面側に設けられた第2金属層と、第1金属層と第2金属層との間に存在する中間層とを具備し、中間層は、ニオブ、タンタル、およびジルコニウムからなる群から選択される少なくとも一種を含んでいる。
中間層に含まれるニオブ、タンタル、およびジルコニウムは、コイン形電池が誤飲された際に、電池ケースおよび/または封口板と体液との接触による水の電気分解反応を抑制する作用を有する。
これらの金属を具備する中間層は、電池ケースおよび封口板の両方に設けることが望ましいが、電池ケースおよび封口板から選択される一方に設けるだけでも、体液中の水の電気分解反応を抑制することができる。その場合、好ましくは、面積が大きい電池ケースに設ける方がよい。
中間層に含まれるニオブ、タンタル、およびジルコニウムは、硬く加工性が悪い。そのため、加工性に優れたステンレスや鋼板材料等の第2金属層を基材とし、その表面に中間層を形成することで、中間層の厚みを薄肉化し、加工性および強度を兼ね備えた素材を得ることができる。
また、電池の外面側はニッケルからなる第1金属層を備える。中間層に用いるニオブ、タンタル、ジルコニウムなどの金属材料は、表面に非常に薄く緻密な酸化物層が存在しているため、接触抵抗は若干高い。さらに大気中で長期保管すると、この酸化物層が厚くなり、接触抵抗が非常に高くなってしまう。そこで、電池の外面側にニッケルからなる第1金属層を設けることで、外面側の接触低減を低減するとともに、中間層における酸化物層の厚みの増加を防ぎ、電気抵抗の上昇を抑制することができる。
第1金属層、中間層および第2金属層は、還元雰囲気下でクラッドされていることが好ましい。それにより、中間層の表面に存在する酸化物層の一部が還元されて減少し、電気抵抗を下げることができる。
発電要素である第一電極と第二電極とは、互いに異なる極性を有する。すなわち、第一電極が正極(または負極)である場合、第二電極は負極(または正極)である。コイン形電池がリチウム電池である場合、外装体内に、正極は、電池ケースの底板部に対向するように収容され、負極は、封口板の天板部に対向するように収容される。ただし、正負極の配置はこれに限定されない。
コイン形電池の外装体には、従来ニッケルめっき層を有すステンレスがよく用いられている。そのような外装体の電池を誤飲した場合、正極である電池ケースの周辺の体液はニッケル及びステンレスが腐食反応により溶解して、強酸側にシフトする。一方、負極である封口板の周辺の体液は水素発生により強アルカリにシフトする。
電池ケースおよび/または封口板の外面側に設けられた第1金属層は、コイン形電池が誤飲されたときに、最初に体液と接触する。この第1金属層に用いられるニッケルは、アルカリ又は酸性溶液中で容易に溶解する。よって、電池が誤飲され、正極が酸性側に、負極がアルカリ側シフトすることで第1金属層は溶解し、その内側の中間層に存在するニオブ、タンタル、またはジルコニウムが露出する。
露出したニオブ、タンタル、およびジルコニウムは、正極側すなわち強酸の環境下でも腐食反応をせず、酸化反応が進行することで、外表面には緻密な酸化物層が増加していく。そのため、抵抗値が上昇し、水の電気分解反応を抑制すると考えられる。また負極側すなわち強アルカリの環境下でも腐食反応をせず、かつ水素化電圧が非常に高いため、水の電気分解による水素発生反応を抑制することができる。
中間層には、ニオブ、タンタル、ジルコニウムを単体で用いるだけでなく、これらの合金、または他金属を含んだ合金を用いることもできる。
中間層の厚みは、3〜30μmが好ましく、5〜15μmがより好ましい。第1金属層であるニッケルの厚みは、0.5〜10μmが好ましく、1〜3μmがより好ましい。
第2金属層は、発電要素に対する耐食性を確保し、内部抵抗の上昇を抑制する観点から、ステンレスが好ましい。ステンレスの種類としては、SUS430、SUS444、SUS447などの400系のフェライト系ステンレス、SUS304、SUS305、SUS316などの300系のオーステナイト系ステンレス、SUS329などの二相ステンレス等を用いることができる。また、ステンレスに近い組成のNAS254、NAS354などのニッケル合金も使用できる。また、負極として用いる場合は、ステンレスの代わりに安価な普通鋼や炭素鋼を使用してもよい。普通鋼とは、JISに規定されるSS材、SM材、SPCC材のような鋼材である。炭素鋼は、S10C、S20C、S30C、S45C、S55Cのような鋼材であり、機械構造用合金鋼に属する。普通鋼や炭素鋼を用いる場合には、電池の内部側に錆止め用のめっき層を有するものを使用することが好ましい。第2金属層の厚みは、外装体としての強度及び加工性の観点から、150〜250μm、好ましくは180〜220μmである。
電池ケースに、第1金属層、第2金属層、及び中間層を有する材料を用いた場合、電池ケースの側部の端部(開口端部)を絶縁材料で被覆することが望ましい。第1金属層を電池ケースの外面側に配置しても、開口端部のエッジ面では内面側の第2金属層が露出しているためである。コイン形電池が誤飲された場合、露出した第2金属層が体液と接して、腐食反応による水の電気分解が進んでしまう恐れがある。よって、あらかじめ開口端部を絶縁材料でコーティングすることが望ましい。絶縁材料としては、特に限定されないが、ゴム系材料、フッ素樹脂などの樹脂材料、グリース、ワックス、アルファルトなどを用いることができる。なお封口板の周縁部は、そのエッジ面も含めてケースの側部の内側に配置されるため、外部への露出はない。
ゴム系材料としては、スチレンブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ブタジエンゴム、エチレンプロピレンゴム、ブチルゴムや、ブロンアスファルト、フッ素ゴムなどが好ましい。
樹脂材料の中では、撥水性が高く、剥離しにくい点でフッ素樹脂が好ましい。フッ素樹脂としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、PVDFの変性体、ポリフッ化ビニル(PVF)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、エチレン−クロロトリフルオロエチレン共重合体(ECTFE)、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体などを用いることができる。
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態に係るコイン形電池について説明する。ただし、以下の実施形態は、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
外装体の内部には発電要素が収容されている。発電要素は、正極2、負極3、セパレータ4および電解液(図示せず)を含む。図示例では、正極2は電池ケース1の底板部1aと対向するように配置されている。電池ケース1は正極端子として機能する。一方、負極3は封口板6の天板部6aと対向するように配置される。封口板6は負極端子として機能する。
電池ケース1の素材として、ニッケルで形成された第1金属層13とステンレス鋼で形成された第2金属層11と、その間に配置された中間層12とのクラッド材が用いられている。コイン形電池において、第1金属層13は外面側に、第2金属層11は内面側に配置されている。また、中間層12にはニオブ、タンタル、ジルコニウムからなる群の少なくとも1種が含まれている。また、電池ケース1の開口端部は、絶縁材料7で覆われている。
封口板6の素材には、ニッケルで形成された第1金属層63と、ステンレス鋼、普通鋼、炭素鋼などで形成された第2金属層61と、その間に配置された中間層62とのクラッド材が用いられている。コイン形電池10において、第1金属層63は外面側に、第2金属層61は内面側に配置されている。また、中間層62にはニオブ、タンタル、ジルコニウムからなる群の少なくとも1種が含まれている。封口板6の周縁部6bの端部は、電池ケース1の側部の内側に配置されるため、第2金属層61のエッジ面は外部に露出することがない。
電池ケース1の第2金属層11を構成するステンレス鋼は、正極電位で耐腐食性を有することが望ましい。例えば、リチウム電池の電池ケース1には、SUS430、SUS444、SUS329Jなどのステンレス鋼を用いることが望ましい。
封口板6の第2金属層61を構成するステンレス鋼は、リチウム金属に対して安定であることが望ましい。例えば、リチウム電池の封口板6には、SUS304、SUS316、SUS430などのステンレス鋼を用いることが望ましい。また、普通鋼または炭素鋼を用いてもよい。
次に、リチウム電池を例にとって、コイン形電池の製造方法について説明する。
コイン形電池は、発電要素を準備する工程(a)と、電池ケース1を準備する工程(b)と、封口板6を準備する工程(c)と、ガスケット5を準備する工程(d)と、電池ケース1に発電要素を収容した後、封口板6で電池ケース1の開口を塞ぎ、電池ケース1の開口端部を、ガスケット5を介して、封口板6の周縁部に加締める工程(e)と、電池ケースの側部の端部に絶縁材料を塗布する工程(f)とを具備する。電池ケース1および/または封口板6に用いる素材(例えば記述のクラッド材)の厚さは、例えば0.2〜0.3mmである。
工程(b)では、例えばクラッド材を絞り加工して、有底の円筒状に成形することにより、電池ケース1が作製される。クラッド材は、電池の外面側に対応する表面に第1金属層13が設けられ、内面側に対応する表面には第2金属層11が設けられ、その間に中間層12が設けられた3層構造となっている。
工程(c)では、例えば、クラッド材をプレス加工することにより、所定形状の封口板が形成される。クラッド材は、電池の外面側に対応する表面には第1金属層63が設けられ、内面側に対応する表面には第2金属層61が設けられ、その間に中間層62が設けられた3層構造となっている。
工程(d)では、封口板6の周縁部に勘合する環状の溝部を有するガスケット5が準備される。ガスケット5は、予め封口板6の周縁部に装着させてもよい。ガスケット5の材質としては、例えば、ポリプロピレン(PP)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)などを用いることができる。
工程(e)では、電池ケース1の内部に発電要素を収容し、電池ケース1の開口を塞ぐように封口板6を配置する。その後、電池ケース1の側部の端部(開口端部)を内側に折り曲げる。これにより、ガスケット5が圧縮され、ガスケット5の下端部は電池ケースの底面部に密着する。また、ガスケット5の上端部は、封口板6の周縁部に密着する。
工程(f)で絶縁材料7を形成する方法は、特に限定されない。例えば、フッ素樹脂などの撥水性材料を分散させた溶液または分散液を調製し、例えばエアースプレー方式で電池の外装体の所望の箇所に溶液または分散液を塗布し、乾燥させればよい。また、撥水性材料の粉体を、例えば静電スプレー方式で、電池の外装体の所望の箇所に塗布してもよい。続いて、撥水性材料と外装体との密着性を高めるために、電池を45〜100℃に加熱してもよい。次に、リチウム電池を例にとって、コイン形電池の発電要素について説明する。
正極2は、正極合剤をコイン形に加圧成形することにより形成される。正極合剤は、正極活物質、導電助剤およびバインダーを含む。正極活物質の種類は、特に限定されないが、マンガン、コバルト、ニッケル、マグネシウム、銅、鉄、ニオブなどの遷移金属よりなる群から選択される少なくとも1種を含む酸化物(例えば二酸化マンガン)または複合酸化物を用いることができる。リチウムを含み、マンガン、コバルト、ニッケル、マグネシウム、銅、鉄、ニオブなどの金属よりなる群から選択される少なくとも1種を含む複合酸化物(例えばLiCoO2)も用いることができる。また、フッ化黒鉛を用いることもできる。正極活物質は1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい導電助剤としては、アセチレンブラック、ケッチェンブラックなどのカーボンブラック、人造黒鉛などの黒鉛類を使用できる。導電助材は1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
バインダーとしては、例えば、フッ素樹脂、スチレンブタジエンゴム(SBR)、変性アクリロニトリルゴム、エチレン−アクリル酸共重合体などが挙げられる。結着剤は1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
負極3は、例えば、コイン形に成形されたリチウム金属またはリチウム合金である。リチウム合金としては、Li−Al合金、Li−Sn合金、Li−Si合金、Li−Pb合金などが挙げられる。負極3は、負極活物質およびバインダーを含む負極合剤をコイン形に加圧成形したものでもよい。負極活物質の種類は、特に限定されないが、天然黒鉛、人造黒鉛、難黒鉛化性炭素などの炭素材料、酸化珪素、チタン酸リチウム、五酸化ニオブ、二酸化モリブデンなどの金属酸化物を用いることができる。バインダーとしては、例えば、正極に用い得る材料として例示した材料を任意に用いることができる。負極合剤に導電助剤を含ませてもよい。
電解液は、非水溶媒と、これに溶解する溶質(塩)とを含む。電解液中の溶質濃度は0.3〜2.0mol/Lが好ましい。非水溶媒としては、環状炭酸エステル、鎖状炭酸エステル、鎖状エーテル、環状エーテルなどを用いることができる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。溶質としては、LiBF、LiPF、LiClO、LiCFSO、LiCSO、LiN(CFSO、LiN(CSOなどが用いられる。
セパレータ4は、正極2と負極3との短絡を防止できる材料であればよい。例えば、ポリオレフィン、ポリエステルなどで形成された織布、不織布、微多孔フィルムなどが挙げられる。
次に、本発明を実施例に基づいて具体的に説明する。ただし、以下の実施例は本発明を限定するものではない。なお、本実施例では、図1に示すような構造のコイン形電池を作製した。
《実施例1》
(1)電池ケース
ニッケルで形成された厚み1μmの第1金属層と、タンタルで形成された厚み10μmの中間層、およびステンレス鋼(SUS430)からなる厚み190μmの第2金属層とを具備する3層クラッド材を準備した。このクラッド材を絞り加工して、底板部の直径が20mm、側部1bの高さが2.8mmの電池ケース1を作製した。ここで、第1金属層が電池の外面側に、第2金属層が電池の内面側になるように電池ケースを形成した。
(2)封口板
ニッケルで形成された厚み1μmの第1金属層と、タンタルで形成された厚み10μmの中間層、およびステンレス鋼(SUS430)からなる厚み240μmの第2金属層を具備する3層クラッド材準備した。このクラッド材を絞り加工して、天板部6aの直径が17mmの封口板6を作製した。ここで、第1金属層が電池の外面側に、第2金属層が電池の内面側になるように封口板を形成した。
(3)発電要素
正極活物質である二酸化マンガン100質量部と、導電助剤である黒鉛7質量部と、結着剤であるポリテトラフルオロエチレン5質量部とを混合して、正極合剤を調製した。正極合剤を直径15mm、厚さ2mmのコイン形に成形して正極2を作製した。一方、厚さ0.6mmの金属リチウム箔を直径16mmの円形に打ち抜いて負極を作製した。電解液には、プロピレンカーボネートと1,2−ジメトキシエタンとを体積比2:1で混合した非水溶媒に、溶質としてLiClOを濃度1.0mol/Lで溶解させた有機電解液を用いた。
(4)コイン形電池の組み立て
電池ケース1の側部1bの内側に、ブロンアスファルトと鉱物油からなる封止剤を塗布したポリプロピレン製のガスケット5を配置するとともに、底板部1aにSUS430製の集電体を配置し、その上に、正極2を載置した。次に、正極2の上に、厚さ300μmのポリプロピレン製の不織布をセパレータ4として載置した。その後、有機電解液を電池ケース1内に注液した。負極3は、封口板6の天板部6aの内側に貼り付けた。次に、電池ケース1の開口を塞ぐように封口板6を配置し、電池ケース1の側部1bの端部を、ガスケット5を介して封口板6の周縁部に加締めた。次に、電池ケース1の端部に、トルエンにスチレンブタジエンゴムを溶解したものを塗布し、乾燥して電池ケース1の端部を絶縁材料でコーティングした。
これにより、直径20mm、厚さ3.2mm、電気容量225mAhのコイン形電池A1
を完成させた。
《比較例1》
電池ケースの素材には、外面側に厚み1μmのニッケルめっき層を有する厚み200μmのステンレス鋼板(SUS430)を用いた。また、封口板の素材には、電池の外面側に厚み1μmのニッケルめっき層を有する厚み250μmのステンレス鋼板(SUS430)を用いた。それ以外は、実施例1と同様に、コイン形電池B1を完成させた。
《実施例2》
電池ケースの素材には実施例1と同じ3層クラッド材を用い、封口板の素材には比較例と同じく外面側に厚み1μmのニッケルめっき層を有する厚み250μmのステンレス鋼板(SUS430)を用いたこと以外、実施例1と同様に、コイン形電池A2を完成させた。
《実施例3》
封口板の素材には実施例1と同じ3層クラッド材を用い、電池ケースの素材には比較例と同じく外面側に1μmのニッケルめっき層を有する厚み200μmのステンレス鋼板(SUS430)を用いたこと以外、実施例1と同様に、コイン形電池A3を完成させた。
《実施例4》
電池ケースおよび封口板において、中間層のタンタルに代えてニオブを用いたこと以外、実施例1と同様に、コイン形電池A4を完成させた。
《実施例5》
電池ケースおよび封口板において、中間層のタンタルに代えてジルコニウムを用いこと以外、実施例1と同様に、コイン形電池A5を完成させた。
[評価]
実施例1〜5および比較例1のコイン形電池を、それぞれ10個作製した。
深さ15mmのシャーレの底部に豚肉を原料とする加工食肉(ハム)を載置し、続いて体液の代わりに生理食塩水をシャーレに注ぎ、ハムを完全に生理食塩水に浸した。次に、評価用の電池を、封口板がハムに接触するようにハムの上に載置した。このとき、電池が浮かないように電池のケース底面を生理食塩水の液面より僅かに下にして、ケース底面に食塩水の膜が形成される状態にした。この状態で、25℃で30分間放置した。その後、封口板と接触していたハムの状態を目視で観察したところ、実施例1〜5の電池を載置したハムには、ほとんど変色が見られなかった。一方、比較例1の電池を載置したハムには、激しい変色がみられた。各例の10個の電池は、いずれも同じ傾向を示した。
次に、電池を取り除いた後のハムの表面のPHを測定し、それぞれ10個の平均値を算出した。結果を表1に示す。
Figure 2017126420
以上より、本発明によれば、生体によるコイン形電池の誤飲が生じた場合でも、生体に対する危害を大きく低減できることが明らかとなった。
上記実施例では、中間層をニオブ、タンタル、ジルコニウムの単体で形成したが、それらを含む合金で形成する場合でも、同様にコイン形電池の安全性を高めることができるものと考えられる。
本発明は、リチウム電池、アルカリ電池、アルカリ蓄電池など、一次電池および二次電池を含む様々な電池に適用できるが、電池電圧が3.0Vを超える電池(例えばリチウム電池)において特に有用である。
1 電池ケース
1a 底板部
1b 側部
11 第2金属層
12 中間層
13 第1金属層
2 正極
3 負極
4 セパレータ
5 ガスケット
6 封口板
6a 天板部
6b 周縁部
61 第2金属層
62 中間層
63 第1金属層
7 絶縁材料
10 コイン形電池

Claims (6)

  1. 底板部および前記底板部の周縁から立ち上がる側部を有する電池ケースと、
    天板部および前記天板部から前記側部の内側へ延びる周縁部を有する封口板と、
    前記側部と前記周縁部との間に圧縮されて介在するガスケットと、
    前記電池ケースと前記封口板により密閉された発電要素と、を具備し、
    前記電池ケースおよび前記封口板の少なくとも一方が、外面側に設けられニッケルからなる第1金属層と、内面側に設けられた第2金属層と、前記第1金属層と前記第2金属層との間に配する中間層とを有し、
    前記中間層は、ニオブ、タンタル、およびジルコニウムからなる群から選択される少なくとも1種を含む、コイン形電池。
  2. 前記第2金属層が、ステンレス鋼である、請求項1に記載のコイン形電池。
  3. 前記電池ケースおよび前記封口板の少なくとも一方が、前記第1金属層、前記第2金属層及び前記中間層のクラッド材で形成されている、請求項1または2に記載のコイン形電池。
  4. 前記封口板が、前記第1金属層、前記第2金属層及び前記中間層を具備する、請求項1〜3のいずれか1項に記載のコイン形電池。
  5. 前記電池ケースが、前記第1金属層、前記第2金属層及び前記中間層を具備し、前記側部の端部が、絶縁材料で被覆されている、請求項1〜4のいずれか1項に記載のコイン形電池。
  6. 前記中間層の厚さは、3〜30μmである、請求項1〜5のいずれか1項に記載のコイン形電池。
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