JP2017125665A - 冷凍装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】圧縮機における冷凍機油の枯渇を抑制しつつも室内熱交換器の温度の低下をできるだけ抑制させることが可能な冷凍装置を提供する。
【解決手段】室内ユニットに対して複数の室外ユニットが並列に接続されて構成される冷凍装置であって、制御部は、所定除霜条件が成立した際に、さらに冷凍機油の流出積算量に関する所定流出条件が成立している場合には逆サイクルデフロストモードを選択して実行し、所定流出条件が成立していない場合にはデフロスト対象となる室外ユニットを順次変更させる交互デフロストモードを選択して実行する。
【選択図】図6

Description

本発明は、冷凍装置に関する。
従来より、室内ユニットに対して複数の室外ユニットが並列に接続された空気調和装置では、各室外ユニットが有する室外熱交換器に付着した霜を除去するためのデフロスト運転が行われている。
例えば、特許文献1(特開2008−25919号公報)に記載の空気調和装置では、全ての室外熱交換器を凝縮器として機能させて室内熱交換器を蒸発器として機能させる逆サイクルデフロストを行った場合には、デフロスト時に室内熱交換器の温度が下がりすぎてしまい、暖房運転を再開させた際に暖かい空気の供給を開始するまでに長い時間を要してしまうことを課題とし、複数の室外熱交換器のうちの一部のみを凝縮器として機能させ、凝縮器として機能させる室外熱交換器を変えていくことにより、各室外熱交換器のデフロストを行うことが検討されている。
ここで、暖房運転を実行していると、室外熱交換器に霜が付着してデフロストを行うことが必要になるだけでなく、圧縮機の冷凍機油が冷媒回路内に流出して圧縮機内における冷凍機油が枯渇気味になることを防ぐために、冷凍機油を圧縮機に戻す運転が必要になることがある。
ところが、逆サイクルデフロストを行うのではなく、デフロスト対象となる室外熱交換器を切り換えながらデフロストを行う場合には、室外ユニット同士の間での冷媒流れが主になるため、室内熱交換器や連絡配管にある冷凍機油を圧縮機まで十分に戻すことが難しい。
他方で、逆サイクルデフロストを行う場合には、各室外熱交換器が凝縮器となり各室内熱交換器が蒸発器となって冷媒回路全体において十分に冷媒が流れるため、冷凍機油を圧縮機に戻すことが可能になるが、蒸発器として機能する室内熱交換器は、その温度が低下してしまう。
本発明の課題は、上述した点に鑑みてなされたものであり、圧縮機における冷凍機油の枯渇を抑制しつつも室内熱交換器の温度の低下をできるだけ抑制させることが可能な冷凍装置を提供することにある。
第1観点に係る冷凍装置は、室内ユニットに対して複数の室外ユニットが並列に接続されて構成される冷凍装置であって、冷媒回路と、制御部と、を備えている。冷媒回路は、室内ユニットに設けられた室内熱交換器と、それぞれの室外ユニットに設けられた室外熱交換器と圧縮機と切換弁と、が接続されて構成されている。冷媒回路は、少なくとも暖房運転を実行可能である。制御部は、暖房運転実行中に所定除霜条件が成立した際に、交互デフロストモードと、逆サイクルデフロストモードと、のいずれかを選択して実行する。交互デフロストモードは、複数の室外ユニットのうちの一部の室外ユニットが有する室外熱交換器をデフロスト対象とすることで凝縮器として機能させつつ、複数の室外ユニットのうちの他の一部の室外ユニットが有する室外熱交換器を蒸発器として機能させるように切換弁が接続された状態で行われる運転が、デフロスト対象となる室外熱交換器を切り換えながら実行される。逆サイクルデフロストモードでは、それぞれの室外ユニットの室外熱交換器を凝縮器として機能させ、室内熱交換器を蒸発器として機能させるように切換弁が接続された状態で実行される。制御部は、所定除霜条件が成立した際に、さらに冷凍機油の流出積算量に関する所定流出条件が成立している場合には逆サイクルデフロストモードを選択して実行し、所定流出条件が成立していない場合には交互デフロストモードを選択して実行する。
この冷凍装置では、所定除霜条件が成立した場合に、交互デフロストモードまたは逆サイクルデフロストモードのいずれかを実行することにより、室外熱交換器に付着した霜を融解させることができる。
しかも、所定除霜条件が成立した際に、冷凍機油の流出積算量に関する所定流出条件が成立していない場合には、逆デフロストモードを実行するのではなく、交互デフロストモードを優先して実行する。この交互デフロストモードでは、デフロスト対象ではない室外熱交換器を冷媒の蒸発器として機能させることにより、室内熱交換器のみが冷媒の蒸発器として機能する逆デフロストモードと比較すると、室内熱交換器で生じる冷媒の蒸発を抑えることができる。このため、交互デフロストモードでは、室内熱交換器において冷媒が蒸発することによる室内熱交換器の温度低下を抑制できる。これにより、交互デフロストモードが終了して暖房運転を再開させた際に暖かい空気の供給を開始するまでに要する時間を短くすることが可能になる。
そして、所定除霜条件が成立した際にさらに所定流出条件も成立している場合には、逆デフロストモードを実行することにより、室外熱交換器に付着した霜を融解させるだけでなく、冷媒回路のうち室内ユニット側に多くの冷媒が流れることで、冷媒回路のうち室内ユニット側に流出している冷凍機油を圧縮機に戻して、圧縮機における冷凍機油の枯渇を抑制させることが可能になる。また、この逆デフロストモードが実行されるのは、所定除霜条件が成立した際にさらに所定流出条件も成立している場合に限られているため、デフロスト時に室内熱交換器の温度低下が生じる頻度も少なく抑えることが可能になっている。
以上により、圧縮機における冷凍機油の枯渇を抑制しつつも室内熱交換器の温度の低下をできるだけ抑制させることが可能になる。
第2観点に係る冷凍装置は、第1観点に係る冷凍装置であって、所定流出条件が成立している場合とは、所定除霜条件が成立した時点から圧縮機から最も油が多く流出される運転が継続して行われると仮定した場合に所定の油枯渇状態となるまでに要する時間が、所定時間以下となる場合、および/または、圧縮機の回転数と冷媒回路の高圧および低圧に基づいて定まる冷凍機油の流出積算値であって所定除霜条件が成立した際の流出積算値が、所定積算値以上となる場合である。
この冷凍装置では、逆デフロストモードが実行されるのは、所定除霜条件が成立した際にさらに上述の所定流出条件も成立している場合に限られており、冷凍機油が圧縮機から多く流出している状況に限られている。このため、冷凍機油が圧縮機から多く流出している状況に限って逆デフロストモードを実行し、それ以外の場合には交互デフロストモードによりデフロストが行われるため、デフロスト時に室内熱交換器の温度低下が生じる頻度もより確実に少なく抑えることが可能になっている。
第3観点に係る冷凍装置は、第1観点または第2観点に係る冷凍装置であって、制御部は、冷凍機油の流出積算値を用いて所定流出条件の成立判断を行い、逆サイクルデフロストモードが実行された時に流出積算値をリセットして、新たに積算を開始させる。
この冷凍装置では、逆デフロストモードを実行した場合には、室外熱交換器に付着した霜を融解させるだけでなく、冷媒回路のうち室内ユニット側に流出している冷凍機油を圧縮機に戻すことが可能となる。そして、逆デフロストモードが実行された場合には、冷凍機油の流出積算値がリセットされ、新たに積算を開示させることができる。このため、逆デフロストモードが実行された後の冷凍機油の流出積算値を、冷媒回路の現状に対応したものとすることが可能になる。
第1観点に係る冷凍装置は、圧縮機における冷凍機油の枯渇を抑制しつつも室内熱交換器の温度の低下をできるだけ抑制させることが可能になる。
第2観点に係る冷凍装置は、デフロスト時に室内熱交換器の温度低下が生じる頻度もより確実に少なく抑えることが可能になっている。
第3観点に係る冷凍装置は、逆デフロストモードが実行された後の冷凍機油の流出積算値を、冷媒回路の現状に対応したものとすることが可能になる。
空気調和装置の冷媒回路図である。 空気調和装置のブロック構成図である。 油戻し運転時および逆サイクルデフロストモード実行時の冷媒流れの様子を示す図である。 第1室外熱交換器をデフロスト対象とする場合の冷媒流れの様子を示す図である。 第2室外熱交換器をデフロスト対象とする場合の冷媒流れの様子を示す図である。 デフロスト運転のフローチャート(その1)である。 デフロスト運転のフローチャート(その2)である。 デフロスト運転のフローチャート(その3)である。 デフロスト運転のフローチャート(その4)である。
以下、本発明の冷凍装置が採用された一実施形態について、図面に基づいて説明する。
(1)全体概略構成
図1に、空気調和装置100の冷媒回路図を示す。図2に、空気調和装置100のブロック構成図を示す。
本実施形態の空気調和装置100は、第1室外ユニット10と、第2室外ユニット20と、第1室内ユニット61と、第2室内ユニット65と、を備えている。
これらの第1室外ユニット10と、第2室外ユニット20と、第1室内ユニット61と、第2室内ユニット65とは、液側冷媒連絡配管5およびガス側冷媒連絡配管6を介して互いに接続されることで、冷媒回路3を構成している。本実施形態の冷媒回路3では、第1室内ユニット61と第2室内ユニット65とは、液側冷媒連絡配管5およびガス側冷媒連絡配管6を介して第1室外ユニット10および第2室外ユニット20に対して並列に接続されている。また、第1室外ユニット10と第2室外ユニット20とは、液側冷媒連絡配管5およびガス側冷媒連絡配管6を介して第1室内ユニット61および第2室内ユニット65に対して並列に接続されている。
この冷媒回路3には、冷凍サイクルを実行できるように、作動冷媒が封入されている。
この空気調和装置100は、制御部7によって運転制御や監視が行われる。ここで、制御部7は、第1室内ユニット61に設けられた第1室内側制御基板61aと、第2室内ユニット65に設けられた第2室内側制御基板65aと、第1室外ユニット10に設けられた第1室外側制御基板10aと、第2室外ユニット20に設けられた第2室外側制御基板20aと、が互いに通信可能に接続されることによって構成されている。
(2)第1室内ユニット61
第1室内ユニット61は、第1室内熱交換器62と、第1室内膨張弁64と、第1室内ファン63と、第1室内ファンモータ63aと、第1ガス側温度センサ71と、第1液側温度センサ72と、を有している。
第1室内熱交換器62は、冷媒回路3の一部を構成している。第1室内熱交換器62のガス側の端部は、後述するガス側冷媒連絡配管6の端部である点Yから伸びる冷媒配管と接続されている。第1室内熱交換器62の液側の端部は、後述する液側冷媒連絡配管5の端部である点Xから伸びる冷媒配管と接続されている。
第1室内膨張弁64は、冷媒回路3内において、第1室内熱交換器62の液側(具体的には、第1室内熱交換器62の液側の端部と点Xとを繋ぐ冷媒配管の途中)に設けられている。第1室内膨張弁64は、特に限定されないが、例えば、通過する冷媒量や減圧程度を調節するために弁開度を調節可能な電動膨張弁とすることができる。
第1室内ファン63は、第1室内熱交換器62に対して空調対象空間(室内)の空気を送り、第1室内熱交換器62を通過した空気を再び空調対象空間に戻す空気流れを形成させる。この第1室内ファン63は、第1室内ファンモータ63aが駆動制御されることにより、風量が調節される。
第1ガス側温度センサ71は、ガス側冷媒連絡配管6の点Yと第1室内熱交換器62のガス側との間の冷媒配管に取り付けられており、第1室内熱交換器62のガス側端部を通過する冷媒の温度を検知する。
第1液側温度センサ72は、第1室内膨張弁64と第1室内熱交換器62の液側との間の冷媒配管に取り付けられており、第1室内熱交換器62の液側端部を通過する冷媒の温度を検知する。
第1室内ユニット61には、上述の制御部7の一部を構成する第1室内側制御基板61aが設けられている。この第1室内側制御基板61aは、CPU、ROM、RAM等を有して構成されており、第1室内膨張弁64の弁開度の制御や、第1室内ファンモータ63aによる第1室内ファン63の風量制御や、第1ガス側温度センサ71の検知温度の把握、第1液側温度センサ72の検知温度の把握等を行う。
(3)第2室内ユニット65
第2室内ユニット65は、第1室内ユニット61と同様であり、第2室内熱交換器66と、第2室内膨張弁68と、第2室内ファン67と、第2室内ファンモータ67aと、第2ガス側温度センサ73と、第2液側温度センサ74と、を有している。
第2室内熱交換器66は、冷媒回路3の一部を構成している。第2室内熱交換器66のガス側の端部は、後述するガス側冷媒連絡配管6の端部である点Yから伸びる冷媒配管(第1室内熱交換器62側に伸びるものとは別の冷媒配管)と接続されている。第2室内熱交換器66の液側の端部は、後述する液側冷媒連絡配管5の端部である点Xから伸びる冷媒配管(第1室内熱交換器62側に伸びるものとは別の冷媒配管)と接続されている。
第2室内膨張弁68は、冷媒回路3内において、第2室内熱交換器66の液側(具体的には、第2室内熱交換器66の液側の端部と点Xとを繋ぐ冷媒配管の途中)に設けられている。第2室内膨張弁68は、特に限定されないが、第1室内膨張弁64と同様に、例えば、通過する冷媒量や減圧程度を調節するために弁開度を調節可能な電動膨張弁とすることができる。
第2室内ファン67は、第2室内熱交換器66に対して空調対象空間(室内)の空気を送り、第2室内熱交換器66を通過した空気を再び空調対象空間に戻す空気流れを形成させる。この第2室内ファン67は、第2室内ファンモータ67aが駆動制御されることにより、風量が調節される。
第2ガス側温度センサ73は、ガス側冷媒連絡配管6の点Yと第2室内熱交換器66のガス側との間の冷媒配管に取り付けられており、第2室内熱交換器66のガス側端部を通過する冷媒の温度を検知する。
第2液側温度センサ74は、第2室内膨張弁68と第2室内熱交換器66の液側との間の冷媒配管に取り付けられており、第2室内熱交換器66の液側端部を通過する冷媒の温度を検知する。
第2室内ユニット65には、上述の制御部7の一部を構成する第2室内側制御基板65aが設けられている。この第2室内側制御基板65aは、CPU、ROM、RAM等を有して構成されており、第2室内膨張弁68の弁開度の制御や、第2室内ファンモータ67aによる第2室内ファン67の風量制御や、第2ガス側温度センサ73の検知温度の把握、第2液側温度センサ74の検知温度の把握等を行う。
(4)第1室外ユニット10
第1室外ユニット10は、第1圧縮機11、第1四路切換弁12、第1室外熱交換器13、第1室外ファン14、第1室外ファンモータ14a、第1室外膨張弁15、第1アキュームレータ19、第1吐出温度センサ51a、第1吐出圧力センサ51b、第1吸入温度センサ52a、第1吸入圧力センサ52b、第1室外熱交温度センサ53、第1外気温度センサ54を有している。
第1圧縮機11は、周波数制御が可能な圧縮機であり、運転容量が可変である。
第1四路切換弁12は、4つの接続ポートを有しており、そのうちの2つずつを互いに接続する。この第1四路切換弁12は、接続状態を切り換えることにより、第1室外ユニット10について冷房運転状態と暖房運転状態とを切り換えることができる。第1室外ユニット10の冷房運転状態では、第1圧縮機11の吸入側がガス側冷媒連絡配管6側となり、第1圧縮機11から吐出される冷媒が第1室外熱交換器13側に導かれるように、第1四路切換弁12が切り換えられる。第1室外ユニット10の暖房運転状態では、第1圧縮機11の吸入側が第1室外熱交換器13側となり、第1圧縮機11から吐出される冷媒がガス側冷媒連絡配管6側に導かれるように、第1四路切換弁12が切り換えられる。
第1室外熱交換器13は、第1室外ユニット10が冷房運転状態である場合には冷媒の放熱器(凝縮器)として機能することが可能であり、第1室外ユニット10が暖房運転状態である場合には冷媒の蒸発器として機能することが可能な熱交換器である。この第1室外熱交換器13は、特に限定されないが、例えば、複数の伝熱フィンと伝熱管によって構成されている。
第1室外ファン14は、第1室外ファンモータ14aが駆動することによって回転し、第1室外熱交換器13に対して屋外の空気を供給する。
第1室外膨張弁15は、第1室外熱交換器13の液側(第1室外熱交換器13の液側と液側冷媒連絡配管5との間)に設けられている。第1室外膨張弁15は、特に限定されないが、例えば、通過する冷媒の量や減圧程度を調節することが可能な電動膨張弁とすることができる。
第1アキュームレータ19は、第1四路切換弁12の接続ポートの1つと第1圧縮機11の吸入側との間に設けられた冷媒容器である。
第1吐出温度センサ51aは、第1圧縮機11の吐出側と第1四路切換弁12の接続ポートの1つとの間を流れる冷媒の温度を検知する。
第1吐出圧力センサ51bは、第1圧縮機11の吐出側と第1四路切換弁12の接続ポートの1つと間を流れる冷媒の圧力を検知する。
第1吸入温度センサ52aは、第1圧縮機11の吸入側と第1四路切換弁12の接続ポートの1つとの間を流れる冷媒の温度を検知する。
第1吸入圧力センサ52bは、第1圧縮機11の吸入側と第1四路切換弁12の接続ポートの1つとの間を流れる冷媒の圧力を検知する。
第1室外熱交温度センサ53は、第1室外熱交換器13を流れる冷媒の温度を検知する。
第1外気温度センサ54は、第1室外熱交換器13を通過する前の室外の空気の温度を外気温度として検知する。
第1室外ユニット10には、上述の制御部7の一部を構成する第1室外側制御基板10aが設けられている。この第1室外側制御基板10aは、CPU、ROM、RAM等を有して構成されており、第1圧縮機11の駆動周波数の制御や、第1四路切換弁12の接続状態の切り換えや、第1室外ファンモータ14aによる第1室外ファン14の風量制御や、第1室外膨張弁15の弁開度の制御や、第1吐出温度センサ51aの検知温度の把握、第1吐出圧力センサ51bの検知温度の把握、第1吸入温度センサ52aの検知温度の把握、第1吸入圧力センサ52bの検知温度の把握、第1室外熱交温度センサ53の検知温度の把握、第1外気温度センサ54の検知温度の把握等を行う。
(5)第2室外ユニット20
第2室外ユニット20は、以下に述べるように、第1室外ユニット10と同様に構成されている。
第2室外ユニット20は、第2圧縮機21、第2四路切換弁22、第2室外熱交換器23、第2室外ファン24、第2室外ファンモータ24a、第2室外膨張弁25、第2アキュームレータ29、第2吐出温度センサ56a、第2吐出圧力センサ56b、第2吸入温度センサ57a、第2吸入圧力センサ57b、第2室外熱交温度センサ58、第2外気温度センサ59を有している。
第2圧縮機21は、周波数制御が可能な圧縮機であり、運転容量が可変である。
第2四路切換弁22は、4つの接続ポートを有しており、そのうちの2つずつを互いに接続する。この第2四路切換弁22は、接続状態を切り換えることにより、第2室外ユニット20について冷房運転状態と暖房運転状態とを切り換えることができる。第2室外ユニット20の冷房運転状態では、第2圧縮機21の吸入側がガス側冷媒連絡配管6側となり、第2圧縮機21から吐出される冷媒が第2室外熱交換器23側に導かれるように、第2四路切換弁22が切り換えられる。第2室外ユニット20の暖房運転状態では、第2圧縮機21の吸入側が第2室外熱交換器23側となり、第2圧縮機21から吐出される冷媒がガス側冷媒連絡配管6側に導かれるように、第2四路切換弁22が切り換えられる。
第2室外熱交換器23は、第2室外ユニット20が冷房運転状態である場合には冷媒の放熱器(凝縮器)として機能することが可能であり、第2室外ユニット20が暖房運転状態である場合には冷媒の蒸発器として機能することが可能な熱交換器である。この第2室外熱交換器23は、特に限定されないが、例えば、複数の伝熱フィンと伝熱管によって構成されている。
第2室外ファン24は、第2室外ファンモータ24aが駆動することによって回転し、第2室外熱交換器23に対して屋外の空気を供給する。
第2室外膨張弁25は、第2室外熱交換器23の液側(第2室外熱交換器23の液側と液側冷媒連絡配管5との間)に設けられている。第2室外膨張弁25は、特に限定されないが、例えば、通過する冷媒の量や減圧程度を調節することが可能な電動膨張弁とすることができる。
第2アキュームレータ29は、第2四路切換弁22の接続ポートの1つと第2圧縮機21の吸入側との間に設けられた冷媒容器である。
第2吐出温度センサ56aは、第2圧縮機21の吐出側と第2四路切換弁22の接続ポートの1つとの間を流れる冷媒の温度を検知する。
第2吐出圧力センサ56bは、第2圧縮機21の吐出側と第2四路切換弁22の接続ポートの1つと間を流れる冷媒の圧力を検知する。
第2吸入温度センサ57aは、第2圧縮機21の吸入側と第2四路切換弁22の接続ポートの1つとの間を流れる冷媒の温度を検知する。
第2吸入圧力センサ57bは、第2圧縮機21の吸入側と第2四路切換弁22の接続ポートの1つとの間を流れる冷媒の圧力を検知する。
第2室外熱交温度センサ58は、第2室外熱交換器23を流れる冷媒の温度を検知する。
第2外気温度センサ59は、第2室外熱交換器23を通過する前の室外の空気の温度を外気温度として検知する。
第2室外ユニット20には、上述の制御部7の一部を構成する第2室外側制御基板20aが設けられている。この第2室外側制御基板20aは、CPU、ROM、RAM等を有して構成されており、第2圧縮機21の駆動周波数の制御や、第2四路切換弁22の接続状態の切り換えや、第2室外ファンモータ24aによる第2室外ファン24の風量制御や、第2室外膨張弁25の弁開度の制御や、第2吐出温度センサ56aの検知温度の把握、第2吐出圧力センサ56bの検知温度の把握、第2吸入温度センサ57aの検知温度の把握、第2吸入圧力センサ57bの検知温度の把握、第2室外熱交温度センサ58の検知温度の把握、第2外気温度センサ59の検知温度の把握等を行う。
(6)液側冷媒連絡配管5およびガス側冷媒連絡配管6
液側冷媒連絡配管5およびガス側冷媒連絡配管6は、第1室内ユニット61および第2室内ユニット65と、第1室外ユニット10および第2室外ユニット20と、を接続している。
液側冷媒連絡配管5は、第1室内ユニット61の第1室内膨張弁64から液側に伸びる配管と、第2室内ユニット65の第2室内膨張弁68から液側に伸びる配管と、が合流する点Xと、第1室外ユニット10の第1室外膨張弁15から液側に伸びる配管と、第2室外ユニット20の第2室外膨張弁25から液側に伸びる配管と、が合流する点Wと、を接続する配管であり、冷媒回路3の一部を構成している。
ガス側冷媒連絡配管6は、第1室内ユニット61の第1室内熱交換器62からガス側に伸びる配管と、第2室内ユニット65の第2室内熱交換器66からガス側に伸びる配管と、が合流する点Yと、第1室外ユニット10の第1四路切換弁12の接続ポートの1つからガス側に伸びる配管と、第2室外ユニット20の第2四路切換弁22の接続ポートの1つからガス側に伸びる配管と、が合流する点Zと、を接続する配管であり、冷媒回路3の一部を構成している。
なお、液側冷媒連絡配管5およびガス側冷媒連絡配管6は、第1室外ユニット10および第2室外ユニット20の設置位置から、第1室内ユニット61および第2室内ユニット65の設置位置まで延びており、冷媒回路3を構成する配管の中でも最も長いものである。
(7)冷房運転状態
冷房運転状態では、制御部7は、第1室内熱交換器62および第2室内熱交換器66が冷媒の蒸発器として機能しつつ、第1室外熱交換器13および第2室外熱交換器23が冷媒の放熱器(凝縮器)として機能するように、第1四路切換弁12および第2四路切換弁22の接続状態を切り換えて冷凍サイクルを実行する(図1の第1四路切換弁12および第2四路切換弁22における点線で示す接続状態参照)。具体的には、制御部7は、第1四路切換弁12の接続状態を、第1圧縮機11から吐出された冷媒を第1室外熱交換器13側に導き、第1室内ユニット61および第2室内ユニット65のガス側から流れてくる冷媒の一部を第1圧縮機11の吸入側に導く接続状態とし、第2四路切換弁22の接続状態を、第2圧縮機21から吐出された冷媒を第2室外熱交換器23側に導き、第1室内ユニット61および第2室内ユニット65のガス側から流れてくる冷媒の他の一部を第2圧縮機21の吸入側に導く接続状態として冷凍サイクルを行う。
冷房運転状態では、制御部7は、第1室外膨張弁15および第2室外膨張弁25がいずれも全開状態となるように制御する。そして、制御部7は、第1室内熱交換器62および第2室内熱交換器66のガス側を流れる冷媒の過熱度が目標過熱度となるように、第1室内膨張弁64および第2室内膨張弁68の各弁開度の制御を行う。
なお、第1圧縮機11および第2圧縮機21の駆動周波数や、第1室内ファンモータ63aおよび第2室内ファンモータ67aや、第1室外ファンモータ14aおよび第2室外ファンモータ24aは、それぞれの所定の制御条件を満たすように制御部7によって駆動制御される。
(8)暖房運転状態
暖房運転状態では、制御部7は、第1室外熱交換器13および第2室外熱交換器23が冷媒の蒸発器として機能しつつ、第1室内熱交換器62および第2室内熱交換器66が冷媒の放熱器(凝縮器)として機能するように、第1四路切換弁12および第2四路切換弁22の接続状態を切り換えて冷凍サイクルを実行する(図1の第1四路切換弁12および第2四路切換弁22における実線で示す接続状態参照)。具体的には、制御部7は、第1四路切換弁12の接続状態を、第1圧縮機11から吐出された冷媒が第1室内ユニット61および第2室内ユニット65のガス側に送られる冷媒の一部となるようにしつつ、第1室外熱交換器13から流れてくる冷媒を第1圧縮機11の吸入側に導く接続状態とし、第2四路切換弁22の接続状態を、第2圧縮機21から吐出された冷媒が第1室内ユニット61および第2室内ユニット65のガス側に送られる冷媒の他の一部となるようにしつつ、第2室外熱交換器23から流れてくる冷媒を第2圧縮機21の吸入側に導く接続状態として冷凍サイクルを行う。
暖房運転状態では、制御部7は、第1室内熱交換器62および第2室内熱交換器66の液側を流れる冷媒の過冷却度が目標過冷却度となるように、第1室内膨張弁64および第2室内膨張弁68の各弁開度の制御を行う。なお、制御部7は、第1室外熱交換器13や第2室外熱交換器23に送られる冷媒を減圧することができるように第1室外膨張弁15および第2室外膨張弁25の各弁開度を制御する。
なお、第1圧縮機11および第2圧縮機21の駆動周波数や、第1室内ファンモータ63aおよび第2室内ファンモータ67aや、第1室外ファンモータ14aおよび第2室外ファンモータ24aは、それぞれの所定の制御条件を満たすように制御部7によって駆動制御される。
(9)油戻し運転
制御部7は、所定の油戻し条件が成立した場合に、油戻し運転を行う。
油戻し運転は、所定の油戻し条件が成立した場合に(所定の油戻し条件が成立したことを契機として)行われる運転であり、後述する、所定除霜条件が成立した場合に(所定除霜条件が成立したことを契機として)行われる交互デフロストモードや逆サイクルデフロストモードとは区別される。
具体的には、第1圧縮機11もしくは第2圧縮機21の積算運転時間が所定時間を超えた場合に、所定の油戻し条件が満たされたと判断して、油戻し運転が行われる。さらに、第1圧縮機11もしくは第2圧縮機21の冷凍機油の流出積算値が所定の油戻し用積算値を超えた場合にも、所定の油戻し条件が成立したと判断して、油戻し運転が行われる。
なお、ここでの第1圧縮機11もしくは第2圧縮機21の積算運転時間のカウントや当該積算運転時間が所定時間を超えたか否かの判断は、制御部7が行う。また、第1圧縮機11もしくは第2圧縮機21の冷凍機油の流出積算値のカウントや当該流出積算値が所定の油戻し用積算値を超えたか否かの判断も、制御部7が行う。冷凍機油の流出積算値のカウント方法は、特に限定されないが、例えば、対象となる圧縮機の回転数と吸入側の低圧圧力と吐出側の高圧圧力とを用いて算出して得られる値を用いることができる(後述の所定流出条件の判断においても同様)。なお、第1圧縮機11と第2圧縮機21の積算運転時間や冷凍機油の流出積算値は、この油戻し運転が行われた際および後述の逆サイクルデフロストモードが実行された際にリセットされ、再び0からカウントされる。
油戻し運転では、図3に示すように、第1四路切換弁12は、冷媒回路3の点Zの部分を通過する冷媒が第1圧縮機11の吸入側に導かれ、第1圧縮機11から吐出される冷媒が第1室外熱交換器13に送られるように接続状態が切り換えられ、第2四路切換弁22についても、冷媒回路3の点Zの部分を通過する冷媒が第2圧縮機21の吸入側に導かれ、第2圧縮機21から吐出される冷媒が第2室外熱交換器23に送られるように接続状態が切り換えられる。
ここで、第1室外膨張弁15および第2室外膨張弁25は、いずれも、弁開度が全開状態となるように、制御部7により制御される。
なお、第1室内膨張弁64および第2室内膨張弁68は、第1圧縮機11または第2圧縮機21の吸入冷媒の過熱度が所定の過熱度となるように制御される。これらの冷媒の過熱度は、第1吸入温度センサ52aの検知温度および第1吸入圧力センサ52bの検知圧力や、第2吸入温度センサ57aの検知温度および第2吸入圧力センサ57bの検知圧力から求められる。
また、第1室内ファンモータ63aや第2室内ファンモータ67aは、蒸発器として機能している第1室内熱交換器62や第2室内熱交換器66における冷気が室内に送られてしまわないように、基本的に停止されている。
以上の油戻し運転では、冷媒回路3の点Xに送られた冷媒は、第1室内ユニット61側と第2室内ユニット65側とに向けて分岐して流れる。そして、第1室内膨張弁64で低圧まで減圧された冷媒は、低圧の冷媒の蒸発器として機能する第1室内熱交換器62において蒸発し、第2室内膨張弁68で低圧まで減圧された冷媒は、低圧の冷媒の蒸発器として機能する第2室内熱交換器66において蒸発する。第1室内熱交換器62および第2室内熱交換器66から流出した冷媒は、冷媒回路3の点Yで合流し、ガス側冷媒連絡配管6を介して、冷媒回路3の点Zまで送られる。
冷媒回路3の点Zに送られた冷媒は、第1室外ユニット10側と第2室外ユニット20側とに向けて分岐して流れる。第1室外ユニット10側に送られた冷媒は、第1四路切換弁12および第1アキュームレータ19を介して第1圧縮機11に吸入される。第1圧縮機11で高圧まで圧縮された冷媒は、第1室外熱交換器13において放熱し、第1室外膨張弁15を通過して、冷媒回路3の点Wに送られる。第2室外ユニット20側に送られた冷媒も同様に、第2四路切換弁22および第2アキュームレータ29を介して第2圧縮機21に吸入される。第2圧縮機21で高圧まで圧縮された冷媒は、第2室外熱交換器23において放熱し、第2室外膨張弁25を通過して、冷媒回路3の点Wに送られる。第1室外ユニット10側と第2室外ユニット20側から流れてきた冷媒は、冷媒回路3の点Wで合流して、液側冷媒連絡配管5を介して、再び冷媒回路3の点Xに送られる。
この油戻し運転では、冷媒回路3を循環する冷媒は、液側冷媒連絡配管5およびガス側冷媒連絡配管6を流れ、第1室内ユニット61と第2室内ユニット65のいずれかを流れるため、第1室外ユニット10や第2室外ユニット20の外部に流出した冷凍機油を、冷媒に同伴させて第1圧縮機11や第2圧縮機21に戻すことができ、冷凍機油が枯渇する状況を回避することが可能になる。
なお、油戻し運転中に制御部7が所定の油戻し終了条件が成立したと判断した場合には、制御部7は、油戻し運転を終了させ、第1四路切換弁12や第2四路切換弁22の接続状態を切り換えて、油戻し運転を開始する前に行われていた暖房運転または冷房運転を再開させる。ここで、所定の油戻し終了条件は、特に限定されるものではないが、例えば、油戻し運転が開示されてから所定時間が経過した場合に成立することとされてもよいし、第1圧縮機11または第2圧縮機21の回転数が所定の回転数に達した場合に成立することとされていてもよい。
(10)デフロスト運転
制御部7は、上述の暖房運転を行っている際に、制御部7が所定除霜条件が成立したと判断した場合にデフロスト運転を行う。
この所定除霜条件としては、特に限定されないが、例えば、外気温度と室外熱交換器の温度が所定の温度条件を満たす状態が所定時間以上継続して続いていること、とすることができる。この場合、制御部7は、第1外気温度センサ54または第2外気温度センサ59の検知温度によって外気温度を把握してもよい。また、制御部7は、第1室外熱交温度センサ53または第2室外熱交温度センサ58の検知温度によって室外熱交換器の温度を把握してもよい。なお、本実施形態では、制御部7は、第1室外熱交換器13と第2室外熱交換器23の少なくともいずれか一つのみについて所定除霜条件が成立した場合に、全ての室外熱交換器をデフロストさせるように制御部7が構成されている。
デフロスト運転では、上記所定除霜条件が成立した時点で、冷凍機油の流出積算量に関する所定流出条件が成立していない場合には交互デフロストモードが選択されて実行され、この所定流出条件が成立している場合には逆サイクルデフロストモードが選択されて実行される。
(10−1)所定流出条件
この所定流出条件は、特に限定されないが、冷凍機油の圧縮機からの流出積算量に関する条件であり、流出積算量を直接的に算出して判断される条件であってもよいし、流出積算量に関連するパラメータを用いて判断される条件であってもよい。
本実施形態では、制御部7は、以下の(A)、(B)、(C)のいずれかが満たされた場合に所定流出条件が成立していると判断する。
(A)所定除霜条件が成立した時点からそれぞれの第1圧縮機11および第2圧縮機21が最も油を多く流出する所定の運転を継続して実行すると仮定した場合に、所定除霜条件が成立した時点から所定の油枯渇状態となるまでに要する時間(第1圧縮機11と第2圧縮機21の少なくともいずれか一つが所定の油枯渇状態となるまでに要する時間)が、所定時間以下(例えば、40分以下)となる場合に、本実施形態の制御部7は、所定流出条件が成立すると判断する。
ここで、第1圧縮機11および第2圧縮機21が最も油を多く流出する所定の運転としては、特に限定されないが、例えば、第1圧縮機11および第2圧縮機21について規定されている最大回転数での運転とすることができる。また、所定の油枯渇状態としては、特に限定されないが、本実施形態では上述の所定の油戻し条件が成立する程度の油枯渇状態(第1圧縮機11もしくは第2圧縮機21の冷凍機油の流出積算値が所定の油戻し用積算値を超えた状態)としている。なお、所定除霜条件が成立した時点からそれぞれの第1圧縮機11および第2圧縮機21が最も油を多く流出する所定の運転を継続して実行すると仮定した場合に、所定除霜条件が成立した時点から所定の油枯渇状態となるまでに要する時間の算出は、制御部7が、所定除霜条件が成立した時点での各圧縮機の冷凍機油の流出積算量に基づいて算出し、所定時間以下か否かの判断も、制御部7が判断する。
(B)また、所定除霜条件が成立した際の冷凍機油の流出積算値が、所定積算値以上となる場合においても、本実施形態の制御部7は、所定流出条件が成立すると判断する。具体的には、制御部7は、冷凍機油の流出積算値を第1圧縮機11と第2圧縮機21のそれぞれについてカウントしているところ、所定除霜条件が成立した際の第1圧縮機11の冷凍機油の流出積算値と第2圧縮機21の冷凍機油の流出積算値の少なくともいずれかが、所定積算値以上となっている場合にも、制御部7は、所定流出条件が成立すると判断する。
なお、(A)、(B)における冷凍機油の流出積算量は、上記所定の油戻し条件の「所定の油戻し用積算値」の判断における冷凍機油の流出積算値と同じ値である。すなわち、冷凍機油の流出積算量は、所定の油戻し条件の判断においても、所定流出条件の判断においても、共通して用いられるパラメータである。そして、この冷凍機油の流出積算量は、上記油戻し運転が行われた場合と上記逆サイクルデフロストモードが実行された場合に制御部7によってリセットされ、0からのカウントが再開される。
(C)さらに、所定除霜条件が成立した際の圧縮機の積算運転時間が、所定の油戻し条件が成立するとされる所定時間より短い所定積算運転時間以上である場合においても、本実施形態の制御部7は、所定流出条件が成立すると判断する。具体的には、制御部7は、積算運転時間を第1圧縮機11と第2圧縮機21のそれぞれについてカウントしているところ、所定除霜条件が成立した際の第1圧縮機11の積算運転時間と第2圧縮機21の積算運転時間の少なくともいずれか、所定積算運転時間以上となっている場合にも、制御部7は、所定流出条件が成立すると判断する。
なお、(C)における圧縮機の積算運転時間は、上記所定の油戻し条件の「所定の油戻し用積算値」の判断における圧縮機の積算運転時間と同じ値である。すなわち、圧縮機の積算運転時間は、所定の油戻し条件の判断においても、所定流出条件の判断においても、共通して用いられるパラメータである。そして、この圧縮機の積算運転時間は、上記油戻し運転が行われた場合と上記逆サイクルデフロストモードが実行された場合に制御部7によってリセットされ、0からのカウントが再開される。
なお、本実施形態では、冷凍機油の流出積算値および圧縮機の積算運転時間は、逆デフロストモードが実行された場合および油戻し運転が実行された場合にはリセットされるが、交互デフロストモードが実行された場合にはリセットされない。
(10−2)交互デフロストモード
交互デフロストモードは、複数台の室外ユニット(第1室外ユニット10および第2室外ユニット20)のうちの一部である1台をデフロスト対象とし、そのデフロスト対象を順次変えていくことにより、全ての室外ユニットをデフロストさせる運転モードである。
すなわち、交互デフロストモードでは、まず、第1室外熱交換器13と第2室外熱交換器23のうちのいずれか一方のみがデフロスト対象となるように(例えば、第1室外熱交換器13がデフロスト対象となるように)第1四路切換弁12および第2四路切換弁22の接続状態が切り換えられ、デフロスト対象の室外熱交換器(この例では、第1室外熱交換器13)のデフロストを行う。そして、最初のデフロスト対象である室外熱交換器(この例では第1室外熱交換器13)のデフロストが終了した場合に、続けて、先にデフロスト対象であった室外熱交換器以外の室外熱交換器(この例では、第2室外熱交換器23)のみがデフロスト対象となるように第1四路切換弁12および第2四路切換弁22の接続状態が切り換えられ、新たなデフロスト対象の室外熱交換器(この例では、第2室外熱交換器23)のデフロストを行う。このようにして、デフロスト対象となる室外熱交換器が順次変わっていくように(デフロスト対象となる室外熱交換器をローテーションさせるように)第1四路切換弁12および第2四路切換弁22の接続状態が切り換えられることで、全ての室外熱交換器のデフロストを行う。
なお、全ての室外熱交換器のデフロストが終了した場合には、第1四路切換弁12および第2四路切換弁22の接続状態を切り換えて、再び、暖房運転を再開させる。
(10−2−1)第1室外熱交換器13がデフロスト対象である場合の運転
ここで、上記第1室外熱交換器13がデフロスト対象となるように第1四路切換弁12および第2四路切換弁22の接続状態が切り換えられた状態の冷媒回路3における冷媒流れの様子を、図4に示す。
第1室外熱交換器13がデフロスト対象となる場合には、第1四路切換弁12は、冷媒回路3の点Zの部分を通過する冷媒が第1圧縮機11の吸入側に導かれ、第1圧縮機11から吐出される冷媒が第1室外熱交換器13に送られるように接続状態が切り換えられ、第2四路切換弁22は、第2室外熱交換器23を通過した冷媒が第2圧縮機21の吸入側に導かれ、第2圧縮機21から吐出される冷媒が冷媒回路3の点Zの部分に送られるように接続状態が切り換えられる。
ここで、デフロスト対象である第1室外熱交換器13の液側に設けられている第1室外膨張弁15は、弁開度が全開状態となるように、制御部7により制御される。
また、デフロスト対象ではない第2室外熱交換器23の液側に接続されている第2室外膨張弁25は、第2圧縮機21により吸入される冷媒の過熱度が所定の第1目標過熱度となるように、制御部7によって弁開度が制御される。なお、制御部7は、第2圧縮機21により吸入される冷媒の過熱度を、第2吸入温度センサ57aの検知温度および第2吸入圧力センサ57bの検知圧力から求める。
なお、第1室内膨張弁64および第2室内膨張弁68は、後述するように、全閉状態とはされず、いずれも冷媒が通過できる開度となるように制御されている。また、第1室内ファンモータ63aや第2室内ファンモータ67aは、蒸発器として機能している第1室内熱交換器62や第2室内熱交換器66における冷気が室内に送られてしまわないように、基本的に停止されている。
以上の運転状態では、冷媒回路3の点Wを通過した冷媒は、第2室外膨張弁25を通過する際に低圧まで減圧され、低圧の冷媒の蒸発器として機能する第2室外熱交換器23において蒸発し、第2四路切換弁22および第2アキュームレータ29を介して第2圧縮機21に吸入される。
第2圧縮機21において中間圧力まで圧縮された冷媒は、第2四路切換弁22を介して冷媒回路3の点Zまで送られる。ここで、後述するように、第1室内膨張弁64および第2室内膨張弁68はいずれも冷媒が通過できる開度に制御されているため、第1室内熱交換器62や第2室内熱交換器66からガス側冷媒連絡配管6を介して冷媒回路3の点Zの箇所まで流れてきている。このため、冷媒回路3の点Zの箇所では、これらの冷媒が合流し、第1四路切換弁12および第1アキュームレータ19を介して第1圧縮機11に吸入される。
第1圧縮機11でさらに高圧まで圧縮された冷媒は、高温高圧冷媒となってデフロスト対象である第1室外熱交換器13に供給され、第1室外熱交換器13に付着している霜を効率的に融解させることが可能になっている。ここで、デフロスト対象の第1室外熱交換器13は、冷媒の放熱器(凝縮器)として機能する。第1室外熱交換器13を通過した高圧液冷媒は、全開状態に制御されている第1室外膨張弁15を通過した後、冷媒回路3の点Wまで送られる。
第1室内膨張弁64および第2室内膨張弁68が開けられた状態となっているため、冷媒回路3の点Wに送られた高圧液冷媒の一部は、液側冷媒連絡配管5を介して、第1室内熱交換器62と第2室内熱交換器66とに向けて流れていく(なお、第1室内膨張弁64および第2室内膨張弁68において冷媒は中間圧力まで減圧される)。ここで、第1室内熱交換器62および第2室内熱交換器66は、中間圧力の冷媒の蒸発器として機能している。第1室内熱交換器62および第2室内熱交換器66を通過した冷媒は、冷媒回路3の点Yで合流した後、ガス側冷媒連絡配管6を介して再び冷媒回路3の点Zまで送られる。また、冷媒回路3の点Wに送られた冷媒の他の一部は、再び、第2室外膨張弁25に送られる。
このようにして、第1室外熱交換器13がデフロスト対象である場合の運転が行われる。
なお、デフロスト対象である第1室外熱交換器13について所定除霜終了条件が成立した場合、すなわち、当該室外熱交換器の下端部分の温度が所定温度以上になった場合に、制御部7は、第1室外熱交換器13のデフロストを終了させる。なお、制御部7は、第1室外熱交換器13の熱交換器の下端部分の温度を把握するために、第1室外熱交温度センサ53の検知温度を用いるようにしてもよいし、第1室外熱交温度センサ53とは別個の温度センサが当該下端部分に設けられている場合には当該温度センサの検知温度を用いるようにしてもよい。
(10−2−2)第2室外熱交換器23がデフロスト対象である場合の運転
ここで、上記第2室外熱交換器23がデフロスト対象となるように第1四路切換弁12および第2四路切換弁22の接続状態が切り換えられた状態の冷媒回路3における冷媒流れの様子を、図5に示す。
第2室外熱交換器23がデフロスト対象となる場合には、第1四路切換弁12は、第1室外熱交換器13を通過した冷媒が第1圧縮機11の吸入側に導かれ、第1圧縮機11から吐出される冷媒が冷媒回路3の点Zの部分に送られるように接続状態が切り換えられ、第2四路切換弁22は、冷媒回路3の点Zの部分を通過した冷媒が第2圧縮機21の吸入側に導かれ、第2圧縮機21から吐出される冷媒が第2室外熱交換器23に送られるように接続状態が切り換えられる。
ここで、デフロスト対象である第2室外熱交換器23の液側に設けられている第2室外膨張弁25は、弁開度が全開状態となるように、制御部7により制御される。
また、デフロスト対象ではない第1室外熱交換器13の液側に接続されている第1室外膨張弁15は、第1圧縮機11により吸入される冷媒の過熱度が所定の第1目標過熱度となるように、制御部7によって弁開度が制御される。なお、制御部7は、第1圧縮機11により吸入される冷媒の過熱度を、第1吸入温度センサ52aの検知温度および第1吸入圧力センサ52bの検知圧力から求める。
なお、第1室内膨張弁64および第2室内膨張弁68は、後述するように、全閉状態とはされず、いずれも冷媒が通過できる開度となるように制御されている。また、第1室内ファンモータ63aや第2室内ファンモータ67aは、蒸発器として機能している第1室内熱交換器62や第2室内熱交換器66における冷気が室内に送られてしまわないように、基本的に停止されている。
以上の運転状態では、冷媒回路3の点Wを通過した冷媒は、第1室外膨張弁15を通過する際に低圧まで減圧され、低圧の冷媒の蒸発器として機能する第1室外熱交換器13において蒸発し、第1四路切換弁12および第1アキュームレータ19を介して第1圧縮機11に吸入される。
第1圧縮機11において中間圧力まで圧縮された冷媒は、第1四路切換弁12を介して冷媒回路3の点Zまで送られる。ここで、後述するように、第1室内膨張弁64および第2室内膨張弁68はいずれも冷媒が通過できる開度に制御されているため、第1室内熱交換器62や第2室内熱交換器66からガス側冷媒連絡配管6を介して冷媒回路3の点Zの箇所まで流れてきている。このため、冷媒回路3の点Zの箇所では、これらの冷媒が合流し、第2四路切換弁22および第2アキュームレータ29を介して第2圧縮機21に吸入される。
第2圧縮機21でさらに高圧まで圧縮された冷媒は、高温高圧冷媒となってデフロスト対象である第2室外熱交換器23に供給され、第2室外熱交換器23に付着している霜を効率的に融解させることが可能になっている。ここで、デフロスト対象の第2室外熱交換器23は、冷媒の放熱器(凝縮器)として機能する。第2室外熱交換器23を通過した高圧液冷媒は、全開状態に制御されている第2室外膨張弁25を通過した後、冷媒回路3の点Wまで送られる。
第1室内膨張弁64および第2室内膨張弁68が開けられた状態となっているため、冷媒回路3の点Wに送られた高圧液冷媒の一部は、液側冷媒連絡配管5を介して、第1室内熱交換器62と第2室内熱交換器66とに向けて流れていく(なお、第1室内膨張弁64および第2室内膨張弁68において冷媒は中間圧力まで減圧される)。ここで、第1室内熱交換器62および第2室内熱交換器66は、中間圧力の冷媒の蒸発器として機能している。第1室内熱交換器62および第2室内熱交換器66を通過した冷媒は、冷媒回路3の点Yで合流した後、ガス側冷媒連絡配管6を介して再び冷媒回路3の点Zまで送られる。また、冷媒回路3の点Wに送られた冷媒の他の一部は、再び、第1室外膨張弁15に送られる。
このようにして、第2室外熱交換器23がデフロスト対象である場合の運転が行われる。
なお、デフロスト対象である第2室外熱交換器23について所定除霜終了条件が成立した場合、すなわち、当該室外熱交換器の下端部分の温度が所定温度以上になった場合に、制御部7は、第2室外熱交換器23のデフロストを終了させる。なお、制御部7は、第2室外熱交換器23の熱交換器の下端部分の温度を把握するために、第2室外熱交温度センサ58の検知温度を用いるようにしてもよいし、第2室外熱交温度センサ58とは別個の温度センサが当該下端部分に設けられている場合には当該温度センサの検知温度を用いるようにしてもよい。
(10−3)逆サイクルデフロストモード
逆サイクルデフロストモードは、第1室外熱交換器13と第2室外熱交換器23の両方を冷媒の放熱器として機能させ、第1室内熱交換器62と第2室内熱交換器66の両方を冷媒の蒸発器として機能させるように、第1四路切換弁12および第2四路切換弁22の接続状態を切り換えて、全ての室外熱交換器を同時にデフロストさせる運転モードである。
冷媒回路3における具体的な冷媒の流れる経路は、上述した油戻し運転時の冷媒の流れる経路と同様であり、図3に示す通りである。
ただし、逆サイクルデフロストモードは、所定除霜条件が成立した場合(さらに所定流出条件も成立した場合)に開始され、室外熱交換器の温度が所定温度以上になった等の場合に終了する運転である。他方、油戻し運転は、所定の油戻し条件が成立した場合に開始され、所定の油戻し終了条件が成立した場合に終了する運転である。両者は少なくともこの点で異なっている。
また、逆サイクルデフロストモードと、油戻し運転とでは、例えば、第1圧縮機11や第2圧縮機21の回転数が異なっていてもよいし、第1室内膨張弁64や第2室内膨張弁68の弁開度が異なっていてもよい。なお、逆サイクルデフロストモードでは、第1圧縮機11および第2圧縮機21の回転数を所定回転数以上として運転させることが好ましい。
なお、逆サイクルデフロストモードの終了は、第1室外熱交換器13と第2室外熱交換器23の両方について所定除霜終了条件が成立した場合、すなわち、全ての室外熱交換器の下端部分の温度が所定温度以上になった場合に、制御部7は、逆サイクルデフロストモードを終了させ、第1四路切換弁12および第2四路切換弁22の接続状態を切り換えて、再び、暖房運転を再開させる。
なお、1回分の逆サイクルデフロストモードの実行時間は、1回分の油戻し運転の運転時間よりも長いことが好ましい。
以上の逆サイクルデフロストモードが実行されることで、液側冷媒連絡配管5、第1室内ユニット61、第2室内ユニット65、ガス側冷媒連絡配管6に対して十分に冷媒を流すことができ、冷媒流れに同伴させるようにして冷凍機油を第1圧縮機11や第2圧縮機21に戻すことが可能になる。
(11)デフロスト運転の制御フロー
図6、図7、図8、図9に、デフロスト運転の制御フローを示す。
ステップS10では、制御部7は、空気調和装置100が暖房運転を実行中であるか否かを判断する。ここで、暖房運転が実行中であればステップS11に移行し、暖房運転が実行中でなければステップS10を繰り返す。
ステップS11では、制御部7は、上述の所定除霜条件が成立したか否かを判断する。具体的には、制御部7は、複数の室外熱交換器(第1室外熱交換器13と第2室外熱交換器23)のうちの少なくとも1つについて所定除霜条件が成立したものがあった場合には、ステップS12に移行し、いずれの室外熱交換器においても所定除霜条件が成立していない場合にはステップS11を繰り返す。
ステップS12では、制御部7は、上述の冷凍機油の流出積算量に関する所定流出条件が成立しているか否かを判断する。すなわち、制御部7は、上記所定除霜条件が成立した時点で、冷凍機油の流出積算量に関する所定流出条件が成立しているか否かを判断する。ここで、制御部7は、上述の通り、所定流出条件の(A)、(B)、(C)の少なくともいずれかが満たされた場合に、所定流出条件が成立していると判断する。すなわち、ステップS11で所定除霜条件が成立した際に、室外熱交換器に霜が付着しているだけでなく、冷凍機油が圧縮機から多く流出した状況になっているか否かを判断する。ここで、所定流出条件が成立していないと判断した場合には、交互デフロストモードを実行するためステップS13に以降し(図6と図7の「A1」参照)、所定流出条件が成立していると判断した場合には、逆サイクルデフロストモードを実行するためステップS26に以降する(図6と図9の「B1」参照)。
ステップS13では、制御部7は、暖房運転を中止し、交互デフロストモードを実行開始する。すなわち、制御部7は、複数の室外熱交換器のうちの一部がデフロスト対象となるように第1四路切換弁12と第2四路切換弁22の接続状態を切り換える。なお、デフロスト対象とする室外熱交換器の順番は、特に限定されないが、本実施形態では、第1室外熱交換器13を先にデフロスト対象とし、その後、第2室外熱交換器23を続けてデフロスト対象とする場合を例に挙げて説明する。
ステップS14では、制御部7は、第1室内膨張弁64と第2室内膨張弁68が開けられた状態となるようにして、各弁開度が所定初期開度で維持されるように制御する。すなわち、第1室内膨張弁64と第2室内膨張弁68について、全閉状態とすることなく、それぞれ冷媒が通過可能な状態が確保される。この所定初期開度については、特に限定されないが、例えば、室内膨張弁が直接接続されている室内熱交換器の容量に応じた値としてもよく、第1室内熱交換器と第2室内熱交換器の容量が異なる場合にはそれぞれの容量に応じた異なる開度として設定されていてもよい。これにより、デフロスト運転の初期段階から、冷媒回路3内における冷媒の流動を促進し、デフロスト対象となる室外熱交換器に対して高温高圧の冷媒を効率良く供給できることになる。
ステップS15では、制御部7は、第1圧縮機11、第2圧縮機21を駆動させ、第1室外膨張弁15を全開状態にして、第2室外膨張弁25を第2圧縮機21の吸入冷媒の過熱度が所定の第1目標過熱度となるように制御を行う(上記図4およびその説明参照)。この第1目標過熱度の値は、特に限定されないが、例えば、0度より大きく10度以下である値としてもよく、3度以上5度以下の値とすることがより好ましい。
ステップS16では、制御部7は、所定初期条件が成立しているか否かを判断する。ここで、所定初期条件とは、特に限定されず、例えば、第1室内膨張弁64と第2室内膨張弁68を所定初期開度とした状態で第1圧縮機11と第2圧縮機21が駆動開始した時から所定初期時間が経過した場合に成立する条件としてもよいし、デフロスト対象である室外熱交換器に接続されている圧縮機(ここでは第1圧縮機11)の吸入冷媒の過熱度が所定初期過熱度となった場合(例えば、5度以下となった場合)に成立する条件としてもよい。ここで、所定初期条件が成立していればステップS17に移行し、所定初期条件が成立していない場合にはステップS16を繰り返す。
ステップS17では、制御部7は、ステップS15における制御を継続させつつ、第1室内膨張弁64と第2室内膨張弁68を所定初期開度に維持させる制御を止めて、第1圧縮機11の吸入冷媒の過熱度が所定の第2目標過熱度となるように第1室内膨張弁64と第2室内膨張弁68の弁開度の制御を行う。なお、ステップS15における所定の第1目標過熱度の値と、ステップS17における所定の第2目標過熱度の値とは、同一の値であってもよいし、異なる値であってもよい。なお、ステップS17の段階では第1室外熱交換器13の除霜開始から時間が経過して冷媒回路3の冷媒分布が安定してきており、液圧縮が生じにくいと考えられることから、ステップS17の第2目標過熱度の値をステップS15の第1目標過熱度の値よりも小さくしてもよい。これにより、精度良く過熱度制御を実行することが可能になる。
ステップS18では、制御部7は、現在デフロスト対象としている室外熱交換器について所定除霜終了条件が成立しているか否かを判断する。本実施形態の例では、先にデフロスト対象とされている第1室外熱交換器13について、所定除霜終了条件が成立しているか否かが判断される。具体的には、上述のとおり、第1室外熱交換器13の下端部分の温度が所定温度以上になっている場合に、第1室外熱交換器13について所定除霜終了条件が成立していると判断する。所定除霜終了条件が成立している場合には、ステップS19(図7と図8の「A2」参照)に移行し、所定除霜終了条件が成立していない場合にはステップS18を繰り返す。
ステップS19では、制御部7は、直前までデフロスト対象であった室外熱交換器をデフロスト対象から外し、直前までデフロスト対象であった室外熱交換器以外の室外熱交換器が新たなデフロスト対象となるように、第1四路切換弁12と第2四路切換弁22の接続状態を切り換える。本実施形態では、デフロストを終えた第1室外熱交換器13をデフロスト対象から外し、その後、続けて第2室外熱交換器23がデフロスト対象となるように、第1四路切換弁12と第2四路切換弁22の接続状態を切り換える。
ステップS20では、制御部7は、ステップS14と同様に、第1室内膨張弁64と第2室内膨張弁68が開けられた状態となるようにして、各弁開度が所定初期開度で維持されるように制御する。
ステップS21では、制御部7は、第1圧縮機11、第2圧縮機21を駆動させ、第2室外膨張弁25を全開状態にして、第1室外膨張弁15を第1圧縮機11の吸入冷媒の過熱度が所定の第1目標過熱度となるように制御を行う(上記図5およびその説明参照)。ここで、ステップS21の所定の第1目標過熱度は、例えば、0度より大きく10度以下である値とすることができ、3度以上5度以下の値とすることが好ましく、ステップS15の所定の第1目標過熱度とは、全く同じ値としてもよいが、異なる値としてもよい。
ステップS22では、制御部7は、所定初期条件が成立しているか否かを判断する。ここで、所定初期条件とは、ステップS16と同様であり、特に限定されず、例えば、第1室内膨張弁64と第2室内膨張弁68を所定初期開度とした状態で第1圧縮機11と第2圧縮機21が駆動開始した時から所定初期時間が経過した場合に成立する条件としてもよいし、デフロスト対象である室外熱交換器に接続されている圧縮機(ここでは第2圧縮機21)の吸入冷媒の過熱度が所定初期過熱度となった場合(例えば、5度以下となった場合)に成立する条件としてもよい。ここで、所定初期条件が成立していればステップS23に移行し、所定初期条件が成立していない場合にはステップS22を繰り返す。
ステップS23では、制御部7は、ステップS21における制御を継続させつつ、第1室内膨張弁64と第2室内膨張弁68を所定初期開度に維持させる制御を止めて、第2圧縮機21の吸入冷媒の過熱度が所定の第2目標過熱度となるように第1室内膨張弁64と第2室内膨張弁68の弁開度の制御を行う。なお、ステップS21における所定の第1目標過熱度の値と、ステップS23における所定の第2目標過熱度の値とは、同一の値であってもよいし、異なる値であってもよい。なお、ステップS23の段階では第2室外熱交換器23の除霜開始から時間が経過して冷媒回路3の冷媒分布が安定してきており、液圧縮が生じにくいと考えられることから、ステップS23の第2目標過熱度の値をステップS21の第1目標過熱度の値よりも小さくしてもよい。これにより、精度良く過熱度制御を実行することが可能になる。
ステップS24では、制御部7は、現在デフロスト対象としている室外熱交換器について所定除霜終了条件が成立しているか否かを判断する。本実施形態の例では、第1室外熱交換器13に続いてデフロスト対象とされている第2室外熱交換器23について、所定除霜終了条件が成立しているか否かが判断される。具体的には、上述のとおり、第2室外熱交換器23の下端部分の温度が所定温度以上になっている場合に、第2室外熱交換器23について所定除霜終了条件が成立していると判断する。所定除霜終了条件が成立している場合には、ステップS25に移行し、所定除霜終了条件が成立していない場合にはステップS24を繰り返す。
ステップS25では、制御部7は、第2室外熱交換器23をデフロスト対象としていた第1四路切換弁12と第2四路切換弁22の接続状態を暖房運転を行うための接続状態に切り換え、暖房運転を再開させ、ステップS10に戻る(図8と図6の「A3」参照)。
ステップS26では、制御部7は、暖房運転を中止し、逆サイクルデフロストモードを実行開始する。すなわち、制御部7は、複数の室外熱交換器の全て(第1室外熱交換器13および第2室外熱交換器23)が冷媒の放熱器として機能し、複数の室内熱交換器の全て(第1室内熱交換器62および第2室内熱交換器66)が冷媒の蒸発器として機能するように、第1四路切換弁12と第2四路切換弁22の接続状態を切り換える。なお、この第1四路切換弁12と第2四路切換弁22の接続状態は、油戻し運転における接続状態と同様である(上記図3およびその説明参照)。
ステップS27では、制御部7は、第1圧縮機11および第2圧縮機21を駆動させる。さらに、制御部7は、第1室内膨張弁64および第2室内膨張弁68の弁開度について、第1圧縮機11および第2圧縮機21の吸入冷媒の過熱度が所定の第3目標過熱度以上となるように制御を行う(例えば、0度より大きく10度以下の値となるように制御を行う)。特に限定されないが、制御部7は、例えば、第1圧縮機11の吸入冷媒の過熱度と第2圧縮機21の吸入冷媒の過熱度のうち所定の第3目標過熱度未満のものが生じた場合には、第1室内膨張弁64の弁開度と第2室内膨張弁68の弁開度のうち弁開度がより小さい方について弁開度を上げる等のようにして制御を行ってもよい。なお、ここで、制御部7は、第1室外膨張弁15および第2室外膨張弁25をいずれも全開状態に制御する。
ステップS28では、制御部7は、全ての室外熱交換器について(第1室外熱交換器13および第2室外熱交換器23の両方について)所定除霜終了条件が成立しているか否かを判断する。すなわち、制御部7は、第1室外熱交換器13の下端部分の温度が所定温度以上になっており、かつ、第2室外熱交換器23の下端部分の温度も所定温度以上になっている場合に、所定除霜終了条件が成立していると判断する。ここで、所定除霜終了条件が成立していると判断された場合には、ステップS29に移行し、所定除霜終了条件が成立していないと判断した場合には、ステップS28を繰り返す。なお、このように逆サイクルデフロストモードが実行されることで、各室外熱交換器の下端部分の温度が所定温度以上となるまで運転が行われた場合には、既に冷媒回路3内において十分に冷媒が流れ、液側冷媒連絡配管5や第1室内ユニット61、第2室内ユニット65、ガス側冷媒連絡配管6に流出していた冷凍機油は、第1圧縮機11や第2圧縮機21に十分に戻っていると考えられる。
ステップS29では、制御部7は、逆サイクルデフロストモードが実行されたことにより、冷媒回路3内の冷凍機油が第1圧縮機11や第2圧縮機21に十分に戻っていると考えられることから、この時点における第1圧縮機11の冷凍機油の流出積算量および第2圧縮機21の冷凍機油の流出積算量をいずれもリセットする(0にする)。さらに、制御部7は、第1圧縮機11の積算運転時間および第2圧縮機21の積算運転時間についても、いずれもリセットする(0にする)。すなわち、所定の油戻し条件が成立して油戻し運転が行われた場合と同様に、リセットする。
ステップS30では、制御部7は、第1室外熱交換器13および第2室外熱交換器23を放熱器として機能させ、第1室内熱交換器62および第2室内熱交換器66を蒸発器として機能させる接続状態となっている第1四路切換弁12と第2四路切換弁22を暖房運転を行うための接続状態に切り換え、暖房運転を再開させ、ステップS10に戻る(図9と図6の「B2」参照)。
(12)特徴
(12−1)
本実施形態の空気調和装置100では、所定除霜条件が成立した場合であって所定流出条件が成立していない場合には、全ての室外熱交換器を冷媒の凝縮器として機能させつつ全ての室内熱交換器を冷媒の蒸発器として機能させるいわゆる逆サイクルデフロストを行うのではなく、複数の室外熱交換器のうちの一部をデフロスト対象として、当該デフロスト対象を変えていくことで全ての室外熱交換器のデフロストを行う交互デフロストモードを実行する。この交互デフロストモードでは、デフロスト対象以外の室外熱交換器については冷媒の低圧の蒸発器として機能させると共に、室内熱交換器については低圧の冷媒を一度圧縮させた圧力(デフロスト対象ではない室外熱交換器に接続された圧縮機により圧縮された冷媒の圧力)である中間圧力の蒸発器として機能させることにより、室内熱交換器のみが冷媒の低圧の蒸発器として機能する逆デフロストモードと比較すると、室内熱交換器で生じる冷媒の蒸発を小さく抑えることができている。このため、交互デフロストモード実行中における室内温度の低下を小さく抑えることが可能になっている。
また、交互デフロストモードでは、複数の室外熱交換器を順次デフロスト対象としてデフロストすることで各室外熱交換器の全てをデフロストさせている。このため、所定除霜条件が成立した室外熱交換器が生じる度に、暖房運転を中断してデフロスト運転を行う場合と比較して、暖房運転の中断頻度を抑制することができている。
(12−2)
ここで、例えば、所定除霜条件が成立した場合に、交互デフロストモードと逆サイクルデフロストモードとを選択的に実行するのではなく、逆サイクルデフロストモードのみを実行する装置の場合には、所定除霜条件が成立して逆サイクルデフロストモードが実行される度に、各圧縮機から冷媒回路3内の他の箇所に流出した冷凍機油を各圧縮機に戻すことが可能になる。
ところが、交互デフロストモードが実行される場合には、冷媒は室外ユニット間(第1室外ユニット10と第2室外ユニット20の間)において多く流れ、液側冷媒連絡配管5、第1室内ユニット61、第2室内ユニット65およびガス側冷媒連絡配管6においては逆サイクルデフロストモード実行時ほどは流れない。
また、交互デフロストモードでは、最初にデフロスト対象となるのは第1室外ユニット10と第2室外ユニット20のいずれかであるため、冷凍機油を多少戻すことができたとしても、最初にデフロスト対象となる室外ユニット側に偏って戻ってしまうことになる。
さらに、本実施形態の交互デフロストモードでは、第1室内膨張弁64および第2室内膨張弁68を開けており、第1室内熱交換器62と第2室内熱交換器66の液側および液側冷媒連絡配管5において湿り気味の冷媒を流すことが可能であり、当該湿り気味の冷媒に冷凍機油を同伴して流すことが可能である。しかし、冷媒回路3の点Zでは、ガス側冷媒連絡配管6において冷凍機油を同伴させるように流れてきた冷媒は、低段圧縮側の室外ユニットの圧縮機(上記例では、第2室外ユニット20の第2圧縮機21)から吐出された冷媒と合流することになる。このため、冷媒回路3の点Zと、高段圧縮側の室外ユニットの圧縮機(上記例では、第1室外ユニット10の第1圧縮機11)の吸入側と、の間を流れる冷媒を湿り状態にすることができない場合があり、冷凍機油を同伴させて流すことができない場合がある。
このため、所定除霜条件が成立する度に、交互デフロストモードを行うだけでは、各圧縮機から冷媒回路3内の他の箇所に流出した冷凍機油を各圧縮機に十分に戻すことは難しい。
これに対して、上記実施形態の空気調和装置100では、所定除霜条件が成立した際に、さらに冷凍機油の流出積算量に関する所定流出条件が成立している場合には、交互デフロストモードを実行するのではなく、逆サイクルデフロストモードを実行することで、各室外熱交換器のデフロストを行いつつ、各圧縮機から冷媒回路3内の他の箇所に流出した冷凍機油を各圧縮機に十分に戻すことが可能になっている。
なお、冷凍機油の流出積算量に関する所定流出条件は、所定除霜条件が成立した時点からそれぞれの第1圧縮機11および第2圧縮機21が最も油を多く流出する所定の運転を継続して実行すると仮定した場合に、所定除霜条件が成立した時点から「所定の油枯渇状態」となるまでに要する時間(第1圧縮機11と第2圧縮機21の少なくともいずれか一つが所定の油枯渇状態となるまでに要する時間)が、所定時間以下となる場合としている。ここで、「所定の油枯渇状態」を、所定の油戻し条件が成立する程度の油枯渇状態(例えば、第1圧縮機11もしくは第2圧縮機21の冷凍機油の流出積算値が所定の油戻し用積算値を超えた状態)と定めて制御を行うことにより、所定除霜条件が成立した際にもう少しで所定の油戻し条件も成立してしまいそうな場合(所定流出条件が成立する場合)には、油戻し効果の得られない交互デフロストモードを実行するのではなく、逆サイクルデフロストモードを実行することで、冷凍機油を各圧縮機に十分に戻すことが可能になる。
そして、この場合には、冷凍機油の流出積算量がリセットされ、積算運転時間もリセットされるため、逆サイクルデフロストモードが実行された直後に、所定の油戻し条件が成立することはない。したがって、デフロスト運転と油戻し運転が連続的に行われることを避けることができ、暖房運転が長期間行われない状態を回避することが可能になる。
すなわち、上記実施形態のような制御を行うのではなく、例えば、所定除霜条件が成立した際にもう少しで所定の油戻し条件も成立してしまいそうな場合(所定流出条件が成立する場合)に交互デフロストモードを実行させてしまうのであれば、油戻し効果が得られず、冷凍機油の流出積算量もリセットされず積算運転時間もリセットされないため、その交互デフロストモードの実行直後に所定の油戻し条件が成立してしまう場合がある。この場合には、交互デフロストモードと油戻し運転とが連続的に行われることになり、暖房運転が長期間行われないことになってしまうという問題が生じる。これに対して、上記実施形態では、逆サイクルデフロストモードが実行されるため、この問題を回避することが可能になっている。
(12−3)
しかも、上記実施形態の空気調和装置100では、所定除霜条件が成立した際に逆サイクルデフロストモードが実行されるのは、さらに所定流出条件が成立している場合に限られており、それ以外は交互デフロストモードが優先的に実行される。
これにより、逆サイクルデフロストモードが実行される場合のような室内熱交換器の温度低下を避けることができ、デフロスト運転終了後に再開される暖房運転において、早期に暖かい空気を空量対象空間に供給開始することが可能になる。
(12−4)
また、本実施形態では、交互デフロストモードを実行する際に、デフロスト対象ではない室外ユニットの圧縮機を低段側圧縮機とし、デフロスト対象の室外ユニットの圧縮機を高段側圧縮機として、冷媒を多段圧縮させることが可能になっている。そして、デフロスト対象の室外熱交換器には、このように多段圧縮された高温の冷媒を供給することができるため、デフロストを効率的に行うことが可能になっている。
(13)他の実施形態
上記実施形態では、本発明の実施形態の一例を説明したが、上記実施形態はなんら本願発明を限定する趣旨ではなく、上記実施形態には限られない。本願発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更した態様についても当然に含まれる。
(13−1)他の実施形態A
上記実施形態では、室内ユニットに対して2台の室外ユニットが並列接続されている場合を例に挙げて説明した。
これに対して、例えば、室内ユニットに並列接続される室外ユニットの数については、これに限られるものではなく、例えば、3台またはそれ以上の室外ユニットが室内ユニットに対して並列接続されていてもよい。
この場合において、交互デフロストを行う場合には、1つの室外熱交換器をデフロスト対象として、そのデフロスト対象となる1つの室外熱交換器を変更していくことで室外熱交換器の全てをデフロストさせてもよい。また、複数の室外熱交換器をデフロスト対象として、そのデフロスト対象となる複数の室外熱交換器を変更してくことで全体をデフロストさせてもよい。
(13−2)他の実施形態B
上記実施形態では、交互デフロストモード実行時に、第1室内膨張弁64や第2室内膨張弁68を所定初期開度に維持させることや過熱度に応じた制御を行うことを例に挙げて説明した。
これに対して、例えば、交互デフロストモード実行時に、第1室内膨張弁64および第2室内膨張弁68を全閉状態に維持するようにしてもよい。
この場合には、交互デフロストモード実行時には、液側冷媒連絡配管5、第1室内ユニット61,第2室内ユニット65、および、ガス側冷媒連絡配管6に冷媒が流れないこととなる。しかし、所定除霜条件が成立しさらに所定流出条件が成立した場合には逆サイクルデフロストモードが実行されることで、冷媒回路3における冷凍機油を各圧縮機に戻すことが可能になる。
(13−3)他の実施形態C
上記実施形態では、所定流出条件の成否を判断する場合について一例を挙げて説明した。
しかし、所定流出条件としては、これに限られるものではない。
例えば、上記実施形態において説明した所定流出条件の(A)、(B)、(C)の3つのうちの特定の2つを所定流出条件の成否の判断に用いるようにしてもよいし、特定の1つを所定流出条件の成否の判断に用いるようにしてもよい。
また、例えば、所定の油戻し条件の判断において複数のパラメータのうちのいずれかが所定の条件を満たした場合に所定の油戻し条件が成立するとされている場合において、この複数のパラメータのうちのいずれかについて、所定の油戻し条件が成立するとされている値より小さな流出判断用閾値を超えた場合に、制御部7が所定流出条件を満たすと判断するようにしてもよい。この場合においても、逆サイクルデフロストモードの実行と油戻し運転とが連続的に行われることで暖房運転が長期間行われない状況を避けることができる。
(13−4)他の実施形態D
上記実施形態では、所定の油戻し条件が成立した際に行われる油戻し運転として、第1四路切換弁12と第2四路切換弁22とを逆サイクルデフロストモードと同様の接続状態として冷媒回路3において冷媒を流す運転を行う場合を例に挙げて説明した。
これに対して、所定の油戻し条件が成立した際に行われる油戻し運転としては、これに限られるものではない。
例えば、上記実施形態の油戻し運転の代わりに、第1四路切換弁12と第2四路切換弁22の接続状態を暖房運転時の接続状態で維持したままで、第1圧縮機11および第2圧縮機21の回転数を増大させ、冷媒回路3内を通過する冷媒の流速を高める運転を行うようにしてもよい。
また、例えば、上記実施形態の油戻し運転の代わりに、第1四路切換弁12と第2四路切換弁22の接続状態を暖房運転時の接続状態で維持したままで、第1室内膨張弁64および第2室内膨張弁68の弁開度を上げて、液側冷媒連絡配管5に湿り気味の冷媒を流すことにより、冷凍機油を液冷媒に同伴させて第1圧縮機11と第2圧縮機21に戻させる運転を行うようにしてもよい。
さらに、例えば、上記実施形態の油戻し運転の代わりに、第1四路切換弁12と第2四路切換弁22の接続状態については上記実施形態の油戻し運転と同様としつつ、第1室内膨張弁64および第2室内膨張弁68の弁開度を上げて、ガス側冷媒連絡配管6に湿り気味の冷媒を流すことにより、冷凍機油を液冷媒に同伴させて第1圧縮機11と第2圧縮機21に戻させる運転を行うようにしてもよい。
(13−4)他の実施形態D
上記実施形態では、ステップS15、S17、S21、S23、S27、および油戻し運転の過熱度制御では、圧縮機が吸入する冷媒の過熱度に着目して、所定の条件を満たすように各膨張弁の開度制御を行う場合を例に挙げて説明した。
これに対して、例えば、上記各ステップおよび制御では、圧縮機が吸入する冷媒の過熱度ではなく、圧縮機から吐出される冷媒の過熱度が所定の条件を満たすように各膨張弁の開度制御を行うようにしてもよい。ここでの圧縮機から吐出される冷媒の過熱度は、特に限定されないが、例えば、第1吐出温度センサ51aの検知温度と第1吐出圧力センサ51bの検知圧力から制御部7が求めてもよいし、第2吐出温度センサ56aの検知温度と第2吐出圧力センサ56bの検知圧力から制御部7が求めてもよい。
上述した冷凍装置は、圧縮機における冷凍機油の枯渇を抑制しつつも室内熱交換器の温度の低下をできるだけ抑制させることが可能なため、複数台の室外ユニットが設けられた冷凍装置において特に有用である。
3 冷媒回路
7 制御部
10 第1室外ユニット(室外ユニット)
10a 第1室外側制御基板(制御部)
11 第1圧縮機(圧縮機)
12 第1四路切換弁(切換弁)
13 第1室外熱交換器(室外熱交換器)
15 第1室外膨張弁(室外膨張弁)
20 第2室外ユニット(室外ユニット)
20a 第2室外側制御基板(制御部)
21 第2圧縮機(圧縮機)
22 第2四路切換弁(切換弁)
23 第2室外熱交換器(室外熱交換器)
25 第2室外膨張弁(室外膨張弁)
61 第1室内ユニット(室内ユニット)
61a 第1室内側制御基板(制御部)
62 第1室内熱交換器(室内熱交換器)
64 第1室内膨張弁(室内膨張弁)
65 第2室内ユニット(室内ユニット)
65a 第2室内側制御基板(制御部)
66 第2室内熱交換器(室内熱交換器)
68 第2室内膨張弁(室内膨張弁)
100 空気調和装置(冷凍装置)
特開2008−25919号公報

Claims (3)

  1. 室内ユニット(61、65)に対して複数の室外ユニット(10、20)が並列に接続されて構成される冷凍装置(100)であって、
    前記室内ユニットに設けられた室内熱交換器(62、66)と、
    それぞれの前記室外ユニットに設けられた室外熱交換器(13、23)と圧縮機(11、21)と切換弁(12、22)と、
    が接続されて構成されており、少なくとも暖房運転を実行可能な冷媒回路(3)と、
    前記暖房運転実行中に所定除霜条件が成立した際に、
    複数の前記室外ユニットのうちの一部の前記室外ユニットが有する前記室外熱交換器をデフロスト対象とすることで凝縮器として機能させつつ、複数の前記室外ユニットのうちの他の一部の前記室外ユニットが有する前記室外熱交換器を蒸発器として機能させるように前記切換弁が接続された状態で行われる運転が、前記デフロスト対象となる前記室外熱交換器を切り換えながら実行される交互デフロストモードと
    それぞれの前記室外ユニットの前記室外熱交換器を凝縮器として機能させ、前記室内熱交換器を蒸発器として機能させるように前記切換弁が接続された状態で実行される逆サイクルデフロストモードと
    のいずれかを選択して実行する制御部(7、10a、20a、61a、65a)と、
    を備え、
    前記制御部は、前記所定除霜条件が成立した際に、さらに冷凍機油の流出積算量に関する所定流出条件が成立している場合には前記逆サイクルデフロストモードを選択して実行し、前記所定流出条件が成立していない場合には前記交互デフロストモードを選択して実行する、
    冷凍装置。
  2. 前記所定流出条件が成立している場合とは、
    前記所定除霜条件が成立した時点から前記圧縮機から最も油が多く流出される運転が継続して行われると仮定した場合に所定の油枯渇状態となるまでに要する時間が、所定時間以下となる場合、および/または
    前記圧縮機の回転数と前記冷媒回路の高圧および低圧に基づいて定まる冷凍機油の流出積算値であって前記所定除霜条件が成立した際の前記流出積算値が、所定積算値以上となる場合、
    である、
    請求項1に記載の冷凍装置。
  3. 前記制御部は、冷凍機油の流出積算値を用いて前記所定流出条件の成立判断を行い、前記逆サイクルデフロストモードが実行された時に前記流出積算値をリセットして、新たに積算を開始させる、
    請求項1または2に記載の冷凍装置。
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