JP2017101856A - 冷凍装置 - Google Patents

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Takuya Kitao
卓也 北尾
明敏 上野
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明敏 上野
東 近藤
Azuma Kondo
東 近藤
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Abstract

【課題】逆サイクルの除霜運転除霜運転時に、着霜した利用側熱交換器の下部で霜が溶け残るのを抑制するとともに、装置の構成や制御が複雑になるのも防止する冷凍装置を提供する。
【解決手段】利用側熱交換器51の下部に過冷却コイル57を設け、過冷却コイルを、冷却運転時に冷媒回路の液ライン15Lに連通し、逆サイクルの除霜運転時に利用側熱交換器の複数の冷媒パス51a〜51nにキャピラリチューブ56と分流器55を介して連通させる。
【選択図】図2

Description

本発明は、逆サイクルの除霜運転が行われる冷媒回路を有する冷凍装置に関し、特に、除霜運転時に、着霜した熱交換器の下部で霜が溶け残るのを抑制する技術に関するものである。
従来、冷凍サイクルで着霜した熱交換器の霜を除去するために、冷媒を逆サイクルで循環させる除霜運転を行う冷凍装置が知られている。ここで、冷凍装置には、庫内を冷却する冷却装置や、例えば低外気の条件で室内を暖房する空気調和装置などが含まれる。
例えば特許文献1には、空気調和装置の室外熱交換器の下部に過冷却コイルを設け、圧縮機の吐出ガス配管から分岐するバイパス配管を上記過冷却コイルに接続する構成が開示されている。バイパス配管には、電磁弁(開閉弁)や絞り機構(キャピラリチューブ)が設けられている。
この空気調和装置では、暖房運転時に室外熱交換器(蒸発器)に着霜すると行われる逆サイクルの除霜運転時には、圧縮機から吐出された高温のガス冷媒が該室外熱交換器の各冷媒パスを通過するとともに、高温のガス冷媒の一部が圧縮機の吐出ガス配管から分流して上記過冷却コイルを流れる。このように、特許文献1の技術では、逆サイクルの除霜運転時に過冷却コイルに高温のガス冷媒を流すことにより、熱交換器の下部の霜の溶け残りを防止するようにしている。
特開2007−232274号公報
しかしながら、特許文献1の技術では、電磁弁やキャピラリチューブを設けたバイパス配管を冷媒回路に設けているので、冷媒回路の構成が複雑になる。また、逆サイクルの除霜運転時には電磁弁を開くなどの操作が必要であり、制御も複雑になる。このように、特許文献1の技術では、逆サイクルの除霜運転時に霜の溶け残りを防止するために、装置構成や制御が複雑になる問題があった。
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、除霜運転時に、着霜した熱交換器の下部で霜が溶け残るのを抑制するとともに、構成や制御が複雑になるのも防止することである。
第1の発明は、1台または複数台の圧縮機(21a,21b)と第1熱交換器(23)と膨張機構(53)と第2熱交換器(51)とを備えて第1熱交換器(23)が放熱器となり第2熱交換器(51)が蒸発器となる正サイクルの冷却運転を行う冷媒回路を備え、第2熱交換器(51)に着霜すると圧縮機(21a,21b)の吐出冷媒を該第2熱交換器(51)に供給して逆サイクルの除霜運転を行い、上記第2熱交換器(51)が上方から下方にわたって複数の冷媒パス(51a〜51n)を有し、上記膨張機構(53)と第2熱交換器(51)との間に設けられた分流器(55)と冷媒パス(51a〜51n)とがキャピラリチューブ(56)で接続された冷凍装置を前提としている。
そして、この熱交換器は、上記第2熱交換器(51)の下部に過冷却コイル(57)が設けられ、上記過冷却コイル(57)は、正サイクルの冷却運転時の冷媒流入側の端部(57a)が冷媒回路の液ライン(15L)と直接に連通するとともに、逆サイクルの除霜運転時の冷媒流入側の端部(57b)が上記第2熱交換器(51)の冷媒パス(51a〜51n)に上記分流器(55)を介して連通していることを特徴としている。
この第1の発明では、逆サイクルの除霜運転時には、着霜している第2熱交換器(51)に圧縮機(21a,21b)から吐出された高温のガス冷媒が供給される。このとき、第2熱交換器(51)の下部の冷媒パス(51a〜51n)に液冷媒が溜まっていると、ガス冷媒は上方のパスを流れてから分流器(55)を通り、さらに上記過冷却コイル(57)を流れていく。この結果、除霜運転の開始時には、過冷却コイル(57)を流れる冷媒は高温のガス冷媒が流量の多くを占め、液冷媒はほとんど流れない。したがって、冷媒流量の多くを占める高温のガス冷媒が過冷却コイルを流れるので、該過冷却コイルの温度が上昇し、第2熱交換器(51)が下部から暖められる。また、除霜運転を継続していくと、高温のガス冷媒が流れる冷媒パス(51a〜51n)が最上部の冷媒パス(51a〜51n)から下方へ拡がっていくので、第2熱交換器(51)は上部から下方へも暖められていく。このように、第1の発明では第2熱交換器(51)が上方と下方の両方から暖められるので、上方の冷媒パス(51a〜51n)に付着した霜だけでなく、下方の冷媒パス(51a〜51n)に付着した霜も除去される。
第2の発明は、第1の発明において、上記除霜運転時に上記第2熱交換器(51)の最下部の冷媒パス(51n)と上記分流器(55)とに接続されたキャピラリチューブ(56)を流れる冷媒の温度を検出する温度センサ(75)を備えていることを特徴としている。
この第2の発明では、逆サイクルの除霜運転時に、第2熱交換器(51)の最下部の冷媒パス(51n)と上記分流器(55)とに接続されたキャピラリチューブ(56)を流れる冷媒の温度が温度センサ(75)で検出される。そして、この温度が所定値以上になっていると、最下部の冷媒パス(51n)の霜が溶けたと判断できる。つまり、利用側熱交換器の霜が全体的に溶けたと判断できる。
第3の発明は、第1の発明において、上記除霜運転時に上記第2熱交換器(51)の過冷却コイル(57)を通過した冷媒の温度を検出する温度センサ(75)を備えていることを特徴としている。
この第3の発明では、逆サイクルの除霜運転時に、第2熱交換器(51)の過冷却コイル(57)を通過した冷媒の温度が温度センサ(75)で検出される。第2熱交換器(51)の過冷却コイル(57)には、逆サイクル運転時に分流器(55)を通過した後の冷媒全量が流れており、この冷媒の温度が所定値以上になっていると、最下部の冷媒パス(51n)の霜が溶けたと判断できる。具体的には、逆サイクルの除霜運転を開始したときには上記過冷却コイル(57)にはほぼガス冷媒のみが流れていて高温になっているが、利用側熱交換器の霜が溶け出すと冷媒の温度が一旦下がり、さらに霜が溶けていくと冷媒の温度が上昇していく。そこで、この上昇したときの冷媒の温度が所定値以上になっていると、最下部の冷媒パス(51n)に付着した霜が溶けたと判断できる。
第4の発明は、第2又は第3の発明において、上記膨張機構(53)と第2熱交換器(51)とを備えた庫内ユニット(12)を備え、上記温度センサ(75)が上記庫内ユニット(12)の内部に設けられていることを特徴としている。
この第4の発明では、膨張機構(53)と第2熱交換器(51)とを備えた庫内ユニット(12)に設けた温度センサ(75)を利用して除霜運転が終了したかどうかを検知することができる。
第5の発明は、第1から第4の発明の何れか1つにおいて、上記分流器(55)と上記第2熱交換器(51)の冷媒パス(51a〜51n)とに接続されたキャピラリチューブ(56)が、最下部の冷媒パス(51n)以下の高さを通る冷媒トラップを備えた形状に形成されていることを特徴としている。
ここで、一般に、逆サイクルの除霜運転を開始したときには、熱交換器の下部のパスに液冷媒が溜まっていてガス冷媒の通過抵抗が大きいので、圧縮機(21a,21b)から吐出されたガス冷媒は熱交換器の上部のパスを流れていく。そして、そのまま除霜運転を続けると、熱交換器の上部のパスに付着した霜は除去されるものの、下部のパスに付着した霜は除去されずに残ってしまうおそれがある。そのため、除霜運転が終了したと判断されたとき、熱交換器の下部に霜が残った状態になってしまうことが考えられる。
これに対して、上記第5の発明では、上記キャピラリチューブ(56)にトラップを設けることにより、最下部の冷媒パス(51n)の液冷媒がガス冷媒の通過抵抗になるだけでなく、上部の冷媒パス(51a〜51n)についてもトラップに溜まった液冷媒が抵抗になるため、上記第2熱交換器(51)の各冷媒パス(51a〜51n)を冷媒が均等に流れるようになる。したがって、通常の運転から除霜運転に切り換えたときに、各パスをガス冷媒が均等に流れやすくなり、上方の冷媒パス(51a〜51n)ばかりをガス冷媒が流れることを防止して下方のパスにもガス冷媒を供給できるので、下方のパスに付着した霜も確実に除去できる。
本発明によれば、除霜運転時には、第2熱交換器(51)が上方と下方の両方から暖められるので、該第2熱交換器(51)の上部に付着した霜だけでなく、該第2熱交換器(51)の下部に付着した霜も除去できる。つまり、霜の溶け残りを防止できる。
また、本発明によれば、冷媒回路に電磁弁やキャピラリチューブ(56)を設けたバイパス配管を接続したり、逆サイクルの除霜運転時には電磁弁を開く操作をしたりする必要がないので、構成や制御が複雑になるのも防止できる。
上記第2の発明によれば、逆サイクルの除霜運転時に、第2熱交換器(51)の最下部の冷媒パス(51n)と上記分流器(55)とに接続されたキャピラリチューブ(56)を流れる冷媒の温度が温度センサ(75)で検出され、この温度が所定値以上になっていると、最下部の冷媒パス(51n)の霜が溶けたと判断できるから、除霜運転が終了したかどうかを検知することができる。
上記第3の発明によれば、逆サイクルの除霜運転時に、第2熱交換器(51)の過冷却コイル(57)を通過した冷媒の温度が温度センサ(75)で検出され、この温度が除霜運転の開始から所定時間後に所定値以上になっていると、最下部の冷媒パス(51n)の霜が溶けたと判断できるから、除霜運転が終了したかどうかを検知することができる。また、過冷却コイル(57)を通過した後の位置に温度センサ(75)を設けると、冷媒の全流量から温度を検知できるので、除霜運転の終了検知をより正確に行うことができる。
上記第4の発明によれば、膨張機構(53)と第2熱交換器(51)とを備えた庫内ユニット(12)に設けた温度センサ(75)を利用して除霜運転が終了したかどうかを検知することができるから、除霜運転の終了検知を庫内ユニット(12)だけで完結させることができる。
上記第5の発明によれば、上記キャピラリチューブ(56)にトラップを設けることにより、最下部の冷媒パス(51n)の液冷媒がガス冷媒の通過抵抗になるだけでなく、上部の冷媒パス(51a〜51n)についてもトラップに溜まった液冷媒が抵抗になるため、上記第2熱交換器(51)の各冷媒パス(51a〜51n)を冷媒が均等に流れるようにしている。したがって、各パスをガス冷媒が均等に流れやすくなり、上方の冷媒パス(51a〜51n)ばかりをガス冷媒が流れることを防止して下方のパスにもガス冷媒を供給できる。そのため、通常の運転から除霜運転に切り換えたときに、ガス相の冷媒が上方の冷媒パス(51a〜51n)ばかりを流れる偏流を抑えられるから、着霜した熱交換器において液相冷媒が溜まった下方の冷媒パス(51a〜51n)の部分に霜の溶け残りが生じてしまうのを抑制することができる。
図1は、本発明の実施形態に係る冷凍装置の冷媒回路図である。 図2は、利用側熱交換器周りの配管の詳細を示す回路構成図である。 図3は、図1の冷媒回路における冷却運転の冷媒の流れを示す図である。 図4は、図1の冷媒回路における逆サイクルの除霜運転の冷媒の流れを示す図である。 図5は、利用側熱交換器と分流器の接続形態の変形例を示す図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、この実施形態に係る冷凍装置(10)の構成例を示している。冷凍装置(10)は、庫外に設けられる熱源側ユニット(11)と、冷蔵庫や冷凍庫などの庫内に設けられる利用側ユニット(12)と、コントローラ(80)とを備えている。熱源側ユニット(11)には、熱源側回路(16)と熱源側ファン(17)とが設けられ、利用側ユニット(12)には、利用側回路(18)と利用側ファン(19)とが設けられている。この冷凍装置(10)では、熱源側ユニット(11)の熱源側回路(16)と利用側ユニット(12)の利用側回路(18)とが液側連絡配管(13)およびガス側連絡配管(14)によって接続されて、冷媒が循環して蒸気圧縮式の冷凍サイクルが行われる冷媒回路(15)が構成されている。具体的には、熱源側回路(16)の液端およびガス端に液閉鎖弁(V1)およびガス閉鎖弁(V2)がそれぞれ設けられ、液閉鎖弁(V1)およびガス閉鎖弁(V2)に液側連絡配管(13)の一端およびガス側連絡配管(14)の一端がそれぞれ接続され、液側連絡配管(13)およびガス側連絡配管(14)の他端に利用側回路(18)の液端およびガス端がそれぞれ接続されている。
〈熱源側回路〉
熱源側回路(16)は、第1圧縮機(21a)および第2圧縮機(21b)と、四方切換弁(22)と、熱源側熱交換器(23)と、過冷却熱交換器(24)と、過冷却膨張弁(31)と、中間膨張弁(32)と、中間開閉弁(33)と、中間逆止弁(34)と、レシーバ(35)と、熱源側膨張弁(36)と、第1逆止弁(CV1),第2逆止弁(CV2),第3逆止弁(CV3)と、第1油分離器(OSa)および第2油分離器(OSb)と、第1吐出逆止弁(CVa)および第2吐出逆止弁(CVb)と、第1キャピラリチューブ(CTa)および第2キャピラリチューブ(CTb)と、油分離逆止弁(CVc)とを有している。
また、熱源側回路(16)には、吐出冷媒配管(41)と、吸入冷媒配管(42)と、熱源側液冷媒配管(43)と、インジェクション配管(44)と、第1接続配管(45)および第2接続配管(46)と、油戻し配管(47)とが設けられている。
第1圧縮機(21a)は、吸入した冷媒を圧縮して吐出するように構成されている。また、第1圧縮機(21a)には、吸入ポートと、中間ポートと、吐出ポートとが設けられている。吸入ポートは、第1圧縮機(21a)の吸入行程において圧縮室(すなわち、低圧の圧縮室)と連通するように形成されている。中間ポートは、第1圧縮機(21a)の圧縮行程の途中において圧縮室(すなわち、中間圧の圧縮室)と連通するように形成されている。吐出ポートは、第1圧縮機(21a)の吐出行程において圧縮室(すなわち、高圧の圧縮室)と連通するように構成されている。例えば、第1圧縮機(21a)は、互いに歯合する固定スクロールおよび可動スクロールの間に圧縮室が構成されるスクロール式の圧縮機によって構成されている。第2圧縮機(21b)は、第1圧縮機(21a)の構成と同様の構成を有している。
なお、第1圧縮機(21a)は、その運転周波数(容量)が可変に構成されている。すなわち、第1圧縮機(21a)は、インバータ(図示を省略)の出力周波数を変化させることで、その内部に設けられた電動機の回転数が変化し、その運転周波数が変化するように構成されている。一方、第2圧縮機(21b)は、その運転周波数(容量)が固定されている。すなわち、第2圧縮機(21b)は、その内部に設けられた電動機の回転数が一定であり、その運転周波数が一定となっている。
四方切換弁(22)は、第1ポートと第3ポートとが連通し且つ第2ポートと第4ポートとが連通する第1状態(図1の実線で示された状態)と、第1ポートと第4ポートとが連通し且つ第2ポートと第3ポートとが連通する第2状態(図1の破線で示された状態)とに切り換え可能に構成されている。
四方切換弁(22)の第1ポートは、吐出冷媒配管(41)によって第1および第2圧縮機(21a,21b)の吐出ポートに接続され、四方切換弁(22)の第2ポートは、吸入冷媒配管(42)によって第1および第2圧縮機(21a,21b)の吸入ポートに接続されている。四方切換弁(22)の第3ポートは、熱源側熱交換器(23)のガス端に接続され、四方切換弁(22)の第4ポートは、ガス閉鎖弁(V2)に接続されている。
吐出冷媒配管(41)は、一端が第1および第2圧縮機(21a,21b)の吐出ポートに接続される第1および第2吐出管(41a,41b)と、第1および第2吐出管(41a,41b)の他端と四方切換弁(22)の第1ポートとを接続する吐出主管(41c)とによって構成されている。
吸入冷媒配管(42)は、一端が第1および第2圧縮機(21a,21b)の吸入ポートにそれぞれ接続される第1および第2吸入管(42a,42b)と、第1および第2吸入管(42a,42b)の他端と四方切換弁(22)の第2ポートとを接続する吸入主管(42c)とによって構成されている。
熱源側熱交換器(23)は、その液端が熱源側液冷媒配管(43)の一端に接続され、そのガス端が四方切換弁(22)の第3ポートに接続されている。また、熱源側熱交換器(23)の近傍には、熱源側ファン(17)が配置されている。そして、熱源側熱交換器(23)は、冷媒と熱源側ファン(17)によって搬送された熱源側空気(すなわち、庫外空気)とを熱交換させるように構成されている。例えば、熱源側熱交換器(23)は、クロスフィン式のフィン・アンド・チューブ型熱交換器によって構成されている。
熱源側液冷媒配管(43)は、その一端が熱源側熱交換器(23)に接続され、その他端が液閉鎖弁(V1)に接続されている。この例では、熱源側液冷媒配管(43)は、熱源側熱交換器(23)の液端とレシーバ(35)とを接続する第1熱源側液管(43a)と、レシーバ(35)と過冷却熱交換器(24)とを接続する第2熱源側液管(43b)と、過冷却熱交換器(24)と液閉鎖弁(V1)とを接続する第3熱源側液管(43c)とによって構成されている。
インジェクション配管(44)は、熱源側液冷媒配管(43)の第1中途部(Q1)と第1および第2圧縮機(21a,21b)の中間ポートとを接続している。この例では、インジェクション配管(44)は、熱源側液冷媒配管(43)の第1中途部(Q1)と過冷却熱交換器(24)とを接続する第1インジェクション主管(44m)と、一端が過冷却熱交換器(24)に接続される第2インジェクション主管(44n)と、第2インジェクション主管(44n)の他端と第1および第2圧縮機(21a,21b)の中間ポートとをそれぞれ接続する第1および第2インジェクション分岐管(44a,44b)とによって構成されている。
過冷却熱交換器(24)は、熱源側液冷媒配管(43)とインジェクション配管(44)とに接続され、熱源側液冷媒配管(43)を流れる冷媒とインジェクション配管(44)を流れる冷媒とを熱交換させるように構成されている。この例では、過冷却熱交換器(24)は、第2熱源側液管(43b)と第3熱源側液管(43c)との間に接続される第1流路(24a)と、第1インジェクション主管(44m)と第2インジェクション主管(44n)との間に接続される第2流路(24b)とを有し、第1流路(24a)を流れる冷媒と第2流路(24b)を流れる冷媒とを熱交換させるように構成されている。例えば、過冷却熱交換器(24)は、プレート型熱交換器によって構成されている。
過冷却膨張弁(31)は、インジェクション配管(44)において熱源側液冷媒配管(43)の第1中途部(Q1)と過冷却熱交換器(24)との間(この例では、第1インジェクション主管(44m))に設けられている。また、過冷却膨張弁(31)は、その開度を調節可能に構成されている。例えば、過冷却膨張弁(31)は、電子膨張弁(電動弁)によって構成されている。
中間膨張弁(32)は、インジェクション配管(44)において過冷却熱交換器(24)と第1圧縮機(21a)の中間ポートとの間(この例では、第1インジェクション分岐管(44a))に設けられている。また、中間膨張弁(32)は、その開度を調節可能に構成されている。例えば、中間膨張弁(32)は、電子膨張弁(電動弁)によって構成されている。
中間開閉弁(33)および中間逆止弁(34)は、インジェクション配管(44)において過冷却熱交換器(24)と第2圧縮機(21b)の中間ポートとの間(この例では、第2インジェクション分岐管(44b))に設けられている。第2インジェクション分岐管(44b)では、第2インジェクション分岐管(44b)の入口側から出口側へ向けて中間開閉弁(33)と中間逆止弁(34)とが順に配置されている。
中間開閉弁(33)は、その開閉を切り換え可能に構成されている。例えば、中間開閉弁(33)は、電磁弁によって構成されている。中間逆止弁(34)は、第2インジェクション分岐管(44b)の入口側から出口側へ向かう冷媒の流れを許容し、その逆方向の冷媒の流れを阻止するように構成されている。
レシーバ(35)は、熱源側液冷媒配管(43)において熱源側熱交換器(23)と過冷却熱交換器(24)との間に接続され、凝縮器(具体的には、熱源側熱交換器(第1熱交換器)(23)または後述の利用側熱交換器(第2熱交換器)(51))において凝縮した冷媒を一時的に貯留することができるように構成されている。この例では、レシーバ(35)は、その入口に第1熱源側液管(43a)が接続され、その出口に第2熱源側液管(43b)が接続されている。
第1接続配管(45)は、熱源側液冷媒配管(43)の第2中途部(Q2)と第3中途部(Q3)とを接続している。第2中途部(Q2)は、熱源側液冷媒配管(43)において第1中途部(Q1)と液閉鎖弁(V1)との間に位置し、第3中途部(Q3)は、熱源側液冷媒配管(43)において熱源側熱交換器(23)の液端とレシーバ(35)との間に位置する。
第2接続配管(46)は、熱源側液冷媒配管(43)の第4中途部(Q4)と第5中途部(Q5)とを接続している。第4中途部(Q4)は、熱源側液冷媒配管(43)において第1中途部(Q1)と第2中途部(Q2)の間に位置し、第5中途部(Q5)は、熱源側液冷媒配管(43)において熱源側熱交換器(23)の液端と第3中途部(Q3)との間に位置する。
熱源側膨張弁(36)は、第2接続配管(46)に設けられている。また、熱源側膨張弁(36)は、その開度を調節可能に構成されている。例えば、熱源側膨張弁(36)は、電子膨張弁(電動弁)によって構成されている。
第1逆止弁(CV1)は、熱源側液冷媒配管(43)の第3中途部(Q3)と第5中途部(Q5)との間に設けられ、第5中途部(Q5)から第3中途部(Q3)へ向かう冷媒の流れを許容し、その逆方向の冷媒の流れを阻止するように構成されている。
第2逆止弁(CV2)は、熱源側液冷媒配管(43)の第2中途部(Q2)と第4中途部(Q4)との間に設けられ、第4中途部(Q4)から第2中途部(Q2)へ向かう冷媒の流れを許容し、その逆方向の冷媒の流れを阻止するように構成されている。
第3逆止弁(CV3)は、第1接続配管(45)に設けられ、熱源側液冷媒配管(43)の第2中途部(Q2)から第3中途部(Q3)へ向かう冷媒の流れを許容し、その逆方向の冷媒の流れを阻止するように構成されている。
第1油分離器(OSa)および第1吐出逆止弁(CVa)は、吐出冷媒配管(41)において第1圧縮機(21a)と四方切換弁(22)の第1ポートとの間(具体的には、第1吐出管(41a))に設けられている。第1吐出管(41a)では、第1吐出管(41a)の入口側から出口側へ向けて第1油分離器(OSa)と第1吐出逆止弁(CVa)とが順に配置されている。第1油分離器(OSa)は、第1圧縮機(21a)から吐出された冷媒から冷凍機油を分離して内部に貯留することができるように構成されている。第1吐出逆止弁(CVa)は、第1吐出管(41a)の入口側から出口側へ向かう冷媒の流れを許容し、その逆方向の冷媒の流れを阻止するように構成されている。
第2油分離器(OSb)は、吐出冷媒配管(41)において第2圧縮機(21b)と四方切換弁(22)の第1ポートとの間(具体的には、第2吐出管(41b))に設けられている。第2吐出管(41b)では、第2吐出管(41b)の入口側から出口側へ向けて第2油分離器(OSb)と第2吐出逆止弁(CVb)とが順に配置されている。第2油分離器(OSb)は、第2圧縮機(21b)から吐出された冷媒から冷凍機油を分離して内部に貯留することができるように構成されている。第2吐出逆止弁(CVb)は、第2吐出管(41b)の入口側から出口側へ向かう冷媒の流れを許容し、その逆方向の冷媒の流れを阻止するように構成されている。
油戻し配管(47)は、第1および第2油分離器(OSa,OSb)に貯留された冷凍機油をインジェクション配管(44)に供給するための配管である。この例では、油戻し配管(47)は、一端が第1および第2油分離器(OSa,OSb)に接続される第1および第2油戻し管(47a,47b)と、第1および第2油戻し管(47a,47b)の他端とインジェクション配管(44)の中途部(具体的には、第2インジェクション主管(44n)の中途部(Q6))とを接続する油戻し主管(47c)とによって構成されている。
第1キャピラリチューブ(CTa)は、油戻し配管(47)において第1油分離器(OSa)とインジェクション配管(44)の中途部(Q6)との間(具体的には、第1油戻し管(47a))に設けられている。
第2キャピラリチューブ(CTb)および油戻し逆止弁(CVc)は、油戻し配管(47)において第2油分離器(OSb)とインジェクション配管(44)の中途部(Q6)との間(具体的には、第2油戻し管(47b))に設けられている。第2油戻し管(47b)では、第2油戻し管(47b)の入口側から出口側へ向けて油戻し逆止弁(CVc)と第2キャピラリチューブ(CTb)とが順に配置されている。油戻し逆止弁(CVc)は、第2油戻し管(47b)の入口側から出口側へ向かう冷媒の流れを許容し、その逆方向の冷媒の流れを阻止するように構成されている。
〈利用側回路〉
利用側回路(18)は、利用側熱交換器(51)と、利用側開閉弁(52)と、利用側膨張弁(膨張機構)(53)と、利用側逆止弁(54)とを有している。また、利用側回路(18)には、利用側液冷媒配管(61)と、利用側ガス冷媒配管(62)と、バイパス配管(63)とが設けられている。なお、図1は、利用側熱交換器(51)と、利用側熱交換器(51)に接続されている配管を簡略化して示している。
利用側熱交換器(51)は、その液端が利用側液冷媒配管(61)によって液側連絡配管(13)に接続され、そのガス端が利用側ガス冷媒配管(62)によってガス側連絡配管(14)に接続されている。また、利用側熱交換器(51)の近傍には、利用側ファン(19)が配置されている。そして、利用側熱交換器(51)は、冷媒と利用側ファン(19)によって搬送された利用側空気(すなわち、庫内空気)とを熱交換させるように構成されている。例えば、利用側熱交換器(51)は、クロスフィン式のフィン・アンド・チューブ型熱交換器によって構成されている。
利用側液冷媒配管(61)は、その一端が液側連絡配管(13)に接続され、その他端が利用側熱交換器(51)の液端に接続されている。利用側ガス冷媒配管(62)は、その一端が利用側熱交換器(51)のガス端に接続され、その他端がガス側連絡配管(14)に接続されている。
利用側開閉弁(52)および利用側膨張弁(53)は、利用側液冷媒配管(61)に設けられている。利用側液冷媒配管(61)では、利用側液冷媒配管(61)の一端側から他端側へ向けて利用側開閉弁(52)と利用側膨張弁(53)とが順に配置されている。
利用側開閉弁(52)は、その開閉を切り換え可能に構成されている。例えば、利用側開閉弁(52)は、電磁弁によって構成されている。利用側膨張弁(53)は、その開度を調節可能に構成されている。この例では、利用側膨張弁(53)は、外部均圧形温度自動膨張弁によって構成されている。すなわち、利用側膨張弁(53)は、利用側ガス冷媒配管(62)に設けられる感温筒(53a)と、利用側ガス冷媒配管(62)の中途部に接続される均圧管(図示を省略)とを有し、感温筒(53a)の温度と均圧管の冷媒圧力とに応じて開度が調節される。
バイパス配管(63)は、その一端が利用側液冷媒配管(61)における利用側膨張弁(53)と利用側熱交換器(51)との間の中途部に接続され、その他端が利用側液冷媒配管(61)における液側連絡配管(13)と利用側開閉弁(52)との間の中途部に接続されている。
利用側逆止弁(54)は、バイパス配管(63)に設けられ、利用側熱交換器(51)側から液側連絡配管(13)側への冷媒の流れを許容し、その逆方向の冷媒の流れを阻止するように構成されている。
次に、利用側熱交換器(51)の詳細と、該利用側熱交換器(51)に対する冷媒配管接続の詳細について説明する。図1では省略しているが、利用側熱交換器(51)は、図2に示すように上方から下方にわたって配置された複数の冷媒パス(51a〜51n)を有している。また、利用側膨張弁(53)と利用側熱交換器(51)との間には分流器(55)が接続され、この分流器(55)と各冷媒パス(51a〜51n)とがキャピラリチューブ(56(56a〜56n))で接続されている。
上記利用側熱交換器(51)の下部には、該利用側熱交換器(51)が蒸発器になるときに過冷却熱交換器として機能する過冷却コイル(57)が設けられている。この過冷却コイル(57)は、正サイクルの冷却運転時の冷媒流入側の端部(57a)が冷媒回路(15)の液ライン(15L)と直接に連通している。また、この過冷却コイル(57)は、逆サイクルの除霜運転時の冷媒流入側の端部(57b)が上記利用側熱交換器(51)の冷媒パス(51a〜51n)に、上記利用側逆止弁(54)、上記分流器(55)および上記キャピラリチューブ(56(56a〜56n))を介して連通している。なお、利用側熱交換器(51)のガス側には各冷媒パス(51a〜51n)が合流するヘッダ(58)が設けられている。
上記利用側回路(18)には、上記除霜運転時に上記利用側熱交換器(51)の過冷却コイル(57)を通過した冷媒の温度を検出する温度センサ(75)が設けられている。また、この冷凍装置(10)は、上述したように、上記利用側膨張弁(53)と利用側熱交換器(51)とを備えた利用側ユニット(庫内ユニット)(12)を有する冷凍装置であり、上記温度センサ(75)は、上記利用側ユニット(12)の内部に設けられている。
また、この冷凍装置(10)の利用側回路(18)においては、上記分流器(55)と上記利用側熱交換器(51)の冷媒パス(51a〜51n)とに接続されたキャピラリチューブ(56(56a〜56n))が、最下部の冷媒パス(51n)以下の高さを通る冷媒トラップ(59)を備えた形状に形成されている。
〈各種センサ〉
また、冷凍装置(10)には、吸入温度センサ(71)や吸入圧力センサ(72)や庫内温度センサ(73)などの各種センサが設けられている。
吸入温度センサ(71)は、第1および第2圧縮機(21a,21b)に吸入される冷媒の温度(以下、「吸入温度」と記載)を検出するように構成されている。この例では、吸入温度センサ(71)は、吸入主管(42c)に設置され、設置場所の冷媒温度を吸入温度として検出する。
吸入圧力センサ(72)は、第1および第2圧縮機(21a,21b)に吸入される冷媒の圧力(以下、「吸入圧力」と記載)を検出するように構成されている。この例では、吸入圧力センサ(72)は、吸入主管(42c)に設置され、設置場所の冷媒圧力を吸入圧力として検出する。
庫内温度センサ(73)は、庫内の空気の温度(以下、「庫内温度(Tr)」と記載)を検出するように構成されている。この例では、庫内温度センサ(73)は、利用側ユニット(12)において利用側ファン(19)の空気流れの上流側に設置され、設置場所の空気温度を庫内温度(Tr)として検出する。
〈コントローラ〉
コントローラ(80)は、各種センサの検出値に基づいて冷凍装置(10)の各部を制御して冷凍装置(10)の運転動作を制御する。この例では、コントローラ(80)は、熱源側ユニット(11)に設けられる主制御器(81)と、利用側ユニット(12)に設けられる利用側制御器(82)とによって構成されている。
主制御器(81)は、熱源側ユニット(11)に設けられた構成部品を制御する。この例では、熱源側ユニット(11)に設けられた熱源側ファン(17)、各種弁(この例では、四方切換弁(22)と過冷却膨張弁(31)と中間膨張弁(32)と中間開閉弁(33)と熱源側膨張弁(36))、第1圧縮機(21a)および第2圧縮機(21b)などを制御し、目標蒸発温度の設定も行う。
利用側制御器(82)は、利用側ユニット(12)に設けられた構成部品(この例では、利用側ファン(19)と利用側開閉弁(52))を制御する。
また、利用側制御器(82)は、冷凍装置(10)の運転を開始すべきか否かを判定し、冷凍装置(10)の運転を開始すべきと判定すると、冷却運転(庫内を冷却するための運転)のための動作を開始するとともに、運転開始信号を主制御器(81)に送信する。また、利用側制御器(82)は、冷凍装置(10)の運転を終了すべきか否かを判定し、冷凍装置(10)の運転を終了すべきと判定すると、冷却運転のための動作を終了するとともに、運転終了信号を主制御器(81)に送信する。例えば、利用側制御器(82)は、ユーザによる操作(運転開始および運転終了を指示するための操作)に応答して、冷凍装置(10)の運転開始および運転終了を判定する。
また、利用側制御器(82)は、冷却運転が行われている期間において除霜運転(利用側熱交換器(51)の除霜のための運転)を開始すべきか否かを判定し、除霜運転を開始すべきと判定すると、除霜運転のための動作を開始するとともに、除霜開始信号を主制御器(81)に送信する。また、利用側制御器(82)は、除霜運転が行われている期間において除霜運転を終了すべきか否かを判定し、除霜運転を終了すべきと判定すると、除霜運転のための動作を終了して冷却運転のための動作を開始するとともに、除霜終了信号を主制御器(81)に送信する。例えば、利用側制御器(82)は、冷却運転を開始した時点から予め定められた所定時間(冷却運転時間)が経過すると、除霜運転を開始すべきと判定し、例えば温度センサ(75)の検出温度が所定温度に達すると、除霜運転を終了すべきと判定する。なお、除霜運転を開始した時点から予め定めた所定時間(除霜運転時間)が経過すると、除霜運転が終了したと判定してもよい。
以上のように、本実施形態の冷凍装置(10)は、圧縮機(21a,21b)と熱源側熱交換器(第1熱交換器)(23)と利用側膨張弁(膨張機構)(53)と利用側熱交換器(第2熱交換器)(51)とを備えて熱源側熱交換器(23)が放熱器となり利用側熱交換器(51)が蒸発器となる正サイクルの冷却運転を行う冷媒回路(15)を備えた冷凍装置である。そして、この冷凍装置(10)は、利用側熱交換器(51)に着霜すると圧縮機(21a,21b)の吐出冷媒を該利用側熱交換器(51)に供給して逆サイクルの除霜運転を行うように構成されている。
−運転動作−
次に、冷凍装置(10)の運転動作について説明する。
〈冷却運転中の冷媒の流れ〉
次に、図3を参照して、冷却運転中の冷媒回路(15)における冷媒の流れについて説明する。冷却運転では、四方切換弁(22)が第1状態に設定され、第1および第2圧縮機(21a,21b)の吐出ポートと熱源側熱交換器(23)のガス端とが連通し、第1および第2圧縮機(21a,21b)の吸入ポートとガス側連絡配管(14)とが連通する。
第1および第2圧縮機(21a,21b)から吐出された冷媒は、吐出冷媒配管(41)において第1および第2油分離器(OSa,OSb)と第1および第2吐出逆止弁(CVa,CVb)とを通過した後に、四方切換弁(22)を通過して熱源側熱交換器(23)に流入し、熱源側熱交換器(23)において熱源側空気(すなわち、庫外空気)に放熱して凝縮する。熱源側熱交換器(23)から流出した冷媒(高圧冷媒)は、第1熱源側液管(43a)において第1逆止弁(CV1)を通過した後に、レシーバ(35)と第2熱源側液管(43b)と順に通過して過冷却熱交換器(24)の第1流路(24a)に流入し、過冷却熱交換器(24)の第2流路(24b)を流れる冷媒(中間圧冷媒)に吸熱されて過冷却される。過冷却熱交換器(24)の第1流路(24a)から流出した冷媒は、第3熱源側液管(43c)に流入し、その一部が第1インジェクション主管(44m)に流入し、その残部が第3熱源側液管(43c)において第2逆止弁(CV2)を通過した後に液閉鎖弁(V1)を通過して液側連絡配管(13)に流入する。
第1インジェクション主管(44m)に流入した冷媒は、過冷却膨張弁(31)において減圧されて過冷却熱交換器(24)の第2流路(24b)に流入し、過冷却熱交換器(24)の第1流路(24a)を流れる冷媒(高圧冷媒)から吸熱する。過冷却熱交換器(24)の第2流路(24b)から流出した冷媒は、第2インジェクション主管(44n)を通過し、その一部が第1インジェクション分岐管(44a)に流入し、その残部が第2インジェクション分岐管(44b)に流入する。第1インジェクション分岐管(44a)に流入した冷媒は、中間膨張弁(32)において減圧されて第1圧縮機(21a)の中間ポートに流入する。第2インジェクション分岐管(44b)に流入した冷媒は、中間開閉弁(33)と中間逆止弁(34)とを順に通過して第2圧縮機(21b)の中間ポートに流入する。中間ポートを通過して第1および第2圧縮機(21a,21b)内に流入した冷媒は、第1および第2圧縮機(21a,21b)内の冷媒(具体的には、圧縮室内の冷媒)と混合される。すなわち、第1および第2圧縮機(21a,21b)内の冷媒が冷却されながら圧縮される。
一方、液側連絡配管(13)に流入した冷媒は、利用側ユニット(12)の利用側液冷媒配管(61)において開状態の利用側開閉弁(52)を通過して利用側膨張弁(53)において減圧されて利用側熱交換器(51)に流入し、利用側熱交換器(51)において利用側空気(すなわち、庫内空気)から吸熱して蒸発する。これにより、利用側空気が冷却される。利用側熱交換器(51)から流出した冷媒は、利用側ガス冷媒配管(62)とガス側連絡配管(14)と熱源側ユニット(11)のガス閉鎖弁(V2)と四方切換弁(22)と吸入冷媒配管(42)とを順に通過して第1および第2圧縮機(21a,21b)の吸入ポートに吸入される。
また、第1および第2油分離器(OSa,OSb)では、冷媒(すなわち、第1および第2圧縮機(21a,21b)から吐出された冷媒)から冷凍機油が分離され、その冷凍機油が第1および第2油分離器(OSa,OSb)に貯留される。第1油分離器(OSa)に貯留された冷凍機油は、第1油戻し管(47a)において第1キャピラリチューブ(CTa)を通過した後に、油戻し主管(47c)に流入する。第2油分離器(OSb)に貯留された冷凍機油は、第2油戻し管(47b)において油戻し逆止弁(CVc)と第2キャピラリチューブ(CTb)とを順に通過した後に、油戻し主管(47c)に流入する。油戻し主管(47c)に流入した冷凍機油は、第2インジェクション主管(44n)に流入して第2インジェクション主管(44n)を流れる冷媒と合流する。
〈除霜運転中の冷媒の流れ〉
次に、図4を参照して、除霜運転中の冷媒回路(15)における冷媒の流れについて説明する。除霜運転では、四方切換弁(22)が第2状態に設定され、第1および第2圧縮機(21a,21b)の吐出ポートとガス側連絡配管(14)とが連通し、第1および第2圧縮機(21a,21b)の吸入ポートと熱源側熱交換器(23)のガス端とが連通する。
第1および第2圧縮機(21a,21b)から吐出された冷媒は、吐出冷媒配管(41)において第1および第2油分離器(OSa,OSb)と第1および第2吐出逆止弁(CVa,CVb)を通過した後に、四方切換弁(22)とガス閉鎖弁(V2)とを順に通過してガス側連絡配管(14)に流入する。ガス側連絡配管(14)に流入した冷媒は、利用側ユニット(12)の利用側ガス冷媒配管(62)を通過して利用側熱交換器(51)に流入し、利用側熱交換器(51)において放熱して凝縮する。これにより、利用側熱交換器(51)に付着した霜が加熱されて融解する。利用側熱交換器(51)から流出した冷媒は、その一部が利用側液冷媒配管(61)において開状態の利用側膨張弁(53)と開状態の利用側開閉弁(52)とを順に通過し、その残部がバイパス配管(63)において利用側逆止弁(54)を通過する。利用側液冷媒配管(61)において開状態の利用側開閉弁(52)を通過した冷媒は、バイパス配管(63)において利用側逆止弁(54)を通過した冷媒と合流して液側連絡配管(13)に流入する。
液側連絡配管(13)を通過した冷媒は、熱源側ユニット(11)の液閉鎖弁(V1)を通過して第1接続配管(45)に流入し、第1接続配管(45)において第3逆止弁(CV3)を通過して第1熱源側液管(43a)の中途部(第3中途部(Q3))に流入する。第1熱源側液管(43a)の中途部に流入した冷媒は、レシーバ(35)と第2熱源側液管(43b)と過冷却熱交換器(24)の第1流路(24a)とを順に通過して第3熱源側液管(43c)に流入する。第3熱源側液管(43c)に流入した冷媒は、第4中途部(Q4)において第2接続配管(46)に流入し、熱源側膨張弁(36)において減圧されて第1熱源側液管(43a)の中途部(第5中途部(Q5))に流入する。第1熱源側液管(43a)の中途部に流入した冷媒は、熱源側熱交換器(23)に流入し、熱源側熱交換器(23)において熱源側空気(すなわち、庫外空気)から吸熱して蒸発する。熱源側熱交換器(23)から流出した冷媒は、四方切換弁(22)と吸入冷媒配管(42)とを順に通過して第1および第2圧縮機(21a,21b)の吸入ポートに吸入される。
除霜運転中の利用側熱交換器(51)における具体的な動作について説明する。
逆サイクルの除霜運転時には、図2に破線の矢印で示すように、着霜している利用側熱交換器(51)に圧縮機(21a,21b)から吐出された高温のガス冷媒が供給される。このとき、利用側熱交換器(51)の下部の冷媒パス(51n側の冷媒パス)に液冷媒が溜まっていると、ガス冷媒は上方の冷媒パス(51a側の冷媒パス)を流れてから分流器(55)を通り、さらに上記過冷却コイル(57)を流れていく。除霜運転の開始時には、過冷却コイル(57)を流れる冷媒は高温のガス冷媒が流量のほとんどを占め、液冷媒はほとんど流れない。したがって、冷媒流量のほとんどを占める高温のガス冷媒が過冷却コイル(57)を流れるので、該過冷却コイル(57)の温度が上昇し、利用側熱交換器(51)が下部から暖められる。また、除霜運転を継続していくと、高温のガス冷媒が流れる冷媒パスが上部の冷媒パス(51a側の冷媒パス)から下方へ拡がっていくので、利用側熱交換器(51)は上部から下方へも暖められていく。このように、本実施形態では利用側熱交換器(51)が上方と下方の両方から暖められるので、上方の冷媒パス(51a側の冷媒パス)に付着した霜だけでなく、下方の冷媒パス(51n側の冷媒パス)に付着した霜も除去できる。
また、逆サイクルの除霜運転時には、利用側熱交換器(51)の過冷却コイル(57)を通過した冷媒の温度が、利用側ユニット(12)の内部に設けられた温度センサ(75)で検出される。このとき、利用側熱交換器(51)の過冷却コイル(57)には、逆サイクル運転時に分流器(55)を通過した後の冷媒全量が流れており、この冷媒の温度が所定値以上になっていると、最下部の冷媒パス(51n)の霜が溶けたと判断できる。具体的には、逆サイクルの除霜運転を開始したときには上記過冷却コイル(57)にはほぼガス冷媒のみが流れていて高温になっているが、利用側熱交換器(51)の霜が溶け出すと冷媒の温度が一旦下がり、さらに霜が溶けていくと冷媒の温度が上昇していく。そこで、この上昇したときの冷媒の温度が所定値以上になっていると、最下部の冷媒パス(51n)まで霜が溶けたと判断できる。
また、本実施形態では、キャピラリチューブ(56(56a〜56n))に冷媒トラップ(59)を設けているので、利用側熱交換器(51)の下方の冷媒パス(51n側の冷媒パス)に付着した霜を確実に除去できる。この点について説明する。
一般に、逆サイクルの除霜運転を開始すると、利用側熱交換器(51)の下部の冷媒パス(51n側の冷媒パス)に液冷媒が溜まっていてガス冷媒の通過抵抗が大きいので、圧縮機(21a,21b)から吐出されたガス冷媒が利用側熱交換器(51)の上部の冷媒パス(51a側の冷媒パス)を流れていく。そして、そのまま除霜運転を続けると、利用側熱交換器(51)の上部の冷媒パス(51a側の冷媒パス)に付着した霜は除去されるものの、下部の冷媒パス(51n側の冷媒パス)に付着した霜は除去されずに残ってしまうおそれがある。そのため、除霜運転が終了しても、熱交換器の下部には霜が残った状態になってしまうことが考えられる。
これに対して、本実施形態では、上記キャピラリチューブ(56(56a〜56n))に冷媒トラップ(59)を設けることにより、最下部の冷媒パス(51n)の液冷媒がガス冷媒の通過抵抗になるだけでなく、上部の冷媒パス(51a側の冷媒パス)についても冷媒トラップ(59)に溜まった液冷媒が抵抗になるため、上記利用側熱交換器(51)の各冷媒パス(51a〜51n)を冷媒が均等に流れるようになる。したがって、通常の運転から除霜運転に切り換えたときに、各冷媒パス(51a〜51n)をガス冷媒が均等に流れやすくなり、上方の冷媒パス(51a側の冷媒パス)ばかりをガス冷媒が流れることを防止して下方の冷媒パス(51n側の冷媒パス)にもガス冷媒を供給できるので、下方の冷媒パス(51n側の冷媒パス)に付着した霜も確実に除去できる。
−実施形態の効果−
本実施形態によれば、除霜運転には、利用側熱交換器(51)が上方と下方の両方から暖められるので、該利用側熱交換器(51)の上部に付着した霜だけでなく、該利用側熱交換器(51)の下部に付着した霜も除去できる。したがって、霜の溶け残りを防止できる。
また、本実施形態によれば、冷媒回路(18)に電磁弁やキャピラリチューブを設けたバイパス配管を接続したり、逆サイクルの除霜運転時には電磁弁を開く操作をしたりする必要がないので、構成や制御が複雑になるのも防止できる。
また、上記実施形態によれば、逆サイクルの除霜運転時に、利用側熱交換器(51)の過冷却コイル(57)を通過した冷媒の温度が利用側ユニット(12)の内部に設けられている温度センサ(75)で検出され、除霜運転を開始してから所定時間が経過してこの温度が所定値以上になっていると、最下部の冷媒パス(51n)の霜が溶けたと判断できるから、除霜運転が終了したかどうかを検知することができる。このように、過冷却コイル(57)を通過した後の位置に温度センサ(75)を設けると、冷媒の全流量から温度を検知できるので、除霜運転の終了検知を正確に行うことができる。また、利用側ユニット(12)に設けた温度センサ(75)を利用して除霜運転が終了したかどうかを検知することができるから、除霜運転の終了検知を利用側ユニット(12)だけで完結させることができる。
さらに、上記実施形態によれば、上記キャピラリチューブ(56(56a〜56n))に冷媒トラップ(59)を設けることにより、最下部の冷媒パス(51n)の液冷媒がガス冷媒の通過抵抗になるだけでなく、上部の冷媒パス(51a側の冷媒パス)についても冷媒トラップ(59)に溜まった液冷媒が抵抗になるため、上記利用側熱交換器(51)の各冷媒パス(51a〜51n)を冷媒が均等に流れるようになる。したがって、各冷媒パス(51a〜51n)をガス冷媒が均等に流れやすくなり、上方の冷媒パス(51a側の冷媒パス)ばかりをガス冷媒が流れることを防止して下方の冷媒パス(51n側の冷媒パス)にもガス冷媒を供給できる。そのため、通常の運転から除霜運転に切り換えたときに、利用側熱交換器(51)において、冷媒がガス相と液相とに分離することに起因する偏流が生じるのを抑えることができるから、着霜した利用側熱交換器(51)において液相冷媒が溜まった下方の冷媒パス(51n側の冷媒パス)の部分に霜の溶け残りが生じてしまうのを確実に抑制することができる。
−実施形態の変形例−
上記温度センサ(75)は、図2に仮想線で示すように、上記除霜運転時に上記利用側熱交換器(51)の最下部の冷媒パス(51n)と上記分流器(55)とに接続されたキャピラリチューブ(56n)を流れる冷媒の温度を検出する位置に設けてもよい。
この変形例では、逆サイクルの除霜運転時に、利用側熱交換器(51)の最下部の冷媒パス(51n)と上記分流器(55)とに接続されたキャピラリチューブ(56n)を流れる冷媒の温度が温度センサ(75)で検出される。そして、この変形例においても、この温度が所定値以上になっていると、最下部の冷媒パス(56n)の霜が溶けた(利用側熱交換器(51)の全体の霜が溶けた)と判断できるから、除霜運転が終了したかどうかを検知することができる。
《その他の実施形態》
上記実施形態については、以下のような構成としてもよい。
例えば、図5に示すように、分流器(55)を、上記キャピラリチューブ(56a〜56n)の接続部が下向きになるように配置してもよい。この構成においても、図2の例と同様に構成された過冷却コイル(57)が設けられている。また、上記キャピラリチューブ(56a〜56n)には、最下部の冷媒パス(51n)以下の高さを通るトラップ(59)が設けられている。
このように構成しても、上記実施形態と同様の効果を奏することができる。
なお、図2,図5の例では、上記キャピラリチューブ(56a〜56n)に、最下部の冷媒パス(51n)以下の高さを通るトラップ(59)を設けており、通常の冷却運転から逆サイクルの除霜運転に切り換えたときに冷媒の偏流が生じるのを抑制して下方の冷媒パス(51n側の冷媒パス)に液冷媒が溜まり込むのを防止するようにしているが、上記トラップ(59)は必ず設ける必要があるわけではなく、トラップ(59)を設けなくても上記過冷却コイル(57)を設けることにより、利用側熱交換器(51)における霜の溶け残りを防止する効果を従来よりも高めることは可能である。
また、上記実施形態は、庫内を冷却する冷凍装置に本発明を適用した例であるが、本発明は、室内を暖房する空気調和装置の室外熱交換器に適用してもよい。
なお、以上の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
以上説明したように、本発明は、逆サイクルの除霜運転が行われる冷媒回路を有する冷凍装置において、除霜運転時に、着霜した熱交換器の下部で霜が溶け残るのを抑制する技術について有用である。
10 冷凍装置
12 利用側ユニット(庫内ユニット)
15 冷媒回路
15L 液ライン
21a 第1圧縮機
21b 第2圧縮機
23 熱源側熱交換器(第1熱交換器)
51 利用側熱交換器(第2熱交換器)
51a 冷媒パス
51n 冷媒パス
53 利用側膨張弁(膨張機構)
55 分流器
56 キャピラリチューブ
57 過冷却コイル
59 冷媒トラップ
75 温度センサ
そして、この冷凍装置は、上記第2熱交換器(51)の下部に過冷却コイル(57)が設けられ、上記過冷却コイル(57)は、正サイクルの冷却運転時の冷媒流入側の端部(57a)が冷媒回路の液ライン(15L)と直接に連通するとともに、逆サイクルの除霜運転時の冷媒流入側の端部(57b)が上記第2熱交換器(51)の冷媒パス(51a〜51n)に上記分流器(55)を介して連通し、上記逆サイクルの除霜運転時に高温のガス冷媒が流れる冷媒配管(62)から、冷媒が上記第2熱交換器(51)の上部の冷媒パスを流れ、その上部の冷媒パスから上記キャピラリチューブ(56)と上記分流器(55)を介して上記過冷却コイル(57)へ流れるように構成されていることを特徴としている。

Claims (5)

  1. 1台または複数台の圧縮機(21a,21b)と第1熱交換器(23)と膨張機構(53)と第2熱交換器(51)とを備えて第1熱交換器(23)が放熱器となり第2熱交換器(51)が蒸発器となる正サイクルの冷却運転を行う冷媒回路を備え、第2熱交換器(51)に着霜すると圧縮機(21a,21b)の吐出冷媒を該第2熱交換器(51)に供給して逆サイクルの除霜運転を行い、
    上記第2熱交換器(51)が上方から下方にわたって複数の冷媒パス(51a〜51n)を有し、
    上記膨張機構(53)と第2熱交換器(51)との間に設けられた分流器(55)と上記冷媒パス(51a〜51n)とがキャピラリチューブ(56)で接続された冷凍装置であって、
    上記第2熱交換器(51)の下部に過冷却コイル(57)が設けられ、
    上記過冷却コイル(57)は、正サイクルの冷却運転時の冷媒流入側の端部(57a)が冷媒回路の液ライン(15L)と直接に連通するとともに、逆サイクルの除霜運転時の冷媒流入側の端部(57b)が上記第2熱交換器(51)の冷媒パス(51a〜51n)に上記分流器(55)を介して連通していることを特徴とする冷凍装置。
  2. 請求項1において、
    上記除霜運転時に上記第2熱交換器(51)の最下部の冷媒パス(51n)と上記分流器(55)とに接続されたキャピラリチューブ(56)を流れる冷媒の温度を検出する温度センサ(75)を備えていることを特徴とする冷凍装置。
  3. 請求項1において、
    上記除霜運転時に上記第2熱交換器(51)の過冷却コイル(57)を通過した冷媒の温度を検出する温度センサ(75)を備えていることを特徴とする冷凍装置。
  4. 請求項2または3において、
    上記膨張機構(53)と第2熱交換器(51)とを備えた庫内ユニット(12)を備え、
    上記温度センサ(75)が上記庫内ユニット(12)の内部に設けられていることを特徴とする冷凍装置。
  5. 請求項1から4の何れか1つにおいて、
    上記分流器(55)と上記第2熱交換器(51)の冷媒パス(51a〜51n)とに接続されたキャピラリチューブ(56)は、最下部の冷媒パス(51n)以下の高さを通る冷媒トラップを備えた形状に形成されていることを特徴とする冷凍装置。
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