JP2017123907A - 化粧塗布用パフ - Google Patents
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Abstract
【課題】耐摩耗性及び滑り性に優れた化粧塗布用パフを提供する。【解決手段】化粧塗布用パフ1は、平均セル径が50〜300μmである発泡弾性体2と、改質層3とを含み、前記改質層は、前記発泡弾性体の表面上及び前記発泡弾性体の表面から1000μmの深さまでの範囲内に形成された、ウレタンコート剤部分4を含む。【選択図】図1
Description
本発明は、化粧塗布用パフに関する。
従来、化粧塗布用パフとして、NBR(ニトリルブタジエンラバー)パフ、天然ゴムパフ、ポリウレタンパフなどが知られている。これらのパフを使用する場合、材料の性質やセルの構造に由来してざらつきを感じたり、滑りにくく感じたりすることがある。また、液状ファンデーションやパウダリーファンデーションなどの化粧品をパフに付着させたまま放置すると、化粧品をパフに付着させずに放置する場合と比較して、耐久性(耐摩耗性)が低下し易いという問題がある。
滑り性などの向上のために、例えば特許文献2には、基材スポンジの表面に高分子量ポリエチレン等よりなる粒子を塗布し、加熱融着させた後、更にシリコーンオイルのエマルジョンを塗布することによりシリコーン皮膜を形成することが記載されている。しかしながら、このように製造されたスポンジパフは、長期保管中にシリコーンオリゴマーがブリードして肌に悪影響を与える恐れがある。
本発明は、上記事情に鑑みてなされ、滑り性及び耐摩耗性に優れた化粧塗布用パフを提供することを目的とする。
本発明の一側面によると、平均セル径が50〜300μmである発泡弾性体と、改質層とを含み、前記改質層は、前記発泡弾性体の表面上及び前記発泡弾性体の表面から1000μmの深さまでの範囲内に形成された、ウレタンコート剤部分を含む化粧塗布用パフが提供される。
本発明によると、滑り性及び耐摩耗性に優れた化粧塗布用パフを提供することが可能となる。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る化粧塗布用パフの一例を示す断面図である。化粧塗布用パフ1は、発泡弾性体2と、発泡弾性体2の一部及びウレタンコート剤部分4を含んだ改質層3とを含んでいる。ウレタンコート剤部分4は、発泡弾性体2の表面上及び発泡弾性体2の表面から1000μmの深さまでの範囲内の少なくとも一部に形成されている。本明細書において、発泡弾性体2の「表面」とは、オープンセルの領域では、その周囲を囲む発泡弾性体2の実体部分の表面から延長されて形成される仮想的な平面を意味するものとする。改質層3とは、例えば、発泡弾性体2の表面上に形成されたウレタンコート剤部分4の表面から、発泡弾性体2のうちウレタンコート剤部分4が形成されている深さまでの領域を示している。
図1は、本発明の一実施形態に係る化粧塗布用パフの一例を示す断面図である。化粧塗布用パフ1は、発泡弾性体2と、発泡弾性体2の一部及びウレタンコート剤部分4を含んだ改質層3とを含んでいる。ウレタンコート剤部分4は、発泡弾性体2の表面上及び発泡弾性体2の表面から1000μmの深さまでの範囲内の少なくとも一部に形成されている。本明細書において、発泡弾性体2の「表面」とは、オープンセルの領域では、その周囲を囲む発泡弾性体2の実体部分の表面から延長されて形成される仮想的な平面を意味するものとする。改質層3とは、例えば、発泡弾性体2の表面上に形成されたウレタンコート剤部分4の表面から、発泡弾性体2のうちウレタンコート剤部分4が形成されている深さまでの領域を示している。
ウレタンコート剤部分4(以下、コート剤部分)は、発泡弾性体2の表面及びセルの形状に沿って形成されている被膜41を含み、更に発泡弾性体2の表面に開口したセルを充填する充填物42の形態になっている部分を含んでいてもよい。この被膜41の厚みは、例えば、数μm程度である。この被膜41の表面は、典型的には発泡弾性体2の表面と比較して動摩擦係数が低い。それ故、この化粧塗布用パフ1を用いて液状ファンデーションやパウダリーファンデーションなどの化粧品を人肌に塗布すると、使用者は、優れた滑り性を知覚し得る。
また、改質層3を有した化粧塗布用パフ1は、耐摩耗性に優れている。具体的には、上述したように滑り性に優れているため、化粧塗布用パフ1のうち塗布に使用した部分には、過度の剪断力が働かない。更に、この化粧塗布用パフ1に化粧品が長時間付着した状態で放置した場合には、コート剤部分4が発泡弾性体2への化粧品の浸透を抑制することにより、化粧塗布用パフ1は劣化しにくい。これらに起因して、化粧塗布用パフ1の表面には、破損(ムシレ)が生じにくい。 以下、本実施形態に係る化粧塗布用パフ1を、より詳細に説明する。
発泡弾性体2の平均セル径は50〜300μmである。平均セル径は、好ましくは、50〜250μmである。セルを細かくすることで、肌触りを良くすることができる。平均セル径はJIS K6400−1に準じて測定することができる。
発泡弾性体2の平均セル径は50〜300μmである。平均セル径は、好ましくは、50〜250μmである。セルを細かくすることで、肌触りを良くすることができる。平均セル径はJIS K6400−1に準じて測定することができる。
発泡弾性体2の材質は特に制限されない。発泡弾性体2は、例えば、ポリウレタンフォーム、NBR(ニトリルブタジエンラバー)ラテックスフォーム、NR(ニトリルラバー)ラテックスフォーム、SBR(スチレンブタジエンラバー)ラテックスフォーム、シリコーンフォーム、CR(ポリクロロプレン)ラテックスフォーム、及びEPDM(エチレン・プロピレンジエンゴム)フォームからなる群より選ばれる材料からなる。
発泡弾性体2の通気抵抗が高い(独立気泡性が高い)と、後述する化粧塗布用パフ1の製造の際に、ウレタンコート剤が内部に浸透しにくい。それ故、均一な改質層3を形成し易い傾向にある。ここで、均一な改質層3とは、発泡弾性体2上の或る位置と他の位置とで、コート剤部分4の単位面積当りの質量の差が小さいことを意味している。
なお、発泡弾性体2の表面は、例えば発泡させたフォームの切断面であるため、凹凸を有している。この凹凸を含む表面積は測定が困難であるため、上記面積は、表面積ではなく見かけ上の面積を示している。
コート剤部分4が形成された改質層3の深さ方向の範囲は、発泡弾性体2の表面からごく薄くてもよい。所望の効果を得るためには、コート剤部分4は、発泡弾性体2の表面から20μm以上の深さで形成されていることが好ましい。コート剤部分4は、発泡弾性体2の表面から300μmの深さまでの範囲内に形成されていてもよく、500μmの深さまでの範囲内に形成されていてもよく、1000μmの深さまでの範囲内に形成されていてもよい。化粧塗布用パフの耐久性を高めるためには、コート剤部分4は、発泡弾性体2の表面から1000μmの深さまでの範囲以内に形成されていることが好ましい。コート剤部分4が形成された改質層3の深さ方向の範囲が上記範囲内にあると、化粧塗布用パフを使用して化粧品を人肌に塗布する際に、改質層3が人肌に触れるため、使用者は、優れた滑り性を知覚し得る。
改質層3が含むコート剤部分4は、典型的には、発泡弾性体2の表面の凹凸に沿って形成されている。コート剤部分4が発泡弾性体2の表面及びセルの形状に沿って形成されていると、発泡弾性体2とコート剤部分4との間に空気の層が存在していないか又はほぼ存在していない。この場合、コート剤部分4の破れが生じ難い。コート剤部分4の破れが生じ難いと、発泡弾性体2が露出しにくくなるため、耐摩耗性により優れている。
コート剤部分4は、典型的には、ポリウレタン樹脂からなる。コート剤部分4は、化粧品を塗布する際に、発泡弾性体2の伸縮に追従可能な物性を有していることが好ましい。コート剤部分4に使用するポリウレタン樹脂は軟質であることが好ましく、その伸びは、例えば500%以上であり、好ましくは900%以上である。ポリウレタン樹脂として、例えばエーテル系のポリウレタン樹脂を使用すると、伸びのあるコート剤部分4を製造し易い。或いは、ポリカーボネート系のポリウレタン樹脂を使用すると、化粧品に対する耐薬品性を向上することができ、ひいては耐摩耗性を向上することができる。このように、コート剤部分4のポリウレタン樹脂としては、所望の性質を有したポリウレタン樹脂を適宜選択することができる。
コート剤部分4は、添加剤を含んでいてもよい。添加剤としては、例えば、消泡剤、レベリング剤、湿潤剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、抗菌剤、抗カビ剤、触感を改善するための微粒子、及び、潤滑剤からなる群より選ばれる少なくとも1つを使用することができる。それぞれの添加物は、一般的に使用されている物を適宜使用することができる。
コート剤部分4の伸びは、JIS K 7161に準じて測定することができる。
コート剤部分4の単位面積当りの質量は、例えば、0.2mg/cm2〜2.2mg/cm2であり、好ましくは、0.3mg/cm2〜1.8mg/cm2である。コート剤部分4の単位面積当りの質量がこの範囲内にあると、化粧塗布用パフ1の表面が硬くなりすぎることなしに、滑り性を向上することができる。コート剤部分4の単位面積当りの質量が過度に高いと、化粧塗布用パフ1の表面が硬い可能性がある。
本実施形態に係る化粧塗布用パフ1は、例えば、密度が60〜300kg/m3であり、通気抵抗が2〜250kPa・sec/mであり、アスカーF硬度が30°〜70°である。このような化粧塗布用パフ1は、例えば、後述する製造方法により製造することができる。
化粧塗布用パフ1の密度はJIS K7222に準拠して測定する。化粧塗布用パフ1は、密度が60kg/m3未満であると、肌触りがざらついて使用感が悪くなったり、セルが荒くなったり、樹脂強度を保てず破れたりする。化粧塗布用パフ1は、密度が300kg/m3を超えると、硬くなって柔軟性がなくなり、パウダリーファンデーションを取る際に曲がらなくなるためにファンデーションを線状にしか取れなくなる可能性がある。化粧塗布用パフ1の密度を60〜300kg/m3とすることで、これらの問題を解消することができる。化粧塗布用パフ1は、柔らかい感触と使用時に破れない引張強度とを両立させるためには、密度が70〜200kg/m3であることが好ましい。
化粧塗布用パフ1の通気抵抗はカトーテック株式会社製KES−F8−AP1を用いて測定する。具体的には、厚さ8mmに裁断したサンプルを準備し、プランジャー/シリンダーのピストン運動によって定流量空気をサンプルに送り、サンプルを通して大気中へ放出する際に半導体差圧ゲージによって測定される圧力損失を通気抵抗として評価する。化粧塗布用パフ1は、通気抵抗が2kPa・sec/m未満であると、液状ファンデーションを浸透させやすくなる。化粧塗布用パフ1は、通気抵抗が250kPa・sec/mを超えると、パウダリーファンデーションを塗布する際にケーキングを起こしやすくなる。化粧塗布用パフ1の通気抵抗が2kPa・sec/m〜250kPa・sec/mであれば、液状ファンデーションの浸透量を少なくでき、パウダリーファンデーションの塗布時にケーキングを起こさないようにすることができる。
化粧塗布用パフ1の硬さはアスカーF硬度計で測定する。具体的には、アクリル板の上に厚さ8mmに裁断したサンプルを置き、アスカーF硬度計を乗せて10秒後の硬度を読み取る。化粧塗布用パフ1は、アスカーF硬度が30°未満であると、ファンデーションを塗布する際に底づき感が生じて指の形で押すことになり、大きな面積で塗布することができないため均一な塗布が困難になる。化粧塗布用パフ1は、アスカーF硬度が70°を超えると、肌に追随しなくなるためファンデーションの均一な塗布が困難になる。化粧塗布用パフ1は、柔らかい感触と復元感を両立させるためには、アスカーF硬度が40°〜60°であることがより好ましい。
以上で説明した化粧塗布用パフ1は、例えば、以下のようにして製造することができる。
上述したように、使用する発泡弾性体2の種類は特に制限されないが、ここでは一例として、発泡弾性体2がポリウレタンフォームである場合を説明する。
上述したように、使用する発泡弾性体2の種類は特に制限されないが、ここでは一例として、発泡弾性体2がポリウレタンフォームである場合を説明する。
このポリウレタンフォームの製造においては、例えば、ポリウレタン原料に不活性ガスを混合・攪拌しながら強制的に導入する機械発泡を用いる。不活性ガスとしては、希ガス、例えばヘリウム、ネオン、アルゴンなど、窒素ガス、及び乾燥空気が挙げられる。コストの観点から、窒素ガス又は乾燥空気を使用することが好適である。
機械発泡装置は、連続発泡用でもバッチ発泡用でもよい。連続発泡用の機械発泡装置としては、例えばオークスミキサーのような円盤型のミキサー、モンドミックス社の円筒型のミキサーが挙げられる。バッチ発泡用の機械発泡装置としては、例えば卓上型のホイッパーが挙げられる。量産性を考慮すると、セルが均一になり、ピンホールが発生しにくい連続発泡装置が好適である。
機械発泡時の不活性ガスの添加量は、0℃、1気圧における体積換算で、ポリウレタン原料の合計供給量に対して2倍から10倍とし、3倍から5倍とすることがより好ましい。
不活性ガスの添加量が低いと、ポリウレタンフォームの密度が高くなり、風合いが硬くなる。ポリウレタン原料への不活性ガスの添加量が多すぎると、ガスだまりとなって吐出され、ボイドやピンホールの原因となる。ポリウレタン原料の合計供給量に対して不活性ガスの添加量が10倍を超えるとその傾向が出てくる。
ポリウレタン原料のうち、ポリオールは、末端水酸基の1級化率が70%以上で数平均分子量が1000〜3000である2官能ポリオールを30質量%以上含有し、好ましくは50質量%以上含有する。ポリオールとして、末端水酸基の1級化率が70%以上で数平均分子量が1000〜3000の2官能ポリオールのみ(100質量%)を使用してもよい。末端水酸基の1級化率が70%以上で数平均分子量が1000〜3000である2官能ポリオールと、他のポリオールとの混合物を用いる場合、全ポリオールの平均官能基数は1.8〜3.5であることが好ましい。
一般的な乾式ポリウレタンフォームは、2官能より官能基数の大きいポリオールを使用し、発泡剤として水、補助発泡剤としてフロン、ジクロロメタン、炭化水素などの低沸点化合物を使用して発泡させる結果、得られるポリウレタンフォームは化粧塗布用スポンジパフとしては強度が十分でなく、ピンホールが発生して外観、使用感ともに悪くなる。また、ポリオールの官能基数が増えると、ポリウレタンフォームの引張強度が低下し、使用した時に破れを生じやすい。
2官能のポリオールを全ポリオールの30質量%以上使用することにより、このような問題を解決することができる。2官能のポリオールが全ポリオールの30質量%未満である場合、微細セルを含む低密度のフォームが得られず、フォームの密度が上昇し、硬度が高くなり、触感が悪くなる。
機械発泡において、ポリオールの種類が、ポリウレタンフォームの発泡倍率に大きく寄与する。具体的には、ポリオールの反応性、粘度、ポリイソシアネートとの親和性が、ポリウレタンフォームの発泡倍率に影響を与える。エチレンオキサイドを含まないプロピレンオキサイドのみの付加重合体は反応性が低いため、ポリウレタンフォームのセルの安定性が低く、低密度化及びソフト化を実現することができない。セル形状を安定化させて低密度化及びソフト化するためには2官能の原料で末端水酸基の1級化率を70%程度以上に上げることが好ましく、ポリオール末端にエチレンオキサイドを付加重合させることが有効である。
例えば、酸性触媒(付加重合触媒)の存在下で、開始剤にプロピレンオキサイドを付加重合させて末端水酸基の1級化率が40%以上である2官能のポリプロピレングリコールを調製し、さらにエチレンオキサイドを付加させて末端水酸基の1級化率が70%以上で数平均分子量が1000〜3000である2官能ポリオールを調製し、この2官能ポリオールを30質量%以上含有し、全ポリオールの末端水酸基の平均1級化率が50%以上であるポリオールを準備する。
ポリオールの末端水酸基の1級化率を上げることで反応性が上がり、セルを保つことができるためフォームを低密度化することができる。開始剤にエチレンオキサイドを付加すれば末端水酸基の1級化率を上げることができる。ただし、エチレンオキサイド付加物は親水性が高く、水系のファンデーションを使用した場合に、膨潤して破れやすくなる。耐水性を向上させるためには、できるだけ分子中のエチレンオキサイド付加物の比率を下げることが好ましい。
一般的にプロピレンオキサイドを付加重合する際にはアルカリ触媒を使用して重合させる。この場合、大部分のプロピレンオキサイドがβ開裂して末端が2級水酸基になり、1級水酸基は2%程度になる。末端水酸基の1級化比率を上げるためには、プロピレンオキサイドを付加重合させた後にエチレンオキサイドを付加重合させることが好ましい。末端水酸基の1級化率を確保し、かつエチレンオキサイドの付加比率を抑えることは難しい。
これに対して特開2000−344881号公報に開示されているように、トリスペンタフルオロフェニルボランなどの酸性触媒の存在下で、開始剤にプロピレンオキサイドを付加重合させ、末端水酸基の1級化率を高めたものを製造し、さらにエチレンオキサイドを付加重合させ、末端水酸基の1級化率を70%以上、好ましくは90%以上にしたポリオールを使用することで、ポリウレタンフォームの耐水性を向上させることができる。
ポリオール100質量部に対して、1.0質量部未満の水を発泡剤として使用してもよい。機械発泡の際に補助的に発泡剤として水を使用すると、低密度化できるために触感をソフトにすることができる。水発泡の場合はざらざらとした触感になったり収縮したりするおそれがあるが、水を1.0質量部未満に抑えることで収縮を抑えることができ、さらに0.7質量部以下にすることでざらつきをより低減することができる。
また、本発明は、フロン類、ジクロロメタン、炭化水素系の補助発泡剤を添加して発泡させることを制限するものではない。
また、発泡後のフォームをクラッシングしてもよい。独立気泡性の高い材料で製造したフォームの場合、パウダリーファンデーションを塗布する際にケーキングを起こすおそれがある。これに対して、発泡後のポリウレタンフォームをクラッシングすることでセルを連通化することができるため、ケーキングを防止し、寸法安定性を確保できる。また、クラッシングを調整することで、通気度や硬度をコントロールできる。
上記のように、ポリオール原料を特定し、さらに設備及び製造条件を調整することにより、密度が60kg/m3〜300kg/m3、アスカーF硬度が30°〜70°、通気抵抗が2kPa・sec/m〜250kPa・sec/mのポリウレタンフォームを製造することができる。
さらに詳細に説明する。
以上で説明したポリウレタンフォームの製造においては、ポリオールとイソシアネートとを主成分として、整泡剤、触媒とを助剤として使用し、場合により発泡剤、架橋剤、紫外線吸収剤、光安定剤、顔料、酸化防止剤、抗菌剤などを添加する。
ポリオールは、末端水酸基の1級化率が70%以上で数平均分子量が1000〜3000の2官能ポリオールを単独で使用するか、又は前記2官能ポリオールが全ポリオールの30質量%以上、好ましくは50%質量以上の含有率となるように他のポリオールと混合する。他のポリオールとしては、ポリウレタンフォームの製造に使用されるポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリマーポリオールなどを単独あるいは併用して使用することができる。前記2官能ポリオールと他のポリオールとを混合する場合でも、全ポリオールの末端水酸基の平均1級化率が50%以上であれば、機械発泡に必要な起泡性及び泡の安定性が得られる。
ポリイソシアネートとしては、ポリウレタンフォームの製造に使用されるトリレンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)などの芳香族系イソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ノルボルネンジイソシアネート(NBDI)、水添ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、水添キシリレンジフェニルメタンジイソシアネート(XDI)などの脂肪族系イソシアネートを単独あるいは併用して使用することができる。
一般的にはMDI及びTDIを使用するが、紫外線での黄変を防止する目的で脂肪族イソシアネートを使用することもできる。
機械発泡で製造する場合、生成した泡の安定性を確保するためには高粘度が好ましく、また樹脂化の反応を早くすることで泡の合一によりセルが大きくなってしまうことを防ぐことができるため、MDI系の原料が好ましい。
MDI系の原料において、ポリメリックMDIの量が増加すると官能基数が上がり、伸び性が悪化してしまうためモノメリックMDIを使用することが好ましい。純粋なモノメリックMDIは常温で固体であるため、加温して液体にしてから使用する。ポリオールと部分的に反応させてプレポリマー化したり、カルボジイミド変性したりすることによっても、モノメリックMDIの特性を持たせて常温で液体にすることができる。後者の方が簡便な装置で製造できるため好適である。
整泡剤としては、例えばポリシロキサン結合にポリエーテル結合を組み合わせた、ポリウレタンフォーム用のシリコーン系の整泡剤を使用できる。特に、機械発泡用に販売されているシリコーン系整泡剤を好適に使用できる。
触媒としては、例えばスズ系、ビスマス系などの金属触媒や3級アミン触媒を単独あるいは併用して使用することができる。撹拌中に硬化が始まるのを防ぐために、感温性触媒を用いてもよい。
発泡ガスとして不活性ガスを用い、機械発泡時に強制的に液状原料と混合する。不活性ガスとしては、希ガス(ヘリウム、ネオン、アルゴンなど)、窒素ガス、乾燥空気を用いることができる。コストを考慮すると、窒素ガス又は乾燥空気を使用するのが好適である。
発泡剤は補助的に使用される。発泡剤としては、ポリイソシアネートと反応して二酸化炭素を発生する水を少量使用することが好ましい。発泡剤としての水の配合割合は、ポリオール100質量部に対して1.0質量部未満とすることが好ましい。
発泡剤として、通常のポリウレタン発泡に使用される、ジクロロメタン、各種フロン原料、シクロペンタン、蟻酸メチル、液化炭酸ガスなどを用いてもよい。
架橋剤としては、例えば低分子量ポリオール、例えば1,4−ブタンジオール、トリメチロールプロパン、エチレングリコール、ジエチレングリコールなど、及びポリアミン、例えばメチレンビスジフェニルポリアミン、トリレンジアミンなどを使用することができる。
紫外線吸収剤としては、例えば二酸化チタン、酸化亜鉛、ベンゾトリアゾール系原料、ベンゾフェノン系原料などを単独で又は併用して使用することができる。
光安定剤としては、例えばヒンダードアミン系などの原料を使用することができる。
顔料としては、例えばピグメントをポリオール原料に分散させたものを使用してもよいし、染料を使用してもよい。
酸化防止剤としては、例えばヒンダードフェノール系原料、亜リン酸エステル原料などを使用することができる。
抗菌剤としては、例えば銀をゼオライトに坦持させたもの、銀イオンを含む水溶液、無機系抗菌剤又は有機系抗菌剤(ジンクピリチオン、チアベンダゾールなど)等、公知のものを使用することができる。
上記原料を機械発泡で強制的に不活性ガスを混入させながら攪拌して、セルを形成させながらポリウレタンの反応を開始させる。
発泡装置から吐出したポリウレタン反応液をスラブ成形し、硬化したポリウレタンフォームを所定の形状に切り出した後に端部をR形状に研磨する事で、発泡弾性体2としてのポリウレタンフォームを得ることができる。
発泡装置から吐出したポリウレタン反応液を、金型内に導入し金型成形することもできる。
金型の断面形状は、所定の化粧用パフの形状より一回り大きなサイズの断面形状とする。
こうして得られた発泡成形品は、その後端部をR形状に研磨する事で発泡弾性体2としてのポリウレタンフォームとすることができる。
金型の断面形状を所定の化粧パフの形状より一回り大きなサイズとした筒状の金型内にポリウレタン反応液を導入し、棒状のフォームを製造することもできる。
こうして得られた棒状品は、所定の厚みにカットし、その後端部をR形状に研磨することで発泡弾性体2としてのポリウレタンフォームを製造することができる。
離型シートの上にポリウレタン反応原液を均一に塗布した後、その上面よりさらに離型シートを載せて、一定厚みのシート状フォームを製造することもできる。
こうして得られたシート状の成型品は、所定の形状に打ち抜き加工した後、端部をR形状に研磨することで発泡弾性体2としてのポリウレタンフォームを製造することができる。
発泡弾性体2がポリウレタンフォームでは無い場合、例えば、NBRラテックスフォーム又はSBRラテックスフォームなどの場合、これらフォームは公知の方法により製造することができる。
続いて、得られた発泡弾性体2にウレタンコート剤を塗布、乾燥することにより、発泡弾性体2の表面上及び表面から1000μmの深さまでの範囲内にコート剤部分4が形成される。言い換えると、発泡弾性体2の表面上及び表面から1000μmの深さまでの範囲内において、ウレタンコート剤により改質された改質層3が形成される。
ウレタンコート剤としては、例えば市販のウレタンコート剤を使用することができる。但し、ウレタンコート剤は、水溶媒にウレタン微粒子が分散したものであることが好ましい。即ち、ウレタンコート剤の溶媒は水のみであることが好ましい。溶媒が水のみである場合、溶媒に有機溶媒が含まれている場合と異なり、形成されるコート剤部分4の乾燥が不十分であったとしてもコート剤部分4に有機溶媒が残存する可能性がない。コート剤部分4に有機溶媒が残存していると、パフを用いて化粧塗布する際に皮膚に障害を与える可能性がある。
ウレタンコート剤に含まれるウレタン微粒子に由来する固形分は、例えば、20〜55重量%である。ウレタンコート剤は、添加剤を含んでいてもよい。添加剤としては、例えば、消泡剤、レベリング剤、湿潤剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、抗菌剤、抗カビ剤、触感を改善するための微粒子、及び、潤滑剤からなる群より選ばれる少なくとも1つを使用することができる。添加剤として、消泡剤、レベリング剤、湿潤剤などを使用することで、ウレタンコート剤を発泡弾性体2の内部まで浸透させ易くなる。それぞれの添加物は、一般的に使用されている物を適宜使用することができる。
ウレタンコート剤を塗布する際は、典型的には、これを蒸留水などで希釈して使用する。この希釈は、例えば、ウレタンコート剤と蒸留水との比が0.05〜1の範囲内になるように行う。
ウレタンコート剤の塗布方法は特に制限されないが、例えば、水系塗料塗布用スポンジロールにウレタンコート剤を染み込ませて塗布することができる。この際、例えば、スポンジロールをフォームの発泡方向へ1往復動かし、その後、発泡方向に直交する方向に1往復動かす。或いは、ウレタンコート剤の塗布方法は、例えば、ロールコーターによる塗布、スプレー塗布、及びディッピングからなる群より選ばれる方法で行うことができる。
ウレタンコート剤が塗布された発泡弾性体2を、例えば、110℃で15分に亘り乾燥する。この乾燥は、溶媒が蒸発する程度に行えばよいため、乾燥時の温度は、例えば60℃〜120℃の範囲内とすることができる。また、乾燥を行う時間も、適宜調整することができる。
以上のようにして、本実施形態に係る化粧塗布用パフ1を製造することができる。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明はこれに限定されない。
(実施例1)
<発泡弾性体の製造>
酸性触媒(付加重合触媒)の存在下、官能基数2の開始剤にプロピレンオキサイドを付加重合させて、末端水酸基の1級化率が約70%である2官能のポリプロピレングリコールを調製し、さらにエチレンオキサイドを付加させて、末端水酸基の1級化率が92%であり、数平均分子量が1400の2官能ポリオール(ポリオールA)を調製した。
<発泡弾性体の製造>
酸性触媒(付加重合触媒)の存在下、官能基数2の開始剤にプロピレンオキサイドを付加重合させて、末端水酸基の1級化率が約70%である2官能のポリプロピレングリコールを調製し、さらにエチレンオキサイドを付加させて、末端水酸基の1級化率が92%であり、数平均分子量が1400の2官能ポリオール(ポリオールA)を調製した。
表1の配合になるように、ポリオール、架橋剤、整泡剤、アミン触媒(ウレタン反応触媒)、及びポリイソシアネートを準備した。これらの原料はいずれも液状である。発泡剤としての水は使用していない。
ポリイソシアネート以外の原料を配合したものをオークスミキサーに連続的に供給し、窒素ガスを供給し、オークスミキサー内でポリイソシアネートと反応させながら吐出し、100℃で7分間キュアして、発泡弾性体としてのポリウレタンフォームを作製した。
このポリウレタンフォームを、縦が約80mm、横が約80mm、厚さが約8mmとなるようにスライスした。スライスしたポリウレタンフォームの重量を測定したところ、7.25gであった。また、このポリウレタンフォームの密度は130kg/m3であった。
<ウレタンコート剤の調製>
1000mLのディスポーザブルカップを用意し、これに固形分が55重量%であるウレタンコート剤((株)アデカ製、HUX−282)を10g秤量した。次いで、ディスポーザブルカップに蒸留水を90g加えてウレタンコート剤を希釈及び攪拌し、希釈後のウレタンコート剤の重量を100gとした。即ち、希釈後のウレタンコート剤100g中には、固形分が5.5g含まれていた。
1000mLのディスポーザブルカップを用意し、これに固形分が55重量%であるウレタンコート剤((株)アデカ製、HUX−282)を10g秤量した。次いで、ディスポーザブルカップに蒸留水を90g加えてウレタンコート剤を希釈及び攪拌し、希釈後のウレタンコート剤の重量を100gとした。即ち、希釈後のウレタンコート剤100g中には、固形分が5.5g含まれていた。
<化粧塗布用パフの製造>
水系塗料塗布用スポンジロールに、上で調製したウレタンコート剤を染み込ませた。ウレタンコート剤が滴り落ちない程度に、ディスポーザブルカップの壁面でスポンジロールを軽く絞った。先にスライスしたウレタンフォームにスポンジロールを軽く押し当て、フォームの発泡方向へ1往復塗布した後、発泡方向に直交する方向へ1往復塗布した。コート剤塗布後のウレタンフォームの重量を測定したところ、7.70gであった。コート剤を塗布したウレタンフォームを、オーブンで110℃、15分間に亘り乾燥させ、サンプル1−1としての化粧塗布用パフを製造した。
水系塗料塗布用スポンジロールに、上で調製したウレタンコート剤を染み込ませた。ウレタンコート剤が滴り落ちない程度に、ディスポーザブルカップの壁面でスポンジロールを軽く絞った。先にスライスしたウレタンフォームにスポンジロールを軽く押し当て、フォームの発泡方向へ1往復塗布した後、発泡方向に直交する方向へ1往復塗布した。コート剤塗布後のウレタンフォームの重量を測定したところ、7.70gであった。コート剤を塗布したウレタンフォームを、オーブンで110℃、15分間に亘り乾燥させ、サンプル1−1としての化粧塗布用パフを製造した。
以上で説明したのと同様の操作により、塗布前のウレタンフォームの重量とコート剤の塗布量とがそれぞれ異なるサンプル1−2〜サンプル1−5を製造した。これらの結果を表2にまとめる。
なお、以下の表2〜5において、「塗布前重量(g)」の列は、コート剤を塗布する前のウレタンフォームの重量を示している。「塗布直後重量(g)」の列は、コート剤を塗布した直後のウレタンフォームの重量を示している。「塗液重量(g)」の列は、「塗布直後重量(g)」から「塗布前重量(g)」の値を減じて算出した値であり、ウレタンフォームに塗布された塗液の重量を示している。「固形分重量(g)」の列は、塗布された塗液の重量に含まれている固形分の重量を示している。
(実施例2)
ウレタンコート剤の希釈液として、ウレタンコート剤20gに蒸留水80gを加えたものを使用した。即ち、希釈後のウレタンコート剤100g中に固形分が11g含まれていたことを除いて、実施例1と同様の方法で、サンプル2−1〜サンプル2−5としての化粧塗布用パフを製造した。これらの結果を表3にまとめる。
ウレタンコート剤の希釈液として、ウレタンコート剤20gに蒸留水80gを加えたものを使用した。即ち、希釈後のウレタンコート剤100g中に固形分が11g含まれていたことを除いて、実施例1と同様の方法で、サンプル2−1〜サンプル2−5としての化粧塗布用パフを製造した。これらの結果を表3にまとめる。
(実施例3)
ウレタンコート剤の希釈液として、ウレタンコート剤50gに蒸留水50gを加えたものを使用した。即ち、希釈後のウレタンコート剤100g中に固形分が27.5g含まれていたことを除いて、実施例1と同様の方法で、サンプル3−1〜サンプル3−5としての化粧塗布用パフを製造した。これらの結果を表4にまとめる。
ウレタンコート剤の希釈液として、ウレタンコート剤50gに蒸留水50gを加えたものを使用した。即ち、希釈後のウレタンコート剤100g中に固形分が27.5g含まれていたことを除いて、実施例1と同様の方法で、サンプル3−1〜サンプル3−5としての化粧塗布用パフを製造した。これらの結果を表4にまとめる。
(実施例4)
<発泡弾性体の準備>
発泡弾性体として、NBRラテックスフォーム((株)ロージーローザ製)を用意した。このNBRラテックスフォームの寸法は、縦が約55mm、横が約44mm、厚みが約6mmであり、密度は、140kg/m3であった。
<ウレタンコート剤の調製>
1000mLのディスポーザブルカップを用意し、これに固形分が30重量%であるウレタンコート剤((株)明成化学工業製、JK−831N)を20g秤量した。次いで、ディスポーザブルカップに蒸留水を80g加えてウレタンコート剤を希釈及び攪拌し、希釈後のウレタンコート剤の重量を100gとした。即ち、希釈後のウレタンコート剤100g中には、固形分が6.0g含まれていた。
<発泡弾性体の準備>
発泡弾性体として、NBRラテックスフォーム((株)ロージーローザ製)を用意した。このNBRラテックスフォームの寸法は、縦が約55mm、横が約44mm、厚みが約6mmであり、密度は、140kg/m3であった。
<ウレタンコート剤の調製>
1000mLのディスポーザブルカップを用意し、これに固形分が30重量%であるウレタンコート剤((株)明成化学工業製、JK−831N)を20g秤量した。次いで、ディスポーザブルカップに蒸留水を80g加えてウレタンコート剤を希釈及び攪拌し、希釈後のウレタンコート剤の重量を100gとした。即ち、希釈後のウレタンコート剤100g中には、固形分が6.0g含まれていた。
上記NBRラテックスフォーム及びウレタンコート剤を使用したことを除いて、実施例2と同様の方法で化粧塗布用パフを製造した。この結果を表5に記載する。
(実施例5)
<発泡弾性体の準備>
発泡弾性体として、SBRラテックスフォーム((株)シャンティ製)を用意した。このSBRラテックスフォームの寸法は、縦が約52mm、横が約43mm、厚みが約6mmであり、密度は、170kg/m3であった。
<ウレタンコート剤の調製>
1000mLのディスポーザブルカップを用意し、これに固形分が30重量%であるウレタンコート剤((株)明成化学工業製、G−3239)を20g秤量した。次いで、ディスポーザブルカップに蒸留水を80g加えてウレタンコート剤を希釈及び攪拌し、希釈後のウレタンコート剤の重量を100gとした。即ち、希釈後のウレタンコート剤100g中には、固形分が6.0g含まれていた。
<発泡弾性体の準備>
発泡弾性体として、SBRラテックスフォーム((株)シャンティ製)を用意した。このSBRラテックスフォームの寸法は、縦が約52mm、横が約43mm、厚みが約6mmであり、密度は、170kg/m3であった。
<ウレタンコート剤の調製>
1000mLのディスポーザブルカップを用意し、これに固形分が30重量%であるウレタンコート剤((株)明成化学工業製、G−3239)を20g秤量した。次いで、ディスポーザブルカップに蒸留水を80g加えてウレタンコート剤を希釈及び攪拌し、希釈後のウレタンコート剤の重量を100gとした。即ち、希釈後のウレタンコート剤100g中には、固形分が6.0g含まれていた。
上記SBRラテックスフォーム及びウレタンコート剤を使用したことを除いて、実施例2と同様の方法で化粧塗布用パフを製造した。この結果を表5に記載する。
(比較例1)
実施例1に記載したのと同様の方法でウレタンフォームを製造した。但し、ウレタンコート剤を塗布せずに、化粧塗布用パフとした。
実施例1に記載したのと同様の方法でウレタンフォームを製造した。但し、ウレタンコート剤を塗布せずに、化粧塗布用パフとした。
(比較例2)
実施例4で用意したのと同様のNBRラテックスフォームを用意した。但し、ウレタンコート剤を塗布せずに、化粧塗布用パフとした。
実施例4で用意したのと同様のNBRラテックスフォームを用意した。但し、ウレタンコート剤を塗布せずに、化粧塗布用パフとした。
(比較例3)
実施例5で用意したのと同様のNBRラテックスフォームを用意した。但し、ウレタンコート剤を塗布せずに、化粧塗布用パフとした。
実施例5で用意したのと同様のNBRラテックスフォームを用意した。但し、ウレタンコート剤を塗布せずに、化粧塗布用パフとした。
(官能評価)
実施例1〜5及び比較例1〜3でそれぞれ製造したサンプルについて、指で擦って触感を評価した。具体的には、改質層形成前と比較して改質層形成後の滑り性が向上したか否かについて、及び、パフの柔らかさを保持していたか否かについて評価した。これらの結果を表6に示す。なお、表6において、「ウレタンコート剤固形分(重量%)」の行には、希釈後のウレタンコート剤に含まれている固形分を重量%で記載している。
実施例1〜5及び比較例1〜3でそれぞれ製造したサンプルについて、指で擦って触感を評価した。具体的には、改質層形成前と比較して改質層形成後の滑り性が向上したか否かについて、及び、パフの柔らかさを保持していたか否かについて評価した。これらの結果を表6に示す。なお、表6において、「ウレタンコート剤固形分(重量%)」の行には、希釈後のウレタンコート剤に含まれている固形分を重量%で記載している。
1.滑り性
○:顕著に向上した。
△:向上した。
−:基準
2.柔らかさ
○:柔らかさを保持していた。
△:少し硬くなったが、実用に差し支えない程度であった。
○:顕著に向上した。
△:向上した。
−:基準
2.柔らかさ
○:柔らかさを保持していた。
△:少し硬くなったが、実用に差し支えない程度であった。
−:基準
(耐摩耗性試験)
上記サンプル1−1、サンプル2−1、サンプル3−1、実施例4、実施例5、及び、比較例1〜3のそれぞれに係る化粧塗布用パフに液状ファンデーション((株)資生堂製 マキアージュ エッセンスリッチ ホワイトリキッド UV)を塗布し、大気中37℃の環境で1週間に亘り放置した。その後、室温に冷却し、手の甲に擦って、各サンプルの表面が破損するまでの回数を計数した。この結果を表6に示す。
(耐摩耗性試験)
上記サンプル1−1、サンプル2−1、サンプル3−1、実施例4、実施例5、及び、比較例1〜3のそれぞれに係る化粧塗布用パフに液状ファンデーション((株)資生堂製 マキアージュ エッセンスリッチ ホワイトリキッド UV)を塗布し、大気中37℃の環境で1週間に亘り放置した。その後、室温に冷却し、手の甲に擦って、各サンプルの表面が破損するまでの回数を計数した。この結果を表6に示す。
表6から、以下のことがわかる。
発泡弾性体としてポリウレタンフォームを使用した実施例1〜5に係る化粧塗布用パフは、塗布したウレタンコート剤に含まれている固形分に関わらず、滑り性が顕著に向上した。固形分を27.5重量%含むウレタンコート剤を使用した実施例3は、パフが少し硬かったが、実施例1及び2に係るパフは、発泡弾性体の柔らかさを保持していた。また、実施例1〜3に係る化粧塗布用パフは、いずれも耐摩耗性が大幅に向上した。実施例4及び実施例5に係る化粧塗布用パフの耐摩耗性は、実施例1〜3ほどではなかったが、向上した。
発泡弾性体としてポリウレタンフォームを使用した実施例1〜5に係る化粧塗布用パフは、塗布したウレタンコート剤に含まれている固形分に関わらず、滑り性が顕著に向上した。固形分を27.5重量%含むウレタンコート剤を使用した実施例3は、パフが少し硬かったが、実施例1及び2に係るパフは、発泡弾性体の柔らかさを保持していた。また、実施例1〜3に係る化粧塗布用パフは、いずれも耐摩耗性が大幅に向上した。実施例4及び実施例5に係る化粧塗布用パフの耐摩耗性は、実施例1〜3ほどではなかったが、向上した。
(化粧塗布用パフの表面及び断面の観察)
まず、実施例2に係る化粧塗布用パフを用意した。更に、実施例6に係る化粧塗布用パフとして、塗布の工程において、フォームの発泡方向へ1往復塗布した後、発泡方向に直交する方向へ1往復塗布した後、再度、フォームの発泡方向へ1往復塗布し、発泡方向に直交する方向へ1往復塗布したこと以外は、実施例2と同様の条件で製造した化粧塗布用パフを用意した。
まず、実施例2に係る化粧塗布用パフを用意した。更に、実施例6に係る化粧塗布用パフとして、塗布の工程において、フォームの発泡方向へ1往復塗布した後、発泡方向に直交する方向へ1往復塗布した後、再度、フォームの発泡方向へ1往復塗布し、発泡方向に直交する方向へ1往復塗布したこと以外は、実施例2と同様の条件で製造した化粧塗布用パフを用意した。
これらパフについて、(株)キーエンス製デジタルマイクロスコープ VHX−1000を用いて、表面及び断面を観察した。図2は、実施例2に係る化粧塗布用パフの表面の顕微鏡写真を示している。図3は、実施例2に係る化粧塗布用パフの断面の顕微鏡写真を示している。図4は、実施例6に係る化粧塗布用パフの表面の顕微鏡写真を示している。図5は、実施例6に係る化粧塗布用パフの断面の顕微鏡写真を示している。
図2から、実施例2に係る化粧塗布用パフの改質層が、主に被膜として形成されていることがわかる。図3から、実施例2に係る化粧塗布用パフの発泡弾性体の表面から140μm程度の深さまで改質層が形成されていることがわかる。図4から、実施例6に係る化粧塗布用パフの表面において、セルにウレタン樹脂が充填し充填物が比較的多く存在していることがわかる。但し、この実施例6に係るパフの滑り性は良好であった。図5から、実施例6に係る化粧塗布用パフの発泡弾性体の表面から195μm程度の深さまで改質層が形成されていることがわかる。このことから、塗布回数を増やしても、改質層が形成される深さにはそれほど影響がないことがわかる。
1…化粧塗布用パフ、2…発泡弾性体、3…改質層、4…ウレタンコート剤部分、41…被膜、42…充填物。
Claims (6)
- 平均セル径が50〜300μmである発泡弾性体と、
改質層とを含み、
前記改質層は、前記発泡弾性体の表面上及び前記発泡弾性体の表面から1000μmの深さまでの範囲内に形成された、ウレタンコート剤部分を含む化粧塗布用パフ。 - 前記ウレタンコート剤部分の少なくとも一部は、前記発泡弾性体の前記表面及びセルの形状に沿って形成されている請求項1に記載の化粧塗布用パフ。
- 前記ウレタンコート剤部分の伸びが500%以上である請求項1又は2に記載の化粧塗布用パフ。
- 密度が60〜300kg/m3である請求項1〜3の何れか1項に記載の化粧塗布用パフ。
- 通気抵抗が2〜250kPa・sec/mである請求項1〜4の何れか1項に記載の化粧塗布用パフ。
- アスカーF硬度が30°〜70°である請求項1〜5の何れか1項に記載の化粧塗布用パフ。
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