JP2017123792A - 植物栽培用磁気シート及び植物の栽培方法 - Google Patents

植物栽培用磁気シート及び植物の栽培方法 Download PDF

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Abstract

【課題】植物の成長を促進させることができ、かつ、作業性に優れた植物栽培用磁気シート及びこの磁気シートを用いた植物の栽培方法を提供する。
【解決手段】支持体と、支持体上に配置され、強磁性粉末及び樹脂を含み、かつ、残留磁化と層の厚みとの積が20mA以上である磁性層と、を有する植物栽培用磁気シート及びこの磁気シートを用いた植物の栽培方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、植物栽培用磁気シート及び植物の栽培方法に関する。
磁力が植物の成長を促進することが知られており、植物の栽培に磁力を利用する方法が提案されている。磁力を利用した植物の栽培方法としては、磁気テープを裁断したチップを混合した土壌、磁気を帯びた砂利を散布した土壌等で植物を栽培する方法が知られている。これらの方法では、土壌汚染を防止する観点から、植物の栽培が終了した後、土壌から磁気テープのチップ等を分離除去する必要がある。しかし、土壌中に混在するチップ等を分離することは困難である。
このような問題を解決する方法として、磁性を付与したシートで被覆した土壌で植物を栽培する方法が知られている。
例えば、特許文献1には、プラスチックに磁性粉末を練り込んで成形したフィルムと補強用の光遮断性フィルムとを貼り合わせた水耕用ベッド積層フィルムが開示されている。
特許文献2には、特定のポリエステルブロック共重合体と磁性粉末とを特定の割合で混合してなるシートが開示されている。
特許文献3には、合成樹脂中に着磁性を有する物質を練り込み、溶融押出しによりシートに加工した植物栽培のための磁性体シートが開示されている。
実開昭60−105142号公報 特開平9−31311号公報 実用新案登録第3010455号公報
ところで、特許文献1〜3に開示されたシートのように、樹脂に磁性粉末を練り込んで形成された磁気シートにおいて、植物の成長促進に十分な磁力を付与するためには、シート中に含まれる樹脂の割合を少なくし、磁性粉末の割合を多くすることが考えられる。しかし、シート中の樹脂の割合を少なくすると、シートの破断強度が低下するため、機械での敷設が困難となり、作業性が悪くなる。また、破断強度が低いシートを水耕栽培に用いると、破断したシートの破片が水の循環系に混入する等、実用上の問題が生じ得る。
本発明は、上記のような事情に鑑みてなされたものであり、以下の目的を達成することを課題とする。
即ち、本発明の目的は、植物の成長を促進させることができ、かつ、作業性に優れた植物栽培用磁気シート及びこの磁気シートを用いた植物の栽培方法を提供することにある。
課題を解決するための具体的手段には、以下の態様が含まれる。
<1> 支持体と、支持体上に配置され、強磁性粉末及び樹脂を含み、かつ、残留磁化と層の厚みとの積が20mA以上である磁性層と、を有する植物栽培用磁気シート。
<2> 磁性層の厚みが0.2μm以上10μm以下である<1>に記載の植物栽培用磁気シート。
<3> 破断強度が20MPa以上であり、かつ、破断伸度が30%以上である<1>又は<2>に記載の植物栽培用磁気シート。
<4> 磁性層の角形比が0.6以上である<1>〜<3>のいずれか1つに記載の植物栽培用磁気シート。
<5> <1>〜<4>のいずれか1つに記載の植物栽培用磁気シートを用いて土壌を被覆する工程と、土壌を被覆した磁気シートに設けられた孔に播種又は苗植する工程と、を含む植物の栽培方法。
<6> <1>〜<4>のいずれか1つに記載の植物栽培用磁気シートを水耕栽培ベッドの底部に敷設する工程と、磁気シートが敷設された水耕栽培ベッドに播種又は苗植する工程と、を含む植物の栽培方法。
<7> <1>〜<4>のいずれか1つに記載の植物栽培用磁気シートを用いて水耕栽培ベッドに供給される水耕液の液面を被覆する工程と、水耕液の液面を被覆した磁気シートに設けられた孔に播種又は苗植する工程と、を含む植物の栽培方法。
本発明によれば、植物の成長を促進させることができ、かつ、作業性に優れた植物栽培用磁気シート及びこの磁気シートを用いた植物の栽培方法が提供される。
試験例1−1、並びに比較試験例1−1及び1−2の方法により土耕栽培した大根の収穫時(播種から2.5ヶ月目)の葉及び根の重量を比較したグラフである。 試験例2−1、並びに比較試験例2−1及び2−2の方法により水耕栽培したカイワレ大根の播種から収穫(播種から7日目)までの発芽率の推移を示したグラフである。 試験例2−1及び2−2、並びに比較試験例2−1及び2−2の方法により水耕栽培したカイワレ大根の収穫時(播種から7日目)の草丈を比較したグラフである。
以下、本発明の具体的な実施形態について詳細に説明するが、本発明は、以下の実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の目的の範囲内において、適宜、変更を加えて実施することができる。
本明細書において「〜」を用いて示された数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を意味する。
本明細書において、組成物中の各成分の量は、組成物中に各成分に該当する物質が複数存在する場合は、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数の物質の合計量を意味する。
本明細書において「工程」との用語は、独立した工程だけではなく、他の工程と明確に区別できない場合であってもその工程の所期の目的が達成されれば、本用語に含まれる。
本明細書において「植物の成長」とは、種の発芽、葉、茎、根等の伸長、果実の成長などを意味する。
[植物栽培用磁気シート]
本発明の植物栽培用磁気シート(以下、適宜「磁気シート」と称する。)は、支持体と、支持体上に配置され、強磁性粉末及び樹脂を含み、かつ、残留磁化(Mr)と層の厚み(t)との積(Mrt)が20mA(2memu/cm)以上である磁性層と、を有する磁気シートである。
本発明の磁気シートは、植物の成長を促進させることができ、かつ、作業性に優れる。
樹脂に磁性粉末を練り込んで形成された従来の磁気シートにおいて、植物の成長促進に十分な磁力を得るためには、シート中に含まれる樹脂の割合を少なくし、磁性粉末の割合を多くすることが考えられる。しかし、シート中の樹脂の割合を少なくすると、シートの破断強度が低下するため、機械での敷設が困難となり、作業性が悪くなるという問題が生じ得る。また、破断強度が低いシートを水耕栽培に用いると、破断したシートの破片が水の循環系に混入するという問題が生じ得る。
本発明の磁気シートは、強磁性粉末及び樹脂を含み、かつ、残留磁化(Mr)と層の厚み(t)との積(Mrt)が20mA(2memu/cm)以上である磁性層を有することで、植物の成長を促進させることができる。また、本発明の磁気シートは、支持体上に、強磁性粉末及び樹脂を含む磁性層が配置された構成を有するため、植物の成長促進に十分な量の磁性粉末を含んでいても、磁性粉末を樹脂に練り込んで形成された従来の磁気シートと比べて、機械的強度が高く、作業性に優れる。
本発明の磁気シートでは、磁性層の残留磁化(Mr)と層の厚み(t)との積(Mrt)が20mA(2memu/cm)以上であり、好ましくは、30mA(3memu/cm)以上である。
磁性層のMrtが20mA(2memu/cm)以上であることにより、磁性シートが植物の成長を促進することができる。
磁性層の残留磁化(Mr)と層の厚み(t)との積(Mrt)の上限は、特に限定されず、例えば、実用性(支持体と磁性層との密着性、コスト高等)の観点から、1200mA(120memu/cm)以下であることが好ましい。
磁性層の残留磁化(Mr)は、振動試料型磁力計を用いて、雰囲気温度25℃の環境下、印加磁場79.6kA/m(10kOe)の条件にて測定された値である。
測定装置としては、例えば、東英工業(株)製のVSM−P7を好適に用いることができる。但し、測定装置は、これに限定されない。
<支持体>
本発明の磁気シートは、支持体を有している。
支持体の形態としては、一般的には、フィルム状又はシート状である。
支持体を構成する材料は、特に限定されず、例えば、ポリエステル[ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート等]、ポリエチレン[直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)等]、ポリプロピレン(PP)、トリアセチルセルロース、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリスルホン、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルスルホンなどの公知の樹脂が挙げられる。
これらの中でも、支持体を構成する材料としては、機械的強度、入手性、取り扱い性、及び汎用性の観点から、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、又はポリエチレンが好ましい。
支持体としては、例えば、上記材料の少なくとも1種を用いて、公知の成膜法(Tダイ法、インフレーション法等)によって成膜したフィルム又はシートを用いてもよいし、上市されている市販品を用いてもよい。
また、支持体は、上記材料の少なくとも1種を用いて成膜されたフィルムを延伸した、一軸延伸フィルム又は二軸延伸フィルムであってもよい。
また、支持体は、2層以上の積層構造を有するものであってもよい。
支持体は、隣接する層、例えば、後述の磁性層との密着性を向上させる観点から、あらかじめ磁性層を形成する方の面に表面処理を施してもよい。
表面処理としては、コロナ放電処理、プラズマ処理、オゾン処理、熱処理等の易接着処理、除塵処理などの公知の表面処理が挙げられる。
〜支持体の物性〜
支持体は、破断強度が20MPa以上であることが好ましく、30MPa以上であることがより好ましい。
支持体の破断強度が20MPa以上であると、支持体が機械的強度を十分に有するため、磁気シートの作業性がより向上する。
支持体の破断強度の上限は、特に限定されず、例えば、裁断加工の観点から、700MPa以下であることが好ましい。
上記の支持体の破断強度は、日本工業規格(JIS K 7161「プラスチック引張特性の試験方法」)に記載の方法に準拠し、引張試験機を用いて、雰囲気温度23℃、相対湿度50%の環境下、引張速度50mm/分の条件にて測定された値である。
測定装置としては、例えば、(株)エー・アンド・デイ製のテンシロン万能材料試験機 RTFシリーズを好適に用いることができる。但し、測定装置は、これらに限定されない。
支持体は、破断伸度が30%以上であることが好ましく、40%以上であることがより好ましい。
支持体の破断伸度が30%以上であると、支持体が機械での敷設に十分な伸度を有するため磁気シートの作業性がより向上する。
支持体の破断伸度の上限は、特に限定されず、例えば、裁断加工の観点から、500%以下であることが好ましい。
上記の支持体の破断伸度は、日本工業規格〔JIS K 6251(2010)〕に記載の方法に準拠し、引張試験機を用いて、雰囲気温度23℃、相対湿度50%の環境下、引張速度50mm/分の条件にて測定された値である。
測定装置としては、例えば、(株)エー・アンド・デイ製のテンシロン万能材料試験機 RTFシリーズを好適に用いることができる。但し、測定装置は、これらに限定されない。
支持体は、作業性により優れる磁気シートを得る観点から、破断強度が20MPa以上であり、かつ、破断伸度が30%以上であることが更に好ましく、破断強度が30MPa以上であり、かつ、破断伸度が40%以上であることが特に好ましい。
〜支持体の厚み〜
支持体の厚みは、特に限定されず、例えば、強度、作業性、及び空気の透過性の観点から、5μm以上100μm以下であることが好ましく、10μm以上60μm以下であることがより好ましい。
<磁性層>
本発明の磁気シートは、強磁性粉末及び樹脂を含み、かつ、残留磁化(Mr)と層の厚み(t)との積(Mrt)が20mA(2memu/cm)以上である磁性層を有している。
本発明の磁気シートにおいて、磁性層は、既述の支持体上に配置されている。
本発明の磁気シートでは、植物の成長を効率良く促進させる観点から、磁性層が最外層であることが好ましい。
(強磁性粉末)
磁性層は、強磁性粉末の少なくとも1種を含む。
強磁性粉末としては、特に限定されず、例えば、鉄(Fe)等の強磁性を示す金属、これらの金属を含む合金又は化合物(マグネタイト、六方晶フェライト等)の粉末が挙げられる。
これらの中でも、強磁性粉末としては、Fe、Feを主成分とする合金、及びFeを主成分とする化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。ここで、「主成分」とは、合金又は化合物の構成比率で50質量%以上含む成分を意味する。
強磁性粉末は、磁化及び保磁力の向上又は調整、耐久性の改善等の観点から、Fe等の強磁性を示す金属以外に、Al、Si、S、Sc、Ti、V、Cu、Y、Mo、Rh、Pd、Ag、Sn、Sb、Te、Ba、Ta、W、Re、Au、Bi、La、Ce、Pr、Nd、P、Zn、Sr、B等の元素を含んでいてもよい。
また、強磁性粉末は、酸化減磁を防止する観点から、表面に酸化膜を有していることが好ましい。
強磁性粉末の粒子形状は、特に限定されず、例えば、針状、紡錘状、球状、板状、立方体状等の形状が挙げられる。これらの中でも、強磁性粉末の粒子形状としては、保磁力確保の観点から、針状であることが好ましい。
強磁性粉末の大きさは、特に限定されない。
例えば、強磁性粉末の粒子形状が針状である場合、短軸の長さに対する長軸の長さの割合(長軸の長さ/短軸の長さ)の平均は、2〜20であることが好ましい。
ここでいう「長軸」とは、粉末粒子の3次元空間における3つの軸(x軸、y軸、及びz軸)の中で最も長い軸を意味し、「短軸」とは、最も短い軸を意味する。
上記平均は、500個の粒子について測定し、これらの平均を求めた値をいう。
強磁性粉末の粒子の平均長軸長は、0.01μm以上であることが好ましく、0.02μm以上であることがより好ましい。
強磁性粉末の粒子の平均長軸長が0.01μm以上であると、単位質量あたりの飽和磁化(δs)が十分に大きくなり、また、強磁性粉末の粒子が十分に配向して残留磁束密度(Br)が高くなるため、より少ない量で所望の磁化量、即ち、植物の成長に十分な量の磁化量を得ることができる。
強磁性粉末の粒子の平均長軸長の上限は、特に限定されず、例えば、1.0μm以下であることが好ましい。
上記の強磁性粉末の粒子の短軸及び長軸の長さは、以下の方法により測定された値である。強磁性粉末の粒子を、透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて観察し、得られた像を画像処理ソフトImageJに取り込み、画像処理を施す。数視野のTEM像から任意に抽出した500個の粒子に関して画像解析を行い、円相当径を算出する。これらの母集団に基づき統計処理を行う。
強磁性粉末の保磁力(Hc)は、24kA/m〜239kA/m(≒300Oe〜3000Oe、1Oe=1/4πkA/m、以下同様。)であることが好ましく、48kA/m〜199kA/m(≒600Oe〜2500Oe)であることがより好ましい。
上記の強磁性粉末の保磁力(Hc)は、試料振動型磁力計を用いて、雰囲気温度25℃の環境下、印加磁場79.6kA/m(10kOe)の条件にて測定された値である。
測定装置としては、例えば、東英工業(株)製のVSM−P7を好適に用いることができる。但し、測定装置は、これに限定されない。
単位質量あたりの強磁性粉末の飽和磁化(δs)は、40Am/kg(40emu/g)以上であることが好ましく、80Am/kg(80emu/g)以上であることがより好ましい。
強磁性粉末の飽和磁化(δs)が40Am/kg(40emu/g)以上であると、より少ない量で所望の磁化量、即ち、植物の成長に十分な量の磁化を得ることができる。
強磁性粉末の飽和磁化(δs)の上限は、特に限定されず、例えば、180Am/kg(180emu/g)以下であることが好ましい。
上記の強磁性粉末の飽和磁化(δs)は、試料振動型磁力計を用いて、雰囲気温度25℃の環境下、印加磁場79.6kA/m(10kOe)の条件にて測定された値である。
測定装置としては、例えば、東英工業(株)製のVSM−P7を好適に用いることができる。但し、測定装置は、これに限定されない。
強磁性粉末としては、上市されている市販品を用いてもよい。また、強磁性粉末は、公知の製造方法により得られたものを用いてもよい。
強磁性粉末を製造する方法としては、(1)強磁性を示す金属を複合有機酸(主にシュウ酸塩)及び水素等の還元性の気体で還元する方法、(2)酸化鉄を水素等の還元性の気体で還元する方法、(3)金属カルボニル化合物を熱分解する方法、(4)強磁性を示す金属の水溶液に水素化ホウ素ナトリウム、次亜リン酸塩、ヒドラジン等の還元剤を添加して強磁性を示す金属を還元する方法、(5)強磁性を示す金属を低圧の不活性気体中で蒸発させて微粉末を得る方法などが挙げられる。
このようにして得られた強磁性粉末は、(1)有機溶剤に浸漬した後、乾燥させる方法、(2)有機溶剤に浸漬した後、酸素含有ガスを送り込んで表面に酸化膜を形成した後、乾燥させる方法、(3)有機溶剤を用いないで、酸素ガス及び不活性ガスの分圧を調整して、表面に酸化皮膜を形成する方法などの公知の徐酸化処理を施した後、用いてもよい。
磁性層における強磁性粉末の含有量は、特に限定されず、例えば、磁性層の磁化を高め、植物の成長をより促進させる観点から、磁性層に含まれる全固形分量に対して、30質量%以上であることが好ましく、50質量%以上であることがより好ましい。
磁性層における強磁性粉末の含有量の上限は、特に限定されず、例えば、磁性層の膜強度の観点から、90質量%以下であることが好ましい。
(樹脂)
磁性層は、樹脂の少なくとも1種を含む。
樹脂としては、特に限定されず、例えば、従来公知の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、電子線硬化性樹脂、及びこれらの混合物のいずれを用いてもよい。
熱可塑性樹脂としては、塩化ビニル、酢酸ビニル、ビニルアルコール、マレイン酸、アクリル酸、アクリル酸エステル、塩化ビニリデン、アクリロニトリル、メタクリル酸、メタクリル酸エステル、スチレン、ブタジエン、エチレン、ビニルブチラール、ビニルアセタール、ビニルエーテル等を構成単位として含む重合体又は共重合体、ウレタン樹脂、各種ゴム系樹脂等が挙げられる。
熱可塑性樹脂としては、好ましくは、ガラス転移温度(Tg)が−100℃〜150℃であり、数平均分子量(Mn)が1000〜200000(より好ましくは10000〜100000)であり、重合度が50〜1000である。
上記の熱可塑性樹脂のガラス転移温度(Tg)は、示差走査熱量計(DSC)を用いて測定された値である。
上記の熱可塑性樹脂の数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定されたポリスチレン換算の値である。なお、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)による測定方法は、後述の樹脂の重量平均分子量の測定方法と同様であるため、ここでは説明を省略する。
熱硬化性樹脂としては、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン硬化型樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アルキド樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ/ポリアミド樹脂等が挙げられる。
上記の樹脂については、朝倉書店発行の「プラスチックハンドブック」に詳細に記載されている。また、これらの樹脂の例とその製造方法については特開昭62−256219号公報に詳細に記載されている。
なお、樹脂としては、上市されている市販品を用いてもよい。
本発明の磁気シートを、水と接触する環境下で使用する場合には、磁性層に含まれる樹脂としては、水不溶性樹脂が好ましい。樹脂が水不溶性樹脂であると、磁性層に含まれる強磁性粉末による土壌又は水の汚染を防止することができる。
ここで、「水不溶性樹脂」とは、105℃で2時間乾燥させた後、25℃の蒸留水に浸漬した場合の、蒸留水100gに対する溶解量が1g以下である樹脂を意味する。
このような観点から、樹脂としては、塩化ビニル樹脂、ウレタン樹脂、ポリスチレン、ポリエチレン、及びニトロセルロースからなる群より選ばれる少なくとも1種であることが好ましく、弾力性を有し、より作業性に優れる磁気シートを実現し得る点において、ウレタン樹脂がより好ましい。
ウレタン樹脂としては、例えば、ポリエステルポリウレタン、ポリエーテルポリウレタン、ポリエーテルポリエステルポリウレタン、ポリカーボネートポリウレタン、ポリエステルポリカーボネートポリウレタン、ポリカプロラクトンポリウレタンポリオレフィンポリウレタン等の構造を有するウレタン樹脂を用いることができる。
樹脂としては、強磁性粉末粒子の分散性の観点から、必要に応じて、−COOM、−SOM、−OSOM、−P=O(OM)、−O−P=O(OM)(以上、Mは、水素原子又はアルカリ金属原子を示す。)、−OH、−NR、−N(以上、Rは、炭化水素基を示す。)、エポキシ基、−SH、−CN等からなる群より選ばれる少なくとも1種の極性基を共重合又は付加反応で導入した樹脂が好ましい。このような極性基の量は、10−8モル/g〜10−1モル/gであることが好ましく、10−6モル/g〜10−2モル/gであることがより好ましい。
樹脂の重量平均分子量は、塗膜の耐久性及び強磁性粉末粒子の分散性の観点から、好ましくは10000以上200000以下であり、より好ましくは30000以上150000以下である。
上記の樹脂の重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定されたポリスチレン換算の値である。
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)による測定は、測定装置として、HLC(登録商標)−8020GPC(東ソー(株))を用い、カラムとして、TSKgel(登録商標)Super Multipore HZ−H(4.6mmID×15cm、東ソー(株))を3本用い、溶離液として、THF(テトラヒドロフラン)を用いる。また、測定条件としては、試料濃度を0.45質量%、流速を0.35ml/min、サンプル注入量を10μl、及び測定温度を40℃とし、RI検出器を用いて行う。
検量線は、東ソー(株)の「標準試料TSK standard,polystyrene」:「F−40」、「F−20」、「F−4」、「F−1」、「A−5000」、「A−2500」、「A−1000」、及び「n−プロピルベンゼン」の8サンプルから作製する。
磁性層における樹脂の含有量は、特に限定されず、例えば、膜強度の観点から、強磁性粉末の含有量に対して、5質量%〜50質量%であることが好ましく、10質量%〜30質量%であることがより好ましい。
(その他の成分)
磁性層は、既述の強磁性粉末及び樹脂以外に、本発明の効果を損なわない範囲において、必要に応じて、カーボンブラック、潤滑剤、研磨剤等の他の成分を含んでいてもよい。
〜磁性層の物性〜
磁性層の角形比(SQ)は、特に限定されず、例えば、植物の成長をより促進させる観点から、0.6以上であることが好ましく、0.7以上であることがより好ましい。
上記の磁性層の角形比(SQ)は、試料振動型磁力計を用いて、雰囲気温度25℃の環境下、印加磁場79.6kA/m(10kOe)の条件にて測定された値である。
測定装置としては、例えば、東英工業(株)製のVSM−P7を好適に用いることができる。但し、測定装置は、これに限定されない。
磁性層の保磁力(Hc)は、24kA/m〜239kA/m(≒300Oe〜3000Oe、1Oe=1/4πkA/m、以下同様。)であることが好ましく、48kA/m〜199kA/m(≒600Oe〜2500Oe)であることがより好ましい。
上記の磁性層の保磁力(Hc)は、試料振動型磁力計を用いて、雰囲気温度25℃の環境下、印加磁場79.6kA/m(10kOe)の条件にて測定された値である。
測定装置としては、例えば、東英工業(株)製のVSM−P7を好適に用いることができる。但し、測定装置は、これに限定されない。
磁性層の着磁量は、特に限定されず、例えば、植物の成長をより促進させる観点から、50mT(500G、1mT=10G、以下同様。)以上であることが好ましく、100mT(1000G)以上であることがより好ましい。
磁性層の着磁量の上限は、特に限定されず、例えば、400mT(4000G)以下であることが好ましい。
〜磁性層の厚み〜
磁性層の厚みは、特に限定されず、例えば、0.2μm以上10μm以下であることが好ましく、0.5μm以上5μm以下であることがより好ましい。
磁性層の厚みが0.2μm以上であると、強磁性粉末をより多く含むことができ、十分な磁力が得られるため、植物の成長を促進させる効果を十分に得ることができる。
磁性層の厚みが10μm以下であると、支持体との密着性が十分に得られ、磁気シートの敷設中に磁性層が剥離するという問題が生じ難い。
<その他の層>
本発明の磁気シートは、既述の支持体及び磁性層以外に、本発明の効果を損なわない範囲において、必要に応じて、その他の層を有していてもよい。
本発明の磁気シートは、例えば、支持体と磁性層との間に下塗り層を有していてもよい。支持体と磁性層との間に下塗り層を有することにより、支持体と磁性層との密着性を向上させることができる。
下塗り層を形成する材料としては、例えば、ポリエステル樹脂が挙げられる。
下塗り層の厚みは、特に限定されず、例えば、0.01μm〜0.3μmであることが好ましく、0.05μm〜0.2μmであることがより好ましい。
〔磁気シートの物性〕
磁気シートの破断強度は、20MPa以上であることが好ましく、30MPa以上であることがより好ましい。
磁気シートの破断強度が20MPa以上であると、機械的強度を十分に有するため、作業性がより向上する。
磁気シートの破断強度の上限は、特に限定されず、例えば、裁断加工の観点から、700MPa以下であることが好ましい。
上記の磁気シートの破断強度の測定方法は、既述の支持体の破断強度の測定方法と同様であるため、ここでは説明を省略する。
磁気シートの破断伸度は、30%以上であることが好ましく、40%以上であることがより好ましい。
磁気シートの破断伸度が30%以上であると、機械での敷設に十分な伸度を有するため、作業性がより向上する。
磁気シートの破断伸度の上限は、特に限定されず、例えば、裁断加工の観点から、500%以下であることが好ましい。
上記の磁気シートの破断伸度の測定方法は、既述の支持体の破断伸度の測定方法と同様であるため、ここでは説明を省略する。
磁気シートは、作業性の観点から、破断強度が20MPa以上であり、かつ、破断伸度が30%以上であることが好ましく、破断強度が30MPa以上であり、かつ、破断伸度が40%以上であることがより好ましい。
磁気シートは、波長600nmの光に対する透過率が3%以下であることが好ましく、1.5%以下であることがより好ましい。
磁気シートの波長600nmの光に対する透過率が3%以下であると、土壌を被覆して植物を栽培した場合に、雑草が生えるのを効果的に防止することができる。
上記の磁気シートの光透過率は、分光光度計を用いて、雰囲気温度23℃、相対湿度50%の環境下にて測定された値である。
〔磁気シートの厚み〕
磁気シートの厚みは、特に限定されず、例えば、8μm以上100μm以下であることが好ましく、10μm以上60μm以下であることがより好ましい。
磁気シートの厚みが8μm以上であると、十分な強度を得ることができるため、作業性がより向上する。
磁性シートの厚みが100μm以下であると、磁気シート自体の重さによる作業性の低下を抑制することができる。また、植物の成長に必要な空気の透過を妨げ難い。
〔その他〕
磁気シートには、播種又は苗植のための孔が設けられていてもよい。
孔の大きさは、特に限定されず、例えば、植物の種又は苗の大きさによって、適宜設定することができる。植物の成長促進の観点からは、孔の大きさは、植物の成長に必要な量の水を植物の種又は根に行き渡らせることができる程度の大きさであることが好ましい。
[磁気シートの製造方法]
本発明の磁気シートは、支持体上に、強磁性粉末及び樹脂を含む磁性層を形成することにより製造することができる。
支持体上に磁性層を形成する方法としては、例えば、コスト、量産性、及び設備の簡便性の観点から、支持体上に、強磁性粉末及び樹脂を適当な溶剤に分散させた塗布液を塗布した後、乾燥させる塗布法が好ましい。また、強磁性粉末を樹脂に練り込んで形成された、従来の磁気シートでは、強磁性粉末の粒子がランダムに並ぶが、磁性層を塗布により形成すると、強磁性粉末の粒子を一定の方向に並ばせることができるため、より高い磁化を有する磁気シートを実現することができる。
本発明の磁気シートの製造方法の一例を説明する。本発明の磁気シートは、例えば、下記の方法により製造することができる。但し、本発明の磁気シートの製造方法は、これに限定されるものではない。
本実施形態の磁気シートの製造方法(以下、「本実施形態の製造方法」ともいう。)は、支持体上に、強磁性粉末及び樹脂を含む磁性層形成用塗布液を塗布し、塗布膜を形成する第1の工程と、形成された塗布膜に対して磁場配向処理を施す第2の工程と、磁場配向処理が施された塗布膜を乾燥させる第3の工程と、を有する。
以下、本実施形態の製造方法における各工程について、詳細に説明する。
なお、工程で用いる成分の具体例及び好ましい態様については、上述の磁気シートの項に記載したとおりであるため、ここでは説明を省略する。
<第1の工程>
第1の工程は、支持体上に、強磁性粉末及び樹脂を含む磁性層形成用塗布液を塗布し、塗布膜を形成する工程である。
磁性層形成用塗布液は、強磁性粉末及び樹脂以外に、必要に応じて、有機溶媒、潤滑剤等の他の成分を含んでもよい。
有機溶媒としては、特に限定されず、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン、イソホロン、テトラヒドロフラン等のケトン類、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、イソブチルアルコール、イソプロピルアルコール、メチルシクロヘキサノール等のアルコール類、酢酸メチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸イソプロピル、乳酸エチル、酢酸グリコール等のエステル類、グリコールジメチルエーテル、グリコールモノエチルエーテル、ジオキサン等のグリコールエーテル類、ベンゼン、トルエン、キシレン、クレゾール、クロルベンゼン等の芳香族炭化水素類、メチレンクロライド、エチレンクロライド、四塩化炭素、クロロホルム、エチレンクロルヒドリン、ジクロルベンゼン等の塩素化炭化水素類、N,N−ジメチルホルムアミド、ヘキサンなどが挙げられる。
磁性層形成用塗布液は、例えば、強磁性粉末及び樹脂、並びに、必要に応じて、有機溶媒等の他の成分を混合又は混練し、得られた混合物又は混練物に対して分散処理を施すことにより調製することができる。
磁性層形成用塗布液における強磁性粉末及び樹脂の含有量は、最終的に形成される磁性層における強磁性粉末及び樹脂の含有量が、上述の磁気シートの項に記載の量となるように、それぞれ調整すればよい。
磁性層形成用塗布液における有機溶媒の含有量は、特に限定されず、例えば、磁性層形成用塗布液に配合される成分の種類、量等により、適宜選択される。
混合又は混練する各成分は、単に混合又は混練すればよく、全ての成分を一度に混合又は混練してもよいし、各成分をいくつかに分けて混合又は混練してもよい。
混合の方法としては、特に限定されず、例えば、撹拌による混合が挙げられる。
また、混練の方法としては、特に限定されず、連続ニーダ、加圧ニーダ等による混練が挙げられる。なお、混練の詳細については、特開平1−106338号公報及び特開昭64−79274号公報の記載を参照することができる。
混合物又は混練物に対しては、分散処理を施す。分散処理を施すことで、強磁性粉末が樹脂中に均一に分散され、磁性層を形成した場合に強磁性粉末の分布の偏りが生じ難い。
分散処理の方法としては、特に限定されず、例えば、分散機による分散処理が挙げられる。
分散機としては、高速回転分散機、媒体撹拌型分散機(ビーズミル、ボールミル、サンドミル等)、超音波分散機、コロイドミル分散機、高圧分散機などの公知の各種分散機が挙げられる。
これらの中でも、分散処理の方法としては、分散効率の観点から、ビーズミルを用いた方法が好ましい。
磁性層形成用塗布液を塗布する方法としては、特に限定されず、ドクター法、コイルバー法、ナイフコート法、ロールコート法、スプレーコート法、グラビアコート法、バーコート法、カーテンコート法等の公知の塗布方法を用いることができる。
<第2の工程>
第2の工程は、形成された塗布膜に対して磁場配向処理を施す工程である。
磁場配向処理の方法としては、特に限定されず、着磁コイル(例えば、ソレノイド)、永久磁石(例えば、コバルト磁石)等を用いる公知の方法が挙げられる。
磁場配向処理では、例えば、配向性向上の観点から、同極対向させた、永久磁石とソレノイドとを併用することが好ましい。
<第3の工程>
第3の工程は、配向処理が施された塗布膜を乾燥させる工程である。
配向処理が施された塗布膜は、減率乾燥を示すようになるまで乾燥される。
乾燥手段としては、公知の乾燥手段を用いることができ、例えば、自然乾燥、加熱乾燥、熱風乾燥、真空乾燥等が挙げられる。
塗布膜の乾燥温度及び乾燥時間は、特に限定されず、目的に応じて、適宜設定される。
<その他の工程>
本実施形態の製造方法は、必要に応じて、第1の工程、第2の工程、及び第3の工程以外の他の工程を有していてもよい。
他の工程としては、支持体上に下塗り層を形成する工程、磁性層に対してカレンダー処理を施す工程、カレンダー処理後の磁性層に対して熱処理を施す工程等が挙げられる。
支持体上に下塗り層を形成する工程は、第1の工程の前に行われる。
支持体と磁性層との下塗り層を形成することで、支持体と磁性層との密着性が向上し、機械的強度が高く、作業性により優れる磁気シートを得ることができる。
下塗り層は、支持体上に、ポリエステル樹脂等の下塗り層を形成する材料を含む下塗り層形成用塗布液を塗布し、乾燥させることにより形成することができる。
磁性層に対してカレンダー処理を施すことで、磁性層の表面平滑性が向上するとともに、乾燥時の有機溶媒の除去によって生じた空孔が消滅し、磁性層中の強磁性粉末の充填率が向上する。
カレンダー処理の手段としては、各種金属ロールの他、エポキシ樹脂、ポリイミド、ポリアミド、ポリイミドアミド等の耐熱性を有する樹脂材料で形成されたプラスチックロールなどが挙げられる。
[植物の栽培方法]
本発明の植物の栽培方法は、既述の植物栽培用磁気シートを用いて植物を栽培する方法であり、植物の成長を促進することができれば、磁気シートの使用態様は特に限定されない。磁気シートは、土壌栽培及び水耕栽培のいずれの栽培にも用いることができる。
本発明の栽培方法を適用できる植物は、特に限定されず、土壌又は水耕液に播種又は苗植することによって栽培される植物であればよい。
植物としては、大根、カイワレ大根、白菜、青梗菜、キャベツ、ブロッコリー等のアブラナ科、レタス、ヨモギ、ゴボウ、春菊等のキク科、サツマイモ、アサガオ、ヒルガオ、エンサイ等のヒルガオ科、セロリ、パセリ等のセリ科、イネ、小麦、トウモロコシ等のイネ科、イチゴ等のバラ科、キュウリ、カボチャ、メロン、スイカ等のウリ科、トマト、ナス、ピーマン、ジャガイモ等のナス科、タマネギ、アスパラガス等のユリ科、マメ科などの植物が挙げられる。
以下、本発明の磁気シートを用いた植物の栽培方法の好ましい例を示す。但し、本発明の植物の栽培方法は、これらの方法に限定されるものではない。
本発明の植物の栽培方法の1つは、既述の植物栽培用磁気シートを用いて土壌を被覆する工程(以下、適宜「被覆工程」と称する。)と、上記土壌を被覆した磁気シートに設けられた孔に播種又は苗植する工程(以下、適宜「播種又は苗植工程」と称する。)と、を含む植物の栽培方法(以下、適宜「第1の方法」と称する。)である。
第1の方法は、磁気シートを植物の土耕栽培に用いる場合の好ましい態様である。
第1の方法では、土壌に播いた種の発芽率が向上したり、土壌に植えた苗の草丈の伸長率が向上したりする等、植物の成長が促進されるため、植物の生産性が良い。
<被覆工程>
第1の方法における被覆工程は、磁気シートを用いて土壌を被覆する工程である。
本発明の磁気シートは、機械的強度が高く、土壌を被覆する際に機械の使用が可能であるため、作業性が良い。
磁気シートに含まれる強磁性粉末の種類にもよるが、磁気シートを用いて土壌を被覆することで、植物の成長を妨げる雑草の成長を抑制し得る。
<播種又は苗植工程>
第1の方法における播種又は苗植工程は、土壌を被覆した磁気シートに設けられた孔に播種又は苗植する工程である。
磁気シートの孔は、被覆工程の前に予め設けられていてもよいし、被覆工程の後に設けてもよく、作業効率の観点から、被覆工程の前に予め設けられていることが好ましい。
播種又は苗植の方法は、特に限定されず、植物の種類に応じて、適宜選択することができる。
また、本発明の植物の栽培方法の1つは、既述の植物栽培用磁気シートを水耕栽培ベッドの底部に敷設する工程(以下、適宜「敷設工程」と称する。)と、上記磁気シートが敷設された水耕栽培ベッドに播種又は苗植する工程(以下、適宜「播種又は苗植工程」と称する。)と、を含む植物の栽培方法(以下、適宜「第2の方法」と称する。)である。
第2の方法は、磁気シートを植物の水耕栽培に用いる場合の好ましい態様である。
第2の方法では、水耕栽培ベッドに播いた種の発芽率が向上したり、水耕栽培ベッドに植えた苗の草丈の伸長率が向上したりする等、植物の成長が促進されるため、植物の生産性が良い。
<敷設工程>
第2の方法における敷設工程は、磁気シートを水耕栽培ベッドの底部に敷設する工程である。
ここで、「水耕栽培ベッドの底部に敷設する」とは、水耕栽培ベッドの底部の一部又は全体に敷くことを意味し、水耕栽培ベッドの底部の全体に敷くことが特に好ましい。
本発明の磁気シートは、機械的強度が高く、水耕栽培ベッドの底部に敷設する際に機械の使用が可能であるため、作業性が良い。
<播種又は苗植工程>
第2の方法における播種又は苗植工程は、磁気シートが敷設された水耕栽培ベッドに播種又は苗植する工程である。
播種又は苗植の方法は、特に限定されず、植物の種類に応じて、適宜選択することができる。
また、本発明の植物の栽培方法の1つは、既述の植物栽培用磁気シートを用いて水耕栽培ベッドに供給される水耕液の液面を被覆する工程(以下、適宜「被覆工程」と称する。)と、上記水耕液の液面を被覆した磁気シートに設けられた孔に播種又は苗植する工程(以下、適宜「播種又は苗植工程」と称する。)と、を含む植物の栽培方法(以下、適宜「第3の方法」と称する。)である。
第3の方法は、磁気シートを植物の水耕栽培に用いる場合の好ましい別の態様である。
第3の方法では、第2の方法と同様に、水耕栽培ベッドに播いた種の発芽率が向上したり、水耕栽培ベッドに植えた苗の草丈の伸長率が向上したりする等、植物の成長が促進されるため、植物の生産性が良い。
<被覆工程>
第3の方法における被覆工程は、磁気シートを用いて水耕栽培ベッドに供給される水耕液の液面を被覆する工程である。
ここで、「水耕栽培ベッドに供給される水耕液の液面を被覆する」とは、水耕栽培ベッドに供給される水耕液の液面の一部又は全体を覆うことを意味し、水耕液の液面の全体を覆うことが特に好ましい。
本発明の磁気シートは、機械的強度が高く、水耕栽培ベッドに供給される水耕液の液面を被覆する際に機械の使用が可能であるため、作業性が良い。
<播種又は苗植工程>
第3の方法における播種又は苗植工程は、水耕液の液面を被覆した磁気シートに設けられた孔に播種又は苗植する工程である。
磁気シートの孔は、被覆工程の前に予め設けられていてもよいし、被覆工程の後に設けてもよく、作業効率の観点から、被覆工程の前に予め設けられていることが好ましい。
播種又は苗植の方法は、特に限定されず、植物の種類に応じて、適宜選択することができる。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明する。本発明はその主旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
本実施例において、磁気シートの破断強度、破断伸度、及び波長600nmにおける光透過率については、既述の方法により測定した。
また、本実施例において、磁気シートにおける磁性層の保磁力(Hc)、角形比(SQ)、残留磁化(Mr)、着磁量、並びに磁性層に含まれる樹脂の物性〔ガラス転移温度及び重量平均分子量〕についても、既述の方法により測定した。
[磁気シートの作製]
<実施例1>
強磁性粉末〔磁性鉄粉、形状:針状、平均長軸長:0.25μm、飽和磁化(δs):0.13A・m(130emu/g)、保磁力(Hc):135.3kA/m(1700Oe)〕100質量部と、固形分換算で20質量部の樹脂〔ウレタン樹脂、商品名:バイロン(登録商標)UR8300、ガラス転移温度:32℃、重量平均分子量:5万、東洋紡(株)製〕とを混合し、得られた混合物にメチルエチルケトン(MEK)を加えて、固形分濃度を35質量%に調整した。得られた混合液に対して、ビーズミルを用いて3時間分散処理を施した後、ろ過し、磁性層形成用塗布液を得た。
次いで、樹脂〔ポリエステル、商品名:バイロン(登録商標)800、重量平均分子量:1万、東洋紡(株)製〕20質量部と、メチルエチルケトン(MEK)100質量部とを混合し、下塗り層形成用塗布液を得た。
支持体〔ポリエチレンテレフタレート(PET)、厚み:14μm、破断強度:260MPa、破断伸度:60%〕上に、コイルバー法により、乾燥後の厚みが0.1μmとなるように、下塗り層形成用塗布液を塗布した後、得られた塗布膜を乾燥した。
次いで、支持体上に形成された下塗り層の面上に、ドクター法により、乾燥後の厚みが3μmとなるように、磁性層形成用塗布液を塗布した。
得られた塗布膜を、湿潤状態を示している間に、同極対向の永久磁石間を通過させ、次いで、塗布方向と同一方向に磁束を発する同極対向のソレノイド間を通過させ、塗布膜に含まれる強磁性粉末の粒子を塗布方向に配向させ後、乾燥し、実施例1の磁気シートを得た。
得られた実施例1の磁気シートの、破断強度は290MPaであり、破断伸度は60%であり、波長600nmにおける光透過率は0.12%であった。
実施例1の磁気シートにおける磁性層の、残留磁化(Mr)と層の厚み(t)との積(Mrt)は540mA(54memu/cm)であり、保磁力(Hc)は137.2kA/m(≒1720Oe)であり、角形比(SQ)は0.825であり、着磁量は230mT(2300G)であった。
<実施例2>
強磁性粉末として〔磁性鉄粉、形状:針状、平均長軸長:0.12μm、飽和磁化(δs):0.125A・m(125emu/g)、保磁力(Hc):175.5kA/m(2200Oe)〕100質量部と、固形分換算で20質量部の樹脂〔ウレタン樹脂、商品名:バイロン(登録商標)UR8300、ガラス転移温度:32℃、重量平均分子量:5万、東洋紡(株)製〕とを混合し、得られた混合物にメチルエチルケトン(MEK)を加えて、固形分濃度を35質量%に調整した。得られた混合液に対して、ビーズミルを用いて3時間分散処理を施した後、ろ過し、磁性層形成用塗布液を得た。
次いで、樹脂〔ポリエステル、商品名:バイロン(登録商標)800、重量平均分子量:1万、東洋紡(株)製〕20質量部と、メチルエチルケトン(MEK)100質量部と、カーボンブラック20質量部とを混合し、得られた混合液に対して、ビーズミルを用いて3時間分散処理を施し、下塗り層形成用塗布液を得た。
支持体〔ポリエチレンテレフタレート(PET)、厚み:14μm、破断強度:260MPa、破断伸度:60%〕上に、コイルバー法により、乾燥後の厚みが1μmとなるように、下塗り層形成用塗布液を塗布した後、得られた塗布膜を乾燥した。
次いで、支持体上に形成された下塗り層の面上に、ドクター法により、乾燥後の厚みが0.12μmとなるように、磁性層形成用塗布液を塗布した。
得られた塗布膜を、湿潤状態を示している間に、同極対向の永久磁石間を通過させ、次いで、塗布方向と同一方向に磁束を発する同極対向のソレノイド間を通過させ、塗布膜に含まれる強磁性粉末の粒子を塗布方向に配向させた後、乾燥し、実施例2の磁気シートを得た。
得られた実施例2の磁気シートの、破断強度は290MPaであり、破断伸度は60%であり、波長600nmにおける光透過率は2.4%であった。
実施例2の磁気シートにおける磁性層の、残留磁化(Mr)と層の厚み(t)との積(Mrt)は22mA(2.2memu/cm)であり、保磁力(Hc)は183.5kA/m(≒2300Oe)であり、角形比(SQ)は0.84であり、着磁量は210mT(2100G)であった。
<比較例1>
強磁性粉末〔バリウムフェライト(BaFe)、形状:板状、平均板径:0.3μm、飽和磁化(δs):0.048A・m(48emu/g)、保磁力(Hc):167.5kA/m(2100Oe)〕100質量部と、固形分換算で20質量部の樹脂〔ウレタン樹脂、商品名:バイロン(登録商標)UR8300、ガラス転移温度:32℃、重量平均分子量:5万、東洋紡(株)製〕とを混合し、得られた混合物にメチルエチルケトン(MEK)を加えて、固形分濃度を35質量%に調整した。得られた混合液に対して、ビーズミルを用いて3時間分散処理を施した後、ろ過し、磁性層形成用塗布液を得た。
次いで、樹脂〔ポリエステル、商品名:バイロン(登録商標)800、重量平均分子量:1万、東洋紡(株)製〕20質量部と、メチルエチルケトン(MEK)100質量部と、カーボンブラック20質量部とを混合し、得られた混合液に対して、ビーズミルを用いて3時間分散処理を施し、下塗り層形成用塗布液を得た。
支持体〔ポリエチレンテレフタレート(PET)、厚み:14μm、破断強度:260MPa、破断伸度:60%〕上に、コイルバー法により、乾燥後の厚みが1μmとなるように、下塗り層形成用塗布液を塗布した後、得られた塗布膜を乾燥した。
次いで、支持体上に形成された下塗り層の面上に、ドクター法により、乾燥後の厚みが0.1μmとなるように、磁性層形成用塗布液を塗布した。
得られた塗布膜を、湿潤状態を示している間に、同極対向の永久磁石間を通過させ、次いで、塗布方向と同一方向に磁束を発する同極対向のソレノイド間を通過させ、塗布膜に含まれる強磁性粉末の粒子を塗布方向に配向させた後、乾燥し、比較例1の磁気シートを得た。
得られた比較例1の磁気シートの、破断強度は290MPaであり、破断伸度は60%であり、波長600nmにおける光透過率は3.6%であった。
比較例1の磁気シートにおける磁性層の、残留磁化(Mr)と層の厚み(t)との積(Mrt)は2.8mA(0.28memu/cm)であり、保磁力(Hc)は183.5kA/m(≒2300Oe)であり、角形比(SQ)は0.55であり、着磁量は57mT(570G)であった。
<比較例2>
離型紙上に、ドクター法により、乾燥後の厚みが18μmとなるように、実施例1で得られた磁性層形成用塗布液を塗布した。
得られた塗布膜を、湿潤状態を示している間に、同極対向の永久磁石間を通過させ、次いで、塗布方向と同一方向に磁束を発する同極対向のソレノイド間を通過させ、塗布膜に含まれる強磁性粉末の粒子を塗布方向に配向させた。配向後の塗布膜を25℃の環境下で30分間乾燥した後、離型紙を剥離し、比較例2の磁気シートを得た。
得られた比較例2の磁気シートの、破断強度は150MPaであり、破断伸度は0.1%であり、波長600nmにおける光透過率は0.05%であった。
比較例2の磁気シートにおける磁性層の、残留磁化(Mr)と層の厚み(t)との積(Mrt)は320mA(3200memu/cm)であり、保磁力(Hc)は134kA/m(≒1680Oe)であり、角形比(SQ)は0.78であり、着磁量は210mT(2100G)であった。
[植物の栽培試験]
〔実験1:大根の栽培〕
<試験例1−1>
耕した土壌に、土壌1mあたり堆肥600g及び化学肥料20gを施肥した。次いで、実施例1の磁気シートを用いて、磁性層が形成された面と土壌とが接するように、施肥した土壌を被覆した。次いで、磁気シートに直径約5cmの孔を設け、設けた孔1つに対して、市販の大根(三浦大根)の種を5〜8粒播いた。発芽後、適宜間引きを行い、1本立ちさせた。1本立ちさせた後は、2週間に1度、化学肥料を1株あたり5gずつ追肥した。播種から2.5ヶ月後に12本の大根を収穫し、収穫した大根の葉及び根の重量を測定した。なお、重量の測定値及び平均値は、小数点以下1桁目を四捨五入した値とした。
<比較試験例1−1>
試験例1−1において、実施例1の磁気シートの代わりに、市販のポリマルチシート(商品名:黒マルチ、積水フィルム(株)製)を用いたこと以外は、試験例1−1と同様にして、大根を栽培した。播種から2.5ヶ月後に、12本の大根を収穫し、収穫した大根の葉及び根の重量を測定した。
<比較試験例1−2>
試験例1−1において、実施例1の磁気シートを用いなかったこと以外は、試験例1−1と同様にして、大根を栽培した(所謂、露地栽培)。播種から2.5ヶ月後に、12本の大根を収穫し、収穫した大根の葉及び根の重量を測定した。
<比較試験例1−3>
試験例1−1において、実施例1の磁気シートの代わりに、比較例2の磁気シートを用いたところ、敷設する際に磁気シートが破断したため、大根の栽培を行わなかった。
収穫した大根の葉及び根の重量を試験例毎に比較したグラフを図1に示す。なお、図1中の「AVG」は、収穫した大根12本の平均重量(単位:g)を意味する。
また、各試験例において収穫した大根12本の平均重量(単位:g)の比較を表1に示す。
表1における「−」は、該当する項目がないことを意味する。
図1及び表1に示すように、試験例1−1の大根の葉及び根の重量は、比較試験例1−1の大根の葉及び根の重量と比較して重く、比較試験例1−2の大根の葉及び根の重量と比較して顕著に重かった。特に、大根の根の重量において顕著な差が認められた。
以上の結果より、実施例1の磁気シートは、大根の成長促進に寄与することが明らかとなった。
〔実験2:カイワレ大根の栽培〕
<試験例2−1>
直径10cmのシャーレの底部に、実施例1の磁気シートを磁性層が上になるように敷設した。次いで、磁気シートの磁性層の上に、脱脂綿を厚みが約2mmとなるように敷き詰めた後、脱脂綿が浸るまで水を注いだ。水に浸った脱脂綿の上に、市販のカイワレ大根の種(検定発芽率:85%)を120粒播いた。播種したシャーレは、2日間暗所に置いて発芽させた後、明所に移動させ、徒長させた。栽培は無施肥にて行い、水は適宜追加した。播種から7日目までの間、1日1回発芽率を確認した。播種から7日後にカイワレ大根を収穫し、草丈を測定した。
<試験例2−2>
試験例2−1において、実施例1の磁気シートの代わりに、実施例2の磁気シートを用いたこと以外は、試験例2−1と同様にして、カイワレ大根を栽培した。また、試験例2−1と同様に、発芽率の確認及び草丈の測定を行った。
<比較試験例2−1>
試験例2−1において、実施例1の磁気シートの代わりに、比較例1の磁気シートを用いたこと以外は、試験例2−1と同様にして、カイワレ大根を栽培した。また、試験例2−1と同様に、発芽率の確認及び草丈の測定を行った。
<比較試験例2−2>
試験例2−1において、実施例1の磁気シートを用いなかったこと以外は、試験例2−1と同様にして、カイワレ大根を栽培した。また、試験例2−1と同様に、発芽率の確認及び草丈の測定を行った。
<比較試験例2−3>
試験例2−1において、実施例1の磁気シートの代わりに、比較例2の磁気シートを用いたところ、シャーレの底部に敷設する際に磁気シートが破断したため、カイワレ大根の栽培を行わなかった。
収穫したカイワレ大根の発芽率の推移を試験例毎に比較したグラフを図2に示し、収穫したカイワレ大根の草丈を試験例毎に比較したグラフを図3に示す。
また、各試験例において収穫したカイワレ大根の草丈(単位:mm)の平均値及び発芽率の比較を表2に示す。なお、草丈の平均値及び発芽率は、小数点以下2桁目を四捨五入した値とした。
表2における「−」は、該当する項目がないことを意味する。
図2及び表2に示すように、試験例2−1のカイワレ大根の発芽率は、比較試験例2−1のカイワレ大根の発芽率と比較して高く、比較試験例2−2のカイワレ大根の発芽率と比較して顕著に高かった。
また、図3及び表2に示すように、試験例2−1及び試験例2−2のカイワレ大根の草丈の平均値は、比較試験例2−1及び比較試験例2−2のカイワレ大根の草丈の平均値と比較して顕著に長かった。
以上の結果より、実施例1及び実施例2の磁気シートは、カイワレ大根の成長促進に寄与することが明らかとなった。

Claims (7)

  1. 支持体と、
    前記支持体上に配置され、強磁性粉末及び樹脂を含み、かつ、残留磁化と層の厚みとの積が20mA以上である磁性層と、
    を有する植物栽培用磁気シート。
  2. 前記磁性層の厚みが0.2μm以上10μm以下である請求項1に記載の植物栽培用磁気シート。
  3. 破断強度が20MPa以上であり、かつ、破断伸度が30%以上である請求項1又は請求項2に記載の植物栽培用磁気シート。
  4. 前記磁性層の角形比が0.6以上である請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の植物栽培用磁気シート。
  5. 請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の植物栽培用磁気シートを用いて土壌を被覆する工程と、
    前記土壌を被覆した磁気シートに設けられた孔に播種又は苗植する工程と、
    を含む植物の栽培方法。
  6. 請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の植物栽培用磁気シートを水耕栽培ベッドの底部に敷設する工程と、
    前記磁気シートが敷設された水耕栽培ベッドに播種又は苗植する工程と、
    を含む植物の栽培方法。
  7. 請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の植物栽培用磁気シートを用いて水耕栽培ベッドに供給される水耕液の液面を被覆する工程と、
    前記水耕液の液面を被覆した磁気シートに設けられた孔に播種又は苗植する工程と、
    を含む植物の栽培方法。
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